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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】端子金具
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/61 20110101AFI20240905BHJP
   H01R 12/65 20110101ALI20240905BHJP
   H01R 13/10 20060101ALN20240905BHJP
【FI】
H01R12/61
H01R12/65
H01R13/10 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021088058
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2022181240
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パーティウッティパット ピパッタナ
(72)【発明者】
【氏名】牧野 健司
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-275642(JP,A)
【文献】特開2011-238522(JP,A)
【文献】特開2007-103138(JP,A)
【文献】特開2001-217028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/59-12/61
H01R 12/65
H01R 12/77-12/78
H01R 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント配線板の前端部に接続される接続部と、
後端部において、前記接続部よりも後方に位置し、前記フレキシブルプリント配線板に固着された固着部と、
を備え
前記接続部は、一対の側板部と、前記側板部の上端縁に連なる上板部と、前記側板部の下端縁同士を繋ぐ一枚の下板部と、を有し、
前記固着部は、前記下板部から延出し、
前記上板部は、一対の前記側板部から弧状部を介して突出し、突出端同士を突き合わせた一対の接続用板部によって構成され、
一対の前記接続用板部には前記フレキシブルプリント配線板が接続され、
一対の前記弧状部が前記フレキシブルプリント配線板の左右両側縁から外方へ張り出している端子金具。
【請求項2】
フレキシブルプリント配線板の前端部に接続される接続部と、
後端部において、前記接続部よりも後方に位置し、前記フレキシブルプリント配線板に固着された固着部と、
を備え
前記接続部は、一対の側板部と、前記側板部の上端縁に連なる上板部と、前記側板部の下端縁同士を繋ぐ一枚の下板部と、を有し、
前記固着部は、前記下板部から延出し、
前記上板部の外面に前記フレキシブルプリント配線板が接続され、
前記固着部は、前記フレキシブルプリント配線板の下面に接する基板部と、前記基板部から上方に延出して前記フレキシブルプリント配線板を包囲するカシメ部と、を有している端子金具。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント配線板は、樹脂製の基材の一面に導電路を延設して構成され、
前記固着部は、
前記導電路に接する長尺部と、
前記基材の他面に接する短尺部と、
を有し、
前記短尺部は、前記基材の他面に食い込む請求項1又は請求項2に記載の端子金具。
【請求項4】
前記固着部は、
前記下板部から前記フレキシブルプリント配線板側へ立ち上がる立上り部と、
前記立上り部を後方から支える支持部と、
を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子金具。
【請求項5】
前記固着部は、
金属板材からなり、
前記フレキシブルプリント配線板の一面に接する基板部と、
前記基板部から延出して前記フレキシブルプリント配線板を包囲するカシメ部と、
を有し、
前記基板部は、二重板構造である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端子金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される端子金具は、プリント配線基板上に配線が形成されてなるプリント配線回路の配線に超音波溶接等によって接続される構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-260804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の端子金具では、プリント配線基板が端子金具とは反対側へ引っ張られると、引張力がプリント配線基板との接続部分に直接的に作用することになる。そのため、プリント配線基板が端子金具から離脱するおそれがある。
【0005】
本開示の端子金具は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、引張力がフレキシブルプリント基板との接続部分に及ぶことを抑制することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の端子金具は、
フレキシブルプリント配線板の前端部に接続される接続部と、
後端部において、前記接続部よりも後方に位置し、前記フレキシブルプリント配線板に固着された固着部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、引張力が端子金具とフレキシブルプリント基板との接続部分に及ぶことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、配線板に接続された端子金具の前方側から見た斜視図である。
図2図2は、配線板に接続された端子金具の後方側から見た斜視図である。
図3図3は、図1の端子金具の一部を右側から見た側面図である。
図4図4は、図1の端子金具の一部を示す平面図である。
図5図5は、図1の端子金具の一部を示す底面図である。
図6図6は、図4のA-A断面図である。
図7図7は、図3のB-B断面図である。
図8図8は、図3のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示の端子金具は、
(1)フレキシブルプリント配線板の前端部に接続される接続部と、
後端部において、前記接続部よりも後方に位置し、前記フレキシブルプリント配線板に固着された固着部と、
を備える。
本開示の構成によれば、フレキシブルプリント配線板が後方へ引っ張られると、引張力は固着部を介して端子金具全体に作用する。そのため、引張力は、接続部とフレキシブルプリント配線板との接続部分に及ぶことを抑制することができる。よって、フレキシブルプリント配線板が接続部から離脱することを抑制することができる。
【0010】
(2)フレキシブルプリント配線板は、樹脂製の基材の一面に導電路を延設して構成され、固着部は、導電路に接する長尺部と、基材の他面に接する短尺部と、を有し、短尺部は、基材の他面に食い込むことが好ましい。この構成によれば、短尺部が樹脂製の基材の他面に食い込むことによって、フレキシブルプリント配線板に対する固着部の固着力が向上する。フレキシブルプリント配線板に対する長尺部の食い込みが短尺部に比べて浅いため、導電路の変形が抑制される。
【0011】
(3)接続部は、一対の側板部と、側板部の上端縁に連なる上板部と、側板部の下端縁同士を繋ぐ一枚の下板部と、を有し、固着部は、下板部から延出し、上板部は、一対の側板部から弧状部を介して突出し、突出端同士を突き合わせた一対の接続用板部によって構成され、一対の接続用板部にはフレキシブルプリント配線板が接続され、一対の弧状部がフレキシブルプリント配線板の左右両側縁から外方へ張り出していることが好ましい。この構成によれば、弧状部がフレキシブルプリント配線板の左右両側縁から外方へ張り出しているため、フレキシブルプリント配線板と接続部との接続部分では、はんだのフィレットがフレキシブルプリント配線板の左右両側縁と弧状部とに接触し易くなる。そのため、フレキシブルプリント配線板と接続部との高い接続強度が得られる。その上で、固着部は、一枚板状の下板部から延出しているので、幅寸法が確保され易くなる。
【0012】
(4)固着部は、下板部からフレキシブルプリント配線板側へ立ち上がる立上り部と、立上り部を後方から支える支持部と、を有することが好ましい。この構成によれば、フレキシブルプリント配線板に引張力が作用すると、立上り部が後方へ傾こうとするが、支持部によって立上り部の傾きが抑制される。
【0013】
(5)固着部は、金属板材からなり、フレキシブルプリント配線板の一面に接する基板部と、基板部から延出してフレキシブルプリント配線板を包囲するカシメ部と、を有し、基板部は、二重板構造であることが好ましい。この構成によれば、固着部において、金属板材が薄くても、基板部を二重板構造にすることによって剛性を高めることができ、固着強度を向上させることができる。
【0014】
[本開示の実施形態の詳細]
[実施例1]
本開示の端子金具を具体化した実施例1を、図1図8を参照して説明する。本実施例1において、上下の方向については、図1図3図6図8にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。前後の方向については、図2図6にあらわれる左方、右方を、それぞれ前方、後方と定義する。左右の方向は、図1にあらわれる前方、後方を、それぞれ左方、右方と定義する。
【0015】
(端子金具の構成)
図1図2に示す本実施例1の端子金具10は、フレキシブルプリント配線板(以下、単に配線板ともいう)20に接続されている。配線板20は、樹脂製の基材22の一面(下面)に導電路(図示略)を延設して構成されている。基材22は、例えば、絶縁樹脂製のシートによって構成されている。導電路は、例えば銅箔によって構成されている。配線板20は、例えば、コネクタハウジング(図示略)に組み付けられて、コネクタ(図示略)を構成する。
【0016】
配線板20は、図1図2に示すように、帯板状(短冊状)に構成されている。配線板20の前端側に、端子金具10が接続されている。
【0017】
端子金具10は、図1図2に示すように、例えば雌型の端子金具である。端子金具10は、金属材料からなる単一部品である。端子金具10は、導電性の金属板をプレス加工や曲げ加工等して成形されている。端子金具10は、全体として細長い筒形状である。端子金具10は、本体部12と、接続部14と、固着部16と、を備えている。
【0018】
本体部12は、図1図2に示すように、前後方向に貫通する角筒状である。本体部12は、雄端子金具の雄タブ(図示略)が挿入される。本体部12は、例えば、第1突部12A、及び第2突部12B等が設けられている。第1突部12A、及び第2突部12Bは、例えば外側にプレスして上方に突出する凸状に形成されている。第1突部12A、及び第2突部12Bは、例えば、端子金具10がコネクタハウジング(図示略)に逆挿入姿勢で挿入される場合に挿入を規制したり、端子金具10のコネクタハウジング(図示略)からの抜け止めを防止するように機能する。
【0019】
接続部14は、図1図2に示すように、前後方向に貫通する角筒状である。接続部14は、本体部12の後方において、本体部12と離間して位置している。接続部14は、図6図7に示すように、一対の側板部31と、上板部32と、下板部33と、を有している。側板部31は、前後方向に長い一枚の帯板状である。上板部32は、一対の側板部31の上端縁にそれぞれ連なっている。下板部33は、一対の側板部31の下端縁同士を繋ぐ一枚の板である。
【0020】
上板部32は、図7に示すように、一対の接続用板部34によって構成されている。接続用板部34は、側板部31の上端縁から弧状部35を介して突出している。弧状部35は、図4図7に示すように、配線板20の左右両側縁から外方(左右方向外側)へ張り出している。上板部32は、一対の接続用板部34の突出端同士を突き合わせることによって構成されている。
【0021】
接続部14は、図1図2に示すように、配線板20の前端部24に接続されている。接続部14は、例えばはんだ付けによって、配線板20の前端部24に接続されている。具体的には、図7に示すように、接続部14の上板部32及び弧状部35が、配線板20の前端部24に接続されている。上板部32の上面のほぼ全体が、配線板20の前端部24に接続されている。前端部24の左右両側縁26は、それぞれ左右の弧状部35に、上下方向で重なる位置に位置している。
【0022】
図7に示すように、弧状部35上には、はんだのフィレットFが形成されている。フィレットFは、配線板20の前端部24の下面と、上板部32の上面との界面を跨ぐように形成されている。フィレットFは、配線板20の前端部24の左右両側縁26と、弧状部35とに亘って形成されている。弧状部35が配線板20の左右両側縁26から外方へ張り出しているため、配線板20と接続部14との接続部分では、フィレットFが配線板20の側面(基材22の一面(下面)から立ち上がる面)と弧状部35とに接触し易くなる。そのため、配線板20と接続部14との高い接続強度が得られる。
【0023】
固着部16は、図1図6に示すように、端子金具10の後端部10Aに設けられている。固着部16は、接続部14の後端から後方に延び、接続部14よりも後方に位置している。固着部16は、図6に示すように、接続部14の下板部33から後方に延出している。固着部16は、一枚板状の下板部33から延出しているため、幅寸法が確保され易くなる。固着部16は、クリップ構造をなし、配線板20に固着されている。配線板20が後方へ引っ張られると、引張力が固着部16を介して端子金具10全体に作用する。そのため、引張力は、接続部14と配線板20との接続部分に及ぶことを抑制することができる。すなわち、固着部16によって配線板20に加えられる外力を吸収することができる。よって、配線板20が接続部14から離脱することを抑制することができる。
【0024】
固着部16は、図3図6に示すように、立上り部41と、支持部42と、基板部43と、カシメ部44と、を有している。立上り部41は、接続部14の下板部33の後端から配線板20側へ立ち上がっている。立上り部41は、一旦下板部33から後方へ延び、さらに上方へ立ち上がっている。立上り部41は、基端板41Aと、立上り板41Bと、を具備している。基端板41Aは、下板部33から後方へ延びている。立上り板41Bは、基端板41Aの後端から上方(配線板20側)へ立ち上がっている。
【0025】
支持部42は、図3図6に示すように、立上り部41を後方から支えている。支持部42は、第1支持板42Aと、第2支持板42Bと、を具備している。第1支持板42Aは、右側の側板部31から後方へ延び、さらに左側へ折れ曲がっている。第1支持板42Aの後側部42C(左に折れ曲がっている部分)は、立上り部41の立上り板41Bに後方から対向している。具体的には、第1支持板42Aの後側部42Cは、図5図6に示すように、立上り部41の立上り板41Bに後方から接触している。第2支持板42Bは、左側の側板部31から後方へ延び、さらに右側へ折れ曲がっている。第2支持板42Bの後側部42D(右に折れ曲がっている部分)は、第1支持板42Aの後側部42Cに後方から対向している。具体的には、第2支持板42Bの後側部42Dは、第1支持板42Aの後側部42Cに後方から接触している。配線板20に引張力(後方へ引っ張られる引張り力)が作用すると、立上り部41が後方へ傾こうとするが、支持部42によって立上り部41の傾きが抑制される。
【0026】
基板部43は、本発明の「長尺部」の一例に相当する。基板部43は、図3図6に示すように、二重板構造である。そのため、固着部16において、金属板材が薄くても、基板部43を二重板構造にすることによって剛性を高めることができ、固着強度を向上させることができる。基板部43は、立上り部41(より具体的には立上り板41B)の上端から後方に延び、さらに下方側に屈曲して前方に延びている。基板部43の上面は、接続部14の上板部32の上面と同じ高さになっている。基板部43の上面は、上板部32の上面と平行になっている。すなわち、基板部43の上面と上板部32の上面は、面一になっている。
【0027】
基板部43は、図3図6に示すように、上基板43Aと、下基板43Bと、を具備している。上基板43Aは、立上り板41Bの上端から後方に延びている。基板部43は、配線板20の導電路(図示略)に接している。基板部43は、配線板20(基材22)の一面(下面)に接している。基板部43の左右方向の幅は、図8に示すように、配線板20の左右方向の幅よりも小さい。下基板43Bは、図3図6に示すように、上基板43Aの前端につながり、上基板43Aに対して折り返すように前方に延びている。下基板43Bは、上基板43Aの下面に接触している。下基板43Bの左右方向の幅は、上基板43Aの左右方向の幅と同程度である。下基板43Bの先端(前端)は、立上り板41Bの後面に後方から対向している。下基板43Bの先端(前端)は、支持部42の上方に位置している。
【0028】
カシメ部44は、本発明の「短尺部」に相当する。カシメ部44は、図3図6に示すように、基板部43の下基板43Bから延出して配線板20を包囲している。カシメ部44は、配線板20の基材22の他面(上面)に接している。カシメ部44は、基材22の他面(上面)に食い込んでいる。カシメ部44が樹脂製の基材22の他面(上面)に食い込むことによって、配線板20に対する固着部16の固着力が向上する。配線板20に対する基板部43の食い込みがカシメ部44に比べて浅いため、配線板20の導電路(基材22の一面(下面)に延設された導電路)の変形が抑制される。
【0029】
カシメ部44は、図3図8に示すように、第1カシメ板44Aと、第2カシメ板44Bと、を具備している。第1カシメ板44Aは、下基板43Bの右端の一部から上方に延び、さらに左側に屈曲して左方に延びている。第1カシメ板44Aは、下基板43Bの右端の前後方向中央から延びている。第1カシメ板44Aの基端(下端)の左側面は、基材22の右端面に接触している。第1カシメ板44Aの先端(左側に延びる部分)は、図6図8に示すように、基材22の他面(上面)に食い込んでいる。
【0030】
第2カシメ板44Bは、図8に示すように、下基板43Bの左端の一部から上方に延び、さらに右側に屈曲して右方に延びている。第2カシメ板44Bは、下基板43Bの左端の前後方向中央から延びている。第2カシメ板44Bの基端(下端)の右側面は、基材22の左端面に接触している。第2カシメ板44Bの先端(右側に延びる部分)は、第1カシメ板44Aの上面に接触している。
【0031】
固着部16は、配線板20が接続部14に接続されていない状態で、配線板20に固着されることが可能である。すなわち、配線板20をカシメ部44で包囲して固着させた後、接続部14を例えばはんだ付けによって配線板20の前端部24に接続することができる。これにより、端子金具10を配線板20に接続する前に、端子金具10を配線板20に対して位置決めして、仮保持することができる。上述したように、基板部43の上面と上板部32の上面が面一になっているため、配線板20を固着部16で仮保持した後、配線板20を接続部14に接続し易くなっている。
【0032】
(本実施例の効果)
以上のように、本開示の端子金具10によれば、フレキシブルプリント配線板20が後方へ引っ張られると、引張力は固着部16を介して端子金具10全体に作用する。そのため、引張力は、接続部14と配線板20との接続部分に及ぶことを抑制することができる。よって、配線板20が接続部14から離脱することを抑制することができる。
【0033】
本開示の端子金具10は、カシメ部44が樹脂製の基材22の他面(上面)に食い込むことによって、配線板20に対する固着部16の固着力が向上する。配線板20に対するカシメ部44の食い込みが基板部43に比べて浅いため、導電路の変形が抑制される。
【0034】
本開示の端子金具10は、弧状部35が配線板20の左右両側縁26から外方へ張り出しているため、配線板20と接続部14との接続部分では、はんだのフィレットFが配線板20の左右両側縁26と弧状部35とに接触し易くなる。そのため、配線板20と接続部14との高い接続強度が得られる。その上で、固着部16は、一枚板状の下板部33から延出しているので、幅寸法が確保され易くなる。
【0035】
本開示の端子金具10では、固着部16が、立上り部41を後方から支える支持部42を備えている。そのため、配線板20に引張力が作用すると、立上り部41が後方へ傾こうとするが、支持部42によって立上り部41の傾きが抑制される。
【0036】
本開示の端子金具10では、基板部43が二重板構造である。そのため、固着部16において、金属板材が薄くても、基板部43を二重板構造にすることによって剛性を高めることができ、固着強度を向上させることができる。
【0037】
[他の実施例]
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
上記実施例1において、接続部14は、はんだ付けによって配線板20の前端部24に接続される例を示したが、その他の方法(超音波溶接等の溶接等)によって接続されてもよい。
上記実施例1において、基板部43は、二重板構造であったが、一枚板として構成されていてもよい。
上記実施例1において、支持部42は、第1支持板42Aと、第2支持板42Bと、を具備していたが、一方のみが設けられていてもよい。すなわち、一方の支持板で立上り部41を後方から支える構成としてもよい。
上記実施例1において、カシメ部44は、第1カシメ板44Aと、第2カシメ板44Bと、を具備していたが、一方のみが設けられていてもよい。すなわち、一方のカシメ板が、配線板20を包囲して、基材22の他面(上面)に食い込む構成としてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10…端子金具
10A…後端部
12…本体部
12A…第1突部
12B…第2突部
14…接続部
16…固着部
20…フレキシブルプリント配線板(配線板)
22…基材
24…前端部
26…左右両側縁
31…側板部
32…上板部
33…下板部
34…接続用板部
35…弧状部
41…立上り部
41A…基端板
41B…立上り板
42…支持部
42A…第1支持板
42B…第2支持板
42C…後側部
42D…後側部
43…基板部
43A…上基板
43B…下基板
44…カシメ部
44A…第1カシメ板
44B…第2カシメ板
F…フィレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8