(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】トラップ装置および回収装置
(51)【国際特許分類】
B01D 8/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B01D8/00 Z
(21)【出願番号】P 2022058876
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000114891
【氏名又は名称】ヤマト科学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】木原 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】小関 英樹
(72)【発明者】
【氏名】有泉 秀一
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0073459(US,A1)
【文献】実開昭57-055505(JP,U)
【文献】実開昭60-168502(JP,U)
【文献】特開平09-209933(JP,A)
【文献】特開平09-209934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 1/00-8/00
B01B 1/00-1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体より排出される蒸気中に含まれる溶媒を回収するブラインレスガラスコンデンサ構造のトラップ装置であって、
冷媒によって低温度に冷却されるトラップ槽と、
前記トラップ槽内に挿入され、その外径の、前記トラップ槽の内径との許容差が所定値以下となるように制御されたガラスコンデンサと、
を備え、
前記ガラスコンデンサは、真空引きにより、前記溶媒を内壁面に凝集させるために、アルミブロックやアルコール系の熱媒体を用いることなく、前記トラップ槽によってブラインレスにより冷却される
もので、
前記ガラスコンデンサは、前記トラップ槽との熱収縮量の差を考慮して、低温度時に前記トラップ槽の内径とのクリアランスが最小となるように設計されていることを特徴とするトラップ装置。
【請求項2】
装置本体より排出される蒸気中に含まれる溶媒を回収するブラインレスガラスコンデンサ構造のトラップ装置であって、
冷媒によって低温度に冷却されるトラップ槽と、
前記トラップ槽内に挿入され、その外径の、前記トラップ槽の内径との許容差が所定値以下となるように制御されたガラスコンデンサと、
を備え、
前記ガラスコンデンサは、真空引きにより、前記溶媒を内壁面に凝集させるために、アルミブロックやアルコール系の熱媒体を用いることなく、前記トラップ槽によってブラインレスにより冷却される
もので、
前記ガラスコンデンサは、前記トラップ槽の内径とのクリアランスが0.5mm以下となるように、その外径が二次加工されていることを特徴とするトラップ装置。
【請求項3】
装置本体より排出される蒸気中に含まれる溶媒を回収するブラインレスガラスコンデンサ構造のトラップ装置であって、
冷媒によって低温度に冷却されるトラップ槽と、
前記トラップ槽内に挿入され、その外径の、前記トラップ槽の内径との許容差が所定値以下となるように制御されたガラスコンデンサと、
を備え、
前記ガラスコンデンサは、真空引きにより、前記溶媒を内壁面に凝集させるために、アルミブロックやアルコール系の熱媒体を用いることなく、前記トラップ槽によってブラインレスにより冷却される
もので、
前記ガラスコンデンサは、前記トラップ槽との熱収縮量の差を考慮して、低温度時に前記トラップ槽の内径とのクリアランスが最小となるように設計されるとともに、前記トラップ槽の内径とのクリアランスが0.5mm以下となるように、その外径が二次加工されていることを特徴とするトラップ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のトラップ装置と、
前記トラップ装置のトラップ槽の外周面に巻回された冷却管と、
前記冷却管に対し、所定の温度に冷却された冷媒を循環させる冷却装置と、
を備えることを特徴とする回収装置。
【請求項5】
前記トラップ装置は、真空ポンプに接続されていることを特徴とする請求項4に記載の回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空乾燥機などから排出される蒸気中に含まれる溶媒をブラインレスにより回収するトラップ装置および該トラップ装置を備えた回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空乾燥機などから排出される蒸気中には、酸系や有機系の溶媒が含まれる場合があり、これを回収するためのトラップ装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
また、従来のトラップ装置において、例えば、冷却トラップ回収方式と呼ばれるものがある。これは、トラップチャンバー(トラップ槽)内に挿入されたガラスコンデンサを、アルコールなどの熱媒体の熱伝達により冷却させる。そして、この冷却されたガラスコンデンサの内壁面によって、蒸発した溶媒を凝縮させて捕集するようにしたものである。
【0004】
一方、近年では、作業者の安全面や作業性を考慮して、アルコール系の熱媒体の使用を制限する傾向にあり、例えば、アルミニウム製のブロック(以下、アルミブロック)を用いて、ガラスコンデンサへの熱伝達を間接的に行う方式のものも開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平7-13401号公報
【文献】実用新案登録第3074475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、アルミブロックを用いる方式において、トラップ槽内にアルミブロックとガラスコンデンサとを挿入するためには、それぞれに適当なクリアランスを設ける必要がある。そのため、熱伝達率が低下し、その分、溶媒回収の効率が悪くなるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、アルコール系の熱媒体やアルミブロックを用いずとも、熱伝達率が低下するのを改善でき、溶媒を効率よく回収することができるトラップ装置および回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明の一態様に係るトラップ装置は、装置本体より排出される蒸気中に含まれる溶媒を回収するブラインレスガラスコンデンサ構造のトラップ装置であって、冷媒によって低温度に冷却されるトラップ槽と、前記トラップ槽内に挿入され、その外径の、前記トラップ槽の内径との許容差が所定値以下となるように制御されたガラスコンデンサと、を備え、前記ガラスコンデンサは、真空引きにより、前記溶媒を内壁面に凝集させるために、アルミブロックやアルコール系の熱媒体を用いることなく、前記トラップ槽によってブラインレスにより冷却されるもので、前記ガラスコンデンサは、前記トラップ槽との熱収縮量の差を考慮して、低温度時に前記トラップ槽の内径とのクリアランスが最小となるように設計されていることを特徴とする。
また、このトラップ装置は、装置本体より排出される蒸気中に含まれる溶媒を回収するブラインレスガラスコンデンサ構造のトラップ装置であって、冷媒によって低温度に冷却されるトラップ槽と、前記トラップ槽内に挿入され、その外径の、前記トラップ槽の内径との許容差が所定値以下となるように制御されたガラスコンデンサと、を備え、前記ガラスコンデンサは、真空引きにより、前記溶媒を内壁面に凝集させるために、アルミブロックやアルコール系の熱媒体を用いることなく、前記トラップ槽によってブラインレスにより冷却されるもので、前記ガラスコンデンサは、前記トラップ槽の内径とのクリアランスが0.5mm以下となるように、その外径が二次加工されていることを特徴とする。
さらに、このトラップ装置は、装置本体より排出される蒸気中に含まれる溶媒を回収するブラインレスガラスコンデンサ構造のトラップ装置であって、冷媒によって低温度に冷却されるトラップ槽と、前記トラップ槽内に挿入され、その外径の、前記トラップ槽の内径との許容差が所定値以下となるように制御されたガラスコンデンサと、を備え、前記ガラスコンデンサは、真空引きにより、前記溶媒を内壁面に凝集させるために、アルミブロックやアルコール系の熱媒体を用いることなく、前記トラップ槽によってブラインレスにより冷却されるもので、前記ガラスコンデンサは、前記トラップ槽との熱収縮量の差を考慮して、低温度時に前記トラップ槽の内径とのクリアランスが最小となるように設計されるとともに、前記トラップ槽の内径とのクリアランスが0.5mm以下となるように、その外径が二次加工されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の態様に係る回収装置は、一態様に記載のトラップ装置と、前記トラップ装置の外周面に巻回された冷却管と、前記冷却管に対し、所定の温度に冷却された冷媒を循環させる冷却装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アルコール系の熱媒体やアルミブロックを用いずとも、熱伝達率が低下するのを改善でき、溶媒を効率よく回収することができるトラップ装置および回収装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る回収装置の構成例を示す概略図である。
【
図2】
図1の回収装置による溶媒の回収動作について示す概略図である。
【
図3】トラップ装置を取り出して示す概略断面図である。
【
図4】クリアランスと熱伝達率との関係について例示する図である。
【
図5】トラップ装置の温度特性について従来装置と対比して示す図である。
【
図6】トラップ装置の回収率について従来装置と対比して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<一実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る溶媒回収装置20の構成例を示すものであり、
図2は、溶媒回収装置20による溶媒αの回収動作を例示したものである。
【0013】
即ち、本実施形態に係る溶媒回収装置20は、例えば、真空乾燥機(装置本体)10から排出される蒸気S中に含まれる酸系や有機系の溶媒αを回収するためのもので、真空乾燥機10の乾燥室11に接続されたトラップ装置21を備えている。
【0014】
トラップ装置21は、例えば
図3に示すように、トラップ槽(トラップチャンバー)22内にガラスコンデンサ(凝縮器)23が挿入された、ブラインレスガラスコンデンサ構造を有している。ブラインレスガラスコンデンサ構造とは、例えば、トラップ槽22の外周面に巻回された冷却管(冷却コイル)24に対し、図示省略の冷却装置によって所定の低温度(例えば、-100℃の極低温)に冷却された冷媒を循環させることで、熱媒体を用いずに、ガラスコンデンサ23での溶媒αの回収を可能としたものである。
【0015】
トラップ装置21は、導入管27を介して、真空乾燥機10の乾燥室11と接続されている。また、このトラップ装置21には、導出管26を介して、排気用の真空ポンプ30が接続されている。
【0016】
導入管27は、ほぼ管状を有するガラスコンデンサ23の接続部23aの先端頂部より内部の途中部分にまで挿入され、導出管26は、ガラスコンデンサ23の接続部23aの先端脇部より延出されている。
【0017】
このような構成において、溶媒回収装置20のトラップ装置21は、例えば、図示省略の冷却装置によって冷却された冷媒が冷却管24内を循環することにより、ガラスコンデンサ23が-100℃の極低温に冷却される。この状態において、トラップ装置21が真空ポンプ30によって真空引きされることにより、真空乾燥機10の乾燥室11からの蒸気S中に含まれる溶媒αは、冷却されたガラスコンデンサ23の内壁面によって凝縮されて捕集される。
【0018】
図3を参照して、トラップ装置21の具体的な構造について、さらに説明する。
【0019】
トラップ槽22は、例えばステンレス鋼(SUS)によって、断面がほぼU字型の凹部を有して形成された円筒部22aと、着脱可能に設けられ、円筒部22aの上面開口を覆う円蓋部22bと、から構成されている。円蓋部22bには、ガラスコンデンサ23の挿入時に接続部23aを外部に露出させるための開口が設けられている。
【0020】
これに対し、ガラスコンデンサ23は、ガラス製の素管であり、真円度や円筒度の精度がより高くなるように、外径を二次加工して、トラップ槽22の円筒部22aの内径との許容差ができるだけ小さくなるように制御されている。
【0021】
ガラスコンデンサ23としては、例えば、トラップ槽22とのクリアランスが0.5mm(所定値)以下となるようにするのが望ましい。
【0022】
ただし、トラップ槽22およびガラスコンデンサ23は、例えば、常温から-100℃の極低温まで冷却させると、ともに熱収縮する。また、トラップ槽22とガラスコンデンサ23とでは、材質の違いから熱膨張率が異なる。そのため、実際のトラップ槽22とガラスコンデンサ23とのクリアランスは、熱収縮量などを考慮して、極低温時に最小となるように設計される。これにより、トラップ槽22からの熱伝達における伝熱ロスを小さくでき、効率の良い溶媒αの回収が可能となる。
【0023】
即ち、トラップ槽22とガラスコンデンサ23との間のクリアランスをできるだけ小さくすることによって、トラップ槽22とガラスコンデンサ23とが直接的に熱交換できるようになる。これにより、熱負荷となる、エタノールなどのアルコール系の熱媒体やアルミブロックなどを用いずとも、熱伝達率が低下するのを改善でき、溶媒αを効率よく回収することが可能となる。
【0024】
特に、熱負荷がなくなることにより、常温から-100℃までの冷却時間を大幅に短縮できるなど、省エネルギー(省エネ)化や回収作業の高効率化を実現することも可能である。
【0025】
ここで、例えば、ガラスコンデンサ23の外形寸法をφ90.5mm±0.2とし、トラップ槽22の内径寸法をφ91.2mm±0.1とした場合の、トラップ槽22とガラスコンデンサ23との熱膨張差(熱収縮量の違い)によるクリアランスは、以下によって求められる。
【0026】
熱収縮量Δ=A・L・(t2-t1) … (1)
なお、Aは、線膨張係数であって、例えば、SUS304の場合は14.7×10-6であり、ガラスの場合は9×10-6である。
【0027】
また、Lは、t1時の径(mm)である。
【0028】
また、t1は、冷却前の温度(℃)であって、トラップ槽22を20℃(常温)から-100℃の極低温まで冷却させるとした場合には20℃となり、t2は、冷却後の温度(℃)であって、-100℃となる。
【0029】
よって、上記式(1)より、トラップ槽22の熱収縮量Δは、-0.161mmとなり、ガラスコンデンサ23の熱収縮量Δは、-0.098mmとなる。
【0030】
したがって、-100℃時のガラスコンデンサ23とトラップ槽22とのクリアランスは、0.18~0.63mmとなるように制御するのが好ましい。
【0031】
図4は、クリアランスと熱伝達率との関係について例示する図である。ここでは、ガラスコンデンサ23の外形寸法をφ73.3mm±0.25とし、トラップ槽22の内径寸法をφ73.8mm±0.01とした際のクリアランス(最大寸法との差)が0.1mmの場合と、トラップ槽22の内径寸法をφ74.5mm±0.01とした際のクリアランスが0.5mmの場合と、トラップ槽22の内径寸法をφ75.5mm±0.01とした際のクリアランスが1.0mmの場合と、を対比して示している。
【0032】
この図からも明らかなように、クリアランスが0.1mmの場合、トラップ槽22の外側の温度(チャンバー外側)とガラスコンデンサ23の内側の温度(ガラス内側)との温度差は0.3℃であり、クリアランスが0.5mmの場合、チャンバー外側とガラス内側との温度差は0.5℃であり、その差は0.2℃であるが、クリアランスが1.0mmになると、チャンバー外側とガラス内側との温度差が7.4℃と非常に大きくなる。
【0033】
図5は、トラップ装置21の温度特性について従来装置と対比して示すグラフである。
【0034】
ここでは、トラップ槽内に挿入された外径がφ80mmのガラスコンデンサをアルコール系の熱媒体であるエタノール(280ml)の熱伝達により冷却させる方式のものを、従来装置として用いた。
【0035】
これに対し、本実施形態に係るトラップ装置21としては、例えば、内径がφ91.2mmとされたトラップ槽22内に、外径がφ90mmとされたガラスコンデンサ23を挿入したものを用いた。
【0036】
いずれも、常温(約20℃)から-100℃の極低温まで冷却させた際の、コンデンサ内温度の変化について、Pt100Ωの温度センサ(図示省略)による測定を行った。
【0037】
図5において、縦軸を温度、横軸を時間とし、(a)は、従来装置の室温の変化を示すものであり、(b)は、本実施形態に係るトラップ装置21の室温の変化を示すものであり、(c)は、従来装置のガラスコンデンサ内温度の変化を示すものであり、(d)は、本実施形態に係るトラップ装置21のガラスコンデンサ内温度の変化を示すものである。
【0038】
この図からも明らかなように、本実施形態に係るトラップ装置21の方が、従来装置よりも早く、-100℃の極低温に到達することが分かった。
【0039】
図6は、トラップ装置21の回収率について従来装置と対比して示す図である。
【0040】
本図は、装置本体から試料としてのエタノール(溶媒α)を回収するようにした場合の結果を例示するものであり、本実施形態に係るトラップ装置21を「ブラインレス」とし、従来装置を「標準ガラス」として、それぞれ示している。
【0041】
なお、
図6において、例えば、「仕込み量」とは装置本体に仕込まれたエタノールの量であり、「蒸発ガラス重量」とはエタノールが仕込まれたガラス容器の重量であり、「回収ガラコン重量」とは溶媒回収装置のガラスコンデンサの重量であり、「バス温度」とはエタノールが仕込まれたガラス容器を加熱するための恒温水槽(バス)の温度であり、「エタ残量」とは装置本体内に残存したエタノールの量であり、「ポンプへ飛んだ量」とは溶媒回収装置で回収しきれずに排気用の真空ポンプ側へ送られたエタノールの量である。
【0042】
この結果からも、本実施形態に係るトラップ装置21の方が、従来装置よりも、回収率に優れることが分かった。
【0043】
上記したように、本実施形態によれば、アルコール系の熱媒体やアルミブロックなどを用いずとも、ガラスコンデンサ23への熱伝達率(熱交換効率)が低下するのを改善でき、溶媒αを効率よく回収することが可能となる。
【0044】
即ち、トラップ槽22とガラスコンデンサ23との熱膨張差を考慮したクリアランスが最小となるように制御することにより、ガラスコンデンサ23がトラップ槽22によって直接的に冷却されるようにしている。
【0045】
これにより、ガラスコンデンサ23への熱交換効率が低下するのを改善できるようになる。
【0046】
したがって、熱媒体やアルミブロックなどを用いる場合よりも高い熱伝達率および回収率を達成することが可能となるものである。
【0047】
特に、アルコール系の熱媒体を用いた場合の吸湿による性能の低下や熱媒体の補充などといったメンテナンスに係る手間を解消でき、作業者の安全面の確保とともに、作業性の煩わしさから解放することが能となる。
【0048】
しかも、冷却時間の短縮が可能となるため、省エネ化や回収作業の高効率化なども図ることができるものである。
【0049】
以上、実施形態を例示して本発明の態様について説明したが、実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
【符号の説明】
【0050】
10…真空乾燥機(装置本体)
11…乾燥室
20…溶媒回収装置
21…トラップ装置
22…トラップ槽(トラップチャンバー)
22a…円筒部
22b…円蓋部
23…ガラスコンデンサ(凝縮器)
23a…接続部
24…冷却管
26…導出管
27…導入管
30…真空ポンプ
α…溶媒