(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】サンプル間の分離ガス検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1404 20240101AFI20240904BHJP
G01N 15/14 20240101ALI20240904BHJP
G01N 15/1429 20240101ALI20240904BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
G01N15/1404 100
G01N15/14 G
G01N15/1429
G01N35/08 B
(21)【出願番号】P 2022506046
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(86)【国際出願番号】 US2020047031
(87)【国際公開番号】W WO2021034948
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2023-06-26
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520431409
【氏名又は名称】ザルトリウス バイオアナリティカル インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・ブライス・ケニントン
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134017(JP,A)
【文献】特表2006-502405(JP,A)
【文献】特開2007-263919(JP,A)
【文献】特開2017-215217(JP,A)
【文献】特表2019-519765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/1409
G01N 35/08
G01N 15/1429
G01N 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローサイトメータ装置であって、
第1の端部および第2の端部を有するフローセルと、
第1の端部および第2の端部を有する流体経路であって、前記流体経路の前記第2の端部は、前記フローセルの前記第1の端部に結合された、流体経路と、
前記流体経路の前記第1の端部に結合されたプローブと、
前記プローブと前記フローセルの前記第1の端部との間に位置決めされた少なくとも1つのセンサであって、前記流体経路内の流体の1以上の特性を検出するように構成された、センサと、
少なくとも1つの前記センサと通信するプロセッサと、
当該フローサイトメータ装置を使用する際、前記プロセッサに機能を実行させるために実行可能な命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備え、
前記機能が、
前記プロセッサを介して、少なくとも1つの前記センサによって検出された前記流体経路内の前記流体の1以上の前記特性を受信する機能と、
前記流体経路内の前記流体の検出された1以上の前記特性に基づいて、前記流体経路内の前記流体中の分離ガスの存在を判定する機能と、
一定の期間にわたって、前記流体経路内の前記流体の前記検出された1以上の特性に基づいて、前記流体経路内の前記流体中の検出された分離ガス泡の数の総数を判定する機能であって、前記総数が、最小総数公差を下回った場合、前記フローサイトメータ装置が詰まっていると判定する機能を含む機能と、
を含む、フローサイトメータ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記センサが、前記流体経路に結合される、請求項1に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記センサが、前記フローセルの前記第1の端部からおよそ
2.54mmからおよそ
1219.2mmの間に位置決めされる、請求項1または2に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記センサが、超音波センサを備え、
少なくとも1つの前記センサによって検出された前記流体経路内の前記流体の前記1以上の特性が、前記流体の密度を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記センサが、光学センサを備え、
少なくとも1つの前記センサによって検出された前記流体経路内の前記流体の前記1以上の特性が、前記流体経路を通る光の反射を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記センサは、画像センサを備え、
少なくとも1つの前記センサによって検出された前記流体経路内の前記流体の前記1以上の特性が、前記画像センサによって捕らえられた前記流体経路内の前記流体の画像を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記センサは、マスフローセンサを備え、
少なくとも1つの前記センサによって検出された前記流体経路内の前記流体の前記1以上の特性が、前記流体経路内の前記流体の温度を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項8】
前記流体経路と流体連通するポンプをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項9】
前記プローブに結合されたオートサンプラーであって、複数の各別のサンプルウェルからの粒子を含む複数のサンプルを前記流体経路内の流体フローストリームに挿入するように構成されたオートサンプラーをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項10】
前記オートサンプラーが、調節可能アームを含む、請求項9に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項11】
少なくとも1つの前記センサが、前記流体経路を介して前記オートサンプラーと流体連通し、
当該フローサイトメータ装置が、前記オートサンプラーから前記流体経路によって送達された前記流体フローストリームを集中させ、前記流体フローストリームが少なくとも1つの前記センサおよび前記フローセルを通過するとき、複数の前記サンプルそれぞれにおける粒子を選択的に分析するように構成される、請求項9または10に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項12】
前記オートサンプラーおよびポンプが協働して、前記流体フローストリーム中の前記サンプルのうち連続するサンプル間に分離流体のアリコートを投入することで、前記流体フローストリームを分離ガス分離型流体フローストリームとして構成する、請求項9から11のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項13】
前記フローセルから下流に位置決めされたレーザインタロゲーションデバイスであって、レーザインタロゲーションポイントにおいて前記フローセルから流れてくる個々のサンプルを検査するように構成されたレーザインタロゲーションデバイスをさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項14】
前記非一時的コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、
前記流体経路内の前記流体の前記検出された1以上の特性を含む分離ガスタイミングデータと、対応するタイムスタンプと、を生成する機能と、
前記分離ガスタイミングデータに少なくとも部分的に基づいて、複数のサンプルウェルのうちの各別のサンプルウェルを識別する機能と、
を含む機能をさらに実行させる、請求項1から13のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項15】
前記非一時的コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、
散乱検出器により、前記流体が一定の期間にわたって前記フローサイトメータ装置を通過するとき、散乱光の強度を示す散乱電圧出力信号を生成する機能と、
前記散乱電圧出力信号をサンプリングする機能であって、前記流体経路内の前記流体中の前記分離ガスの存在を判定する機能がサンプリング後の散乱電圧出力信号に少なくとも部分的にさらに基づいている、機能と、
を含む機能をさらに実行させる、請求項1から14のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項16】
前記非一時的コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、
分離ギャップ閾値を上回る前記散乱電圧出力信号の各サンプリング後の電圧に関するタイムスタンプおよび電圧値を記録する機能であって、前記分離ギャップ閾値が一定の値を有する、機能を含む機能をさらに実行させる、請求項15に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項17】
前記非一時的コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、
前記流体経路内の前記流体の前記検出された1以上の特性に基づいて、前記流体経路内のサンプルの開始の第1のタイムスタンプを判定する機能と、
前記流体経路内の前記流体の前記検出された1以上の特性に基づいて、前記流体経路内のサンプルの終わりの第2のタイムスタンプを判定する機能と、
前記第1のタイムスタンプ、前記第2のタイムスタンプ、前記流体経路内の前記流体の流量、および前記流体経路の直径に少なくとも部分的に基づいて、前記サンプルの体積を判定する機能と、
を含む機能をさらに実行させる、請求項1から16のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項18】
前記非一時的コンピュータ可読媒体が、前記プロセッサに、
前記流体経路内の前記流体の前記検出された1以上の特性に基づいて、前記流体経路内の前記流体中の標識粒子の存在を判定する機能を含む機能をさらに実行させる、請求項1から17のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項19】
前記プローブと前記フローセルの前記第1の端部との間に位置決めされた弁をさらに備え、
前記弁が、前記流体経路内の前記流体が前記フローセルの前記第1の端部に誘導される第1の位置と、前記流体経路内の前記流体中の前記分離ガスが当該弁と流体連通する廃棄物ポートに誘導される第2の位置との間を移動するように構成される、
請求項1から18のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項20】
前記弁は、剪断弁を備える、
請求項19に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項21】
前記弁と流体連通する補助シース流体経路をさらに備える、
請求項19または20に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項22】
前記フローセルと流体連通する1以上のシースポートをさらに備える、
請求項19から21のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項23】
少なくとも1つの前記センサが、前記プローブと前記弁との間に位置決めされた第1のセンサを備え、
当該フローサイトメータ装置が、前記第1のセンサと前記弁との間に位置決めされた第2のセンサのうちの1以上をさらに備える、
請求項19から22のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項24】
前記弁と前記フローセルの前記第1の端部との間に位置決めされた第3のセンサをさらに備える、
請求項19から23のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項25】
第3のセンサと前記フローセルの前記第1の端部との間に位置決めされた第4のセンサと、
前記廃棄物ポートと流体連通して位置決めされた第5のセンサと、
前記フローセルの下流に位置決めされた第6のセンサと、
前記弁と流体連通する補助シース流体経路と流体連通して位置決めされた第7のセンサと、
前記弁と流体連通する前記補助シース流体経路と流体連通して位置決めされた第8のセンサと、
前記フローセルと流体連通する第1のシースポートと流体連通する第9のセンサと、
前記フローセルと流体連通する第2のシースポートと流体連通する第10のセンサと、
前記第1のシースポートと流体連通し、前記第9のセンサと前記フローセルとの間に位置決めされた第11のセンサと、
前記第2のシースポートと流体連通し、前記第10のセンサと前記フローセルとの間に位置決めされた第12のセンサと、
のうちの1以上をさらに備える、
請求項19から24のいずれか一項に記載のフローサイトメータ装置。
【請求項26】
流体フローストリーム中の分離ガスを検出するための方法であって、
複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルを獲得するステップであって、複数の前記サンプルの各サンプルが複数の前記サンプルウェルそれぞれのウェルから獲得される、ステップと、
複数の前記サンプルを流体経路内の流体フローストリームの中に移動させるステップと、
複数の前記サンプルの隣接するサンプル間に分離ガスを挿入して、前記流体フローストリーム中で複数の前記サンプルを互いから分離するステップであって、これにより、前記流体フローストリームがガス分離型サンプル流体フローストリームを構成する、ステップと、
分離された前記サンプルおよび分離流体を含む前記ガス分離型サンプル流体フローストリームをフローサイトメータの少なくとも1つのセンサおよびフローセルまでガイドし、これらの中を通すステップであって、少なくとも1つの前記センサが前記フローセルの上流に位置決めされる、ステップと、
少なくとも1つの前記センサを介して、前記流体経路内の前記流体フローストリームの1以上の特性を検出するステップと、
前記流体経路内の前記流体フローストリームの検出された1以上の前記特性に基づいて、前記流体経路内の前記流体フローストリーム中の前記分離ガスの存在を判定するステップと、
一定の期間にわたって、前記流体経路内の前記流体フローストリームの前記検出された1以上の特性に基づいて、前記流体経路内の前記流体フローストリーム中の検出された分離ガス泡の数の総数を判定するステップであって、前記総数が、最小総数公差を下回った場合、前記流体経路が詰まっていると判定する機能を含む、ステップと、
を含む、方法。
【請求項27】
複数の前記サンプルが、プローブに結合されたオートサンプラーを介して、複数の前記サンプルウェルを有する前記プレートから獲得される、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記流体経路内の前記流体フローストリームの検出された1以上の前記特性を含む分離ガスタイミングデータと対応するタイムスタンプとを生成するステップと、
前記分離ガスタイミングデータに少なくとも部分的に基づいて、複数の前記サンプルウェルそれぞれのサンプルウェルを識別するステップと、
をさらに含む、
請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
散乱検出器により、前記流体フローストリームが一定の期間にわたって前記フローサイトメータを通過するとき、散乱光の強度を示す散乱電圧出力信号を生成するステップと、
前記散乱電圧出力信号をサンプリングするステップと、
分離ギャップ閾値を上回る前記散乱電圧出力信号の各サンプリング後の電圧に関するタイムスタンプおよび電圧値を記録するステップであって、前記分離ギャップ閾値が一定の値を有する、ステップと、
をさらに含む、
請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1つの前記センサは、超音波センサ、光学センサ、画像センサ、およびマスフローセンサのうちの1以上を備える、
請求項26から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
流体フローストリーム中の分離ガスを検出するための方法であって、
複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルを獲得するステップであって、複数の前記サンプルの各サンプルが複数の前記サンプルウェルそれぞれのウェルから獲得される、ステップと、
請求項1~25のいずれか一項に記載の前記フローサイトメータ装置の前記流体経路内の流体フローストリームの中に複数の前記サンプルを移動させるステップと、
複数の前記サンプルのうち隣接するサンプル間に分離ガスを挿入して、前記流体フローストリーム中で前記複数のサンプルを互いから分離するステップであって、これにより、前記流体フローストリームがガス分離型サンプル流体フローストリームを構成する、ステップと、
分離された前記サンプルおよび分離流体を含む前記ガス分離型サンプル流体フローストリームを、
請求項1~25のいずれか一項に記載の前記フローサイトメータ装置の少なくとも1つの前記センサおよび前記フローセルまでガイドし、これらの中を通すステップであって、少なくとも1つの前記センサが前記フローセルの上流に位置決めされる、ステップと、
少なくとも1つの前記センサを介して、前記流体経路内の前記流体フローストリームの1以上の特性を検出するステップと、
前記流体経路内の前記流体フローストリームの検出された1以上の前記特性に基づいて、前記流体経路内の前記流体フローストリーム中の前記分離ガスの存在を判定するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年8月19日に出願された、「System and Method for Separation Gas Detection Between Samples」と題された米国出願第16/544,842号の優先権を主張し、この米国出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
ハイスループットフローサイトメトリシステムは、ポンプシステムを使用して、マイクロプレートのウェルから吸引され、気泡ギャップによって一方が他方から隔てられた別個のサンプル粒子懸濁液の流れでサンプル配管ラインを満たす。サンプル流全体がフローサイトメータに継続して送達されることで、マイクロプレート中の全てのサンプルからのデータが取得され、単一のデータファイルに記憶される。高分解能の時間パラメータもまた、データ取得中に記録される。エアギャップの通過によって、データストリーム中に粒子検出中の時間の途切れが形成され、時間パラメータと併せてグラフ化される際に個々の粒子懸濁液が区別され、別々に評価されることを可能にする。この時間の分布に基づいて、データピークが識別され、マイクロプレートの個々のウェルに割り当てられる。しかしながら、多くの場合には、このような時間の分布は、個々のサンプルウェルを正確に識別するのに十分ではなく、場合によっては識別エラーが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6,878,556号明細書
【文献】国際公開第2010005617号
【文献】米国特許第5,895,764号明細書
【文献】米国特許第5,824,269号明細書
【文献】米国特許第5,395,588号明細書
【文献】米国特許第4,661,913号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気泡によって隔てられたサンプルの連続する流体流れの中で気泡を検出するための方法およびシステムが本明細書において開示される。一例では、気泡を検出するためにフローサイトメータの散乱検出器の散乱波形出力が使用される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は、散乱検出器により、各サンプルが分離ガスによって分離される複数のサンプルを含むフローストリームが一定の期間にわたってフローサイトメータを通過するとき電圧出力信号を生成するステップと、電圧出力信号をサンプリングするステップと、分離ギャップ閾値を上回る電圧出力信号の各サンプリング後の電圧に関するタイムスタンプおよび電圧値を記録するステップと、のための方法を提供する。方法は、生成ステップの前に、粒子を含む複数のサンプルをフローストリームに移動させるステップと、分離ガスを複数のサンプルのうち隣接するサンプル間に挿入して、フローストリーム中でサンプルを互いから分離するステップであって、フローストリームは、これにより、ガスで分離されたサンプルフローストリームを構成する、ステップと、分離されたサンプルおよび分離流体を含む流体で分離されたサンプルフローストリームをフローサイトメータにガイドし、その中を通すステップと、フローサイトメータを継続して作動させて、ガスで分離されたフローストリームを集中させ、流体フローストリームがフローサイトメータを通過するとき、散乱検出器によって散乱光を検出するステップと、をさらに含んでよい。別の実施形態では、方法は、移動ステップの前に、複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルを獲得するステップであって、複数のサンプルの各サンプルは、複数のウェルそれぞれのウェルから獲得されるステップを含んでよい。
【0006】
本開示の実施形態は、プロセッサに、本明細書に記載される方法を実行させるために実行可能な命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体をさらに含む。
【0007】
本開示の別の実施形態は、散乱検出器と、散乱検出器の出力と通信するプロセッサと、プロセッサに、本明細書に記載される方法を実行させるために実行可能な命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体と、を備えるフローサイトメータを備えるシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1B】
図1Aのフローサイトメータ装置の導管内の直接隣接するサンプルの断面概略図である。
【
図2】前方散乱検出器からのサンプルイベント波形出力の一例のグラフを示す図である。
【
図3】前方散乱検出器からの気泡ギャップ波形出力の一例のグラフを示す図である。
【
図4】プレート前の最初の気泡と、フローサイトメータの前方散乱検出器から取得した分離ガスタイミング出力データと共にグラフ化された、フローサイトメータから取得した、行間揺動を伴うサンプルプレートの第1の行Aと、サンプルプレートの行Bの最初の2つのウェルのサンプルイベントデータの一例のヒストグラムの図である。
【
図7】フローサイトメータの前方散乱検出器から取得した分離ガスタイミング出力データと共にグラフ化された、フローサイトメータから取得した完全な96ウェルプレートのサンプルイベントデータの一例のヒストグラムを示す図である。
【
図8】フローサイトメータの前方散乱検出器から取得した分離ガスタイミング出力データと共にグラフ化された、フローサイトメータから取得した処理後のFSC-A出力のサンプルイベントデータの一例のヒストグラムを示す図である。
【
図9】フローサイトメータの側方散乱検出器から取得した分離ガスタイミング出力データと共にグラフ化された、フローサイトメータから取得した処理後のSSC-A出力のサンプルイベントデータの一例のヒストグラムを示す図である。
【
図10】一の例示的な実施形態による、フローサイトメータ装置の代替構成の概略図である。
【
図11】一の例示的な実施形態による、流体フローストリーム中の分離ガスを検出するための方法のフローチャートである。
【
図12】一の例示的な実施形態による、フローサイトメータ装置の別の代替構成の概略図である。
【
図13】一の例示的な実施形態による、ガス分離型サンプル流体フローストリームを形成するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
文脈が明らかにそうでないことを要求しない限り、説明および特許請求の範囲を通して、単語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」などは、排他的または網羅的意味とは対照的な包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「これに限定されるものではないが、以下を含む」という意味で解釈されるべきである。単数または複数を使用する単語はまた、複数および単数もそれぞれ含む。
【0010】
本開示の実施形態/例の記載は、網羅的であることは意図されていない、または本開示を開示される正確な形態に限定することは意図されていない。開示の特有の実施形態および例は、例示の目的のために本明細書に記載されるが、当業者が認識するように、種々の均等な変形例も開示の範囲内で可能である。
【0011】
本発明の任意の態様の全ての実施形態は、文脈が明らかにそうでないことを指示しなければ、組み合わせて使用することができる。
【0012】
本発明の目的のために、本明細書で使用されるときの用語「サンプル」は、対象の粒子、または粒子分析器によって検出可能な標識粒子を包含し得る任意の量の液体を指す。より具体的には、サンプルは、対象の粒子、または本明細書に開示される方法および/または装置を用いて検出されるべきおよび/または分析されるべき標識粒子を包含する流体溶液または懸濁液を含んでよい。サンプル中の対象の粒子は、蛍光タグなどで、タグ付けされてよい。対象の粒子はまた、ビード、受容体、あるいは他の有益なタンパク質またはポリペプチドに結合されてもよい、あるいは、細胞溶解物中に自然に見いだされる粒子、細胞溶解物から浄化された粒子、組織培養からの粒子など、単体粒子として単に存在してもよい。サンプルは、対象の粒子との反応を生じさせるのに使用される、有機または無機のいずれかの化学物質を含んでよい。対象の粒子が、生体材料である場合、薬剤がサンプルに添加されて、生体材料粒子中で反作用または反応を生じさせてもよい。サンプルがサンプルソースウェル内にある場合、化学物質、薬剤または他の添加物がサンプルに加えられ、サンプルと混合されてもよい、サンプルがオートサンプラーによって吸い上げられた後、化学物質、薬剤または他の添加物が流体フローストリーム中のサンプルに加えられてもよい。
【0013】
本明細書で使用される際、用語「生体材料」は、生きている、または死んでいる状態のいずれかの有機体から得られる任意の有機物質を指す。用語「生体材料」はまた、合成オリゴヌクレオチド、合成ポリペプチドなどの任意の合成生体材料も指す。合成生体材料は、自然界で生じる生体材料の合成形態であってよい、または融合タンパク質など、自然界で生じる生体材料の一部から作製された非天然生物学的製剤であってもよい、または共有結合的または非共有結合的のいずれかでペプチドに結合したDNAまたはRNAなどのオリゴヌクレオチドなどの一緒に結合されている2つの生体材料(オリゴヌクレオチドは、自然界では通常結合しない)であってもよい。
【0014】
本明細書で使用される際、用語「オリゴヌクレオチド」は、二重鎖および単一鎖のDNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)ならびに天然または合成のいずれかの、誘導体化された、または誘導体化されない任意の配列の核酸を含む、任意のオリゴヌクレオチドを指す。
【0015】
本明細書で使用される際、「ペプチド」は、ペプチド、タンパク質、ポリペプチド、タンパク質配列、アミノ酸配列、変性タンパク質、アンチゲン、がん遺伝子およびがん遺伝子の一部を含む、ペプチドおよび共役ペプチドの全てのタイプを指す。
【0016】
本明細書で使用される際、用語「有機体」は、動物、植物、バクテリア、ウイルスなどだけを指すのではなく、動物、植物、バクテリア、ウイルスなどから得られた有機材料から作製された細胞培養、再生オリゴヌクレオチドなども指す。
【0017】
本明細書で使用される際、用語「薬剤」は、一般的に薬剤とみなされるいかなるタイプの物質も指す。薬剤は、例えば、麻酔剤、幻覚剤、バルビツール酸系催眠薬または向精神薬など、個人の中枢神経系に対して作用する物質であってよい。本発明の目的のために、薬剤はまた、病気を引き起こす感染性の有機体を殺したり不活性化したりする物質であってもよい。加えて、薬剤は、特有の細胞、身体の器官または機能の作用に影響を与える物質であってもよい。薬剤は、有機または無機化学物質、生体材料などであってもよい。
【0018】
本明細書で使用される際「アリコート」は、フローサイトメータのプローブを介してウェルから取得されるサンプルのうちのほんの少量である。
【0019】
本明細書で使用される際、用語「導管」は、その中を流体ストリームが流れる管、チャネルなどのデバイスを指す。導管は、単独で、あるいはチャネルまたは他の異なるデバイスと組み合わせて、いくつかの接続された、または結合された部分の配管、あるいは単一部分の配管など、複数の別個のデバイスで構成されてよい。種々の実施形態では、導管は、分離ガスまたは標識粒子のアリコートによって分離されたサンプルを、隣接するサンプルが互いに混じり合うことなく、毎分少なくとも6サンプルの速度で管の中を移動させることを可能にする圧縮特性を有する蠕動ポンプと共に使用され得る任意の管を含んでよい。
【0020】
本明細書で使用される際、「標識粒子」は、対照粒子、対照ビードまたは対照マイクロビードを含んでよく、分析されるべき対象の粒子を中に有すると思われるサンプルのアリコートをサンプル容器から吸い上げることができるフローサイトメータシステム(例えば特許文献1、2に記載されるようなシステム)によって検出可能な1以上の粒子をさらに指す。
【0021】
本発明の目的のために、用語「粒子」は、本明細書で使用される際、サンプル中に存在する可能性があり、フローサイトメータ装置を用いて検出され得る小さな物体を指しており、これに限定するものではないが、分子、細胞、タンパク質、タンパク質凝集体、核およびミトコンドリアなどの細胞成分、ミクロバクテリウムおよびウイルスを含めた有機体、マイクロスフィア、マイクロビードおよび化合物および化学凝集体などの合成粒子などの生物学的粒子を含む。
【0022】
本発明の目的のために、用語「サンプル」は、対象の粒子を包含し得る流体溶液または懸濁液を指す。
【0023】
本発明の目的のために、用語「ウェル」は本明細書で使用される際、分析されるべきサンプル、対照または標識粒子のアリコートを包含する任意の構造体を指す。
【0024】
本発明の目的のために、用語「プレート」、「マイクロプレート」および「マイクロタイタープレート」は、本明細書で使用される際、分析されるべきサンプル、対照、または標識粒子のアリコートを包含する構造体を指す。
【0025】
本発明の目的のために、用語「およそ」は、列挙されるパラメータの+/-5%を意味する。
【0026】
本発明の目的のために、用語「検出器」は、光電子増倍管(PMT)および単一光子アバランシェダイオード(SPAD)を含む、散乱光を検出することが可能な任意の検出器を指す。
【0027】
本発明の目的のために、用語「分離ガス」は、隣接するサンプル間またはサンプルと緩衝液との間にガス泡または不混和性流体を形成するのに使用することができる空気、不活性ガスまたは流体など任意のガスを指す。不混和性流体は、実質的にサンプルと混ざり合うことがなく、サンプルを汚染しない流体である。
【0028】
本発明の目的のために、用語「隣接するサンプル」は、気泡など分離ガスによってのみ互いから分離される流体フローストリーム中の2つのサンプルを指す。
【0029】
本発明の目的のために、用語「フローサイトメータ」は、これに限定するものではないが、特許文献3~6に記載されるフローサイトメータを含む、任意のフローサイトメータ装置を含み、これらの特許の全内容および開示は、参照により本明細書に組み込まれている。フローサイトメータ内で、サンプルは、既知の方法を用いて粒子ごとのベースで選別されてよい。
【0030】
本明細書で使用される際、「結合された」とは、直接ならびに間接的に結びつけられたことを意味する。例えば、部材Aは、部材Bと直接結びつけられてよい、または例えば、別の部材Cを介して、それと間接的に結びつけられてもよい。種々の開示される要素間の全ての関係性は、必ずしも表現されないことを理解されたい。したがってブロック図に描かれるもの以外の結合も存在する可能性がある。
【0031】
そうでないことが指摘されなければ、用語「第1の」、「第2の」などは、ラベルとして本明細書で使用されており、これらの用語が指す、要素に対する順序の、位置の、または階層の要件を課すことは意図されていない。さらに、例えば「第2の」要素への言及は、例えば「第1の」すなわち、それより小さな数で番号付けされた要素、および/または例えば「第3の」すなわち、それより大きな数で番号付けされた要素の存在を必要としない、またはそのような要素を排除しない。
【0032】
本明細書で使用される際、指定された機能を実行するように「構成された」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素またはハードウェアは、さらなる改良の後に、指定された機能を実行するための可能性を単に有するのではなく、実際、いかなる変更もなしで指定された機能を実行することが可能である。換言すると、指定された機能を実行するように「構成された」システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素またはハードウェアは、指定された機能を実行する目的のために具体的に選択される、形成される、実装される、利用される、プログラムされる、および/または設計される。本明細書で使用される際、「するように構成された」は、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素またはハードウェアがさらなる改良なしに指定された機能を実行することを可能にする、システム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素またはハードウェアの既存の特性を意味する。本開示の目的のために、特定の機能を実行「するように構成される」として記載されるシステム、装置、デバイス、構造、物品、要素、構成要素またはハードウェアは追加で、または代替として、その機能を実行するように「適合されて」いるように、および/またはその機能を実行するように「動作可能」であるように記載される場合がある。
【0033】
本開示は、フローサイトメータ検出器の散乱波形出力を用いて、気泡によって分離されたサンプルの連続する流体ストリーム中の気泡を検出するための新規のシステムおよび方法を記載する。
【0034】
図1Aは、本発明に関連する使用のための例示的なフローサイトメータ装置100を図示する。フローサイトメータ装置100は、中空のプローブ106が上に設置された調節可能なアーム104を有する従来のオートサンプラー102を含む。アーム104が前後(
図1Aでは左右)および左右(
図1Aの面内、および面外)に移動するとき、プローブ106は、フローサイトメータ装置100を用いて分析すべき粒子(蛍光タグ(
図1Aには示されない)でタグ付けされ得る)を含むサンプルを獲得するために、ウェルプレート110の個々のソースウェル108の中に下げられる。ソースウェル108のそれぞれからサンプル物質を取り込む間、プローブ106は、分離流体(空気など)のアリコートを取り込むことが許され、これにより流体フローストリーム中の連続するサンプル間に分離泡を形成する。
【0035】
サンプルがプローブ106によってピックアップされると、それは、流体フローストリームに投入され、蠕動ポンプ112がサンプルを、オートサンプラー102から蠕動ポンプ112を通って、フローセル118およびレーザインタロゲーションデバイス120を含むフローサイトメータ116内へと延びる導管114を通るように強制的に進める。フローセル118は、流体フローストリームを集中させ、流体フローストリームがフローサイトメータを通過するとき、複数のサンプルのそれぞれにおける粒子を分析するように連続して作動されてよい。レーザインタロゲーションデバイス120は、レーザインタロゲーションポイント122においてフローセル118から流れる個々のサンプルを検査する。
【0036】
図1Bは、導管114内で分離泡136、138によって互いから分離され、泡で分離された流体フローストリームを形成する一連のサンプル130、132、134を図示する。
図1Bでは、サンプル130はサンプル132に直接隣接し、サンプル132はサンプル134に直接隣接している。サンプル130、132、134がレーザインタロゲーションポイント122を通過するとき、サンプル中の粒子がフローサイトメータ116によって感知される。前方散乱光が前方散乱検出器124によって検出される。フローセル中のタグ付けされた粒子から放出された蛍光が蛍光検出器126によって検出される。側方散乱光が側方散乱検出器128によって検出される。対照的に、気泡136、138がレーザインタロゲーションポイント122を通過するときには粒子は感知されない。したがって、フローサイトメータを用いて分析された一連のサンプルに関する感知された蛍光のデータポイントと時間とのグラフは、それぞれが、粒子を包含するサンプルがレーザインタロゲーションポイントを通過する時間と整合された別個のグループを形成することになる。そのようなグラフは、前方散乱検出器124、蛍光検出器126および/または側方散乱検出器128の両方の出力によって生成することができる。
【0037】
各サンプルが取得されたサンプルウェルを正確に識別することは、フローサイトメータ出力データの分析および使用において重要である。一部のハイスループットフローサイトメトリシステム法では、プローブ吸上時間(プローブがウェル内にある継続時間)、プローブ持ち上げ時間(空気を引き込むためにプローブがウェルから一時的に出た状態にある時間量)、複数ウェルの揺動および濯ぎステップ、サンプリングの順番、ならびにイベントピークの高さおよびそれらの間の間隔などのパラメータを含むサンプリングプロトコルを使用して、マイクロタイタープレート全体に関するデータファイルを個々のウェルデータに区分する。しかしながら、このような要素を利用しても、ウェルの識別誤差はなおも生じる。
【0038】
本発明の一実施形態において、個々のサンプルウェルの正確な識別において分離泡ギャップの検出が使用される。これは、一部のケースでは、既に使用されたパラメータに加えて、またはその代替として使用されてもよい。分離泡ギャップは、複数の分離ガスで分離されたサンプルを有するフローストリームが一定の期間にわたってフローサイトメータを通過するとき、フローサイトメータの前方散乱検出器124または側方散乱検出器128などの散乱検出器によって生成される電圧出力信号を分析することによって識別される。フローストリーム中の、それぞれが対象の粒子を包含すると予測されるサンプルが、フローサイトメータフローセルを通って進む間、粒子によってトリガされるそれぞれのイベントは、およそ4μsから10μsの一定の持続時間と、およそ1.4ボルトから1.6ボルトのピークツーピーク検出器電圧出力とを有するかなり一貫した散乱波形パターンを生成する。前方散乱検出器出力に接続されたオシロスコープを介して得られたサンプルイベント波形が
図2に示される。
【0039】
フローサイトメータフローセルを通って進むサンプルの次に続く分離泡ギャップもまた、かなり一貫した散乱波形パターンを生成する。この波形パターンは、
図3に示されており、サンプルイベント波形よりおよそ7倍から9倍大きい、50μsから90μsの持続時間と、サンプルイベント波形より3倍大きい、およそ4.2ボルトから4.8ボルトのピークツーピーク検出器電圧出力の特徴を有する。気泡がフローセルの中を通過するとき、それはミラーとして機能し、励起レーザ光の大部分を前方散乱検出器に反射する。散乱光のこのような強度が、波形に示されるように、検出器に最大電圧を有する信号を出力させる。
【0040】
このような波形を使用して、フローサイトメータの一部として一体化された、またはフローサイトメータと通信するプロセッサが、電圧出力を経時的に分析して、次の信号パターン、すなわち、バックグラウンド(測定されるイベントがない)、上述した波形に基づいて測定されたイベントまたは気泡のうちの1つに一致させる。このようなパターンはその後、データストリームにおいて各ソースウェルを識別するのに使用することができる。
【0041】
詳細には、流体フローストリーム中の分離ガスを検出するための方法は、(a)散乱検出器により、各サンプルが分離ガスによって分離された複数のサンプルを含むフローストリームが一定の期間にわたってフローサイトメータを通過するとき、散乱光の強度を示す散乱電圧出力信号を生成するステップと、(b)散乱電圧出力信号をサンプリングするステップと、(c)分離ギャップ閾値を上回る散乱電圧出力信号の各サンプリング後の電圧に関するタイムスタンプおよび電圧値を記録するステップと、を含む。一例において、複数のサンプルのそれぞれは、対象の粒子を包含すると思われている。方法はまた、散乱電圧出力信号の各サンプリング後の電圧を分離ギャップ閾値と比較するステップも含んでよい。
【0042】
動作中、プロセッサは、散乱検出器の電圧出力信号をサンプリングし、分離ギャップ閾値を上回る電圧値を記録する。一部の例では、電圧出力信号の各サンプリング後の電圧は、分離ギャップ閾値と比較される。分離ギャップ閾値は、一部の例では、複数のサンプルの最大電圧出力より少なくとも2倍大きい値を有し、最大電圧出力は、フローサイトメータのタイプおよび前方散乱検出器の電子機器のタイプによって決まる場合がある。以下に提示される実験データと関連して、前方散乱検出器による検出可能な最大電圧は、5Vであり、3.9Vの分離ギャップ閾値が選択された((800/1023)x5Vに相当する)。この閾値は、前方散乱検出器からの1.6Vの最大の予測サンプル出力の倍以上である。さらに、電圧出力信号は、特定の周波数でサンプリングされる。一部の例では、サンプリング周波数は、5kHzから500kHzの間である。別の例では、およそ10MHzまでのサンプリング周波数が使用される。
【0043】
プロセッサによって実行される分析ソフトウェアアルゴリズムは、連続するフローサイトメータデータストリームから個々のマイクロプレートウェルを詳細に描写するために、最初の時間相関と、気泡ギャップイベントタイミングの2つの部分で構成することができる。泡ギャップイベントタイミングアルゴリズムは、上述したものなど、他のウェル識別パラメータと併せて使用されてもよい。
【0044】
散乱データが集められると、閾値を超える各サンプリング後の電圧が生じた時間にタイムスタンプが記録される。したがって、フローサイトメトリシステム、あるいはそこに一体化された、またはそれと通信するプロセッサはまた、クロックを含んでよい。このタイムスタンプは、検出されたパターンを、フローサイトメータからのデータストリームと相関させるのに使用される。フローサイトメトリシステムはまた、閾値を超えるサンプリング後の電圧値およびタイムスタンプが記録されるメモリを含んでもよい、またはメモリと通信してもよい。
【0045】
加えて、マイクロプレートサンプリング行程の開始時に、最初のマイクロプレートウェルがサンプリングされる前に、開始時間較正シーケンスが行われてもよい。そのような例では、方法はまた、生成ステップの前に、粒子を含む複数のサンプルをフローストリーム内に移動させるステップと、複数のサンプルのうち隣接するサンプル間に分離ガスを挿入して、フローストリーム中でサンプルを互いから分離するステップであって、これにより、フローストリームが、ガスで分離されたサンプルフローストリームを構成する、ステップと、分離されたサンプルおよび分離流体を含む流体で分離されたサンプルフローストリームをフローサイトメータまでガイドし、その中を通すステップと、フローサイトメータを継続的に作動させて、ガスで分離されたフローストリームを集中させ、流体フローストリームがフローサイトメータを通過するとき、散乱検出器によって散乱光を検出するステップと、を含んでよい。そのような例では、方法はまた、移動ステップの前に、複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルを獲得するステップを含んでもよく、複数のサンプルの各サンプルは、複数のウェルそれぞれのウェルから獲得される。
【0046】
一の特定の例では、脱イオン水の1秒の吸上げおよびこれに続く脱イオン水の8秒の吸上げによってそれぞれが分離された、3つの分離泡ギャップが投入される。サンプルイベントデータ取得がフローサイトメータから始まるとき、泡ギャップ検出器マイクロプロセッサが、ゼロのタイムスタンプで開始される。この較正シーケンスと共に、気泡ギャップ検出器のタイムスタンプ出力(分離ガスタイミングデータ)が、フローサイトメータサンプルイベントデータタイミングと相関されて、プレートサンプリング行程の開始を同期させることができる。動作中、捕らえられた散乱電圧信号から生成された分離ガスタイミングデータおよび対応するタイムスタンプが記録され、対応するタイムスタンプは、散乱検出器の出力が設定された電圧閾値を超えるときに適用される。この分離ガスタイミングデータは、タイミングに基づいてフローサイトメータからのサンプルイベントデータと同期される。分離ガスタイミングデータは、ウェル識別に使用されるサンプルイベントと時間のヒストグラムと共にグラフ化される。したがって、経時的なイベント総数を使用するだけではマイクロバブル、漂積物、不十分なサンプル、サンプル準備誤差またはキャリーオーバーによってそうすることが難しくなる、ウェル気泡ギャップ間を詳細に描写するのに気泡検出パターンタイミング出力が使用されてよい。
【0047】
一例では、散乱検出器は、
図4~
図8に関連して以下で追加の詳細に記載されるような前方散乱検出器を備える。別の例では、散乱検出器は、
図9に関連して以下で追加の詳細に記載されるような側方散乱検出器を備える。散乱検出器が前方散乱検出器を備える実施形態では、方法はまた、側方散乱検出器により、各サンプルが分離ガスによって分離された複数のサンプルを含むフローストリームが一定の期間にわたってフローサイトメータを通過するとき、側方散乱光の強度を示す側方散乱電圧出力信号を生成するステップと、蛍光検出器で、各サンプルが分離ガスによって分離された複数のサンプルを含むフローストリームが一定の期間にわたってフローサイトメータを通過するとき、放出された蛍光光の強度を示す蛍光電圧出力信号を生成するステップと、前方散乱電圧出力信号、側方散乱電圧出力信号および蛍光電圧出力信号に少なくとも部分的に基づいてサンプルイベントデータを生成するステップと、を含んでよい。
【0048】
本発明の例示的な気泡検出器は、最初に、気泡とサンプルの両方の前方散乱フローサイトメータ波形を測定し、2つのタイプの波形を区別するための方法を決定することによって実験によりテストされた。結果として生じる分離ガスタイミングデータが
図4~
図7に例示され、サンプル検出データヒストグラムと共にグラフ化されている。フローサイトメータは、前方散乱検出器、側方散乱検出器および蛍光検出器の出力に基づいてサンプル検出データを生成する。ウェル識別アルゴリズムによって識別されたウェルの数およびサンプルプレート内のウェルの総数は、ヒストグラムの上部に示される。これらの図では、時間ヒストグラム上の高い垂直ラインは、フローセルを通過している泡と相関しており、短い垂直ラインはサンプル中のイベントの数と相関している。分離泡の検出は、
図4に示されるプレート前の最初のシーケンスにおいて特によく見ることができ、これはまた、ウェルプレートの第1の行Aのサンプリングからの検出器出力を例示し、その後に、行間揺動を伴うサンプル中の任意の粒子を再懸濁させるためのマイクロプレートの揺動、行Bの最初の2つのウェルのサンプリングからの検出器出力が続いている。
図5は、
図4の一部のクローズアップした図であり、具体的には、ウェルプレートの最初の行Aのサンプリングからの検出器出力、その後に、マイクロプレートの揺動、および行Bの最初の2つのウェルのサンプリングからの検出器出力が続いている。
図6もまた
図4の一部のクローズアップした図であり、具体的には、ウェルプレートの行Aの最初の6つのウェルのサンプリングからの検出器出力である。
図7は、サンプリング後の96ウェルプレート全体からの検出器出力のヒストグラムである。フローサイトメトリデバイスを動作させるための制御ソフトウェアは、一部のケースでは、ユーザがカスタムサンプリングプロトコルをプログラムすることを可能にし、これは、例えば、特定の数のウェルがサンプリングされた後に行われるべき一セットのプローブの濯ぎ、および/またはマイクロプレート揺動シーケンスを含んでよい。例示される例では、96ウェルマイクロプレートは、各行の後のマイクロプレートの揺動と併せて、行ごとにサンプリングされた。
【0049】
それぞれが文字と数字でラベル付けされたゲートは、
図4~
図7のそれぞれにおいて、本開示の方法によって識別されたウェルプレートそれぞれのウェルに対応する。泡ギャップを検出するために前方散乱出力を利用するこの新規の方法は、これ以前の方法と比べてウェル識別誤差を制限する。サンプリングプロトコルと併せて使用される本明細書に記載される前方散乱波形分析は、正確な識別、ならびに、サンプル自体の検出から独立した、行または列のプレート揺動およびプローブ濯ぎならびにサンプル間の泡ギャップなどのサンプリングプロトコル機能の検証を可能にし得る。前方散乱波形分析では、検出された泡のシーケンスが、サンプルを詳細に描写するのに使用され、サンプル間の低イベント総数のシーケンスではない。これは、例えば、サンプル準備誤差、不正確に計量されたサンプル、極めて少数の対象の粒子を有するサンプル(例えば毒性分析)、サンプルの不十分な再懸濁、流体サンプル配管の詰まりに起因する、サンプル中に低イベント総数のシーケンスが存在する場合に生じ得る可能性のある誤差をなくすことができる。加えて、前方散乱波形分析は、サンプルプローブからフローセルまでの流体経路の詰まりを検出するのに使用され得る、フローセル中の泡ギャップと一致したリアルタイムフィードバックを提供することができる。
【0050】
図8は、フローサイトメータの前方散乱検出器から取得した分離ガスタイミング出力データと共にグラフ化された、フローサイトメータから取得した処理後のFSC-A出力のサンプルイベントデータの一例のヒストグラムを例示する。したがって、
図8に示される例では、フローサイトメータ検出器自体(外部デバイスではない)が、前方散乱PMTからの電圧出力を、各イベントに関する処理後のFSC-Aデジタル出力値に変換する。分離ガスと液体サンプルとの間の境界は、検出の上限にあるべきFSC-A値(例えばフローサイトメータによって生成された最高値)で1以上のイベントを引き起こし、これにより、
図8に示されるような最高位のFSC-Aイベント値辺りにゲートを形成する。フローサイトメータはまた、記録される全てのイベントについてタイムスタンプを記録する。この情報で、分離ガスタイミングデータは、タイミングに基づいてフローサイトメータからのサンプルイベントデータと同期される。分離ガスタイミングデータは、ウェル識別に使用されるサンプルイベントと時間のヒストグラムと共にグラフ化される。したがって、経時的にイベント総数を使用するだけでは、マイクロバブル、漂積物、不十分なサンプル、サンプル準備誤差またはキャリーオーバーによってそうすることが難しくなる、ウェル気泡ギャップ間を詳細に描写するのに気泡検出パターンタイミング出力が使用されてよい。
【0051】
図9は、フローサイトメータの側方散乱検出器から取得した分離ガスタイミング出力データと共にグラフ化された、フローサイトメータから取得した処理後のSSC-A出力のサンプルイベントデータの一例のヒストグラムを例示する。
図9に示される例では、フローサイトメータ検出器自体(外部デバイスではない)が、側方散乱PMTからの電圧出力を、各イベントに関する処理後のSSC-Aデジタル出力値に変換する。フローサイトメータはまた、記録される全てのイベントについてタイムスタンプを記録する。この情報で、分離ガスタイミングデータは、タイミングに基づいてフローサイトメータからのサンプルイベントデータと同期される。分離ガスタイミングデータは、ウェル識別に使用されるサンプルイベントと時間のヒストグラムと共にグラフ化される。
【0052】
図10は、本発明に関連して使用するための別の例示のフローサイトメータ装置200を例示する。詳細には、
図10に示されるようにフローサイトメータ装置200は、第1の端部204および第2の端部206を有するフローセル202を含む。フローサイトメータ装置200はまた、第1の端部210および第2の端部212を有する流体経路208を含む。
図10に示されるように、流体経路208の第2の端部212は、フローセル202の第1の端部204に結合される。フローサイトメータ装置200はまた、流体経路208の第1の端部210に結合されたプローブ214を含む。
図10に示されるように、フローサイトメータ装置200はまた、プローブ214とフローセル202の第1の端部204との間に位置決めされた少なくとも1つのセンサ216を含む。センサ216は、流体経路208内の流体の1以上の特性を検出するように構成される。単一のセンサ216が
図10に示されるが、追加のセンサがプローブ214とフローセル202の第1の端部204との間に位置決めされてもよい。さらに、1以上の追加のセンサが同様にフローセル202の下流に位置決めされてもよい。
【0053】
一例のプローブ214は、HPLCフェルール継手と適合可能な0.01インチ(0.254mm)の内径、1/15インチ(1/381mm)の外径のステンレス鋼の針を含んでよい。一実施形態において、ウェル間のサンプルのキャリーオーバーを低減するために、プローブ214は、円錐形の先端を有してよい。別の実施形態において、サンプルのキャリーオーバーを最小限にするのを助けるために、シリコーンまたは他の疎水性の作用物質がサンプリングプローブ214の先端にコーティングされてもよい。代替の一実施形態において、プローブ214全体が、キャリーオーバーを低減するために疎水性材料で作製されてもよい。コーティングに使用するのに適した、または疎水性プローブ全体を作製するのに適した疎水性材料は、Teflon(登録商標)(ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE))、Kynar(登録商標)(ポリフッ化ビニリデン)、Tefzel(登録商標)(エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(EFP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを含む。
【0054】
図10に示されるように、フローサイトメータ装置200は、プロセッサ218と、データストレージ219と、コントローラ221と、を含んでよく、これらは共に制御システム223の一部であってよい。プロセッサ218は、1以上の汎用ハードウェアプロセッサとして、または特殊用途ハードウェアプロセッサ(例えばデジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路など)として動作してよい。プロセッサ218は、非一時的コンピュータ可読媒体220を実行させ、データ225を操作するように構成されてよく、これらは共にデータストレージ219に記憶されている。プロセッサ218はまた、非制限的な例として、センサ216および/または通信リンク227などのフローサイトメータ装置200の他の構成要素と直接または間接的に相互作用してもよい。
【0055】
データストレージ219は、1以上のタイプのハードウェアメモリであってよい。例えば、データストレージ219は、プロセッサ218によって読み取ることができる、またはアクセスすることができる1以上のコンピュータ可読ストレージ媒体を含んでよい、または、そのような形態を採ってもよい。1以上のコンピュータ可読ストレージ媒体は、全体または一部をプロセッサ218と一体化することができる、光学、磁気、有機または別のタイプのメモリあるいはストレージなど、揮発性および/または不揮発性ストレージ構成要素を含むことができる。一部の実装形態では、データストレージ219は、単一の物理的デバイスであり得る。他の実装形態では、データストレージ219は、2以上の物理的デバイスを用いて実装される場合があり、これらのデバイスは有線または無線通信を介して互いと通信してよい。先に指摘したように、データストレージ219は、非一時的コンピュータ可読媒体220およびデータ225を含んでよい。データ225は、他の可能性の中でも構成データ、センサデータおよび/または診断データなどのフローサイトメータ装置200からの任意のタイプのデータであってよい。
【0056】
コントローラ221は、(場合によっては他のタスクの中でも)フローサイトメータ装置200の種々の構成要素の任意の組み合わせ間を接続するように構成された1以上の電子回路、デジタル論理のユニット、コンピュータチップおよび/またはマイクロプロセッサを含んでよい。一部の実装形態では、コントローラ221は、フローサイトメータ装置200の1以上のサブシステムと共に特有の動作を行うための特定用途向けに作られた埋め込みデバイスであってもよい。
【0057】
制御システム223は、フローサイトメータ装置200の動作状態を監視し、物理的に変更してもよい。そうする中で、制御システム223は、フローサイトメータ装置200の一部の間のリンクとして機能してもよい。一部の例では、制御システム223は、フローサイトメータ装置200と別のコンピューティングデバイスとの間のインターフェースとして機能してもよい。さらに、制御システム223は、フローサイトメータ装置200とユーザとの間のインターフェースとして機能してもよい。
【0058】
一部の実装形態では、フローサイトメータ装置200の制御システム223はまた、情報を送信および/または受信するように構成された通信リンク227を含んでもよい。通信リンク227は、フローサイトメータ装置200の種々の構成要素の状態を示すデータを伝送してよい。例えばセンサ216によって読み取られた情報は、通信リンク227を介して別個のデバイスに伝送されてよい。フローサイトメータ装置200の種々の構成要素の完全性または健康状態を示す他の診断情報が、通信リンク227を介して外部の通信デバイスに伝送されてもよい。
【0059】
一部の実装形態では、フローサイトメータ装置200は、その後プロセッサ218によって処理される情報を通信リンク227において受信してよい。受信した情報は、非一時的コンピュータ可読媒体220によって記憶された命令の実行中にプロセッサ218によってアクセス可能なデータを示してよい。さらに、受信した情報は、フローサイトメータ装置200の種々の構成要素の動作パラメータに影響を与える可能性のあるコントローラ221の局面を変更してもよい。一部のケースでは、受信した情報は、情報の特定の部分(例えばフローサイトメータ装置200の構成要素のうちの1以上の動作状態)を要求するクエリを指す場合もある。プロセッサ218はその後、通信リンク227を後退するように情報の特定の部分を伝送してよい。
【0060】
一部のケースでは、通信リンク227は、有線接続を含んでよい。したがってフローサイトメータ装置200は、通信リンク227を外部デバイスに接続するための1以上のポートを含んでよい。通信リンク227は、有線接続に加えて、またはその代替として、無線接続を含んでもよい。一部の例の無線接続は、CDMA、EVDO、GSM/GPRSあるいはWiMAXまたはLTEなどの4G電気通信などのセルラー通信を利用してよい。代替として、または追加で、無線接続は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)にデータを伝送するのにWi-Fi接続を利用してもよい。一部の実装形態では、無線接続は、赤外線リンク、ブルートゥース(登録商標)または近距離無線通信(NFC)デバイスを介して通信してもよい。
【0061】
動作中、制御システム223は、有線または無線接続を介してフローサイトメータ装置200の他のシステムと通信してよく、システムの1以上のユーザと通信するようにさらに構成されてよい。一の可能な例示として、制御システム223は、フローサイトメータ装置200の動作状態の変化を示す(例えばフローサイトメータ装置200のセンサ216からの)入力を受信してもよい。制御システム223への入力は、通信リンク227を介して受信されてよい。この入力に基づいて、制御システム223は、フローサイトメータ装置200に1以上のタスクを実行させるような動作を行ってよい。
【0062】
制御システム223の動作は、プロセッサ218によって実行されてよい。あるいは、このような動作は、コントローラ221によって、またはプロセッサ218とコントローラ221の組み合わせによって実行されてもよい。一部の実装形態では、制御システム223は、部分的にまたは全体がフローサイトメータ装置200以外のデバイス上にある場合もあり、したがって、離れた場所からフローサイトメータ装置200を少なくとも部分的に制御してもよい。通信リンク227は、少なくとも部分的にリモート通信を行うために使用されてもよい。
【0063】
上述したように、フローサイトメータ装置200は、センサ216と通信するプロセッサ218と、プロセッサ218に機能を実行させるために実行可能な命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体220と、を含む。詳細には、機能は、(i)プロセッサ218を介して、センサ216によって検出された流体経路208内の流体の1以上の特性を受信するステップと、(ii)流体経路208内の流体の検出された1以上の特性に基づいて、流体経路208内の流体中の分離ガスの存在を判定するステップと、を含んでよい。
【0064】
プロセッサ218は、非制限的な例として、前方散乱検出器124、蛍光検出器126および/または側方散乱検出器128など他の検出器データチャネルと組み合わせた処理後のデータチャネルに分離ガス検出データを伝送してよい。したがって、分離ガス存在データは、ウェル識別アルゴリズムの一部として処理され、サンプリングプロトコル情報と統合されてよい。プロセッサ218は、フローセルイベントトリガとセンサトリガとの間の既知の時間オフセットを修正するように構成されてよい。時間オフセットは、サンプル流量に基づいて適応性であってよい。さらに、この時間オフセットは、データストリーム中の他のセンサより先にあるセンサ216の場所も考慮する。
【0065】
一例では、センサ216は、流体経路208に直接結合される。別の例では、センサ216は、流体経路208に物理的に接触せずに、流体経路208に隣接して位置決めされる。センサ216は、フローセル202の第1の端部204からおよそ0.10インチ
(2.54mm)からおよそ48インチ
(1219.2mm)の間、フローセル202の第1の端部204からおよそ0.10インチ
(2.54mm)からおよそ24インチ
(609.6mm)の間、フローセル202の第1の端部204からおよそ0.10インチ
(2.54mm)からおよそ12インチ
(304.8mm)の間、フローセル202の第1の端部204からおよそ0.10インチ
(2.54mm)からおよそ6インチ
(152.4mm)の間、フローセル202の第1の端部204からおよそ0.10インチ
(2.54mm)からおよそ4インチ
(101.6mm)の間、または、フローセル202の第1の端部204からおよそ0.10インチ
(2.54mm)からおよそ2インチ(50.8mm)の間に位置決めすることができる。フローセル202により近づけてセンサ216を位置決めすることは、流体経路208内の分離ガス検出に関して改善された精度を提供してよい。上述したように、単一のセンサ216が
図10に示されるが、1以上の追加のセンサが、プローブ214とフローセル202の第1の端部204との間に位置決めされてよい。さらに、1以上の追加のセンサが同様にフローセル202の下流に位置決めされてもよい。
【0066】
図10に示されるように、フローサイトメータ装置200は、流体経路208と流体連通するポンプ222をさらに含んでよい。ポンプ222は、
図10においてフローセル202の前に示されるが、別の実施形態では、ポンプ222は、フローセル202の下流に位置決めされてもよい。1つの特定の例では、ポンプ222は、蠕動ポンプを備える。一例の蠕動ポンプは、Gilson Minipuls3(登録商標)であるが、他の例の蠕動ポンプが使用されてもよい。一実施形態では、そのような蠕動ポンプは、拍動流を減少させ、これによりフローサイトメータ装置200内のサンプルの特徴を改善するようなやり方で作動されてよい。別の実施形態において、ポンプ222は、シリンジポンプを備える。さらに、種々の機能を果たすために、追加のポンプがフローサイトメータ装置200に加えられてもよい。例えば1以上の蠕動ポンプと1以上のシリンジポンプの組み合わせが、流体経路208を通ってサンプルを運ぶのに使用されてもよい。
【0067】
一実施形態において、流体経路208は、他の可能性の中でも、ニトリル(NBR)、Hypalon(登録商標)、Viton(登録商標)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、エチレン-プロピレン-ジエン-モノマー(「EPDM」)、EPDM+ポリプロピレン、ポリウレタンまたは天然ゴムなどの弾性配管で作製されてよい。そのような管の一例は、およそ0.01インチ(0.254mm)から0.03インチ(0.762mm)の内径とおよそ0.01インチ(0.254mm)から0.03インチ(0.762mm)の壁厚とを有するポリ塩化ビニル(PVC)管であってよい。一実施形態において、流体経路にとって好ましい管は、およそ0.02インチ(0.508mm)の内径とおよそ0.02インチ(0.508mm)の壁厚とを有するPVC管であってよい。
【0068】
一実施形態において、フローサイトメータ装置200は、プローブ214に結合されたオートサンプラー224を含んでよい。フローサイトメータ装置200と共に使用され得るオートサンプラー224の1つの特定の非制限的な例は、Gilson215液体マネージャである。一実施形態において、オートサンプラー224は、調節可能アーム226を含んでよい。オートサンプラー224の調節可能アーム226が左右および上下に移動するとき、プローブ214は、ウェルプレート230の個々のサンプルウェル228の中に下げられて、フローサイトメータ装置200を用いて分析されるべき標識粒子でタグ付けされているサンプルを獲得する。そして次に、プローブ214は、流体経路208の第1の端部210に結合され、ポンプ222が流体経路208と流体連通する。
【0069】
動作中、プローブ214は例えば、ウェルプレート230内のサンプルウェル228からサンプル229を取り上げ、その後、サンプル229を流体経路208内に進めてよい。ポンプ222はその後、サンプル229を含む流体フローストリーム234をウェル228から流体経路208を通ってフローセル202まで推し進めてよい。そのような実施形態では、センサ216は、流体経路208を介してオートサンプラー224と流体連通し、フローサイトメータ装置200は、オートサンプラー224から流体経路208によって送達された流体フローストリーム234を集中させ、流体フローストリーム234がセンサ216およびフローセル202を通過するとき、複数のサンプル229のそれぞれにおける粒子を選択的に分析するように構成される。一実施形態において、フローサイトメータ装置200は、フローセル202から下流に位置決めされたレーザインタロゲーションデバイス236をさらに含む。レーザインタロゲーションデバイス236は、レーザインタロゲーションポイントにおいてフローセル202から流れてくる個々のサンプルを検査するように構成される。
【0070】
図10に示されるように、流体フローストリーム234は、非制限的な例として、気泡などの分離ガス238によってそれぞれ分離された一連のサンプル229を含んでよい。分離ガス238は、プローブ214がサンプルウェル228のそれぞれからサンプル物質を取り込む間、空気(または他のガス)を取り入れることを可能にすることによって形成されてよい。したがって、オートサンプラー224およびポンプ222が協働して、流体フローストリーム234中のサンプル229の連続するサンプル間に分離ガス238のアリコートを投入することで、流体フローストリーム234を分離ガスで分離された流体フローストリームとして構成する。
【0071】
センサ216は、多様な形態を採る場合がある。一例では、センサ216は、超音波センサを備える。そのような一例では、センサ216によって検出された流体経路208内の流体の1以上の特性は流体の密度を含む。非一時的コンピュータ可読媒体220は、サンプルに関する特定の範囲の密度値に対応する第1の密度データを記憶してよく、空気に関する特定の範囲の密度値に対応する第2の密度データをさらに記憶してよい。プロセッサ218は、超音波センサによって測定された密度を記憶した第1の密度データおよび第2の密度データと比較して流体経路208内の流体中に分離ガスが存在するかどうかを判定してよい。
【0072】
別の例では、センサ216は、光学センサを備える。そのような一例では、センサ216によって検出された流体経路208内の流体の1以上の特性は、流体経路208を通る光の反射を含む。詳細には、光学センサは、流体経路208の配管を通る光の透過を測定し、サンプルの反射と比較した空気の反射との差を探す。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体220は、サンプルに関する特定の範囲の反射値に対応する第1の反射データを記憶してよく、空気に関する特定の範囲の反射値に対応する第2の反射データをさらに記憶してよい。プロセッサ218は、光学センサによって測定された反射を記憶した第1の反射データおよび第2の反射データと比較して流体経路208内の流体中に分離ガスが存在するかどうかを判定してよい。
【0073】
別の例では、センサ216は、画像センサを備える。そのような例では、センサ216によって検出された流体経路208内の流体の1以上の特性は、画像センサによって捕らえられた流体経路208内の流体の画像を含む。画像センサは、電荷結合デバイス(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどのカメラであってよい。画像センサは、カメラと画像処理とを使用して、サンプルを記録し、流体フローストリーム234から情報を引き出す。詳細には、非一時的コンピュータ可読媒体220は、サンプルの既知の画像に対応する第1の画像データを記憶してよく、分離ガスの既知の画像に対応する第2の画像データをさらに記憶してよい。プロセッサ218は、画像センサからの画像データを記憶した第1の画像データおよび第2の画像データと比較して、分離ガスが流体経路208内の流体中に存在するかどうかを判定してよい。
【0074】
さらに別の例では、センサ216は、マスフローセンサを備える。そのような例では、センサ216によって検出された流体経路208内の流体の1以上の特性は、流体経路208内の流体の温度を含む。詳細には、マスフローセンサの一端は、サンプルを加熱するように構成されてよく、マスフローセンサは、サンプルがマスフローセンサの他端に到達する時間までにサンプルがどのくらい冷えるかを判定する。サンプルは、空気と異なるペースで暖まったり冷えたりするため、温度の差は、分離ガスが流体経路内に存在するかどうかを示すことができる。詳細には、非一時的コンピュータ可読媒体220は、マスフローセンサの一端において加熱されるとき、サンプルに関するマスフローセンサの向かい合わせの端部間の既知の温度降下範囲に対応する第1の温度データを記憶してよい。非一時的コンピュータ可読媒体220は、分離ガスがマスフローセンサの一端で加熱されるとき、分離ガスに関するマスフローセンサの向かい合わせの端部間の既知の温度降下範囲に対応する第2の温度データをさらに記憶してよい。プロセッサ218は、マスフローセンサから検出された温度降下を記憶した第1の温度データおよび第2の温度データと比較して、分離ガスが流体経路208内の流体中に存在するかどうかを判定してよい。
【0075】
一実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体220は、プロセッサ218に、(i)流体経路208内の流体の検出された1以上の特性を含む分離ガスタイミングデータと、対応するタイムスタンプと、を生成するステップと、(ii)上記の追加の詳細で考察したように、分離ガスタイミングデータに少なくとも部分的に基づいて複数のサンプルウェル228それぞれのサンプルウェルを識別するステップと、を含む機能をさらに実行させる。
【0076】
別の実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体220は、プロセッサ218に、(i)散乱検出器により、流体が一定の期間にわたってフローサイトメータ装置200を通過するとき、散乱光の強度を示す散乱電圧出力信号を生成するステップと、(ii)散乱電圧出力信号をサンプリングするステップであって、分離ガスが流体経路208内の流体中に存在するかどうかを判定するステップは、上記の追加の詳細で考察したように、サンプリング後の散乱電圧出力信号に少なくとも部分的にさらに基づいている、ステップと、を含む機能をさらに実行させる。
【0077】
別の実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体220は、プロセッサ218に、分離ギャップ閾値を上回る散乱電圧出力信号の各サンプリング後の電圧に関するタイムスタンプおよび電圧値を記録するステップをさらに実行させ、上記の追加の詳細で考察したように、分離ギャップ閾値は、一定の値を有する。
【0078】
別の実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体220は、プロセッサ218に、(i)流体経路208内の流体の検出された1以上の特性に基づいて、流体経路208内のサンプルの開始の第1のタイムスタンプを決定するステップと、(ii)流体経路208内の流体の検出された1以上の特性に基づいて、流体経路208内のサンプルの終わりの第2のタイムスタンプを決定するステップと、(iii)第1のタイムスタンプ、第2のタイムスタンプ、流体経路208内の流体の流量および流体経路の直径に少なくとも部分的に基づいてサンプルの体積を判定するステップと、を含む機能をさらに実行させる。
【0079】
別の実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体220は、プロセッサ218に、流体経路208内の流体の検出された1以上の特性に基づいて、流体経路208内の流体中の標識粒子の存在を判定するステップを含む機能をさらに実行させる。一例では、流体経路208内の流体中の標識粒子の存在は、サンプルの蛍光強度など、物理的または化学的特徴によって示されてよい。流体経路208内の流体中の標識粒子の存在は、流体経路208内のサンプルの境界を決定するのに使用されてよい。加えて、この標識粒子データは、単一のデータファイルに記録された実験におけるサンプルのフローストリームに関して、1つのプレートまたは複数のプレート内のウェルから得られたサンプルに関する一貫したパラメータとして、蛍光標識粒子の相対的な蛍光を処理後の細胞と比較することを提供してよい。よって、複数のプレートから得られたデータは、標識粒子に標準化することができ、大きな実験データセットに対する結果の直接の比較を可能にする。
【0080】
別の実施形態において、非一時的コンピュータ可読媒体220は、プロセッサ218に、(i)一定の期間にわたって流体経路208内の流体の検出された1以上の特性に基づいて、流体経路208内の流体中の検出された分離ガス泡の数の総数を判定するステップを含む機能をさらに実行させ、総数が最小総数公差を下回った場合、フローサイトメータ装置200が詰まっていると判定する。一実施形態において、総数公差は、最低限毎秒15の検出された分離ガス泡であってよい。他の総数公差も同様に可能である。
【0081】
図11は、一例の実装形態による、流体フローストリームにおいて分離ガスを検出するための方法のフローチャートである。この実装形態は、
図10に関連して上述したようにフローサイトメータ装置200によって実行されてよい。方法300は、ブロック302~312のうちの1以上によって例示されるように1以上の動作、機能または行動を含んでよい。ブロックは、連続する順番で例示されるが、このようなブロックは、並行して、および/または本明細書に記載されるものと異なる順番で行われる場合もある。また種々のブロックは、より少数のブロックに組み合わされる、追加のブロックに分割される、および/または所望の実装形態に基づいて排除される場合がある。
【0082】
加えて、方法300ならびに本明細書に開示される他の手順および動作に関して、ブロック図は可能な実装形態を例示する。この点において、各ブロックは、モジュール、セグメントまたはプログラムコードの一部を表してよく、これは、プロセッサまたは特有の論理演算を履行するためのコンピューティングデバイスによって実行可能な1以上の命令を含む。プログラムコードは、例えばディスクまたはハードドライブを含むストレージデバイスなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶されてよい。コンピュータ可読媒体は、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュおよびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短期間データを記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含んでよい。コンピュータ可読媒体はまた、例えばリードオンリメモリ(ROM)、光学または磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)のような二次的または永続的な長期ストレージを含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読ストレージ媒体、または有形ストレージデバイスとみなされてよい。
【0083】
加えて、
図11の各ブロックは、特有の論理演算を行うために配線された回路を表してよい。
【0084】
ブロック302で、方法300は、複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルを獲得するステップを含み、複数のサンプルの各サンプルは、複数のサンプルウェルそれぞれのウェルから獲得される。ブロック304で、方法300は、複数のサンプルを流体経路内の流体フローストリームの中に移動させるステップを含む。ブロック306で、方法300は、複数のサンプルのうち隣接するサンプル間に分離ガスを挿入して、流体フローストリーム中で複数のサンプルを互いから分離するステップを含み、これにより、流体フローストリームは、ガス分離型サンプル流体フローストリームを構成する。ブロック308で、方法300は、分離されたサンプルおよび分離流体を含むガス分離型サンプル流体フローストリームをフローサイトメータの少なくとも1つのセンサおよびフローセルまでガイドし、これらの中を通すステップを含み、少なくとも1つのセンサは、フローセルの上流に位置決めされる。ブロック310で、方法300は、少なくとも1つのセンサを介して、流体経路内の流体フローストリームの1以上の特性を検出するステップを含む。ブロック312で、方法300は、流体経路内の流体フローストリームの検出された1以上の特性に基づいて、流体経路内の流体フローストリーム中の分離ガスの存在を判定するステップを含む。
【0085】
一例では、
図10に関連して上述したように、プローブに結合されたオートサンプラーを介して複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルが獲得される。さらに、
図10に関連して上述したように、少なくとも1つのセンサ216は、超音波センサ、光学センサ、画像センサおよびマスフローセンサのうちの1以上を備えてよい。
【0086】
別の例では、方法300は、(i)流体経路内の流体フローストリームの検出された1以上の特性を有する分離ガスタイミングデータと、対応するタイムスタンプと、を生成するステップと、(ii)分離ガスタイミングデータに少なくとも部分的に基づいて、複数のサンプルウェルそれぞれのサンプルウェルを識別するステップと、をさらに含む。
【0087】
さらに別の例では、方法300は、(i)散乱検出器により、流体フローストリームが一定の期間にわたってフローサイトメータを通過するとき、散乱光の強度を示す散乱電圧出力信号を生成するステップと、(ii)散乱電圧出力信号をサンプリングするステップと、(iii)分離ギャップ閾値を上回る散乱電圧出力信号の各サンプリング後の電圧に関するタイムスタンプおよび電圧値を記録するステップであって、分離ギャップ閾値が一定の値である、ステップと、をさらに含む。
【0088】
図12は、本発明に関連して使用するための別の例示のフローサイトメータ装置400を例示する。詳細には、
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400は、第1の端部404および第2の端部406を有するフローセル402を含む。フローサイトメータ装置400はまた、第1の端部410および第2の端部412を有する流体経路408も含む。
図12に示されるように、流体経路408の第2の端部412は、フローセル402の第1の端部404に結合される。フローサイトメータ装置400はまた、流体経路408の第1の端部410に結合されたプローブ414を含む。プローブ414は、
図10に関連して上述したプローブ214と同様に構成されてよい。
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、プローブ414とフローセル402の第1の端部404との間に位置決めされたセンサ416Aを含む。センサ416Aは、流体経路408内の流体の1以上の特性を検出するように構成される。センサ416Aは、
図10に関連して上述したように、多様な形態を採ることができる。
【0089】
図12に示されるようにフローサイトメータ装置400はまた、センサ416Aとフローセル402との間に位置決めされた弁417を含む。弁417は、流体経路408内の流体フローストリームがフローセル402の第1の端部404に誘導される第1の位置(
図12に位置Aとして示される)と流体経路408内の流体フローストリームが廃棄物ポート415に誘導される第2の位置(
図12に位置Bとして示される)との間を移動するように構成される。一例では、弁417は、剪断弁を備える。別の例では、弁417は、回転弁を備える。他の弁も同様に可能である。
【0090】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、弁417と流体連通する補助シース流体経路431と、フローセル402と流体連通する第1のシースポート433と、フローセル402と流体連通する第2のシースポート435と、を含む。補助シース流体経路431、第1のシースポート433および第2のシースポート435のそれぞれは、以下の追加の詳細で考察されるように、フローサイトメータ装置400の種々の構成要素にシース流体を提供する。
【0091】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400は、プロセッサ418と、データストレージ419と、コントローラ421と、を含んでよく、これらは共に制御システム423の一部であってよい。プロセッサ418は、1以上の汎用ハードウェアプロセッサとして、または特殊用途ハードウェアプロセッサ(例えばデジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路など)として動作してよい。プロセッサ418は、非一時的コンピュータ可読媒体420を実行させ、データ425を操作するように構成されてよく、その両方ともデータストレージ419に記憶されている。プロセッサ418はまた、非制限的な例としてセンサ416A、弁417および/または通信リンク427などのフローサイトメータ装置400の他の構成要素と直接または間接的に相互作用してもよい。
【0092】
データストレージ419は、1以上のタイプのハードウェアメモリであってよい。例えば、データストレージ419は、プロセッサ418によって読み取ることができる、またはアクセスすることができる1以上のコンピュータ可読ストレージ媒体を含んでよい、またはそのような形態を採ってもよい。1以上のコンピュータ可読ストレージ媒体は、全体または一部をプロセッサ418と一体化することができる、光学、磁気、有機または別のタイプのメモリまたはストレージなど、揮発性および/または不揮発性ストレージ構成要素を含むことができる。一部の実装形態では、データストレージ419は、単一の物理的デバイスであり得る。他の実装形態では、データストレージ419は、2以上の物理的デバイスを用いて実装される場合があり、これらのデバイスは有線または無線通信を介して互いと通信してよい。上述したように、データストレージ419は、非一時的コンピュータ可読媒体420およびデータ425を含んでよい。データ425は、他の可能性の中でも構成データ、センサデータおよび/または診断データなどのフローサイトメータ装置400からの任意のタイプのデータであってよい。
【0093】
コントローラ421は、(場合によっては他のタスクの中でも)フローサイトメータ装置400の種々の構成要素の任意の組み合わせの間を接続するように構成された1以上の電子回路、デジタル論理のユニット、コンピュータチップおよび/またはマイクロプロセッサを含んでよい。一部の実装形態では、コントローラ421は、フローサイトメータ装置400の1以上のサブシステムと共に特有の動作を実行するための特定用途向けに作られた埋め込みデバイスであってもよい。
【0094】
制御システム423は、フローサイトメータ装置400の動作状態を監視し、物理的に変更してもよい。そうする中で、制御システム423は、フローサイトメータ装置400の一部の間のリンクとして機能してもよい。一部の例では、制御システム423は、フローサイトメータ装置400と別のコンピューティングデバイスとの間のインターフェースとして機能してもよい。さらに、制御システム423は、フローサイトメータ装置400とユーザとの間のインターフェースとして機能してもよい。
【0095】
一部の実装形態では、フローサイトメータ装置400の制御システム423はまた、情報を送信および/または受信するように構成された通信リンク427を含んでもよい。通信リンク427は、フローサイトメータ装置400の種々の構成要素の状態を示すデータを伝送してよい。例えば、非制限的な例として、センサ416Aによって読み取られた情報は、通信リンク427を介して弁417に伝送されてよい。フローサイトメータ装置400の種々の構成要素の完全性または健康状態を示す他の診断情報が、通信リンク427を介して外部の通信デバイスに伝送されてもよい。
【0096】
一部の実装形態では、フローサイトメータ装置400は、その後プロセッサ418によって処理される情報を通信リンク427において受信してよい。受信した情報は、非一時的コンピュータ可読媒体420によって記憶した命令の実行中にプロセッサ418によってアクセス可能なデータを示してよい。さらに、受信した情報は、フローサイトメータ装置400の種々の構成要素の動作パラメータに影響を与える可能性のあるコントローラ421の局面を変更してもよい。一部のケースでは、受信した情報は、情報の特定の部分(例えばフローサイトメータ装置400の構成要素のうちの1以上の動作状態)を要求するクエリを指す場合もある。プロセッサ418はその後、通信リンク427を後退するように情報の特定の部分を伝送してよい。
【0097】
一部のケースでは、通信リンク427は、有線接続を含んでよい。したがってフローサイトメータ装置400は、通信リンク427を外部デバイスに接続するための1以上のポートを含んでよい。通信リンク427は、有線接続に加えて、またはその代替として、無線接続を含んでもよい。一部の例の無線接続は、CDMA、EVDO、GSM/GPRSあるいはWiMAXまたはLTEなどの4G電気通信など、セルラー通信を利用してよい。代替として、または追加で、無線接続は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)にデータを伝送するのにWi-Fi接続を利用してもよい。一部の実装形態では、無線接続は、赤外線リンク、ブルートゥースまたは近距離無線通信(NFC)デバイスを介して通信してもよい。
【0098】
動作中、制御システム423は、有線または無線接続を介してフローサイトメータ装置400の他のシステムと通信してよく、システムの1以上のユーザと通信するようにさらに構成されてよい。1つの可能な例示として、制御システム423は、流体流路408内の流体の1以上の特性を示す(例えばフローサイトメータ装置400のセンサ416Aからの)入力を受信してもよい。制御システム423への入力は、通信リンク427を介して受信されてよい。この入力に基づいて、制御システム423は、フローサイトメータ装置400に1以上のタスクを実行させるような動作を実行してよい。
【0099】
制御システム423の動作は、プロセッサ418によって実行されてよい。あるいは、これらの動作は、コントローラ421またはプロセッサ418とコントローラ421の組み合わせによって実行されてもよい。一部の実装形態では、制御システム423は、部分的にまたは全体がフローサイトメータ装置400以外のデバイス上にある場合もあり、したがって、離れた場所からフローサイトメータ装置400を少なくとも部分的に制御してもよい。通信リンク427を使用して、少なくとも部分的にリモート通信を行う場合もある。
【0100】
上述したように、フローサイトメータ装置400は、センサ416Aおよび弁417と通信するプロセッサ418と、プロセッサ418に機能を実行させるために実行可能な命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体420と、を含む。詳細には、機能は、(i)プロセッサ418を介して、センサ416Aによって検出された流体経路408内の流体の1以上の特性を受信するステップと、(ii)流体経路408内の流体の検出された1以上の特性に基づいて、弁417を第1の位置Aから第2の位置Bに調節するステップと、を含んでよい。
図12は、制御システム423と通信するセンサ416Aのみを示すが、センサ416A~416Lそれぞれは、センサ416Aに関して記載した方法で制御システム423と通信してよい。
【0101】
一実施形態において、フローサイトメータ装置400は、プローブ414に結合されたオートサンプラー424を含んでよい。フローサイトメータ装置400と共に使用され得るオートサンプラー424の1つの特定の非制限的な例は、Gilson215液体マネージャである。一実施形態において、オートサンプラー424は、調節可能アーム426を含んでよい。オートサンプラー424の調節可能アーム426が左右および上下に移動するとき、プローブ414は、ウェルプレート430の個々のサンプルウェル428の中に下げられて、フローサイトメータ装置400を用いて分析されるべき標識粒子でタグ付けされているサンプルを獲得する。そして次に、プローブ414は、流体経路408の第1の端部410に結合される。
【0102】
動作中、プローブ414は、例えばウェルプレート430内のサンプルウェル428からサンプル429を取り上げ、その後、サンプル429を流体経路408内に進めてよい。フローセル402から下流の廃棄物出口422における真空圧がその後、サンプル429を含む流体フローストリーム434をウェル428から、流体経路408を通ってフローセル402まで引き寄せる。そのような実施形態では、センサ416Aは、流体経路408を介してオートサンプラー424と流体連通し、フローサイトメータ装置400は、オートサンプラー424から流体経路408によって送達される流体フローストリーム434を集中させ、流体フローストリーム434がセンサ416Aおよびフローセル402を通過するとき、複数のサンプル429のそれぞれにおける粒子を選択的に分析するように構成される。
【0103】
図12に示されるように、流体フローストリーム434は、非制限的な例として気泡などの分離ガス438によってそれぞれ分離された一連のサンプル429を含んでよい。分離ガス438は、プローブ414がサンプルウェル428のそれぞれからサンプル物質を取り込む間、空気(または他のガス)を取り入れることを可能にすることによって形成されてよい。したがって、オートサンプラー424および廃棄物出口422における真空圧は協働して、流体フローストリーム434中のサンプル429の連続するサンプルの間に分離ガス438のアリコートを投入することで、流体フローストリーム434を分離ガスで分離された流体フローストリームとして構成する。分離ガスで分離された流体フローストリームは、サンプル測定のためにフローセル402へと進む。
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400は、フローセル402と流体連通する第1のシースポート433および第2のシースポート435を含むことができる。第1のシースポート433および第2のシースポート435は、シース流体でサンプル429を覆うために、サンプル429にシース流体を提供する。
【0104】
サンプル429間の分離ガス438の存在は、サンプル間のキャリーオーバーを低減するのを助け、これによりシステムがサンプル識別(例えば、どのサンプルウェル428からサンプル429が来るか)の経過を追うこと、およびより迅速なサンプリングを可能にすることを可能にする。しかしながら、サンプル429間の分離ガス438のサイズを縮小することが有利な場合がある。そのような分離ガス438のサイズの縮小は、いくつかの利点を提供してよい。最初の事項として、ウェル識別に関するフローサイトメータ装置400情報(例えば、サンプル429がフローセル402内で測定を受けているとき、どのサンプルウェル428からサンプル429が来たかを知ること)を改善してよい。さらにサンプル間429の分離ガス438のサイズの縮小は、吸引サンプリングの一貫性を改善する場合がある。詳細には、空気がフローセル402を通過するとき、サンプルライン中の流体はより素早く移動し、吸引サンプル体積に影響を与える。よって、フローセル402内に存在する空気の量を削減することは、このような潜在的問題を低減する可能性がある。さらになお、サンプル間429の分離ガス438のサイズの縮小は、フローセル402を通過しているコアストリームの安定性も改善し得る。空気がフローセル402内の注射針から出て行くとき、コアストリームのサイズおよびそのストリーム上で作成される測定値を動的に変化させる圧力過渡変動が存在する。
【0105】
上述したように、弁417は、流体経路408内の流体フローストリームがフローセル402の第1の端部404に誘導される第1の位置(
図12に位置Aとして示される)と、流体経路408内の流体フローストリームが廃棄物ポート415に誘導される第2の位置(
図12に位置Bとして示される)との間を移動するように構成される。弁417が第2の位置にあるとき、ガス分離型サンプル流体フローストリーム434中の分離ガス438の少なくとも一部は、補助シース流体経路431からのシース流体で置換されて、これによりガス分離型サンプル流体フローストリーム434中の隣接するサンプル429間のギャップのサイズを縮小する。
【0106】
上述したように、フローサイトメータ装置400は、流体経路408内に流体の1以上の特性を検出するように構成されたプローブ414と、フローセル402の第1の端部404との間に位置決めされたセンサ416Aと、を含む。一例では、センサ416Aは、プローブ414と弁417との間に位置決めされた第1のセンサを備え、フローサイトメータ装置400は、第1のセンサ416Aと弁417との間に位置決めされた第2のセンサ416Bをさらに含む。第1のセンサ416Aおよび第2のセンサ416Bは、分離ガス438の位置および速度を検出するのに使用されてよく、補助シース流体経路431からのシース流体で分離ガス438の一部を置換するために弁417のタイミングを制御するのに使用されてもよい。
【0107】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、弁417とフローセル402の第1の端部404との間に位置決めされた第3のセンサ416Cを含む場合がある。第3のセンサ416Cは、以下の追加の詳細で考察されるように、弁417の下流のサンプル流体フローストリーム434内の分離ガス438を検出して、剪断弁を介してシース流体でエアギャップの一部を置換するプロセスに関するフィードバックとして使用するために使用されてもよい。剪断弁を介してエアギャップの一部をシース流体と置換するこのプロセスは、エアギャップ置換アルゴリズムとして本明細書で称され得る。さらに、第3のセンサ416Cは、フローサイトメータ装置400システムにサンプルの更新された位置を提供する。
【0108】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、第3のセンサ416Cとフローセル402の第1の端部404との間に位置決めされた第4のセンサ416Dおよび、廃棄物ポート415と流体連通して位置決めされた第5のセンサ416Eを含む場合がある。そのような構成では、第4のセンサ416Dは、残りの分離ガスを検出するために第3のセンサ416Cと並行して機能し、エアギャップ置換アルゴリズムのためのフィードバックとして使用される。さらに、第4のセンサ416Dは、正確なウェル識別を維持する目的でサンプル429の速度に関するより優れた確実性を提供するのを助ける。第5のセンサ416Eは、廃棄されるサンプル体積を最小限にする目的でフローセル402に進まなかったサンプル体積の測定を追加する。
【0109】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、フローセル402の下流に位置決めされた第6のセンサ416Fを含む場合がある。第6のセンサ416Fは、第1のシースポート433および第2のシースポート435からのシース流体の追加後、ウェル識別の経過を追うのを助けるために、確認として、フローセル402を通過したサンプルの経過を追う能力を追加することができる。
【0110】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、補助シース流体経路431と流体連通して位置決めされた第7のセンサ416Gと、同様に補助シース流体経路431と流体連通して位置決めされた第8のセンサ416Hと、を含む場合がある。そのような構成は、意図的な分離ガス438と間違えられる恐れのある、シース流体から到来する望ましくない、追加の分離ガスギャップの体積および速度を監視する能力を追加し、これによりウェル識別を改善することができる。
【0111】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、第1のシースポート433と流体連通する第9のセンサ416Iと、第2のシースポート435と流体連通する第10のセンサ416Jと、を含む場合がある。そのような構成は、フローセル402内のサンプル測定を中断させる可能性のある、フローセル402に進入する気泡を監視する能力を追加することができる。加えて、第9のセンサ416Iおよび第10のセンサ416Jは、望ましくないエアギャップに関する情報を提供することでウェル識別を改善することができる。
【0112】
図12に示されるように、フローサイトメータ装置400はまた、第1のシースポート433と流体連通し、第9のセンサ416Iとフローセル402との間に位置決めされた第11のセンサ416Kと、第2のシースポート435と流体連通し、第10のセンサ416Jとフローセル402との間に位置決めされた第12のセンサ416Lとを含む場合がある。そのような構成は、可能性のある望ましくないエアギャップに関する速度情報を追加することによって、第9のセンサ416Jおよび第10のセンサ416Jの測定を改善する。
【0113】
種々の実施形態において、センサ416A~416Lの任意の組み合わせがフローサイトメータ装置400において使用されてよい。例えば、フローサイトメータ装置400は、第1のセンサ416Aのみを含む。別の例では、フローサイトメータ装置400は、第1のセンサ416Aおよび第3のセンサ416Cのみを含む。別の例では、フローサイトメータ装置400は、第1のセンサ416A、第2のセンサ416Bおよび第3のセンサ416Cのみを含む。これらは非制限的な例であり、センサ416A~416Lの任意の数および任意の組み合わせが本明細書に記載されるフローサイトメータ装置400において使用されてよい。
【0114】
プローブ414において流体経路408に加えられる引っ張り圧力(例えば負圧または真空)を制限するために、弁417のタイミングを使用することによって吸引されたエアギャップのサイズおよびサンプル体積を制御することが好ましい場合がある。そのような技術は、第1のセンサ416A、第2のセンサ416B、第3のセンサ416Cおよび第4のセンサ416Dを使用して、上述したように、但し上述したエアギャップ置換アルゴリズムなしで、タイミングを制御してよい。そのような一実施形態では、補助シース流体経路431は、フローセル402内の圧力過渡変動を最小限にするサンプルラインフローを維持するのに使用される。サンプルラインフローを維持することは、真空が、空気またはサンプルの代わりに補助シース流体を引き寄せ、その結果、流れが中断されないことを意味する。別の実施形態では、シース流体からガスを抜くことで、フローセル402に通じている流体フローストリーム434中での気泡の生成を阻止することが好ましい場合がある。
【0115】
図13は、一例の実装形態による、ガス分離型サンプル流体フローストリームを形成するための方法のフローチャートである。実装形態は、
図12に関連して上述したフローサイトメータ装置400によって実行されてよい。方法500は、ブロック502~512の1以上によって例示されるような1以上の動作、機能または行動を含んでよい。ブロックは、連続する順番で例示されるが、このようなブロックは、並行して、および/または本明細書に記載されるものと異なる順番で行われる場合もある。また、種々のブロックは、より少数のブロックに組み合わされる、追加のブロックに分割される、および/または所望の実装形態に基づいて排除される場合がある。
【0116】
加えて、方法500ならびに本明細書に開示される他の手順および動作に関して、ブロック図は可能な実装形態を例示する。この点において、各ブロックは、モジュール、セグメントまたはプログラムコードの一部を表してよく、これは、プロセッサまたは特有の論理演算を履行するためのコンピューティングデバイスによって実行可能な1以上の命令を含む。プログラムコードは、例えばディスクまたはハードドライブを含むストレージデバイスなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶されてよい。コンピュータ可読媒体は、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュおよびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短期間データを記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含んでよい。コンピュータ可読媒体はまた、例えばリードオンリメモリ(ROM)、光学または磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)のような二次的または永続的な長期ストレージを含んでもよい。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読ストレージ媒体、または有形ストレージデバイスとみなされてよい。
【0117】
加えて、
図13の各ブロックは、特有の論理演算を行うために配線された回路を表してよい。
【0118】
ブロック502で、方法500は、複数のサンプルウェルを有するプレートから複数のサンプルを獲得するステップを含み、複数のサンプルの各サンプルは、複数のサンプルウェルそれぞれのウェルから獲得される。ブロック504で、方法500は、複数のサンプルを流体経路内の流体フローストリームの中に移動させるステップを含む。ブロック506で、方法500は、複数のサンプルのうち隣接するサンプル間に分離ガスを挿入して、流体フローストリーム中で複数のサンプルを互いから分離するステップを含み、これにより、流体フローストリームは、分離ガス分離型サンプル流体フローストリームを構成する。ブロック508で、方法500は、分離されたサンプルおよび分離流体を含むガス分離型サンプル流体フローストリームを弁、少なくとも1つのセンサおよびフローセルまでガイドし、これらの中を通すステップを含み、弁および少なくとも1つのセンサは、フローセルの上流に位置決めされている。ブロック510で、方法500は、少なくとも1つのセンサを介して、流体経路内の流体フローストリームの1以上の特性を検出するステップを含む。ブロック512で、方法500は、流体経路内の流体フローストリームの検出された1以上の特性に基づいて、弁を、流体フローストリームがフローセルに誘導される第1の位置から流体フローストリームが廃棄物ポートに誘導される第2の位置に調節するステップを含む。
【0119】
一例では、ガス分離型サンプル流体フローストリーム中の分離ガスの少なくとも一部は、弁が第2の位置にあるときシース流体などの流体で置換され、これにより、ガス分離型サンプル流体フローストリーム中の隣接するサンプル間のギャップのサイズを縮小する。
【0120】
一例では、上記で
図12に関連して考察したように、複数のサンプルは、プローブに結合されたオートサンプラーを介して複数のサンプルウェルを有するプレートから獲得される。
【0121】
種々の態様および実施形態が本明細書に開示されてきたが、他の態様および実施形態が当業者に明らかである。本明細書に開示される種々の態様および実施形態は、例示の目的であり、限定することは意図されておらず、実際通りの範囲は以下の特許請求の範囲によって示されている。
【符号の説明】
【0122】
100 フローサイトメータ装置、102 オートサンプラー、104 調節可能アーム、106 プローブ、108 ソースウェル、110 ウェルプレート、112 蠕動ポンプ、114 導管、116 フローサイトメータ、118 フローセル、120 レーザインタロゲーションデバイス、122 レーザインタロゲーションポイント、124 前方散乱検出器、126 蛍光検出器、128 側方散乱検出器、130,132,134 サンプル、136,138 分離泡、200 フローサイトメータ装置、202 フローセル、204 第1の端部、206 第2の端部、208 流体経路、210 第1の端部、212 第2の端部、214 プローブ、216 センサ、218 プロセッサ、219 データストレージ、220 非一時的コンピュータ可読媒体、221 コントローラ、222 ポンプ、223 制御システム、224 オートサンプラー、225 データ、226 調節可能アーム、227 通信リンク、228 サンプルウェル、229 サンプル、230 ウェルプレート、234 流体フローストリーム、236 レーザインタロゲーションデバイス、238 分離ガス、400 フローサイトメータ装置、402 フローセル、404 第1の端部、406 第2の端部、408 流体経路、410 第1の端部、412 第2の端部、414 プローブ、415 廃棄物ポート、416A~L センサ、417 弁、418 プロセッサ、419 データストレージ、420 非一時的コンピュータ可読媒体、421 コントローラ、422 廃棄物出口、423 制御システム、424 オートサンプラー、425 データ、426 調節可能アーム、427 通信リンク、428 サンプルウェル、429 サンプル、430 ウェルプレート、431 補助シース流体経路、433 第1のシースポート、434 流体フローストリーム、435 第2のシースポート、438 分離ガス