(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】グループ内及びグループ間でテキストを送受しながら視聴可能なライブ配信
(51)【国際特許分類】
H04L 51/214 20220101AFI20240904BHJP
H04L 51/04 20220101ALI20240904BHJP
H04N 21/488 20110101ALI20240904BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240904BHJP
【FI】
H04L51/214
H04L51/04
H04N21/488
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024522166
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022021653
(87)【国際公開番号】W WO2023228388
(87)【国際公開日】2023-11-30
【審査請求日】2024-04-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 航
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118730(JP,A)
【文献】特開2019-087140(JP,A)
【文献】特開2019-153150(JP,A)
【文献】特開2020-188347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/04-51/234
H04N 21/488
G06Q 50/10-50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、前記ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、を備える配信システムであって、
前記配信者端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信する配信側受信処理と、
前記テキストが受信されると、前記テキストを画面内に表示させる配信側表示処理と、
前記配信者が前記テキストに着目したか否かを判定する判定処理と、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行する実行処理と、
が実行され、
前記複数の視聴者端末は、複数のグループのいずれかに分類され、
前記複数の視聴者端末の各端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
当該各端末を使用する視聴者から投稿されるテキストを受け付ける受付処理と、
前記受け付けられたテキストを、前記配信者端末と、当該各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信する視聴側送信処理と、
当該各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末から送信されたテキストを受信する視聴側受信処理と、
前記受信されたテキストを画面内に表示させる視聴側表示処理と、
が実行され、
前記配信者端末の前記着目処理において、前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストが送信され、
前記複数の視聴者端末の各端末において前記着目テキストが受信されると、前記受信された着目テキストを前記画面内に表示させる、
配信システム。
【請求項2】
前記配信システムは、前記配信者端末と連携する配信サーバをさらに備え、
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信するサーバ側受信処理と、
前記テキストが受信されると前記テキストを、前記配信者端末と、前記テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信するサーバ側送信処理と、
が実行され、
前記配信者端末の前記着目処理では、前記着目テキストが前記配信サーバにさらに送信され、
前記配信サーバの前記サーバ側受信処理では、前記着目テキストがさらに受信され、
前記サーバ側送信処理では、前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストがさらに送信され、
前記視聴者端末の各端末の視聴側受信処理では、前記配信サーバから送信された前記着目テキストがさらに受信され、
前記視聴側表示処理では、前記受信された着目テキストを画面内にさらに表示させる、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記配信システムは、前記配信者端末と連携する配信サーバをさらに備え、
前記配信サーバは、当該配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信するサーバ側受信処理と、
前記テキストが受信されると前記テキストを、前記配信者端末と、前記テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信するサーバ側送信処理と、
が実行され、
前記配信者端末の前記着目処理において、前記着目テキストが前記配信サーバにさらに送信され、
前記配信サーバの前記サーバ側受信処理において、前記着目テキストがさらに受信され、
前記サーバ側送信処理において、いずれかのグループに分類されている全ての視聴者端末へ前記着目テキストがさらに送信され、
前記視聴者端末の各端末の視聴側受信処理において、前記配信サーバから送信された前記着目テキストがさらに受信され、
前記視聴側表示処理では、前記着目テキストを受信した時点までに当該着目テキストが画面に表示されていない場合、当該着目テキストを画面内にさらに表示させる、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項4】
前記配信システムは、前記配信者端末と連携する配信サーバをさらに備え、
前記複数の視聴者端末の各端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記配信者端末が配信するライブ動画を指定した視聴要求を前記配信サーバに送信する視聴要求送信処理がさらに実行され、
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末から前記視聴要求を受信すると、複数のグループのうち、その視聴者端末が属すべきグループを特定するグループ特定処理がさらに実行される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の配信システム。
【請求項5】
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者に関する登録情報を登録するユーザ登録処理がさらに実行され、
前記グループ特定処理では、前記ユーザ登録処理にて登録されている登録情報に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
請求項4に記載の配信システム。
【請求項6】
前記ユーザ登録処理にて登録される登録情報には、前記視聴者が過去に購入した商品又は役務の購入履歴が含まれ、
前記グループ特定処理では、前記登録情報に含まれる購入履歴に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
請求項5に記載の配信システム。
【請求項7】
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記購入履歴に基づいて、前記視聴者による商品又は役務の購入意欲が高いか否かを判定する購入意欲判定処理がさらに実行され、
前記グループ特定処理では、前記購入意欲判定処理にて判定された前記視聴者の購入意欲に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
請求項6に記載の配信システム。
【請求項8】
前記ユーザ登録処理にて登録される登録情報には、前記視聴者による動画の視聴履歴が含まれ、
前記グループ特定処理では、前記登録情報に含まれる視聴履歴に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
請求項5に記載の配信システム。
【請求項9】
前記ユーザ登録処理にて登録される登録情報には、前記視聴者の居住地が含まれ、
前記グループ特定処理では、前記登録情報に含まれる前記視聴者の居住地に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
請求項5に記載の配信システム。
【請求項10】
前記配信者端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
当該配信者端末を使用する配信者による操作を受け付ける操作受付処理がさらに実行され、
前記判定処理では、前記操作受付処理にて受け付けた前記配信者による操作に基づいて、当該配信者が前記テキストに着目したか否かを判定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の配信システム。
【請求項11】
前記操作受付処理では、前記配信側表示処理にて表示されたテキストへの押下操作を受け付け、
前記判定処理では、前記操作受付処理にて前記テキストへの前記押下操作を受け付けた場合、当該テキストが
当該配信者に着目されたと判定される、
請求項10に記載の配信システム。
【請求項12】
前記操作受付処理では、
前記配信者の発声を音声認識した結果と、前記配信側表示処理により前記画面に表示している各テキストと、を対比し、
当該結果と当該各テキストとが一致もしくは類似すれば、当該一致もしくは類似するテキストが
当該配信者に着目されたと判定する、
請求項10に記載の配信システム。
【請求項13】
ライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、前記ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、を備える配信システムにおいて、
前記複数の視聴者端末は、複数のグループのいずれかに分類され、
前記配信者端末が、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信し、
前記テキストが受信されると、前記テキストを画面内に表示し、
前記配信者が前記テキストに着目したか否かを判定し、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行し、
前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストを送信する
配信方法。
【請求項14】
複数のグループのいずれかに分類されライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、前記ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、に通信可能に接続され、
1以上のプロセッサを備え、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信する処理と、
前記テキストが受信されると前記テキストを、前記配信者端末と、前記テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、へ送信する処理と、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストを前記配信者端末から受信する処理と、
前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストを送信する処理と、
が実行される、
配信サーバ。
【請求項15】
複数のグループのいずれかに分類される複数の視聴者端末にライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末であって、
前記配信者端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信する配信側受信処理と、
前記テキストが受信されると、前記テキストを画面内に表示する配信側表示処理と、
前記配信者が前記テキストに着目したか否かを判定する判定処理と、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストを送信する実行処理と、
が実行される配信者端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グループ内及びグループ間でテキストを送受しながら視聴可能なライブ配信に関する。
【背景技術】
【0002】
ライフスタイルの変化に伴い、ライブコマースと呼ばれる商品又は役務の販売形態が注目を集めている。ライブコマースでは、配信者が特定の商品等を紹介する動画を配信し、その配信を視聴している視聴者がオンラインでその商品等を購入したり、その動画にコメントしたりすることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、リアルタイムの動画の配信中に視聴ユーザがテキストを入力し、他の視聴ユーザとテキストチャットを実行したり、そのテキストチャットを見た配信ユーザとコミュニケーションをとったりすることができるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ライブコマースは、視聴者と配信者とが互いにコミュニケーションをとることができるという点で、配信者が一方的に商品等を紹介するいわゆるテレビショッピングとは異なる。そういった意味で、ライブコマースは、家電量販店でのデモンストレーション販売やスーパーマーケットでの試食販売といった実演販売に近い販売形態である。
【0006】
そして、ライブコマースにおいては、特定の配信者や商品等にファンが生まれることがあり、ライブ動画の配信中に一部のファンがテキストチャットで盛り上がることが見られるようになってきている。ファンの間でコミュニケーションが活発になると、ライブ動画で紹介されている商品等の販促効果が上がると考えられるが、多数の視聴者がテキストチャットに参加すると、各視聴者が受け取るテキストの量が増加してしまい、動画の視聴中にテキストを読むことが困難になってしまうこともある。
【0007】
上述のような課題を解決するため、本開示は、多数の視聴者がライブ配信を視聴しながらテキストチャットをする際であっても、やりとりされるテキストの内容を各視聴者が適切に把握できるようにするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の観点に係る配信システムは、ライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、を備える。
配信者端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、配信側受信処理、配信側表示処理、判定処理、実行処理、が実行される。
配信側受信処理では、視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを視聴者端末から受信する。
配信側表示処理では、テキストが受信されると、テキストを画面内に登場させる。
判定処理では、テキストが画面内から退場するまで、配信者がテキストに着目したか否かを判定する。
実行処理では、配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行する。
複数の視聴者端末は、複数のグループのいずれかに分類される。
複数の視聴者端末の各端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、受付処理、視聴側送信処理、視聴側受信処理、視聴側表示処理、が実行される。
受付処理では、各端末を使用する視聴者から投稿されるテキストを受け付ける。
視聴側送信処理では、受け付けられたテキストを、配信者端末と、各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信する。
視聴側受信処理では、各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末から送信されたテキストを受信する。
視聴側表示処理では、受信されたテキストを画面内に登場させる。
着目処理において、実行処理では、着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ着目テキストを送信する。
複数の視聴者端末の各端末は、着目テキストが受信されると、受信された着目テキストを画面内に登場させる。
【0009】
本開示の第2の観点に係る配信方法は、ライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、を備える配信システムにおける配信方法である。
配信者端末は、視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを視聴者端末から受信する。
配信者端末は、テキストが受信されると、テキストを画面内に登場させる。
配信者端末は、テキストが画面内から退場するまで、配信者がテキストに着目したか否かを判定する。
配信者端末は、配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行する。
複数のグループのいずれかに分類される複数の視聴者端末の各端末は、各端末を使用する視聴者から投稿されるテキストを受け付ける。
複数の視聴者端末の各端末は、受け付けられたテキストを、配信者端末と、各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信する。
複数の視聴者端末の各端末は、各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末から送信されたテキストを受信する。
複数の視聴者端末の各端末は、受信されたテキストを画面内に登場させる。
配信者端末は、着目処理において、着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ着目テキストを送信する。
複数の視聴者端末の各端末は、着目テキストが受信されると、受信された着目テキストを画面内に登場させる。
【0010】
本開示の第3の観点に係る配信サーバは、複数のグループのいずれかに分類されライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、に通信可能に接続される。
配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを視聴者端末から受信する処理と、
テキストが受信されるとテキストを、配信者端末と、テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、へ送信する処理と、
配信者が着目したと判定された着目テキストを配信者端末から受信する処理と、
着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ着目テキストを送信する処理と、
が実行される。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、多数の視聴者がライブ配信を視聴しながらテキストチャットをする際であっても、やりとりされるテキストの内容を各視聴者が適切に把握できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】配信システムを実現する機器の連携を示す説明図である。
【
図2】実施形態1において、配信者端末-視聴者端末間のやりとりの様子を示すセッション図である。
【
図3】グループ1に分類される視聴者端末の画面の例を示す説明図である。
【
図4】グループ2に分類される視聴者端末の画面の例を示す説明図である。
【
図6】実施形態1における機器の機能的な構成を示す説明図である。
【
図8】着目テキストのデータ構成の例を示す説明図である。
【
図9】配信側グループ登録部に登録される情報の例を示す説明図である。
【
図10】ユーザ登録部に登録される登録情報の例を示す説明図である。
【
図11】実施形態1~3における配信側端末処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施形態1~3における視聴側端末処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】実施形態1におけるサーバ処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】実施形態2、3における機器の機能的な構成を示す説明図である。
【
図15】実施形態2、3におけるサーバ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下に本開示の実施形態1を説明する。なお、本実施形態は説明のためのものであり、本開示の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本開示の範囲に含まれる。
【0014】
(端末及びサーバとプログラムの関係)
本実施例に係る配信システムは、視聴者間でテキストを送受しながら視聴可能なライブ配信を提供するためのものである。本実施例に係る配信システムは、1台もしくは複数台のサーバがスマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の端末と協働して、視聴者間でテキストを送受しながら視聴可能なライブ配信を提供する。
【0015】
さて、本実施例のサーバならびに端末は、プログラムをコンピュータに実行させることにより実現するのが一般的であるが、専用電子回路により処理を実行させることも可能である。
【0016】
このほか、コンピュータと専用電子回路の中間形態として、プログラムを電子回路の設計スクリプトにコンパイルして、当該設計スクリプトに基づいて電子回路を動的に構成するFPGA(Field Programmable Gate Array)等の技術を適用することにより、本実施例のサーバならびに端末を構成することも可能である。
【0017】
本実施例に係るサーバは、当該サーバが提供する動画配信サイトへのアクセス等の指示を受け付ける端末と通信をする1台又は複数台のサーバコンピュータが、1つ又は複数のサーバプログラムにより実現される各機能を実行することによって実現される。
【0018】
本実施例に係る端末は、スマートフォン等を実現する端末コンピュータであり、配信サービスの事業者や運営者から配布サーバ等を通して提供された端末プログラムを実行することによって実現することができる。
【0019】
端末プログラムとしては、いわゆる「アプリ(App)」に相当するものを採用することができる。
【0020】
このほか、端末プログラムとして、一般的なブラウザを採用することもできるし、ブラウザ上で動作するスクリプトプログラムを端末プログラムとして採用することもできる。
【0021】
これらの場合、端末コンピュータで動作するアプリやブラウザは、アプリサーバやウェブサーバとして機能する配信システムのサーバと通信することによって、動画の配信サービスをユーザに提供するためのインターフェースとなる。
【0022】
一般に、サーバコンピュータや端末コンピュータで実行させるプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録することができる。この情報記録媒体は、サーバコンピュータや端末コンピュータとは独立して配布・販売することもできる。
【0023】
サーバコンピュータや端末コンピュータでは、フラッシュメモリやハードディスク等の非一時的(non-transitory)情報記録媒体に記録されたプログラムを、一時的(temporary)記憶装置であるRAM(Random Access Memory)に読み出してから、読み出されたプログラムに含まれる指令をCPU(Central Processing Unit)が実行する。ただし、ROMとRAMを一つのメモリ空間にマッピングして実行することが可能なアーキテクチャでは、ROMに格納されたプログラムに含まれる指令を、直接CPUが読み出して実行する。
【0024】
さらに、サーバプログラムや端末プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網等の一時的(transitory)伝送媒体を介して、事業者が管理する配布サーバ等からサーバコンピュータや端末コンピュータ等へ配布・販売することができる。
【0025】
なお、動画の配信サービスを提供するサーバが複数のコンピュータにより構成される場合には、各コンピュータで動作するプログラムは、互いに異なる機能を有しつつ協働する、互いに異なる複数のサーバプログラムをいうことになる。そこで、当該複数のプログラムを合わせたものは、配信システムを実現するためのシステムプログラムと考えることができる。
【0026】
以下、本実施形態では、いわゆるライブコマースで利用される動画配信サービスを提供する配信システムを例に説明する。本実施形態に係る配信システムは、ライブコマースに係るライブ動画を配信し、視聴者間でテキストを交換することができるテキストチャットを提供する。ここで、ライブ動画とは、配信者が配信する動画をリアルタイムで視聴者に配信する動画のことである。
【0027】
(全体構成)
図1は、本実施形態の配信システムを実現する機器の連携を示す説明図である。本図に示す配信システム101は、配信者端末102と、視聴者端末103a~103fと、を備える。これらの機器は、図中の太い矢印で示すように、インターネット等のコンピュータ通信網を介して通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、視聴者端末103a~103fを単に視聴者端末103と記載することもある。
【0028】
配信システム101は、さらに、配信サーバ104を備える。配信サーバ104は、図中の細い矢印で示すように、配信者端末102、視聴者端末103a~103fのそれぞれとインターネット等のコンピュータ通信網を介して通信可能に接続されており、これらの機器の通信を中継する。
【0029】
配信者端末102は、ライブ動画を配信する配信者が使用するものであって、配信サーバ104を介して、配信者が、撮影、作成、編集等した動画を視聴者端末103a~103fに配信する。また、配信者端末102は、視聴者端末103a~103fによるテキストチャットを表示し、配信者からのアクションを受け付ける。
【0030】
視聴者端末103a~103fは、配信されるライブ動画を視聴する視聴者が使用するものであって、配信されたライブ動画を再生する。また、視聴者端末103a~103fは、視聴者からテキストの入力を受け付け、視聴者端末103間のテキストチャットを表示する。
【0031】
また、視聴者端末103a~103fは、複数のグループのいずれかに分類され、分類されたグループ内でテキストチャットがなされる。本実施形態では、視聴者端末103a~103cがグループ1に、視聴者端末103d~103fがグループ2に分類されている。グループは、視聴者端末103a~103fを使用する視聴者の属性により分類される。例えば、グループ1には、配信中のライブ動画の配信者のファンが使用する視聴者端末103が割り振られ、グループ2には、それ以外の視聴者が使用する視聴者端末103が割り振られる。
【0032】
配信サーバ104は、配信者端末102が配信するライブ動画を、視聴者端末103a~103fに配信する。また、配信サーバ104は、視聴者端末103a~103fのそれぞれを複数のグループのいずれかに分類する処理を実行する。
【0033】
(端末間におけるデータの送受)
図2は、配信システム101において、配信者Pが配信するライブ動画Xを視聴中の視聴者a~fがそれぞれ視聴者端末103a~103fを使用してテキストチャットをする場合のデータのやりとりの様子を示すセッション図である。以下、
図2を参照して説明する。
【0034】
視聴者aが視聴者端末103aにテキスト11を入力すると、視聴者端末103aは、画面内にテキスト11を登場させつつ、同一のグループ1に属する視聴者端末103b、103c、及び配信者端末102にテキスト11を送信する(201)。視聴者端末103b、103c、配信者端末102は、テキスト11を受信すると、それぞれの画面内にテキスト11を登場させる。視聴者端末103a~103cの画面内には、
図3に示すように、テキスト11が登場する。
【0035】
図2に戻り、ここでは、配信者が画面内に登場したテキスト11に着目しなかったとする(202)。テキスト11は、他のグループ2に属する視聴者端末103e~103fには送信されない。
【0036】
次に、視聴者dが視聴者端末103dにテキスト21を入力すると、視聴者端末103dは、画面内にテキスト21を登場させつつ、同一のグループ2に属する視聴者端末103e、103f、及び配信者端末102にテキスト21を送信する(203)。視聴者端末103e、103f、配信者端末102は、テキスト21を受信すると、それぞれの画面内にテキスト21を登場させる。視聴者端末103d~103fの画面内には、
図4に示すように、テキスト21が登場する。
【0037】
図2に戻り、ここでは、配信者が画面内に登場したテキスト21に着目しなかったとする(204)。テキスト21は、他のグループ1に属する視聴者端末103a~103cには送信されない。
【0038】
続いて、視聴者bが視聴者端末103bにテキスト12を入力すると、視聴者端末103bは、画面内にテキスト12を登場させつつ、視聴者端末102a、103c、及び配信者端末102にテキスト12を送信する(205)。視聴者端末103a、103c、配信者端末102は、テキスト12を受信すると、それぞれの画面内にテキスト12を登場させる。視聴者端末103a~103cの画面内には、
図3に示すように、テキスト12が登場する。
【0039】
図2に戻り、ここでは、配信者が画面内に登場したテキスト12に着目したとする。配信者端末102は、配信者がテキスト12に着目したと判定すると、テキスト12(着目テキスト12’)に着目処理をする(206)。例えば、配信者端末102は、
図5に示すように、着目テキスト12’をハイライトする。
【0040】
図2に戻り、そして、配信者端末102は、着目テキスト12’を他のグループ2に属する視聴者端末103d~103fに送信する(207)。視聴者端末103d~103fは、着目テキスト12’を受信すると、それぞれの画面内に着目テキスト12’を登場させる。視聴者端末103d~103fの画面内には、
図4に示すように、グループ2内でのチャット中に着目テキスト12’が登場する。
【0041】
図2に戻り、続いて、視聴者eが視聴者端末103eにテキスト22を入力すると、視聴者端末103eは、画面内にテキスト22を登場させつつ、視聴者端末102d、103f、及び配信者端末102にテキスト22を送信する(208)。視聴者端末103d、103f、配信者端末102は、テキスト22を受信すると、それぞれの画面内にテキスト22を登場させる。視聴者端末103d~103fの画面内には、
図4に示すように、テキスト22が登場する。
【0042】
図2に戻り、ここでは、配信者が画面内に登場したテキスト22に着目したとする。配信者端末102は、配信者がテキスト22に着目したと判定すると、テキスト22(着目テキスト22’)に着目処理をする(209)。例えば、配信者端末102は、
図5に示すように、着目テキスト22’をハイライトする。
【0043】
図2に戻り、そして、配信者端末102は、着目テキスト22’を他のグループ1に属する視聴者端末103a~103cに送信する(210)。視聴者端末103a~103cは、着目テキスト22’を受信すると、それぞれの画面内に着目テキスト22’を登場させる。視聴者端末103a~103cの画面内には、
図3に示すように、グループ1内でのチャット中に着目テキスト22’が登場する。
【0044】
(機器の機能構成)
次に、
図6を用いて、本実施形態における配信者端末102、視聴者端末103、配信サーバ104の機能的な構成を説明する。
【0045】
配信者端末102は、配信側受信部121と、配信側表示部122と、判定部123と、実行部124と、配信側グループ登録部125と、操作受付部126と、を備える。
【0046】
配信側受信部121は、視聴者端末103を使用する視聴者から投稿されたテキストを視聴者端末103から受信する。視聴者端末103から受信するテキストには、
図7に示すように、その視聴者端末103を使用する視聴者のアカウント名と、視聴者端末103からテキストが送信された送信時間と、が紐付けられている。
【0047】
図6に戻り、配信側表示部122は、配信側受信部121がテキストを受信すると、受信したテキストを配信者端末102の画面内に登場させる。
【0048】
ここで、テキストが登場するとは、テキストが画面に表示されることである。テキストは、配信側受信部121がテキストを受信した順に登場してもよいし、そのテキストの送信時間の順に登場してもよい。テキストは、画面下方から登場し、次第に上方へ移動し、画面上方から退場するように構成しても良いし、その逆向きを採用しても良い。ここで、テキストが退場するとは、テキストが画面に表示されなくなることである。
【0049】
判定部123は、テキストが画面内から退場するまでに、配信者Pがそのテキストに着目したか否かを判定する。複数のテキストが登場しチャット表示領域804が埋まった後、さらにテキストが登場する際には、登場しているテキストのうち一番初めに登場したテキストから退場するようにしてもよい。あるいは、テキストが登場し、あらかじめ定められた時間が経過した後にテキストが退場するようにしてもよい。
【0050】
また、判定部123は、後述する操作受付部126が受け付けた配信者Pによる操作に基づいて、配信者Pがテキストに着目したか否かを判定する。
【0051】
実行部124は、判定部123により、配信者Pが着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行する。配信者Pが着目したか否かの判定手法には、例えば下記のようなものがある。
【0052】
(1) 画面に登場したテキストを配信者Pがマウスでクリックしたり、タッチスクリーンでタップしたりといった押下操作をした場合に、判定部123は、配信者Pがテキストに着目したと判定する。
(2) 配信者Pによる発声を音声認識してテキスト化し、その結果と、現在配信者端末102の画面に登場しているテキストと対比する。両者が一致もしくは十分に類似(意味解析により類似を判定しても良いし、形態素解析した後に前置詞や助詞などの付属語を除去して、残った単語列が一致する度合により判定しても良い。)していれば、配信者Pが、いずれかの視聴者が入力したテキストを読み上げた、と判定することができる。そこで、このように判定されたときは、「配信者Pがテキストに着目して、テキストを読み上げる読み上げ操作」をしたものとみなして、判定部123は、配信者Pがテキストを着目したと判定する。この態様では、配信者Pは、判定部123に対する意図的・明示的な操作をする必要はなく、配信者Pは、単に自分が着目したテキストに言及するというライブ動画配信中の自然な行為をするだけで、「読み上げ操作」をしたものとみなされる。
(3) ライブ動画Xの配信中に、配信者端末102が配信者Pの顔を継続的に撮影し、その視線をトレースし、配信者Pがテキストを一定時間見続けたと判定した場合に、判定部123は、配信者Pがテキストを着目したと判定する。
【0053】
また、実行部124は、着目テキストが送信された視聴者端末103が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末103へ着目テキストを送信する。
【0054】
この着目テキストには、
図8に示すように、送信時間とアカウント名とテキスト番号と着目フラグとが紐付けられている。送信時間は、配信者端末102から着目テキストが送信された時間であり、配信者端末102が着目テキストを送信する際に付与する。アカウント名は、テキストを送信した視聴者端末103を使用する視聴者のアカウント名である。テキスト番号は、テキストの識別番号である。着目フラグは、そのテキストが着目テキストであるか否かを識別するフラグであり、着目テキストであるならば、例えば「1」が付与され、着目テキストでなければ「0」が付与される。
【0055】
図6に戻り、配信側グループ登録部125は、ライブ動画Xの配信を受けている各視聴者端末103について、視聴者端末103が分類されるグループを登録する。配信側グループ登録部125は、
図9に示すように、端末IDと、アカウント名と、グループと、を紐付けて登録する。端末IDは、ライブ動画Xの配信を受けている視聴者端末を識別する識別番号である。配信側グループ登録部125に登録されるこれらの情報は、配信サーバ104から提供される。
【0056】
図6に戻り、操作受付部126は、配信者端末102を使用する配信者Pによる操作を受け付ける。操作受付部126は、配信者Pからの操作を受け付けるマウス又はタッチパネルであってもよいし、配信者Pが発音したテキストを文字に変換する音声認識装置であってもよい。また、操作受付部126は、配信者Pの視線を追跡し計測するアイトラッキング装置であっても良い。
【0057】
続いて、視聴者端末103は、受付部131と、視聴側送信部132と、視聴側受信部133と、視聴側表示部134と、視聴側グループ登録部135と、視聴要求送信部136と、を備える。
【0058】
受付部131は、視聴者端末103を使用する視聴者から投稿されるテキストを受け付ける。受付部131は、視聴者からのテキスト入力を受け付けるソフトウェアキーボードであってもよいし、視聴者が発音したテキストを文字に変換する音声認識装置であってもよい。
【0059】
視聴側送信部132は、受付部131が受け付けたテキストを、配信者端末102と、その配信者端末102が分類されるグループに属する他の視聴者端末103と、に送信する。
【0060】
視聴者端末103が送信するテキストには、
図7及び
図8に示すテキストと同様に、送信時間とアカウント名とテキスト番号と着目フラグとが紐付けられている。配信者端末102に送信する前のテキストであるので、着目フラグには「0」が付与される。
【0061】
図6に戻り、視聴側受信部133は、視聴者端末103が分類されるグループに属する他の視聴者端末から送信されたテキストを受信する。また、視聴側受信部133は、配信者端末102から着目テキストを受信する。
【0062】
視聴側表示部134は、視聴側受信部133が受信したテキストを画面内に登場させる。視聴側表示部134は、受付部131が受け付けたテキストも画面内に登場させる。また、視聴側表示部134は、視聴側受信部133が着目テキストを受信すると、受信した着目テキストを画面内に登場させる。
【0063】
視聴側グループ登録部135は、その視聴者端末103が分類されるグループに属する他の視聴者端末103について、端末IDと、アカウント名と、を紐付けて登録する。視聴側グループ登録部135に登録されるこれらの情報は、配信サーバ104から提供される。
【0064】
視聴要求送信部136は、配信者端末102が配信するライブ動画Xを指定した視聴要求を配信サーバ104に送信する。
【0065】
続いて、配信サーバ104は、グループ特定部141と、ユーザ登録部142と、購入意欲判定部143と、を備える。
【0066】
グループ特定部141は、視聴者端末103から視聴要求を受信すると、複数のグループの内、その視聴者端末103が属すべきグループを特定する。グループ特定部141は、後述する購入意欲判定部143が判定した視聴者の購入意欲に基づいて、視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループを特定してもよい。
【0067】
ユーザ登録部142は、視聴者端末103を使用する視聴者に関する登録情報を登録する。ユーザ登録部142は、
図10に示すように、端末IDとアカウント名と購入履歴と視聴履歴と居住地とを紐付けて登録する。
【0068】
購入履歴は、その視聴者端末103を使用する視聴者がライブ動画Xで紹介されている商品等を過去に購入した回数であってもよいし、配信システム101が提供するライブコマースで過去に何らかの商品等を購入した回数であってもよい。視聴履歴は、その視聴者端末103を使用する視聴者がライブ動画Xの配信者Pが過去に配信した動画を視聴した視聴回数であってもよいし、配信システム101が提供するライブコマースで過去に何らかの動画を視聴した回数であってもよい。居住地は、その視聴者端末103を使用する視聴者の居住地であってもよいし、その視聴者端末103のIPアドレスから割り出された居住地であってもよい。端末ID、アカウント名、居住地は、視聴者が、配信システム101が提供するライブコマースの利用を開始する際に、あらかじめ登録することにより登録される。
【0069】
図6に戻り、購入意欲判定部143は、ユーザ登録部142に登録されている購入履歴に基づいて、視聴者による商品又は役務の購入意欲が高いか否かを判定する。
【0070】
(端末処理及びサーバ処理)
図11は、本実施形態において、配信者端末102にて実行される配信側端末処理の流れを説明するフローチャートである。以下、
図11を参照して説明する。
【0071】
配信者端末102は、ライブ動画Xの配信を開始したときに、配信側端末処理をスタートする。
【0072】
配信側端末処理がスタートすると、配信者端末102は、いずれかのイベントが発生するまで待機状態となる(ステップS301)。
【0073】
まず、配信側受信部121が、視聴者端末103からテキストを受信すると、配信側表示部122は、受信したテキストを画面に登場させる(ステップS302)。配信側表示部122は、例えば、
図5に示すように、グループ毎にテキストチャットを表示する。
図5に示す例では、上側のチャット表示領域804にグループ1内のテキストチャット、下側のチャット表示領域804にグループ2内のテキストチャットが表示されている。配信側表示部122は、
図9に示す配信側グループ登録部125を参照し、テキストの送信元のアカウント名に紐付けられているグループのチャット表示領域804に、受信したテキストを登場させる。
【0074】
図5に戻り、また、それぞれのグループのテキストチャットの上部には、グループ名を表示するグループ名表示部801と、グループに属する視聴者端末103を使用する視聴者a~fの視聴者アイコン802a~802fが表示されている。
【0075】
図11に戻り、配信側表示部122が受信したテキストを画面に登場させると、処理はステップS301に戻る。
【0076】
次に、判定部123が、配信者Pが登場しているテキストに着目したと判定すると、実行部124は、着目テキストに対して着目処理を実行する(ステップS303)。例えば、実行部124は、
図5に示すように、着目テキスト12’をハイライトして登場させる。
【0077】
配信者Pが登場しているテキストに着目したか否かは、例えば、タッチパネルである操作受付部126が、配信者Pが画面上のテキストが表示されている部分にタップ等接触したことを検出した場合に、着目したと判定してもよい。
このほか、操作受付部126が音声認識装置である場合は、配信者Pの発声を音声認識してテキスト化し、この結果と、配信側表示部122によって現在画面に表示されている各テキストと、を対比して、両者が一致もしくは類似すれば、配信者Pは、そのテキストに着目して読み上げた、と判定してもよい。
この場合、配信者Pは、音声認識装置である操作受付部126に対して、意図的にテキストを読み上げて読み上げ操作をする必要はなく、ライブ動画の配信において視聴者とのやりとりをするために、視聴者がテキストチャットの際に入力したテキストを話題としてとりあげ、他の視聴者にも知らせる、という配信中の自然な行為をするだけで、当該テキストが着目テキストとなり、視聴者全体に共有されることになる。
したがって、この態様では、配信者は、テキストをクリックしたりタップしたり等の明示的な操作が不要になり、スムースにライブ動画の配信をすることができる。
【0078】
図11に戻り、そして、実行部124は、他のグループに分類されている視聴者端末103へ着目テキストを送信する(ステップS304)。実行部124は、
図9に示す配信側グループ登録部125を参照して、着目テキストに紐付けられているアカウント名を持つ視聴者が使用する視聴者端末103が属するグループを特定する。そして、その視聴者端末103が属するグループ以外のグループに属する視聴者端末103に着目テキストを送信する。
図11に戻り、その後、処理は、ステップS301に戻る。
【0079】
その他のイベントが発生した場合、配信者端末102は、発生したイベントに対応する処理をする(ステップS305)。例えば、配信者端末102は、配信者Pの操作に応じて、ライブ動画Xの配信を開始する。配信者端末102は、配信サーバ104にライブ動画Xを送信する。
【0080】
また、例えば、配信サーバ104からライブ動画Xを再生中の視聴者端末103に関する情報が提供されると、配信側グループ登録部125は、
図9に示すように、提供された情報を登録する。
図11に戻り、その後、処理は、ステップS301に戻る。
【0081】
図12は、本実施形態において、視聴者端末103にて実行される視聴側端末処理の流れを説明するフローチャートである。以下、
図12を参照して説明する。
【0082】
視聴者端末103は、ライブ動画Xの視聴を開始したときに、視聴側端末処理をスタートする。
【0083】
視聴側端末処理がスタートすると、視聴者端末103は、いずれかのイベントが発生するまで待機状態となる(ステップS401)。
【0084】
まず、受付部131がテキストを受け付けると、視聴側表示部134がテキストを表示しつつ、視聴側送信部132は、配信者端末102と同じグループに属する他の視聴者端末103とに、テキストを送信する(ステップS402)。視聴側送信部132は、視聴側グループ登録部135を参照して、登録されている端末IDを有する視聴者端末103にテキストを送信する。その後、処理は、ステップS401に戻る。
【0085】
次に、視聴側受信部133が他の視聴者端末103からテキストを受信すると、視聴側表示部134は、受信したテキストを登場させる(ステップS403)。視聴側表示部134は、例えば、
図3に示すテキスト11のように、チャット表示領域804に、そのテキストを送信した視聴者のアカウント名(「aaaaa」)とともに、テキスト(「Pさんこんにちは☆」)を登場させる。
【0086】
視聴側表示部134は、再生中のライブ動画Xの下方に、ライブ動画Xに重ねてチャット表示領域804を配置してもよい。また、視聴側表示部134は、画面の上部に、グループ名表示部801と、視聴者アイコン802a等と、リンクボタン803を表示してもよい。リンクボタン803には、ライブ動画Xで紹介されている商品等の購入ページのリンクが埋め込まれていてもよく、視聴者がリンクボタン803をタップ等することで、リンク先の購入ページが表示されるようにしてもよい。
【0087】
図12に戻り、視聴側表示部134がテキストを登場させると、処理はステップS401に戻る。
【0088】
次に、視聴側受信部133が配信者端末102から着目テキストを受信すると、視聴側表示部134は、受信した着目テキストを登場させる(ステップS404)。視聴側表示部134は、例えば、
図3に示すように、グループ2からの着目テキスト22’を、グループ1のテキストチャットを表示するチャット表示領域804に割り込ませて登場させる。また、視聴側表示部134は、例えば、
図3に示す着目テキスト22’のように、チャット表示領域804に着目テキストをハイライトして登場させてもよい。
図12に戻り、その後、処理は、ステップS401に戻る。
【0089】
その他のイベントが発生した場合、視聴者端末103は、発生したイベントに対応する処理をする(ステップS405)。
【0090】
例えば、配信サーバ104から同じグループに分類されている他の視聴者端末103に関する情報が提供されると、視聴側グループ登録部135は、提供された情報を登録する。
【0091】
例えば、視聴要求送信部136は、視聴者からの操作に応じて、ライブ動画Xを指定した視聴要求を配信サーバ104に送信する。例えば、視聴要求送信部136は、受付部131が、動画配信サイトの画面に表示されているライブ動画Xのサムネイル画像にタップしたことを検知すると、視聴要求を配信サーバ104に送信する。
【0092】
また、例えば、視聴者端末103は、配信サーバ104からライブ動画Xの配信が開始されると、ライブ動画Xのデータを受信しつつ再生する。その後、処理は、ステップS401に戻る。
【0093】
図13は、本実施形態において、配信サーバ104にて実行されるサーバ処理の流れを説明するフローチャートである。以下、
図13を参照して説明する。
【0094】
配信サーバ104は、配信サーバ104の電源がONになると、サーバ処理をスタートする。
【0095】
サーバ処理がスタートすると、配信サーバ104は、視聴者端末103からライブ動画Xの視聴要求を受信するまで、待機状態となる(ステップS501でNo)。
【0096】
配信サーバ104は、視聴者端末103からライブ動画Xの視聴要求を受信すると(ステップS501でYes)、配信者端末102から配信されているライブ動画Xを視聴者端末103に配信することを開始する。そして、グループ特定部141は、ユーザ登録部142を参照して、視聴要求を送信した視聴者端末103が属すべきグループを特定する(ステップS502)。
【0097】
例えば、グループ特定部141は、ユーザ登録部142に登録されている登録情報に含まれる購入履歴に基づいて、視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループを特定する。グループ特定部141は、
図10に示すユーザ登録部142に登録されている購入履歴を参照して、例えば、購入履歴が5回以上の視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループをグループ1、それ以外をグループ2と特定する。
【0098】
グループ特定部141は、購入意欲判定部143が判定した視聴者の購入意欲に基づいて、視聴者がしようする視聴者端末103が属すべきグループを特定してもよい。購入意欲判定部143は、例えば、購入履歴が5回以上の視聴者について購入意欲が高いと判定し、それ以外の視聴者の購入意欲は低いと判定する。そして、グループ特定部141は、購入意欲が高いと判定された視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループをグループ1、それ以外をグループ2と特定する。このほか、視聴者の購入意欲の度合が同程度になるように、視聴者端末103を多数(3以上)のグループに分類しても良い。
【0099】
購入意欲の度合が大幅に違う視聴者が同じグループに分類されてしまうと、購入意欲の低い視聴者は、購入意欲の高い視聴者の話題や購入行為についていけなくなって、疎外感を感じ、視聴そのものをやめてしまうことがありうる。本態様では、購入意欲が同程度の視聴者を同じグループに分類することで、購入意欲の高い視聴者は高い視聴者同士、低い視聴者は低い視聴者同士で、グループ内でコメントを交換することが可能となる。購入意欲の高い視聴者は、ライブ動画Xで紹介されている商品等に関して、テキストチャット内で購買行動を促進するポジティブなコメントをしたり、互いに購買を促したり、等の蓋然性が高いと考えられる。グループ内でポジティブなコメントの割合が増えることで、購入意欲の高いユーザをさらに購入へ誘導することが可能になる。一方で、購入意欲の低い視聴者は、配信者Pのライブ配信の中身そのものに興味を持って視聴を続けるようになるので、視聴からの離脱を抑制することができる。
【0100】
また、例えば、グループ特定部141は、ユーザ登録部142に登録されている登録情報に含まれる視聴履歴に基づいて、視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループを特定する。グループ特定部141は、
図10に示すユーザ登録部142に登録されている視聴履歴を参照して、例えば、視聴履歴が10回以上の視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループをグループ1、それ以外をグループ2と特定する。
【0101】
また、例えば、グループ特定部141は、ユーザ登録部142に登録されている登録情報に含まれる視聴者の居住地に基づいて、視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループを特定する。グループ特定部141は、
図10に示すユーザ登録部142に登録されている視聴者の居住地を参照して、例えば、視聴者が住んでいる県ごとに、その視聴者が使用する視聴者端末103が属すべきグループを特定する。視聴者の居住地に基づいてグループを分類することで、例えば、通信を中継する中継サーバをエリアごとに配置する場合に、通信負荷を低減することが可能になる。
【0102】
図13に戻り、その後、グループ特定部141は、配信者端末102と視聴者端末103に、特定したグループに関する端末IDとアカウント名とグループ名とを紐付けた情報を提供する(ステップS504)。グループ特定部141は、配信者端末102には、視聴要求を送信した全ての視聴者端末103について特定されたグループに関する情報を提供する。一方で、グループ特定部141は、視聴者端末103には、その視聴者端末103と同じグループに分類された視聴者端末103に関する情報を提供する。そして、処理は、ステップS501に戻る。
【0103】
以上のように実施形態1によれば、視聴者に関する登録情報に基づいて、視聴者の使用する視聴者端末103をいずれかのグループに分類する。これにより、似通ったバックグラウンドを持つ視聴者が同一のテキストチャット内でコメントをすることができるため、視聴者間のコミュニケーションを活発化させることができるとともに、疎外感を感じ動画から離れる視聴者を減らすことができる。また、配信者端末102を中心とするスター型の通信経路が設定され、視聴者端末103は小さなグループ内でのみメッシュ型の通信経路が設定されるので、全体として通信負荷を抑制することができる。
【0104】
また、実施形態1によれば、配信者が着目した着目テキストを他のグループのテキストチャットに登場させる。これにより、視聴者が配信者の意図を把握できるとともに、他のグループのコメントを参照することでさらにグループ内のコミュニケーションを活発化させることができる。
【0105】
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2を説明する。実施形態1では、配信者端末102及び視聴者端末103の各端末は、配信サーバ104を経由せずにテキストを送受信したが、実施形態2では、配信サーバ104を経由してテキストを送受信する。以下、実施形態1と同等の構成には同等の符号を付す。
【0106】
(機器の機能構成)
図14は、本実施形態における配信者端末102、視聴者端末103、配信サーバ104の機能的な構成を示した図である。
【0107】
配信者端末102の配信側受信部121は、配信サーバ104からテキストを受信する。このテキストは、視聴者から投稿されたテキストであり、一旦配信サーバ104に送信され、その後配信サーバ104から配信者端末102に送信される。
【0108】
実行部124は、着目処理において、着目テキストを配信サーバ104に送信する。着目テキストは、一旦配信サーバ104に送信され、その後、配信サーバ104から、その着目テキストが送信された視聴者端末103が分類されるグループ以外のグループに属する視聴者端末103に送信される。
【0109】
視聴者端末103の視聴側送信部132は、受付部131が受け付けたテキストを、配信サーバ104に送信する。
【0110】
視聴側受信部133は、配信サーバ104から着目テキストを受信する。
【0111】
視聴側表示部134は、視聴側受信部133が受信した着目テキストを画面内に登場させる。
【0112】
配信サーバ104は、実施形態1におけるグループ特定部141、ユーザ登録部142、購入意欲判定部143に加えて、サーバ側受信部144と、サーバ側送信部145と、を備える。なお本図では、ユーザ登録部142、購入意欲判定部143は図示を省略している。
【0113】
グループ特定部141は、実施形態1において、
図9に示す配信側グループ登録部125が登録していた各視聴者端末103が分類されるグループに関する情報を持つ。グループ特定部141は、ユーザ登録部142を参照して、各視聴者端末103が属すべきグループを特定し、登録する。
【0114】
サーバ側受信部144は、視聴者端末103を使用する視聴者から投稿されたテキストをその視聴者端末103から受信する。
【0115】
サーバ側送信部145は、サーバ側受信部144が視聴者端末103からテキストを受信すると、そのテキストを、配信者端末102と、そのテキストが送信された視聴者端末103が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信する。また、サーバ側送信部145は、サーバ側受信部144が着目テキストを受信すると、着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ着目テキストを送信する。
【0116】
(端末処理及びサーバ処理)
続いて、本実施形態における配信側端末処理、視聴側端末処理、及びサーバ処理について、実施形態1と異なる部分を説明する。実施形態1における処理と同等の処理には同等の符号を付す。
【0117】
図11に示す配信側端末処理において、配信者端末102の実行部124は、着目テキストに対して着目処理を実行すると(ステップS303)、配信サーバ104へ着目テキストを送信する(S304)。送信後、処理は、ステップS301に戻る。
【0118】
図12に示す視聴側端末処理において、受付部131がテキストを受け付けると、視聴側表示部134がテキストを表示しつつ、視聴側送信部132は、配信サーバ104に、テキストを送信する(ステップS402)。送信後、処理は、ステップS401に戻る。
【0119】
図15は、本実施形態において、配信サーバ104にて実行されるサーバ処理の流れを説明するフローチャートである。以下、
図15を参照して説明する。
【0120】
配信サーバ104は、配信サーバ104の電源がONになると、サーバ処理をスタートする。
【0121】
サーバ処理がスタートすると、配信サーバ104は、いずれかのイベントが発生するまで待機状態となる(ステップS601)。
【0122】
サーバ側受信部144が、視聴者端末103からテキストを受信すると、サーバ側送信部145は、受信したテキストを、配信者端末102と、そのテキストが送信された視聴者端末103が分類されているグループに属する他の視聴者端末103と、に送信する(ステップS602)。サーバ側送信部144は、グループ特定部141に登録されている各視聴者端末103が分類されるグループに関する情報を参照して、テキストが送信された視聴者端末103が分類されているグループに属する他の視聴者端末103を特定し、テキストを送信する。その後、処理は、ステップS601に戻る。
【0123】
サーバ側受信部144が、配信者端末102から着目テキストを受信すると、サーバ側送信部145は、着目テキストを、その着目テキストが送信された視聴者端末103が分類されているグループ以外のグループに属する視聴者端末103に送信する(ステップS603)。サーバ側送信部144は、グループ特定部141に登録されている各視聴者端末103が分類されるグループに関する情報を参照して、着目テキストが送信された視聴者端末103が分類されるグループ以外のグループに属する視聴者端末103を特定し、着目テキストを送信する。その後、処理は、ステップS601に戻る。
【0124】
その他のイベントが発生した場合、配信サーバ104は、発生したイベントに対応する処理をする(ステップS604)。その後、処理は、ステップS601に戻る。
【0125】
以上のように実施形態2によれば、配信者端末102及び視聴者端末103の各端末は、配信サーバ104を経由してテキストを送受信する。これにより、配信者端末102及び視聴者端末103は、テキストを送信する際に必要となる送信先の端末のアドレスを保持する必要がないため、CPUにかかる負荷及び必要となる記憶装置の容量を低減させることが可能となる。
【0126】
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3を説明する。実施形態2では、配信サーバ104が、着目テキストを、着目テキストを送信した視聴者端末103が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末103へ送信した。実施形態3では、配信サーバ104が、ライブ動画Xを視聴している全ての視聴者端末103に着目テキストを送信し、視聴者端末103が、受信した着目テキストがそれまでに画面に登場していない場合に、着目テキストを画面に登場させる。以下、実施形態2と同等の構成には同等の符号を付す。
【0127】
(端末処理及びサーバ処理)
本実施形態における配信側端末処理は、実施形態2における配信側端末処理と同等である。ここでは、本実施形態における視聴側端末処理及びサーバ処理について、実施形態2と異なる部分を説明する。実施形態2における処理と同等の処理には同等の符号を付す。
【0128】
図12に示す視聴側端末処理において、視聴側受信部133が配信サーバ104から着目テキストを受信すると、視聴側表示部134は、着目テキストを受信した時点までにその着目テキストが画面に登場していない場合、着目テキストを画面に登場させる(ステップS404)。受信した着目テキストが既に画面に登場したものであれば、視聴側表示部134は、その着目テキストを画面に登場させない。これにより、配信サーバ104から着目テキストを受信しても、その着目テキストが視聴者端末103が属するグループ内から発信されたものであれば、重複してそのテキストを登場させることがない。その後、処理は、ステップS401に戻る。
【0129】
図15に示すサーバ処理において、サーバ側受信部144が配信者端末102から着目テキストを受信すると、サーバ側送信部145は、いずれかのグループに分類されている全ての視聴者端末103へ着目テキストを送信する(ステップS603)。その後、処理は、ステップS601に戻る。
【0130】
以上のように実施形態3によれば、配信サーバ104が、ライブ動画Xを視聴している全ての視聴者端末103に着目テキストを送信し、視聴者端末103が、受信した着目テキストがその時点までに画面に登場していなければ、着目テキストを画面に登場させる。これにより、配信サーバ104が着目テキストの送信先の端末を選択する必要がないため、配信サーバ104のサーバ負荷を低減することができる。
【0131】
(変形例)
上述した実施形態1~3では、視聴者端末103a~103fを使用する視聴者の属性により、視聴者端末103a~103fを複数のグループのいずれかに分類することを記載したが、ランダムに分類してもよい。視聴者端末103をいくつかの小さなグループに分類することにより、グループ内のテキストチャットに登場するテキストの量を低減することができ、いわゆるユーザビリティの高いテキストチャットを実現することができる。
【0132】
また、上述した実施形態1~3では、視聴側表示部134が、受付部131が受け付けたテキストを画面内に登場させることを記載した。視聴側表示部134は、受付部131が受け付けたテキストを視聴側送信部132が配信者端末102又は配信サーバ104に送信し、視聴側受信部133が配信者端末102又は配信サーバ104から受信したテキストを画面に登場させるようにしてもよい。
【0133】
(付記)
本開示に係る実施形態を、以下に付記する。
[1]
ライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、前記ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、を備える配信システムであって、
前記配信者端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信する配信側受信処理と、
前記テキストが受信されると、前記テキストを画面内に登場させる配信側表示処理と、
前記テキストが前記画面内から退場するまで、前記配信者が前記テキストに着目したか否かを判定する判定処理と、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行する実行処理と、
が実行され、
前記複数の視聴者端末は、複数のグループのいずれかに分類され、
前記複数の視聴者端末の各端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
当該各端末を使用する視聴者から投稿されるテキストを受け付ける受付処理と、
前記受け付けられたテキストを、前記配信者端末と、当該各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信する視聴側送信処理と、
当該各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末から送信されたテキストを受信する視聴側受信処理と、
前記受信されたテキストを画面内に登場させる視聴側表示処理と、
が実行され、
前記配信者端末の前記着目処理において、前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストが送信され、
前記複数の視聴者端末の各端末において前記着目テキストが受信されると、前記受信された着目テキストを前記画面内に登場させる、
配信システム。
【0134】
[2]
前記配信システムは、前記配信者端末と連携する配信サーバをさらに備え、
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信するサーバ側受信処理と、
前記テキストが受信されると前記テキストを、前記配信者端末と、前記テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信するサーバ側送信処理と、
が実行され、
前記配信者端末の前記着目処理では、前記着目テキストが前記配信サーバにさらに送信され、
前記配信サーバの前記サーバ側受信処理では、前記着目テキストがさらに受信され、
前記サーバ側送信処理では、前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストがさらに送信され、
前記視聴者端末の各端末の視聴側受信処理では、前記配信サーバから送信された前記着目テキストがさらに受信され、
前記視聴側表示処理では、前記受信された着目テキストを画面内にさらに登場させる、
[1]に記載の配信システム。
【0135】
[3]
前記配信システムは、前記配信者端末と連携する配信サーバをさらに備え、
前記配信サーバは、当該配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信するサーバ側受信処理と、
前記テキストが受信されると前記テキストを、前記配信者端末と、前記テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信するサーバ側送信処理と、
が実行され、
前記配信者端末の前記着目処理において、前記着目テキストが前記配信サーバにさらに送信され、
前記配信サーバの前記サーバ側受信処理において、前記着目テキストがさらに受信され、
前記サーバ側送信処理において、いずれかのグループに分類されている全ての視聴者端末へ前記着目テキストがさらに送信され、
前記視聴者端末の各端末の視聴側受信処理において、前記配信サーバから送信された前記着目テキストがさらに受信され、
前記視聴側表示処理では、前記着目テキストを受信した時点までに当該着目テキストが画面に登場していない場合、当該着目テキストを画面内にさらに登場させる、
[1]に記載の配信システム。
【0136】
[4]
前記配信システムは、前記配信者端末と連携する配信サーバをさらに備え、
前記複数の視聴者端末の各端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記配信者端末が配信するライブ動画を指定した視聴要求を前記配信サーバに送信する視聴要求送信処理がさらに実行され、
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末から前記視聴要求を受信すると、複数のグループのうち、その視聴者端末が属すべきグループを特定するグループ特定処理がさらに実行される、
[1]から[3]のいずれか一項に記載の配信システム。
【0137】
[5]
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者に関する登録情報を登録するユーザ登録処理がさらに実行され、
前記グループ特定処理では、前記ユーザ登録処理にて登録されている登録情報に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
[4]に記載の配信システム。
【0138】
[6]
前記ユーザ登録処理にて登録される登録情報には、前記視聴者が過去に購入した商品又は役務の購入履歴が含まれ、
前記グループ特定処理では、前記登録情報に含まれる購入履歴に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
[5]に記載の配信システム。
【0139】
[7]
前記配信サーバが備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記購入履歴に基づいて、前記視聴者による商品又は役務の購入意欲が高いか否かを判定する購入意欲判定処理がさらに実行され、
前記グループ特定処理では、前記購入意欲判定処理にて判定された前記視聴者の購入意欲に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
[6]に記載の配信システム。
【0140】
[8]
前記ユーザ登録処理にて登録される登録情報には、前記視聴者による動画の視聴履歴が含まれ、
前記グループ特定処理では、前記登録情報に含まれる視聴履歴に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
[5]から[7]のいずれか一項に記載の配信システム。
【0141】
[9]
前記ユーザ登録処理にて登録される登録情報には、前記視聴者の居住地が含まれ、
前記グループ特定処理では、前記登録情報に含まれる前記視聴者の居住地に基づいて、前記視聴者が使用する視聴者端末が属すべきグループが特定される、
[5]から[8]のいずれか一項に記載の配信システム。
【0142】
[10]
前記配信者端末が備える1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
当該配信者端末を使用する配信者による操作を受け付ける操作受付処理がさらに実行され、
前記判定処理では、前記操作受付処理にて受け付けた前記配信者による操作に基づいて、当該配信者が前記テキストに着目したか否かを判定する、
[1]から[9]のいずれか一項に記載の配信システム。
【0143】
[11]
前記操作受付処理では、前記配信側表示処理にて登場されたテキストへの押下操作を受け付け、
前記判定処理では、前記操作受付処理にて前記テキストへの前記押下操作を受け付けた場合、当該テキストが配信ユーザに着目されたと判定される、
[10]に記載の配信システム。
【0144】
[12]
前記操作受付処理では、
前記配信者の発声を音声認識した結果と、前記配信側表示処理により前記画面に登場している各テキストと、を対比し、
当該結果と当該各テキストとが一致もしくは類似すれば、当該一致もしくは類似するテキストが、前記配信ユーザに着目されたと判定する、
[10]または[11]に記載の配信システム。
【0145】
[13]
ライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、前記ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、を備える配信システムにおいて、
前記配信者端末が、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信し、
前記テキストが受信されると、前記テキストを画面内に登場させ、
前記テキストが前記画面内から退場するまで、前記配信者が前記テキストに着目したか否かを判定し、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストに対して、所定の着目処理を実行し、
複数のグループのいずれかに分類される前記複数の視聴者端末の各端末が、
当該各端末を使用する視聴者から投稿されるテキストを受け付け、
前記受け付けられたテキストを、前記配信者端末と、当該各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、に送信し、
当該各端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末から送信されたテキストを受信し、
前記受信されたテキストを画面内に登場させ、
前記配信者端末が、
前記着目処理において、前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストを送信し、
前記複数の視聴者端末の各端末が、
前記着目テキストが受信されると、前記受信された着目テキストを前記画面内に登場させる、
配信方法。
【0146】
[14]
複数のグループのいずれかに分類されライブ動画が配信される複数の視聴者端末と、前記ライブ動画を配信する配信者が使用する配信者端末と、に通信可能に接続され、
1以上のプロセッサを備え、
前記1以上のプロセッサの少なくとも一つによって、
前記視聴者端末を使用する視聴者から投稿されたテキストを前記視聴者端末から受信する処理と、
前記テキストが受信されると前記テキストを、前記配信者端末と、前記テキストが送信された視聴者端末が分類されるグループに属する他の視聴者端末と、へ送信する処理と、
前記配信者が着目したと判定された着目テキストを前記配信者端末から受信する処理と、
前記着目テキストが送信された視聴者端末が分類されたグループ以外に分類されている視聴者端末へ前記着目テキストを送信する処理と、
が実行される、
配信サーバ。
【0147】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本開示は、様々なバックグラウンドを持つ視聴者がテキストチャットを楽しむことができ、視聴者間のコミュニケーションを活発化させるきっかけを与えることができるライブ配信に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0149】
11、12、13、14、15、21、22、23、24、25 テキスト
12’、22’ 着目テキスト
101 配信システム
102 配信者端末
103、103a、103b、103c、103d、103e、103f 視聴者端末
104 配信サーバ
121 配信側受信部
122 配信側表示部
123 判定部
124 実行部
125 配信側グループ登録部
126 操作受付部
131 受付部
132 視聴側送信部
133 視聴側受信部
134 視聴側表示部
135 視聴側グループ登録部
136 視聴要求送信部
141 グループ特定部
142 ユーザ登録部
143 購入意欲判定部
144 サーバ側受信部
145 サーバ側送信部
801 グループ名表示部
802a、802b、802c、802d、802e、802f 視聴者アイコン
803 リンクボタン
804 チャット表示領域
X ライブ動画