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特許7549691コントラストを増進し、かつ焦点を見出すための干渉縞の使用を伴う透過照明撮像
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】コントラストを増進し、かつ焦点を見出すための干渉縞の使用を伴う透過照明撮像
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20240904BHJP
【FI】
G02B21/06
【請求項の数】 2
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023029590
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2019522326の分割
【原出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2023060003
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】15/335,032
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511227336
【氏名又は名称】モレキュラー デバイシーズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】マシュー チャン
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203704(JP,A)
【文献】特開2016-018116(JP,A)
【文献】特開2016-065926(JP,A)
【文献】特開2015-222311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00-21/00
G02B 21/06-21/36
G02B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムを合焦させる方法であって、前記方法は、
サンプルの1つ以上の画像を検出することであって、前記画像は、干渉縞を含有し、撮像検出器を用いて検出され、前記撮像検出器は、前記サンプルを通過する光を伝達する光源と比較して前記サンプルの対向する側に位置し、前記撮像検出器は、前記干渉縞を前記画像内に形成するように非合焦させられる、ことと、
フーリエ変換アルゴリズムを用いて、前記1つ以上の画像のそれぞれを空間領域から周波数領域に変換することと、
各変換された画像から1つ以上の値を判定することと、
各変換された画像からの前記1つ以上の値に基づいて、前記撮像検出器上の前記サンプルの焦点を調節することと、
前記調節された焦点における前記サンプルの画像を検出することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の値を判定するステップは、各変換された画像の少なくとも一部によって定義される傾斜および/または少なくとも1つの変曲点を判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連技術)
本出願は、2016年10月26日に出願された米国出願第15/335,032号に対して優先権を主張する。上記文献の内容は、その全体として参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(導入)
平面基板上に支持される生物学的細胞の層が、撮像顕微鏡を用いて可視化されることができる。顕微鏡は、光が細胞を通して撮像検出器に透過される、透過照明撮像を実施するように設計され得る。細胞は、それらが撮像される前に染色される、または染色されないままであり得る。
【0003】
細胞を染色することは、それらをはるかに検出しやすくし、より良好な画像品質をもたらすことができる。しかしながら、殆どの染料は、細胞が固定される、したがって、死滅されることを要求し、細胞生存能力が重要であるとき、これらの染料を不適切にする。生細胞のための生体染料が、開発されているが、限定された有用性を保有し、生体染料は、生細胞の中の死細胞のみを選択的に染色する、または細胞生理機能を修正する。
【0004】
染色されていない生細胞を撮像することが、多くの場合、好ましい。細胞は、細胞の状態およびそれらの培地の組成が、あるとしても最小限にしか影響を受けないように直接撮像されることができる。しかしながら、染色されていないと、細胞は、細胞の境界線およびその中の細胞小器官を検出することが困難であり、背景との不良なコントラストを呈し、細胞およびその中の特徴を不明瞭にし得る。故に、細胞の画像を電子的に処理することは、画像内に存在する細胞の数等の細胞パラメータに関する不正確な値を産出し得る。光学技法(例えば、位相コントラストまたは微分干渉コントラスト(Nomarski))が、コントラストを改良するために撮像顕微鏡によって活用され得るが、これらの技法は、光学設計の費用および複雑性を実質的に増加させる。染色されていない細胞を撮像することに対する他のアプローチが、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
本開示は、コントラストを増進する、および/または焦点を見出すために、干渉縞の使用を伴う透過照明撮像のシステムおよびそのための方法を提供する。例示的方法では、光のコヒーレンスが、光の少なくとも一部を散乱させ、混合することによって、サンプルの上流で低減され得る。サンプルは、低減されたコヒーレンスの光を用いて照射され得る。サンプルの画像が、検出され得、画像は、サンプルによって画定された平面を通過した低減されたコヒーレンスの光の少なくとも一部を用いて作成される。画像検出が、画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されたサンプルを用いて実施され得る。光のコヒーレンスを低減させるステップは、干渉縞を減衰させ得る。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
透過照明撮像の方法であって、前記方法は、
光の少なくとも一部を散乱させ、混合することによって、サンプルの上流の前記光のコヒーレンスを低減させることと、
前記低減されたコヒーレンスの光を用いて前記サンプルを照射することと、
前記サンプルによって画定された平面を通過した前記低減されたコヒーレンスの光の少なくとも一部を用いて作成された前記サンプルの画像を検出することと
を含み、
前記検出するステップは、前記画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦された前記サンプルを用いて実施され、
前記低減させるステップは、前記干渉縞の強度を減少させる、方法。
(項目2)
光源を用いて前記光の少なくとも一部を発生させるステップをさらに含み、前記低減させるステップは、少なくとも部分的に、前記光源と前記サンプルとの間の光学経路内に配置された拡散器を使用して実施される、項目1に記載の方法。
(項目3)
光のビームを形成するステップと、
前記光のビームを前記拡散器の上流でビームの対に分割するステップであって、前記ビームの対の1つのビームのみが、前記拡散器上に入射する、ステップと、
前記ビームの対を前記拡散器の下流かつ前記サンプルの上流で相互と組み合わせるステップと
をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記低減させるステップは、相互に異なるコヒーレンスを有する光ビームの対を組み合わせるステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記光ビームの対は、少なくとも2つの光源によって発生される、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記光ビームの対は、同一の光源からの光を使用して発生される、項目5に記載の方法。
(項目8)
撮像検出器を使用して、前記サンプルの複数の画像を収集するステップであって、前記サンプルおよび対物レンズは、相互に対して対応する複数の異なる焦点位置に配置されている、ステップと、
前記複数の画像のそれぞれのコントラストを計算するステップと、
前記コントラストが局所最大値または局所最小値を有する焦点位置を判定するステップと、
前記サンプルが前記画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されるように、前記判定された焦点位置に基づいて前記画像検出器上の前記サンプルの焦点を調節するステップと
をさらに含み、
前記検出するステップは、前記調節された焦点を用いて実施される、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記焦点を調節するステップは、前記焦点を前記局所コントラスト最大値に調節するステップを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記複数の画像を収集するステップは、前記サンプルが定常のままである間に前記対物レンズを移動させ、前記対応する複数の異なる焦点位置のそれぞれを生み出すステップを含む、項目8に記載の方法。
(項目11)
前記光は、少なくとも1つの固体光源を用いて発生される、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記検出された画像に基づいて、前記サンプルの側面を数え上げるステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
その分解能が低減されるように前記画像を処理するステップをさらに含み、前記数え上げるステップは、前記処理された画像に基づく、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記干渉縞は、一次の縞と、より高次の縞とを含み、前記画像を処理するステップは、前記一次の縞に対して前記より高次の縞を選択的に排除する、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記画像を処理するステップは、前記画像を周波数領域に変換するステップと、前記変換された画像からより高い周波数情報を除去するステップと、前記変換された画像を前記周波数領域から空間領域に逆変換するステップとを含む、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記処理された画像をセグメント化するステップをさらに含み、前記数え上げるステップは、前記セグメント化された画像に基づく、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記サンプルは、生物学的細胞を含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
撮像検出器を使用して、前記サンプルの複数の画像を収集するステップであって、前記サンプルおよび対物レンズは、相互に対して対応する複数の異なる焦点位置に配置され、前記収集するステップは、画像を検出するステップを含む、ステップと、
前記複数の画像のそれぞれのコントラストを計算するステップと、
前記1つの画像のコントラストに基づいて、前記画像のうちの1つを選択するステップと、
前記選択された画像に基づいて、前記サンプルの側面を数え上げるステップと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目19)
透過照明撮像のためのシステムであって、
少なくとも部分的にコヒーレントである光を発生させるための光源と、
サンプルを支持するためのステージと、
前記光源と前記ステージとの間の光学経路内に動作可能に配置された拡散器であって、前記拡散器は、前記光源によって発生された光を散乱させ、混合することによって、前記サンプル上に入射する光のコヒーレンスを低減させるように構成されている、拡散器と、
前記サンプルによって画定された平面を通過した光を収集するための対物レンズと、
前記ステージと前記対物レンズとの間の距離を調節するための合焦機構と、
前記対物レンズから受光された光を検出するように構成された撮像検出器と、
干渉縞が前記撮像検出器によって収集された画像内に形成されるように、前記合焦機構に前記サンプルを十分に非合焦させるように構成されている、プロセッサと
を備え、
前記拡散器は、前記干渉縞の形成を減少させるが、完全には排除しないように構成されている、システム。
(項目20)
前記プロセッサは、前記画像の分解能を低減させることと、前記低減された分解能の画像をセグメント化することと、前記セグメント化された画像を使用して前記サンプルの側面を数え上げることとを行うように構成されている、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記プロセッサは、前記撮像検出器に複数の画像を収集させることであって、前記サンプルおよび対物レンズは、相互に対して対応する複数の異なる焦点位置に配置されている、ことと、前記複数の画像のそれぞれのコントラストを計算することと、前記コントラストが局所最大値または局所最小値を有する焦点位置を判定することと、前記サンプルが前記画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されるように、前記判定された焦点位置に基づいて前記画像検出器上の前記サンプルの焦点を調節することとを行うように構成されている、項目19に記載のシステム。
(項目22)
撮像システムを合焦させる方法であって、前記方法は、
サンプルの1つ以上の画像を検出することであって、前記画像は、干渉縞を含有し、撮像検出器を用いて検出される、ことと、
前記1つ以上の画像のそれぞれを周波数領域に変換することと、
各変換された画像から1つ以上の値を判定することと、
各変換された画像からの前記1つ以上の値に基づいて、前記撮像検出器上の前記サンプルの焦点を調節することと、
前記調節された焦点における前記サンプルの画像を検出することと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、局所コントラスト最大値における細胞の焦点を伴い、いかなる可視である干渉縞も伴わない、インコヒーレント光を用いて照射される生物学的細胞の不鮮明画像を検出する透過照明撮像システムの概略図である。
図2図2は、局所コントラスト最大値における細胞の焦点を伴い、過剰な数の可視である干渉縞を伴い、細胞が少なくとも部分的にコヒーレントである光を用いて照射されることを除いて、図1のように生物学的細胞の画像を検出する別の透過照明撮像システムの概略図である。
図3図3は、本開示の側面による、画像の品質が改良されるように、局所コントラスト最大値における細胞の焦点を伴い、図1および2の中間の数の可視である干渉縞を伴い、細胞が図1および2の中間のコヒーレンスのレベルを有する光を用いて照射されることを除いて、図1および2のように生物学的細胞の画像を検出する例示的透過照明撮像システムの概略図である。
図4図4は、本開示の側面による、照射光が2つの光源によって生み出されることを除いて、図3のように図1および2の中間のコヒーレンスのレベルを有する光を用いて照射される細胞を伴い、図3のように生物学的細胞の改良された画像を検出する透過照明撮像システムの概略図である。
図5図5は、本開示の側面による、2つの光源が異なるコヒーレンスの光を発生させることを除いて、図4のように生物学的細胞の改良された画像を検出する透過照明撮像システムの概略図である。
図6図6は、本開示の側面による、照射光が細胞の上流で2つのビームに分割されないことを除いて、図3のように生物学的細胞の改良された画像を検出する透過照明撮像システムの概略図である。
図7図7は、本開示の側面による、透過照明撮像の方法の例示的ステップを列挙するフローチャートである。
図8図8は、本開示の透過照明撮像システムのための焦点メトリック(すなわち、コントラスト)と焦点位置との間の例示的関係を図示するグラフである。
図9図9は、本開示の側面による、図3の構成を有する例示的透過照明撮像システムのより詳細な概略図である。
図10図10および11は、本開示の側面による、より低い開口数の照射(図10)およびより高い開口数の照射(図11)に関する光学経路が示される、図6の透過照明撮像システムのための例示的照明サブシステムのより詳細な概略図である。
図11図10および11は、本開示の側面による、より低い開口数の照射(図10)およびより高い開口数の照射(図11)に関する光学経路が示される、図6の透過照明撮像システムのための例示的照明サブシステムのより詳細な概略図である。
図12図12は、本開示の側面による、透過照明撮像システムを合焦させる方法の例示的ステップを列挙するフローチャートである。
図13図13および14は、生物学的細胞がインコヒーレント光のみを用いて照射される(図13)、またはインコヒーレント光および部分的にコヒーレントな光の配合物を用いて照射される(図14)、図9の撮像システムの作業モデルを用いて検出される生物学的細胞の同一の視野の画像である。
図14図13および14は、生物学的細胞がインコヒーレント光のみを用いて照射される(図13)、またはインコヒーレント光および部分的にコヒーレントな光の配合物を用いて照射される(図14)、図9の撮像システムの作業モデルを用いて検出される生物学的細胞の同一の視野の画像である。
図15図15および16は、本開示の側面による、撮像システムが図10の照明サブシステムを具備し、干渉縞が減衰されないように拡散器が除去される、図6の撮像システムの作業モデルを用いて検出される生物学的細胞の単層の個別のより低い倍率の画像およびより高い倍率の画像である。
図16図15および16は、本開示の側面による、撮像システムが図10の照明サブシステムを具備し、干渉縞が減衰されないように拡散器が除去される、図6の撮像システムの作業モデルを用いて検出される生物学的細胞の単層の個別のより低い倍率の画像およびより高い倍率の画像である。
図17図17および18は、照明サブシステムの拡散器が光学経路内に動作可能に位置したままであることを除いて、図16と同一の作業モデル、照射光学経路、および倍率を用いて検出される生物学的細胞の単層の画像である。
図18図17および18は、照明サブシステムの拡散器が光学経路内に動作可能に位置したままであることを除いて、図16と同一の作業モデル、照射光学経路、および倍率を用いて検出される生物学的細胞の単層の画像である。
図19図19は、より低い倍率にあることを除いて、図17および18のように検出される生物学的細胞の別の画像である。
図20図20は、より高次の(高周波数)干渉縞が選択的に除去されている、図19の画像の処理された形態である。
図21図21は、本開示の側面による、各画像が高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを使用して周波数領域に変換された後、異なる焦点位置において検出される生物学的細胞の同一の視野の一連の画像である。
図22図22は、図21の各画像の対応する領域からのピクセルデータをプロットすることによって発生されるグラフである。
図23図23は、図22のグラフによって定義され、焦点位置の関数としてプロットされる2つの異なるパラメータのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(詳細な説明)
本開示は、コントラストを増進する、および/または焦点を見出すために、干渉縞の使用を伴う透過照明撮像のシステムおよびそのための方法を提供する。例示的方法では、光のコヒーレンスが、光の少なくとも一部を散乱させ、混合することによって、サンプルの上流で低減され得る。サンプルは、低減されたコヒーレンスの光を用いて照射され得る。サンプルの画像が、検出され得、画像は、サンプルによって画定された平面を通過した低減されたコヒーレンスの光の少なくとも一部を用いて作成される。画像検出が、画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されたサンプルを用いて実施され得る。光のコヒーレンスを低減させるステップは、干渉縞を減衰させ得る。
【0008】
透過照明撮像のためのシステムが、提供される。本システムは、少なくとも部分的にコヒーレントである光を発生させるための光源と、サンプルを支持するためのステージとを備えてもよい。本システムはまた、拡散器と、対物レンズと、合焦機構と、撮像検出器と、プロセッサとを備えてもよい。拡散器は、光源とステージとの間の光学経路内に動作可能に配置されてもよく、光源によって発生された光を散乱させ、混合することによって、サンプル上に入射する光のコヒーレンスを低減させるように構成されてもよい。対物レンズは、サンプルによって画定された平面を通過した光を収集するように構成されてもよい。合焦機構は、ステージと対物レンズとの間の距離を調節するように構成されてもよい。撮像検出器は、対物レンズから受光された光を検出するように構成されてもよい。プロセッサは、干渉縞が撮像検出器によって収集された画像内に形成されるように、合焦機構にサンプルを十分に非合焦させるように構成されてもよい。拡散器はまた、干渉縞の形成を減少させるが、完全には排除しないように構成されてもよい。
【0009】
撮像システムを合焦させる方法が、提供される。本方法では、サンプルの1つ以上の画像が、検出されてもよい。画像は、干渉縞を含有し、撮像検出器を用いて検出されてもよい。1つ以上の画像のそれぞれは、周波数領域に変換されてもよい。1つ以上の値が、各変換された画像から取得されてもよい。撮像検出器上のサンプルの焦点が、各変換された画像からの1つ以上の値に基づいて調節されてもよい。サンプルの画像が、調節された焦点において検出されてもよい。
【0010】
本開示のシステムおよび方法は、従来技術に優る種々の利点を提供する。利点は、とりわけ、以下:(a)染色されていない生細胞のより鮮明な画像、(b)細胞パラメータのより正確な測定、(c)経済的かつロバストである光学設計、および/または(d)より少ない検出された画像に基づく自動化合焦の任意の組み合わせを含み得る。
【0011】
本開示のさらなる側面が、以下の節:(I)減衰された干渉縞を用いた透過照明撮像システム、(II)減衰された干渉縞を用いた透過照明撮像の方法、(III)透過照明撮像のための例示的システム構成、(IV)変換された画像を使用する自動化合焦を用いた撮像の方法、および(V)実施例に説明される。
【0012】
I.減衰された干渉縞を用いた透過照明撮像システム
本節は、コントラストを増進するために減衰された干渉縞を利用する例示的透過照明撮像システムの概観を提供する(図1-6参照)。図1および2は、図3-6との比較のために提示され、減衰された干渉縞を利用しない。
【0013】
図1は、撮像検出器56を用いてサンプル54(ここでは、生物学的細胞)の画像52を検出する透過照明撮像システム50を示す。細胞は、インコヒーレント光源58によって発生された光を用いて照射される。光は、光源58から、細胞を通して、検出器56まで、60に示される光学経路を辿る。細胞は、オフセットされた位相外れ波形62によって図式的に示されるインコヒーレント光を用いて照射されるため、細胞の縁および/またはその中の細胞小器官(例えば、細胞核)との相互作用によって生み出される、いかなる光の空間的に区分された干渉も存在しない。故に、細胞は、画像52内に背景との低いコントラストを有し、眼によって、または画像のデジタル処理を通してのいずれかでも確実に同定することが困難である。
【0014】
図2は、撮像検出器56を用いてサンプル54の画像72を検出する別の透過照明撮像システム70を示す。図1の撮像システム50と対照的に、細胞は、同相波形76によって図式的に示される、少なくとも部分的にコヒーレントな光源74によって発生される光を用いて照射される。細胞、特に、その外部および内部特徴(例えば、膜)による光の散乱、屈折、ならびに/もしくは回折は、図1の画像52に対して画像72のコントラストを増加させる干渉縞78をもたらす。しかしながら、干渉縞は、これらの特徴に最も近接する一次の縞だけではなく、また、特徴からより遠く、画像の解釈を複雑にする二次、三次、四次、およびさらに高次の縞も含む。干渉縞は、強め合う干渉および/または弱め合う干渉によって生成され得る。
【0015】
図3は、干渉縞78が存在するが、図2の撮像システム70に対して減衰される、画像82を検出する例示的透過照明撮像システム80を示す。サンプル54の細胞は、図1を上回るコヒーレンスかつ図2を下回るコヒーレンスの光を用いて照射され、より低次の縞よりも弱い、より高次の干渉縞を選択的に排除する。その結果、画像82は、より鮮明であり、細胞またはその特徴をより正確に同定するためにデジタル的に処理されることができる。
【0016】
撮像システム80は、拡散器84を用いて中間コヒーレンスの光を生成する。部分的にコヒーレントな光源74によって発生される光のビームが、サンプル54の細胞の上流で分割される。86に示される、分割ビームの1つの部分は、少なくとも部分的にコヒーレントなままである。88に示される、分割ビームの別の部分は、拡散器84と相互作用し、光のコヒーレンスを低減させる。分割ビームの部分は、細胞において、またはその上流で再結合される。
【0017】
図4は、図3の撮像システム80のように、干渉縞78が存在するが、図2の撮像システム70に対して減衰される、画像82を検出する別の例示的透過照明撮像システム90を示す。図3のように単一の少なくとも部分的にコヒーレントな光源74からの光のビームを分割するのではなく、撮像システム90は、少なくとも部分的にコヒーレントな光源の対74a、74bを利用する。光源74aからの光は、拡散器84を迂回する光学経路をサンプル54の細胞まで辿る一方、光源74bからの光は、拡散器と相互作用する。異なるコヒーレンスの2つのビームは、細胞において、またはその上流で組み合わせられ、中間コヒーレンスのビームを生成する。
【0018】
図5は、図3の撮像システム80のように、干渉縞78が存在するが、図2の撮像システム70に対して減衰される、画像82を検出するさらに別の例示的透過照明撮像システム100を示す。中間コヒーレンスの光ビームが、インコヒーレント光源58によって発生されたインコヒーレントビームを光源74によって発生された少なくとも部分的にコヒーレントなビームと組み合わせることによって生み出される。
【0019】
図6は、図3の撮像システム80のように、干渉縞78が存在するが、図2の撮像システム70に対して減衰される、画像82を検出するなおも別の例示的透過照明撮像システム110を示す。拡散器84(例えば、図3および4参照)に対して低減された効率の部分的拡散器84aが、光源74とサンプル54の細胞との間の光学経路内に位置する。拡散器84aは、細胞を照射する光のコヒーレンスを低減させるが、完全には排除しない。
【0020】
II.減衰された干渉縞を用いた透過照明撮像の方法
本節は、より高次の縞の可視性を選択的に低減させながら、より低次の縞を用いてコントラストを増進するために、減衰された干渉縞を利用する透過照明撮像の方法を説明する(図7および8参照)。
【0021】
図7は、例示的撮像方法120のフローチャートを示す。図7に提示される、および/または本明細書の別の場所に説明されるステップは、本開示のシステム構成要素および特徴のうちのいずれかを使用して、任意の好適な順序ならびに組み合わせで実施されてもよい。
【0022】
光が、122に示されるように、発生され得る。光は、1つ以上の光源を使用して発生されてもよい。各光源は、とりわけ、エレクトロルミネッセンス、誘導放出、熱放射、および/またはフォトルミネッセンスを含む、任意の好適な機構によって光を発生させてもよい。故に、光源は、固体デバイス、レーザ、アーク灯、または同等物を含んでもよい。例示的固体デバイスは、とりわけ、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセントダイオード、およびレーザダイオード等の半導体光源を含む。光源によって発生される光は、時間的および空間的に、少なくとも部分的にコヒーレントであり得る。光は、とりわけ、少なくとも約5、10、25、50、または100μmのコヒーレンス長を有し得る。
【0023】
発生された光の少なくとも一部の空間的および/または時間的コヒーレンスが、124に示されるように、低減され得る。コヒーレンスは、光を散乱させ、混合する任意の光学要素である、少なくとも1つの拡散器を用いて低減されてもよい。各拡散器は、例えば、光を反射する反射性拡散器、それを通して光が通過する透過性拡散器、または同等物であってもよい。例示的拡散器は、サンドブラスト/すりガラス拡散器、ホログラフィック拡散器、乳白ガラス拡散器、または同等物を含む。拡散器は、光を完全にインコヒーレントにし得る、または光のコヒーレンスを低減させるが、完全には排除し得ない。
【0024】
各拡散器は、光源からサンプルまでの光学経路内の任意の好適な位置に位置してもよい。拡散器は、光源からサンプルまでの光学経路上にのみ、または2つ以上のそのような光学経路のうちの1つの上にのみ位置してもよい。故に、拡散器は、とりわけ、2つ以上の光源のサブセットのみによって発生された光と相互作用し得る、または分割ビームの1つの分岐のみと相互作用し得る。
【0025】
光の少なくとも一部のコヒーレンスはまた、バンドパスフィルタ用いる等、光をスペクトル的に濾光することによって増加されてもよい。光は、(例えば、光ビームが分割される、または異なるコヒーレンスの2つの光源が使用される場合)拡散器の上流および/または下流で、もしくは拡散器を含有しない光学経路内で濾光されてもよい。
【0026】
サンプルが、126に示されるように、低減されたコヒーレンスの光を用いて照射され得る。サンプルは、任意の好適なアセンブリ、材料、物質、単離物、抽出物、粒子、または同等物を含んでもよい。例えば、サンプルは、撮像される生物学的細胞を含んでもよい。生物学的細胞は、真核細胞または原核細胞であってもよく、生細胞または死細胞(例えば、固定細胞)であってもよい。例示的生物学的細胞は、株細胞系(細胞株)、一次細胞、組織サンプルの細胞、臨床サンプル(例えば、血液サンプル、吸引液体、組織切片等)からの細胞、細菌細胞、または同等物を含む。
【0027】
サンプルは、少なくとも1つのサンプルまたは空間的に単離されたサンプルの任意のアレイを保持するための任意のデバイスである、サンプル保持器によって保持されてもよい。サンプル保持器は、サンプルの生物学的細胞が静置する、および/または付着され得る、少なくとも1つの水平な上向きに面する表面領域を有する基板を提供してもよい。サンプル保持器は、細胞付着のための1つのみの表面領域または相互から分離される複数の表面領域もしくはコンパートメントを有してもよい。各表面領域は、細胞/組織付着を促すためのコーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば、ポリリジン、コラーゲン、または同等物であってもよい。コーティングは、とりわけ、透明プラスチックまたはガラスから形成され得る、サンプル保持器の本体上に位置してもよい。例示的サンプル保持器は、スライド、培養皿、マルチウェル板(例えば、とりわけ、4、6、8、12、24、32、48、または96個のウェルを有する)、もしくは同等物を含む。
【0028】
128に示されるように、減衰された干渉縞を含む画像が、検出され得る。(画像「検出」および画像「収集」は、本開示では同義的に使用される。)干渉縞は、とりわけ、拡散器を用いてサンプルの上流の光のコヒーレンスを低減させることによって、異なるコヒーレンスの光ビームを組み合わせることによって、またはそれらの組み合わせによって減衰されてもよい。いくつかの実施形態では、より高次の干渉縞は、下記にさらに説明されるように、画像が収集されるときにまだ選択的に減衰されていない場合があるが、収集後に画像の処理を通して減衰されてもよい。
【0029】
画像は、検出面積を横断する光の空間的変動(例えば、強度の変動)を検出することが可能な任意のデバイスである、撮像検出器を用いて検出され得る。撮像検出器は、電荷結合素子(CCD)センサ、アクティブピクセルセンサ(例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、N型金属酸化膜半導体(NMOS)センサ等)、または同等物等のアレイ検出器であってもよい。撮像検出器は、色画像、グレースケール(モノクロ)画像、または両方を検出するように構成されてもよい。
【0030】
画像は、干渉縞を生み出すように十分に非合焦されたサンプルを用いて収集され得る。サンプルは、焦点位置(例えば、光軸に沿った相互に対するサンプルおよび対物レンズの位置(すなわち、分離距離))が、局所コントラスト最大値にある、局所コントラスト最小値よりも局所コントラスト最大値に近接する、および/または局所コントラスト最大値ならびに局所コントラスト最小値の中間にある等、局所コントラスト最小値からオフセットされると、非合焦される。これらの変曲点は、図8によって図示される。
【0031】
図8は、少なくとも部分的にコヒーレントな光を用いてサンプルを照射する撮像システムを用いて収集される透過照明画像に関する焦点位置の関数として、焦点メトリック(コントラスト)をプロットするグラフを示す。同一のサンプルおよび視野に関して検出される画像のコントラストは、焦点位置とともに変動する。より具体的には、コントラストは、局所コントラスト最大値130a、130b等の少なくとも1つの局所最大値と、コントラスト最大値の間に位置する局所コントラスト最小値132とを有し得る。異なる焦点位置において測定されるコントラストの変動は、干渉縞の間隔および強度の変化によって生み出され得る。縞の検出可能性は、局所コントラスト最小値における低い点まで局所的に低下し、最大値130a、130bに到達するまで、局所コントラスト最小値から両方の焦点方向に増加する。検出可能性は、次いで、焦点位置が局所コントラスト最小値からさらに異なるにつれて、漸進的に減少する。局所コントラスト最小値と各コントラスト最大値との間の距離は、概して、本システムの対物レンズの開口数によって定義される。故に、いったんこれらの距離のうちの少なくとも1つが、本システムの所与の対物レンズに関して(例えば、経験的に、または計算のみによって)判定されると、サンプルおよび視野に関するコントラスト最大値の焦点位置は、そのサンプルおよび視野に関する局所コントラスト最小値の測定された焦点位置に基づいて計算されることができる。
【0032】
サンプルの1つ以上の画像が、1つ以上の焦点位置において自動的に収集されてもよい。これらの画像の収集は、画像検出ステップ128の前に実施されてもよい、または画像の収集は、方法120の1つ以上の後続ステップにおいて使用するための十分な品質/コントラストの画像を取得することによって、画像検出ステップ128を実施してもよい。より具体的には、1つ以上の画像は、画像のうちのいずれかが、コントラスト閾値を超える、および/または局所コントラスト最大値からオフセットされる閾値未満において検出された場合、方法120の後続ステップにおいて使用するための最も高いコントラストの画像を選定するように処理されてもよい。(局所コントラスト最大値の焦点位置、したがって、その最大値からの各画像の焦点位置のオフセットは、1つ以上の画像を使用して判定されてもよい。)代替として、または加えて、1つ以上の画像は、撮像システムが画像検出ステップ128の後続実施のために自動的に調節されるべきである焦点位置を判定するように処理されてもよい。
【0033】
1つ以上の画像は、撮像システムの一連の異なる焦点位置において収集された画像のセットであってもよい。焦点位置は、対物レンズからサンプルまでの距離によって定義されてもよく、例えば、サンプルが定常のままである間に対物レンズを移動させることによって、対物レンズが定常のままである間にサンプルを移動させることによって、またはサンプルおよび対物レンズの両方を差動的に移動させることによって変動されてもよい。焦点位置は、少なくとも1つの局所コントラスト最大値および/または局所コントラスト最小値に及ぶ範囲を網羅し得る。コントラスト等の焦点メトリックの値は、画像から取得され得る。適切に構成される撮像検出器を用いて、焦点位置を変化させることは、サンプルを合焦(および非合焦)させる。異なる焦点位置は、相互から均一に離間され得る。
【0034】
他の場合では、画像検出ステップ128に関する好適な焦点位置は、空間領域から周波数領域に変換された1つ以上の収集された画像に基づいて判定されてもよい。好適な焦点位置(したがって、焦点)を見出すための本アプローチのさらなる側面が、第IV節における、および第V節の実施例2における下記等の本明細書の別の場所に説明される。
【0035】
図7の方法120に再び目を向けると、ステップ128において検出された画像は、デジタル的に処理されてもよい。より高次の縞等の高周波数空間情報が、画像を簡略化し、さらなる処理を促進するために、画像から選択的に排除されてもよい。本排除は、例えば、ローリングボールアルゴリズムを用いて、画像のフーリエ変換後に、および/または同等物で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、画像は、空間領域から周波数領域に変換され、周波数に従ってフィルタ処理され、次いで、空間領域に戻るように変換されてもよい。
【0036】
画像は、随意に、高周波数縞を選択的に排除するためのデジタル処理後、134に示されるように、セグメント化され得る。セグメント化は、複数のセグメント(ピクセルのセット)への画像の任意のパーティション化であり得る。セグメントの少なくともサブセットは、個々の細胞、細胞の群、細胞小器官(例えば、細胞核)、または同等物に対応し得る。
【0037】
サンプルの側面が、側面に関する値を提供するために、136に示されるように、セグメント化された画像を使用して数え上げられ得る。側面は、例えば、細胞、細胞小器官、所与の特性を有する細胞、または同等物の数であってもよい。
【0038】
III.透過照明撮像のための例示的システム構成
本節は、第I節の透過照明撮像システムのさらなる例示的側面を説明する(図9-11参照)。本節において説明される構成要素および側面のうちのいずれかは、第I節の本システムのうちのいずれかに含まれる、または本明細書別の場所に説明され得、本明細書に説明される方法のうちのいずれかの実施において利用され得る。
【0039】
図9は、図3の透過照明撮像システム80の例示的なより詳細な構成を示す。撮像システム80は、とりわけ、ステージ140、照明サブシステム142、検出サブシステム144、および制御/処理サブシステム146を含んでもよい。サブシステム142、144、146は、サンプル54の透過照明撮像を可能にするように協働的に機能する。
【0040】
ステージ140は、サンプル保持器148を支持するように構成され、これは、ひいては、1つ以上のサンプル54を含有する、または別様に保持する。サンプルは、本システムによって(例えば、ステージによって)画定されるxy平面(水平面)に平行であり、随意に、近接し得る、サンプル平面152(試料平面とも呼ばれる)の検査領域150においてステージ140およびサンプル保持器148によって支持され得る。ステージは、検査領域150の直下に光学的に透明な領域(例えば、開口部)を画定し、サンプル平面152の対向する側上に位置する照明および検出サブシステム142、144を使用して、サンプルの照明および検出を可能にし得る。他の実施形態では、検出サブシステム144は、サンプル平面152の上方に位置し、照明サブシステム142は、サンプル平面の下方に位置してもよい。
【0041】
光源74からサンプル54まで、およびサンプル54から撮像検出器56まで個別に進行する光学放射によって辿られる例示的光学経路が、破線矢印を用いて表される。用語「光学放射」および「光」は、本明細書では同義的に使用され、可視放射、紫外線放射、赤外線放射、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0042】
照明サブシステム142は、1つのみの光源74を含んでもよい、または(動作可能に関連付けられる光学系の随意の補助によって)サンプル54を照射するための複数の光源を含む源アセンブリを含んでもよい。用語「照射する」および「照明する」ならびにそれらの対応する形態は、同一の意味を有し、本開示では同義的に使用される。いくつかの実施形態では、2つ以上の光源が、同時に、異なるコヒーレンスの光を用いて、検査領域におけるサンプルを照射してもよい(図4および5も参照)。2つ以上の光源は、異なるコヒーレンスの光を発生させてもよい、および/または光源のうちの少なくとも1つからの光のコヒーレンスは、サンプルの上流に位置する1つ以上の光学要素によって修正されてもよい。代替として、または加えて、2つ以上の光源は、スペクトル的に異なる光を用いてサンプルを照射してもよい。2つ以上の光源は、異なるスペクトルを有する光を発生させてもよい、および/または光源のうちの少なくとも1つからの光のスペクトルは、スペクトルフィルタを用いてサンプルの上流で修正されてもよい。
【0043】
照明サブシステム142は、光源74と検査領域150との間の光学経路内に配置される1つ以上の光学要素を含んでもよい。光学要素は、光を収集する、指向する、および/または集束させる、ならびに/もしくは光を少なくとも部分的に遮断する、任意のデバイスまたは構造であってもよい。光学要素は、とりわけ、反射、屈折、散乱、回折、吸収、および/または濾光等の任意の好適な機構によって機能してもよい。例示的光学要素は、レンズ、鏡、拡散器、格子、プリズム、フィルタ、開口、マスク、ビームスプリッタ、透過性繊維(光ファイバ)、および同等物を含む。
【0044】
照明サブシステム142は、ビームスプリッタ154を用いて光源74からの光学放射を部分またはビームの対86、88に分割し得る。ビーム86は、反射性拡散器84に反射され、これは、ビーム86の光を散乱させ、混合し、その空間的および時間的コヒーレンスを低減させる。拡散器84は、ビーム86の少なくとも一部をビームスプリッタ154に反射し、それを通して、ビームの一部が、レンズ156、158の上流を通過する。ビーム86は、光学経路上のサンプル54の上流のレンズを通してサンプルまで通過する。ビーム86と対照的に、ビーム88は、ビームスプリッタ154およびレンズ160を通過し、鏡162によってビームスプリッタに戻るように反射される。ビーム88の一部は、ビームスプリッタ154によってレンズ156、158に反射され、したがって、(低減されたコヒーレンスを伴う)ビーム86の光をビーム88の光と組み合わせ、サンプル54を照射する中間コヒーレンスの組み合わせられたビームを生成する。
【0045】
検出サブシステム144は、撮像検出器56と、対物レンズ164とを含み、対物レンズは、検査領域150から検出器までの光学経路内に配置される。対物レンズ164は、サンプルからの光を集光し、光を集束させ、検出される画像を生み出す任意の光学要素または光学要素の組み合わせと、任意の関連付けられる支持構造とを含んでもよい。対物レンズは、例えば、単一のレンズ、2つ以上のレンズ、単一の鏡、2つ以上の鏡、および/または同等物を含むことができる。対物レンズ164は、とりわけ、少なくとも4倍、10倍、20倍、50倍、または100倍等の任意の好適な倍率を提供してもよい。
【0046】
制御/処理サブシステム146は、光源74および撮像検出器56等のシステム80のデバイスの任意の好適な組み合わせと通信してもよい、および/またはその動作を制御してもよい。サブシステム146は、撮像検出器56からの画像データを受信および処理し得、画像検出のタイミング等の撮像検出器の動作を制御し得る、プロセッサ166を含んでもよい。プロセッサ166はさらに、対物レンズとステージとの間の距離を変化させるために、相互に対して(例えば、z軸に沿って)対物レンズ164およびステージ140を移動させることによって本システムの焦点を変化させる、合焦機構168を制御してもよい。プロセッサはまた、ステージを試料平面152に平行な2次元において移動させるステージ駆動機構を制御してもよい。これらの機構のうちの一方または両方の制御は、本システムが、サンプル合焦、複数のサンプルの撮像、および/または同一のサンプルの複数の視野の撮像を自動化することを可能にし得る。
【0047】
プロセッサ166は、コンピュータによって提供されてもよい。コンピュータは、ディスプレイ170、ユーザインターフェース172、アルゴリズムおよびデータを記憶するためのメモリ、ならびに同等物を含んでもよい。
【0048】
撮像システムはまた、そのデバイス(例えば、各光源、撮像検出器、プロセッサ、駆動機構等)のそれぞれの動作を駆動するための電源を有する。電力は、例えば、ライン電力、バッテリ電力、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0049】
図10および11は、図6の透過照明撮像システム110の照明サブシステム142のみの例示的なより詳細な構成を示す。照明サブシステムは、個別のより低い開口数の照射(図10)(より低い開口数を有する対物レンズを用いたより低い倍率の撮像に関する)およびより高い開口数の照射(図11)(より高い開口数を有する対物レンズを用いたより高い倍率の撮像に関する)のために異なる部分的に重複する光学経路を介してサンプルを照射するために、光源の対74a、74bを有する。
【0050】
光源74aの通電は、透過性拡散器84a-1を通過する少なくとも部分的にコヒーレントな光を生み出し、コヒーレンスを低減させるが、完全には排除しない。光は、次いで、レンズ180を通過し、鏡182によってビームスプリッタ184に反射される。光の一部は、サンプルに到達する前に、ビームスプリッタおよびレンズの対186、188を通過する。
【0051】
光源74bの通電は、透過性拡散器の対84-2および84a-3を通過する少なくとも部分的にコヒーレントな光を生み出し、コヒーレンスを低減させるが、完全には排除しない。拡散器の対は、図10の光学経路内で利用される単一の拡散器よりもコヒーレンスを低減させ得る。光は、次いで、レンズの対190、192を通して光学経路を辿り、ビームスプリッタ184によって部分的に反射され、サンプルに到達する前にレンズ186、188を通過する。
【0052】
IV.変換された画像を使用する自動化合焦を用いた撮像の方法
本節は、周波数領域において分析される干渉縞に基づく自動化合焦を用いる撮像の例示的方法200を説明する(図12参照)。図12に提示される、および/または本明細書の別の場所に説明されるステップは、本明細書に説明されるシステム構成要素および特徴のうちのいずれかを使用して、任意の好適な順序ならびに組み合わせで実施されてもよい。
【0053】
サンプルが、202に示されるように、照射され得る。サンプルは、第I節および第II節において上記に説明されるように、空間的および時間的に、少なくとも部分的にコヒーレントである光を用いて照射され得る。
【0054】
サンプルの少なくとも1つの画像が、204に示されるように、収集され得る。画像は、干渉縞が画像内に存在するように十分に非合焦されたサンプルを用いて収集され得る。ステップ204のための好適な焦点位置または一連の焦点位置は、とりわけ、異なるサンプル(または同一のサンプルに関する異なる視野)を撮像することによって、またはサンプル保持器上の基準マークを検出することによって判定された焦点位置に基づいて選択されてもよい。
【0055】
各画像は、206に示されるように、空間領域から周波数領域に変換され得る。変換は、変換された画像をもたらし、フーリエ変換アルゴリズムによって実施されてもよい。
【0056】
1つ以上の値が、208に示されるように、各変換された画像から取得され得る。1つ以上の値は、変換された画像全体またはその一部のみ(例えば、画像の中心から半径方向に延在する部分)から取得されてもよい。いくつかの実施形態では、値のうちの1つは、変換された画像が画像の中心から周辺まで延在する際のピクセル強度の変化率に対応してもよい。いくつかの実施形態では、値のうちの1つは、変換された画像の中心から半径方向に外向きに離間される第1の局所強度最大値と、中心および第1の局所強度最大値の中間に位置する第1の局所強度最小値との間の強度の差異に対応してもよい。いずれにしても、1つ以上の値は、画像の焦点位置をコントラスト曲線上の特定の場所と相関させ得る(例えば、例示的コントラスト曲線に関して図8参照)。
【0057】
各値は、210に示されるように、試験され、212に示されるように、値が少なくとも1つの条件を満たすかどうかを判定し得る。例えば、値は、ある閾値と、または少なくとも1つの他の画像から判定された少なくとも1つの値と比較されてもよい。値が条件を満たさない場合、本システムの焦点は、随意に、値に基づいて、214に示されるように、調節され得る。本方法は、次いで、調節された焦点における別の画像の収集のために、ステップ204に折り返し得る。代替として、値が条件を満たす場合、画像は、(例えば、図7に関して上記に説明されるように)画像からサンプルの側面を判定するため等、216に示されるように、さらなる処理のために選択されてもよい。
【0058】
他の実施形態では、1つ以上の値は、1つ以上の値に基づいて、画像に関する焦点位置が透過照明撮像のための標的焦点位置と異なる程度を判定するアルゴリズムを用いて処理されてもよい。例えば、標的焦点位置が局所コントラスト最大値130a(図8参照)に対応する場合、画像焦点位置と標的焦点位置との間の差異は、システム較正後、1つ以上の値に基づいて計算されることができる。本システムは、次いで、相互に対してステージおよび対物レンズを移動させることによって、焦点を標的焦点位置に自動的に調節し得る。方法200のさらなる側面が、第V節の実施例2において下記に説明される。
【0059】
V.実施例
以下の実施例は、コントラストを増進する、または焦点を見出すために、干渉縞を利用する透過照明撮像システムおよび方法に関連する本開示の選択された側面ならびに実施形態を説明する。これらのシステムおよび方法の任意の好適な側面は、相互と、および本明細書の別の場所に(例えば、第I-IV節に)説明されるシステムならびに方法と組み合わせられ得る。これらの実施例は、例証のために含まれ、本開示の全範囲を限定または定義するように意図されない。
【0060】
実施例1.生物学的細胞の例示的画像
本実施例は、第III節の透過照明撮像システムを用いて収集される例示的画像を説明する(図13-20参照)(図9-11も参照)。
【0061】
図13および14は、図9の撮像システム80の作業モデルを用いて検出される生物学的細胞の同一の視野の画像を示す。図13の画像は、細胞がインコヒーレント光のみを用いて照射されるように、鏡162が除去されて(図9参照)検出された。画像では、細胞は、背景に対して不鮮明である。細胞が相互と接触する、細胞の縁は、不良コントラストに起因して区別することが困難である。図14の画像は、細胞がインコヒーレント光および部分的にコヒーレントな光の配合物を用いて照射されるように、動作可能に位置する鏡162(図9参照)を用いて検出された。画像では、細胞の背景とのコントラストは、図13よりもはるかに高く、各細胞の境界線は、より明確に描写される。
【0062】
図15および16は、撮像システム110(図10参照)の作業モデルを用いて検出されるCHO細胞の画像を示すが、拡散器は、干渉縞が減衰されないように除去される。図15の画像は、より低い倍率を表し、サンプル平面上の透過照明光および板密閉材料投影陰影の回折効果に起因して、非均一性を呈する。対物レンズの開口数制限およびサンプル平面の上方の位置における透過照明光の屈折に起因して、画像の上部において空間分解能の損失が存在する。図16の画像は、より高い倍率を表す。画像内の物体の周囲の輪が、容易に明白である。特に、サンプル平面からオフセットされる焦点外れの物体が、多数の回折縞とともに可視である。
【0063】
図17および18は、図16のように撮像システム110の作業モデルを用いて検出されるCHO細胞の画像を示すが、拡散器は、干渉縞が減衰されるが、完全には排除されないように動作可能に位置する。画像品質は、縞減衰がない場合よりも実質的に良好である(図16と比較)。
【0064】
図19は、より低い倍率にあることを除いて、図17および18のように撮像システム110の作業モデルを用いて検出されるCHO細胞の別の画像である。低開口数照射を用いて生み出された非合焦画像は、増加された被写界深度を有する。細胞内で可視である明るいスポットは、細胞の細胞核の周囲の優先的な回折、屈折、および散乱に起因する。
【0065】
図20は、図19の画像の処理された形態を示す。10ピクセル半径のローリングボールアルゴリズムが、適用され、4~20ピクセルを適用する高速フーリエ変換バンドパスフィルタが後に続いた。本処理は、画像から高周波数干渉縞を選択的に除去し、したがって、画像の分解能を低減させる。高速フーリエ変換は、空間周波数によって物体を正規化するであろうため、標準的な二値化が、次いで、使用された。細胞は、おおよそのサイズの非合焦細胞核を有する粒子を同定するために、ImageJソフトウェアを使用してカウントされた。
【0066】
実施例2.自動化焦点を用いた透過照明撮像システムの較正
本実施例は、周波数領域への画像の変換に基づく自動化合焦機構を有する透過照明撮像システムのための例示的較正データを説明する(図21-23参照)。
【0067】
図21は、異なる焦点位置において検出される生物学的細胞の同一の視野の一連の周波数画像(回折パターン)を示し、細胞は、干渉縞が形成されるように、少なくとも部分的にコヒーレントな光を用いて照射される。空間画像が、撮像検出器を用いて検出され、次いで、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを使用して周波数領域における周波数画像に変換された。各画像が検出された焦点位置は、透過照明撮像のための局所コントラスト最小値(0μm)に関して列挙される。故に、画像AおよびBは、局所コントラスト最小値からの負の焦点オフセットを用いて収集され、画像Cは、局所コントラスト最小値において収集され、画像Dは、局所コントラスト最小値からの正の焦点オフセットを用いて収集された。空間画像内の各次数の干渉縞は、回折パターンにおいて中心スポット(ゼロ次)または対応する輪(一次およびより高次)を生成する。
【0068】
図22は、図21の各画像の対応する領域に関する、各画像の中心からのピクセル距離の関数として、正規化された強度をプロットすることによって発生されたグラフを示す。領域は、各画像の中心から延在する半径方向配向長方形220によって境界される。
【0069】
図23は、図22のグラフによって定義され、焦点位置の関数としてプロットされる、2つの異なるパラメータの値のグラフを示す。パラメータのうちの一方は、概して、図22の線222によって示される、傾斜である。他方のパラメータは、変曲点の対、すなわち、局所最大値224と局所最小値226との間のピクセル位置の差異(「dx」)である。図23では、傾斜は、干渉縞の検出可能性が局所最小値にある焦点位置(0ミクロン)に関してゼロに最も近接し、その焦点位置から両方の焦点方向においてより負になる。また、ピクセル位置の差異であるdxは、その焦点位置において局所最小値を呈し、その焦点位置から両方の焦点方向において増加する。故に、アルゴリズムは、焦点を漸進的に調節する(図12参照)、変曲点の間の間隔を最小限にする、および/または傾斜を最小限にするように動作し得る。
【0070】
実施例3.選択された実施形態
本実施例は、一連の索引付き段落として本開示の選択された実施形態を説明する。
【0071】
段落A1.透過照明撮像の方法であって、方法は、光の少なくとも一部を散乱させ、混合することによって、サンプルの上流の光のコヒーレンスを低減させることと、低減されたコヒーレンスの光を用いてサンプルを照射することと、サンプルによって画定された平面を通過した低減されたコヒーレンスの光の少なくとも一部を用いて作成されたサンプルの画像を検出することとを含み、検出するステップは、画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されたサンプルを用いて実施され、低減させるステップは、干渉縞の強度を減少させる、方法。
【0072】
段落A2.光源を用いて光の少なくとも一部を発生させるステップをさらに含み、低減させるステップは、少なくとも部分的に、光源とサンプルとの間の光学経路内に配置された拡散器を使用して実施される、段落A1に記載の方法。
【0073】
段落A3.低減させるステップは、拡散器を通して光を通過させるステップおよび/または拡散器を用いて光を反射させるステップを含む、段落A2に記載の方法。
【0074】
段落A4.光のビームを形成するステップと、光のビームを拡散器の上流でビームの対に分割するステップであって、ビームの対の1つのビームのみが、拡散器上に入射する、ステップと、ビームの対を拡散器の下流かつサンプルの上流で相互と組み合わせるステップとをさらに含む、段落A2またはA3に記載の方法。
【0075】
段落A5.低減させるステップは、相互に異なるコヒーレンスを有する光ビームの対を組み合わせるステップを含む、段落A1-A4のいずれかに記載の方法。
【0076】
段落A6.光ビームの対は、少なくとも2つの光源によって発生される、段落A5に記載の方法。
【0077】
段落A7.光ビームの対は、同一の光源からの光を使用して発生される、段落A5に記載の方法。
【0078】
段落A8.撮像検出器を使用して、サンプルの複数の画像を収集するステップであって、サンプルおよび対物レンズは、相互に対して対応する複数の異なる焦点位置に配置される、ステップと、複数の画像のそれぞれのコントラストを計算するステップと、コントラストが局所最大値または局所最小値を有する焦点位置を判定するステップと、サンプルが画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されるように、判定された焦点位置に基づいて画像検出器上のサンプルの焦点を調節するステップとをさらに含み、検出するステップは、調節された焦点を用いて実施される、段落A1-A7のいずれかに記載の方法。
【0079】
段落A9.焦点を調節するステップは、焦点を局所コントラスト最大値に調節するステップを含む、段落A8に記載の方法。
【0080】
段落A10.複数の画像を収集するステップは、サンプルが定常のままである間に対物レンズを移動させ、対応する複数の異なる焦点位置のそれぞれを生み出すステップを含む、段落A8またはA9に記載の方法。
【0081】
段落A11.光は、少なくとも1つの固体光源を用いて発生される、段落A1-A10のいずれかに記載の方法。
【0082】
段落A12.光は、1つのみの固体光源を用いて発生される、段落A11に記載の方法。
【0083】
段落A13.検出された画像に基づいて、サンプルの側面を数え上げるステップをさらに含む、段落A1-A12のいずれかに記載の方法。
【0084】
段落A14.その分解能が低減されるように画像を処理するステップをさらに含み、数え上げるステップは、処理された画像に基づく、段落A13に記載の方法。
【0085】
段落A15.干渉縞は、一次の縞と、より高次の縞とを含み、画像を処理するステップは、一次の縞に対してより高次の縞を選択的に排除する、段落A14に記載の方法。
【0086】
段落A16.画像を処理するステップは、画像を周波数領域に変換するステップ、変換された画像からより高い周波数情報を除去するステップ、および変換された画像を周波数領域から空間領域に逆変換するステップを含む、段落A14またはA15に記載の方法。
【0087】
段落A17.処理された画像をセグメント化するステップをさらに含み、数え上げるステップは、セグメント化された画像に基づく、段落A14-A16のいずれかに記載の方法。
【0088】
段落A18.サンプルは、生物学的細胞を含む、段落A1-A17のいずれかに記載の方法。
【0089】
段落A19.撮像検出器を使用して、サンプルの複数の画像を収集するステップであって、サンプルおよび対物レンズは、相互に対して対応する複数の異なる焦点位置に配置され、収集するステップは、検出するステップを含む、ステップと、複数の画像のそれぞれのコントラストを計算するステップと、1つの画像のコントラストに基づいて、画像のうちの1つを選択するステップと、選択された画像に基づいて、サンプルの側面を数え上げるステップとをさらに含む、段落A1-A7またはA11-A18のいずれかに記載の方法。
【0090】
段落B1.透過照明撮像のためのシステムであって、少なくとも部分的にコヒーレントである光を発生させるための光源と、サンプルを支持するためのステージと、光源とステージとの間の光学経路内に動作可能に配置される、拡散器であって、拡散器は、光を散乱させ、混合することによって、サンプル上に入射する光のコヒーレンスを低減させるように構成される、拡散器と、サンプルによって画定された平面を通過した光を収集するための対物レンズと、ステージと対物レンズとの間の距離を調節するための合焦機構と、対物レンズから受光された光を検出するように構成される、撮像検出器と、干渉縞が撮像検出器によって収集された画像内に形成されるように、合焦機構にサンプルを十分に非合焦させるように構成される、プロセッサとを備え、拡散器は、干渉縞の形成を減少させるが、完全には排除しないように構成される、システム。
【0091】
段落B2.プロセッサは、画像の分解能を低減させ、低減された分解能の画像をセグメント化し、セグメント化された画像を使用してサンプルの側面を数え上げるように構成される、段落B1に記載のシステム。
【0092】
段落B3.プロセッサは、(a)撮像検出器に複数の画像を収集させることであって、サンプルおよび対物レンズは、相互に対して対応する複数の異なる焦点位置に配置される、ことと、(b)複数の画像のそれぞれのコントラストを計算することと、(c)コントラストが局所最大値または局所最小値を有する焦点位置を判定することと、(d)サンプルが画像内に干渉縞を形成するように十分に非合焦されるように、判定された焦点位置に基づいて画像検出器上のサンプルの焦点を調節することとを行うように構成される、段落B1またはB2に記載のシステム。
【0093】
段落C1.撮像システムを合焦させる方法であって、方法は、サンプルの1つ以上の画像を検出することであって、画像は、干渉縞を含有し、撮像検出器を用いて検出される、ことと、1つ以上の画像のそれぞれを周波数領域に変換することと、各変換された画像から1つ以上の値を判定することと、各変換された画像からの1つ以上の値に基づいて、撮像検出器上のサンプルの焦点を調節することと、調節された焦点におけるサンプルの画像を検出することとを含む、方法。
【0094】
段落C2.変換するステップは、フーリエ変換アルゴリズムを用いて実施される、段落C1に記載の方法。
【0095】
段落C3.1つ以上の値を判定するステップは、各変換された画像の少なくとも一部によって定義される傾斜および/または少なくとも1つの変曲点を判定するステップを含む、段落C1またはC2に記載の方法。
【0096】
上記に記載される開示は、独立した有用性を伴う複数の明確に異なる発明を包含し得る。これらの発明はそれぞれ、その好ましい形態において開示されたが、本明細書に開示および例証されるようなその具体的実施形態は、多数の変形例が可能性として考えられるため、限定的意味において考慮されるものではない。本発明の主題は、本明細書に開示される種々の要素、特徴、機能、および/または性質の全ての新規かつ非自明な組み合わせならびに副次的組み合わせを含む。以下の請求項は、特に、新規かつ非自明と見なされるある組み合わせおよび副次的組み合わせを指摘する。特徴、機能、要素、および/または性質の他の組み合わせならびに副次的組み合わせにおいて具現化される発明は、本願または関連する出願から優先権を主張する出願において請求され得る。異なる発明または同一の発明を対象とするかにかかわらず、および範囲において元々の請求項よりも広い、狭い、それに等しい、またはそれと異なるかにかかわらず、そのような請求項もまた、本開示の発明の主題内に含まれると見なされる。さらに、識別される要素のための第1、第2、または第3等の序数指標は、要素間を区別するために使用され、別様に具体的に記載されない限り、そのような要素の特定の位置または順序を示さない。
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