(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】クロック送信方法、クロック受信方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20240904BHJP
H03H 17/00 20060101ALN20240904BHJP
【FI】
H04L7/00 250
H03H17/00 601F
H03H17/00 621E
(21)【出願番号】P 2022550187
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2021101821
(87)【国際公開番号】W WO2021259324
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】202010591351.X
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】続博雄
(72)【発明者】
【氏名】関童童
(72)【発明者】
【氏名】曾富前
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03599736(EP,A1)
【文献】特開2011-151609(JP,A)
【文献】特開2015-177425(JP,A)
【文献】特開平05-122150(JP,A)
【文献】特開2016-039396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H03H 17/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側に適用されるクロック送信方法であって、
第1入力クロックと第2入力クロックを入力するステップと、
前記第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得するステップと、
前記第2入力クロックから第2サンプリングクロックを取得するステップと、
前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定するステップであって、前記第1周波数制御ワードは、前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックとの間のクロック周波数の関係を示すためのものであるステップと、
前記第1入力クロックからクロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を受信側に送信するステップであって、前記クロック信号は、前記第1周波数制御ワードが少なくとも付されているステップとを含
み、
前記第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得する前記ステップは、
所定の第1倍数により前記第1入力クロックを周波数逓倍して、前記第1サンプリングクロックを得るステップであって、前記第1サンプリングクロックは、前記第2サンプリングクロックのクロック周波数との比率が所定の範囲にあるステップを含む、クロック送信方法。
【請求項2】
前記第1周波数制御ワードは、前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックのクロック周波数の比率、及び前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックのクロック周波数の差のうちの少なくとも1つを示す、請求項1に記載のクロック送信方法。
【請求項3】
前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定する前記ステップは、
前記第1サンプリングクロックのクロック信号と前記第2サンプリングクロックのクロック信号に対してそれぞれ、周波数をサンプリングし、前記第1周波数制御ワードを決定するステップを含む、請求項2に記載のクロック送信方法。
【請求項4】
前記第1サンプリングクロックのクロック信号と前記第2サンプリングクロックのクロック信号に対してそれぞれ、周波数をサンプリングし、前記第1周波数制御ワードを決定する前記ステップは、
前記第1サンプリングクロックのクロックエッジを累積するステップと、
前記第2サンプリングクロックのクロックエッジを判定し、かつ判定結果に基づいて前記第2サンプリングクロックのクロックエッジをカウントするステップと、
前記第1サンプリングクロックのクロックエッジが所定の数値まで累積された場合、前記第2サンプリングクロックのクロックエッジのカウント値を決定して前記第1周波数制御ワードを得るステップとを含む、請求項3に記載のクロック送信方法。
【請求項5】
所定の第1倍数により前記第1入力クロックを周波数逓倍して、前記第1サンプリングクロックを得る前記ステップは、さらに、
所定の第2倍数により前記第1入力クロックを周波数逓倍して、前記クロック信号を生成するための第1送信クロックを得るステップと、
所定の第3倍数により前記第1送信クロックを周波数逓倍して、前記第1サンプリングクロックを得るステップとを含む、請求項
1に記載のクロック送信方法。
【請求項6】
前記第2入力クロックから第2サンプリングクロックを取得する前記ステップは、
所定の第4倍数により前記第2入力クロックを周波数逓倍して前記第2サンプリングクロックを得るステップを含む、請求項
5に記載のクロック送信方法。
【請求項7】
前記クロック信号には、さらに、前記第1倍数、前記第2倍数、前記第3倍数、前記第4倍数が付されている、請求項
6に記載のクロック送信方法。
【請求項8】
前記第1入力クロックからクロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を受信側に送信する前記ステップは、さらに、
所定のフィルタリング方式により前記第1周波数制御ワードをフィルタリングするステップと、
前記第1入力クロックからフィルタリングした前記第1周波数制御ワードが付されている前記クロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を前記受信側に送信するステップとを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のクロック送信方法。
【請求項9】
前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定する前記ステップは、さらに、
前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックから前記第1周波数制御ワードを決定することを繰り返して実行し、複数の前記第1周波数制御ワードを得るステップを含み、
所定のフィルタリング方式により前記第1周波数制御ワードをフィルタリングする前記ステップは、複数の前記第1周波数制御ワードの平均値をフィルタリングした前記第1周波数制御ワードとするステップを含む、請求項
8に記載のクロック送信方法。
【請求項10】
前記第1入力クロックからクロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を受信側に送信する前記ステップは、
前記第1入力クロックをエンコードしてそのクロック周波数が前記第1入力クロックのクロック周波数である前記クロック信号を生成し、かつ前記第1周波数制御ワードを前記クロック信号に含め、かつ前記クロック信号を受信側に送信するステップを含む、請求項1に記載のクロック送信方法。
【請求項11】
前記クロック送信方法は、
第3入力クロックを入力するステップと、
前記第3入力クロックから第3サンプリングクロックを取得し、前記第1サンプリングクロックと前記第3サンプリングクロックから第2周波数制御ワードを決定するステップであって、前記第2周波数制御ワードは、前記第1サンプリングクロックと前記第3サンプリングクロックとの間のクロック周波数の関係を示すためのものであるステップと、をさらに含み、
ここで、受信側に送信された前記クロック信号は、前記第1周波数制御ワードと前記第2周波数制御ワードが少なくとも付されている、請求項1に記載のクロック送信方法。
【請求項12】
受信側に適用されるクロック受信方法であって、
送信側から送信されたクロック信号を受信するステップであって、前記クロック信号は、前記送信側の第1入力クロックから生成され、か
つ第1サンプリングクロック
と第2サンプリングクロックとの間のクロック周波数の関係を示すための第1周波数制御ワードが少なくとも付されて
おり、前記第1サンプリングクロックは、前記第1入力クロックを周波数逓倍して得られ、前記第2サンプリングクロックは、前記送信側の第2入力クロックから所定の規則に従って決定され、前記第1サンプリングクロックは、前記第2サンプリングクロックのクロック周波数との比率が所定の範囲にあるステップと、
前記クロック信号から前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードを決定するステップと、
前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードから前記第2入力クロックを決定するステップとを含む、クロック受信方法。
【請求項13】
前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードから前記第2入力クロックを決定する前記ステップは、
前記第1入力クロックから前記第1サンプリングクロックを取得し、かつ前記第1サンプリングクロックと前記第1周波数制御ワードから複数の第1位相アドレスを決定するステップであって、前記第1位相アドレスは、前記第2サンプリングクロックの位相を示すためのものであるステップと、
前記複数の第1位相アドレスに基づいて前記第2サンプリングクロックを決定し、かつ前記第2サンプリングクロックから前記第2入力クロックを決定するステップとを含む、請求項
12に記載のクロック受信方法。
【請求項14】
前記第1入力クロックから前記第1サンプリングクロックを取得し、かつ前記第1サンプリングクロックと前記第1周波数制御ワードから複数の第1位相アドレスを決定する前記ステップは、
前記第1サンプリングクロックのクロックエッジにより前記第1周波数制御ワードを累積し、かつ前記第1周波数制御ワードの毎回の累積結果に基づいて前記複数の第1位相アドレスを得るステップを含み、
前記複数の第1位相アドレスに基づいて前記第2サンプリングクロックを決定する前記ステップは、
前記複数の第1位相アドレスと所定のマッピング関係に基づいて前記第2サンプリングクロックの波形を得るステップであって、前記マッピング関係は、前記第1位相アドレスと前記第2サンプリングクロックの所定の波形パラメータとの間のマッピング関係を示すためのものであるステップと、
前記第2サンプリングクロックの波形から前記第2サンプリングクロックのクロック周波数を決定するステップとを含む、請求項
13に記載のクロック受信方法。
【請求項15】
前記波形パラメータは、周期的波形のパラメータを示し、前記波形パラメータは、矩形波出力レベル値、正弦波出力レベル値、三角波出力レベル値、鋸歯状波出力レベル値、パルス出力レベル値の少なくとも1つを含む、請求項
14に記載のクロック受信方法。
【請求項16】
前記波形パラメータが前記矩形波出力レベル値である場合、前記複数の第1位相アドレスと所定のマッピング関係に基づいて前記第2サンプリングクロックの波形を得る前記ステップは、
前記マッピング関係に基づいて前記複数の第1位相アドレスを判定し、かつ判定結果に基づいて前記第2サンプリングクロックの波形を得るステップを含む、請求項
15に記載のクロック受信方法。
【請求項17】
前記波形パラメータが前記正弦波出力レベル値である場合、前記複数の第1位相アドレスと所定のマッピング関係に基づいて前記第2サンプリングクロックの波形を得る前記ステップは、
前記複数の第1位相アドレスと前記マッピング関係に基づいて前記複数の第1位相アドレスにそれぞれ対応する複数の前記正弦波出力レベル値を得るステップと、
複数の前記正弦波出力レベル値をデジタル/アナログ変換して前記第2サンプリングクロックの波形を得るステップとを含む、請求項
15に記載のクロック受信方法。
【請求項18】
前記クロック信号には、さらに、第2周波数制御ワードが付されており、前記第2周波数制御ワードが第1サンプリングクロックと第3サンプリングクロックとの間のクロック周波数の関係を示し、前記第3サンプリングクロックが前記送信側の第3入力クロックから所定の規則に従って決定され、
前記クロック受信方法は、
前記クロック信号から前記第2周波数制御ワードを決定するステップと、
前記第1入力クロックと前記第2周波数制御ワードから前記第3入力クロックを決定するステップとをさらに含む、請求項
15に記載のクロック受信方法。
【請求項19】
プロセッサによって実行されると請求項1~
11のいずれか一項に記載のクロック送信方法、又は請求項
12~
18のいずれか一項に記載のクロック受信方法を実現するように構成されるコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202010591351.X、出願日が2020年6月24日の中国特許出願に基づいて提案されており、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全内容は参照として本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、通信の技術分野に関し、具体的には、クロック送信装置及び方法、クロック受信装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークのスループットの連続的な向上に伴い、大容量スイッチ、ルータなどの通信機器の業務カードの種類、ラックスロットはますます多くなっている。様々な業務に対応するクロック配信は通信機器に不可欠な機能であり、一般的に、通信機器は1から無限大の外部回線の様々な周波数源クロックを受信する必要がある。例えば、20スロットのシステムの場合、アップリンク及びダウンリンクのクロック配線は、合計40本のラインを配置する必要がある。システムに周波数源の異なる2種類のクロックが配信と返信用に存在する場合は、合計80本のラインを配置する必要がある。さらに差動配線方式を採用すると合計160本のラインを配置する必要がある。それぞれのスロットにおける周波数源の異なるクロック数が増加するにつれて、上記クロックに対応するライン数は倍々に増加する。
【0004】
また、通信機器では、上記の配線は、通常、数10cm連続して配置されており、大型通信機器では、1m以上連続して配置しなければ接続できないものもある。通信機器の小型化、集積化、低コスト化の設計理念に伴い、通信機器の内部で配線が可能なバックプレーンの空間は非常に限られており、数が多く長距離配線が必要な上記クロック配線は、自身の空間が非常に限られているバックプレーンにとって、クロック配線の配置が困難である。
【0005】
上記分野のいくつかの場面では、通信機器のクロック配信中にクロック配線を配置することが複雑すぎて実現が困難であるという問題に対して、当該分野では、まだ有効な解決策が提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、クロック送信装置及びその方法、クロック受信装置及びその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の一実施例によれば、
第1入力クロックと第2入力クロックを入力するように構成される入力ユニットと、前記第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと前記第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックを取得し、かつ前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックに基づいて、前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定するように構成されるサンプリングユニットと、前記第1入力クロックから前記第1周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を受信側に送信するように構成される送信ユニットとを含む、クロック送信装置を提供する。
【0008】
本願の別の実施例によれば、さらに、
送信側から送信されたクロック信号を受信するように構成される受信ユニットであって、前記クロック信号は、前記送信側の第1入力クロックから生成され、かつ前記第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと前記送信側の第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードが少なくとも付され、前記受信ユニットはさらに、前記クロック信号から前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードを決定する、受信ユニットと、前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードから前記第2入力クロックを決定するように構成される復元ユニットとを含む、クロック受信装置を提供する。
【0009】
本願の別の実施例によれば、
第1入力クロックと第2入力クロックを入力するように構成される入力ユニットと、前記第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと前記第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックを取得し、かつ前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックに基づいて、前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定するように構成されるサンプリングユニットと、前記第1入力クロックから前記第1周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を受信側に送信するように構成される送信ユニットと、前記クロック信号を受信し、かつ前記クロック信号から前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードを決定するように構成される受信ユニットと、前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードから前記第2入力クロックを決定するように構成される復元ユニットとを含む、クロック伝送システムを提供する。
【0010】
本願の別の実施例によれば、さらに、送信側に適用されるクロック送信方法であって、第1入力クロックと第2入力クロックを入力するステップと、前記第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得し、前記第2入力クロックから第2サンプリングクロックを取得し、かつ前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックから前記第1サンプリングクロックと前記第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定するステップと、前記第1入力クロックから前記第1周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつ前記クロック信号を受信側に送信するステップとを含む、クロック送信方法を提供する。
【0011】
本願の別の実施例によれば、さらに、受信側に適用されるクロック受信方法であって、送信側から送信されたクロック信号を受信するステップであって、前記クロック信号は、前記送信側の第1入力クロックから生成され、かつ前記第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと前記送信側の第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードが少なくとも付されているステップと、前記クロック信号から前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードを決定するステップと、前記第1入力クロックと前記第1周波数制御ワードから前記第2入力クロックを決定するステップとを含む、クロック受信方法を提供する。
【0012】
本願の別の実施例によれば、さらに、実行されると上記のいずれかの方法実施例におけるステップを実現するように構成されるコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0013】
本願の別の実施例によれば、さらに、メモリとプロセッサを含み、前記メモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行して上記のいずれかの方法実施例におけるステップを実現するように構成される電子装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本分野のいくつかの場面に係るクロック配信の接続概略図である。
【
図2】本願の実施例に係るクロック送信装置の第1機能概略図である。
【
図3】本願の実施例に係るクロック送信装置の第2機能概略図である。
【
図4】本願の実施例に係るクロック送信装置の第3機能概略図である。
【
図5】本願の実施例に係るクロック送信装置の第4機能概略図である。
【
図6】本願の実施例に係るクロック送信装置の第5機能概略図である。
【
図7】本願の実施例に係るクロック送信装置の第6機能概略図である。
【
図8】本願の実施例に係るクロック受信装置の第1機能概略図である。
【
図9】本願の実施例に係るクロック受信装置の第2機能概略図である。
【
図10】本願の実施例に係るクロック受信装置の第3機能概略図である。
【
図11】本願の実施例に係るクロック受信装置の第4機能概略図である。
【
図12】本願の例示的な実施例に係るクロックネットワーキングのトポロジー図である。
【
図13】本願の実施例に係るクロックネットワーキングの第1内部実装トポロジー図である。
【
図14】本願の例示的な実施例に係るフレーミング概略図である。
【
図15】本願の例示的な実施例に係るデューティ比変調に基づくPWMエンコードの概略図である。
【
図16】本願の例示的な実施例に係るマンチェスターエンコードに基づくPWMエンコードの概略図である。
【
図17】本願の実施例に係るクロックネットワーキングの第2内部実装トポロジー図である。
【
図18】本願の実施例に係るクロック伝送システムの機能概略図である。
【
図19】本願の実施例に係るクロック送信方法のフローチャートである。
【
図20】本願の実施例に係るクロック伝送システムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例と組み合わせて本願の実施例を詳しく説明する。
なお、本願の明細書、特許請求の範囲及び図面における「第1」、「第2」などの用語は、類似する対象を区分するためのものである。必ずしも特定の順序又は優先順位を説明するとは限らない。
【0016】
本願の実施例に係るクロック送信装置及び方法、クロック受信装置及び方法をさらに説明するために、以下、本願の実施例に係るクロック送信装置及び方法、クロック受信装置の適用場面について説明する。
【0017】
図1は本分野のいくつかの場面に係るクロック配信の接続概略図である。
図1に示すように、本分野のいくつかの場面では、非同期クロックに対応するクロックラインは、ポイントツーポイント方式で接続して伝送する必要があり、すなわち、非同期クロックはそれぞれ1つの所定のクロックラインを占有しており、送信モジュールはアップリンク又はダウンリンクの方式でクロックボード又は業務ボードの受信モジュールにクロックを伝送し、これによって、受信モジュールは対応する非同期クロックをそれぞれロックして復元する。
【0018】
上記ライン配置において、周波数源の異なるクロック信号はそれぞれ1つの所定のポイントツーポイント物理伝送媒体を占有しており、一方、周波数源の異なるクロック信号が同一の物理リンクで伝送され、即ち、2本以上のクロックラインが合わせられた場合、受信モジュールはいずれの周波数源もロックできず、このため、本分野のいくつかの場面では、非同期クロックが同一ラインを介して伝送できない。このため、本分野のいくつかの場面では、非同期クロックは通信機器のバックプレーンにおけるプリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)の配線スペースやコネクタピンの配置スペースなどを追加的に占有してしまい、その結果として、2以上の周波数源のクロックラインの配置においては、配線の増加、PCB層の増加、コネクタ数の増加が必要とされ、この結果、既存の小型化バックプレーンのスペースでは上記クロックラインの配置が困難である。
【0019】
それに対して、本願の実施例は、クロック送信装置及び方法、クロック受信装置及び方法を提供し、送信側と受信側との間で同一クロックラインを介して周波数源の異なるクロックを伝送することを可能とする。本願の実施例に係るクロック送信装置及びクロック受信装置は、それぞれ、通信機器のクロック配信の送信側及び受信側として構成される。以下、本願の実施例に係るクロック送信装置及びその方法、クロック受信装置及びその方法について説明する。
【0020】
本願の実施例は、クロック送信装置を提供し、
図2は、本願の実施例に係るクロック送信装置の第1機能概略図である。
図2に示すように、本願の実施例に係る装置は、
第1入力クロックと第2入力クロックを入力するように構成される入力ユニット102と、
第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定するように構成されるサンプリングユニット104と、
第1入力クロックから第1周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信するように構成される送信ユニット106と、を含む。
【0021】
本願の実施例では、入力ユニットは、入力ポートにより実現されてもよく、入力ユニットによって入力される第1入力クロックと第2入力クロックは、同期であってもよく、非同期であってもよい。一例では、第1入力クロックと第2入力クロックは非同期クロックであり、以下、該例における第1入力クロックと第2入力クロックについて説明する。
【0022】
第1入力クロックと第2入力クロックとがクロック送信ユニットの入力ユニットに同時に入力された後に、所定の規則に従って第1入力クロックと第2入力クロックから第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックを決定してもよい。なお、以上の第1入力クロックに対して所定の規則と、第2入力クロックに対して所定の規則とは同じであってもよく、異なってもよい。一例では、第1入力クロックに対して周波数逓倍処理を行って第1サンプリングクロックを取得してサンプリングユニットに伝送し、第2入力クロックに対して処理を行わずに第2サンプリングクロックとしてサンプリングユニットに伝送してもよく、又は、第1入力クロックと第2入力クロックのそれぞれに対して異なる倍数で周波数逓倍を行って第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとを得るようにしてもよい。
図3は、本願の実施例に係るクロック送信装置の第2機能概略図である。
図3に示すように、本願の実施例に係るクロック送信装置は、
【0023】
所定の第1倍数により第1入力クロックを周波数逓倍して、第2サンプリングクロックのクロック周波数との比率が所定の範囲にある第1サンプリングクロックを得るように構成される周波数逓倍ユニット108をさらに含んでもよい。
【0024】
なお、周波数逓倍ユニットは、第1入力クロックを周波数逓倍することで、周波数逓倍した第1入力クロック、即ち、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックの間のクロック周波数の比率を所定の範囲にすることができ、それにより、第1周波数制御ワードの確認過程において、サンプリングユニットによるサンプリングや確認の時間を制御することができ、それにより本願の実施例に係るクロック送信装置の処理効率を改善する。当業者は、第1入力クロックと第2入力クロックの実際クロック周波数に基づいて周波数逓倍ユニットの周波数逓倍の倍数、例えば、上記の第1倍数を選択してもよいが、本願はそれを限定しない。
【0025】
一実施例では、周波数逓倍ユニット108は、
所定の第2倍数により第1入力クロックを周波数逓倍して、送信ユニットがクロック信号を生成するための第1送信クロックを得るように構成される第1周波数逓倍サブユニット1082と、
所定の第3倍数により第1送信クロックを周波数逓倍して、第1サンプリングクロックを得るように構成される第2周波数逓倍サブユニット1084とをさらに含んでもよい。
【0026】
上記の第1周波数逓倍サブユニットと第2周波数逓倍サブユニットにより、第1入力クロックが第1周波数逓倍サブユニットによる一段周波数逓倍を受けて、第1送信クロックが得られ、クロック信号を生成するために送信ユニットに送信されるとともに、第1送信クロックがさらに第2周波数逓倍サブユニットによる二段周波数逓倍を受けて、第1サンプリングクロックが得られる。
【0027】
一方、第2入力クロックに関しては、第2入力クロックが、例えば1001hz、4002hz、8003hzなどの低周波クロックである場合、上記の低周波の第2入力クロックをそのまま第2サンプリングクロックとすると、サンプリングユニットがサンプリングや確認をする過程に上記低周波クロックを効果的に判定又はカウントできず、一定の誤差を引き起こす。そのために、本願の実施例に係る周波数逓倍ユニットは、所定の第4倍数により第2入力クロックを周波数逓倍して第2サンプリングクロックを得るように構成される第3周波数逓倍ユニット1086をさらに含んでもよい。
【0028】
なお、本願の実施例に係る周波数逓倍ユニット、又はそれが備えた第1周波数逓倍サブユニット、第2周波数逓倍サブユニット、第3周波数逓倍サブユニットは、パルス追加・削除ゲートや、位相同期回路、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)によるロック周波数分周などの周波数逓倍デバイス又は周波数逓倍方式により実現されてもよいが、本願はそれを限定しない。周波数が固定されるクロックを周波数逓倍する方式は、当業者に公知のものであり、本願の実施例は、ここで重複して説明しない。
【0029】
本願の実施例では、第1周波数制御ワードは、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を複数種の方式で示してもよい。一例では、第1周波数制御ワードは、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックのクロック周波数の比率、又は、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックのクロック周波数の差を示してもよい。なお、以上の比率又は差は、第1周波数制御ワードが示す第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を明瞭に説明するためのものに過ぎず、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を示すことができるパラメータ又は数学関係であれば、本願の実施例に係る第1周波数制御ワードとすることができる。
【0030】
第1周波数制御ワードの決定過程では、本願の実施例に係るサンプリングユニットは、第1サンプリングクロックのクロック周波数と第2サンプリングクロックのクロック周波数に対してサンプリングすることにより、第1周波数制御ワードを決定してもよい。
【0031】
なお、一例では、本願の実施例に係るサンプリングユニットは、カウンタにより実現されてもよく、即ち、カウンタがクロックエッジをカウントすることにより、第1サンプリングクロックのクロック周波数と第2サンプリングクロックのクロック周波数に対してサンプリングする。別の例では、本願の実施例に係るサンプリングユニットは、周波数計により実現されてもよく、即ち、周波数計が第1サンプリングクロックと第2クロックサンプリング周波数を直接的に測量することにより、第1サンプリングクロックのクロック周波数と第2サンプリングクロックのクロック周波数に対してサンプリングする。以下、以上の例においてカウンタがクロックエッジをカウントすることにより第1サンプリングクロックのクロック周波数と第2サンプリングクロックのクロック周波数に対してサンプリングする形態について説明する。
【0032】
図4は、本願の実施例に係るクロック送信装置の第3機能概略図である。
図4に示すように、一実施例では、サンプリングユニット104は、
第1サンプリングクロックのクロックエッジを累積するように構成される送信累積サブユニット1042と、
第2サンプリングクロックのクロックエッジを判定するように構成される送信判定サブユニット1044と、
送信判定サブユニットの判定結果に基づいて第2サンプリングクロックのクロックエッジをカウントし、かつ第1サンプリングクロックのクロックエッジが所定の数値まで累積された場合、第2サンプリングクロックのクロックエッジのカウント値を決定して、第1周波数制御ワードを得るように構成されるカウントサブユニット1046とを含む。
【0033】
図4に示されるサンプリングユニットでは、第1サンプリングクロックを送信累積サブユニットに送信して第1サンプリングクロックのクロックエッジ、通常立ち上がりエッジを累積すると共に、第2サンプリングクロックを送信判定サブユニットに送信して第2サンプリングクロックのクロックエッジ、通常立ち上がりエッジを判定し、かつ、カウントサブユニットは、判定結果に基づいて、第2サンプリングクロックのクロックエッジをカウントしてもよい。送信累積サブユニットの第1サンプリングクロックのクロックエッジに対する累積結果が所定の閾値に達する場合、カウントサブユニットはラッチクリアされ、ラッチ状態では、第2サンプリングクロックのクロックエッジの現在のカウント値は、本願の実施例に係る第1周波数制御ワードとなり、クリアされたカウンタは、新たに第2サンプリングクロックのクロックエッジをカウントする。
【0034】
上記サンプリングユニットでは、送信累積サブユニットは、累積器、例えば、2N累積器から構成されてもよく、送信判定サブユニットは、判定器から構成されてもよく、カウントサブユニットは、カウンタから構成されてもよい。一例では、送信累積サブユニットが2N累積器であることを例として説明する。第1サンプリングクロックが1000000080hzとして設定され、第2サンプリングクロックが10000004hzとして設定され、2N累積器のNの数値が32として設定される場合、上記サンプリングユニットの動作過程は、以下の通りである。
【0035】
2N累積器は、第1サンプリングクロックが対応する1000000080hzのクロックの立ち上がりエッジの数を累積すると共に、判定器は、第2サンプリングクロックが対応する10000004hzのクロックの立ち上がりエッジを判定し、カウンタは、上記判定結果に基づいて第2サンプリングクロックの立ち上がりエッジをカウントする。2N累積器が2^32冪乗個の立ち上がりエッジまで累積すると、カウンタは、現在の第2サンプリングクロックの立ち上がりエッジの個数をラッチする。例えば、2N累積器が第1サンプリングクロックを4294967296(2^32)個の立ち上がりエッジまで累積すると、カウンタは第2サンプリングクロックの立ち上がりエッジの個数を42949687としてラッチし、この42949687は上記第2サンプリングクロックに対する第1周波数制御ワードになる。
【0036】
なお、上記カウンタが整数しか記録できない、即ち、得られた第1周波数制御ワードが整数の値であるので、一定の誤差が存在する。
図5は本願の実施例に係るクロック送信装置の第4機能概略図である。
図5に示すように、第1周波数制御ワードに存在し得る誤差に対して、本願の実施例に係るクロック送信ユニットは、
所定のフィルタリング方式により第1周波数制御ワードをフィルタリングし、かつ、送信ユニットがフィルタリングした第1周波数制御ワードをクロック信号に付するように、フィルタリングした第1周波数制御ワードを送信ユニットに送信するフィルタリングユニット110をさらに含んでもよい。
【0037】
なお、上記フィルタリングユニットにおいて所定のフィルタリング方式は、複数種であってもよい。一例では、フィルタリングユニットは、平均フィルタリングをフィルタリング方式として採用してもよく、別の例では、フィルタリングユニットは、移動平均フィルタリングをフィルタリング方式として採用してもよく、いずれのフィルタリング方式でも、サンプリングユニットが複数組のデータ、即ち複数の第1周波数制御ワードを提供する必要があり、以下、平均フィルタリングの方式により第1周波数制御ワードをフィルタリングする過程について説明する。
【0038】
サンプリングユニットが第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定することを繰り返すことにより、複数の第1周波数制御ワードが得られる。具体的には、上記例では、2N累積器及びカウンタのサンプリングユニットを例示して説明しており、2N累積器が第1サンプリングクロックの立ち上がりエッジの個数を2N個まで累積すると、カウンタはラッチクリアされ、第1周波数制御ワード(K1とする)を出力し、カウンタがクリアされた後、2N累積器は第1サンプリングクロックの立ち上がりエッジの個数をさらに累積し、カウンタは第2サンプリング回路の立ち上がりエッジを改めてカウントし、2N累積器が再度第1サンプリングクロックの立ち上がりエッジの個数を2N個まで累積すると、カウンタはラッチクリアされ、第1周波数制御ワード(K2とする)を出力し、このように繰り返すことにより、2N累積器が第1サンプリングクロックの立ち上がりエッジの個数を2N個まで累積するたびに、カウンタは周波数制御ワード(K1、K2……KMとし、Mは1よりも大きい正の整数)を出力する。
【0039】
カウンタが上記K1、K2……KMを出力すると、フィルタリングユニットはこのK1、K2……KMの平均値をフィルタリングした第1周波数制御ワード(K)としてもよく、Kは(K1、K2……KM)/Mを満たす。
【0040】
上記フィルタリングユニットにより出力された、フィルタリングした第1周波数制御ワードは非整数であってもよく、一方、サンプリングユニットにより出力されたある第1周波数制御ワードに存在し得るジッター現象を収束して安定化することができ、このため、上記フィルタリングした第1周波数制御ワードは誤差を効果的に減少できる。
【0041】
第1周波数制御ワードの出力を完了した後に、本願の実施例に係る送信ユニットは、第1周波数制御ワードを第1入力クロックから生成されるクロック信号に付して、クロックラインを介して受信側に送信してもよい。送信ユニットは、クロックラインに接続されるように構成される送信ポートを含んでもよく、
図6は、本願の実施例に係るクロック送信装置の第5機能概略図である。
図6に示すように、本願の実施例に係る送信ユニット106は、
第1入力クロックをエンコードして、そのクロック周波数が第1入力クロックのクロック周波数であるクロック信号を生成し、かつ第1周波数制御ワードをクロック信号にエンベロープするように構成されるパルス幅変調(PWM:Pulse width modulation)エンコードサブユニット1062をさらに含んでもよい。
【0042】
本願の実施例に係るPWMエンコードユニットは、第1周波数制御ワードを第1入力クロックに基づいてPWM波によるクロック信号に変調して受信側に送信してもよい。なお、上記PWM波の変調は、デューティ比変調法、マンチェスター符号化法、8B/10Bエンコード、64B/66Bエンコードなどであってよく、本願はそれを限定しない。
【0043】
上記PWMエンコードサブユニットは、エンコード能力を有するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS:Direct Digital Synthesis)信号発生器、デジタル制御発振器(DCO:Digitally Controlled Oscillator)、デジタル位相ロックループ(DPLL:Digital Phase Locked Loop)、シングルチップマイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイプロセッサなどを採用してもよく、特定用途向け集積回路(IC:Integrated Circuit)、システムオンチップ(SOC:System-on-a-Chip)などを採用してもよい。上記PWMエンコードサブユニットは、上記デバイスのうちの1つ又は複数から構成され、即ち、第1入力クロックエンコードを第1周波数制御ワードが付されているPWM波に合成できる任意のデバイスは、本願の実施例に係るPWMエンコードサブユニットとしてもよい。
【0044】
なお、上記例では、本願の実施例に係るクロック送信装置が周波数逓倍ユニット及びフィルタリングユニットを含む場合、上記クロック信号には、周波数逓倍ユニットの周波数逓倍の倍数、例えば、第1倍数、第2倍数、第3倍数や第4倍数などが付される必要もあり、また、クロック信号に付されている第1周波数制御ワードはフィルタリングした周波数制御ワードである。
【0045】
本願の実施例に係るクロック送信装置によれば、送信側でクロックを送信する場合、入力ユニットによって入力された送信対象の第1入力クロックと第2入力クロックに対して、サンプリングユニットは第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロック、及び第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定し、さらに、送信ユニットは第1入力クロックから第1周波数制御ワードが付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信することができる。これによって、本願の実施例に係るクロック送信装置は、第1入力クロックと第2入力クロックを同時に送信することができ、また、第1入力クロックと第2入力クロックとが同期であるか否かを限定しない。したがって、本願の実施例は、本分野の幾つかの場面において通信機器のクロック配信においてクロックラインの配置が非常に複雑で実現しにくいという問題を解決して、クロック配信においてクロックラインの配置を顕著に簡易化することができ、それによりバックプレーンの製造コストを低下させる効果を奏する。
【0046】
なお、本願の実施例に係るクロック送信装置によれば、非同期クロックは同一クロックラインを介して伝送することができ、これによって、通信機器のクロック配信において複数の伝送対象非同期クロックがある場合、クロック伝送は1本だけのクロックラインを介して行われ、非同期クロックごとにクロックラインを配置する必要がなく、これにより、クロック配信におけるクロックラインの数が顕著に減少し、バックプレーンの配線スペースの利用が大幅に改善される。また、本願の実施例に係るクロック送信装置によれば、バックプレーンの製造においても多くのラインについて配線したり、PCB層又はコネクタなどを拡大したりする必要がなく、よって、バックプレーンの製造コストが顕著に削減される。
【0047】
なお、本願の実施例に係る第2入力クロックは複数であってもよく、即ち、本願の実施例に係るクロック送信装置は任意の数の非同期クロックを同時に送信してもよい。
図7は本願の実施例に係るクロック送信装置の第6機能概略図である。
図7に示される例では、本願の実施例に係るクロック送信装置は、3つの非同期クロックを受信側に同時に送信してもよく、以下、この例について説明する。
【0048】
一実施例では、本願の実施例に係るクロック送信装置は、
第1入力クロック、第2入力クロック及び第3入力クロックを入力するように構成される入力ユニット102と、
第1サンプリングサブユニット1104と第2サンプリングサブユニット2104を含み、
第1サンプリングサブユニット1104は、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定するように構成され、
第2サンプリングサブユニット2104は、第1サンプリングクロックと第3サンプリングクロックから、第1サンプリングクロックと第3入力クロックから所定の規則に従って決定される第3サンプリングクロックとの間の関係を示すための第2周波数制御ワードを決定するように構成されるサンプリングユニット104と、
第1入力クロックから、第1周波数制御ワード及び第2周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信するように構成される送信ユニット106とを含む。
【0049】
なお、上記第1サンプリングサブユニットと第2サンプリングサブユニットの動作過程は、上記サンプリングユニットの動作過程の説明を参照し、ここで重複して説明しない。
【0050】
よって、複数の非同期クロックを送信する過程において、本願の実施例に係るクロック送信装置は、いずれの非同期クロックについても対応するサンプリングモジュールを設置し、第1入力クロックを対照として、該非同期クロックに対応する周波数制御ワードを決定することができる。
【0051】
なお、本願の実施例に係る第1入力クロックは、送信側から受信側に送信すべき複数の非同期クロックのうちのいずれかのクロックであってもよく、送信側の基準クロックであってもよく、一例では、第1入力クロックは送信側のローカルクロックであってもよく、別の例では、第1入力クロックは送信側から導入される外部基準クロックであってもよい。
【0052】
本願の実施例は、さらに、クロック受信装置を提供し、
図8は、本願の実施例に係るクロック受信装置の第1機能概略図である。
図8に示すように、本願の実施例に係る装置は、
送信側から送信されたクロック信号を受信するように構成される受信ユニット202であって、クロック信号は、送信側の第1入力クロックから生成され、かつ第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと送信側の第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードが少なくとも付され、受信ユニット202はさらに、クロック信号から第1入力クロックと第1周波数制御ワードを決定する、受信ユニット202と、
第1入力クロックと第1周波数制御ワードから第2入力クロックを決定するように構成される復元ユニット204とを含む。
【0053】
なお、本願の実施例に係るクロック受信装置が受信するクロック信号は、上記本願の実施例に係るクロック送信装置が送信するクロック信号であるので、クロック送信装置によるクロック信号の生成又は前処理過程は、上記クロック送信装置における説明に対応しており、ここで重複して説明しない。
【0054】
本願の実施例に係る受信ユニットは、送信側がクロックラインを介して送信したクロック信号を受信するように構成され、受信ユニットは、クロックラインに接続されるように構成される受信ポートを含んでもよい。
図9は、本願の実施例に係る受信ユニットの第2機能概略図である。
図9に示すように、受信ユニットは、クロック信号をデコードして、第1入力クロックを復元し、かつクロック信号に付されている第1周波数制御ワードを抽出するように構成されるPWMデコードサブユニット2022をさらに含んでもよい。
【0055】
なお、本願の実施例に係るクロック信号が、送信側でPWMエンコードサブユニットによりエンコードして合成されるPWM波である場合、受信ユニットは、上記PWMデコードユニットにより受信されたPWM波をデコードして復元してもよく、これによって、PWM波内の対応する第1入力クロックと第1周波数制御ワードが得られる。
【0056】
PWMエンコードユニットと同様に、上記PWMデコードサブユニットは、デコード能力を有するDDS信号発生器、DCO、DPLL、シングルチップマイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイプロセッサなどを採用してもよいし、特定用途向け集積回路IC、SOCなどを採用してもよい。上記PWMデコードサブユニットは、上記デバイスのうちの1つ又は複数から構成されてもよく、即ち、クロック信号をデコードして第1入力クロックと第1周波数制御ワードを得ることができる任意のデバイスは、本願の実施例に係るPWMデコードサブユニットとしてもよい。
【0057】
本願の実施例では、受信ユニットにより得られる第1入力信号と第1周波数制御ワードは、復元ユニットに送信されて第2入力信号の復元を行ってもよい。復元ユニット204は、さらに、
第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第1周波数制御ワードから第2サンプリングクロックの位相を示すための複数の第1位相アドレスを決定し、
複数の第1位相アドレスに基づいて第2サンプリングクロックを決定し、かつ前記第2サンプリングクロックから前記第2入力クロックを決定するように構成されてもよい。
【0058】
なお、クロック信号を送信するクロック送信装置には、前述の周波数逓倍ユニットが含まれており、即ち、上記第1サンプリングクロック又は第2サンプリングクロックは第1入力クロック又は第2入力クロックを所定の周波数逓倍の倍数により周波数逓倍したものである場合、受信ユニットは、第1入力クロックと第1周波数制御ワードを得る上に、クロック信号からそれに付されている周波数逓倍の倍数、例えば、前述周波数逓倍ユニットの第1倍数、第2倍数、第3倍数、第4倍数などを取得してもよい。本願の実施例に係るクロック受信装置は、受信ユニットが第1入力クロックを得た後に、クロック送信装置と同じ周波数逓倍の倍数を採用する必要もあり、それにより第1入力クロックを周波数逓倍した後に、さらに、復元ユニットにより第2入力クロックを復元する。一例では、クロック送信装置において、周波数逓倍ユニットにより第1入力クロックを40倍周波数逓倍した後に第1サンプリングクロックが得られ、第2入力クロックが処理されずに第2サンプリングクロックとなり、上記の場合、受信ユニットは上記第1入力クロック、第1周波数制御ワード及び周波数逓倍の倍数を得た後に、本願の実施例に係るクロック受信装置は第1入力クロックを40倍で周波数逓倍処理し、周波数逓倍した第1入力クロックを復元ユニットに伝送して復元させる必要がある。別の例では、クロック送信装置では、周波数逓倍ユニットの第1周波数逓倍サブユニットは第1入力クロックに対して40倍により一段周波数逓倍を行って第1送信クロックを得るとともに、第2周波数逓倍サブユニットは第1送信クロックに対して20倍により二段周波数逓倍を行って第1サンプリングクロックを得て、さらに、第3周波数逓倍サブユニットは、第2入力クロックに対して20倍により周波数逓倍を行って第2サンプリングクロックを得て、上記の場合、受信ユニットは、第1送信信号、第1周波数制御ワードの、上記第1、第2、第3周波数逓倍サブユニットに対応する周波数逓倍の倍数をクロック信号から直接取得し、本願の実施例に係るクロック受信装置は、第1送信信号に対して20倍の周波数逓倍処理を行い、周波数逓倍した第1送信クロックを復元ユニットに伝送して復元させる必要があり、また、第1送信クロックに対しては、1/40倍周波数分周により周波数分周処理を行って、復元させて第1入力クロックを得て、復元ユニットにより直接出力されたクロックに対しては、1/20倍周波数分周により周波数分周処理を行って、復元させて第2入力クロックを得る。上記のクロック送信装置による処理方式では、第1入力クロックに対する周波数逓倍処理の過程は、上記復元ユニットにおいて第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得する過程である。
【0059】
なお、上記第1位相アドレスは、第2サンプリングクロックが対応する波形を採用する位相アドレスを示すものであり、一例では、第2サンプリングクロックは、矩形波又は正弦波である。
【0060】
なお、第2サンプリングクロックを決定した後、第2入力クロックから第2サンプリングクロックを決定する前記規則に従って、第2サンプリングクロックから第2入力クロックを復元させることができる。
【0061】
以下、好ましい例により第1位相アドレスの決定過程を説明する。
図10は、本願の実施例に係るクロック受信装置の第3機能概略図である。
図10に示すように、復元ユニット204は、
第1サンプリングクロックのクロックエッジにより第1周波数制御ワードを累積し、かつ第1周波数制御ワードの毎回の累積結果に基づいて複数の第1位相アドレスを得るように構成される受信累積サブユニット2042と、
複数の第1位相アドレスと、第1位相アドレスと第2サンプリングクロックの所定の波形パラメータとの間のマッピング関係を示すための所定のマッピング関係に基づいて、第2サンプリングクロックの波形を得るように構成される問合せサブユニット2044と、を含み、問合せサブユニットは、さらに、第2サンプリングクロックの波形から第2サンプリングクロックのクロック周波数を決定するように構成される。
【0062】
図10に示す復元ユニットにおいて、第1サンプリングクロックが受信累積サブユニットに送信された後に、受信累積サブユニットは、第1サンプリングクロックのクロックエッジにより第1周波数制御ワードを累積して、第1位相アドレスを得るようにしてもよい。受信累積サブユニットは、累積過程において、第1サンプリングクロックがそのクロック周波数に達するたびに、このときの第1サンプリングクロックが到来するクロックエッジにより第1周波数制御ワードを1回累積し、毎回の累積結果は1つの第1位相アドレスであり、これによって、受信累積サブユニットは複数の第1位相アドレスを得る。
【0063】
上記復元ユニットにおいて、受信累積サブユニットは累積器、例えば、2N累積器から構成されてもよい。一例では、受信累積サブユニットが2N累積器である場合を例として説明する。第1サンプリングクロックを1Ghz、第1周波数制御ワードを42949672として設定すれば、上記復元ユニットの動作過程は以下の通りである。
【0064】
2N累積器は、第1サンプリングクロックのクロック周波数に応じて第1サンプリングクロックの立ち上がりエッジを累積し、即ち、1Ghzの立ち上がりエッジに達するたびに、2N累積器は第1周波数制御ワードを1回自動的に累積し、1回の累積を完了すると、1つの第1位相アドレスが得られ、該第1位相アドレスは現在の累積結果となる。累積結果が所定の閾値、例えば2^32冪乗よりも大きくなると、2N累積器は累積結果をクリアし、累積を再開し、上記累積の過程は以下の通りである。
【0065】
1回目に1Ghzに達すると、2N累積器の累積結果は42949672*1=42949672であり、対応する第1位相アドレスは42949672であり、
2回目に1Ghzに達すると、2N累積器の累積結果は42949672*2=85899344であり、対応する第1位相アドレスは85899344であり、
3回目に1Ghzに達すると、2N累積器の累積結果は42949672*3=128849016であり、対応する第1位相アドレスは128849016であり、
……
100回目に1Ghzに達すると、2N累積器の累積結果は42949672*100=4294967200であり、対応する第1位相アドレスは4294967200であり、
101回目に1Ghzに達すると、42949672*101=4337916872になり、この値が2^32冪乗よりも大きいため、2N累積器はクリアされて累積を再開し、2N累積器の累積結果は42949672*1=42949672になり、対応する第1位相アドレスは42949672になり、
102回目に1Ghzに達すると、2N累積器の累積結果は42949672*2=85899344であり、対応する第1位相アドレスは85899344である。
【0066】
上記のように毎回の累積により得られた第1位相アドレスについては、問合せサブユニットは現在の第1位相アドレスに対応する第2サンプリングクロックの波形パラメータを問い合わせてもよい。波形パラメータは周期的波形のパラメータを示すものであり、ここで、波形パラメータは、矩形波出力レベル値、正弦波出力レベル値、三角波出力レベル値、鋸歯状波出力レベル値、パルス出力レベル値(即ち、デューティ比が50%ではない波形に対応する出力レベル値)の少なくとも1つを含む。一例では、第2サンプリングクロックの波形パラメータは正弦波出力レベル値であってもよく、別の例では、第2サンプリングクロックの波形パラメータは矩形波出力レベル値であってもよい。以下、第2サンプリングクロックの波形パラメータを参照して説明する。
【0067】
上記例における波形パラメータが矩形波出力レベル値である場合について説明し、問合せサブユニット2044は、さらに、マッピング関係に基づいて複数の第1位相アドレスを判定し、かつ判定結果に基づいて第2サンプリングクロックの波形を得るように構成される。
【0068】
上記例では、波形パラメータが矩形波出力レベル値であるため、問合せサブユニットは直接判定器から構成されてもよく、即ち、所定の規則に従って受信累積サブユニットの累積結果に対応する第1位相アドレスを判定し、高レベル/低レベルを出力すると決定する。マッピング関係は予め決定されていてもよく、例えば、第1位相アドレスが2^31冪乗以下である場合、低レベルを出力し、第1位相アドレスが2^31冪乗よりも大きく、即ち2^32冪乗である場合、高レベルを出力する。このように繰り返すと、問合せサブユニットの判定に従って複数の第1位相アドレスに対応する矩形波出力レベル値を出力し、第2サンプリングクロックの波形を得ることができる。第2サンプリングクロックのクロック周波数は上記第2サンプリングクロックの矩形波の波形から決定され得る。
【0069】
上記例における波形パラメータが正弦波出力レベル値である場合について説明し、
図11は本願の実施例に係るクロック受信装置の第4機能概略図である。
図11に示すように、問合せサブユニット2044は、さらに、複数の第1位相アドレスと所定のマッピング関係に基づいて、複数の第1位相アドレスにそれぞれ対応する複数の正弦波出力レベル値を得るように構成され、
復元ユニット204は、デジタル/アナログ変換器(DAC:Digital to Analog Converter)サブユニット2046をさらに含み、DACサブユニット2046は、複数の正弦波出力レベル値をデジタル/アナログ変換することにより、第2サンプリングクロックの波形を得るように構成される。
【0070】
上記例では、波形パラメータが正弦波出力レベル値であるため、問合せサブユニットには所定のローカル読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)テーブルが必要とされ、このローカルROMテーブルには、上記マッピング関係、即ち第1位相アドレスと対応する正弦波出力レベル値との間のマッピング関係が記録されている。第1位相アドレスが0、1、2、3であることを例示して説明し、上記ローカルROMテーブルには、上記第1位相アドレス0、1、2、3と正弦波出力レベル値との間のマッピング関係が記憶されており、該マッピング関係は、以下の通りであってもよい。
0~0V;
1~1.65V;
2~3.3V;
3~1.65V
【0071】
よって、受信累積サブユニットの累積結果に対応する第1位相アドレスが0である場合、問合せサブユニットはローカルROMテーブルに記録された上記マッピング関係に基づいて、該第1位相アドレスに対応する正弦波出力レベル値を0Vとして決定してもよく、さらに、DACサブユニットは、デジタル/アナログ変換によって、0Vのレベルを出力してもよい。このように繰り返すと、問合せサブユニット及びDACサブユニットによって複数の第1位相アドレスに対応する正弦波出力レベル値が連続的に出力され、第2サンプリングクロックの波形が得られる。第2サンプリングクロックのクロック周波数は上記第2サンプリングクロックの正弦波の波形から決定され得る。
【0072】
なお、クロック送信装置の入力クロックが2つよりも多い場合、本願の実施例に係るクロック受信装置は入力クロックを1つずつ復元させてもよい。一実施例では、クロック信号には第2周波数制御ワードがさらに付されており、第2周波数制御ワードは第1サンプリングクロックと第3サンプリングクロックとの間の関係を示すものであり、第3サンプリングクロックは送信側の第3入力クロックから所定の規則に従って決定される。本願の実施例に係るクロック受信装置では、受信ユニットは、第1入力クロックと第1周波数制御ワードを決定するとともに、クロック信号から第2周波数制御ワードを決定し、さらに、上記第2入力クロックの復元方式を参照して、第1入力クロックと第2周波数制御ワードから第3入力クロックを決定してもよい。
【0073】
本願の実施例に係るクロック送信装置、クロック受信装置及びクロック伝送システムをさらに説明するために、以下、複数の例示的な実施例により説明する。なお、以下の例示的な実施例では、送信モジュールは、本願の実施例に係るクロック送信装置を示すように構成され、受信モジュールは、本願の実施例に係るクロック受信モジュールを示すように構成され、送信モジュールと受信モジュールの両方は、本願の実施例に係るクロック伝送システムを構成する。
【0074】
例示的な実施例1
図12は本願の例示的な実施例に係るクロックネットワーキングのトポロジー図であり、この例示的な実施例では、クロック配信に使用されるネットワーキング構造は
図12に示される。
図13は本願の実施例に係るクロックネットワーキングの第1内部実装トポロジー図であり、この例示的な実施例では、クロック配信における送信モジュール及び受信モジュールの内部実装は
図13に示される。
図13に示すように、この例示的な実施例では、送信モジュールによって入力される送信対象のクロックは周波数の異なる4種類の非同期クロックを含み、上記4種類の非同期クロックは順次、基本周波数クロックF
clk=25000002hz、非同期クロックA=33000018hz、非同期クロックB=10000004hz、非同期クロックC=19440009hzである。
【0075】
基本周波数クロックFclk=25000002hzは、送信モジュールに送信された後に、その1つが周波数逓倍ユニットに送信されて周波数逓倍を受ける。この例示的な実施例では、周波数逓倍ユニットは40倍周波数逓倍を利用して基本周波数クロックを40*Fclk=1000000080hzとし、周波数逓倍した基本周波数クロックをサンプリングユニットA、サンプリングユニットB、サンプリングユニットCに供給し、エッジ判定及び2N累積器に基本クロックを供給する。基本周波数クロックのもう1つであるFclk=25000002hzは、周波数逓倍を受けずにPWMエンコードユニットに送信されて、PWMエンコードユニットに基本クロックを供給する。
【0076】
非同期クロックA=33000018hzは、サンプリングユニットAに送信された後に、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは非同期クロックAについてエッジサンプリング判定を行い、結果はカウンタに伝送されて自己加算させる。周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロック40*Fclk=1000000080hzは、累積器に送信されて、1つずつ累積することによって累積が行われ、累積数が2Nに等しくなると、後段カウンタはラッチクリアされ、これと同様に、2N累積器もクリアされ、累積を再開する。2N累積器が2Nに累積するたびに、カウンタがラッチした数値は現在時刻での非同期クロックAの周波数制御ワードKAであり、その計算式は以下の通りである。
【0077】
【0078】
式中、CfreqAは非同期クロックAのクロック周波数を示し、Cx*fclkは周波数逓倍した基本周波数クロックのクロック周波数を示す。
【0079】
例えば、N=32の場合、累積器が4294967296個の40倍基本周波数クロックまで累積すると、カウンタは周波数制御ワード|KA|≒141733987をラッチし、計算フィルタリングユニットに伝送する。
【0080】
同様に、非同期クロックB=10000004hzはサンプリングユニットBに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは非同期クロックBについてエッジサンプリング判定を行い、結果はカウンタに伝送されて自己加算させる。周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロック40*Fclk=1000000080hzは2N累積器に送信されて、1つずつ累積することによって累積が行われ、累積数が2Nに等しくなると、後段カウンタはラッチクリアされ、これと同様に、2N累積器もクリアされ、累積を再開する。2N累積器が2Nに累積するたびに、カウンタがラッチした数値は現在時刻での非同期クロックBの周波数制御ワードKBであり、その計算式は以下の通りである。
【0081】
【0082】
式中、CfreqBは非同期クロックBのクロック周波数を示し、Cx*fclkは周波数逓倍した基本周波数クロックのクロック周波数を示す。
【0083】
例えば、N=32の場合、累積器が4294967296個の40倍基本周波数クロックまで累積すると、カウンタは周波数制御ワード|KB|≒42949687をラッチし、計算フィルタリングユニットに伝送する。
【0084】
同様に、非同期クロックC=19440009hzはサンプリングユニットCに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは非同期クロックCについてエッジサンプリング判定を行い、結果はカウンタに伝送されて自己加算させる。周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロック40*Fclk=1000000080hzは2N累積器に送信されて、1つずつ累積することによって累積が行われ、累積数が2Nに等しくなると、後段カウンタはラッチクリアされ、これと同様に、2N累積器もクリアされ、累積を再開する。2N累積器が2Nに累積するたびに、カウンタがラッチした数値は現在時刻での非同期クロックCの周波数制御ワードKCであり、その計算式は以下の通りである。
【0085】
【0086】
式中、CfreqCは非同期クロックCのクロック周波数を示し、Cx*fclkは周波数逓倍した基本周波数クロックのクロック周波数を示す。
【0087】
例えば、N=32の場合、累積器が4294967296個の40倍基本周波数クロックまで累積すると、カウンタは周波数制御ワード|KC|≒83494196をラッチし、計算フィルタリングユニットに伝送する。
【0088】
なお、この例示的な実施例では、2N累積器のN=32を例にするのは、周波数合成方法をよりよく説明するために過ぎず、Nは8、16、32、48、64などの任意の数字であってもよく、一定の閾値範囲内でNの値が大きければ大きいほど、周波数制御ワードの時間が長く、精度が高いと判定し、当業者はシステムの誤差精度に応じてNの値を調整してもよく、本願の実施例はNの値を限定しない。
【0089】
上記KA、KB、KCがサンプリングユニットA、サンプリングユニットB、サンプリングユニットCのそれぞれによって得られたリアルタイムな周波数制御ワードであって、小数部分を除去した整数の周波数制御ワードであるので、受信モジュールの復元ユニットA、復元ユニットB、復元ユニットCに直接伝達されると、復元により得られたクロックはそれぞれ33000018.0608hz、10000004.0689hz、19440008.9512hzであり、元の非同期クロックA、非同期クロックB、非同期クロックCとの周波数誤差は+1.8ppb、+6.9ppb、-2.5ppbである。
【0090】
誤差及びジッターをさらに低減させるために、サンプリングユニットA、サンプリングユニットB、サンプリングユニットCによって得られたリアルタイムな周波数制御ワードKA、KB、KCは計算フィルタリングユニットに送信される。計算フィルタリングユニットはリアルタイムな周波数制御ワードKA、KB、KCをフィルタリングする。
【0091】
この例示的な実施例は、平均フィルタリングをフィルタリング方式として採用し、そのアルゴリズムは、以下の通りである。
【0092】
【0093】
上記アルゴリズムは、サンプリングユニットにおいて周波数制御ワードに対してM回累積してカウントし、M個の周波数制御ワードの平均値でフィルタリング処理を行うことを示す。フィルタリングの精度はMの値によって決定される。
【0094】
上記平均値アルゴリズムによって計算したところ、フィルタリング後の小数点以下1桁の非同期周波数制御ワードは、順次、KA
’=141733986.7、KB
’=42949686.7、KC
’=83494196.2である。
【0095】
なお、この例示的な実施例では、平均フィルタリングアルゴリズムによるフィルタリングは例示的なものに過ぎず、当業者は他のフィルタリング方式でフィルタリングしてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0096】
フィルタリングした周波数制御ワードK
A
’、K
B
’、K
C
’はPWMエンコードユニットに送信され、PWMエンコードユニットは基本周波数クロックF
clkに基づいて、フレーミング方式で3つの周波数制御ワードK
A
’、K
B
’、K
C
’をエンコードにより合成されたPWM搬送波にそれぞれエンベロープする。
図14は本願の例示的な実施例に係るフレーミング概略図であり、
図14に示すように、フレーミング方法では、0001は周波数制御ワードAのフレームヘッダーを表し、フレームヘッダーに続くのは周波数制御ワードAであり、0010は周波数制御ワードBのフレームヘッダーを表し、フレームヘッダーに続くのは周波数制御ワードBであり、0011は周波数制御ワードCのフレームヘッダーを表し、フレームヘッダーに続くのは周波数制御ワードCであり、1111は構成情報のフレームヘッダーDを表し、フレームヘッダーに続くのはフレームに伴う基本情報、例えば周波数逓倍ユニットの倍数情報、サンプリングユニットのサンプリング回数情報などであり、CRCチェックフレームは最後にある。
【0097】
なお、上記フレームヘッダーは周波数制御ワードの前に設定されてもよいし、周波数制御ワードの後に設定されてもよい。同様に、この例示的な実施例で例示されているフレームヘッダー0001~1111はフレーミング方式をよりよく説明するためのものであり、特定の内容を指すものではなく、フレームヘッダー容量及び暗号化の有無を指すものでもなく、当業者であれば、業務のニーズの実現方式に応じてフレームヘッダーに対して変更及び暗号化を行うことができ、本願の実施例はフレームヘッダーの位置、形態や内容を限定しない。
【0098】
PWMエンコードユニットによるエンコード合成方式はデューティ比変調によるものであってもよく、
図15は本願の例示的な実施例に係るデューティ比変調に基づくPWMエンコード概略図であり、
図15に示すように、80%デューティ比は0を表し、20%デューティ比は1を表してもよく、30%デューティ比は0を表し、70%デューティ比は1を表してもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0099】
なお、この例示的な実施例では、デューティ比変調の使用は周波数合成方法をよりよく説明するためであり、当業者は他のエンコード形態を利用してもよい。
図16は本願の例示的な実施例に係るマンチェスターエンコードに基づくPWMエンコードの概略図であり、即ち、この例示的な実施例では、
図16に示すマンチェスターエンコードを用いてPWMエンコードを行ってもよく、また、8B/10BエンコードなどをサンプリングすることでPWM波をエンコードしてもよく、本願はこれを限定しない。
【0100】
PWMエンコードユニットは、エンコード合成を完了した後、最終的に周波数制御ワードA、周波数制御ワードB、周波数制御ワードCをすべてPWM搬送波にエンコードする。合成されたPWM搬送波は、単一の伝送リンクを介して、受信モジュールに信号を伝達する。なお、単一の伝送リンクはPCB配線、コネクタ、光ファイバ、差動配線、及び複数の物理媒体を組み合わせて使用するリンクなどであってもよく、本願はこれを限定しない。
【0101】
受信モジュールは、単一の伝送リンクを介して伝達されてきたPWM搬送波を受信して、デコードのためにPWMデコードユニットに送信して、フレームヘッダーを識別することで、周波数制御ワードKA
’、KB
’、KC
’及び周波数逓倍ユニットの倍数をそれぞれデコードし、復元ユニットA、復元ユニットB、復元ユニットCにKA
’、KB
’、KC
’をそれぞれ送信し、受信モジュールの周波数逓倍ユニットに周波数逓倍の倍数を送信し、PWMデコードユニットはPWM搬送波基本周波数クロックFclk=25000002hzを物理的に復元し、第1分岐の受信クロックとして受信モジュールに出力し、また、基本周波数クロックは受信モジュールにおいて周波数逓倍ユニットに導かれる。
【0102】
受信モジュールの周波数逓倍ユニットは、送信モジュールの周波数逓倍ユニットと同じ倍数を設定した後、入力された基本周波数クロックFclkを40倍して40*Fclk=1000000080hzを得る。復元ユニットA、復元ユニットB、復元ユニットCに40倍基本クロック周波数を各復元ユニットの基準クロックとして送信する。
【0103】
フィルタリングした非同期クロック周波数制御ワードKA
’は復元ユニットAに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは基準クロックを供給し、累積はKA
’を累積数として行われ、累積器の最大値は2Nであり、以下のアルゴリズムに従う。
【0104】
【0105】
この例示的な実施例では、N=32として計算し、連続的に累積してローカルROMテーブルアドレスを得る。ローカルROMテーブルにはアドレスに対応する1及び0の矩形波が記憶されており、出力クロックデューティ比が50%として要求される場合、ROMでは、アドレスの最初の半分に対応するデータは「1」、アドレスの後半分に対応するデータは「0」である。
【0106】
累積器によって出力されたアドレスルックアップテーブルから得られた実際非同期クロック周波数はFreqA=33000017.990991225466132164001465hzであり、元の非同期クロックAに対応する33000018hzとは0.272ppbの差がある。
【0107】
同様に、フィルタリングした非同期クロック周波数制御ワードKB
’は復元ユニットBに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは基準クロックを供給し、累積はKB
’を累積数として行われ、累積器の最大値は2Nであり、以下のアルゴリズムに従う。
【0108】
【0109】
この例示的な実施例では、N=32として計算し、連続的に累積してローカルROMテーブルアドレスを得る。ローカルROMテーブルには、アドレスに対応する1及び0の矩形波が記憶されており、出力クロックデューティ比が50%として要求される場合、ROMでは、アドレスの最初の半分に対応するデータは「1」であり、アドレスの後半分に対応するデータは「0」である。
【0110】
累積器によって出力されたアドレスルックアップテーブルから得られた実際非同期クロック周波数はFreqB=10000003.999093299731612205505371hzであり、元の非同期クロックBに対応する10000004hzとは0.09ppbの差がある。
【0111】
同様に、フィルタリングした非同期クロック周波数制御ワードKC
’は復元ユニットBに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは基準クロックを供給し、累積はKC
’を累積数として行われ、累積器の最大値は2Nであり、以下のアルゴリズムに従う。
【0112】
【0113】
この例示的な実施例では、N=32として計算し、連続的に累積してローカルROMテーブルアドレスを得る。ローカルROMテーブルには、アドレスに対応する1及び0の矩形波が記憶されており、出力クロックデューティ比が50%として要求される場合、ROMでは、アドレスの最初の半分に対応するデータは「1」であり、アドレスの後半分に対応するデータは「0」である。
【0114】
累積器によって出力されたアドレスルックアップテーブルから得られた実際非同期クロック周波数はFreqC=19440008.99780907109379768371582hzであり、元の非同期クロックCに対応する19440009hzとは0.11ppbの差がある。
【0115】
なお、上記で50%デューティ比を採用したのは、ローカルROMテーブルアドレスの決定過程をよりよく説明するためであり、当業者は、実際に要求されるデューティ比に応じてアドレスに対応する「1」、「0」の比及び順序関係を調整してもよく、本願はこれを限定しない。同様に、上記誤差は、この例示的な実施例で復元させた非同期クロックと送信モジュールの元の非同期クロックとの誤差に過ぎず、実際に実施してみると、上記誤差は累積器のNの値の大きさ、計算フィルタのフィルタリング能力、ローカルROMテーブルの深さなどの要素に依存し、例えば、誤差は、Nの値の増加に伴い減少してもよく、計算フィルタのフィルタリング能力の向上に伴い減少してもよく、当業者は実際のニーズに応じて誤差を制御又は調整してもよい。
【0116】
例示的な実施例2
図17は本願の実施例に係るクロックネットワーキングの第2内部実装トポロジー図であり、
図17に示すように、この例示的な実施例では、送信モジュールによって入力された送信対象のクロックは周波数の異なる4種類の非同期クロックを含み、上記4種類の非同期クロックは順次、基本周波数クロックF
clk=10000.0008hz、非同期クロックA=8001hz、非同期クロックB=10000004hz、非同期クロックC=6480003hzである。
【0117】
基本周波数クロックFclk=10000.0008hzは、送信モジュールに送信された後に、まず、第1段周波数逓倍ユニットDに送信されて周波数逓倍を受ける。2500倍周波数逓倍をして、d*Fclk=25000002hzが得られる。一段周波数逓倍をした後の1つであるd*Fclkは第2段周波数逓倍ユニットに送信されて周波数逓倍を受ける。この例示的な実施例では、一例として、40倍周波数逓倍により、基本周波数クロックを40*d*Fclk=1000000080hzとし、サンプリングユニットA、サンプリングユニットB、サンプリングユニットCに送信し、エッジ判定及び2N累積器に基本クロックを供給する。一段周波数逓倍をした後の基本周波数クロックのもう1つであるd*Fclk=25000002hzは周波数逓倍を受けずにPWMエンコードユニットに送信され、PWMエンコードユニットに基本クロックを供給する。
【0118】
非同期クロックA=8001hzは、送信モジュールに送信された後に、まず、周波数逓倍ユニットAに送信されて2000倍周波数逓倍を受け、クロック周波数を16002000hzに向上させてから、サンプリングユニットAに送信される。サンプリングユニットAでは、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックはエッジサンプリング判定を行い、結果はカウンタに伝送されて自己加算させる。周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロック40*d*Fclk=1000000080hzは2N累積器に送信され、1つずつ累積することによって累積が行われ、累積数が2Nに等しくなると、後段カウンタはラッチクリアされ、これと同様に、2N累積器もクリアされ、累積を再開する。2N累積器が2Nに累積するたびに、カウンタがラッチした数値は現在時刻での非同期クロックAの周波数制御ワードKAであり、その計算式は以下の通りである。
【0119】
【0120】
式中、CfreqAは非同期クロックAのクロック周波数を表し、Cx*fclkは周波数逓倍した基本周波数クロックのクロック周波数を表す。
【0121】
例えば、N=32の場合、累積器が4294967296個の40倍基本周波数クロックまで累積すると、カウンタは周波数制御ワード|KA|≒68728061をラッチし、計算フィルタリングユニットに伝送する。
【0122】
同様に、非同期クロックB=10000004hzは周波数逓倍ユニットBに送信され、1倍周波数逓倍を受け、即ち、クロック周波数は10000004hzに維持されたまま、サンプリングユニットBに送信される。サンプリングユニットBでは、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックはエッジサンプリング判定を行い、結果はカウンタに伝送されて自己加算させる。周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロック40*d*Fclk=1000000080hzは2N累積器に送信され、1つずつ累積することによって累積が行われ、累積数が2Nに等しくなると、後段カウンタはラッチクリアされ、これと同様に、2N累積器もクリアされ、累積を再開する。2N累積器が2Nに累積するたびに、カウンタがラッチした数値は現在時刻での非同期クロックBの周波数制御ワードKBであり、その計算式は以下の通りである。
【0123】
【0124】
式中、CfreqBは非同期クロックBのクロック周波数を表し、Cx*fclkは周波数逓倍した基本周波数クロックのクロック周波数を表す。
【0125】
例えば、N=32の場合、累積器が4294967296個の40倍基本周波数クロックまで累積すると、カウンタは周波数制御ワード|KB|≒42949687をラッチし、計算フィルタリングユニットに伝送する。
【0126】
同様に、非同期クロックC=6480003hzは、周波数逓倍ユニットCに送信され、3倍周波数逓倍を受け、即ち、クロック周波数C=19440009hzになってから、サンプリングユニットCに送信される。サンプリングユニットCでは、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックはエッジサンプリング判定を行い、結果はカウンタに伝送されて自己加算させる。周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロック40*d*Fclk=1000000080hzは2N累積器に送信されて、累積され、累積数が2Nに等しくなると、後段カウンタはラッチクリアされ、これと同様に、2N累積器もクリアされ、累積を再開する。2N累積器が2Nに累積するたびに、カウンタがラッチした数値は現在時刻での非同期クロックCの周波数制御ワードKCであり、その計算式は以下の通りである。
【0127】
【0128】
式中、CfreqCは非同期クロックCのクロック周波数を表し、Cx*fclkは周波数逓倍した基本周波数クロックのクロック周波数を表す。
【0129】
例えば、N=32の場合、累積器が4294967296個の40倍基本周波数クロックまで累積すると、カウンタは周波数制御ワード|KC|≒83494196をラッチし、計算フィルタリングユニットに伝送する。
【0130】
なお、この例示的な実施例では、2N累積器のN=32を例にするのは、周波数合成方法をよりよく説明するために過ぎず、Nは8、16、32、48、64などの任意の数字であってもよく、一定の閾値範囲内でNの値が大きければ大きいほど、周波数制御ワードの時間が長く、精度が高いと判定し、当業者はシステムの誤差精度に応じてNの値を調整してもよく、本願の実施例はNの値を限定しない。
【0131】
上記KA、KB、KCがサンプリングユニットA、サンプリングユニットB、サンプリングユニットCのそれぞれによって得られたリアルタイムな周波数制御ワードであって、小数部分を除去した整数の周波数制御ワードであるので、誤差及びジッターをさらに低減させるために、サンプリングユニットA、サンプリングユニットB、サンプリングユニットCによって得られたリアルタイムな周波数制御ワードKA、KB、KCは計算フィルタリングユニットに送信される。計算フィルタリングユニットはリアルタイムな周波数制御ワードKA、KB、KCをフィルタリングする。
【0132】
この例示的な実施例は、平均フィルタリングをフィルタリング方式として作用し、そのアルゴリズムは、以下のとおりである。
【0133】
【0134】
上記アルゴリズムは、サンプリングユニットにおいて周波数制御ワードをM回累積してカウントすることを示し、M個の周波数制御ワードの平均値でフィルタリング処理を行う。フィルタリングの精度はMの値によって決定される。
【0135】
上記平均値アルゴリズムによって計算したところ、フィルタリング後の小数点以下1桁の3種類の非同期周波数制御ワードは順次、KA
’=68728061.2、KB
’=42949686.7、KC
’=83494196.2である。
【0136】
フィルタリングした周波数制御ワードK
A
’、K
B
’、K
C
’はPWMエンコードユニットに送信され、PWMエンコードユニットは基本周波数クロックF
clkに基づいて、フレーミング方式で3つの周波数制御ワードK
A
’、K
B
’、K
C
’をエンコードで合成されたPWM搬送波にそれぞれエンベロープする。フレーミング方式は
図14を参照すればよく、フレーミング方法では、0001は周波数制御ワードAのフレームヘッダーを表し、フレームヘッダーに続くのは周波数制御ワードAであり、0010は周波数制御ワードBのフレームヘッダーを表し、フレームヘッダーに続くのは周波数制御ワードBであり、0011は周波数制御ワードCのフレームヘッダーを表し、フレームヘッダーに続くのは周波数制御ワードCであり、1111は構成情報のフレームヘッダーDを表し、フレームヘッダーに続くのはフレームに伴う基本情報、例えば周波数逓倍ユニットの倍数情報、サンプリングユニットのサンプリング回数情報などであり、CRCチェックフレームは最後にある。
【0137】
なお、上記フレームヘッダーは周波数制御ワードの前に設定されてもよいし、周波数制御ワードの後に設定されてもよい。同様に、この例示的な実施例で例示されているフレームヘッダー0001~1111はフレーミング方式をよりよく説明するためのものであり、特定の内容を指すものではなく、フレームヘッダー容量及び暗号化の有無を指すものでもなく、当業者であれば、業務のニーズの実現方式に応じてフレームヘッダーに対して変更及び暗号化を行うことができ、本願の実施例はフレームヘッダーの位置、形態や内容を限定しない。
【0138】
PWMエンコードユニットによるエンコード合成方式は
図5に示すデューティ比変調によるものであってもよく、80%デューティ比は0を表し、20%デューティ比は1を表してもよく、30%デューティ比は0を表し、70%デューティ比は1を表してもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0139】
なお、この例示的な実施例では、デューティ比変調の使用は周波数合成方法をよりよく説明するためであり、当業者は他のエンコード形態、例えばマンチェスターエンコード、8B/10Bエンコードなどを利用してPWM波をエンコードしてもよく、本願はこれを限定しない。
【0140】
PWMエンコードユニットは、エンコード合成を完了した後、最終的に周波数制御ワードA、周波数制御ワードB、周波数制御ワードCを全てPWM搬送波にエンコードする。合成されたPWM搬送波は、単一の伝送リンクを介して、受信モジュールに信号を伝達する。なお、単一の伝送リンクはPCB配線、コネクタ、光ファイバ、差動配線、及び複数の物理媒体を組み合わせて使用するリンクなどであってもよく、本願はこれを限定しない。
【0141】
受信モジュールは、単一の伝送リンクを介して伝達されてきたPWM搬送波を受信して、デコードのためにPWMデコードユニットに送信して、フレームヘッダーを識別することで、周波数制御ワードKA
’、KB
’、KC
’及び各周波数逓倍ユニットの倍数をそれぞれデコードし、復元ユニットA、復元ユニットB、復元ユニットCにKA
’、KB
’、KC
’をそれぞれ送信し、復元ユニットの後段周波数分周ユニットに伝達されてきた各周波数逓倍の倍数を書き込み、受信モジュールの周波数逓倍ユニットにd*Fclkの周波数逓倍の倍数を送信し、PWMデコードユニットは、PWM搬送波基本周波数クロックd*Fclk=25000002hzを物理的に復元し、周波数分周Dユニットはこれを2500倍周波数分周して、Fclk=10000.0008hzが得られ、第1分岐の受信クロックとして受信モジュールに出力され、また、d*Fclk基本周波数クロックは受信モジュールにおいて周波数逓倍ユニットに導かれる。
【0142】
受信モジュールの周波数逓倍ユニットは、送信モジュールの周波数逓倍ユニットと同じ倍数を設定した後、入力された基本周波数クロックd*Fclkを40倍して40*d*Fclk=1000000080hzを得る。復元ユニットA、復元ユニットB、復元ユニットCに40倍基本クロック周波数を各復元ユニットの基準クロックとして送信する。
【0143】
フィルタリングした非同期クロック周波数制御ワードKA
’は復元ユニットAに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは基準クロックを供給し、累積はKA
’を累積数として行われ、累積器の最大値は2Nであり、以下のアルゴリズムに従う。
【0144】
【0145】
本実施例では、N=32として計算し、連続的に累積してローカルROMテーブルアドレスを得る。ローカルROMテーブルにはアドレスに対応する1及び0の矩形波が記憶されており、出力クロックデューティ比が50%として要求される場合、ROMでは、アドレスの最初の半分に対応するデータは「1」、アドレスの後半分に対応するデータは「0」である。
【0146】
累積器によって出力されたアドレスルックアップテーブルから得られた実際非同期クロック周波数はFreqA=16002000.006438441574573516845703hzであり、後段周波数分周器によって元の送信モジュールの周波数逓倍係数2000を割り当てられ、2000倍周波数分周を受けて、周波数として8001.0000032192207872867584228515hzが得られ、元の非同期クロックAに対応する8001hzとは0.402ppbの差がある。
【0147】
同様に、フィルタリングした非同期クロック周波数制御ワードKB
’は復元ユニットBに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは基準クロックを供給し、累積はKB
’を累積数として行われ、累積器の最大値は2Nであり、以下のアルゴリズムに従う。
【0148】
【0149】
本実施例では、N=32として計算し、連続的に累積してローカルROMテーブルアドレスを得る。ローカルROMテーブルには、アドレスに対応する1及び0の矩形波が記憶されており、出力クロックデューティ比が50%として要求される場合、ROMでは、アドレスの最初の半分に対応するデータは「1」であり、アドレスの後半分に対応するデータは「0」である。
【0150】
累積器によって出力されたアドレスルックアップテーブルから得られた実際非同期クロック周波数はFreqB=10000003.999093299731612205505371hzであり、元の送信モジュールにおいて周波数逓倍係数が1倍周波数逓倍であるので、後段周波数分周器では調整が行われず、得られた非同期周波数は、元の非同期クロックBに対応する10000004hzとは0.09ppbの差がある。
【0151】
同様に、フィルタリングした非同期クロック周波数制御ワードKC
’は復元ユニットBに送信され、周波数逓倍器による40周波数逓倍の基本周波数クロックは基準クロックを供給し、累積はKC
’を累積数として行われ、累積器の最大値は2Nであり、以下のアルゴリズムに従う。
【0152】
【0153】
本実施例では、N=32として計算し、連続的に累積してローカルROMテーブルアドレスを得る。ローカルROMテーブルには、アドレスに対応する1及び0の矩形波が記憶されており、出力クロックデューティ比が50%として要求される場合、ROMでは、アドレスの最初の半分に対応するデータは「1」であり、アドレスの後半分に対応するデータは「0」である。
【0154】
累積器によって出力されたアドレスルックアップテーブルから得られた実際非同期クロック周波数はFreqC=19440008.99780907109379768371582hzであり、後段周波数分周器によって元の送信モジュールの周波数逓倍係数3を割り当てられ、3倍周波数分周を受けて、周波数として6480002.9992696903645992279052734hzが得られ、元の非同期クロックCに対応する6480003hzとは0.11ppbの差がある。
【0155】
なお、上記で50%デューティ比を採用したのは、ローカルROMテーブルアドレスの決定過程をよりよく説明するためであり、当業者は、実際に要求されるデューティ比に応じてアドレスに対応する「1」、「0」の比及び順序関係を調整してもよく、本願はこれを限定しない。同様に、上記誤差は、この例示的な実施例で復元させた非同期クロックと送信モジュールの元の非同期クロックとの誤差に過ぎず、実際に実施してみると、上記誤差は累積器のNの値の大きさ、計算フィルタのフィルタリング能力、ローカルROMテーブルの深さなどの要素に依存し、例えば、誤差は、Nの値の増加に伴い減少してもよく、計算フィルタのフィルタリング能力の向上に伴い減少してもよく、当業者は実際のニーズに応じて誤差を制御又は調整してもよい。
【0156】
本願の実施例は、さらに、クロック伝送システムを提供し、
図18は、本願の実施例に係るクロック伝送システムの機能概略図である。
図18に示すように、本願の実施例に係るクロック伝送システムは、
第1入力クロックと第2入力クロックを入力するように構成される入力ユニット302と、
第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定するように構成されるサンプリングユニット304と、
第1入力クロックから第1周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信するように構成される送信ユニット306と、
クロック信号を受信し、かつクロック信号から第1入力クロックと第1周波数制御ワードを決定するように構成される受信ユニット308と、
第1入力クロックと第1周波数制御ワードから第2入力クロックを決定するように構成される復元ユニット310と、を含む。
【0157】
なお、本願の実施例に係るクロック伝送システムにおける入力ユニット、サンプリングユニット、送信ユニットは、本願の実施例に係るクロック送信装置の対応するユニットを構成するものであり、このため、本願の実施例に係るクロック伝送システムの受信ユニット、復元ユニットは、本願の実施例に係るクロック受信装置の対応するユニットである。したがって、本願の実施例に係るクロック伝送システムは、本願の実施例に係るクロック送信装置とクロック受信装置から構成されてもよく、本願の実施例に係るクロック伝送システムの送信側の残りの実施例及び技術案は、本願の実施例に係るクロック送信装置に対応しており、本願の実施例に係るクロック伝送システムの受信側の残りの実施例及び技術案は、本願の実施例に係るクロック受信装置に対応しており、ここで重複して説明しない。
【0158】
一実施例では、本願の実施例に係るクロック伝送システムは、
送信ユニットと受信ユニットとの間に設置され、同一ラインを介してクロック信号を受信ユニットに伝送するように構成されるラインユニット312をさらに含む。
【0159】
なお、本願の実施例に係るラインユニットは、クロック伝送システムの送信ユニットと受信ユニットとの間の物理リンクを構成し、ラインユニットが示す物理リンクは1つであり、そのため、送信側の複数の入力クロックは同一ラインを介して受信側に送信されることができる。
【0160】
本願の実施例は、さらに、送信側に適用されるクロック送信方法を提供し、
図19は、本願の実施例に係るクロック送信方法のフローチャートであり、
図19に示すように、本願の実施例に係るクロック送信方法は、S102、S104、及びS106を含む。
【0161】
S102:第1入力クロックと第2入力クロックを入力する。
【0162】
S104:第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得し、第2入力クロックから第2サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定する。
【0163】
S106:第1入力クロックから第1周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信する。
【0164】
なお、本願の実施例に係るクロック送信方法の残りの実施例及び技術案は本願の実施例に係るクロック送信装置に対応しており、ここで重複して説明しない。
【0165】
一実施例では、上記第1周波数制御ワードは、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックのクロック周波数の比率、及び第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックのクロック周波数の差のうちの少なくとも1つを示す。
【0166】
一実施例では、上記ステップS104では、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定するステップは、
第1サンプリングクロックのクロック周波数と第2サンプリングクロックのクロック周波数に対してそれぞれサンプリングして第1周波数制御ワードを決定するステップを含む。
【0167】
一実施例では、第1サンプリングクロックのクロック周波数と第2サンプリングクロックのクロック周波数に対してそれぞれサンプリングして第1周波数制御ワードを決定するステップは、
第1サンプリングクロックのクロックエッジを累積するステップと、
第2サンプリングクロックのクロックエッジを判定し、かつ判定結果に基づいて第2サンプリングクロックのクロックエッジをカウントするステップと、
第1サンプリングクロックのクロックエッジが所定の数値まで累積された場合、第2サンプリングクロックのクロックエッジのカウント値を決定して第1周波数制御ワードを得るステップとを含む。
【0168】
一実施例では、上記ステップS104では、第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得するステップは、
所定の第1倍数により第1入力クロックを周波数逓倍して、第2サンプリングクロックのクロック周波数との比率が所定の範囲内にある第1サンプリングクロックを得るステップを含む。
【0169】
一実施例では、上記の所定の第1倍数により第1入力クロックを周波数逓倍して、第1サンプリングクロックを得るステップは、
所定の第2倍数により第1入力クロックを周波数逓倍して、クロック信号を生成するための第1送信クロックを得るステップと、
所定の第3倍数により第1送信クロックを周波数逓倍して第1サンプリングクロックを得るステップとをさらに含む。
【0170】
一実施例では、上記ステップS104では、第2入力クロックから第2サンプリングクロックを取得するステップは、
所定の第4倍数により第2入力クロックを周波数逓倍して第2サンプリングクロックを得るステップを含む。
【0171】
一実施例では、上記クロック信号には、さらに、第1倍数、第2倍数、第3倍数、第4倍数が付されている。
【0172】
一実施例では、上記ステップS106では、第1入力クロックからクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信するステップは、
所定のフィルタリング方式により第1周波数制御ワードをフィルタリングするステップと、
第1入力クロックによりフィルタリングした第1周波数制御ワードが付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信するステップとをさらに含む。
【0173】
一実施例では、上記ステップS104では、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定するステップは、
第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定することを繰り返して実行し、複数の第1周波数制御ワードを得るステップをさらに含み、
所定のフィルタリング方式により第1周波数制御ワードをフィルタリングするステップは、複数の第1周波数制御ワードの平均値をフィルタリングした第1周波数制御ワードとするステップを含む。
【0174】
一実施例では、上記ステップS106では、第1入力クロックからクロック信号を生成するステップは、
第1入力クロックをエンコードして、そのクロック周波数が第1入力クロックのクロック周波数であるクロック信号を生成し、かつ第1周波数制御ワードをクロック信号にエンベロープするステップを含む。
【0175】
一実施例では、本願の実施例に係るクロック送信方法は、
第1入力クロック、第2入力クロック及び第3入力クロックを入力するステップと、
第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1周波数制御ワードを決定するステップと、
第3入力クロックから第3サンプリングクロックを取得し、第1サンプリングクロックと第3サンプリングクロックから第1サンプリングクロックと第3サンプリングクロックとの間の関係を示すための第2周波数制御ワードを決定するステップと、
第1入力クロックにより第1周波数制御ワードと第2周波数制御ワードが少なくとも付されているクロック信号を生成し、かつクロック信号を受信側に送信するステップとをさらに含む。
【0176】
一実施例では、上記第1入力クロックの周波数源と第2入力クロックの周波数源とは異なっている。
【0177】
以上の実施形態の説明から、上記実施例に係る方法は、ソフトウェアと必須の汎用ハードウェアプラットフォームとを組み合わせることによって実現されてもよいが、もちろん、ハードウェアプラットフォームによって実現されてもよく、多くの場合、前者はより好ましい実施形態であることは、当業者にとって自明になる。このような知見に基づいて、本願の技術案の本質的な部分又は従来技術に貢献する部分はソフトウェア製品の形態として具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体(例えばROM/RAM、ディスケット、光ディスク)に記憶され、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバやネットワーク機器などであってもよい)に本願の各実施例に記載の方法を実行させる複数の指令を含む。
【0178】
本願の実施例は、受信側に適用されるクロック受信方法をさらに提供し、
図20は、本願の実施例に係るクロック受信方法のフローチャートであり、
図20に示すように、本願の実施例に係るクロック受信方法は、S202、S204及びS206を含む。
【0179】
S202:送信側の第1入力クロックから生成され、かつ第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロックと送信側の第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードが少なくとも付されている、受信送信側から送信されたクロック信号を受信する。
【0180】
S204:クロック信号から第1入力クロックと第1周波数制御ワードを決定する。
【0181】
S206:第1入力クロックと第1周波数制御ワードから第2入力クロックを決定する。
【0182】
なお、本願の実施例に係るクロック受信方法の残りの実施例及び技術案は本願の実施例に係るクロック受信装置に対応しており、ここで重複して説明しない。
【0183】
一実施例では、上記ステップS206では、第1入力クロックと第1周波数制御ワードから第2入力クロックを決定するステップは、
第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第1周波数制御ワードから第2サンプリングクロックの位相を示すための複数の第1位相アドレスを決定するステップと、
複数の第1位相アドレスに基づいて第2サンプリングクロックを決定し、かつ第2サンプリングクロックから第2入力クロックを決定するステップとを含む。
【0184】
一実施例では、上記の第1入力クロックから第1サンプリングクロックを取得し、かつ第1サンプリングクロックと第1周波数制御ワードから複数の第1位相アドレスを決定するステップは、
第1サンプリングクロックのクロックエッジにより第1周波数制御ワードを累積し、かつ第1周波数制御ワードの毎回の累積結果に基づいて複数の第1位相アドレスを得るステップを含み、
複数の第1位相アドレスに基づいて第2サンプリングクロックを決定するステップは、
複数の第1位相アドレスと、第1位相アドレスと第2サンプリングクロックの所定の波形パラメータとの間のマッピング関係を示すための所定のマッピング関係に基づいて第2サンプリングクロックの波形を得るステップと、
第2サンプリングクロックの波形から第2サンプリングクロックのクロック周波数を決定するステップとを含む。
【0185】
一実施例では、上記波形パラメータは、周期的波形のパラメータを示し、波形パラメータは、矩形波出力レベル値、正弦波出力レベル値、三角波出力レベル値、鋸歯状波出力レベル値、パルス出力レベル値の少なくとも1つを含む。
【0186】
一実施例では、上記波形パラメータが矩形波出力レベル値である場合、複数の第1位相アドレスと所定のマッピング関係に基づいて第2サンプリングクロックの波形を得るステップは、
マッピング関係に基づいて複数の第1位相アドレスを判定し、かつ判定結果に基づいて第2サンプリングクロックの波形を得るステップを含む。
【0187】
一実施例では、上記波形パラメータが正弦波出力レベル値である場合、複数の第1位相アドレスと所定のマッピング関係に基づいて第2サンプリングクロックの波形を得るステップは、
複数の第1位相アドレスとマッピング関係に基づいて複数の第1位相アドレスにそれぞれ対応する複数の正弦波出力レベル値を得るステップと、
複数の正弦波出力レベル値をデジタル/アナログ変換して第2サンプリングクロックの波形を得るステップとを含む。
【0188】
一実施例では、上記クロック信号には、第2周波数制御ワードが付されており、第2周波数制御ワードは第1サンプリングクロックと第3サンプリングクロックとの間の関係を示し、第3サンプリングクロックは送信側の第3入力クロックから所定の規則に従って決定され、
上記の場合では、本願の実施例に係るクロック受信方法は、
クロック信号から第2周波数制御ワードを決定するステップと、
第1入力クロックと第2周波数制御ワードから第3入力クロックを決定するステップとをさらに含む。
【0189】
以上の実施形態の説明から、上記実施例に係る方法は、ソフトウェアと必須の汎用ハードウェアプラットフォームとを組み合わせることによって実現されてもよいが、もちろん、ハードウェアプラットフォームによって実現されてもよく、多くの場合、前者はより好ましい実施形態であることは、当業者にとって自明になる。このような知見に基づいて、本願の技術案の本質的な部分又は従来技術に貢献する部分はソフトウェア製品の形態として具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体(例えばROM/RAM、ディスケット、光ディスク)に記憶され、一台の端末機器(携帯電話、コンピュータ、サーバやネットワーク機器などであってもよい)に本願の各実施例に記載の方法を実行させる複数の指令を含む。
【0190】
本願の実施例は、さらに、実行されると上記のいずれかの実施例におけるステップを実現するように構成されるコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0191】
例示的な一実施例において、上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、フラッシュドライブや、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROMと略称する)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称する)、モバイルディスク、ディスケット、光ディスクなどのコンピュータプログラムを記憶することができる各種の媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0192】
本願の実施例は、メモリとプロセッサを含み、このメモリにはコンピュータプログラムが記憶されており、このプロセッサは、コンピュータプログラムを実行して上記のいずれかの方法実施例におけるステップを実現するように構成される電子装置をさらに提供する。
【0193】
例示的な一実施例において、上記電子装置は、伝送手段と入出力手段をさらに含み、この伝送手段は、上記プロセッサに接続され、この入出力手段は、上記プロセッサに接続される。
【0194】
本願の実施例によれば、送信側でクロックを送信する際に、入力ユニットによって入力された送信対象の第1入力クロック及び第2入力クロックに対して、サンプリングユニットは第1入力クロックから所定の規則に従って決定される第1サンプリングクロック、及び第2入力クロックから所定の規則に従って決定される第2サンプリングクロックを取得し、第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックから第1サンプリングクロックと第2サンプリングクロックとの間の関係を示すための第1周波数制御ワードを決定し、さらに、送信ユニットは第1入力クロックから第1周波数制御ワードが付されているクロック信号を生成し、クロック信号を受信側に送信する。これによって、本願の実施例に係るクロック送信装置は、第1入力クロックと第2入力クロックを同時に送信し、また、第1入力クロックと第2入力クロックが同期であるか否かについて限制はない。したがって、本願の実施例は、本分野の幾つかの場面において通信機器のクロック配信においてクロックラインの配置が非常に複雑で実現しにくいという問題を解決して、クロック配信においてクロックラインの配置を顕著に簡易化することができ、それによりバックプレーンの製造コストを低下させる効果を奏する。
【0195】
本実施例における具体例は、上記実施例及び例示的な実施形態に説明された例を参照することができ、本実施例はここで重複して説明しない。
【0196】
もちろん、当業者にとって明らかなように、上記の本願の各モジュール又は各ステップは汎用の計算装置によって実現されてもよく、1つの計算装置に集中してもよく、複数の計算装置からなるネットワークに分散してもよく、計算装置により実行可能なプログラムコードによって実現されてもよく、これによって、記憶装置に記憶されて計算装置で実行されてもよく、場合によっては示される又は説明されるステップはここで記載の順序とは異なるもので実行されてもよいし、それぞれ単一の集積ラインモジュールとして作製されてもよく、モジュール又はステップのうちの複数は単一の集積ラインモジュールとして実装されてもよい。このようにして、本願はいずれの特定のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにも限定されない。
【0197】
以上は、本願の幾つかの実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願は、各種の変更及び変化を行うことができる。本願の要旨を逸脱しない範囲で行った修正、同等置換や改良などは、いずれも本願の特許範囲に含まれる。