(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240905BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240905BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240905BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V19/00 510
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020088868
(22)【出願日】2020-05-21
【審査請求日】2023-04-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 まどか
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-079204(JP,A)
【文献】特開2016-213173(JP,A)
【文献】特開2017-050124(JP,A)
【文献】特開2017-188361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0003366(US,A1)
【文献】中国実用新案第209705857(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 19/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に長く延びる光源部を有する光源ユニットと、
前記第1方向と直角である第2方向一方側から装着される前記光源ユニットを支持する器具本体と、を備える照明装置であって、
前記器具本体は、前記光源ユニットに対して前記第1方向外方に位置する端板部、および前記端板部から前記第1方向内方に突出する突起部を有し、
前記光源ユニットは、前記第1方向端部に配置された取付部材を有し、
前記取付部材は、前記突起部に係合する第1係止部を有し、
前記器具本体は、1つの前記端板部に前記第1方向および前記第2方向と直角である第3方向に互いに離間して配置された一対の前記突起部を有し、
前記第2方向の一方側から前記取付部材の少なくとも一部を覆うように取り付けられる固定部材をさらに備え、
前記固定部材は、前記第2方向の一方側から他方側に向かうほど前記第3方向の互いの距離が小さくなるように傾いた一対の第1当接端縁と、前記第3方向に互いに離間した一対の側板部と、を有し、
前記一対の第1当接端縁は、前記一対の突起部の間において前記一対の突起部に個別に当接し、
前記一対の側板部の前記第3方向内面は、それぞれが前記取付部材と当接することを特徴とする、照明装置。
【請求項2】
前記取付部材は、各々が前記一対の側板部の前記第3方向内面に個別に当接する一対の側壁部を有し、
前記側板部は、前記側壁部に係合する第2係止部を有する、請求項
1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記固定部材は、前記第2方向の一方側から他方側に向かうほど前記第1方向の外方に位置するように傾斜した第2当接端縁を有し、
前記第2当接端縁は、前記第1方向外方から前記取付部材に当接している、請求項
1または
2に記載の照明装置。
【請求項4】
第1方向に長く延びる光源部を有する光源ユニットと、
前記第1方向と直角である第2方向一方側から装着される前記光源ユニットを支持する器具本体と、を備える照明装置であって、
前記器具本体は、前記光源ユニットに対して前記第1方向外方に位置する端板部、および前記端板部から前記第1方向内方に突出する突起部を有し、
前記光源ユニットは、前記第1方向端部に配置された取付部材を有し、
前記取付部材は、前記突起部に係合する第1係止部を有し、
前記取付部材は、前記第1方向および前記第2方向と直角である第3方向において互いに対向し且つ前記突起部を前記第1係止部との係合位置に導入するための第1導入部および第2導入部、を有し、
前記第1導入部および前記第2導入部は、前記第2方向において係合状態の前記突起部よりも他方側に位置し、
前記第1導入部と前記第2導入部との前記第3方向における距離は、前記第2方向において一方側から他方側に向かうほど大きいことを特徴とする、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED等を光源として有する光源ユニットを備えた種々の照明器具が提案されている。特許文献1には、従来の照明器具の一例が開示されている。同文献に開示された照明器具は、光源ユニットを支持する器具本体を備える。器具本体は、光源ユニットに対して天井側に位置する天板部を有する。天板部には、爪部や弾性部材が設けられている。これらの爪部や弾性部材に光源ユニットを係合させることにより、器具本体によって光源ユニットが支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
天板部を、光源ユニットを支持する爪部や弾性部材が設けられる程度の大きさとすることが強いられる。また、天板部には、支持に耐えうる剛性が求められる。このため、器具本体の重量が増加したり、材料コストが上昇したりするという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、器具本体の軽量化や材料コストの低減を図ることが可能な照明装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される照明装置は、第1方向に長く延びる光源部を有する光源ユニットと、前記第1方向と直角である第2方向一方側から装着される前記光源ユニットを支持する器具本体と、を備える照明装置であって、前記器具本体は、前記光源ユニットに対して前記第1方向外方に位置する端板部、および前記端板部から前記第1方向内方に突出する突起部を有し、前記光源ユニットは、前記第1方向端部に配置された取付部材を有し、前記取付部材は、前記突起部に係合する第1係止部を有することを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記器具本体は、1つの前記端板部に前記第1方向および前記第2方向と直角である第3方向に互いに離間して配置された一対の前記突起部を有し、前記第2方向の一方側から前記取付部材の少なくとも一部を覆うように取り付けられる固定部材をさらに備え、前記固定部材は、前記第2方向の一方側から他方側に向かうほど前記第3方向の互いの距離が小さくなるように傾いた一対の第1当接端縁と、前記第3方向に互いに離間した一対の側板部と、を有し、前記一対の第1当接端縁は、前記一対の突起部の間において前記一対の突起部に個別に当接し、前記一対の側板部の前記第3方向内面は、それぞれが前記取付部材と当接する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記取付部材は、各々が前記一対の側板部の前記第3方向内面に個別に当接する一対の側壁部を有し、前記側板部は、前記側壁部に係合する第2係止部を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記固定部材は、前記第2方向の一方側から他方側に向かうほど前記第1方向の外方に位置するように傾斜した第2当接端縁を有し、前記第2当接端縁は、前記第1方向外方から前記取付部材に当接している。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記取付部材は、前記第1方向および前記第2方向と直角である第3方向において互いに対向し且つ前記突起部を前記第1係止部との係合位置に導入するための第1導入部および第2導入部、を有し、前記第1導入部および前記第2導入部は、前記第2方向において係合状態の前記突起部よりも他方側に位置し、前記第1導入部と前記第2導入部との前記第3方向における距離は、前記第2方向において一方側から他方側に向かうほど大きい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、器具本体の軽量化や材料コストの低減を図ることができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す正面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す底面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す分解斜視図である。
【
図8】
図5のVIII-VIII線に沿う要部拡大断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る照明装置の光源ユニットを示す斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る照明装置の光源ユニットを示す斜視図である。
【
図11】本発明の第1実施形態に係る照明装置の光源ユニットを示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の第1実施形態に係る照明装置の光源ユニットを示す分解斜視図である。
【
図13】
図9のXIII-XIII線に沿う断面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態に係る照明装置の光源ユニットの取付部材を示す(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図であり、(d)は正面図である。
【
図15】本発明の第1実施形態に係る照明装置の固定部材を示す(a),(b)は斜視図であり、(c)は平面図であり、(d)は正面図である。
【
図16】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部斜視図である。
【
図17】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部断面図である。
【
図18】
図17のXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
【
図19】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部斜視図である。
【
図20】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部断面図である。
【
図22】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部斜視図である。
【
図23】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部断面図である。
【
図24】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部斜視図である。
【
図25】器具本体の光源ユニットへの取り付けを示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に語句の区別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0016】
<照明装置A1>
図1~
図15は、本発明の第1実施形態に係る照明装置を示している。本実施形態の照明装置A1は、光源ユニット1、固定部材7および器具本体8を備えている。照明装置A1は、たとえば室内の天井に取り付けられることによって、室内照明として用いられるものである。
【0017】
図1は、照明装置A1を示す斜視図である。
図2は、照明装置A1を示す斜視図である。
図3は、照明装置A1を示す平面図である。
図4は、照明装置A1を示す正面図である。
図5は、照明装置A1を示す底面図である。
図6は、照明装置A1を示す分解斜視図である。
図7は、照明装置A1を示す分解斜視図である。
図8は、
図5のVIII-VIII線に沿う要部拡大断面図である。
図9は、照明装置A1の光源ユニット1を示す斜視図である。
図10は、照明装置A1の光源ユニット1を示す斜視図である。
図11は、照明装置A1の光源ユニット1を示す分解斜視図である。
図12は、照明装置A1の光源ユニット1を示す分解斜視図である。
図13は、
図9のXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14は、照明装置A1の光源ユニット1の取付部材6を示す(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)は側面図であり、(d)は正面図である。
図15は、照明装置A1の固定部材7を示す(a),(b)は斜視図であり、(c)は平面図であり、(d)は正面図である。これらの図において、x方向は本発明の第1方向に相当し、z方向は本発明の第2方向に相当し、y方向は本発明の第3方向に相当する。また、z方向は、照明装置A1を天井等に設置した場合の上下方向に相当し、説明の便宜上、下側を一方側、上側を他方側と称する場合がある。
【0018】
〔器具本体8〕
器具本体8は、光源ユニット1を支持するとともに、照明装置A1を天井等に設置する際に、天井等に取り付けられる部位である。
図1~
図8に示すように、本実施形態においては、器具本体8は、一対の端板部81、一対の縦板部82、一対の中板部83、一対の反射板部84および複数の取付ピン86を有する。一対の端板部81、一対の縦板部82、一対の中板部83および一対の反射板部84の材質は特に限定されず、たとえば金属板材料からなる。
【0019】
なお、本実施形態の器具本体8は、一対の光源ユニット1を支持する構成とされているが、器具本体8が支持する光源ユニット1の個数は何ら限定されない。器具本体8が支持する光源ユニット1の個数に応じて、たとえば中板部83や反射板部84の個数が適宜設定される。
【0020】
一対の端板部81は、各々がy方向に延びる形状であり、x方向両側に互いに離間して配置されている。端板部81は、y方向およびz方向に広がり、x方向に直角である板状部分を有する。
【0021】
一対の縦板部82は、各々がx方向に延びる形状であり、y方向両側に互いに離間して配置されている。一対の縦板部82のx方向両端は、一対の端板部81に取り付けられている。縦板部82は、x方向およびz方向に広がり、y方向に直角である板状部分を有する。
【0022】
一対の中板部83は、各々がx方向に延びる形状であり、y方向において一対の縦板部82の間に配置されている。一対の中板部83は、互いにy方向に離間しており、各々が縦板部82からy方向に離間して配置されている。一対の中板部83のx方向両端は、一対の端板部81に取り付けられている。中板部83は、x方向およびz方向に広がり、y方向に直角である板状部分を有する。
【0023】
一対の反射板部84は、各々がx方向に延びる形状であり、各々がy方向において縦板部82と中板部83との間に配置されている。反射板部84は、z方向上側に膨出し、z方向下側に開いた形状である。
【0024】
複数の取付ピン86は、各々が一対の端板部81に設けられてた貫通孔に挿通された状態で固定されている。取付ピン86の材質は特に限定されず、たとえば金属からなる。取付ピン86は、突起部861を有する。突起部861は、端板部81からx方向内方に突出している。本実施形態においては、y方向における縦板部82と中板部83との間に、2つずつの取付ピン86が設けられている。これら2つの取付ピン86は、y方向に互いに離間しており、z方向において略同じ位置に設けられている。本実施形態においては、合計8個の取付ピン86が設けられている。
【0025】
なお、図示された取付ピン86は、器具本体8に突起部861を形成するための具体的形態の一例である。たとえば、取付ピン86と同様の部材が、端板部81のx方向内面に接合された構成であってもよい。あるいは、端板部81の一部に切断加工や折り曲げ加工が施されることにより、突起部861が構成されていてもよい。
【0026】
〔光源ユニット1〕
光源ユニット1は、発光するユニットであり、照明装置A1の光源である。照明装置A1に備えられる照明装置A1の個数は特に限定されず、1つでもよいし複数でもよい。以降の説明においては、特段の説明をする場合を除き、2つの光源ユニット1を備えた場合を例に説明する。
【0027】
図1、
図5および
図6に示すように、光源ユニット1は、器具本体8に支持されている。光源ユニット1は、x方向において一対の端板部81の間に位置し、y方向において縦板部82と中板部83との間に位置し、z方向において端板部81の上端と下端との間に位置するように、器具本体8によって支持されている。
【0028】
図9~
図13に示すように、光源ユニット1は、支持部2、光源部3、透光カバー4、エンドキャップ5および取付部材6を有する。光源ユニット1は、全体としてx方向に長く延びた形状である。
【0029】
〔支持部2〕
支持部2は、光源部3、透光カバー4、エンドキャップ5および取付部材6を支持するためのものである。
図13に示すように、本実施形態の支持部2は、主板部21、一対の保持用リブ22、一対の係合用リブ23および一対の固定用リブ24を有する。支持部2の材質や製造手法は特に限定されず、本実施形態においては、たとえばアルミを用いた押出成形によって形成されている。
【0030】
主板部21は、x方向を長手方向としy方向を短手方向とする帯板状の部位である。一対の保持用リブ22は、主板部21のz方向下面から突出している。一対の保持用リブ22は、光源部3を保持するための部位である。一対の保持用リブ22は、各々がx方向において主板部21の全長に渡って延びており、y方向に互いに離間して配置されている。保持用リブ22は、y方向内方から外方に凹む溝形状である。
【0031】
一対の係合用リブ23は、透光カバー4と係合する部位である。一対の係合用リブ23は、主板部21のz方向下面から突出している。一対の係合用リブ23は、各々がx方向において主板部21の全長に渡って延びており、一対の保持用リブ22に対するy方向外側に互いに離間して配置されている。係合用リブ23は、y方向外方から内方に凹む溝形状である。一対の固定用リブ24は、エンドキャップ5および取付部材6を固定するための部位である。一対の固定用リブ24は、主板部21のz方向上面から突出している。一対の固定用リブ24は、各々がx方向において主板部21の全長に渡って延びており、主板部21のy方向両端に繋がっている。固定用リブ24は、y方向内方から外方に凹む溝形状である。
【0032】
〔光源部3〕
光源部3は、光源ユニット1の発光部位であり、x方向に長く延びている。光源部3の構成は特に限定されず、本実施形態においては、
図11および
図13に示すように、LED基板31および複数のLED32を有する。LED基板31は、x方向に細長く延びる帯状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる基材と当該基材に形成された配線パターンとを含む。
【0033】
複数のLED32は、たとえばベアチップLED、あるいはベアチップLEDがリードフレームや基板等の支持部材に搭載され、蛍光物質を含む透光樹脂によって覆われたLEDモジュール等である。本実施形態においては、LED32は、ベアチップLEDからの青色光と、励起された蛍光物質から発せられる黄色光とが混色することにより、白色光が発せられるLEDモジュールである。複数のLED32は、LED基板31の下面上にx方向に沿って配列されている。
【0034】
本実施形態においては、LED基板31のy方向両端が支持部2の一対の保持用リブ22に入り込むことにより、光源部3が支持部2によって保持されている。
【0035】
〔透光カバー4〕
透光カバー4は、光源部3からの光を透過させる材質からなり、
図13に示すように、支持部2に支持された光源部3をz方向下方から覆っている。透光カバー4の材質は特に限定されず、たとえば半透明の乳白色の樹脂からなる。透光カバー4の具体的構成は特に限定されず、本実施形態においては、出射部41および一対の係合端部42を有する。
【0036】
出射部41は、x方向と直角である断面形状がz方向下方に緩やかに膨出する曲線形状である。出射部41は、光源部3のz方向における正面に位置している。一対の係合端部42は、出射部41のy方向両端に設けられている。係合端部42は、出射部41からz方向上方に起立した部分と、当該部分のz方向上端からy方向内方に突出する部分とを有する。一対の係合端部42が支持部2の一対の係合用リブ23に係合することにより、透光カバー4が支持部2に支持されている。
【0037】
〔エンドキャップ5〕
エンドキャップ5は、
図9~
図12に示すように、支持部2のx方向端部に取り付けられており、支持部2および透光カバー4によって囲まれた空間をx方向外方から塞ぐためのものである。本実施形態においては、光源ユニット1は、一対のエンドキャップ5を有している。一対のエンドキャップ5は、支持部2のx方向両端に取り付けられている。
【0038】
エンドキャップ5の材質は特に限定されず、たとえば樹脂からなる。また、エンドキャップ5の具体的構成は特に限定されず、本実施形態においては、エンドキャップ5は、遮蔽部51および差込部52を有する。遮蔽部51は、x方向に対して直角である板状の部位であり、支持部2および透光カバー4によって囲まれた空間を塞ぐ部位である。本実施形態においては、遮蔽部51は、x方向に沿って視て、支持部2の主板部21と透光カバー4とを組み合わせた形状に重なる形状とされている。差込部52は、遮蔽部51からx方向内方に突出している。差込部52は、その一部が支持部2の一対の固定用リブ24に差し込まれることにより、エンドキャップ5を支持部2に固定する機能を果たす。
【0039】
〔取付部材6〕
取付部材6は、光源ユニット1を器具本体8に取り付けるために用いられる。光源ユニット1が有する取付部材6の個数は特に限定されず、1つでもよいし、複数でもよい。本実施形態においては、
図5~
図11に示すように、光源ユニット1は、一対の取付部材6を有する。一対の取付部材6は、支持部2のx方向両端に取り付けられている。
【0040】
取付部材6の材質は特に限定されず、たとえば金属板材料からなる。取付部材6の具体的構成は特に限定されず、本実施形態においては、
図14に示すように、取付部材6は、固定板部61、連結部62、中間板部63、連結部64、延出板部65、一対の第1係止部66、起立板部67および一対の側壁部68を有する。なお、第1係止部66や側壁部68の個数は特に限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。第1係止部66は、後述のように光源ユニット1を支持する部材なので、y方向に間隔をあけて2つ以上設けておくことにより光源ユニット1をより安定して支持することができる。
【0041】
固定板部61は、取付部材6を支持部2に取り付けるための部位である。固定板部61は、x方向およびy方向に沿った板状の部位である。図示された例においては、固定板部61は、x方向に沿って視て略矩形状である。固定板部61には、軽量化のための開口611と、取付部材6を固定するための開口612が設けられている。本実施形態においては、開口611および開口612はそれぞれ4つづつ設けられているが、それぞれの個数は特に限定されない。
図13に示すように、固定板部61のy方向両端部分が支持部2の一対の固定用リブ24に差し込まれることにより、取付部材6が支持部2に取り付けられている。また、固定板部61を一対の固定用リブ24に差し込んだ後に、固定用リブ24のうち開口612に対応する位置をポンチ等の工具で変形させる。変形した固定用リブ24の一部が開口612に入り込むことにより、取付部材6はx方向への移動が制限され固定される。取付部材6を固定用リブ24に確実に固定するためには、開口612は複数設けておくことが望ましい。
【0042】
連結部62は、固定板部61のx方向外方端からz方向上方に起立した板状の部位である。中間板部63は、連結部62のz方向上端からx方向外方に延びる板状の部位である。連結部64は、中間板部63のx方向外方端からz方向下方に延びる板状の部位である。
図8に示すように、連結部62、中間板部63および連結部64は、エンドキャップ5の差込部52を跨ぐように設けられている。
【0043】
延出板部65は、連結部64のz方向下端からx方向外方に延出する板状の部位である。延出板部65の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向に沿って視てy方向を長手方向とし、x方向を短手方向とする長矩形状である。
【0044】
第1係止部66は、器具本体8の取付ピン86の突起部861に係合することにより、光源ユニット1を器具本体8に支持させるためのものである。
図6および
図7等を参照して上述したように、本実施形態においては、1つの光源ユニット1について、x方向の片側に一対ずつの突起部861(取付ピン86)が設けられている。これに対応して、1つの取付部材6には、
図14に示すように、一対の第1係止部66が設けられている。一対の第1係止部66は、y方向に互いに離間している。また、一対の第1係止部66のy方向におけるピッチは、一対の取付ピン86(突起部861)のy方向におけるピッチと略同じである。
【0045】
第1係止部66は、突起部861に係合可能であれば、その具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、第1係止部66は、第1導入部661および係止凹部662を有する。第1導入部661は、第1係止部66と係合した状態の突起部861よりもz方向上方に位置している。第1導入部661は、x方向に沿って視てz方向に対して傾いた形状である。なお、後述する突起部861を導入する機能を果たす部位であれば、第1導入部661は、板状部位の端縁(ごく細い形状の面あるいは線状の角部)によって構成されていてもよいし、板状部位等の表面(一面)によって構成されていてもよい。図示された例においては、第1導入部661は、第1係止部66の端面によって構成されている。係止凹部662は、第1導入部661に対してz方向下方に位置しており、y方向の一方側から他方側(
図14(d)における図中左側から右側)に凹んだ部位である。z方向に沿って視て、係止凹部662は、第1導入部661と重なっている。
【0046】
起立板部67は、延出板部65のy方向一端縁からz方向上方に起立した部位である。起立板部67は、
図14(b),(d)において、図中左方の第1係止部66よりもx方向外方(図中左方)に位置している。起立板部67は、第2導入部671を有する。第2導入部671は、x方向に沿って視て第1係止部66の第1導入部661とy方向において対向した位置に設けられている。また、第2導入部671は、z方向において第1係止部66と係合した状態の突起部861よりもz方向上方に位置しており、第1導入部661の一部とz方向における位置が同じである。第2導入部671は、x方向に沿って視て、z方向に対して傾いた形状である。また、x方向に沿って視て、第1導入部661と第2導入部671との距離は、z方向下方から上方に向かうほど大きい。なお、後述する突起部861を導入する機能を果たす部位であれば、第2導入部671は、板状部位の端縁(ごく細い形状の面あるいは線状の角部)によって構成されていてもよいし、板状部位等の表面(一面)によって構成されていてもよい。図示された例においては、第2導入部671は、起立板部67のうち傾いた状態に折り曲げ加工された一部のy方向内面によって構成されている。
【0047】
なお、本実施形態においては、取付部材6は、1つの起立板部67を有するが、起立板部67の個数は何ら限定されない。たとえば、取付部材6が一対の起立板部67を有する構成であってもよい。この場合、一対の第1係止部66と一対の起立板部67とが個別に組となり、第1導入部661と第2導入部671とが上述した位置関係となる。
【0048】
側壁部68は、延出板部65のy方向端縁からz方向上方に起立した部である。本実施形態においては、取付部材6は、一対の側壁部68を有しており、一対の側壁部68が第1係止部66のy方向両端から起立している。側壁部68の具体的構成は特に限定されず、図示された例においては、x方向に沿って視て矩形状の板状部位である。
【0049】
〔固定部材7〕
固定部材7は、
図1、
図5~
図8に示すように、光源ユニット1の取付部材6の少なくとも一部をz方向下方から覆うものであり、光源ユニット1をより確実に器具本体8に固定する機能を果たす。固定部材7の個数は特に限定されず、1つでも複数でもよい。本実施形態においては、1つの光源ユニット1に一対の取付部材6が備えられていることに対応して、1つの光源ユニット1について、一対の固定部材7が備えられており、照明装置A1は、合計4つの固定部材7を備えている。固定部材7の材質は特に限定されず、たとえば樹脂からなる。固定部材7の具体的構成は特に限定されず、本実施形態においては、固定部材7は、
図15に示すように、カバー部71、起立板部72、一対の側板部73および一対のリブ74を有する。
【0050】
カバー部71は、取付部材6のz方向下方に位置することにより、取付部材6の少なくとも一部を覆う部位である。本実施形態においては、カバー部71は、取付部材6のすべてを覆う形状および大きさである。カバー部71の形状は特に限定されず、図示された例においては、z方向に沿って視て、y方向を長手方向とする長矩形状である。また、カバー部71は、x方向に沿って視て、透光カバー4の出射部41に沿うようにz方向下方に緩やかに膨出した曲線形状である。
【0051】
起立板部72は、カバー部71のx方向外方端からz方向上方に起立した板状の部位である。起立板部72は、一対の第1当接端縁721を有する。一対の第1当接端縁721は、y方向に互いに離間しており、各々が起立板部72のy方向外方端縁によって構成されている。一対の第1当接端縁721は、x方向に沿って視て、z方向下方から上方に向かうほどy方向の互いの距離が小さくなるように傾いている。一対の第1当接端縁721は、後述するように、固定部材7を光源ユニット1および器具本体8に固定した状態で、一対の突起部861にy方向内側から当接する部位である。
【0052】
一対の側板部73は、カバー部71のy方向両端からz方向上方に起立した板状の部位である。側板部73は、第2係止部731を有する。第2係止部731は、側板部73のz方向上端部分からy方向内方に突出した部位である。一対の側板部73の第2係止部731は、後述するように、固定部材7を光源ユニット1および器具本体8に固定した状態で、取付部材6の一対の側壁部68のz方向上端に係合する。また、一対の側板部73のy方向内面は、取付部材6の一対の側壁部68のy方向外面に個別に当接する。
【0053】
一対のリブ74は、カバー部71のz方向上面および起立板部72のx方向内面のそれぞれからx方向およびz方向に沿って起立した板状の部位である。一対のリブ74は、y方向に互いに離間して設けられている。リブ74は、第2当接端縁741および段差部742を有する。第2当接端縁741は、リブ74のx方向内端縁であり、z方向下方から上方に向かうほどx方向外方に位置するように傾斜している。段差部742は、第2当接端縁741に対してz方向下方に位置しており、第2当接端縁741よりもx方向内方に突出している。後述するように、固定部材7を光源ユニット1および器具本体8に固定した状態で、取付部材6の延出板部65のx方向外方端縁が、一対のリブ74の第2当接端縁741に当接する。また、段差部742は、取付部材6の延出板部65に対してz方向下方に位置し、延出板部65にz方向下方から当接する場合がある。
【0054】
次に、器具本体8に対する光源ユニット1および一対の固定部材7の取り付けについて、
図16~
図25を参照しつつ、以下に説明する。
【0055】
図16~
図18は、器具本体8に光源ユニット1および固定部材7を取り付ける前の状態を示している。
図16においては、理解の便宜上、器具本体8の縦板部82、中板部83および反射板部84を省略している。
図17は、取付部材6の側壁部68および固定部材7の側板部73と交差するyz平面における断面図である。
図17は、光源ユニット1のy方向中心を通るzx平面における断面図である。以降に参照する各図面においても同様である。また、光源ユニット1の取り付けが完了するまでは固定部材7は必ずしも必要ではないが、理解の便宜として図示している。
【0056】
器具本体8を、たとえば室内の天井に固定しておく。そして、一対の端板部81、縦板部82、中板部83および反射板部84に囲まれた空間に向けて、光源ユニット1を上昇させる。この際、
図17に示すように、x方向に沿って視て一方の突起部861(図中右方の突起部861)を、y方向において一方の第1係止部66の第1導入部661(図中右方の第1係止部66の第1導入部661)と起立板部67の第2導入部671との間に位置させる。また、
図18に示すように、y方向に沿って視て、第1係止部66および起立板部67(第2導入部671)を、突起部861のz方向下方に位置させる。
【0057】
光源ユニット1を上昇させると、
図19~
図21に示すように、x方向に沿って視て一方の突起部861(
図20における図中右方の突起部861)が、一方の第1導入部661と第2導入部671との間を通過して延出板部65のz方向上面に近接する位置に到達する状態となる。また、他方の突起部861が他方の第1導入部661と通過して延出板部65のz方向上面に近接する位置に到達する状態となる。この工程において、突起部861が、第1導入部661や第2導入部671に当接すると、突起部861から第1導入部661や第2導入部671に反力が生じ、突起部861が第1導入部661と第2導入部671との間に位置するように、光源ユニット1がy方向に移動させられる。
【0058】
次いで、図中の矢印の方向(
図20における図中右方)に光源ユニット1を移動させる。すると、
図22および
図23に示すように、一対の突起部861が一対の第1係止部66の係止凹部662に進入する。これにより、一対の第1係止部66が一対の突起部861に係合する。この係合は、光源ユニット1のx方向両端に設けられた一対の取付部材6のそれぞれにおいて達成される。
【0059】
次いで、固定部材7を上昇させ、
図8、
図24および
図25に示すように、固定部材7を光源ユニット1および器具本体8に取り付ける。この際、取付部材6の一対の側壁部68のy方向外方に一対の側板部73が移動してくる。そして、一対の側壁部68のz方向上端に一対の側板部73の第2係止部731が個別に係合する。また、延出板部65のx方向外方に固定部材7のリブ74が移動してくる。そして、リブ74の第2当接端縁741が延出板部65のx方向外方端縁に当接する。このときに、リブ74の段差部742が延出板部65のz方向下面に当接する構成であってもよい。
【0060】
次に、照明装置A1の作用について説明する。
【0061】
本実施形態によれば、端板部81からx方向内方に突出した突起部861に取付部材6の第1係止部66が係合することによって、光源ユニット1が器具本体8に取り付けられる。このため、光源ユニット1のz方向上方に、光源ユニット1を取り付けるための部位を設ける必要がない。したがって、器具本体8の軽量化や材料コストの低減を図ることができる。
【0062】
また、
図25に示すように、固定部材7が取り付けられた状態において、固定部材7の起立板部72の一対の第1当接端縁721は、y方向に互いに離間した一対の突起部861の間において、これらの突起部861に当接する。これにより、固定部材7のy方向位置が、一対の突起部861によって決定される。また、固定部材7の一対の側板部73のy方向内面には、取付部材6の一対の側壁部68のy方向外面が当接している。これにより、固定部材7を介して取付部材6のy方向位置が、一対の突起部861によって決定される。したがって、光源ユニット1の器具本体8に対するy方向位置をより正確に決定することができる。
【0063】
図25に示すように、一対の側板部73の第2係止部731は、取付部材6の一対の側壁部68のz方向上端に係合する。これにより、固定部材7を取付部材6に対してより確実に固定することができる。
【0064】
図8に示すように、固定部材7が取り付けられた状態において、固定部材7のリブ74の第2当接端縁741に取付部材6の延出板部65のx方向外方端縁が当接している。第2当接端縁741は、z方向下方から上方に向かうほどx方向外方に位置するように傾いている。このため、光源ユニット1に対して固定部材7が上昇してくると、延出板部65のx方向外方端縁と端板部81との間に、リブ74が楔のように進入する格好となる。そして、x方向両側の一対の固定部材7が取り付けられると、一対の取付部材6を有する光源ユニット1が、一対の固定部材7を介して一対の端板部81に挟まれる格好となる。したがって、光源ユニット1の器具本体8に対するx方向位置をより正確に決定することができる。
【0065】
図17に示すように、取付部材6は、y方向において互いに対向した第1導入部661および第2導入部671を有する。第1導入部661と第2導入部671とのy方向における距離は、z方向下方から上方に向かうほど大きい。これにより、
図17および
図20に示すように、光源ユニット1を器具本体8に取り付ける際に、第1導入部661と第2導入部671との間に突起部861を導入することが可能である。これは、光源ユニット1の取り付けの際に、光源ユニット1がy方向に若干ずれた状態で取付作業を開始しても、突起部861を第1係止部66に適切に係合させることが可能であり、光源ユニット1の取り付けをより容易に行うことができる。
【0066】
本発明に係る照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0067】
A1 :照明装置
1 :光源ユニット
2 :支持部
3 :光源部
4 :透光カバー
5 :エンドキャップ
6 :取付部材
7 :固定部材
8 :器具本体
21 :主板部
22 :保持用リブ
23 :係合用リブ
24 :固定用リブ
31 :LED基板
32 :LED
41 :出射部
42 :係合端部
51 :遮蔽部
52 :差込部
61 :固定板部
62 :連結部
63 :中間板部
64 :連結部
65 :延出板部
66 :第1係止部
67 :起立板部
68 :側壁部
71 :カバー部
72 :起立板部
73 :側板部
74 :リブ
81 :端板部
82 :縦板部
83 :中板部
84 :反射板部
86 :取付ピン
611,612:開口
661 :第1導入部
662 :係止凹部
671 :第2導入部
721 :第1当接端縁
731 :第2係止部
741 :第2当接端縁
742 :段差部
861 :突起部