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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】内覧管理システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20240904BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20240904BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20240904BHJP
   G06Q 50/16 20240101ALI20240904BHJP
【FI】
E05B19/00 E
E05B49/00 K
E05B47/00 T
E05B49/00 R
G06Q50/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022048239
(22)【出願日】2022-03-24
(65)【公開番号】P2023141758
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516248864
【氏名又は名称】椎谷 範一
(73)【特許権者】
【識別番号】522118159
【氏名又は名称】槻木 修幸
(73)【特許権者】
【識別番号】522118160
【氏名又は名称】中根 真司
(73)【特許権者】
【識別番号】522117004
【氏名又は名称】高野 秀文
(73)【特許権者】
【識別番号】522118171
【氏名又は名称】工藤 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】槻木 修幸
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-141331(JP,A)
【文献】特開2020-023876(JP,A)
【文献】特許第3845948(JP,B2)
【文献】特開2013-108312(JP,A)
【文献】特開2018-204189(JP,A)
【文献】特開2004-076439(JP,A)
【文献】特開2006-277026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 19/00
E05B 49/00-49/04
E05B 47/00-47/08
G06Q 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件に設置され、前記不動産物件の鍵を収納する鍵ボックスであって、
前記鍵ボックスを管理する管理サーバーと通信キャリア回線を通じて直に通信するための加入者識別モジュールを備え、
前記鍵ボックスが、前記不動産物件の内覧を希望するユーザーの端末からの指示を受けた前記管理サーバーから前記通信キャリア回線を通じて直に前記鍵ボックスの開扉コマンドを受信したときに、前記鍵ボックスの扉のロックが解除される、
鍵ボックス。
【請求項2】
前記管理サーバーは、予め登録されている前記鍵ボックスの設置位置情報と前記端末の位置情報とに基づいて、前記鍵ボックスに対し前記開扉コマンドを送る、請求項1に記載の鍵ボックス。
【請求項3】
電池と、
前記ユーザーにより操作され、前記電池から前記加入者識別モジュールに電力を供給するための電源ボタンと、
前記管理サーバーとの通信終了後に、前記電池から前記加入者識別モジュールへの電力の供給を停止するシャットダウン回路と
をさらに備える請求項1又は2に記載の鍵ボックス。
【請求項4】
通電時に前記鍵ボックスの扉のロックを解除する通電時解錠型のソレノイドロックをさらに備え、
前記鍵ボックスの扉は、前記ソレノイドロックが解錠されると前記扉の重さにより開くように構成されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の鍵ボックス。
【請求項5】
不動産物件の内覧を希望するユーザーの端末と、
前記不動産物件に設置され、前記不動産物件の鍵を収納する鍵ボックスと、
前記端末と前記鍵ボックスとを管理する管理サーバーと
を備え、
前記端末が、前記ユーザーの生体認証を行ったのち、前記鍵ボックスの開扉を指示する第1の開扉コマンドを直に前記管理サーバーへ送り、
前記管理サーバーが、前記端末から前記第1の開扉コマンドを受信したのち、予め登録されている前記鍵ボックスの設置位置情報と前記端末の位置情報とに基づき、前記鍵ボックスの開扉を指示するための第2の開扉コマンドを前記鍵ボックスに対して通信キャリア回線を通じて直に送り、
前記鍵ボックスが前記管理サーバーから前記第2の開扉コマンドを受信したときに、前記鍵ボックスの扉のロックが解除される、
内覧管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内覧管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産取引の仲介会社に対して物件情報を提供するウェブサービスとして、「業プロ」(非特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】業プロ株式会社、“業プロ”、[online]、[2021年12月28日検索]、インターネット <URL: https://www.gyo-pro.co.jp/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不動産物件の内覧をめぐって非効率な点があることに鑑み、本発明は、不動産物件の内覧を効率的に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、不動産物件に設置され、前記不動産物件の鍵を収納する鍵ボックスは、前記鍵ボックスを管理する管理サーバーと通信キャリア回線を通じて直に通信するための加入者識別モジュールを備え、前記鍵ボックスが、前記不動産物件の内覧を希望するユーザーの端末からの指示を受けた前記管理サーバーから前記通信キャリア回線を通じて直に前記鍵ボックスの開扉コマンドを受信したときに、前記鍵ボックスの扉のロックが解除される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、不動産物件の内覧を効率的に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】内覧管理システムの全体像を示す説明図である。
図2】内覧管理システムの構成を示すブロック図である。
図3】鍵ボックス管理サーバーのコンピュータハードウェア構成例を示す説明図である。
図4】鍵ボックスの設定及び設置の流れ(第1フェーズ)を示すフロー図である。
図5】内覧の予約受付の事前設定の流れ(第2フェーズ)を示すフロー図である。
図6A】内覧の予約受付の流れ(第3フェーズ)を示すフロー図である。
図6B図6Aとともに、内覧の予約受付の流れ(第3フェーズ)を示すフロー図である。
図6C図6A及び図6Bとともに、内覧の予約受付の流れ(第3フェーズ)を示すフロー図である。
図7A】内覧が行われる際の流れ(第4フェーズ)を示すフロー図である。
図7B図7Aとともに、内覧が行われる際の流れ(第4フェーズ)を示すフロー図である。
図8】鍵ボックスの構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
不動産取引におけるニーズについて、本発明の発明者は以下に述べるとおり鋭意検討を行った。
【0009】
[ニーズの調査]
発明者は不動産関係者へのヒアリングを実施した。特に中古マンションを取り扱う売主と仲介会社を中心にヒアリングを行ったところ、両者の最も大きな悩みが「内覧」であった。従来、内覧時における物件の鍵の受渡しは現地に設置されたキーボックスを用いて行うのが主流である。キーボックスから鍵を取り出すには暗証番号の入力が必要である。仲介会社は売主に連絡して暗証番号を取得する。
【0010】
このような鍵の受渡しには売主及び仲介会社の双方に大きな悩みがある。まず売主については、複数の仲介会社から直接依頼を受けるため、その対応が煩雑ということである。物件によっては1日に数多くの仲介会社から内覧希望を受けるため、電話対応だけでも相当な労力となってしまう。また、各仲介会社の信用調査まで行う訳では無いため、売主にとっては不安が付きまとう。実際、鍵の紛失、暗証番号の流出による仲介会社以外の部外者の入室、室内の汚染や電気の消し忘れなどの問題が起きているからである。売主にとって、仲介会社の情報、暗証番号の定期的な変更、入退室の管理などが出来るようになれば、非常に大きなメリットとなる。
【0011】
また、仲介会社にとっても、キーボックスの暗証番号を確認するために売主と連絡を取るのが煩雑という悩みがある。売主は土日が休日であることが多いため、仲介会社にとって書入れ時の土日にキーボックスの暗証番号を確認出来ないと販売機会を逸することになる。そのため、内覧を予測し事前に暗証番号を確認しておく手間が発生する。また、内覧がいつ行われるかが誰にも管理されていないため、内覧に向かった際に現地で他の仲介業者とバッティングしたり、数回の内覧を予定している他の仲介会社に鍵を持ち帰られてしまい内覧が予定通りに出来ない場合がある。仲介会社にとって、いつでも内覧を予約でき、予約通りに内覧が出来れば非常に大きなメリットとなる。
【0012】
このように、内覧には構造的な問題があり、これを解決するサービスを提供できれば売主及び仲介会社の双方への強力なインセンティブとなる。
【0013】
以上の検討結果を踏まえた本発明の実施形態を以下に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0014】
図1に、本実施形態に係る内覧管理システムの概要を示す。符号1aは不動産取引の仲介会社の担当者であり、符号1は担当者1aの端末(スマートフォンなど)である。符号2は鍵ボックス管理サーバーであり、符号3は物件3aの売主の端末であり、符号4は物件3aに設置された鍵ボックスである。
【0015】
本実施形態に係る内覧管理システムとは、仲介会社の内覧予約・情報管理とセキュリティーを向上した鍵ボックスの遠隔管理システムである。仲介会社の担当者1aは、端末1を用いて鍵ボックス管理サーバー2にアクセスし、売主にコンタクトせずに簡単に内覧の予約をすることができる。担当者1aは、予約した日時に顧客とともに物件3aのある現地へ行き、鍵ボックス4の一定範囲内に近づき端末1から開錠指示を送ると鍵ボックス4が開錠し、鍵ボックス4に保管されている物件3aの鍵を取り出すことができる。内覧を終えて担当者1aが鍵を鍵ボックス4に返却すると、鍵ボックス4は施錠される。
【0016】
このような仕組みによって、仲介会社の担当者1aは内覧の予約をするにあたり売主と連絡を取る必要が無い。売主が休みであるかどうかにかかわらず、内覧の予約が可能であるため、従来とは異なり、仲介会社の販売機会を逸することが無い。内覧は予約制であり、予約は鍵ボックス管理サーバー2によって管理されるため、現地での別の仲介会社とのバッティングも回避できるようになる。
【0017】
物件の売主にとっても、仲介会社の担当者からの内覧の依頼に対して逐一対応する必要が無くなる。さらに、売主は端末3を用いて鍵ボックス管理サーバー2にアクセスすることにより、内覧を予約した仲介会社の情報、内覧の開始時刻及び終了時刻、鍵ボックス4への鍵の返却有無などの管理情報をリアルタイムで確認出来る。また、鍵ボックス4の開錠前に生体認証やデバイス認証等を行うことで、第三者の不正入室の可能性が従来よりも低くなり、売主の不安も緩和される。
【0018】
このように、内覧管理システムは、売主及び仲介会社の双方に大きなメリットをもたらすシステムである。
【0019】
内覧管理システムを構築する上でセキュリティーが重要である。本システムにおいては鍵の保管に鍵ボックスを使用することとしているため、鍵ボックスへの不正アクセスが注意すべき問題である。この問題に対処すべく、(1-1)サーバー介在によるハッキングリスクの低減と、(1-2)デバイス認証と生体認証の併用による誤開錠の防止とについて以下に述べる。また、鍵ボックスは通常、数か月にわたって当該物件に設置されることになるため、鍵ボックスの消費電力にも配慮する必要がある。これに対処すべく、(2-1)自動シャットダウン回路による待機時間放電の削減と、(2-2)自重扉による低消費電力化とについて以下に述べる。さらに、(3)アプリケーションについても述べる。
【0020】
[1-1 サーバー介在によるハッキングリスクの低減]
鍵ボックスと端末との通信においては、一般的に普及しており消費電力も低く利便性の高いBluetooth(登録商標)(短距離通信用無線規格)を用いることが考えられる。Bluetoothはマウスやキーボードなどの無線通信に利用されており、機器同士がペアリング信号を発信することで互いを認識して接続する方法である。しかしながら、Bluetoothにおいては微弱の電波であるペアリング信号が常に発信されていることから、その電波が傍受され解析されることによる不正接続のリスクがある。Bluetoothにおいては機器同士の接続であることから、不正接続かどうかを外部からリアルタイムで判断することが難しい。
【0021】
その他、Bluetoothにおいて用いられる電波は、微弱であるために鍵ボックスの筐体を透過しにくく、鍵ボックス内の回路と端末との通信がそもそも難しいという問題もある。
【0022】
そのため、前述した内覧管理システムにおける鍵ボックス4と端末1との通信は、Bluetoothではなく、鍵ボックス管理サーバー2を介在させて電話回線通信によって行う形式とする。鍵ボックス4にはSIM(Subscriber Identity Module、加入者識別モジュール)カード(通信キャリア回線(携帯電話回線)の加入者を特定するための情報が記録されたICカード)を搭載し、鍵ボックス4と鍵ボックス管理サーバー2とがSIM管理サーバー5を介して通信を行えるようにする。鍵ボックス4に当該鍵ボックスが設置される位置情報を設定しておき、内覧申請者(仲介会社の担当者)が鍵ボックス4の近くにいる状態で開錠申請を受け付けることで、内覧申請者自身が開錠申請していることを確認できるようにする。電話回線を使用することで不正アクセスに対するセキュリティーを高めることが可能となる。
【0023】
[1-2 デバイス認証と生体認証の併用による誤開錠の防止]
内覧申請者以外の者が不正にアクセス出来ないよう内覧申請者の端末1の機器情報登録によるデバイス認証と、専用アプリケーションを活用した生体認証とを併用することで、内覧申請者自身のみが開錠申請できる仕組みにする。内覧申請者自身(生体認証により保障される)が、内覧申請者の所有する端末1を用いて(デバイス認証により保障される)、鍵ボックスの付近で(位置認証により保障される)開錠申請を行うようにすることで、第三者の不正アクセスを防止することが可能となる。
【0024】
[2-1 自動シャットダウン回路による待機時間放電の削減]
SIMカードによる電話回線通信を利用することでセキュリティーを高めることができる反面、鍵ボックスの消費電力はSIMカードを用いない場合に比べて増大するため、低消費電力化の対策が必要となる。一例として、鍵ボックスのSIMカードの消費電流は、通信中の場合は100mA程度であり、通信していない場合(待機時)は20mA程度である。1か月に内覧10回、通信時間は内覧1回につき30分とした場合、通信時間だけを考慮すればアルカリ単三乾電池4本使用では16か月程度持つ計算である。しかしながら、前述のとおり、待機時放電で20mA消費するため、待機時放電も考慮すると、1か月も持たないことになる。乾電池の交換頻度並びに交換に伴う手間及びコストを削減するためには、鍵ボックスの消費電力を抑える必要がある。そこで、鍵ボックスに自動シャットダウン回路を設け、通信終了後に自動的に電源を落として待機時放電をなくす方法を採用する。これにより待機時の電力消費が殆ど無くなるため、鍵ボックスの連続使用可能期間を15か月程度にすることが可能となる。
【0025】
[2-2 自重扉による低消費電力化]
鍵ボックスの開閉の仕組みにおいても消費電力の削減を検討する必要がある。鍵ボックスの扉の開閉に使用するスイッチは通常、開錠されると、錠の爪部を引き込んでおくための電力を消費する。内覧中に開錠されたまま放置されると電力消費が続いてしまう。消費電力を抑えるために自重扉を採用する。自重扉とは、開錠と同時に自重により自動的に開く構造の扉である。これにより、鍵ボックスの利用者が開錠すれば利用者の更なる操作を要することなく扉が自動的に開くため、ロック解除時間(錠の爪部が引き込まれている時間)を短くすることができ、爪部の引込みに必要な消費電力を最低限に抑えることが可能となる。
【0026】
[3 内覧管理システム]
前述した生体認証やデバイス認証などのセキュリティー、内覧予約、鍵ボックスの監視を組み込んだ内覧管理システムの開発を行った。仲介会社の担当者が利用する内覧用アプリケーションに生体認証及びデバイス認証機能を設けることで、セキュリティーを高める。内覧の予約はスマートフォン、タブレットPC等の持ち運びが可能なデバイスからできるようにし、鍵ボックスの開錠は内覧予約時のデバイスを用いた場合にのみ行われるように限定する。サーバー側では鍵ボックスの開錠申請受付、生体認証やデバイス認証等を行う。また、鍵ボックスの稼働状況を監視できる仕組みを組み込み、開錠後の放置や鍵の未返却等を防ぐ。鍵ボックス管理データベースには仲介会社の内覧実績を蓄積し、どの仲介会社のどの担当者がいつ内覧を行ったかの情報をサーバー経由で売主に提供できる仕組みを設ける。
【0027】
図2に示すように、内覧管理システムSは、仲介業者の端末1と、鍵ボックス管理サーバー2と、物件の売主(あるいは物件のオーナー)の端末3と、物件の鍵が収納されて当該物件に設置される鍵ボックス4と、SIM管理サーバー5とを備えている。鍵ボックス管理サーバー2と仲介業者の端末1とは、LTE回線などの通信キャリア回線を通じて通信を行う。鍵ボックス管理サーバー2とSIM管理サーバー5とは、インターネット回線を通じて通信を行い、SIM管理サーバー5と鍵ボックス4とは通信キャリア回線を通じて通信を行う。また、鍵ボックス管理サーバー5と売主の端末3とは通信キャリア回線又はインターネット回線を通じて通信を行う。
【0028】
図3に、鍵ボックス管理サーバー2のコンピュータハードウェア構成例を示す。同サーバーは、CPU251と、インタフェース装置252と、表示装置(ディスプレイ)253と、入力装置254と、ドライブ装置255と、補助記憶装置256と、メモリ装置257とを備えており、これらがバス258により相互に接続されている。
【0029】
上記サーバーの機能を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体259によって提供される。プログラムを記録した記録媒体259がドライブ装置255にセットされると、プログラムが記録媒体259からドライブ装置255を介して補助記憶装置256にインストールされる。あるいは、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体259により行う必要はなく、ネットワーク経由で行うこともできる。補助記憶装置256は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0030】
メモリ装置257は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置256からプログラムを読み出して格納する。CPU251は、メモリ装置257に格納されたプログラムにしたがって本サーバーの機能を実現する。インタフェース装置252は、ネットワークを通して他のコンピュータに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置253はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置254はキーボード及びマウス等である。
【0031】
仲介業者の端末1、売主の端末3、及びSIM管理サーバー5のコンピュータハードウェア構成は、図3に示したものと同様である。
【0032】
内覧管理システムにおいて行われる処理は、以下の4つのフェーズに分けることができる。
第1フェーズ: 鍵ボックスの設定及び設置
第2フェーズ: 内覧の予約受付の事前設定
第3フェーズ: 内覧の予約受付
第4フェーズ: 鍵の受渡し及び内覧
【0033】
[第1フェーズ: 鍵ボックスの設定及び設置]
図4に第1フェーズの流れを示す。
ステップS111にて、SIM管理サーバー5は、SIMカード出荷時に、当該SIMカードと対になるデバイスIDを発番する。
ステップS112にて、内覧管理システムのシステム管理者は、ステップS111にて発番されたデバイスIDを取得する。
ステップS113及びS114にて、システム管理者は、鍵ボックス管理サーバー2内のウェブサーバー2aにログイン情報を入力し同サーバーへのログインを試みる。
ステップS115にて、ウェブサーバー2aは、上記ログイン情報の認証を行う。認証に成功した場合にはステップS116にてウェブサーバー2aは同サーバーのディスプレイに管理画面を表示する。認証に失敗した場合にはステップS117にて本処理が終了する。
ステップS118にて、ウェブサーバー2aは同サーバーのディスプレイにデバイス設定画面を表示する。
他方、ステップS121及びS122にて、システム管理者は、デバイスである鍵ボックス4にSIMカードを組み込む。
ステップS123にて、システム管理者は、SIMカードが組み込まれた鍵ボックス4の通電確認及び疎通確認を行う。
ステップS124及びS125にて、システム管理者は、対象となる物件の鍵が納められた鍵ボックスを同物件が所在する現地に設置する。
ステップS126にて、システム管理者は、ステップS118にて表示されたデバイス設定画面にてデバイスID及び機材名(鍵ボックスの名称)を入力する。
ステップS131にて、ウェブサーバー2aは、ステップS126にて入力されたデバイスID及び機材名の登録を受け付ける。
ステップS132にて、ウェブサーバー2aは、鍵ボックスが設置されている場所の地理的座標の登録を受け付ける。
ステップS133にて、デバイス登録(鍵ボックスの登録)が完了する。
【0034】
[第2フェーズ: 内覧の予約受付の事前設定]
図5に、第2フェーズの流れを示す。
ステップS211にて、売主はシステム管理者に対し、対象となる物件の登録を依頼する。
ステップS212にて、システム管理者は、ステップS211に依頼された物件の登録作業を行う。
ステップS213にて、システム管理者は、制作作業を行う。制作作業とは、物件情報の入力作業と、同物件の写真撮影の作業と、同物件の図面作成作業と、同物件の審査作業と、同物件の確認作業とである。
ステップS212にて登録された物件の情報と、ステップS213にて得られた情報とは、鍵ボックス管理サーバー2内のデータベース2bに保存される。
ステップS214にて、ユーザー情報(売主の情報)についてデータベース2bとウェブサーバー2aとの間で同期が取られる。ステップS215にて、物件情報についてデータベース2bとウェブサーバー2aとの間で同期が取られる。ステップS214及びステップS215の同期処理は定期的に行われる。
ステップS221及びS222にて、売主は、自己の端末3を用いてウェブサーバー2aに認証情報を入力し同サーバーへのログインを試みる。
ステップS223にて、ウェブサーバー2aは、上記認証情報の認証を行う。認証に成功した場合にはステップS224にてウェブサーバー2aは端末3のディスプレイに管理画面を表示する。認証に失敗した場合にはステップS225にて本処理が終了する。
ステップS226にて、売主は、ステップS211にて登録を依頼した物件の内容を確認する。
ステップS227にて、売主の端末3は予約管理画面(内覧の予約を管理するための画面)を表示させる。
ステップS228にて、売主は、自己の端末3を用いて、鍵ボックスの利用情報を入力する。
ステップS229にて、売主は、自己の端末3を用いて、対象物件の内覧の受付期間(仲介会社による内覧が可能な期間)を設定する。
ステップS230にて、売主は、内覧受付設定の完了操作を行う。
ステップS231にて、内覧の予約受付の事前設定が完了する。
【0035】
[第3フェーズ: 内覧の予約受付]
図6A図6B及び図6Cに、第3フェーズの流れを示す。
ステップS311及びS312にて、売主は、自己の端末3を用いて、ウェブサーバー2aにログイン情報を入力し同サーバーへのログインを試みる。なお、ユーザー情報(売主のログイン情報)についての、データベース2bとウェブサーバー2aとの同期は、第2フェーズのステップS214にて完了している。
ステップS313にて、ウェブサーバー2aは、上記ログイン情報の認証を行う。認証に成功した場合にはステップS314にてウェブサーバー2aは、端末3のディスプレイに管理画面を表示する。認証に失敗した場合にはステップS315にて本処理が終了する。
ステップS321及びS322にて、仲介会社の担当者1aは、自己の端末1の内覧専用アプリケーションを用いてログイン情報を入力し初回ログインを試みる。なお、ユーザー情報(仲介会社の担当者1aのログイン情報)についての、データベース2bとウェブサーバー2aとの同期は、既に完了しているものとする。
ステップS323にて、端末1は、上記ログイン情報の認証を行う。認証に成功した場合にはステップS324にて端末1は、デバイスの登録及び確認を行う。具体的には、内覧専用アプリケーションにログイン情報及びデバイス情報が紐付けされる。認証に失敗した場合にはステップS325にて本処理が終了する。
ステップS324に続き、ステップS326、S327及びS328において、仲介会社の担当者1aの指紋情報、顔情報といった生体認証に必要な情報を端末1に登録することができる。
【0036】
ステップS331にて、仲介会社の担当者1aは、自己の端末1の内覧専用アプリケーションを用いて2回目以降のログインを試みる。
ステップS332及びS333にて、端末1は生体認証を行う。認証に成功した場合にはステップS334にて端末1は、同端末のディスプレイに管理画面を表示させる。認証に失敗した場合にはステップS335にて本処理が終了する。
ステップS336にて、担当者1aは、自己の端末1の内覧専用アプリケーションを用いて物件の検索情報を入力する。
ステップS337にて、端末1は、鍵ボックス管理サーバー2と協働して、内覧の予約が可能な物件の検索を行う。
ステップS338にて、端末1は、同端末のディスプレイに、内覧の予約が可能な物件の一覧を表示させる。
【0037】
ステップS341にて、仲介会社の担当者1aは、内覧専用アプリケーションを用いて内覧予約の対象物件を選択する。
ステップS342にて、端末1は、鍵ボックス管理サーバー2と協働して、ステップS341にて選択された物件の内覧予約可能期間を取得し、その期間を同端末のディスプレイに表示させる。
ステップS343にて、担当者1aは、内覧専用アプリケーションを用いて内覧の予約申請情報を入力する。
ステップS344にて、端末1は、ステップS343にて入力された予約申請情報の登録を行う。
ステップS345にて、端末1は売主のメールアドレスを宛先とする予約メールを配信する。
ステップS346にて、担当者1aによる予約登録が完了する。
ステップS347にて、鍵ボックス管理サーバー2内のデータベースサーバー2cに、ステップS344にて登録された予約申請情報が記録される。この予約申請情報には、予約された物件情報(物件ID)と、予約日時と、予約者の情報(仲介会社の名称、担当者の氏名)と、訪問人数とが含まれる。
他方、ステップS348にて、売主の端末3からの要求を受けて、ウェブサーバー2aは、予約可能物件の検索を行う。
ステップS349においては、ステップS347にて記録された予約情報が、売主が自ら管理する自社物件に関するものである場合に、ウェブサーバー2aは売主の端末3のディスプレイに予約情報の一覧を表示する。
ステップS350にて、売主は、対象物件を選択し、当該物件について申請のあった予約を承認するか否かを判断する。続いてステップS351又はS352が行われる。
ステップS351にて売主は予約申請を承認する。
ステップS352にて売主は予約申請を非承認とする。
ステップS351又はS352に続くステップS353では、ステップS351及びS352のいずれが行われたかに応じて、データベースサーバー2cは予約情報の更新を行う。
ステップS351又はS352に続いてステップS354も行われる。ステップS354にて承認処理が完了する。
ステップS355にて、承認結果メールがデータベースサーバー2cから端末1aへと配信される。
ステップS356にて承認処理が完了する。
ステップS361にて、担当者1aは内覧専用アプリケーションを用いて予約申請状況の検索を行う。
ステップS362にて、端末1はデータベースサーバー2cと協働して予約申請状況の検索を行う。
ステップS363にて端末1は同端末のディスプレイに予約申請状況(売主が内覧予約申請を承認したかどうかの状況)を表示させる。
【0038】
[第4フェーズ: 鍵の受渡し及び内覧]
図7A及び図7Bに、第4フェーズの流れを示す。
ステップS411にて、担当者1aは、端末1aの内覧専用アプリケーションを起動する。この起動は第2回目又はそれ以降の起動にあたる。
ステップS412及びS413にて、端末1は生体認証を行う。認証に成功した場合にはステップS414にて端末1は、同端末のディスプレイに管理画面を表示させる。認証に失敗した場合にはステップS415にて本処理が終了する。
ステップS421にて、担当者1aは、鍵ボックス4の電源ボタンを押して電源を入れる。
ステップS422にて、鍵ボックス4は、内蔵されたSIMカードと電話回線(LTE回線)とを通じて、SIM管理サーバー5と通信を行う。
ステップS423にて、SIM管理サーバー5は同サーバー内のインベントリー(SIMカードの状態を管理するデータ)を初期化する。具体的には、SIM管理サーバー5は、インベントリーを初期化するための情報を鍵ボックス4から受信し、その情報に基づいて初期化を行う。
ステップS424にて、SIM管理サーバー5はインベントリーの状態を変更する。具体的には、SIM管理サーバー5は、鍵ボックス4内のSIMカードとの通信が可能であることを確認したのち、インベントリーの状態を、同SIMカードとの通信が可能な状態に変更する。
ステップS422に続くステップS425にて、鍵ボックス4の起動が完了する。
続くステップS426にて、鍵ボックス4は、開錠イベントの受付の待機状態へと移行する。
ステップS411に続くステップS431にて、担当者1aは、内覧専用アプリケーションを用いて、物件一覧から、内覧しようとしている対象物件(開錠したい物件)を選択する。
ステップS432にて、端末1は、鍵ボックス管理サーバー2を通じてSIM管理サーバー5に対し、鍵ボックスの開錠コマンドを発行する。
ステップS433及びS434にて、端末1はウェブサーバー2aと協働しAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を通じて、現在時刻が予約時間内かどうかを確認する。現在時刻が予約時間内であると確認された場合はステップS435が行われ、さもなければステップS436にて本処理が終了する。
ステップS435にて、端末1は同端末の位置情報を確認する。この確認はGPS信号を用いて行うことができる。本ステップでは、ステップS437にてウェブサーバー2aにより取得された鍵ボックスの設置座標と端末1の位置情報とが比較され、端末1の位置が指定エリア内であれば続いてステップS438が行われる。端末1の位置が指定エリア外であればステップS439aにて本処理が終了する。
ステップS438にて、端末1は、鍵ボックスの開錠条件の判定が完了した旨を同端末のディスプレイに表示させる。
ステップS439bにて、ウェブサーバー2aは鍵ボックスの開錠認証確認を行う。具体的には、ウェブサーバー2aは、SIM管理サーバー5のインベントリーの状態を変更する為、鍵ボックスの状態(鍵ボックスとの通信が可能か、鍵ボックスの開閉状態、鍵ボックス内の鍵の有無)を確認する。
ステップS440にて、ウェブサーバー2aはSIM管理サーバー5に対し、鍵ボックス開錠コマンドを送る。
ステップS441にて、ウェブサーバー2aは、鍵ボックスの状態を変更する処理を行う。
ステップS442にて、SIM管理サーバー5は、ステップS440にて送られた鍵ボックス開錠コマンドを受信する。
ステップS443にて、SIM管理サーバー5は鍵ボックス4に対し、開錠イベントを送る。
ステップS444にて、鍵ボックス4は、ステップS443にて送られた開錠イベントを受信する。
ステップS445にて鍵ボックス4のソレノイドロック(スイッチ)が作動し、ステップS446にて鍵ボックスの扉が開き、鍵ボックスから物件の鍵が取り出せる状態となる。
ステップS447にて、鍵ボックス4からSIM管理サーバー5に対し、開錠状態である旨のメッセージが送られる。同メッセージはSIM管理サーバー5からウェブサーバー2aにも送られる。
ステップS446に続くステップS448にて、担当者1aは鍵ボックスから物件の鍵を取り出す。内覧終了後は、同ステップにて担当者1aは鍵ボックスに物件の鍵を収納し、ステップS449にて担当者1aは鍵ボックスの扉を閉める。
ステップS448における鍵の有無に関する情報は、鍵ボックス4内のセンサにより検知され、その検知結果は、ステップS450にて鍵ボックス4からSIM管理サーバー5へと送られるともに、SIM管理サーバー5からウェブサーバー2aへも送られる。
ステップS438に続くステップS451にて、端末1は、鍵ボックスの状態(鍵ボックスの扉が開いているか、閉じているかの状態)をウェブサーバー2aへ通知する。
ステップS452にて、ウェブサーバー2aは、ステップS447及びS450にてSIM管理サーバー5から受信した情報と、ステップS451にて端末1から受信した情報とに基づいて、鍵ボックスの状態の変更処理を行う。
ステップS453にて、ウェブサーバー2aは、売主のメールアドレスを宛先として、鍵ボックスの状態に関する状態通知メールを配信する。
ステップS454にて、ウェブサーバー2aはSIM管理サーバー5に対し、鍵ボックスイベント終了コマンド(通信の終了コマンド)を送る。
ステップS455にて、SIM管理サーバー5はステップS454にて送られたコマンドを受け、鍵ボックスの開錠状態を初期化する。
ステップS431に続くステップS461にて、担当者1aは内覧終了後に内覧専用アプリケーションからログアウトする。
【0039】
図8に示すように、鍵ボックス4は、外形が略直方体状の筐体41を有する。筐体41の内部には、SIMカード42が搭載された基板43と、基板43に電力を供給する電池44と、スイッチ45と、物件3aの鍵46とが収容されている。筐体41の底面に設けられた自重扉47の一端部47aは、同図の紙面に垂直な方向に延びるピンを備えたヒンジ48によって支持されており、他端部47bは施錠時にはスイッチ45から同図右方向に突き出た爪部(不図示)によって係止されている。サーバー経由で開錠指示がなされると、スイッチ45が作動し上記爪部が同図左方向に引き込まれて、自重扉47が自重により開いて、鍵46が鍵ボックス4から取り出せるようになる。自重扉47は手動により閉められる。自重扉47が開いている場合は、その状態がサーバーに通知される。そのため、システム管理者によって異常(自重扉の閉め忘れ)を感知し内覧申請者へ通知することが可能である。また、鍵ボックス4に、鍵46が無い状態で自重扉47が閉まっているかどうかを判定するセンサ(不図示)を設けてもよい。
【0040】
図2に示した鍵ボックス管理サーバー2とSIM管理サーバー5とを統合して一つの管理サーバーとしてもよい。
【0041】
これまでに説明した実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0042】
[付記1]
不動産物件に設置され、前記不動産物件の鍵を収納する鍵ボックスであって、
前記鍵ボックスを管理する管理サーバーと通信キャリア回線を通じて通信するための加入者識別モジュールを備え、
前記鍵ボックスが、前記不動産物件の内覧を希望するユーザーの端末からの指示を受けた前記管理サーバーから前記鍵ボックスの開扉コマンドを受信したときに、前記鍵ボックスの扉のロックが解除される、
鍵ボックス。
【0043】
付記1の実施形態によれば、ユーザーの端末と鍵ボックスとの間に管理サーバーを介在させ、同管理サーバーと鍵ボックスとが通信キャリア回線を通じて通信することで、鍵ボックスが不正に解錠されてしまうリスクを低減することができる。
【0044】
[付記2]
前記管理サーバーは、予め登録されている前記鍵ボックスの設置位置情報と前記端末の位置情報とに基づいて、前記鍵ボックスに対し前記開扉コマンドを送る、付記1に記載の鍵ボックス。
【0045】
付記2の実施形態によれば、予め登録されている前記鍵ボックスの設置位置情報と前記端末の位置情報とに基づいて、前記鍵ボックスに対し前記開扉コマンドが送られる。これにより、悪意のある第三者が不動産物件に設置されている鍵ボックスを別の場所に運んだうえで鍵ボックスを解錠しようとすることを防ぐことができる。
【0046】
[付記3]
電池と、
前記ユーザーにより操作され、前記電池から前記加入者識別モジュールに電力を供給するための電源ボタンと、
前記管理サーバーとの通信終了後に、前記電池から前記加入者識別モジュールへの電力の供給を停止するシャットダウン回路と
をさらに備える付記1又は2に記載の鍵ボックス。
【0047】
付記3の実施形態によれば、鍵ボックスの待機時の放電を削減し、鍵ボックスの連続使用可能期間を長くすることができる。
【0048】
[付記4]
通電時に前記鍵ボックスの扉のロックを解除する通電時解錠型のソレノイドロックをさらに備え、
前記鍵ボックスの扉は、前記ソレノイドロックが解錠されると前記扉の重さにより開くように構成されている、
付記1~3のいずれか一項に記載の鍵ボックス。
【0049】
付記4の実施形態によれば、鍵ボックスが備える扉の鍵の爪部が、通電したソレノイドにより引き込まれて鍵ボックスが解錠される場合に、扉が開いている間継続してソレノイドに電力を供給する必要がない。爪部が引き込まれて扉が開いたのちはソレノイドに電力供給する必要がないため、電力消費量を抑えることができる。
【0050】
[付記5]
不動産物件の内覧を希望するユーザーの端末と、
前記不動産物件に設置され、前記不動産物件の鍵を収納する鍵ボックスと、
前記端末と前記鍵ボックスとを管理する管理サーバーと
を備え、
前記端末が、前記ユーザーの生体認証を行ったのち、前記鍵ボックスの開扉を指示する第1の開扉コマンドを前記管理サーバーへ送り、
前記管理サーバーが、前記端末から前記第1の開扉コマンドを受信したのち、予め登録されている前記鍵ボックスの設置位置情報と前記端末の位置情報とに基づき、前記鍵ボックスの開扉を指示するための第2の開扉コマンドを前記鍵ボックスに対して携帯電話回線を通じて送り、
前記鍵ボックスが前記管理サーバーから前記第2の開扉コマンドを受信したときに、前記鍵ボックスの扉のロックが解除される、
内覧管理システム。
【0051】
付記5の実施形態によれば、ユーザーの端末と鍵ボックスとの間に管理サーバーを介在させ、同管理サーバーと鍵ボックスとが通信キャリア回線を通じて通信することで、鍵ボックスが不正に解錠されてしまうリスクを低減することができる。
また、予め登録されている前記鍵ボックスの設置位置情報と前記端末の位置情報とに基づいて、前記鍵ボックスに対し前記開扉コマンドが送られる。これにより、悪意のある第三者が不動産物件に設置されている鍵ボックスを別の場所に運んだうえで鍵ボックスを解錠しようとすることを防ぐことができる。
さらに、生体認証が行われることで、鍵ボックスへの不正アクセスを抑えることができる。
【0052】
本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づく種々の変更は本発明の概念に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
S 内覧管理システム
1 仲介業者の端末
2 鍵ボックス管理サーバー
3 売主の端末
4 鍵ボックス
42 SIMカード
44 電池
46 鍵
47 自重扉
5 SIM管理サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8