(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】換気通気口用モジュール式フィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 46/18 20060101AFI20240905BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20240905BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B01D46/18 B
F24F7/003
F24F13/28
(21)【出願番号】P 2021523784
(86)(22)【出願日】2019-11-02
(86)【国際出願番号】 IT2019050234
(87)【国際公開番号】W WO2020089955
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】102018000010016
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518219516
【氏名又は名称】ニッティ-グリッティ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】NITTY-GRITTY S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル ラペロサ
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-033325(JP,A)
【文献】特開2002-186814(JP,A)
【文献】特開2005-207717(JP,A)
【文献】実公昭46-017264(JP,Y1)
【文献】特開平01-228520(JP,A)
【文献】中国実用新案第211635716(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110431354(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/54
F24F 7/00-7/007
F24F 13/08-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過すべき空気の取入口(B)を有する入れ物の表面(S)に係合する固定手段(13)を備えたケーシング内に収容された濾布ロール(1)を備えており、;前記ケーシングは、前記濾布(T)を引き出すためのスロット(9)を有している、換気通気口用モジュール式フィルタであって、前記ケーシング(4)が成形壁(5)で構成されており、当該成形壁(5)は、その両端部を当該成形壁のカバー(10, 40, 44, 51)または端部支持体(7, 47)で囲まれており、前記カバー(10, 40, 44, 51)または前記端部支持体(7, 47)は、前記成形壁(5)に対応する形状を有していると共に前記成形壁の前端縁に長手方向のスロット(9)が維持されており、前記濾布ロール(1)から巻き戻された前記濾布(T)の先端部(F)を取出しのために通過可能にし、固定手段(13)は、少なくとも、前記端部支持体(7、47)によって適用され、前記支持体は、長手方向のスロット(9)に対応するスロット(29)を有しており、当該支持体のスロット(29)は、前記濾布を通過させることが可能であり、少なくとも1つのねじ式のステーロッド(8,54)が、前記成形壁の2つのカバー(51)または端部支持体(7,47)の間に配置されていると共に、当該2つの端部支持体またはカバーの間の適切な距離を規定するために締め付けられており、前記端部支持体(7,47)または前記カバー(51)を前記成形壁(5)に対して各端部を1つずつ締め付けることによって前記ケーシングへのアクセスを閉じ、前記濾布が前記モジュール式フィルタの外側から引き出されたときに前記濾布ロール(1)が浮動回転できるように収容されており、
前記成形壁は、柔軟なシート状のプラスチック材料であり、前記カバー又は前記端部支持体への挿入のために必要な形状を得るために、組み立て中に弾性的に曲げられるものであるか、または、
前記成形壁は、直接的に押し出された
、切断可能なプラスチック材料によって具現化されている、換気通気口用モジュール式フィルタ。
【請求項2】
前記ステーロッドは、少なくとも一対のネジ付きステーロッド(8)に置き換えられ、前記濾布ロール(1)は、前記成形壁(5)と、当該成形壁の2つのカバー(10、40)または2つの端部支持体(7、47)とからなるケーシング(4)に収容されている、請求項1に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項3】
前記成形壁(5)は、前記濾布のロール(1)の外径を含むようにアーチ状に形成されている、請求項1または2に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項4】
前記2つの端部支持体(7,47)の間に収容された前記成形壁(5)を保持する少なくとも1つの中間支持体(6)が、前記ケーシング(4)を収容するために設けられている、請求項1,2または3のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項5】
前記成形壁(5)を保持する少なくとも一対の中間支持体(6)が前記ケーシング(4)を収容するために設けられており、前記成形壁は、前記中間支持体(6)に収容されていると共に2つのカバー(51)によって閉じられており、カバーの閉じ壁(53)には、中央ステーロッド(54)が前記ケーシング(4)を閉じるために配置されている、請求項1または3のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項6】
少なくとも1つの端部支持体が端部カバー(10,40,44)に結合されており、当該端部カバー(10,40,44)は、濾布(T)のロール(1)にアクセスしてそれを交換するために、前記ケーシング(4)の対応する端部にある端部支持体(7,47)とは別に取り外すことができる、請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項7】
前記成形壁(5)は、シートによって具現化され、当該シートは、プラスチック材料で形成されていると共にその長さ(L)に沿ってあらかじめ曲げられており、端縁(18)を備えた出っ張り部(19)と、端縁(20)を備えた壁(21)とを備えており、前記壁(21)が、前記端部支持体への挿入のために必要な形状を得るために、組み立て中に弾性的に曲げられており、曲げられた形状は、アーチ型(5)、正方形または平行四辺形のいずれかとすることが可能である、請求項1,2または3のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項8】
前記成形壁(5)は、ポリカーボネートによって形成されたシートを折り曲げて形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項9】
前記成形壁(5)は、前記ケーシングの目的形状を得るためにポリカーボネートを押し出すことによって形成されている、請求項1から
6のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項10】
前記端部カバー(40,44)が閉じ壁(41,45)を有している、 請求項1から4または6のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項11】
前記長手方向のスロット(9)の側面に配置された単一のステーロッド(8)が、前記端部支持体(47)を締め付けるために設けられている、請求項1から4または6のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項12】
前記端部支持体(47)を締め付けるために単一のステーロッド(8)が設けられており、インターロック(48)および対応するノッチ(49)が、前記端部支持体と前記成形壁(5)の端部(50)との結合部に形成されている、請求項11に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項13】
蝶ナット(55)が前記ステーロッド(54)の両端に挿入されており、前記ケーシング(4)の端部に設けられた閉じカバー(51)の着脱を可能にする、請求項5に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項14】
前記濾布ロール(1)は、少なくとも1つのピン(3)を有しており、当該少なくとも1つのピン(3)は、前記濾布ロール(T)自体の巻き戻しを手動で操作するために、前記ロールのコア(2)に挿入され、かつ、それぞれの端部カバー(10)から突出している、請求項1から4および6から12のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【請求項15】
少なくとも1つのノブ(11)が前記ステーロッド(8)の端部に挿入されており、前記ケーシング(4)の端部に設けられた前記端部支持体および/または前記カバーの着脱を可能にする、請求項1から14のいずれか一項に記載のモジュール式フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気通気口用モジュール式フィルタ、すなわち、ケーシングとフィルタ支持体の構造に関するものである。モジュール式フィルタは、一般的には、ロール状に巻き取られており、かつ、通気口で使用する際に巻き戻されて使用のために必要なサイズに容易に形成可能な濾布で構成される。この種のフィルタは、電気パネルや電子機器等で構成される入れ物の取入口において、流入する冷却空気から大気中の塵埃を除去すべき場合に使用される。
【背景技術】
【0002】
背景技術には、換気通気口用フィルタが含まれる。換気通気口において、濾布ロールは、平行六面体状のケーシング内に収容されており、当該ケーシングは、正方形のベースを有して、かつ、巻き取られた濾布ロールを収容するサイズを有している。濾布は、通気口の近くに配置されたケーシングから巻き戻されて当該通気口自体を覆い、濾過すべき機器の冷却空気を濾過する。ところで、これらのケーシングおよびロールフィルタは、通気口を覆う必要がある場合に、ロール状濾布の先端部の最大幅で使用され、関連装置の入れ物面に取り付けるための手段を備えている。
【0003】
濾布ロールは、ケーシングを空気取入口の近くに配置し、当該空気取入口を有する入れ物の表面に接着させ、ケーシングの専用スロットから引き出したときに空気取入口を完全に覆うようにロール濾布の先端部を配置し、また、入れ物の表面に濾布の端部を取り付けることによって使用される。濾布を収容したケーシングと、用途に対応する装置または器具における入れ物の通気口を覆う濾布の端部とを永久磁石により取り付けることが知られている。
【0004】
すなわち、大きなサイズから小さなサイズに至るまでのロール状に巻かれた濾布を収容するケーシングとして、用途に対応するロールの先端部サイズに基いた特定サイズのケーシングを工業的に製造することは、従来技術として知られている。
【0005】
これらのケーシングに関する製造上の大きな制約は、一般にプラスチックによって作られ、ケーシングを形成するために切断および曲げ加工が施されるシート材料の熱成形によって代表される。すなわち、熱成形機のサイズの寸法的な制約によって、先端部が600mmを超えるロール濾布のケーシングを形成するように材料を成形することができない。さらに、このケーシングを設けることにより濾布ロールの最大直径を約60mmとしたケーシングでは、ロール濾布の厚さに基いて濾布の長さが制限される。最小厚さが例えば0.2mmであれば、濾布の長さを12mとすることができるが、より厚肉の場合、例えば1mmであれば、ロールに巻き取られてケーシングに装着される濾布の長さが顕著に減少する。
【0006】
この技術の一例として、特許文献1には、空気を流すための通路と、当該通路を備える支持プラットフォームと、を有する空気処理装置が開示されている。円筒コアの周りにロール状に巻かれた連続テープ形態のフィルタが、前記装置に設けられたチャンバ内に収容されている。ロールフィルタを収容するためのチャンバは、支持プラットフォームに取り付けられており、 排出スリットは、通路と幅が等しいチャンバに形成されており、さらに、濾布ロールを取り付けると共に、ベルトを通路上に送り出すための手段が設けられている。チャンバ内に濾布を取り付けるための手段は、一対の多関節シャフトを含んでいる。これらの多関節シャフトは、チャンバ端部の所定位置にあるときチャンバの回転および軸線変位に対して整列して固定的に取り付けられており、かつ、コアの中空端部に挿入される当該コアよりも短い長さで互いに間隔を置いて配置されている。結合状態におけるコア材料およびシャフトは、摩擦面を形成し、テープが手動の取出しによりスリットを通って供給されるときに、ロールを制御下で回転可能とする摩擦抵抗を生じさせる。
【0007】
実際、上記のチャンバは、濾布ロールの円筒コアのための支持体として機能し、円筒コアに対して結合シャフトの軸に平行な特定の線形的サイズに形成する必要がある。すなわち、チャンバのサイズと濾布ロールのサイズとは互いに関連付けられている。これは、2つの多関節シャフトが取り付けられるチャンバの端面を特定の形態にする必要がある構成要素パーツと同様である。加えて、濾布ロールの交換のたびに、2つの多関節シャフトのそれぞれから円筒コアを取り除くことによって、排出された濾布を引き出して交換可能とするに先立って、濾布の円筒コアに対して長手方向壁におけるチャンバを完全に開ける必要がある。
【0008】
したがって、このような構造は実用的ではなく、使用される濾布の特定のテープ幅を達成しようとする場合に、当該濾布の必要な厚さとの関連で製造コストが増大する。このような構造が、大量生産ではなく、カスタムメイドされるからである。
【0009】
特許文献1において、冷却空気を取り入れるための空気取入口にロールフィルタを適用し、大気中の塵埃によって汚染されて濾布が使用目的を全うした後、汚染されていない他の濾布をケーシングから取り出し、使用済みの濾布をロールから取り除くことによって、空気取入口に取り込まれる空気に関する濾過能力を回復させることが知られている。
【0010】
実際、固定サイズのケーシングを有する上記解決手段のさらなる製造上の欠点は、空気取入口の幅を精度よく正確に覆うように、ロール先端部における特定の長手方向サイズを有するロール濾布用のケーシングを製造する場合の汎用性が欠如していることである。すなわち、特定サイズを有するロール濾布は、空気取入口を適切に覆うために狭すぎるか、または広すぎることがあり、濾過に関与する空気取り入れ口の幅を超える部分が無駄になり、さらには、空気取入口が配置される機械に対する入れ物の全体寸法のために設置に支障をきたす。或いは、ケーシングは、濾布が大きな厚さを有する場合でも、使用目的に適した長さを有する濾布ロールを収容することがある。
【0011】
使用中に徐々に引き出される、ロールフィルタアセンブリ構造の動力作動式の実施例も知られている。動力動作式フィルタの実施例は、特許文献2において、空調システムの配管における空気導入管の内側に取り付けられる流入空気濾過システムとして詳細に開示されている。このシステムは、空の送りマンドレルの周りに巻かれた新しくて清浄な濾布ロールを蓄えるための供給フィーダと、汚染した濾布を蓄えるための空のマンドレルを備える保管フィーダとを有する。保管フィーダは、供給フィーダの対向端部のそれぞれに取り付けられた一対の固定された送りマンドレルを備える。送りマンドレルのそれぞれは、中空の送りマンドレルの各端部内に収容されるようになっており、送りマンドレルはそれぞれ、清浄な濾布ロールから濾布テープを引き出すための摩擦力を生じさせるために、関連する送りマンドレルの直径よりもわずかに大きな直径を有している。選択的に回転可能な一対の巻き取りマンドレルがそれぞれ、保管領域の対応端部で回転すると共に中空の保管マンドレルを回転させるように取り付けられている。送りマンドレルによって生じた摩擦力により、送りマンドレルと共に、濾布における不所望の波打ちまたは緩みの形成が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許第4,627,683号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/077923号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
実際、濾布の保管マンドレルおよび送りマンドレルの間には、支持ボックスが配置されており、支持ボックスは、送りマンドレルにおいて、汚染されていない濾布の回転半径よりも曲率半径がわずかに大きい湾曲面を有すると共に、保管マンドレルの隣接領域では、汚染された濾布の回転半径よりも曲率半径が少なくともわずかに大きな曲率半径の湾曲面を有している。上記構造によって、各濾布ロールは、汚れていないで空気の濾過ができる状態にあるか、汚れて保管マンドレル内に集められている状態にあるかに関わらず、濾布の巻き取り(保管)または巻き戻し(送り)用の円筒形シャフトまたはコアを備え、当該シャフトまたはコアは、マンドレルに摩擦的に挿入され、これによって、それぞれのロールを回転させるためのシャフトを形成することは明らかである。実際、シャフトの支持は、支持体/マンドレルタイプの典型的な回転対によって、常に同じポイントで回転することができて保管シャフトに対する回転運動の伝達を提供できるように具現化されている。すなわち、このような構造は、特定サイズとする必要があり、巻き付けられるロールフィルタを構成する濾布の幅変化に合わせたサイズとする必要がある。この構造では、フィルタの幅、すなわち、当該フィルタを収容するケーシングの幅の異なるサイズを、コスト効率よく生産する上で所望とされるモジュール性を有する形態とすることができない。実際、濾布ロールの位置決め用マンドレルのハウジングパーツは、それぞれの湾曲壁から離れて配置されており、印刷されたプラスチックまたは金属材料での製造によってのみ達成可能な、正確な繰り返し可能な構造を必要とする。
【0014】
このような背景技術は、上述した先行技術の欠点を解決する、換気通気口用モジュール式フィルタを製造することの可能性に関して、かなりの改善が可能である。したがって、本発明の根底にある技術的課題は、ロール濾布によって形成されたケーシングを、当該ロールの先端部の特定のサイズで、即座に構成可能とする、換気通気口用モジュール式フィルタを提供することである。当該換気通気口用モジュール式フィルタは、使用者から要求されたサイズに従って標準化または特別に形成することができる。
【0015】
先行技術の問題に対して固有の目的は、ロール濾布のケーシングのモジュール式構造を提供することであり、当該モジュール式構造は、使用者の要求にしたがって、標準化または特別に形成されたロール先端部を備えたケーシングの、簡単で容易かつ迅速な製造を可能にする。
【0016】
本発明のさらなる、そして重要な目的は、製造するために入手可能な、すなわち、モジュール化に含まれるパーツの数が制限された、ロール濾布用ケーシングのモジュール式構造を提供することであり、したがって、使用者の要求に応じてロールの前部を備えるフィルタを製造するときでも、メーカーの在庫として利用可能なケーシングを構成する材料の削減または大幅な制限を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この問題は、本発明によれば、以下の構成の換気通気口用モジュール式フィルタによって解決される。すなわち、濾過すべき空気の取入口を有する入れ物の表面に係合する固定手段を備えたケーシング内に収容された濾布ロールを備えており、前記ケーシングは、前記濾布を引き出すためのスロットを有している、換気通気口用モジュール式フィルタであって、前記ケーシングが成形壁で構成されており、当該成形壁は、その両端部を当該成形壁のカバーまたは端部支持体で囲まれており、前記カバーまたは端部支持体は、前記成形壁に対応する形状を有していると共に前記成形壁の前端縁に長手方向のスロットが維持されており、前記濾布ロールから巻き戻された前記濾布の先端部を取出しのために通過可能にし、
少なくとも1つのねじ式のステーロッドが、前記成形壁の2つのカバーまたは端部支持体の間に配置されていると共に、当該2つの端部支持体またはカバーの間の適切な距離を規定するために締め付けられており、前記端部支持体または前記カバーを前記成形壁に対して各端部を1つずつ締め付けることによって前記ケーシングへのアクセスを閉じ、前記濾布が前記モジュール式フィルタの外側から引き出されたときに前記濾布ロールが浮いて自由に回転できるように収容されている。
【0018】
さらなる構造的な形態では、前記ステーロッドは、前記成形壁とこの壁の2つのカバーまたは2つの端部支持体とからなるケーシング内に収容される濾布ロールを介挿させた少なくとも一対のステーロッドに置き換えられる。
【0019】
さらに、改善された構造的な形態では、前記成形壁は、濾布ロールの外径を含むようにアーチ状に形成されている。
【0020】
さらに、特定の好ましい実施形態では、2つの端部支持体の間に収容された少なくとも1つの中間支持体が、前記ケーシングを収容するために設けられている。
【0021】
構造的な変形形態では、前記成形壁の少なくとも一対の中間支持体が前記ケーシングを収容するために設けられており、前記成形壁は、当該中間支持体に収容されていると共に2つのカバーによって閉じられており、カバーの閉じ壁には、中央ステーロッドを備えている。
【0022】
構造的な形態のさらなるバリエーションでは、単一の端部支持体が端部カバーに結合されており、当該端部カバーは、前記濾布ロールにアクセスしてそれを交換するために、少なくとも片側で前記端部支持体から別に取り外すことができる。
【0023】
さらに、特定の改良された実施形態では、前記成形壁は、シートによって具現化され、当該シートは、プラスチック材料で形成されていると共にその長さに沿ってあらかじめ曲げられており、端縁を備えた出っ張り部と、端縁を備えた壁と、を備えており、前記壁が、前記端部支持体への挿入のために必要な形状を得るために、組み立て中に弾性的に折り曲げられている。
【0024】
さらなる有利な構造的な形態では、前記濾布ロールは、少なくとも1つのピンを有しており、当該少なくとも1つのピンは、前記濾布ロールそのものを手動で取り扱うために、前記ロールのコアに挿入され、それぞれの端部カバーから突出している。
【0025】
最後に、さらなる構造的な変形例では、少なくとも1つのノブが前記ステーロッドの端部に挿入されており、前記ケーシングの端部に位置決めされた端部支持体および/またはカバーの着脱を可能にする。
【0026】
換気通気口用モジュール式フィルタを提供することでの、本発明のさらなる特徴および利点は、異なる構造的な形態および実施例に関する、以下の記載によって明らかになるが、これらは、添付された17の図面表を参照して、非限定的な例として提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】空気取入口用モジュール式フィルタを、その構成要素;濾布ロール、ケーシングの内部に配置された支持ピン、ケーシング端部のカバーに分解した概略的な斜視図であり、ケーシングの端部にあるカバーを開いて、装置または機械の入れ物に通常適用されている支持体内部の濾布ロールを交換している状態を示す。
【
図2】使用準備が整ったロール状の濾布を備えるケーシングの概略的な斜視図である。
【
図3】
図2の濾布ロールを備えたケーシングの概略的な平面図である。
【
図4】
図3の濾布ロール用ケーシングのIV-IV部を概略的に示す図である。
【
図5】本発明に係る、先端部サイズが異なる多数のロール濾布用ケーシングを概略的に示したものである。
【
図6】本発明に係る濾布ロール用ケーシングの構成要素を概略的に示す斜視図であり、ここでは、長さが省略されているが、当該濾布ロール用ケーシングを構成しているすべてのパーツが含まれている。
【
図7】前掲図のロール濾布用ケーシングを概略的に示す正面図であり、ここでは、取り付けられて使用前の状態で示している。
【
図8】
図7の前記ケーシングの端部VIIIを概略的に拡大した図であり、ステーロッドが端部支持部に取り付けられている状態を示している。
【
図9】
図7の濾布ロール用ケーシングの中間支持体におけるIX-IX部を示す概略図である。
【
図10】本発明に係る、濾布ロール用ケーシングを構成している成形壁を概略的に示す斜視図である。
【
図11】
図10のケーシングの成形壁を概略的に示す斜視図であり、ここでは、アーチ状に曲げ加工する前の状態で示している。
【
図12】
図11のケーシングの成形壁を概略的に示す側面図である。
【
図13】
図11のケーシングの成形壁を概略的に示す正面図である。
【
図14】
図11のケーシングの成形壁を曲げ加工した後、すなわち、
図10に示すようにアーチ状に曲げた状態を概略的に示す側面図である。
【
図15】前掲図のロール濾布用ケーシングの中間支持体を概略的に示す斜視図であり、ここでは、その構成要素パーツに分解された状態で示されている。
【
図16】
図15の中間支持体の本体を概略的に示す側面図である。
【
図17】
図16の中間支持体の本体を下方から概略的に示す図である。
【
図18】
図15の中間支持体の本体に永久磁石を取り付けるためのカバーを概略的に示す側面図である。
【
図19】
図18の永久磁石用のカバーを概略的に示す平面図である。
【
図20】前掲図のロール濾布用ケーシングの端部支持体を、その構成要素パーツに分解し状態で概略的に示す斜視図である。
【
図21】
図20の端部支持体の本体を概略的に示す側面図である。
【
図22】
図21の端部支持体の本体を下方から概略的に示す図である。
【
図23】
図20の端部支持体の本体に永久磁石を取り付けるためのカバーを概略的に示す、
図18と同様な側面図である。
【
図24】
図20の端部支持体の本体に永久磁石を取り付けるためのカバーを概略的に示す、
図19と同様な平面図である。
【
図25】前掲図のロール濾布用ケーシングの中間支持体を、取付け状態で下方から、すなわち、空気の取入口を備える入れ物の壁に対する取付け面側から概略的に示す斜視図である。
【
図26】ロール濾布用ケーシングの端部支持体を、前掲図と同様に、取付け状態で下方から概略的に示す斜視図である。
【
図27】ロール濾布用ケーシングの端部支持体を概略的に示す斜視図である。
【
図29】
図27の端部カバーをケーシングに対する取付け状態で概略的に示す正面図である。
【
図31】
図27と同様の端部カバーを概略的に示す側面図であり、ここでは、濾布ロールを手動で動作させるためのロールピン用の穴が設けられておらず、簡素化された構造的な変形例を構成している。
【
図32】前掲図のロール濾布用ケーシングの端部カバーを概略的に示す斜視図である。
【
図33】
図2と同様の、濾布ロール用のケーシングを、その片側のみに限定された方法で概略的に示す斜視図であり、ここでは、
図31および
図32の端部カバーを備えている。
【
図34】
図6と同様の、その片側のみに限定された方法で示されている、本発明に係る、
図31および
図32の端部カバーを備えた、濾布用ケーシングを概略的に示すと共に、それを構成するすべてのパーツを含むケーシングの構成要素を概略的に示す斜視図である。
【
図35】上述の
図4と同様に、ケーシングの中間支持体上に形成された概略的な断面を示しており、ケーシングの内部の濾布ロールの位置が、この構造的な変形例における換気通気口用モジュール式フィルタから濾布が取り出される使用開始の状態で示されている。
【
図36】上述の
図4と同様に、ケーシングの中間支持体上に形成された概略的な断面図であり、ケーシングの内部の濾布ロールの位置が、この構造的な変形例における換気通気口用モジュール式フィルタから濾布が取り出されて消費された後の状態で示されている。
【
図37】本発明に係る、さらなる変形例の濾布ロール用ケーシングを、
図6および
図34と同様、その片側のみに限定された態様で概略的に示す斜視図であり、ここでは、
図31および
図32と同様の端部カバーを備え、単一のステーロッドは、ケーシングを構成するすべてのパーツを含む、当該ケーシングの構成要素を閉じさせる。
【
図38】
図37の構造的な形態の、ロール濾布用ケーシングを概略的に示す側面図であり、
図31および32に示すように中央の操作用穴を無くした状態で形成された端部カバーを示している。
【
図39】
図4と同様に、ケーシングの中間支持体上に形成された概略的な断面を示しており、ここでは、ケーシング内の濾布ロールの位置が、
図37のさらなる構造的な変形例における換気通気口用モジュール式フィルタから濾布が取り出される使用開始の状態で示されている。
【
図40】
図4と同様に、ケーシングの中間支持体上に作られた概略的な断面を示しており、ここでは、ケーシング内の濾布ロールの位置が、
図37のさらなる構造的な変形例における換気通気口用モジュール式フィルタから濾布が取り出されてる消費された後の状態で示されている。
【
図41】
図38の概略的な断面XLI-XLIであり、操作穴のないカバーを備えた端部支持体で示されており、当該端部支持体そのものにおけるケーシングのインターロックを示している。
【
図42】
図2および
図33と同様に、その片側のみに限定された態様で濾布ロール用ケーシングを概略的に示す斜視図であり、ここでは、本発明に係る簡略化された変形例による端部カバーを備えると共に、ケーシングの構成要素を閉じるための単一のステーロッドも備えており、当該ステーロッドは、前記ケーシングの断面を通る軸上に配置されていると共に当該ケーシング自体によって収容され、かつ分配される濾布ロールのコア内に配置されている。
【
図43】本発明の簡略された変形例として具現化されたロール濾布用ケーシングを示す側面図である。
【
図44】
図39および40と同様に、ケーシングの中間支持体上に形成された概略的な断面を示しており、ケーシング内の濾布ロールの位置を、
図42および
図43の簡略された構造的な変形例における換気用通気口用モジュール式フィルタから濾布が引き出される使用開始の状態で示している。
【
図45】
図39および40と同様に、ケーシングの中間支持体上に形成された概略的な断面を示しており、ケーシング内の濾布ロールの位置を、
図42および43の簡略された構造的な変形例における換気用通気口用モジュール式フィルタから濾布が引き出されて消費された後の状態で示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、管状コア2を備える濾布Tのロール1を示し、その各端部には、ピン3が挿入されている。濾布は成形壁5を有し、当該成形壁は、空気取入口Bを覆うための長さの前部Fを有する。ケーシング4は、前部Fよりもわずかに大きな長さでアーチ状に折り曲げられている。アーチ状に曲げられた成形壁は、中間支持体6により保持される。2つの端部支持体7により、成形壁5の長さを定めると共に、中間支持体と同様に成形壁をその端部で保持する。2つのステーロッド8は、2つの端部支持体と成形壁とを互いに締め付けるように配置されている。アーチ型に曲げられた成形壁は、濾布Tのロール1を収容する。端部支持体7、中間支持体6および成形壁5はスロット9を有し、当該スロット9は、取り付け時に、長手方向に延びて濾布ロール1の前部Fに対して平行である。
端部カバー10は、各端部支持体7に接するように配置されており、ステーロッド8の端部においてノブ11を締め付けることによって、ケーシング4を閉じている。各カバー10は、それぞれのピン3を収容して、取り付け時に、当該ピン3をケーシング4の外側から手動で動作させるための穴12を有している。
【0029】
図2~
図4は、取り付けられたモジュール式フィルタと、それが入れ物の表面Sにどのように適用されているかを示しており、この入れ物は、当該入れ物自体の冷却空気取入口Bが設けられている。中間支持体および端部支持体は、当該中間/端部支持体のベース14に収容された永久磁石を備える固定手段13と、一般的なねじで取り付け可能なフラップ15とを有している。濾布Tは、
図4に示すように、空気取入口を覆うように接近させて、通常、ここに図示されてない可動式の永久磁石によって取り付けられる。
【0030】
図5は、上述した、本発明に係るモジュール式フィルタの構造に適用したモジュール性を示しており、ケーシング4は、アーチ状に折り曲げられた成形壁5を備えており、濾布Tのために、当該濾布の前部Fの所望の長さで、ロール1を形成することを可能にする。ケーシング4の各サイズを規定する上記要素の組み合わせは、前部Fの長さの関数として、成形壁5の長さおよび中間支持体6の数のみが変化する。中間支持体6は、
図5では1個~3個が設けられるが、短い長さの実施例の場合には設けられない場合があり、また、濾布の先端部Fが非常に長い実施形態では、より多数が設けられる場合がある。
【0031】
図6~
図9は、上述した構成要素パーツの組み合わせと、ステーロッド8の取り付けとを示しており、ステーロッド8には、アーチ状成形壁5を適切に収容するように安定させる端部支持体7の相互の位置を決めるために、二重締め付けナット16が配置されて取り付けられており、二重ナット16は、各端部支持体7に対して互いに締め付けられ、それらの位置を一対のステーロッド8に対して固定し、当該一対のステーロッド8は、上述したモジュール式フィルタのケーシング4の主要構成要素としてアーチ状成形壁5を規定している。可能性のある中間支持体6は、組立が行われるとき、固定的に配置されておらず、所望の用途のためにモジュール式フィルタを取り付けるときに、使用者にとって最も便利な場所に配置することができ、;同様に、1つの中間支持体、2つ、3つ、または場合によっては4つ以上の中間支持体6が、
図5のように具現化されたモジュール式フィルタに設けられており、必要に応じて配置されている。
【0032】
図10~
図14は、構造と、アーチ状成形壁5を製造するステップの順序とを示しており、成形壁5は、シート17によって具現化され、有利には半剛性プラスチック材料で形成されており、出っ張り部19の2つの端縁18と、曲げ壁21の端縁20とを曲げることによって、この端縁20と出っ張り部19との間に、取り付け時に濾布Tを通過させるための長手方向のスロット9が残るように、端縁20を出っ張り部19の最終部分に接近させている。アーチ状成形壁5は、ロール1の濾布Tの前部Fの長さよりもわずかに大きい長さLを有しており、;使用時には、濾布は、スロット9を通して引っ張ることによって、ケーシング4から引き出される。
【0033】
図15から
図19および
図25には、中間支持体6の構造および構成と、固定手段13を具現化するパーツとが提供されている。前記支持体は、アーチ状成形壁5と出っ張り部18の端部端縁および曲げ壁21の端部端縁とを収容するための、平面部分22とアーチ状部分23とを有しており、前記支持体が成形壁5に取り付けられたときに、出っ張り部19と端縁端部20とのハウジングが、
当該支持体のスロット29とともにスロット9を形成できるようになっている。前記支持体は、ステーロッド8の通過収容のための穴24を有しており、前記支持体はまた、当該支持体のベース14に永久磁石26を挿入して位置決めするためのシート25を有しており、当該シート25は、前記支持体のベースにベースカバー27とねじ28によって止められている。ベースカバーは、永久磁石用のハウジング30を有しており、当該ハウジング30は、それぞれのハウジング30に前記磁石を保持するためのスナップオン突起を備えている。
【0034】
図20から
図24および
図26では、端部支持体7の構造および構成と、固定手段13を具現化するパーツとが提供されている。中間支持体6と同一のパーツには同一の符号が付されている。端部支持体は、当該支持体の2つの側面に向かって、成形壁5を収容するように、また反対側の面では端部カバー10と結合させるための、アーチ状のリップ31を有している。成形壁5の出っ張り部19には、平面リップ32が設けられており、最終的に、端部支持体7の内壁は、濾布Tがロール1から巻き解かれたときに停止させることができる、アーチ状のパイロット穴33を有している。端部支持体は、ステーロッド8を取り付けるための穴34を有しており、端部支持体7の両側で、この支持体をナット16によって締め付けて取り付けるためのものであり、また、それを成形壁5に対してその両端部で固定的に位置決めするためのものである。
【0035】
図28~
図30は、端部カバー10の構造を示しており、当該端部カバー10は、ロール1をガイドするためのアーチ状のリップ35と、対応する端部支持体7に結合させるための短いリップ36とを備えており、本発明に係る、モジュール式フィルタのケーシング4を閉じている。端部カバー10には、ステーロッド8を収容すると共に、当該ステーロッドそのものにねじ込まれたノブ11によってこのカバーを対応する端部支持体7に取り付けるための、穴37が形成されている。
【0036】
図31~
図36は、さらなる構造的な形態を示しており、端部カバー40は、閉じられており、すなわち、端部カバー40は、ピン穴12のないケーシング4の閉じ壁41を有している。すなわち、濾布ロール1は、ケーシング内に自由に収容されており、
図35および
図36の位置からわかるように、濾布ロールが新たに挿入されたときは、
図35であり、このフィルタの使用によって濾布が徐々に引き出されているときは、
図36である。すでに説明した共通部分には、同じ参照番号を付している。
【0037】
さらに、
図37から
図41は、単一のステーロッド8を備えた、さらなる構造的な形態の変形例を示しており、閉じられた端部カバー44、すなわち、ピン穴12のないケーシング4の閉じ壁45を有している端部カバー44の間において、濾布ロールは、
図39および
図40の位置から分かるように、また、
図35および
図36に関連して既に示したように、ケーシング内に自由に収容されるようになっている。既に説明した共通部分には、同じ参照番号を付している。中間支持体46は単一の貫通孔24を有しており、端部支持体47の外周にある単一のステーロッドの締め付けを確実にするために、アーチ状成形壁5の曲げ壁21にインターロック48が形成されており、端部支持体47に接触するノッチ49の挿入を容易にしている。このため、ケーシング4は、2つの端部支持体47の間で締め付けられているものの、これらの支持体の間に取り付けられたステーロッド8に対向する側でも保持されている。
【0038】
図42~
図45は、さらに簡略化されたケーシング4の構造的な形態を示しており、中間支持体6は、既に説明した他の構造的な形態と同様に、アーチ状成形壁5を包み込むと共にフィルタのケーシング4全体を壁Sに固定するように配置されている。既に説明した共通部分には、同じ参照番号を付しているそれぞれの端部には、閉じカバー51が設けられており、当該閉じカバー51は、上述した端部穴12備えた端部カバー10及び閉じ壁45を備えた端部カバー44と同様であり、;この閉じカバーは、閉じ壁53に設けられた単一の中央穴52を有しており、この中央穴には、ステーロッド54が配置されており、当該ステーロッド54は、フィルタケーシング4を閉じた状態に保持するように締め付けられている。ステーロッドの締め付けは、図示されていない一般的なノブによって、または、ここに示されている蝶ナット55によって行うことができる。アーチ状成形壁5の端部では、閉じカバー51は、固定手段を欠いているため、壁Sに対するケーシング4の取り付けを変更することなく、濾布Tのロール1を交換するために、自由に取り外しおよび取り付けが可能であるさらに、濾布ロールは、
図44および
図45の位置からわかるように、ケーシング内に自由に収容され、先の図に関連して既に示されているように、ステーロッド54の存在によってのみ拘束されている。新しい濾布ロールの状態を示す
図44では、ロール1のコア2は、閉じ壁53の中央に配置されたステーロッド54に接触していないが、使用状態のロール1を示す
図45では、コア2は、ステーロッド54に載っており、ケーシング4内でロールを吊り下げている。
【0039】
換気通気口用モジュール式フィルタの使用は、フィルタを備えた他のケーシングと同様に、濾過すべき空気取入口を備えた入れ物の表面Sに配置して行われる。ケーシング4は、磁石26の作用によって強磁性金属表面に固定された状態に維持されており、当該磁石26は、ベースカバー27に収容されており、中間支持体6または46および端部支持体7は、強磁性金属表面の非常に接近して配置されている。強磁性表面がない場合には、各中間支持体または端部支持体は、一般的なネジによって、当該ねじが設けられるフラップ15において、前記表面に取り付けることもできる。中間支持体の個数は、ロール状の濾布の質量に比例し、この濾布Tの長さ、種類および厚さにしたがい、;すなわち、中間支持体は、成形壁5を案内することに加えて、濾布の塊をも支持する。中間支持体6又は46及び端部支持体7又は47のそれぞれは、それをケーシング4の前部Fの長さにわたってスライドさせて、ロールフィルタを備えたケーシング4が取り付けられる壁Sの構造部に中間支持体が位置決めされるように、自由に、すなわち、成形壁5のインターロック又はハウジングのみで、成形壁5との結合部に挿入されている。
【0040】
ところで、成形壁5は、
図11~
図13のように具現化されており、十分に柔軟なシート材料で作られているので、取り付けられたときにのみ、
図10および
図14に示した形状に曲げられ、;中間支持体および端部支持部は、成形壁5をアーチ型に保ち、その結果、上述したケーシング4が形成される。さらに、成形壁5はまた、
図10および
図14のような最終的な形状を既に備える押出線状プラスチック材料で作られてもよく、また、必要な長さLに切断して前面Fを有する濾布ロール1を収容するように形成された壁を形成してもよい。この実施形態では、
図10に示されたような、既にアーチ型に形作られた押出プロファイルを製造することができ、特定の前面Fを有する濾布用のケーシング4を形成するためには、所望の長さLに切断するだけでよい。
【0041】
押出成形によって成形壁5を得るための、変形例を伴う構造的な形態は、顧客のニーズを満たすために必要な長さに切断するだけの、既に形作られた部分延在部材をストックしておくことを可能にし、生産を多用途にしてコストを最小限に抑えつつ、濾布の前面Fが標準的ではない実施形態を実現させる。
【0042】
可能な変形例は、ポリカーボネートシートの曲げ加工によって成形壁を具現化するか、或いは、押出成形によって直接的に具現化するかにかかわらず、アーチ型の代わりに、正方形、四辺形または平行四辺形の断面を有する壁構造を備えている。すなわち、アーチ状に描かれた成形壁は、直角な壁と、正方形または平行四辺形の断面とで形成されている。
【0043】
上述のような換気通気口用モジュール式フィルタの使用の利点は、主として、その構造の容易さに起因し、その理由は、中間支持体6または46と、端部支持体7または47と、を、カバー10、40、44または51と同様に、大量に提供することが可能であるからである。実際、後者は、ケーシング4の一部であるが、当該技術分野で知られている構造的な形態に存在するように、前面Fの長さには必ずしも依存することなく、
図5に見られるように、ユーザが要求するサイズLで成形壁5を製造することができる。別の重要な利点は、使用される特定の濾布との関係とロールの長さおよびこの濾布の必要な厚さとの関係と、によって、ケーシングが寸法的に実施されることである。
【0044】
さらに、濾布Tのロール1の交換の容易さは最も大きく、端部カバー10、40、44または51のうちの少なくとも1つを開いて、現時点で濾布を欠いているロールコア2を新しいロール1と交換し、アーチ状の成形壁5のスロット9を介してケーシング4の外側に濾布Tの前部Fの端部を維持するだけでよい。ケーシング4は、上述した様々な構造的な形態のすべてにおいて、その中間支持体または端部支持体によって、それが取り付けられる壁Sの構造にしっかりと取り付けられた状態に維持されている。
【0045】
特定かつ偶発的な要求に応えるために、当業者が上述のような換気通気口用モジュール式フィルタにいくつかの変更を加えることができることは明らかであるが、これらはすべて、以下の請求項によって定義される本発明の保護範囲に含まれる。したがって、あまり便利であるといえないが、成形壁は、張り出し部なしで形成することができ、すなわち、完全にアーチ状のまたは正方形もしくは平行四辺形の、構造で形成することができ、濾布用の通過スロットを規定するために端縁を備えることができる。さらに、ケーシング4に対して横方向に配置された単一のステーロッド8の場合、ケーシング4の端部支持体47との間の結合は、成形壁5の端部50におけるノッチ49およびそれぞれのインターロック48なしで形成することができる。最後に、ピン3は、それぞれのカバー10と共に使用することができる。カバー10は、閉じ壁と交換するために、
図33~34および
図37の構造形態においてもピン穴12を備えることができる。