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特許7549590リクライニング位置での乾式ハイドロセラピーボディマッサージの装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】リクライニング位置での乾式ハイドロセラピーボディマッサージの装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/04 20060101AFI20240904BHJP
   A61H 9/00 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
A61H23/04
A61H9/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021550302
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020019909
(87)【国際公開番号】W WO2020176626
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】62/811,928
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/800,490
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521380018
【氏名又は名称】ジェイティーエル エンタープライズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランター、ポール
(72)【発明者】
【氏名】エリオット、ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】シモエス、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ダスカム、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】エメンハイザー、マシュー
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0312679(US,A1)
【文献】米国特許第5387181(US,A)
【文献】特開2003-260103(JP,A)
【文献】米国特許第8088087(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/04
A61H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクライニング位置にあるユーザの乾式ハイドロセラピーボディマッサージの装置であって、
前記リクライニング位置で前記ユーザを支持するためのユーザ支持面を有するハウジング構造体であって、前記ユーザ支持面は、略平面のシートバック部分、半円筒形のメインシートセクションを有するシート部分、および略平面の脚部シートセクションを含み、前記シートバック部分と前記脚部シートセクションは、互いに相対的な角度関係にあり、前記メインシートセクションは、それらの間に配置され、前記シートバック部分は、前記ユーザの上半身部分を支持するように適合され、前記脚部シートセクションは、前記ユーザの下半身部分の大腿範囲を支持するように適合され、前記メインシートセクションは、前記ユーザの臀部を支持するように適合され、前記ユーザ支持面は、前記ユーザの前記下半身部分の下腿範囲を支持するように構成された略平面のオットマンセクションをさらに含み、前記脚部シートセクションは、前記メインシートセクションとの交点から離れる方向に上向きの相対的角度で延在し、前記交点で第1の隆起部を形成し、前記オットマンセクションが前記脚部シートセクションから離れる方向に下向きの角度で延在し、それにより、大腿範囲が上を向き下腿範囲が下を向くように使用者の膝が曲げられるようになっている、前記ハウジング構造体と、
前記ユーザ支持面を介して前記ユーザの前記上半身部分および前記下半身部分にマッサージ効果を与えるために、流体流を前記ユーザ支持面に向けるための、前記ハウジング構造体内の内部の流体スプレー・アセンブリと
を備える、装置。
【請求項2】
記オットマンセクションと前記脚部シートセクションは、第2の隆起部で交わる、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記ユーザ支持面は、防水膜と、前記防水膜に隣接して、かつその下の両方に配置されたオープンネットメッシュとを含む、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記流体スプレー・アセンブリは、前記シートバック部分に概ね沿った第1の移動経路および前記シート部分に概ね沿って前記第1の移動経路に対して鋭角に沿った第2の移動経路において、前記ユーザ支持面に沿って移動するように動くことが可能になっている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記流体スプレー・アセンブリは、その上面に沿って配置された複数の放出開口部を含む中空の細長いスプレーヘッドを含み、前記放出開口部を通る流れが前記ユーザ支持面に向けられるようになっており、前記スプレーヘッドは、前記装置の長手方向軸線に対して横方向に延在する、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記細長いスプレーヘッドは、丸みを帯びた流体入口をさらに含み、前記放出開口部は、前記装置の長手方向中心軸線を横切る前記スプレーヘッドの前記長手方向中心軸線から横方向に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記流体スプレー・アセンブリは、それを通る流体の流れが前記ユーザ支持面に向かって上方に向けられるように配置された複数の固定放出開口部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
底壁、そこから上方に延在する複数の側壁、および前記側壁の上部周囲に沿って延在する連続フランジを有するタブ形状のハウジングシェルをさらに含み、前記ユーザ支持面は、前記ハウジングシェルの前記フランジに固定されて、その間に水密シールが形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
複数のインターロッキングフレームパネルをさらに含み、各々のフレームパネルは、前記ハウジングシェルの前記フランジの上面に画定された対応する細長い溝に受け入れられる下方に延在する細長い突起部を含み、前記細長い突起部が前記細長い溝に配置されると、前記ユーザ支持面は、前記ハウジングシェルに固定されるようになっている、請求項に記載の装置。
【請求項10】
Oリングが、前記細長い溝の底面と前記フレームパネルの前記細長い突起部との間に配置される、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広く言えば、マッサージ効果をユーザの身体に印加するための装置に関するものであり、より具体的には、マッサージ効果のために流体スプレー・アセンブリを利用する乾式ハイドロセラピーボディマッサージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マッサージは、筋肉の怪我、緊張、一般的な痛みに対する昔ながらの効果的な治療法である。
【0003】
しかしながら、マッサージはそのような目的のために多くの医師によって推奨されているが、訓練を受けた資格のあるマッサージ師が不足しているため、この療法は限られた利用可能性しかない。その結果、従来、機械的または電気的に発生する振動または脈動(通常は加熱を伴う)から、ユーザの身体を浴槽デバイスに部分的に沈めるなどの湿式環境、またはユーザが脱衣することを必要とせずにマッサージ効果をユーザの身体に印加するための液密ベッドまたは椅子タイプの構造に流体スプレー・アセンブリが収容されている乾式環境のいずれかで印加される加圧水の脈動まで、様々な手段によってユーザの身体のマッサージのような操作を生成するための多くのデバイスおよび装置が提案されてきた。
【0004】
後者の形態の装置の代表的な例は、しばしば一般に乾式ハイドロセラピーマッサージと呼ばれ、特許文献1~8に開示されている。このような装置は中程度の成功を収めており、関連業界内でそれらの受け入れ、可用性、および有用性を拡大するための努力が続けられている。
【0005】
そのような既知のハイドロセラピーマッサージ装置の大部分は、ユーザが横臥位で横たわることができる本質的に水平なユーザ支持面を有するベッドタイプの構造の形態にある。有利なことに、そのようなベッドタイプの構造におけるユーザの身体の水平横臥位は、マッサージ流体スプレーが、ユーザの身体に沿った本質的に直線的な移動経路で装置の内部内を縦方向に移動するように配置されたマニホルドデバイスを介して印加されることを可能にし、ユーザの身体の一部または全長のいずれかをハイドロセラピーマッサージで治療することを可能にする。
【0006】
他方、ベッドタイプの乾式ハイドロセラピー装置の認識されている不利な点の1つは、ユーザの仰臥位が、装置の操作中に他の活動(例えば、読書、テレビ鑑賞、ラップトップコンピュータまたは他のパーソナル電子デバイスの操作等)にユーザが従事することを可能にするのに貢献しないことである。また、経験によれば、多くの人は、公共の場で機械の上に横になる必要があるマッサージ装置を使用することに不快感を覚える。多くのユーザは、リクライニングまたは座った姿勢によって攻撃されにくいと感じると示唆している。そのような理由から、ユーザが装置の操作中に一般的に座った姿勢で休息し、本または雑誌を読む、テレビを見る、またはそれ以外の場合は他の活動で占められたままにすることができる乾式ハイドロセラピーマッサージ装置に対する要望が業界内で表明されている。
【0007】
この必要性に対処するためのいくつかの既知の装置は、座位のユーザに乾式ハイドロマッサージを実行するための椅子を含む。そのような椅子装置は妥当な程度の成功を収めているが、装置の制限は、座位にあるユーザの位置のために、加圧水ジェットによってユーザの上半身部分に加えられる力が、ユーザが上に配置されている支持面に沿ってユーザをスライドさせ得ることである。そのため、加圧水ジェットが、所望のマッサージ結果を達成するためにユーザの最適な位置に接触しないことは珍しくない。したがって、マッサージ動作中にユーザが所望のリクライニングおよび/または着座位置に維持されるハイドロセラピーマッサージ装置に対する必要性が残っている。
【0008】
既存のハイドロセラピーマッサージ装置に関する別の一般的な問題は、ユーザが装置に乗るときの内部からの水蒸気の流出、およびユーザが装置から降りるときの装置の内部への周囲空気のその後の侵入である。例えば、典型的なハイドロセラピーマッサージ装置は、20~80ガロンの水を保持する水タンクを含み、その少量が、ユーザがユニットに乗って装置の内部容積がわずかに減るときに、水蒸気として装置から出る。例えば、既存の装置は、使用するたびに装置から押し出される約1立方フィートの空気および同伴された水蒸気を有し得る。使用するたびに装置から水がわずかに失われるため、最終的には、装置の内部に1日あたり最大3ガロンなどの追加の水を追加する必要がある。さらに、ほこり、汚れ、鱗屑などを含むがこれらに限定されない対応する潜在的な汚染物質とともに周囲の空気の侵入は、装置の内部コンポーネントがより頻繁に汚れる可能性があるため、定期的なメンテナンスの必要性を高める可能性がある。そのため、ユーザが装置の支持面上に横になる/座るときに水蒸気の保持が改善されたハイドロセラピーマッサージ装置に対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第5,059,059号明細書
【文献】米国特許第4,635,620号明細書
【文献】米国特許第4,751,919号明細書
【文献】米国特許第4,757、808号明細書
【文献】米国特許第4,908,016号明細書
【文献】米国特許第4,976,256号明細書
【文献】米国特許第5,074,286号明細書
【文献】米国特許第5,713,834号明細書
【文献】米国特許第6,036,663号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、典型的な従来技術のハイドロセラピーマッサージ装置は、20~80ガロンの間の水を利用し、それはそれらの内部容積内に保持される。そのような大量の水は、装置からの壊滅的および/または広範囲の軽微な漏れが発生した場合に、そのような量の水を保持するための二次封じ込め容積を提供する既知の装置にとって非実用的である可能性がある。したがって、潜在的な漏れによる損傷を防ぐのを助けるために、より少ない体積の水を利用するハイドロセラピーマッサージ装置の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る一実施形態は、リクライニング位置にあるユーザの乾式ハイドロセラピーボディマッサージの装置であって、座位でユーザを支持するためのユーザ支持面を有するハウジング構造体であって、ユーザ支持面は、略平面のシートバック部分、半円筒形のメインシートセクションを有するシート部分、および略平面の脚部シートセクションを含み、シートバック部分と脚部シートセクションは、互いに相対的な角度関係にあり、メインシートセクションは、それらの間に配置され、シートバック部分は、ユーザの上半身部分を支持するように適合され、脚部シートセクションは、ユーザの下半身部分の上肢範囲を支持するように適合され、メインシートセクションは、ユーザの臀部を支持するように適合されている、ハウジング装置と、
ユーザ支持面を介してユーザの上半身部分および下半身部分にマッサージ効果を与えるために、流体流をユーザ支持面に向けるための、ハウジング構造体内の内部の流体スプレー・アセンブリとを含む、装置である。
【0012】
本開示の別の一実施形態は、ユーザの乾式ハイドロセラピーボディマッサージの装置であって、ハウジングシェル、およびリクライニング位置でユーザを支持するためのユーザ支持面を有するハウジング構造体であって、ハウジングシェルは、底壁およびそこから上方に延在する複数の側壁を含み、ユーザ支持面は、側壁の上部周囲に固定され、それによって内部チャンバを画定する、ハウジング構造体と、内部チャンバを画定する本体を含む蒸気循環システムであって、ハウジング構造体の内部チャンバと蒸気循環システムは、第1の通路を介して互いに流体連通しており、ハウジング構造体の内部チャンバと蒸気循環システムは、閉じた系を形成する、蒸気循環システムとを含む、装置である。
【0013】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の1つ以上の実施形態を示し、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0014】
当業者に向けられた、その最良の様式を含む本開示の完全かつ可能な開示は、添付の図面を参照する本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本開示の一実施形態に係る乾式ハイドロセラピーマッサージ装置の斜視図である。
図1B】本開示の一実施形態に係る乾式ハイドロセラピーマッサージ装置の側面図である。
図2図1および図2に示されるマッサージ装置の部分的な切り取り図である。
図3図1および図2に示されるマッサージ装置の部分的な切り取り図である。
図4A図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置の頭頸部スプレーデフレクタの斜視図である。
図4B図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置の頭頸部スプレーデフレクタの断面図である。
図5図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置の水蒸気循環システムの斜視図である。
図6図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置の細長いマッサージスプレーヘッドの斜視図である。
図7A図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置のハウジングシェルの上面斜視図である。
図7B図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置のハウジングシェルの底面斜視図である。
図8図7Aおよび図7Bに示されるハウジングシェルの上面図である。
図9図1Aの線9-9に沿って取られた、図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置の断面側面平面図である。
図10図1Bの線10-10に沿って取られた、図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置のユーザ支持保持システムの断面図である。
図11A図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの内側平面図である。
図11A図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの外側の平面図である。
図12A図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの外側の平面図である。
図12B図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの内側の平面図である。
図13A図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの上面図である。
図13B図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの背面図である。
図13C図6に示される細長いマッサージスプレーヘッドの正面図である。
図14図1Aおよび図1Bに示されるマッサージ装置の鉛直断面図であり、脚部スプレーデフレクタを示している。
図15】本開示の代替の一実施形態に係る乾式ハイドロセラピーマッサージ装置の代替の一実施形態のハウジングシェルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書および図面における符号の繰り返しの使用は、本開示に係る本発明の同一または類似の構成または要素を表すことを意図している。
【0017】
関連技術の当業者によって容易に理解されるように、本開示の乾式ハイドロセラピー装置は、異なる着座位置でのユーザのマッサージに対応するために、多くの様々な形態で具体化されるように容易に適合される。本開示は、本明細書において、そのような装置の1つの熟慮された実施形態で説明されるが、本発明を実現する例示的な開示を提供する目的のためだけであり、特に、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲で定義されている場合を除き、そのような装置または他の特定の構造における適用または実施形態に限定されることを意図せず、限定されると解釈されるべきではない。
【0018】
ここで添付の図面を参照し、最初に図1A図1B図2、および図3を参照すると、本開示の一実施形態に係る乾式ハイドロセラピーボディマッサージ装置10は、一般的に10で示されている。ボディマッサージ装置10は、以下でより完全に説明されるように、一般的に12で示される、一般的にラウンジチェアスタイルの構造の形態のハウジング構造体を含み、座位リクライニング位置でのマッサージ治療のためにユーザ100がその上に載るように構成されたユーザ支持面を形成する上向きの側面14を示す。一般的に16(図2)で示される流体スプレー・アセンブリは、ユーザ支持面14の下側で、上に着座したユーザ100の身体にそれを通してマッサージ効果を伝達するように加圧流体放出を向けるための、ポンプ28(図7B)から引き出す、一般的に18(図3)で示される加圧流体供給装置に結合してハウジング12内に配置される。
【0019】
ラウンジチェア構造12は、一般的に、その底部30および側壁21で閉じられ、上向きの細長い開口部を画定するためにその上部で実質的に開いた、細長い構成のタンクまたはタブの形態の、実質的に中空のハウジングシェル20(図7A図7B、および図8)として形成された椅子本体を含む。ハウジングシェル20は、本明細書に記載の所望の構成に形成することができる、適切な強度の任意の適切な水密で剛性のある材料、例えば、ガラス繊維、プラスチック、または同様の材料で製造することができる。ハウジングシェル20は、例えば、任意の適切な構造材料(金属棒材、チューブ、ガラス繊維など)で製造された床置きフレーム25(図3)上で支持され、ボディマッサージ装置10の様々な操作部品を収納するためのフレーム25内かつハウジング20の下に開放容積19(図2および図9)を提供しながら、床から所望の高さおよび傾斜にユーザ支持面14を上昇させて方向付ける。
【0020】
図3に最もよく見られるように、ボディマッサージ装置10の床置きフレーム25は、フレーム25の底壁17と漏れ防止容積を形成する連続的な上方に延在する底部リップ25’を含む。こうして、万が一、ハウジングシェル20、またはフレーム25によって支持されている部品および配管のいずれかに漏れが発生すると、水はフレーム25内に保持され、それにより、ボディマッサージ装置10の下に配置されているカーペット、床などの損傷を防ぐ。以下でより詳細に論じられるように、開示されたボディマッサージ装置10が、その中に保持されたわずか8~12ガロンの水で連続的に機能する能力は、記載された漏れ保持容積を含めることを可能にするものである。
【0021】
図1Bに最もよく見られるように、ハウジングシェル20の側壁21は、略平面のシートバック部分22と、略平面の脚部シートセクション24’、オットマンセクション24”、およびメインシートセクション29を有するシート部分24とを形成するように輪郭が描かれており、オットマンセクション24”は、脚部シートセクション24’に対して角度的に方向づけられ、ユーザ支持面14を形成する。好ましくは、シートバック部分22および脚部シートセクション24’は、メインシートセクション29が間に配置された状態で、互いに対して角度的に方向づけられる。ユーザ支持面14は、ユーザ100の上半身部分101および下半身部分103がそれぞれ、ラウンジスタイルの椅子に匹敵する、概ねリクライニングした着座配置で支持されるように構成され、ユーザの身体は、腰と膝で曲げられて置かれ、上半身部分101はシートバック部分22上で部分的にリクライニングされ、下半身部分103の上腿範囲103'は脚部シートセクション24'上でわずかに傾斜しており、下腿範囲103”は、オットマンセクション24”上でわずかに下降している。ユーザの脚の膝のわずかな曲がりは、脚をユーザ支持面14に押し下げるのに役立ち、ユーザの下半身のための平面支持セクションを有する従来のユニットよりも効果的なマッサージをもたらす。
【0022】
図示されるように、メインシートセクション29は、半円筒形であり、シートバック部分22と脚部シートセクション24’との交点となる領域の下方に延在する。このように、わずかな隆起部31が、メインシートセクション29と脚部シートセクション24’との交点に形成される。したがって、ユーザがユーザ支持面14上に配置されると、隆起部31は、ユーザに衝撃を与える加圧流体ジェットによって及ぼされる力が、ユーザを脚部シートセクション24’に沿ってスライドさせることを防止する。同様に、メインシートセクション29は、ユーザの体重の大部分がこれらの領域によって支えられているので、より強力なマッサージのためにユーザの腰部および臀部を位置決めするのに役立つ。したがって、ユーザ支持面14上のユーザの適切な位置決めが維持され、その後、加圧水ジェットが、ユーザの身体の適切な領域でユーザに衝撃を与えて、所望のマッサージ効果を達成する。
【0023】
ここで図8および図9を参照すると、中空の内部チャンバ27は、ハウジングシェル20によって画定される。ハウジングシェル20の底壁30は、ハウジングシェル20の縦方向の範囲に沿って中央で貯水槽28に傾斜する排水面を形成する。好ましくは、貯水槽28に戻る水が所望の速度で排水面を流れ落ちることを確実にするために、ダム33の形態の複数の水機構が、ハウジング20の底壁30から上向きに延在する。貯水槽28に戻る水が排水面を非常に速く流れ落ちる場合、水が貯水槽28に入るのではなく、貯水槽28を通過する可能性がある。そのような急速な水の戻り速度は、マッサージ装置10の継続的な動作を確実にするために、より多くの量の水が貯水槽28内に維持されることを必要とする。貯水槽28は、排水面を非常に速く流れ落ちるので、水が貯水槽28に入るのではなく、貯水槽28を通過する可能性がある。そのような急速な水の戻り速度は、マッサージ装置10の連続動作を確実にするために、より多くの量の水を貯水槽28に維持することを必要とする。ダム33を利用して、貯水槽28への水の戻り速度を制御することによって、マッサージ装置10の本実施形態は、装置内に保持されたわずか8~12ガロンの水で動作することができる。マッサージ装置10の本実施形態は、流体スプレー・アセンブリ16を介して毎分約105ガロンの速度で水を流すことができ、装置内に保持されるのは8~12ガロンのみであるが、代替の実施形態は様々な流量で機能する。前述のように、既存の装置では、連続操作のために最低20ガロンの水を内部に保持する必要がある。また、図9に示すように、バッフルプレート45は、貯水槽28への開口部に配置されている。バッフルプレート45は、そこから上方に延在する複数のバッフル47と、その間に配置された複数の開口部49とを含む。バッフル47は、貯水槽内の水が従来技術のマッサージ装置よりも乱流が少ないように、水の流れを貯水槽28内に均一に下方に方向転換するのを助ける。したがって、加圧流体供給装置18の液体ポンプ88内のキャビテーションの可能性は減少する。
【0024】
液体材料は、流体スプレー・アセンブリ16への供給および流体スプレー・アセンブリ16からの放出のためにボディマッサージ装置10によって利用される流体媒体として好ましく、以下に記載されるようなマッサージ効果を生み出し、水は、すぐに入手でき、一般的に非腐食性および非苛性の特性を考慮すると、最適な液体である。前述のように、水(8~12ガロン)または別の適切な液体の適切な供給が、流体供給装置18および流体スプレー・アセンブリ16、底部排水壁30、ならびに流体スプレー・アセンブリ16から放出された液体を貯水槽28に排出するように構成されているハウジングシェル20の他の内面を介して連続循環するために、貯水槽28に貯蔵される。もちろん、当業者は容易に認識できるように、加圧空気、他のガス、および他の流体材料はまた、本開示の範囲および実体から逸脱することなく流体マッサージ媒体として利用することができ、したがって、本開示は、水または別の液体マッサージ媒体の使用に限定されることを意図せず、そのように解釈されるべきではない。
【0025】
水または他のマッサージ液を、例えば通常の体温に近い温度、好ましくは華氏95度~100度の範囲に加熱して、液体によって生成されるマッサージ効果を増強することも好ましいが、装置は広範囲の液体温度の能力を有する。この目的のために、例えば、貯蔵されたマッサージ液に実質的に連続的に沈められるように、その中のマッサージ液の通常のレベルより下の液体貯水槽28内に取り付けられる、ヒーター要素(図示せず)を提供することができる。サーモスタット(図示せず)は、好ましくは、マッサージ液の温度の選択的制御を提供するために、加熱要素への電気回路に提供される。図3に示されるように、装置はまた、好ましくは、装置を通って循環している間に液体の摩擦接触から生じ得るマッサージ液への熱増加を相殺するために液体冷却システム70を備えている。図示されるように、液体冷却システム70は、ラジエーターの形態の熱交換器72と、ラジエーター72を横切って空気を引き込むための1つ以上のファン74とを含む。
【0026】
図9に示されるように、液体冷却システム70は、マッサージ装置10の足部に配置され、そこで空気を引き込み、空気は、ハウジングシェル20とマッサージ装置の外側ハウジングとの間に存在する容積19内のマッサージ装置10の長さを移動し、次いで、そのヘッドエンドで装置を出る。しかしながら、液体冷却システム70は、マッサージ装置10の長さに沿った任意の点に配置することができることに留意されたい。好ましくは、中空シェル20、特に底壁30と、外側ハウジングとの間に画定される開放容積は、マッサージ装置10の中央部分19”’に沿ったものよりも、マッサージ装置の足部19”および頭部19’で大きい。このようにして、液体冷却システム70のファン74(図3)によってマッサージ装置に引き込まれる周囲空気流は、空気が大きな足部セクションから、より小さな中央部分に沿って、より大きなヘッドセクションから流れ出て、マッサージ装置10を出るときに、ベンチュリ効果を受ける。空気流に対するベンチュリ効果は、空気が内部部品を通過するとき、空気の速度が増加するにつれて、マッサージ装置10の内部ならびにその内部部品をより効率的に冷却するのを助ける。
【0027】
さらに図7Aおよび図7Bを参照すると、シェル20は、側壁21の外面に配置された複数の鉛直方向に延在するリブ76、ならびに中空シェル20の底壁30の幅に沿って延在する複数の水平方向に延在するリブ78とを含む。鉛直リブ76は、側面側壁21に剛性を与えるが、水平リブ78は、中空シェル20の底壁に剛性を与える。したがって、中空シェル20の側壁21および底壁30の両方を形成するのに利用される材料の量は、より厚い壁のシェルの剛性を維持しながら、低減され得る。したがって、鉛直リブ76および水平リブ78は、既存のユニットと比較して、マッサージ装置10の全体的な重量の低減を可能にする。ハウジングシェル20の最上部は、ユーザ支持面14のそれに取り付けるためのフランジ面32を形成する。
【0028】
ユーザ支持面14は、上向きの開口部に隣接するフランジ32全域にわたって水密関係で取り付けられた防水材料の比較的薄いシート34から形成することができる。シート34は、好ましくは、流体スプレー・アセンブリ16から放出された流体がシート34の下側に衝突することにより、マッサージ効果がシート34を介してユーザの身体に伝達されるように十分に薄い。さらに、シート34は、好ましくは、シート34を介してユーザにマッサージ効果を最大に伝達するために、ユーザの身体に実質的に一致するのに十分な柔軟性および弾力性を有する。このように、シート34は、防水膜の性質で機能し、流体スプレー・アセンブリ16から放出される流体のマッサージ衝撃を著しく弱めることなく、ボディマッサージ装置10の操作中にユーザを乾いた状態に保つ。例えば、厚さが15~55ミルの範囲のシート状のラテックスゴムは、シート34にこれらの特性を提供するのに適した材料であるが、他の様々な市販のゴムおよびプラスチックシート材料もまた適切な結果を提供するはずである。
【0029】
ユーザの体重負荷支持の主要な手段として、図1の二点鎖線で部分的に示されているオープンメッシュネット35を、張力をかけた状態で、ハウジングシェル20のフランジ32に、シート34のすぐ下のその開口部を横切って水平に取り付けることができる。ネット35は、シート34の破裂または他の故障の場合に安全バリアを提供するためにユーザの体重を独立して支えるのに十分な強度でなければならない。同時に、ネット35のオープンメッシュ構造は、流体スプレー・アセンブリ16からネット35を通ってシート34の下側に対して流体の本質的に無制限の伝達を可能にする。好ましくは、ネット35は、ユーザの頭部および一番下の脚部の領域の下にあるユーザ支持面14の領域に教示されるものではない。したがって、ユーザ支持面の残りの部分と比較して、ユーザの頭部および足部は、より良好な位置決めおよび強化されたマッサージ効果のために、ユーザ支持面14に「沈む」ことができる。
【0030】
図1図7A、および図10に示されるように、ハウジングシェル20のフランジ32ならびに側壁21は、フレームパネル36によって覆われ、ハウジングシェル20全体およびシェル20の下に収納された内部操作部品の審美的に心地よい外部エンクロージャを提供する。具体的には、マッサージ装置10の内部からの水の損失を防ぐために、中空シェル20の内部チャンバ27とシート34との間に適切なシールを維持することが重要である。こうして、中空シェル20のフランジ32の上面の全長に沿って連続溝41が設けられ、連続溝41は、その中にOリング39を受け入れるように構成されている。図10に示されるように、シート34の外周は、Oリング39がその後配置される環状溝41上に延在する。Oリング39が所定の位置にある状態で、一連のインターロッキングフレームパネル36が、フランジ32の下側に係合するねじ付きノブ23によって所定の位置に固定され、それによってシート34をフランジ32に固定する。代替実施形態では、フレームパネル36は、フランジ32とのインターロック機構を介してそれらを所定の位置にスナップすることにより、フランジ32に固定することができる。下向きに延在する突起部36’は、各々のフレームパネル36の底面から連続溝41に延在し、それにより、Oリング39を圧縮し、マッサージ装置10の水密シールを強化する。フレームパネル36のインターロック機構により、ユニットを整備するために必要に応じて、工具を使用せずにフレームパネル36を取り外して再取り付けることができることに留意されたい。また、フランジ32を覆い、境界付けるフレームパネル36の上面は、好ましくは、ユーザ支持面14の出入り中のユーザの快適さのために衝撃を和らげることができる。
【0031】
貯水槽28に貯蔵された水によって占められる内部チャンバ27の部分と、流体スプレー・アセンブリ16および流体供給装置18によって占められる領域を除いて、ハウジングシェル20の内部チャンバ27は、実質的に空気で満たされている。したがって、予想されるように、ユーザがユーザ支持面14に横になると、それによって、ユーザ支持面14がわずかに下向きに内部チャンバ27内に移動し、いくらかの空気および潜在的に同伴される水蒸気が中空シェル20から流出すると予想されるので、内部チャンバ27の内部容積が減少する。その後の周囲の空気およびほこり、汚れなどの中空シェル20の内部への侵入を防ぐために、本マッサージ装置10は、図3および図5に最もよく見られるように、水蒸気循環システム130を含む。図示されるように、水蒸気循環システム130は、中空シェル20のヘッド部分の外面に固定され、チャンバ131の入口132に接続された配管134を介して中空シェル20の内部に接続された空気注入式のチャンバ131を含む。したがって、空気および同伴水蒸気が中空シェル20から押し出されると、それは周囲の環境へ出るのではなくチャンバ131に収集される。ユーザがユーザ支持面14を降ろすと、周囲環境から空気を引き込むのではなく、空気が単にチャンバ131から中空シェル20に引き戻される。チャンバ131の底部に出口136が設けられて、凝縮した水蒸気がそれを通って中空シェル20に戻ることができる。このように、中空シェル20の内部およびチャンバ131は、閉鎖系を形成し、それにより、マッサージユニット10内の所望の水の体積を維持するのを助け、ならびに周囲環境からのほこり、破片などの侵入を防ぐ。
【0032】
ここで図6を参照すると、流体スプレー・アセンブリ16は、ユーザの身体の実質的に幅方向の範囲を横切って横方向に向けられた、一般的に44で示される細長いマッサージスプレーヘッドを含む。マッサージヘッド44は、膜シート34の下側に対して圧力下でマッサージ流体を放出するように適合された様々な可能な構成および構成部品のいずれかとすることができる。例えば、1つの可能な構成において、マッサージヘッド44は、シート34に面する本体52の上方表面の実質的に全範囲にわたって、各々がノズルの形態である複数の放出開口部56を備えた実質的に中空の外側本体52を有し得る。放出開口部56は、本体52から、膜シート34の下側に対してジェット状のスプレーで上向きに加圧流体を送出する。好ましくは、細長いマッサージヘッド44および放出開口部56は、層流および乱流の両方の組み合わせであるジェット状のスプレーを提供するように構成される。多くの場合、既存のマッサージ装置は、厳密に層流または厳密に乱流であるジェットのようなスプレーを有する。厳密に層流のマッサージスプレーは、痛みおよび不快感を引き起こす可能性があるユーザの小さな領域にスプレーの力を集中させる。他方、厳密に乱流は、マッサージスプレーの圧力を広い領域に分散させ、その結果、所望のマッサージ効果が達成されない可能性がある。本マッサージ装置10は、以下に論じるように、マッサージスプレーヘッド44および対応する放出開口部56の設計によって、組み合わされた層流および乱流マッサージスプレーの所望の組み合わせを得る。
【0033】
また図11A図12Bを参照すると、マッサージスプレーヘッド44の中空の外側本体52は、好ましくは、射出成形された上半身部分82および射出成形された下半身部分86から形成される。図11Aおよび図11Bに示されるように、下半身部分86は、滑らかに丸みを帯びた入口84と、対応するローラーまたはホイール48(図13)を受け入れるための各々の端部にある複数のブラケット46とを含む。丸みを帯びた入口は、外側本体52内の流れがより乱れにくくなるように、外側本体52の内部への水のスムーズな入口流を提供するように構成される。図12Aおよび図12Bに最もよく見られるように、外側本体52の上半身部分82はまた、丸みを帯びた入口84ならびに複数の放出開口部56を含む。図示されるように、放出開口部56は、上半身部分82の長手方向中心軸線89からオフセットされた線に沿って配置される。丸みを帯びた入口84、その後の外側本体52内の層流、およびオフセットされた放出開口部56の組み合わせにより、本マッサージ装置10のマッサージスプレーヘッド44は、層流と乱流の両方を含む最適なマッサージスプレーを達成し、所望のマッサージ効果をもたらすことができる。好ましくは、マッサージスプレーヘッド44のモジュール設計は、外側本体52の上半身部分82を、放出開口部56の異なる配置を有する代替の上半身部分と単に交換することによって、所望のマッサージスプレーパターンを変更することを可能にする。
【0034】
図2および図13A図13Cに最もよく見られるように、細長いマッサージヘッド44は、ローラーまたはホイール48(図13)を備えたブラケット46によって各々の反対の端部で支持され、トラック26の角度構成に従って角度が変化する移動経路に沿ってチャンバ27の実質的に全長の範囲にわたって前後に横切ってトラック26に沿って回転移動する。一対の角度トラック26は、ハウジングシェル20の底壁30の内部に取り付けられ、各々は、チャンバ27の実質的に全長の範囲を通して、互いに平行に間隔を置いた関係で角度セクションに延在する。ローラー48は、チャンバ27内の縦方向の横断移動中にトラック26に沿って移動する。好ましくは、各々のトラック26は一体構造であり、代替の実施形態は、複数ピースのトラックを含むことができる。
【0035】
マッサージヘッド44の横断移動は、任意の適切な駆動機構を介して、マッサージチャンバ27の縦方向の範囲を通って前後に往復駆動される。例えば、図示の実施形態では、歯付きタイミングベルト66(図2)が、マッサージヘッド44の端部のそれぞれのブラケット46の反対側のベルト端部に取り付けられ、チャンバ27の各々の反対側の端部で、およびトラック26の角度方向の各々の変化の位置でも、トラック26に隣接する側壁21の内面に回転可能に取り付けられた一連の歯付きガイドプーリー68の周りに動力伝達される2つのエンドレス駆動ベルトループを形成する。チャンバ27の一端にあるプーリー68は、一方の側壁21を介してジャーナルされ、ベルト66に、次にトラック26に沿って移動するためにマッサージヘッド44に、同期駆動運動を与えるための可逆駆動モーター70に、その外部で接続された共通の駆動シャフトに固定される。駆動モーター70の反転を制御するために、マッサージヘッドの移動の限界点に、エレクトリックアイ(図示せず)などの任意の適切な形態のセンサを設けることができる。
【0036】
再び図3を参照すると、加圧された流体は、流体供給装置18からマッサージヘッド44に任意の適切な方法で送出される。例えば、加圧流体供給装置18は、液体ポンプ88を駆動する電気モーター90を有して、例えば、水中管状継手を介して、ハウジングシェル20の液体貯水槽28から流体を引き出すことができる。ポンプ88の出口側は、流量制御弁(図示せず)が内部に配置され、導管92とマッサージヘッド44の外側本体52上の継手との間に接続された可撓性チューブ(図示せず)の長さを有する導管92を介して圧力下の流体をマッサージヘッド44に送出する。
【0037】
理解されるように、内部チャンバ27を横方向に横切るマッサージヘッド44の幅方向のリーチは、ユーザ支持面14上で支持されるユーザの身体の横方向の全範囲、特に、ユーザの肩、背中または胸、中央部および腰の全幅にわたって、マッサージ作用を効果的に印加する。対照的に、ユーザ支持面14の遠位頭部領域110(図1B)および脚部領域112では、ユーザのより狭い頸部と脚部の効果的なマッサージ作用を達成するために、マッサージヘッド44の全幅方向のリーチにわたって流体スプレーは必要とされない。したがって、ユーザの身体のこれらの選択された領域へのマッサージスプレーの最適な印加を保証するために、本開示は、流体スプレー・アセンブリ16とユーザ支持面14の下側の中間の内部チャンバ27内に配置された、好ましくは2つのデフレクタ114、116の形態の制御装置を提供し、流体スプレーの方向性のある流れを選択的に変更および方向転換して、主にユーザの頸部および脚部のみでユーザ支持面14のより狭い幅方向部分に集中させる。
【0038】
より具体的には、図4Aおよび図4Bに示されるように、頭部/頸部デフレクタ114は、内部チャンバ27内でハウジングシェル20の端部壁に取り付けられた2対のデフレクタプレート118aおよび118bを含み、各々の対の中のデフレクタプレートは、互いに横方向に間隔が空いており、ユーザ支持面14の頭部領域110の横方向の外側マージンの下側に沿って、流体スプレー・アセンブリ16の上方に、ハウジングの長手方向に端部壁から延在する。これにより、デフレクタプレート118aおよび118bは、それぞれ、ユーザの頸部および頭部が上に置かれるユーザ支持面14の領域に沿って外向きに配置され、各々の対の中のプレート118aおよび118bは、プレート間の間隔において、そうでなければユーザ支持面14の占有されていない領域に衝突するであろうマッサージヘッド44の放出開口部56からの流体の流れの部分を、ユーザ支持面14の下側に向かって内向きに偏向するために収束関係で互いに向かって傾斜しており、それによって流体スプレーの偏向された部分をユーザの頸部に衝突するように向け直す。図示の好ましい実施形態では、マッサージスプレーヘッド44の各々の放出開口部56にデフレクタプレートがあり、その結果、マッサージスプレーの流れは、最初に対応するデフレクタプレートに接触することなく、ユーザの頭部/頸部に直接衝突しない。頭部/頸部デフレクタ114は、デフレクタプレートによって最初に方向転換することなく、脊髄領域へのウォータージェットの直接の衝突を防ぐことによって、ユーザの頸部領域の軟組織におけるマッサージヘッド44のマッサージ効果を最大化するのに役立つ。同様に、デフレクタプレートは、ウォータージェットがユーザを直接支持している領域の外側にあるユーザ支持面の領域に衝突するのを防ぎ、それによってジェットからの異音を低減する。
【0039】
同様に、図14に示されるように、脚部デフレクタ116(図2)は、互いに直接隣接し、ユーザ支持面14の脚部領域112の下側に沿って中央に、かつ流体スプレー・アセンブリ16の上方に、ハウジングの端部壁から長手方向に延在する、ハウジングシェル20の反対側の端部壁に内部チャンバ27内で取り付けられた一対のデフレクタプレート120を含む。これにより、デフレクタプレート120は、ユーザの脚部が上に置かれる外側領域間で、ユーザ支持面14の中央長手方向領域に沿って、それぞれ配置される。プレート120は、共通の下部プレートエッジに沿って互いに当接し、そうでなければユーザの脚部間のユーザ支持面14の空いている領域に衝突するであろうマッサージヘッド44の中央範囲からの流体流の部分を、プレート120の外向きにユーザ支持面14の下側に向かって外向きに偏向するために分岐関係で互いに上方に傾斜しており、それによって、流体スプレーの偏向された部分を方向転換して、ユーザの脚部に衝突させる。
【0040】
したがって、本開示のボディマッサージ装置の動作を理解することができる。マッサージヘッド44がチャンバ27内を縦方向に前後に移動するとき、加圧された液体は、ポンプ88から、介在する導管を通って、マッサージヘッド44の外側本体52の内部に、そしてそこから放出開口部56を通ってジェット状のスプレーで送出される。シート34の相対的な薄さは、その弾力性のある柔軟性とともに、シート34をユーザの身体の形状および輪郭に比較的密接に合わせ、次に、シート34の下側に対する噴射された液体の衝撃は、それを介してユーザの身体に容易に伝達され、ユーザの身体にマッサージ効果をもたらす。マッサージヘッド44がその移動運動において内部チャンバ25の各々の反対側の端部に到達すると、エレクトリックアイまたは他のセンサがマッサージヘッド44の存在を認識し、次に、電気モーター70の反転を作動させて、反対方向にマッサージヘッド44の駆動を開始する。
【0041】
ここで図15を参照すると、本開示の代替実施形態に係るハウジングシェル120が示されている。ハウジングシェル120は、移動流体スプレー・アセンブリ16(図2)ではなく、本ハウジングシェル120は、底壁130から上方に向けられた複数の流体ノズル156を含むという点で、前述の実施形態とは主に異なる。この設計は、移動流体スプレー・アセンブリ16を有する実施形態で必要とされる様々な部品の省略を可能にする。図示のように、流体ノズル156は、底壁130に沿って水平および鉛直の列に配置される。しかしながら、流体ノズル156は、例えば、円形、千鳥状、位置に基づいて間隔を変えるなどが含まれるが、これらに限定されない任意の所望のパターンで配置され得ることに留意されたい。また、使用中、スプレーノズル156は、同時に、ユーザの位置に基づいて選択したゾーンで独立してなどで、操作され得ることに留意されたい。
【0042】
したがって、本開示は、広範な有用性および応用を受け入れる余地があることが当業者によって容易に理解されるであろう。本明細書に記載のもの以外の本開示の多くの実施形態および適合形態、ならびに多くの変形、修正、および均等の構成は、本開示の内容または範囲から逸脱することなく、本開示およびその前述の説明から明らかであるか、またはそれらによって合理的に示唆されるであろう。したがって、本開示は、その好ましい実施形態に関連して本明細書で詳細に説明されてきたが、本開示は、本開示の概略的かつ例示的なものにすぎず、単に本発明の完全で実現する開示を提供することを目的としている。前述の開示は、本開示を限定すること、またはさもなければそのような他の実施形態、適合形態、変形、修正、および均等の構成を除外することを意図または解釈するものではなく、本開示は、本明細書に添付される特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15