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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
H01H19/00 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021008931
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2022112905
(43)【公開日】2022-08-03
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】細川 義広
(72)【発明者】
【氏名】松村 直樹
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232844(JP,A)
【文献】特開2018-169756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面を有し、操作体により所定の動作で操作される操作部材と、
前記操作部材の前記所定の動作を検出する動作検出部と、
前記操作面における前記操作体の接触位置を検出するタッチセンサと、
前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出した場合に、前記動作検出部の検出結果を出力し、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記タッチセンサの検出結果を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力せず、
前記制御部は、前記動作検出部による検出から前記第1の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサにより検出された前記操作体の接触位置が不変である場合には、前記第1の時間の経過時からさらに第2の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサの検出結果を出力しない
入力装置。
【請求項2】
操作面を有し、操作体により所定の動作で操作される操作部材と、
前記操作部材の前記所定の動作を検出する動作検出部と、
前記操作面における前記操作体の接触位置を検出するタッチセンサと、
前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出した場合に、前記動作検出部の検出結果を出力し、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記タッチセンサの検出結果を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力せず、
前記制御部は、前記動作検出部による検出から前記第1の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサにより前記操作体の接触位置が継続して検出された場合には、前記第1の時間の経過時からさらに第2の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサの検出結果を出力しない
力装置。
【請求項3】
前記所定の動作は、前記操作部材の回転であり、
前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の所定の角度の回転を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から前記第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力しない
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
操作面を有し、操作体により所定の動作で操作される操作部材と、
前記操作部材の前記所定の動作を検出する動作検出部と、
前記操作面における前記操作体の接触位置を検出するタッチセンサと、
前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出した場合に、前記動作検出部の検出結果を出力し、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記タッチセンサの検出結果を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力せず、
前記所定の動作は、前記操作部材のスライドである
力装置。
【請求項5】
前記入力装置は、さらに、前記操作体により前記操作部材及び前記タッチセンサに対して入力された内容を表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記動作検出部及び前記タッチセンサの各検出結果を前記表示部に出力する
請求項1~のいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザにより操作される入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイと、当該ディスプレイに表示されたGUI(Graphical User Interface)に対して入力を行うための操作ノブとを備えた車両用の入力装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
操作ノブは、車両のセンタコンソールに配置され、ユーザの操作指により回転される。操作ノブの内部には、操作ノブの回転を検出する回転検出センサが配置されている。また、操作ノブの天面の裏面側には、操作ノブの天面に対するユーザの操作指の接触を検出する静電容量式のタッチセンサが配置されている。
【0004】
ユーザが操作指で操作ノブを回転させる回転操作をした際には、回転検出センサからの検出結果がディスプレイに出力される。これにより、ディスプレイに表示されたGUIに対して、回転操作に対応する入力が行われる。
【0005】
また、ユーザが操作指を操作ノブの天面に接触させるタッチ操作をした際には、タッチセンサからの検出結果がディスプレイに出力される。これにより、ディスプレイに表示されたGUIに対して、タッチ操作に対応する入力が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-221904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の入力装置では、ユーザが操作指で操作ノブを回転させた際に、誤って操作指が操作ノブの天面に接触することがある。この場合、ディスプレイに表示されたGUIに対して、ユーザの意図に反してタッチ操作に対応する入力が行われてしまい、操作性が低下するという課題が生じる。
【0008】
そこで、本開示は、操作性を高めることができる入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る入力装置は、操作面を有し、操作体により所定の動作で操作される操作部材と、前記操作部材の前記所定の動作を検出する動作検出部と、前記操作面における前記操作体の接触位置を検出するタッチセンサと、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出した場合に、前記動作検出部の検出結果を出力し、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記タッチセンサの検出結果を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力しない。
【0010】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様に係る入力装置によれば、操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る入力装置が搭載された車両の車室内の一例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る入力装置の操作部材を示す拡大図である。
図3】実施の形態1に係る入力装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係る入力装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る入力装置の動作を説明するための図である。
図6】実施の形態1に係る入力装置の動作を説明するための図である。
図7】実施の形態1に係る入力装置の動作を説明するための図である。
図8】実施の形態1の変形例1に係る入力装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図9】実施の形態1の変形例1に係る入力装置の動作を説明するための図である。
図10】実施の形態1の変形例1に係る入力装置の動作を説明するための図である。
図11】実施の形態1の変形例2に係る入力装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図12】実施の形態2に係る入力装置の操作部材を示す拡大図である。
図13】実施の形態2に係る入力装置の機能構成を示すブロック図である。
図14】実施の形態2に係る入力装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の一態様に係る入力装置は、操作面を有し、操作体により所定の動作で操作される操作部材と、前記操作部材の前記所定の動作を検出する動作検出部と、前記操作面における前記操作体の接触位置を検出するタッチセンサと、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出した場合に、前記動作検出部の検出結果を出力し、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記タッチセンサの検出結果を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の前記所定の動作を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力しない。
【0014】
一般に、入力装置では、操作体により操作部材を所定の動作で操作した際に、誤って操作体が操作部材の操作面に接触することがある。本態様によれば、このような場合、制御部は、動作検出部が操作部材の所定の動作を検出してから所定の時間が経過するまでの間、動作検出部の検出結果を出力し、且つ、タッチセンサの検出結果を出力しない。その結果、ユーザの意図に反してタッチセンサに対する入力が行われるのを回避することができ、入力装置の操作性を高めることができる。
【0015】
例えば、前記制御部は、前記動作検出部による検出から前記第1の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサにより検出された前記操作体の接触位置が不変である場合には、前記第1の時間の経過時からさらに第2の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサの検出結果を出力しないように構成してもよい。
【0016】
本態様によれば、動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、タッチセンサにより検出された操作体の接触位置が不変である場合には、ユーザは、第1の時間の経過後も継続して操作部材を所定の動作で操作するであろうと予測される。そのため、第1の時間の経過時からさらに第2の時間が経過するまでの間、タッチセンサの検出結果を出力しないようにすることにより、ユーザの意図に反してタッチセンサに対する入力が行われるのを回避することができ、入力装置の操作性をより一層高めることができる。
【0017】
例えば、前記制御部は、前記動作検出部による検出から前記第1の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサにより前記操作体の接触位置が継続して検出された場合には、前記第1の時間の経過時からさらに第2の時間が経過するまでの間、前記タッチセンサの検出結果を出力しないように構成してもよい。
【0018】
本態様によれば、動作検出部による検出から第1の時間が経過するまでの間、タッチセンサにより操作体の接触位置が継続して検出された場合には、ユーザは、第1の時間の経過後も継続して操作部材を所定の動作で操作するであろうと予測される。そのため、第1の時間の経過時からさらに第2の時間が経過するまでの間、タッチセンサの検出結果を出力しないようにすることにより、ユーザの意図に反してタッチセンサに対する入力が行われるのを回避することができ、入力装置の操作性をより一層高めることができる。
【0019】
例えば、前記所定の動作は、前記操作部材の回転であり、前記制御部は、前記動作検出部が前記操作部材の所定の角度の回転を検出し、且つ、前記タッチセンサが前記操作体の接触位置を検出した場合に、前記動作検出部による検出から前記第1の時間が経過するまでの間、前記動作検出部の検出結果を出力し、且つ、前記タッチセンサの検出結果を出力しないように構成してもよい。
【0020】
本態様によれば、操作体により操作部材を回転させた際に、誤って操作体が操作部材の操作面に接触した場合であっても、ユーザの意図に反してタッチセンサに対する入力が行われるのを回避することができ、入力装置の操作性を高めることができる。
【0021】
例えば、前記所定の動作は、前記操作部材のスライドであるように構成してもよい。
【0022】
本態様によれば、操作体により操作部材をスライドさせた際に、誤って操作体が操作部材の操作面に接触した場合であっても、ユーザの意図に反してタッチセンサに対する入力が行われるのを回避することができ、入力装置の操作性を高めることができる。
【0023】
例えば、前記入力装置は、さらに、前記操作体により前記操作部材及び前記タッチセンサに対して入力された内容を表示する表示部を備え、前記制御部は、前記動作検出部及び前記タッチセンサの各検出結果を前記表示部に出力するように構成してもよい。
【0024】
本態様によれば、操作体により操作部材を所定の動作で操作した際に、誤って操作体が操作部材の操作面に接触した場合であっても、ユーザの意図に反してタッチセンサに対して入力された内容が表示部に表示されるのを回避することができ、入力装置の操作性を高めることができる。
【0025】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0026】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0028】
(実施の形態1)
[1-1.入力装置の概要]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態1に係る入力装置2の概要について説明する。図1は、実施の形態1に係る入力装置2が搭載された車両4の車室内の一例を示す図である。図2は、実施の形態1に係る入力装置2の操作部材8を示す拡大図である。
【0029】
図1に示すように、実施の形態に係る入力装置2は、例えば自動車等の車両4の車室内に搭載されている。入力装置2は、車両4に搭載されているカーナビゲーション機器、オーディオ機器又は空調機器等の各種車載機器を操作するための装置であり、車両4の乗員であるユーザにより操作される。
【0030】
図1及び図2に示すように、入力装置2は、表示部6と、操作部材8と、回転検出部10(動作検出部の一例)と、タッチセンサ12とを備えている。
【0031】
表示部6は、例えばカーナビゲーション用の地図、各種車載機器のメニュー画面又は検索画面等を操作するためのGUIを表示するディスプレイである。表示部6は、車両4のインストルメントパネル14に配置されており、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成されている。
【0032】
操作部材8は、表示部6に表示されているGUIに対して入力を行うためのスイッチ(いわゆる、コマンダスイッチ)であり、所定の動作(本実施の形態では回転)で操作される。操作部材8は、中空円柱状のロータリスイッチであり、車両4のセンタコンソール16に配置されている。図2に示すように、操作部材8は、ユーザの操作指(操作体の一例)により、センタコンソール16に対して操作部材8の中心軸周りに回転可能である。操作部材8の天面には、円形状の操作面18が形成されている。なお、操作部材8は、所定の角度(例えば12°)回転する毎に、ユーザにクリック感(節度感)を与えるように構成されている。
【0033】
回転検出部10は、操作部材8の回転を検出するセンサであり、例えばフォトインタラプタ等で構成されている。図2に示すように、回転検出部10は、操作部材8の内部に配置されている。回転検出部10は、操作部材8が所定の角度(例えば12°)回転する毎に、操作部材8の回転を検出する。すなわち、回転検出部10は、ユーザに1つのクリック感を与える毎に、操作部材8の回転を検出する。
【0034】
タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18における操作指の接触位置を検出する静電容量式のタッチセンサである。図2に示すように、タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18の裏面側に対向するように配置されている。タッチセンサ12は、操作指を操作面18に接触させる操作(以下、「タッチ操作」という)を検出する。
【0035】
[1-2.入力装置の機能構成]
次に、図3を参照しながら、実施の形態1に係る入力装置2の機能構成について説明する。図3は、実施の形態1に係る入力装置2の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、入力装置2は、機能構成として、表示部6と、回転検出部10と、タッチセンサ12と、制御部20とを備えている。
【0037】
回転検出部10は、操作部材8の回転を検出した際に、検出信号を制御部20に出力する。
【0038】
タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18における操作指の接触位置を検出した際に、検出信号を制御部20に出力する。
【0039】
制御部20は、各種車載機器を操作するためのGUIを表示部6に表示させる。また、制御部20は、回転検出部10及びタッチセンサ12からの各検出信号に基づいて、表示部6に表示されたGUIを変化させる。すなわち、表示部6には、操作指により操作部材8及びタッチセンサ12に対して入力された内容が表示される。
【0040】
本明細書において、「操作部材8に対して入力する」とは、操作指により操作部材8を回転させる操作を行うことを意味し、「タッチセンサ12に対して入力する」とは、操作指を操作部材8の操作面18に接触させる操作を行うことを意味するものとする。
【0041】
なお、制御部20は、例えば、所定のプログラムを実行するプロセッサと、当該所定のプログラムを記憶したメモリとで構成されてもよいし、専用回路で構成されてもよい。あるいは、制御部20は、例えば、車両4に搭載されたECU(Electronic Control Unit)で構成されてもよい。
【0042】
ユーザが操作指で操作部材8を回転させた際には、回転検出部10は、検出信号を制御部20に出力する。制御部20は、回転検出部10からの検出信号に基づいて、操作部材8の回転数及び回転方向等を示す情報である回転検出情報(回転検出部10の検出結果)を表示部6に出力する。これにより、表示部6に表示されたGUIは、操作部材8の回転数及び回転方向等に応じて変化する。
【0043】
また、ユーザの操作指が操作部材8の操作面18に接触した際には、タッチセンサ12は、検出信号を制御部20に出力する。制御部20は、タッチセンサ12からの検出信号に基づいて、操作面18に対する操作指の接触の有無、及び、操作面18における操作指の接触位置等を示す情報であるタッチ検出情報(タッチセンサ12の検出結果)を表示部6に出力する。これにより、表示部6に表示されたGUIは、操作面18における操作指の接触位置等に応じて変化する。
【0044】
[1-3.入力装置の動作]
次に、図4図7を参照しながら、実施の形態1に係る入力装置2の動作について説明する。図4は、実施の形態1に係る入力装置2の動作の流れを示すフローチャートである。図5図7は、実施の形態1に係る入力装置2の動作を説明するための図である。
【0045】
まず、図5に示すように、ユーザが操作指22で操作部材8の操作面18に対してタッチ操作をした場合について説明する。この場合、図4に示すように、タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18における操作指22の接触位置を検出し(S101でYES)、検出信号を制御部20に出力する。また、回転検出部10は、操作部材8の回転を検出せず(S102でNO)、検出信号を制御部20に出力しない。制御部20は、タッチセンサ12からの検出信号に基づいて、タッチ検出情報を表示部6に出力する(S103)。その後、上述したステップS101に戻る。
【0046】
次に、図6に示すように、操作指22が操作部材8の操作面18に接触していない状態で、ユーザが操作指22で操作部材8の側面を摘まみ、操作部材8を回転させた場合について説明する。この場合、図4に示すように、タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18における操作指22の接触位置を検出せず(S101でNO)、検出信号を制御部20に出力しない。また、回転検出部10は、操作部材8の回転を検出し(S104でYES)、検出信号を制御部20に出力する。制御部20は、回転検出部10からの検出信号に基づいて、回転検出情報を表示部6に出力する(S105)。その後、上述したステップS101に戻る。
【0047】
次に、図7に示すように、操作指22が操作部材8の操作面18に接触している状態で、ユーザが操作指22で操作部材8の側面を摘まみ、操作部材8を回転させた場合について説明する。ここで、操作指22は、ユーザの意図に反して操作部材8の操作面18に接触しているものとする。
【0048】
この場合、図4に示すように、タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18における操作指22の接触位置を検出し(S101でYES)、検出信号を制御部20に出力する。また、回転検出部10は、操作部材8の回転を検出し(S102でYES)、検出信号を制御部20に出力する。
【0049】
制御部20は、回転検出部10及びタッチセンサ12からの各検出信号を同時に受信した場合、回転検出部10が操作部材8の回転を検出してから所定の時間(例えば100msec~200msec)(第1の時間の一例)が経過するまでの間、回転検出情報を表示部6に出力し、且つ、タッチ検出情報を表示部6に出力しない(S106)。回転検出部10が操作部材8の回転を検出してから所定の時間が経過した後、上述したステップS101に戻る。
【0050】
なお、ユーザが入力装置2に対して何らの操作も行わない場合には、タッチセンサ12は、操作部材8の操作面18における操作指22の接触位置を検出せず(S101でNO)、回転検出部10は、操作部材8の回転を検出しない(S104でNO)。その後、上述したステップS101に戻る。
【0051】
[1-4.効果]
一般に、入力装置2では、ユーザが操作指22で操作部材8を回転させた際に、誤って操作指22が操作部材8の操作面18に接触することがある。本実施の形態では、このような場合、制御部20は、回転検出部10が操作部材8の回転を検出してから所定の時間が経過するまでの間、回転検出情報を表示部6に出力し、且つ、タッチ検出情報を表示部6に出力しない。その結果、表示部6に表示されたGUIに対して、ユーザの意図に反してタッチセンサ12に対する入力が行われるのを回避することができ、入力装置2の操作性を高めることができる。
【0052】
[1-5.変形例1]
図8図10を参照しながら、実施の形態1の変形例1に係る入力装置2の動作について説明する。図8は、実施の形態1の変形例1に係る入力装置2の動作の流れを示すフローチャートである。図9及び図10は、実施の形態1の変形例1に係る入力装置2の動作を説明するための図である。なお、図8のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一の処理には同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0053】
図8に示すように、本変形例では、ステップS106の後、制御部20は、タッチセンサ12からの検出信号に基づいて、回転検出部10による検出から所定の時間(第1の時間の一例)が経過するまでの間、タッチセンサ12により検出された操作指22の接触位置が不変であるか否かを判定する(S201)。
【0054】
図9に示すように、回転検出部10による検出から所定の時間が経過するまでの間、タッチセンサ12により検出された操作指22の接触位置(図9において黒丸で示す)が不変である場合には(S201でYES)、制御部20は、ユーザが所定の時間の経過後も継続して操作部材8を回転させるであろうと予測し、ステップS106に進む。これにより、制御部20は、上記所定の時間の経過時からさらに所定の時間(第2の時間の一例)が経過するまでの間、回転検出情報を表示部6に出力し、且つ、タッチ検出情報を表示部6に出力しない(S106)。なお、上述した第1の時間と第2の時間とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0055】
ステップS201に戻り、図10に示すように、回転検出部10による検出から所定の時間が経過するまでの間、タッチセンサ12により検出された操作指22の接触位置(図10において黒丸で示す)が変化した場合には(S201でNO)、制御部20は、ユーザが所定の時間の経過後にタッチ操作をするであろうと予測し、ステップS103に進む。これにより、制御部20は、回転検出情報の出力を停止し、且つ、タッチセンサ12からの検出信号に基づいて、タッチ検出情報を表示部6に出力する(S103)。
【0056】
[1-6.変形例2]
図11を参照しながら、実施の形態1の変形例2に係る入力装置2の動作について説明する。図11は、実施の形態1の変形例2に係る入力装置2の動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一の処理には同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0057】
図11に示すように、本変形例では、ステップS106の後、制御部20は、回転検出部10による検出から所定の時間(第1の時間の一例)が経過するまでの間、タッチセンサ12により操作指22の接触位置が継続して検出されたか否かを判定する(S301)。
【0058】
回転検出部10による検出から所定の時間が経過するまでの間、タッチセンサ12により操作指22の接触位置が継続して検出された場合には(S301でYES)、制御部20は、ユーザが所定の時間の経過後も継続して操作部材8を回転させるであろうと予測し、ステップS106に進む。これにより、制御部20は、上記所定の時間の経過時からさらに所定の時間(第2の時間の一例)が経過するまでの間、回転検出情報を表示部6に出力し、且つ、タッチ検出情報を表示部6に出力しない(S106)。なお、上述した第1の時間と第2の時間とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
ステップS301に戻り、回転検出部10による検出から所定の時間が経過するまでの間、タッチセンサ12により操作指22の接触位置が継続して検出されなかった場合には(S301でNO)、制御部20は、ユーザが操作部材8の操作面18から操作指22を離したと推測し、ステップS101に戻る。
【0060】
(実施の形態2)
[2-1.入力装置の概要]
図12を参照しながら、実施の形態2に係る入力装置2Aの概要について説明する。図12は、実施の形態2に係る入力装置2Aの操作部材8Aを示す拡大図である。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
図12に示すように、操作部材8Aは、所定の動作(本実施の形態ではスライド)で操作されるスイッチである。操作部材8Aは、中空円柱状のスライドスイッチであり、ユーザの操作指により、センタコンソール16に対して例えば十字方向(前後方向及び左右方向)にスライド可能である。
【0062】
また、操作部材8Aの内部には、上記実施の形態1で説明した回転検出部10に代えて、スライド検出部24(動作検出部の一例)が配置されている。スライド検出部24は、操作部材8Aのスライドを検出するセンサであり、例えばフォトインタラプタ又はタクトスイッチ等で構成されている。
【0063】
[2-2.入力装置の機能構成]
次に、図13を参照しながら、実施の形態2に係る入力装置2Aの機能構成について説明する。図13は、実施の形態2に係る入力装置2Aの機能構成を示すブロック図である。
【0064】
図13に示すように、入力装置2Aは、機能構成として、表示部6と、タッチセンサ12と、スライド検出部24と、制御部20Aとを備えている。
【0065】
スライド検出部24は、操作部材8Aのスライドを検出した際に、検出信号を制御部20Aに出力する。
【0066】
制御部20Aは、タッチセンサ12及びスライド検出部24からの各検出信号に基づいて、表示部6に表示されたGUIを変化させる。
【0067】
ユーザが操作指で操作部材8Aをスライドさせた際には、スライド検出部24は、検出信号を制御部20Aに出力する。制御部20Aは、スライド検出部24からの検出信号に基づいて、操作部材8Aのスライド方向等を示す情報であるスライド検出情報(スライド検出部24の検出結果)を表示部6に出力する。これにより、表示部6に表示されたGUIは、操作部材8Aのスライド方向等に応じて変化する。
【0068】
[2-3.入力装置の動作]
次に、図14を参照しながら、実施の形態2に係る入力装置2Aの動作について説明する。図14は、実施の形態2に係る入力装置2Aの動作の流れを示すフローチャートである。なお、図14のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一の処理には同一のステップ番号を付してある。
【0069】
まず、ユーザが操作指で操作部材8Aの操作面18に対してタッチ操作をした場合について説明する。この場合、タッチセンサ12は、操作部材8Aの操作面18における操作指の接触位置を検出し(S101でYES)、検出信号を制御部20Aに出力する。また、スライド検出部24は、操作部材8Aのスライドを検出せず(S102AでNO)、検出信号を制御部20Aに出力しない。制御部20Aは、タッチセンサ12からの検出信号に基づいて、タッチ検出情報を表示部6に出力する(S103)。その後、上述したステップS101に戻る。
【0070】
次に、操作指が操作部材8Aの操作面18に接触していない状態で、ユーザが操作指で操作部材8Aの側面を摘まみ、操作部材8Aをスライドさせた場合について説明する。この場合、タッチセンサ12は、操作部材8Aの操作面18における操作指の接触位置を検出せず(S101でNO)、検出信号を制御部20Aに出力しない。また、スライド検出部24は、操作部材8Aのスライドを検出し(S104AでYES)、検出信号を制御部20Aに出力する。制御部20Aは、スライド検出部24からの検出信号に基づいて、スライド検出情報を表示部6に出力する(S105A)。その後、上述したステップS101に戻る。
【0071】
次に、操作指が操作部材8Aの操作面18に接触している状態で、ユーザが操作指で操作部材8Aの側面を摘まみ、操作部材8Aをスライドさせた場合について説明する。ここで、操作指は、ユーザの意図に反して操作部材8Aの操作面18に接触しているものとする。
【0072】
この場合、タッチセンサ12は、操作部材8Aの操作面18における操作指の接触位置を検出し(S101でYES)、検出信号を制御部20Aに出力する。また、スライド検出部24は、操作部材8Aのスライドを検出し(S102AでYES)、検出信号を制御部20Aに出力する。
【0073】
制御部20Aは、スライド検出部24及びタッチセンサ12からの各検出信号を同時に受信した場合、スライド検出部24が操作部材8Aのスライドを検出してから所定の時間(例えば100msec~200msec)(第1の時間の一例)が経過するまでの間、スライド検出情報を表示部6に出力し、且つ、タッチ検出情報を表示部6に出力しない(S106A)。スライド検出部24が操作部材8Aのスライドを検出してから所定の時間が経過した後、上述したステップS101に戻る。
【0074】
なお、ユーザが入力装置2Aに対して何らの操作も行わない場合には、タッチセンサ12は、操作部材8Aの操作面18における操作指の接触位置を検出せず(S101でNO)、スライド検出部24は、操作部材8Aの回転を検出しない(S104AでNO)。その後、上述したステップS101に戻る。
【0075】
[2-4.効果]
本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態では、操作部材8Aがスライド可能であるように構成したが、スライド及び回転の両方が可能であるように構成してもよい。この場合、入力装置2Aは、機能構成として、上述した各構成に加えて、上記実施の形態1で説明した回転検出部10を備えるようになる。
【0076】
(他の変形例)
以上、一つ又は複数の態様に係る入力装置について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を上記各実施の形態に施したものや、異なる各実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0077】
上記各実施の形態では、ユーザの操作指22を操作部材8(8A)の操作面18に接触させるようにしたが、これに限定されず、例えば操作体としてのタッチペン等を操作面18に接触させてもよい。
【0078】
また、上記各実施の形態では、制御部20(20A)は、回転検出部10(スライド検出部24)及びタッチセンサ12の各検出結果を表示部6に出力したが、これに限定されず、例えば表示部6を制御するためのECUに出力してもよい。
【0079】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0080】
また、上記各実施の形態に係る入力装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0081】
上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしても良い。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0082】
本開示は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。また、本開示は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしても良い。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしても良い。また、本開示は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。また、本開示は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしても良い。また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示は、例えば車両に搭載されるコマンダスイッチを備えた入力装置等として適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
2,2A 入力装置
4 車両
6 表示部
8,8A 操作部材
10 回転検出部
12 タッチセンサ
14 インストルメントパネル
16 センタコンソール
18 操作面
20,20A 制御部
22 操作指
24 スライド検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14