(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用のカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240904BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240904BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20240904BHJP
【FI】
A24F40/42
A24D1/20
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2021562189
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2020064184
(87)【国際公開番号】W WO2020239599
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-28
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スピーレス, サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ガフナー, ファビアン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/104078(WO,A1)
【文献】特表2017-520263(JP,A)
【文献】特表2017-520245(JP,A)
【文献】特表2019-503659(JP,A)
【文献】国際公開第2019/073237(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/202965(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/050873(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0168231(US,A1)
【文献】国際公開第2020/152295(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のカートリッジであって、
2つの主面と、2つの縁面と、前端面及び後端面とを有
し、各主面
が100mm
2~2000mm
2である面積を有し、且つ
厚さが0.5mm~3.0mmである、
エアロゾル発生基材の平板と、
前記2つの主面及び前記2つの縁面の周囲に延びる包装紙と、を含み、
前記包装紙は、前記平板の前端面から延びて、前記平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成し、前記マウスピースは、前記エアロゾル発生基材の断面形状と同じ断面形状を有する、カートリッジ。
【請求項2】
前記断面形状は、矩形である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記包装紙は、10nm~1000nmである厚さを有する、請求項
1又は2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記包装紙は、前記縁面の一方に重なり部分を含む、請求項
1乃至3
のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記包装紙は、互いに重なり合わずに互いに面する2つの端部を含む、請求項
1乃至3
のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
接着剤は、前記包装紙と前記エアロゾル発生基材との間に設けられる、請求項
1乃至5のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項7】
空気流経路は、前記後端面から前記前端面に設けられ、且つ前記空気流経路は、前記包装紙と前記エアロゾル発生基材との間に設けられる、請求項
1乃至6のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記空気流経路は、前記エアロゾル発生基材内の1つ若しくは複数の溝又はチャネルによって設けられる、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記マウスピースは、前記マウスピースが前記平板の前記前
端面から延びるときに前記マウスピースの形状を維持するための内部支持構造を含む、請求項
1乃至8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記内部支持構造は、波形支持構造である、請求項
9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記包装紙はまた、前記平板の後面から延びて空気入口部分を形成する、請求項
8乃至10のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記2つの主面に平行な平面内における前記平板の剛性を高めるための支持要素を含む、請求項1
乃至11のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項13】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1
乃至12のいずれか一項に記載のカートリッジと、
前記主面の少なくとも一方に隣接して位置決めされた加熱器と
を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項14】
エアロゾル発生装置用のカートリッジを製造する方法であって、
2つの主面と、2つの縁面と、空気流にさらすことができる前端面及び後端面とを有
し、各主面
が100mm
2~2000mm
2である面積を有し、且つ
厚さ
が0.5mm~3.0mmである、
エアロゾル発生基材の平板を準備することと、
前記2つの主面及び前記2つの縁面の周囲に延びる包装紙を準備することと、を含み、
前記包装紙は、前記平板の前端面から延びて、前記平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成し、前記マウスピースは、前記エアロゾル発生基材の断面形状と同じ断面形状を有する、方法。
【請求項15】
エアロゾル発生装置用のカートリッジであって、
2つの主面と、2つの縁面と、空気流にさらすことができる前端面及び後端面とを有するエアロゾル発生基材の平板と、
前記平板に巻き付けられる包装紙であって、前記平板の前面から延びて、前記平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成する、包装紙と
、を含み、
前記マウスピースは、前記エアロゾル発生基材の断面形状と同じ断面形状を有する、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用のカートリッジに関する。特に、本発明は、加熱が行われたときにエアロゾルを迅速に発生させるために加熱できるタバコなどのエアロゾル発生基材を含むカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアロゾル発生材料を燃やすのではなく、加熱して、吸入用のエアロゾルを生成する装置が消費者に人気になってきている。典型的には、エアロゾル発生材料を含むカートリッジは、熱を発生させるために使用できるエアロゾル発生装置内に提供される。そのような装置は、多数の異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル発生材料に熱を提供することができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを用いるエアロゾル発生装置を提供することであり、このエアロゾル発生装置には、エアロゾル発生材料を含むエアロゾル発生物品をユーザが着脱可能に挿入することができる。そのような装置では、誘導コイルが装置に設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル発生物品に設けられる。ユーザが装置を作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、これにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱が、例えば伝導によって、エアロゾル発生材料に伝達され、エアロゾル発生材料が加熱されるとエアロゾルが発生する。別の手法では、エアロゾル発生材料の近傍に抵抗加熱器が設けられ、伝導、対流、放射、又はこれらのいくつかの組み合わせによって加熱が行われる。このように、エアロゾル発生材料を加熱することができ、これにより、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させる。
【0003】
これらの種類の装置の両方において、エアロゾル発生基材の加熱開始とエアロゾルの発生との間に遅延が生じる可能性がある。この遅延は、エアロゾルを発生させる前にエアロゾル発生基材の温度を上昇させる必要があるので生じる可能性がある。ユーザ体験を向上させるために、この遅延の長さを最小化することが望ましい。本発明の目的は、これらの問題のいくつかに対処することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様によれば、エアロゾル発生装置用のカートリッジであって、2つの主面と、2つの縁面と、前端面及び後端面とを有するエアロゾル発生基材の平板を含み、各主面は、100mm2~2000mm2である面積を有し、且つ平板の厚さは0.5mm~3.0mmである、カートリッジが提供される。
【0005】
エアロゾル発生基材の平板は、10mm~40mm、より好ましくは10mm~20mmの長さと、10mm~50mm、より好ましくは10mm~30mmの幅と、0.5mm~3.0mmの厚さとを有し得る。各主面の表面積は、好ましくは100mm2~1600mm2、より好ましくは100mm2~1000mm2、更により好ましくは100mm2~600mm2であり得る。
【0006】
前端面及び後端面は、好ましくは、カートリッジがエアロゾル発生装置内に設置されたときに空気流にさらされるように構成される。空気流は、好ましくは、前端面及び後端面に対して垂直な表面に略平行な方向にある。このように、ユーザは、エアロゾル発生装置内のエアロゾルを吸入するために、エアロゾル発生基材の平板を通る又は通過する空気流を発生させることができる。
【0007】
平板の厚さは、好ましくは、一方の主面から他方の主面までの距離である。平板は、好ましくは、直方体又は四角柱である形状を有する。総容積が小さいが、広い主面面積を有する薄い平板を提供することが有利であることが判明している。このように、主面の少なくとも一方を通して熱を加えることができ、平板の温度を迅速に上昇させて必要量の蒸気を生成することができる。いくつかの構成では、最初に熱が加えられた時間から約10秒以内に蒸気を生成できることが判明している。
【0008】
エアロゾル発生基材は、蒸気を形成することが可能な任意の適切な物質であり得る。物質は、固体又は半固体であり得る。物質は、植物由来の材料を含み得、特に、物質は、タバコを含み得る。例示のタイプの蒸気発生固体としては、粉末、顆粒、ペレット、破片、より糸、多孔性材料、発泡体、又はシートが挙げられる。平板は、タバコを含む、これらの種類のエアロゾル発生基材によって形成することができる。
【0009】
エアロゾル発生基材は、半固体ムースであり得る、タバコ発泡体を含み得る。タバコ発泡体は、複数の微細なタバコ粒子を含み得、また、保湿剤及び/又は発泡剤(例えば、寒天、ジェランガム、レシチン、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のグリセロールエステル)及び/又は結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)などの、ある量の水及び/又は水分添加剤を含むこともできる。タバコ発泡体は、多孔性であり得、発泡体を通る空気及び/又は蒸気の流れを可能にし得る。
【0010】
エアロゾル発生基材は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約5%~約50%、好ましくは10%~20%、より好ましくは約15±2%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。
【0011】
好ましくは、カートリッジは、2つの主面及び2つの縁面の周囲に延びる包装紙を含む。包装紙は、有利には、エアロゾル発生基材が加熱器の表面に付着するのを防止することができ、この包装紙は、2つの主面と2つの縁面とに巻き付くことによって簡便に形成することができる。このことは、装置を清潔に保つのに役立つことができ、それは、カートリッジを容易且つ衛生的に取り外して交換できることを意味する。特定の実施形態では、加熱器に隣接する主面に平面状のフィルム又はカバーを設けることによって、エアロゾル発生基材が加熱器に付着するのを防止することが可能であり得る。
【0012】
好ましくは、包装紙は、10nm~1000nmである厚さを有する。包装紙は、好ましくは、紙材又は紙基材である。そのような包装紙の使用によって、発生したエアロゾルの一部を紙が吸収することが可能となり得、このことは、装置を清潔に保つのに役立つことができる。実施形態では、包装紙は、エアロゾル発生基材を収容する管状のケース又はスリーブであり得る。
【0013】
包装紙は、縁面の一方に重なり部分を含み得る。この重なり部分によって、包装紙の2つの端部を互いに確実に接合することが可能となる。例えば、2つの端部を重なり部分において互いに接着することができる。これにより、有利には、平板の剛性が向上し得る。好ましくは、重なり部分は、縁面の少なくとも一方にのみ存在し、主面には存在しない。加えて、重なり部分は、主面を通しての平板への熱の供給を潜在的に妨げる可能性があり、この熱供給の妨げは、端面にのみ重なりをもたらすことによって低減される。
【0014】
包装紙は、縁面の少なくとも一方にのみ重なり部分の端部を含み得る。平板の縁面(主面ではなく)にのみ重なり部分の端部を設けることによって、主面上の包装紙の均一な厚さを実現することが可能である。これにより、有利には、主面にわたって平板に熱が加えられる均一性を向上させることができる。
【0015】
包装紙は、互いに重なり合わずに互いに面する2つの端部を含み得る。このように、包装紙は、2つの主面及び2つの縁面の周囲に一定の厚さを有することができる。このことは、包装紙が平板の外面の周囲での加熱を略等しく妨げることを意味する。いくつかの実施形態では、包装紙は、平板を受け入れることができる連続したスリーブとして構成され得る。
【0016】
更なる代替構成では、包装紙は、2つの端部を含み得、2つの端部の少なくとも一方は、重なり形態で又は別様に、主面の少なくとも一方に設けられる。この形態は、縁面が(僅か約0.5mmの厚さの)小さな面であり得るので好ましいことがある。この小さな縁面は、包装紙の端部が縁面に設けられる場合には縁面の端部を適切に固定することが困難であり得ることを意味する。小さな縁面によって、カートリッジの堅牢性を更に向上させることができる包装紙の完全性が向上し得る。加えて、この手法は、製造し易さを向上させ得る。包装紙の重なりが生じる実施形態では、包装紙の内端部は重なり部分によって覆われ得、包装紙の外端部は露出され得る。外端部は、包装紙の重なりが主面にわたって部分的に延びるように主面の一方に設けられ得る。いくつかの形態では、包装紙の内端部と外端部の両方は、主面の一方に設けられ得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、接着剤は、包装紙とエアロゾル発生基材との間に設けられる。接着剤は、糊であり得る。
【0018】
空気流経路は、好ましくは、後端面から前端面に設けられ、且つ空気流経路は、好ましくは、包装紙とエアロゾル発生基材との間に設けられる。このように、発生したエアロゾルをより効果的に収集して、ユーザに向かって流れる空気中に取り込むことができるように、エアロゾル発生基材の表面を横切るように空気流を提供することができる。
【0019】
一形態では、空気流経路は、2つの縁面の少なくとも一方と包装紙との間に設けられ得る。別の形態では、空気流経路は、2つの主面の少なくとも一方と包装紙との間に設けられ得る。
【0020】
空気流経路は、エアロゾル発生基材内の1つ若しくは複数の溝又はチャネルによって設けられ得る。エアロゾル発生基材内のチャネルは、一方の主面から他方の主面に、且つ/又は一方の縁面から他方の縁面に、且つ/又は前端面から後端面に延びる孔であって、平板の内部の空気流を促進する孔を含み得る。
【0021】
別の形態では、空気流経路は、包装紙(又は少なくとも一方の主面に設けられる平面状のフィルム若しくはカバー)内の1つ又は複数の溝によって設けられ得る。包装紙の内側に溝を設けることによって、空気流経路は、包装紙とエアロゾル発生基材との間に設けられ得る。一方、包装紙の外側に溝を設けることによって、空気流経路は、カートリッジがエアロゾル発生装置内に受け入れられたときに包装紙と加熱器との間に設けられ得る。いずれの場合も、空気流経路によって、エアロゾル発生基材からユーザへの蒸気の抽出を向上させることができる。
【0022】
包装紙は、平板の前面から延びて、平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成し得る。このマウスピースによって、ユーザの口が平板から望ましく隔てられて、エアロゾルがマウスピース内で冷却することが可能となり得る。マウスピースは、カートリッジがエアロゾル発生装置内に設置されたときにエアロゾル発生装置のハウジング内の開口部から突出し得る。
【0023】
マウスピースは、好ましくは、内部支持構造を含む。この内部支持構造は、マウスピースがユーザの口内に受け入れられたときにマウスピースが圧潰されるのを防止することができる。内部支持構造はまた、マウスピースが平板の前面から延びるときにマウスピースの断面形状を維持するのに役立つことができる。更に、内部支持構造は、エアロゾル発生材料の平板の構造的剛性を向上させるのに役立つことができ、このエアロゾル発生材料の平板はまた、同じ包装紙内に収容することができる。
【0024】
内部支持構造は、波形支持構造であり得る。2つの例では、波形支持構造は、波状に起伏した紙又は段ボールであり得る。代替構成では、内部支持構造は、紙又は繊維で作られたフィルタ材料などの、材料のブロックであり得る。例えば、アセテートフィルタが使用され得る。
【0025】
包装紙は、平板の後面から延びて空気入口部分を形成し得る。空気入口部分の形成は、製造効率のために望ましい場合がある。多数のカートリッジが1つのラインとして一緒に作られることがあり、これらのカートリッジは、マウスピース部において切断されて個々のカートリッジを形成することができる。それゆえ、平板の後面からの包装紙延出部は、隣接するカートリッジのマウスピース部であったものに相当し得る。切断位置の精度に必要な精密さを低下させることが望ましく、この精度の低下によって、技術上の原因で作り出されるものとして後部延出部が作製され得る。平板の後面から包装紙を延出させることはまた、平板をカートリッジ内に固定するのに有利であり得る。
【0026】
カートリッジは、好ましくは、2つの主面に平行な平面内における平板の剛性を高めるための支持要素を含む。一構成では、包装紙は、薄い平板が屈曲するのを防止するのに役立つように構造的支持を与え得る。縁部の剛性を高めることによって、平板が長手方向に屈曲するリスクが低減され得るので、構造的支持を与えることは、2つの縁面の周囲に包装紙を提供することによって達成され得る。包装紙は、主面と縁面との交点に沿った折り目を含み得る。これらの折り目は、有利には、追加の構造的支持を平板に与え得る。別の形態では、支持要素は、平板が周囲に形成される2次元又は3次元の格子を含み得る。これにより、平板の剛性が向上し得る。
【0027】
本発明の別の態様によれば、既に定義したカートリッジと、主面の少なくとも一方に隣接して位置決めされた加熱器とを含む、エアロゾル発生装置が提供される。加熱器は、抵抗加熱器を含み得る。抵抗加熱器は、主面のうちの一方の面積と略同じ面積を有し得る。それぞれの主面に隣接する2つの抵抗加熱器が存在し得る。
【0028】
エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するために開放できるヒンジ式蓋を備えた本体を有し得る。ヒンジ式蓋は加熱チャンバ及び加熱面への容易なアクセスを提供するので、ヒンジ式蓋を設けることが有利である。このヒンジ式蓋は、加熱チャンバの容易なメンテナンス及び清掃を許容することができ、例えば、本体内の開口部を通して偶発的に取り込まれたいかなる異物もユーザが取り除くことを可能にする容易なアクセスを可能にすることができる。好ましくは、カートリッジのマウスピース部分は、ユーザによるアクセスを容易にするために、本体内の開口部を貫通して延びるか、又は本体及び蓋によって画定される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生装置用のカートリッジを製造する方法であって、2つの主面と、2つの縁面と、空気流にさらすことができる前端面及び後端面とを有するエアロゾル発生基材の平板を準備することを含み、各主面は、100mm2~2000mm2である面積を有し得、且つ平板の厚さは0.5mm~3.0mmであり得る、方法が提供される。
【0030】
好ましくは、方法は、2つの主面及び2つの縁面の周囲に包装紙を提供することを更に含む。方法はまた、平板の前面から包装紙を延出させて、平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成することを含み得る。複数のカートリッジが一緒に作製されることがあり、その方法は、マウスピース部分においてカートリッジを切断して個々のカートリッジを作製することを含み得る。
【0031】
本発明の更に別の態様によれば、エアロゾル発生装置用のカートリッジであって、2つの主面と、2つの縁面と、空気流にさらすことができる前端面及び後端面とを有するエアロゾル発生基材の平板と、平板に巻き付けられる包装紙であって、平板の前面から延びて、平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成する、包装紙とを含む、カートリッジが提供される。
【0032】
本発明の更に別の態様によれば、エアロゾル発生装置用のカートリッジを製造する方法であって、2つの主面と、2つの縁面と、空気流にさらすことができる前端面及び後端面とを有するエアロゾル発生基材の平板を準備するステップと、包装紙を平板に巻き付けるステップであって、包装紙は、平板の前面から延びて、平板を通過する又は通る空気流をユーザが発生させてエアロゾルを吸入できるマウスピースを形成する、ステップとを含む、方法が提供される。
【0033】
上記で説明した本発明の態様の任意選択の特徴は、任意の従来の方法で組み合され得る。加えて、機器の特徴は、方法の特徴/ステップとして提供され得、その逆も然りである。
【0034】
ここで、本発明の実施形態について、以下の図面を参照しながら単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】本発明の実施形態における、カートリッジが所定の位置にある開放形態にあるエアロゾル発生装置の斜視図である。
【
図1B】異なる視点からの
図1Aのエアロゾル発生装置を示す。
【
図2A】本発明の実施形態における、カートリッジが内部に設置された閉鎖形態にあるエアロゾル発生装置の斜視図である。
【
図2B】異なる視点からの
図2Aのエアロゾル発生装置を示す。
【
図3】本発明の実施形態における、閉鎖形態にあるエアロゾル発生装置及びカートリッジの一方側からの斜視図である。
【
図4】本発明の別の実施形態におけるエアロゾル発生装置用のカートリッジの斜視図である。
【
図5】
図4のカートリッジであるが、透明な外側包装紙を備えたカートリッジを示す斜視図である。
【
図6】部分的に未包装の形態にある
図4のカートリッジを示す斜視図である。
【
図7A】本発明の実施形態における、単一のラインとして作製された複数のカートリッジの上面図である。
【
図7B】カートリッジが個々のカートリッジに分離された後の
図7Aの複数のカートリッジを示す。
【
図8】本発明の実施形態における、カートリッジが内部に設置されたエアロゾル発生装置の概略側断面図である。
【
図9】本発明の別の実施形態における、カートリッジが内部に設置されたエアロゾル発生装置の概略側断面図である。
【
図10】本発明の実施形態におけるエアロゾル発生装置用のカートリッジの斜視図である。
【
図11】本発明の別の実施形態におけるエアロゾル発生装置用のカートリッジの斜視図である。
【
図12】本発明の別の実施形態におけるエアロゾル発生装置用のカートリッジの斜視図である。
【
図13】本発明の別の実施形態におけるエアロゾル発生装置用のカートリッジの斜視図である。
【
図14】線A-Aに沿った
図9に示すエアロゾル発生装置の断面端面図である。
【
図15】異なる実施形態における、線A-Aに沿った
図9に示すエアロゾル発生装置の断面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の文脈では、エアロゾル及び蒸気は、交換可能な表現とみなすことができる。すなわち、エアロゾルは蒸気であり、蒸気はエアロゾルである。喫煙用のエアロゾルは、粒径が0.5~7ミクロンのエアロゾルを指すことがある。粒径は、10又は7ミクロン未満であり得る。
【0037】
図1A及び
図1Bは、開放形態にあるエアロゾル発生装置2の斜視図である。
図2A及び
図2Bは、閉鎖形態にあるエアロゾル発生装置2の斜視図である。エアロゾル発生装置2は、タバコなどのエアロゾル発生基材を収容するカートリッジ6の挿入又は取り外しのために開放できるヒンジ式蓋4を含む。ヒンジ式蓋4は、カートリッジ6を把持して所定の位置に固定するために閉鎖することができる。ヒンジ式蓋4が開放位置にあるときに、使い切ったカートリッジ6を取り外すことができ、未使用のカートリッジ6を定位置に収めることができる。
【0038】
エアロゾル発生装置2は、カートリッジ6を受け入れるような形状及び大きさとされる内部空洞を含む。カートリッジ6は、カートリッジ6が内部空洞内に収まり且つエアロゾル発生装置2のハウジング内の開口部8から突出してマウスピース20を形成するような大きさとされる。
【0039】
カートリッジ6の更なる詳細は、
図4~
図6から明らかである。カートリッジ6は、タバコを含むエアロゾル発生基材10を含む。エアロゾル発生基材10は、固体又は半固体とすることができる。例示のタイプの蒸気発生固体としては、粉末、顆粒、ペレット、破片、より糸、多孔性材料、発泡体、又はシートが挙げられる。
【0040】
好ましい構成では、エアロゾル発生基材10は、半固体ムースであり得る、タバコ発泡体である。タバコ発泡体は、典型的には、複数の微細なタバコ粒子を含み、典型的には、ある量の水、及び/又は湿潤剤などの水分添加剤を含むこともできる。タバコ発泡体は、多孔性であり得、発泡体を通る空気及び/又は蒸気の流れを可能にし得る。
【0041】
エアロゾル発生基材10は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。典型的には、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。好ましくは、エアロゾル発生基材は、乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。
【0042】
エアロゾル発生基材10は、略直方体又は略四角柱である形状を有する材料の平板である。エアロゾル発生基材10は、2つの主面12a、bと、2つの縁面14a、bと、前端面16a及び後端面16bとを有する。エアロゾル発生基材10は、典型的には、10mm~40mm、より好ましくは10mm~20mmの長さと、10mm~50mm、より好ましくは10mm~30mmの幅と、0.5mm~3.0mmの厚さとを有する。各主面の表面積は、好ましくは100mm2~2000mm2、より好ましくは100mm2~1600mm2、より好ましくは100mm2~1000mm2、更により好ましくは100mm2~600mm2である。
【0043】
エアロゾル発生基材10の平板は、通気性材料であり得る、包装紙18内に提供され、好ましくは、10nm~1000nmの厚さを有する紙で作製される。包装紙18は、2つの主面12a、b及び2つの縁面14a、bの周囲に延びる。包装紙18は、主面12a、bと縁面14a、bとの交点に紙の折り目を含み、この紙の折り目は、有利には、屈曲のリスクを低減するとともに、主面12a、bを平坦な形態に維持するのに役立つように、カートリッジ6の全体的な剛性を向上させることができる。前端面16a及び後端面16bは、前端面16a及び後端面16bをエアロゾル発生装置2内の空気流にさらすことができるように包装紙18によって覆われない。包装紙18は、有利には、エアロゾル発生基材10がエアロゾル発生装置2内の加熱器30、32に付着するのを防止することができる。糊(又は他の接着剤)は、包装紙18とエアロゾル発生基材10との間に設けることができる。包装紙18は、いくつかの構成では空気透過性でなくてもよいが、空気の流れを可能にできる孔又は穿孔を有し得る。
【0044】
一実施形態では、包装紙18は、縁面14a、bの一方に重なり部分を含む。このように、包装紙18は、包装紙18の重なり部分を縁面14a、bの一方に沿って包装紙の残り部分に接着することによって、所定の位置に固定することができる。有利には、重なり部分は、縁面14a、bの一方にのみ存在し、主面12a、bのいずれにも延びていない。これにより、エアロゾル発生基材10が主面12a、bを通して熱を均一に受け取ることができるように、包装紙18が主面12a、bに沿って均一な厚さを有することが確実となる。包装紙18の重なり部分はまた、有利には、エアロゾル発生基材10の剛性を向上させて、屈曲する可能性を低減することができる。
【0045】
別の実施形態では、包装紙18は、重なり部分を含まない。そのような形態では、包装紙18は、重なり合わずに互いに面する2つの端部を有することができる。このように、包装紙18は、2つの主面12a、b及び2つの縁面14a、bの周囲に一定の厚さを有することができる。このことは、包装紙18がエアロゾル発生基材18の周囲に略等しい厚さを呈することを意味する。別の実施形態では、包装紙18は、エアロゾル発生基材10の周囲に延びる連続したスリーブとして構成され得る。他の実施形態では、包装紙18は、主面12a、bにのみ又は主面12a、bの一方にのみ設けられるカバー又はフィルムとして実装され得る。
【0046】
更に別の形態では、包装紙18は、主面12a、bの一方に設けられる2つの端部を有することができる。両端部は、重なり形態で又は別様に設けることができる。これにより、包装紙18の完全性が向上し、包装紙18が剥ぎ取られるリスクが低減され得る。この手法は、これらの縁面は比較的小さな面であり得るので、縁面14a、bの一方に当接させるよりも主面12a、bの一方に当接させて2つの包装紙端部を接合する方が簡単であり得るという理由から、製造し易さを向上させ得る。
【0047】
カートリッジ6は、エアロゾル発生基材10の前端面16aから延びるマウスピース部分20を含む。マウスピース部分20は、マウスピース部分20がエアロゾル発生基材10の断面形状と同じ断面形状を維持する、第1の段ボールブロック22の周囲に延びる包装紙18によって形成される。第1の段ボールブロック22は、マウスピース部分20が、ユーザの口内に受け入れられたときの圧潰に対する抵抗性を有するように、マウスピース部分20の形状を維持するのに役立つ。第1の段ボールブロック22はまた、屈曲する可能性を低減するために全体的なカートリッジ6内の薄いエアロゾル発生基材10の構造的剛性を維持するのに役立つ。他の実施形態では、第1の段ボールブロック22は、エアロゾル発生基材10の前端面16aからマウスピース部分20の開放端部への空気流を同様に許容する他の種類の材料に置き換えられ得る。例えば、第1の段ボールブロック22は、多孔性フィルタ材料のブロック又は複数の支柱に置き換えられ得、これらの各々は、マウスピース部分20の断面形状を維持して、包装紙18がエアロゾル発生基材10に巻き付けられたままで包装紙18が支持できる構造を提供するのに役立つことができる。マウスピース部分20は、エアロゾル発生基材10の前端面16aからカートリッジ6の開放端部までの、約10mm~25mm、より好ましくは10mm~20mmの長さを有する。マウスピース部分20は、ユーザの口をエアロゾル発生基材10の平板から隔てることができ、これにより、エアロゾルがユーザの口内に受け入れられる前に、発生したエアロゾルのある程度の冷却をマウスピース部分20内において許容することができる。この冷却効果によってユーザ体験を向上させることができることが判明している。
【0048】
カートリッジ6はまた、エアロゾル発生基材10の後端面16bから延びる空気入口部分24を含む。空気入口部分24は、空気入口部分24がエアロゾル発生基材10の断面形状と同じ断面形状を維持するのに役立つ第2の段ボールブロック26の周囲に延びる包装紙18によって形成される。同様に、第1の段ボールブロック22に関して上記で説明したように、第2の段ボールブロック26は、屈曲する可能性を低減するために全体的なカートリッジ6内の薄いエアロゾル発生基材10の構造的剛性を維持するのに役立つことができる。第2の段ボールブロック26はまた、空気の流れを許容する別の材料に置き換えることもできる。使用時に、空気の流れは、空気入口部分24を通してカートリッジ6内に運ぶことができる。空気入口部分24は、エアロゾル発生基材10の後端面16bからカートリッジ6の開放後端部までの、約5mm~10mmの長さを有する。
【0049】
図7Aは、本発明の実施形態における、単一のラインとして作製された複数のカートリッジ6の上面図である。
図7Bは、カートリッジが分離された後の
図7Aの複数のカートリッジ6を示す。カートリッジ6は、段ボールブロック25において互いに分離される、1つのラインとしてエアロゾル発生基材10の複数の平板を準備することによって作製される。エアロゾル発生基材10の平板及び段ボールブロック25は、1つの長くて薄いラインとして包装紙18で包まれる。カートリッジ6は、切断によって互いに分離される。この切断は、例えば、機械的切断装置又はレーザなどの光学的切断装置を使用して達成され得る。切断は、段ボールブロック25における所定の位置で行われ、それにより、第1の段ボールブロック22を備えたマウスピース部分20と、第2の段ボールブロック26を備えた空気入口部分24とを有する個々のカートリッジ6を形成する。本設計は、段ボールブロック25における切断線の位置に要求される精度が特に高くないことを意味し、例えば、±2mmの精度が与えられ得る。これは、カートリッジ6が第1の段ボールブロック22と第2の段ボールブロック26とを有するので可能である。この設計は、エアロゾル発生材料10の平板の前端面16a又は後端面16bの近傍に切断線を位置決めする必要がないため好ましく、前端面16a又は後端面16bの近傍に切断線を位置決めするには、高精度が要求され、製造コストが増大するとともに、製造工程に必要な時間が増加する。
【0050】
図8は、カートリッジ6が内部に設置された、本発明の実施形態における、エアロゾル発生装置2の概略側断面図である。理解できるように、カートリッジ6のマウスピース部分20は、ユーザの口に受け入れられるように、エアロゾル発生装置2のハウジング内の孔8を貫通して延びる。この実施形態では、エアロゾル発生装置2は、第1の加熱器30と第2の加熱器32とを含む。第1の加熱器30は、エアロゾル発生材料10の平板の底部主面12bの表面積に略等しい、100mm
2~2000mm
2である表面積を有する。第2の加熱器32は、100mm
2~2000mm
2である、同じ表面積を有し、エアロゾル発生材料10の平板の上部主面12aに隣接して位置決めされる。エアロゾル発生装置2は、バッテリと、制御電子回路を含むプリント回路基板(PCB)34とを含む。使用時に、ユーザは、従来の方法で、例えば、作動ボタン(図示せず)を使用して又は空気流センサ(図示せず)を使用して、第1の加熱器30及び第2の加熱器32を作動させることができる。第1の加熱器30及び第2の加熱器32は、バッテリ34によって供給される電気エネルギーを使用して電気的に作動させ、且つ第1の加熱器30及び第2の加熱器32によって発生させた熱は、伝導、対流、放射、又はこれらのいくつかの組み合わせによってエアロゾル発生基材10に供給される。それにより、エアロゾル発生基材10が加熱され、これにより、マウスピース部分20を介してユーザが吸入できるエアロゾルが発生する。エアロゾル発生装置2は、空気入口孔36を含む。マウスピース部分20を通してユーザが吸入するときに、空気を空気入口孔36内にエアロゾル発生基材10を通る又は通過するように引き込むことができる。このように、発生したエアロゾルは、ユーザの口内に受け入れられる空気流中に取り込むことができる。
【0051】
図9は、本発明の別の実施形態における、カートリッジ6が設置されたエアロゾル発生装置2の概略側断面図である。この構成では、第1の加熱器30のみが存在する。それゆえ、一方の主面12a、bのみからエアロゾル発生基材10に熱を供給することができる。
【0052】
図10~
図13は、エアロゾル発生基材10の平板を通る又は通過する、カートリッジ6の一方の端部から他方の端部への空気流を促進できる異なる設計を示す多数の実施形態におけるカートリッジ6の斜視図である。
図10~
図13の斜視図は、カートリッジ6の内部の特徴が包装紙18の下に視認可能であるように切り欠き部分を含む。
図10では、エアロゾル発生基材10の平板は、後端面16bから前端面16aに延びる、主面12a、bの一方に長手方向チャネル40を含む。
図11では、エアロゾル発生基材10の平板は、後端面16bから前端面16aに延びる、平板の縁面14a、bの一方又は両方に長手方向チャネル42を含む。
図12では、エアロゾル発生基材10の平板は、後端面16bから前端面16aへの空気流路を設けるために、平板の主面12a、bの少なくとも一方に斜交平行線パターンのチャネル44を含む。チャネル40、42、44によって、エアロゾル発生基材10の後端面16bから前端面16aまでの空気流経路がエアロゾル発生基材10と包装紙18との間に設けられる。換言すれば、チャネル40、42、44は、包装紙18の内部にある。このように、エアロゾル発生基材10によって発生させたエアロゾルは、エアロゾルを効率的に集めてユーザに送達できるように、チャネル40、42、44内に延びる空気流中に取り込むことができる。同様の効果を達成するために、これらの種類のチャネル40、42、44の任意の組み合わせが提供され得る。
【0053】
図13では、エアロゾル発生基材10の平板は、一方の主面12aから他方の主面12bに延びる複数の貫通孔46を含む。これらの貫通孔46は、ユーザへのエアロゾルの送達を向上させるのに有効である可能性がある、エアロゾル発生基材10の平板内の内部空気流を促進する。他の実施形態では、貫通孔は、前端面16aと後端面16bとの間又は縁面14a、b間に設けられ得る。貫通孔46は、上記で開示したチャネル40、42、44と共に任意の組み合わせで設けられ得る。
【0054】
図14は、代替実施形態におけるカートリッジ6を含む
図9に示すエアロゾル発生装置2の断面端面図である。この構成では、主面12a、bの一方における包装紙18の外面に多数の溝48が設けられる。この構成は、主面12a、bにわたって異なる厚さを有する包装紙18を提供することによって達成され得る。例えば、包装紙18は、隆起部、窪み、溝、又は他の表面特徴を有し得る。この構成によって、エアロゾル発生基材10の後端面16bから前端面16aに延びる、空気流路を第1の加熱器30と包装紙18との間に作り出すことができる。これにより、発生したエアロゾルを空気流中に集めてエアロゾルをユーザに送達するための別の技術が提供される。
【0055】
図15は、更なる代替実施形態におけるカートリッジ6を含む
図9に示すエアロゾル発生装置2の断面端面図である。この構成では、主面12a、bにおける包装紙18の内面に多数の溝50が設けられる。この構成は、隆起部、窪み、溝、又は他の表面特徴を含む、内面形状を主面12a、bに有する包装紙18を提供することによって達成され得る。この構成によって、後端面16bから前端面16aに延びる、空気流路をエアロゾル発生基材10と包装紙18との間に作り出すことができる。これにより、発生したエアロゾルを空気流中に集めてエアロゾルをユーザに送達するための更なる技術が提供される。
【0056】
本技術は、0.5mm~3.0mmの厚さを有する、薄いカートリッジ6を提供する。カートリッジ6内のエアロゾル発生基材10の主面12a、bの表面積は、100mm2~2000mm2である。この構成は、小さな総容積と、総容積に対して広い主面面積とを有するエアロゾル発生基材10を提供する。換言すれば、容積に対する主面面積の比率が高い。使用時に、主面12a、bの少なくとも一方を通して熱を加えることができる。広い表面積にわたって熱を加えることができ、これにより、比較的小さな容積を迅速に加熱することが可能となり、エアロゾル発生基材10が最小限の遅延で蒸気を生成することが可能となり得る。いくつかの構成では、最初に熱が加えられた時間から約10秒以内に蒸気を生成できることが判明している。