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特許7549580判定システム、サーバ、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】判定システム、サーバ、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20240904BHJP
【FI】
G06Q30/018
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021537576
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2020013613
(87)【国際公開番号】W WO2021024545
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】62/882,763
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田見 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】飯田 奈穂実
(72)【発明者】
【氏名】木下 剛
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173812(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0310453(US,A1)
【文献】特開2019-008620(JP,A)
【文献】特開2018-036680(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107146090(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の第1識別コードおよび前記第1識別コードと紐付けられた物品情報をデータベースとして記憶する記憶部と、
第1情報通信端末から送信される第2識別コードを受信する受信部と、
第1判定および第2判定を含む判定処理に基づき判定結果を生成する判定部と、
前記判定結果を前記第1情報通信端末に送信する送信部と、を含み、
前記物品情報は、前記判定処理で用いられるパラメータを含み、
前記第1判定は、前記第2識別コードが前記データベースの前記第1識別コードと一致するか否かを判定し、
前記第2判定は、前記パラメータが設定条件を満たすか否かを判定し、
前記パラメータは、判定回数および同じロット番号における判定回数の平均値を含み、
前記設定条件は、前記判定回数と前記平均値との差が所定の値以下である、判定システム。
【請求項2】
前記第2判定において、前記パラメータが前記設定条件を満たさないとき、アラートを含む前記判定結果が生成される、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記物品情報は、さらに、前記物品の製造工程における製造情報を含む、請求項1に記載の判定システム。
【請求項4】
前記製造情報は、前記物品の色、材質、形状、大きさ、重量、型番、および検査情報、ならびに前記物品の写真の少なくとも1つを含む、請求項に記載の判定システム。
【請求項5】
前記受信部は、さらに、前記第1情報通信端末から送信される製造情報を受信し、
前記判定部は、さらに、第3判定を含む前記判定処理に基づき前記判定結果を生成し、
前記第3判定は、受信した前記製造情報が前記データベースの前記物品情報に含まれる製造情報と一致するか否かを判定する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項6】
前記物品情報は、さらに、前記物品の流通工程における入出荷情報を含む、請求項1に記載の判定システム。
【請求項7】
前記物品情報は、さらに、前記物品の販売工程における販売情報を含む、請求項1に記載の判定システム。
【請求項8】
前記判定結果は、前記物品情報の少なくとも一部を含む、請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の判定システム。
【請求項9】
前記受信部は、さらに、前記第1情報通信端末に入力されたユーザ情報を前記第2識別コードとともに受信する、請求項1に記載の判定システム。
【請求項10】
さらに、前記第1情報通信端末と異なる第2情報通信端末から送信される検索情報に基づき検索結果を生成する処理部を含み、
前記検索情報は、前記パラメータに関する情報である、請求項1に記載の判定システム。
【請求項11】
前記判定結果は、判定サイトを介して前記第1情報通信端末のユーザに提供され、
前記判定サイトには、前記物品と関連する商品、または前記物品と関連する商品のURL情報が表示されている、請求項1に記載の判定システム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の判定システムの前記記憶部、前記受信部、前記判定部、および前記送信部を含む、サーバ。
【請求項13】
第1情報通信端末から送信される第2識別コードを受信し、
前記第2識別コードをデータベースと照合して、前記第2識別コードが前記データベース内の物品の第1識別コードと一致するか否かの第1判定を行い、
前記データベース内の前記第1識別コードに紐付けられた物品情報に含まれるパラメータが設定条件を満たすか否かの第2判定を行い、
前記第1判定および前記第2判定に基づき判定結果を生成し、
前記判定結果を前記第1情報通信端末に送信する、ことをコンピュータに実行させ、
前記パラメータは、判定回数および同じロット番号における判定回数の平均値を含み、
前記設定条件は、前記判定回数と前記平均値との差が所定の値以下である、プログラム。
【請求項14】
前記第2判定において、前記パラメータが前記設定条件を満たさないとき、アラートを含む前記判定結果を生成する、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記物品情報は、さらに、前記物品の製造工程における製造情報を含む、請求項13に記載のプログラム。
【請求項16】
前記製造情報は、前記物品の色、材質、形状、大きさ、重量、型番、および検査情報、ならびに前記物品の写真の少なくとも1つを含む、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
さらに、前記第1情報通信端末から送信される製造情報が前記データベースの前記物品情報に含まれる製造情報と一致するか否かの第3判定を行い、
前記判定結果は、さらに、前記第3判定に基づいて生成される、請求項13に記載のプログラム。
【請求項18】
前記物品情報は、さらに、前記物品の流通工程における入出荷情報を含む、請求項13に記載のプログラム。
【請求項19】
前記物品情報は、さらに、前記物品の販売工程における販売情報を含む、請求項13に記載のプログラム。
【請求項20】
前記判定結果は、前記物品情報の少なくとも一部を含む、請求項15乃至請求項19のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項21】
さらに、前記第1情報通信端末に入力されたユーザ情報を前記第2識別コードとともに受信する、ことをコンピュータに実行させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項22】
さらに、前記第1情報通信端末と異なる第2情報通信端末から送信される検索情報に基づき検索結果を生成する、ことをコンピュータに実行させ、
前記検索情報は、前記パラメータに関する情報である、請求項13に記載のプログラム。
【請求項23】
前記判定結果は、判定サイトを介して前記第1情報通信端末に送信され、
前記判定サイトには、前記物品と関連する商品、または前記物品と関連する商品のURL情報が表示されている、請求項13に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の判定を行う判定システムに関する。また、判定システムに係る判定装置、判定方法、および判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業者によって製造された製品は、一定の品質をもって市場に流通されるため、ユーザは、信頼した製造業者から安心して製品を購入することができる。製造業者もまた、製品を購入するユーザの信頼を確保するために、製品の品質を落とさないように努力する。しかしながら、製造業者の製造した製品(正規品)以外に、他業者が製造した粗悪な製品(模造品)が市場に流通する場合がある。この場合、製造業者は、ユーザの信頼を損なうだけでなく、製品(正規品)の売り上げが減少するなどの影響を受ける。そのため、製造業者は、正規品と模造品とを区別できるようにする必要がある。
【0003】
正規品と模造品とを区別できるようにする方法の一つとして、例えば、正規品にバーコードを用いたシリアル番号を付し、そのシリアル番号を流通経路管理データベースと照合することにより真贋判定を行う判定システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-299179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単にシリアル番号を照合するだけでは、正規品に付されたシリアル番号と模造品に付された偽造、もしくは複製されたされたシリアル番号とを区別することができないため、製品の真贋判定における判定精度に問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑み、高い判定精度で物品の真贋判定を行うことのできる判定システム、判定装置、判定方法、および判定プログラムを提供することを課題の一つとする。また、本発明は、物品に付された識別ラベルの偽造を防止する判定システム、判定装置、判定方法、および判定プログラムを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る判定システムは、物品の判定を行い、判定結果を生成する管理サーバと、物品の識別コードおよび物品情報を管理サーバに送信する第1情報通信端末と、物品の識別コードを管理サーバに送信し、判定結果を受信する第2情報通信端末と、を含み、管理サーバは、識別コードおよび物品情報を受信する受信部と、第1情報通信端末から送信された識別コードと物品情報とを紐付ける処理部と、紐付けられた識別コードと物品情報をデータベースとして記憶する記憶部と、第2情報通信端末から送信された識別コードをデータベースと照合する第1判定を行い、照合された識別コードに紐付けられた物品情報に含まれるパラメータの数値と設定値とを比較する判定する第2判定を行い、第1判定および第2判定に基づいて判定結果を生成する判定部と、判定結果を前記第2情報通信端末に送信する送信部と、を含む。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る判定システムは、物品の判定を行い、判定結果を生成する管理サーバと、物品の識別コードを管理サーバに送信し、判定結果を受信する第2情報通信端末と、を含み、管理サーバは、識別コードと、識別コードに紐付けられた物品情報をデータベースとして記憶する記憶部と、第2情報通信端末から送信された識別コードをデータベースと照合する第1判定を行い、照合された識別コードに紐付けられた物品情報に含まれるパラメータの数値と設定値とを比較する第2判定を行い、第1判定および第2判定に基づいて判定結果を生成する判定部と、判定結果を第2情報通信端末に送信する送信部と、を含む。
【0009】
第2情報通信端末は、識別コードを読み取るための読取装置を具備してもよい。また、読取装置は、物品に付されたURL情報を読み取り、第2情報通信端末が判定サイトへアクセスすることを可能にしてもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る判定装置は、物品の識別コードを受信する受信部と、識別コードと、識別コードに紐付けられた物品情報をデータベースとして記憶する記憶部と、受信された識別コードをデータベースと照合する第1判定を行い、照合された識別コードに紐付けられた物品情報に含まれるパラメータの数値と設定値とを比較する第2判定を行い、第1判定および第2判定に基づいて判定結果を生成する判定部と、判定結果を送信する送信部と、を含む。
【0011】
また、本発明の一実施形態に係る判定装置は、物品の識別コードをデータベースと照合する第1判定を行い、データベース内で照合された識別コードに紐付けられた物品情報に含まれるパラメータの数値と設定値とを比較する第2判定を行い、第1判定および前記第2判定に基づいて判定結果を生成する。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係るプログラムは、物品の判定を行う判定装置で実行されるプログラムであって、判定装置に、物品の識別コードをデータベースと照合する第1判定を行わせ、データベース内で照合された識別コードに紐付けられた物品情報に含まれるパラメータの数値と設定値とを比較する第2判定を行わせ、第1判定および第2判定に基づいて判定結果を生成させる。
【0013】
判定結果には、第2判定に基づいて算出された第1判定の信用度が含まれていてもよい。
【0014】
第2判定において、パラメータの数値が、設定値を超えるとき、アラートを含む判定結果が生成されてもよい。パラメータは、判定回数、販売回数、および販売日からの期間の中から選ばれた1つまたは複数であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る判定システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る判定システムで利用される識別ラベルの例示である。
図3】本発明の一実施形態に係る判定システムの製造情報の登録処理のフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る判定システムの入出荷情報および販売情報の登録処理を示す構成図である。
図5】本発明の一実施形態に係る判定システムの物品における物品情報の紐付けを示す構成図である。
図6】本発明の一実施形態に係る判定システムの第2情報通信端末の照会処理のフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る判定システムの第2情報通信端末の照会処理のフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る判定システムの第2情報通信端末の照会処理のフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係る判定システムの第2情報通信端末の照会処理のフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態に係る判定システムを利用した第2情報通信端末による判定状況の監視のフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバにおける判定処理のフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバにおける判定処理のフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバにおける判定処理のフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバにおける判定処理のフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係る判定システムの物品の判定におけるフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態に係る判定システムで利用するスマートフォンの表示画面である。
図17】本発明の一実施形態に係る判定システムで利用するスマートフォンの表示画面である。
図18】本発明の一実施形態に係る判定システムで利用するスマートフォンの表示画面である。
図19】本発明の一実施形態に係る判定システムの物品の判定におけるフローチャートである。
図20】本発明の一実施形態に係る判定システムの第1情報通信端末の表示画面である。
図21】本発明の一実施形態に係る判定システムの第2情報通信端末における照会処理の表示画面である。
図22】本発明の一実施形態に係る判定システムの第2情報通信端末における照会処理の表示画面である。
図23】本発明の一実施形態に係る判定システムの構成を示す一例である。
図24】本発明の一実施形態に係る判定システムの構成を示す一例である。
図25】本発明の一実施形態に係る判定システムの構成を示す一例である。
図26】本発明の一実施形態に係る判定システムの構成を示す一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0017】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0018】
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これら複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、さらに大文字または小文字のアルファベットを添えて表記する。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる。
【0019】
本明細書において、「データベース」とは、蓄積された情報であって、処理部での処理(例えば、情報の追加、削除、検索など)をすることができるようにデータとして管理されるものをいう。また、「レコード」とは、データベースを構成する単位の一つであって、管理される対象の1件分の情報が含まれる。なお、レコードに含まれる情報は、1つの項目だけでなく、複数の項目が含まれていてもよい。
【0020】
本明細書において、「物品」とは、製品だけでなく、商品も含む。なお、商品にはサービスが含まれるものとする。
【0021】
<第1実施形態>
図1図14を用いて、本発明の一実施形態に係る判定システム10について説明する。
【0022】
[1.判定システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の構成図である。図1に示すように、判定システム10は、管理サーバ100、第1情報通信端末200、第2情報通信端末300、およびネットワーク400を含む。管理サーバ100と第1情報通信端末200とは、ネットワーク400を介して通信接続される。また、管理サーバ100と第2情報通信端末300とは、ネットワーク400を介して通信接続される。
【0023】
管理サーバ100は、物品700に付された識別コード800と物品情報900とを紐付ける処理を行うことができる。また、管理サーバ100は、紐付けられた識別コード800および物品情報900をデータベースとして記憶し、データベースを基に識別コード800または物品情報900を検索することができる。また、管理サーバ100は、識別コード800を基にした物品700の判定処理を行うことができる。すなわち、管理サーバ100は、識別コード800および物品情報900をデータベースとして登録しておき、物品700に付された識別コード800をデータベースで検索することによって、物品700の判定処理を行うことができる。そのため、管理サーバ100は、判定システム10における判定装置ということもできる。
【0024】
識別コード800は、物品700を特定するために、物品700の各々に付される。例えば、第1物品710には第1識別コード810が付され、第1物品710と異なる第2物品720には第1識別コード810と異なる第2識別コード820が付される。なお、本明細書において識別コードを特に区別しない場合は、識別コード800として説明するものとする。
【0025】
識別コード800は、直接的に物品700に付されてもよく、間接的に物品700に付されていてもよい。間接的に物品700に識別コード800を付す例としては、物品700のパッケージに識別コード800を付す場合、または識別ラベル500に識別コード800を設け、識別ラベル500を物品700に取り付ける場合であるが、これらに限られない。識別コード800は、物品700を特定することができる態様で付されていればよい。
【0026】
なお、本明細書において、物品700に直接的に識別コード800を付す場合、およびパッケージまたは識別ラベル500を介して物品700に間接的に識別コード800を付す場合を含めて、物品700に識別コード800を付すとして記載する。
【0027】
以下では、図2を用いて、識別ラベル500について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る判定システム10で利用される識別ラベル500の例示である。
【0028】
図2(A)に示す識別ラベル500Aは、シート501上に文字列503が形成されている。シート501は、例えば、紙、フィルム、またはガラスなどを用いることができる。文字列503は、数字またはアルファベットの組合せを組み合わせた文字とすることができるが、文字列503の構成はこれに限られない。文字列503は、例えば、ひらがな、カタカナ、または漢字などの日本語の文字、外国語の文字、記号、もしくはカラーコードを組み合わせた文字とすることもできる。また、文字列503は、シート501上に印刷されていてもよく、金型などを用いて凹凸状に形成されていてもよい。
【0029】
なお、印刷を用いて文字列503を形成する場合、印字手段として、例えば、凸版方式、平版方式、凹版方式、孔版方式、電子写真方式、インクジェット方式、またはレーザ方式などを用いることができるが、これらに限られない。また、文字列503の印刷に当たっては、活版インク、平版インク、スクリーンインク、熱硬化インク、紫外線硬化インク、磁性インク、またはUV蛍光インクなどを用いることができるが、これに限られない。
【0030】
識別ラベル500Aは、さらに、透かし、ホログラム、またはトラストグラム(登録商標)などの光学部511を形成することもできる。
【0031】
識別ラベル500Aは、文字列503の部分を保護するために、保護層が設けられていてもよく、ラミネート加工されていてもよい。さらに、識別ラベル500Aを物品700に付すため、識別ラベル500Aの裏面(文字列503が形成された面と反対側の面)に粘着剤が形成されていてもよい。
【0032】
判定システム10では、識別ラベル500の文字列503を識別コード800として利用することができる。すなわち、文字列503を、物品700の各々に割り当てられる識別コード800として利用することができる。識別コード800は、ランダムに生成されてもよく、シリアルに生成されてもよい。複数の物品700の各々が特定できるように、識別コード800は物品700ごとに異なる文字が割り当てられる。また、図2(A)に示す文字列503は、13桁の文字で表示されているが、識別コード800の桁数はこれに限られない。識別コード800の桁数は、物品700の製造数などに合わせて適宜決定することができる。
【0033】
さらに、文字列503は、物品700の識別コード800だけでなく、物品700の判定を行うための判定サイトのURLを含んでいていてもよい。文字列503にURLを含むことで、例えば、OCR(Optical Character Recognition)リーダを用いて、物品700の識別コード800の読み取りと同時に、判定サイトへのアクセスが可能となる。
【0034】
図2(B)に示す識別ラベル500Bは、文字列503に加えて、RFID(Radio Frequency Identifier)505が形成されている。RFID505には、文字列503と同じ識別コード800が含まれている。そのため、識別ラベル500Bでは、RFIDリーダなどの読取装置を用いて、RFID505から識別コード800を読み取ることができる。また、RFID505には、管理サーバ100に通信接続して物品700の判定を行うための判定サイトのURLを含むこともできる。RFID505に判定サイトのURLが含まれることで、RFID505の読み取りと同時に判定サイトへのアクセスも可能となる。
【0035】
図2(C)に示す識別ラベル500Cは、文字列503に加えて、バーコード507が形成されている。バーコード507には、文字列503と同じ識別コード800が含まれている。そのため、識別ラベル500Cでは、バーコードリーダなどの読取装置を用いて、バーコード507から識別コード800を読み取ることができる。また、バーコード507には、管理サーバ100に通信接続して物品700の判定を行うための判定サイトのURLを含むこともできる。バーコード507に判定サイトのURLが含まれることで、バーコード507の読み取りと同時に判定サイトへのアクセスも可能となる。
【0036】
図2(D)に示す識別ラベル500Dは、文字列503に加えて、QRコード(登録商標)(Quick Response Code)509が形成されている。QRコード509には、文字列503と同じ識別コード800が含まれている。そのため、識別ラベル500Dでは、QRコードリーダなどの読取装置を用いて、QRコード509から識別コード800を読み取ることができる。また、QRコード509には管理サーバ100に通信接続して物品700の判定を行うための判定サイトのURLを含むこともできる。QRコード509に判定サイトのURLが含まれることで、QRコード509の読み取りと同時に判定サイトへのアクセスも可能となる。
【0037】
なお、図2(D)では、QRコード509を用いる構成を説明したが、QRコードに限定されず、あらゆる2次元バーコードを用いることができる。
【0038】
識別ラベル500B、500C、および500Dは、それぞれ、文字列503と同じ識別コード800がRFID505、バーコード507、およびQRコード509に含まれているため、識別ラベル500B、500C、および500Dは、文字列503を形成しない構成とすることもできる。
【0039】
図2では、識別ラベル500として、識別ラベル500A~500Dを例示したが、識別ラベル500の構成はこれに限られない。識別ラベル500は、複数の物品700の各々に付すことができ、複数の物品700の各々を特定することができる識別コード800を含むものであればよい。
【0040】
再び図1に戻り、管理サーバ100について説明する。管理サーバ100は、判定部110、記憶部120、処理部130、受信部140、および送信部150を含む。
【0041】
管理サーバ100は、例えば、コンピュータである。また、管理サーバ100は、1台のコンピュータであってもよく、複数のコンピュータであってもよい。管理サーバ100は、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、NAND型フラッシュメモリ、またはNOR型フラッシュメモリなど電子デバイスを含むことができる。
【0042】
受信部140は、第1情報通信端末200から、識別コード800または物品情報900を受信することができる。処理部130は、識別コード800と物品情報900とを紐付ける処理を行うことができる。また、処理部130は、識別コード800の受信回数をカウントすることにより判定回数に関する情報を生成することができる。さらに、処理部130は、管理サーバ100へのアクセス元のIPアドレスを解析することにより、アクセス元の国に関する情報を生成することもできる。なお、判定回数に関する情報またはアクセス元の国に関する情報も物品情報900に含まれる。したがって、処理部130は、識別コード800と受信した物品情報900との紐付け処理を行うだけでなく、識別コード800と生成した物品情報900との紐付け処理を行うこともできる。記憶部120は、識別コード800および物品情報900を記憶することができる。記憶部120では、これらの情報をデータベースとして記憶することもできる。判定部110は、所定の判定条件に従った判定処理を行い、判定結果を生成することができる。送信部150は、第2情報通信端末300に、判定結果を送信することができる。
【0043】
判定システム10では、識別コード800を用いて物品700を特定し、物品700の判定を行うことができる。上述したように、管理サーバ100には、識別コード800だけでなく、物品700に関する様々な物品情報900が登録されている。したがって、判定システム10における物品700の判定とは、物品700の真贋判定だけでなく、物品700の物品情報900の特定など、物品700に関する情報を得ることも含む。
【0044】
続いて、第1情報通信端末200および第2情報通信端末300について説明する。
【0045】
第1情報通信端末200および第2情報通信端末300の各々は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据置情報通信端末、もしくは携帯電話、タブレット、またはスマートフォンなどの携帯情報通信端末を用いることができる。また、第1情報通信端末200および第2情報通信端末300は、識別コード800の読取装置、例えば、カメラ、OCRリーダ、バーコードリーダ、またはQRコードリーダなどを含むことができる。
【0046】
判定システム10では、第1情報通信端末200を用いて、物品700に付された識別コード800および物品情報900を管理サーバ100に登録することができる。具体的には、識別コード800および物品情報900が第1情報通信端末200に入力され、または第1情報通信端末200が物品700に付された識別コード800を読み取る。第1情報通信端末200は、ネットワーク400を介して、識別コード800および物品情報900を管理サーバ100に送信する。送信された識別コード800および物品情報900は、管理サーバ100の処理部130で紐付け処理が行われ、記憶部120に記憶される。
【0047】
第1情報通信端末200は、複数の据置情報通信端末または携帯情報通信端末とすることもできる。例えば、物品700に付された識別コード800の読み取りには、第1据置情報通信端末を利用し、物品700の物品情報900の入力には、第1据置情報通信端末とは異なる第2据置情報通信端末を利用することもできる。
【0048】
判定システム10では、第2情報通信端末300を用いて、識別コード800を基にした物品700の判定を行うことができる。具体的には、識別コード800が第2情報通信端末300に入力され、または第2情報通信端末300が識別コード800を読み取る。第2情報通信端末300は、ネットワーク400を介して、識別コード800を管理サーバ100に送信する。管理サーバ100による判定処理が行われた後、第2情報通信端末300は判定結果を受信し、第2情報通信端末300の画面に判定結果を表示することができる。
【0049】
第2情報通信端末300は、複数の据置情報通信端末または携帯情報通信端末とすることもできる。例えば、物品700を購入した第1ユーザが携帯情報通信端末を利用して識別コード800が付された物品700の真贋判定を行い、または物品700を製造した第2ユーザ(例えば、製造業者)が据置情報通信端末を利用して物品700または識別コード800を監視することができる。
【0050】
ネットワーク400は、例えば、イントラネットまたはインターネットであり、管理サーバ100、第1情報通信端末200、および第2情報通信端末300の設置場所によってネットワークの種類を変えることができる。例えば、管理サーバ100が管理業者に、第1情報通信端末200が物品700の製造業者に、そして、第2情報通信端末300が物品700を購入したユーザに設置されている場合、ネットワーク400は、インターネットを用いて、各々の情報通信端末を通信接続することができる。また、管理サーバ100および第1情報通信端末200が製造業者に、そして第2情報通信端末300が物品700を購入したユーザに設置されている場合、ネットワーク400は、管理サーバ100と第1情報通信端末200との間はイントラネットを用いて、管理サーバ100と第2情報通信端末300との間はインターネットを用いて、各々の情報通信端末を通信接続することができる。
【0051】
以上、本実施形態に係る判定システム10の構成について説明したが、判定システム10の構成はこれに限られない。判定システム10は、管理サーバ100を含み、第1情報通信端末200および第2情報通信端末300を含まない構成とすることができる。また、判定システム10は、管理サーバ100および第1情報通信端末200を含み、第2情報通信端末300を含まない構成とすることもできる。判定システム10に管理サーバ100が含まれていれば、物品700に付された識別コード800の登録処理を行った後で、物品700の判定処理を行い、判定結果を提供することが可能である。
【0052】
また、判定システム10は、第1情報通信端末200を含み、管理サーバ100および第2情報通信端末300を含まない構成とすることができる。第1情報通信端末200にインストールされ、第1情報通信端末200上で動作するプログラムを用いて、物品700の識別コード800の登録処理を行うことが可能である。さらに、判定システム10は、第2情報通信端末300を含み、管理サーバ100および第1情報通信端末200を含まない構成とすることもできる。第2情報通信端末300にインストールされ、第2情報通信端末300上で動作するプログラムを用いて、物品700の物品情報または判定結果を受け取ることが可能である。
【0053】
判定システム10では、識別コード800および物品情報900の登録処理と、識別コード800を基にした判定処理と、を行うことができる。主に、登録処理は管理サーバ100と第1情報通信端末200とを用いて行われ、判定処理は管理サーバ100と第2情報通信端末300とを用いて行われる。以下では、判定システム10の構成を、登録処理と判定処理とに分けてさらに詳細に説明する。
【0054】
[2.登録処理]
物品700の物品情報900は様々な情報を含むことができる。物品情報900として、例えば、物品700の製造工程における製造情報、物品700の流通工程における入出荷情報、または物品700の販売工程における販売情報などを含むことができる。そこで、以下では、図3を用いて、製造情報の登録処理について説明する。また、図4および図5を用いて、それそれ、入出荷情報および販売情報の登録処理について説明する。
【0055】
図3は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の製造情報の登録処理のフローチャートである。具体的には、図3は、物品700が製造される工場において、工場に設置された第1情報通信端末200を利用して物品700の製造情報を登録する登録処理のフローチャートである。
【0056】
図3に示す製造工程では、物品700の製造が終了した後に、第1情報通信端末200に物品700の製造ロット番号を入力する(ステップS110)。また、物品700を流通および販売するために物品700の出荷先を入力し(ステップS111)、物品700の製品名を入力し(ステップS112)、および物品700を梱包する集合箱の集合箱番号を入力する(ステップS113)。また、物品700を集合箱に梱包する際、第1情報通信端末200に物品700の識別コード800を入力する(ステップS114)。物品情報900に含まれる製造情報として製造ロット番号、出荷先、製品名、および集合箱番号、ならびに識別コード800は、第1情報通信端末200からネットワーク400を介して管理サーバ100に送信される(ステップS115)。また、管理サーバ100では、識別コード800および製造情報が紐付けられて登録される。具体的には、管理サーバ100において、処理部130が識別コード800と製造情報を紐づけ、紐付けられた情報が記憶部120に記憶される。なお、製造情報は、上述したものに限られない。製造情報として、例えば、物品700の色、材質、形状、大きさ、重量、型番、または検査情報、もしくは物品700の写真などを含むこともできる。
【0057】
第1情報通信端末200において、製造情報および識別コード800の入力の順序は、図3に示すフローチャートに限られない。入力の順序は、適宜入れ替えることができる。また、製造情報および識別コード800の入力は、製造工程の各々で行うこともでき、物品700の完成後に一括して行うこともできる。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の入出荷情報および販売情報の登録処理を示す構成図である。図4では、流通工程の工場出荷時、流通中継地点、および現地代理店において、入出荷情報が登録される。また、販売工程の販売店において、販売情報が登録される。
【0059】
流通工程では、複数の物品700が集合箱に梱包され、集合箱単位で流通されているため、集合箱番号に対して入出荷情報を登録することができる。すなわち、流通工程の各拠点において、第1情報通信端末200が設置され、第1情報通信端末200を用いて入出荷情報が入力される。具体的には、工場出荷時では、集合箱番号を読み取り、その読み取られた集合箱番号に対して第1出荷日が入力される(ステップS120)。流通中継地点では、集合箱番号を読み取り、その読み取られた集合箱番号に対して第2出荷日が入力される(ステップS130)。現地代理店では、集合箱番号を読み取り、その読み取られた集合箱番号に対して入荷日が入力される(ステップS140)。なお、入力された第1出荷日、第2出荷日、および入荷日は、管理サーバ100に送信され、管理サーバ100に登録される。
【0060】
一方、販売工程では、販売店において物品700が集合箱から取り出され、物品700ごとに販売される。第1物品710が販売された場合、第1情報通信端末200を用いて、第1物品710に付された第1識別コード810を読み取り、その読み取られた第1識別コード810に対して第1販売日が入力される(ステップS150)。また、第2物品720が販売された場合、第1情報通信端末200を用いて、第2物品720に付された第2識別コード820を読み取り、その読み取られた第2識別コード820に対して第2販売日が入力される(ステップS160)。なお、販売情報は、物品700の販売日に限られない。販売情報として、例えば、物品700を購入したユーザの情報などを含むこともできる。
【0061】
識別コード800と物品情報900(製造情報、入出荷情報、および販売情報)との紐付けを整理すると、図5に示す通りとなる。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の物品700における物品情報900の紐付けを示す構成図である。流通工程において、集合箱番号に対して第1出荷日、第2出荷日、および入荷日が紐付けられるが、第1物品710および第2物品720は同じ集合箱番号が登録されているため、結局のところ、第1物品710に付された第1識別コード810および第2物品720に付された第2識別コード820の各々に、第1出荷日、第2出荷日、および入荷日の入出荷情報が紐付けられる。一方、販売工程においては、第1物品710および第2物品720が個別に販売され、第1物品710に付された第1識別コード810に対して第1出荷日が、第2物品720に付された第2識別コード820に対して第2出荷日が紐付けられる。
【0063】
以上、判定システム10の登録処理について、物品情報900を、製造工程における製造情報、流通工程における入出荷情報、および販売工程における販売情報に分けて説明したが、判定システム10は、いずれかの工程において識別コード800を登録することで利用することができる。例えば、製造工程ではなく、流通工程または販売工程において識別コード800を登録することもできる。具体的には、販売店の第1情報通信端末200を用いて、販売する物品700の識別コード800を管理サーバに登録することができる。質屋またはオークション取引などの販売工程において識別コード800を登録しておけば、判定システム10を利用して、物品700が正規品であることを保証することができる。
【0064】
[3.判定処理]
判定システム10を適用した物品700の判定処理は、第2情報通信端末300における照会処理および管理サーバ100における判定処理を含む。照会処理では、物品700の識別コード800を入力し、物品700の判定結果が出力される。判定処理では、物品700の識別コード800を基にして、物品700が所定の判定条件を満たすかどうかを判定し、判定結果を生成する。以下では、第2情報通信端末300における照会処理および管理サーバ100における判定処理の各々について説明する。
【0065】
[3-1.第2情報通信端末における照会処理]
図6は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の第2情報通信端末300における照会処理のフローチャートである。
【0066】
まず、第2情報通信端末300は、ネットワーク400を介して管理サーバ100と通信接続する(ステップS210)。例えば、第2情報通信端末において、管理サーバ100で判定処理が行われる判定サイトのURLが入力されることにより、第2情報通信端末300が管理サーバ100と通信接続することができる。
【0067】
次に、第2情報通信端末300において、物品700の識別コード800が入力される(ステップS220)。識別コード800は、ユーザが第2情報通信端末300に直接入力してもよく、読取装置を用いて識別コード800を読み取り、読み取った識別コード800が自動的に入力されるようにしてもよい。読取装置としては、例えば、バーコードリーダ、QRコードリーダまたはOCRコードリーダなどを用いることができるが、これに限られない。なお、第2情報通信端末300での識別コード800の読み取りは、第1情報通信端末200での識別コード800の読み取りと同様の方法で行うことができるが、これに限られず、その他の読み取り方法で行うこともできる。
【0068】
次に、入力された識別コード800が、ネットワーク400を介して管理サーバ100に送信される(ステップS230)。管理サーバ100は、送信された識別コード800を基に、物品700の判定処理を行う(ステップS300)。管理サーバ100での判定処理については、後述する。
【0069】
次に、第2情報通信端末300は、ネットワーク400を介して、管理サーバ100から物品700の判定結果を受信する(ステップS240)。
【0070】
次に、第2情報通信端末300は、画面に物品700の判定結果を表示する(ステップS250)。したがって、ユーザは、第2情報通信端末300の画面を見て、物品700の判定結果を確認することができる。なお、判定結果には、物品700の真贋判定だけでなく、物品情報900を含むことができる。これにより、ユーザは、判定サイトの判定結果だけでなく、物品情報900を基にして直接物品700の真贋判定を行うことができる。
【0071】
[3-1-1.第2情報通信端末における照会処理の変形例1]
図7は、本発明の一実施形態に係る判定システム10を利用した物品700の判定における第2情報通信端末300の別の照会処理のフローチャートである。具体的には、図8に示すフローチャートは、識別ラベル500に、識別コード800だけでなく、管理サーバ100の判定処理が行われる判定サイトのURL情報も含まれている場合の照会処理の一例である。
【0072】
まず、ユーザは、第2情報通信端末300の読取装置を用いて識別ラベル500から識別コード800およびURL情報を読み取る(ステップS208A)。次に、第2情報通信端末300は、読み取ったURL情報を基に、ネットワーク400を介して、管理サーバ100と通信接続する(ステップS210A)。また、第2情報通信端末300は、読み取った識別コード800を管理サーバ100に送信する(ステップS230A)。なお、ステップS210AおよびステップS230Aにおいては、読み取った識別コード800およびURL情報を第2情報通信端末300の画面に表示し、ユーザが許可した後に各ステップを行うようにすることもできる。ステップS230A以降のステップは、図6に示すフローチャートと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0073】
図7に示す処理では、ユーザが直接識別コード800およびURL情報を入力する必要がないため、簡単に物品700の判定を行うことができる。
【0074】
[3-1-2.第2情報通信端末における照会処理の変形例2]
図8は、本発明の一実施形態に係る判定システム10を利用した物品700の判定における第2情報通信端末300の別の照会処理のフローチャートである。具体的には、図8に示すフローチャートは、第2情報通信端末300が識別コード800を送信する前に、ユーザ情報を入力する場合の照会処理の一例である。
【0075】
まず、第2情報通信端末300は、ネットワーク400を介して管理サーバ100と通信接続する(ステップS210B)。
【0076】
次に、第2情報通信端末300において、ユーザ情報が入力される。ユーザ情報として、例えば、ユーザ名、メールアドレス、電話番号、または住所などを含む。
【0077】
次に、第2情報通信端末300において、物品700の識別コード800が入力される(ステップS220)。識別コード800は、ユーザが第2情報通信端末300に直接入力してもよく、読取装置を用いて識別コード800を読み取り、読み取られた識別コード800が自動的に入力されるようにしてもよい。なお、第2情報通信端末300での識別コード800の読み取りは、第1情報通信端末200での識別コード800の読み取りと同様の方法で行うことができる。また、第2情報通信端末300は、読み取った識別コード800および入力されたユーザ情報を管理サーバ100に送信する(ステップS230B)。ステップS230B以降のステップは、図6に示すフローチャートと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0078】
図8に示す処理では、ユーザが、ユーザ情報を入力する必要があるため、不要な物品700の判定を防止することができる。判定回数の異常な増加を抑制することができるため、複製された識別ラベル500または識別コード800で増加した判定回数との間で有意な差を見出すことができる。
【0079】
[3-1-3.第2情報通信端末における照会処理の変形例3]
図9は、本発明の一実施形態に係る判定システム10を利用した物品700の判定における第2情報通信端末300の別の照会処理のフローチャートである。具体的には、図9に示すフローチャートは、第2情報通信端末300が管理サーバ100の判定サイトを利用するためにログインを必要とする場合の照会処理の一例である。
【0080】
まず、第2情報通信端末300が、ネットワーク400を介して管理サーバ100と通信接続する(ステップS210C)と、第2情報通信端末300の画面には、判定サイトにアクセスするためのログイン画面が表示される。ユーザは、アカウントまたはパスワードを入力することで判定サイトにアクセスすることができる(ステップS214C)。次に、第2情報通信端末300において、物品700の識別コード800が入力され(ステップS220C)、入力された識別コード800が、ネットワーク400を介して管理サーバ100に送信される(ステップS230C)。ステップS230C以降のステップは、図6に示すフローチャートと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0081】
図9に示す処理では、判定サイトにアクセスすることができるユーザを制限することができる。そのため、アクセス先が明確となるとともに、物品700の判定回数が異常に増加することを抑制することができる。
【0082】
[3-2.第2情報通信端末による判定状況の監視]
図10は、本発明の一実施形態に係る判定システム10を利用した第2情報通信端末300による判定状況の監視のフローチャートである。判定システム10は、ユーザが判定サイトを利用して物品700の判定処理を行うだけでなく、物品700の製造業者が、ユーザの判定状況を監視することができる。
【0083】
まず、第2情報通信端末300が、ネットワーク400を介して管理サーバ100と通信接続する(ステップS210D)と、第2情報通信端末300の画面には、管理サーバ100にアクセスするためのログイン画面が表示される。ユーザは、アカウントまたはパスワードを入力することで管理サーバ100にアクセスすることができる(ステップS214D)。次に、第2情報通信端末300において、検索情報が入力され(ステップS220D)、入力された検索情報が、ネットワーク400を介して管理サーバ100に送信される(ステップS230D)。
【0084】
検索情報として、例えば、ユーザに関する情報、物品700に関する情報、または識別コード800に関する情報を、判定システム10によって検索することができる。ユーザに関する情報とは、具体的には、判定サイトにアクセスしたユーザに関する情報であり、例えば、アカウントまたはアクセス国などである。判定サイトへのアクセス回数などを検索情報とすることもできる。また、物品700に関する情報は、製造ロット番号、出荷先、または製品名などである。また、識別コード800に関する情報は、識別コード800であってもよく、判定回数の多い識別コード800を検索情報とすることもできる。
【0085】
続いて、管理サーバ100は、送信された検索情報に基づいて検索処理を行い(ステップ300D)、検索結果を生成する。なお、管理サーバ100による検索処理は、記憶部120に記憶されたデータベースを用いて行われる。
【0086】
次に、第2情報通信端末300は、ネットワークを介して、管理サーバ100から検索結果を受信する(ステップS240D)。第2情報通信端末300は、画面に検索結果を表示する(ステップS250D)。
【0087】
図10に示す処理では、判定結果を通じて判定状況を確認することができる。例えば、判定結果から、同一のアカウントからの判定サイトへのアクセスが多いこと、または不特定多数のアカウントから同一の識別コードの判定回数が多いこと、などの情報が得られる。そのため、第2情報通信端末300を用いて判定情報を監視することで、複製されたおそれのある識別コードを特定することができる。
【0088】
[3-3.管理サーバにおける判定処理]
図11は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の管理サーバ100における判定処理のフローチャートである。
【0089】
まず、管理サーバ100の受信部140が、第2情報通信端末300が送信した識別コード800を受信する(ステップS310)。次に、判定部110は、第1条件を満たすかどうかの第1判定を行う(ステップS320)。第1条件は、識別コード800に関する条件であることが好ましい。例えば、送信された識別コード800が、記憶部120に記憶されていることを第1条件とすることができる。この場合、判定部110は、記憶部120を検索し、記憶部120に送信された識別コード800が記憶されているかどうかを判定する。すなわち、判定部110は、送信された識別コード800を、記憶部120に記憶されたデータベースと照合する。送信された識別コード800が記憶部120に記憶されている場合は第1条件を満たし、次のステップS330へ進む。一方、送信された識別コード800が記憶部120に記憶されていない場合は第1条件を満たさず、判定がNGである判定結果を生成する(ステップS322)。
【0090】
次に、判定部110は、第2条件を満たすかどうかの第2判定を行う(ステップS330)。第2条件は、判定で用いる予め設定された設定条件である。第2条件は、物品情報900に含まれるパラメータの具体的な数値を用いる条件であることが好ましい。例えば、物品700の判定回数を物品情報900のパラメータの数値とし、判定回数が設定値以下であることを第2条件とすることができる。この場合、判定部110は、記憶部120を検索し、送信された識別コード800のデータベースのレコードから判定回数を検索し、判定回数が第2条件の設定値以下であるかどうかを判定する。判定回数が設定値以下である場合は第2条件を満たし、判定がOKである判定結果を生成する(ステップS340)。一方、判定回数が設定値より大きい場合は第2条件を満たさず、判定がOKであることに加え、注意を要するアラートを含む判定結果を生成する(ステップS332)。
【0091】
第2判定の第2条件は、数値でない条件としてもよい。例えば、第2条件として、物品700の出荷の有無、販売の有無、または販売地域、もしくは最新の判定国などの物品情報900に含まれるパラメータを条件とすることもできる。この場合、第2判定では、送信された識別コード800のデータベースのレコードからパラメータを検索し、パラメータが第2条件と一致するか否かを判定することができる。パラメータが第2条件と一致する場合、判定がOKである判定結果を生成する。一方、パラメータが第2条件と一致しない場合、判定がOKであることに加え、注意を要するアラートを含む判定結果を生成する。
【0092】
また、判定結果には、第2判定に判定に基づいて算出された第1判定の信用度が含まれていてもよい。第2判定では、第1判定を基にして得られた物品情報900のパラメータに基づいて判定が行われる。そのため、パラメータは、第1判定の信用度の指標となり得る。第1判定の信用度は、特に限定されないが、例えば、百分率(%)のような値で表されていてもよい。すなわち、第1判定が信用できるものであれば、信用度は最大で100(%)となり、第1判定が信用できないものであれば、信用度は最小で0(%)となる。また、第1判定の信用度は、A判定、B判定、およびC判定のような判定基準で表されていてもよい。例えば、第1判定が信用できるものであればA判定とし、第1判定が信用できないものであればC判定とすることができる。
【0093】
信用度の算出においては、パラメータの数値範囲に対して予め所定の値を割り当てていてもよい。例えば、パラメータが判定回数で、設定値が5回である場合、判定回数が0~5回までは100(%)とし、6~10回までは75(%)、11~20回までは50(%)、21~50回までは25(%)、51回以上は0(%)とすることができる。
【0094】
第2判定では、1つのパラメータだけでなく、複数のパラメータを用いて判定を行ってもよい。その場合、複数のパラメータを考慮して第1判定の信用度を算出することもできる。例えば、パラメータごとに値を算出し、それらの値の平均値を第1判定の信用度とすることができる。また、パラメータごとの値を乗算した値を第1判定の信用度とすることもできる。この場合、パラメータごとに重みを設定し、重みを考慮して第1判定の信用度を算出してもよい。例えば、正規品ではないと判定しやすいパラメータの重みを大きく設定することができる。
【0095】
第1判定の信用度は、アラートに含まれていてもよい。すなわち、第2判定において、第2条件を満たさない場合に第1判定の信用度が算出されてもよい。
【0096】
判定結果に第1判定の信用度が含まれることで、判定精度を視覚化することができる。
【0097】
次に、送信部150は、判定結果を第2情報通信端末300に送信する(ステップS350)。
【0098】
以上、管理サーバ100における判定処理について説明したが、管理サーバで行う判定は第1判定および第2判定の2回に限られない。管理サーバ100では、少なくとも2回以上の判定処理を行い、そのうちの1回は、物品情報900に含まれるパラメータの具体的な数値を用いる条件とすることが好ましい。このような判定処理を行うことで、複製された識別ラベル500または識別コード800による判定を検知し、判定精度の高い物品700の判定を行うことができる。
【0099】
第2条件のパラメータは、様々な数値を選択することが可能である。第2条件の設定値として、例えば、判定回数、販売回数、または販売日からの期間などがある。また、設定値としては、特定の数値または同じロット間での平均値などを設定することができる。以下では、第2判定の第2条件の異なるいくつかの変形例について説明する。
【0100】
[3-3-1.管理サーバにおける判定処理の変形例1]
図12は、本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバ100における判定処理のフローチャートである。図12では、第1条件および第2条件を具体化し、第1条件を、受信した識別コード800が登録されていることとし、第2条件を、判定回数が5回以下であることとする。
【0101】
まず、管理サーバ100の受信部140が、第2情報通信端末300が送信した識別コード800を受信する(ステップS310)。次に、判定部110は、記憶部120を検索し、識別コード800が登録されているかどうかの第1判定を行う(ステップS320A)。すなわち、判定部110は、受信した識別コード800を、記憶部120に記憶されたデータベースと照合する。識別コード800が登録されていない場合、判定部110は、識別コード800が登録されていない旨の判定結果(判定結果NG)を生成する(ステップS322A)。一方、識別コード800が登録されている場合、判定部110は、記憶部120から判定回数を検索し、判定回数が5回以下であるかどうかの第2判定を行う(ステップS330A)。判定回数が5回以下である場合、判定部110は、識別コード800が登録されている旨の判定結果(判定結果OK)を生成する(ステップS340A)。また、判定回数が5回よりも多い場合、判定部110は、識別コード800が登録されているとともに、判定回数が多い旨の判定結果(判定結果OK+アラート)を生成する(ステップS332A)。送信部150は、判定結果を第2情報通信端末300へ送信する。
【0102】
判定回数が異常に多い場合は、複製された識別ラベル500または識別コード800で判定が繰り返されている可能性が高い。判定システム10では、物品情報900に含まれるパラメータの具体的な数値の比較による判定を行うことで、複製された識別ラベル500または識別コード800による判定を検知し、判定精度の高い物品700の判定を行うことができる。
【0103】
[3-3-2.管理サーバにおける判定処理の変形例2]
図13は、本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバ100における判定処理のフローチャートである。図13では、第1条件を、受信した識別コード800が登録されていることとし、第2条件を、物品700の販売後の判定回数が5回以下であることとする。
【0104】
まず、管理サーバ100の受信部140が、第2情報通信端末300が送信した識別コード800を受信する(ステップS310)。次に、判定部110は、記憶部120を検索し、識別コード800が登録されているかどうかの第1判定を行う(ステップS320B)。すなわち、判定部110は、受信した識別コード800を、記憶部120に記憶されたデータベースと照合する。識別コード800が登録されていない場合、判定部110は、識別コード800が登録されていない旨の判定結果(判定結果NG)を生成する(ステップS322B)。一方、識別コード800が登録されている場合、判定部110は、記憶部120から販売後の判定回数を検索し、販売後の判定回数が5回以下であるかどうかの第2判定を行う(ステップS330B)。販売後の判定回数が5回以下である場合、判定部110は、識別コード800が登録されている旨の判定結果(判定結果OK)を生成する(ステップS340B)。また、販売後の判定回数が5回よりも多い場合、判定部110は、識別コード800が登録されているとともに、販売後の判定回数が多い旨の判定結果(判定結果OK+アラート)を生成する(ステップS332B)。送信部150は、判定結果を第2情報通信端末300へ送信する。
【0105】
物品700の製造工程および流通工程で判定システム10の判定が利用される場合、合計の判定回数だけでは、製造工程および流通工程での判定か、複製された識別ラベル500または識別コード800での判定かの判断が難しい。その場合、物品700の販売後の判定回数とすることで、製造工程および流通工程での判定回数を除外することができる。そのため、販売後の判定回数が異常に多い場合は、物品700の販売後に複製された識別ラベル500または識別コード800で判定が繰り返されている可能性が高い。判定システム10では、物品情報900に含まれるパラメータの具体的な数値の比較による判定を行うことで、複製された識別ラベル500または識別コード800による判定を検知し、判定精度の高い物品700の判定を行うことができる。
【0106】
[3-3-3.管理サーバにおける判定処理の変形例3]
図14は、本発明の一実施形態に係る判定システムの管理サーバ100における判定処理のフローチャートである。図14では、第1条件を、受信した識別コード800が登録されていることとし、第2条件を、同じロット番号における物品700の判定回数の平均値との差が5回以下であることとする。
【0107】
まず、管理サーバ100の受信部140が、第2情報通信端末300が送信した識別コード800を受信する(ステップS310)。次に、判定部110は、記憶部120を検索し、識別コード800が登録されているかどうかの第1判定を行う(ステップS320C)。すなわち、判定部110は、受信した識別コード800を、記憶部120に記憶されたデータベースと照合する。識別コード800が登録されていない場合、判定部110は、識別コード800が登録されていない旨の判定結果(判定結果NG)を生成する(ステップS322C)。一方、識別コード800が登録されている場合、処理部130は、記憶部120から同じロット番号の物品700を検索し、同じロット番号における物品700の判定回数の平均値を生成する。判定部110は、生成された平均値を基に、識別コード800の判定回数と同じロット番号における判定回数の平均値との差が5回以下であるかどうかの第2判定を行う(ステップS330C)。識別コード800の判定回数と同じロット番号における判定回数の平均値との差が5回以下である場合、判定部110は、識別コード800が登録されている旨の判定結果(判定結果OK)を生成する(ステップS340C)。また、識別コード800と平均値との差が5回よりも多い場合、判定部110は、識別コード800が登録されているとともに、判定回数が多い旨の判定結果(判定結果OK+アラート)を生成する(ステップS332C)。送信部150は、判定結果を第2情報通信端末300へ送信する。
【0108】
同じロット番号にもかかわらず、判定回数の多い識別コード800は、複製された識別ラベル500または識別コード800で判定が繰り返されている可能性が高い。判定システム10では、物品情報900に含まれるパラメータの具体的な数値の比較による判定を行うことで、複製された識別ラベル500または識別コード800による判定を検知し、判定精度の高い物品700の判定を行うことができる。
【0109】
<第2実施形態>
図15を用いて、本発明の一実施形態に係る判定システム20について説明する。
【0110】
図15は、本発明の一実施形態に係る判定システム20の物品700の判定におけるフローチャートである。判定システム20の構成は、第1実施形態で説明した判定システム10と同様の構成とすることができる。すなわち、判定システム20は、管理サーバ100、第1情報通信端末200、および第2情報通信端末300を含む。以下では、物品700の識別コード800の管理サーバ100への登録が行われている、すなわち、管理サーバ100の記憶部に識別コード800が記憶されているとして説明する。なお、物品700の識別コード800の登録は、第1実施形態と同様に、第1情報通信端末を用いて行うことができる。
【0111】
まず、ユーザは、第2情報通信端末300の読取装置を用いて識別ラベル500から識別コード800およびURL情報を読み取る(ステップS208D)。次に、第2情報通信端末300は、読み取られたURL情報を基に、ネットワーク400を介して、管理サーバ100と通信接続する(ステップS210D)。次に、ユーザは、第2情報通信端末300に物品700の購入した国の情報(購入国情報)を入力する(ステップS214D)。第2情報通信端末300は、読み取られた識別コード800および入力された購入国情報を管理サーバ100に送信する(ステップS230D)。
【0112】
次に、管理サーバ100の受信部140が、第2情報通信端末300が送信した識別コード800および購入国情報を受信する(ステップS310D)。判定部110は、記憶部120を検索し、識別コード800が登録されているかどうかの第1判定を行う(ステップS320D)。識別コード800が登録されていない場合、判定部110は、識別コード800が登録されていない旨の判定結果(判定結果NG)を生成する(ステップS322D)。一方、識別コード800が登録されている場合、判定部110は、記憶部120から物品700の販売国情報を検索し、販売国情報と受信した購入国情報とが一致するかどうかの第2判定を行う(ステップS330D)。販売国情報と購入国情報とが一致する場合、判定部110は、識別コード800が登録されている旨の判定結果(判定結果OK)を生成する(ステップS340D)。また、販売国情報と購入国情報とが一致しない場合、判定部110は、識別コード800が登録されているとともに、販売国が異なる旨の判定結果(判定結果OK+アラート)を生成する(ステップS332D)。送信部150は、判定結果を第2情報通信端末300へ送信する(ステップS350)。
【0113】
次に、第2情報通信端末300は、ネットワーク400を介して、管理サーバ100から物品700の判定結果を受信する(ステップS240D)。また、第2情報通信端末300は、画面に物品700の判定結果を表示する(ステップS250D)。
【0114】
本実施形態では、ユーザが、物品700の情報を第2情報通信端末300に入力し、その情報を基にして第2判定を行う。そのため、識別コード800だけでなく、実際に流通している物品700の情報に基づくため、物品700の判定精度をさらに向上させることができる。なお、本実施形態の第2判定の第2条件は、購入国に限られない。例えば、物品700の色、材質、形状または大きさなどを第2条件としてもよい。
【0115】
<第3実施形態>
[1.スマートフォンによる判定システムの利用]
図16図17を用いて、本発明の一実施形態に係る判定システム30について説明する。具体的には、判定システム30は、第2情報通信端末300としてスマートフォン310を用いて物品700の真贋判定を行う。
【0116】
図16(A)は、物品700の識別ラベル500をスマートフォン310に内蔵されたカメラで撮像した後のスマートフォン310の画面である。識別ラベル500は識別コード800だけでなく、判定サイトのURLを含んでいる。また、スマートフォン310には、カメラで識別ラベル500を撮像するとURLが表示されるプログラムがインストールされている。そのため、図16(A)では、識別ラベル500に含まれた判定サイトのURLが表示されている。
【0117】
URLを開くと、スマートフォン310は、管理サーバ100と通信接続し、スマートフォン310の画面に判定サイトを表示する(図16(B))。また、識別ラベル500に含まれていた識別コード800も画面に自動的に表示される。これにより、ユーザが識別コード800を入力する手間を省くことができる。
【0118】
判定ボタンがタッチされると、管理サーバ100は、判定回数をカウントし、識別コード800が登録されているかどうかを判定する。識別コード800が登録されていない場合、管理サーバ100は、識別コード800が登録されていない旨の判定結果(判定結果NG)を生成し、スマートフォン310に判定結果NGを送信する。そして、スマートフォン310には、判定結果NGの画面が表示される(図16(C))。
【0119】
一方、識別コード800が登録されていた場合、管理サーバ100は、今回の判定回数が5回以下であるかどうかを判定する。判定回数が5回以下である場合、管理サーバ100は、識別コード800が登録されている旨の判定結果(判定結果OK)を生成し、スマートフォン310に判定結果OKを送信する。そして、スマートフォン310には、判定結果OKの画面が表示される(図17(A))。また、判定回数が5回よりも多い場合、管理サーバ100は、識別コード800が登録されているとともに、判定回数が多い旨の判定結果(判定結果OK+アラート)を生成し、スマートフォン310に判定結果OK+アラートを送信する。そして、スマートフォン310には、判定結果OK+アラートの画面が表示される(図17(B))
【0120】
ユーザは、スマートフォン310から判定サイトを利用することにより、物品700の真贋判定を簡単に行うことができる。また、ユーザは、判定結果に表示される判定回数から、物品700に付された識別ラベル500または識別コード800が複製されたものかどうかを確認することができる。そのため、物品700の真贋判定の判定精度を高くすることができる。
【0121】
[2.ユーザ評価による情報収集]
判定システム30は、ユーザからの情報を収集することで、物品700の真贋判定の判定精度をさらに高くすることができる。図18(A)は、判定サイトが表示されたスマートフォン310の画面である。図18(A)に示すように、判定サイトには、ユーザ評価欄を設けることができる。ユーザは、ユーザ評価欄に物品700に関する情報を入力することができ、入力された情報は管理サーバ100に送信され、管理サーバ100で管理される。ユーザが物品700の模造品に関する情報を知っている場合、ユーザ評価欄を通じて模造品に関する情報提供を受け、識別コード800の偽造に関する情報収集を行うことができるため有効である。なお、図示しないが、スマートフォン310のユーザが、他人の評価を閲覧することができるようにしてもよい。このようにすることで、識別コード800の偽造に関して、ユーザへ注意を促すことができる。
【0122】
[3.関連商品のレコメンドサービス]
また、判定システム30は、ユーザが保有する物品700と関連する商品をレコメンドすることもできる。図18(B)は、判定サイトが表示されたスマートフォン310の画面である。図18(B)に示すように、判定サイトには、物品700と関連する商品を表示することができる。判定サイトには、URLアドレスを表示し、URLアドレスをクリックすることによって関連する商品のサイトを開くようにしてもよい。また、関連する商品の写真又は映像を表示してもよい。このようにすることで、製造業者は、関連する商品をユーザに紹介することができ、また、ユーザも判定サイトを通じて関連する商品の情報を入手することができる。
【0123】
<第4実施形態>
図19を用いて、本発明の一実施形態に係る判定システム40について説明する。
【0124】
図19は、本発明の一実施形態に係る判定システム40の物品700の判定におけるフローチャートである。判定システム40の構成は、第1実施形態で説明した判定システム10と同様の構成とすることができる。すなわち、判定システム40は、管理サーバ100、第1情報通信端末200、および第2情報通信端末300を含む。以下では、物品700の識別コード800の管理サーバ100への登録が行われている、すなわち、管理サーバ100の記憶部に識別コード800が記憶されているとして説明する。なお、物品700の識別コード800の登録は、第1実施形態と同様に、第1情報通信端末200を用いて行うことができる。
【0125】
まず、ユーザは、第2情報通信端末300の読取装置を用いて識別ラベル500から識別コード800およびURL情報を読み取る(ステップS208E)。次に、第2情報通信端末300は、読み取られたURL情報を基に、ネットワーク400を介して、管理サーバ100と通信接続する(ステップS210E)。また、読み取られた識別コード800が管理サーバ100に送信される(ステップS230E)。
【0126】
次に、管理サーバ100の受信部140が、第2情報通信端末300が送信した識別コード800を受信する(ステップS310E)。判定部110は、記憶部120を検索し、識別コード800が登録されているかどうかの第1判定を行う(ステップS320E)。すなわち、判定部110は、受信した識別コード800を、記憶部120に記憶されたデータベースと照合する。識別コード800が登録されていない場合、判定部110は、識別コード800が登録されていない旨の判定結果(判定結果NG)を生成する(ステップS322E)。一方、識別コード800が登録されている場合、処理部130は、識別コード800が登録されている旨の判定結果(判定結果OK)を生成する(ステップS340E)。送信部150は、判定結果と、物品情報900の一部を第2情報通信端末300へ送信する(ステップS350E)。なお、送信する物品情報900の一部は、物品700の特徴が含まれていることが好ましい。送信する物品情報の一部として、例えば、物品700の色、材質、大きさ、形状または物品700の写真などであるが、これに限られない。
【0127】
次に、第2情報通信端末300は、ネットワーク400を介して、管理サーバ100から物品700の判定結果および物品情報900の一部を受信する(ステップS240E)。また、第2情報通信端末300は、画面に物品700の判定結果および物品情報900の一部を表示する(ステップS250E)。
【0128】
本実施形態では、識別コード800の判定だけでなく、ユーザ自身が、第2情報通信端末300に表示された物品情報900を確認しながら物品700の判定を行うことができる。そのため、識別コード800だけでなく、実際の物品700の情報に基づくため、物品700の判定精度をさらに向上させることができる。
【0129】
なお、上記第1実施形態~第4実施形態では、物品700を保有するユーザが第2情報通信端末300を利用する態様について説明したが、判定システムの利用態様はこれに限られない。例えば、物品700を保有するユーザが製造業者に問い合わせ、製造業者が第2情報通信端末300を利用し、判定結果をユーザに連絡することもできる。その場合、ユーザが識別コード800または物品情報を電話などで製造業者に連絡してもよく、ユーザがカメラで物品700または識別コード800を撮影し、物品700または識別コード800の写真または映像を製造業者に送信してもよい。
【0130】
<第5実施形態>
本実施形態では、判定システムで利用することができるプログラムについて説明する。
【0131】
[1.識別コード登録用プログラム]
第1情報通信端末200上で動作するプログラムを用いて、製造情報および識別コード800の登録処理を行うことができる。以下では、製造情報入力プログラムを用いて、複数の物品700の製造情報および識別コード800を登録する方法について説明する。
【0132】
図20は、本発明の一実施形態に係る判定システム10の第1情報通信端末200の表示画面である。具体的には、図20は、製造情報入力プログラムを動作させた状態における第1情報通信端末200の表示画面である。第1情報通信端末200には、製造情報入力プログラムがインストールされている。図20に示す製造情報入力プログラムでは、物品700のロット番号、出荷先、製品名、および集合箱番号の製造情報を入力することができる。図20では、「ロット番号」、「出荷先」、「製品名」、および「集合箱番号」の欄に、それぞれ、「2019-01-10」、「重慶」、「FUEL FILTER #003」、および「SAMPLEX123456」が入力され、第1情報通信端末200の画面に表示されている。なお、これらの製造情報は、直接入力してもよく、選択ボタンから項目を選択して入力することもできる。また、製造情報をバーコードに変換し、バーコードを読み込むことによって製造情報を入力することもできる。
【0133】
なお、製造情報の入力は、予め製造情報が入力された複数のシートを用意(マスター登録)しておき、マスター登録から選択するようにしてもよい。また、製造情報は、視覚的に理解できるように、物品700の写真を含んでいてもよい。
【0134】
また、図20に示す製造情報入力プログラムでは、複数の物品700の各々の識別コード800を入力することができる。識別コード800は、直接入力してもよい。また、識別コード800は、物品700に付された識別ラベル500を読み込むことによって入力することもできる。例えば、図2(A)に示す識別ラベル500Aの文字列503を第1情報通信端末200のカメラまたはスキャナで撮像し、OCR(Optical Character Recognition)処理を行い、識別コード800を読み取り、入力することができる。図20では、「識別コード」の欄に、複数の識別コード800として「000QOK2C22K41」および「000RY3MREK2AC」が入力され、第1情報通信端末200の画面に表示されている。
【0135】
物品700の製造情報および識別コード800の入力が終了すると、製造情報入力プログラムは、識別コード800の各々に対して、入力された製造情報が含まれたデータを生成し、そのデータを管理サーバ100に送信する。管理サーバ100では、受信したデータを基に、識別コード800と製造情報とが紐付けられて登録される。
【0136】
本実施形態に係る製造入力情報プログラムによれば、複数の識別コード800に対して同じ製造情報を一括して登録することができる。そのため、識別コード800の登録作業における作業効率が向上する。
【0137】
以上、製造工程における製造情報および識別コード800の登録処理について説明したが、プログラムを用いた登録処理は製造工程に限られない。例えば、流行工程において、入出荷情報入力プログラムを用いて、入出荷情報および識別コード800を登録することができる。また、販売工程において、販売情報入力プログラムを用いて、販売情報および識別コード800を登録することもできる。
【0138】
[2.判定状況照会用プログラム]
第2情報通信端末300上で動作するプログラムを用いて、物品情報または判定状況の照会処理を行うことができる。以下では、判定状況照会プログラムを用いて、物品700の物品情報および判定状況を照会する方法について説明する。
【0139】
図21は、本発明の一実施形態に係る判定システム40の第2情報通信端末300の表示画面である。具体的には、図21は、判定状況照会プログラムを動作させた状態における第2情報通信端末300として用いたコンピュータ320の表示画面である。コンピュータ320には、判定システム40を利用することができる判定状況照会プログラムがインストールされている。図21が示すように、判定状況照会プログラムは、日付、工場、識別コード、製品名、出荷先、および集合箱コードが入力でき、これらの入力された情報から物品700の物品情報900を検索できるようになっている。また、物品700が判定状況照会システムを用いて検索されると、コンピュータ320は、管理サーバ100と通信接続を行い、物品700の物品情報900などを受信する。例えば、物品700の物品情報900として、判定日時、判定サイトへのアクセス元のIPアドレス(国)、識別コード、集合箱コード、購入先、地域、工場、出荷先、製品名、ロット番号、判定の状況、および判定回数が、コンピュータ320の画面に表示される。
【0140】
ユーザは、コンピュータ320を用いて判定状況照会プログラムを利用することにより、物品700の購入者の判定状況を確認することができる。例えば、ある識別コード800の判定回数が異常に多い場合、ユーザは、その識別コード800が複製されたものであると判断することができる。そのため、物品700の真贋判定の精度を高くすることができる。
【0141】
[3.物品流通状況照会用プログラム]
第2情報通信端末300上で動作するプロブラムを用いて、物品の700の流通状況を確認することができる。以下では、物品流通状況照会プログラムを用いて、物品700の流通状況を照会する方法について説明する。
【0142】
図22は、本発明の一実施形態に係る判定システム40の第2情報通信端末300の表示画面である。具体的には、図22は、物品流通状況照会プログラムを動作させた状態における第2情報通信端末300として用いたコンピュータ320の表示画面である。コンピュータ320には、判定システム40を利用することができる物品流通状況照会プログラムがインストールされている。図22が示すように、物品流通状況照会プログラムは、日付、工場、識別コード、製品名、出荷先、および集合箱コードが入力でき、これらの入力された情報から物品700の物品情報900を検索できるようになっている。また、物品700が物品流通状況照会システムを用いて検索されると、コンピュータ320は、管理サーバ100と通信接続を行い、物品700の物品情報900などを受信する。例えば、物品700の物品情報900として、識別コード、出荷の有無、販売の有無、販売地域、販売回数、最新の判定国、判定の状況、および判定回数が、コンピュータ320の画面に表示される。なお、物品流通状況照会プログラムにおいて、画面に表示される物品情報900は、これらに限られない。
【0143】
製造業者は、コンピュータ320を用いて物品流通状況照会プログラムを利用することにより、物品700の流通状況を確認することができる。すなわち、物品流通状況照会プログラムを利用すれば、物品700のトレーサビリティを行うことができる。例えば、ある識別コード800の販売回数が多い場合、その識別コード800が付された物品700は、中古品として市場に流通し、ユーザのニーズが高い物品であると考えられる。そのため、製造業者は、物品流通状況照会プログラムの判定結果を基に、物品700の生産量を調整することができる。また、物品流通状況照会プログラムの判定結果では、物品700の販売地域などから物品700が普及している国又は地域を確認することもできる。そのため、製造業者は、物品流通状況照会プログラムの判定結果を、今後の物品700の販売戦略の判断材料とすることができる。さらに、物品流通状況照会プログラムは、物品700の出荷の有無または販売の有無を確認することができるため、物品700の棚卸しとしても利用することができる。
【0144】
<第6実施形態>
本発明の一実施形態に係る判定システムの例示(概要、フローチャート、または構成図など)を図23図26に示す。本発明の一実施形態に係る判定システムは、図23図26からも理解することができる。
【0145】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0146】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図21
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