(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】センサーとセンサーシールドとを有する血液ポンプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 60/816 20210101AFI20240904BHJP
A61M 60/178 20210101ALI20240904BHJP
A61M 60/242 20210101ALI20240904BHJP
A61M 60/416 20210101ALI20240904BHJP
【FI】
A61M60/816
A61M60/178
A61M60/242
A61M60/416
(21)【出願番号】P 2023118738
(22)【出願日】2023-07-21
(62)【分割の表示】P 2022124430の分割
【原出願日】2017-06-06
【審査請求日】2023-08-16
(32)【優先日】2016-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダンブロシオ ラルフ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】アダムス ブルース
(72)【発明者】
【氏名】フィネガン マイケル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スパニア ゲルド
(72)【発明者】
【氏名】シエス ソーステン
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514529(JP,A)
【文献】特開2005-291945(JP,A)
【文献】特表2012-520690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/816
A61M 60/178
A61M 60/242
A61M 60/416
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液ポンプハウジング構成要素
(103)と;
少なくとも1つの入力ポート(111)および少なくとも1つの出力ポート(125)と;
該血液ポンプハウジング構成要素
(103)に連結されたセンサー
(1020)であって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成され伝送ファイバー
(1024)に連結されたセンサー膜
(1023)を含む、センサー
(1020)と
を具備する、
血液ポンプアセンブリ
(101)であって、
該血液ポンプアセンブリ
(101)が、
該センサー(1020)を物理的損傷から保護するために、該センサー膜
(1023)の少なくとも一部分を覆うシールドを含み、
該シールドが、
該センサー膜(1023)を血液で洗浄するために、血液ポンプハウジング構成要素
(103)を貫通して延びかつ該センサー膜
(1023)に対して遠位側に位置付けられている血液アパーチャー
(136)を含む、
血液ポンプアセンブリ
(101)。
【請求項2】
血液アパーチャー
(136)が、
センサー(1020)のセンサー膜(1023)の前方に位置付けられるくぼみ(122)内に位置付けられる、請求項
1記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項3】
血液アパーチャー(136)が血液ポンプハウジング構成要素(103)の周壁を貫通して延びる、請求項1または2記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項4】
血液ポンプハウジング構成要素(103)の周壁がセンサー膜(1023)に対して遠位側に位置付けられるくぼみ(122)を含む、請求項3記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項5】
血液アパーチャー(136)がくぼみ(122)内に位置付けられた、請求項3または4記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項6】
くぼみ
(102)が、センサー
(1020)より幅広である、請求項
1~5の何れか1項記載の血液ポンプアセンブリ。
【請求項7】
血液アパーチャー(136)は、血液ポンプハウジング構成要素(103)に連結したカニューレアセンブリを通り血液ポンプハウジング構成要素(103)へ流入する血液が、血液ポンプハウジング構成要素(103)を出てセンサー膜(1023)を洗浄することを可能にする、請求項1~6の何れか1項記載の血液ポンプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその内容全体が本明細書に組み入れられる、2016年6月6日に提出された米国特許仮出願第62/346,163号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
心臓内血液ポンプアセンブリなどの血液ポンプアセンブリは、心臓から動脈内に血液を送達するため心臓内に導入されることがある。さまざまな血液ポンプアセンブリが、心臓の左心室から血液を引き、血液を大動脈内に駆出する。一部の血液ポンプアセンブリは左心側を支持し、大腿動脈を通って上行大動脈内に入り大動脈弁を越えて左心室内に入るカテーテル手技などによって、心臓治療手技中に血管系を通して経皮的に導入されることがある。右心側を支持することを意図したシステムでは、血液ポンプアセンブリは静脈を通して導入され、静脈系(すなわち大静脈)を通して心臓内に挿入されてもよい。心臓のいずれかの側に対する血液ポンプアセンブリが、外科的に埋植されるかまたは鎖骨下動脈および/もしくは頚動脈を通して挿入される場合もある。
【0003】
血管を通して血液ポンプアセンブリが挿入される際に、蛇行性の経路および/または石灰化した解剖学的構造が、血液ポンプアセンブリの構成要素を妨害および損傷する可能性がある。血液ポンプアセンブリが挿入中に損傷すると、血液ポンプアセンブリの除去または取替が必要になる場合がある。血液ポンプアセンブリは、患者の生命力に影響する手技において用いるために設計されているので、精密に操作および送達できることが重要である。さらに、患者と血液ポンプアセンブリとの相互作用をモニターすることも重要となりうる。
【発明の概要】
【0004】
概要
1つの局面において、血液ポンプアセンブリは、血液ポンプハウジング構成要素と、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出口ポートと、血液ポンプハウジング構成要素に連結されたセンサーとを含む。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。センサーは伝送ファイバーに連結される。血液ポンプアセンブリは、センサーを物理的損傷から保護するために、センサー膜の少なくとも一部分を覆うシールドを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、シールドは、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプを含む。特定の実施形態において、血液ポンプアセンブリは、センサーを物理的損傷から保護するために、センサー膜を越えて遠位方向に延びているセンサーバイザーをさらに含む。いくつかの実施形態において、センサーバイザーは、バリアーバンプに形成されたバイザーノッチ内に延びている。特定の実施形態において、血液ポンプアセンブリは、バイザーノッチを覆うキャップをさらに含む。いくつかの実施形態において、センサーバイザーは、接着剤または溶接によってバリアーバンプに取り付けられる。特定の実施形態において、シールドは、センサー膜の表面を覆う少なくとも1つの保護層を含む。いくつかの実施形態において、センサー膜は、センサーバイザーに対して近位方向に引っ込んで配置される。特定の実施形態において、シールドは、センサー膜を血液で洗浄するための、血液ポンプハウジング構成要素を貫通して延びかつセンサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーを含む。
【0006】
別の局面において、血液ポンプアセンブリは、血液ポンプハウジング構成要素と、血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと、血液ポンプハウジング構成要素に連結されたセンサーとを含む。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、かつ伝送ファイバーに連結される。血液ポンプアセンブリは、血液ポンプアセンブリが患者内に挿入された時にセンサーを損傷から保護するための受動的保護機構を含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、受動的保護機構は、センサー膜より遠位側に位置付けられたバリアーを含む。特定の実施形態において、バリアーは血液ポンプハウジング構成要素から突出している。いくつかの実施形態において、バリアーは、血液ポンプハウジング構成要素と同じ材料で構成される。特定の実施形態において、バリアーは、血液に接触する滑らかな外面を有する。いくつかの実施形態において、バリアーは、センサーの径方向高さにほぼ等しいかまたはそれより大きい径方向高さを有する。特定の実施形態において、血液ポンプアセンブリは、血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面するセンサー膜の表面上に付着された1つまたは複数の保護層をさらに含む。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の保護層は単一の層を含み、単一の層は、センサー膜上に付着されており、かつゲルとして付着可能であり硬化可能である材料で形成されている。特定の実施形態において、1つまたは複数の保護層は、血液との化学的または生物学的な反応によってセンサー膜が溶解することを防止できる材料を含む。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の保護層はシリコーンの層を含む。特定の実施形態において、1つまたは複数の保護層は金属酸化物を含む。いくつかの実施形態において、センサー膜は、2ミクロン以下の厚さを有する。特定の実施形態において、センサーは、血液ポンプハウジング構成要素内のセンサーベッド内に位置付けられる。いくつかの実施形態において、センサーは、光信号を伝送する光学式センサーである。特定の実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素は、実質的に円柱形かつ細長の形状を有する。
【0008】
別の局面において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと、インペラーブレードと、血液ポンプハウジング構成要素と、カニューレアセンブリと、センサーとを含む。カニューレアセンブリは血液ポンプハウジング構成要素に連結される。血液ポンプハウジング構成要素は、インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む。インペラーブレードは駆動ユニットに回転可能式に連結される。センサーは血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結される。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。センサー膜は伝送ファイバーに連結される。血液ポンプアセンブリは、センサー膜の少なくとも一部分を覆うシールドを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、シールドは、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプと、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーとを含む。特定の実施形態において、センサーバイザーはバリアーバンプまで延びている。いくつかの実施形態において、センサーバイザーはバリアーバンプのバイザーノッチ内に延びている。いくつかの実施形態において、キャップがバイザーノッチを覆う。特定の実施形態において、センサーバイザーは、接着剤によってバリアーバンプに取り付けられる。いくつかの実施形態において、シールドは、センサー膜の表面を覆う保護層を含む。特定の実施形態において、センサー膜は、センサーバイザーの下で、保護層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置される。いくつかの実施形態において、シールドは、センサー膜を洗浄するための、血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びかつセンサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーを含む。特定の実施形態において、血液アパーチャーは、センサー膜とバリアーバンプとの間に位置付けられる。いくつかの実施形態において、センサーバイザーは血液アパーチャーの上に延びている。
【0010】
別の局面において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと、インペラーブレードと、血液ポンプハウジング構成要素と、カニューレアセンブリと、センサーとを含む。カニューレアセンブリは血液ポンプハウジング構成要素に連結される。血液ポンプハウジング構成要素は、インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む。インペラーブレードは駆動ユニットに回転可能式に連結される。センサーは血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結される。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。その膜は伝送ファイバーに連結される。血液ポンプアセンブリは、センサー膜に対して遠位側に位置付けられた受動的保護機構として構成されてもよいセンサーシールドを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたシールド(例えば受動的保護機構)は、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーを含む。特定の実施形態において、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたシールド(例えばバリアー)は、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプを含む。バリアーバンプは血液ポンプハウジング構成要素の周壁から突出していてもよい。特定の実施形態において、シールド(例えばバリアーまたはバリアーバンプ)は、血液ポンプハウジング構成要素と同じ材料で構成される。いくつかの実施形態において、シールド(例えばバリアーまたはバリアーバンプ)は滑らかな表面を有する。特定の実施形態において、シールド(例えばバリアーまたはバリアーバンプ)はステンレス鋼で構成される。いくつかの実施形態において、シールド(例えばバリアーまたはバリアーバンプ)は、電解研磨または機械的に研磨される。特定の実施形態において、シールド(例えばバリアーまたはバリアーバンプ)は、センサーの高さにほぼ等しいかまたはそれより大きい高さを有する。いくつかの実施形態において、シールド(例えばバリアーまたはバリアーバンプ)は、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを受けるよう構成されたバイザーノッチを有する。
【0012】
特定の実施形態において、血液ポンプアセンブリのシールドは、センサー膜が受動的保護機構と血液ポンプハウジング構成要素の周壁との間に位置付けられるよう位置付けられた受動的保護機構を含む。いくつかの実施形態において、センサー膜がシールドと血液ポンプハウジングの周壁との間に存在するよう位置付けられたシールド(例えば受動的保護機構)は、センサー膜がバリアーと血液ポンプハウジングの周壁との間に存在するよう位置付けられたバリアーを含む。特定の実施形態において、センサー膜がシールドと血液ポンプハウジングの周壁との間に存在するよう位置付けられたシールド(例えばバリアー)は、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含む。いくつかの実施形態において、センサーバイザーはステンレス鋼である。特定の実施形態において、センサーバイザーは滑らかな表面を有する。いくつかの実施形態において、センサーバイザーは生体適合性材料を含む。特定の実施形態において、センサーバイザーは生体適合性材料でコーティングされる。
【0013】
別の局面において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと、インペラーブレードと、血液ポンプハウジング構成要素と、カニューレアセンブリと、センサーとを含む。カニューレアセンブリは血液ポンプハウジング構成要素に連結される。血液ポンプハウジング構成要素は、インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む。インペラーブレードは駆動ユニットに回転可能式に連結される。センサーは血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結される。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。その膜は伝送ファイバーに連結される。血液ポンプアセンブリは、センサー膜の表面を覆う受動的保護機構として構成されてもよいセンサーシールドを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、センサー膜の表面を覆うシールド(例えば受動的保護機構)は、センサー膜の表面を覆うバリアーを含む。特定の実施形態において、センサー膜の表面を覆うシールド(例えばバリアー)は、センサー膜の表面上に付着された保護層を含む。いくつかの実施形態において、センサー膜は血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面し、センサー膜の表面上に付着される保護層は、血液ポンプアセンブリ遠位端に向かって面するセンサー膜の表面上に付着される。特定の実施形態において、保護層は0.03 mmにほぼ等しいかまたはそれより大きい厚さを有する。いくつかの実施形態において、保護層は0.13 mmにほぼ等しいかまたはそれより大きい厚さを有する。特定の実施形態において、保護層は、ゲルとして付着可能でありかつハードニング可能である材料を含む。いくつかの実施形態において、保護層は、血液との化学反応によってセンサー膜が溶解することを防止できる材料を含む。特定の実施形態において、保護層はシリコーンを含む。
【0015】
別の局面において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと、インペラーブレードと、血液ポンプハウジング構成要素と、カニューレアセンブリと、センサーとを含む。カニューレアセンブリは血液ポンプハウジング構成要素に連結される。血液ポンプハウジング構成要素は、インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む。インペラーブレードは駆動ユニットに回転可能式に連結される。センサーは血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結される。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。その膜は伝送ファイバーに連結される。血液ポンプアセンブリは、センサー膜に対する1つまたは複数の能動的保護機構として構成されてもよいセンサーシールドを含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、シールド(例えば1つまたは複数の能動的保護機構)は、例えばセンサー膜を血液で洗浄するための機構などの、センサー膜を洗浄するための機構を含む。いくつかの実施形態において、センサー膜を洗浄するための機構は、血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びかつセンサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーなどの、1つまたは複数の構成要素を含む。特定の実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素の周壁は、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたくぼみを含む。いくつかの実施形態において、くぼみはセンサーより幅広である。特定の実施形態において、血液アパーチャーはそのくぼみ内に位置付けられる。いくつかの実施形態において、血液アパーチャーは、カニューレアセンブリを通り血液ポンプハウジング構成要素に流入する血液が、血液ポンプハウジング構成要素から出てセンサー膜を洗浄することを可能にする。
【0017】
いくつかの実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素の周壁は、1つまたは複数の血液排出窓を含む。特定の実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素の周壁は、血液ポンプハウジング構成要素の周壁に設けられたくぼみである伝送ファイバーベッドを含み、センサーの伝送ファイバーが伝送ファイバーベッド内に位置付けられる。伝送ファイバーは、血液パラメータを検出するため、センサーが感知した信号をプロセッサに伝送するのに用いられる。いくつかの実施形態において、センサーは、伝送ファイバーの周りに位置付けられたガラスリングを含む。
【0018】
特定の実施形態において、センサー膜は2ミクロン以下の厚さを有する。いくつかの実施形態において、センサー膜は1.3ミクロン以下の厚さを有する。特定の実施形態において、センサーは、血液ポンプハウジング構成要素の周壁内のセンサーベッド内に位置付けられる。いくつかの実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素は、血液排出窓の間に延びている複数のストラットを含む。伝送ファイバーベッドは、血液ポンプハウジング構成要素の複数ストラットのうちの1つのストラット内に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態において、伝送ファイバーは、複数ストラットのうちのその1つのストラットに、エポキシ樹脂によって連結されてもよい。インペラーブレードは、血液ポンプハウジング構成要素内に少なくとも部分的に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素は、第一の端部において駆動ユニットに連結され、第一の端部とは反対側の第二の端部においてカニューレアセンブリに連結される。特定の実施形態において、カニューレアセンブリは血液流入ケージを含む。いくつかの実施形態において、血液流入ケージは複数の入口開口部を含む。特定の実施形態において、可撓性の非外傷性延長部(例えばピッグテール)が血液流入ケージに連結される。
【0019】
別の局面において、血液ポンプアセンブリを製造する方法は、センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結する段階;血液ポンプハウジング構成要素の周壁がインペラーブレードの回転軸の周りに延びるよう、インペラーブレードを駆動ユニットに回転可能式に連結する段階;および、カニューレアセンブリを血液ポンプハウジング構成要素に連結する段階を含む。センサーは、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。センサー膜は伝送ファイバーに連結される。センサーは、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含んでいてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、血液ポンプハウジング構成要素の周壁から突出しているバリアーバンプのバイザーノッチ内にセンサーバイザーを位置付ける段階をさらに含んでいてもよい。特定の実施形態において、センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結する段階は、(例えばエポキシ樹脂などによって)センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に貼り付けることを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結する段階は、血液ポンプハウジング構成要素の周壁内の血液用くぼみの中にセンサーを位置付けることを含む。特定の実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素は、複数の血液排出窓と、血液排出窓の間に延びている複数のストラットとを含み、血液用くぼみは、血液ポンプハウジング構成要素内の複数のストラットのうちの1つのストラット内に位置付けられる。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、血液流入ケージをカニューレアセンブリに連結する段階をさらに含む。特定の実施形態において、本発明の方法は、可撓性非外傷性延長部を血液流入ケージに連結する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、センサー膜の表面上に保護層が付着される。特定の実施形態において、センサー膜の表面上に保護層が付着され、センサー膜は、センサーバイザーの下で、保護層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置される。
【0021】
センサーは、血液の、1つまたは複数の乱れまたは特性(例えば、血液パラメータ信号の決定に用いられる、圧力によって引き起こされるたわみ)を検出する。いくつかの実施形態において、センサーは圧力センサーまたは流量センサーである。特定の実施形態において、センサーは、感知した信号を光学的に伝送する。いくつかの実施形態において、伝送ファイバーは光ファイバーである。特定の実施形態において、駆動ユニットは外部モーターによって駆動される。
【0022】
別の局面において、血圧を検出する方法は、血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリを通して血液をポンピングする段階;および、血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結された光学式圧力センサーを用いて、ポンピングされた血液の血圧を検出する段階を含む。血液は、血液ポンプハウジング構成要素内に少なくとも部分的に位置付けられたインペラーブレードによってポンピングされる。インペラーブレードは、インペラーブレードに連結された駆動ユニットによって回転される。血液ポンプハウジング構成要素は、インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む。光学式圧力センサーは、センサー膜上の圧力の変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含む。センサー膜は光ファイバーに連結される。光学式圧力センサーは、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、血液をポンピングする段階は、血液ポンプハウジング構成要素内の1つまたは複数の血液排出窓を通して血液をポンピングすることを含む。特定の実施形態において、本発明の方法は、血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びている血液アパーチャーを通る血流を用いてセンサー膜を洗浄する段階をさらに含む。血液アパーチャーは、光学式圧力センサーのセンサー膜の前方に位置付けられた血液用くぼみ内に位置付けられる。いくつかの実施形態において、血液ポンプハウジング構成要素の周壁は、血液ポンプハウジング構成要素の周壁から突出しているバリアーバンプを含む。バリアーバンプは、血液用くぼみがバリアーバンプとセンサー膜との間に存在するように、血液用くぼみの前方に位置付けられる。特定の実施形態において、本発明の方法は、光学式圧力センサーからセンサー膜上にかつバリアーバンプ内のバイザーノッチ内へと延びているセンサーバイザーを用いて、血液アパーチャーを通って流れる血液を偏向させる段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、センサー膜はガラス材料を含む。特定の実施形態において、センサー膜はポンプの遠位端に向かって面する。いくつかの実施形態において、センサー膜は厚さが2ミクロン未満である。いくつかの実施形態において、センサー膜の表面上に保護層が付着される。特定の実施形態において、センサー膜の表面上に保護層が付着され、センサー膜は、センサーバイザーの下で、保護層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置される。
【0024】
認識されるべき点として、以上の諸概念および以下により詳しく論じる追加の諸概念のすべての組合せは、(そのような概念が互いに矛盾しない限り)本明細書に開示する本発明の内容の一部であると企図される。特に、添付の特許請求の内容のすべての組合せは、本明細書に開示する本発明の内容の一部であると企図される。さらに、特定の概念が省略されるかまたは実施されなくてもよい。
[本発明1001]
血液ポンプハウジング構成要素と;
少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出口ポートと;
該血液ポンプハウジング構成要素に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、伝送ファイバーに連結された、センサーと
を具備し、
該センサーを物理的損傷から保護するために該センサー膜の少なくとも一部分を覆うシールドを含む、
血液ポンプアセンブリ。
[本発明1002]
シールドが、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプを含む、本発明1001の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1003]
センサーを物理的損傷から保護するためのセンサーバイザーをさらに具備し、該センサーバイザーがセンサー膜を越えて遠位方向に延びている、本発明1002の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1004]
センサーバイザーが接着剤または溶接によってバリアーバンプに取り付けられている、本発明1003の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1005]
センサー膜が、センサーバイザーに対して近位方向に引っ込んで配置されている、本発明1003の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1006]
センサーバイザーが、バリアーバンプに形成されたバイザーノッチ内に延びている、本発明1003の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1007]
バイザーノッチを覆うキャップをさらに具備する、本発明1006の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1008]
シールドが、センサー膜の表面を覆う少なくとも1つの保護層を含む、本発明1001の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1009]
シールドが、センサー膜を血液で洗浄するための、血液ポンプハウジング構成要素を貫通して延びかつ該センサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーを含む、本発明1001の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1010]
血液ポンプハウジング構成要素と;
該血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;
該血液ポンプハウジング構成要素に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、伝送ファイバーに連結された、センサーと
を具備する血液ポンプアセンブリであって、
該血液ポンプアセンブリが患者内に挿入された時に該センサーを損傷から保護するための受動的保護機構を含む、血液ポンプアセンブリ。
[本発明1011]
血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面するセンサー膜の表面上に付着された1つまたは複数の保護層をさらに具備する、本発明1010の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1012]
1つまたは複数の保護層が単一の層を含み、該単一の層が、センサー膜上に付着されており、かつゲルとして付着可能であり硬化可能である材料で形成されている、本発明1011の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1013]
1つまたは複数の保護層が、血液との化学的または生物学的な反応によってセンサー膜が溶解することを防止できる材料を含む、本発明1011の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1014]
1つまたは複数の保護層がシリコーンの層を含む、本発明1011の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1015]
1つまたは複数の保護層が金属酸化物を含む、本発明1011の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1016]
受動的保護機構が、センサー膜より遠位側に位置付けられたバリアーを含む、本発明1010の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1017]
バリアーが血液ポンプハウジング構成要素から突出している、本発明1016の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1018]
バリアーが、血液ポンプハウジング構成要素と同じ材料で構成されている、本発明1016の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1019]
バリアーが、血液に接触する滑らかな外面を有する、本発明1016の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1020]
バリアーが、センサーの径方向高さにほぼ等しいかまたはそれより大きい径方向高さを有する、本発明1016の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1021]
センサー膜が2ミクロン以下の厚さを有する、本発明1010の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1022]
センサーが、血液ポンプハウジング構成要素内のセンサーベッド内に位置付けられている、本発明1010の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1023]
センサーが、光信号を伝送する光学式センサーである、本発明1010の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1024]
血液ポンプハウジング構成要素が、実質的に円柱形かつ細長の形状を有する、本発明1010の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1025]
駆動ユニットと;
該駆動ユニットに回転可能式に連結されたインペラーブレードと;
該インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む血液ポンプハウジング構成要素と;
該血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;
該血液ポンプハウジング構成要素の該周壁に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成され伝送ファイバーに連結されたセンサー膜を含む、センサーと
を具備し、
該センサー膜のための1つまたは複数の能動的保護機構として構成されたシールドを含む、
血液ポンプアセンブリ。
[本発明1026]
1つまたは複数の能動的保護機構が、センサー膜を洗浄するための機構を含む、本発明1025の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1027]
センサー膜を洗浄するための機構が、該センサー膜を血液で洗浄するための機構を含む、本発明1026の血液ポンプアセンブリ。
[本発明1028]
血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリを通して血液をポンピングする段階であって、血液が、該血液ポンプハウジング構成要素内に少なくとも部分的に位置付けられたインペラーブレードによってポンピングされ、該インペラーブレードが、該インペラーブレードに連結された駆動ユニットによって回転され、該血液ポンプハウジング構成要素が、該インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む、段階;および
該血液ポンプハウジング構成要素の該周壁に連結された光学式圧力センサーを用いて、該ポンピングされた血液の血圧を検出する段階であって、該光学式圧力センサーが、センサー膜上の圧力の変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、該センサー膜が光ファイバーに連結されており、かつ、該光学式圧力センサーが、該センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含む、段階
を含む、血圧を検出する方法。
[本発明1029]
血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びている血液アパーチャーを通る血流を用いて、センサー膜を洗浄する段階をさらに含み、該血液アパーチャーが、光学式圧力センサーの該センサー膜の前方に位置付けられた血液用くぼみ内に位置付けられている、本発明1028の方法。
[本発明1030]
血液ポンプハウジング構成要素の周壁が、該血液ポンプハウジング構成要素の該周壁から突出しているバリアーバンプを含み、該バリアーバンプは、血液用くぼみが該バリアーバンプとセンサー膜との間に存在するように、該血液用くぼみの前方に位置付けられている、本発明1029の方法。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以上および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することにより明らかになるであろう;添付の図面において、同様の参照記号は全図面を通して同様の部品を指す。
【0026】
【
図1】センサーと、センサーを保護するための例示的な遮蔽特徴とを有する、例示的なカテーテル式血液ポンプアセンブリの側面図である。
【
図2】
図1の血液ポンプアセンブリの上面図である。
【
図3】
図1の血液ポンプアセンブリの部分上面図である。
【
図4】
図1の血液ポンプアセンブリの流出ケージ上に設置されたセンサーの拡大斜視図である。
【
図5】
図4のセンサーおよび流出ケージの拡大側面図である。
【
図6】
図4の血液ポンプアセンブリの拡大端面図であり、インペラーハブと、インペラーブレードと、センサーを保護するための例示的な遮蔽特徴とを示している。
【
図7】
図4の血液ポンプアセンブリのセンサーおよび遮蔽特徴の拡大端面図である。
【
図8】
図4の血液ポンプアセンブリの斜視図であり、流出ケージと遮蔽特徴との間に滑らかな移行部を提供するキャップおよびカバーを示している。
【
図9】カテーテル式血液ポンプアセンブリ用の感知アセンブリの側面図である。
【
図10】カテーテル式血液ポンプアセンブリ用の感知アセンブリの部分側断面図である。
【
図11】センサー膜を覆う追加の保護層を含む、別の感知アセンブリの部分側断面図である。
【
図12】センサー膜を覆う追加の保護層を含む、別の感知アセンブリの部分側断面図である。
【
図13】血液ポンプアセンブリを製造するための例示的工程のフローダイアグラムである。
【
図14】血圧を検出するための例示的工程のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
本明細書において企図される、血液ポンプアセンブリ、センサー、血液ポンプアセンブリを製造する方法、および、圧力または流量などの血液パラメータを検出するための方法について、全体的な理解を提供するため、特定の例示的態様を説明する。本明細書に説明する諸態様および諸特徴は、心臓治療手技中に血管系を通して経皮的に導入されてもよい血液ポンプアセンブリと関連する使用について具体的に説明されるが、以下に概説するすべての構成要素および他の特徴が、任意の好適な様式で互いに組み合わせられてもよいこと、ならびに、他のタイプの心臓治療および心臓治療デバイスに適合および適用されてもよいことが、理解されるであろう。
【0028】
本明細書に説明するシステム、方法、およびデバイスは、センサーと、センサーを物理的損傷から保護するシールドとを含む、血液ポンプアセンブリを提供する。センサーはセンサー膜を含んでいてもよく、センサー膜は脆弱であってもよい。シールドは、センサー膜を保護することなどにより、血液ポンプアセンブリとセンサーとが血管系の蛇行性の経路および/または石灰化した解剖学的構造を通り抜けかつ動作可能な状態を保つことを可能にしてもよい。シールドは、1つまたは複数の受動的保護機構、能動的保護機構、または両者の組合せを含んでいてもよい。受動的保護機構は、センサー膜を保護する1つまたは複数のバリアーを含んでいてもよい。例として、センサーバイザーが、血液ポンプの導入器上の弁葉など軟性の障害物がセンサー膜に接触しこれを損傷することを防いでもよい。バリアーバンプは受動的保護機構の別の例であり、センサー膜に対して遠位側に位置付けられてもよい。バリアーバンプは、血管系内の石灰化部および他の障害物を偏向させてもよく、かつ/または、ポンプが脈管構造を通して心臓内に送達される間にポンプの方向が変化した時にセンサー膜が損傷されることを防いでもよい。シールドはまた、センサー膜を覆う追加の保護層(例えばシリコーンの層)も含んでいてもよい。例として、この保護層は、圧力の正確な検出に顕著に影響することまたは干渉することなく、センサー膜が患者の血液との化学反応によって溶解することを防いでもよい。センサー膜を洗浄するための機構は、センサーに対する能動的保護機構の1例である。例えば、センサー膜の表面上に血液が蓄積または凝固することを防ぐため、センサー膜に近接して血液アパーチャーが位置付けられてもよく、アパーチャーを通って流れる血液がセンサー膜の前端部を洗浄してもよい。
【0029】
図1は、センサー1020と、センサー1020を保護するための例示的な遮蔽特徴とを有する、例示的なカテーテル式血液ポンプアセンブリ101の側面図である。
図2は血液ポンプアセンブリ101の上面図であり、
図3は血液ポンプアセンブリ101の部分上面図である。図に示されているように、血液ポンプアセンブリ101は、カニューレアセンブリ102と、センサー1020と、カテーテルシャフト106と、可撓性非外傷性延長部(例えばピッグテール)108と、血液ポンプモーター110と、血液ポンプモーターハウジング105と、血液ポンプハウジング構成要素103と、駆動シャフト104と、インペラーハブ113と、血液流入ケージ107と、ガイドワイヤ穴141とを含む。ピッグテール延長部108は湾曲部分109を含む。血液流入ケージ107は1つまたは複数の入力ポート111を含む。血液ポンプハウジング構成要素103の内部は、カニューレアセンブリ102の内部と隣接している。カニューレアセンブリ102は血液ポンプハウジング構成要素103に連結され、血液ポンプハウジング構成要素103は血液ポンプモーターハウジング105に連結される。血液ポンプハウジング構成要素は、実質的に円柱形かつ細長の形状を有する。血液ポンプモーター110は血液ポンプモーターハウジング105内に格納される。代替として、他の特定の実施形態において、血液ポンプモーター110の外層が血液ポンプハウジング105となるよう、血液ポンプモーター110は一体型ハウジングを有する。
【0030】
本明細書において用いられる「遠位の(distal)」は、血液ポンプアセンブリが血管内に挿入される方向を意味し、「近位の(proximal)」は遠位方向の反対である。例えば
図1において、延長部108はセンサー1020より遠位にあり、カテーテルシャフト106はセンサー1020より近位にある。
【0031】
カニューレアセンブリ102は、近位の血液ポンプハウジング構成要素103とは反対側のカニューレアセンブリ102の遠位端に向けて位置付けられた、血液流入ケージ107を含む。カテーテルシャフト106は、血液ポンプアセンブリ101の近位端において血液ポンプモーターハウジング105から延びている。可撓性非外傷性延長部(例えばピッグテール)108は、血液ポンプアセンブリ101の遠位端において血液流入ケージ107から遠位方向に延びている。血液ポンプアセンブリ101は、左心側用または右心側用のポンプとして構成されてもよい。
【0032】
センサー1020は、血圧、血流量、および/または他のパラメータを感知してもよい。センサー1020は、感知した信号を、望ましい身体的変数または医学的変数に変換するため、パラメータの線形化およびキャリブレーション用の信号調整・データ収集システムを含むトランスデューサシステムに伝送する。例えば、センサー1020は、光信号を伝送する光学式圧力センサーであってもよく、または電気式センサーであってもよい。
【0033】
カニューレアセンブリ102は、中を流れる血流を促進するよう構成された少なくとも1つの中心管腔114を提供する。カニューレアセンブリ102はベンド112を含む。いくつかの態様において、ベンド112は45°である。当業者には、カニューレアセンブリ102について他の構成も可能であることが理解されるであろう。右心側で使用するよう設計される特定の実施形態において、カニューレアセンブリ102の通過および最終位置のニーズに対応するため、カニューレアセンブリ102は1つまたは複数のベンドを有してもよく、異なるかつ/または複数のベンド半径を有してもよい。特定の態様において、カニューレアセンブリ102がベンドを有さなくてもよい。特定の態様において、カニューレアセンブリ102の直径は9 Fr(3 mm)にほぼ等しいかまたは9 Fr(3 mm)より大きい。例えば、カニューレアセンブリ102の直径は、9 Fr(3 mm)、10 Fr(3.33 mm)、11 Fr(3.67 mm)、12 Fr(4 mm)、12 Fr超、または他の任意の好適な直径であってもよい。いくつかの態様において、カニューレアセンブリ102の直径は9 Fr(3 mm)にほぼ等しいかまたは9 Fr(3 mm)より小さい。例えば、カニューレアセンブリ102の直径は、8 Fr(2.67 mm)、7 Fr(2.33 mm)、6 Fr(2 mm)、6 Fr未満、または他の任意の好適な直径であってもよい。
【0034】
駆動シャフト104は血液ポンプモーター110からインペラーハブ113にトルクを伝える。例えば、駆動シャフト104の近位端部分(図には示していない)が血液ポンプモーター110のローターに連結されてもよく、駆動シャフト104の遠位端(図には示していない)がインペラーハブ113に連結されてもよい。いくつかの態様において、可撓性の駆動ケーブル、磁気クラッチ、および/または磁気駆動用構成要素が、血液ポンプモーター110からインペラーハブ113にトルクを伝える。特定の態様において、血液ポンプモーター110は、患者の体外に位置付けられ、血液ポンプアセンブリ101が患者の心臓内に位置付けられた時に血液ポンプモーター110のローターを回転させるよう構成されてもよく、かつ、血液ポンプモーター110のローターに駆動シャフトまたは駆動ケーブルが連結されてもよい。そのような態様において、血液ポンプモーター110は血液ポンプモーターハウジング105内には存在しない。それらの態様において、血液ポンプモーターハウジング105は、ポンプの剛性の直径および/または長さが小さくなるよう改変される。
【0035】
カニューレアセンブリ102はまた、カニューレアセンブリ102の、血液ポンプハウジング構成要素103とは反対側の端部に向けて位置付けられた、血液流入ケージ107も含む。血液流入ケージ107は1つまたは複数の入力ポート111を含む。血液ポンプアセンブリ101は、血液ポンプモーター110および駆動シャフト104の作動が、(
図1~3に示されていないインペラーブレードを含んでいてもよい)インペラーハブ113を回転させ、1つまたは複数の入力ポート111を通して血液または他の流体を血液流入ケージ107(または血液入口マニホールド)に引き入れるよう、構成される。血液流入ケージ107を通って受けられた血液は、カニューレアセンブリ102を通り血液ポンプハウジング構成要素103に移動する。血液ポンプハウジング構成要素103に入った血液は、血液ポンプハウジング構成要素103の近位端にある流出ケージの窓または血液排出アパーチャー(図には示していない)を通って血液ポンプハウジング構成要素103から排出される。いくつかの態様において、フローの方向は、本明細書に例示するデバイスの方向と反対であってもよい。そのような態様において、血液の流入は、カニューレアセンブリ102の、血液ポンプハウジング構成要素103に接続された側で生じ、血液の流出はカニューレアセンブリ102の反対側で生じる。患者の体内に置かれたとき、血液ポンプアセンブリ101は、(血液流入ケージ107を介して)左心室から、(血液排出アパーチャーを介して)大動脈まで、血液をポンピングしてもよい。血液ポンプアセンブリ101は、血液ポンプアセンブリ101の近位端において血液ポンプモーターハウジング105から延びているカテーテルシャフト106を含む。カテーテルシャフト106は、血液ポンプモーター110に電力と制御信号とを提供し、かつ、センサー1020などの1つまたは複数のセンサーから情報を受け取る、電気コネクタケーブルを格納する;センサーについては、本明細書において特定の態様に基づきさらに詳述する。いくつかの態様において、カテーテルシャフト106は、パージ用流体を受けることを容易にし、かつ、伝送ファイバー用のコンジットとして用いられる、1つまたは複数の管腔を含む。いくつかの態様において、カテーテルシャフト106の1つまたは複数の管腔の内部は、1つまたは複数の管腔の長さの少なくとも一部分にわたって、例えばテフロン(登録商標)などポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のライニングでコーティングされる。PTFEライニングは摩擦係数が低いので、伝送ファイバーは1つまたは複数の管腔を通ってより自由に動くことができ、かつ、必要に応じて容易に挿入または引き戻すことができる。
【0036】
血液ポンプアセンブリ101は、血液ポンプアセンブリ101の遠位端において血液流入ケージ107から延びている可撓性非外傷性延長部108(例えばピッグテール)を含む。延長部108は湾曲部分109を含む。延長部108は、例えば左心室内など、血液ポンプアセンブリ101を正しい位置に安定させることを補助する。特定の態様において、延長部108は、まっすぐな構成から部分的に湾曲した構成に構成可能である。したがって、延長部108は、少なくとも部分的に、可撓性材料で構成されてもよい。
【0037】
図4~8に、
図1の血液ポンプアセンブリ101上に設置されたセンサー1020のさまざまな図を示す。
図4は、
図1の血液ポンプアセンブリ101の流出ケージ400上に設置されたセンサー1020の拡大斜視図である。
図5は、
図4のセンサー1020および流出ケージ400の拡大側面図である。
図6は、
図4の血液ポンプアセンブリ101の拡大端面図であり、インペラーハブ113と、インペラーブレード140と、センサー1020を保護するための例示的な遮蔽特徴とを示している。
図7は、
図4の血液ポンプアセンブリ101のセンサー1020および遮蔽特徴の拡大端面図である。
図8は、
図4の血液ポンプアセンブリ101の斜視図であり、流出ケージ400と遮蔽特徴との間に滑らかな移行部を提供するキャップおよびカバーを示している。明瞭さのため、
図4~8においてカニューレアセンブリ102は省略されている。
【0038】
図に示されているように、血液ポンプアセンブリ101はシールドを含んでいてもよい。シールドは、センサーバイザー、バリアーバンプ、追加の保護層(例えばシリコーン層)、および/または血液アパーチャーを含んでいてもよい。例えば
図4~8において、シールドは、センサーバイザー1022と、バリアーバンプ123と、血液アパーチャー136とを含む。
図4~8において、血液ポンプアセンブリ101は、複数のストラット127と、1つまたは複数の出力ポート125と、センサーベッド134と、伝送ファイバー1024と、くぼみ122と、インペラーブレード140と、伝送ファイバーベッド135とをさらに含む。血液ポンプハウジング構成要素103は流出ケージ400を含む。センサー1020はセンサーヘッド721とセンサー膜1023とを含む。バリアーバンプ123とセンサーバイザー1022とをいずれも有する態様において、バリアーバンプ123はセンサーバイザー1022に接続するための機構を含んでいてもよい。例えば
図4~8において、バリアーバンプ123は、センサーバイザー1022の一部分を固定位置で受けかつ保持するバイザーノッチ124を含む。センサー1020は血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400に取り付けられる。例えば
図4~7において、センサー1020は、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400の複数のストラット127のうちの1つより遠位側に連結され、センサーベッド134内に着座する。好ましくは、センサー1020は、複数のストラット127のうちの1つの上には位置付けられない。例えばいくつかの態様において、センサー1020は、ストラット127より遠位の(例えば、0.1 mm、0.5 mm、1 mm、2 mm、5 mm、1 cm、または他の任意の好適な距離だけ遠位の)、流出ケージ400の一部分上に位置付けられる。代替的に、センサー1020は、血液流入ケージ(例えば血液流入ケージ107)上またはカニューレ(例えばカニューレアセンブリ102)上に位置付けられてもよい。
【0039】
センサー1020のセンサー膜1023は、例えば圧力、流量、流体組成、および/または粘稠度の変化などの、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成される。センサー膜1023は好ましくは薄い。いくつかの態様において、センサー膜1023は厚さが2ミクロン未満である。いくつかの態様において、センサー膜1023は、ケイ素、二酸化ケイ素、または窒化ケイ素などの、脆弱なガラス材料で構成される。センサー膜1023のたわみは、血液ポンプアセンブリ101における血液パラメータ(例えば血圧)の変化を測定するために用いられる。伝送ファイバー1024のベンド半径の制約により、センサー膜1023は血液ポンプアセンブリ101の遠位端のほうを向く。センサー膜1023のたわみはセンサーヘッド721によって感知されて伝送ファイバー1024に伝送される。伝送ファイバー1024は、センサーが感知した信号を、信号評価のため光学ベンチに伝送する。伝送ファイバー1024は、血液ポンプアセンブリ101の他の構成要素に対するセンサー1020の位置に応じて、血液ポンプアセンブリ101上のさまざまな位置にわたって延びていてもよい。
図4において、伝送ファイバー1024は、血液ポンプハウジング構成要素103の複数のストラット127のうちの1つに沿い、血液ポンプモーターハウジング105に沿い、カテーテルシャフト106(図には示していない)を通って延びている。いくつかの態様において、伝送ファイバー1024は、ポリマー(例えばポリイミド)などの保護コーティングでコーティングされる。伝送ファイバー1024は血液ポンプハウジング構成要素103に取り付けられる。例えば
図4において、伝送ファイバー1024は、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400に設けられたくぼみである伝送ファイバーベッド135内に位置付けられる。測定される血液パラメータ(例えば圧力)およびそのようなパラメータの変化は、血液ポンプアセンブリ101の動作と、血液ポンプアセンブリ101の位置と(例えば圧力センサーの態様において、圧力の差は心臓内のさまざまな位置に関連する)、血液ポンプアセンブリ101の留置および動作に応答した患者の生命徴候とに関する情報を提供する。
【0040】
感知した信号を光学的に伝送するセンサーを備えた態様において、伝送ファイバー1024は光ファイバーであり、伝送ファイバー1024は光源まで延びている。そのような態様において、センサーヘッド721内の光の反射または(例えばファブリー・ペロー共振器の感知原理を用いる態様における)共振周波数は、血液パラメータの変化に応答したたわみ下で、センサー膜1023の位置の変化に応答して変化する。光の反射または共振周波数の変化は、信号評価のため、伝送ファイバー1024によって、センサーヘッド721から光学ベンチ(または、光変調された圧力信号を、ソフトウェアを用いて保存および/もしくは解析できる、電気的にキャリブレーションされたデータまたはデジタルデータに変換するよう構成された、他の好適な構成要素)まで伝送される。光学ベンチは、例えば体外のコンソール内またはコネクタ内に位置するなど、血液ポンプハウジング構成要素103から遠隔位置にあってもよい。圧力を感知するセンサーを備えた態様において、センサー膜1023の表面上の圧力変化に応答したセンサー膜1023の動きは、伝送ファイバー1024によって、圧力決定用の光学ベンチまたはトランスデューサに伝送される。上述のように、センサーは、感知した圧力信号を光学的に伝送してもよい。
【0041】
バリアーバンプ123は、センサー膜1023を保護するために、センサー膜1023の前方/遠位側に位置付けられる。バリアーバンプ123は血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400から突出している。いくつかの態様において、バリアーバンプ123は、ステンレス鋼などの、血液ポンプハウジング構成要素103と同じ材料で構成される。バリアーバンプ123は、電解研磨されるか、機械的に研磨されるか、またはその他、血栓および血流剪断応力を最少にする滑らかな表面を提供するような方式で処理されてもよい。特に、血液と接触するバリアーバンプ123の全表面が、血栓および血流剪断応力を最少にするよう滑らかであることが好ましい。センサー1020は他のさまざまな保護特徴を含んでいてもよい。
図4~8に示す態様などの、バリアーバンプ123とセンサーバイザー1022とをいずれも有する態様において、バリアーバンプ123は、センサーバイザー1022を固定位置で受けかつ保持するよう構成されたバイザーノッチ124を含んでいてもよい。接着剤(例えばエポキシ樹脂)、溶接などの、センサーバイザー1022をバリアーバンプ123に接続するための他の機構が利用されてもよい。
【0042】
図に示されているように、センサーバイザー1022はセンサー膜1023の上に延びるシュラウドであってもよい。
図4~8に示す態様などの、バリアーバンプ123とセンサーバイザー1022とをいずれも有する態様において、センサーバイザー1022はバリアーバンプ123のバイザーノッチ124まで延びていてもよい。センサーバイザー1022は、血流を、血液アパーチャー136を通って血液ポンプハウジング構成要素103から出るよう、方向付けまたは偏向させることを助ける。センサーバイザー1022は、血液を、センサー1020のセンサー膜1023に向かいそしてくぼみ122を通って側方に出るよう偏向させる。いくつかの態様において、センサーバイザー1022はステンレス鋼で構成される。センサーバイザー1022は湾曲した幾何学形状を有してもよい。センサーバイザー1022は、血栓を防ぐため、血液と接触する表面の一部または全部について、好ましくは滑らかな表面を有する。センサーバイザー1022は、少なくとも部分的に生体適合性材料で構成されるか、かつ/または生体適合性材料のコーティングを有してもよい。
【0043】
本明細書に説明するように、血液ポンプアセンブリ101は、心臓治療手技中に血管系を通して経皮的に導入されてもよい。例えば、血液ポンプアセンブリ101は、左心側に支持を提供できるよう、大腿動脈を通って上行大動脈内に入り大動脈弁を越えて左心室内に入るカテーテル手技によって挿入されてもよい。前述のように、導入器ユニットを通して血管系内に血液ポンプアセンブリ101を導入する段階は、血管系内の蛇行性の方向変化および石灰化した解剖学的構造を通り抜ける段階を含んでいてもよい。センサー1020と、特にセンサー膜1023とは、血管系の蛇行性かつ石灰化した解剖学的構造によって容易に損傷されうる、傷つきやすいまたは脆性の構成要素で構成されてもよい。バリアーバンプ123とセンサーバイザー1022とは、センサー1020が、血管系の蛇行性かつ石灰化した解剖学的構造を通り抜けかつ動作可能な状態を保つことを可能にする。例えば、バリアーバンプ123は、血管系内の石灰化またはセンサー1020の方向変化によってもたらされる、近づいてくる障害物を偏向させることによって、センサー膜1023を保護してもよい。別の例として、センサーバイザー1022は、血液ポンプ導入器上の弁葉など軟性の障害物がセンサー膜1023に接触しこれを損傷することを防ぐことによって、センサー膜1023を保護してもよい。
図4~8に示す態様などの、バリアーバンプ123とセンサーバイザー1022とをいずれも有する態様において、バリアーバンプ123によって偏向された障害物は、センサーバイザー1022の上に乗ってもよく、これにより、障害物がセンサー膜1023に接触することおよび/またはセンサー膜1023を損傷することが防がれる。
【0044】
センサー膜1023はくぼみ122内に位置付けられ、かつ、血液アパーチャー136に近接して位置付けられる。くぼみ122は、カニューレアセンブリ102から流れてきた血液がセンサー膜1023まで導かれ、流体圧を決定できるようセンサー膜1023と直接的または間接的に相互作用する場所である。
図4~8において、血液はセンサー膜1023と直接的に相互作用してもよい。(
図11~12に関連して後述するように)1つまたは複数の保護層がセンサー膜1023に付着されている態様において、血液はセンサー膜1023と間接的に相互作用する。血液がセンサー1020から例えば側方などに容易に流出できるよう、くぼみ122はセンサー1020より幅広になるよう構成され、これにより、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400の外側に対する圧力と圧力等値にさせることが可能となる。いくつかの態様において、くぼみ122の幅は、センサー1020の幅にほぼ等しいかまたはそれより小さくなるよう構成される。
【0045】
血液アパーチャー136は、血液がセンサー膜1023に向かって流れ、次いで血液ポンプハウジング構成要素103から出ることを可能にする。図示した態様において、血液アパーチャー136はセンサー膜1023より遠位側に位置付けられ、かつ血液アパーチャー136はくぼみ122の中にある。センサー膜1023の表面上に血液が蓄積または凝固することを防ぐため、血液アパーチャー136は、カニューレアセンブリ102を通って流れる血液がセンサー膜1023の前端部を洗浄することを可能にする。図に示されているように、血液アパーチャー136は血液ポンプハウジング構成要素103の内部からくぼみ122の中に延びている。血液アパーチャー136はまた、カニューレアセンブリ102から血液ポンプハウジング構成要素103に流入した血液が、血液が1つまたは複数の出力ポート125を通って血液ポンプハウジング構成要素103から出るのと同様の様式で、血液ポンプハウジング構成要素103から出ることも可能にする。血液アパーチャー136を通って血液ポンプハウジング構成要素103から出る血液は、くぼみ122内でセンサー膜1023を通り過ぎて流れる。血液アパーチャー136は直径が約250ミクロンであってもよい。いくつかの態様において、血液アパーチャー136の直径は、例えば275ミクロン、300ミクロン、325ミクロン、350ミクロン、350ミクロン超、または任意の好適な直径など、250ミクロンより大きい。他の態様において、血液アパーチャー136の直径は、例えば225ミクロン、200ミクロン、175ミクロン、150ミクロン、125ミクロン、100ミクロン、100ミクロン未満、または任意の好適な直径など、250ミクロンより小さい。いくつかの態様において、フローは内向きに方向付けられてもよい。特定の態様において、フローは二方向性であってもよく、血液はセンサー膜1023を洗浄しながら血液アパーチャー136を出入りしてもよい。血液アパーチャー136は、血栓を防ぐため、血液と接触する表面の一部または全部について、好ましくは滑らかな表面を有する。センサー1020およびセンサー膜1023が、
図4~8に示す位置より遠位側に位置付けられる態様においては、血液が凝固する可能性が増大し、血液アパーチャー136がより重要となる。センサー1020およびセンサー膜1023が、
図4~8に示す位置より近位側に位置付けられる他の態様においては、血液アパーチャー136が必ずしも必要でない可能性があり、代わりにセンサー膜1023が血液に対して直接的にオープンになっていてもよい。
【0046】
センサー1020はさまざまな方式で血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400(または、流入ケージ107などの、血液ポンプアセンブリ101の他の構成要素)に取り付けられてよい。
図4において、センサー1020は、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400のくぼんだ位置にセンサー1020を受けるよう構成されたセンサーベッド134内に着座する。センサー膜1023と、血液アパーチャー136を通ってくぼみ122に入る血液との間で、インターフェースを提供および促進するため、センサーベッド134はくぼみ122の中まで直接延びている。いくつかの態様において、センサーベッド134は、その中にセンサー1020を留置および保持することを容易にするため、レーザーテクスチャ加工ストリップ(laser texturing strip)を含む。特定の態様において、センサーベッド134は、センサーベッド134の中および/または周囲の滑らかな構造に対してエポキシ樹脂またはシリコーンを用いることによるポッティングおよび/または平滑化を含む。
【0047】
図5に示すように、開口部/窓1025が、(
図4に示す)血液アパーチャー136から出る血液またはこれに入る血液がセンサー膜1023を洗浄することを可能にする。バリアーバンプ123は、センサー1020の挿入中に遭遇した障害物の位置を上昇させるため、センサー1020の高さ(例えば、血液ポンプアセンブリ101を通って延びる中心縦軸から径方向外向きの方向における高さ)より大きな高さを有するよう構築される。これにより、障害物をセンサー1020より上に上昇させてセンサー1020から逸らし、特にセンサー膜1023より上に上昇させることが可能になる。例えば、障害物は、センサー膜1023と接触することなくセンサーバイザー1022に沿ってその上を進んでもよい。センサー1020は、複数のストラット127のうちの1つより遠位側において、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400内に引っ込んで配置される。センサー1020を、血液ポンプハウジング構成要素103上の、
図5に示す位置より遠位側に位置付けることは、血液ポンプアセンブリ101の配置変更に役立つ可能性がある。いくつかの態様において、センサー1020および/またはセンサーバイザー1022が、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400(または、流入ケージ107などの、血液ポンプアセンブリ101の別の構成要素)およびバリアーバンプ123に、エポキシ樹脂を非限定的に含む接着剤で連結されるか、溶接されるか、または、当業者に公知である他の固定技法を用いて互いに連結されてもよい。
【0048】
血液ポンプハウジング構成要素103は駆動シャフト104を格納してもよく、駆動シャフト104は、軸回転できるよう血液ポンプモーター110に連結されてもよい。駆動シャフト104は、駆動シャフト104の遠位端部分でインペラーハブ113に連結される。インペラーハブ103はインペラーブレード140に連結される。インペラーブレード140は、カニューレアセンブリ102を通して血液を引いて、血液による高粘性の螺旋流を作り出し、その血液は、血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400の側壁に設けられた複数の血液排出窓125を通って血液ポンプハウジング構成要素103から出る。いくつかの態様において、排出窓は、血液ポンプハウジング構成要素103に形成されるかわりに、またはそれに加えて、カニューレアセンブリ102の壁に形成される。インペラーブレード140は展開可能または圧縮可能であってもよい。流出ケージ400は、流出ケージ400の周囲に位置付けられた複数のストラット127を含む。複数のストラット127は1つまたは複数の出力ポート125を分離する。複数のストラット127のうち少なくとも1つは、伝送ファイバー1024のための伝送ファイバーベッド135を含み、センサー1020および伝送ファイバー1024をそれぞれ格納するための(
図4に示す)センサーベッド134および伝送ファイバーベッド135と整列する。
【0049】
いくつかの態様において、血液ポンプアセンブリ101は、血液ポンプアセンブリ101の特定の構造上に滑らかな移行部を提供する特徴を含む。
図8に示すように、センサーバイザー1022が適切に位置付けられたとき、キャップ1027がバイザーノッチ124(図では見えない)を覆う。キャップ1027は、センサーバイザー1022を所定の位置に保持できかつ/またはバリアーバンプ123全体に滑らかな移行部を提供できる、接着剤、エポキシ樹脂、溶接部、または他の構造もしくは材料を含んでいてもよい。同様に、センサー1020および/または伝送ファイバー1024(図では見えない)が、カバー1028を通って血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400に連結される;カバー1028は、センサー1020全体に滑らかな移行部を提供しかつセンサー1020と伝送ファイバー1024とを所定の位置に固定するエポキシ樹脂層を非限定的に含んでいてもよい。当業者には、血液ポンプアセンブリ101の特定の構造上に滑らかな移行部を提供する他のさまざまな特徴が可能であることが理解されるであろう。好ましくは、血栓および血流剪断応力を最少にするため、血液ポンプアセンブリ101の、血液に触れるすべての表面が滑らかである。
【0050】
図9はカテーテル式血液ポンプアセンブリ用の感知アセンブリ1900の側面図である。感知アセンブリ1900は、センサー1920と、センサーバイザー1922と、伝送ファイバー1924と、コネクタ1925とを含む。センサー1920はセンサーヘッド1921とセンサー膜1923とを含む。センサーヘッド1921は感知用の構成要素を格納する。センサーバイザー1922は、ステンレス鋼を非限定的に含む材料で構成されてもよい。伝送ファイバー1924はコネクタ1925からセンサーヘッド1921まで延びている。感知アセンブリ1900が圧力を感知し、感知した信号を光学的に伝送する態様において、伝送ファイバー1924は、センサーヘッド1921を、センサー膜1923に光を送りかつ光学ベンチ/トランスデューサに変調信号を送り返すよう構成された光源に、コネクタ1925を通して光学的に連結する。回転するインペラーブレード(図には示していない)によって引き起こされた高圧および/または真空のもとでセンサー膜1923に圧力が印加されると、センサー膜1923がたわんで、反射光の変化/変調を引き起こし、それがセンサーヘッド1921から送り返される。光の変化は光学ベンチ/トランスデューサで検出され、圧力変化が決定される。
【0051】
図10はカテーテル式血液ポンプアセンブリ用の感知アセンブリ2000の部分側断面図である。感知アセンブリ2000は、センサー2020と、伝送ファイバー2024と、ジャケット2027と、グルー2028と、センサーバイザー2022とを含む。センサー2020は、センサーヘッド2021と、センサー膜2023と、温度補償部分2042とを含む。センサーヘッド2021は空洞2040を含む。伝送ファイバー2024はセンサーヘッド2021の近位部分で終端し、低損失でセンサーヘッド2021に連結される。空洞2040は、センサー膜2023との組み合わせにより、ファブリー・ペロー共振器を形成する。共振測定原理を可能にするため、空洞2040の両側が光を反射するよう製造される。信号の検出を可能にする必要があるという点に関して、1つの側、好ましくは伝送ファイバー2024の側において、部分反射が実現され、好ましくはセンサー膜2023の側において、全反射が実現される。温度補償部分2042は、温度の変動による感知信号のドリフトを防ぐよう構成される。温度補償部分2042はセンサー膜2023よりサイズが小さく、二酸化ケイ素を含んでいてもよい。ジャケット2027は伝送ファイバー2024の周りに位置付けられ、ガラスリングを含んでいてもよい。伝送ファイバー2024は、紫外線硬化性エポキシ樹脂であってもよいグルー2028によってセンサーヘッド2021に連結される。センサーバイザー2022はセンサー膜2023の遠位端を越えて延びているよう構成される。
【0052】
血液ポンプアセンブリ101用のシールドは他の方式で構成されてもよい。
図11~12において、シールドは、センサー膜を覆う追加の保護層を含む。
図11は、センサー膜を覆う追加の保護層を含む、別の感知アセンブリ1100の部分側断面図である。図に示されているように、感知アセンブリ1100は、センサー1120と、伝送ファイバー1124と、ジャケット1127と、グルー1128と、センサーバイザー1122と、薄層1102とを含む。センサー1120は、センサーヘッド1121と、センサー膜1123と、温度補償部分1142とを含む。センサーヘッド1121は空洞1140を含む。伝送ファイバー1124はセンサーヘッド1121の近位部分で終端し、低損失でセンサーヘッド1121に連結される。空洞1140は、センサー膜1123との組み合わせにより、ファブリー・ペロー共振器を形成する。共振測定原理を可能にするため、空洞1140の両側が光を反射するよう製造される。信号の検出を可能にする必要があるという点に関して、1つの側、好ましくは伝送ファイバー1124の側において、部分反射が実現され、好ましくはセンサー膜1123の側において、全反射が実現される。温度補償部分1142は、温度の変動による感知信号のドリフトを防ぐよう構成される。温度補償部分1142はセンサー膜1123よりサイズが小さく、二酸化ケイ素を含んでいてもよい。ジャケット1127は伝送ファイバー1124の周りに位置付けられ、ガラスリングを含んでいてもよい。伝送ファイバー1124は、紫外線硬化性エポキシ樹脂であってもよいグルー1128によってセンサーヘッド1121に連結される。センサーバイザー1122はセンサー膜1123の遠位端を越えて延びているよう構成される。薄層1102はセンサー膜1123の上に被せられてこれを覆い、センサー膜1123上の血流による損傷からセンサー膜1123を保護する。例えば、薄層1102は、患者の血液との化学反応によってセンサー膜1123が溶解することを防いでもよい。加えて、薄層1102は、生物学的付着物がセンサー膜1123上に直接形成されることを妨げる。
【0053】
薄層1102は、ゲルとしてセンサー膜1123上に付着可能でありかつ硬化可能である材料を含んでいてもよい。例えば、薄層1102はシリコーンを含んでいてもよい。いくつかの態様において、薄層1102は、酸化ケイ素、酸化物、金属、金属酸化物(五酸化タンタル(Ta2O5)、チタン、もしくは酸化チタンなど)、または、微小電気機械システム(MEMS)もしくは半導体の加工に広く用いられる他の任意のコーティングを含む。薄層1102は約1ミクロンの厚さを有してもよい。いくつかの態様において、薄層1102は1ミクロンより大きい厚さを有する。例えば薄層1102は、2ミクロン、3ミクロン、4ミクロン、5ミクロン、5ミクロン超、または任意の好適な厚さを有してもよい。特定の態様において、薄層1102は1ミクロン未満の厚さを有する。例えば薄層1102は、0.8ミクロン、0.6ミクロン、0.4ミクロン、0.2ミクロン、0.2ミクロン未満、または任意の好適な厚さを有してもよい。特定の態様において、保護層は、異なる保護バリアーとして機能する複数の層であってもよい。例えば、1つの層が、金属酸化物(五酸化タンタル(Ta2O5)、チタン、もしくは酸化チタンなど)、酸化ケイ素、酸化物、金属、または、MEMSもしくは半導体の加工に広く用いられる他の任意のコーティングの、非常に薄い層であってもよく、別の層が、シリコーンポリマーの層などの、追加のポリマー保護層であってもよい。金属/金属酸化物の非常に薄い層は、例えば厚さが約20ナノメートルであってもよい。他の態様において、異なる層(すなわち、ケイ素、金属、ポリマー)の間の接着能力を高め、かつ、望ましい保護能力を提供するため、3つ以上の層が好ましい可能性もある。材料の剛性またはドリフト挙動に応じて、異なる厚さが考慮されてもよい。信号に対する負の影響(例えばダンピング、ドリフト、非線形性)がより強い材料については、薄層が好ましいであろう。軟かい保護層については、保護機能を高めるため、より厚い層が好ましい可能性がある。
【0054】
図12は、センサー膜を覆う追加の保護層を含む、別の感知アセンブリ1200の部分側断面図である。感知アセンブリ1200は、センサー1220と、伝送ファイバー1224と、ジャケット1227と、グルー1228と、センサーバイザー1222と、層1202とを含む。センサー1220は、センサーヘッド1221と、センサー膜1223と、温度補償部分1242とを含む。センサーヘッド1221は空洞1240を含む。伝送ファイバー1224はセンサーヘッド1221の近位部分で終端し、低損失でセンサーヘッド1221に連結される。空洞1240は、センサー膜1223との組み合わせにより、ファブリー・ペロー共振器を形成する。共振測定原理を可能にするため、空洞1240の両側が光を反射するよう製造される。信号の検出を可能にする必要があるという点に関して、1つの側、好ましくは伝送ファイバー1224の側において、部分反射が実現され、好ましくはセンサー膜1223の側において、全反射が実現される。温度補償部分1242は、温度の変動による感知信号のドリフトを防ぐよう構成される。温度補償部分1242はセンサー膜1223よりサイズが小さく、二酸化ケイ素を含んでいてもよい。ジャケット1227は伝送ファイバー1224の周りに位置付けられ、ガラスリングを含んでいてもよい。伝送ファイバー1224は、紫外線硬化性エポキシ樹脂であってもよいグルー1228によってセンサーヘッド1221に連結される。センサーバイザー1222はセンサー膜1223の遠位端を越えて延びているよう構成される。
【0055】
層1202はセンサー膜1223の上に被せられてこれを覆い、センサー膜1223上の血流による損傷からセンサー膜1223を保護する。例えば、層1202は、患者の血液との化学反応によってセンサー膜1223が溶解することを防いでもよい。加えて、層1202は、生物学的付着物がセンサー膜1223上に直接形成されることを妨げる。感知アセンブリ1200が圧力センサーである態様において、層1202は、血圧を感知できるよう、血液からセンサー膜1223まで圧力を伝送する。層1202は、ゲルとしてセンサー膜1223上に付着可能でありかつ硬化可能である材料を含んでいてもよい。例えば、薄層1202はシリコーンを含んでいてもよい。層1202は約0.13 mmの厚さを有してもよい。いくつかの態様において、層1202は約0.13 mm以上の厚さを有する。例えば層1202は、0.14 mm、0.15 mm、0.16 mm、0.17 mm、0.18 mm、0.19 mm、0.2 mm、0.2 mm超、または任意の好適な厚さを有してもよい。特定の態様において、層1202は約0.13 mm以下の厚さを有する。例えば層1202は、0.12 mm、0.11 mm、0.1 mm、0.09 mm、0.08 mm、0.07 mm、0.06 mm、0.05 mm、0.05 mm未満、または任意の好適な厚さを有してもよい。センサー膜1223は、層1202の厚さにほぼ等しい距離だけ、
図11の態様におけるセンサー膜1123より近位方向に、センサーバイザー1222に対してさらに引っ込んで配置される。センサー膜1223をセンサーバイザー1222の下でさらに引っ込めて配置することにより、センサー膜1223上の血流による損傷に対する保護を向上させることができる。感知アセンブリ1200は、例えば1つ、2つ、または3つの保護層など、センサー膜1223上に付着された任意の数の追加的保護層を含んでいてもよい。
【0056】
感知アセンブリ1200はまた、センサー膜1223より近位側にゲル(例えばシリコーンゲル)または他の材料も含んでいてもよく、血液の進入が生じないよう、空洞1240を部分的または完全に満たしていてもよい。これにより、感知アセンブリ1200のこの領域内の血栓形成を防ぐことができ、かつ、血液は伝送ファイバー1224を損傷させそして伝送ファイバー1224とセンサーヘッド1221との接続を妨げる可能性があるので、感知アセンブリ1200の損傷も防ぐことができる。
【0057】
図13は血液ポンプアセンブリを製造するための例示的工程1300のフローダイアグラムである。段階1302において、エポキシ樹脂を用いるなどして、センサー(例えば
図4におけるセンサー1020)が血液ポンプハウジング構成要素(例えば
図4における血液ポンプハウジング構成要素103の流出ケージ400)に連結される。センサーを血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージに連結する段階は、センサーを血液ポンプハウジング構成要素のくぼみ(例えば
図4におけるくぼみ122)の中に位置付ける段階を含んでいてもよい。代替的にかつ前述のように、センサーは血液ポンプアセンブリのカニューレアセンブリに連結されてもよい。センサーは、例えば圧力、流量、流体組成、または粘稠度の変化などの、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜(例えば
図4におけるセンサー膜1023)を含む。センサー膜は伝送ファイバー(例えば
図4における伝送ファイバー1024)に連結される。センサーは、センサー膜の上に延びているセンサーバイザー(例えば
図4におけるセンサーバイザー1022)を含む。センサー膜上の血流による損傷からセンサー膜を保護するために、センサー膜上に1つまたは複数の保護層(例えば
図11における薄層1102)が付着されてもよい。例えば、保護層は、センサー膜が患者の血液との化学反応によって溶解することを防いでもよい。加えて、保護層は、生物学的付着物がセンサー膜上に直接形成されることを妨げてもよい。代替的に、保護層は
図11における薄層1102より厚くてもよく(例えば
図12における層1202)、センサー膜は、センサーバイザーの下で、その層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置されてもよい。センサー膜をセンサーバイザーの下でさらに引っ込めて配置することにより、センサー膜上の血流による損傷に対する保護を向上させることができる。
【0058】
段階1303において、駆動シャフトが回転するとインペラーハブおよびインペラーブレードが回転するように、インペラーハブおよびブレード(例えば
図6のインペラーハブ113およびインペラーブレード140)が駆動シャフト(例えば
図8の駆動シャフト104)に連結される。代替的に、インペラーハブと、ブレードと、駆動シャフトとは、モノリシックでかつ一体に形成されてもよい。血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージは、1つまたは複数の出力ポート(例えば
図5の出力ポート125)と、1つまたは複数の出力ポートの間に延びている複数のストラット(例えば
図5のストラット127)とを含んでいてもよい。くぼみは、血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージにおける複数のストラットのうちの1つのストラットより遠位側に位置付けられてもよい。
【0059】
段階1304において、カニューレアセンブリ(例えば
図1におけるカニューレアセンブリ102)が血液ポンプハウジング構成要素に連結される。段階1306において、血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージから突出しているバリアーバンプのバイザーノッチ(例えば
図4におけるバリアーバンプ123のバイザーノッチ124)内にセンサーバイザーが位置付けられる。バリアーバンプとセンサーバイザーとは、センサーが血管系の蛇行性かつ石灰化した解剖学的構造を通り抜けかつ動作可能な状態を保つことを可能にすることに関して、センサーに利点を提供する。段階1310において、血液流入ケージ(例えば
図1の血液流入ケージ107)がカニューレアセンブリに連結される。段階1312において、可撓性非外傷性延長部(例えば
図1の可撓性非外傷性延長部108)が血液流入ケージに連結される。
【0060】
図14は血圧を検出するための例示的工程1400のフローダイアグラムである。段階1402において、血液ポンプハウジング構成要素(例えば
図1における血液ポンプハウジング構成要素103)内に少なくとも部分的に位置付けられたインペラーブレード(例えば
図6におけるインペラーブレード140)を用いて、カニューレアセンブリ(例えば
図1におけるカニューレアセンブリ102)を通して血液がポンピングされる。インペラーブレードは、インペラーハブに連結された駆動シャフトによって回転されるインペラーハブ(例えば
図6のインペラーハブ113)に連結される。血液ポンプハウジング構成要素は流出ケージ(例えば
図4における流出ケージ400)を含み、血液をポンピングする段階は、血液ポンプハウジング構成要素における1つまたは複数の出力ポート(例えば
図4における出力ポート125)を通して血液をポンピングする段階を含んでいてもよい。
【0061】
段階1403において、ポンピングされた血液の血圧が、血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージに連結された光学式圧力センサー(例えば
図4におけるセンサー1020)を用いて検出される。光学式圧力センサーは、センサー膜上の圧力変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜(例えば
図4におけるセンサー膜1023)を含む。センサー膜はガラス/ケイ素材料を含んでいてもよい。センサー膜は血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面していてもよい。センサー膜は前述のような厚さを有していてもよい。光学式圧力センサーは、センサー膜の上に張り出したシュラウド部分を形成するようセンサー膜を越えて遠位方向にある距離だけ延びている、センサーバイザー(例えば
図4におけるセンサーバイザー1022)を含む。血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージは、血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージから突出しているバリアーバンプ(例えば
図4におけるバリアーバンプ123)を含んでいてもよい。バリアーバンプとセンサーバイザーとは、光学式圧力センサーが血管系の蛇行性かつ石灰化した解剖学的構造を通り抜けかつ動作可能な状態を保つことを可能にすることに関して、光学式圧力センサーに利点を提供する。バリアーバンプは、血管系内の石灰化またはセンサーの方向変化によってもたらされる、近づいてくる障害物を偏向させることによって、センサー膜を保護してもよい。センサーバイザーは、血液ポンプ導入器上の弁葉など軟性の障害物がセンサー膜に接触しこれを損傷することを防ぐことによって、センサー膜を保護してもよい。バリアーバンプによって偏向された障害物は、センサーバイザーの上に乗ってもよく、これにより、障害物がセンサー膜に接触することおよび/またはセンサー膜を損傷することが防がれる。バリアーバンプは、くぼみ(例えば
図4におけるくぼみ122)の前方に位置付けられてもよい。くぼみは、バリアーバンプとセンサー膜との間に存在してもよい。
【0062】
センサー膜上の血流による損傷からセンサー膜を保護するために、センサー膜上に1つまたは複数の保護層(例えば
図11における薄層1102)が付着されてもよい。例えば、その層は、センサー膜が患者の血液との化学的または生物学的な反応によって溶解することを防いでもよい。加えて、その層は、生物学的付着物がセンサー膜上に直接形成されることを妨げてもよい。代替的に、保護層は
図11における薄層1102より厚くてもよく(例えば
図12における層1202)、センサー膜は、センサーバイザーの下で、その層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置されてもよい。センサー膜をセンサーバイザーの下で引っ込めて配置することにより、センサー膜上の血流による損傷に対する保護を向上させることができる。光学式センサーの場合、センサーは光ファイバー(例えば
図4における伝送ファイバー1024)に直接的または間接的に連結される。
【0063】
段階1404において、センサー膜は、血液ポンプハウジング構成要素の流出ケージを貫通して延びている血液アパーチャー(例えば
図4の血液アパーチャー136)を通って流れる血液によって洗浄される。センサー膜を洗浄することにより、センサー膜の表面で血液が蓄積または凝固することが防がれる。
【0064】
段階1406において、血液アパーチャーを通って流れる血液は、光学式圧力センサーからセンサー膜上にかつバリアーバンプのバイザーノッチ内へと延びていてもよいセンサーバイザーを用いて偏向される。血液はまた、血液アパーチャーを通って流出してもよく、新たな体積の血液が血液アパーチャーに流入してもよい。
【0065】
追加的態様として、以下に挙げる態様などがある。
【0066】
A1。第一の追加的態様において、血液ポンプアセンブリは、血液ポンプハウジング構成要素と;少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出口ポートと;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、伝送ファイバーに連結された、センサーとを具備し、センサーを物理的損傷から保護するためにセンサー膜の少なくとも一部分を覆うシールドを含む。
【0067】
A2。シールドが、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプを含む、A1の血液ポンプアセンブリ。
【0068】
A3。センサーを物理的損傷から保護するためのセンサーバイザーをさらに具備し、センサーバイザーがセンサー膜を越えて遠位方向に延びている、A2の血液ポンプアセンブリ。
【0069】
A4。センサーバイザーが、バリアーバンプに形成されたバイザーノッチ内に延びている、A3の血液ポンプアセンブリ。
【0070】
A5。バイザーノッチを覆うキャップをさらに具備する、A4の血液ポンプアセンブリ。
【0071】
A6。センサーバイザーが接着剤または溶接によってバリアーバンプに取り付けられている、A3~A5のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0072】
A7。シールドが、センサー膜の表面を覆う少なくとも1つの保護層を含む、A1~A6のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0073】
A8。センサー膜が、センサーバイザーに対して近位方向に引っ込んで配置されている、A3~A7のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0074】
A9。シールドが、センサー膜を血液で洗浄するための、血液ポンプハウジング構成要素を貫通して延びかつセンサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーを含む、A1~A8のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0075】
A10。第二の追加的態様において、血液ポンプアセンブリは、血液ポンプハウジング構成要素と;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、伝送ファイバーに連結された、センサーとを具備し、血液ポンプアセンブリが患者内に挿入された時にセンサーを損傷から保護するための受動的保護機構を含む。
【0076】
A11。受動的保護機構が、センサー膜より遠位側に位置付けられたバリアーを含む、A10の血液ポンプアセンブリ。
【0077】
A12。バリアーが血液ポンプハウジング構成要素から突出している、A11の血液ポンプアセンブリ。
【0078】
A13。バリアーが、血液ポンプハウジング構成要素と同じ材料で構成されている、A11~A12のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0079】
A14。バリアーが、血液に接触する滑らかな外面を有する、A11~A13のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0080】
A15。バリアーが、センサーの径方向高さにほぼ等しいかまたはそれより大きい径方向高さを有する、A11~A14のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0081】
A16。血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面するセンサー膜の表面上に付着された1つまたは複数の保護層をさらに具備する、A10~A15のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0082】
A17。1つまたは複数の保護層が単一の層を含み、単一の層が、センサー膜上に付着されており、かつゲルとして付着可能であり硬化可能である材料で形成されている、A16の血液ポンプアセンブリ。
【0083】
A18。1つまたは複数の保護層が、血液との化学的または生物学的な反応によってセンサー膜が溶解することを防止できる材料を含む、A16またはA17の血液ポンプアセンブリ。
【0084】
A19。1つまたは複数の保護層がシリコーンの層を含む、A16~A18のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0085】
A20。1つまたは複数の保護層が金属酸化物を含む、A16~A19のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0086】
A21。センサー膜が2ミクロン以下の厚さを有する、A10~A20のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0087】
A22。センサーが、血液ポンプハウジング構成要素内のセンサーベッド内に位置付けられている、A10~A21のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0088】
A23。センサーが、光信号を伝送する光学式センサーである、A10~22のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0089】
A24。血液ポンプハウジング構成要素が、実質的に円柱形かつ細長の形状を有する、A10~A23のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0090】
B1。第三の追加的態様において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと;駆動ユニットに回転可能式に連結されたインペラーブレードと;インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む血液ポンプハウジング構成要素と;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成され伝送ファイバーに連結されたセンサー膜を含む、センサーとを具備し、センサー膜の少なくとも一部分を覆うシールドを含む。
【0091】
B2。シールドが、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプと、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーとを含む、B1の血液ポンプアセンブリ。
【0092】
B3。センサーバイザーがバリアーバンプまで延びている、B2の血液ポンプアセンブリ。
【0093】
B4。センサーバイザーがバリアーバンプのバイザーノッチ内に延びている、B3の血液ポンプアセンブリ。
【0094】
B5。キャップがバイザーノッチを覆っている、B4の血液ポンプアセンブリ。
【0095】
B6。センサーバイザーが接着剤によってバリアーバンプに取り付けられている、B2~B5のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0096】
B7。シールドが、センサー膜の表面を覆う保護層を含む、B2~B6のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0097】
B8。センサー膜が、センサーバイザーの下で、保護層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置されている、B7の血液ポンプアセンブリ。
【0098】
B9。シールドが、センサー膜を洗浄するための、血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びかつセンサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーを含む、B2~B8のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0099】
B10。血液アパーチャーが、センサー膜とバリアーバンプとの間に位置付けられている、B9の血液ポンプアセンブリ。
【0100】
B11。センサーバイザーが血液アパーチャーの上に延びている、B9~B10のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0101】
B12。第四の追加的態様において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと;駆動ユニットに回転可能式に連結されたインペラーブレードと;インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む血液ポンプハウジング構成要素と;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成され伝送ファイバーに連結されたセンサー膜を含む、センサーとを具備し、センサー膜に対して遠位側に位置付けられた受動的保護機構として構成されたシールドを含む。
【0102】
B13。センサー膜に対して遠位側に位置付けられた受動的保護機構が、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーを含む、B12の血液ポンプアセンブリ。
【0103】
B14。センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーが、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたバリアーバンプを含む、B13の血液ポンプアセンブリ。
【0104】
B15。バリアーバンプが血液ポンプハウジング構成要素の周壁から突出している、B14の血液ポンプアセンブリ。
【0105】
B16。バリアーバンプが、血液ポンプハウジング構成要素と同じ材料で構成されている、B14~B15のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0106】
B17。バリアーバンプが滑らかな表面を有する、B14~B16のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0107】
B18。バリアーバンプがステンレス鋼で構成されている、B14~B17のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0108】
B19。バリアーバンプが、電解研磨または機械的に研磨されている、B14~B18のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0109】
B20。バリアーバンプが、センサーの高さにほぼ等しいかまたはそれより大きい高さを有する、B14~B19のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0110】
B21。バリアーバンプが、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを受けるよう構成されたバイザーノッチを有する、B14~B20のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0111】
B22。シールドが、センサー膜が受動的保護機構と血液ポンプハウジング構成要素の周壁との間に位置付けられるよう位置付けられた受動的保護機構を含む、B14~B21のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0112】
B23。センサー膜が受動的保護機構と血液ポンプハウジング構成要素の周壁との間に位置付けられるよう位置付けられた受動的保護機構が、センサー膜がバリアーと血液ポンプハウジング構成要素の周壁との間に存在するよう位置付けられたバリアーを含む、B22の血液ポンプアセンブリ。
【0113】
B24。センサー膜がバリアーと血液ポンプハウジング構成要素の周壁との間に存在するよう位置付けられたバリアーが、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含む、B23の血液ポンプアセンブリ。
【0114】
B25。センサーバイザーがステンレス鋼である、B24の血液ポンプアセンブリ。
【0115】
B26。センサーバイザーが滑らかな表面を有する、B24~B25の血液ポンプアセンブリ。
【0116】
B27。センサーが生体適合性材料を含む、B24~B26の血液ポンプアセンブリ。
【0117】
B28。センサーバイザーが生体適合性材料でコーティングされている、B24~B27の血液ポンプアセンブリ。
【0118】
B29。第五の追加的態様において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと;駆動ユニットに回転可能式に連結されたインペラーブレードと;インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む血液ポンプハウジング構成要素と;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成され伝送ファイバーに連結されたセンサー膜を含む、センサーとを具備し、センサー膜の表面を覆う受動的保護機構として構成されたシールドを含む。
【0119】
B30。センサー膜の表面を覆う受動的保護機構が、センサー膜の表面を覆うバリアーを含む、B29の血液ポンプアセンブリ。
【0120】
B31。センサー膜の表面を覆うバリアーが、センサー膜の表面上に付着された保護層を含む、B30の血液ポンプアセンブリ。
【0121】
B32。センサー膜が血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面しており、センサー膜の表面上に付着される保護層が、血液ポンプアセンブリの遠位端に向かって面するセンサー膜の表面上に付着されている、B31の血液ポンプアセンブリ。
【0122】
B33。保護層が、0.03 mmにほぼ等しいかまたはそれより大きい厚さを有する、B31~B32のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0123】
B34。保護層が、0.13 mmにほぼ等しいかまたはそれより大きい厚さを有する、請求項B31~B32のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0124】
B35。保護層が、ゲルとして付着可能でありかつハードニング可能である材料を含む、B31~B34のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0125】
B36。保護層が、血液との化学反応によってセンサー膜が溶解することを防止できる材料を含む、B31~B35のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0126】
B37。保護層がシリコーンを含む、B31~B34のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0127】
B38。第六の追加的態様において、血液ポンプアセンブリは、駆動ユニットと;駆動ユニットに回転可能式に連結されたインペラーブレードと;インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む血液ポンプハウジング構成要素と;血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリと;血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結されたセンサーであって、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成され伝送ファイバーに連結されたセンサー膜を含む、センサーとを具備し、センサー膜のための1つまたは複数の能動的保護機構として構成されたシールドを含む。
【0128】
B39。1つまたは複数の能動的保護機構が、センサー膜を洗浄するための機構を含む、B38の血液ポンプアセンブリ。
【0129】
B40。センサー膜を洗浄するための機構が、センサー膜を血液で洗浄するための機構を含む、B39の血液ポンプアセンブリ。
【0130】
B41。センサー膜を洗浄するための機構が、血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びかつセンサー膜に対して遠位側に位置付けられた血液アパーチャーを含む、B39~B40のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0131】
B42。血液ポンプハウジング構成要素の周壁が、センサー膜に対して遠位側に位置付けられたくぼみを含む、B41の血液ポンプアセンブリ。
【0132】
B43。くぼみがセンサーより幅広である、B42の血液ポンプアセンブリ。
【0133】
B44。血液アパーチャーがくぼみ内に位置付けられている、B43の血液ポンプアセンブリ。
【0134】
B45。血液アパーチャーが、カニューレアセンブリを通り血液ポンプハウジング構成要素に流入する血液が血液ポンプハウジング構成要素から出てセンサー膜を洗浄することを可能にする、B41~B44のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0135】
B46。血液ポンプハウジング構成要素の周壁が、1つまたは複数の血液排出窓を含む、B1~B45のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0136】
B47。血液ポンプハウジング構成要素の周壁が、血液ポンプハウジング構成要素の周壁に設けられたくぼみである伝送ファイバーベッドを含み、センサーの伝送ファイバーが伝送ファイバーベッド内に位置付けられている、B1~B46のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0137】
B48。センサーが、伝送ファイバーの周りに位置付けられたガラスリングを含む、B1~B47のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0138】
B49。センサー膜が2ミクロン以下の厚さを有する、B1~B48のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0139】
B50。センサー膜が1.3ミクロン以下の厚さを有する、B1~B48のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0140】
B51。センサーが、血液ポンプハウジング構成要素の周壁内のセンサーベッド内に位置付けられている、B1~B50のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0141】
B52。血液ポンプハウジング構成要素が、血液排出窓の間に延びている複数のストラットを含む、B46の血液ポンプアセンブリ。
【0142】
B53。伝送ファイバーベッドが、血液ポンプハウジング構成要素の複数ストラットのうちの1つのストラット内に位置付けられている、B52の血液ポンプアセンブリ。
【0143】
B54。伝送ファイバーが、複数ストラットのうちの前記1つのストラットに、エポキシ樹脂によって連結されている、B53の血液ポンプアセンブリ。
【0144】
B55。インペラーブレードが、血液ポンプハウジング構成要素内に少なくとも部分的に位置付けられている、B1~B54のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0145】
B56。血液ポンプハウジング構成要素が、第一の端部において駆動ユニットに連結されており、かつ、第一の端部とは反対側の第二の端部においてカニューレアセンブリに連結されている、B1~B55のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0146】
B57。カニューレアセンブリが血液流入ケージを含む、B1~B56のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0147】
B58。血液流入ケージが複数の入口開口部を含む、B57の血液ポンプアセンブリ。
【0148】
B59。血液流入ケージに連結された可撓性非外傷性延長部をさらに具備する、B57~B58のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0149】
B60。第七の追加的態様において、血液ポンプアセンブリを製造する方法は、センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結する段階であって、センサーが、血液パラメータの変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、センサー膜が伝送ファイバーに連結されており、センサーが、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含む、段階;血液ポンプハウジング構成要素の周壁がインペラーブレードの回転軸の周りに延びるよう、インペラーブレードを駆動ユニットに回転可能式に連結する段階;および、カニューレアセンブリを血液ポンプハウジング構成要素に連結する段階を含む。
【0150】
B61。血液ポンプハウジング構成要素の周壁から突出しているバリアーバンプのバイザーノッチ内にセンサーバイザーを位置付ける段階をさらに含む、B60の方法。
【0151】
B62。センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結する段階が、センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に貼り付ける段階を含む、B60~B61のいずれかの方法。
【0152】
B63。センサーを血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結する段階が、血液ポンプハウジング構成要素の周壁内の血液用くぼみの中にセンサーを位置付ける段階を含む、B60~B62のいずれかの方法。
【0153】
B64。血液ポンプハウジング構成要素が、複数の血液排出窓と、血液排出窓の間に延びている複数のストラットとを含み、かつ、血液用くぼみが、血液ポンプハウジング構成要素内の複数のストラットのうちの1つのストラット内に位置付けられている、B63の方法。
【0154】
B65。血液流入ケージをカニューレアセンブリに連結する段階をさらに含む、B60~B64のいずれかの方法。
【0155】
B66。可撓性非外傷性延長部を血液流入ケージに連結する段階をさらに含む、B65の方法。
【0156】
B67。センサー膜の表面上に保護層を付着させる段階をさらに含む、B60~B66のいずれかの方法。
【0157】
B68。センサー膜の表面上に保護層を付着させる段階;および、センサー膜を、センサーバイザーの下で、保護層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込めて配置する段階をさらに含む、B60~B66のいずれかの方法。
【0158】
B69。センサーが圧力センサーである、B1~B68のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0159】
B70。センサーが、感知した信号を光学的に伝送する、B1~B69のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0160】
B71。伝送ファイバーが光ファイバーである、B70の血液ポンプアセンブリ。
【0161】
B72。駆動ユニットが外部モーターによって駆動される、B1~71のいずれかの血液ポンプアセンブリ。
【0162】
B73。第八の追加的態様において、血圧を検出する方法は、血液ポンプハウジング構成要素に連結されたカニューレアセンブリを通して血液をポンピングする段階であって、血液が、血液ポンプハウジング構成要素内に少なくとも部分的に位置付けられたインペラーブレードによってポンピングされ、インペラーブレードが、インペラーブレードに連結された駆動ユニットによって回転され、血液ポンプハウジング構成要素が、インペラーブレードの回転軸の周りに延びている周壁を含む、段階;および、血液ポンプハウジング構成要素の周壁に連結された光学式圧力センサーを用いて、ポンピングされた血液の血圧を検出する段階であって、光学式圧力センサーが、センサー膜上の圧力の変化に応答してたわむよう構成されたセンサー膜を含み、センサー膜が光ファイバーに連結されており、かつ、光学式圧力センサーが、センサー膜の上に張り出したセンサーバイザーを含む、段階を含む。
【0163】
B74。血液をポンピングする段階が、血液ポンプハウジング構成要素内の1つまたは複数の血液排出窓を通して血液をポンピングする段階を含む、B73の方法。
【0164】
B75。血液ポンプハウジング構成要素の周壁を貫通して延びている血液アパーチャーを通る血流を用いてセンサー膜を洗浄する段階をさらに含み、血液アパーチャーが、光学式圧力センサーのセンサー膜の前方に位置付けられた血液用くぼみ内に位置付けられている、B73~B74のいずれかの方法。
【0165】
B76。血液ポンプハウジング構成要素の周壁が、血液ポンプハウジング構成要素の周壁から突出しているバリアーバンプを含み、バリアーバンプは、血液用くぼみがバリアーバンプとセンサー膜との間に存在するように、血液用くぼみの前方に位置付けられている、B75の方法。
【0166】
B77。光学式圧力センサーからセンサー膜上にかつバリアーバンプ内のバイザーノッチ内へと延びているセンサーバイザーを用いて、血液アパーチャーを通って流れる血液を偏向させる段階をさらに含む、B76の方法。
【0167】
B78。センサー膜がガラス材料を含む、B73~B77のいずれかの方法。
【0168】
B79。センサー膜がポンプの遠位端に向かって面している、B73~B78のいずれかの方法。
【0169】
B80。センサー膜の厚さが2ミクロン未満である、B73~B79のいずれかの方法。
【0170】
B81。センサー膜の表面上に保護層が付着されている、B73~B80のいずれかの方法。
【0171】
B82。センサー膜の表面上に保護層が付着され、かつ、センサー膜が、センサーバイザーの下で、保護層の厚さにほぼ等しい距離だけさらに引っ込んで配置されている、B73~B80のいずれかの方法。
【0172】
以上は本開示の原理を例示したものにすぎず、本明細書に提示する諸態様は限定ではなく例示を目的としたものである;本発明のシステム、方法、およびデバイスは、説明した態様以外の態様によっても実現されうる。本明細書に開示するシステム、デバイス、および方法は、心臓治療手技中に血管系を通して経皮的に導入されてもよい血液ポンプアセンブリにおいて用いるものとして示したが、センサーを必要とする他のタイプの治療法およびデバイスに用いられるシステム、デバイス、および方法に適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0173】
本開示を検討した当業者には、バリエーションおよび改変が考えられるであろう。開示した諸特徴は、本明細書に説明する1つまたは複数の他の特徴との任意の組合せまたは下位組合せ(複数の独立した組合せおよび下位組合せを含む)において実施されてもよい。以上に説明または例示したさまざまな特徴は、それらの任意の構成要素も含めて、他のシステムに組合せまたは統合されてもよい。さらに、特定の特徴が省略されるかまたは実施されてなくてもよい。
【0174】
変更、置換、および代替の例は当業者によって確認可能であり、本明細書に開示する情報の範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書において引用されるすべての参照文献は、参照によりその全内容が組み入れられ、本出願の一部をなす。