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特許7549614表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240904BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240904BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240904BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240904BHJP
   H10K 71/60 20230101ALI20240904BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/00 338
G09F9/00 348Z
H10K59/131
H10K59/124
H10K71/60
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021576403
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 CN2021139221
(87)【国際公開番号】W WO2023103044
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】202111501116.X
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 方梅
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111129104(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112002823(CN,A)
【文献】特表2021-502579(JP,A)
【文献】特表2020-532877(JP,A)
【文献】特表2020-520538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H10K 59/131
H10K 59/124
H10K 71/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域及びフレーム領域を含む表示パネルであって、
基板と、
前記基板に設けられ、積層された複数のサブ金属層を含む金属層と、
前記金属層に設けられ、積層された第1サブパッシベーション層及び第2サブパッシベーション層を含むパッシベーション層であって、前記第1サブパッシベーション層が前記金属層と前記第2サブパッシベーション層との間に設けられるパッシベーション層と、を含み、
前記金属層は、前記表示領域において、ソース・ドレインパターンを含み、前記フレーム領域において、コンタクトパッドパターンを含み、
前記第1サブパッシベーション層の材料は、窒化ケイ素を含
前記第1サブパッシベーション層は、前記金属層を被覆し、
前記第2サブパッシベーション層は、前記第1サブパッシベーション層を被覆し、
前記第2サブパッシベーション層の材料は、酸化ケイ素を含む、
表示パネル。
【請求項2】
記第1サブパッシベーション層の厚さは、100nm~300nmであり、
前記第2サブパッシベーション層の厚さは、100nm~300nmである、
請求項に記載の表示パネル。
【請求項3】
複数の前記サブ金属層は、
第1サブ金属層と、
前記第1サブ金属層を被覆する第2サブ金属層と、
前記第2サブ金属層を被覆し、材料がモリブデンチタン合金を含む第3サブ金属層と、を含む、
請求項に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1サブ金属層の材料は、モリブデンチタン合金を含み、
前記第2サブ金属層の材料は、銅を含む、
請求項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1サブ金属層の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さく、
前記第2サブ金属層の厚さは、400nm~800nmであり、
前記第3サブ金属層の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さい、
請求項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記パッシベーション層に設けられる平坦化層と、
前記平坦化層に設けられる発光素子と、をさらに含む、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の表示パネルと、フレキシブル回路基板を介して前記表示パネルに接続された駆動アセンブリと、を含む表示装置であって
記フレキシブル回路基板は、前記表示パネルの前記コンタクトパッドパターンに接続される、
表示装置。
【請求項8】
板を提供するステップと、
積層された複数のサブ金属層を含む金属層を基板に堆積するステップと、
前記金属層に対してパターン化処理を行って、ソース・ドレインパターンとコンタクトパッドパターンを形成するステップと、
前記ソース・ドレインパターンと前記コンタクトパッドパターンとに第1サブパッシベーション層を堆積し、前記第1サブパッシベーション層は、前記金属層を被覆するステップと、
材料が窒化ケイ素を含む前記第1サブパッシベーション層に、材料が酸化ケイ素を含む第2サブパッシベーション層を堆積し、前記第2サブパッシベーション層は、前記第1サブパッシベーション層を被覆するステップと、を含む、
表示パネルの製造方法。
【請求項9】
複数の前記サブ金属層は、
第1サブ金属層と、
前記第1サブ金属層を被覆する第2サブ金属層と、
前記第2サブ金属層を被覆し、材料がモリブデンチタン合金を含む第3サブ金属層と、を含む、
請求項に記載の表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示パネルの技術分野に関し、特に表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インピーダンスを低減するために、サイズが大きい表示パネルの周辺のコンタクトパッド領域の金属には、銅金属が用いられるが、銅は、空気中で酸化又は腐食されやすい。この問題を解決するために、一般的に、一層の保護金属で銅コンタクトパッドを被覆させる。しかしながら、このような解決手段には、フォトマスクを増加させる必要がある。別の解決手段は、表示パネル全体の金属層を堆積する場合に、複数の金属層を堆積することに変更し、銅金属にモリブデンチタン合金(MoTi)を堆積することであり、このような解決手段には、フォトマスクを増加させる必要がない。
【0003】
しかしながら、表示パネルの内部回路に対して、銅金属にモリブデンチタン合金を堆積するという解決手段を用いる場合、インピーダンスを低減するために、厚すぎるモリブデンチタン合金を用いることができない。薄いモリブデンチタン合金をエッチングする場合、モリブデンチタン合金薄層の端部に非平坦(Tip)の問題が発生する。非平坦の問題は、モリブデンチタン合金薄層と後続きの酸化ケイ素パッシベーション層とのボンディング箇所には、クラックが発生することを引き起こす。
【0004】
したがって、現在、表示パネルの製造プロセスを簡略化し、コンタクトパッドの酸化を回避し、パッシベーション層のクラックを回避するなどの前記課題を同時に解決することが急務である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、従来の技術における表示パネルの製造プロセスを簡略化し、コンタクトパッドの酸化を回避し、パッシベーション層のクラックを回避するなどの課題を達成するために、表示パネル、表示装置及び表示パネルの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例によれば、表示領域及びフレーム領域を含む表示パネルであって、
基板と、
前記基板に設けられ、積層された複数のサブ金属層を含む金属層と、
前記金属層に設けられ、積層された第1サブパッシベーション層及び第2サブパッシベーション層を含むパッシベーション層であって、前記第1サブパッシベーション層が前記金属層と前記第2サブパッシベーション層との間に設けられるパッシベーション層と、を含み、
前記金属層は、前記表示領域において、ソース・ドレインパターンを含み、前記フレーム領域において、コンタクトパッドパターンを含み、
前記第1サブパッシベーション層の材料は、窒化ケイ素を含む表示パネルが提供される。
【0007】
本願の他の実施例の表示パネルにおいて、前記第1サブパッシベーション層は、前記金属層を被覆し、前記第2サブパッシベーション層は、前記第1サブパッシベーション層を被覆し、前記第2サブパッシベーション層の材料は、酸化ケイ素を含む。
【0008】
本願の他の実施例の表示パネルにおいて、前記第1サブパッシベーション層の厚さは、100nm~300nmであり、前記第2サブパッシベーション層の厚さは、100nm~300nmである。
【0009】
本願の他の実施例の表示パネルにおいて、複数の前記サブ金属層は、第1サブ金属層と、前記第1サブ金属層を被覆する第2サブ金属層と、前記第2サブ金属層を被覆し、材料がモリブデンチタン合金を含む第3サブ金属層と、を含む。
【0010】
本願の他の実施例の表示パネルにおいて、前記第1サブ金属層の材料は、モリブデンチタン合金を含み、前記第2サブ金属層の材料は、銅を含む。
【0011】
本願の他の実施例の表示パネルにおいて、前記第1サブ金属層の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さく、前記第2サブ金属層の厚さは、400nm~800nmであり、前記第3サブ金属層の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さい。
【0012】
本願の他の実施例の表示パネルにおいて、前記表示パネルは、前記パッシベーション層に設けられる平坦化層と、前記平坦化層に設けられる発光素子と、をさらに含む。
【0013】
別の態様では、本願によれば、表示領域及びフレーム領域を含む表示パネルと、フレキシブル回路基板を介して前記表示パネルに接続された駆動アセンブリとを含む表示装置であって、
前記表示パネルは、
基板と、
前記基板に設けられ、積層された複数のサブ金属層を含む金属層と、
前記金属層に設けられ、積層された第1サブパッシベーション層及び第2サブパッシベーション層を含むパッシベーション層であって、前記第1サブパッシベーション層が前記金属層と前記第2サブパッシベーション層との間に設けられるパッシベーション層と、をさらに含み、
前記金属層は、前記表示領域において、ソース・ドレインパターンを含み、前記フレーム領域において、コンタクトパッドパターンを含み、
前記第1サブパッシベーション層の材料は、窒化ケイ素を含み、
前記フレキシブル回路基板は、前記表示パネルの前記コンタクトパッドパターンに接続される表示装置が提供される。
【0014】
本願の他の実施例の表示装置において、前記第1サブパッシベーション層は、前記金属層を被覆し、前記第2サブパッシベーション層は、前記第1サブパッシベーション層を被覆し、前記第2サブパッシベーション層の材料は、酸化ケイ素を含む。
【0015】
本願の他の実施例の表示装置において、前記第1サブパッシベーション層の厚さは、100nm~300nmであり、前記第2サブパッシベーション層の厚さは、100nm~300nmである。
【0016】
本願の他の実施例の表示装置において、複数の前記サブ金属層は、第1サブ金属層と、前記第1サブ金属層を被覆する第2サブ金属層と、前記第2サブ金属層を被覆し、材料がモリブデンチタン合金を含む第3サブ金属層と、を含む。
【0017】
本願の他の実施例の表示装置において、前記第1サブ金属層の材料は、モリブデンチタン合金を含み、前記第2サブ金属層の材料は、銅を含む。
【0018】
本願の他の実施例の表示装置において、前記第1サブ金属層の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さく、前記第2サブ金属層の厚さは、400nm~800nmであり、前記第3サブ金属層の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さい。
【0019】
本願の他の実施例の表示装置において、前記表示パネルは、
前記パッシベーション層に設けられる平坦化層と、
前記平坦化層に設けられる発光素子と、をさらに含む。
【0020】
別の態様では、本願によれば、
基板を提供するステップと、
積層された複数のサブ金属層を含む金属層を基板に堆積するステップと、
前記金属層に対してパターン化処理を行って、ソース・ドレインパターンとコンタクトパッドパターンを形成するステップと、
前記ソース・ドレインパターンと前記コンタクトパッドパターンに第1サブパッシベーション層を堆積するステップと、
材料が窒化ケイ素を含む前記第1サブパッシベーション層に第2サブパッシベーション層を堆積ステップと、を含む表示パネルの製造方法が提供される。
【0021】
本願の他の実施例の表示パネルの製造方法において、複数の前記サブ金属層は、第1サブ金属層と、前記第1サブ金属層を被覆する第2サブ金属層と、前記第2サブ金属層を被覆し、材料がモリブデンチタン合金を含む第3サブ金属層と、を含む。
【発明の効果】
【0022】
本願の有益な効果は、以下のとおりである。本願に係る前記表示パネル、前記表示装置及び前記表示パネルの製造方法によれば、積層された複数のサブ金属層と積層された第1サブパッシベーション層及び第2サブパッシベーション層とでは、前記第1サブパッシベーション層は、金属層と第2サブパッシベーション層との間に設けられ、第1サブパッシベーション層は、材料が窒化ケイ素を含み、モリブデンチタン合金薄層の端部の非平坦領域を被覆することにより、パッシベーション層にクラックが発生することを回避するとともに、表示パネルの製造プロセスを簡略化し、コンタクトパッドの酸化を回避するなどの課題を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態を詳細に説明することにより、本願の技術手段及び他の有益な効果を明らかにする。
【0024】
図1】本願の実施例に係る表示パネルの構造概略図である。
図2】本願の実施例に係る表示装置の構造概略図である。
図3】本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。
図4】本願の実施例に係る基板の構造概略図である。
図5a】本願の実施例に係る製造中の表示パネルの構造概略図である。
図5b】本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
図6】本願の実施例に係るさらに別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
図7】本願の実施例に係るまたさらに別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
図8】本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
図9】本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
図10】本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
図11】本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書に開示された具体的な構造及び機能の詳細は、代表的なものに過ぎず、本願の例示的な実施例を説明するためのものである。しかしながら、本願は、多くの代替形態により具体的に実現することができ、本明細書に説明された実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0026】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「横方向」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。また、用語「第1」、「第2」は、単に目的を説明するためのものであり、相対的な重要性を指示するか又は示唆し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示的に指示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」と限定された特徴は、1つ以上の当該特徴を明示的又は暗示的に含んでよい。本願の説明において、特別な説明がない限り、「複数」は、2つ以上を意味する。また、用語「含む」及びそのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。
【0027】
なお、本発明の説明において、別に明確な規定及び限定を有しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、支持接続、取り外し可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの部品の間の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における前記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0028】
なお、本明細書で用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、例示的な実施例を制限することを意図していない。文脈から明確に示さない限り、本明細書で用いられる単数表現の「1つ」、「一項」は、複数の場合をも含むことを意図する。本明細書等で用いられる用語「含む」及び/又は「包含」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、ユニット及び/又は構成要素の存在を規定し、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、ユニット、構成要素及び/又はその組み合わせをさらに存在させるか又は追加することは、排除されないと理解すべきである。
【0029】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに説明する。
【0030】
図1に示すように、図1は、本願の実施例に係る表示パネルの構造概略図である。本願の実施例に係る表示領域AA及びフレーム領域BAを含む表示パネル100は、
基板SBと、
前記基板SBに設けられ、積層された複数のサブ金属層を含む金属層MLと、
前記金属層MLに設けられ、積層された第1サブパッシベーション層PV1及び第2サブパッシベーション層PV2を含むパッシベーション層PVであって、前記第1サブパッシベーション層PV1が金属層MLと第2サブパッシベーション層PV2との間に設けられるパッシベーション層PVと、を含み、
前記金属層MLは、前記表示領域AAにおいて、ソース・ドレインパターンSDPを含み、前記フレーム領域BAにおいて、コンタクトパッドパターンBPを含み、
前記第1サブパッシベーション層PV1の材料は、窒化ケイ素を含む。
【0031】
具体的には、前記基板SBの材料は、ガラス、プリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)又はBT樹脂板(Bismaleimide Triazine、BT)を含む。
【0032】
具体的には、前記第1サブパッシベーション層PV1は、材料が窒化ケイ素を含み、優れた段差被覆率(Step Coverage)を有するため、前記第1サブパッシベーション層PV1の下方の金属層MLの端部に非平坦(Tip)領域を有しても、当該非平坦領域をよく被覆することができ、パッシベーション層と金属層MLとの間に隙間又はクラックが発生することを回避するとともに、本実施例において積層された複数のサブ金属層を用いるため、1つのマスクを用いてソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPを形成し、表示パネルの製造プロセスを簡略化することができる。
【0033】
具体的には、段差被覆率(Step Coverage)の一般的な計算方法は、堆積物で被覆された表面積を、被覆しようとする総表面積で割ることである。
【0034】
本願の他の実施例の表示パネル100において、前記第1サブパッシベーション層PV1は、前記金属層MLを被覆する。前記第2サブパッシベーション層PV2は、前記第1サブパッシベーション層PV1を被覆する。前記第2サブパッシベーション層PV2の材料は、酸化ケイ素を含む。
【0035】
本願の他の実施例の表示パネル100において、前記第1サブパッシベーション層PV1の厚さは、100nm~300nmであり、前記第2サブパッシベーション層PV2の厚さは、100nm~300nmである。
【0036】
本願の他の実施例の表示パネル100において、前記複数のサブ金属層は、第1サブ金属層ML1と、前記第1サブ金属層ML1を被覆する第2サブ金属層ML2と、前記第2サブ金属層ML2を被覆し、材料がモリブデンチタン合金(MoTi)を含む第3サブ金属層ML3と、を含む。
【0037】
具体的には、前記第3サブ金属層ML3の材料がモリブデンチタン合金を含むため、ソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPをエッチングして形成するプロセスにおいて、第3サブ金属層ML3の端部又は縁部には、非平坦領域が発生しやすい。したがって、前記第1サブパッシベーション層PV1は、材料が窒化ケイ素を用い、優れた段差被覆率(Step Coverage)を有する。前記第1サブパッシベーション層PV1の下方の第3サブ金属層ML3の端部に非平坦領域を有しても、当該非平坦領域をよく被覆することができる。そして、パッシベーション層と金属層MLとの間に隙間又はクラックが発生することを回避することができる。同時に、本実施例において積層された複数のサブ金属層を用いるため、1つのマスクを用いてソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPを形成し、表示パネルの製造プロセスを簡略化することができる。
【0038】
本願の他の実施例の表示パネル100において、前記第1サブ金属層ML1の材料は、モリブデンチタン合金(MoTi)を含み、前記第2サブ金属層ML2の材料は、銅を含む。
【0039】
具体的には、銅の導電性が高い。大型の表示パネルにモリブデンチタン合金を配線として用いると、非常に高い回線インピーダンスをもたらす。したがって、依然として導電性が高い金属、例えば、銅を配線の材料として用いる必要がある。しかしながら、銅は、空気に曝されると、酸化されて導電性が低下しやすい。1つのマスクを用いて金属層MLをエッチングしてソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPを形成すると、コンタクトパッドパターンBPは、フレキシブル回路基板との圧着又は溶接を待つ過程において、空気に曝されて酸化される。したがって、本実施例において複数のサブ金属層が用いられ、前記第2サブ金属層ML2は、前記第1サブ金属層ML1を被覆する。前記第3サブ金属層ML3は、前記第2サブ金属層ML2を被覆する。第2サブ金属層ML2の材料は、銅を含み、第3サブ金属層ML3の材料は、モリブデンチタン合金を含む。酸化されにくいモリブデンチタン合金を材料とする第3サブ金属層ML3が銅を材料とする第2サブ金属層ML2を被覆することにより、コンタクトパッドの酸化を回避することができる。
【0040】
本願の他の実施例の表示パネル100において、前記第1サブ金属層ML1の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さく、前記第2サブ金属層ML2の厚さは、400nm~800nmであり、前記第3サブ金属層ML3の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さい。
【0041】
具体的には、前記第2サブ金属層ML2の材料は、銅であり、厚い前記第2サブ金属層ML2を用いると、配線のインピーダンスが低いことを保証し、大型の表示パネルの輝度均一性に影響を与えることを回避することができる。
【0042】
本願の他の実施例の表示パネル100において、前記表示パネル100は、前記パッシベーション層PVに設けられる平坦化層PLNと、前記平坦化層PLNに設けられる発光素子LDと、をさらに含む。
【0043】
具体的には、前記発光素子LDは、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、micro LED)又はサブミクロン発光ダイオード(Mini Light Emitting Diode、mini LED)である。本願の前記発光素子LDは、有機発光ダイオードを例として、積層されたアノードAN、有機発光層EL及びカソードCAを含むが、本願はこれに限定されない。
【0044】
本願の他の実施例の表示パネル100は、前記表示領域AAに設けられる駆動トランジスタTRをさらに含む。前記ソース・ドレインパターンSDPは、前記駆動トランジスタTRの前記ソースSE、ドレインDEを形成する。
【0045】
具体的には、本願の図面は、有機発光ダイオードを例とし、前記ドレインDEは、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)を材料として形成された導電層により接続され、導電層の他端には、有機発光ダイオードのアノードANが形成される。
【0046】
具体的には、本願の他の実施例の表示パネル100は、基板SBと、前記基板SBに設けられる遮光金属層SLと、前記遮光金属層SLを被覆する緩衝層BFと、前記緩衝層BFに設けられる活性層と、を含む。前記活性層は、半導体チャネルのパターンCP及び前記チャネルのパターンCPの両側のオーミックコンタクト層OLを含む。前記チャネルのパターンCPは、ゲート絶縁層GIで被覆される。前記ゲート絶縁層GIには、ゲートGEが設けられる。層間絶縁層ILDは、前記ゲートGE、前記ゲート絶縁層GI及び前記活性層を被覆する。ドレインDE、ソースSEは、前記層間絶縁層ILDを貫通して前記オーミックコンタクト層OLに接触する。コンタクトパッドパターンBPとソース・ドレインパターンSDPは、同じ製造プロセスで形成された金属層MLであり、積層された第1サブ金属層ML1、第2サブ金属層ML2及び第3サブ金属層ML3を含む。第1サブパッシベーション層PV1は、前記金属層MLを被覆し、第2サブパッシベーション層PV2は、前記第1サブパッシベーション層PV1を被覆し、平坦化層PLNは、前記第2サブパッシベーション層PV2に設けられ、アノードANは、前記平坦化層PLN、前記第2サブパッシベーション層PV2及び前記第1サブパッシベーション層PV1を貫通して前記ドレインDEに接触する。画素定義層PDLは、前記平坦化層PLN及び一部の前記アノードANに設けられる。有機発光層ELは、前記アノードANの上方に位置するように前記画素定義層PDLの開孔内に設けられる。カソードCAは、前記有機発光層ELを被覆する。保護層COVは、前記カソードCA及び前記画素定義層PDLを被覆する。
【0047】
図2は、本願の実施例に係る表示装置の構造概略図である。図2に示すように、別の態様では、本願によれば、前記いずれか一項に記載の表示パネル100と、フレキシブル回路基板200を介して前記表示パネル100の前記コンタクトパッドパターンBPに接続された駆動アセンブリ300とを含む表示装置DDが提供される。
【0048】
具体的には、前記フレキシブル回路基板200は、半田により前記コンタクトパッドパターンBPに接続される。前記フレキシブル回路基板200は、異方性導電性接着剤(Anisotropic Conductive Film、ACF)により前記コンタクトパッドパターンBPに接続されてもよく、本願はこれに限定されない。
【0049】
図3に示すように、図3は、本願の実施例に係る表示パネルの製造方法のフローチャートである。別の態様では、本願によれば、
基板を提供するステップS100と、
積層された複数のサブ金属層を含む金属層を基板に堆積するステップS200と、
前記金属層に対してパターン化処理を行って、ソース・ドレインパターンとコンタクトパッドパターンを形成するステップS300と、
前記ソース・ドレインパターンと前記コンタクトパッドパターンに第1サブパッシベーション層を堆積するステップS400と、
前記第1サブパッシベーション層に第2サブパッシベーション層を堆積するステップS500と、を含む表示パネルの製造方法が提供される。
【0050】
前記第1サブパッシベーション層の材料は、窒化ケイ素を含む。
【0051】
具体的には、図4は、本願の実施例に係る基板の構造概略図である。図4に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法において、ステップS100で提供する前記基板SBは、前記基板SBに設けられる遮光金属層SLと、前記遮光金属層SLを被覆する緩衝層BFと、前記緩衝層BFに設けられる活性層と、をさらに含む。前記活性層は、半導体チャネルのパターンCP及び前記チャネルのパターンCPの両側のオーミックコンタクト層OLを含む。前記チャネルのパターンCPは、ゲート絶縁層GIで被覆される。前記ゲート絶縁層GIには、ゲートGEが設けられる。層間絶縁層ILDは、前記ゲートGE、前記ゲート絶縁層GI及び前記活性層を被覆する。
【0052】
具体的には、図5aは、本願の実施例に係る製造中の表示パネルの構造概略図である。図5bは、本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図5a及び図5bに示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法において、ステップS200では、基板に金属層MLを堆積し、具体的には、以下を含む。まず、図5aに示すように、層間絶縁層ILDにソースSE、ドレインDEを設けるための開孔をエッチングする。次に、図5bに示すように、金属層MLを堆積する。本願の他の実施例の表示パネルの製造方法において、前記複数のサブ金属層は、第1サブ金属層ML1と、前記第1サブ金属層ML1を被覆する第2サブ金属層ML2と、前記第2サブ金属層ML2を被覆し、材料がモリブデンチタン合金を含む第3サブ金属層ML3と、を含む。
【0053】
具体的には、図5bに示すように、ステップS200では、金属層MLを堆積するステップは、具体的には、第1サブ金属層ML1、第2サブ金属層ML2及び第3サブ金属層ML3を順に堆積するステップを含む。
【0054】
具体的には、図6は、本願の実施例に係るさらに別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図6に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法において、ステップ300では、前記金属層MLに対してパターン化処理を行って、ソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPを形成する。
【0055】
具体的には、第3サブ金属層ML3をエッチングした後に、第3サブ金属層ML3の端部又は縁部には、非平坦領域が発生する可能性がある。非平坦領域の発生は、第3サブ金属層ML3の厚さ及び材料に関連する。
【0056】
具体的には、前記第3サブ金属層ML3の材料は、モリブデンチタン合金を含む。前記第1サブ金属層ML1の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さく、前記第2サブ金属層ML2の厚さは、400nm~800nmであり、前記第3サブ金属層ML3の厚さは、0より大きく、かつ100nmより小さい。
【0057】
具体的には、前記第2サブ金属層ML2の材料は、銅であり、厚い前記第2サブ金属層ML2を用いると、配線のインピーダンスが低いことを保証し、大型の表示パネルの輝度均一性に影響を与えることを回避することができる。
【0058】
具体的には、銅の導電性は高い。大型の表示パネルにモリブデンチタン合金を配線として用いると、非常に高い回線インピーダンスをもたらす。したがって、依然として導電性が高い金属、例えば、銅を配線の材料として用いる必要がある。しかしながら、銅は、空気に曝されると、酸化されて導電性が低下しやすい。1つのマスクを用いて金属層MLをエッチングしてソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPを形成すると、コンタクトパッドパターンBPは、フレキシブル回路基板との圧着又は溶接を待つ過程において、空気に曝されて酸化される。したがって、本実施例において複数のサブ金属層が用いられ、前記第2サブ金属層ML2は、前記第1サブ金属層ML1を被覆する。前記第3サブ金属層ML3は、前記第2サブ金属層ML2を被覆する。前記第2サブ金属層ML2の材料は、銅を含み、前記第3サブ金属層ML3の材料は、モリブデンチタン合金を含む。酸化されにくいモリブデンチタン合金を材料とする第3サブ金属層ML3を、銅を材料とする第2サブ金属層ML2に被覆することにより、コンタクトパッドの酸化を回避することができる。
【0059】
具体的には、図7は、本願の実施例に係るまたさらに別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図7に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法において、ステップ400では、前記ソース・ドレインパターンSDPと前記コンタクトパッドパターンBPに第1サブパッシベーション層PV1を堆積する。ステップ500では、材料が窒化ケイ素を含む前記第1サブパッシベーション層PV1に第2サブパッシベーション層PV2を堆積する。
【0060】
具体的には、前記第3サブ金属層ML3の材料がモリブデンチタン合金を含むため、ソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPをエッチングして形成するプロセスにおいて、第3サブ金属層ML3の端部又は縁部には、非平坦領域が発生しやすい。したがって、前記第1サブパッシベーション層PV1は、材料が窒化ケイ素を用い、優れた段差被覆率(Step Coverage)を有する。前記第1サブパッシベーション層PV1の下方の第3サブ金属層ML3の端部に非平坦領域を有しても、当該非平坦領域をよく被覆することができる。パッシベーション層と金属層MLとの間に隙間又はクラックが発生することを回避する。同時に、本実施例において積層された複数のサブ金属層を用いるため、1つのマスクを用いてソース・ドレインパターンSDPとコンタクトパッドパターンBPを形成し、表示パネルの製造プロセスを簡略化することができる。
【0061】
図8は、本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図8に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法は、前記第2サブパッシベーション層PV2及び前記第1サブパッシベーション層PV1をエッチングし、ドレインDEに連通する開孔を形成するステップをさらに含む。
【0062】
図9は、本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図9に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法は、前記第2サブパッシベーション層PV2に平坦化層PLNを堆積するステップをさらに含む。
【0063】
図10は、本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図10に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法は、平坦化層PLNをエッチングしてドレインDEに連通する開孔を形成し、導電層を堆積し、かつパターン化して、ドレインDEに接続されたアノードANを形成するステップをさらに含む。具体的には、前記導電層の材料は酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、ITO)を含む。
【0064】
図11は、本願の実施例に係る別の製造中の表示パネルの構造概略図である。図11に示すように、本願の他の実施例の表示パネルの製造方法は、画素定義層PDLを設け、かつ前記平坦化層PLN、前記第2サブパッシベーション層PV2及び前記第1サブパッシベーション層PV1をエッチングして前記コンタクトパッドパターンBPを露出させるステップをさらに含む。前記画素定義層PDLは、一部のアノードANを露出させる。前記コンタクトパッドパターンBPは、露出され、次にフレキシブル回路基板に接続されやすくなる。コンタクトパッドパターンBPは、積層された前記第1サブ金属層ML1、前記第2サブ金属層ML2及び前記第3サブ金属層ML3を含む。最も表面に位置する前記第3サブ金属層ML3は、モリブデンチタン合金を用いるため、下方の銅を材料とする前記第2サブ金属層ML2が酸化されないように保護することができる。
【0065】
本願に係る前記表示パネル100、前記表示装置DD及び前記表示パネルの製造方法によれば、積層された複数のサブ金属層と、積層された第1サブパッシベーション層及び第2サブパッシベーション層では、前記第1サブパッシベーション層は、金属層と第2サブパッシベーション層との間に設けられ、第1サブパッシベーション層は、材料が窒化ケイ素を含み、モリブデンチタン合金薄層の端部の非平坦領域を被覆することにより、パッシベーション層にクラックが発生することを回避するとともに、表示パネルの製造プロセスを簡略化し、コンタクトパッドの酸化を回避するなどの課題を達成することができる。
【0066】
以上、本願の実施例に係る前記表示パネル、前記表示装置及び前記表示パネルの製造方法を詳細に説明する。
【0067】
以上の各操作の具体的な実施は、前の実施例を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0068】
以上より、本願では好ましい実施例を前述のとおり開示したが、前記好ましい実施例は、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願の精神及び領域から逸脱しない範囲内で様々な変形や修飾を行うことができるため、本願の保護範囲は、特許請求の範囲で限定された内容を基準とする。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11