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特許7549651対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を測定するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を測定するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/028 20060101AFI20240904BHJP
   A61B 3/09 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
A61B3/028
A61B3/09
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022519016
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2020076802
(87)【国際公開番号】W WO2021058693
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】19306196.7
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジルダ・マラン
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・ジロデ
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0216411(US,A1)
【文献】特開2012-011146(JP,A)
【文献】米国特許第04105302(US,A)
【文献】特表2018-509983(JP,A)
【文献】特開2018-143657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者(5)に視覚刺激(7)を示すことによって、前記対象者(5)の少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するための装置(1)であって、
-前記対象者(5)の眼(4)と前記視覚刺激(7)との間の光路上に配置されている光学系(2)と、
-時間の関数として連続可変である光学度数を提供するように適合されている前記光学系(2)と、
-前記光学系(2)の前記光学度数を駆動するための制御ユニット(3)、及び前記光学系(2)を通して見られる前記視覚刺激のシャープネスに対する前記対象者(5)の応答を記録するように適合されている入力デバイス(8)と、
-前記記録された応答の関数として前記光学度数の変化速度を調整するように適合されている制御ユニット(3)と、
を備え
前記制御ユニット(3)が、初期の最大の正の値(Max1)で前記光学系(2)の前記光学度数を駆動し、第1の変化速度(Speed1)で、前記光学度数を、前記初期の最大の正の値(Max1)から前記視覚刺激(7)の第1のシャープネス(Sharp1)に対する第1の光学度数値(S1)に減少させるように適合されており、前記入力デバイス(8)が、前記第1のシャープネス(Sharp1)に対する前記対象者(5)の第1の応答を記録するように適合されており、前記制御ユニット(3)が、前記光学度数を前記初期の最大の正の値(Max1)を下回る第2の最大値(Max2)に増大させるように適合されている、又は、
前記制御ユニット(3)が、N個の連続的に減少する最大値(Max1、…、Max(i)、…MaxN)とN個の連続的に増大する最小値(Min1、…、Min(i)、…MinN))との間で前記光学度数の連続的な変化を実施するように適合されており(ここでNは2~5の整数である)、前記最大値(Max(i))の1つと連続する最小値(Min(i))との間の前記変化速度(Speed i)が、前記視覚刺激(7)のシャープネス(Sharp i)に対する中間光学度数値に依存し、それに続く最大値(Max(i+1))がまた、前記視覚刺激(7)のシャープネス(Sharp i)に対する前記中間光学度数値に依存する、装置(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(3)が、前記光学度数を前記第2の最大値(Max2)に増大させる前に、前記光学度数を、前記視覚刺激の前記第1のシャープネス(Sharp1)に対する前記第1の光学度数値(S1)から前記視覚刺激の前記第1のシャープネス(Sharp1)に対する前記第1の光学度数値(S1)に依存する第1の最小値(Min1)まで、減少させるように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の最大値(Max2)が、前記視覚刺激の前記第1のシャープネス(Sharp1)に対する前記第1の光学度数値(S1)に依存する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記光学度数が、球面度数、円柱度数及び円柱軸、並びに/又は加入度度数、並びに/又は前記対象者(5)の両眼(4、14)間の両眼バランスを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記対象者の1つ又は複数の応答の関数として、前記対象者の前記少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するように適合された計算機を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記入力デバイス(8)が、入力パラメータを記録するように適合されたユーザインターフェースを備え、前記制御ユニット(3)が、前記入力パラメータの関数として前記変化速度を駆動するように適合されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースが、ボタン、調光器、ジョイスティック、前記対象者の生理学的信号を記録するように適合されたデバイス、音声認識システム、コンピュータインターフェース、リアルタイムで脳活動を記録する電極を備えたブレインコンピュータインターフェース、瞳孔測定システム若しくは反応時間測定システムを備えたインターフェース、追跡動作若しくは眼追跡システム、及び/又は顔若しくは手若しくは身体表現分析システムを備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置(1)が、前記対象者の反応時間を記録するように適合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記光学度数の範囲及び/又は前記変化速度の範囲が、前記対象者に対するデータの関数として事前選択され、及び/又は前記光学系(2)から前記視覚刺激までの事前選択された距離の関数であり、及び/又は前記光学度数の変化が、周期的、疑似周期的、又は非周期的である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を測定するためのシステムであって、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置を備え、予備測定を提供するように適合された、客観的屈折測定デバイス(10)及び/又は前記眼の屈折の微小変化を測定するためのデバイスを更に備え、前記制御ユニット(3)が、前記予備測定に従って前記光学度数の前記変化速度に対する初期プロファイルを定義するように適合されている、システム。
【請求項11】
対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するための方法であって、
a)フォロプタ内の光学系(2)の光学度数を連続的に変化させるステップであって、前記光学系(2)が前記対象者(5)の眼(4)と視覚刺激(7)との間の光路上に配置され、初期の最大の正の値(Max1)で前記光学系(2)の光学度数を駆動することによって、第1の変化速度(Speed1)で、前記光学度数を、前記初期の最大の正の値(Max1)から前記視覚刺激(7)の第1のシャープネス(Sharp1)に対する第1の光学度数値(S1)に減少させるステップと、
b)前記光学系(2)の光学度数の前記連続的な変化に対する前記対象者(5)の第1の応答を記録するステップであって、前記応答が、連続的に変化する光学度数を有する前記光学系(2)を通して見られる前記視覚刺激の第1のシャープネスに関連し、前記光学度数を前記初期の最大の正の値(Max1)を下回る第2の最大値(Max2)に増大させるステップと、
c)前記記録された応答の関数として前記光学度数の変化速度を調整するステップと、
d)最良の焦点が判定されるまで、ステップa)~c)を繰り返すステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するための方法であって、
a)フォロプタ内の光学系(2)の光学度数を連続的に変化させるステップであって、 N個の連続的に減少する最大値(Max1、…、Max(i)、…MaxN)とN個の連続的に増大する最小値(Min1、…、Min(i)、…MinN))との間で前記光学度数の連続的な変化を実施することによって、前記光学系(2)が前記対象者(5)の眼(4)と視覚刺激(7)との間の光路上に配置されているステップと、
b)前記光学系(2)の光学度数の前記連続的な変化に対する前記対象者(5)の応答を記録するステップであって、前記応答が、前記最大値(Max(i))の1つと連続する最小値(Min(i))との間の、連続的に変化する光学度数を有する前記光学系(2)を通して見られる前記視覚刺激のシャープネスに関連しているステップと、
c)前記記録された応答の関数として前記光学度数の変化速度を調整するステップであって前記最大値(Max(i))の1つと連続する最小値(Min(i))との間の前記変化速度(Speed i)が、前記視覚刺激(7)のシャープネス(Sharp i)に対する中間光学度数値に依存し、それに続く最大値(Max(i+1))がまた、前記視覚刺激のシャープネス(Sharp i)に対する前記中間光学度数値に依存するステップと、
d)最良の焦点が判定されるまで、ステップa)~c)を繰り返すステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の眼の屈折を測定するための方法及び装置に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、対象者の少なくとも1つの視覚屈折特性を測定するための装置に関し、この装置は、連続的に変化し得る光学度数を備えた光学系を有する。本発明はまた、この装置を使用して対象者の眼の屈折特性を判定するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多数の文献が、単眼又は両眼視状態における対象者の眼の視覚屈折特徴を客観的に又は主観的に判定するためのデバイス及び方法を記載している。
【0004】
客観的屈折は、通常、スキアスコープ又は自動屈折計を使用して得られる。客観的屈折により、対象者のおおよその補正を迅速に判定することが可能になる。
【0005】
しかしながら、主観的屈折は、対象者が必要とする最良の視覚屈折補正を判定するための選択方法である。
【0006】
周知の主観型の装置は、ユーザが自身の屈折を主観的に判定するために移動させることができる、可動光学ターゲットを使用するバダル視力計である。レンズは、ターゲットが移動するときに画像サイズが変化しないように、眼の瞳孔に焦点を合わせて、視覚ターゲットと眼の間に配置される。
【0007】
フォロプタは、対象者に必要な屈折補正を主観的に判定するための別の周知の器具である。フォロプタは、一般に、可変光学度数の光学レンズのセットと、対象者の視力をテストすることを可能にするレンズチェンジャと、を備える。検眼士は、レンズ度数の変化を段階的に駆動し、対象者は、自身の眼の最良の視力補正を主観的に判定する。屈折プロセス中にレンズの光学度数を変化させる場合、対象者が両方の状態を比較してどちらが最適かを選択できるように、ある補正屈折度数から別の補正屈折度数に常に移り変わる。これらのデバイスは、一般に、0.25ジオプトリ(D)のステップごとに変化する光学度数のレンズを使用する。しかしながら、対象者は、レンズ変更中に視覚刺激を知覚しない。
【0008】
特許文献1(Essilor International)は、可変球面度数を有するレンズと、可変円柱補正を生成する光学アセンブリとを備える視力補償デバイスを記載している。特許文献2は、インタラクティブ検眼用の装置を開示している。特許文献3は、連続可変光学レンズのインタラクティブ調整用の方法及びデバイスを開示している。
【0009】
そのようなデバイスは、屈折変化中に視覚刺激のスムーズ且つ連続的な知覚を確実にすることを可能にする。
【0010】
しかしながらそれには、屈折測定プロセスの間、特に自己屈折プロセスの間、順応の制御を保持する必要がある。
【0011】
また、自己屈折用のプロセスを単純化する、及び/又はそのプロセスを高速化するのに役立つ連続知覚を利用する新しい屈折プロセス及び装置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開第2017/013343号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2004/100617号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/216411号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の1つの目的は、対象者に視覚刺激を示すことによって、対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するための装置及び方法を提供することである。
【0014】
本発明によれば、装置は、対象者の眼と視覚刺激との間の光路上に配置された光学系であって、時間(t)の関数として連続可変である光学度数を提供するように適合されている、光学系と、光学系の光学度数を駆動するための制御ユニットと、光学系を通して見られる視覚刺激のシャープネスに対する対象者の応答を記録するように適合された入力デバイスと、記録された応答の関数として光学度数(S)の変化速度を調整するように適合されている制御ユニットと、を備える。
【0015】
本開示によれば、変化速度は、対象者の眼の光学度数変化の知覚限界よりも低く、光学度数特徴の変化の振幅は、対象者の眼の光学度数変化の知覚限界を上回る。
【0016】
提案された解決策は、対象者の応答の関数として光学度数の変化速度を調整しながら、時間の関数として少なくとも1つの光学度数特徴を連続的に調整する。
【0017】
この技術的解決策により、知覚を最適化し、且つ順応の影響を最小限に抑えるための最良の変化パラメータを選択することが可能になる。光学度数特徴における変化は、対象者がどの点が正しいものかを判定している間に、対象者又は測定の何らかの制御条件に適合され得る周期的(又は疑似周期的若しくは非周期的)時間関数に従って適合させることができる。代替的に又は補完的に、光学度数特徴における変化は、光学度数特徴における変化の知覚を最適化するように振幅で適合され得る。
【0018】
初期の度数から新しい度数をターゲット化するのではなく、度数は連続的に変化し、制御は変化速度と観察者の応答に対して設定される。対象者は、変化速度を自己制御し、所望であれば速くしたり、必要に応じて遅くしたり、変化を逆転させたり、又は速度を負の値からゼロ値を含む正の値に制御することによって停止させたりすることができる。眼の屈折異常のこの自己制御された連続的判定はまた、以下のような単純な質問に反応する対象者の関与を最小限に抑えて行うことができる。「文字が最もシャープなときにボタンを押してください。」次いで、レンズ度数の変化の時間関数が、対象者の回答に適合される。
【0019】
順応を制御し、適合をぼかすことができるように、屈折検査全体にわたって度数が連続的に変化される。この度数変化は、周期的ではなく、疑似周期的であるか、及び/又は対象者の回答に適合される。
【0020】
好ましくは、制御ユニットは、記録された応答の関数として事前判定された段階を通過することによって、変化速度を調整するように適合されている。
【0021】
有利には、視覚刺激は、視標、ガボールパッチ、正弦波格子、ライフスタイルシーン、赤色/緑色テスト、及び/又はハイブリッド画像を含む。
【0022】
特定の態様によれば、変化速度は、経時的に連続的に減少するか、又は離散的な事前判定された速度値によって経時的に減少する。
【0023】
特定の実施形態によれば、制御ユニットは、初期の最大の正の値で光学系の光学度数を駆動し、第1の変化速度で、光学度数を、初期の最大の正の値から視覚刺激の第1のシャープネスに対する第1の光学度数値に減少させるように適合され、入力デバイスは、第1のシャープネスに対する対象者の第1の応答を記録するように適合され、制御ユニットは、光学度数を初期の最大の正の値を下回る第2の最大値に増大させるように適合されている。
【0024】
この実施形態の変形例によれば、制御ユニットは、光学度数を第2の最大値に増大させる前に、光学度数を、視覚刺激の第1のシャープネスに対する第1の光学度数値から視覚刺激の第1のシャープネスに対する第1の光学度数値に依存する第1の最小値まで、減少させるように適合されている。
【0025】
この実施形態の別の態様によれば、第2の最大値は、視覚刺激の第1のシャープネスに対する第1の光学度数値に依存する。
【0026】
別の態様によれば、制御ユニットは、N個の連続的に減少する最大値とN個の連続的に増大する最小値との間で光学度数の連続的な変化を実施するように適合されており(ここでNは2~5からなる整数である)、その最大値の1つと連続する最小値との間の変化速度は、視覚刺激のシャープネスに対する中間光学度数値に依存し、それに続く最大値がまた、視覚刺激のシャープネスに対するその中間光学度数値に依存する。
【0027】
開示された実施形態のいずれかによれば、光学度数は、球面度数、円柱度数及び円柱軸、並びに/又は加入度度数、並びに/又は対象者の両眼間の両眼バランスを含む。
【0028】
別の態様によれば、計算機は、対象者の1つ又は複数の応答の関数として、対象者のその少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するように適合されている。
【0029】
一実施形態によれば、制御ユニットは、視覚刺激を選択するように適合されている。選択された刺激は、速度変化の現在の事前判定された段階に依存し、及び/又は記録された応答に依存する。例えば、文字などの視標は、振動サイクルの関数として、ますます小さいサイズで選択される。
【0030】
別の態様によれば、入力デバイスは、入力パラメータを記録するように適合されたユーザインターフェースを備え、制御ユニットは、入力パラメータの関数として変化速度を駆動するように適合されている。
【0031】
好ましくは、ユーザインターフェースは、ボタン、調光器、ジョイスティック、対象者の生理学的信号を記録するように適合されたデバイス、音声認識システム、及び/又はコンピュータインターフェース、及び/又はリアルタイムで脳活動を記録する電極を備えたブレインコンピュータインターフェース、及び/又は瞳孔測定システム若しくは反応時間測定システムを備えたインターフェース、及び/又は追跡動作若しくは眼追跡システム、及び/又は顔若しくは手若しくは身体表現分析システムを含む。
【0032】
一実施形態によれば、装置は、対象者の反応時間を記録するように適合されている。
【0033】
別の態様によれば、光学度数の範囲及び/又は変化速度の範囲は、対象者に対するデータの関数として、及び/又は視覚刺激に対する距離の関数として事前選択され、及び/又は光学度数変化は、周期的、疑似周期的、又は非周期的である。
【0034】
本発明の更なる目的は、対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を測定するためのシステムを提供することであり、システムは、本明細書に開示される実施形態のいずれか1つによる装置を備え、且つ予備測定を提供するように適合された、客観的屈折測定デバイス及び/又は眼の屈折の微小変化を測定するためのデバイスを更に備え、制御ユニットは、その予備測定に従って光学度数の変化速度に対する初期プロファイルを定義するように適合されている。
【0035】
本発明の更なる目的は、対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定するための方法を提供することであり、この方法は、
a)フォロプタ内の光学系の光学度数を連続的に変化させるステップであって、光学系が対象者の眼と視覚刺激との間の光路上に配置されているステップと、
b)光学系の光学度数の連続的な変化に対する対象者の応答を記録するステップであって、応答が、連続的に変化する光学度数を有する光学系を通して見られる視覚刺激のシャープネスに関連しているステップと、
c)記録された応答の関数として、光学度数の変化速度を調整するステップと、
d)最良の焦点が判定されるまで、ステップa)~c)を繰り返すステップと、
を含む。
【0036】
添付の図面を参照する以下の説明により、本発明を構成するもの、及びそれを達成し得る方法が明らかになるであろう。本発明は、図面に示されている実施形態に限定されない。したがって、請求項で言及された特徴に参照記号が続く場合、そのような記号は、請求項の理解度を高める目的でのみ含まれ、請求項の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【0037】
ここで、添付の図面及び詳細な説明に関連して以下の簡単な説明が参照され、同様の参照番号は同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本開示による、対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を測定するための装置の概略的な上面図である。
図2】第1の実施形態による、連続可変光学系の光学パラメータを変化させる例示的な方法を示す図である。
図3】第1の画像の低空間周波数と第2の画像の高空間周波数とを重ね合わせて形成されたハイブリッド画像の例を表す図である。
図4図3のハイブリッド画像において使用される第1の画像の低空間周波数を示す図である。
図5図3のハイブリッド画像において使用される第2の画像の高空間周波数を示す図である。
図6】第2の実施形態による、連続可変光学系の光学パラメータを変化させる例示的な方法を示す図である。
図7】第2の実施形態の変形例による、連続可変光学系の光学パラメータを変化させる例示的な方法を示す図である。
図8】第2の実施形態の別の変形例による、連続可変光学系の光学パラメータを変化させる例示的な方法を示す図である。
図9】本開示による対象者の屈折を測定するための方法の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の説明では、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴は、明瞭さ及び簡潔さのために又は情報提供の目的のために、一般化された又は概略的な形式で示される場合がある。加えて、様々な実施形態の作成及び使用が以下で詳細に論じられるが、本明細書に記載されるように、多様な状況で具体化されてもよい多くの発明の概念が提供されることを理解されたい。本明細書で論じられる実施形態は、単に代表的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。当業者には、プロセスに関連して定義される全ての技術的特徴が個別に又は組み合わせてデバイスに置き換えることができ、逆にデバイスに関連して定義されている全ての技術的特徴が個別に又は組み合わせてプロセスに置き換えることができることも明らかであろう。
【0040】
[定義]
本文献では、光学系の光学度数特徴は、球面度数、円柱屈折度数、及び円柱軸、及び/又は加入度屈折度数、及び/又は両眼間の両眼バランスを含む。両眼バランスは、両眼の球面度数間の差(バランス)の調整を含み、両方のレンズが調整され得る。
【0041】
連続可変の光学度数特徴は、時間の関数として連続的に変化し得る、上記で定義された光学度数特徴を含む。
【0042】
[デバイス]
図1は、対象者5の眼4の少なくとも1つの屈折特徴を判定するための装置1の主な要素を、上方から概略的に表している。眼4は、差別なしに、対象者5の右眼又は左眼であり得る。
【0043】
装置1は、対象者5の眼4に少なくとも1つの屈折度数特徴を提供するための光学系2を備える。より正確には、光学系2は、連続可変の光学度数特徴を提供するように適合されている。
【0044】
対象者5は、対象者の視力をテストし、自身の眼4の少なくとも1つの屈折特徴を判定するために、自身の眼4に調整可能な屈折補正を提供する光学系2を通して視覚刺激7を見る。
【0045】
視覚刺激7は、1つ以上の視標を表示する、画面又はパネルなどのターゲットオブジェクト、又は対象者の視力をテストするのに適切な任意の画像であり得る。或いは、視覚刺激7は、ガボールパッチ、又は(角度が可変であるか又はそうではない)正弦波格子、又はライフスタイルシーンであってもよく、好ましくは、ぼけの検出に役立つ十分に高い空間周波数を含む。或いは、視覚刺激7は、シーンの低空間周波数からなる第1の画像21(図4を参照)と、別のシーン(図5を参照)の高空間周波数を含む第2の画像22とを重ね合わせるハイブリッド画像20(図3を参照)であってもよい。視覚刺激7は、画像表示デバイス上に表示され得る。機器1は、様々な距離(近方視、遠方視、及び/若しくは中間視)並びに/又は様々な眼の視線方向(例えば、読書のために下方に向けた自然な眼の視線方向、遠方視のための水平な眼の視線方向)に対して、屈折測定を可能にするように構成されている。視覚刺激7は、バダルシステムなどの特定の画像化システム(図示されていない)を使用するときに、又は画像化システムを使用しない(若しくは平面ミラーを使用する)場合に、25cm(近方視の場合)と無限大(遠方視の場合)との間で構成される光学系2から、実際には最大約8メートルまでの実距離又は仮想距離に配置される。
【0046】
光学系2は、対象者の眼4に少なくとも1つの連続可変の光学度数特徴を提供するように構成されている。本文献では、連続可変の光学度数特徴は、球面度数、円柱度数及び軸などの円柱度数特徴、加入度度数、及び/又は対象者5の両眼4、14間の両眼バランスを含む。連続可変の光学度数特徴は、時間の関数として連続的に変化させることができる。
【0047】
そのために、制御ユニット3が、光学系2に接続されている。制御ユニット3は、眼の検査中に、時間の関数として連続的な方法で対象者に提供される屈折補正を修正するために、以下に詳述されるように、可変光学度数を連続的に駆動する。
【0048】
例えば、光学系2は、変形可能レンズ、変形可能液体レンズ、エレクトロウェッティングに基づく多電極液体レンズ、変形可能膜に基づくレンズ、油圧又は空気内圧の印加により変形可能なレンズ、電子適応光学素子、透過型AOE若しくは反射型AOEである適応光学素子(AOE)、変形可能ミラー、ピクセル化デジタルミラーデバイス、ライトフィールド表示デバイス、空間光変調器、液晶変調器、電動クロスシリンダレンズ、アルバレス-ハンフリープレートの対、又は圧電光学系を含む。
【0049】
例えば、光学系2の球面度数(Sと表記)は、眼の検査プロセス中の時間の関数として連続的に調整可能である。換言すれば、光学系2は、この眼4に必要な球面屈折補正を判定するために、眼4に調整可能な球面度数Sを提供するように構成されている。
【0050】
同様のプロセスは、近方視において老眼を補正するために必要な加入度度数を判定するために適用される。
【0051】
代替的に又は補完的に、光学系2の円柱度数特徴は、眼の検査プロセス中の時間の関数として連続的に調整可能である。円柱度数特徴は、円柱値又は円柱度数(Cと表記)、及びこの円柱の軸(Aと表記)に分解され得る。カップル(J0、J45)などの、円柱度数特徴の他の分解が存在する。換言すれば、光学系2は、この眼の非点収差屈折補正を判定するために、眼4に調整可能な円柱度数特徴を提供するように構成されている。
【0052】
好ましくは、光学系2はまた、視覚刺激7から到来し、且つ光学系2によって屈折又は反射されて対象者の眼4に到達する光線6を遮ることなく、その光学度数特徴が変更され得るように構成される。この光線6は、視覚刺激7から到来し、且つ光学系2によって収集され、次いで対象者5の眼4に伝えられる光の一部によって構成される(この光は、初期にターゲットオブジェクトによって放出、拡散、又は反射されている)。したがって、光学系2は、その光学度数特徴が対象者の眼4の視野をカットオフすることなく修正され得るように構成される。換言すれば、視覚刺激7は、そのような光学度数特徴の修正の過程で、対象者の眼4に対してマスクされていない、すなわち妨げられていないままである。
【0053】
特に、光学系2は、所与のレンズを別のレンズに置き換える(ターゲットオブジェクトを対象者の眼に対して一時的にマスクする)ことなく、そのような光学度数特徴の調整が達成され得るように構成される。
【0054】
制御ユニット3は、入力デバイス8を使用する眼の検査プロセス中に光学系2の光学度数特徴を調整するように構成される。
【0055】
入力デバイス8は、例えば、キーボード、マウス、ボタン、調光器、音声認識システムなどの一般的に使用されるコンピュータ制御入力デバイス、又は脳波(又はEEG)信号を提供する脳波計などの検査下の対象者の生理学的信号を記録するように適合されたデバイス、瞳孔測定システム、脳活動をリアルタイムで記録する電極を備えたブレインコンピュータインターフェース、追跡動作若しくは眼追跡システム、及び/又は顔若しくは手若しくは身体表現分析システム、又は別の反応時間測定システムを備える。対象者5自身は、自己屈折用の入力デバイス8を操作することができる。或いは、入力デバイス8は、眼の屈折検査中に対象者5を支援する検眼士又は別の人によって使用され得る。補完的又は代替的に、入力デバイス8は、別のシステム、例えば、コンピュータ又は脳波システム、瞳孔測定システム、リアルタイムで脳活動を記録する電極を備えたブレインコンピュータインターフェース、追跡動作若しくは眼追跡システム、及び/又は顔若しくは手若しくは身体表現分析システム、又は別の反応時間測定システムの出力に直接接続された制御ユニットの入力ポートを備え得る。
【0056】
有利には、装置1は、対象者5の第2の眼14に第2の屈折度数を提供するための第2の光学系12を備える。第2の光学系12は、上述の光学系2と同様であり得る。(第1の)光学系2及び第2の光学系12は、単眼視状態における屈折測定のために他の眼経路をブロックするか又はぼかしながら、交互に使用され得る。代替的に又は補完的に、(第1の)光学系2及び第2の光学系12は、両眼視状態、すなわち、対象者5が両眼を開いて遮られていない間に、対象者5の第1の眼4が第1の視覚刺激7を見ており、第2の眼14が第2の視覚刺激を見ている状態での屈折測定のために、同時に使用され得る。最後に、両眼4、14の最良の補正が、両眼視状態、すなわち、対象者5が両眼を開いて遮られていない間に、対象者5の両眼4、14が同じ又は同様の視覚刺激7を見ている状態でテストされ得る。
【0057】
[プロセス]
図2は、連続可変光学系の光学度数特徴を変化させる第1の方法を示している。説明の目的のため、光学系2は可変球面度数Sを有する。しかしながら、同様のプロセスが、上記のように、光学系2の別の度数特徴に適用されてもよい。
【0058】
図2に示される時間的度数変化の形状は、例示の目的のためのみのものである。本開示の範囲から逸脱することなく、時間的変化の他の形状を企図することができる。
【0059】
この例では、光学系2の可変球面度数Sは、初期に、Max1と表記された第1の最大値に設定され、この値は正であり、ここでは+20ジオプトリ(D)である。対象者5の屈折状態が何であれ、第1の最大値Max1の高い正の値により、焦点ぼけ刺激が知覚される状態で眼の検査を開始し、対象者5の順応応答を回避することを可能にする。
【0060】
第1段階では、球面度数Sは、-10D/秒の第1の速度値Speed1において、第1の最大値Max1から連続的に減少する。本文献では、速度値は、2つの連続する極値間の光学度数特徴(ここでは例えば球面度数)の変化の最大速度値である。
【0061】
対象者5は、自身が光学系2を通して視覚刺激7をシャープに見えるやいなや、ボタンを押すように指示される。或いは、対象者の応答は、検眼士によって入力されるか、又は音声認識システムを使用して入力される口頭応答として定式化される。
【0062】
図2の例では、対象者5の第1の応答は、S1で表記された第1の球面度数値に対応する第1の時点t1において入力される。第1の球面度数値の値S1、又は同等に第1の時点t1の値は、制御ユニット3によって記録される。
【0063】
第1の球面度数値S1に対応する第1の応答が入力されると、可変球面度数Sは、Min1と表記された第1の最小値に達するまで減少し続ける。第1の最小値Min1が第1の球面度数値S1よりも低いことにより、対象者5が、第1の球面度数値S1を下回ると視覚刺激7の画像が更にシャープになり得るか否かを確認することを可能にする。図2に示される例では、Min1の値は、第1の球面度数値S1を1ジオプトリ(D)下回っている。
【0064】
第1の最小値であるMin1に達した後、可変球面度数Sは、Max2と表記された第2の最大値まで再び増大する。
【0065】
一実施形態では、第2の最大値Max2は、対象者の第1の応答に従って調整される。例えば、第2の最大値Max2は、以下の式のうちの1つに従って、第1の最大値Max1、第1の球面度数値S1、及び/又は第1の最小値Min1の関数として調整される。
Max2=Min1+(Max1-S1)/2
又は
Max2=(Max1+S1)/2
【0066】
したがって、第2の最大値Max2は、初期の第1の最大値Max1を下回る。可変球面度数Sは、正の変化速度(Speed+)で、第1の最小値Min1から第2の最大値Max2に増大する。正の変化速度(Speed+)は、事前判定され得る。或いは、正の変化速度(Speed+)は、記録された第1の応答に依存する。好ましくは、正の変化速度(Speed+)は、絶対値で、第1の速度値Speed1以下である。
【0067】
第2の最大値Max2に達した後、可変球面度数Sは、第1の速度値Speed1よりも低い第2の速度値Speed2で減少する。例えば、第2の速度値Speed2は、-5D/秒である。
【0068】
もう一度、対象者5は、自身が視覚刺激7の画像をシャープに見えるやいなや、ボタンを押す。対象者5の第2の応答は、S2で表記された第2のシャープな球面度数値に対応する第2の時点t2において入力される。第1のシャープな球面度数値S1は、第2のシャープな球面度数値S2とは異なり得る。
【0069】
球面度数Sの連続的な変動は、最良の焦点が見つかるまで同じように進行する(図2を参照)。最良の焦点は、対象者がシャープネスでの改善をもはや知覚しないときに、対象者によって判定される最後のシャープな球面度数値SNとして定義され得、ここでNは、好ましくは2~10の間、更により好ましくは2~5の間又は2~4の間に含まれる整数である。或いは、最良の焦点は、最良の焦点値を取り囲む球面度数値を判定するための、第1、第2、…及び第Nのシャープな球面度数値S1、S2、…SNに基づく統計的又は確率的処理から導出され得る。球面度数Sの変動段階の数Nは、事前判定され得る。或いは、数Nは、記録された応答に依存する。
【0070】
応答S1、S2、…、SNは、球面度数Sの減少中に記録されることが好ましい。実際、順応は対称的ではない。光学度数が増大すると、個人は、順応することによって屈折異常を補償し得る。対照的に、光学度数が最良の焦点から十分に離れた最大値から減少すると、対象者は適応しにくくなる。
【0071】
この眼の検査プロセスの間、対象者5の関与は最小限である。対象者5は、視覚刺激7の画像(例えば、文字又は視標)が最もシャープに見られるときにのみクリックする必要がある。球面度数変化のパラメータ(Max、Min、Speed)は、制御ユニット3によって、且つ対象者の応答の関数として自動的に導出される。
【0072】
好ましくは、眼の検査プロセスの間、連続する最大値(Max1、…、Max(i)、…MaxN)は、時間の関数として減少している。好ましくはまた、連続する最小値(Min1、…、Min(i)、…MinN)は時間の関数として増大している。好ましくは、最大値(Max(i))と連続する最小値(Min(i))との間の変化速度(Speed i)は、視覚刺激のシャープネスに対する中間の光学度数値Siに依存する。最小値Min(i)と次の最大値Max(i+1)との間の正の変化速度は、事前判定されているか、又は絶対値が同じかそれより低くてもよく、最大値Max(i)と連続する最小値Min(i)との間の変化速度(Speed i)と反対の符号であってもよい。
【0073】
光学系2の光学度数値を変化させている間、異なる種類の視覚刺激7を使用してもよい。従来の視標、ガボールパッチ若しくは(角度が可変であるか又はそうではない)正弦波格子、又はぼけの検出に役立つ十分に高い空間周波数を含むライフスタイルシーンを使用することができる。高空間周波数の範囲は、10~60cpd(1度あたりのサイクル数)、好ましくは20~40cpdであり得る。
【0074】
更に、視覚刺激7は、最良の焦点SNに近づくにつれて、眼の検査中に適合され得る。例えば、第1の最大値Max1と第1の最小値Min1との間の時間間隔中に表示される視覚刺激7は、1/10~5/10の間に含まれる視力に対応する大きなサイズの文字を含む。視覚刺激は、第1の最小値Min1と第2の最大値Max2との間の時間間隔中に変更され得、その結果、第2の最大値Max2と第2の最小値Min2との間の時間間隔中に表示される視覚刺激7は、より小さなサイズの文字を含む。連続する段階中に視標のサイズを徐々に小さくすることにより、プロセスが最良の焦点を迅速に判定することを可能にする。
【0075】
別の例では、視覚刺激7は、図3に示されるようなハイブリッド画像20を含む。この場合、意思決定が簡素化される。対象者5は、画像20をシャープに又はぼけて見えるときに応答するように求められないが、自身の知覚が、低空間周波数の第1の画像21(例えば、「私は屋内のシーンが見える」、図4を参照)から高空間周波数の第2の画像22(「今、私は都市が見える」、図5を参照)に変化するときに応答するように求められる。より正確には、第1の画像21は、ローパスカットオフ周波数を下回る空間周波数を有する特徴を含み、それぞれ、第2の画像22は、ハイパスカットオフ周波数において空間周波数を有する特徴を含む。連続屈折プロセスに沿って様々なレベルのハイパスカットオフ周波数を有する異なるハイブリッド画像20を使用することにより、画像の最もシャープな知覚についての決定を求めることなく、最良の視覚知覚により近づくことが可能になる。例えば、第1の段階は3サイクル/度の高空間周波数を有するハイブリッド画像を使用して実行され、ハイブリッド画像は、16サイクル/度の高空間周波数を含むように第2の段階用に変更される。ハイブリッド画像の高空間周波数は、個人が高周波画像を知覚するまで増大させることができる。ハイブリッド画像の他の利点は、対象者5が順応によって負の度数に更に入り込まないことである。ハイブリッド画像は、(例えば高空間周波数の第2の画像で、質問が「別の画像が見えるか?」である)対象者の応答がバイナリであるもので、どちらのものが最もシャープに知覚されるかを判定すべき2つの画像間の比較を必要としないため、自己屈折プロセスに特に適している。
【0076】
眼の検査プロセスの間、光学系2の度数変化は、Max1とMin1の間、Min1とMax2の間、Max2とMin2の間などで連続したままである。連続的な度数変化の間、変化速度は変化し、制御ユニット3を介して制御される。
【0077】
度数変化の形状に応じて、変化速度は、段階的又は連続的のいずれかによって変化し得る。
【0078】
第2の実施形態では、対象者5は、光学系2の変化速度、及び光学度数変化の方向を自身で調整する。
【0079】
入力デバイス8は、例えば、調光器又はジョイスティックである。対象者5は、例えば、ジョイスティックを使用して可変光学度数を制御する。ジョイスティックを引くことにより、度数が減少する。ジョイスティックを押すことにより、度数が増大する。対象者が押すか又は引くほど、度数変化は速くなる。対象者は、自身が最良のシャープネスで視覚刺激が見えるやいなや、度数変化の方向を変える。換言すれば、対象者5は、入力デバイス8(ここではジョイスティック)及び光学系2を駆動する制御ユニット3を介して、度数変化の方向及び変化速度を調整する。対象者がもはや度数を変える必要がなくなると、すなわち、対象者が最良のシャープネスに達したとき、換言すればこのシャープネスをもはや改善できなくなったときに、最良の焦点が得られる。
【0080】
この場合、視覚刺激7を適合させ、且つユーザが負の度数範囲内に閉じ込められることを防ぐための意思判定を行うことにより、順応を防ぐことができる。例えば、大きな空間周波数のガボールパッチが第1の段階中に使用され、次いで対象者が第1のガボールパッチの向きが検出されるかどうか(必ずしもクリアに見えるとは限らない)を尋ねられ、その後、肯定的な回答の場合に、プロセスに沿ってガボールパッチの空間周波数を増大させる。
【0081】
第1及び第2の実施形態は、単眼検査プロセス中に組み合わせられてもよい。例えば、第1の最大度数値Max1が、事前判定され得る。対象者は、第2の実施形態に詳述されるように、ジョイスティックを使用して第1の変化速度を制御する。対象者は、第1の球面度数値S1に対応する第1の時点t1において第1の応答を入力する。次いで、制御ユニット3は、第1の実施形態に詳述されるように、第2の最大度数値Max2、及び場合によっては第1の最小度数値Min1の値を判定する。制御ユニット3は、第1の最小度数値Min1から第2の最大度数値Max2までの変化速度を設定する。次いで、対象者は、ジョイスティックを使用して再び制御を取り、第2の最大度数値Max2と、第2の球面度数値S2を有する第2の時点t2における第2の応答との間の第2の変化速度を駆動する。
【0082】
第2の実施形態の変形例では、変化速度は、個人によって直接制御されるのではなく、入力パラメータ、例えば個人の反応時間の関数として変化する。例えば、制御ユニット3は、眼の検査プロセス中に個人の脳波(又はEEG)を測定するための装置と、又は瞳孔測定システムと、又は別の反応時間測定システムとインターフェースされる。測定用の装置は、EEG信号を制御ユニット3に提供する。或いは、瞳孔測定システム又は反応時間測定システムは、瞳孔反応信号、眼の検査プロセス中の個人の反応時間信号をそれぞれ提供する。反応時間は、対象者の回答時間(キーによる回答又は口頭回答)によって、又は瞳孔反応時間によって、又はEEG信号によって評価され得る。制御ユニット3は、個人の反応時間の関数として変化速度を調整する。
【0083】
図6に示される別の実施形態では、光学系2の球面度数Sの時間的変化は、部分ごとに正弦波であり、この正弦波は、対象者の応答の関数として変化する。
【0084】
可変球面度数Sは、初期には第1の最大値Max1、ここでは+20ジオプトリ(D)に設定される。+20Dのこの初期の焦点ぼけは、対象者が順応するのを防止する。より正確には、第1の段階では、球面度数Sは、第1の最大値Max1と第1の最小値Min1の間の正弦波である。球面度数Sは、第1の最大値Max1と第1の最小値Min1の間で、単一の振動又は複数の振動を示し得る。対象者5は、例えば、第1の球面度数値S1に対応する第1の時点t1において第1の応答を入力する。対象者は、上記で説明したように、(例えば、視標を使用して)自身が視覚刺激をシャープに知覚すると、又は自身がハイブリッド画像知覚内の変化を知覚すると、自身の応答を入力する。任意選択的に、球面度数Sの更なる正弦波振動中に、対象者は、それぞれ、第2の時点t2及び第2の球面度数S2に対応する、第2の振動中に第2の応答を入力し、第3の時点t3及び第3の球面度数S3に対応する、第3の振動中に第3の応答を入力する。この第1の段階中の正弦波振動の第1の振幅は、Max1とMin1との間の差に等しい。正弦波振動の周期は、例えば2Hz~4Hzの間に含まれる、第1の(時間的な)周波数に対応する。振動の第1の振幅及び第1の周波数は、連続する極値Max1とMin1との間の第1の変化速度を判定する。第2の段階では、球面度数Sの正弦波変化のパラメータが変更され、振動の振幅は、第2の最大値Max2と第2の最小値Min2によって定義され、正弦波振動の周期は、例えば1Hz~2Hzの間に含まれる、より低い第2の周波数に対応して増大する。第2の段階における正弦波のパラメータは、事前判定され得る。或いは、この第3の実施形態では、正弦波度数変化のパラメータは、対象者の応答に従って変更される。この例では、第2の振幅及び第2の周波数は、球面度数値S1、S2及び/又はS3の関数、並びに/又は第1の振幅及び第1の周波数の関数である。振動の第2の振幅及び第2の周波数は、連続する極値Max2とMin2の間の第2の変化速度を判定する。したがって、光学度数の第2の変化速度は、対象者の応答に応じて調整される。同様に、第2の周波数での球面度数Sの正弦波振動中に、対象者は、第4の時点t4及び第4の球面度数値S4に対応する第4の応答を入力し、場合によっては、第5の時点t5及び第5の球面度数値S5に対応する第5の応答を入力する。図6に示されるように、第3の段階では、球面度数Sの正弦波変化のパラメータが再び変更され、例えば、振動の振幅は、第3の最大値Max3及び第3の最小値Min3によって定義され、正弦波振動の周期は、例えば0.5Hz~1Hzの間に含まれる、更に低い第3の周波数に対応して増大する。第3の振幅及び第3の周波数は、球面度数値S4及び/若しくはS5の関数、並びに/又は第2の振幅及び第2の周波数の関数である。振動の第3の振幅及び第3の周波数は、連続する極値Max3とMin3の間の第3の変化速度を判定する。したがって、光学度数の第3の変化速度は、対象者の応答に応じて調整される。第3の段階中に、対象者は、第6の時点t6及び第6の球面度数値S6に対応する第6の応答を入力する。
【0085】
第3の実施形態は、最良の焦点、又は少なくとも最良の焦点を取り囲む値を判定することを可能にする。第3の実施形態は、いくつかの反復を提案し、したがって、ユーザが最良の焦点の自身の認識を洗練するためのいくつかの可能性を提案する。各段階における変更は、前の段階における複数の反復の平均に基づき得るため、より正確な結果が提供される。
【0086】
眼全体の検査プロセスの間、光学度数の振動は、対象者5が知覚するのに十分遅い。換言すれば、知覚における正弦波変化の時間周波数は、対象者5の眼4の検出及び融合限界の範囲内にある。25Hzを超えると、対象者5は、光学度数変化の最大値及び最小値の両方を融合する場合がある。0.1Hz未満では、対象者5は、刺激の変化を検出できなくなり得る。有利にも、時間周波数は、刺激(文字)の空間周波数に従って調整される。低空間周波数刺激(例えば、1度あたり0.5サイクル(又はcpd))の場合、度数変化の時間周波数は、高空間周波数刺激(例えば、1Hz)よりも高い(例えば、10Hz)ことが好ましい。
【0087】
図7に示される別の実施形態では、光学系2の球面度数Sにおける時間的変化もまた、部分ごとに正弦波である。この実施形態では、正弦波のパラメータは、対象者自身によって調整される。より正確には、正弦波の周波数は、眼の検査プロセス全体にわたって一定のまま、例えば1Hzであり、対象者は、正弦曲線の振幅を調整する。図7に示される例では、このヒューマンマシン相互作用は、単純なボタンで、調光器で、若しくはジョイスティックで、又は更に対象者が知覚するぼけ/焦点のレベルについて通知する対象者の脳信号の記録に対して直接達成され得る。例えば、図7において、第1の段階では、球面度数Sは、第1の最大値Max1と第1の最小値Min1の間に第1の振幅を有する正弦波である。対象者5は、球面度数Sの減少段階中、第1の球面度数値S1に対応する第1の時点t1において第1の応答を入力する。図7に示されるように、第1の段階は、Max1からMin1への単一の振動を含む。任意選択的に、図6に関連して説明されるように、第1の振幅における第1の位相は、複数の振動を含み得る。次いで、対象者は、例えばインターフェース8を使用して、正弦曲線を第2の振幅に調整する。第2の最大値Max2及び第2の最小値Min2は、第2の振幅の関数として計算される。したがって、対象者は、光学度数の変化の第2の速度を調整する。対象者5は、球面度数Sの減少段階中、第2の球面度数値S2に対応する第2の時点t2において第2の応答を入力する。同様に、対象者は、正弦曲線を、例えばインターフェース8を使用して、第3の、それぞれに第4の、最大値Max3、それぞれにMax4と、第3の、それぞれに第4の、最小値Min3、それぞれにMin4との間の第3の振幅に調整する。したがって、対象者は、光学度数の変化の第3の、それぞれに第4の変化速度を調整する。対象者5は、球面度数Sの減少段階中、第3の、それぞれに第4の、球面度数S3、それぞれにS4に対応する、第3の、それぞれに第4の、時点t3、それぞれにt4において、第3の、それぞれに第4の応答を入力する。第4の実施形態により、最良の焦点S4、又は少なくとも最良の焦点を取り囲む値S1、S2、S3、S4を判定することが可能になる。
【0088】
第4の実施形態は、上述の他の実施形態よりも迅速である。更に、振幅のみが対象者によって制御されるため、対象者に対してプロセスの容易さと適合との間の良好な妥協点を提供する。
【0089】
図8に示される第5の実施形態では、光学系2の球面度数Sの時間的変化もまた、部分ごとに正弦波である。この実施形態では、正弦波のパラメータは、対象者自身によって調整される。より正確には、対象者は、眼の検査プロセス中に正弦曲線の振幅及び周波数の両方を調整する。前の実施形態のように、このヒューマンマシン相互作用は、単純なボタンで、調光器で、若しくはジョイスティックで、又は更に対象者が知覚するぼけ/シャープネスのレベルについて通知する対象者の脳信号の記録に対して直接達成され得る。例えば、図8において、第1の段階では、球面度数Sは、第1の最大値Max1と第1の最小値Min1の間に第1の周波数及び第1の振幅を有する正弦波である。対象者5は、球面度数Sの減少段階中、第1の球面度数値S1に対応する第1の時点t1において第1の応答を入力する。図8に示されるように、第1の段階は、Max1からMin1への単一の振動を含む。任意選択的に、図6に関連して説明されるように、第1の振幅及び第1の周波数における第1の位相は、複数の振動を含み得る。次いで、対象者は、例えばインターフェース8を使用して、正弦曲線を第2の周波数及び第2の振幅に調整する。したがって、対象者は、光学度数の第2の変化速度を調整する。好ましくは、第2の周波数は、第1の周波数よりも低い。第2の最大値Max2及び第2の最小値Min2は、第2の振幅の関数として計算される。対象者5は、球面度数Sの減少段階中、第2の球面度数値S2に対応する第2の時点t2において第2の応答を入力する。同様に、対象者は、正弦曲線を、例えばインターフェース8を使用して、第3の、それぞれに第4の、最大値Max3、それぞれにMax4と、第3の、それぞれ第4の、最小値Min3、それぞれにMin4との間の、第3の周波数及び第3の振幅、それぞれに第4の周波数及び第4の振幅に調整する。対象者5は、球面度数Sの減少段階中、第3の、それぞれに第4の、球面度数S3、それぞれにS4に対応する、第3の、それぞれに第4の、時点t3、それぞれにt4において、第3の、それぞれに第4の応答を入力する。したがって、対象者は、光学度数の第3、それぞれ第4の変化速度を調整する。好ましくは、第3の周波数は第2の周波数よりも低く、第4の周波数は第3の周波数よりも低い。第5の実施形態により、最良の焦点S4、又は少なくとも最良の焦点を取り囲む値S1、S2、S3、S4を判定することが可能になる。
【0090】
第5の実施形態は、完全に個人化されたプロセスを提供し、対象者は、振幅及び周波数の両方を適合させて、最良の焦点位置を細かく認識する。したがって、対象者は、対象者が見ることができるものを完全に制御することができる。第5の実施形態は、第1、第2、及び第3の実施形態よりも迅速であり得る。
【0091】
図6図8に示される実施形態では、光学度数の変化は、正弦波又は部分ごとに正弦波である。光学度数の他の周期的な連続変化を、本発明の範囲から逸脱することなく企図することができる。或いは、光学度数は疑似周期的に変化し、光学度数における振幅及び周波数の変化は、対象者に応じた変化の知覚を最適化するように調整及び選択される。例えば、初期の度数変化は、初期周波数及び初期振幅で適用される。次いで、対象者は、自身が度数の変化をより簡単に知覚するために、最初に周波数を調整(周波数を減少又は周波数を増大)するように求められる。第2のステップでは、対象者は、振幅を減少して最小値及び最大値を調整し、望ましい又は最良に知覚される補正値により近づけるか、又は知覚の変化を最適化するための振幅を選択するように求められる。したがって、変化速度は、対象者の眼による光学度数特徴の変化の知覚を最適化するように、振幅及び周波数において選択される。この最後の構成では、光学度数における変化は、対象者に適合され得る他の種類の時間関数に従うことができる。対象者は、どの点が正しいものであるかを判定する。初期の振幅は、対象者の感度に適合させることができ、又は対象者は、光学度数における変化の振幅及び周波数を自己適合させることができる。
【0092】
本明細書に開示される実施形態のいずれかの変形例では、第1の最大度数値Max1及び/又は第1の最小度数値Min1は、客観的な開始値に従って(例えば、自動屈折測定から得られるか、若しくは対象者の現在の補正に応じて)、及び/又は対象者の年齢に従って、判定され得る。
【0093】
本明細書に開示される実施形態のいずれか1つによる例では、デュオクローム視覚テストでプロセスを終了することができる。より正確には、このステップは、例えば、赤色/緑色デュオクロームテスト中に対象者によって与えられた評価に対応する。このテスト中、対象者には、一方で赤色背景に表示された黒色視標、及び他方で緑色背景に表示された黒色視標を含む画像が表示される。次いで、対象者は自身の回答、例えば、「赤色背景でより良く見える」又は「緑色背景でより良く見える」を示す。対象者が赤色背景で指標がより良く見える場合は、球面値Sを減少させるべきであり、緑色背景で示されている指標がより良く見える場合は、球面値Sを増大させるべきである。代替的又は補完的に、文字チャート上の視覚的快適さの評価でプロセスを終了させてもよい。
【0094】
図9は、本開示による対象者の屈折を測定するための方法のブロック図を概略的に表している。
【0095】
ステップST1において、光学系の光学度数特徴は、初期に判定された値に設定される。例えば、光学系の光学度数は、第1の最大値Max1に設定される。
【0096】
ステップST2は、複数のステップST21、ST22、ST23を含み、これらは反復的に繰り返され得る。
【0097】
ステップST21において、光学度数特徴は、判定された値(第1、それぞれ第2、第3…最大)から開始して、判定された(第1、それぞれ第2、第3…)の変化速度で連続的に変化する。
【0098】
ステップST22は、光学度数特徴を連続的に変化させている間に、光学系を通して見られる視覚刺激のシャープネスに対する対象者の応答を記録することを含む。
【0099】
ステップST23は、前のステップST22で記録された対象者の応答の関数として、変化速度を調整することを含む。好ましくは、ステップST23はまた、連続最小値(Min1、Min2)、連続最大値(Max2、Max3、…)、及び連続変化速度(Speed2、Speed3…)の値を、前のステップST22において記録された対象者の応答の関数として判定することを含む。
【0100】
このプロセスは、ステップST21~ST23を、事前判定された回数N回の反復によって(ここでNは、好ましくは2~5の間に含まれる整数である)、又は最良の焦点が判定されるまで繰り返すことを含む。
【0101】
ステップST4は、前のステップST21~ST23における対象者の応答に基づいて、対象者の少なくとも1つの視覚屈折特徴を判定することを含む。
【0102】
上記の例は、対象者5の眼4によって必要とされる球面補正を判定するための球面度数変化に関連して説明されてきた。
【0103】
同様のプロセスを適用して、非点収差を補正するための円柱及び/又は軸を判定することができる。
【0104】
この場合、視覚刺激7は、向きのない特徴を含み得るか、又は例えばteta2=teta1+45度である、2つの角度teta1及びteta2において、例えば2つの向きのあるガボールパッチを含み得る。光学系2は、連続的な非点収差変化を可能にする光学系、例えば、Vision-R800機器で使用される電動クロスシリンダを含む。非点収差は、例えば、teta1及びteta2の任意の向きに沿って周知の円柱度数ベクトル成分に分解される。例えば、カップル(J0、J45)を使用し、ベクトル成分の2つの値(J0、J45)をこれらの2つの向きにおいてテストする。
【0105】
又は、代わりに、Cで表記される円柱出力、及び円柱軸Aをテストすることができる。非点収差を判定するためのプロセスは、初期の客観的測定から、又は球の初期推定から、又は円柱がない場合は任意の(0.5D)円柱値から開始することができる。球Sを変化させるための上述の実施形態のいずれも、非点収差成分C又はA(又はそれぞれJ0若しくはJ45)のそれぞれに適用することができる。
【0106】
代表的なプロセス及び物品が本明細書で詳細に記載されているが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲において説明及び定義されているものの範囲から逸脱することなく、様々な置換形態及び修正形態がなされ得ることを認識するであろう。
【0107】
上述のプロセスは、連続可変の度数特徴を備えた光学系を有するフォロプタにおいて実施され得る。例えば、プロセスは、Vision-R800機器内に実装され得る。
【0108】
有利には、対象者が変化速度を自己調整するプロセスは、例えば、セルフサービス屈折システムにおいて、自己屈折用に使用され得る。
【0109】
有利には、オペレータ、又はオペレータを必要とする別の機器が変化速度を制御するプロセスは、屈折を実行するアイケア専門家(ECP)によって駆動される。
【符号の説明】
【0110】
1 装置
2 光学系
3 制御ユニット
4 眼
5 対象者
6 光線
7 視覚刺激
10 客観的屈折測定デバイス
12 第2の光学系
14 第2の眼
20 画像
21 第1の画像
22 第2の画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9