(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】通信装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 84/12 20090101AFI20240904BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240904BHJP
H04W 12/06 20210101ALI20240904BHJP
H04W 76/18 20180101ALI20240904BHJP
H04W 12/77 20210101ALI20240904BHJP
【FI】
H04W84/12
H04W76/10
H04W12/06
H04W76/18
H04W12/77
(21)【出願番号】P 2023084157
(22)【出願日】2023-05-22
(62)【分割の表示】P 2018248367の分割
【原出願日】2018-12-28
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 智行
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/047653(WO,A1)
【文献】特開2018-26698(JP,A)
【文献】特開2017-34297(JP,A)
【文献】特表2018-521566(JP,A)
【文献】国際公開第2018/075135(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・調査した分野 IPC H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
DB名 IEEE 802.11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
他の通信装置から認証要求を受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段で受信した認証要求に応答して、認証応答を前記他の通信装置に送信する第一送信手段と、
前記他の通信装置に対して、前記通信装置がアクセスポイントと通信接続するための通信パラメータを要求する要求手段と、
前記要求に応答して前記他の通信装置から前記通信パラメータを、認証プロトコルに基づいて確立されたセキュアチャネルで受信する第二受信手段と、
前記通信パラメータを用いて前記アクセスポイントへの接続を試行する試行手段と、
前記試行手段による試行結果を示す情報を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信する第二送信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記第二送信手段は前記試行結果が成功の場合は成功を示す情報を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信し、前記試行結果が失敗である場合は失敗を示す情報を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第二送信手段により、成功を示す情報が前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信された場合、前記通信装置は、前記セキュアチャネルを切断するための制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第二送信手段により、失敗を示す情報が前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信された場合、前記要求手段は、前記通信パラメータを前記他の通信装置に対して要求し、前記要求に応答して、前記第二受信手段により前記通信パラメータが受信された場合に、前記試行手段は、前記通信パラメータを用いて、前記アクセスポイントへの接続を再試行することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記要求手段は、前記セキュアチャネルを介して通信パラメータを要求することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第一受信手段と前記第一送信手段でやり取りした情報に基づいて前記セキュアチャネルを確立することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
通信装置であって、
認証要求を他の通信装置に送信する第一送信手段と、
前記第一送信手段で送信した認証要求に応答して認証応答を前記他の通信装置から受信する第一受信手段と、
前記他の通信装置がアクセスポイントと通信接続するための通信パラメータの要求を前記他の通信装置から受信する第二受信手段と、
前記第二受信手段で受信した要求に応答して前記他の通信装置へ前記通信パラメータを、認証プロトコルに基づいて確立されたセキュアチャネルで送信する第二送信手段と、
前記他の通信装置による前記通信パラメータを用いた前記アクセスポイントへの接続の試行結果を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置から受信する第二受信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記第二受信手段は前記試行結果が成功の場合は成功を示す情報を前記他の通信装置から前記セキュアチャネルで受信し、前記試行結果が失敗の場合は失敗を示す情報を前記他の通信装置から前記セキュアチャネルで受信することを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第二受信手段により、成功を示す情報が前記セキュアチャネルで前記他の通信装置から受信された場合、前記通信装置は、前記セキュアチャネルを切断するための制御を行う請求項7または8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記第二受信手段は、前記セキュアチャネルを介して前記要求を受信することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記第一受信手段と前記第一送信手段でやり取りした情報に基づいて前記セキュアチャネルを確立することを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記第二受信手段により、失敗を示す情報が前記セキュアチャネルで前記他の通信装置から受信された場合に前記通信パラメータの設定の再試行を指示する画面を表示する第一表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記試行結果を表示部に表示する第二表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項7から12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記第二送信手段で前記通信パラメータを送信してから所定時間内に前記第二受信手段で前記試行結果を受信しなかった場合、エラーを通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項7から13のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記試行結果を示す情報はIEEE802.11シリーズの規格に規定されたアクションフレームで通信されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項16】
前記通信装置はDevice Provisioing Protocol(DPP)の処理を実行可能であり、前記認証要求はDPP Authentication Requestであり、前記認証応答はDPP Authentication Responseであることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
前記通信装置は印刷機能を有するプリンタであることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
通信装置が実行する制御方法であって、
他の通信装置から認証要求を受信する第一受信工程と、
前記第一受信工程で受信した認証要求に応答して、認証応答を前記他の通信装置に送信する第一送信工程と、
前記他の通信装置に対して、前記通信装置がアクセスポイントと通信接続するための通信パラメータを要求する要求工程と、
前記要求に応答して前記他の通信装置から前記通信パラメータを、認証プロトコルに基づいて確立されたセキュアチャネルで受信する第二受信工程と、
前記通信パラメータを用いて前記アクセスポイントへの接続を試行する試行工程と、
前記試行工程による試行結果を示す情報を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信する第二送信工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項19】
通信装置が実行する制御方法であって、
認証要求を他の通信装置に送信する第一送信工程と、
前記第一送信工程で送信した認証要求に応答して認証応答を前記他の通信装置から受信する第一受信工程と、
前記他の通信装置がアクセスポイントと通信接続するための通信パラメータの要求を前記他の通信装置から受信する第二受信工程と、
前記第二受信工程で受信した要求に応答して前記他の通信装置へ前記通信パラメータを、認証プロトコルに基づいて確立されたセキュアチャネルで送信する第二送信工程と、
前記他の通信装置による前記通信パラメータを用いた前記アクセスポイントへの接続の試行結果を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置から受信する第二受信工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1から17のいずれか1項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線による通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Local Area Network)に参加するためには様々な通信パラメータを設定する必要があり、このような通信パラメータの設定を容易にする技術として、DPP(Device Provisioing Protocol)規格が策定されている。DPPでは、コンフィギュレータ(Configurator)として機能する通信装置が、コネクタ等の通信パラメータをエンローリ(Enrollee)として機能する通信装置に送信(提供)する(特許文献1)。エンローリとして機能する通信装置は通信パラメータを受信すると、アクセスポイントにより形成される無線LANへの参加を試行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで例えば、コンフィギュレータとして機能する通信装置がスマートフォンであり、エンローリとして機能する通信装置がプリンタである場合を考える。この場合、スマートフォンは、例えばユーザによる操作に応じて、プリンタに通信パラメータを送信する。通信パラメータを受信したプリンタは無線LANへの参加を試みるが、このとき、スマートフォンのユーザは、プリンタが無線LANへの参加に成功したか否かを知ることが困難であった。また、それにより、スマートフォンのユーザは、プリンタへの通信パラメータの送信が完了したかを確認することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、通信パラメータ受信側の装置によるネットワークへの参加の試行状況を通信パラメータ提供側の装置へ通知するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一手段として、本発明の通信装置は以下の構成を有する。すなわち、通信装置であって、
他の通信装置から認証要求を受信する第一受信手段と、
前記第一受信手段で受信した認証要求に応答して、認証応答を前記他の通信装置に送信する第一送信手段と、
前記他の通信装置に対して、前記通信装置がアクセスポイントと通信接続するための通信パラメータを要求する要求手段と、
前記要求に応答して前記他の通信装置から前記通信パラメータを、認証プロトコルに基づいて確立されたセキュアチャネルで受信する第二受信手段と、
前記通信パラメータを用いて前記アクセスポイントへの接続を試行する試行手段と、
前記試行手段による試行結果を示す情報を前記セキュアチャネルで前記他の通信装置へ送信する第二送信手段と、
を有する。
【発明の効果】
【0007】
通信パラメータ受信側の装置によるネットワークへの参加の試行状況を通信パラメータ提供側の装置へ通知することが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】(A)はスマートフォン100のハードウェア構成例を示す図、(B)はスマートフォン100の機能構成例を示す図。
【
図3】(A)はプリンタ101のハードウェア構成例を示す図、(B)はプリンタ101機能構成例を示す図。
【
図4】第1の実施形態におけるプリンタ101の処理のフローチャート。
【
図5】複数のアクセスポイントから任意の1つのアクセスポイントを選択させるための画面例を示す図。
【
図6】無線LANへの参加に成功したことを通知するメッセージを含む画面例を示す図。
【
図7】無線LANへの参加に失敗したことを通知するメッセージを含む画面例を示す図。
【
図8】第1の実施形態におけるプリンタ101の処理のフローチャート。
【
図9】第2の実施形態におけるスマートフォン100の処理のフローチャート。
【
図10】第2の実施形態におけるプリンタ101の処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその実施形態の一例に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0010】
[第1の実施形態]
(システム構成)
図1に、第1の実施形態における通信システム10の概略構成を示す。通信システム10は、スマートフォン100、プリンタ101、およびアクセスポイント102~104から構成される。スマートフォン100はDPPのコンフィギュレータとして機能し、プリンタ101はDPPのエンローリとして機能する。アクセスポイント102~104はそれぞれ、IEEE802.11シリーズの規格に対応した無線LANのアクセスポイントである。なお、スマートフォン100、プリンタ101、およびアクセスポイント102~104は、携帯電話、デジタルカメラ、複合機等の他の種別の通信装置であってもよい。また、
図1に示す通信システム10は3台のアクセスポイントを含むが、これは一例であり、4台以上の数のアクセスポイントを含んでもよい。
【0011】
(スマートフォン100の構成)
図2にスマートフォン100の構成を示す。
図2(A)はスマートフォン100のハードウェア構成例を示し、
図2(B)はスマートフォン100の機能構成例を示す。まず、スマートフォン100のハードウェア構成について説明する。
図2(A)において、制御部200は記憶部201に記憶されたプログラムを読み出し、実行することで各部を制御する。制御部200は、例えば、1つ以上のCPU(中央処理装置)や1つ以上のマイクロプロセッシングユニットから構成される。記憶部201は、制御部200が実行するプログラム、それが実行される際に使用される各種の設定にかかる情報等を記憶する。また、制御部200がプログラムを実行する際に一時的に情報を記憶させるためにも使用される。記憶部201は、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、フラッシュメモリ、ハードディスクのうちの1つ以上から構成される。
【0012】
入力部202は、ユーザからの操作/入力を受け付け、当該操作/入力に対応する情報を各部に伝送する。入力部202は、例えば、ボタンやマイクから構成される。表示部203は、各種表示を行う。表示部203は視覚情報に限らず、音声情報を出力するように構成されてもよい。よって、表示部203は、例えば、Light Emitting Diode(LED)等で構成されるディスプレイ、スピーカ、またはそれらの任意の組み合わせとして構成される。なお、タッチパネル付のディスプレイのように、入力部202と表示部203は共に機能してユーザインタフェース(UI)として構成されてもよい。撮像部204は、撮像を行い、撮像により取得された画像をデジタル化して画像データを生成する。撮像部204は、例えば、カメラ、画像センサで構成される。無線通信部205は、IEEE802.11シリーズの規格に基づいて、他の通信装置と無線で通信する。無線通信部205は、Bluetooth(登録商標)、Near Field Communication(NFC)等の他の規格に基づいて無線で通信してもよい。無線通信部205は、例えば、無線通信モジュール、無線通信用集積回路とアンテナから構成される。
【0013】
次に、スマートフォン100の機能構成について説明する。
図2(B)において、送信部210と受信部211はそれぞれ、無線通信部205を介して各種フレーム(信号)を送信および受信する。情報解析部212は、撮像部204等を介して取得されたBoostrap情報(後述)の解析を行う。表示制御部213は、表示部203への表示制御を行う。認証処理部214は、認証処理を行う。結果判定部215は、受信部211により受信された情報に基づいて、プリンタ101がアクセスポイントにより形成される無線LANへの参加を試行した結果が成功であるか否かを判定する。チャネル制御部216は、送信部210、受信部211、記憶部201に対する制御を介して、プリンタ101との間のセキュアチャネルの確立および切断のための制御を行う。
【0014】
(プリンタ101の構成)
図3にプリンタ101の構成を示す。
図3(A)プリンタ101のハードウェア構成例を示し、
図3(B)はプリンタ101の機能構成例を示す。まず、プリンタ101のハードウェア構成について説明する。
図3(A)において、制御部300、記憶部301、入力部302、表示部303、および無線通信部305は、
図2(A)におけるスマートフォン100の制御部200、記憶部201、入力部202、表示部203、および無線通信部205と同様であるため、説明を省略する。印刷部304は、デジタル情報を印刷画像に変換し、紙等の媒体にインク、トナー等を使用して印刷する機能を有する。
【0015】
次に、プリンタ101の機能構成について説明する。
図3(B)において、送信部310と受信部311はそれぞれ、無線通信部305を介して各種フレーム(信号)を送信および受信する。表示制御部312は、表示部303への表示制御を行う。認証処理部313は、認証処理を行う。ネットワーク参加部314は、所定の手順に従って、所望のアクセスポイントの管理するネットワークへの参加を試行する。チャネル制御部315は、送信部310、受信部311、記憶部301に対する制御を介して、スマートフォン100との間のセキュアチャネルの確立および切断のための制御を行う。
【0016】
(処理の流れ)
続いて、本実施形態におけるスマートフォン100とプリンタ101との間の処理について説明する。まず、スマートフォン100の処理について説明する。
図4は、本実施形態におけるスマートフォン100の処理のフローチャートである。
図4に示すフローチャートは、スマートフォン100の制御部200が記憶部201に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。また、本フローチャートの処理は、例えば、記憶部201に記憶された、プリンタ101を無線LANに接続させるためのアプリケーションソフトウェアが起動されると、開始される。なお、このアプリケーションソフトウェアは、入力部202に起動の指示がユーザにより入力されると、起動され得る。
【0017】
なお、スマートフォン100の記憶部201には、少なくともアクセスポイント102により形成される無線LANに参加するための通信パラメータが予め格納されているものとする。本実施形態における通信パラメータとは、DPP規格に規定されたコネクタ等の無線LANに参加するための情報である。通信パラメータは、予めユーザにより入力部202を介して、または、その他の任意の手段により入力され得る。
【0018】
ステップS400において、スマートフォン100はDPP Bootstrappingを実行し、DPPに規定されるBootstrap情報を取得する。Bootstrap情報には、公開鍵等が含まれる。なお、本実施形態では、DPP BootstrappingにはQuick Response(QR)コードが使用されるものとして説明するが、その他の二次元コードやバーコード等の任意の画像であってもよい。ステップS400の具体的な処理例として、まず、表示制御部213が、無線LANに参加させるプリンタ101の表示部に表示されるQRコードを撮像することを指示するメッセージを、表示部203に表示する。当該メッセージに基づいてユーザが入力部202を介して撮像の指示を入力すると、制御部200が撮像部204を起動し、これに応じて、撮像部204はプリンタ101に表示されたQRコードの画像を撮像する。続いて、情報解析部212が撮像されたQRコードの画像からBootstrap情報を取得し、記憶部201に格納する。なお、前述のように、本実施形態では、DPP BootstrappingにはQRコードが使用されるものとするが、Bluetooth、NFC等のDPP規格に規定された他の方法が使用されてもよい。すなわち、BlutoothやNFC等により、スマートフォン100がBootstrap情報を取得してもよい。続いて、情報解析部212は、取得したBootstrap情報を解析し、当該たBootstrap情報に含まれる情報を送信部210へ渡す。
【0019】
ステップS401において、送信部210は、Bootstrap情報に含まれる情報に基づいて、認証要求フレーム(DPP Authentication Requestフレーム)を生成し、プリンタ101へ送信する。認証要求フレームの送信後、ステップS402において、受信部211は、プリンタ101から認証応答フレーム(DPP Authentication Responseフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部211が所定時間内に認証応答フレームを受信すると(S402でYES)、認証処理部214は認証処理を実行し、これに成功すると、処理はステップS403に進む。一方、受信部211が所定時間内に認証応答フレームを受信しない場合(S402でNO)、本フローを終了する。なお、認証処理部214が認証処理に失敗した場合も、本フローは終了する。
【0020】
ステップS403において、送信部210は、受信部211により受信された認証応答フレームに基づいて、認証完了フレーム(DPP Authentication Confirmフレーム)を生成し、プリンタ101へ送信する。DPP規格によれば、認証要求フレーム、認証応答フレーム、および認証完了フレームの交換をDPP認証プロトコル(DPP Authentication Protocol)という。そして、これらのフレームの交換の完了により、スマートフォン100とプリンタ101の間にセキュアチャネルが確立される。なお、本実施形態では、これらのフレームの交換は、チャネル制御部216により制御される。セキュアチャネル確立後、チャネル制御部216は、確立されたセキュアチャネルに関する情報を記憶部201に記憶して管理する。
【0021】
セキュアチャネル確立後、ステップS404において、受信部211は、プリンタ101から設定要求フレーム(DPP Configuration Requestフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部211が所定時間内に設定要求フレームを受信すると(S404でYES)、処理はステップS405へ進み、所定時間内に受信しなかった場合(S404でNO)、処理はステップS409へ進む。
【0022】
ステップS405において、送信部210は、記憶部201に格納されている通信パラメータを読み出し、当該通信パラメータに基づいて設定応答フレーム(DPP Configuration Responseフレーム)を生成し、プリンタ101へ送信する。なお、スマートフォン100の記憶部201に複数のアクセスポイントの各々に対応する通信パラメータが格納されている場合、スマートフォン100は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを、ユーザに選択させるように構成されてもよい。例えば、表示制御部213は、複数のアクセスポイントの各々に対する識別情報および、その内の一つを選択することを指示するメッセージを、表示部203へ表示し得る。当該識別情報は、例えば、各アクセスポイントの媒体アクセス制御(MAC)アドレス、各アクセスポイントが管理する無線LANのExtended Service Set Identifier(ESSID)である。
図5に、複数のアクセスポイントから任意の1つのアクセスポイントを選択させるための画面例を示す。
図5に示す画面例において、ユーザが入力部202を介して任意の1つのアクセスポイントを選択するための指示を入力すると、当該選択されたアクセスポイントについてステップS405の処理が実行され得る。
【0023】
設定応答フレームの送信後、ステップS406において、受信部211は、プリンタ101から、プリンタ101がアクセスポイント102により形成(管理)される無線LANへの参加(アクセスポイント102への接続)を試行した結果(試行結果)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。試行結果は、DPPで使用されるフレームと同様に、IEEE802.11シリーズの規格に規定されたアクション(Action)フレームで伝送されてもよい。あるいは、試行結果は、データフレーム、もしくは他のフレームで伝送されてもよい。受信部211は、所定時間内に試行結果を受信すると(S406でYES)、処理はステップS407へ進み、所定時間内に受信しなかった場合(S406でNO)、処理はステップS410へ進む。
【0024】
ステップS407において、結果判定部215は、受信部211により受信された試行結果が成功であるか否かを判定する。成功である場合(S407でYES)、処理はステップS408に進み、成功でない場合(S407でNO)、処理はステップS410へ進む。ステップS408において、表示制御部213は、プリンタ101がアクセスポイント102により形成される無線LANへの参加に成功したことを通知するメッセージを、表示部203に表示する。
図6に、アクセスポイント102の管理する無線LANへの参加に成功したことを通知するメッセージを含む画面例を示す。この後、ステップS409において、チャネル制御部216は、プリンタ101との間のセキュアチャネルを切断するための制御を行う。例えば、チャネル制御部216は、記憶部201に記憶されている、セキュアチャネルに関する情報を削除(無効化)する。そして、本フローを終了する。このとき、チャネル制御部216は、共通鍵等を記憶し、セキュアチャネルを維持するために使用されていた記憶部201上の領域を開放してもよい。なお、切断処理はこれに限定されない。例えば、チャネル制御部216の制御により、送信部210は、IEEE802.11シリーズの規格に規定された切断フレーム(Disassociationフレーム)をプリンタ101に送信してもよい。同様に、送信部210は、認証解除フレーム(Deauthenticationフレーム)を送信してもよいし、アクションフレーム、データフレーム、もしくは他のフレームに、切断の通知を含ませて送信してもよい。また、受信部211がプリンタ101からこれらのフレームを受信するのを待機してもよい。受信部211がこれらのフレームを受信すると、または受信せずに所定の時間(例えば1秒)経過すると、スマートフォン100が切断処理を行ってもよい。
【0025】
なお、ステップS409においてセキュアチャネルを切断することにより、ビーコンフレームの伝送等により消費される無線資源を削減できる。したがって、プリンタ101とアクセスポイント102の間の通信に使用できる帯域、または無線資源を使用する他の機器が使用する帯域を増加することができ、リソースの効率的な利用が達成できる。また、セキュアチャネルを維持するために使用されるスマートフォン100およびプリンタ101の資源を削減できる。これにより、プリンタ101とアクセスポイント102の消費電力の低減や、プリンタ101とアクセスポイント102の間の通信等の他の処理にかかる性能の向上を実現することができる。
【0026】
一方、ステップS406とステップS407でNOの場合に進むステップS410において、表示制御部213は、プリンタ101がアクセスポイント102により形成される無線LANへの参加に失敗したことを通知するメッセージを、表示部203に表示する。更に、表示制御部213は、再試行するか否かを質問するメッセージも表示部203に表示してもよい。
図7に、プリンタ101がアクセスポイント102により形成される無線LANへの参加に失敗したことを通知するメッセージを含む画面例を示す。当該画面例では、再試行するか否かを質問するメッセージも表示されている。
【0027】
ステップS411において、入力部202は、ユーザから再試行を指示する入力を受け付けたかを判定する。
図7に示す画面例では、「はい」が入力されたか否かが判定される。再試行を指示する入力がなされた場合(S411でYES)、処理はステップS404に戻り、受信部211は、再度、プリンタ101から設定要求フレームを受信するのを所定時間待機する。再試行を指示する入力がない場合(S411でNO)、処理はステップS409に進む。ステップS409の処理は前述の通りである。ステップS409の処理の後、本フローを終了する。なお、S411に替えて、ステップS410の処理の後、所定時間内でステップS404からS407の処理が行われてもよい。
【0028】
次に、プリンタ101の処理について説明する。
図8は、本実施形態におけるプリンタ101の処理のフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、プリンタ101の制御部300が記憶部301に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。また、本フローチャートの処理は、例えば、記憶部301に記憶された、DPPによる無線LANの設定を開始するためのアプリケーションソフトウェアがユーザの指示により起動されると、開始される。
【0029】
ステップS800において、プリンタ101はDPP Bootstrappingを実行する。なお、上述したように、本実施形態では、DPP BootstrappingにはQRコードが使用されるものとして説明する。ステップS800の具体的な処理例として、表示制御部312は、記憶部301に格納されているBootstrap情報を含むQRコードの画像を表示部303に表示する。なお、本実施形態では、DPP BootstrappingにはQRコードが使用されるものとするが、Bluetooth、NFC等のDPP規格に規定された他の方法が使用されてもよい。すなわち、BlutoothやNFC等により、プリンタ101がBootstrap情報をスマートフォン100に提供してもよい。
【0030】
ステップS801において、受信部311は、スマートフォン100から認証要求フレーム(DPP Authentication Requestフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部311が所定時間内に認証要求フレームを受信すると(S801でYES)、認証処理部313は認証処理を実行し、これに成功すると、処理はステップS812に進む。一方、受信部311が所定時間内に認証要求フレームを受信しない場合(S801でNO)、本フローを終了する。なお、認証処理部313が認証処理に失敗した場合も、本フローは終了する。
【0031】
ステップS802において、送信部310は、受信部311により受信された認証要求フレームに基づいて、認証応答フレーム(DPP Authentication Responseフレーム)を生成し、スマートフォン100へ送信する。認証応答フレームの送信後、ステップS803において、受信部311は、スマートフォン100から認証完了フレーム(DPP Authentication Confirmフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部311が所定時間内に認証完了フレームを受信すると(S803でYES)、プリンタ101とスマートフォン100との間でセキュアチャネルが確立される。上述したように、セキュアチャネルの確立手順はDPP認証プロトコルに基づき、本実施形態では、認証要求フレーム、認証応答フレーム、および認証完了フレームの交換は、チャネル制御部315により制御される。セキュアチャネル確立後、チャネル制御部315は、確立されたセキュアチャネルに関する情報を記憶部301に記憶して管理する。一方、受信部311が所定時間内に認証完了フレームを受信しない場合(S803でNO)、本フローを終了する。
【0032】
セキュアチャネル確立後、ステップS804において、送信部310は、設定要求フレーム(DPP Configuration Requestフレーム)を生成し、スマートフォン100へ送信する。設定要求フレームを送信後、ステップS805において、受信部311は、スマートフォン100から設定応答フレーム(DPP Configuration Responseフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部311は、所定時間内に設定応答フレームを受信すると(S805でYES)、当該設定応答フレームに含まれる通信パラメータを記憶部301に格納する。続いて、ステップS806において、ネットワーク参加部314は、記憶部301に格納された通信パラメータを使用して、所望のアクセスポイントであるアクセスポイント102により形成される無線LANへの参加を所定時間内において試行する。
【0033】
無線LANへの参加の試行は、例えば、DPP規格に規定された手順で実行される。すなわち、ネットワーク参加部314は、送信部310と受信部311を介して、アクセスポイントの発見、ピアディスカバリ要求フレーム(Peer Discovery Requestフレーム)の送信、ピアディスカバリ応答フレーム(Peer Discovery Responseフレーム)の受信を行う。そして、ネットワーク参加部314は、それらのフレームの送受信に続いて、IEEE802.11シリーズの規格に規定された標準的な手順を行う。IEEE802.11シリーズの規格に規定された標準的な手順は、認証(Authentication)と関連付け(Association)で構成される。なお、4-Way Handshakeが実行されてもよい。
【0034】
所定時間、無線LANへの参加の試行を行った後、ステップS807において、ネットワーク参加部314は、参加試行の結果(試行結果)が成功であるか否かを判定する。成功である場合(S807でYES)、処理はステップS808に進む。ステップS808において、送信部310は、試行結果が成功であること通知するフレームを、スマートフォン100に送信する。試行結果は、
図4のステップS406の処理において説明したように、あらゆるフレームで送信され得る。送信部310が、試行結果が成功であること通知するフレームを送信すると、処理はステップS809に進む。
【0035】
ステップS809において、チャネル制御部315は、スマートフォン100との間のセキュアチャネルを切断するための制御を行う。例えば、チャネル制御部315は、記憶部301に記憶されている、セキュアチャネルに関する情報を削除(無効化)する。そして、本フローを終了する。このとき、チャネル制御部315は、共通鍵等を記憶し、セキュアチャネルを維持するために使用されていた記憶部301上の領域を開放してもよい。なお、切断処理はこれに限定されない。例えば、チャネル制御部315の制御により、送信部310は、IEEE802.11シリーズの規格に規定された切断フレーム(Disassociationフレーム)をスマートフォン100に送信してもよい。同様に、送信部310は、認証解除フレーム(Deauthenticationフレーム)を送信しても良いし、アクションフレーム、データフレーム、もしくは他のフレームに切断の通知を含ませて送信してもよい。また、受信部311がスマートフォン100からこれらのフレームを受信するのを待機してもよい。受信部311がこれらのフレームを受信すると、または受信せずに所定の時間(例えば1秒)経過すると、プリンタ101が切断処理を行ってもよい。
【0036】
なお、ステップS809においてセキュアチャネルを切断することにより、ビーコンフレームの伝送等により消費される無線資源を削減できる。したがって、プリンタ101とアクセスポイント102の間の通信に使用できる帯域、または無線資源を使用する他の機器が使用する帯域を増加することができ、リソースの効率的な利用が達成できる。また、セキュアチャネルを維持するために使用されるスマートフォン100およびプリンタ101の資源を削減できる。これにより、プリンタ101とアクセスポイント102の消費電力の低減や、プリンタ101とアクセスポイント102の間の通信等の他の処理にかかる性能の向上を実現することができる。
【0037】
一方、ステップS807でNOの場合に進むステップS810では、送信部310は、試行結果が失敗であること通知するフレームをスマートフォン100に送信する。試行結果は、ステップS808と同様に、あらゆるフレームで送信され得る。送信部310が試行結果を送信すると、処理はステップS804に戻り、設定要求フレームを再度送信する。また、これに応じて、ステップS805において、受信部311は、スマートフォン100から設定応答フレームを再度受信し得る。したがって、プリンタ101は、速やかに異なる通信パラメータ(または同じ通信パラメータ)を使用して無線LANへの参加を再度試行でき、プリンタ101の利便性が向上し得る。
【0038】
このように、本実施形態によれば、プリンタ101は、アクセスポイント102により形成される無線LANへの参加試行結果を、速やかにスマートフォン100へ伝送することができ、これを受けたスマートフォンは通知に基づく表示を行うことができ、結果としてユーザの利便性が向上する。また、プリンタ101が無線LANへの参加を試行している間もスマートフォン100とプリンタ101の間にDPP認証プロトコルにより確立されたセキュアチャネルは維持されている。したがって、プリンタ101は、試行結果を、より安全で確実な方法で、スマートフォン100に伝送することが可能となる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態については、第1の実施形態と異なる点を説明する。
【0040】
(処理の流れ)
本実施形態におけるスマートフォン100とプリンタ101との間の処理について説明する。まず、スマートフォン100の処理について説明する。
図9は、本実施形態におけるスマートフォン100の処理のフローチャートである。
図9に示すフローチャートは、スマートフォン100の制御部200が記憶部201に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。また、本フローチャートの処理は、例えば、記憶部201に記憶された、プリンタ101を無線LANに接続させるためのアプリケーションソフトウェアが起動されると、開始される。なお、このアプリケーションソフトウェアは、入力部202に起動の指示がユーザにより入力されると、起動され得る。
【0041】
図4と同一の番号が付与されたステップでは、
図4において説明した処理と同様の処理が実行される。ただし、ステップS400の次はステップS901、ステップS405の次はステップS950に進む。ステップS901では、受信部211は、プリンタ101から認証要求フレーム(DPP Authentication Requestフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部211が所定時間内に認証要求フレームを受信すると(S901でYES)、認証処理部214は認証処理を実行し、これに成功すると、処理はステップS902に進む。一方、受信部211が所定時間内に認証要求フレームを受信しない場合(S901でNO)、本フローを終了する。なお、認証処理部214が認証処理に失敗した場合も、本フローは終了する。
【0042】
ステップS902において、送信部210は、受信部211により受信された認証要求フレームに基づいて、認証応答フレーム(DPP Authentication Responseフレーム)を生成し、プリンタ101へ送信する。認証応答フレームの送信後、ステップ903において、受信部211は、プリンタ101から認証完了フレーム(DPP Authentication Confirmフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部211が所定時間内に認証完了フレームを受信すると(S903でYES)、プリンタ101とスマートフォン100との間でセキュアチャネルが確立される。セキュアチャネル確立後、チャネル制御部216は、確立されたセキュアチャネルに関する情報を記憶部201に記憶して管理する。一方、受信部211が所定時間内に認証完了フレームを受信しなかった場合(S903でNO)、本フローを終了する。
【0043】
セキュアチャネル確立後、
図4のステップS404とS405と同様の処理が行われ、続くステップS950において、チャネル制御部216は、プリンタ101との間のセキュアチャネルを切断するための制御を行う。本ステップの処理は、
図4のステップS409の処理と同様である。続くステップS951、S952、S953では各々、前述したステップS901、S902、S903と同様の処理が実行される。ただし、ステップS953において、受信部211がプリンタ101から認証完了フレームを受信すると(S953でYES)、セキュアチャネルが再度確立され、処理はステップS406に進む。以降の処理は、
図4における対応する番号のステップと同様である。
【0044】
次に、プリンタ101の処理について説明する。
図10は、本実施形態におけるプリンタ101の処理のフローチャートである。
図10に示すフローチャートは、プリンタ101の制御部300が記憶部301に記憶されている制御プログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。また、本フローチャートの処理は、例えば、記憶部301に記憶された、DPPによる無線LANの設定を開始するためのアプリケーションソフトウェアがユーザの指示により起動されると、開始される。
【0045】
図8と同一の番号が付与されたステップでは、
図8において説明した処理と同様の処理が実行される。ただし、ステップS800の次はステップS1001、ステップS805の次はステップS1050、ステップS806の次はステップS1051に進む。ステップ1001では、送信部210は、記憶部301に格納されているBootstrap情報に含まれる情報に基づいて、認証要求フレーム(DPP Authentication Requestフレーム)を生成し、スマートフォン100へ送信する。認証要求フレームを送信後、ステップS1002において、受信部311は、スマートフォン100から認証応答フレーム(DPP Authentication Responseフレーム)を受信するのを所定時間待機する。当該所定時間は、例えば5秒である。受信部211が所定時間内に認証応答フレームを受信すると(S1002でYES)、認証処理部313は認証処理を実行し、これに成功すると、処理はS1003へ進む。一方、受信部211が所定時間内に認証応フレームを受信しない場合(S1002でNO)、本フローを終了する。なお、認証処理部313が認証処理に失敗した場合も、本フローは終了する。
【0046】
ステップS1003において、送信部310は、受信部311により受信された認証応答フレームに基づいて、認証完了フレーム(DPP Authentication Confirm)を作成し、スマートフォン100へ送信する。これによりセキュアチャネルが確立され、チャネル制御部216は、確立されたセキュアチャネルに関する情報を記憶部201に記憶して管理する。
【0047】
セキュアチャネル確立後、
図8のステップS803とS804と同様の処理が行われ、続くステップS1050において、チャネル制御部315は、スマートフォン100との間のセキュアチャネルを切断するための制御を行う。本ステップの処理は、
図8のステップS809の処理と同様である。続くステップS1051、S1052、S1053では各々、前述したステップS1001、S1002、S1003と同様の処理が実行され、セキュアチャネルが再度確立される。ただし、ステップS1053の次はステップS807に進む。以降の処理は、
図8における対応する番号のステップと同様である。
【0048】
このように、本実施形態によれば、第1の実施形態において述べた効果に加えて、セキュアチャネルを不必要に維持しないことで、消費される無線資源をより削減することが可能となり、システムとして使用可能な資源(帯域)を増加させることができる。従って、プリンタ101とアクセスポイント102の消費電力の更なる低減や、プリンタ101とアクセスポイント102の間の通信等の他の処理にかかる性能の更なる向上を実現することができる。
【0049】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 スマートフォン、101 プリンタ、102~104 アクセスポイント