(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】自動化された生物選別装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20240904BHJP
G01N 21/01 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
G01N21/64 F
G01N21/01 B
(21)【出願番号】P 2022520430
(86)(22)【出願日】2020-10-03
(86)【国際出願番号】 US2020054181
(87)【国際公開番号】W WO2021067896
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522130036
【氏名又は名称】ジェネティレート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン レンクィスト
(72)【発明者】
【氏名】カイル ケントチ
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523101(JP,A)
【文献】特表2003-520343(JP,A)
【文献】特表2006-524054(JP,A)
【文献】米国特許第03746166(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054303(US,A1)
【文献】米国特許第06548796(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0106786(US,A1)
【文献】特表2009-511077(JP,A)
【文献】米国特許第04009782(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/83
G01N 33/48-33/98
A01K 61/90-61/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚卵等の胚性水生生物サンプル選別装置であって、
サンプルをそれぞれ受け取るために回転円盤の周囲において複数のウェルを有する回転円盤と、
前記回転円盤の前記複数のウェル上に前記サンプルを装填するように構成されたフィーダと、
レーザー光源を備え、且つ、励起光ビームを生成し、前記サンプルに集束するように、構成された光学ユニットと、
前記サンプルによって生成された放出光を、前記光学ユニットを介して受光し、前記放出光の強度を電気信号に変換し、前記電気信号を制御ユニットに転送する光検出器と、
前記放出光である蛍光に基づいて前記サンプルを1つ又は複数のグループに選別するために前記制御ユニットから受信した前記電気信号を処理するように構成されたデータ処理アプリケーションを有する演算装置であって、前記制御ユニットが個々のグループ容器内の前記グループに従って前記サンプルの収集を実行することを可能とするために前記制御ユニットにサンプル選別データを送信する演算装置と、
リレーにそれぞれが接続された複数の空気弁又は水弁であって、前記制御ユニットは、前記サンプル選別データに従って前記空気弁又は水弁を開放することを可能とするために前記リレーをトリガし、前記空気弁又は水弁が複数のチャネルを通じて前記サンプルを前記個々のグループ容器に押し込むことを可能とする、空気弁又は水弁と、
を有する装置。
【請求項2】
前記空気弁又は水弁をトリガするための複数のリレー、円盤速度コントローラに接続された前記回転円盤を回転させるモーター、前記複数のリレー及び前記光検出器に電力供給するための少なくとも1つの電源アダプタ、及び前記サンプルが前記光学ユニットの蛍光検出領域をいつ通過したかを検出するための赤外線センサを含むビーム遮断検出器を含む電子回路ユニットをさらに有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記回転円盤に向かうサンプルのフローを制御するために前記回転円盤の前に配置されたガードをさらに有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記サンプルを前記回転円盤に向かって押し出すために複数の水弁をさらに有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記サンプルが前記励起光ビームに晒される前に酸化還元指示薬が前記サンプルに添加されたときに、前記サンプルは、酸化還元反応を起こし、蛍光を変化させ、前記サンプルによって生成される前記放出光は、前記酸化還元反応の後の前記サンプルの蛍光を示す、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記光学ユニットは、
前記レーザー光源から前記励起光ビームを受光するように構成された第1ミラーと、
第1レンズチューブを含み、且つ、前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームを受光し、集束する前に前記励起光ビームを拡大するように構成された伸縮自在のレンズ構成と、
前記伸縮自在のレンズ構成によって第2ミラーに集束された前記励起光ビームを受光し、第1レンズに前記励起光ビームを偏向させるように構成され、二色性であることを特徴する第2ミラーであって、前記第1レンズは、前記サンプルを通過する前記励起光ビームがコリメートされるように、前記サンプル上に投射する前に、前記第2ミラーから受光した前記励起光ビームを再コリメートする、第2ミラーと、
第2レンズチューブを含み、且つ、前記サンプルによって生成された前記放出光を受光するように、且つ、前記光検出器に前記放出光を集束するように構成された集束レンズ構成であって、前記放出光は、前記第1レンズによって受光され、且つ、前記集束レンズ構成に伝達される前に前記第2ミラーを通じて伝送される、集束レンズ
構成と、
前記放出光が前記光検出器に到達する前に前記放出光の帯域幅を狭めるために前記集束レンズ構成に配置された複数のフィルタと、
を含む請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記電気信号は、電圧信号であり、且つ、前記励起光ビームは、約532nmの波長を有する、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記伸縮自在のレンズ構成は、前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームの直径を調節するように構成された虹彩絞りレンズを含む、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の装置を用いた、魚卵等の胚性水生生物サンプル選別方法であって、
複数のサンプルを回転円盤上に装填するステップであって、前記回転円盤は、サンプルをそれぞれ受け取る前記回転円盤の周囲の複数のウェルを含む、ステップと、
励起光ビームを光学ユニット
のレーザー光源によって生成し、且つ、前記励起光ビームを前記サンプル上に投射するステップと、
前記サンプルによって生成された放出光を、
光検出器が前記光学ユニットを介して受光し、前記放出光の強度を電気信号に変換し、前記電気信号を制御ユニットに送信するステップと、
前記放出光である蛍光に基づいて1つ又は複数のグループに前記サンプルを選別するために演算装置のデータ処理アプリケーションによって
前記制御ユニットから受信した前記電気信号を処理するステップと、
を有し、
前記演算装置は、サンプル選別データを前記制御ユニットに送信し、前記制御ユニットが個々のグループ容器において前記グループに従って前記サンプルの収集を実行することを可能にしており、
前記制御ユニットは、前記1つ又は複数のリレーに対応する空気弁又は水弁が前記サンプル選別データに従って開放することを可能にし、前記空気弁又は水弁が前記サンプルを複数のチャネルを通じて個々のグループ容器に押し込むことを可能にするために1つ又は複数のリレーをトリガする、方法。
【請求項10】
前記サンプルが前記励起光ビームに晒される前に酸化還元指示薬が前記サンプルに添加されたときに、前記サンプルは、酸化還元反応を起こし、蛍光を変化させ、前記サンプルによって生成される前記放出光は、前記酸化還元反応の後の前記サンプルの蛍光を示す、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記酸化還元指示薬は、レサズリン又はテトラゾリウム色素を有する、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
励起光ビームを生成し、且つ、前記光学ユニットを通じて投射する前記ステップは、
前記レーザー光源によって前記励起光ビームを生成し、且つ、前記励起光ビームを前記光学ユニットの第1ミラーまで導くステップと、
第1レンズチューブを含む伸縮自在のレンズ構成において前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームを受光し、集束の前に前記励起光ビームを拡大させるステップと、
前記伸縮自在のレンズ構成によって第2ミラー上において前記励起光ビームを集束し、且つ、前記励起光ビームを第1レンズに偏向させるステップと、
を含み、
前記第1レンズは、前記サンプルを通過する前記励起光ビームがコリメートされたビームになるように、前記サンプルに投射する前に、前記第2ミラーから受光した前記励起光ビームを再コリメートする、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1レンズにおいて前記サンプルによって生成された前記放出光を受光し、前記第2ミラーを通じて伝送するステップと、
前記放出光が前記第2ミラーを通過することを許容し、
第2レンズチューブを含む集束レンズ構成において前記放出光を受光するステップと、
前記放出光が光検出器に到達する前に前記放出光の帯域幅を狭めるために前記放出光に前記集束レンズ構成に配置された少なくとも1つのフィルタを通過させるステップと、
をさらに有する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気信号は、電圧信号であり、前記励起光ビームは、約532nmの波長を有
し、
前記伸縮自在のレンズ構成の虹彩絞りレンズによって前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームの直径を調節するステップをさらに有する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記データ処理アプリケーションは、それぞれのサンプルグループごとにグループ閾値を決定するため
に較正を実行するように構成されており、前
記較正は、小さなものから大きなものへと選別されたサンプル平均蛍光値のリストと、前記リストを選別対象のグループのサイズ及び数に基づいてグループセグメントに分割するステップと、を含み、それぞれのグループごとの前記グループ閾値は、それぞれのグループセグメントの境界における蛍光値に基づいて決定される、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT出願は、2019年10月4日付けで出願された米国仮特許出願第62/910,898号の利益及びその優先権を主張するものであり、この特許文献の内容は、引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【0002】
本発明は、生物選別装置、システム、及び方法に関し、より具体的には、蛍光を使用して成長潜在力に応じて魚類胚などの生物を選別することができる装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の特性(例えば、生きているのか、死んでいるのか、小さな眼を有するのか、など)に基づいた生物の選別は、産業界において周知の行為である。また、長年にわたって、選別プロセスを実行するために、いくつかの装置及び機械も開発されてきた。しかしながら、そのような生物を大量に選別する行為を実施することは、きわめて困難な作業である。既存の装置においては、特性を正確、且つ、効率的に特定するために限られた技術しか使用していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの装置には、魚卵などの生物サンプルを分離するための穴を有する回転ディスクが含まれているため、魚卵は各穴に一度に1つずつ分離され、ユーザーは特定のパラメータを測定して不良卵を除去することができる。(特開5,169/67号において開示されているものなどの)魚卵が浮遊している水中において回転する、1つの魚卵のみを収容することができる寸法の複数の穴が形成された円盤を有するその他の装置も存在している。しかしながら、既存の装置は、選別を卵の質の視覚的に明白な測定に制限する装置の検知能力に重大な制限を有する。
【0005】
さらに、従来の装置は、卵の潜在的な成長を正確に決定することができない。既存の装置のほとんどは、生物が生きているか、死んでいるかを判定するのみである。いくつかの装置は、それらを選別するために生物の寸法を判定している。それらは、正確な成長潜在力に基づいて生物を選別してはいない。これらの特性を効率的に特定するために必要とされる技術が実装されてはおらず、従って、既存の装置によっては、相対的に良好な成長のための選別が不可能である。上記を考慮して、生物を選別するための改善されたシステム、装置、及び方法に対する継続的なニーズが存在している。さらに、選別プロセスを改善するために既存の選別機に実装できるシステム及び方法のニーズが存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の様々な実施形態は、一般に、蛍光信号に基づいて、個々の生物、具体的には水生生物を選別するための自動選別に関する。本発明の実施形態は、Renquistらの「Methods and Systems for Measuring Growth Rate in Plant or Aquatic Animal Species」と題された米国特許出願第15/754,126号において開示されている技術に基づいている、この特許文献の内容は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。一実施形態において、本発明は、サンプル選別システムを提供する。このシステムは、励起光ビームを生成し、且つ、1つ又は複数のサンプルに投射するように構成された光学ユニットと、1つ又は複数のサンプルの1つのサンプルによって生成された放出光を、光学ユニットを介して受光し、放出光の強度を電気信号に変換し、且つ、電気信号を制御ユニットに転送する光検出器と、蛍光に基づいて1つ又は複数のグループとしてサンプルを選別するために制御ユニットから受信した電気信号を処理するように構成されたデータ処理アプリケーションを有する演算装置と、を含み、演算装置は、制御ユニットがグループに従ってサンプルを収集できるようにするために制御ユニットにサンプル選別データを送信する。
【0007】
一実施形態において、本発明は、サンプル選別装置を提供する。この装置は、それぞれのサンプルを受け取るために円盤の周囲に複数のウェルを有する回転円盤と、円盤のウェルにサンプルを装填するように構成されたフィーダと、励起光ビームを生成し、且つ、サンプル上に投射するように構成された光学ユニットと、サンプルによって生成された放出光を、光学ユニットを介して受光し、且つ、放出光の強度を電気信号に変換して、電気信号を制御ユニットに転送する光検出器と、蛍光に基づいて1つ又は複数のグループとしてサンプルを選別するために制御ユニットから受信した信号を処理するように構成されたデータ処理アプリケーションを有する演算装置であって、制御ユニットが個々のグループ容器内においてグループに従ってサンプルの収集を実行できるようにするために制御ユニットにサンプル選別データを送信する演算装置と、それぞれのリレーに接続された複数の空気弁又は水弁と、を含み、制御ユニットは、空気弁又は水弁がサンプル選別データに従って開放できるようにリレーをトリガして、空気弁又は水弁がサンプルを複数のチャネルを通じて個々のグループ容器に押し込むことを可能にしている。
【0008】
一実施形態において、本発明は、サンプル選別方法を提供する。この方法は、複数のサンプルを回転円盤上に装填するステップであって、回転円盤は、それぞれのサンプルを受け取るために円盤の周囲に複数のウェルを含む、ステップと、光学ユニットによって励起光ビームを生成し、且つ、励起光ビームをサンプル上に投射するステップと、サンプルによって生成された放出光を、光学ユニットを介して受光し、放出光の強度を電気信号に変換し、且つ、電気信号を制御ユニットに送信するステップと、蛍光に基づいて1つ又は複数のグループとしてサンプルを選別するために演算装置のデータ処理アプリケーションによってデータ制御ユニットから受信した信号を処理するステップと、を含み、演算装置は、サンプル選別データを制御ユニットに送信して、制御ユニットが個々のグループ容器内においてグループに従ってサンプルの収集を実行できるようにしており、制御ユニットは、トリガされたリレーに対応する空気弁又は水弁がサンプル選別データに従って開放できるように1つ又は複数のリレーをトリガして、空気弁又は水弁が複数のチャネルを通じて個々のグループ容器にサンプルを押し込むことを可能にしている。
【0009】
一実施形態において、本発明は、サンプル選別用のコンピュータプログラム製品を提供する。この製品は、プロセッサによって読み取り可能な、選別方法を実行するためにプロセッサによる実行のための命令を保存するコンピュータ可読記憶媒体を含み、この方法は、必要なグループ特性に基づいてグループとして選別されるサンプルの代表的サブセットに対する較正動作を開始するステップと、ピーク検出及び平均化アルゴリズムによってサンプルのサブセット内においてそれぞれのサンプルごとに平均蛍光値を決定するステップと、決定された蛍光値をランク付けし、且つ、サンプルをグループとして分離するステップと、蛍光閾値が、より弱い蛍光を有するグループの最高サンプル値とより強い蛍光を有するグループの最低サンプル値の間にあるように、それぞれのグループの間の境界において蛍光閾値を決定するステップと、サンプルをグループとして選別するためにサンプル選別動作を開始するステップと、1つ又は複数のサンプル内のピークの検出に応答して、1つ又は複数のサンプルの平均蛍光値を較正動作によって決定されたグループ蛍光閾値と比較するステップと、1つ又は複数のサンプルを個々のグループとして選別し、且つ、制御ユニットがグループに従ってサンプルの収集をトリガすることを可能にするために制御ユニットにサンプル選別データを送信するステップと、を有する。
【0010】
一実施形態において、本発明は、サンプルが酸化還元(redox)反応を経験した際にサンプル内の蛍光検出を使用してサンプル生物の成長潜在力を予測する。色の変化をトリガすることによってNADHによる酸化還元指示薬の反応を通知するレサズリンなどの酸化還元指示薬がサンプルに適用されている。魚類胚又はその他の水生生物のようなサンプル生物が相対的に多くの酸素を消費している際には、これは、相対的に高い成長と相関している。酸素消費は、生物内の代謝率の計測において有効な基準であり、従って、酸素消費を直接的に計測する代わりに、本発明は、胚のみの段階において魚類の成長潜在力を早期に予測するために色/蛍光シフトを識別している。本発明のシステム、装置、及び方法は、卵などのすべてのサンプル生物を酸化還元反応の蛍光検出に基づいて高潜在力成長と低潜在力成長に選別している。テトラゾリウム色素などのその他の酸化還元指示薬も、本発明の精神を逸脱することなしに、同様に機能し得る。
【0011】
有利な一態様において、本発明は、生物の成長及び給餌効率を予測するための代謝率分析のスループットを増大させている。また、本技術は、プロモータ駆動型のGFP発現を有する魚類内のX又はY染色体又は遺伝子発現上において蛍光タグを担持するように遺伝子組み換えされた魚類において性別に基づいて選択するように適用された場合には、遺伝子発現又は性別のみならず、その他の特性に基づいて選別するために適用することもできる。本発明は、水生養殖種に適用される場合に特に有用である。さらに、本発明は、選別プロセスを改善し、これにより、選別機用の完全に新しい構造を生成する費用を低減するために、既存の選別機上において実装することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態によるサンプル選別システムの正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による選別装置の側面斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による光学ユニット及び電子回路ユニットを有する選別装置を示す選別装置の斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による制御ユニット及び光学ユニットを示す選別装置の斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるサンプルを除去するために円盤のウェル内において空気又は水を吹き出すように回転円盤の背後において配置された複数の空気弁又は水弁を示す選別装置の斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による個々の容器内に選別された卵を移動させるための複数のチャネルを示す選別装置の平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるガードを有する回転円盤の正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による光学ユニットの斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態による選別装置の光学ユニットの平面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による選別装置の電子回路ユニットの斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態による速度コントローラ及びビームブレーカを有する電子回路ユニットの側面斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるデータ処理アプリケーションによるサンプル選別方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本明細書においては、本発明の実施形態が示されている添付図面を参照し、本発明についてさらに十分に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全且つ十分なものとなるように、且つ、本発明の範囲を当業者に十分に伝達することになるように、提供されるものである。
【0014】
ある要素が別の要素「上」にあると記載されている場合には、その要素は、その他の要素上において直接的に存在することも可能であり、或いは、介在する要素がその間に存在してもよいことを理解されたい。本明細書において使用されている「及び/又は」という用語は、関連する列挙されている項目の1つ又は複数のものの任意の又はすべて他の組合せを含む。
【0015】
本明細書においては、第1、第2、第3などの用語を使用して、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを説明することができるが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるものではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを別の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションから区別するためにのみ使用される。
【0016】
図示されている要素、構成要素、領域、層、及びセクションは、必ずしも正確な縮尺で描かれてはいないことを理解されたい。
【0017】
本明細書において使用されている用語法は、特定の実施形態について記述することを目的としたものに過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において使用されている単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈がそうではない旨を明瞭に示していない限り、複数形を含むものと解釈されたい。「有する(comprises)」及び/又は「有する(comprising)」又は「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書において使用されている際には、記述されている特徴、領域、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を規定しているが、1つ又は複数のその他の特徴、領域、完全体、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0018】
さらに、「下部」又は「最下部」、「上部」又は「最上部」、「左」又は「右」、「上方」又は「下方」、「前部」又は「後部」などの相対的な用語は、本明細書においては、図示されている別の要素に対するある要素の関係を記述するために使用され得る。相対的な用語は、図中において示されている向きに加えて、装置の異なる向きをも包含するように意図されていることを理解されたい。
【0019】
別段の定義がない限り、本明細書におけるすべての用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。一般的に使用されている辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈におけるその意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書においてその旨が明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味において解釈されてはならないことを理解されたい。
【0020】
本発明の例示用の実施形態は、本明細書においては、本発明の理想化された実施形態を参照して記述されている。従って、例えば、製造技術及び/又は許容範囲の結果的としての図の形状からの変形が予想されるべきである。従って、本発明の実施形態は、本明細書において示されている領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造の結果としてもたらされる形状の逸脱をも含むものとして解釈されるべきである。特定の変数の値は、本発明の精神を逸脱することなく、近似値であってもよく、±5%、10%、25%、50%、または、それ以上であってもよい。本明細書において例示的に開示されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素が欠如した状態において実施することができる。
【0021】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるサンプル選別システム100が示されている。システム100は、励起光ビーム(これは、コリメートされた光ビームであってもよいが、必須ではない)を生成し、且つ、1つ又は複数のサンプルに対して投射するために光学ユニット101を含む。励起光ビームは、(
図2に示されている)レーザー光源101aによって生成される。システム100は、サンプルによって放出された放出光(これは、蛍光であってよい)を、光学ユニットを介して受光するための光検出器102をさらに含む。伝達された光の強度は、(電圧などの)電気信号に変換され、制御ユニット103に送信される。また、システムは、蛍光に基づいて1つ又は複数のグループとしてサンプルを選別するために制御ユニット103から信号を処理するように構成されたデータ処理アプリケーションを有する演算装置104を含む。演算装置104は、制御ユニットがグループに従ってサンプルを選別することを可能にするためにサンプル選別データを制御ユニット103に送信している。制御ユニット103は、光検出器102、演算装置104、及び電子回路ユニット105に通信自在に結合されている。電子回路ユニット105は、選別されたグループに従ってサンプルを収集するために電気回路ユニット105の1つ又は複数のコンポーネントを動作させるように制御ユニット103からトリガ信号を受信する。システム100は、光学ユニットからの励起光ビームにさらされたときにサンプルの特性を検出するように構成されたサンプル検出及び収集(SDC)ユニット106を含む。さらに、SDCユニット106は、ユニットを横切ってサンプルを移動させ、選別されたグループごとに容器に収集する手段を含む。
【0022】
一実施形態において、光学ユニット101は、励起光ビームをサンプルに投射して、蛍光に基づいてサンプル内の酸化還元反応を捕捉するように構成される。サンプルに入射した励起光ビームは、光学ユニット101によって補足されたサンプルからの放出光(例えば、蛍光)の放出を開始し、蛍光信号が光検出器102を通じて検出される。制御ユニット103は、1つ又は複数のグループに従ってサンプルを収集するためにSDCユニット106を介して選別動作を開始するように、電子回路ユニット105用のトリガ信号を生成するために演算装置104からサンプル選別データを受信する。
【0023】
図2~
図7を参照すると、本発明の例示的な実施形態による卵サンプル選別装置の様々なコンポーネント/要素の異なる図(100a、100b、100c、100d、100e、100f)が提供される。装置は、卵を装置100aに装填するためのフィーダ107と、卵を回転円盤109に向かって移動させるためにフィーダ107の内側に水を噴霧する1つ又は複数のフィーダ水弁108(108a、108b)と、を含む。フィーダ107は、サンプル卵が円盤109に向かって流れるように下向きの傾斜構造を含む。回転円盤109は、フィーダ107から流れる卵を保持するために円盤109の周囲に複数のウェル110(110a、110b)を含む。装置100aは、回転円盤109に向かう傾斜容器部112を通じてフィーダ107からの卵のフローを制御し、これにより、卵のオーバーフローを防止するためのガード111を含む。フィーダ107は、フィーダ107から供給された卵を受け取り、卵を円盤109のウェル110に装填するフィーダの下方における傾斜容器部112を含む。調節可能ガード111は、傾斜容器部112上にあり、卵の落下を防止している。光学ユニット(又は、光学ボックス)101は、530nmの好ましい波長を有するコリメートされた光ビームを生成し、回転円盤109のウェル110内に装填された卵がコリメートされた光ビームを通過すると、レサズリンを卵内において励起し、卵から590nm波長の光が放出される。放出された光は、光学ユニット101を通過し、光検出器102によって検出される。光検出器102は、信号を制御ユニット/データ取得ユニット(DAU)103に送信する。制御ユニット103は、放出/蛍光信号を読み取り、データを演算装置104に提供する。演算装置104は、制御ユニット103によって提供された放出/蛍光データに基づいて卵を選別するデータ処理アプリケーションを含む。演算装置104は、回転円盤109に向けられた複数の空気弁又は水弁113(113a、113b、113c)の噴出をトリガするために制御ユニット103に信号を送信する。それぞれの空気弁又は水弁113は、回転円盤109のウェル110に向けられており、空気弁又は水弁113のそれぞれに対応するそれぞれのチャネル114(114a、114b、114c)は、卵を受け取り、移動させるように構成されている。卵の選別を要するグループに関する信号内の情報に応じて、空気弁又は水弁113(113a、113b、113c)は、卵を個々のチャネル114(114a、114b、114c)に押し込むために空気又は水を吹き込む。装置は、それぞれのチャネル114(114a、114b、114c)の上方においてチャネル水源115(115a、115b、115c)を含み、水源115は、個々の容器116(116a、116b、116c)に収集されるチャネル114のそれぞれを下るように卵を押し込む。
【0024】
例示的な一実施形態において、装置100aは、装置100aが初期の卵をフィーダ107に接続された較正チャネル114dに押し込む較正機構を含む。制御ユニット103は、空気又は水を背後から円盤109のウェル110内に吹き出す/吐出するために較正空気弁又は水弁113dをトリガする。空気又は水は、卵を較正チャネル114dに押し込む。装置100aは、卵をフィーダ107に押し戻すために較正チャネル114dの上方において較正水源115dを含み、それぞれの卵は、後で選別される。初期較正の後に、較正水源115dは、閉鎖することができる。
【0025】
一実施形態において、制御ユニット103は、別個の複数のアナログ及びデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装され得るプロセッサを含む。プロセッサは、ユーザーインターフェイス、装置によって実行されるアプリケーション、及び装置による無線通信の制御などのその他のコンポーネントの調整を提供することができる。プロセッサは、制御インターフェイス及びディスプレイに結合された表示インターフェイスを介してユーザーと通信することができる。ディスプレイは、例えば、TFT-LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)又はOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、或いは、その他の適切なディスプレイ技術であってよい。ディスプレイインターフェイスは、グラフィック及び他の情報をエンティティ/ユーザーに提示するためにディスプレイを駆動する適切な回路を有することができる。制御インターフェイスは、ユーザーからコマンドを受け取ることができると共に、プロセッサに送信するためにこれらを変換することができる。これに加えて、他の装置との間の近距離通信を可能にするように、プロセッサと通信する外部インターフェイスを提供することもできる。外部インターフェイスは、例えば、いくつかの実装形態においては、有線通信を提供してもよく、或いは、その他の実装形態においては、無線通信を提供してもよく、且つ、複数のインターフェイスを使用することもできる。
【0026】
図8及び
図9は、本発明の一実施形態による光学ユニット101の平面図(100g)及び斜視図(100h)を示している。光学ユニット101は、レーザー光源101aから励起/コリメートされた光ビームを受光するように構成された第1ミラー128(これは、銀ミラーであってよい)を含む。レーザー光源101aは、ミラー128(Thorlabs、PF10-03-P01)に向けられた、調整可能な出力が500mW、532nmのCWレーザーモジュール(Opto Engine LLC、MGL-FN-532)である。レーザー光源は、最大で500mWの出力を有する。光学ユニット101は、ミラー128から偏向された光ビームを受光し、集束する前にビームを広げるように構成された伸縮自在のレンズ構成117をさらに含む。伸縮自在の構成117は、ミラー128から偏向されたビームの直径を調節する虹彩絞り118を含む。伸縮自在の構成117は、レンズチューブ(Thorlabs、SM05V10)を含んでいてもよく、これは、-50.0mmの焦点距離のNBK-7被覆型両凹面レンズ(Thorlabs、LD1357)、100.0mmの焦点距離のNBK-7被覆型平凸レンズ(Thorlabs、LA1207)、及び20.0mmの焦点距離のNBK-7A被覆型平凸面スレンズ(Thorlabs、LA1074-A)を含む。光学ユニット101は、伸縮自在の構成117によってダイクロイックミラー119に収束され、励起/コリメートされたビームを受光するように、ビームを第1レンズ120に偏向させるように構成された567nmのカットオン波長の第2ミラー119(Thorlabs、DMLP567)(これは、ダイクロイックミラーであってよい)を含む。第1レンズ120は、サンプルを通過するビームがコリメートされたビームとなるように、円盤109のサンプルに投射する前に第2ミラー119から受光したビームを再コリメートする。第1レンズ120は、サンプルがサンプル読取り領域を通過するときに、励起/コリメートされたビームをサンプルの表面に投射する。光学ユニットは、第1レンズ120の近傍のユニットの外部表面に銀が塗布されたドームを含む。ドームは、サンプルから放出された蛍光信号の収集を増加させることができる。伸縮自在の構成117及び第1レンズ120は、ビーム直径が計測対象の最小サンプルの直径よりもわずかに小さいことを保証している。532nmの(或いは、約532nmの)光がサンプルに到達するのに伴って、還元型のレサズリンが蛍光を発光し、590nmに近い波長の光を放出する。ユニット101は、光を光検出器102上に収束させるようにサンプルによって放出された放出光(例えば、蛍光)を受光するように構成された収束レンズ構成121を含む。
【0027】
放出光は、第1レンズ120によって収集され、ダイクロイックミラー119を透過してから、集束レンズ装置121に送られる。光学ユニット101は、光が光検出器102に到達する前に放出/蛍光の帯域幅を狭めている集束レンズ構成121内に配置された複数のフィルタ122を含む。1つ又は複数のフィルタの第1の組は、1つ又は複数の550nmのロングパスフィルタ(Thorlabs、FELH0550)であり、これは、550nmより長い波長の光を透過する。1つ又は複数のフィルタの第2の組は、1つ又は複数の600nmのショートパスフィルタ(Thorlabs、FESH0600)であり、これは、600nmより短い波長の光を透過する。集束レンズ構成121は、レンズチューブ(Thorlabs、SM1L20C)を含んでいてもよく、これは、550~600nmのフィルタリング済みの蛍光をシリコン増幅型検出器(Thorlabs、PDA36A2)の活性エリア上に焦点を合わせるように、30.0mmの焦点距離のNBK-7被覆型平凸面スレンズ(Thorlabs、LA1805)及び焦点距離50.0nmのNBK-7A被覆型平凸レンズ(Thorlabs、LA1131-A)を含む。レンズの焦点距離は、ビームの全体が活性エリアの境界内において含まれるように、活性エリア表面を超えて配置されている。光検出器102は、蛍光ビーム信号を捕捉し、信号をBNCケーブル(Thorlabs、2249-C-48)を介して搬送される電圧に変換するチップを含む。ケーブルは、50ΩのBNCターミネータ(Thorlabs、T4119)に接続され、次に、第2のピッグテール型のBNCケーブル(Jameco Benchpro、CBB-069-R)に接続されており、そのリード線は、制御ユニット103のアナログポートにネジ留め式端子を介して接続される。制御ユニット103は、USB駆動型のデータ取得ユニット(Measurement Computing、USB-1208FS-Plus)である。この制御ユニット103は、(LabVIEWソフトウェアプログラムなどの)演算装置104上で実行するデータ処理アプリケーションによって制御されている。
【0028】
例示的な一実施形態において、光学ユニット101のコンポーネントは、PLA+プラスチックから製造された3D印刷されたボックス内において収容されている。それぞれのコンポーネント用のマウントは、M4ねじ及びナットを介して印刷されたボックスに直接的に装着されている。レーザー101aは、PLA+プラスチック製の3D印刷されたボックスに取り付けられている。ミラー128は、キネマティックミラーマウント(Thorlabs、KM100)内に取り付けることができる。ダイクロイックミラー119は、ねじ式キネマティックミラーマウント(Thorlabs、KM100T)に取り付けることができる。伸縮自在の構成117は、レンズマウント(Thorlabs、SMR05/M)及びレンズチューブスリップリング(Thorlabs、SM05RC/M)で取り付けることができる。集束レンズ構成121は、光検出器102に直接的に取り付けられている。光検出器102は、3D印刷されたブラケットに取り付けられており、これにより、光検出器102を3次元で並進的に再配置することができる。
【0029】
一実施形態において、光学ユニット101は、集束レンズ構成に向かってサンプルから放出された放出/蛍光を偏向させるための一対の銀ミラー(Thorlabs、PF10-03-P01)を含むことができる。両方のミラーは、キネマティックミラーマウント(Thorlabs、KM100)に取り付けられている。
【0030】
光学ユニット101内の光学部品の位置合わせは、正確な結果を得るために極めて重要であることから、サンプルからの蛍光を測定する前に位置合わせが検証される。
【0031】
例示的な一実施形態においては、位置合わせの検証のための方法が提供されている。全ての光学部品は、光学ボックスの銀色に塗られたドームが円盤109のウェル110の1つにほぼ中心となるように取り付ける必要がある。光学ボックスを取り付けるための装置100aの構造内には、一連のスロットが存在する。光学ボックスの底部から延在している2つのM4ねじは、装置100a内のスロット内にフィットしており、蝶ナットで固定されている。レーザー101aをオンして、ビームがミラー128で反射し、サンプル読み取り領域に向かって投射するために伸縮自在の構成117のレンズチューブを通って移動することを確認する。ブランクインデックスカードを使用し、光学部品間のビーム経路に配置して検査する。まず、ミラー128に最も近接したレンズチューブの開口部に圧接状態においてインデックスカードを配置する。光の点がレンズチューブ開口部の中央にくるまで、ミラー128を保持しているキネマティックマウントのノブを調節する。インデックスカードをレンズチューブの他方の端部に移動し、開口部内の光の点を中央に配置し、ミラー128を保持しているキネマティックマウントのノブを再度調節する。光線がレンズチューブの両端で同時に中央に配置されるまで、このプロセスを繰り返す。次に、インデックスカードをダイクロイックミラー119と第1レンズ120の間で移動させる。光の点が第1レンズ120の中心にくるまで、ダイクロイックミラー119を保持しているキネマティックマウントのノブを調節する。レーザー光は、いまや、円盤109のウェル110の近傍に入射しているはずである。レーザー光がウェル110内の中心にあり、円盤109の面と平行に延在する光学ボックス101の面が円盤109の面から9.0mmだけ離れるように、光学ボックス101の位置を調節する。いまや、レサズリンなどの蛍光試薬を含む試験サンプル(好ましくは、測定される最小直径のサンプル)をウェル110に配置し、レーザー光がサンプルの中心に配置されるまで円盤109を回転させる必要がある。サンプルに投射するビームがコリメートされるまで、伸縮自在の構成117のレンズチューブ内のダイクロイックミラー119に最も近接したレンズの位置を調節する。これをチェックするために、光学ボックス101のマウントを外して、第1レンズ120を出るレーザー光が数フィートにわたって遮られないようにする。光学ボックス101を出た直後に、インデックスカードをビーム経路に配置し、ビーム径を記録する。レーザー光路に沿って光学ボックス101から離れるようにインデックスカードを移動させ、ビーム径を記録する。ビーム径が変化した場合、伸縮自在の構成117のレンズチューブ内でダイクロイックミラー119に最も近接したレンズが正しく配置されていないため、再調節する必要がある。光学ボックス101を円盤109に隣接した位置に再度取り付け、レーザー光をサンプルの中心に置く。ビームがサンプルの表面にどのように当たるかを観察する。サンプルの表面に入射するビームは、サンプル自体の直径よりもわずかに小さい必要がある。ビーム径の微調整は、伸縮自在の構成117内の虹彩絞りの開口サイズを調節することにより、実行される。集束レンズの構成121のレンズチューブは、複数のレンズ及びフィルタを含む。光検出器102に投射される光を可視化するために、フィルタは最初に集束レンズの構成121から取り外さなければならない。サンプルによって放出された蛍光は、レンズチューブを通過し、光検出器102の活性領域(小さな正方形のシリコンチップ)の近傍に入射する必要がある。検出器レンズチューブの内部をよりよく観察するために、ダストカバーを回転させて、レンズチューブの側面の穴を通して見る。検出器レンズチューブの開放端でインデックスカードを保持する。光検出器102を保持する摺動マウントを調節することにより、開口部内の光の点を中心に配置する。検出器レンズチューブの側面を通して見て、光検出器102を保持する摺動マウントを再度調節することにより、検出器の活性領域にビームを中心に配置する。検出器102の活性領域に入射するビームの直径は活性領域自体よりも大きい場合には、凸レンズを調節する必要がある。ビーム径を相対的に小さくするために、活性領域の70~80%を満たすまで、検出器から離れるようにレンズを移動させる。レンズを調節した後、集束レンズの構成121のビームアライメントを再確認する。レンズの位置に注意し、近傍のコンポーネントにぶつけないように注意しながら、レンズチューブ内へのフィルタの再配置を行う。レンズチューブのダストカバーを閉鎖する。光学ボックスの蓋を閉鎖し、M4ねじで固定する。この後に、位置合わせ工程が完了する。光学ユニット101は、サンプル測定工程の間、移動させない必要がある。
【0032】
例示的な一実施形態において、演算装置104は、サンプル選別動作を制御するデータ処理アプリケーション(LabVIEWプログラム)を含む(
図1)。本発明の、コンピュータ装置、サーバー、プロセッサ、などと呼称されている演算装置104は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、及びその他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すように意図されている。本発明の演算装置は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、及びその他の類似の演算装置などの様々な形態のモバイル装置を表すことを意図しれている。ここで示されているコンポーネント、その接続、及び関係、並びに、その機能は、例示のみを意図しており、本開示で説明及び/又は特許請求されている発明の実装形態を限定することを意図したものではない。
【0033】
データ処理アプリケーションは、制御ユニット/データ取得ユニット103(MCC、USB-1208FS-Plus)を駆動し、制御ユニット/データ取得ユニット103は、シリコン増幅型光検出器102からアナログ入力を同時に取得する。また、制御ユニット103は、デジタル出力を複数の空気弁又は水弁113(113a、113b、113c)(
図5)に送信するために電子回路ユニット105と通信自在にやり取りするように構成されている。制御ユニット103が光検出器102からデータを受信すると、LabVIEWプログラムは、リアルタイムのピーク検出及びピーク平均化を実行して、サンプルがいつ検出され、サンプルがどのグループに選別されるべきかを決定する。データ処理アプリケーションは、(1)蛍光信号がピーク検出閾値を超えていること、並びに、(2)完全なビームブレーカサイクルが正確にウェル110の1つで検出されていること、という特定の基準が充足されたときにピーク(サンプル)を検出する。サンプルの直径が小さく、円盤109の回転が速いと、そのサンプルを表す蛍光ピークのデータポイントが少なくなることに留意することが適当である。ピークが検出されると、ピーク内のすべてのデータポイントにわたる平均蛍光値が記録される。これは、サンプルを個別のグループに選別するために使用される値である。サンプルの選別を完了させるために、(1)選別を要するグループの数、(2)サンプル母集団との比較における選別を要するグループのサイズ(即ち、合計母集団サイズの25%からそれぞれが構成された4つのグループ)、並びに、(3)それぞれのグループの境界を定義する蛍光閾値、といういくつかのさらなる基準が充足される必要がある。それぞれのサンプルが属するグループを決定するために、それぞれのサンプルごとの平均蛍光値がグループの閾値と比較される。選別され得るグループの数は、サンプル選別装置上に設置された空気弁又は水弁の数によって物理的に制限されることに留意することが適切である。
【0034】
例示的な一実施形態において、グループ閾値は、選別の開始時点においては未知であることから、ソーターソフトウェアは、(1)較正モード及び(2)選別モードという2つの異なるモードで実行される。較正モードにおいては、上述のように、ピーク検出及びピーク平均化が実行され、選別対象のサンプル母集団の代表的サブセット内のそれぞれのサンプルごとに平均蛍光値が記録される。次に、平均蛍光値は、最高から最低までランク付けされ、且つ、グループ数及びグループサイズのユーザー定義された基準に基づいて分離さる。蛍光閾値は、それぞれのグループの間の境界で決定され、蛍光閾値がより弱い蛍光を有するグループの最高サンプル値とより強い蛍光を有するグループの最低サンプル値との間にある。
【0035】
選別モードは、サンプル母集団全体を較正モードにおいて定義されたグループに物理的に分離するために使用される。このモードにおいては、ピーク検出及びピーク平均化が、上述のように実行される。ソフトウェアによってピークが検出されるたびに、そのサンプルの平均蛍光値がグループの蛍光閾値と比較され、それがグループの1つにデジタル的に選別される。アプリケーションは、制御ユニット/データ取得ユニット103をトリガして、そのグループに対応する空気弁又は水弁113を起動する。サンプルが空気弁又は水弁出口の前を移動すると、空気又は水の迅速な吹き出しが、サンプルを回転するサンプルローター/円盤から外に放出し、同一のグループのその他のサンプルを収容しているサンプル収集容器116内に放出する(
図2)。このプロセスは、すべてのサンプルがその個々のグループに選別されるまで継続する。それぞれのサンプルごとの平均蛍光値及びグループ選別が、適宜、さらなる分析のためにファイルに保存される。選別モードにおけるスムーズな動作のために、サンプルが検出される瞬間と適切な空気弁又は水弁が空気の吹き出し又は水の流れを放出する瞬間の間の時間遅延を微調整しなければならない。これは、サンプルローターに既知の平均蛍光値のサンプルを配置し、サンプルがそれぞれのグループごとに一貫して正しく選別されるまでLabVIEWプログラム内で時間遅延値を調節することにより、実行できる。また、空気の吹き出し又は水の流れの長さも、ソフトウェアを使用して調節できる。この値は、空気の吹き出し又は水の流れがサンプルローターから外にサンプルを放出するために十分な力を有するように十分な大きさである必要があるが、隣接するサンプルが空気弁又は水弁出口の前面を通過している間に空気の吹き出し又は水の流れがまだ有効ではないように十分に小さいものであることを要する。
【0036】
一実施形態において、データ処理アプリケーションは、ピーク検出及び平均化アルゴリズムを含む。このアルゴリズムは、制御ユニットから放出/蛍光及びビームブレーカ信号を同時に読み取り、定義されたサンプリングレートで反復するステップを含む。ビームブレーカ信号がウェル110の正確に1つについて完全なサイクルを完了させている場合には、そのビームブレーカサイクルと一致する蛍光信号データポイントは、ピークに属し、分析される可能性がある。潜在的なピークのすべてのデータポイントの平均蛍光値が検出閾値よりも大きい場合、データポイントは、1つのサンプルを表すピークに属し、平均蛍光値は保存され、較正及び選別のために使用される。平均蛍光値が検出閾値未満である場合には、ピークは検出されない。
【0037】
別の実施形態において、データ処理アプリケーションは、グループ閾値較正アルゴリズムを含む。グループ閾値を決定するためのパラメータは、ユーザーによって定義される。パラメータは、較正に必要とされるサンプルの数、選別を要するグループの数、選別を要するグループのサイズ(百分率)、などを含み得る。装置は、平均蛍光値を取得するためにピーク検出及び平均化アルゴリズムを実行する。十分なサンプルが検出されると、較正が実行される。サンプル平均蛍光値のリストは、小さなものから大きいものへと選別されている。リストは、選別を要するグループのサイズ及び数に基づいてセグメントに分割される。それぞれのグループの閾値がそれぞれのグループセグメントの境界における蛍光値に基づいて決定される。
【0038】
さらに別の実施形態において、データ処理アプリケーションは、選別アルゴリズムを含む。較正の後に、ピーク検出及び平均化アルゴリズムがサンプルを検出するたびに、サンプルの平均蛍光値がグループ閾値と比較され、グループの配置が決定される。アプリケーションは、演算装置を通じて、制御ユニット/データ取得ユニットに信号を送り、選別動作を実行する。電子回路ユニットに接続された制御ユニットは、必要なコンポーネントをアクティブにして、サンプルを物理的に選別し、適切なグループ容器に収集する。
【0039】
例示的な一実施形態において、ユーザーは、それぞれの空気弁又は水弁ごとに空気又は水パルスの持続時間及び時間遅延を調節して、物理的選別プロセスを微調整することができる。
【0040】
一実施形態において、本発明の演算装置104は、ユーザーが、検出閾値、選別を要するグループの数、グループサイズ(百分率)、較正用のサンプルの数、空気パルス持続時間、それぞれの空気弁又は水弁ごとの時間遅延、などを含む動作パラメータを入力することを可能にするためのグラフィカルユーザーインターフェイスを含む(
図1)。さらには、GUIは、選別を要する卵の合計数、それぞれのグループ内に選別される卵の数、グループ閾値、サンプルピークをリアルタイムで視覚化するための経時的な蛍光信号のグラフを含むその他のグラフィック出力、グループ閾値の較正に使用される値のヒストグラム、時間に伴うグループ閾値のグラフ、などを含む数値出力を表示するように構成されている。
【0041】
一実施形態において、演算装置104は、それぞれの選別動作に固有のユーザー入力値を含むファイル、データが平均蛍光値を含む選別動作の際のそれぞれの検出されたサンプルごとのデータを収容するファイル、グループ配置、及び選別の時点におけるグループ閾値を収容するファイルを提供するデータファイル出力を含む。
【0042】
例示的な一実施形態において、較正データ、選別情報は、将来の選別の反復のために複数のデータベースを含むデータストア内において保存することができる。メモリデータストアは、揮発性メモリであってもよく、不揮発性メモリであってもよく、あるいは、メモリは、また、磁気又は光ディスクなどのコンピュータ可読媒体の別の形態を有することもできる。また、メモリストアは、大容量記憶装置を提供することができる1つ又は複数の記憶装置を含むこともできる。一実装形態において、記憶装置の少なくとも1つは、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、フラッシュメモリ又はその他の同様の半導体メモリ装置、或いは、記憶エリアネットワーク又はその他の構成における装置を含む装置のアレイなどのコンピュータ可読媒体であってもよく、或いは、これを収容することができる。
【0043】
図10及び
図11を参照すると、本発明の一実施形態による電子回路ユニット105の斜視図(100i)及び側面図(100j)が示されている。電子回路ユニット105は、複数の空気弁又は水弁113の1つ又は複数をトリガする複数のリレー123(123a、123b、123c)、円盤速度コントローラ125に接続された円盤109を回転させるモーター124、リレー123及び光検出器102に電力供給するための1つ又は複数の電源アダプタ126、及び円盤内のウェルを検出するための赤外線センサを有するビーム遮断検出器127を含む。赤外線センサは、ビームが円盤を通過し得るかどうかを検知し、その情報を演算装置に伝達し、これにより、演算装置が生物の選別のためのタイミングを決定できる。複数のリレー123(123a、123b、123c)は、制御ユニット103及び複数の空気弁又は水弁113(113a、113b、113c)のそれぞれに接続されている。リレーがオンになると、対応する空気弁又は水弁がトリガされ、開放し、空気が放出される。空気弁又は水弁113(113a、113b、113c)は、空気弁又は水弁が開いたときに空気又は水を生成する空気又は水源に接続されている。電子回路ユニットは、回転円盤に動力を供給するためのDCモーターを含み、DCモーターは、円盤109の回転速度を制御するように構成された速度コントローラ125に接続されている。速度コントローラ125は、円盤109の回転を開始/停止するための電源オン/オフスイッチ125aと、円盤109の回転の速度を制御するための速度ノブ125bと、を含む。
【0044】
本発明の例示的な実施形態は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であってよい。本発明のデータ処理アプリケーションは、サンプルの選別を可能にするコンピュータプログラム製品と共に内蔵することができる。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためにその上部においてコンピュータ可読プログラム命令を有する1つのコンピュータ可読記憶媒体(或いは、複数の媒体)を含むことができる。媒体は、その内部において、例えば、本開示の機能を提供し、促進するためにコンピュータ可読プログラムコード(命令)を具体化している。製造品(コンピュータプログラム製品)は、コンピュータシステム/演算装置の一部として、または、別個の製品として、含まれ得る。
【0045】
図12を参照すると、データ処理アプリケーションによるサンプル選別の方法を示すフローチャート200が提供されている。この方法は、必要とされるグループ特性に基づいたグループへの選別を要するサンプルの代表的なサブセットに対して較正動作を開始するステップ201を含む。ステップ202において、ピーク検出及び平均化アルゴリズムによって、サンプルのサブセット内のそれぞれのサンプルごとに平均蛍光値を決定する。ステップ203において、決定された蛍光値をランク付けし、サンプルをグループに分離する。ステップ204において、蛍光閾値がより弱い蛍光を有するグループの最高サンプル値とより強い蛍光を有するグループの最低サンプル値の間にあるように、それぞれのグループの間の境界において蛍光閾値を決定する。ステップ205において、サンプルをグループに選別するサンプル選別動作を開始し、ステップ206において、1つ又は複数のサンプルにおけるピークの検出に応答して、1つ又は複数のサンプルの平均蛍光値を較正動作によって決定されたグループ蛍光閾値と比較する。ステップ207において、1つ又は複数のサンプルを個々のグループに選別し、制御ユニットがグループに従ってサンプルの収集をトリガすることを可能にするためにサンプル選別データを制御ユニットに送信する。
【0046】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用される命令を保持及び記憶可能であり、例えば、これは、有形の装置であってよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定を伴うことなしに、電磁記憶装置、電子記憶装置、光記憶装置、半導体記憶装置、磁気記憶装置、又は以上のものの任意の適切な組合せであってよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、携帯型コンピュータディスケット、読み出し専用メモリ(ROM)、携帯型コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フロッピーディスク、メモリスティック、その上部において記録された命令を有するパンチカード又は溝内において隆起した構造などの機械的にエンコーディングされた装置、及び以上のものの任意の適切な組合せを含む。本明細書において使用されているコンピュータ可読記憶媒体は、それ自体が、高周波又はその他の自由に伝播する電磁波、導波路又はその他の送信媒体を通じて伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、或いは、ワイヤを通じて送信される電気信号などの一時的な信号であるものと解釈してならない。
【0047】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から個々の演算/処理装置に、または、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又は無線ネットワークなどのネットワークを介して外部コンピュータ又は外部記憶装置に、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルーター、ファイヤウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバーで構成される。それぞれの演算/処理装置内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェイスは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、個々の演算/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0048】
以上、本発明について例示的な実施形態に関して説明したが、使用された用語は、限定的ではなく説明のための用語であることを理解されたい。当業者に理解されるように、その完全で公正な範囲の付与を要する添付の請求の範囲によって定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更を実施することができる。
[態様1]
サンプル選別システムであって、
励起光ビームを生成し、1つ又は複数のサンプルに投射するように構成された光学ユニットと、
前記光学ユニットを介して前記1つ又は複数のサンプルの1つのサンプルによって生成された放出光を受光し、前記放出光の強度を電気信号に変換し、前記電気信号を制御ユニットに転送する光検出器と、
前記制御ユニットから受信した前記電気信号を処理して、蛍光に基づいて前記サンプルを1つ又は複数のグループに選別するように構成されたデータ処理アプリケーションを有する演算装置と、
を有し、
前記演算装置は、前記制御ユニットが前記1つ又は複数のグループに従って前記サンプルを収集することを可能とするためにサンプル選別データを前記制御ユニットに送信する、サンプル選別システム。
[態様2]
前記サンプルが前記励起光ビームに晒される前に酸化還元指示薬が前記サンプルに添加されたときに、前記サンプルは、酸化還元反応を起こし、蛍光を変化させ、
前記サンプルによって生成される前記放出光は、前記酸化還元反応の後の前記サンプルの蛍光を示す、
態様1に記載のシステム。
[態様3]
前記サンプルは、胚性水生生物である、態様2に記載のシステム。
[態様4]
前記光学ユニットは、
レーザー光源から前記励起光ビームを受光するように構成された第1ミラーと、
前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームを受光し、集束する前に前記励起光ビームを拡大するように構成された伸縮自在のレンズ構成と、
前記伸縮自在の構成によって第2ミラーに集束された前記励起光ビームを受光し、第1レンズに前記励起光ビームを偏向させるように構成され、二色性であることを特徴とする第2ミラーであって、前記第1レンズは、前記サンプルを通過する前記励起光ビームがコリメートされたビームとなるように、前記サンプル上に投射する前に、前記第2ミラーから受光した前記励起光ビームを再コリメートする、第2ミラーと、
前記サンプルによって生成された前記放出光を受光するように、且つ、前記光検出器に前記放出光を集束するように構成された集束レンズ構成であって、前記放出光は、前記第1レンズによって受光され、且つ、前記集束レンズ構成に伝達される前に前記第2ミラーを通じて伝送される、集束レンズ構成と、
前記放出光が前記光検出器に到達する前に前記放出光の帯域幅を狭めるために前記集束レンズ構成に配置されている複数のフィルタと、
を含む態様2に記載のシステム。
[態様5]
前記電気信号は、電圧信号であり、且つ、前記励起光ビームは、約532nmの波長を有する、態様4に記載のシステム。
[態様6]
前記伸縮自在のレンズ構成は、前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームの直径を調節するように構成された虹彩絞りを含む、態様5に記載のシステム。
[態様7]
前記1つ又は複数のグループに従って前記サンプルを収集するために電子回路ユニットの1つ又は複数のコンポーネントを動作させるように前記制御ユニットから前記電気信号を受信するように構成された電子回路ユニットをさらに有する、態様1に記載のシステム。
[態様8]
サンプル選別装置であって、
サンプルをそれぞれ受け取るために回転円盤の周囲において複数のウェルを有する回転円盤と、
前記回転円盤の前記複数のウェル上に前記サンプルを装填するように構成されたフィーダと、
励起光ビームを生成し、前記サンプルに集束するように、構成された光学ユニットと、
前記サンプルによって生成された放出光を、前記光学ユニットを介して受光し、前記放出光の強度を電気信号に変換し、前記電気信号を制御ユニットに転送する光検出器と、
蛍光に基づいて前記サンプルを1つ又は複数のグループに選別するために前記制御ユニットから受信した前記電気信号を処理するように構成されたデータ処理アプリケーションを有する演算装置であって、前記制御ユニットが個々のグループ容器内の前記グループに従って前記サンプルの収集を実行することを可能とするために前記制御ユニットにサンプル選別データを送信する演算装置と、
リレーにそれぞれが接続された複数の空気弁又は水弁であって、前記制御ユニットは、前記サンプル選別データに従って前記空気弁又は水弁を開放することを可能とするために前記リレーをトリガし、前記空気弁又は水弁が複数のチャネルを通じて前記サンプルを前記個々のグループ容器に押し込むことを可能とする、空気弁又は水弁と、
を有する装置。
[態様9]
前記空気弁又は水弁をトリガするための複数のリレー、円盤速度コントローラに接続された前記回転円盤を回転させるモーター、前記複数のリレー及び前記光検出器に電力供給するための少なくとも1つの電源アダプタ、及び前記サンプルが前記光学ユニットの蛍光検出領域をいつ通過したかを検出するための赤外線センサを含むビーム遮断検出器を含む電子回路ユニットをさらに有する、態様8に記載の装置。
[態様10]
前記回転円盤に向かうサンプルのフローを制御するために前記回転円盤の前に配置されたガードをさらに有する、態様8に記載の装置。
[態様11]
前記サンプルを前記回転円盤に向かって押し出すために複数の水弁をさらに有する、態様8に記載の装置。
[態様12]
前記サンプルが前記励起光ビームに晒される前に酸化還元指示薬が前記サンプルに添加されたときに、前記サンプルは、酸化還元反応を起こし、蛍光を変化させ、前記サンプルによって生成される前記放出光は、前記酸化還元反応の後の前記サンプルの蛍光を示す、態様8に記載の装置。
[態様13]
前記サンプルは、胚性水生生物である、態様12に記載の装置。
[態様14]
前記光学ユニットは、
レーザー光源から前記励起光ビームを受光するように構成された第1ミラーと、
前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームを受光し、集束する前に前記励起光ビームを拡大するように構成された伸縮自在のレンズ構成と、
前記伸縮自在のレンズ構成によって第2ミラーに集束された前記励起光ビームを受光し、第1レンズに前記励起光ビームを偏向させるように構成され、二色性であることを特徴する第2ミラーであって、前記第1レンズは、前記サンプルを通過する前記励起光ビームがコリメートされるように、前記サンプル上に投射する前に、前記第2ミラーから受光した前記励起光ビームを再コリメートする、第2ミラーと、
前記サンプルによって生成された前記放出光を受光するように、且つ、前記光検出器に前記放出光を集束するように構成された集束レンズ構成であって、前記放出光は、前記第1レンズによって受光され、且つ、前記集束レンズ構成に伝達される前に前記第2ミラーを通じて伝送される、集束レンズアレイと、
前記放出光が前記光検出器に到達する前に前記放出光の帯域幅を狭めるために前記集束レンズ構成に配置された複数のフィルタと、
を含む態様8に記載の装置。
[態様15]
前記電気信号は、電圧信号であり、且つ、前記励起光ビームは、約532nmの波長を有する、態様14に記載の装置。
[態様16]
前記伸縮自在のレンズ構成は、前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームの直径を調節するように構成された虹彩絞りレンズを含む、態様15に記載の装置。
[態様17]
サンプル選別方法であって、
複数のサンプルを回転円盤上に装填するステップであって、前記回転円盤は、サンプルをそれぞれ受け取る前記回転円盤の周囲の複数のウェルを含む、ステップと、
励起光ビームを光学ユニットによって生成し、且つ、前記励起光ビームを前記サンプル上に投射するステップと、
前記サンプルによって生成された放出光を、前記光学ユニットを介して受光し、前記放出光の強度を電気信号に変換し、前記電気信号を制御ユニットに送信するステップと、
蛍光に基づいて1つ又は複数のグループに前記サンプルを選別するために演算装置のデータ処理アプリケーションによってデータ制御ユニットから受信した前記電気信号を処理するステップと、
を有し、
前記演算装置は、サンプル選別データを前記制御ユニットに送信し、前記制御ユニットが個々のグループ容器において前記グループに従って前記サンプルの収集を実行することを可能にしており、
前記制御ユニットは、前記1つ又は複数のリレーに対応する空気弁又は水弁が前記サンプル選別データに従って開放することを可能にし、前記空気弁又は水弁が前記サンプルを複数のチャネルを通じて個々のグループ容器に押し込むことを可能にするために1つ又は複数のリレーをトリガする、方法。
[態様18]
前記サンプルが前記励起光ビームに晒される前に酸化還元指示薬が前記サンプルに添加されたときに、前記サンプルは、酸化還元反応を起こし、蛍光を変化させ、前記サンプルによって生成される前記放出光は、前記酸化還元反応の後の前記サンプルの蛍光を示す、態様17に記載の方法。
[態様19]
前記酸化還元指示薬は、レサズリン又はテトラゾリウム色素を有する、態様18に記載の方法。
[態様20]
前記サンプルは、胚性水生生物である、態様18に記載の方法。
[態様21]
励起光ビームを生成し、且つ、前記光学ユニットを通じて投射する前記ステップは、
レーザー光源によって前記励起光ビームを生成し、且つ、前記励起光ビームを前記光学ユニットの第1ミラーまで導くステップと、
伸縮自在のレンズ構成において前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームを受光し、集束の前に前記励起光ビームを拡大させるステップと、
前記伸縮自在のレンズ構成によって第2ミラー上において前記励起光ビームを集束し、且つ、前記励起光ビームを第1レンズに偏向させるステップと、
を含み、
前記第1レンズは、前記サンプルを通過する前記励起光ビームがコリメートされたビームになるように、前記サンプルに投射する前に、前記第2ミラーから受光した前記励起光ビームを再コリメートする、態様18に記載の方法。
[態様22]
前記第1レンズにおいて前記サンプルによって生成された前記放出光を受光し、前記第2ミラーを通じて伝送するステップと、
前記放出光が前記第2ミラーを通過することを許容し、集束レンズ構成において前記放出光を受光するステップと、
前記放出光が光検出器に到達する前に前記放出光の帯域幅を狭めるために前記放出光に前記集束レンズ構成に配置された少なくとも1つのフィルタを通過させるステップと、
をさらに有する、態様21に記載の方法。
[態様23]
前記電気信号は、電圧信号であり、前記励起光ビームは、約532nmの波長を有する、態様22に記載の方法。
[態様24]
前記伸縮自在のレンズ構成の虹彩絞りレンズによって前記第1ミラーから偏向された前記励起光ビームの直径を調節するステップをさらに有する、態様23に記載の方法。
[態様25]
前記データ処理アプリケーションは、それぞれのサンプルグループごとにグループ閾値を決定するために回転較正を実行するように構成されており、前記回転較正は、小さなものから大きなものへと選別されたサンプル平均蛍光値のリストと、前記リストを選別対象のグループのサイズ及び数に基づいてグループセグメントに分割するステップと、を含み、それぞれのグループごとの前記グループ閾値は、それぞれのグループセグメントの境界における蛍光値に基づいて決定される、態様17に記載の方法。
[態様26]
前記サンプルを1つ又は複数のグループに選別するために前記制御ユニットから受信した前記電気信号を処理する前記ステップは、前記サンプルのグループ配置を決定するためにそれぞれのサンプルの平均蛍光値を前記グループ閾値と比較するステップを含む、態様25に記載の方法。
[態様27]
前記データ処理アプリケーションは、そのグループ配置を決定するためにサンプル平均蛍光値をサンプルグループ閾値と比較するように構成されており、ピーク検出及び平均化アルゴリズムは、それぞれのサンプルの検出の際に前記平均蛍光値を決定する、態様26に記載の方法。
[態様28]
サンプル選別用のコンピュータプログラム製品であって、プロセッサによって読み取り可能であって、選別方法を実行するために前記プロセッサによる実行のための命令を保存するコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータプログラム製品において、前記方法は、
必要とされているグループ特性に基づいたグループ内への選別を要するサンプルの代表的なサブセットに対して較正動作を開始するステップと、
ピーク検出及び平均化アルゴリズムによって前記サンプルの前記代表的なサブセット内においてそれぞれのサンプルごとに平均蛍光値を決定するステップと、
前記決定された蛍光値をランク付けし、且つ、前記サンプルを前記グループに分離するステップと、
蛍光閾値がより弱い蛍光を有するグループの最高サンプル値とより強い蛍光を有するグループの最低サンプル値の間にあるように、それぞれのグループの間の境界において前記蛍光閾値を決定するステップと、
前記サンプルをグループに選別するためにサンプル選別動作を開始するステップと、
1つ又は複数のサンプル内のピークの検出に応答して、1つ又は複数のサンプルの前記平均蛍光値を前記較正動作によって決定されたグループ蛍光閾値と比較するステップと、
前記1つ又は複数のサンプルを個々のグループに選別し、且つ、制御ユニットが前記グループに従って前記サンプルの収集をトリガすることを可能とするためにサンプル選別データを前記制御ユニットに送信するステップと、
を有する、コンピュータプログラム製品。
[態様29]
前記ピーク検出及び平均化アルゴリズムは、
前記制御ユニットからビームブレーカ及び蛍光信号を読み取り、且つ、定義されたサンプリングレートにおいて反復するステップを含み、
ビームブレーカ信号が回転円盤の正確に1つのウェルについてフルサイクルを完了している場合に、ビーム遮断サイクルと一致するすべての蛍光信号データポイントは、そのデータポイントに跨る平均蛍光値>検出閾値である場合に、1つのサンプルを表すピークに属しており、且つ、前記平均蛍光値は、保存され、且つ、較正及び選別のために使用され、前記平均蛍光値が前記検出閾値未満である場合には、ピークは検出されない、態様28に記載のコンピュータプログラム製品。
[態様30]
前記プロセッサがサンプル選別データを保存するための保存を自動的に追加するようにする命令をさらに保存する、態様28に記載のコンピュータ可読記憶媒体。