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特許7549906情報処理システム、サーバ、端末、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、サーバ、端末、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240905BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022207056
(22)【出願日】2022-12-23
(65)【公開番号】P2024090875
(43)【公開日】2024-07-04
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】520111752
【氏名又は名称】Contrea株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】川端 一広
(72)【発明者】
【氏名】川口 飛龍
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-156881(JP,A)
【文献】特開2018-132984(JP,A)
【文献】特開2017-191514(JP,A)
【文献】特開2019-153354(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0140113(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0021434(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理部と、
特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理部と、
前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させる情報管理部と、
を備え、
前記説明記録データは、
(1)第1患者識別情報に紐づくユーザへ説明資料データの送付が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(2)前記ユーザによる説明資料データの閲覧が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(3)前記ユーザによる説明資料データに関する質問への回答結果として基準以上の理解度が判定されたことを示す情報を含む記録するデータ、
(4)前記ユーザへ医療従事者から説明資料に関する説明を完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
のうち少なくともいずれか1つを含み、
前記説明確認項目情報は、前記同意書データに関連して予め説明をする必要がある説明内容についての説明確認項目を示す情報である、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報管理部は、前記第1患者識別情報に示される患者の端末装置へ前記同意書データを発行させる処理を行う同意書データ管理部をさらに含み、
前記同意書データ管理部は、前記同意書データの発行処理より前に、前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を医療従事者の端末装置へ表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記同意書データ管理部は、前記完了情報が完了を示す説明項目情報に対応する選択入力項目を選択状態として、前記医療従事者の端末装置へ表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報管理部は、前記特定された説明確認項目情報を前記同意書データ上に重畳して医療従事者の端末装置へ表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
取得した原同意書データ上に、所定の入力項目を配置して前記同意書データを生成する同意書データ生成部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記入力項目は、互いに異なる項目を含む、医療従事者専用入力項目と、患者専用入力項目を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理部と、
特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理部と、
前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させる情報管理部と、
を備え、
前記説明記録データは、
(1)第1患者識別情報に紐づくユーザへ説明資料データの送付が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(2)前記ユーザによる説明資料データの閲覧が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(3)前記ユーザによる説明資料データに関する質問への回答結果として基準以上の理解度が判定されたことを示す情報を含む記録するデータ、
(4)前記ユーザへ医療従事者から説明資料に関する説明を完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
のうち少なくともいずれか1つを含み、
前記説明確認項目情報は、前記同意書データに関連して予め説明をする必要がある説明内容についての説明確認項目を示す情報である、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項8】
特定処理部により、第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定するステップと、
関連付処理部により、特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付けるステップと、
情報管理部により、前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させるステップと、
を含み、
前記説明記録データは、
(1)第1患者識別情報に紐づくユーザへ説明資料データの送付が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(2)前記ユーザによる説明資料データの閲覧が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(3)前記ユーザによる説明資料データに関する質問への回答結果として基準以上の理解度が判定されたことを示す情報を含む記録するデータ、
(4)前記ユーザへ医療従事者から説明資料に関する説明を完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
のうち少なくともいずれか1つを含み、
前記説明確認項目情報は、前記同意書データに関連して予め説明をする必要がある説明内容についての説明確認項目を示す情報である、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理機能部と、
特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理機能部と、
前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させる情報管理機能部と、
をコンピュータにおいて実現させ、
前記説明記録データは、
(1)第1患者識別情報に紐づくユーザへ説明資料データの送付が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(2)前記ユーザによる説明資料データの閲覧が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
(3)前記ユーザによる説明資料データに関する質問への回答結果として基準以上の理解度が判定されたことを示す情報を含む記録するデータ、
(4)前記ユーザへ医療従事者から説明資料に関する説明を完了したことを示す完了情報を含む記録するデータ、
のうち少なくともいずれか1つを含み、
前記説明確認項目情報は、前記同意書データに関連して予め説明をする必要がある説明内容についての説明確認項目を示す情報である、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、サーバ、端末、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療現場(例えば病院など)においては紙書類が多く、その中には患者が所定の内容を記入する紙書類も多く含まれている。患者が署名をする同意書もその一つであり、管理を簡便化するために紙書類の電子化が望まれている。
【0003】
このような状況に対して、例えば、特許文献1では、一連の手術における手術文書がセットとして電子化されたデータとして管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-097573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に示される技術においては説明書や同意書がデータとして保存されており、患者の署名が記入されることで、説明書や同意書に対して内容を理解した(承認した)こととなるとしているが、特に各書類データ同士の関連付け(特に説明書と同意書の関連付け)については、さらなる機能の拡充が望まれる。
【0006】
そこで、本発明では、特に患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定して同意書データと関連付け、特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を同意書データ上に重畳して表示することが可能となる情報処理システム、サーバ、端末、情報処理方法及びプログラムについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様における情報処理システムは、第1の患者を示す第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理部と、特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理部と、前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、関連付けられた前記同意書データ上に重畳して表示するデータ表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特に説明資料データに基づき説明確認項目情報を特定して、同意書データに関連付けることで、説明確認項目情報が特定されることで、患者による同意書への署名に伴い、事前に医療従事者に対して確認すべき説明確認項目を提示可能となる。そして、説明確認項目情報がステータス情報を含んでいる場合には、同意書データに関連する説明が完了しているかどうかも含めて把握が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムを示すブロック構成図である。
図2図1のサーバ100のハードウェア構成を示す図である。
図3図2の記憶部120および制御部130の機能を例示したブロック図である。
図4】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図5】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図6】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図7】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図8】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図9】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図10】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図11】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図12】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図13】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図14】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図15】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図16】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図17】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図18】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図19】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図20】本発明の実施形態における医療従事者の端末の画面例を示す図である。
図21図1の端末装置200(300)のハードウェア構成を示す図である。
図22図21の制御部230の機能を例示したブロック図である。
図23】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図24】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図25】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図26】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図27】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図28】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図29】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図30】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図31】本発明の実施形態における患者の端末の画面例を示す図である。
図32図1の情報処理システム1の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理部と、
特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理部と、
前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させる情報管理部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記情報管理部は、前記第1患者識別情報に示される患者の端末装置へ前記同意書データを発行させる処理を行う同意書データ管理部をさらに含み、
前記同意書データ管理部は、前記同意書データの発行処理より前に、前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を医療従事者の端末装置へ表示させる、
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記説明確認項目情報は、対応する説明内容に関する説明が完了しているかを示す完了情報を含み、
前記同意書データ管理部は、前記完了情報が完了を示す説明項目情報に対応する選択入力項目を選択状態として、前記医療従事者の端末装置へ表示させる、
ことを特徴とする項目2に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記情報管理部は、前記特定された説明確認項目情報を前記同意書データ上に重畳して医療従事者の端末装置へ表示させる、
ことを特徴とする項目1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目5]
前記完了情報は、前記特定された説明項目情報に対応する説明資料データが患者の端末装置へ送信されることで完了として設定される、
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記完了情報は、前記特定された説明項目情報に対応する説明資料データが患者の端末装置にて閲覧されることで完了として設定される、
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記完了情報は、前記特定された説明項目情報に対応する説明資料データに関する質問への回答操作が患者の端末装置にてなされることで完了として設定される、
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
[項目8]
前記完了情報は、前記医療従事者の端末装置にて完了したことを記録する記録入力操作がなされることで完了として設定される、
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記完了情報は、前記患者識別情報に紐づく電子カルテ情報に基づき完了として設定される、
ことを特徴とする項目3に記載の情報処理システム。
[項目10]
取得した原同意書データ上に、所定の入力項目を配置して前記同意書データを生成する同意書データ生成部をさらに備える、
ことを特徴とする項目1乃至3のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目11]
前記入力項目は、互いに異なる項目を含む、医療従事者専用入力項目と、患者専用入力項目を含む、
ことを特徴とする項目10に記載の情報処理システム。
[項目12]
第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理部と、
特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理部と、
前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させる情報管理部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
[項目13]
第1患者識別情報に紐づく説明記録データに応じて特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データ上に重畳して表示させる表示生成部と、
を備えることを特徴とする端末。
[項目14]
特定処理部により、第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定するステップと、
関連付処理部により、特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付けるステップと、
情報管理部により、前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させるステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
[項目15]
第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する特定処理機能部と、
特定された前記説明確認項目情報と、前記第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける関連付処理機能部と、
前記特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、前記同意書データに関連付けて表示させる情報管理機能部と、
をコンピュータにおいて実現させることを特徴とするプログラム。
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0013】
<構成>
図1は、本開示の実施形態1に係る情報処理システム1を示すブロック構成図である。この情報処理システム1は、例えば、ネットワークNWを介して、第1端末装置200及び第2端末装置300がサーバ100と接続されている。本情報処理システム1は、一例としては、サーバ100において、例えば医療従事者等の第1ユーザが操作する第1端末装置200からの入力情報に基づき、各種書類データ(特に同意書データ)や説明資料データを生成し、患者識別情報に紐づけて管理し、例えば患者等の第2ユーザが操作する第2端末装置300からのアクセス要求に応じて、第2端末装置300にて同意書データを受信し、第2ユーザによる閲覧および電子署名を可能とする。医療従事者とは、医師の他、例えば、看護師、理学療法士、放射線技師、臨床検査技師など医療に従事する者全般をいう。
【0014】
なお、例示として2つの端末装置を示しているが、これに限らず、第1端末装置200と第2端末装置300が共通の端末装置であって、必要なタイミングで第2ユーザに受け渡すようにしてもよいし、3つ以上の端末装置を含む情報システムであってもよい。また、例示として2つの端末装置のアイコンを異ならせているが、これに限らず、端末が同じ種別のデバイスであってもよい。
【0015】
ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、ブロックチェーンネットワーク、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、BLE(Bluetooth Low Energy)等により構成される。
【0016】
サーバ100は、例えば、ネットワークNWを介して第1端末装置200及び第2端末装置300にネットワークサービスを提供するサーバ装置である。ハードウェア構成及びソフトウェア構成の詳細については後述する。
【0017】
第1端末装置200及び第2端末装置300は、各ユーザが所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置である。医療従事者(第1ユーザ)は医療従事者の第1端末装置200を操作して医療従事者情報(特に医療従事者識別情報)、説明資料オーダー情報、カルテ情報または患者情報をサーバ100へ送信する。サーバ100は、医療従事者の第1端末装置200から送信された情報を受信すると、適切なタイミングで患者の第2端末装置300に患者のための説明資料データ(特に説明動画データ)を送信する。医療従事者情報とは医療従事者を特定するための情報であり、例えば医療従事者識別情報(例えば、医療従事者の氏名、厚生労働省発行のID、サーバ100が発行するIDなどであってもよい)である。説明資料オーダー情報とはどの説明資料データ(特に説明動画データ)を送信するかをオーダーするための情報であり、例えば説明資料の番号(特に動画の番号)を示す情報などである。カルテ情報とは患者のカルテに記載された情報であり、例えば診察記録や検査情報である。患者情報とは患者を特定するための情報であり、例えば患者識別情報(例えば、患者の氏名、診察券番号、サーバ100が発行するIDであってもよい)である。
【0018】
<サーバ100>
図2は、サーバ100のハードウェア構成を示す図である。図3は、記憶部120および制御部130の機能を例示したブロック図である。サーバ100は、例えばパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0019】
サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入出力部140とを備える。これらの機能部は、サーバ100用の所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0020】
通信部110は、第1端末装置200及び第2端末装置300と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0021】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、図3に示されるように、記憶部120は、本サービスを利用するにあたり事前に登録された医療従事者情報を医療従事者識別情報に関連付けて記憶する医療従事者情報記憶部121と、本サービスを利用するにあたり事前に登録された患者情報を患者識別情報に関連付けて記憶する患者情報記憶部122と、説明資料データ識別情報(ID)に関連付けて説明資料データを記憶する説明資料データ記憶部123、患者識別情報に関連付けて説明記録データを記憶する説明記録データ記憶部124、同意書識別情報に関連付けて同意書データを記憶する同意書データ記憶部125を含む。さらに、記憶部120は、第1端末装置200及び第2端末装置300と通信を行ったデータを一時的に記憶する。
【0022】
制御部130は、サーバ100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。また、図3に示されるように、制御部130は、情報送受信部131、情報管理部132、説明資料データ管理部1321、同意書データ管理部1322、特定処理部133、関連付処理部134、同意書データ生成部135といった機能部を含む。なお、各種機能部は、サーバ100の制御部130における機能部として例示しているが、各種機能部の一部または全部は、第1端末装置200の制御部や第2端末装置300の制御部の能力等に合わせて、第1端末装置200の制御部または第2端末装置300の制御部のうちのいずれかの構成において実現されていてもよい。
【0023】
情報送受信部131は、各端末装置から各種情報や要求を受け付け、各端末装置へ各種情報や要求を送信する。各種情報とは、特に端末装置からの入力情報や端末装置への送信情報を含むが、これらに限定されるものではなく、例えば各端末装置のユーザを特定するためのユーザ識別情報(例えば、利用登録により発行されるユーザアカウント等)や、各情報に関連付けられた時間情報(例えば各種情報を生成または記憶した際の時間情報(適宜日付情報も含む)等)、各端末装置のユーザ操作に基づき連携するデータベースから送られる連携情報(例えば、電子カルテ情報等)などを受け付けてもよい。
【0024】
情報管理部132は、受け付けた情報を適切な記憶部において記憶したり、受け付けた要求に応じて記憶部から情報を読み出したりする。情報管理部132は、説明資料データ管理部1321と同意書データ管理部1322を含む。
【0025】
説明資料データ管理部1321は、医療従事者の第1端末装置200から医療従事者情報(特に医療従事者識別情報)、説明資料オーダー情報、カルテ情報または患者情報などを受信すると、対象の患者のための説明資料データ(特に説明動画データ)を説明資料データ記憶部123に記憶された複数の説明資料データ(特に説明動画データ)から選択して読み出し、当該説明資料データを患者の第2端末装置300に送信することを情報送受信部131に要求する。
【0026】
説明資料データ管理部1321については、より具体的な一例を以下で説明する。まず、図4に示すように、医療従事者は、ログイン画面に医療従事者識別情報(例えば、医療従事者自身のユーザネームまたは医療従事者ID)と本サービスにログインするためのパスワードとを入力する。
【0027】
次に、図5に示すように、医療従事者は、対象の患者の患者識別情報(例えば、診察券番号など)を入力する。なお、この方法に限らず、患者が特定可能であればどのような方法であってもよく、例えば医療従事者識別情報に紐づく患者の一覧を表示させて、対象の患者を選択するようにしてもよい。
【0028】
これにより、図6に示すように、患者の氏名とIDとが表示され、その下に、医療従事者の氏名とIDとに紐づいた部位選択項目および治療法選択項目が表示される。例えば、同図に示すように、部位としては、例えば「胃」、「食道」などが表示され、治療法としては例えば「外科的」、「化学療法」、「内視鏡」、「放射線」などが表示される。医療従事者はこれらの部位選択項目および治療法選択項目のうち患者に提供したい情報を示す項目を少なくとも一つずつ選択する。右下には「確定」ボタン401が表示され、医療従事者は項目を選択後に、この「確定」ボタン401を押下する。
【0029】
医療従事者が「確定」ボタン401を押下すると、図7に示す画面が表示される。この図7に示す画面は、上述のように医療従事者が図6で選択した項目にしたがって表示される。例えば、この図7に示す画面は、医療従事者が図6の部位選択で「胃」を選択し、治療法選択で「外科的」を選択した場合の表示項目であり、「解剖」、「病態」、「検査」、「治療法」、「術式」、「再建法」、「合併症」、「補助的化学療法」、「補助的放射線療法」などの項目が表示される。
【0030】
「解剖」としては「働き」、「構造」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択してもよく、全て選択してもよく、全て選択しなくてもよい。また、「病態」としては「進行度」、「転移」、「症状」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択してもよく、全て選択してもよく、全て選択しなくてもよい。
【0031】
「検査」としては「肺機能」、「心電図」、「レントゲン」、「上部内視鏡」、「下部内視鏡」、「胃透視」、「CT」、「PET/CT」、「MRI」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択してもよく、全て選択してもよく、全て選択しなくてもよい。「治療法」としては「開腹」、「腹腔鏡」、「内視鏡」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択する。
【0032】
「術式」としては「胃全摘手術」、「幽門側胃切除術」、「幽門側保存胃切除術」、「噴門側胃切除術」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択する。「再建法」としては「Roux-en-Y法」、「Billroth I法」、「Billroth II法」、「空腸間置法」、「double tract法」、「胃胃吻合法」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択する。
【0033】
「合併症」としては「術後出血」、「膵液漏」、「縫合不全」、「腸閉塞」、「胆嚢炎」、「腹腔内腫瘍」、「他臓器損傷」、「吻合部狭窄」などの項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択してもよく、全て選択してもよく、全て選択しなくてもよい。「補助的化学療法」としては「術前」、「術後」の項目を選択するボタンが表示される。医療従事者はこれらの項目のうち少なくとも一つを選択してもよく、「なし」を選択してもよく、全て選択しなくてもよい。
【0034】
「補助的放射線療法」としては「術前」、「術後」の項目を選択するボタンが表示される。医療従事者は、これらの項目のうち少なくとも一つを選択してもよく、「なし」を選択してもよく、全て選択しなくてもよい。右下には「確定」ボタン501が表示され、医療従事者は項目を選択後この「確定」ボタン501を押下する。ただし、医療従事者は、表示された項目のうち少なくとも一つは選択する必要がある。即ち、図7の例で言えば、「解剖」から「補助的放射線療法」に示される項目全てのうち、いずれか一つは選択しなければならない。
【0035】
医療従事者が「確定」ボタン501を押下すると、選択された項目に応じて説明資料オーダー情報がサーバ100へ送信される。そして、サーバ100の説明資料データ管理部1321は、説明資料オーダー情報に応じて、対象の患者のための説明資料データ(特に説明動画データ)を説明資料データ記憶部123に記憶された複数の説明資料データ(特に説明動画データ)から選択して読み出し、当該説明資料データを患者の第2端末装置300に送信することを情報送受信部131に要求する。そうして、例えば図8に示すように、胃がんの臓器説明から治療までの動画が表示される。この動画は、医療従事者が図8で選択された項目に対応付けられている単一の動画であってもよいし、各項目に応じて選択された複数の動画を結合して一つの動画として表示するものであってもよく、これは、選択された項目に対応付けられている動画各々を羅列して表示するものであってもよい。動画の下には、医療従事者が図7で選択したキーワードが表示される。ここで、表示されるキーワードは、医療従事者が選択したキーワードに限定するものではなく、医療従事者が選択したキーワードに応じて選択される動画に対応付けられ、動画の内容を示すタグデータなどであってもよい。なお、本例では説明資料データとして説明動画データを例示しているが、これに限らず、テキストや図等により構成された説明テキストデータ(Webページやアプリケーション上で閲覧可能なテキストページも含む)や、動画のない音声データのみで構成された説明音声データなどであってもよい。さらに、各項目には同種または異種の複数の説明資料データ(例えば、2つの説明動画データや、説明テキストデータと説明動画データ、説明テキストデータと説明音声データ、など)を紐づけてもよいし、各項目に異なる種類の説明資料データがそれぞれ紐づけられていてもよい。
【0036】
図8に示されるように、右下には「処方」ボタン601が表示され、医療従事者はこの「処方」ボタン601を押下する。医療従事者が「処方」ボタン601を押下すると、図9に示すように、医療情報が処方された旨の表示がされる。医療情報を処方するとは、図8に示す説明資料データを、患者のIDに宛てて送信することである。なお、上述の説明においては、処方時に図7で一つずつ項目を選択する工程を経ているが、これに代えて、事前に疾病ごとや手術ごとなどの説明資料データテンプレートを説明資料データ記憶部123に一以上登録してもよい。その場合、図10に示されるように、医療従事者が説明資料データテンプレートから処方する説明資料データを選択するようにしてもよい。説明資料データテンプレートは、医療従事者が図7で示す選択工程を経て事前に登録するようにしてもよいし、本システム提供者が予め作成したテンプレートを事前に読み込んで登録するようにしてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
【0037】
特定処理部133は、第1の患者を示す第1患者識別情報に紐づく説明記録データと対応する説明確認項目情報を特定する。
【0038】
第1患者識別情報に紐づく説明記録データは、(後述の同意書データの少なくとも表示以前に)送付または説明が完了したことを示す完了情報を含む記録するデータであって、例えば、説明資料データ管理部1321による要求により送信した説明資料データに関する記録データであってもよく、送信時に説明記録データ記憶部124に患者識別情報に紐づけて送信した説明資料データに関する完了情報を含む説明記録データを記憶してもよい。または、第1患者識別情報に紐づく説明記録データは、送信した説明資料データが閲覧されたことを説明資料データ管理部1321により判定して(例えば、説明動画データが最後まで再生されたり、説明テキストデータが最後まで表示されると、または、患者の操作により閲覧完了を示すボタンの押下などの完了操作が実行されると、第1端末装置200からサーバ100へ完了情報が送信され、説明資料データ管理部1321により当該完了情報の受信を判定するなど)、判定時に説明記録データ記憶部124に患者識別情報に紐づけて判定した説明資料データに関する説明記録データを記憶してもよい。もしくは、後述するように、第1端末装置200上で説明資料データに関する質問(例えば理解度を問う質問など)への回答操作が実行された場合に、当該回答操作に基づく回答結果情報がサーバ100へ送信され、説明資料データ管理部1321により当該回答結果情報の受信により基準値以上の理解度が判定された場合に、判定時に説明記録データ記憶部124に患者識別情報に紐づけて判定した説明資料データに関する説明記録データを記憶してもよい。その他、医療従事者が直接口頭で説明する場合や紙書類で説明する場合などを考慮して、第1患者識別情報に紐づく説明記録データについては、医療従事者が第1端末装置200上で説明資料データに関する説明が完了したことを示す完了情報について記録入力操作を行うことにより、対応する説明資料データに関する完了情報を患者識別情報に紐づけて説明記録データ記憶部124に直接記憶してもよいし、これに代えて、または、加えて、本システムと連携された電子カルテシステムに記憶されるカルテ情報において、説明資料データに関する説明が完了したことを示す完了情報を判定し(例えば対応する患者の患者識別情報に紐づく電子カルテにおける、説明資料データに対応するチェックボックスへの完了チェック情報の判定や、電子カルテ内容の言語解析結果情報に基づく判定など)、判定時に説明記録データ記憶部124に患者識別情報に紐づけて判定した説明資料データに関する説明記録データを記憶してもよい。これらの説明記録データは、何れかの説明記録データの形式が医療機関識別情報ごと、医療従事者識別情報ごと、患者識別情報ごとなどで設定または選択可能であってもよいし、二以上の形式が併用されていてもよい。
【0039】
説明確認項目情報は、同意書に関連して予め説明をする必要がある説明内容についての説明確認項目を示す情報であって、例えば同意書上に重畳して表示される説明確認項目(詳細は後述)である。説明確認項目情報は、説明資料データとの対応関係が説明記録データ記憶部124に記憶されており、説明資料データから説明確認項目情報を特定することが可能である。例えば、所定の病気や所定の手術、検査、治療の少なくとも何れかに関する内容(方法)に関する説明資料データや担当医師に関する説明資料データ(特にテキストページデータ)、入院時の諸注意事項に関する説明資料データ(特にテキストページデータ)などには、対応する内容説明についての確認項目を示す情報が対応付けられている。より具体的な例としては、例えば、胃がんという病気に関する説明及び胃がんの治療に関する説明が含まれる説明動画データを患者Aが視聴完了したことを示す説明記録データが説明記録データ記憶部124に記憶されている場合には、胃がんの病気に関する内容説明についての説明確認項目情報及び胃がんの治療に関する内容説明についての説明確認項目情報が特定される。
【0040】
さらに、説明確認項目情報は、説明記録データに含まれる完了情報を紐づけてもよく、特定された説明確認項目情報に対応する説明が完了しているかを示すステータス情報(例えば、説明完了、未完了など)として含んでいてもよい。また、ステータス情報は、医療従事者の第1端末装置200からの入力操作に基づいて設定されてもよい。この場合、説明確認項目情報が特定されることで、患者による同意書への署名に伴い、事前に医療従事者に対して確認すべき説明確認項目を提示可能となる。
【0041】
関連付処理部134は、特定された説明確認項目情報と、第1患者識別情報に紐づく同意書データと、を互いに関連付ける。
【0042】
なお、関連付処理部134によらず、同意書データに予め関連付けられている説明確認項目情報があってもよい。すなわち、医療従事者が病気や手術等の種類に関わらず(言い換えると、説明資料データにかかわらず)、必ず説明する内容があり得るので(上述の例示のうち、例えば、担当医師についてなど)、これが予め同意書データに関連付けられていてもよい。
【0043】
このように、特に説明資料データに基づき説明確認項目情報を特定して、同意書データに関連付けることで、説明確認項目情報が特定されることで、患者による同意書への署名に伴い、事前に医療従事者に対して確認すべき説明確認項目を提示可能となる。そして、説明確認項目情報がステータス情報を含んでいる場合には、同意書データに関連する説明が完了しているかどうかも含めて把握が可能となる。
【0044】
同意書データ生成部135は、医療従事者の第1端末装置200から受信する入力情報に基づき、所定の入力項目を含む同意書データを生成する。そして、同意書データ生成部135は、特定された説明確認項目情報の少なくとも一部を、関連付けられた同意書データ上に重畳して表示するように、同意書データを生成する。
【0045】
同意書データ生成部135については、より具体的な一例を以下で説明する。まず、本サービスにログインしている医療従事者は、同意書の作成機能を実行し、図11に示すように、作成機能による編集完了前(本作成機能による編集開始前、または、本作成機能による編集開始後であって編集完了前も含む)の原同意書データ(例えば、紙の同意書をスキャナやカメラ等で取り込んでデータ化した同意書データや、従来印刷していた同意書データなどであって、特に電子的な入力項目の配置などの編集がされていない同意書データ、編集中の同意書データなど。以下、編集後の同意書データと区別なく「同意書データ」と呼ぶことがある。)を入力する。また、原同意書データは、例えば、画像ファイル化されている同意書データに限らず、同意書をWebブラウザやアプリケーション上で表示するための所定の同意書フォーマット規則に対応した一以上の同意書構成情報(例えば、テキストデータであって、特に、電子的な入力項目の配置などの編集前に初期的に設定される同意書構成情報であってもよい)や、当該同意書構成情報により構成され表示される同意書表示データ等であってもよい。同意書構成情報は、例えば、同意書本文に関する同意書本文情報や、事前に同意書本文が登録されている場合には、同意書本文のテンプレートの種類を選択するための同意書種別情報などであってもよく、これらに限らず、同意書を構成する情報であればどのような内容であってもよい。同意書構成情報は、第1端末での入力操作を介して入力された情報であってもよいし、紙の同意書をスキャナやカメラ等で取り込んだデータから文字認識により取得された情報であってもよい。原同意書データは、同意書データ記憶部125に記憶される。
【0046】
次に、図12-14に示すように、医療従事者は、原同意書データ上に同意書に関連する入力項目を「医師入力欄」用と「患者入力欄」用からそれぞれ選択して配置する。「医師入力欄」用の入力項目(医療従事者専用入力項目)と「患者入力欄」用の入力項目(患者専用入力項目)は、図12-14に示されるようにそれぞれ異なる専用入力項目を含む。図12-14においては、例として麻酔同意書が示されている。図12においては、原同意書において選択項目となっている内容(麻酔の種類)に合わせて選択入力項目(いわゆるチェックボックス)を配置し、各選択入力項目が何れの内容に対応するかを紐づけて記憶している(図12では、左端に配置された選択入力項目について「全身麻酔」を紐づけて記憶している)。図13においては、その他の選択入力項目(例示では計5つ)や、担当医師を入力する入力項目や説明医師を入力する入力項目などの医療従事者のみが入力する医療従事者専用入力項目が配置されている。また、図13-14においては、患者署名を入力する入力項目や、同意日を入力する入力項目などの患者のみが入力する患者専用入力項目も配置されている。
【0047】
そして、図15に示すように、編集した同意書データに対して同意書タイトルを設定して登録をすることで、同意書のテンプレートを作成することができ、すなわち同意書データが生成することができる。なお、同意書データは、画像ファイル形式化されたデータであってもよいし、同意書をWebブラウザやアプリケーション上で表示するための所定の同意書フォーマット規則に対応した一以上の同意書構成情報(例えば、テキストデータであって、特に、編集により追加された電子的な入力項目の内容を示す内容情報や配置を示す配置情報などの入力項目情報も含む同意書構成情報であってもよい)であってもよい。同意書データは、同意書データ記憶部125に記憶される。なお、同意書データは、同意書に配置した入力項目に対して入力された項目入力情報(例えば、署名入力項目に入力された署名関連情報など)も含んでいてもよい。
【0048】
また、図16に示すように、上述の特定した説明確認項目情報を読み出し、入力項目として同意書データ上に配置可能としてもよい。図16においては「医療行為の担当医師について」、「病名と患者の状態」、「手術・検査・治療の内容と方法」という説明確認項目情報が同意書データ上に入力項目(特に選択入力項目)として配置されており、説明済みとして各選択入力項目が選択されている例が示されている。なお、説明確認項目情報に対応する選択入力項目の選択方法(すなわち説明済みと選択する方法)については後述する。
【0049】
同意書データ管理部1322は、医療従事者の第1端末装置200から受信する入力情報に基づき、所定の同意書データを患者識別情報に紐づけ、患者の第2端末装置300に同意書データを送信し、同意書データに対して確認及び入力操作を可能とする。
【0050】
同意書データ管理部1322については、より具体的な一例を以下で説明する。まず、本サービスにログインしている医療従事者は、同意書の送信機能を実行し、図17に示すように、送信先の患者の患者識別情報を入力する。
【0051】
次に、図18に示すように、同意書データ管理部1322は、同意書データ記憶部125から同意書データに関する情報を読み出し、医療従事者の第1端末装置200に同意書データの説明情報を送信することで、同意書データのテンプレート一覧情報を提示及び選択可能とする。図18においては「麻酔用」、「胃がん全摘用」、「緊急用」の同意書データに関する説明情報(本例ではタイトルと要約情報)が表示され、「麻酔用」が選択されていることが示されている。
【0052】
次に、図19に示すように、同意書データ管理部1322は、選択された同意書に対応する基本情報等の入力を医療従事者の第1端末装置200から受け付ける。この時、同意書データ管理部1322は、同意書データに関連付けられる説明確認項目情報を読み出し、医療従事者の第1端末装置200へ提示することが可能である。図19の例では、説明確認項目情報は提示されるに留まり、実際に説明済みかどうかの選択については医療従事者の第1端末装置200からの入力に基づき設定される。これに代えて、上述のとおり、説明確認項目情報に完了情報が紐づけられている場合には、完了したことを示す完了情報が紐づけられている説明確認項目情報については、説明済みを示す選択(図19の例ではチェックボックスへの入力)が行われてもよい。もしくは、完了情報が紐づけられている説明確認項目情報群と、完了情報が紐づけられていない説明確認項目情報群を区別可能に分けて表示してもよく(例えば、各説明確認項目情報群を上下、または、左右に並べて表示するなど)、特に選択入力部(チェックボックス)は完了情報が紐づけられていない説明確認項目情報群にのみ付されていてもよい。
【0053】
そして、図20に示すように、同意書データ管理部1322は、同意書発行(すなわち、患者が同意書データを確認・入力可能とすること)を行う前に内容を確認可能に提示する(いわゆるプレビュー表示)。右下の同意書発行ボタンが押下されると、発行された同意書データが患者識別情報に関連付けられて、患者の第2端末装置300から患者アカウントでログインして同意書について閲覧が可能となる。なお、一部または全ての説明確認項目情報に対応する選択入力項目が選択されていない場合には、同意書の発行操作が制限されてもよい(例えば、同意書発行ボタンが押下できない、押下するとアラートが出て進めないなど)し、同意書の発行操作時に一部または全ての説明確認項目情報に対応する選択入力項目が選択されていない旨の報知(アラート)を画面上に提示してもよい。
【0054】
入出力部140は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。なお、クラウドサーバにより構築されている場合にはこの限りではない。
【0055】
このように、特に説明資料データに基づき説明確認項目情報を特定して、同意書データに関連付けることで、説明確認項目情報が特定されることで、患者による同意書への署名に伴い、事前に医療従事者に対して確認すべき説明確認項目を提示可能となる。そして、説明確認項目情報がステータス情報(完了情報)を含んでいる場合には、同意書データに関連する説明が完了しているかどうかも含めて把握が可能となる。続いて、各端末装置についても説明する。
【0056】
<端末装置200(300)>
図21は、端末装置200(300)のハードウェア構成を示す図である。図22は、制御部230の機能を例示したブロック図である。端末装置200(300)の主なハードウェア構成については、例えば通信部210と、記憶部220と、制御部230と、入出力部240とを備え、サーバ100と同様の部分については説明を省略する。これらの機能部は、端末装置200(300)用の所定のプログラムやアプリケーションを実行することにより実現される。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0057】
端末装置200(300)は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であってもよく、入出力部240は、例えば端末装置200(300)がパーソナルコンピュータで構成されている場合は情報出力機器(例えばディスプレイ)と情報入力機器(例えばキーボードやマウス)により構成され、スマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等の情報入出力機器により構成されている。
【0058】
制御部230は、端末装置200(300)の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。また、図22に示されるように、制御部230は、情報送受信部231、リクエスト生成部232、表示生成部233といった機能部を含む。
【0059】
情報送受信部231は、サーバ100から各種情報や要求を受け付け、サーバ100へ生成された各種情報や要求を送信する。
【0060】
リクエスト生成部232は、端末装置200(300)から送信する種々のリクエスト(要求)を生成する。
【0061】
表示生成部233は、端末装置200(300)の記憶部220に記憶された所定の画面表示規則情報(例えばレイアウト情報等)に基づき、サーバ100から受信した各種情報を端末装置200(300)の入出力部240の表示装置に表示される表示領域における表示を生成する。なお、表示生成部233は、端末装置200(300)の機能部ではなく、サーバ100の機能部として構成され、各情報は端末装置200(300)において受信せず、サーバ100内で生成された表示画像を受け取るようにしてもよい。
【0062】
以下に、表示生成部233により生成された表示に対して、患者が患者の第2端末装置300を介して情報を入力することについて説明する。図23に示すように、患者は患者の第2端末装置300に患者識別情報等の患者情報を入力する。患者情報には患者の氏名、ID(例えば、診察券番号であり、他の例として、サーバ100が発行するIDであってもよい)、本システムにログインするためのパスワード、パスワード(確認のため再入力)が含まれる。そうすると、図21に示すように、主治医を選択する画面が表示される。患者はその中から主治医を選択し、「次のページへ」ボタン701を押下する。なお、患者識別情報に基づいて、主治医が自動的に選択されてもよいし、メッセージが届いている主治医の画像が強調される(例えば、色が異なる(特に明るい色使いとなる)、フォントが大きくなる、太字になるなど)ことで、メッセージが届いている主治医が可視化されてもよい。
【0063】
患者が「次のページへ」ボタン701を押下すると、図25に示すように、主治医からメッセージが届いている画面が表示される。主治医からメッセージが届いていない場合には、図25に示すような画面は表示されないか、もしくは過去の診察結果が表示される。「確認」ボタン801を押下すると、図26に示すように、主治医からのメッセージ(テキスト説明資料データとしてもよい)と動画(動画説明資料データとしてもよい)の開始画面が表示される。「再生」ボタン901を押すと、図27に示すように、動画再生画面が表示される。中央の再生ボタンを押すと、動画が再生される。
【0064】
図27では、画面に拡大して再生される例を示しているが、図28に示すような動画の画像部分での再生でもよい。動画の再生が終わると、図28に示すように、動画をもう一度見たい場合には「もう一度見る」ボタン1001を押下し、項目別に見たい場合には「項目別に見る」ボタン1002を押下する。患者が動画を見た後、「次へ」ボタン1003を押下すると、図29に示すようなアンケート画面(質問回答画面)が表示される。
【0065】
アンケート画面は、動画を見た後の患者の理解度および関心度を確認する質問が表示される。例えば、「胃の働きについて」、「がんの進行度・転移について」、「必要な検査について」、「受ける治療法について」の項目について、「1:全く分からない」、「2:分からない」、「3:どちらでもない」、「4:分かった」、「5:良く分かった」の五段階で理解度および関心度を回答する。さらに、医療従事者に聞きたいこととして、例えば、「入院・治療期間」、「治療費用」、「他の治療法について」、「仕事について」、「治療後の生活について」などの項目があり、これらの項目のチェックボックスにチェックを入れることで回答を受けることができる。
【0066】
図29に示されるように、例えば、胃の働きについて、「4:分かった」、がんの進行度・転移について、「2:分からない」、必要な検査について、「5:良く分かった」、受ける治療法について、「3:どちらでもない」、のように回答することができる。また、医療従事者に聞きたいこととして、「入院・治療期間」、「他の治療法について」、「仕事について」にチェックを入れることができる。
【0067】
「次へ」ボタン1101を押すと、図30に示すように、関連する同意書データが表示される。なお、一部または全部の理解度が基準値に達していないと判定される場合、同意書データの確認への移行を制限する(例えば、「次へ」ボタン1101が押下できない、押下するとアラートが出て進めないなど)ようにしてもよい。その場合、患者は「動画へ戻る」ボタンを押下し、再度動画を見るなどして理解を深め、再度アンケート画面にて質問へ回答をするようにしてもよい。もしくは、例えば「更なる説明を求める」ボタン(不図示)を設け、これを押下することで質問への回答を中断し(必要であればサーバ100の記憶部120に途中までの回答結果を保存し)、病院予約の画面に遷移する、または、医療従事者又はチャットボットとのメッセージ(特にチャット)が可能な画面へ遷移するようにしてもよい。
【0068】
図30では、例えば、「ご本人署名欄」(テキストデータが入力可能であってもよいし、電子署名入力画面に一旦遷移してもよい)、「代理人署名欄」、「生年月日」が示されているがこれに限らず、「代理人署名欄」が無くてもよい。また、説明確認項目に対応する選択入力項目が選択されていることが同意書データ上で示されているが、患者がこれに疑義を感じた場合のために、「医療従事者に説明を求める」ボタン(不図示)を設け、これを押下することで同意書への署名を中断し(必要であればサーバ100の記憶部120に途中までの入力結果を保存し)、病院予約の画面に遷移する、または、医療従事者又はチャットボットとのメッセージ(特にチャット)が可能な画面へ遷移するようにしてもよい。これに代えて、または、加えて、患者識別情報に紐づく説明資料データの一覧を提示してもよく、説明資料データを選択することで再度内容を確認可能としてもよい。
【0069】
なお、同意書データへのアクセスについては、上述の説明資料データからの遷移に限らず、例えば同意書データへのアクセスのためのアクセス情報(例えば、URL、リンク、二次元コード、一次元コードなど)を患者に提示し、アクセス情報を介して同意書データへアクセス可能としてもよい。または、アクセス情報は送付先のメールアドレスの設定やSNS連携を設定するための設定ページへのアクセスのためのものであってもよく、その場合、設定したメールアドレスや連携したSNSに対して同意書データへのアクセス情報をさらに送付してアクセス可能としてもよい。もしくは、アクセス情報に代えてパスワード(特にワンタイムパスワード)を送付し、所定のパスワード入力画面から同意書データへアクセス可能にしてもよい。
【0070】
そして、図31に示されるように、署名等の入力情報が反映された同意書データが患者の第2端末装置300上で提示され、「同意する」ボタンを押下することで、同意書データへの署名処理が完了されてもよい。
【0071】
<処理の流れ>
図32の例示を参照しながら、情報処理システム1が実行する情報処理方法の処理の流れについて説明する。図32は、図1の情報処理システム1の処理の例を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS101の処理として、サーバ100は、端末装置200からの患者情報(特に患者識別情報)の入力を受け付ける。
【0073】
ステップS102の処理として、サーバ100は、同意書データの一覧を端末装置200から確認可能に表示する。
【0074】
ステップS103の処理として、サーバ100は、端末装置300からの同意書の選択操作(特に一覧からの選択操作)を受け付ける。
【0075】
ステップS104の処理として、サーバ100は、選択された同意書データに関する入力項目(基本情報)及び説明確認項目情報を端末装置200から確認可能に表示する。
【0076】
ステップS105の処理として、サーバ100は、端末装置200からの同意書発行要求を受け付ける。
【0077】
ステップS106の処理として、サーバ100は、端末装置300から同意書データへのアクセス要求を受け付ける。
【0078】
ステップS107の処理として、サーバ100は、要求された同意書データを端末装置300から確認可能に表示する。
【0079】
ステップS108の処理として、端末装置300において同意書データを表示し、署名等の入力項目への入力を受け付ける。
【0080】
ステップS109の処理として、サーバ100は、端末装置300から同意書データの提出要求を受け付ける。
【0081】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム等は、特に説明資料データに基づき説明確認項目情報を特定して、同意書データに関連付けることで、説明確認項目情報が特定されることで、患者による同意書への署名に伴い、事前に医療従事者に対して確認すべき説明確認項目を提示可能となる。そして、説明確認項目情報がステータス情報を含んでいる場合には、同意書データに関連する説明が完了しているかどうかも含めて把握が可能となる。
【0082】
なお、上述の実施形態に係る情報処理システム等においては、「同意書データ」を主とした例として説明をしているが、所定の説明を実施したことを来院者(主に患者)に対して確認する必要性が生じる病院関連書類データ(特に、署名を伴う病院関連書類データであって、例えば入院計画書(入院診療計画書を含む)データなど)であればどのようなものであってもよく、上述の実施形態において「同意書データ」を任意の病院関連書類データとして読み替えてもよい。これにより、所定の説明を実施したことを来院者(主に患者)に対して確認する必要性が生じる種々の病院関連書類データについて、本情報処理システムを利用可能となり、特に説明資料データに基づき説明確認項目情報を特定して、病院関連書類データに関連付けることで、説明確認項目情報が特定されることで、患者による病院関連書類への署名に伴い、事前に医療従事者に対して確認すべき説明確認項目を提示可能となる。
【0083】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理システム
100 サーバ
200 第1端末装置
300 第2端末装置
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32