(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】車両運転支援装置及び車両運転支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/096 20060101AFI20240905BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240905BHJP
B60W 40/00 20060101ALI20240905BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
G08G1/096 A
G08G1/09 F
B60W40/00
B60W50/14
(21)【出願番号】P 2020179705
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】秋田 晃
(72)【発明者】
【氏名】本吉 修平
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/157108(WO,A1)
【文献】特開2020-027416(JP,A)
【文献】特開2012-155756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 40/00
B60W 50/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、
前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部と
を備え、
前記情報処理部は、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更し、
前記情報処理部は、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色である場合には、前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間よりも小さな桁である前記残時間の受信値の端数を切り捨て、かつ前記点灯色の受信情報が赤色である場合には、前記残時間の受信値の端数を切り上げるように前記端数処理を変更する、車両運転支援装置。
【請求項2】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、
前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部と
を備え、
前記情報処理部は、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更し、
前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部を備え、
前記情報処理部は、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、
前記報知制御部は、前記情報処理部が前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定めた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を予め定めた暫定値として報知するように、前記報知装置を制御する、車両運転支援装置。
【請求項3】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、
前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部と
を備え、
前記情報処理部は、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更し、
前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部を備え、
前記情報処理部は、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、
前記報知制御部は、前記情報処理部が前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定められた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を報知することを停止するように、前記報知装置を制御する、車両運転支援装置。
【請求項4】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を内部通信部によって受信する工程と、
前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行する工程であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更する工程と
を含み、
前記点灯色の受信情報が青色又は黄色である場合には、前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間よりも小さな桁である前記残時間の受信値の端数を切り捨て、かつ前記点灯色の受信情報が赤色である場合には、前記残時間の受信値の端数を切り上げるように前記端数処理を変更する、車両運転支援方法。
【請求項5】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を内部通信部によって受信する工程と、
前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行する工程であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更する工程と、
前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行する工程と、
前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行する工程と
を含み、
前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、
前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定めた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を予め定めた暫定値として報知するように、前記報知装置を制御する、車両運転支援方法。
【請求項6】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を内部通信部によって受信する工程と、
前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行する工程であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更する工程と、
前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行する工程と、
前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行する工程と
を含み、
前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、
前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定められた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を報知することを停止するように、前記報知装置を制御する、車両運転支援方法。
【請求項7】
交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、
前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、
前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部と、
前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部と、
前記車両の駆動力を調節するように前記車両の駆動装置を制御する駆動制御を実行可能とする駆動制御部と
を備え、
前記点灯色の受信情報が赤色であり、かつ前記駆動装置が前記車両を発進させることができる状態にない場合に、前記情報処理部は、前記残時間の受信値の端数を切り上げるように前記報知制御のための端数処理を実行し、かつ前記残時間の受信値の端数を切り捨てるように前記駆動制御のための端数処理を実行し、前記報知制御部は、前記報知制御のための端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させる前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値を報知するように前記報知装置を制御し、かつ前記駆動制御部は、前記駆動制御のための端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させる前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値が0となったときに、前記車両を発進させることができる状態とするように前記駆動装置を制御する、車両運転支援装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置に関する。本発明はまた、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両においては、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする運転支援装置が搭載されることが増えてきている。運転支援装置は、典型的に、車両の運転支援を行うために、交通信号機、交通信号機を管理するサーバ等から送信される信号情報を利用する。このような運転支援装置の一例としては、車両の運転支援を行うために、現在の信号表示から次の信号表示に変化するまでの残時間を示す信号情報を利用する装置が挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、交通信号機、サーバ等から信号情報を送信するタイミングと、この信号情報を運転支援装置にて受信するタイミングとはズレるおそれがあり、その結果、サーバ等における信号情報の残時間のカウント状態と、運転支援装置における信号情報の残時間のカウント状態とが一致しないおそれがある。この場合、運転支援装置にて認識される車両の発進タイミング及び停止タイミングが、実際の交通信号機の点灯変化と合わなくなるおそれがある。
【0005】
このような実情を鑑みると、車両運転支援装置及び車両運転支援方法においては、交通信号機の点灯変化に適切に合わせた車両の運転支援を行うことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するために、一態様に係る車両運転支援装置は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部とを備え、前記情報処理部は、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更し、前記情報処理部は、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色である場合には、前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間よりも小さな桁である前記残時間の受信値の端数を切り捨て、かつ前記点灯色の受信情報が赤色である場合には、前記残時間の受信値の端数を切り上げるように前記端数処理を変更する。
他の態様に係る車両用運転支援装置は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部とを備え、前記情報処理部は、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更し、前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部を備え、前記情報処理部は、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、前記報知制御部は、前記情報処理部が前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定めた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を予め定めた暫定値として報知するように、前記報知装置を制御する。
他の態様に係る車両用運転支援装置は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部とを備え、前記情報処理部は、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更し、前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部を備え、前記情報処理部は、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、前記報知制御部は、前記情報処理部が前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定められた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を報知することを停止するように、前記報知装置を制御する。
【0007】
課題を解決するために、一態様に係る車両運転支援方法は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を内部通信部によって受信する工程と、前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行する工程であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更する工程とを含み、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色である場合には、前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間よりも小さな桁である前記残時間の受信値の端数を切り捨て、かつ前記点灯色の受信情報が赤色である場合には、前記残時間の受信値の端数を切り上げるように前記端数処理を変更する。
他の態様に係る車両運転支援方法は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を内部通信部によって受信する工程と、前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行する工程であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更する工程と、前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行する工程と、前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行する工程とを含み、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定めた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を予め定めた暫定値として報知するように、前記報知装置を制御する。
他の態様に係る車両運転支援方法は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を行う車両運転支援方法であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を内部通信部によって受信する工程と、前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行する工程であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に合わせて前記端数処理を変更する工程と、前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行する工程と、前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行する工程とを含み、前記点灯色の受信情報が青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部間の通信間隔の単位時間以上である桁により示される前記残時間の受信値における上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とし、前記残時間のカウント処理値を強制的に0とした場合、予め定められた前記次の点灯色の暫定情報を報知し、かつ前記内部通信部が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値を報知することを停止するように、前記報知装置を制御する。
【0008】
課題を解決するために、別の一態様に係る車両運転支援装置は、交通信号機の点灯状態に従った車両の運転支援を可能とする車両運転支援装置であって、前記交通信号機の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両の外部に位置する外部通信部から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部と、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値の端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部と、前記内部通信部により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報に基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値とを前記車両のドライバに報知するように報知装置を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部と、前記車両の駆動力を調節するように前記車両の駆動装置を制御する駆動制御を実行可能とする駆動制御部とを備え、前記点灯色の受信情報が赤色であり、かつ前記駆動装置が前記車両を発進させることができる状態にない場合に、前記情報処理部は、前記残時間の受信値の端数を切り上げるように前記報知制御のための端数処理を実行し、かつ前記残時間の受信値の端数を切り捨てるように前記駆動制御のための端数処理を実行し、前記報知制御部は、前記報知制御のための端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させる前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値を報知するように前記報知装置を制御し、かつ前記駆動制御部は、前記駆動制御のための端数処理を実行した前記残時間の端数処理値を時間経過に従って減少させる前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値が0となったときに、前記車両を発進させることができる状態とするように前記駆動装置を制御する。
【発明の効果】
【0009】
一態様に係る車両運転支援装置及び車両運転支援方法、並びに別の一態様に係る車両運転支援装置においては、交通信号機の点灯変化に適切に合わせた車両の運転支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る車両運転支援装置を含む車両、及びこの車両の外部に位置する各種外部機器を概略的に示す構成図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る車両、及びこの車両の外部に位置する各種外部機器を示す模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る車両の車室前方を概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る車両の報知装置の表示出力部を模式的に示す正面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る車両運転支援方法を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る車両運転支援方法を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る車両運転支援方法を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る車両運転支援方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1~第4実施形態に係る車両運転支援装置及び車両運転支援方法について説明する。各実施形態にて車両運転支援装置(以下、必要に応じて、単に「運転支援装置」という)及び車両運転支援方法(以下、必要に応じて、単に「運転支援方法」という)のそれぞれを適用する車両は、自動車となっている。しかしながら、車両運転支援装置及び車両運転支援方法のそれぞれを適用する車両は、自動車に限定されない。
【0012】
「第1実施形態」
第1実施形態に係る車両運転支援装置及び車両運転支援方法について説明する。
【0013】
「車両運転支援装置の概略」
図1~
図4を参照すると、本実施形態に係る車両運転支援装置20は、概略的には次のように構成される。
図1に示すように、車両運転支援装置20は車両10に搭載される。
図2に示すように、車両運転支援装置20は、交通信号機1(
図2に示す)の点灯状態に従った車両10の運転支援を可能とする。
【0014】
図1及び
図2を参照すると、車両運転支援装置20は、車両10の外部に位置する外部通信部2から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部21を有する。この交通信号情報は、交通信号機1の点灯色、及び点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含む。車両運転支援装置20は、内部通信部21により受信された交通信号情報に対して各種処理を実行可能とする情報処理部22を有する。
【0015】
情報処理部22は、内部通信部21により受信された交通信号情報に含まれる残時間の受信値Pの端数処理を実行可能とする。情報処理部22は、端数処理を実行した残時間の端数処理値Qaを時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする。このような情報処理部22は、内部通信部21により受信された交通信号情報に含まれる点灯色の受信情報Lに合わせて端数処理を変更するようになっている。
【0016】
さらに、本実施形態に係る車両運転支援装置20は、概略的には次のように構成することができる。車両運転支援装置20における情報処理部22の端数処理の変更は次のようになっている。情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色である場合には、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である残時間の受信値Pの端数を切り捨て、かつ点灯色の受信情報Lが赤色である場合には、上記残時間の受信値Pの端数を切り上げるように端数処理を変更する。
【0017】
この端数処理の一例を説明する。例えば、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jが整数第1位の数値である場合、残時間の受信値Pの端数は小数第1位以下の数値となる。この一例において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色である場合には、残時間の端数処理値Qaは、残時間の受信値T1における整数第1位の数値を維持し、かつ残時間の受信値Pにおける小数第1位以下の数値を無くすような端数処理によって得られる。また、点灯色の受信情報Lが赤色である場合には、残時間の端数処理値Qaは、残時間の受信値T1における整数第1位の数値を1の値分増加させ、かつ残時間の受信値T1における小数第1位以下の数値を無くすような端数処理によって得られる。しかしながら、端数処理を施される残時間の受信値の端数は、小数第1位以下の数値に限定されない。
【0018】
図1、
図3、及び
図4に示すように、車両10は、そのドライバD等の乗員に各種情報を報知可能とするように構成される報知装置11を有する。運転支援装置20は、点灯色の受信情報Lに基づく指示と、カウント処理により得られる残時間のカウント処理値Raとを車両10のドライバDに報知するように報知装置11を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部23を有する。
【0019】
図1に示すように、車両10は、その走行のための駆動力を生成可能とする駆動装置12を有する。駆動装置12はエンジン12aを含む。運転支援装置20は、車両10の駆動力を調節するように駆動装置12を制御する駆動制御を実行可能とする駆動制御部24を有する。
【0020】
上述した残時間の端数処理値Qa及びカウント処理値Raは報知制御に用いられる。しかしながら、残時間の端数処理値及びカウント処理値の少なくとも一方は、報知制御以外の制御に用いることもできる。
【0021】
「車両の報知装置の詳細」
図1、
図3、及び
図4を参照すると、車両10の報知装置11は、詳細には次のように構成することができる。
図1、
図3、及び
図4に示すように、車両10の報知装置11は、ドライバD等の乗員により目視可能な情報を表示可能とする表示出力部11aを有する。
図3に示すように、表示出力部11aは、車室10a内に設置されるディスプレイとなっている。表示出力部11aは、車室10a内にて車両10の前方寄りに位置するインストルメントパネル10bに設置されるカーナビゲーションシステムのディスプレイとすることができる。表示出力部11aは、後述する点灯色の出力情報M及び残時間の出力値Naを表示可能とする。
【0022】
図1及び
図3に示すように、報知装置11は、音声情報を出力可能とする音声出力部11bを有する。
図3に示すように、音声出力部11bは、車室10a内に設置されるスピーカとなっている。音声出力部11bは、カーナビゲーションシステムのスピーカ、又は車室10a内に設置されるオーディオシステムのスピーカとすることができる。音声出力部11bは、後述する点灯色の出力情報M及び残時間の出力値Naを音声出力可能とする。
【0023】
しかしながら、報知装置は、これに限定されない。例えば、報知装置をスマートフォン等の携帯端末とし、報知装置の表示出力部を携帯端末のディスプレイとし、かつ報知装置の音声出力部を携帯端末のスピーカとすることもできる。この場合、携帯端末は、インストルメントパネルに離脱可能に取り付けるように構成することができる。また、表示出力部は、計器パネル、ランプ等とすることができる。
【0024】
図4を参照すると、このような報知装置11の表示出力部11aは、詳細には次のように構成することができる。表示出力部11aは、点灯色の受信情報L、残時間の端数処理値Qa、及び残時間のカウント処理値Raに基づいて、交通信号機1の点灯色に対応する点灯色の出力情報Mを表示する。点灯色の出力情報Mは、点灯色が青色である場合の青色出力情報M1と、点灯色が黄色である場合の黄色出力情報M2と、点灯色が赤色である場合の赤色出力情報M3とを含む。
【0025】
表示出力部11aは、青色、黄色、及び赤色出力情報M1~M3を各別に表示する。表示出力部11aは、実際の交通信号機1における点灯色にそれぞれ対応するように青色、黄色、及び赤色出力情報M1~M3を並べて配置する。しかしながら、表示出力部は、青色、黄色、及び赤色出力情報を交互に表示するように青色、黄色、及び赤色出力情報を同じ位置に配置することもできる。なお、
図4においては、青色出力情報M1を、ドット模様の円形図形により示し、黄色出力情報M2を、網掛け模様の円形図形により示し、かつ赤色出力情報M3を、斜線模様の円形図形により示す。
【0026】
表示出力部11aは、交通信号機1の点灯色が維持される残時間の出力値Naを表示する。表示出力部11aは、残時間のカウント処理値Raに対応する残時間の出力値Naを表示可能とする。具体的には、表示出力部11aは、青色残時間のカウント処理値Ra1に対応する青色残時間の出力値Na1を表示可能とし、黄色残時間のカウント処理値Ra2に対応する黄色残時間の出力値Na2を表示可能とし、かつ赤色残時間のカウント処理値Ra3に対応する赤色残時間の出力値Na3を表示可能とする。
【0027】
なお、
図4においては、青色残時間の端数処理値Qa1を、ドット模様の棒グラフにより示し、黄色残時間の端数処理値Qa2を、網掛け模様の棒グラフにより示し、かつ赤色残時間の端数処理値Qa3を、斜線模様の棒グラフにより示し、さらに、残時間の出力値Naを、白抜きの棒グラフで示している。残時間の出力値Naの棒グラフは、青色、黄色、及び赤色残時間の出力値Na1,Na2,Na3に対応するように、表示出力部11aの幅方向に並んだ青色、黄色、赤色残時間の端数処理値Qa1,Qa2,Qa3の棒グラフを、この順に覆い隠すようになっている。
図4は、一例として、交通信号機1の点灯色が青色であるときに、残時間の出力値Naの棒グラフが、青色残時間の出力値Na1に対応するように、青色残時間の端数処理値Qa1の棒グラフを覆い隠した状態を示す。
【0028】
残時間の出力値Naは、点灯色が青色である場合の青色残時間の出力値Na1と、点灯色が黄色である場合の黄色残時間の出力値Na2と、点灯色が赤色である場合の赤色残時間の出力値Na3とを含む。表示出力部11aは、残時間の出力値Nを棒グラフによって表示する。しかしながら、表示出力部は、残時間の出力値を数字等の文字、円グラフ等によって表示することもできる。
【0029】
表示出力部11aは、青色、黄色、及び赤色残時間の出力値Na1~Na3を各別に表示する。表示出力部11aは、青色、黄色、及び赤色出力情報M1~M3にそれぞれ対応するように青色、黄色、及び赤色残時間の出力値Na1~Na3を並べて配置する。しかしながら、表示出力部は、青色、黄色、及び赤色残時間の出力値を交互に表示するように青色、黄色、及び赤色残時間の出力値を同じ位置に配置することもできる。
【0030】
表示出力部11aは、青色、黄色、及び赤色出力情報M1~M3をそれぞれ青色、黄色、及び赤色残時間の出力値Na1~Na3に合わせて表示する。例えば、表示出力部11aは、青色残時間の出力値Na1が0秒になったときに、青色出力情報M1を黄色出力情報M2に変更する。例えば、表示出力部11aは、黄色残時間の出力値Na2が0秒になったときに、黄色出力情報M2を赤色出力情報M3に変更する。例えば、表示出力部11aは、赤色残時間の出力値Na3が0秒になったときに、赤色出力情報M3を青色出力情報M1に変更する。
【0031】
「各種外部装置の詳細」
図1及び
図2を参照すると、車両10の外部に位置する各種外部装置は、詳細には次のようなものとすることができる。
図1及び
図2に示すように、車両10の外部には上述した交通信号機1が設置される。
図2に示すように、交通信号機1の点灯色は、青色、黄色、及び赤色を含む。なお、交通信号機1の青色は、実際の交通信号機1においては緑色に近いので、緑色と呼ばれることもある。
【0032】
交通信号機1の青色は、原則として、車両10に進行許可を示す。交通信号機1の黄色は、原則として、点灯色が車両10の進行停止を示す赤色に変わる直前であることの注意を車両10に示す。交通信号機1の赤色は、原則として、車両10に進行停止を示す。
【0033】
図1及び
図2に示すように、車両10の外部には上述した外部通信部2が設置される。外部通信部2は、携帯電話等のための無線通信回線を用いて通信基地局3を介して車両10の運転支援装置20の内部通信部21に向けて、交通信号情報を送信可能とする通信回線送信部2aを含む。交通信号機1の信号機制御装置1aは、外部通信部2の通信回線送信部2aを含むことができる。
【0034】
通信基地局3は、車両10の外部に設置される。通信基地局3はまた、無線通信回線を用いて通信回線送信部2aから送信される交通信号情報を受信可能とし、かつ無線通信回線を用いて交通信号情報を車両10の運転支援装置20の内部通信部21に向けて送信可能とする。通信基地局3は、それにより受信した交通信号情報を車両10の運転支援装置20の内部通信部21に送信するために適するように処理可能とするサーバ3aを有する。
【0035】
外部通信部2は、車両10の位置情報等を認識するために用いられる衛星通信部2bを含む。衛星通信部2bは、交通信号情報等のような車両10の周辺情報を車両10の運転支援装置20の内部通信部21に向けて送信可能に構成される。衛星通信部2bは、GPS(Global Positioning System)情報を、交通信号情報等のような車両10の周辺情報と同時に送信することもできる。外部通信部2は、FM(Frequency Modulation)電波を用いて、交通信号情報等のような車両10の周辺情報を車両10の運転支援装置20の内部通信部21に向けて送信可能とするように構成されるFM通信部2cを含む。
【0036】
外部通信部2は、赤外線を用いて車両10の自車情報、車両10の周辺情報等を車両10の運転支援装置20の内部通信部21との間で送受信可能とする光ビーコン2dを含む。外部通信部2は、電波を用いて車両10の自車情報、車両10の周辺情報等を車両10の運転支援装置20の内部通信部21との間で送受信可能とする電波ビーコン2eを含む。外部通信部2は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いて車両10の自車情報、車両10の周辺情報等を車両10の運転支援装置20の内部通信部21との間で送受信可能とするITS(Intelligent Transport System)装置2fを含む。
【0037】
「車両運転支援装置の詳細」
図1~
図4を参照すると、本実施形態に係る車両運転支援装置20は、詳細には次のように構成することができる。
図1及び
図2に示すように、運転支援装置20の内部通信部21は、無線通信回線を用いて通信回線送信部2aから送信される交通信号情報を、通信基地局3を介して受信可能とする通信回線受信部21aを有する。内部通信部21は、衛星通信部2bからの信号を受信可能とする衛星受信部21bを有する。内部通信部21は、FM電波を用いて、交通信号情報等のような車両10の周辺情報等をFM通信部2cから受信可能とするFM受信部21cを有する。
【0038】
内部通信部21は、赤外線を用いて車両10の自車情報、車両10の周辺情報等を光ビーコン2dとの間で送受信可能とする光ビーコン送受信部21dを有する。内部通信部21は、電波を用いて車両10の自車情報、車両10の周辺情報等を電波ビーコン2eとの間で送受信可能とする電波ビーコン送受信部21eを有する。内部通信部21は、DSRCを用いて車両10の自車情報、車両10の周辺情報等をITS装置2fとの間で送受信可能とするDSRC送受信部21fを有する。
【0039】
このような車両運転支援装置20の内部通信部21においては、通信回線受信部21aによって受信された交通信号情報に対応する交通信号機1は、衛星受信部21bによって認識された車両10の位置情報に基づいて特定することができる。このとき、衛星受信部21bによって特定された車両10の位置情報は、FM受信部21cによって受信された車両10の周辺情報を用いて補正することができる。
【0040】
しかしながら、車両運転支援装置20の内部通信部21は、これに限定されない。例えば、
図1及び
図2を参照すると、車両運転支援装置20の内部通信部21は、光ビーコン送受信部21d、電波ビーコン送受信部21e、又はDSRC送受信部21fによって交通信号情報を受信し、かつ受信した交通信号情報に対応する交通信号機1を、光ビーコン送受信部21d、電波ビーコン送受信部21e、又はDSRC送受信部21fに予め関連付けられるか又は光ビーコン送受信部21d、電波ビーコン送受信部21e、又はDSRC送受信部21fの最先方に位置する交通信号機1として特定するように構成することもできる。この場合、交通信号機1は、光ビーコン2d、電波ビーコン2e、又はITS装置2fに交通信号情報を送信可能とするように構成することができる。
【0041】
さらに、運転支援装置20の情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2であるか否かを判定可能とする。情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色及び黄色受信情報L1,L2のいずれでない場合、点灯色の受信情報Lが赤色受信情報L3であると判定することができる。
【0042】
運転支援装置20の情報処理部22、報知制御部23、及び駆動制御部24のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理部品、制御部品、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶部品、無線又は有線型の入力部品、及び出力部品のような構成部品を有するように構成することができる。しかしながら、運転支援装置の情報処理部、報知制御部、及び駆動制御部は、それらのすべてを一体とするか、又はそれらの一部を一体とした状態で、上述のような構成部品を有するように構成することもできる。
【0043】
「車両運転支援方法の概略」
図5を参照して、本実施形態に係る車両運転支援方法の概略について説明する。すなわち、本実施形態に係る車両運転支援方法は、概略的には次のように行われる。車両運転支援方法は、交通信号機1の点灯状態に従った車両10の運転支援を行う。
【0044】
最初に、車両10の外部から送信される交通信号情報を受信する(工程S10)。交通信号情報は、交通信号機1の点灯色と、点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間とを含む。受信された交通信号情報に含まれる残時間の受信値Pの端数処理を実行する(工程S11)。この工程S11では、受信された交通信号情報に含まれる点灯色の受信情報Lに合わせて端数処理を変更する。
【0045】
「車両運転支援方法の詳細」
図5を参照して、本実施形態に係る車両運転支援方法の詳細について説明する。すなわち、本実施形態に係る車両運転支援方法は、詳細には次のように行うことができる。工程S11において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2であるか否かを判定する(工程S12)。
【0046】
点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2である場合(YES)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である青色又は黄色残時間の受信値P1,P2の端数を切り捨てる(工程S13)。工程S12において、点灯色の受信情報Lが青色及び黄色受信情報L1,L2のいずれでもない場合、すなわち、点灯色の受信情報Lが赤色受信情報L3である場合(NO)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である赤色残時間の受信値P3の端数を切り上げる(工程S14)。
【0047】
以上、本実施形態に係る車両運転支援装置20は、概略的には、交通信号機1の点灯状態に従った車両10の運転支援を可能とする車両運転支援装置20であって、前記交通信号機1の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両10の外部に位置する外部通信部2から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部21と、前記内部通信部21により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値Pの端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値Qaを時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部22とを備え、前記情報処理部22は、前記内部通信部21により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報Lに合わせて前記端数処理を変更する。
【0048】
また、本実施形態に係る車両運転支援方法は、概略的には、交通信号機1の点灯状態に従った車両10の運転支援を行う車両運転支援方法であって、前記交通信号機1の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を有し、かつ前記車両10の外部から送信される交通信号情報を受信する工程S1と、前記受信された交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値Pの端数処理を実行する工程S2であって、受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報Lに合わせて前記端数処理を変更する工程S2とを含む。
【0049】
このような運転支援装置20及び運転支援方法の概略によれば、通信基地局3のサーバ3aから交通信号情報を送信するタイミングと、この交通信号情報を運転支援装置20の内部通信部21にて受信するタイミングとの間におけるズレ、赤信号から青信号への実際の信号切り換わりのタイミング、青信号から黄信号への実際の信号切り換わりのタイミング、又は黄信号から赤信号への実際の信号切り換わりのタイミングと、この実際の信号切り換わりにとって最適な運転支援のタイミングとの間におけるズレ等を修正するように、残時間の受信値Pの端数処理を実行できる。よって、交通信号機1の点灯変化に適切に合わせた車両10の運転支援を行うことができる。
【0050】
本実施形態に係る運転支援装置20の詳細においては、前記情報処理部22は、前記点灯色の受信情報Lが青色又は黄色である場合には、前記外部及び内部通信部2,21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である前記残時間の受信値Pの端数を切り捨て、かつ前記点灯色の受信情報Lが赤色である場合には、前記残時間の受信値Pの端数を切り上げるように前記端数処理を変更する。
【0051】
このような運転支援装置20の詳細においては、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色である場合には、残時間の受信値Pの端数を切り捨てるので、青信号の次の黄信号又は黄信号の次の赤信号のように車両10の停止に関する信号に対応する運転支援を早めることができる。そのため、車両10は余裕をもって、かつ安全に停止することができる。
【0052】
点灯色の受信情報Lが赤色である場合には、残時間の受信値Pの端数を切り上げるように端数処理を変更するので、赤信号の次の青信号のように車両10の発進に関する信号に対応する運転支援を遅らせることができる。そのため、車両10が赤信号から青信号に切り換わる前に早まって発進することを防止できる。
【0053】
また、赤信号から青信号に切り換わった直後では、車両10の周囲の移動物が車両10の進行区域からその外部への移動を終えていないおそれがある。これに対して、上述のように赤信号の次の青信号のように車両10の発進に関する信号に対応する運転支援を遅らせれば、このような移動が完全に終わった後に車両10は余裕をもって、かつ安全に発進することができる。よって、交通信号機1の点灯変化に適切に合わせた車両10の運転支援を行うことができる。
【0054】
「第2実施形態」
第2実施形態に係る車両運転支援装置及び車両運転支援方法について説明する。
【0055】
本実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の概略は、情報処理部22の端数処理の変更を除いて、第1実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の概略とそれぞれ同様である。そのため、本実施形態の構成要素の符号及び名称は、第1実施形態の構成要素の符号及び名称とそれぞれ同様とする。
【0056】
本実施形態に係る車両運転支援装置20における情報処理部22の端数処理の変更は次のようになっている。情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ外部及び内部通信部2,21間の通信間隔の単位時間J以上である桁により示される残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合、残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とする。このような情報処理部22は、残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0であるか否かを判定可能とする。
【0057】
さらに、報知制御部23は、情報処理部22が残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とした場合、予め定めた次の点灯色の暫定情報Tを報知し、かつ内部通信部21が次の点灯色の受信情報Lを含む交通信号情報を受信するまで次の点灯色における残時間のカウント処理値Rbを予め定めた残時間の暫定値Uとして報知するように、報知装置11を制御する。
【0058】
この端数処理の一例を説明する。例えば、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jが整数第1位の数値である場合、残時間の受信値Pにおける上位桁数値は整数第1位以上の数値となる。この一例において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合には、青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を強制的に0とする。
【0059】
報知制御部23は、情報処理部22が青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を強制的に0とした場合、予め定めた次の黄色又は赤色暫定情報T2,T3を報知し、かつ内部通信部21が次の黄色又は赤色受信情報L2,L3を含む交通信号情報を受信するまで次の黄色又は赤色残時間のカウント処理値Rb2,Rb3を予め定めた黄色又は赤色残時間の暫定値U2,U3として報知するように、報知装置11を制御する。
【0060】
情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0でない場合には、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である残時間の受信値Pの端数を切り捨てることができる。情報処理部22はまた、点灯色の受信情報Lが赤色である場合には、上記残時間の受信値Pの端数を切り上げることができる。情報処理部22は、このように端数処理を変更することができる。
【0061】
本実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の詳細もまた、情報処理部22の端数処理の変更に関連する構成を除いて、第1実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の詳細とそれぞれ同様である。このような車両10の報知装置11の表示出力部11aは、残時間のカウント処理値Rbに対応する残時間の出力値Nbを表示可能とする。具体的には、表示出力部11aは、青色残時間のカウント処理値Rb1に対応する青色残時間の出力値Nb1を表示可能とし、黄色残時間のカウント処理値Rb2に対応する黄色残時間の出力値Nb2を表示可能とし、かつ赤色残時間のカウント処理値Rb3に対応する赤色残時間の出力値Nb3を表示可能とする。
【0062】
「車両運転支援方法」
図6を参照して、本実施形態に係る車両運転支援方法について説明する。本実施形態に係る運転支援方法の概略は、第1実施形態に係る車両運転支援方法の概略と同様である。このような運転支援方法において、最初に、車両10の外部から送信される交通信号情報を受信する(工程S20)。受信された交通信号情報に含まれる残時間の受信値Pの端数処理を実行する(工程S21)。この工程S21では、受信された交通信号情報に含まれる点灯色の受信情報Lに合わせて端数処理を変更する。
【0063】
さらに、本実施形態に係る車両運転支援方法は、詳細には次のように行うことができる。工程S21において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2であるか否かを判定する(工程S22)。点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2である場合(YES)、外部及び内部通信部2,21間の通信間隔の単位時間J以上である桁により示される残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0であるか否かを判定する(工程S23)。
【0064】
残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合(YES)、青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を強制的に0とする(工程S24)。報知装置11が、予め定めた次の点灯色の暫定情報Tを報知し、かつ内部通信部21が次の点灯色の受信情報Lを含む交通信号情報を受信するまで次の点灯色における残時間のカウント処理値Rbを予め定めた残時間の暫定値Uとして報知する(工程S25)。
【0065】
工程S23において、残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0でない場合(NO)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である青色又は黄色残時間の受信値P1,P2の端数を切り捨てる(工程S26)。報知装置11が、この端数処理を実行した青色又は黄色残時間の端数処理値Qb1,Qb2に基づく青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を、青色又は黄色残時間の出力値Nb1,Nb2として報知する(工程S27)。
【0066】
工程S22において、点灯色の受信情報Lが青色及び黄色受信情報L1,L2のいずれでもない場合、すなわち、点灯色の受信情報Lが赤色受信情報L3である場合(NO)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である赤色残時間の受信値P3の端数を切り上げる(工程S28)。報知装置11が、この端数処理を実行した赤色残時間の端数処理値Qb3に基づく赤色残時間のカウント処理値Rb3を、赤色残時間の出力値Nb3として報知する(工程S29)。
【0067】
以上、本実施形態に係る運転支援装置20及び運転支援方法の概略によれば、第1実施形態に係る運転支援装置20及び運転支援方法の概略とそれぞれ同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態に係る運転支援装置20の詳細によれば、以下の効果を得ることができる。
【0068】
本実施形態に係る運転支援装置20は、詳細には、前記点灯色の受信情報Lに基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値Rbとを前記車両10のドライバDに報知するように報知装置11を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部23を備え、前記情報処理部22は、前記点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ前記外部及び内部通信部2,21間の通信間隔の単位時間J以上である桁により示される前記残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合、前記残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とし、前記報知制御部23は、前記情報処理部22が前記残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とした場合、予め定めた前記次の点灯色の暫定情報Tを報知し、かつ前記内部通信部21が前記次の点灯色を含む前記交通信号情報を受信するまで前記次の点灯色における前記残時間のカウント処理値Rbを予め定めた暫定値Uとして報知するように、前記報知装置11を制御する。
【0069】
このような運転支援装置20においては、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合、残時間のカウント処理値Rbを強制的に0にするので、ドライバDが、青信号の次の黄信号又は黄信号の次の赤信号のように車両10の停止に関する信号に対応して車両10を停止させる運転操作を早めに行うことができる。そのため、ドライバDは余裕をもって、かつ安全に車両10を停止させることができる。
【0070】
また、このように点灯色が次の点灯色に強制的に切り換えられた場合であっても、ドライバDには、一見では通常と変わらない暫定的な残時間が報知されるので、ドライバDは、違和感をもたずに、余裕をもって、かつ安全に車両10を停止させることができる。
【0071】
「第3実施形態」
第3実施形態に係る車両運転支援装置及び車両運転支援方法について説明する。
【0072】
本実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の概略は、情報処理部22の端数処理の変更を除いて、第1及び第2実施形態のそれぞれに係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の概略とそれぞれ同様である。そのため、本実施形態の構成要素の符号及び名称は、第1及び第2実施形態のそれぞれにおける構成要素の符号及び名称とそれぞれ同様とする。
【0073】
本実施形態に係る車両運転支援装置20における情報処理部22の端数処理の変更は次のようになっている。情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ外部及び内部通信部2,21間の通信間隔の単位時間J以上である桁により示される残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合、残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とする。このような情報処理部22は、残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0であるか否かを判定可能とする。
【0074】
さらに、報知制御部23は、情報処理部22が残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とした場合、予め定めた次の点灯色の暫定情報Tを報知し、かつ内部通信部21が次の点灯色の受信情報Lを含む交通信号情報を受信するまで次の点灯色における残時間のカウント処理値Rbを報知することを停止するように、報知装置11を制御する。残時間のカウント処理値Rbの報知を停止することは、後述する表示出力部11aから残時間の出力値Nbを消去することと、音声出力部11bから残時間のカウント処理値Rbを出力することを停止することとを含む。
【0075】
この端数処理の一例を説明する。例えば、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jが整数第1位の数値である場合、残時間の受信値Pにおける上位桁数値は整数第1位以上の数値となる。この一例において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合には、青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を強制的に0とする。
【0076】
報知制御部23は、情報処理部22が青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を強制的に0とした場合、予め定めた次の黄色又は赤色暫定情報T2,T3を報知し、かつ内部通信部21が次の黄色又は赤色受信情報L2,L3を含む交通信号情報を受信するまで次の黄色又は赤色残時間のカウント処理値Rb2,Rb3を報知することを停止するように、報知装置11を制御する。
【0077】
情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色であり、かつ残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0でない場合には、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である残時間の受信値Pの端数を切り捨てることができる。情報処理部22はまた、点灯色の受信情報Lが赤色である場合には、上記残時間の受信値Pの端数を切り上げることができる。情報処理部22は、このように端数処理を変更することができる。
【0078】
本実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の詳細は、第2施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の詳細とそれぞれ同様である。
【0079】
「車両運転支援方法」
図7を参照して、本実施形態に係る車両運転支援方法について説明する。本実施形態に係る運転支援方法の概略は、第1実施形態に係る車両運転支援方法の概略と同様である。このような運転支援方法において、最初に、車両10の外部から送信される交通信号情報を受信する(工程S30)。受信された交通信号情報に含まれる残時間の受信値Pの端数処理を実行する(工程S31)。この工程S31では、受信された交通信号情報に含まれる点灯色の受信情報Lに合わせて端数処理を変更する。
【0080】
さらに、本実施形態に係る車両運転支援方法は、詳細には次のように行うことができる。工程S31において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2であるか否かを判定する(工程S32)。点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2である場合(YES)、外部及び内部通信部2,21間の通信間隔の単位時間J以上である桁により示される残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0であるか否かを判定する(工程S33)。
【0081】
残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0である場合(YES)、残時間のカウント処理値Rbを強制的に0とする(工程S34)。報知装置11が、予め定めた次の点灯色の暫定情報Tを報知し、かつ内部通信部21が次の点灯色の受信情報Lを含む交通信号情報を受信するまで次の点灯色における残時間のカウント処理値Rbを報知することを停止するする(工程S35)。
【0082】
上位桁数値判定工程S33において、残時間の受信値Pにおける上位桁数値が0でない場合(NO)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である青色又は黄色残時間の受信値P1,P2の端数を切り捨てる(工程S36)。報知装置11が、この端数処理を実行した青色又は黄色残時間の端数処理値Qb1,Qb2に基づく青色又は黄色残時間のカウント処理値Rb1,Rb2を、青色又は黄色残時間の出力値Nb1,Nb2として報知する(工程S37)。
【0083】
点灯色判定工程S32において、点灯色の受信情報Lが青色及び黄色受信情報L1,L2のいずれでもない場合、すなわち、点灯色の受信情報Lが赤色受信情報L3である場合(NO)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である赤色残時間の受信値P3の端数を切り上げる(工程S38)。報知装置11が、この端数処理を実行した赤色残時間の端数処理値Qb3に基づく赤色残時間のカウント処理値Rb3を、赤色残時間の出力値Nb3として報知する(工程S39)。
【0084】
以上、本実施形態に係る運転支援装置20及び運転支援方法の概略によれば、第1及び第2実施形態のそれぞれに係る運転支援装置20及び運転支援方法の概略とそれぞれ同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態に係る運転支援装置20の詳細によれば、第2実施形態に係る運転支援装置20の詳細と同様の効果を得ることができる。
【0085】
「第4実施形態」
第4実施形態に係る車両運転支援装置及び車両運転支援方法について説明する。
【0086】
本実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の概略は、情報処理部22の端数処理の変更を除いて、第1~第3実施形態のそれぞれに係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の概略とそれぞれ同様である。そのため、本実施形態の構成要素の符号及び名称は、第1~第3実施形態のそれぞれにおける構成要素の符号及び名称とそれぞれ同様とする。
【0087】
本実施形態に係る車両運転支援装置20における情報処理部22の端数処理の変更は次のようになっている。情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが赤色であり、かつ駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にない場合に、残時間の受信値Pの端数を切り上げるように報知制御のための端数処理を実行し、かつ残時間の受信値P、すなわち、赤色残時間の受信値P3の端数を切り捨てるように駆動制御のための端数処理を実行する。かかる情報処理部22は、駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にあるか否かを判定可能とする。
【0088】
この場合、報知制御部23は、報知制御のための端数処理を実行した残時間の端数処理値Qc、すなわち、赤色残時間の端数処理値Qc3を時間経過に従って減少させるカウント処理により得られる残時間のカウント処理値Rc、すなわち、赤色残時間のカウント処理値Rc3を報知するように報知装置11を制御する。さらに、駆動制御部24は、駆動制御のための端数処理を実行した残時間の端数処理値Qd、すなわち、赤色残時間の端数処理値Qd3を時間経過に従って減少させるカウント処理により得られる残時間のカウント処理値Rc、すなわち、赤色残時間のカウント処理値Rd3が0となったときに、車両10を発進させることができる状態とするように駆動装置12を制御する。
【0089】
情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが赤色であり、かつ駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にある場合に、部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である残時間の受信値Pの端数を切り上げるように報知制御のための端数処理を実行することができる。情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが赤色であり、かつ駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にある場合に、駆動制御のための端数処理を実行しないことができる。
【0090】
情報処理部22は、第1実施形態と同様に、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色である場合には、外残時間の受信値Pの端数を切り捨てるように報知制御のための端数処理を実行することができる。さらに、情報処理部22は、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色である場合には、駆動制御のための端数処理を実行しないことができる。しかしながら、点灯色の受信情報が青色又は黄色である場合において、報知制御のための端数処理は、これに限定されない。この場合に、報知制御のための端数処理は、第2又は第3実施形態と同様とすることもできる。
【0091】
本実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の詳細もまた、情報処理部22の端数処理の変更に関連する構成を除いて、第1実施形態に係る各種外部機器、車両10、及び車両運転支援装置20の詳細とそれぞれ同様である。このような車両10の報知装置11の表示出力部11aは、残時間のカウント処理値Rcに対応する残時間の出力値Ncを表示可能とする。具体的には、表示出力部11aは、青色残時間のカウント処理値Rc1に対応する青色残時間の出力値Nc1を表示可能とし、黄色残時間のカウント処理値Rc2に対応する黄色残時間の出力値Nc2を表示可能とし、かつ赤色残時間のカウント処理値Rc3に対応する赤色残時間の出力値Nc3を表示可能とする。
【0092】
「車両運転支援方法」
図8を参照して、本実施形態に係る車両運転支援方法について説明する。本実施形態に係る運転支援方法の概略は、第1実施形態に係る車両運転支援方法の概略と同様である。このような運転支援方法において、最初に、車両10の外部から送信される交通信号情報を受信する(工程S40)。受信された交通信号情報に含まれる残時間の受信値Pの端数処理を実行する(工程S41)。この工程S41では、受信された交通信号情報に含まれる点灯色の受信情報Lに合わせて端数処理を変更する。
【0093】
さらに、本実施形態に係る車両運転支援方法は、詳細には次のように行うことができる。工程S41において、点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2であるか否かを判定する(工程S42)。点灯色の受信情報Lが青色又は黄色受信情報L1,L2である場合(YES)、外部通信部2及び内部通信部21間の通信間隔の単位時間Jよりも小さな桁である青色又は黄色残時間の受信値P1,P2の端数を切り捨てるように報知制御のための端数処理を実行する(工程S43)。報知装置11が、この端数処理を実行した青色又は黄色残時間の端数処理値Qc1,Qc2に基づく青色又は黄色残時間のカウント処理値Rc1,Rc2を、青色又は黄色残時間の出力値Nc1,Nc2として報知する(工程S44)。その一方で、駆動制御のための端数処理は実行しない(工程S45)。駆動装置12は通常駆動する(工程S46)。
【0094】
点灯色判定工程S42において、点灯色の受信情報Lが青色及び黄色受信情報L1,L2のいずれでもない場合、すなわち、点灯色の受信情報Lが赤色受信情報L3である場合(NO)、赤色残時間の受信値P3の端数を切り上げるように報知制御のための端数処理を実行する(工程S47)。報知装置11が、この端数処理を実行した赤色残時間の端数処理値Qc3に基づく赤色残時間のカウント処理値Rc3を、赤色残時間の出力値Nc3として報知する(工程S48)。
【0095】
駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にあるか否かを判定する(工程S49)。駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にある場合(YES)、駆動制御のための端数処理は実行しない(工程S45)。駆動装置12は通常駆動する(工程S46)。工程S49において、駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にない場合(NO)、赤色残時間の受信値P3の端数を切り上げるように報知制御のための端数処理を実行する(工程S50)。駆動装置12が、この端数処理を実行した赤色残時間の端数処理値Qd3を時間経過に従って減少させるカウント処理により得られる赤色残時間のカウント処理値Rd3が0となったときに、車両10を発進させることができる状態となる(工程S51)。
【0096】
以上、本実施形態に係る車両運転支援装置20は、交通信号機1の点灯状態に従った車両10の運転支援を可能とする車両運転支援装置20であって、前記交通信号機1の点灯色、及び前記点灯色を次の点灯色に切り換えるまでの残時間を含み、かつ前記車両10の外部に位置する外部通信部2から送信される交通信号情報を受信可能とする内部通信部21と、前記内部通信部21により受信された前記交通信号情報に含まれる前記残時間の受信値Pの端数処理を実行可能とし、かつ前記端数処理を実行した前記残時間の端数処理値Qc,Qdを時間経過に従って減少させるカウント処理を実行可能とする情報処理部22と、前記内部通信部21により受信された前記交通信号情報に含まれる前記点灯色の受信情報Lに基づく指示と、前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値Rcとを前記車両10のドライバDに報知するように報知装置11を制御する報知制御を実行可能とする報知制御部23と、前記車両10の駆動力を調節するように前記車両10の駆動装置12を制御する駆動制御を実行可能とする駆動制御部24とを備え、前記点灯色の受信情報Lが赤色であり、かつ前記駆動装置12が前記車両10を発進させることができる状態にない場合に、前記情報処理部22は、前記残時間の受信値Pの端数を切り上げるように前記報知制御のための端数処理を実行し、かつ前記残時間の受信値Pの端数を切り捨てるように前記駆動制御のための端数処理を実行し、前記報知制御部23は、前記報知制御のための端数処理を実行した前記残時間の端数処理値Qcを時間経過に従って減少させる前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値Rdを報知するように前記報知装置11を制御し、かつ前記駆動制御部24は、前記駆動制御のための端数処理を実行した前記残時間の端数処理値Qdを時間経過に従って減少させる前記カウント処理により得られる前記残時間のカウント処理値Rdが0となったときに、前記車両10を発進させることができる状態とするように前記駆動装置12を制御する。
【0097】
このような運転支援装置20においては、点灯色の受信情報Lが赤色であり、かつ駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にない場合に、残時間の受信値Pの端数を切り捨てるように駆動制御のための端数処理が実行され、さらに、駆動制御のための端数処理を実行した残時間の端数処理値Qdを時間経過に従って減少させるカウント処理により得られる残時間のカウント処理値Rdが0となったときに、車両10を発進させることができる状態とするように駆動装置12を制御する。そのため、赤信号の次の青信号のように車両10の発進に関する信号に対応して、車両10をアイドリングストップ状態から復帰させる動作を早めることができる。
【0098】
また、点灯色の受信情報Lが赤色であり、かつ駆動装置12が車両10を発進させることができる状態にない場合に、残時間の受信値Pの端数を切り上げるように報知制御のための端数処理を実行し、さらに、報知制御のための端数処理を実行した残時間の端数処理値Qcを時間経過に従って減少させるカウント処理により得られる残時間のカウント処理値Rcを報知する。そのため、ドライバDが赤信号から青信号に切り換わる前に早まって車両10を発進させることを防止できる。
【0099】
さらに、赤信号から青信号に切り換わった直後では、車両10の周囲の移動物が車両10の進行区域からその外部への移動を終えていないおそれがある。これに対して、上述のように赤信号の次の青信号のように車両10の発進に関する信号に対応する報知を遅らせれば、このような移動が完全に終わった後にドライバDが余裕をもって、かつ安全に車両10を発進させることを促すことができる。よって、交通信号機1の点灯変化に適切に合わせた車両10の運転支援を行うことができる。
【0100】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。
【符号の説明】
【0101】
1…交通信号機、2…外部通信部
10…車両、11…報知装置、12…駆動装置
20…車両運転支援装置(運転支援装置)、21…内部通信部、22…情報処理部、23…報知制御部、24…駆動制御部
L…点灯色の受信情報、T…点灯色の暫定情報
P…残時間の受信値、Qa,Qb,Qc,Qd…残時間の端数処理値、Ra,Rb,Rc,Rd…残時間のカウント処理値、U…残時間の暫定値
J…通信間隔の単位時間
D…ドライバ
S11,S12,S21,S22,S31,S32,S41,S42…工程