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特許7549716ロボット制御システム、ロボットコントローラ、及びロボット制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】ロボット制御システム、ロボットコントローラ、及びロボット制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/16 20060101AFI20240904BHJP
   B65B 69/00 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
B25J9/16
B65B69/00 101
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023139964
(22)【出願日】2023-08-30
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮内 幸平
(72)【発明者】
【氏名】地曵 勝利
(72)【発明者】
【氏名】田中 英介
(72)【発明者】
【氏名】大場 亮一
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-165223(JP,A)
【文献】特開2013-100118(JP,A)
【文献】特開2021-123390(JP,A)
【文献】特開2006-273388(JP,A)
【文献】特開2021-187499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/08
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を含む袋状の資材に対して作業を行う1以上のロボットと、
カッターで前記資材に、フラップがめくれることによって露出する開口部を形成可能な切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる切れ目制御部と、
前記フラップがめくれるように、前記ロボットに前記資材を回転させる回転制御部と、
を有するロボット制御システム。
【請求項2】
前記フラップが上方向にめくれるように、前記ロボットに前記資材を回転させる方向回転制御部を有する、
請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項3】
第1ロボットと、
第2ロボットと、
前記切れ目が下を向くように、前記第1ロボットに前記資材を回転させる第1回転制御部と、
前記第1ロボットと協働して前記切れ目が下を向くように、前記第2ロボットに前記資材を回転させる第2回転制御部と、
を有する請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
前記カッターで前記資材に複数の前記切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる複数切れ目制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項5】
前記資材に入れる前記切れ目によって描かれる図形が開いた図形となるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる図形切れ目制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項6】
前記資材が回転する場合に、又は、前記資材が回転した後に、前記資材が変形するように、前記資材を支持する前記ロボットを制御する変形制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項7】
前記資材が回転する場合に、又は、前記資材が回転した後に、前記資材が折り曲がるように、前記資材を支持する前記ロボットを制御する折り曲げ制御部を有する、
請求項6に記載のロボット制御システム。
【請求項8】
前記回転制御部による回転の方向とは異なる他の方向に前記資材が傾くように、前記資材を支持する前記ロボットを制御する傾き制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項9】
前記資材の重量に関する重量情報を取得する重量情報取得部と、
前記重量情報に基づいて、前記ロボットに前記資材を回転させる重量回転制御部と、
を有する請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項10】
前記内容物が移し替えられる容器の計量部の計量結果に関する計量結果情報を取得する計量結果情報取得部と、
前記計量結果情報に基づいて、前記ロボットに前記資材を回転させる計量結果回転制御部と、
を有する請求項に記載のロボット制御システム。
【請求項11】
前記資材が回転して、前記内容物の少なくとも一部が前記資材から出た後に、前記第1ロボット又は前記第2ロボットの何れか一方のロボットを、前記資材から離脱させる離脱制御部と、
前記第1ロボット及び前記第2ロボットのうち、前記一方のロボットとは異なるロボットに、前記資材を搬送させる搬送制御部と、
を有する請求項に記載のロボット制御システム。
【請求項12】
前記異なるロボットに、前記切れ目の少なくとも一部が上を向くように前記資材を回転させてから、前記資材を搬送させる回転搬送制御部を有する、
請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項13】
前記資材を下から支持する支持部の上に載せられた前記資材に、前記カッターで前記切れ目を入れるように、前記ロボットを制御する支持切れ目制御部と、
前記支持部に連結された前記ロボットに、前記資材を支持させる支持制御部と、
を有する請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項14】
前記ロボットが前記資材を下向きに支持するための力に基づく支持力で、前記ロボットに、前記資材を支持させる支持力制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項15】
前記資材が回転する場合に、又は、前記資材が回転した後に、前記カッターで前記資材に更なる切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる追加切れ目制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項16】
内容物を含む袋状の資材に対して作業を行う1以上のロボットを制御可能なロボットコントローラであって、
カッターで前記資材に、フラップがめくれることによって露出する開口部を形成可能な切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる切れ目制御部と、
前記フラップがめくれるように、前記ロボットに前記資材を回転させる回転制御部と、
ロボットコントローラ。
【請求項17】
内容物を含む袋状の資材に対して作業を行う1以上のロボットの制御方法であって、
カッターで前記資材に、フラップがめくれることによって露出する開口部を形成可能な切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させ、
前記フラップがめくれるように、前記ロボットに前記資材を回転させる、
ロボット制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット制御システム、ロボットコントローラ、及びロボット制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ロボットアームとの結合部を有する開袋ハンド本体と、本体の中央部に保持されている上下動可能な吸着部と、2つの保持部を含む保持部と、当該2つの保持部を駆動させる保持部駆動部と、を含むロボット用開袋ハンドが記載されている。特許文献1のロボット用開袋ハンドは、カッターにより袋の下面の中央部を切開し、保持部を回転させることによって、内容物を排出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-081870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、例えば、ロボット及びカッターの少なくとも一方に対する内容物の付着を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るロボット制御システムは、内容物を含む資材に対して作業を行う1以上のロボットと、カッターで前記資材に切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる切れ目制御部と、前記切れ目が下を向くように、前記ロボットに前記資材を回転させる回転制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、例えば、ロボット及びカッターの少なくとも一方に対する内容物の付着を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ロボット制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】ロボットコントローラ、第1ロボット、及び第2ロボットが配置された空間の一例を示す図である。
図3】作業台、第1支持部、第2支持部、及び資材の各々の位置関係の一例を示す図である。
図4】カメラの撮影位置及び撮影方向の一例を示す図である。
図5】資材に切れ目が入れられる様子の一例を示す図である。
図6】第1ロボットの連結部材と、第1支持部の連結部材と、が連結し、かつ、第2ロボットの連結部材と、第2支持部の連結部材と、が連結した様子の一例を示す図である。
図7】容器の上方に資材が移動した様子の一例を示す図である。
図8】資材の内容物が容器に落ちる様子の一例を示す図である。
図9】ロボット制御システムで実現される機能の一例を示す図である。
図10】第1ロボットがカッターを移動させる移動経路の一例を示す図である。
図11】第1ロボット及び第2ロボットが資材を支持するための移動経路の一例を示す図である。
図12】ロボット制御システムで実行される処理の一例を示す図である。
図13】S2~S4の処理の詳細の一例を示す図である。
図14】変形例のロボット制御システムで実現される機能の一例を示す図である。
図15】変形例1で資材が変形する様子の一例を示す図である。
図16】変形例2で資材が傾く様子の一例を示す図である。
図17】変形例5で資材が移動する様子の一例を示す図である。
図18】変形例6で資材が移動する様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.ロボット制御システムのハードウェア構成]
本開示に係るロボット制御システム、ロボットコントローラ、及びロボット制御方法の実施形態の一例を説明する。図1は、ロボット制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、ロボット制御システム1は、ロボットコントローラ10、第1ロボット20A、及び第2ロボット20Bを含む。以降、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bを区別しない時は、単にロボット20という。
【0009】
ロボットコントローラ10は、1以上のロボット20を制御する装置である。ロボットコントローラ10は、電力線、信号線、又は通信線等のケーブルによって、1以上のロボット20と接続される。本実施形態では、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bを制御する。ロボットコントローラ10は、任意の台数のロボット20を制御可能である。ロボットコントローラ10は、1台のロボット20だけを制御してもよいし、3台以上のロボット20を制御してもよい。
【0010】
例えば、ロボットコントローラ10は、CPU11、記憶部12、及び通信部13を含む。CPU11は、1以上のプロセッサを含む。記憶部12は、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、の少なくとも一方を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。ロボットコントローラ10は、ロボット20に含まれる1以上のモータに電力を供給するための電力供給部等の他のハードウェアも含む。
【0011】
第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、ロボットコントローラ10により制御される1以上のモータを含む装置である。本実施形態では、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が垂直多関節ロボットである場合を説明する。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、任意の種類であってよい。例えば、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボット、又は直交ロボットであってもよい。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、任意の軸数であってよい。例えば、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、4~7軸の何れかであってもよい。
【0012】
なお、記憶部12に記憶されるプログラム又はデータは、産業用ネットワーク、インターネット、又はLANといったネットワークを介して、ロボットコントローラ10に供給されてもよい。例えば、ロボットコントローラ10は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、メモリカードスロット)と、外部機器と接続するための入出力部(例えば、USB端子)と、の少なくとも一方を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラム又はデータが、読取部又は入出力部を介して、ロボットコントローラ10に供給されてもよい。
【0013】
また、ロボットコントローラ10は、任意のハードウェアを含んでよい。ロボットコントローラ10のハードウェア構成は、上記の例に限られない。例えば、ロボットコントローラ10は、FPGA又はASICといった回路を含んでもよい。本実施形態では、CPU11がcircuitryと呼ばれる構成に相当する場合を説明するが、FPGA又はASICといった他の回路がcircuitryに相当してもよい。
【0014】
また、ロボット制御システム1に含まれる装置は、図1の例に限られない。ロボット制御システム1は、任意の装置を含んでよい。例えば、ロボット制御システム1は、ロボットコントローラ10を制御する上位コントローラを含んでもよい。例えば、ロボット制御システム1は、モータエンコーダ、トルクセンサ、位置センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、感圧センサ、接触センサ、力覚センサ、重量センサ、又はその他のセンサを含んでもよい。センサは、ロボットコントローラ10に接続されていてもよいし、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に含まれてもよい。
【0015】
また、ロボット制御システム1は、複数のロボットコントローラ10を含んでもよい。例えば、第1ロボット20Aが、1台目のロボットコントローラ10により制御されてもよい。第2ロボット20Bが、2台目のロボットコントローラ10により制御されてもよい。この場合、1台目のロボットコントローラ10と、2台目のロボットコントローラ10と、が産業用ネットワーク又はLAN等のネットワークによって、通信可能に接続される。1台目のロボットコントローラ10と、2台目のロボットコントローラ10と、が適宜通信して、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が動作してもよい。
【0016】
[2.ロボット制御システムの概要]
図2は、ロボットコントローラ10、第1ロボット20A、及び第2ロボット20Bが配置された空間の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10、第1ロボット20A、及び第2ロボット20Bは、工場等の施設に配置される。図2の例では、第1ロボット20Aの先端には、カメラ30及びカッター40の各々が取り付けられている。第2ロボット20Bの先端には、後述の第2支持部60Bの連結部材60B1と連結可能な連結部材50Bが取り付けられている。
【0017】
例えば、カメラ30は、深度センサを含む3Dカメラである。カメラ30は、任意の種類であってよく、3Dカメラに限られない。例えば、カメラ30は、2Dカメラ(深度センサを含まないカメラ)又は赤外線カメラであってもよい。カメラ30は、所定のフレームレートで連続的に撮影を行って動画を生成してもよいし、連続的な撮影を行わずに静止画を生成してもよい。カメラ30は、ビジョンセンサと呼ばれることもある。カメラ30は、第2ロボット20Bに取り付けられてもよい。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、互いに別々のカメラ30が取り付けられてもよい。
【0018】
例えば、カッター40は、超音波カッターである。カッター40は、任意の種類であってよく、超音波カッターに限られない。例えば、カッター40は、超音波による振動ではなく高速で振動するバイブレーションカッター、又は、振動が発生しないカッターであってもよい。本実施形態では、カッター40が第1ロボット20Aと着脱可能に接続されている場合を例に挙げるが、カッター40は、着脱可能ではなく、第1ロボット20Aに固定されていてもよい。カッター40は、第2ロボット20Bに取り付けられてもよい。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、互いに別々のカッター40が取り付けられてもよい。
【0019】
本実施形態では、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bは、作業台Tを挟み込むようにして配置される。例えば、作業台Tの上には、第1支持部60A及び第2支持部60Bが載せられる。第1支持部60Aは、第1ロボット20Aの連結部材50Aと連結可能な連結部材60A1を含む。第2支持部60Bは、第2ロボット20Bの連結部材50Bと連結可能な連結部材60B1を含む。なお、図2では、連結部材60A1は、図面上の角度の関係が示されていないが、連結部材60B1と同様の構成を有するものとする。
【0020】
図2の例では、第1支持部60A及び第2支持部60Bの上に、内容物を含む資材Mが載せられる。内容物は、資材Mによって包まれた物体である。内容物は、任意の物体であってよい。例えば、内容物は、工場で生産される製品の原料又は材料であってもよい。内容物は、固体又は液体であってもよい。内容物は、粉状のものであってもよい。内容物は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bによって、容器Cに移し替えられる。容器Cは、内容物を格納可能な容量を有する。容器Cは、ホッパーと呼ばれることもある。容器Cは、公知のものであってよい。
【0021】
資材Mは、内容物を包むための物体である。資材Mは、梱包資材と呼ばれることもある。例えば、資材Mは、袋、箱、ボトル、又はケースである。本実施形態では、資材Mがクラフト袋である場合を例に挙げる。資材Mは、任意の物体であってよい。資材Mは、クラフト袋に限られない。例えば、資材Mは、ポリ袋、ビニール袋、アルミ蒸着袋、紙袋、麻袋、フレコンバッグ、輸液バッグ、布製の箱、布製のケース、ペットボトル、紙パック、又はその他の物体であってもよい。
【0022】
例えば、資材Mは、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bによる作業の対象となる物体なので、ワークと呼ばれることもある。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、資材Mに対して任意の作業を行うことができる。例えば、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mに対して行う作業は、切断、支持、搬送、回転、変形、又はその他の作業であってよい。本実施形態における作業は、加工又はハンドリングといった概念も含む意味である。
【0023】
図3は、作業台T、第1支持部60A、第2支持部60B、及び資材Mの各々の位置関係の一例を示す図である。図3のように、本実施形態では、第1支持部60A及び第2支持部60Bは、連結されているわけではなく、互いに分離可能である。例えば、第1支持部60A及び第2支持部60Bは、互いに触れるように、又は、互いの距離が所定距離未満となるように、作業台Tの上に載せられる。連結部材60A1,60B1は、互いに外側を向く。例えば、連結部材60A1は、第1ロボット20Aの方を向く。連結部材60B1は、第2ロボット20Bの方を向く。
【0024】
本実施形態では、第1支持部60A及び第2支持部60Bの各々の上面には、吸着器61A,61Bが配置されている。例えば、吸着器61A,61Bは、資材Mと接触する吸着カップ(吸盤)と、吸引のためのポンプと、を含む。吸着器61A,61Bは、ポンプによって、吸着カップ及び資材Mの間で真空状態を作り出す。吸着器61A,61Bは、任意の種類の吸引機であってよい。例えば、吸着器61A,61Bは、吸着カップではなくマット状のタイプであってもよいし、バキュームグリッパーと呼ばれるタイプであってもよい。吸着器61A,61Bは、吸引機能を有していなくてもよい。例えば、吸着器61A,61Bは、磁力又は静電気力によって資材Mを吸着するタイプであってもよい。
【0025】
本実施形態では、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が、資材Mの中の内容物を容器Cに移し替えるための作業を行うように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御する。例えば、ロボットコントローラ10は、資材Mに対する作業が行われる前に、第1ロボット20Aがカメラ30で資材Mを撮影するように、第1ロボット20Aを制御する。
【0026】
図4は、カメラ30の撮影位置及び撮影方向の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20Aの土台に対応する原点O10を中心にX10軸、Y10軸、及びZ10軸が設定された座標軸で、現実空間の位置を特定する。ロボットコントローラ10は、第1ロボット20Aの土台に対応する原点O20を中心にX20軸、Y20軸、及びZ20軸が設定された座標軸で、現実空間の位置を特定する。
【0027】
なお、ロボットコントローラ10が第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々の制御で利用する座標軸は、ロボット制御で利用される任意の座標軸であってよい。座標軸は、図4の例に限られない。例えば、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に含まれるモータを基準とした座標軸が設定されていてもよい。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に含まれるモータ以外の部分(例えば、センサの位置)を基準とした座標軸が設定されてもよい。
【0028】
本実施形態では、ロボットコントローラ10は、カメラ30が、資材Mの上側を移動しながら資材Mの上面を撮影するように、第1ロボット20Aを制御する。例えば、ロボットコントローラ10は、初期位置である位置FP0にカメラ30が移動するように、第1ロボット20Aを制御する。カメラ30の撮影方向FVは、垂直方向(Z10軸の負方向、下方向)である。図4の例では、カメラ30による撮影中に撮影方向FVが変わらないものとするが、撮影方向FVは、変わってもよい。
【0029】
例えば、位置FP0を含む水平面(X10-Y10平面)には、カメラ30が経由する位置FP1,FP2,FP3,FP4が定められている。位置FP1,FP2,FP3,FP4を結ぶ線の形状は、資材Mの上面に入れられる切れ目の形状と同じ又は略同じである。ロボットコントローラ10は、カメラ30が、位置FP0から、位置FP1,FP2,FP3,FP4を経由して、位置FP0に戻るように、第1ロボット20Aを制御する。カメラ30は、移動中に、資材Mを連続的に撮影する。カメラ30は、資材Mを撮影することによって生成した撮影画像を、ロボットコントローラ10に送信する。
【0030】
例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ30の撮影画像に基づいて、位置FP1,FP2,FP3,FP4の各々と、資材Mの上面と、の距離を取得する。ロボットコントローラ10は、位置FP1,FP2,FP3,FP4の各々と、資材Mの上面と、の距離の計測結果に基づいて、カッター40の移動経路を決定する。カッター40は、第1ロボット20Aの先端部に取り付けられているので、カッター40の移動経路は、第1ロボット20Aの先端部の移動経路ということもできる。
【0031】
図5は、資材Mに切れ目が入れられる様子の一例を示す図である。切れ目は、資材Mの表面がカッター40で切られることによってできた跡である。切れ目は、資材Mの表面における切断箇所ということもできる。図5の例では、ロボットコントローラ10は、位置FP1,FP2,FP3,FP4から、資材Mの上面までの距離だけ離れた位置を、カッター40が通過する位置P1,P2,P3,P4として決定する。図5の例では、カッター40の初期位置を位置FP0とするが、カッター40の初期位置は、他の位置であってもよい。
【0032】
例えば、ロボットコントローラ10は、カッター40が、位置FP0から、資材Mの表面における位置P1,P2,P3,P4を経由して、再び位置FP0に戻るように、カッター40の移動経路を決定する。ロボットコントローラ10は、当該移動経路上をカッター40が移動するように、第1ロボット20Aを制御する。カッター40の移動中は、資材Mからカッター40が引き抜かれないようにしてもよいし、資材Mからカッター40が引き抜かれて、再び資材Mにカッター40が入れられるようにしてもよい。
【0033】
図5の例では、資材Mの一部がくりぬかれないように、資材Mに切れ目が入れられる。このため、位置P1から位置P4までの経路で囲われた部分は、フラップ状になる。以降、当該部分をフラップMFという。切れ目は、フラップMFの輪郭ということもできる。フラップMFは、資材Mの向きに応じて開閉可能である。図5の状態では、切れ目が上を向いているので、フラップMFは、閉じた状態になる。切れ目が下を向くように資材Mが回転すると、フラップMFは、徐々にめくれて、資材Mの開口部が露出した状態になる。
【0034】
例えば、資材Mに切れ目が入れられると、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20Aに、カメラ30及びカッター40を外させる。第1ロボット20Aがカメラ30及びカッター40を外す方法は、ロボット制御におけるエンドエフェクタの交換方法として採用されている公知の方法が利用されてよい。当該方法は、ツールチェンジと呼ばれることもある。ツールチェンジのための命令は、ロボット言語等の各種言語で定義されている命令によって実行されてよい。
【0035】
例えば、第1ロボット20Aからカメラ30及びカッター40が外れると、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20Aの連結部材50Aが第1支持部60Aの連結部材60A1に連結するように、第1ロボット20Aに、連結部材50Aを移動させる。ロボットコントローラ10は、第2ロボット20Bの連結部材50Bが第2支持部60Bの連結部材60B1に連結するように、第2ロボット20Bに、連結部材50Bを移動させる。これらの連結方法も、ツールチェンジで採用されている公知の方法が利用されてよい。なお、第2ロボット20Bの連結部材50Bは、最初から第2支持部60Bの連結部材60B12に連結されていてもよい。
【0036】
図6は、第1ロボット20Aの連結部材50Aと、第1支持部60Aの連結部材60A1と、が連結し、かつ、第2ロボット20Bの連結部材50Bと、第2支持部60Bの連結部材60B1と、が連結した様子の一例を示す図である。図6の例では、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bについては、先端付近の部分だけが示されており、他の部分については、省略されている。例えば、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、容器Cの上方に資材Mを移動させる。
【0037】
図7は、容器Cの上方に資材Mが移動した様子の一例を示す図である。例えば、資材Mが容器Cの上方に移動すると、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、資材Mの切れ目が下方向を向くように、資材Mを回転させる。本実施形態では、資材Mの形状(内容物の重心又はバランス)が急激に変化しないように、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに、ゆっくりと資材Mを回転させる。資材Mが回転すると、資材MのフラップMFが徐々にめくれて、資材Mの内容物が徐々に外に出て容器Cに落ちる。
【0038】
図8は、資材Mの内容物が容器Cに落ちる様子の一例を示す図である。例えば、資材Mがある程度回転すると、内容物がある程度容器Cに落ちているので、資材Mの回転速度が速くなっても、資材Mの形状(内容物の重心又はバランス)が急激に変化しない。このため、本実施形態では、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々の回転速度を徐々に上げる。資材MのフラップMFは、更にめくれて、資材Mの内容物が次々と外に出て容器Cに落ちる。
【0039】
例えば、ロボットコントローラ10は、資材MのフラップMFがめくれることによって露出した開口部が下方向を向くまで、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに資材Mを回転させる。本実施形態では、資材Mの内容物が、ある程度外に出て容器Cに落ちるまでの制御を説明する。その後の制御は、後述の変形例で説明する。変形例で説明する制御が実行されないロボット制御システム1も、本開示の範囲に含まれる。
【0040】
以上のように、ロボット制御システム1は、カッター40で資材Mに切れ目を入れるように、第1ロボット20Aに、カッター40を移動させる。ロボット制御システム1は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、切れ目が入れられた資材Mを支持させる。ロボット制御システム1は、切れ目が下を向くように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、支持された状態の資材Mを回転させる。資材Mの上面に切れ目が入れられた後に、切れ目が下を向くように資材Mが回転するので、ロボット制御システム1は、第1ロボット20A、第2ロボット20B、及びカッター30の各々に対する内容物の付着を抑制できる。以降、ロボット制御システム1の詳細を説明する。
【0041】
[3.ロボット制御システムで実現される機能]
図9は、ロボット制御システム1で実現される機能の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10は、データ記憶部100、切れ目制御部101、支持制御部102、及び回転制御部103を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。切れ目制御部101、支持制御部102、及び回転制御部103の各々は、CPU11により実現される。
【0042】
[3-1.データ記憶部]
データ記憶部100は、ロボットコントローラ10がロボット20を制御するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、ロボット20の制御内容を示すコードを含むプログラムと、当該プログラムによって参照されるパラメータと、を記憶する。パラメータは、ロボット制御で利用されている任意のパラメータであってよい。例えば、パラメータは、ロボット20の現在の位置、向き(姿勢)、移動速度、回転速度、又は他の状態を示してもよい。
【0043】
プログラムは、任意の言語で作成可能である。例えば、プログラムは、ロボット言語又はラダー言語により作成されてもよい。プログラムに含まれるコードは、これらの言語で採用されているものであればよい。コードは、コマンドと呼ばれることもある。例えば、プログラムは、ロボット20を所定の位置に移動させるコード、ロボット20の向き(姿勢)を変えるコード、ロボット20の移動速度を制御するコード、ロボット20の回転速度を制御するコード、ツールチェンジのコード、又はその他のコードを含む。これらのコードは、公知の言語で定義されたコードであってよい。
【0044】
本実施形態では、プログラムの一例として、認識プログラム、切れ目プログラム、支持プログラム、及び回転プログラムを説明する。認識プログラム、切れ目プログラム、支持プログラム、及び回転プログラムの各々は、サブルーチンに相当するので、これらを呼び出すメインルーチンに相当するプログラムが更に存在してもよい。認識プログラム、切れ目プログラム、支持プログラム、及び回転プログラムは、1つのプログラムにまとめられていてもよい。
【0045】
例えば、認識プログラムは、ロボットコントローラ10が、カメラ30により生成された撮影画像に基づいて、資材Mの位置及び形状を認識するためのプログラムである。認識プログラムは、カメラ30により生成された撮影画像に基づいて、資材Mの位置及び形状を認識するためのコードを含む。例えば、資材Mの表面が湾曲している場合には、当該湾曲した表面の形状も、認識プログラムによって特定されるものとする。
【0046】
例えば、認識プログラムは、第1ロボット20Aにカメラ30を移動させるためのコードと、第1ロボット20Aにカメラ30の向きを変えさせるためのコードと、を含んでもよい。本実施形態では、認識プログラムは、カメラ30が、位置FP0から、位置FP1,FP2,FP3,FP4を経由して、位置FP0に戻るように、第1ロボット20を制御するためのコードを含む。当該コードは、認識プログラム以外の他のプログラムに含まれてもよい。認識プログラムは、他のコードを含んでもよい。なお、カメラ30が資材Mを撮影する位置及び方向は、本実施形態の例に限られない。カメラ30は、任意の位置及び方向から資材Mを撮影可能である。
【0047】
なお、資材Mの位置及び形状の特定方法は、画像処理分野で利用されている任意の方法を利用可能である。認識プログラムは、公知の物体検出で用いられるプログラムであってもよい。本実施形態では、カメラ30が3Dカメラなので、認識プログラムは、3Dカメラにより撮影された撮影画像(カメラ30及び被写体の間の深度を含む画像)に基づいて、資材Mの位置及び形状を認識するコードを含む。例えば、認識プログラムは、カメラ30により撮影された複数の撮影画像に基づいて、資材Mの3次元的な位置及び形状を特定する。他にも例えば、資材Mの位置及び形状は、カメラ30以外のセンサ(例えば、レーザ変位計)によって検出されてもよい。
【0048】
例えば、切れ目プログラムは、ロボット20が資材Mに切れ目を入れる一連の作業を示すプログラムである。本実施形態では、第1ロボット20Aがカッター40で資材Mに切れ目を入れるので、切れ目プログラムは、第1ロボット20Aにカッター40を移動させるためのコードを含む。例えば、切れ目プログラムは、第1ロボット20Aがカッター40を移動させるための移動経路を決定するためのコードと、第1ロボット20Aが当該移動経路でカッター40を移動させるためのコードと、を含む。移動経路の決定では、任意のアルゴリズムが利用されてよい。例えば、移動経路の決定では、直線補間又はリンク補間が利用されてよい。この点は、他の経路の決定方法も同様である。
【0049】
図10は、第1ロボット20Aがカッター40を移動させる移動経路の一例を示す図である。図10の例では、切れ目プログラムは、位置FP0から、資材Mの上面における位置P1,P2,P3,P4を経由して、位置FP0に戻る経路を、カッター40の移動経路として決定するコードを含む。例えば、位置FP0は、第1ロボット20Aがカッター40を移動させるときの初期位置である。位置FP0は、予め定められている。
【0050】
本実施形態では、位置FP0を含む水平面(図10では、X10-Y10平面)H上に、位置P1に対応する位置FP1、位置P2に対応する位置FP2、位置P3に対応する位置FP3、及び位置P4に対応する位置FP4が、予め定められている。位置FP1,FP2,FP3,FP4は、それぞれ位置P1,P2,P3,P4と水平方向における位置(図10では、X10座標とY10座標)が同じ位置である。位置FP1,FP2,FP3,FP4を結ぶ線は、切れ目の形状を示す。
【0051】
例えば、切れ目プログラムは、資材Mの位置及び形状に基づいて、位置FP1,FP2,FP3,FP4の各々から、資材Mの表面までの距離を取得するコードを含む。切れ目プログラムは、位置FP1,FP2,FP3,FP4の各々から、当該距離だけ垂直方向(図10では、Z10軸負方向、下方向)に離れた位置を、位置P1,P2,P3,P4として決定するコードも含む。
【0052】
例えば、位置P1,P2,P3,P4の各々は、資材Mの上面の位置である。切れ目プログラムは、位置FP0から、上記のように決定された位置P1,P2,P3,P4を経由して、位置FP0に戻る経路を、カッター40の移動経路として決定するコードを含む。例えば、移動経路の決定では、直線補間又はリンク補間が利用されてよい。位置P1,P2,P3,P4は、資材Mの上面における任意の位置であってよい。例えば、位置P1,P2,P3,P4は、資材Mの上面の中央付近、中央よりも資材Mの長手方向の端部に近い位置、中央よりも資材Mの短手方向の端部に近い位置、又は他の位置であってもよい。
【0053】
なお、位置P1,P2,P3,P4を結ぶ経路(実際の切れ目)の形状は、位置FP1,FP2,FP3,FP4を結ぶ経路(予め指定された切れ目)と同じ又は略同じ形状である。このため、切れ目プログラムは、予め指定された切れ目の経路から資材Mの表面までの距離を取得するコードと、予め指定された切れ目の経路から当該距離だけ垂直方向に離れた経路を、実際の切れ目として決定するコードと、を含むということもできる。
【0054】
また、切れ目プログラムは、資材Mに切れ目を入れるためのカッター40の移動経路を決定するコードを含めばよい。切れ目プログラムに含まれるコードは、上記の例に限られない。例えば、切れ目プログラムは、位置FP0から第1の方向に伸びる線と、資材Mの上面と、が交差する位置を、位置P1として決定するコードを含んでもよい。同様に、切れ目プログラムは、位置FP0から、第2の方向、第3の方向、及び第4の方向の各々に伸びる線と、資材Mの上面と、が交差する位置を、位置P2,P3,P4として決定するコードを含んでもよい。
【0055】
他にも例えば、切れ目プログラムは、資材Mの形状に関係なく、資材Mの位置だけに基づいて、カッター40の移動経路を決定するコードを含んでもよい。例えば、移動経路が動的に決定されなくてもよく、切れ目プログラムは、第1ロボット20Aが予め定められた移動経路でカッター40を移動させるコードを含んでもよい。この場合、データ記憶部100は、認識プログラムを記憶しなくてもよい。例えば、切れ目プログラムは、資材Mからカッター40を引き抜きながら切れ目を入れるための移動経路を決定するコードを含んでもよい。
【0056】
例えば、支持プログラムは、ロボット20が資材Mを支持する一連の作業を示すプログラムである。支持は、把持、固定、吸引、及び吸着といった概念も含む。本実施形態では、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bが資材Mを支持するので、データ記憶部100は、第1ロボット20Aに資材Mを支持させるための第1支持プログラムと、第2ロボット20Aに資材Mを支持させるための第2支持プログラムと、を記憶する。
【0057】
図11は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bが資材Mを支持するための移動経路の一例を示す図である。例えば、位置P10は、第1ロボット20Aの初期位置である。位置P10は、予め定められている。第1支持プログラムは、位置P10から、第1支持部60Aの連結部材60A1の位置P11までの移動経路を決定するコードを含む。第1支持プログラムは、位置P10から、第1ロボット20Aに、位置P11で連結部材50Aを連結部材60A1に連結させるコードを含む。第1支持プログラムは、位置P11から、容器Cの上方の所定の位置P12まで第1ロボット20Aを移動させるコードを含む。
【0058】
例えば、位置P20は、第2ロボット20Bの初期位置である。位置P20は、予め定められている。第2支持プログラムは、位置P20から、第2支持部60Bの連結部材60B1の位置P21までの移動経路を決定するコードを含む。第2支持プログラムは、位置P20から、第2ロボット20Bに、位置P21で連結部材50Bを連結部材60B1に連結させるコードを含む。第2支持プログラムは、位置P21から、容器Cの上方の所定の位置P22まで第2ロボット20Bを移動させるコードを含む。
【0059】
なお、第1支持プログラムは、撮影画像に基づいて、第1支持部60Aの連結部材60A1の位置を特定し、当該位置に連結部材50Aを合わせるコードを含んでもよい。この場合、資材Mの切れ目が入れられた後も、カメラ40は、第1ロボット20Aに装着されているものとする。第2支持プログラムは、撮影画像に基づいて、第2支持部60Bの連結部材60B1の位置を特定し、当該位置に連結部材50Bを合わせるコードを含んでもよい。この場合、第2ロボット20Bは、第1ロボット20Aに装着されたカメラ30とは異なるカメラ30を含むものとする。
【0060】
例えば、回転プログラムは、ロボット20に資材Mを回転させるためのコードを含む。本実施形態では、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bが資材Mを回転させるので、データ記憶部100は、第1ロボット20Aに資材Mを回転させるための第1回転プログラムと、第2ロボット20Aに資材Mを回転させるための第2回転プログラムと、を記憶する。
【0061】
例えば、第1回転プログラムは、第1ロボット20Aが位置P12で所定の回転方向RD1に所定の角度だけ回転することを示すコードを含む。第2回転プログラムは、第2ロボット20Bが位置P22で所定の回転方向RD2に所定の角度だけ回転することを示す回転命令を含む。回転方向RD1,RD2は、資材Mの切れ目が下を向く方向である。別の言い方をすれば、回転方向RD1,RD2は、資材Mのうち、切れ目が入れられた面(本実施形態では、上面)が下を向く方向である。
【0062】
なお、データ記憶部100が記憶するデータは、上記の例に限られない。例えば、データ記憶部100は、認識プログラム、切れ目プログラム、支持プログラム、及び回転プログラム以外の他のプログラムを記憶してもよい。また、データ記憶部100が記憶するデータは、プログラムに限られない。例えば、データ記憶部100は、各移動経路を示す移動経路データを記憶してもよい。
【0063】
[3-2.切れ目制御部]
切れ目制御部101は、カッター40で資材Mに切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。切れ目は、資材Mが切れてできた跡である。切れ目は、資材Mの切断箇所ということもできる。切れ目を入れるための行為をする主体は、ロボット20である。切れ目は、切れ目が入れられたときに内容物が出にくい位置であれば、資材Mの任意の面に入れられてよい。
【0064】
例えば、切れ目は、資材Mの底面以外の他の面に入れられるようにすればよい。切れ目は、資材Mの側面又は上面に入れられてよい。別の言い方をすれば、切れ目は、下向き以外の他の方向を向くように入れられてよい。本実施形態の底面、側面、及び上面は、第1支持部60A及び第2支持部60Bの上に資材Mが載置された状態における底面、側面、及び上面を意味する。以降、第1支持部60A及び第2支持部60Bを区別しない時は、単に支持部60という。例えば、切れ目は、資材Mが支持部60と触れていない部分に入れられる。
【0065】
本実施形態では、切れ目は、上方向を向くように入れられる。なお、本実施形態の上方向は、水平面よりも上の方向である。下方向は、水平面よりも下の方向である。別の言い方をすれば、切れ目制御部101は、資材Mが支持部60で支持された状態(例えば、資材Mが支持部60に載せられた状態)で、カッター40で資材Mに切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材の少なくとも一方を移動させる。この場合、切れ目は、資材Mが支持部60に触れていない部分になる。
【0066】
本実施形態では、第1ロボット20がカッター40を保持しているので、切れ目制御部101は、第1ロボット20Aに、カッター40の刃が資材Mを切断するように、カッター40を移動させる。例えば、切れ目制御部101は、切れ目プログラムに基づいて、カッター40で資材Mに切れ目を入れるための移動経路を決定する。切れ目制御部101は、切れ目プログラムに基づいて、当該移動経路上をカッター40が移動するように、第1ロボット20Aを制御する。
【0067】
本実施形態では、切れ目が、図5の位置P1,P2,P3,P4を結ぶ経路の形状である場合を例に挙げるが、切れ目は、任意の形状であってよい。切れ目は、文字、記号、図形、又は、これらの一部が省略された形状であってもよい。例えば、切れ目は、線分、三角形又は四角形等の多角形、多角形の一部の線分が省略された形状、円、円の一部が省略された形状、任意のアルファベット(例えば、C、U、V、L、X)の文字と似た形状、アルファベット以外の他の文字と似た形状、文字以外の記号と似た形状、又はその他の形状であってもよい。
【0068】
例えば、切れ目は、少なくとも1つの曲線状の線で形成されてもよい。切れ目は、少なくとも接点を持った2つの線状の切れ目で形成されてもよい。本実施形態では、切れ目は、資材Mに開口部が形成されるようにすればよい。切れ目は、線分、曲線、又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、切れ目によって形成される開口部は、容器Cのサイズに応じて定められてもよい。例えば、開口部は、容器Cの受け口よりも小さいサイズになってもよい。切れ目は、資材Mの表面形状に応じて定められてもよい。
【0069】
本実施形態では、切れ目制御部101は、複数切れ目制御部101A、開口部切れ目制御部101B、図形切れ目制御部101C、及び支持切れ目制御部101Dを含む。複数切れ目制御部101A、開口部切れ目制御部101B、図形切れ目制御部101C、及び支持切れ目制御部101Dの各々による制御内容を示すコードは、切れ目プログラムに含まれている。なお、切れ目制御部101は、複数切れ目制御部101A、開口部切れ目制御部101B、図形切れ目制御部101C、及び支持切れ目制御部101Dの全部又は一部を含まなくてもよい。
【0070】
[複数切れ目制御部]
複数切れ目制御部101Aは、カッター40で資材Mに複数の切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。本実施形態では、第1ロボット20Aがカッター40を保持しているので、複数切れ目制御部101Aは、カッター40で資材Mに複数の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aにカッター40を移動させる。
【0071】
例えば、複数切れ目制御部101Aは、カッター40で1つ目の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aにカッター40を移動させる。複数切れ目制御部101Aは、第1ロボット20Aが、資材Mからカッター40を引き抜いて、1つ目の切れ目とは異なる位置にカッター40で切り込みを入れて2つ目の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御する。その後、複数切れ目制御部101Aは、所定数の切れ目を資材Mに入れるまで、カッター40の引き抜きと、新たな切れ目のための切断と、を第1ロボット20Aが行うように、第1ロボット20Aを制御する。
【0072】
図10の例であれば、位置P1,P2,P3,P4を結ぶ移動経路に全てに切れ目が入れられる場合には、資材Mに入れられる切れ目は、1つである。ただし、図10の移動経路のごく一部が切断されていなくてもよい。例えば、位置P2の付近だけが切断されなくてもよい。この場合、複数切れ目制御部101Aは、位置P1から位置P2付近まで、第1ロボット20Aにカッター40で切れ目を入れさせる。
【0073】
その後、複数切れ目制御部101Aは、位置P2の直前で、第1ロボット20Aにカッター40を引き抜かせて、位置P2の直後から位置P3に向けて、第1ロボット20Aにカッター40で切れ目を入れさせる。位置P2付近は、切断されずに残る。資材Mが回転した後に、内容物の重みによって、位置P2付近の部分が切断される。このようにして、図10と同様のフラップMFが形成されるようにしてもよい。他にも例えば、複数切れ目制御部101Aは、位置P2以外の他の位置(例えば、位置P3)が切断されずに残るように、第1ロボット20Aを制御してもよい。
【0074】
他にも例えば、複数切れ目制御部101Aは、所定の方向に、カッター40で複数の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御してもよい。例えば、複数切れ目制御部101Aは、資材Mの長手方向に、カッター40で複数の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御してもよい。更に、複数切れ目制御部101Aは、資材Mの短手方向に、カッター40で複数の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御してもよい。複数切れ目制御部101Aは、図5と同様のフラップMFが複数個生成されるように、第1ロボット20Aに、カッター40で複数の切れ目を入れさせてもよい。
【0075】
なお、ロボットコントローラ10は、複数切れ目制御部101Aを含まなくてもよい。この場合、切れ目制御部101は、カッター40で資材Mに1つの切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させるようにすればよい。
【0076】
[開口部切れ目制御部]
開口部切れ目制御部101Bは、カッター40で資材Mに面状の開口部を形成可能な切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。本実施形態では、第1ロボット20Aがカッター40を保持しているので、開口部切れ目制御部101Bは、カッター40で資材Mに面状の開口部を形成可能な切れ目を入れるように、第1ロボット20Aにカッター40を移動させる。本実施形態では、フラップMFがめくれることによって露出する部分が開口部に相当する。
【0077】
開口部は、資材Mの表面における穴である。開口部の輪郭は、切れ目と同じである。このため、開口部の形状は、切れ目と同様に、任意の形状であってよい。開口部の形状は、切れ目の形状で例示したものと同じであってもよい。図5の例では、フラップMFがめくれることによって開口部が形成される。ロボットコントローラ10が後述の図形切れ目制御部101Cを含まない場合には、開口部切れ目制御部101Bは、第1ロボット20Aに、資材Mの一部をカッター40でくりぬかせることによって、開口部を形成可能な切れ目を入れさせるようにしてもよい。
【0078】
[図形切れ目制御部]
図形切れ目制御部101Cは、資材Mに入れる切れ目によって描かれる図形が開いた図形となるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。本実施形態では、第1ロボット20Aがカッター40を保持しているので、図形切れ目制御部101Cは、資材Mに入れられる切れ目によって描かれる図形が開いた図形となるように、第1ロボット20Aにカッター40を移動させる。
【0079】
切れ目によって描かれる図形は、切れ目を構成する線が示す図形である。図5の例であれば、位置P1,P2,P3,P4を結ぶ経路が示す図形である。当該図形は、カッター40による切断経路ということもできる。開いた図形は、資材Mのうち、切れ目によって囲われた部分が、資材Mの本体部分に残る図形である。開いた図形は、図形を構成する線が互いに交わらない図形ということもできる。開いた図形は、資材Mがくりぬかれない図形ということもできる。
【0080】
例えば、図形切れ目制御部101Cは、開いた図形となるようにカッター40の移動経路を決定する。図形切れ目制御部101Cは、第1ロボット20Aに、当該移動経路上でカッター40を移動させる。別の言い方をすれば、図形切れ目制御部101Cは、カッター40が資材Mの表面における異なる位置を通るように、第1ロボット20Aを制御する。図形切れ目制御部101Cは、カッター40で資材Mをくりぬかないように、第1ロボット20Aを制御する。図形切れ目制御部101Cは、カッター40が資材Mの表面における同じ位置を通らないように、第1ロボット20Aを制御する。
【0081】
例えば、図形切れ目制御部101Cは、カッター40で資材Mにフラップ状の開口部を形成可能な切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御する。フラップ状の開口部は、資材Mのうち、フラップMFによって開閉可能な部分である。図形切れ目制御部101Cは、カッター40で資材Mに弁状の開口部を形成可能な切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御する。図形切れ目制御部101Cは、カッター40で資材Mの一部が開閉可能な切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御する。
【0082】
[支持切れ目制御部]
支持切れ目制御部101Dは、資材Mを下から支持する支持部60の上に載せられた資材Mに、カッター40で切れ目を入れるように、ロボット20を制御する。本実施形態では、第1ロボット20Aがカッター40を保持しているので、支持切れ目制御部101Dは、資材Mを下から支持する支持部60の上に載せられた資材Mに、カッター40で切れ目を入れるように、第1ロボット20Aにカッター40を移動させる。
【0083】
本実施形態では、作業員が支持部60の上に資材Mを載せる場合を例に挙げるが、第1ロボット20A、第2ロボット20B、又はその他のロボットが、支持部60の上に資材Mを載せてもよい。資材Mが載せられた状態の支持部60が作業台Tの上に搬送されてもよい。この場合も、作業員、第1ロボット20A、第2ロボット20B、又はその他のロボットが、作業台Tの上に支持部60を搬送してもよい。
【0084】
本実施形態では、第1支持部60A及び第2支持部60Bの上に資材Mが載せられるので、支持切れ目制御部101Dは、第1支持部60A及び第2支持部60Bの上に載せられた資材Mに、カッター40で切れ目を入れるように、第1ロボット20Aにカッター40を移動させる。第1支持部60A及び第2支持部60Bの上に資材Mが載せられているという点で、既に説明した内容とは異なるが、切れ目を入れるための制御自体は、既に説明した内容と同様である。
【0085】
なお、第1支持部60A及び第2支持部60Bの各々は、資材Mに切れ目を入れる前に、資材Mに対する吸引を開始してもよい。吸引のオン/オフは、ロボットコントローラ10又は他の装置によって制御される。資材Mに対する吸引は、任意のタイミングでオン/オフされてよい。例えば、資材Mに切れ目を入れている最中には、資材Mに対する吸引がオフになっていてもよい。その後、後述の支持制御部102によって資材Mが支持される場合に、吸引がオンになってもよい。
【0086】
[3-3.支持制御部]
支持制御部102は、ロボット20に、資材Mを支持させる。本実施形態では、支持制御部102が、ロボット20に、吸引機で資材Mを支持させる場合を例に挙げる。支持制御部102は、ロボット20に、吸引以外の方法で資材Mを支持させてもよい。例えば、支持制御部102は、ロボット20に、磁力又は静電気力で資材Mを支持させてもよい。支持制御部102は、ロボット20に、ロボットハンドで資材Mを把持させることによって、資材Mを支持させてもよい。支持制御部102は、支持プログラムに基づいて、ロボット20が資材Mを支持するための移動経路を決定する。支持制御部102は、ロボット20に、当該移動経路上を移動させる。
【0087】
支持制御部102は、第1ロボット20Aに、資材Mを支持させる。支持制御部102は、第1支持プログラムに基づいて、第1ロボット20Aが資材Mを支持するための移動経路を決定する。支持制御部102は、第1ロボット20Aに、当該移動経路を移動させることによって、第1ロボット20Aに資材Mを支持させる。資材Mの支持のために移動以外の動作が必要な場合には、当該動作を示すコードも、第1支持プログラムに含まれているものとする。例えば、当該動作は、吸引機のオン等の動作である。
【0088】
本実施形態では、支持制御部102は、第1ロボット20Aの連結部材50Aが第1支持部60Aの連結部材60A1に連結するように、第1ロボット20Aの移動経路を決定する。支持制御部102は、第1ロボット20Aに、当該移動経路を移動させる。支持制御部102は、第1ロボット20Aに、連結部材50A及び連結部材60A1を連結させる。これらが連結した後に、支持制御部102は、第1ロボット20Aに、資材Mが載せられた第1支持部60Aを移動させる。これらの一連の制御のための第1支持プログラムのコードは、先述した通りである。
【0089】
支持制御部102は、第2ロボット20Bに、第1ロボット20Aと協働して資材Mを支持させる。協働とは、相手の動作に合わせることである。例えば、第2ロボット20Bが、第1ロボット20Aと所定の位置関係を保って移動することは、協働に相当する。第2ロボット20Bが、第1ロボット20Aと同じ方向に移動することは、協働に相当する。第2ロボット20Bが、第1ロボット20Aと同じ動作をすること(例えば、同じ方向に同じ移動速度で移動すること)は、協働に相当する。第2ロボット20Bが、第1ロボット20Aと同じ資材Mに対する作業をすることは、協働に相当する。
【0090】
本実施形態では、支持制御部102は、第2支持プログラムに基づいて、第2ロボット20Bが資材Mを支持するための移動経路を決定する。支持制御部102は、第2ロボット20Bに、当該移動経路を移動させることによって、第2ロボット20Bに資材Mを支持させる。資材Mの支持のために移動以外の動作が必要な場合には、当該動作を示すコードも、第2支持プログラムに含まれているものとする。例えば、当該動作は、吸引機のオン等の動作である。
【0091】
本実施形態では、支持制御部102は、第2ロボット20Bの連結部材50Bが第2支持部60Bの連結部材60B1に連結するように、第2ロボット20Bの移動経路を決定する。支持制御部102は、第2ロボット20Bに、当該移動経路を移動させる。支持制御部102は、第2ロボット20Bに、連結部材50B及び連結部材60B1を連結させる。これらが連結した後に、支持制御部102は、第2ロボット20Bに、資材Mが載せられた第2支持部60Bを移動させる。これらの一連の制御のための第2支持プログラムのコードは、先述した通りである。
【0092】
支持制御部102は、支持部60に連結されたロボット20に、資材Mを支持させる。支持制御部102は、支持プログラムに基づいて、ロボット20が支持部60に連結するための移動経路を決定する。支持制御部102は、ロボット20に、当該移動経路を移動させる。支持制御部102は、ロボット20に、連結部材50及び連結部材60を連結させる。これらが連結した後に、支持制御部102は、ロボット20に、資材Mが載せられた支持部60を移動させる。これらの一連の制御のための支持プログラムのコードは、先述した通りである。なお、支持部60は、第1支持部60A及び第2支持部60Bのように2つに分かれていなくてもよい。支持制御部102は、1台のロボット20に、1台の支持部60の上に載せられた資材Mを支持させてもよい。
【0093】
[3-4.回転制御部]
回転制御部103は、ロボット20に、切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。本実施形態では、支持制御部102の制御によって、切れ目の少なくとも一部が下以外の他の方向を向いた状態で、資材Mが支持及び搬送される。回転制御部103は、回転プログラムに基づいて、切れ目の少なくとも一部が当該他の方向を向いた状態から、切れ目の少なくとも一部が下を向く状態になるように、ロボット20に、資材Mを回転させる。資材Mの回転は、ロボット20の先端に配置されたモータが回転することによって行われる。
【0094】
例えば、回転制御部103は、第1回転制御部103A、第2回転制御部103B、及び方向回転制御部103Cを含む。第1回転制御部103A、第2回転制御部103B、及び方向回転制御部103Cの各々による制御内容を示すコードは、回転プログラムに含まれている。なお、回転制御部103は、第1回転制御部103A、第2回転制御部103B、及び方向回転制御部103Cの全部又は一部を含まなくてもよい。
【0095】
[第1回転制御部]
第1回転制御部103Aは、第1ロボット20Aに、切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。第1回転制御部103Aは、第1回転プログラムに基づいて、資材Mを支持した第1ロボット20Aの回転方向を決定する。当該回転方向は、資材Mの切れ目の少なくとも一部が下以外の他の方向を向く状態から、当該少なくとも一部が下を向く状態になる方向である。第1回転制御部103Aは、当該回転方向に基づいて、第1ロボット20Aの先端のモータを回転させることによって、切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。
【0096】
[第2回転制御部]
第2回転制御部103Bは、第2ロボット20Bに、第1ロボット20Aと協働して切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。第2回転制御部103Bは、第2回転プログラムに基づいて、資材Mを支持した第2ロボット20Bの回転方向を決定する。当該回転方向は、資材Mの切れ目の少なくとも一部が下以外の他の方向を向く状態から、当該少なくとも一部が下を向く状態になる方向である。第2回転制御部103Bは、当該回転方向に基づいて、第2ロボット20Bの先端のモータを回転させることによって、切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。
【0097】
[方向回転制御部]
方向回転制御部103Cは、開口部の形成によって生成されたフラップMFが上方向にめくれるように、ロボット20に資材Mを回転させる。フラップMFが上方向にめくれるとは、資材MでフラップMFが設けられた面(図5では、上面)のうち、フラップMF以外の他の部分が下を向くことである。方向回転制御部103Cは、回転プログラムに基づいて、フラップが上方向にめくれるような回転方向を決定する。当該回転方向は、資材MでフラップMFが設けられた面(図5では、上面)のうち、フラップMF以外の他の部分が下を向くことである。方向回転制御部103Cは、当該回転方向に基づいて、ロボット20の先端のモータを回転させることによって、フラップMFが上方向にめくれるように資材Mを回転させる。
【0098】
[4.ロボット制御システム1で実行される処理]
図12は、ロボット制御システム1で実行される処理の一例を示す図である。CPU11が、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、図12の処理が実行される。図12の処理は、第1支持部60A及び第2支持部60Bの上に資材Mが載せられた後に実行される。図12では、ロボット制御システム1で実行される処理の概要が示されている。当該処理の詳細は、図13に示される。
【0099】
図12に示すように、ロボットコントローラ10は、認識プログラムに基づいて、第1ロボット20Aに、カメラ30で資材Mを撮影させる(S1)。ロボットコントローラ10は、切れ目プログラムに基づいて、カッター40で資材Mに切れ目を入れるように、第1ロボット20Aに、カッター40を移動させる(S2)。ロボットコントローラ10は、支持プログラムに基づいて、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに、それぞれ第1支持部60A及び第2支持部60Bを支持させる(S3)。ロボットコントローラ10は、回転プログラムに基づいて、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、資材Mを搬送させて、切れ目が下を向くように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に資材Mを回転させ(S4)、本処理は終了する。
【0100】
図13は、S2~S4の処理の詳細の一例を示す図である。S20~S22の処理は、S2の処理の詳細である。S30~S33の処理は、S3の処理の詳細である。S40,S41の処理は、S4の処理の詳細である。
【0101】
図13のように、ロボットコントローラ10は、S2で認識された資材Mの位置及び形状と、切れ目プログラムと、に基づいて、第1ロボット20Aがカッター40で資材Mに切れ目を入れるための移動経路を計算する(S20)。ロボットコントローラ10は、S20で計算された移動経路に基づいて、第1ロボット20Aに、カッター40で資材Mに切れ目を入れさせる(S21)。ロボットコントローラ10は、第1ロボット20Aに、カメラ30及びカッター40を外させる(S22)。
【0102】
ロボットコントローラ10は、第1支持プログラムに基づいて、第1ロボット20Aが第1支持部60Aで資材Mを支持するための移動経路を決定する(S30)。ロボットコントローラ10は、第2支持プログラムに基づいて、第2ロボット20Bが第2支持部60Bで資材Mを支持するための移動経路を決定する(S31)。ロボットコントローラ10は、S30で決定された移動経路に基づいて、第1ロボット20Aに、資材Mを支持させる(S32)。ロボットコントローラ10は、S31で決定された移動経路に基づいて、第2ロボット20Bに資材Mを支持させる(S33)。
【0103】
ロボットコントローラ10は、S30,S31で決定された移動経路に基づいて、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに、容器Cの上まで資材Mを移動させる(S40)。ロボットコントローラ10は、第1回転プログラム及び第2回転プログラムに基づいて、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに、切れ目が下を向くように、容器Cの上で資材Mを回転させ(S41)、本処理は終了する。
【0104】
[5.実施形態のまとめ]
本実施形態のロボット制御システム1は、内容物を含む資材Mに対して作業を行う1以上のロボット20を含む。ロボット制御システム1は、カッター40で資材Mに切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。ロボット制御システム1は、ロボット20に、資材Mを支持させる。ロボット制御システム1は、ロボット20に、切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。カッター40で切れ目を入れた瞬間は、切れ目が下以外の他の方向を向いており、その後、切れ目が下を向くように資材Mが回転するので、資材Mが回転するまでは、内容物が出にくくなる。このため、ロボット制御システム1は、内容物がカッター及びロボットの少なくとも一方に付着することを抑制できる。例えば、先行技術文献で挙げた従来の技術では、カッターが袋の下面を切った直後に、内容物が外に出てカッター等に付着しやすい。この点、本実施形態のロボット制御システム1は、カッター40が切れ目を入れた瞬間は、切れ目が下以外の他の方向を向いており内容物が外に出にくいので、従来の技術に比べて、内容物がカッター40等に付着することを抑制できる。
【0105】
また、ロボット制御システム1は、第1ロボット20Aに、切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。ロボット制御システム1は、第2ロボット20Bに、第1ロボット20Aと協働して切れ目が下を向くように資材Mを回転させる。ロボット制御システム1は、2台のロボット20によって、安定した状態で資材Mを支持して回転させることができる。例えば、資材Mの回転中に資材Mが落下することを抑止できる。
【0106】
また、ロボット制御システム1は、カッター40で資材Mに複数の切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。ロボット制御システム1は、複数の切れ目を資材Mに入れることによって、内容物を出しやすくなる。
【0107】
また、ロボット制御システム1は、カッター40で資材Mに面状の開口部を形成可能な切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。ロボット制御システム1は、面状の開口部を形成する切れ目によって、内容物を出しやすくなる。
【0108】
また、ロボット制御システム1は、資材Mに入れられる切れ目によって描かれる図形が開いた図形となるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。ロボット制御システム1は、資材Mの一部が内容物とともに落ちることを抑止できる。例えば、ロボット制御システム1は、容器Cに移された内容物の中に、資材Mの一部が混入することを防止できる。
【0109】
また、ロボット制御システム1は、開口部の形成によって生成されたフラップFPが上方向にめくれるように、ロボット20に資材Mを回転させる。フラップFPが上方向にめくれる向きに資材Mが回転することによって、資材Mの内容物が出やすくなる。例えば、フラップFPが逆方向(下方向)にめくれると、重量に耐えられずに資材Mが破ける可能性があるが、ロボット制御システム1は、フラップFPが上方向にめくれるので、資材Mが破けることを抑止できる。
【0110】
また、ロボット制御システム1は、資材Mを下から支持する支持部60の上に載せられた資材Mに、カッター40で切れ目を入れるように、ロボット20を制御する。ロボット制御システム1は、支持部60に連結されたロボット20に、資材Mを支持させる。ロボット制御システム1は、支持部60の上に載せられた状態の資材Mに切れ目を入れて、支持部60に連結されたロボットに資材Mを支持させることによって、切れ目を入れた後の工程をスムーズに行うことができる。例えば、ロボット制御システム1は、ある特定の資材Mに専用のロボットハンドを用意することなく、種々の資材Mに対応可能になるので、汎用性が高くなる。
【0111】
[6.変形例]
本開示は、以上に説明した実施形態に限定されない。本開示は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0112】
図14は、変形例のロボット制御システム1で実現される機能の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10は、変形制御部104、傾き制御部105、重量情報取得部106、離脱制御部107、搬送制御部108、支持力制御部109を含む。これらの各機能は、CPU11により実現される。
【0113】
[6-1.変形例1]
例えば、実施形態のように、切れ目が下を向くように資材Mが回転した場合に、全ての内容物が開口部から出るとは限らない。切れ目が真下を向くまで資材Mが回転したとしても、ある程度の内容物が資材Mの中に残ることがある。このため、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに、資材Mを変形させることによって、資材Mの中に残った内容物を外に出すようにしてもよい。
【0114】
図15は、変形例1で資材Mが変形する様子の一例を示す図である。図15の例は、図7の状態から、資材Mの切れ目が真下を向いた状態を示す。変形例1では、資材Mの切れ目が下を向いた後に、ロボットコントローラ10は、第1支持部60A及び第2支持部60Bが触れている部分を基準として、第1支持部60Aのうち資材Mを支持した面と反対側の面(即ち、第1支持部60Aの裏側)と、第2支持部60Bのうち資材Mを支持した面と反対側の面(即ち、第2支持部60Bの裏側)と、が互いに反対方向に回転して互いに近づくように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bを制御する。これにより、資材Mのうち、第1支持部60A及び第2支持部60Bに触れている面が折り曲がるように変形する。
【0115】
変形例1のロボット制御システム1は、変形制御部104を含む。変形制御部104は、資材Mが回転する場合に、又は、資材Mが回転した後に、資材Mが変形するように、資材Mを支持するロボット20を制御する。資材Mの変形は、資材Mの表面の形状が変わることである。変形例1のデータ記憶部100は、資材Mを変形させるための変形プログラムを記憶する。変形プログラムは、以降説明する制御を示すコードを含む。変形制御部104は、変形プログラムを実行することによって、資材Mが変形するように、ロボット20を制御する。
【0116】
変形例1では、実施形態と同様に、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mを支持するので、データ記憶部100は、第1ロボット20Aが資材Mを変形させるための第1変形プログラムと、第2ロボット20Bが資材Mを変形させるための第2変形プログラムと、を記憶する。第1変形プログラムは、以降説明する第1ロボット20Aの制御を示すコードを含む。第2変形プログラムは、以降説明する第2ロボット20Bの制御を示すコードを含む。変形制御部104は、第1変形プログラム及び第2変形プログラムを実行することによって、資材Mが変形するように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御する。
【0117】
資材Mが回転する場合とは、資材Mが回転を開始してから、資材Mが回転を終了するまでの期間(資材Mが回転中の期間)である。即ち、回転制御部103による制御が実行されている期間は、資材Mが回転する場合に相当する。資材Mが回転した後とは、資材Mが回転を終了した後(資材Mの回転が停止した後)である。即ち、回転制御部103による制御が実行された後は、資材Mが回転した後に相当する。
【0118】
変形例1の変形制御部104は、折り曲げ制御部104Aを含む。折り曲げ制御部104Aは、資材Mが回転する場合に、又は、資材Mが回転した後に、資材Mが折り曲がるように、資材Mを支持するロボット20を制御する。変形例1では、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mを支持するので、折り曲げ制御部104Aは、資材Mが回転する場合に、又は、資材Mが回転した後に、資材Mが折り曲がるように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御する。
【0119】
図15の例では、折り曲げ制御部104Aは、資材Mのうち、第1固定部60A及び第2固定部60Bが触れている面が折り曲がるように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御する。例えば、折り曲げ制御部104Aは、第1固定部60Aが第2固定部60Bの方に回転するように第1ロボット20Aを制御し、かつ、第2固定部60Bが第1固定部60Aの方に回転するように第2ロボット20Bを制御する。
【0120】
別の言い方をすれば、折り曲げ制御部104Aは、第1固定部60A及び第2固定部60が互いに触れている部分を中心として、第1固定部60A及び第2固定部60の各々の端部を上方向に折り曲げるように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、第1固定部60A及び第2固定部60の各々を回転させる。なお、第1支持部60A及び第2支持部60Bの各々は、資材Mの折り曲げが可能なように、切れ込みが入れられているものとする。
【0121】
例えば、折り曲げ制御部104Aは、第1固定部60Aが第2固定部60Bの方に回転するように第1ロボット20Aを制御した後に、第2固定部60Aが第1固定部60Aの方に回転するように第2ロボット20Bを制御してもよい。折り曲げ制御部104Aは、第2固定部60Bが第1固定部60Aの方に回転するように第2ロボット20Bを制御した後に、第1固定部60Aが第2固定部60Bの方に回転するように第1ロボット20Aを制御してもよい。なお、折り曲げ制御部104Aは、図15とは逆方向に資材Mが折り曲がるように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bを制御してもよい。
【0122】
変形例1では、資材Mが折り曲がることが資材Mの変形に相当する場合を例に挙げるが、変形制御部104は、資材Mの表面形状が変わるように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御すればよい。例えば、資材Mが揺れると表面が変形するので、変形制御部104は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mを支持したまま揺らすように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御することによって、資材Mを変形させてもよい。
【0123】
例えば、第1ロボット20Aが第1支持部60Aで資材Mの側面を支持し、かつ、第2ロボット20Bが第2支持部60Bで資材Mの反対側の側面を支持したとする。この場合には、変形制御部104は、第1支持部60A及び第2支持部60Bが互いに近づくように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を移動させることによって、資材Mを変形させてもよい。この場合、資材Mは、第1支持部60A及び第2支持部60Bによって水平方向から挟まれて、水平方向の両側から押しつぶされるようにして変形する。
【0124】
例えば、第1ロボット20Aが第1支持部60Aで資材Mの上面を支持し、かつ、第2ロボット20Bが第2支持部60Bで資材Mの下面を支持したとする、この場合には、変形制御部104は、第1支持部60A及び第2支持部60Bが互いに近づくように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を移動させることによって、資材Mを変形させてもよい。この場合、資材Mは、第1支持部60A及び第2支持部60Bによって上下方向から挟まれて、垂直方向の両側から押しつぶされるようにして変形する。
【0125】
例えば、変形制御部104は、資材Mの折り曲げではなく、資材Mをねじる(絞る)ように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御してもよい。例えば、変形制御部104は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、資材Mを支持したまま互いに逆方向に回転させることによって、資材Mをねじってもよい。このようにすることで、資材Mの内部に残った内容物が外に出ることがある。
【0126】
なお、変形例1において、1台のロボット20が資材Mを支持してもよい。この場合、変形制御部104は、資材Mが変形するように、1台のロボット20を制御してもよい。例えば、変形制御部104は、1台のロボット20が資材Mを揺らすように、1台のロボット20を制御してもよい。1台のロボット20が複数のエンドエフェクタを有する場合には、変形制御部104は、1台のロボット20の複数のエンドエフェクタの各々の位置及び向きの少なくとも一方を変えることによって、資材Mを変形させてもよい。
【0127】
変形例1のロボット制御システム1は、資材Mが回転する場合に、又は、資材Mが回転した後に、資材Mが変形するように、資材Mを支持するロボット20を制御する。ロボット制御システム1は、資材Mを変形させることによって、内容物を出しやすくなる。例えば、内容物の一部が資材Mの中に残ったとしても、資材Mの変形によって、当該一部が出やすくなる。
【0128】
また、ロボット制御システム1は、資材Mが回転する場合に、又は、資材Mが回転した後に、資材Mが折り曲がるように、資材Mを支持するロボット20を制御する。資材Mを折り曲げることによって、内容物を出しやすくなる。例えば、内容物の一部が資材Mの中に残ったとしても、資材Mの折り曲げによって、当該一部が出やすくなる。
【0129】
[6-2.変形例2]
例えば、資材Mの中に残る内容物を出す方法は、変形例1のような資材Mの変形に限られない。ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bに、資材Mを傾けさせることによって、資材Mの中に残った内容物を外に出すようにしてもよい。資材Mが傾くとは、資材Mの向き(姿勢)が変わることである。
【0130】
図16は、変形例2で資材Mが傾く様子の一例を示す図である。変形例2では、資材Mの切れ目が下を向いた後に、ロボットコントローラ10は、第1支持部60A及び第2支持部60Bが触れている部分を回転軸にして、第1支持部60A及び第2支持部60Bが所定の方向に回転するように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御する。その後、ロボットコントローラ10は、第1支持部60A及び第2支持部60Bが逆の方向に回転するように、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々を制御してもよい。ロボットコントローラ10は、これらの回転の制御を繰り返してもよい。
【0131】
変形例2のロボット制御システム1は、傾き制御部105を含む。傾き制御部105は、回転制御部103による回転の方向とは異なる他の方向に資材Mが傾くように、資材Mを支持するロボット20を制御する。他の方向は、回転制御部103によって資材Mが回転する方向以外の方向であればよい。図16の例では、他の方向は、資材Mが回転する方向と直交する方向である。別の言い方をすれば、他の方向は、資材Mを基準として第1ロボット20Aがある方向、資材Mを基準として第2ロボット20Bがある方向、又はその他の方向である。
【0132】
変形例2のデータ記憶部100は、ロボット20に他の方向に資材Mを傾けさせるための傾きプログラムを記憶する。傾きプログラムは、ロボット20が他の方向に移動又は回転するためのコードを含む。傾き制御部105は、傾きプログラムを実行することによって、ロボット20を他の方向に移動又は回転させることによって、ロボット20に、資材Mを傾けさせる。
【0133】
変形例2では、実施形態と同様に、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mを支持するので、データ記憶部100は、第1ロボット20Aに資材Mを傾けさせるための第1傾きプログラムと、第2ロボット20Bに資材Mを傾けさせるための第2傾きプログラムと、を記憶する。傾き制御部105は、第1傾きプログラムを実行することによって、第1ロボット20Aを他の方向に移動又は回転させることによって、第1ロボット20Aに、資材Mを傾けさせる。傾き制御部105は、第2傾きプログラムを実行することによって、第2ロボット20Bを他の方向に移動又は回転させることによって、第2ロボット20Bに、資材Mを傾けさせる。
【0134】
変形例2のロボット制御システム1は、回転制御部103による回転の方向とは異なる他の方向に資材Mが傾くように、資材Mを支持するロボット20を制御する。ロボット制御システム1は、切れ目が下を向くための回転の方向とは異なる他の方向に資材Mを傾けさせることによって、内容物を出しやすくなる。例えば、内容物の一部が資材Mの中に残ったとしても、資材Mの傾きによって、当該一部が出やすくなる。
【0135】
[6-3.変形例3]
例えば、資材Mが重いと、資材Mが回転した場合に内容物の偏りが起きやすいことがある。この場合、資材Mが回転した時に、資材Mの重心が急激に変わり、第1支持部60A及び第2支持部60Bから資材Mが落ちやすくなる。このため、資材Mの重量に応じた回転が行われてもよい。
【0136】
変形例3のロボット制御システム1は、重量情報取得部106を含む。重量情報取得部106は、資材Mの重量に関する重量情報を取得する。重量情報は、資材Mの重量に何らか関係のある情報であればよい。重量情報は、資材Mの重量を直接的に示す情報(例えば、重量そのものを示す数値)であってもよいし、資材Mの重量を推定可能な情報であってもよい。重量を推定可能な情報は、重量と間接的な関係がある情報であり、例えば、力覚センサ、トルクセンサ、又はその他のセンサによる検出結果であってもよい。
【0137】
変形例3では、重量情報がトルクセンサにより検出されたトルク波形である場合を例に挙げる。例えば、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々は、自身のモータに関するトルクを検出するトルクセンサを含む。重量情報取得部106は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々のトルクセンサに基づいて検出されたトルク波形を、重量情報として取得する。例えば、資材Mが重いほど、トルク波形が示すトルク値が高くなり、資材Mが軽いほど、トルク波形が示すトルク値が低くなる。
【0138】
変形例3の回転制御部103は、重量回転制御部103Dを含む。重量回転制御部103Dは、重量情報に基づいて、ロボット20に資材Mを回転させる。例えば、重量回転制御部103Dは、重量情報が示す重量が重いほど、資材Mの回転速度が遅くなるように、ロボット20の回転を制御する。重量回転制御部103Dは、重量情報が示す重量が軽いほど、資材Mの回転速度が速くなるように、ロボット20の回転を制御する。なお、重量回転制御部103Dは、資材Mの回転速度ではなく、資材Mの回転方向を、重量情報に基づいて制御してもよい。
【0139】
変形例3のロボット制御システム1は、資材Mの重量に関する重量情報を取得する。ロボット制御システム1は、重量情報に基づいて、ロボット20に資材Mを回転させる。ロボット制御システム1は、資材Mの重量に関する重量情報に応じて資材Mを回転させることができる。例えば、資材Mが回転すると、資材Mの中で内容物が移動して重心が変化したり資材Mの形状が変化したりすることがある。この点、重量情報に応じた回転によって、重心及び形状が急激に変化することを抑止できるので、資材Mが落ちにくくなる。
【0140】
[6-4.変形例4]
変形例3では、トルクセンサにより検出されたトルク波形が重量情報に相当する場合を例に挙げたが、重量情報は、変形例3の例に限られない。例えば、容器Cに計量部が備え付けられている場合には、容器Cの計量部を利用して、重量情報が取得されてもよい。変形例4では、計量部の計量結果に関する計量結果情報が、変形例3の重量情報に相当する場合を例に挙げる。
【0141】
変形例4の重量情報取得部106は、計量結果情報取得部106Aを含む。計量結果情報取得部106Aは、内容物が移し替えられる容器Cの計量部の計量結果に関する計量結果情報を取得する。計量部は、重量計である。計量部は、アナログ式又はデジタル式の何れであってもよい。変形例4のロボットコントローラ10は、容器Cの計量部と接続されているものとする。ロボットコントローラ10と、容器Cの計量部と、の接続は、有線又は無線の何れであってもよい。
【0142】
例えば、重量情報取得部106は、容器Cに入れられた内容物の重量を示す計量結果情報を取得する。この重量は、計量部による計量が行われた時点における内容物の総重量である。このため、この重量は、1つの資材Mの内容物の重量を示すとは限らない。過去に複数の資材Mの各々の内容物が容器Cに入れられた場合には、計量結果情報は、複数の資材Mの各々の内容物の総重量を示す。直近で資材Mから容器Cに移された内容物の重量は、今回計量された重量から、1回目に計量された重量を引いた値となる。直近で資材Mから容器Cに移された内容物の重量が軽いほど、資材Mから内容物が出ていないので、資材Mが重いことになる。直近で資材Mから容器Cに移された内容物の重量が多いほど、資材Mから内容物が出ているので、資材Mが軽いことになる。なお、計量結果情報は、ある1つの資材Mから出された内容物の重量を示してもよい。
【0143】
変形例4の回転制御部103制御部は、計量結果回転制御部103Eを含む。計量結果回転制御部103Eは、計量結果情報に基づいて、ロボット20に資材Mを回転させる。例えば、計量結果回転制御部103Eは、重量情報から計算された直近で資材Mから容器Cに移された内容物の重量が軽いほど、資材Mの回転速度が遅くなるように、ロボット20の回転を制御する。計量結果回転制御部103Eは、重量情報から計算された直近で資材Mから容器Cに移された内容物の重量が重いほど、資材Mの回転速度が速くなるように、ロボット20の回転を制御する。なお、計量結果回転制御部103Eは、資材Mの回転速度ではなく、資材Mの回転方向を、重量情報に基づいて制御してもよい。
【0144】
変形例4のロボット制御システム1は、内容物が移し替えられる容器の計量部の計量結果に関する計量結果情報を取得する。ロボット制御システム1は、計量結果情報に基づいて、ロボット20に資材Mを回転させる。ロボット制御システム1は、計量部の計量結果に関する計量結果情報に基づいて、資材Mを回転させることができる。例えば、資材Mがロボット20から落ちにくくなる。ロボット20側に計量部を装着しなくて済む。
【0145】
[6-5.変形例5]
例えば、ロボットコントローラ10が、資材Mから内容物を概ね出し終わると、資材Mは、所定の場所に移動するようにしてもよい。所定の場所は、使い終わった資材Mを廃棄するための箱が置かれた場所であってもよい。この場合、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mを支持していると、互いに干渉して資材Mを移動させにくいことがある。内容物を出し終わった資材Mは、資材Mから内容物が出る前よりも非常に軽いので、第1ロボット20A又は第2ロボット20Bの何れか一方だけで資材Mを移動させてもよい。
【0146】
図17は、変形例5で資材Mが移動する様子の一例を示す図である。変形例5のロボット制御システム1は、離脱制御部107及び搬送制御部108を含む。離脱制御部107は、資材Mが回転して、内容物の少なくとも一部が資材Mから出た後に、第1ロボット20A又は第2ロボット20Bの何れか一方のロボット20を、資材Mから離脱させる。図17の例では、第1ロボット20Aが離脱する場合が示されているが、第2ロボット20Bが離脱してもよい。資材Mから離脱とは、資材Mから離れることである。
【0147】
変形例5のデータ記憶部100は、離脱の動作を示す離脱プログラムを記憶する。例えば、離脱プログラムは、吸引機による吸引を停止することを示すコードと、第1ロボット20Aが資材Mから離れる向きに移動することを示すコードと、を含む。離脱制御部107は、離脱プログラムを実行し、第1支持部60Aの吸引機による吸引を停止させる。離脱制御部107は、離脱プログラムを実行し、資材Mから離れる向きに、第1ロボット20Aを移動させる。これにより、第1ロボット20Aの離脱が完了する。
【0148】
搬送制御部108は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bのうち、上記一方のロボット20とは異なるロボット20に、資材Mを搬送させる。図17の例では、第1ロボット20Aが資材Mから離脱するので、第2ロボット20Bが当該異なるロボット20に相当する。第2ロボット20Bが資材Mから離脱する場合には、第1ロボット20Aが当該異なるロボット20に相当する。
【0149】
変形例5のデータ記憶部100は、搬送の動作を示す搬送プログラムを記憶する。例えば、搬送プログラムは、搬送先の所定の場所までの資材Mの移動経路を計算するためのコードを含む。搬送制御部108は、搬送プログラムを実行し、資材Mを支持する第2ロボット20Bの現在の位置から、資材Mの搬送先である所定の場所までの移動経路を計算する。搬送制御部108は、当該計算された移動経路を第2ロボット20Bが移動するように、第2ロボット20Bを制御する。
【0150】
変形例5のロボット制御システム1は、資材Mが回転して、内容物の少なくとも一部が資材Mから出た後に、第1ロボット20A又は第2ロボット20Bの何れか一方のロボット20を、資材Mから離脱させる。ロボット制御システム1は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bのうち、一方のロボット20とは異なるロボット20に、資材Mを搬送させる。ロボット制御システム1は、内容物が出した後の資材Mを、容易に搬送できる。例えば、ロボット制御システム1は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bが一緒に資材Mを搬送する場合に比べて、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bが互いに干渉しにくくなるので、資材Mを搬送しやすくなる。
【0151】
[6-6.変形例6]
例えば、変形例5において、切れ目が下を向いたまま、資材Mが容器Cから所定の場所まで移動すると、フラップMFがめくれて開口部が露出した状態で資材Mが移動する。このため、資材Mの移動中に、内容物が床等にこぼれる可能性がある。このため、ロボットコントローラ10は、切れ目の少なくとも一部が上を向くように資材Mを回転させてから、資材Mが所定の場所まで移動するように、第2ロボット20Bを制御してもよい。
【0152】
図18は、変形例6で資材Mが移動する様子の一例を示す図である。変形例6のロボット制御システム1は、回転搬送制御部108Aを含む。回転搬送制御部108Aは、異なるロボット20に、切れ目の少なくとも一部が上を向くように資材Mを回転させてから、資材Mを搬送させる。図18では、切れ目の全てが上を向いているが、切れ目の一部だけが上を向いてもよい。
【0153】
変形例6の搬送プログラムは、資材Mを支持する第2ロボット20Bを回転させるコードを含む。回転搬送制御部108Aは、搬送プログラムを実行し、資材Mの搬送前に、切れ目の少なくとも一部が上を向くように、第2ロボット20Bに資材Mを回転させる。回転搬送制御部108Aは、搬送プログラムを実行し、切れ目の少なくとも一部が上を向いた状態の資材Mが所定の場所に移動するように、第2ロボット20Bを制御する。
【0154】
変形例6のロボット制御システム1は、第2ロボット20Bに、切れ目の少なくとも一部が上を向くように資材Mを回転させてから、資材Mを搬送させる。ロボット制御システム1は、資材Mから出しきれなかった内容物を、資材Mの搬送中に落ちにくくすることができる。
【0155】
[6-7.変形例7]
例えば、実施形態では、第1固定部60A及び第2固定部60Bの上に載せられた資材Mが回転し、内容物が徐々に資材Mの外に出る。切れ目が下を向いた状態では、資材Mの内容物が概ね外に出ているため、第1固定部60A及び第2固定部60Bに、全ての内容物を含む資材Mを下向きに支持するような強い力で支持させる必要はない。このため、全ての内容物を含む資材Mを下向きに支持するような力よりも弱い力で、資材Mが支持されてもよい。
【0156】
変形例7のロボット制御システム1は、支持力制御部109を含む。支持力制御部109は、ロボット20が資材Mを下向きに支持するための力に基づく支持力で、ロボット20に、資材Mを支持させる。実施形態のように、吸引機によって資材Mが支持される場合には、支持力は、吸引力である。磁力又は静電気力によって資材Mが支持される場合には、支持力は、磁力又は静電気力の強さである。物理的な把持によって資材Mが支持される場合には、支持力は、把持力である。
【0157】
変形例7では、支持プログラムに支持力が定義されているものとする。支持力は、支持プログラムが参照するパラメータであってもよい。例えば、支持プログラムに定義された支持力は、ロボット20が資材Mを下向きに支持するための力よりも弱い力である。切れ目が入れられた資材Mが回転するほど、内容物が外に出て資材Mが軽くなり、かつ、資材Mが第1支持部60A及び第2支持部60Bから落ちやすくなる。
【0158】
例えば、資材Mが角度θ(θは、任意の正数)だけ回転した場合に、内容物の排出によって資材Mの重量がn(nは、任意の正数)%だけ軽くなり、かつ、摩擦力に下がることによる支持力がm%(m)だけ下がることがシミュレーションによって特定されたとする。更に、シミュレーションによって、角度θ、重量の減少n、及び支持力の減少mに基づいて、資材Mが落ちない最低限の支持力が計算されたとする。この場合、当該計算された最低限の支持力以上の支持力が、支持プログラムに定義されていてもよい。
【0159】
変形例7のロボット制御システム1は、ロボット20が資材Mを下向きに支持するための力に基づく支持力で、ロボット20に、資材Mを支持させる。ロボット制御システム1は、資材Mを下向きに支持するための力に応じた支持力で、資材Mを支持することができる。
【0160】
[6-8.変形例8]
例えば、変形例1及び変形例2では、資材Mの中に残った内容物を、資材Mの変形によって外に出す場合を説明した。更に、変形例3では、資材Mの中に残った内容物を、資材Mの傾きによって外に出す場合を説明した。資材Mの中に残った内容物は、他の方法によって、資材Mの外に出されるようにしてもよい。
【0161】
変形例8のロボット制御システム1は、追加切れ目制御部101Eを含む。追加切れ目制御部101Eは、資材Mが回転する場合に、又は、資材Mが回転した後に、カッター40で資材Mに更なる切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。更なる切れ目を入れるロボットは、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bとは異なる他のロボット20であってもよいが、変形例8では、第1ロボット20Aであるものとする。
【0162】
変形例8では、図17の例で第1ロボット20Aが資材Mから離脱した後に、第1ロボット20Aがカッター40を再度装着するものとする。ロボットコントローラ10は、実施形態で説明したツールチェンジのコードを実行することによって、第1ロボット20Aにカッター40を装着させるようにすればよい。変形例8のデータ記憶部100は、追加切れ目プログラムを記憶する。追加切れ目プログラムは、追加の切れ目を入れるための動作を示すプログラムである。
【0163】
例えば、追加切れ目制御部101Eは、追加切れ目プログラムを実行し、第1ロボット20Aがカッター40を移動して資材Mに追加の切れ目を入れるように、第1ロボット20Aを制御する。追加の切れ目の位置は、追加切れ目プログラムに定義されているものとする。追加の切れ目の位置は、追加切れ目プログラムが参照するパラメータに定義されていてもよい。追加の切れ目の位置は、カメラ30によって資材Mの位置及び形状が認識されることによって、動的に決定されてもよい。
【0164】
例えば、追加切れ目制御部101Eは、第1ロボット20Aに、追加の切れ目の位置までカッター40を移動させる。追加切れ目制御部101Eは、第1ロボット20Aに、カッター40が資材Mに触れたまま所定の方向にカッター40を移動させることによって、資材Mに追加の切れ目を入れさせる。その後、ロボットコントローラ10は、追加の切れ目から内容物を出させるために、資材Mを支持する第2ロボット20Bに、資材Mを変形させたり傾けさせたりしてもよい。
【0165】
変形例8のロボット制御システム1は、資材Mが回転する場合に、又は資材Mが回転した後に、カッター40で資材Mに更なる切れ目を入れるように、ロボット20に、カッター40及び資材Mの少なくとも一方を移動させる。ロボット制御システム1は、更なる切れ目によって、資材Mの内容物を出しやすくなる。
【0166】
[6-9.その他変形例]
例えば、上記変形例を組み合わせてもよい。
【0167】
例えば、第1支持部60A及び第2支持部60Bの各々の吸着器61A,61Bは、資材Mが回転された場合に、吸着器61A,61Bが資材Mの動きに応じて方向が変わるように、フローティング機構を有していてもよい。これにより、吸着器61A,61Bに係る負荷を軽減できる。別の言い方をすれば、資材Mが回転する場合に、吸着器61A,61Bが資材Mの動作に追従して、吸着器61A,61Bに過度な負荷がかかることを抑止してもよい。例えば、ロボットコントローラ10は、資材Mの種類に基づいて、第1ロボット20Aによる資材Mの切り方を変えてもよい。
【0168】
例えば、第1ロボット20Aがカッター40を移動させて資材Mに切れ目を入れる場合を説明したが、カッター40は、第1ロボット20A及び第2ロボット20B以外の場所に配置されてもよい。カッター40は、刃が下又は横を向くようにして、作業台Tの付近に配置されてもよい。この場合、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、資材Mを支持させて、カッター40に資材Mを押し付けることによって、資材Mに切れ目をいれてもよい。この動作は、切れ目プログラムに定義されていてよい。
【0169】
例えば、図6と同様の切れ目であれば、ロボットコントローラ10は、第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々に、カッター40に資材Mを押し付けたまま、切れ目と同様の経路で移動させる。このようにすることによって、資材Mから見て、カッター40が相対的に実施形態と同様の動きをするので、図6と同様の切れ目が入れられる。資材Mに切れ目が入れられた後の処理は、実施形態及び変形例1~8と同様であってよい。第1ロボット20A及び第2ロボット20Bの各々が資材Mを移動させることによって切れ目を入れる場合も、実施形態及び変形例1~8で説明した各処理を適用可能である。
【0170】
例えば、上記説明した各機能は、ロボット制御システム1における任意の装置で実現されるようにすればよい。1台のロボットコントローラ10に含まれるものとして説明した機能が複数のロボットコントローラ10で分担されてもよい。
【0171】
[7.付記]
例えば、ロボット制御システムは、下記のような構成も可能である。
(1)
内容物を含む資材に対して作業を行う1以上のロボットと、
カッターで前記資材に切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる切れ目制御部と、
前記切れ目が下を向くように、前記ロボットに前記資材を回転させる回転制御部と、
を有するロボット制御システム。
(2)
第1ロボットと、
第2ロボットと、
支持制御部支持制御部 前記切れ目が下を向くように、前記第1ロボットに前記資材を回転させる第1回転制御部と、
前記第1ロボットと協働して前記切れ目が下を向くように、前記第2ロボットに前記資材を回転させる第2回転制御部と、
を有する(1)に記載のロボット制御システム。
(3)
前記カッターで前記資材に複数の前記切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる複数切れ目制御部を有する、
(1)又は(2)に記載のロボット制御システム。
(4)
前記カッターで前記資材に面状の開口部を形成可能な前記切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる開口部切れ目制御部を有する、
(1)~(3)の何れかに記載のロボット制御システム。
(5)
前記資材に入れられる前記切れ目によって描かれる図形が開いた図形となるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる図形切れ目制御部を有する、
(4)に記載のロボット制御システム。
(6)
前記資材が回転する場合に、又は、前記資材が回転した後に、前記資材が変形するように、前記資材を支持する前記ロボットを制御する変形制御部を有する、
(1)~(5)の何れかに記載のロボット制御システム。
(7)
前記資材が回転する場合に、又は、前記資材が回転した後に、前記資材が折り曲がるように、前記資材を支持する前記ロボットを制御する折り曲げ制御部を有する、
(6)に記載のロボット制御システム。
(8)
前記回転制御部による回転の方向とは異なる他の方向に前記資材が傾くように、前記資材を支持する前記ロボットを制御する傾き制御部を有する、
(1)~(7)の何れかに記載のロボット制御システム。
(9)
前記開口部の形成によって生成されたフラップが上方向にめくれるように、前記ロボットに前記資材を回転させる方向回転制御部を有する、
(5)に記載のロボット制御システム。
(10)
前記資材の重量に関する重量情報を取得する重量情報取得部と、
前記重量情報に基づいて、前記ロボットに前記資材を回転させる重量回転制御部と、
を有する(1)~(9)の何れかに記載のロボット制御システム。
(11)
前記内容物が移し替えられる容器の計量部の計量結果に関する計量結果情報を取得する計量結果情報取得部と、
前記計量結果情報に基づいて、前記ロボットに前記資材を回転させる計量結果回転制御部と、
を有する(10)に記載のロボット制御システム。
(12)
前記資材が回転して、前記内容物の少なくとも一部が前記資材から出た後に、前記第1ロボット又は前記第2ロボットの何れか一方のロボットを、前記資材から離脱させる離脱制御部と、
前記第1ロボット及び前記第2ロボットのうち、前記一方のロボットとは異なるロボットに、前記資材を搬送させる搬送制御部と、
を有する(2)に記載のロボット制御システム。
(13)
前記異なるロボットに、前記切れ目の少なくとも一部が上を向くように前記資材を回転させてから、前記資材を搬送させる回転搬送制御部を有する、
(12)に記載のロボット制御システム。
(14)
前記資材を下から支持する支持部の上に載せられた前記資材に、前記カッターで前記切れ目を入れるように、前記ロボットを制御する支持切れ目制御部と、
前記支持部に連結された前記ロボットに、前記資材を支持させる支持制御部と、
を有する(1)~(13)の何れかに記載のロボット制御システム。
(15)
前記ロボットが前記資材を下向きに支持するための力に基づく支持力で、前記ロボットに、前記資材を支持させる支持力制御部を有する、
(1)~(14)の何れかに記載のロボット制御システム。
(16)
前記資材が回転する場合に、又は、前記資材が回転した後に、前記カッターで前記資材に更なる切れ目を入れるように、前記ロボットに、前記カッター及び前記資材の少なくとも一方を移動させる追加切れ目制御部を有する、
(1)~(15)の何れかに記載のロボット制御システム。
【符号の説明】
【0172】
1 ロボット制御システム、10 ロボットコントローラ、11 CPU、12 記憶部、13 通信部、20 ロボット、20A 第1ロボット、20B 第2ロボット、C 容器、M 資材、MF フラップ、T 作業台、30 カメラ、40 カッター、50 連結部材、50A 連結部材、50B 連結部材、60 支持部、60A 第1支持部、60B 第2支持部、60A1 連結部材、60B1 連結部材、100 データ記憶部、101 切れ目制御部、101A 複数切れ目目制御部、101B 開口部切れ目制御部、101C 図形切れ目制御部、101D 支持切れ目制御部、101E 追加切れ目制御部、102 支持制御部、103 回転制御部、103A 第1回転制御部、103B 第2回転制御部、103C 方向回転制御部、103D 重量回転制御部、103E 計量結果回転制御部、104 変形制御部、104A 折り曲げ制御部、105 傾き制御部、106 重量情報取得部、106A 計量結果情報取得部、107 離脱制御部、108 搬送制御部、108A 回転搬送制御部、109 支持力制御部。
【要約】
【課題】ロボット及びカッターの少なくとも一方に対する内容物の付着を抑制する。
【解決手段】ロボット制御システム(1)の1以上のロボット(20A,20B)は、内容物を含む資材(M)に対して作業を行う。切れ目制御部(101)は、カッター(40)で資材(M)に切れ目を入れるように、ロボット(20A,20B)に、カッター(40)及び資材(M)の少なくとも一方を移動させる。回転制御部(103)は、切れ目が下を向くように、ロボット(20A,20B)に資材(M)を回転させる。
【選択図】図13
図1
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