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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】作業用車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20240904BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
E02F9/00 C
B60R16/04 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023120261
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000150154
【氏名又は名称】株式会社竹内製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】江崎 伸
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 諭
(72)【発明者】
【氏名】粂内 健吾
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162610(JP,A)
【文献】特開2014-148210(JP,A)
【文献】特開2014-159719(JP,A)
【文献】実開昭63-167665(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
B60R 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、走行装置と、油圧により作動する作業装置と、を備える作業用車両であって、
前記車体は、本体フレームと、起動用のバッテリが着脱可能に搭載されるバッテリ搭載部と、を備え、
前記バッテリ搭載部は、前記本体フレームに固定されて前記バッテリを支持するブラケットと、前記バッテリを前記ブラケットに固定するキャッチと、を有し、
前記ブラケットは、前記バッテリが載置される平板部と、前記キャッチが係止される係止部と、を有し、
前記係止部は、前記平板部の下面側に係止突起を有し、
前記係止突起は、前記平板部の板面に対して軸線が平行に設けられる棒状部材であり
前記キャッチは、下端部に前記係止突起に係止する係止溝部を有すること
を特徴とする作業用車両。
【請求項2】
記係止溝部は、前記係止突起の軸線に対して係止溝の軸線が平行に設けられる断面J字状に形成されていること
を特徴とする請求項1記載の作業用車両。
【請求項3】
前記係止部は、平面視において、外周から切欠かれた第1切欠きと、前記第1切欠きの底部からさらに切欠かれた第2切欠きと、を有し、
前記第2切欠きは、前記係止溝部が嵌合可能な幅に形成されていること
を特徴とする請求項2記載の作業用車両。
【請求項4】
前記係止突起は、軸線方向において、第1端部が、前記第1切欠きの第1端部および前記第2切欠きの第1端部より外側となり、第2端部が、前記第1切欠きの第2端部より内側となり、且つ、前記第2切欠きの第2端部より外側となる位置に配設されており、
前記係止突起の第2端部から前記第1切欠きの第2端部までの距離は、前記係止溝部の幅よりも広く形成されていること
を特徴とする請求項3記載の作業用車両。
【請求項5】
前記棒状部材は、断面視で少なくとも下半部が円形状に形成されていること
を特徴とする請求項4記載の作業用車両。
【請求項6】
前記係止突起の両端部には、外径よりも広い溶接ビードが形成されていること
を特徴とする請求項5記載の作業用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧により作動する作業装置を備える作業用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業用車両の例として、走行用のクローラもしくはタイヤが取付けられた下部体と、下部体の上に配設された上部体と、下部体もしくは上部体に取付けられて油圧(すなわち、所定圧力の作動油)により作動する作業装置を備える油圧ショベル、トラックローダ等が従来より知られている。
【0003】
上記の作業用車両には、エンジンの起動装置、運転室内の温度を調節するエアコン等の電装品、および各装置の制御コントローラ等に電力を供給するバッテリが搭載されている(特許文献1:特開2018-162610号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-162610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一例として、特許文献1においては、車体へのバッテリ取付け構造が開示されている。具体的には、ブラケットに載置支持されたバッテリの上角部にクランプ部材を設け、当該クランプ部材の一方の端部と、ブラケットの前壁部に形成された係止部と、をフックボルトで連結し、且つ、当該クランプ部材のもう一方の端部と、ブラケットの後壁部に形成された係止部と、をフックボルトで連結することで、バッテリをクランプして固定する構成である。しかしながら、この構成においては、ブラケットの前壁部から上方に突出するように係止部が形成されており、バッテリ着脱の際に当該係止部が干渉して作業性が悪いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、バッテリの着脱作業性を向上させることができる作業用車両を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、一実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0008】
一実施形態に係る作業用車両は、車体と、走行装置と、油圧により作動する作業装置と、を備える作業用車両であって、前記車体は、本体フレームと、起動用のバッテリが着脱可能に搭載されるバッテリ搭載部と、を備え、前記バッテリ搭載部は、前記本体フレームに固定されて前記バッテリを支持するブラケットと、前記バッテリを前記ブラケットに固定するキャッチと、を有し、前記ブラケットは、前記バッテリが載置される平板部と、前記キャッチを係止させる係止部と、を有し、前記係止部は、前記平板部の下面側に係止突起を有し、前記係止突起は、前記平板部の板面に対して軸線が平行に設けられる棒状部材であり、前記キャッチは、下端部に前記係止突起に係止する係止溝部を有することを要件とする。
【0009】
上記の構成によれば、バッテリの着脱方向となる領域において、上方に突出する部材を設けずにバッテリを固定することができる。従って、バッテリの着脱作業性を向上させることができる。
【0010】
また、前記係止溝部は、前記係止突起の軸線に対して係止溝の軸線が平行に設けられる断面J字状に形成されていることが好ましい。
【0011】
また、前記係止部は、平面視において、外周から切欠かれた第1切欠きと、前記第1切欠きの底部からさらに切欠かれた第2切欠きと、を有し、前記第2切欠きは、前記係止溝部が嵌合可能な幅に形成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記係止突起は、軸線方向において、第1端部が、前記第1切欠きの第1端部および前記第2切欠きの第1端部より外側となり、第2端部が、前記第1切欠きの第2端部より内側となり、且つ、前記第2切欠きの第2端部より外側となる位置に配設されており、前記係止突起の第2端部から前記第1切欠きの第2端部までの距離は、前記係止溝部の幅よりも広く形成されていることが好ましい。
【0013】
また、前記棒状部材は、断面視で少なくとも下半部が円形状に形成されていることが好ましい。
【0014】
また、前記係止突起の両端部には、外径よりも広い溶接ビードが形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
一実施形態に係る作業用車両によれば、バッテリの着脱作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係る作業用車両の例を示す斜視図である。
図2図2は、図1の作業用車両の運転室の例を示す斜視図である。
図3図3Aは、図1の作業用車両のバッテリ搭載部の例を示す斜視図である。図3Bは、図3Aに示すバッテリ搭載部の別方向からの斜視図である。図3Cは、図3Aに示すバッテリ搭載部のさらに別方向からの斜視図である。
図4図4は、図3AにおけるIV-IV線断面図である。
図5図5は、ブラケットの底面図である。
図6図6は、図5におけるVI部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る作業用車両1の例を示す概略図(左前部上方からの斜視図)である。なお、説明の便宜上、図中において矢印により上下、左右、前後の方向を示す場合がある。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0018】
はじめに、作業用車両1の全体構成について説明する。作業用車両1として、油圧ショベルを例に挙げて説明する。ただし、作業用車両1は、油圧ショベルに限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、作業用車両1は、車体として下部体2および下部体2の上に配設される上部体3を備えている(なお、下部体2と上部体3とが一体の構成であってもよい)。
【0020】
作業用車両1は、下部体2や上部体3に取付けられて油圧(所定圧力の作動油)により作動する作業装置12、14を備えている。下部体2は、走行を行う走行装置10を備えている。上部体3は、下部に本体フレーム18を備えている。上部体3は、前部にオペレータが乗車して走行や作業の操作を行う各種操作装置が設けられた運転室16を備えている。
【0021】
走行装置10の例として、左右一対のクローラ26を備えている。ただし、走行装置10は、クローラ26に限定されるものではなく、クローラ26に代えてタイヤを備える構成としてもよい(不図示)。クローラ26は、走行油圧モータ28によって駆動(走行)される。
【0022】
作業装置12の例として、排土板22を備えている。排土板22は、上下(前後成分を含む)に揺動可能に下部体2に取付けられている。排土板22は、油圧シリンダ(排土板シリンダ)32によって駆動される。ただし、上記の構成に限定されるものではない。
【0023】
作業装置14の例として、ブーム42、アーム44、および、着脱可能なアタッチメント46を備えている。具体的な構成として、ブーム42は、上下(前後成分を含む)に揺動可能に上部体3に取付けられている。本実施形態においては、上部体3とブーム42との間にブームブラケット48が設けられている。ブームブラケット48によって、ブーム42は上部体3に対して左右(前後成分を含む)に揺動可能となる。なお、ブームブラケット48は省略されてもよい。アーム44は、上下(前後成分を含む)に揺動可能にブーム42に取付けられている。アタッチメント46は、上下(前後成分を含む)に揺動可能にアーム44に取付けられている。ブーム42は、油圧シリンダ(ブームシリンダ)52によって駆動される。アーム44は、油圧シリンダ(アームシリンダ)54によって駆動される。アタッチメント46は、油圧シリンダ(バケットシリンダ)56によって駆動される。ただし、上記の構成に限定されるものではない。
【0024】
上記の走行油圧モータ28、および各油圧シリンダの駆動を行うための駆動機構は、一例として、駆動源により駆動される油圧ポンプ(メイン油圧ポンプ等)、コントロールバルブ等から構成されている(いずれも不図示)。オペレータが所定の操作装置を操作することによりコントロールバルブを作動させて、油圧ポンプから送出される所定圧力の作動油を走行油圧モータ28、および各油圧シリンダに供給する制御が行われる。これにより、走行装置10による走行、および作業装置12、14による作業を行うことができる。駆動機構を構成する油圧ポンプは、作業装置12、14や走行装置10の構成や負荷等に応じて、一個もしくは複数個が設けられる。
【0025】
作業用車両1は、上記の駆動源としてエンジン(燃料を燃焼させる内燃機)を備えている。なお、駆動源の他の例として、エンジンに代えて、もしくは、エンジンと共に、電動モータ(油圧ポンプの個数や定格出力等に応じて、一個もしくは複数個)を備える構成としてもよい(不図示)。
【0026】
ここで、図2に示すように、本実施形態に係る作業用車両1においては、オペレータが着座するシート34の下に機器室36が設けられており、機器室36内にバッテリ60が収容されている。バッテリ60は、作業用車両1の起動のための電力を供給する(起動専用に限定されるものではなく、少なくとも起動に用いられる趣旨である)。
【0027】
バッテリ60は、機器室36の開閉扉38を開いた正面位置にあるバッテリ搭載部62に搭載されている。ここで、図3A図3Cは、バッテリ搭載部62をそれぞれ別方向から臨んだ斜視図である。図4は、図3AのIV-IV線断面図である。バッテリ搭載部62は、本体フレーム18に固定されてバッテリ60を支持するブラケット64と、バッテリ60をブラケット64に固定するキャッチ80と、を備えている。ブラケット64およびキャッチ80を構成する部材は、いずれも金属材料(一例として、SPHC等の鋼材)を用いて形成されている。
【0028】
ブラケット64は、バッテリ60が載置される平板部66と、キャッチ80が係止される係止部68と、を有している。係止部68は、平板部66の下面側に係止突起70を有している。係止突起70は、平板部66の板面に対して軸線が平行に設けられる棒状部材である。ここで、従来の作業用車両においては、係止部として、係止孔が形成された金属板やU字金具等がブラケットに溶接されて設けられている。従って、係止突起70として、棒状部材を採用することで、部品の製造工程を削減することができる。
【0029】
キャッチ80は、第1キャッチ82と、第2キャッチ92と、第1キャッチ82および第2キャッチ92を連結する連結部材100と、を有している。
【0030】
第1キャッチ82は、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。第1キャッチ82は、バッテリ60の後方上面に当接する当接部84と、当接部84の後端から斜め上方へ向かって傾斜して延びる断面J字状の係止溝部86と、当接部84の前端から上方へ向かって略直角に延びる連結部材係合部88と、を有している。当接部84には、バッテリ60を防振するゴム板84Aが設けられている。連結部材係合部88には、連結部材100が挿通される挿通孔88aが形成されている。
【0031】
第2キャッチ92は、一枚の金属板を折り曲げて形成されている。第2キャッチ92は、バッテリ60の前面および前方上面に当接する当接部94と、当接部94の下端から延びる断面J字状の係止溝部96と、当接部94の後端から上方へ向かって略直角に延びる連結部材係合部98と、を有している。当接部94には、バッテリ60を防振するゴム板94Aが設けられている。係止溝部96は、係止突起70に対して、係止溝96aの軸線が平行に設けられている。連結部材係合部98には、連結部材100が挿通される挿通孔98aが形成されている。
【0032】
連結部材100は、一例として、ボルト100Aおよびナット100Bであり、挿通孔88a、98aにボルト100Aが挿通されてナット100Bが螺合される。
【0033】
本実施形態に係るバッテリ搭載部62は、第1キャッチ82の係止溝部86が機器室36の奥側に配設されているエアコン室102の前壁部104に溶接された係止部106に係止され、且つ、第2キャッチ92の係止溝部96がブラケット64の係止突起70に係止された状態において、挿通孔88a、98aにボルト100Aを挿通してナット100Bを螺合して締め付けることにより、当接部84、94がバッテリ60を上方および前方からクランプしてバッテリ60を固定する構成である。これにより、バッテリ60の着脱方向となる領域において、上方に突出する部材を設けずにバッテリ60をブラケット64に固定することができる。従って、バッテリ60の着脱作業性を向上させることができる。また、上方に突出する部材を設けないことで、バッテリ60が当該部材に干渉して破損することを防止できる。
【0034】
ここで、第2キャッチ92の係脱に際して以下の課題が明らかとなった。具体的には、係止溝部96を係止突起70に係合(から離脱)させるために第2キャッチ92を下方へ移動させると、ブラケット64の下方に配設されている搭載機器(本実施形態においては、旋回モータ(不図示))に干渉してしまい、組立て公差によっては、第2キャッチ92の係脱が困難となる状況が生じ得る。この課題に対して、本実施形態に係るバッテリ搭載部62は、以下の構成を備えている。
【0035】
先ず、図5および図6に示すように、係止部68は、平面視において外周から切欠かれた第1切欠き72と、第1切欠き72の底部からさらに切欠かれた第2切欠き74と、を有し、第2切欠き74は、係止溝部96が嵌合可能な幅W1に形成されている。本実施形態において、幅(第1端部74aから第2端部74bまでの距離)W1は、係止溝部96の幅より僅かに広く形成されている。これにより、係止突起70に係止溝部96を係止させた状態で、さらに係止溝部96を第2切欠き74に嵌合させることで、第2キャッチ92の横ズレを抑制し、バッテリ60を強固に固定することができる。
【0036】
また、係止突起70は、軸線方向において、第1端部70aが、第1切欠き72の第1端部72aおよび第2切欠き74の第1端部74a(本実施形態において、第1端部72aおよび第1端部74aは、同一線上で連なっている)より外側となり、第2端部70bが、第1切欠き72の第2端部72bより内側となり、且つ、第2切欠き74の第2端部74bより外側となる位置に配設されており、係止突起70の第2端部70bから第1切欠き72の第2端部72bまでの距離W2は、係止溝部96の幅よりも広く形成されている。この構成によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、係止溝部96が係止されている係止突起70を回動軸として第2キャッチ92の上部を斜め前方へ移動させることで、第2キャッチ92を第2切欠き74から離脱させることができる。その状態で、第2キャッチ92を僅かに下方へ移動させ、係止突起70に沿って第1切欠き72の第2端部72b側へ摺動させることで、係止突起70から係止溝部96を離脱させて第2キャッチ92を取外すことができる。これにより、第2キャッチ92の係脱に際する上下方向への移動を最小限とし、ブラケット64の下方に配設されている搭載機器に干渉しないようにすることができる。
【0037】
また、係止突起(棒状部材)70は、断面視で少なくとも下半部が円形状に形成されている。これにより、係止溝部96とのエッジ当たりを防止し、摩耗やサビの発生等による強度低下を防止できる。なお、ここでいう「円形状」とは、真円や楕円(長円)等の総称である。
【0038】
また、係止突起70の両端部70a、70bには、外径よりも広い溶接ビード76が形成されている。これにより、第2キャッチ92の横ズレをさらに抑制し、バッテリ60を強固に固定することができる。
【0039】
以上説明した作業用車両1において、バッテリ搭載部62に搭載されたバッテリ60を取外す工程を説明する。
【0040】
先ず、バッテリ60の上部に接続されているマイナス端子112およびプラス端子114を取外す。次いで、第1キャッチ82および第2キャッチ92を連結する連結部材100のナット100Bを取外す。次いで、第1キャッチ82を後方へ移動させると共に、第1キャッチ82の前部を斜め上方へ持ち上げることで、エアコン室102の前壁部104の係止部106から係止溝部86を離脱させて第1キャッチ82を取外す(この際、連結部材100のボルト100Aも併せて取外す)。次いで、第2キャッチ92の上部を斜め前方へ移動させ、第2キャッチ92を第2切欠き74から離脱させる。その状態で、第2キャッチ92を僅かに下方へ移動させると共に、係止突起70に沿って第1切欠き72の第2端部72b側へ摺動させることで、係止突起70から係止溝部96を離脱させて第2キャッチ92を取外す。なお、第1キャッチ82および第2キャッチ92の取外しの先後順は問わない。次いで、バッテリ60を機器室36から前方へ引き出すことで、バッテリ60の取外しが完了する。なお、バッテリ60を取付ける際は、以上の工程を逆の順序で行えばよい。
【0041】
以上説明した通り、上記の作業用車両によれば、バッテリの着脱作業性を向上させることができる。
【0042】
本発明は、上記の実施形態(油圧ショベル)に限定されるものではない。本発明は、下部体に対して上部体が旋回しない作業用車両(トラックローダ等)に対しても同様に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 作業用車両
10 走行装置
12、14 作業装置
60 バッテリ
62 バッテリ搭載部
64 ブラケット
70 係止突起
72 第1切欠き
74 第2切欠き
80 キャッチ
82 第1キャッチ
92 第2キャッチ
100 連結部材
【要約】
【課題】バッテリの着脱作業性を向上させることができる作業用車両を提供する。
【解決手段】車体3と、走行装置10と、油圧により作動する作業装置12、14と、を備える作業用車両1であって、車体3は、本体フレーム18と、起動用のバッテリ60が着脱可能に搭載されるバッテリ搭載部62と、を備え、バッテリ搭載部62は、本体フレーム18に固定されてバッテリ60を支持するブラケット64と、バッテリ60をブラケット64に固定するキャッチ80と、を有し、ブラケット64は、バッテリ60が載置される平板部66と、キャッチ80が係止される係止部68と、を有し、係止部68は、平板部66の下面側に係止突起70を有し、キャッチ80は、下端部に係止突起70に係止する係止溝部96を有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6