(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】運動補助装置
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
A61H3/00 B
(21)【出願番号】P 2022180570
(22)【出願日】2022-11-10
(62)【分割の表示】P 2020504719の分割
【原出願日】2018-08-22
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2017-0106684
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】508224890
【氏名又は名称】リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション ソンギュングァン ユニバーシティ
【住所又は居所原語表記】2066, Seobu-ro, Jangan-gu Suwon-si Gyeonggi-do 16419 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ビョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンフン
(72)【発明者】
【氏名】ノ,セゴン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンベク
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンウォン
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ジョンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ヒョックヨル
(72)【発明者】
【氏名】チェー,ヒョンド
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-059797(JP,A)
【文献】特開2011-131025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0226048(US,A1)
【文献】特開2018-192571(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034128(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02-3/00
B25J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの腰に着用される近位支持部と、
前記近位支持部の一方の側に配置されたアクチュエータと、
内部に摺動空間が形成され、前記ユーザの太ももを支持するための力伝達フレームと、
前記摺動空間内で摺動自在なスライダと、
前記アクチュエータと前記スライダとを接続し、前記近位支持部に対して、
2つの異なる回転軸周りに回転自在な駆動フレームと、
前記力伝達フレーム及びスライダを連結する複数の弾性部材と、
を含み、
前記アクチュエータは、前記
2つの異なる回転軸のうちの一方の軸周りの回転を駆動可能であり、
前記アクチュエータと前記駆動フレームとの間に配置されたヒンジが前記
2つの異なる回転軸のうちの他方の軸周りの回転を可能にし、前記他方の軸周りの回転は、ユーザの股関節の内転/外転の方向に相当し、
前記スライダは、前記近位支持部側から前記スライダ側に延在する方向及び、前記延在する方向に交差する方向における、前記力伝達フレームと前記駆動フレームとの間の相対的動作を可能にする、
運動補助装置。
【請求項2】
前記複数の弾性部材のうち少なくとも1つの弾性部材は、前記力伝達フレームの延在面における中心及び前記スライダの間の距離が変化する場合に引っ張られ又は圧縮される、請求項1に記載の運動補助装置。
【請求項3】
前記スライダは、
前記摺動空間内に位置するボディプレートと、
前記ボディプレートの前面及び後面のうち少なくとも1つに取り付けられる少なくとも1つのスリッププレートを含む、請求項1に記載の運動補助装置。
【請求項4】
前記スリッププレートは、前記スリッププレートと前記力伝達フレームとの間で発生する摩擦を低減させるための摩擦低減部を含む、請求項3に記載の運動補助装置。
【請求項5】
前記スライダ及び前記駆動フレームのいずれか1つは、前記スライダ及び前記駆動フレームを連結する連結部材を含む、請求項1乃至4いずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項6】
前記力伝達フレームは、前記連結部材が貫通する開口を含む、請求項5に記載の運動補助装置。
【請求項7】
前記力伝達フレーム及び前記スライダは、前記開口の貫通方向において少なくとも一部がオーバラップする、請求項6に記載の運動補助装置。
【請求項8】
前記力伝達フレーム及び前記スライダは一方向に曲がった形状を有する、請求項1乃至7いずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項9】
前記力伝達フレームは前記ユーザの太ももを取り囲む方向に曲がった形状を有する、請求項1乃至8いずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項10】
前記スライダ及び前記摺動空間の厚さは一定であり、
前記力伝達フレームの曲率と前記スライダの曲率は同一である、請求項8又は9に記載の運動補助装置。
【請求項11】
前記スライダは、前記摺動空間内で互いに交差する2つの方向に2自由度の動きが可能である、請求項1乃至10いずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項12】
前記力伝達フレームの両側に脱着自在なストラップをさらに含む、請求項1乃至11いずれか1項に記載の運動補助装置。
【請求項13】
前記力伝達フレームは、前記力伝達フレームの両側サイドから突出形成されるストラップ連結部を含み、
前記ストラップは、前記ストラップの長手方向に沿って離隔形成され、前記ストラップ連結部に係止可能な複数のストラップ溝を含む、請求項12に記載の運動補助装置。
【請求項14】
前記駆動フレームと前記スライダとの間に作用する力又はトルクを検出するためのセンサと、
前記センサで測定された情報に基づいて前記アクチュエータを制御可能な制御部をさらに含む、請求項1乃至13いずれか1項に記載の運動補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は運動補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会が深刻化するにつれ、関節の問題で痛みと不便を訴える人が増加しており、関節の不自由な老人や患者の歩行を補助する運動補助装置に対する関心が高まっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、運動補助装置は、内部に摺動空間が形成され、ユーザの遠位部分を支持するための力伝達フレームと、前記摺動空間内で摺動自在なスライダと、前記スライダに連結され、前記ユーザの近位部分に対して回転自在な駆動フレームと、を含む。
【0004】
前記運動補助装置は、前記力伝達フレーム及びスライダを連結する複数の弾性部材をさらに含み得る。
【0005】
前記複数の弾性部材のうち少なくとも1つの弾性部材は、前記力伝達フレームの中心及び前記スライダの間の距離が変化する場合に引っ張られ又は圧縮され得る。
【0006】
前記スライダは、前記摺動空間内に位置するボディプレートと、前記ボディプレートの前面及び後面のうち少なくとも1つに取り付けられる少なくとも1つのスリッププレートを含み得る。
【0007】
前記スリッププレートは、前記スリッププレートと前記力伝達フレームとの間で発生する摩擦を低減させるための摩擦低減部を含み得る。
【0008】
前記スライダ及び前記駆動フレームのいずれか1つは、前記スライダ及び前記駆動フレームを連結する連結部材を含み得る。
【0009】
前記力伝達フレームは、前記連結部材が貫通する開口を含み得る。
【0010】
前記力伝達フレーム及び前記スライダは、前記開口の貫通方向において少なくとも一部がオーバラップされ得る。
【0011】
前記力伝達フレーム及び前記スライダは一方向に曲がり得る。
【0012】
前記力伝達フレームは前記ユーザの遠位部分を取り囲む方向に曲がり得る。
【0013】
前記スライダ及び前記摺動空間の厚さは一定であり、前記力伝達フレームの曲率と前記スライダの曲率は同一であり得る。
【0014】
前記スライダは、前記摺動空間内で互いに交差する2つの方向に2自由度の動きが可能である。
【0015】
前記力伝達フレームの両側に脱着自在なストラップをさらに含み得る。
【0016】
前記力伝達フレームは、両側サイドから突出形成されるストラップ連結部を含み、前記ストラップは、前記ストラップの長手方向に沿って離隔形成され、前記ストラップ連結部に挟まれる複数のストラップ溝を含み得る。
【0017】
前記運動補助装置は、前記駆動フレームの一端に連結され、前記駆動フレームを駆動するアクチュエータをさらに含み得る。
【0018】
前記運動補助装置は、前記駆動フレームと前記スライダとの間に作用する力又はトルクを検出するためのセンサと、前記センサで測定された情報に基づいて前記アクチュエータを制御可能な制御部をさらに含み得る。
【0019】
前記遠位部分は前記ユーザの太ももであり、前記近位部分は、前記ユーザの腰及び骨盤のうち少なくとも1つであり得る。
【0020】
一実施形態に係る運動補助装置は、ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、内部に摺動空間が形成され、ユーザの遠位部分を支持するための力伝達フレームと、前記摺動空間内で摺動自在なスライダと、前記スライダに連結され、前記近位支持部に対して相対的に回転自在な駆動フレームを含む。
【0021】
前記スライダは、前記摺動空間内で互いに交差する2つの方向に2自由度の動き可能である。
【0022】
前記運動補助装置は、前記近位支持部に対して前記駆動フレームを第1軸を中心に回転させるためのアクチュエータと、前記近位支持部に対して、前記駆動フレームを前記第1軸と交差する第2軸を中心に回転させるためのヒンジをさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ユーザが一実施形態に係る運動補助装置を着用した形状を示す図である。
【
図2】ユーザが太ももの屈曲(flexion)又は伸展(extension)運動を行うとき、股関節中心が矢状面(sagittal plane上で移動することを示す図である。
【
図3A】ユーザと運動補助装置それぞれの関節が冠状面(frontal plane)上で不一致(misalignment)していることを示す図である。
【
図3B】ユーザと運動補助装置それぞれの関節が冠状面(frontal plane)上で不一致(misalignment)していることを示す図である。
【
図4】一実施形態に係る運動補助装置の斜視図である。
【
図5】一実施形態に係る運動補助装置の分解斜視図である。
【
図6A】一実施形態に係るスライダが力伝達フレームに連結されている形状を示す図である。
【
図6B】一実施形態に係るスライダが力伝達フレームに連結されている形状を示す図である。
【
図6C】一実施形態に係るスライダが力伝達フレームに連結されている形状を示す図である。
【
図7A】
図4に示す切断線VII-VIIに沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。
【
図7B】
図4に示す切断線VII-VIIに沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。
【
図7C】
図4に示す切断線VII-VIIに沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。
【
図8A】
図4に示す切断線VIII-VIII’に沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。
【
図8B】
図4に示す切断線VIII-VIII’に沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。
【
図8C】
図4に示す切断線VIII-VIII’に沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態を例示的な図面を介して説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加する際には、同じ構成要素について他の図面上に表示されている場合は、可能な限り同じ符号を有するようにしていることに留意されたい。また、実施形態の説明において、関連する公知構成又は機能に対する具体的な説明が実施形態に対する理解を妨げるものと考えられる場合はその詳細な説明は省略する。
【0025】
また、実施例の構成要素の説明において、第1,第2,A,B,(a),(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語によって該当の構成要素の本質や順番又は順序などが限定されることはない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」,「結合」又は「接続」されたと記載される場合、その構成要素は、その、他の構成要素に直接的に連結又は接続され得ると理解することもできるし、各構成要素の間に更なる構成要素が「連結」,「結合」又は「接続」され得ると理解することもできる。
【0026】
図1は、一実施形態に係る運動補助装置を着用したユーザの形状を示す図であり、
図2は、ユーザが太ももの屈曲又は伸展運動を行うとき、股関節の中心が矢状面(sagittal plane)上で移動することを示す図であり、
図3は、ユーザと運動補助装置それぞれの関節が冠状面(frontal plane)上で不一致(misalignment)であることを示す図である。
【0027】
図1~
図3を参照すると、一実施形態に係る運動補助装置1は、ユーザに着用されてユーザの運動を補助する。ユーザは、人体、動物又はロボットなどであってもよく、これに制限されることはない。運動補助装置1は、遠位支持部10(distal support)と、近位支持部20(proximal support)と、近位支持部10に対して相対的に遠位支持部10を動かせる駆動フレーム12と、駆動フレーム12を駆動可能なアクチュエータ19と、アクチュエータ19と駆動フレーム12を連結するヒンジ18を含む。
【0028】
遠位支持部10及び近位支持部20は、ユーザの一部分を基準にして互いに反対側に配置し、各々遠位部分(distal part)及び近位部分(proximal part)を支持する。遠位部分はユーザの太ももであってもよく、近位部分はユーザの腰及び/又は骨盤であってもよい。例えば、遠位支持部10は太ももを支持し、近位支持部20は太ももの上部分、例えば、腰及び/又は骨盤などを支持する。例えば、遠位支持部10は、ユーザの太ももを全体的に支持するための取付け式ベルトを含み、近位支持部20は、ユーザの腰及び/又は骨盤を全体的に支持するための取付け式ベルトを含む。
【0029】
異なる例として、遠位支持部10は、例えば、前腕(forearm)などを支持し、近位支持部20は、例えば、肩及び/又は背中(back)などを支持してもよい。例えば、遠位支持部10は、ユーザの前腕を全体的に支持するための取付け式ベルトを含んだり、前腕を全体的に取り囲む構造を含んでもよく、近位支持部20は、ユーザの肩を全体的に支持するための取付け式ベルトを含んでもよい。以下、説明の便宜のために、遠位支持部10がユーザの太ももを支持する状態を基準にして説明することにする。遠位支持部10が支持する位置は、これに制限されない。
【0030】
図2を参照すると、ユーザが股関節を中心に太ももの曲げ運動を行う間に、ユーザの股関節中心は、第1位置j1から第2位置j2まで移動する。股関節中心が第1位置j1から第2位置j2まで移動する間、股関節中心から遠位支持部10までの長さは、第1長さl1から第2長さl2まで増加することになる。一実施形態に係る運動補助装置は、駆動フレーム12と遠位支持部10との間の相対運動を実現することによって、上述したように股関節中心と遠位支持部10との間で発生する長さ変化を補償することができる。後述するように、遠位支持部10は、ユーザの遠位部分に沿って股関節に向かう方向へ滑らず、股関節中心から遠位支持部10の間の距離は変わり得る。
【0031】
図3を参照すると、
図3は、ユーザと運動補助装置それぞれの関節は冠状面(frontal plane)上で不一致である。例えば、ユーザが太ももの内転(adduction)又は外転(abduction)運動を行う中心軸A1と、駆動フレーム12の回転運動中心軸A2のヒンジ18は、冠状面上で互いに離隔している。このような構造により、遠位支持部10は、ユーザの遠位部分に摩擦力を作用させながら股関節から遠ざかる方向に滑り、ユーザはこれによって不便さを感じる。一実施形態に係る運動補助装置は、駆動フレーム12と遠位支持部10との間の相対運動を実現することで、遠位支持部10がユーザの遠位部分に摩擦力を作用させてユーザの着用感を低下させる問題を減らし得る。後述するように、遠位支持部10は、ユーザの遠位部分に沿って股関節に向かう方向に動かず、股関節中心から遠位支持部10の間の距離は変わり得る。
【0032】
まとめると、本発明の一実施形態によれば、駆動フレーム12と遠位支持部10との間の相対的な運動が実現され得るため、股関節中心と遠位支持部10との間の長さの変化を補償することができる。これにより、ユーザが感じる不便さを解消することができる。駆動フレーム12と遠位支持部10との間の相対的な運動を実現する手段については以下で例示的に説明することにする。
【0033】
図4は、一実施形態に係る運動補助装置の斜視図であり、
図5は、一実施形態に係る運動補助装置の分解斜視図である。
【0034】
図4及び
図5を参照すると、運動補助装置1は、力伝達フレーム11、スライダ13、駆動フレーム12、弾性部材14、ストラップ15、ヒンジ18及びアクチュエータ19を含む。力伝達フレーム11及びストラップ15は、ユーザの遠位部分を支持可能な遠位支持部10(
図1参照)に含まれる構成として理解される。
【0035】
力伝達フレーム11は、内部に摺動空間を形成する。力伝達フレーム11は、前方カバー111、後方カバー112、摺動空間113(
図7A参照)、開口114及びストラップ連結部115を含む。
【0036】
前方カバー111及び後方カバー112それぞれの枠部分は、例えば、ねじ結合される。前方カバー111及び後方カバー112のうち少なくとも1つは、前記枠部分の中心側に、前方又は後方に突出して膨らんだ形状を有している。前記膨らんだ形状は、前方カバー111及び後方カバー112が結合した時、摺動空間113(
図7A参照)を形成する。例えば、前方カバー111の後面と後方カバー112の前面とが接触するとき、前方カバー111の膨らんでいる形状の後面と後方カバー112の前面とに取り囲まれる空間を摺動空間113という。
【0037】
後方カバー112は、ユーザの遠位部分に接触する。後方カバー112は、ユーザの遠位部分を安定的に支持するため、遠位部分に対応して曲がったプレートであってもよい。このような形状に応じて、後方カバー112とユーザの遠位部分との間の接触面積は増加し、ユーザの遠位部分をより安定的に支持することができる。後方カバー112の後面はユーザの遠位部分と接触し、後方カバー112の前面は前方カバー111と接触する。後方カバー112は、ユーザの遠位部分に密着し得るため、運動補助装置1がユーザから突出する高さを減らすことで、全体の運動補助装置1を小型化することができる。また、後方カバー112と遠位部分との間の密着により駆動遊隙を最小化することができる。
【0038】
後方カバー112の裏面には、摩擦部材(図示せず)が備えられてもよい。摩擦部材は、後方カバー112がユーザの遠位部分上で滑ることを防止する。
【0039】
前方カバー111は、後方カバー112に結合される。前方カバー111は、摺動空間113を形成するために膨らんでいる形状を備えてもよい。前記膨らんでいる形状は、前方カバー111の中央に形成される。
【0040】
本願の図面において、前方カバー111が膨らんでいる形状を備えるものと図示され、後方カバー112は平らなプレート形状であると図示されているが、これに制限されない。例えば、後方カバー112がユーザの遠位部分に向かって突出して膨らんだ形状を備え、前方カバー111は平たいプレート形状であってもよい。異なる例で、後方カバー112がユーザの遠位部分に向かって突出して膨らんだ形状を備え、前方カバー111もユーザの遠位部分から遠ざかる方向に突出して膨らんだ形状を備えてもよい。
【0041】
摺動空間113(
図7Aを参照)は、前方カバー111及び後方カバー112の間に形成される空間として理解される。後方カバー112の表面から前方カバー111までの垂直距離を摺動空間113の厚さとするとき、摺動空間113の厚さは均一(uniform)である。
【0042】
開口114は、前方カバー111の主面に形成される。摺動空間113の内部に配置されるスライダ13は、開口114を通過する連結部材16(
図7A参照)によって駆動フレーム12に連結される。
【0043】
ストラップ連結部115は、力伝達フレーム11の両側サイドから突出形成される。例えば、ストラップ連結部115は、力伝達フレーム11の両側サイド端部からユーザの遠位部分から遠ざかる方向に突出した後、開口114に向かって曲げられる形状である。ストラップ連結部115には、ストラップ15が連結される。
【0044】
スライダ13は、摺動空間113(
図7A参照)内で摺動自在である。スライダ13は、摺動空間113に沿ってユーザの遠位部分の長手方向に対応する方向に動作自在である。また、スライダ13は、摺動空間113に沿ってユーザの遠位部分の長手方向に交差する方向に動作自在である。言い換えれば、スライダ13は、摺動空間113内で交差している2つの方向に2自由度の動きが可能である。
【0045】
スライダ13と摺動空間113(
図7A参照)の厚さは均一であり得る。このように、スライダ13と摺動空間113の厚さが均一である場合、スライダ13は、摺動空間113内で係止されることなく円滑に移動することができる。
【0046】
駆動フレーム12は、スライダ13とアクチュエータ19を連結する。アクチュエータ19は、第1軸a1を中心に駆動フレーム12を回転させることができる。例えば、アクチュエータ19がユーザの近位支持部20(
図1参照)に配置される場合、駆動フレーム12は、ユーザの近位支持部20に対して回転自在である。また、駆動フレーム12とアクチュエータ19との間にはヒンジ18が配置される。ヒンジ18は、アクチュエータ19を、第2軸a2を中心に回転させることができる。また、ヒンジ18は、アクチュエータ19の動作によって第1軸a1を中心に駆動フレーム12と共に回転自在である。第2軸a2は、第1軸a1と交差する。言い換えれば、駆動フレーム12は、互いに交差している2つの軸a1、a2を中心に2自由度で回転する。このような構造によると、駆動フレーム12は、太ももの屈曲又は伸展運動だけでなく、太ももの内転又は外転運動に順応して回転することができる。
【0047】
駆動フレーム12は曲がった形状を含む。例えば、駆動フレーム12のうちアクチュエータ19に連結される部分は、ユーザの側面を取り囲み、駆動フレーム12のうちスライダ13に連結される部分は、ユーザの前面を取り囲むように曲がった形状である。このような構造により、駆動フレーム12は、ユーザの遠位部分に冠状面に対する法線方向の力(normal force)を伝達する。駆動フレーム12は、ユーザの遠位部分に法線方向の力を伝達することで、ユーザの太ももの屈曲又は伸展運動を効率よく補助することができる。
【0048】
力伝達フレーム11及びスライダ13は、開口114の貫通方向において少なくとも一部がオーバラップする。例えば、スライダ13の枠部分は、力伝達フレーム11とオーバラップする。スライダ13が摺動空間113(
図7Aを参照)内で一方向に最大に摺動したとしても、スライダ13の両側は、少なくとも一部が力伝達フレーム11にオーバラップする。スライダ13の両側とは、連結部材16(
図6A)を基準にして相対向して位置する2つの側面を意味する。例えば、スライダ13の左側面及び右側面の少なくとも一部は、力伝達フレーム11にオーバラップする。スライダ13のうち力伝達フレーム11とオーバラップする部分は、力伝達フレーム11に力又はトルクを伝達する。
【0049】
力伝達フレーム11及びスライダ13は、一方向に曲がった形状を含む。例えば、ユーザの遠位部分との接触面積を増やすために、力伝達フレーム11は、ユーザの遠位部分を取り囲むように曲がった形状を含む。例えば、後方カバー112と、前方カバー111の膨らんでいる部分は曲がったプレート形状を含み、後方カバー112と前方カバー111との間の空間である摺動空間113(
図7Aを参照)は曲がった形状を含む。このような構造によると、力伝達フレーム11は、ユーザの脚の周縁に適合する形状に、すなわち、突出の高さを最小化することのできる形状に製造可能であり、スライダ13の摺動を実現することができる。
【0050】
スライダ13は、力伝達フレーム11の曲率と同じ曲率を有する曲がった形状であってもよい。このような構造によると、スライダ13は、曲がった摺動空間113内で円滑に摺動自在である。また、スライダ13が摺動空間113内で回転運動せずに並進運動(translational motion)することで、不要な運動自由度が除去され、機器的な安定性が向上することができる。
【0051】
例えば、スライダ13は、摺動空間113内で2自由度に動くことができる。例えば、スライダ13は、摺動空間113の長手方向及び幅方向に摺動する。ここで、摺動空間113の長手方向とは、
図6Aを基準にして上下方向を意味し、摺動空間113の幅方向とは、
図6Aを基準にして左右方向を意味する。
【0052】
スライダ13と摺動空間113とが曲がった形状である場合、スライダ13の回転は制限される。この場合、スライダ13は駆動フレーム12と一体に動き、スライダ13と力伝達フレーム11との間の相対的な回転が制限されるため、駆動フレーム12が第2軸a2を中心に回転するとき、力伝達フレーム11は、駆動フレーム12と共に第2軸a2を中心に回転する。言い換えれば、スライダ13及び力伝達フレーム11の間の相対的な回転が制限されることで、力伝達フレーム11は、駆動フレーム12に対して滑ることなく、第2軸a2を中心に回転する。
【0053】
複数の弾性部材14は、力伝達フレーム11及びスライダ13を連結する。複数の弾性部材14は弾性を有する素材であってもよい。例えば、複数の弾性部材14は、弾性バンド又はばねであってもよい。複数の弾性部材14のうち少なくとも1つ以上の弾性部材は、スライダ13が力伝達フレーム11の中心から遠ざかるほど引っ張られ又は圧縮される。例えば、
図5を参照すると、スライダ13の主面が略四角形状であるとき、複数の弾性部材14の一端はスライダ13の各頂点に連結される。スライダ13の形状と複数の弾性部材14の連結位置は、これに限定されない。
【0054】
複数の弾性部材14は、スライダ13に外力が印加されない場合、スライダ13を初期位置に復帰させる。例えば、スライダ13の初期位置が力伝達フレーム11の中央である場合、複数の弾性部材14のうち少なくとも1つの弾性部材は、スライダ13が力伝達フレーム11の中央から遠ざかるとき伸ばされることで、スライダ13を初期位置に引っ張る引張力をスライダ13に作用することができる。
【0055】
アクチュエータ19は駆動フレーム12の一端に連結され、駆動フレーム12を駆動させることができる。アクチュエータ19は、近位支持部20(
図1を参照)の一側に配置される。アクチュエータ19は、駆動フレーム12を、第1軸a1を中心に回転させることができる。
【0056】
ストラップ15は、力伝達フレーム11の両側に脱着自在である。ストラップ15は長さ調整が可能である。例えば、ストラップ15は長さ調整部を備えたり、弾性素材から構成されてもよい。ストラップ15は、ストラップ15の長手方向に沿って離隔して形成される複数のストラップ溝155を備える。ストラップ溝155は、力伝達フレーム11の両側サイドに形成されるストラップ連結部115に係止する。ユーザは、複数のストラップ溝155のうち、ストラップ連結部115に係止されるストラップ溝155を選択することによって、遠位支持部10(
図1を参照)の周縁を調整することができる。このような構造によると、遠位支持部10は、ユーザの体に合わせることができ、ユーザは一つの手だけでも容易に遠位支持部10の周縁を調整できる。ストラップ15は、ユーザの太ももが曲げ運動を行うとき、太ももの後方をおす。
【0057】
ストラップ15の内周面には摩擦部材(図示せず)が備えられる。摩擦部材は、ストラップ15がユーザの遠位部分上で滑ることを防止する。
【0058】
一実施形態に係る運動補助装置1は、センサ(図示せず)及び制御部(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0059】
センサは、駆動フレーム12とスライダ13との間に作用する力又はトルクを検出する。例えば、センサは、駆動フレーム12とスライダ13との間に配置されたり、スライダ13と力伝達フレーム11との間に配置されてもよい。センサの位置はこれに限定されない。例えば、センサは、ひずみゲージを用いたFTセンサ(force-torque-sensor)であってもよい。
【0060】
制御部は、センサで測定された情報に基づいてアクチュエータ19を制御する。例えば、制御部は遠位支持部に配置される。制御部の位置はこれに限定されない。制御部は、ユーザに印加される力を最適化することができる。例えば、アクチュエータ19で生成された動力は、力伝達フレーム11に伝えられる過程で減少されてもよい。例えば、制御部は、センサで測定された力又はトルクが、ユーザの歩行に最も適した形状で補助するための大きさよりも小さい場合、アクチュエータ19がさらに高いトルクを生成するように制御する。また、制御部は、ユーザの関節に無理な力又はトルクが印加されることを防止する。例えば、制御部は、センサで測定された力又はトルクの大きさが設定値よりも大きい場合、アクチュエータ19の作動を中止させることができる。
【0061】
図6A~
図6Cは、一実施形態に係るスライダが力伝達フレームに連結されている形状を示す図である。
【0062】
図6A~
図6Cを参照すると、スライダ13、23、33の形状と、複数の弾性部材14、24、34の連結位置は様々である。
【0063】
図6Aを参照すると、複数の弾性部材14は、スライダ13の4個の頂点に互いに対称に連結されている。例えば、スライダ13が摺動空間113に沿って上側に移動するとき、複数の弾性部材14のうち下側に連結されている2つの弾性部材14は引っ張られる。例えば、スライダ13が摺動空間113に沿って左側に移動するとき、複数の弾性部材14のうち右側に連結されている2つの弾性部材14が引っ張られる。
図6Bを参照すると、複数の弾性部材24は、スライダ23の4個の辺に相互対称に連結されてもよい。
【0064】
図6Cを参照すると、スライダ33の形状は円形であってもよい。摺動空間113も円形であってもよい。複数の弾性部材34は、スライダ33の円周に沿って一定の間隔で離隔して連結されてもよい。
【0065】
図7A~
図7Cは、
図4に示す切断線VII-VIIに沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。説明に前もって、図面を簡略に表現するために、複数の弾性部材14は、
図7A~
図7Cにおいて図示されていない。
【0066】
図7A~
図7Cは、ユーザが太ももの内旋(internal rotation)及び外旋(external rotation)の運動を行うとき、スライダ13の移動を示す。
図7Aは、スライダ13が初期状態にある形状を示す。
図7Bは、ユーザが太ももの内旋運動を行うときのスライダ13の移動を示す。
図7Cは、ユーザが太ももの外旋運動を行うときのスライダ13の移動を示す。
【0067】
図7Bを参照すると、ユーザが太ももの内旋運動を行うとき、スライダ13は、摺動空間113内で矢印方向に摺動する。スライダ13の摺動により、力伝達フレーム11は、駆動フレーム12に対して相対的に動作可能である。力伝達フレーム11は、ユーザが太ももの内旋運動を行うとき、ユーザの太ももと共に動くことができる。このような構造によると、ユーザは、運動補助装置を着用した状態であっても不便でなく、自由に太ももの内旋を行うことができる。
【0068】
図7Cを参照すると、ユーザが太ももの外旋運動を行うとき、スライダ13は摺動空間113内で矢印方向に摺動する。スライダ13の摺動により、力伝達フレーム11は、駆動フレーム12に対して相対的に動作可能である。力伝達フレーム11は、ユーザが太ももの外旋運動を行うとき、ユーザの太ももと共に動くことができる。このような構造によると、ユーザは、運動補助装置を着用した状態であっても不便でなく、自由に太ももの外旋を行うことができる。
【0069】
スライダ13は、ボディプレート131及びスリッププレート132、133を含む。スリッププレート132、133は、ボディプレート131の後面に取り付けられる後面スリッププレート132と、ボディプレート132の前面に取り付けられる前面スリッププレート133を含む。
【0070】
スリッププレート132、133は、摩擦係数が小さい素材である。例えば、スリッププレート132、133の素材は、テフロン(登録商標(teflon))であってもよい。
【0071】
スリッププレート132、133は、スリッププレート132、133及び力伝達フレーム11の間で発生する摩擦を低減するための摩擦低減部1321を含む。例えば、摩擦低減部1321は、後面スリッププレート132の中央部に形成されるホールであってもよい。摩擦低減部1321によって、後面スリッププレート132と後方カバー112との間の摩擦の面積を減らし得る。
【0072】
連結部材16は、スライダ13及び駆動フレーム12を連結する。スライダ13及び駆動フレーム12のいずれか1つは、連結部材16を含む。例えば、スライダ13及び駆動フレーム12のいずれか1つは、連結部材16と一体に形成されてもよい。
【0073】
図8A~
図8Cは、
図4に示す切断線VIII-VIII’に沿って切開した形状を示す運動補助装置の断面図である。説明に前もって、図面を簡略に表現するために、複数の弾性部材14は、
図8A~
図8Cにて図示しないことを明らかにする。
【0074】
図8Aは、スライダ13が初期状態にある形状を示す。
図8Bは、ユーザが太ももの屈曲運動を行うか、太ももの内転又は内旋運動を行うときスライダ13の移動を示す。
図8Cは、ユーザが太ももの伸展運動を行うか、太ももの外転又は外旋運動を行うときスライダ13の移動を示す。
【0075】
図8Bを参照すると、ユーザが太ももの屈曲運動を行うとき、スライダ13は摺動空間113内で矢印方向に摺動する。スライダ13の摺動により、力伝達フレーム11は、駆動フレーム12に対して相対的に動くことができる。力伝達フレーム11は、ユーザが太ももの屈曲運動を行うとき、ユーザの太ももと共に動くことができる。このような構造によると、ユーザの太ももの屈曲運動により
図2に示すように、股関節中心が移動しても、スライダ13が矢印方向に摺動することで、これを補償することができる。このような構造によると、ユーザは、運動補助装置を着用した状態であっても不便でなく、自由に太ももの屈曲運動を行うことができる。
【0076】
同様に、
図3に示すように、駆動フレーム12の回動軸a2(
図4参照)が太ももの内転及び外転軸と冠状面を基準にして一致しなくても、スライダ13が矢印方向に摺動することで、これを補償することができる。このような構造によると、ユーザは、運動補助装置を着用した状態であっても不便でなく、自由に太ももの内転運動を行うことができる。
【0077】
図8C参照すると、ユーザが太もも伸展運動を行うとき、スライダ13は、摺動空間113内で矢印方向に摺動する。スライダ13の摺動により、力伝達フレーム11は、駆動フレーム12に対して相対的に動くことができる。力伝達フレーム11は、ユーザが太もも伸展運動を行うとき、ユーザの太ももと共に動くことができる。このような構造によると、ユーザの太もも伸展運動により
図2に示すように、股関節中心が移動しても、スライダ13が矢印方向に摺動することで、これを補償することができる。このような構造によると、ユーザは、運動補助装置を着用した状態であっても不便でなく、自由に太もも伸展運動を行うことができる。
【0078】
同様に、
図4に示すように、駆動フレーム12の回動軸a2(
図4参照)が太ももの内転及び外転軸と冠状面を基準にして一致しなくても、スライダ13が矢印方向に摺動することで、これを補償することができる。このような構造によると、ユーザは、運動補助装置を着用した状態であっても不便でなく、自由に太ももの外転運動を行うことができる。
【0079】
以上、前述した実施形態は好適な実施形態を説明するものに過ぎず、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限定されることなく、この分野の当業者によって本発明の技術的な思想と特許請求の範囲内における様々な変更、変形、又は置換が可能であり、そのような実施形態は、本発明の範囲に属するものと見なければならない。
【符号の説明】
【0080】
1 運動補助装置
10 遠位支持部
11 力伝達フレーム
12 駆動フレーム
13 スライダ
14 弾性部材
15 ストラップ
16 連結部材
18 ヒンジ
19 アクチュエータ
20 近位支持部
111 前方カバー
112 後方カバー
113 摺動空間
114 開口
115 ストラップ連結部
131 ボディプレート
132 後面スリッププレート
133 前面スリッププレート
155 ストラップ溝
a1 第1軸
a2 第2軸
【0081】
[付記1]
内部に摺動空間が形成され、ユーザの遠位部分を支持するための力伝達フレームと、
前記摺動空間内で摺動自在なスライダと、
前記スライダに連結され、前記ユーザの近位部分に対して回転自在な駆動フレームと、を含む運動補助装置。
[付記2]
前記力伝達フレーム及びスライダを連結する複数の弾性部材をさらに含む、付記1に記載の運動補助装置。
[付記3]
前記複数の弾性部材のうち少なくとも1つの弾性部材は、前記力伝達フレームの中心及び前記スライダの間の距離が変化する場合に引っ張られ又は圧縮される、付記2に記載の運動補助装置。
[付記4]
前記スライダは、
前記摺動空間内に位置するボディプレートと、
前記ボディプレートの前面及び後面のうち少なくとも1つに取り付けられる少なくとも1つのスリッププレートを含む、付記1に記載の運動補助装置。
[付記5]
前記スリッププレートは、前記スリッププレートと前記力伝達フレームとの間で発生する摩擦を低減させるための摩擦低減部を含む、付記4に記載の運動補助装置。
[付記6]
前記スライダ及び前記駆動フレームのいずれか1つは、前記スライダ及び前記駆動フレームを連結する連結部材を含む、付記1乃至5いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記7]
前記力伝達フレームは、前記連結部材が貫通する開口を含む、付記6に記載の運動補助装置。
[付記8]
前記力伝達フレーム及び前記スライダは、前記開口の貫通方向において少なくとも一部がオーバラップする、付記7に記載の運動補助装置。
[付記9]
前記力伝達フレーム及び前記スライダは一方向に曲がった形状を有する、付記1乃至8いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記10]
前記力伝達フレームは前記ユーザの遠位部分を取り囲む方向に曲がった形状を有する、付記1乃至9いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記11]
前記スライダ及び前記摺動空間の厚さは一定であり、
前記力伝達フレームの曲率と前記スライダの曲率は同一である、付記9又は10に記載の運動補助装置。
[付記12]
前記スライダは、前記摺動空間内で互いに交差する2つの方向に2自由度の動きが可能である、付記1乃至11いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記13]
前記力伝達フレームの両側に脱着自在なストラップをさらに含む、付記1乃至12いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記14]
前記力伝達フレームは、前記力伝達フレームの両側サイドから突出形成されるストラップ連結部を含み、
前記ストラップは、前記ストラップの長手方向に沿って離隔形成され、前記ストラップ連結部に係止可能な複数のストラップ溝を含む、付記13に記載の運動補助装置。
[付記15]
前記駆動フレームの一端に連結され、前記駆動フレームを駆動するアクチュエータをさらに含む、付記1乃至14いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記16]
前記駆動フレームと前記スライダとの間に作用する力又はトルクを検出するためのセンサと、
前記センサで測定された情報に基づいて前記アクチュエータを制御可能な制御部をさらに含む、付記15に記載の運動補助装置。
[付記17]
前記遠位部分は前記ユーザの太ももであり、
前記近位部分は、前記ユーザの腰及び骨盤のうち少なくとも1つである、付記1乃至16いずれか1項に記載の運動補助装置。
[付記18]
ユーザの近位部分を支持するための近位支持部と、
内部に摺動空間が形成され、ユーザの遠位部分を支持するための力伝達フレームと、
前記摺動空間内で摺動自在なスライダと、
前記スライダに連結され、前記近位支持部に対して相対的に回転自在な駆動フレームと、を含む運動補助装置。
[付記19]
前記スライダは、前記摺動空間内で互いに交差する2つの方向に2自由度の動きが可能である、付記18に記載の運動補助装置。
[付記20]
前記近位支持部に対して前記駆動フレームを第1軸を中心に回転させるためのアクチュエータと、
前記近位支持部に対して、前記駆動フレームを前記第1軸と交差する第2軸を中心に回転させるためのヒンジをさらに含む、付記18又は19に記載の運動補助装置。