(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20240905BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240905BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240905BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240905BHJP
【FI】
F21V19/00 510
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S2/00 230
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021005272
(22)【出願日】2021-01-15
(62)【分割の表示】P 2020041333の分割
【原出願日】2020-03-10
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】茂木 賢一
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 直輝
(72)【発明者】
【氏名】芝野 瑠津子
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091669(JP,A)
【文献】特開2007-123218(JP,A)
【文献】登録実用新案第3192309(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 8/04
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、
前記取付器具は、長手方向に長い長尺状の器具側ベースと、前記灯具を前記器具側ベースに取り付けるための灯具取付具とを備え、
前記灯具は、発光素子を含む光源ユニットと、前記光源ユニットを表側に搭載する長尺状の灯具側ベースと、前記光源ユニットを表側から覆う透光性カバーとを備え、
前記灯具取付具は、前記器具側ベースと当接する平板部と、前記平板部から延伸する弾性変形部分と、前記弾性変形部分に設けられた一対の係合部分とを有し、
前記灯具側ベースは、前記光源ユニットを搭載する光源搭載部と、前記光源搭載部に対して裏側へ延伸し、前記長手方向と直交する短手方向に離間して配置される一対の裏延伸部とを有し、
前記器具側ベースは、前記短手方向の端部に形成された折返部と、前記折返部から前記短手方向の外方へ突出する突条部とを有し、
前記裏延伸部は、
前記短手方向の内方側に張り出す張出部分を有し、
前記張出部分が前記灯具取付具の前記係合部分に係合し、
前記張出部分は、前記裏延伸部における前記短手方向の内方側で前記係合部分と係合
し、
前記突条部は、前記取付器具に前記灯具を取り付けた場合に、前記灯具側ベースが当接する
照明装置。
【請求項2】
前記灯具取付具は、前記平板部から裏側に突出する規制部分を有し、
前記規制部分が、前記器具側ベースの貫通孔の端面に当接又は近接することにより、前記平板部が前記器具側ベースに対して
前記短手方向に移動するのを規制する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記灯具取付具は、帯状の金属板を湾曲・屈曲させて構成されている
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記灯具取付具の前記係合部分は、前記灯具側ベースの前記張出部分の形状に対応し、前記弾性変形部分の延伸先端から前記短手方向の内方へ屈曲している
請求項1~3の何れか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は器具に灯具が着脱可能に装着される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井や壁等の設置面の取付器具に取り付けられる灯具の光源に発光素子が用いられた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1において、取付器具への灯具の取り付けは、設置面に取り付けられた取付器具(6)の固定板(62)の第2固定片(621)のねじ孔(622)に、灯具(1)の取付具(5)の第2取付板(51)の第1挿通孔(510)を挿通する取付ねじ(54)をねじ込むことで行われている(第28段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ねじを用いているため、その取付作業や灯具の交換作業に時間を要していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、灯具の取付器具への取り付けを簡単に行うことができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、前記取付器具は、長尺状の器具側ベースと、前記灯具を前記器具側ベースに取り付けるための灯具取付具とを備え、前記灯具は、発光素子を含む光源ユニットと、前記光源ユニットを表側に搭載する長尺状の灯具側ベースと、前記光源ユニットを表側から覆う透光性カバーとを備え、前記灯具取付具は、前記器具側ベースと当接する平板部と、前記平板部から延伸する弾性変形部分と、前記弾性変形部分に設けられた係合部分とを有し、前記灯具側ベースは、前記光源ユニットを搭載する光源搭載部と、前記光源搭載部に対して裏側へ延伸する裏延伸部とを有し、前記裏延伸部は、短手方向の内方側に張り出す張出部分を有し、前記張出部分が前記灯具取付具の前記係合部分に係合する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、取付器具に対して灯具を近づけることで取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る照明装置を示す斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
【
図2】(a)は(c)におけるA-A断面を矢印側から見た図であり、(b)は(c)におけるB-B断面を矢印側から図であり、(c)は照明装置の縦断面図である。
【
図3】分解状態の照明装置を示す斜視図であり、取付器具は表側から見た図であり、灯具は裏側から見た図であり、拡大図は取付器具の端部の図である。
【
図4】(a)及び(b)は器具側ベースに器具取付具を取り付けた状態の斜視図であり、(c)は器具側ベースに灯具取付具を取り付けた状態の断面図であり、(d)及び(e)は灯具取付具の斜視図である。
【
図5】(a)及び(b)は器具側ベースに端子台付きの端子台取付具を取り付けた状態の斜視図であり、(c)は器具側ベースに端子台取付具を取り付けた状態の断面図であり、(d)及び(e)は端子台取付具の斜視図である。
【
図6】灯具の分解状態を表側から見た斜視図である。
【
図7】灯具の分解状態を裏側から見た斜視図である。
【
図8】光源保持具、灯具側ベース、光源ユニット及び透光性カバーの分解状態を長手方向から見た図である。
【
図9】表側から見た斜視図であり、(a)は灯具側ベースから光源保持具を取り外した状態を示し、(b)は灯具側ベースに光源保持具を組み込んだ状態を示す。
【
図10】(a)は端部カバーの斜視図を示し、(b)及び(c)は固定具を表裏から見た斜視図であり、(d)は灯具の端部の縦断面を裏側から見た斜視図である。
【
図11】電源ユニット及び無線通信ユニットの周辺部の拡大図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は裏側から見た平面図である。
【
図12】(a)及び(b)は位置合わせ具を表裏から見た斜視図であり,(c)は灯具における位置合わせ具周辺の縦断面拡大図である。
【
図13】(a)は第2実施形態の照明装置を示す斜視図であり、(b)は連結部分の拡大図であり、(c)は連結部分であって器具側ベースを取り外した状態の拡大図であり、(d)は連結部分の縦断面拡大図である。
【
図14】(a)器具側ベースに連結具を組み込んだ状態の断面図であり、(b)は連結具の斜視図であり、(c)器具側ベースに支持板を組み込んだ状態の断面図であり、(d)は支持板の斜視図である。
【
図15】(a)は第3実施形態の照明装置を表側から見た斜視図であり、(b)は照明装置の端側を切り欠いた状態を裏側から見た斜視図であり、拡大図は、(b)の切り欠き部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
一態様に係る第1の照明装置は、灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、前記取付器具は、長尺状の器具側ベースと、前記灯具を前記器具側ベースに取り付けるための灯具取付具とを備え、前記灯具は、発光素子を含む光源ユニットと、前記光源ユニットを表側に搭載する長尺状の灯具側ベースと、前記光源ユニットを表側から覆う透光性カバーとを備え、前記灯具取付具は、前記器具側ベースと当接する平板部と、前記平板部から延伸する弾性変形部分と、前記弾性変形部分に設けられた係合部分とを有し、前記灯具側ベースは、前記光源ユニットを搭載する光源搭載部と、前記光源搭載部に対して裏側へ延伸する裏延伸部とを有し、前記裏延伸部は、短手方向の内方側に張り出す張出部分を有し、前記張出部分が前記灯具取付具の前記係合部分に係合する。
別態様に係る第2の照明装置は、第1の照明装置において、前記灯具取付具は、前記平板部から裏側に突出する規制部分を有し、前記規制部分が、前記器具側ベースの貫通孔の端面に当接又は近接することにより、前記平板部が前記器具側ベースに対して短手方向に移動するのを規制する。
別態様に係る第3の照明装置は、第1又は第2の照明装置において、前記灯具取付具は、帯状の金属板を湾曲・屈曲させて構成されている。
別態様に係る第4の照明装置は、第1~第3の何れかの照明装置において、前記灯具取付具の前記係合部分は、前記灯具側ベースの前記張出部分の形状に対応し、前記弾性変形部分の延伸先端から短手方向の内方へ屈曲している。
明細書の一態様に係る照明装置は、灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、前記取付器具の取付部及び前記灯具の被取付部は、前記取付器具に対して前記灯具を取付方向に近づけた際に前記取付部及び被取付部の少なくとも一方が前記取付方向と交差する方向に弾性変形して、互いに係合する。これにより、ねじ等を利用せずに灯具を取付器具に取り付けることができる。
【0009】
明細書の別態様に係る照明装置において、前記灯具は、光源を搭載するための光源搭載部と前記被取付部とを有する一体成形品である灯具側ベースを備える。これにより、被取付部を別部材として光源搭載部に取り付ける必要がなく、組み縦コストを削減できる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記取付器具は、長尺状の器具側ベース部の短手方向の両端から表側に折り返された折返部を有する器具側ベースと、端子台取付具を介して前記器具側ベースに取り付けられる端子台とを備え、前記端子台取付具は、前記端子台が固定される平板部と、前記器具側ベースの折返部に挿入して取り付けられる取付部と、前記器具側ベースの凹部側に折り曲げられた位置決め部とを有する。これにより、ねじ等を用いることなく端子台取付具を器具側ベースに取り付けることができ、組み立てコストを削減できる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記取付器具は、前記器具側ベースの一対の折返部間の寸法より大きく、弾性変形させることで前記折返部間に配することが可能な支持板を備え、前記端子台に接続されるワイヤが前記支持板により表側から支持されている。これにより、ワイヤが垂れ下がって灯具と干渉するのを防止できる。
【0010】
<第1実施形態>
1.照明装置の全体構成
照明装置1は例えば天井等の設置面に取り付けられる長尺状のLEDベースライトである。照明装置1は、
図1~
図3に示すように、設置面に固定される取付器具3と、取付器具3に取り付けられる灯具5とを備える。
照明装置1において光を出射する側を表側とし、単に「表側」とすることもある。照明装置1において設置面が存在する側を裏側とし、単に「裏側」とすることもある。長尺状の照明装置1の長手方向を単に「長手方向」とし、照明装置1の短手方向を単に「短手方向」とする。
また、長手方向の端部について、
図2の無線通信ユニット56が位置する側を他端部とし、反対側を一端部とする。
【0011】
2.取付器具
主に
図2及び
図3を用いて説明する。
取付器具3は、例えば設置面(図示省略)に設けられた吊りボルト31にナット32が螺合することで、設置面に固定される。
取付器具3は、器具側ベース33と、灯具5を器具側ベース33に取り付けるための灯具取付具34とを備える。
ここでの取付器具3は、灯具取付具34以外に、灯具5に商用電源を供給するための端子台35とを備えている。なお、端子台35は、端子台取付具37を利用して器具側ベース33に取り付けられる。
以下、各部について説明する。
【0012】
(1)器具側ベース
器具側ベース33は、
図3の拡大図に示すように、長手方向に長い矩形状をする器具側ベース部330と、器具側ベース部330の短手方向に間隔をおいて設けられ且つ長手方向に延伸する一対の溝部331,332と、器具側ベース部330の短手方向の端部に形成された折返部333,334と、折返部333,334から短手方向の外方へ突出する突条部335,336を有する。
器具側ベース33を長手方向から見ると、一対の溝部331,332間の中央(短手方向の中央である)を通り且つ表裏方向へ延伸する仮想線に対して線対称の形状をしている。
器具側ベース33は、樹脂材料や金属材料を利用した引抜品や押出品であってもよいし、金属板をプレス加工した加工品であってもよい。
【0013】
器具側ベース部330は設置面に当接する。器具側ベース部330の裏面は、溝部331,332を有しているが、平坦状をしている。
器具側ベース部330は、吊りボルト31用の貫通孔(図示省略)、灯具取付具34用の貫通孔330b(
図4の(a)参照)、灯具5の無線通信ユニット56と干渉を防止するための貫通孔330c等を有している。貫通孔330a,330b,330cは、その目的に合致する形状・大きさを有している。
【0014】
一対の溝部331,332は、器具側ベース33を補強する機能を有する。一対の溝部331,332の表面は灯具取付具34(
図4の(c)参照)や端子台取付具37(
図5の(c)参照)に当接する。つまり、一対の溝部331,332は灯具取付具34や端子台取付具37を裏側から支持する機能を有する。なお、一対の溝部331,332の間は、端子台35を端子台取付具37に固定するためのねじ391(
図5の(a)参照)用の収容空間となる。
【0015】
折返部333,334は、器具側ベース部330の両端から表側を経由して短手方向の内方へと折り返されている。換言すると、折返部333,334は、器具側ベース部330の両端から表側に「L」字状に張り出している。折返部333,334には、
図5の(c)に示すように、端子台取付具37の取付部372が挿入される。この観点からは、折返部333,334は端子台取付具37の取付溝を構成する。
【0016】
突条部335,336は、
図2の(a)及び(b)に示すように、灯具5が取付器具3に取り付けられた灯具5に裏側から当接する。つまり、突条部335,336は、灯具5を取付器具3に取り付ける際のストッパーとして機能する。
【0017】
(2)灯具取付具
主に、
図4を用いて説明する。
灯具取付具34は、同図の(d)及び(e)に示すように、帯状の金属板を湾曲・屈曲させて構成されている。灯具取付具34は、器具側ベース33の溝部331,332と当接する平板部341と、灯具取付具34を器具側ベース33に固定するための固定部342と、灯具5を取り付ける取付部345,346とを有している。
【0018】
平板部341は、長手方向に長い矩形状をし、固定部342が設けられている。
固定部342は、器具側ベース33に対して短手方向の外方に平板部341が移動するのを規制する規制部分343と、器具側ベース33の貫通孔330bを利用して溝部331,332に係合する係合部分344とを有する。
ここでの固定部342は、規制部分343と係合部分344とを短手方向に有し、長手方向に2個ある。2組の規制部分343と係合部分344は、
図4の(e)に示すように、長手方向の中央であって短手方向の中央の点を基準にした点対称の位置に設けられている。これにより、灯具5が取り付け際に、固定部342に作用する負荷バランスを均一化できる。
【0019】
規制部分343は、平板部341のコ字片341aから裏側に突出する凸部分により構成されている。コ字片341aは、平板部341に形成されたコ字状溝341bの内側に形成され部分である。規制部分343は、
図4の(a)に示すように、器具側ベース33の貫通孔330b内で貫通孔330bに面する溝部331,332の端面330dに当接又は近接している。
【0020】
係合部分344は、平板部341のコ字状溝341bの内側部分のコ字片が裏側に湾曲して構成されている。係合部分344は、
図4の(a)に示すように、器具側ベース33の貫通孔330bから裏側へと延出して溝部331,332の裏面に当接(係合)している。
【0021】
取付部345,346は、取付器具3に対して灯具5を取付方向(ここでは表裏方向である)に近づけた際に、取付方向と交差する方向に弾性変形可能に構成されている。取付部345,346は、平板部341の短手方向の端部から延伸する延伸部分で構成される。取付部345,346は、灯具5の取り付けの際に、取付方向と直交する方向であって間隔が狭くなる方向に弾性変形し、
図2の(a)に示すように、灯具5の裏延伸部519に係合する。
具体的には、取付部345,346は、平板部341から延伸する弾性変形部分347と、弾性変形部分347に設けられた係合部分348とを有する。
弾性変形部分347は、平板部341の短手方向の端部から短手方向の外方であって表側に延伸する内側延伸領域347aと、内側延伸領域347aの延伸先端から短手方向の外方であって裏側に延伸する外側延伸領域347bとを有している。
係合部分348は、灯具側ベース51の裏延伸部519の張出部分519b(
図8参照)の形状に対応し、外側延伸領域347bの延伸先端から短手方向の内方へ屈曲している。
【0022】
(3)端子台及び端子台取付具
主に、
図5を用いて説明する。
端子台35は、ここでは、2芯用の端子台で、
図2の(c)及び
図3に示すように、商用電源側のハーネス2(
図1及び
図2参照)と接続される。
端子台35は、
図5の(a)に示すように、ねじ391により端子台取付具37に固定され、端子台取付具37が器具側ベース33に取り付けられる。
【0023】
端子台取付具37は、同図の(d)及び(e)に示すように、金属板を湾曲・屈曲させて構成されている。端子台取付具37は、器具側ベース33の溝部331,332と当接する平板部371と、端子台取付具37を器具側ベース33に取り付けるための取付部372,373と、端子台取付具37を器具側ベース33に位置決めするための位置決め部374と、端子台35を支持する支持部375,376とを有している。
【0024】
平板部371は、長手方向に長い矩形状をし、短手方向の端部側に取付部372,373と支持部375,376とが設けられ、長手方向の少なくとも他端部に位置決め部374が設けられている。なお、平板部371は、端子台354がねじ391より表面に固定する端子台固定領域を有する。
【0025】
取付部372,373は、同図の(c)に示すように、器具側ベース33の折返部333,334に挿入される。換言すると、取付部372,373は折返部333,334に係合することで、端子台取付具37が器具側ベース33に取り付けられる。取付部372,373は、平板部371の短手方向の両端から短手方向の外方へと延伸する。具体的には、取付部372,373は、平板部371から短手方向の外方であって裏側に延伸する内延伸部分372a,373aと、内延伸部分372a,373aの延伸先端から短手方向の外方であって表側に延伸する外延伸部分372b,373bとを有している。これにより、取付部372,373は、表裏方向に弾性変形可能となり、器具側ベース33の折返部333,334に長手方向の端から取付部372,373を挿入する際に、平板部371を器具側ベース33の一対の溝部331,332の表面に当接させながら、所定位置まで端子台取付具37を挿入できる。
【0026】
位置決め部374は、平板部371のコ字状溝371aの内側部分で構成され、端子台取付具37を器具側ベース33の所定位置まで挿入(スライド)した後に、裏側へと折り曲げられる。これにより、位置決め部374は、平板部371から立設状態となり、器具側ベース33の溝部332の貫通孔332aに嵌る。これにより、端子台取付具37は、器具側ベース33に長手方向に位置決めされる。なお、貫通孔332aは、位置決め部374が折り曲げられる器具側ベース33の凹部の一例に相当する。
【0027】
支持部375,376は、取付部372,373の基部側と平板部371の短手方向の両端とに跨る領域に形成されたコ字状溝371bの内側部分が表側に折り曲げられて構成されている。つまり、取付部372,373の基部又は平板部371の両端から表側に立設する立設部分により構成される。支持部375,376は、
図5の(a)に示すように、端子台35の側壁351に当接又は近接する。これにより、端子台35が器具側ベース33の短手方向の両側から支持される。
【0028】
平板部371は、端子台35内を挿通するねじ391が螺合するねじ孔371cや、アース接続するためのねじ392用のねじ孔371d,371eを有している。
【0029】
3.灯具
(1)全体
灯具5は、
図6~
図7に示すように、少なくとも、発光素子の一例であるLED素子503(
図8参照)を光源とする光源ユニット50と、光源ユニット50を表面に搭載する灯具側ベース51と、主に光源ユニット50を表側から覆う透光性カバー52とを備える。
灯具5は、光源ユニット50、灯具側ベース51、透光性カバー52以外に、光源ユニット50を灯具側ベース51に保持させるための複数の光源保持具53と、灯具側ベース51及び透光性カバー52の長手方向の両端を塞ぐ端部カバー54と、光源ユニット50に点灯電力を供給する電源ユニット55と、図外の照明制御装置から灯具5の点灯に関する点灯信号等を受信するための無線通信ユニット56とを備える。なお、複数の光源保持具53の内、長手方向の両側に位置する光源保持具53は固定具57により固定され、灯具5は灯具5を取付器具3に取り付ける際の位置合わせ用の位置合わせ具58を有している。
【0030】
(2)灯具側ベース
灯具側ベース51は、
図6及び
図7に示すように、長尺状をしている。灯具側ベース51は、
図8に示すように、横断面形状が長手方向に一定である。灯具側ベース51は、例えば金属材料により構成され、引き抜き成形等による一体成形品を利用できる。
灯具側ベース51は、横断面形状において、短手方向の中央を通り且つ表裏方向に延伸する中心軸(以下、単に「縦中心軸」とする)Xに対して左右(短手方向の両側)対称な形状をしている。
灯具側ベース51は、少なくとも、光源(LED素子)を搭載する光源搭載部と、透光性カバー52を装着する透光性カバー装着部と、灯具5が取付器具3に取り付けられるための被取付部とを有する。ここでの灯具側ベース51は、光源搭載部、透光性カバー装着部及び被取付部以外に、電源ユニット55を裏側に搭載する電源ユニット搭載部と、無線通信ユニット56を裏側に搭載する無線通信ユニット搭載部とを有する。なお、光源搭載部は、光源を光源ユニットまたは光源モジュールとして搭載する。
【0031】
灯具側ベース51は、
図8に示すように、縦中心軸X上から短手方向の外方であって裏側に向かう一対の傾斜部511を有する。つまり、傾斜部511は、縦中心軸Xに対して裏側拡がりに傾斜する。縦中心軸Xを挟んで2個ある傾斜部511は、例えば「V」字状をしている。傾斜部511の表面に光源ユニット50が搭載される。つまり、傾斜部511は光源搭載部を構成する。
【0032】
灯具側ベース51は、傾斜部511の裏側端から短手方向の外方へと延伸する内延伸部512と、内延伸部512の短手方向の外方端から裏側に立設する立設部513とを有する。
縦中心軸Xを挟んで2個ある内延伸部512と立設部513とで構成される空間に電源ユニット55や無線通信ユニット56(
図2の(b)参照)が搭載される。つまり、内延伸部512と立設部513とは電源ユニット搭載部や無線通信ユニット搭載部を構成する。
灯具側ベース51は、一対の傾斜部511の各裏面からの裏側に延伸するリブ部514を長手方向の全長に亘って有している。2本のリブ部514の間隔は一定であり、2本のリブ部514により溝部515が形成される。溝部515には、電源ユニット55や無線通信ユニット56を固定するねじ559,569(
図11参照)が螺合する。つまり、溝部515は、電源ユニット55を固定する電源ユニット固定部や、無線通信ユニット56を固定する無線通信ユニット固定部を構成する。
【0033】
灯具側ベース51は、立設部513の裏側端から短手方向の外方へ延伸する外延伸部516と、立設部513の表裏方向の中間部分に形成された中延伸部517とを有する。
外延伸部516は、短手方向の外方へ延伸した後に表側に屈曲している。つまり、表側に屈曲する「L」字状をしている。
中延伸部517は、立設部513の外面から短手方向の外方へと延伸した後に、裏側に屈曲する。つまり、裏側に屈曲する「L」字状をしている。
図2の(b)の拡大図に示すように、外延伸部516と中延伸部517とで形成される溝部518に、透光性カバー52におけるカバー側装着部523が挿入される。なお、挿入は、透光性カバー52を灯具側ベース51の長手方向の端部からスライドさせることで行われる。つまり、外延伸部516と中延伸部517は、透光性カバー52を装着する透光性カバー装着部を構成する。
【0034】
灯具側ベース51は、外延伸部516から裏側に延伸する裏延伸部519を有している。裏延伸部519は、外延伸部516の短手方向の中央から延伸する延伸部分519aと、延伸部分519aの延伸先端から短手方向に張り出す張出部分519bとを有する。
延伸部分519aは表裏方向(垂直方向)に延伸している。張出部分519bは、例えば短手方向の内方側に張り出す。ここでの張出部分519bは、延伸部分519aから「V」字状に屈曲している。裏延伸部519の張出部分519bは、取付器具3の灯具取付具34の係合部分348と係合する(
図2の(b)拡大図参照)。このため、裏延伸部519(張出部分519b)は、取付器具3の係合部分348に係合される被係合部でもあり、被取付部を構成する。
【0035】
灯具側ベース51は、光源保持具53用の貫通孔51a(
図9参照)や、光源ユニット50に給電するための配線用の貫通孔を有する。
【0036】
(3)光源ユニット
光源ユニット50は、
図8に示すように、長手方向に長い矩形状の光源基板501と、光源基板501に実装された複数個のLED素子503とを備える光源モジュール505を複数個(ここでは4個である)備える。各光源モジュール505は、
図8に示すように、縦中心軸Xに対して左右(短手方向の両側)対称となるように傾斜部511に配されている。
なお、各光源基板501は、電源ユニット55からのワイヤと接続するためのコネクタ507を有する。
【0037】
(4)透光性カバー
透光性カバー52は、光源ユニット50からの光を透過させて外部へと出射する。
透光性カバー52は、
図6及び
図7に示すように、長尺状であって両端と裏面が開放し、透光性樹脂により構成されている。透光性カバー52は、光源ユニット50を表側から覆うカバー本体部521と、灯具側ベース51に装着するためのカバー側装着部523とを有する。
【0038】
カバー本体部521は、
図8に示すように、長手方向に延伸する開口521aを裏面に有し、当該開口521aを利用して透光性カバー52が灯具側ベース51に装着される。
カバー本体部521は、横断面形状が長手方向に沿って一定に構成され、横断面において、縦中心軸Xに対して左右(短手方向の両側)対称な形状をしている。これにより、左右対称な位置に配された光源モジュール505とで、左右で略対称な配光特性が得られる。なお、ここでのカバー本体部521は、横断面形状が短手方向に長い矩形状をしている。
【0039】
カバー側装着部523は、カバー本体部521の裏壁521bにおける開口521aの両側に形成され、例えば「N」状をしている。カバー側装着部523は、
図2の(c)の拡大図に示すように、灯具側ベース51の溝部518と係合する。
カバー側装着部523は、
図8に示すように、カバー本体部521の裏壁521bにおける開口521a側の端部から表側に延伸する外側表延伸部分523aと、外側表延伸部分523aから縦中心軸Xに向かう水平延伸部分523bと、水平延伸部分523bの縦中心軸X側の端から表側に延伸する内側表延伸部分523cとを有する。
外側表延伸部分523aは、
図2の(b)の拡大図に示すように、灯具側ベース51の外延伸部516の表延伸部分516aと対向する。内側表延伸部分523cは、灯具側ベース51の立設部513と中延伸部517の裏延伸部分517aとの間に位置する。
【0040】
(5)光源保持具
光源保持具53は、短手方向に「V」字状に配された光源モジュール505を保持する。光源保持具53は、
図8及び
図9に示すように、保持具本体部531が灯具側ベース51の裏側に配され、光源モジュール505を保持する保持部532が灯具側ベース51の貫通孔51aから表側に露出している。保持具本体部531は、灯具側ベース51の貫通孔51aを表側に通過できない大きさであり、長手方向に延伸している光源モジュール505を保持することで光源保持具53が裏側へと抜けないようになっている。
換言すると、光源保持具53は、灯具側ベース51の裏面に当接する当接部と、灯具側ベース51の貫通孔51aから表側に露出する露出部と、露出部に設けられ且つ光源モジュール505を保持する保持部とを有している。
これにより、光源保持具53を灯具側ベース51にねじ等で固定せずに、光源ユニット50を支持できる。
【0041】
保持具本体部531は、
図8に示すように、灯具側ベース51の傾斜部511に対応した一対の傾斜部533と、傾斜部533の各裏側端から短手方向の外方へと延伸する裏延伸部534とを有している。ここでは、一対の傾斜部533は、灯具側ベース51の「V」字状の傾斜部511に対応して、「V」字状をしている。
裏延伸部534の表面は、
図9の(b)に示すように、灯具側ベース51の内延伸部512の裏面と当接する。なお、裏延伸部534は灯具側ベース51に当接する当接部を構成する。
保持具本体部531は、裏延伸部534の短手方向の端部に裏側に屈曲する屈曲部535を有している。屈曲部535は、灯具側ベース51の立設部513の内面と当接又は近接する。これにより、保持具本体部531が灯具側ベース51内で短手方向に位置決めされる。
【0042】
保持部532は、保持具本体部531から表側に延出して光源基板501の短手方向の端部を係止する係止部分537,538を有している。ここでの保持部532は、
図8に示すように、中心軸を挟んだ左右両側に2組ある。
係止部分537は2個の傾斜部533の連結部分(表側端部)に設けられ、係止部分538は裏延伸部534における傾斜部533側に設けられている。
係止部分537,538は、「L」字状をし、光源基板501の端面と表面とに対向(当接)することで、光源基板501を保持する。
光源基板501は、保持部532における長手方向(灯具側ベース51の長手方向である)から係止部分537,538間に挿入される。このように、光源ユニット50は、ねじ等を利用せずに、係止部分537,538間に挿入するだけで保持され、光源ユニット50の組み込みを容易にできると共に組み込みコストを低減できる。
【0043】
(6)端部カバー
端部カバー54は、透光性カバー52の両端部を塞ぐ状態で灯具側ベース51に固定される。透光性カバー52の両端の端部カバー54の構成は同じであるため、長手方向の一方側の端部カバー54を示す
図10の(a)及び(d)で説明する。
端部カバー54は、透光性カバー52の端部を塞ぐ端部カバー本体部541と、端部カバー本体部541の周縁付近から延伸して透光性カバー52の端部に嵌合する端部カバー嵌合部542と、端部カバーを灯具側ベース51にねじ549により固定するための固定部543とを有している。
固定部543は、端部カバー本体部541の裏側部分から灯具側ベース51の裏面へと延伸する板状部分544と、ねじ549用の貫通孔545とを有している。
【0044】
端部カバー54は、複数の照明装置1を長手方向に連結させる場合に、隣接する他の照明装置1から受電するためのハーネスやワイヤを受け入れるための受入口形成領域546を有している。受入口形成領域546は、
図10の(a)に示すように、端部カバー本体部541における固定部543よりも裏側部分にあり、切り取り可能とするためのミシン溝(不連続な溝)547により囲まれている。
端部カバー54は、
図10の(c)に示す固定具57の延伸部577の凸部分577bに嵌合する貫通孔548を板状部分544の貫通孔545の両側に有している。これにより、固定具57を長手方向に位置決めできる。
【0045】
(7)電源ユニット
主に、
図11を用いて説明する。
電源ユニット55は、商用電源等の外部電源から受電する受電部と、受電した電力から光源ユニット50用の点灯電力を生成するための点灯電力生成部(図示省略)とを、灯具側ベース51に固定される電源ケース550内に備える。
点灯電力生成部は、無線通信ユニット56から入力される点灯条件に基づいて点灯電力を生成する。
点灯電力生成部を回路構成する複数個の電子部品551は、
図11の(a)に示すように、電源基板552に実装されている。なお、図では、複数の電子部品551は1つのブロックとして記載している。
電源基板552には3個の接続端子(図示省略)が設けられている。2個の接続端子は、他端にコネクタ554を有するハーネス553(
図6及び
図7参照)に接続される。当該ハーネス553のコネクタ554は、
図3に示す端子台35に接続されたハーネス352のコネクタ353に接続される。これにより、電源ユニット55は端子台35と電気的に接続される。なお、ハーネス553と電源ユニット55との接続、ハーネス352と端子台35との接続の図示は省略している。
1個の接続端子はアース用であり、灯具側ベース51にワイヤ555を介して接続されている。
接続端子は、端子台35側から受電するためのハーネス553と接続する他、他の照明装置1に給電するためのハーネス(所謂、送り配線)と接続可能となっている。これにより、照明装置1は、外部電源から受電すると共に他の照明装置1に給電したり、外部電源から受電せずに隣接する他の照明装置1から受電したり、外部電源から受電せずに他の照明装置1から受電してさらに他の照明装置1に給電したり可能となる。
【0046】
電源ケース550は、長手方向に長い箱状をし、長手方向の両端から長手方向に張り出す張出部557を有する。張出部557はねじ559により灯具側ベース51に固定される。なお、ねじ559は灯具側ベース51の溝部515に螺合する。
【0047】
(8)無線通信ユニット
主に
図11を用いて説明する。
無線通信ユニット56は、点灯信号を受信して灯具5の電源ユニット55に点灯条件を出力したり、複数の照明装置1が1つの照明制御装置により制御されている場合に受信した受信信号が自装置に関するか否か等を判断したりする。無線通信ユニット56は、ハーネス568により電源ユニット55に接続され、電力供給されたり、点灯条件用の信号を出力したりする。
無線通信ユニット56は、無線通信モジュール561を通信ケース562内に有し、通信ケース562がねじ569により灯具側ベース51に固定される。なお、無線通信モジュール561には、照明装置1の識別情報等が書き込まれたドングル563を着脱可能に装着している。
【0048】
(9)固定具
主に
図10の(b)、(c)及び(d)を用いて説明する。
固定具57は、
図2の(b)に示すように、複数の光源保持具53の内、長手方向の両側の光源保持具53を裏側から覆うことで光源保持具53を灯具側ベース51に固定する。
固定具57は、光源保持具53を覆う箱状部571と、箱状部571の長手方向の外方側に位置する端壁574から外方側へ延伸する延伸部577と、箱状部571の蓋壁572の長手方向の内方側端と内方側に位置する端壁575とに跨る状態で表側に凹入する凹入部578とを有している。
箱状部571は、裏側から見ると、灯具側ベース51の長手方向に長い矩形状をし、
図10の(d)に示すように、灯具側ベース51の立設部513間に嵌合するように構成されている。つまり、箱状部571の側壁573が立設部513に対向し且つ当接又は近接する。これにより、固定具57が短手方向に位置決めされる。
箱状部571は、両端壁の574,575の表側端(開口側端)に、灯具側ベース51の傾斜部511に合わせて表側に張り出す張出部分574a,575aを有している。これにより、固定具57と灯具側ベース51との隙間を小さくできる。
箱状部571は、両側壁573の開口側端に裏側に凹入する凹入部分573aを有する。凹入部分573aは光源保持具53の屈曲部535と当接する。これにより、光源保持具53は表裏方向に位置決めされる。
【0049】
延伸部577は、端壁574の短手方向の両端側から板状に延伸する板状部分577aと、板状部分577aから裏側に突出する凸部分577bとを有している。凸部分577bは、
図10の(d)に示すように、端部カバー54の固定部の543の貫通孔548に表側から嵌合する。これにより、端部カバー54が灯具側ベース51から外れ難くできる。
凹入部578は、その底部分578aに貫通孔578bを有する。
図10の(d)に示すように、当該貫通孔578bを挿通するねじ579により固定具57が灯具側ベース51に固定される。
【0050】
(10)位置合わせ具
主に、
図12を用いて説明する。
位置合わせ具58は、灯具5を取付器具3に取り付ける際の位置合わせ用である。具体的には、取付器具3の灯具取付具34に灯具5の位置合わせ具58が位置するように、灯具5を取付器具3に取り付ける。
位置合わせ具58は、
図12の(a)及び(b)に示すように、矩形箱状部581と、矩形箱状部581の天壁583の角部分から裏側に突出する合計4個の凸部582とを有する。
平面視において、矩形箱状部581の長手方向は、灯具側ベース51の長手方向と一致する。矩形箱状部581における長辺に相当する側壁584は、灯具側ベース51の立設部513と対向する状態で接触又は近接する。これにより、位置合わせ具58は、灯具側ベース51に対して短手方向に位置決めされる。
【0051】
凸部582は、突出量の高い高凸部585と、突出量の低い低凸部586とを有し、長手方向の各端部に高凸部585と低凸部586とを有している。長手方向の両側にある高凸部585は、平面視においての中心(対角線の交点)に対して点対称の位置に存在する。凸部582の長手方向の間隔は、灯具取付具34の長手方向の寸法に対応している。これにより、
図12の(c)に示すように、位置合わせ具58の長手方向の両側の凸部582間に灯具取付具34が位置することとなり、灯具取付具34に対して灯具5を長手方向に位置合わせできる。なお、位置合わせ具58の位置合わせにより、取付器具3に対する灯具5の位置合わせがなされる。
【0052】
位置合わせ具58は、天壁583のボス部583aの底部を貫通するねじ589が灯具側ベース51の溝部515に螺合することで、灯具側ベース51に固定される。なお、位置合わせ具58は、側壁584とボス部583aとを結合するリブ部583bから表側に突出する凸部分583cが灯具側ベース51の内延伸部512の貫通孔(図示省略)に嵌合する。これにより位置合わせ具58は、灯具側ベース51に対して長手方向に位置合わせされる。
【0053】
<第2実施形態>
第1実施形態は、1台の照明装置1について説明したが、複数の照明装置1をその長手方向に接続して使用してもよい。
以下、長手方向に隣接する照明装置1A,1Bについて説明する。
1.全体
図13に示す照明装置1Aと照明装置1Bは、第1実施形態で説明した照明装置1と基本的に同じ構成をしているが、照明装置1Aの端子台35Aが商用電源に接続され、照明装置1Bは照明装置1Aからの送り配線により受電している。
つまり、照明装置1Aは、第1実施形態の照明装置1において、照明装置1B用の送り配線を電源ユニット55に接続した点が異なる。
照明装置1A,1Bにおいて、第1実施形態と同じ構成については、図面に現れていない場合でも、符号に「A」又は「B」を付している。
以下、
図13を用いて説明する。
【0054】
電源ユニット55Aの接続端子には、端子台35Aにコネクタ353A,554Aを介して接続されたハーネス553Aと、
図13の(c)及び(d)に示すように、照明装置1Bの端子台35Bに送り配線するためのハーネス2Bとが接続される。
ハーネス2Bは、照明装置1Aの取付器具3Aの器具側ベース33Aの表側に配されて、灯具5Aの端部カバー54Aの裏側を通って照明装置1Bから導出されている。導出されたハーネス2Bは、照明装置1Bの端部カバー54Bの裏側から照明装置1B内に導入され、器具側ベース33Bの表側を通り、端子台35Bに接続される。
端子台35Bは、同図の(c)に示すように、端子台取付具37Bを介して器具側ベース33Bに取り付けられている。このように、端子台35Bは端子台取付具37Bを介して器具側ベース33Bに位置変更可能に容易に取り付けることができる。
【0055】
端子台35Bには、電源ユニット55Bにコネクタ353,554Bを介して接続するためのハーネス553Bが接続される。ハーネス2Bは、器具側ベース33A,33Bと固定具57A,57Bとの間を通過する。固定具57A,57Bは、
図10に示すように、その蓋壁572の短手方向の両端が裏側に隆起して中間部分が凹入する形状をしており、ハーネス2Bは固定具57A,57Bの蓋壁572A,572Bにより保持される。
【0056】
照明装置1Aは、
図13の(c)に示すように長手方向に隣接する他の照明装置1Bと連結する又は連結を補助するため連結具38Aを備えてもよい。なお、連結具は、照明装置1Bに含まれる構成としてもよいし、照明装置1A,1Bに含まれない構成としてもよい。連結具38Aは、照明装置1Aの器具側ベース33Aと、照明装置1Bの器具側ベース33Bとを連結する。
【0057】
連結具38Aは、
図14の(a)及び(b)に示すように、薄肉の板状をしている。連結具38Aは、器具側ベース33Aの折返部333A,334Aに係合することで、器具側ベース33Aに取り付けられる。
連結具38Aは、器具側ベース33Aの溝部331A,332Aと当接する平板部381Aと、連結具38Aを器具側ベース33Aに取り付けるための取付部382A,383Aと、連結具38Aを器具側ベース33Aに位置決めするための位置決め部384Aとを有している。
【0058】
平板部381Aは、長手方向に長い矩形状をし、短手方向の端部に取付部382A,383Aが設けられ、長手方向の少なくとも他端部に位置決め部384Aが設けられている。
取付部382A,383Aは、平板部381Aから短手方向の外方へ弾性変形可能に延伸する。具体的には、取付部382A,383Aは、端子台取付具37Aの取付部372A,373Aと同様に、内延伸部分382Aa,383Aaと外延伸部分382Ab,383Abとを有している。これにより、器具側ベース33Aに長手方向の端から連結具38Aを挿入する際に、平板部381Aを器具側ベース33Aの一対の溝部331A,332Aの表面に当接させながら、所定位置まで連結具38Aを挿入できる。
【0059】
位置決め部384Aは、平板部381Aの他端から一端側に延伸する一対の溝385A間に形成され、厚み方向に弾性変形可能に構成されている。位置決め部384Aは、
図13の(b)に示すように、器具側ベース33Aの貫通孔330Afに嵌合する凸部分386Aを有している。これにより、連結具38Aが器具側ベース33Aに位置決め及び固定される。
【0060】
照明装置1Aは、
図14の(c)に示すように、ハーネス352Aを表側から支持する支持板39Aを備えてもよい。これにより、ハーネス352Aが器具側ベース33Aの表側に垂れ下がって灯具5Aと干渉するのを防止できる。
支持板39Aは、薄肉の板状に形成され、器具側ベース33Aの一対の折返部333A,334A間の寸法より大きく、弾性変形させることで、折返部333A,334A間に配することが可能である。なお、支持板39Aは、照明装置1Bに設けられるとしてもよい。
支持板39Aは、
図14の(c)及び(d)に示すように、平板部391Aと、平板部391Aの短手方向から延伸する取付部392A,393Aを有している。支持板39Aは、例えば、一方の取付部392Aを器具側ベース33Aの一方の折返部333Aに係合させた状態で、平板部391Aと他方の取付部393Aとを湾曲させて他方の折返部343Aに挿入することで、器具側ベース33Aに着脱可能に取り付けられる。これにより、支持板39Aを容易に取り付けることができる。また、ハーネス352Aを配置した後、支持板39Aを器具側ベース33Aに取り付けることができる。
【0061】
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態の照明装置1,1A,1Bは設置面に直接取り付けられる直付けタイプであったが、例えば、埋め込みタイプ等の他のタイプの照明装置であってもよい。
以下、第3実施形態の照明装置1Cについて
図15を用いて説明する。第3実施形態においても、
図15に現れていない場合でも、符号に「C」を付して説明する。
【0062】
照明装置1Cは、設置面9Cの貫通孔90Cに埋設される取付器具3Cと、取付器具3Cに着脱可能に取り付けられる灯具5Cとを備える。なお、灯具5Cは、第1実施形態の灯具5と同じ構成であり、その説明を省略する。
取付器具3Cは器具側ベース33Cを備え、当該器具側ベース33Cに、灯具取付具34C、端子台35C、端子台取付具37C、支持板39C等が設けられている。
第1実施形態とは器具側ベース33Cと灯具取付具34Cとが異なる。このため、この構成について説明し、他の構成の説明は省略する。
【0063】
器具側ベース33Cは、同図の(b)の拡大図に示すように、ベース本体部337Cと、ベース本体部337Cに設けられた筐体部338Cとを有する。
ベース本体部337Cは、第1実施形態と同様に、器具側ベース部分330C、溝部分331C,332C、折返部分333C,334Cを有している。
筐体部338Cは、表側が開放する箱状部分339Cと、箱状部分339Cの天壁339Caに形成された長手方向に長い貫通孔339Cbの両側から裏側に立設して折返部分333C,334Cに連結する連結部分340Cとを有している。
【0064】
灯具取付具34Cは、表側が開放するコ字状部341Cと、コ字状部341Cの開放側端部に設けられた取付部345C,346Cとを有する。
灯具取付具34Cは、取付部345C,346Cをベース本体部337Cの貫通孔337Caから表側に延出させると共にコ字状部341Cの平板部分341Caを器具側ベース33Cの一対の溝部分331C,332Cに載置した状態で、平板部分341Caの貫通孔を挿通するねじ349Cが器具側ベース部分330Cに螺合することで、器具側ベース33Cに固定される。
なお、灯具5Cは、灯具側ベース51Cの裏延伸部519が灯具取付具34Cの係合部分348Cに係合することで、取付器具3Cに取り付けられる。
【0065】
以上、第1~第3実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、各実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0066】
<変形例>
1.取付部及び被取付部
第1実施形態では、取付部は器具側ベース33に取り付けられる灯具取付具34の取付部345,346により構成され、被取付部は、灯具5の灯具側ベース51に一体に設けられた裏延伸部519により構成されている。
しかしながら、取付部と被取付部は、取付器具に対して灯具を取付方向に近づけた際に取付部及び被取付部の少なくとも一方が取付方向と交差する方向に弾性変形して、互いに係合すればよく、例えば、灯具側ベースに被取付部が一体に設けられたことを特徴としない場合、器具側ベースは、取付部を器具側ベース部に一体に設けた一体成形品とし、灯具側ベースに別部材として設けた被取付具の被取付部が取り付けの際に弾性変形可能としてもよい。さらに、取付部と被取付部とが互いに弾性変形して係合するようにしてもよい。
また、取付部345,346は、器具側ベース33と別部材の灯具取付具34に設けられていたが、器具側ベース33に一体(一体成形品として)に設けられてもよい。 同様に、被取付部519は、灯具側ベース51に一体に設けられていたが、灯具側ベースに被取付部が一体に設けられたことを特徴としない場合、灯具側ベースと別材の被取付具に設けられてもよい。
【0067】
第1及び第3実施形態では、灯具5,5Cの取付器具3,3Cの取り付け方向は、表裏方向であったが、例えば、取付器具の一方の取付部を係合溝部とし、灯具の一方の被取付部を前記係合溝部に係合する係合部とし、灯具の係合部を取付器具の係合溝部に係合させた状態で係合部分回りに灯具を回転させることで取付器具に近づけて、取付器具3の他方の取付部346を弾性変形させて灯具5の被取付部519が取り付けられるようにしてもよい。
【0068】
取付部345,346及び被取付部519は、上下方向と直交する方向(短手方向)の内方へ凹入する形状をしていたが、直交する方向(短手方向)の外方側に凸出する形状であってもよいし、凹入と凸出とを組み合わせた形状であってもよい。つまり、取付部と被取付部とが互いに係合できる形状であればよい。
【0069】
2.灯具側ベース
灯具側ベースは、光源搭載部と被取付部とを一体に有する場合、他の機能部を有してもよいし、有さなくてもよい。他の機能部としては、透光性カバー52を装着するための溝部518、電源ユニット55を位置決めする立設部513、ねじが螺合可能な溝部515等である。
但し、灯具側ベースとして、引き抜き成形品等を利用する場合、多くの機能部を有する方が、組み立て工数、部品点数の削減の観点から好ましい。
【0070】
3.器具側ベース
器具側ベース33Aは、端子台35A(端子台取付具37A)、連結具38A、支持板39Aを取り付けるための折返部333A,334Aを有しているが、折返部を利用して器具側ベースに取り付けることを特徴する場合を除いて、端子台35A(端子台取付具37A)、連結具38A、支持板39Aを別の方法で器具ベースに取り付けてもよい。但し、器具側ベースに1又は複数の部材を取り付ける場合、折返部を利用して取り付ける方が、組み立て工数、部品点数の削減の観点から好ましい。
器具側ベース33は、端子台取付具37の位置決め部374が折り曲げられる凹部の一例として貫通孔332aを有していたが、例えば、凹部を有してもよい。また器具側ベースは、表側に突出する一対の突出部を有し、当該突出部間に位置決め部が折り曲げられてもよい。この場合、一対の突出部間に凹部が形成される。
【符号の説明】
【0071】
1 照明装置
3 取付器具
5 灯具
34 灯具取付具
35 端子台
37 端子台取付具
51 灯具側ベース
345 取付部
346 取付部
519 裏延伸部(被取付部)