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特許7549610コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用
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  • 特許-コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用 図1
  • 特許-コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用 図2
  • 特許-コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用 図3
  • 特許-コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用 図4
  • 特許-コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用 図5
  • 特許-コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ、およびそのようなポンプの使用
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/10 20060101AFI20240904BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240904BHJP
   F16K 15/04 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
F04B53/10 B
F16K27/00 B
F16K15/04 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021568375
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2020063591
(87)【国際公開番号】W WO2020229653
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】1905163
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】板谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ プランタール
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ モラル
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03330217(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0188380(US,A1)
【文献】米国特許第03009476(US,A)
【文献】米国特許第02415660(US,A)
【文献】中国実用新案第203412888(CN,U)
【文献】実開昭58-178512(JP,U)
【文献】米国特許第02103427(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 23/00-23/14、
53/00-53/22
F16K 15/00-15/20、
27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ(2)であって、
ポンプ本体(4)と、
ポンプ本体(4)に固定され、コーティング製品の供給源に接続されることを意図された吸気バルブ(6)を備え、
吸気バルブ(6)は
ルブシャッター(12)
バルブ本体(8、10)とを備え、バルブ本体(8、10)は、
ポンプ本体(4)に固定され、そして外部ネジ山(82)を有する端部(80)を有する第1のコンポーネント(8)と、
第1のコンポーネント(8)にネジ留めされた第2のコンポーネント(10)を備え、
第2のコンポーネント(10)は、
第1のコンポーネント(8)の内側に向かって半径方向に配置されたバルブシャッター支持体(14)であって、シーリングを確立するためにバルブシャッター(12)と協働することを意図されたバルブ(6)のシート(142)を形成しているバルブシャッター支持体(14)、
ルブシャッター支持体(14)にバルブシャッター支持体(14)から分離できないように取り付けられたナット(16)、を含み
ナット(16)は、第1のコンポーネント(8)の端部(80)の周りに半径方向に延在しており、この端部(80)の外部ネジ山(82)は、ナット(16)の内部ネジ山(160)と協働そして、第1のコンポーネント(8)からナット(16)を回して外した(R1)後、第2のコンポーネント(10)およびバルブシャッター(12)を第1のコンポーネント(8)から引き出すことができる(F1)ことを特徴とする、ポンプ。
【請求項2】
ナット(16)は、特定されないツールを使用して、第1のコンポーネント(8)において第2のコンポーネント(10)を緩めたり締めたりすることを可能にする外部分解形状(162)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
バルブシャッター支持体(14)は、シート(142)を支持する管状部分(141)を含み、管状部分は、第1のコンポーネント(8)の内部キャビティー(81)に挿入されること、および、バルブシャッター支持体(14)の管状部分(141)の最大外径(D141)およびバルブシャッター(12)の最大外径(D12)は、内部キャビティー(81)の最小内径(D81)よりも小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載のポンプ。
【請求項4】
外部ネジ山(82)は、第1のコンポーネント(8)の管状端部(80)によって内部キャビティー(81)から流体的に絶縁されていること、および、内部ネジ山(160)は、バルブシャッター支持体(14)の管状部分(141)によって第2のコンポーネント(10)の内部ダクト(148)から流体的に絶縁されていることを特徴とする、請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
第1のコンポーネント(8)は、フルストコニカル内部支持表面(84)を備え、バルブシャッター支持体(14)の対応する外部フルストコニカル表面(140)が、バルブシャッター支持体(14)と第1のコンポーネント(8)との間のシーリングを造ることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項6】
バルブ(6)のシート(142)は、バルブシャッター支持体(14)に取り付けられたコンポーネントによって形成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項7】
ナット(16)は、第2のコンポーネント(10)を緩めるためのツール(19)と不可分に接続されることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項8】
ナット(16)の外部形状は、ポンプ(2)の中心軸(X2)を含む平面(P164)内に延在する半径方向の突起(164)を形成し、ポンプ(2)は第2のコンポーネント(10)を緩めるかまたは締めるための特定されないツールによる打撃によって作動させられ得ることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項9】
ナット(16)の外部形状は、第2のコンポーネント(10)のための特定されない緩めるかまたは締めるツール(18)を収容するための窪み(162)を形成することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンプ。
【請求項10】
特定されないツールを使用して、第2のコンポーネント(10)のナット(16)の外部形状(162)に作用することによって、第1のコンポーネント(8)に関して第2のコンポーネント(10)を緩めるかまたは締めるために特定されないツールを使用することにあることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のポンプの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプおよびそのようなポンプの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料やワニスなどのコーティング製品を塗布するためのシステムのための空気圧ポンプは、製品を含む供給源から塗布装置に向かって高圧下で製品を放出する、製品のための吸気バルブを含む。このバルブは、通常、ポンプ本体にネジ止めされ、ポンプのシャットダウン期間中、外部に対するシールと製品の流れの停止を確実にする。
【0003】
吸気バルブ内の製品の通過は、定期的なクリーニングを含む。製品が冷えると、薄皮形態の堆積物が現れることがあり、時間の経過とともにポンプが製品を吸収しなくなることがある。
【0004】
次に、その構成部品、特にバルブ、バルブシャッターのシート、バルブとポンプ本体の間のシールを確実にするコンポーネントなどを洗浄するために、バルブを分解する必要がある。これらの分解作業は、通常、一定数のツールと時間を必要とする一方、ポンプを使用するオペレータは、必ずしも全ての必要なツールを自由に使えるとは限らないか、または、メンテナンスに適さない条件下で屋外で作業する。
【0005】
さらに、一部のポンプでは、バルブのネジ山が製品と接触して配置されており、分解を複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡素化された洗浄および保守操作を可能にする、コーティング製品塗布システムのための新しいポンプを提案することによって、これらの欠点に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプに関し、ポンプ本体と、ポンプ本体に固定された吸気バルブを備え、コーティング製品の供給源に接続されることが意図され、吸気バルブはバルブ本体とバルブシャッターを備える。このポンプは、バルブ本体が、ポンプ本体に固定された第1のコンポーネントと、第1のコンポーネントにネジで留められた第2のコンポーネントを備え、第2のコンポーネントは、バルブシャッター支持体であって、第1のコンポーネントの内側に向かって半径方向に配置され、シーリングを確立するためにバルブシャッターと協働することを意図されたバルブのシートを形成するバルブシャッター支持体を含むことを特徴とし、また、第2のコンポーネントは、バルブシャッター支持体に取り付けられ、第1のコンポーネントの端部の周りに半径方向に延在するナットを含み、この端部はナットの内部ネジ山と協働する外部ネジ山を有することを特徴とし、そして、第1のコンポーネントからナットを回して外した後、第2のコンポーネントおよびバルブシャッターを第1のコンポーネントから引き抜くことができることを特徴とする。
【0008】
本発明により、バルブシャッターのシートおよびバルブシャッターは、ポンプのボトムを通してネジを緩めることによって容易に分解することができる。
【0009】
本発明の有利であるが任意の態様によれば、そのようなポンプは、技術的に許容される任意の組み合わせで考慮される、以下の特徴のうちの1つまたは複数を組み込むことができる。
-ナットは、特定されないツールを使用して、第1のコンポーネントにおいて第2のコンポーネントをネジ締めする、または、緩めることを可能にする外部分解形状を備えている。したがって、バルブシャッターのシートとバルブシャッターは、特別なツールなしに分解される。
-バルブシャッター支持体は、シートを支持する管状部分を含み、前記管状部分は、第1のコンポーネントの内部キャビティに挿入される。バルブシャッター支持体の管状部分の最大外径およびバルブシャッターの最大外径は、内部キャビティの最小内径よりも小さい。
-外部ネジ山は、第1のコンポーネントの管状端部によって内部キャビティから流体的に隔離されている。内部ネジ山は、バルブシャッター支持体の管状部分によって、第2のコンポーネントの内部ダクトから流体的に隔離されている。
-第1のコンポーネントは、バルブシャッター支持体と第1のコンポーネントの間にシールを作るように、バルブシャッター支持体の対応する外部フルストコニカル面が支えるフルストコニカル内部ベアリング面を備える。
-バルブのシートは、バルブシャッター支持体に取り付けられたコンポーネントによって形成される。
-ナットとバルブシャッター支持体は分離できないように取り付けられる。
-ナットは、第2のコンポーネントのネジを緩めるためのツールと不可分に接続されている。
-ナットの外部形状は、ポンプの中心軸を含む平面内に延在する半径方向の突起を形成し、第2のコンポーネントのネジを緩めるまたは締めるための特定されないツールによる打撃によって作動させることができる。
-ナットの外部形状は、第2のコンポーネント用のネジを緩めるまたは締める特定されないツールを収容するための窪みを形成する。
【0010】
本発明はまた、上記の特定されないツールを使用して、第2のコンポーネントのナットの外部形状に作用することによって、第1のコンポーネントに対して第2のコンポーネントを緩めるか締めるために特定されないツールを使用することにあることを特徴とする上記のポンプの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
非限定的な例として添付の図面を参照して提供される、ポンプとこのポンプの使用の、原理に従った以下の説明に照らして、本発明はより良く理解され、他の利点はより明確に現れるであろう。その中で:
図1図1は、分解された構成における、本発明に従ったポンプの長手方向平面における断面図である;
図2図2は、組み立てられた構成における、図1と同様の断面図である;
図3図3は、分解された構成における、図1のポンプの斜視図である;
図4図4は、組み立てられた構成における、ポンプの吸気バルブのネジを緩めている間のポンプの斜視図である;
図5図5は、分解された構成におけるポンプの斜視図であり、吸気バルブのナットの変形実施形態を示す;
図6図6は、組み立てられた構成における、ネジを緩めている間のポンプの斜視図であり、吸気バルブに不可分に接続されたネジを緩めるツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、例えば、塗料やワニスなど、コーティング製品を塗布するためのシステムのためのポンプ2を示す。このようなポンプは、特に、屋外での使用、例えば、作業現場、ボートの船体、金属フレームのコーティングなどの、塗料または腐食防磁材料の塗布のための使用を目的とする。インテリア用として、このようなポンプは、自動車産業において使用できる。
【0013】
本発明は、塗布されるべき製品のベクトルとして空気を使用するポンプにもエアレスポンプにも適用される。
【0014】
ポンプ2は、ポンプ本体4と、ポンプ本体4に固定された吸気バルブ6とを含み、図示しない、被覆製品の供給源に接続されることが意図されている。吸気バルブ6は、ポンプ本体4に固定された第1のコンポーネント8と、第1のコンポーネント8にネジ締めされた第2のコンポーネント10とによって形成されるバルブ本体と、バルブシャッターとをを備える。この例においては、バルブシャッターはボール12によって形成されている。ポンプ2は、長手方向の中心軸X2を画定する。
【0015】
長手方向の軸X2は縦軸であり、以下、「トップ」および「ボトム」の方向は、図1の向きに対する長手方向の軸X2に関して使用される。したがって、ポンプ本体4はポンプ2のトップ部に配置され、吸気バルブ6はボトム部に配置される。
【0016】
「内側」、「内部」、「外側」、「外部」、「半径方向」または「軸方向」という用語は、この軸X2に関して使用される。半径方向の表面は中心軸X2を囲む曲面であり、軸表面は軸X2に垂直な表面である。
【0017】
第1のコンポーネント8は、任意の適切な手段、例えばネジ留めによってポンプ本体4に取り付けられる。
【0018】
第2のコンポーネント10は、バルブシャッター支持体14を含み、第1のコンポーネント8の半径方向内側に位置し、第1のコンポーネント8と第2のコンポーネント10との間のシールを確立するためにボール12と協働することを意図するバルブ6のシート142を形成する。
【0019】
第2のコンポーネント10は、任意選択的に、製品吸引チューブに接続するための、図示されていないチューブを備えることができる。
【0020】
第1のコンポーネント8は、中心軸X2を中心とする全体的に円筒形の形状を有し、内部キャビティー81を画定し、そこにバルブシャッター支持体14が受け入れられる。バルブシャッター支持体14は、全体的に円筒形であり、中心軸X2を中心とし、内部キャビティー81に受け入れられる管状部分141を有する。管状部分141は、内部キャビティー81の最小内径D81よりも小さい最大外径D141を有する。
【0021】
第2のコンポーネント10はまた、第1のコンポーネント8の端部80の周りに半径方向に延在する、バルブシャッター支持体14に取り付けられたナット16を含み、この端部80は、ナット16の内部ネジ山160と協働する外部ネジ山82を有する。端部80は、中心軸X2を中心とする管状形状を有し、内部キャビティー81を囲んで下向きに延在する。外部ネジ山82は、端部80の外部半径方向表面に設けられる。
【0022】
外部ネジ山160は、中心軸X2を中心とするナット16の管状部分161の内部半径方向表面に設けられ、バルブシャッター支持体14の管状部分14に平行に上向きの延長部を形成する。管状部分141および161は、それらの間に環状スペース17を画定し、そこに第1のコンポーネント8の端部80を受け入れる。
【0023】
第1のコンポーネント8は、フルストコニカル内部ベアリング表面84を備え、バルブシャッター支持体14の対応する外部フルストコニカル表面140が、バルブシャッター支持体14と第1のコンポーネント8との間にシールを作るように支える。内部表面84は、内部キャビティー81の上端に、端部80の下側軸方向縁部86の反対側に設けられる。内部表面84は、直径D81よりも小さい内径減少D84を形成し、ポンプ2のトップ部に向かって中心軸X2に向かって収束する。
【0024】
バルブ6のシート142は、バルブシャッター支持体14に取り付けられたコンポーネントによって形成される。シート142は、管状部分141の内部溝144に取り付けられた環状コンポーネントである。シート142は、ボール12が置かれるフルストコニカル表面142Aを有する。
【0025】
ボール12、より一般的にはバルブシャッターは、フルストコニカル表面84の最小内径D84よりも小さい、したがって、内径D81よりも小さい最大外径D12を有する。したがって、ボール12は、第1のコンポーネント8の上部キャビティー88において、フルストコニカル表面84よりも高い第1のコンポーネント8に部分的に挿入することができる。
【0026】
管状部分141の最大外径D141およびボール12の最大外径D12は、内部キャビティー81の最小内径D81よりも小さいので、シート142およびボール12をボトムからキャビティー81に挿入することおよびキャビティー81から取り外すことができる。
【0027】
ナット16とバルブシャッター支持体14は、分離できないように有利に接続される。それらは固定されたアセンブリを形成し、分解を容易にし、いくつかのコンポーネントを連続して分解するのを防ぐ。例えば、ナット16およびバルブシャッター支持体14は、互いに接着することができる。
【0028】
バルブシャッター支持体14は、バルブシャッター支持体14のボトム部において半径方向外向きに延在し、ナット16の管状部分161と接触するカラー146を有する。カラー146は、下向きの軸表面146Aを有する。ナット16は、管状部分161から半径方向内側に延在し、上向きに配向された軸表面164を画定する。表面146Aおよび164は互いに支持し、一実施形態によれば、互いに接着することができる。
【0029】
「分離できないように接続される」とは、バルブシャッター支持体14およびナット16が単一の一体化部分、すなわち、第2のモノブロックコンポーネント10を形成することができることも意味する。
【0030】
ナット16は、ネジを緩めて第1のコンポーネント8から第2のコンポーネント10を分解することを可能にする外部分解形状を備えている。
【0031】
図3に示されるように、ナット16の外部形状は、レンチ18などの、第2のコンポーネント10のためのネジを緩めるツールを収容するための窪み162を形成することができる。
【0032】
図5に示される変形例において、ナット16の外部形状は、例えば、中心軸X2を含む平面P164内に延在する半径方向の突起164を形成することができ、第2のコンポーネント10を緩めるように作動させることができる。例えば、ナット16は、「ウィングナット」タイプ、すなわち、ネジを緩めることを可能にする半径方向のウィングを形成する半径方向の突起164を備えることができる。
【0033】
図6に示される態様によれば、半径方向の突起は、ナット16上に分離できないように取り付けられるレンチ19によって形成することもできる。「分離できないように取り付けられる」とは、レンチ19またはより一般的には、ツールを埋め込む、接着する、またはナット16と単一のモノブロックコンポーネントを形成することさえできることを意味する。換言すれば、ツールまたはレンチ19は、ナット16の外周からの材料突起であってもよく、これは、例えば、各々、ボール12の洗浄操作の前後に当たる、ナット16を緩めるまたは締め付ける動作のためのレバーアームとして機能する。
【0034】
したがって、本発明によるポンプ2の使用者は、塗装セッションの開始時に特定のツールを使用することを考える必要がない。したがって、ポンプ2は、使用現場で直接保守するための追加的な一体化された機器を必要としない。このような場合、ツールまたはレンチ19は、ナット16と分離できない全体を形成する。
【0035】
このような場合、オペレータは、ナット16のネジを緩めるために、半径方向の突起またはその1つに対して押す動作を働かせる必要がある。これは、例えば、木槌またはハンマータイプの標準的な打撃を与えるツールで半径方向の突起を打つことによって行うことができる。より一般的には、ナットの外部形状は、第2のコンポーネント10のネジを緩めるために任意のツールで打つことができる1つ以上の複数の表面を形成する。
【0036】
バルブシャッター支持体14、ナット16およびネジを緩めるツール18またはレンチ19が、モノブロックアセンブリを形成するように分離できない全体を形成すること、例えば、接着される、溶接される、不可逆的にな取付けられる、または一体化されることも考えられる。
【0037】
ツールとナット16が分離できない全体を形成しない場合、ナット16の外部窪み162は、任意のタイプの標準ツール(三日月形レンチ、モンキーレンチ、六角レンチなど)と協働するように選択された材料突起が有利に提供され、緩めたり締めたりする操作が特定のツールの使用に限定されないようにする。
【0038】
保守または洗浄操作中に、バルブ6は次のように分解される。最初に、ポンプ2およびバルブ6は、図2および4に示されるように組み立てられる。オペレータは、レンチ18を窪み162上に配置し、第1のコンポーネント8からナット16を緩めるように、図4における矢印R1に沿って中心軸X2の周りに回転させる。第1のコンポーネント8からナット16を緩めた後、第2のコンポーネント10およびボール12は、図4における矢印F1に沿って、第1のコンポーネント8からボトムを通じて引き出すことができる。この分解操作は簡単で迅速であり、複雑なツールを必要としない。バルブ6の第1のコンポーネント8を分解する必要はない。
【0039】
さらに、ネジ山160および82は、流体の流れ、すなわち製品の循環ゾーンから絶えず離れて移動する。ネジ山82は外部にあり、したがって、内部キャビティー81によって形成された流体の流れから、端部80によって流体的に絶縁されている。内部ネジ山160は、ネジ山160よりも軸方向に高く延びる管状部分141によって、バルブシャッター支持体14の内部ダクト148によって形成される流体の流れから流体的に絶縁されている。したがって、ネジ山160および82は、製品に曝されて分解を複雑にするリスクがない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6