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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】自在管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 27/02 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
F16L27/02 E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020201081
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2022088938
(43)【公開日】2022-06-15
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000128968
【氏名又は名称】株式会社オンダ製作所
(72)【発明者】
【氏名】永原 稔久
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-008389(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0934444(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0320806(US,A1)
【文献】実開平08-000525(JP,U)
【文献】特開2002-195472(JP,A)
【文献】特公昭51-004287(JP,B1)
【文献】特表2002-525514(JP,A)
【文献】実開昭58-178587(JP,U)
【文献】特開2005-299827(JP,A)
【文献】特開平09-060776(JP,A)
【文献】特開平08-170770(JP,A)
【文献】特開2020-056456(JP,A)
【文献】特開2004-197933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パイプを相対回動可能な状態で抜け止めする第1抜け止め機構を有した第1構成部材と、第2パイプを相対回動可能な状態で抜け止めする第2抜け止め機構を有した第2構成部材とが相対回動可能に連結されており、エルボ型管継手の態様とストレート型管継手の態様との間で変形が可能であり、
前記第1構成部材は、前記第1パイプが接続される第1継手部と、前記第2構成部材に連結される筒状の第1連結部と、前記第1継手部と前記第1連結部とを接続する第1屈曲部とを備えており、前記第2構成部材は、前記第2パイプが接続される第2継手部と、前記第1構成部材の前記第1連結部に挿入し連結され内部に直線状の流路が形成された第2連結部と、前記第2継手部と前記第2連結部とを接続する第2屈曲部とを備えており、前記第2連結部内の前記流路は直線状をなしており、
前記第1屈曲部の流路及び前記第2屈曲部の流路は、それぞれ流路の中心線がS字状に湾曲された円筒状をなしており、
前記第1屈曲部の前記流路は、前記第1継手部に接続された第1湾曲区間と、前記第1連結部に接続された第2湾曲区間と、当該第1湾曲区間と当該第2湾曲区間とを接続する直線区間とを備え、
前記第2屈曲部の前記流路は、前記第2継手部に接続された第1湾曲区間と、前記第2連結部の前記流路に接続された第2湾曲区間と、当該第1湾曲区間と当該第2湾曲区間とを接続する直線区間とを備えている自在管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エルボ型管継手の態様とストレート型管継手の態様との間で変形が可能な自在管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の自在管継手が、特許文献1において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平1-145493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の自在管継手は、エルボ型管継手の態様にて一方の管本体の姿勢が固定された状態では、他方の管本体の向きが限定されてしまう。したがって、一方の管本体に対してパイプを接続する際に、当該管本体と当該パイプとの互いに一致する中心軸線周りでの相対的な位置関係を考慮しておかないと、その後における他方の管本体に対するパイプの接続が困難となる問題があった。
【0005】
例えば、特許文献1の第1図において、一方の管本体1が同図の姿勢で固定された状態では、他方の管本体2の向きが図面下方に限られてしまう。したがって、自在管継手から図面の上方へと延ばす予定のパイプを、他方の管本体2の外端部4に対して接続することは困難であり、施工性に難があった。
【0006】
本発明の目的は、施工性に優れる自在管継手を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために請求項1の自在管継手は、第1パイプを相対回動可能な状態で抜け止めする第1抜け止め機構を有した第1構成部材と、第2パイプを相対回動可能な状態で抜け止めする第2抜け止め機構を有した第2構成部材とが相対回動可能に連結されており、エルボ型管継手の態様とストレート型管継手の態様との間で変形が可能である。
【0008】
請求項2の自在管継手は請求項1において、前記第1構成部材は、前記第1パイプが接続される第1継手部と、前記第2構成部材に連結される筒状の第1連結部と、前記第1継手部と前記第1連結部とを接続する第1屈曲部とを備えており、前記第2構成部材は、前記第2パイプが接続される第2継手部と、前記第1構成部材の前記第1連結部に挿入し連結され内部に直線状の流路が形成された第2連結部と、前記第2継手部と前記第2連結部とを接続する第2屈曲部とを備えており、前記第2連結部内の前記流路は直線状をなしている。
【0009】
請求項3の自在管継手は請求項2において、前記第1屈曲部の流路及び前記第2屈曲部の流路は、それぞれ直線区間を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自在管継手は、第1構成部材と第2構成部材とが相対回動可能となっており、エルボ型管継手の態様とストレート型管継手の態様との間で変形が可能である。また、自在管継手は、第1パイプを抜け止めした状態のままで、第1パイプに対して相対回動が可能であるとともに、第2パイプを抜け止めした状態のままで、第2パイプに対して相対回動が可能である。
【0011】
したがって、自在管継手は、例えば施工面等に回動不能に固定された第1パイプに接続した状態であっても、当該第1パイプに対して回動が可能であり、エルボ型管継手の態様(第2パイプは接続していない状態)にておいても第2構成部材の向きが限定されず、施工性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】エルボ型管継手の態様にある自在管継手の正面図。
図2】同じく自在管継手の背面図。
図3】同じく自在管継手の左側面図。
図4】同じく自在管継手の右側面図。
図5】同じく自在管継手の平面図。
図6】同じく自在管継手の底面図。
図7】同じく自在管継手の縦断面図。
図8】ストレート型管継手の態様にある自在管継手の正面図。
図9】同じく自在管継手の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を給水給湯用配管に用いられる自在管継手において具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1及び図8に示すように、自在管継手1は、エルボ型管継手の態様(図1に示す状態)と、ストレート型管継手の態様(図8に示す状態)との間で変形が可能な構成を備えている。
【0015】
図1図6に示すように、エルボ型管継手の態様をなす自在管継手1は、中心軸線L1,L2が互いに直交する位置関係にある第1パイプ101と第2パイプ102とを接続するために用いられる。図8に示すように、ストレート型管継手の態様をなす自在管継手1は、中心軸線L1,L2が互いに一致する位置関係にある第1パイプ101と第2パイプ102とを接続するために用いられる。なお、第1パイプ101及び第2パイプ102は、架橋ポリエチレンやポリブテン等の合成樹脂材料により形成されている。
【0016】
図7及び図9に示すように、自在管継手1は、第1構成部材11と第2構成部材21とを備えている。第1構成部材11と第2構成部材21とは、自在管継手1をエルボ型管継手の態様とストレート型管継手の態様との間で変形可能とすべく、相対回動可能に連結されている。
【0017】
第1構成部材11は、第1パイプ101が接続される第1継手部12と、第2構成部材21に連結された第1連結部13と、第1継手部12と第1連結部13とを接続する第1屈曲部14とを備えている。第2構成部材21は、第2パイプ102が接続される第2継手部22と、第1構成部材11の第1連結部13に連結された第2連結部23と、第2継手部22と第2連結部23とを接続する第2屈曲部24とを備えている。
【0018】
第1構成部材11の第1継手部12と第2構成部材21の第2継手部22とは、同一の構造を有しているため、第1継手部12についてのみ当該構造の説明をし、第2継手部22については、同一部材番号を付して説明を省略する。
【0019】
図7に示すように、第1継手部12は、円筒状をなす継手本体31と、同じく円筒状をなす押輪32とを備えている。継手本体31の内周面において押輪32側の領域には、雌ねじ31aが形成されている。押輪32の外周面において継手本体31側の領域には、雄ねじ32aが形成されている。押輪32は、雄ねじ32aが継手本体31の雌ねじ13aに螺合されることで、継手本体31に対して取り付けられている。押輪32が取り付けられた状態にて、継手本体31の内空間は、押輪32の中心に形成された挿通孔32bを介して、外方に開放されている。
【0020】
押輪32の外周面において、雄ねじ32aとは反対側(図面左方側)の領域には、雄ねじ32aよりも外径が大きなスパナ掛け32cが形成されている。押輪32の外周面において雄ねじ14aとスパナ掛け32cとの間には、収容溝32dが周方向に沿って形成されている。収容溝32dにはOリング41が収容されている。継手本体31と押輪32との間は、雄ねじ32aと雌ねじ31aとの螺合部分よりも外方において、Oリング41によってシールされている。
【0021】
継手本体31の内周面において、雌ねじ31aよりも奥側(図面右方側)には、係止段差31bが周方向に形成されている。係止段差31bは、押輪32の先端面(図面右方側の端面)に対して中心軸線L1の方向(図面左右方向)の前後で対向されている。係止段差31bと押輪32の先端面との間には、抜け止め部材としての一対のロックリング42が、相互間に円環状のスペーサ43を介在させた状態で係止されている。
【0022】
各ロックリング42は、ステンレス鋼等の金属材料製の円環状をなすベースリング42aと、ベースリング42aから継手本体31の奥側へ同一長さで一定の角度をもって突出する複数の規制片42bとを備えている。
【0023】
第1パイプ101の端部は、押輪32の挿通孔32bを介して継手本体31に挿入され、一対のロックリング42を挿通されている。一対のロックリング42に挿通された第1パイプ101に対して引き抜き力が作用された場合には、一対のロックリング42の各規制片42bの先端が第1パイプ101の外周面に対してそれぞれ食い込んで、第1パイプ101を抜け止めする。
【0024】
つまり、第1継手部12は、第1継手部12に対して第1パイプ101を挿入する作業のみで第1パイプ101を接続できる、ワンタッチ継手よりなる第1抜け止め機構を備えている。なお、第2構成部材21の第2継手部22は、第2抜け止め機構を備えていると把握できる。
【0025】
第1継手部12内において、一対のロックリング42及びスペーサ43は、継手本体31の係止段差31bと押輪32の先端面との間で、中心軸線L1の方向の前後に適度な隙間が確保されている。したがって、一対のロックリング42は、第1パイプ101を抜け止め保持した状態のまま、第1パイプ101とともに継手本体31及び押輪32に対して相対回動が可能となっている。
【0026】
第1パイプ101の端部にはインコア51が装着されている。インコア51は、第1パイプ101の端部に挿入される筒部51aと、筒部51aにおいて第1パイプ101への挿入側とは反対側の端部に形成された鍔部51bとを備えている。インコア51は、鍔部51bが第1パイプ101の端面に当接する位置まで、筒部51aが第1パイプ101に挿入されている。
【0027】
継手本体31の内周面において最奥には、位置決め面31cが周方向に形成されている。第1継手部12に対して挿入された第1パイプ101は、インコア51の鍔部51bが位置決め面31cに対して当接されることで、挿入位置が規定されている。
【0028】
継手本体31の内周面において、係止段差31bと位置決め面31cとの間の領域には、一対の収容溝31dが周方向に沿って形成されている。各収容溝31dには、それぞれOリング44が収容されている。継手本体31の内周面と、継手本体31に挿入された第1パイプ101の外周面との間は、各Oリング44によってシールされている。
【0029】
第1構成部材11の第1連結部13は円筒状をなしている。第1連結部13の中心軸線L3は、第1パイプ101の中心軸線L1すなわち第1継手部12の中心軸線L1に対して、なす角(小さい方の角)θ1を45度として交差されている。第1連結部13の内周面において第1屈曲部14とは反対側には、係合溝13aが周方向に沿って形成されている。第1連結部13の内周面において第1屈曲部14側の最奥には、位置決め面13bが周方向に沿って形成されている。
【0030】
第1構成部材11の第1屈曲部14は、流路14aの中心線がS字状に湾曲された円筒状をなしている。流路14aは、第1継手部12(第1パイプ101のインコア51)に接続された第1湾曲区間14a-1と、第1連結部13に接続された第2湾曲区間14a-2と、第1湾曲区間14a-1と第2湾曲区間14a-2とを接続する直線区間14a-3とを備えている。
【0031】
第1湾曲区間14a-1と第2湾曲区間14a-2と直線区間14a-3とは、相互にほぼ同一の内径(通過断面積)を有しており、当該内径は第1パイプ101に装着されたインコア51の内径とほぼ同じである。第1湾曲区間14a-1において第1継手部12(第1パイプ101)に臨む開口は、第1パイプ101に装着されたインコア51に向かって内径を徐々に大きくするテーパ状をなして、流路抵抗を低めている。
【0032】
直線区間14a-3の中心軸線L4は、第1連結部13の中心軸線L3に対して、なす角θ2を90度として交差されている。第1湾曲区間14a-1は、第1継手部12(第1パイプ101のインコア51)と直線区間14a-3とを滑らかに接続する。第2湾曲区間14a-2は、第1連結部13と直線区間14a-3とを滑らかに接続する。第2湾曲区間14a-2において第1連結部13の内空間に臨む開口は、当該内空間に向かって内径を徐々に大きくするテーパ状をなして、流路抵抗を低めている。
【0033】
第2構成部材21の第2連結部23は円筒状をなしている。第2連結部23内には直線状の流路23aが形成されている。流路23aにおいて第2連結部23の先端面(図面左方側の端面)での開口は、当該先端面に向かって内径を徐々に大きくするテーパ状をなして、流路抵抗を低めている。第2連結部23(流路23a)の中心軸線L5は、第2パイプ102の中心軸線L2すなわち第2継手部22の中心軸線L2に対して、なす角(小さい方の角)θ3を45度として交差されている。
【0034】
第2連結部23の外径は第1構成部材11の第1連結部13の内径よりも若干小さく、第2連結部23は第1連結部13に挿入されている。当該挿入状態にて、第1連結部13の中心軸線L3と第2連結部23の中心軸線L5とは一致されている。第1構成部材11の第1連結部13の内周面において、係合溝13aよりも先端側(図面右方側)の領域は、開口に向かうに連れて内径が大きくなるテーパ状をなしており、第1連結部13に対する第2連結部23の挿入を容易としている。第1連結部13の当該テーパ状に対する形状の整合を良好とするため、第2連結部23の外周面において基端側(図面右方側)の領域は、基端に向かうに連れて外径が大きくなるテーパ状をなしている。
【0035】
第2連結部23の基端の外周面には、フランジ23dが設けられている。第2連結部23の先端面が第1連結部13の位置決め面13bに対して当接されることで、また、第1連結部13の先端面が第2連結部23のフランジ23dに対して当接されることで、第1連結部13に対する第2連結部23の挿入位置が規定されている。
【0036】
第2連結部23の外周面において先端側の領域には、一対の収容溝23bが周方向に沿って形成されている。各収容溝23bには、それぞれOリング45が収容されている。第1連結部13の内周面と第2連結部23の外周面との間は、各Oリング45によってシールされている。
【0037】
第2連結部23の外周面において第2屈曲部24側の領域には、係合溝23cが周方向に沿って形成されている。係合溝23cは、第1構成部材11の第1連結部13が有する係合溝13aに臨んで配置されている。係合溝13aと係合溝23cとの間に形成された空間には、抜け止めリング46が収容されている。係合溝13aと係合溝23cとの間に抜け止めリング46が介在されることで、第1連結部13と第2連結部23とが中心軸線L3,L5の方向において相互に抜け止めされて、第1構成部材11と第2構成部材21とが、中心軸線L3,L5を中心とした相対回動が可能に連結されている。
【0038】
第2構成部材21の第2屈曲部24は、流路24aの中心線がS字状に湾曲された円筒状をなしている。流路24aは、第2継手部22(第2パイプ102のインコア51)に接続された第1湾曲区間24a-1と、第2連結部23の流路23aに接続された第2湾曲区間24a-2と、第1湾曲区間24a-1と第2湾曲区間24a-2とを接続する直線区間24a-3とを備えている。
【0039】
流路24aの中心線の長さは、第1構成部材11の第1屈曲部14が有する流路14aの中心線の長さと同じである。第1湾曲区間24a-1の長さは、第1構成部材11の第1屈曲部14が有する第1湾曲区間14a-1の長さと同じである。第2湾曲区間24a-2の長さは、第1構成部材11の第1屈曲部14が有する第2湾曲区間14a-2の長さと同じである。直線区間24a-3の長さは、第1構成部材11の第1屈曲部14が有する直線区間14a-3の長さと同じである。直線区間14a-3及び直線区間24a-3の長さは、第2連結部23の流路23aの長さよりも短い。
【0040】
流路24aにおいて、第1湾曲区間24a-1と第2湾曲区間24a-2と直線区間24a-3とは、相互にほぼ同一の内径(通過断面積)を有しており、当該内径は第2パイプ102に装着されたインコア51の内径とほぼ同じである。第1湾曲区間24a-1において第2継手部22(第2パイプ102)に臨む開口は、第1構成部材11の第1湾曲区間14a-1と同様に、第2パイプ102に装着されたインコア51に向かって内径を徐々に大きくするテーパ状をなして、流路抵抗を低めている。
【0041】
直線区間24a-3の中心軸線L6は、第2連結部23の中心軸線L5に対して、なす角θ4を90度として交差されている。第1湾曲区間24a-1は、第2継手部22(第2パイプ102のインコア51の内空間)と直線区間24a-3とを滑らかに接続する。第2湾曲区間24a-2は、第2連結部23の流路23aと直線区間24a-3とを滑らかに接続する。
【0042】
自在管継手1においては、第1パイプ101(インコア51)から第1構成部材11へと流入された湯水は、流路14aを介して第2構成部材21の流路23aへと至り、流路23aから流路24aを介して第2パイプ102(インコア51)へと流出される。自在管継手1においては、第2パイプ102(インコア51)から第2構成部材21へと流入された湯水は、流路24a及び流路23aを介して第1構成部材11の流路14aへと至り、流路14aから第1パイプ101(インコア51)へと流出される。自在管継手1は、何れの流通方向においても相当管長(圧力損失)に相違が無いように各流路14a,23a,24aが設定されて、施工時における方向性が排除されている。
【0043】
上記実施形態においては次のような作用効果を奏する。
(1)自在管継手1は、第1構成部材11と第2構成部材21とが中心軸線L3,L5を中心とした相対回動が可能となっており、エルボ型管継手の態様とストレート型管継手の態様との間で変形が可能である。また、自在管継手1においてロックリング42を除く部分は、第1パイプ101を抜け止めした状態のままで、中心軸線L1を中心として第1パイプ101に対して相対回動が可能であるとともに、第2パイプ102を抜け止めした状態のままで、中心軸線L2を中心として第2パイプ102に対して相対回動が可能である。
【0044】
したがって、自在管継手1は、例えば施工面等に回動不能に固定された第1パイプ101に接続した状態であっても、当該第1パイプ101に対して回動が可能であり、エルボ型管継手の態様(第2パイプ102は接続していない状態)にておいても第2連結部23の向きが限定されず、第1パイプ101を接続する際に当該向きを考慮する必要がなくて、施工性に優れる。
【0045】
(2)第2連結部23内の流路23aは直線状をなしている。したがって、第2連結部23及び第2連結部23に連結される第1連結部13を、それぞれ中心軸線L3方向に長い直円筒状とすることができる。よって、第1連結部13と第2連結部23との連結が確実となり、例えば第1構成部材11と第2構成部材21との相対回動を安定的に行い得る。特に、流路23aの長さは、第1屈曲部14の直線区間14a-3及び第2屈曲部24の直線区間24a-3の長さよりも長いため、第1連結部13及び第2連結部23をより長い直円筒状とすることでき、第1構成部材11と第2構成部材21との相対回動をより安定的に行い得る。
【0046】
(3)第1構成部材11の第1屈曲部14及び第2構成部材21の第2屈曲部24は、それぞれ直線区間14a-3,24a-3を有している。したがって、第1屈曲部14及び第2屈曲部24は、直線区間14a-3,24a-3が介在する分だけ、第1湾曲区間14a-1,24a-1及び第2湾曲区間14a-2,24a-2の曲率半径を小さくできる。
【0047】
よって、第1連結部13を中心軸線L1に寄せて配置できるとともに、第2連結部23を中心軸線L2に寄せて配置でき、例えば自在管継手1をストレート型管継手の態様とした場合において、中心軸線L1,L2の径方向における第1連結部13及び第2連結部23の突出を抑えることができ、自在管継手1の側面視における投影面積を小さくできて、当該自在管継手1を壁等の挿通孔へ通し易くなり、より施工性が向上される。
【0048】
(別例)
前記実施形態は次のように変更してもよい。
(1)第1屈曲部14から、直線区間14a-3を削除するとともに、第2屈曲部24から直線区間24a-3を削除すること。
【0049】
(2)第1屈曲部14から第1湾曲区間14a-1及び直線区間14a-3を削除して、第1継手部12と第1連結部13とを第2湾曲区間14a-2のみで接続するとともに、第2屈曲部24から第1湾曲区間24a-1及び直線区間24a-3を削除して、第2継手部22と第2連結部23とを第2湾曲区間24a-2のみで接続すること。
【0050】
(3)第1屈曲部14から第2湾曲区間14a-2及び直線区間14a-3を削除して、第1継手部12と第1連結部13とを第1湾曲区間14a-1のみで接続するとともに、第2屈曲部24から第2湾曲区間24a-2及び直線区間24a-3を削除して、第2継手部22と第2連結部23とを第1湾曲区間24a-1のみで接続すること。
【0051】
(4)第1連結部13の内周面を凹球面状とするとともに、第2連結部23の外周面を凸球面状とすることで、第1連結部13と第2連結部23との連結部分をボールジョイント構造とすること。このようにすれば、第1構成部材11と第2構成部材21とは、中心軸線L3,L5以外の中心軸線を中心として相対回動することもでき、自在管継手1はより多くの態様に変形が可能となる。
【0052】
(5)第2連結部23内の流路23aの長さを、第1屈曲部14の直線区間14a-3及び第2屈曲部24の直線区間24a-3の長さよりも短くすること。
【0053】
(6)第2連結部23内の流路23aの長さを、第1屈曲部14の直線区間14a-3及び第2屈曲部24の直線区間24a-3の長さと同じとすること。
【0054】
(7)第2連結部23内の流路23aを湾曲状とすること。
【0055】
(付記)
前記実施形態から把握できる技術的思想について記載すると、前記第2連結部内の前記流路の長さは、前記第1屈曲部の前記直線区間及び前記第2屈曲部の前記直線区間の長さよりも長い請求項3に記載の自在管継手。
【符号の説明】
【0056】
1…自在管継手
11…第1構成部材
12…第1継手部
13…第1連結部、13a…係合溝、13b…位置決め面
14…第1屈曲部、14a…流路、14a-1…第1湾曲区間、14a-2…第2湾曲区間、14a-3…直線区間
21…第2構成部材
22…第2継手部
23…第2連結部、23a…流路、23b…収容溝、23c…係合溝、23d…フランジ
24…第2屈曲部、24a…流路、24a-1…第1湾曲区間、24a-2…第2湾曲区間、24a-3…直線区間
31…継手本体、31a…雌ねじ、31b…係止段差、31c…位置決め面、31d…収容溝
32…押輪、32a…雄ねじ、32b…挿通孔、32c…スパナ掛け、32d…収容溝
41…Oリング
42…ロックリング、41a…ベースリング、41b…規制片
43…スペーサ
44…Oリング
45…Oリング
46…抜け止めリング
51…インコア、51a…筒部、51b…鍔部
101…第1パイプ
102…第2パイプ
L1…第1パイプ及び第1継手部の中心軸線
L2…第2パイプ及び第2継手部の中心軸線
L3…第1連結部の中心軸線
L4…直線区間14a-3の中心軸線
L5…第2連結部の中心軸線
L6…直線区間24a-3の中心軸線
θ1~θ4…なす角
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9