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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/32 20060101AFI20240905BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20240905BHJP
   A47L 9/16 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
A47L9/32 B
A47L5/24 A
A47L9/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023125938
(22)【出願日】2023-08-02
(65)【公開番号】P2024047549
(43)【公開日】2024-04-05
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2022153154
(32)【優先日】2022-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有輝
(72)【発明者】
【氏名】井上 香奈
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-096685(JP,A)
【文献】特開2015-173674(JP,A)
【文献】特開2022-017665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/32
A47L 5/24
A47L 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
延長管を接続可能な吸引口を上下方向の下側に有するとともに、吸引力を発生させる電動送風機を内部に有する本体部と、
前記電動送風機と前記上下方向に並ぶように配され、塵埃が集塵される集塵部と、
バッテリーと、
前記本体部に対して前記上下方向の上側に設けられるハンドル部と、
を備え、
前記本体部は、前記吸引口を有する管部を備えたものであり、
前記管部は、前記上下方向と直交する前後方向に沿って前記集塵部と並ぶように配されるとともに、前記集塵部に対して前側となる位置に配されたものであり、
前記前後方向において、前側に前記ハンドル部が位置し、後側に前記バッテリーが位置し、
前記電動送風機の中心位置を通り前記上下方向に沿って延びる中心軸線、および前記中心位置を通り前記前後方向に沿って延びる境界線を境界として、前記中心軸線と比べて前側かつ前記境界線と比べて上側に、前記ハンドル部が配され、
前記中心軸線および前記境界線を境界として、前記中心軸線と比べて後側かつ前記境界線と比べて上側に、前記バッテリーが配され、
前記ハンドル部と前記本体部との間に、手を差し入れるための開口部が形成され、
前記上下方向において、前記開口部の上端が前記バッテリーの上端以下の位置に存在し、
前記集塵部の中心軸線は、前記上下方向に沿って延びていることを特徴とする、電気掃除機。
【請求項2】
前記開口部は、前記前後方向の幅よりも前記上下方向の幅の方が大きくなるように開口していることを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記上下方向において、前記バッテリーの上端は、前記ハンドル部の上端以下の位置に存在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記電動送風機の中心位置を通り、前記上下方向に沿って延びる前記中心軸線を境界として、前記ハンドル部と前記バッテリーとが対向するように配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記上下方向において、前記管部と前記ハンドル部とが並んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記集塵部は、前記電動送風機の動作により吸い込まれた空気から塵埃の少なくとも一部を遠心分離するものであり、
前記集塵部の中心軸線と前記電動送風機の中心軸線とが一致することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記文献に開示されているように、掃除機本体にファンモータおよびファンモータに給電する充電式二次電池を設け、掃除機本体の吸込口に延長管を介して床用吸込口を接続するとともに、掃除機本体の重心位置が掃除機本体の把持部の中心よりも後部になるよう構成した充電式掃除機が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭和61-47961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の電気掃除機は、把持部において手を差し入れるために形成された開口部がファンモータの回転軸を基準に二次電池と反対側に存在している。この電気掃除機は、掃除機本体の吸込口がファンモータの回転軸と一致しているものの、吸込口に延長管が接続されている場合には、重心位置が把持部よりも延長管側に位置することとなる。これにより、特許文献1の電気掃除機は、使用する際にユーザが重量感を感じてしまう構成となっており、操作性に劣るといった問題がある。
【0005】
そこで本発明は、操作性を向上させることが可能な電気掃除機を実現することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気掃除機は、延長管を接続可能な吸引口を上下方向の下側に有するとともに、吸引力を発生させる電動送風機を内部に有する本体部と、前記電動送風機と前記上下方向に並ぶように配され、塵埃が集塵される集塵部と、バッテリーと、前記本体部に対して前記上下方向の上側に設けられるハンドル部と、を備え、前記本体部は、前記吸引口を有する管部を備えたものであり、前記管部は、前記上下方向と直交する前後方向に沿って前記集塵部と並ぶように配されるとともに、前記集塵部に対して前側となる位置に配されたものであり、前記前後方向において、前側に前記ハンドル部が位置し、後側に前記バッテリーが位置することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の電気掃除機は、管部に設けられた吸引口に対して延長管が接続されていない状態においては、重量物である電動送風機やバッテリーに近い位置においてハンドルを把持することができる。また、本発明の電気掃除機は、管部が備える吸引口に対して延長管を接続することにより、延長管を接続していない状態と比較して、重心位置が上下方向の下方側であって、前後方向の前側に移動した状態になる。これにより、本発明の電気掃除機は、延長管を接続していない場合に比べてハンドルから重心位置までの距離が長くなるものの、重心位置に対して上方側の位置においてハンドルを把持することができる。その結果、本発明の電気掃除機は、延長管を接続した状態においても、ユーザに与える重量感を抑制できる。従って、本発明によれば、管部に対して延長管を接続した状態、及び延長管を非接続とした状態のいずれにおいても、ユーザに与える重量感を抑制し、操作性の高い電気掃除機を実現できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上述した課題の解決を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
図2図1に示した電気掃除機の要部に係る断面図である。
図3】開閉部を閉状態とした電気掃除機について、第一集塵部近傍を拡大視した斜視図である。
図4】掃除機本体に装着される集塵部を示す断面図である。
図5図4の集塵部を示す斜視図である。
図6図4の集塵部を示す分解斜視図である。
図7図4の集塵部において外筒の内部に第一内筒を配した状態を示す斜視図である。
図8】第二実施形態に係る電気掃除機システムが備える塵埃回収装置を示す斜視図である。
図9】第二実施形態に係る電気掃除機システムの要部を示す側面図である。
図10】第二実施形態に係る電気掃除機システムの要部を拡大した断面図である。
図11】受部を示す斜視図である。
図12】第二実施形態に係る電気掃除機システムの受部近傍を示す断面図である。
図13】(a)は開閉部及びロック部の構成を模式的に示した説明図、(b)は開閉部及びロック部の近傍を拡大した斜視図である。
図14】変形例に係る第一集塵部の構成を示す断面図である。
図15】変形例に係る第一集塵部の構成を示す分解斜視図である。
図16】変形例に係る第一集塵部の要部を示す斜視図である。
図17】本体部において変形例に係る第一集塵部が取り付けられる集塵部取付部の近傍を拡大した側面図である。
図18】受部に開手段を設けない構成とした変形例を示す斜視図である。
図19】受部に解除手段を設けない構成とした変形例を示す斜視図である。
図20】受部の外側からロック部が操作可能に露出される構成を例示した斜視図である。
図21】受部においてロック部に相当する位置に切欠部を設けた構成を例示する斜視図である。
図22】受部に開手段、及び解除手段を設けない構成とした変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪第一実施形態≫
以下、本発明の第一実施形態に係る電気掃除機1及びこれを備えた電気掃除機システムSについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機1の全体構成について概略を説明した後、要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、前後方向、左右方向(幅方向)等の位置関係については、図1に示すように電気掃除機1を立設させた状態を基準として説明する。
【0011】
図1図2等に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、例えば、充電式のものや、電源コードを介して外部電源から電力を得るものとすることができる。図1図2に示すように、電気掃除機1は、本体部10、ハンドル部20、第一集塵部50(集塵部)、延長管180、及び吸込具190を備えている。また、電気掃除機システムSは、吸込具190をスタンド200の上に配置した状態として、スタンド200の上に立てた状態で配置可能なものとされている。
【0012】
本体部10は、電気掃除機1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、図2に示すように、本体部10は、筐体をなす本体ケース12の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための第一電動送風機14(電動送風機)やその他の電子部品を駆動する駆動回路、その他の部品等を備えている。
【0013】
本体部10は、バッテリー15aが収容されるバッテリー収容部15を備えている。バッテリー15a(バッテリー収容部15)は、ハンドル部20が設けられた位置よりも本体部10において後側の領域に設けられている。
【0014】
本体部10の下端側には、延長管180または吸込具190を接続するための吸引口38yが設けられている。本体部10は、吸引口38yを一端に形成するとともに、第一集塵部50の導入口と連通する排出口を形成する管部38xを有している。吸引口38yは、本体部10において上下方向の下側に設けられている。バッテリー収容部15は、本体部10の軸線方向(上下方向)と直交する方向(前後方向)に、ハンドル部20と並ぶよう配される。別の表現をすれば、第一電動送風機14とバッテリー収容部15とが本体部10の軸線方向と直交する方向に並ぶよう配される。
【0015】
ハンドル部20は、電気掃除機1の使用者が本体部10を把持するために設けられた部分である。ハンドル部20は、本体部10との間に、手を差し入れるための開口部22を形成する。開口部22は、前後方向への長さよりも、上下方向の長さの方が大きくなるように開口している。電気掃除機1は、例えばハンドル部20により構成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、本体部10を把持できる構成とされている。ハンドル部20は、本体部10に対して上側に設けられている。また、ハンドル部20は、本体部10において前側に位置している。また、本体部10は、第一電動送風機14の排気風を外部に排出するための外部排出口を左右方向の一方側または両側に有している。
【0016】
第一集塵部50は、電気掃除機1により吸引された塵芥が集められる部分である。第一集塵部50は、本体部10に対して連続するように設けられている。具体的には、第一集塵部50は、第一電動送風機14と本体部10の軸線方向(上下方向)に並ぶように配される。また、第一集塵部50は、本体部10の軸線方向(上下方向)と直交する方向(前後方向)に、管部38xと並ぶよう配される。本実施形態では、第一集塵部50は、電動送風機の動作により吸い込まれた空気から塵埃の少なくとも一部を遠心分離可能なサイクロン式の集塵容器とされている。
【0017】
延長管180は、本体部10と吸込具190とを着脱可能に接続する筒状の部材である。延長管180は、一端側が本体部10の管部38xに設けられた吸引口38yに差し込み可能な形状とされ、他端が吸込具190に対して接続可能な形状とされている。延長管180を介して本体部10と吸込具190とを接続することにより、吸込具190から本体部10に至る一連の連通した経路(風路)を形成できる。
【0018】
吸込具190は、本体部10の吸引口38yに対して直接的、あるいは延長管180を介して間接的に接続されるものである。吸込具190は、吸込口192(図10参照)及び継手部194を有する。吸込口192は、底面に向けて開口している。また、継手部194は、吸引口38yあるいは延長管180に接続可能とされている。吸込具190についても、特徴的な部分については、後に詳細に説明する。
【0019】
電気掃除機1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機1は、上述した各部が特徴的な配置とされている。具体的には、電気掃除機1は、上下方向において、開口部22の上端がバッテリー15aの上端以下の位置に存在している。また、電気掃除機1の上下方向において、バッテリー収容部15の上端は、ハンドル部20の上端以下の位置に存在している。電気掃除機1は、第一電動送風機14の中心位置を通り、前後方向に沿って延びる境界線Hを境として、上下方向の上側に、バッテリー15a及びハンドル部20が配されたものとされている。また、電気掃除機1は、第一電動送風機14の中心位置を通り、上下方向に沿って延びる中心軸線Vを境界として、ハンドル部20とバッテリー15aとが対向する配置とされている。電気掃除機1は、上下方向において、管部38xとハンドル部20とが並ぶ配置とされている。電気掃除機1は、第一集塵部50の中心軸線と第一電動送風機14の中心軸線Vとが一致する配置とされたものである。なお、第一電動送風機14は、中心軸線Vが第一集塵部50の旋回軸より前側にズレる位置となるよう配されてもよい。
【0020】
≪第二実施形態≫
続いて、本発明の第二実施形態に係る電気掃除機1及びこれを備えた電気掃除機システムSについて説明する。なお、本実施形態において、上述した電気掃除機1と共通する構成については同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0021】
≪電気掃除機システムSの全体構成について≫
図9に示すように、電気掃除機システムSは、電気掃除機1、及び塵埃回収装置100を備えている。電気掃除機システムSは、塵埃回収装置100に加えてスタンド200を備えているが、塵埃回収装置100の一部としてスタンド200が含まれていてもよい。電気掃除機システムSは、電気掃除機1をスタンド200にセットした状態において、電気掃除機1に集められた塵埃を塵埃回収装置100に回収できるものとされている。電気掃除機システムSは、電気掃除機1が備える第一集塵部50の構成、塵埃回収装置100の構成、スタンド200の構成等に特徴を有する。以下、第二実施形態の電気掃除機システムSや電気掃除機1が備える特徴的な構成について、さらに詳細に説明する。
【0022】
≪第一集塵部50の構成について≫
以下、第一集塵部50について、図3図9等を参照しつつ詳細に説明する。第一集塵部50は、本体部10に対して着脱可能に設けられている。第一集塵部50は、いわゆるサイクロン式の集塵装置とされている。すなわち、第一集塵部50は、第一電動送風機14を作動させることにより吸引された空気を第一集塵容器52に導入し、第一集塵容器52内で旋回気流を形成した後、空気を排出させる過程において空気中に含まれている塵埃を集塵できるものとされている。また、第一集塵部50は、いわゆる単段あるいは複数段の分離方式のものを採用できるが、本実施形態では単段式の分離方式を採用したものとされている。
【0023】
第一集塵部50は、本体部10に対して上下方向(電気掃除機1の長手方向)の一方側(下方側)に配される。第一集塵部50は、第一集塵容器52(外筒)、及び構造体54を有し、これらの間に集塵空間56が形成されたものである。第一集塵部50は、集塵空間56内に導入された空気により、構造体54と第一集塵容器52との間で旋回する旋回気流を形成可能なものとされている。第一集塵部50は、本体部10において第一電動送風機14の下方側の位置において着脱可能とされている。例えば、第一集塵部50は、底部側が管部38xに係止され、上部側が本体ケース12とロックまたはロック解除となるロックボタンが設けられる構成であってもよいし、底部側が管部38xとロックまたはロック解除となるロックボタンが設けられ、上部側が本体ケース12と係止する構成であってもよい。
【0024】
図3図6等に示した第一集塵容器52は、塵埃を内部に堆積するための容器である。第一集塵容器52は、中空の筒体とされている。これにより、第一集塵部50は、第一集塵容器52の内部に集塵空間56を形成する第一集塵室52aを備えたものとされている。第一集塵容器52は、軸心方向の他方側(上方側)が開口されている。また、第一集塵容器52は、第一集塵室52aの下端側に、廃棄口52b、及び開閉部52cを有する。
【0025】
第一集塵容器52は、上下方向の一方側(下方側)に廃棄口52b(開口部)を有する。廃棄口52bは、第一集塵室52aから塵埃を廃棄可能とするための開口である。廃棄口52bは、第一集塵室52aの下端部において開口している。また、開閉部52cは、第一集塵部50を本体部10に装着した状態で、第一集塵室52aの底部において廃棄口52bを閉塞可能である。そのため、開閉部52cを開状態とすると、廃棄口52bを介して第一集塵室52aに溜まった塵埃を廃棄できる。開閉部52cの一例として、蓋又は弁が考えられるが、本実施形態では廃棄口52bを閉塞可能な蓋が開閉部52cとされている。開閉部52cは、回動軸52eを中心として回動可能なように、第一集塵室52a(第一集塵容器52を構成する外筒)に対して接続されている。開閉部52cは、回動軸52eより一方側の領域に被当接部52fを有し、他方側の領域に閉塞部52gを有する。
【0026】
被当接部52fは、後に詳述する塵埃回収装置100の受部130に設けられた第二当接部152が当接可能なものである。また、閉塞部52gは、廃棄口52bを閉塞する部分である。開閉部52cは、被当接部52fに第二当接部152を当接させる等して、被当接部52fに力を作用させることにより、閉塞部52gが廃棄口52bから離反するように閉塞部52gを回動させることができる。これにより、廃棄口52bを開くことができる。また、開閉部52cは、回動軸52eよりも被当接部52f側の部分において、付勢部材52h(本実施形態ではトーションバネ)によって付勢されていることが好ましい。これにより、閉塞部52gが廃棄口52bを閉じる方向に付勢されている。開閉部52cは、被当接部52fに第二当接部152を当接させる等して、付勢部材52hによる付勢力に反するように被当接部52fに力を作用させることにより、閉塞部52gが廃棄口52bから離反するように閉塞部52gを回動させ、廃棄口52bを開くことができる。なお、廃棄口52bは、第一集塵容器52の軸心方向に対して垂直な開口面としているが、第一集塵容器52の軸心方向に対して傾斜した開口面であってもよい。例えば、廃棄口52bの開口面は、回動軸52eから遠ざかるに従い、第一集塵容器52の軸心方向の一方側又は他方側に向かうよう傾斜していればよい。これにより、第一集塵室52a内の塵埃が塊となり易くなるため、塵埃回収装置100によって吸引がし易くなる。
【0027】
また、第一集塵部50は、図13(a)において模式的に示すようなロック部55を、開閉部52c(閉塞部52g)または第一集塵容器52のいずれかに設けた構成とされている。ロック部55は、開閉部52c(閉塞部52g)によって第一集塵容器52の廃棄口52bを閉じた状態(閉状態)において、開閉部52cの動作をロックできる。ロック部55は、被当接部57、及び回動軸58を備えている。被当接部57は、回動軸58によって回動可能なように支持されている。被当接部57は、回動軸58を介して一方側に係合部57aを有し、他方側に被当接領域57bを有する。
【0028】
係合部57aは、開閉部52cの底面に設けられた被係合部52kに対して係脱可能なものとされている。ロック部55は、開閉部52cによって第一集塵容器52の廃棄口52bを閉塞した状態において、係合部57aを被係合部52kに係合させ、開閉部52cを開閉不能(回動軸52eを中心とした回動が不能)な状態になるように固定したロック状態とすることができる。なお、係合部57aは、係合する方向に回動するようバネで付勢されていてもよい。これとは逆に、ロック部55は、被当接部57において回動軸58よりも係合部57aとは反対側に位置する被当接領域57bにおいて下方から上方に向かう押圧力を作用させて被当接部57を回動させることにより、係合部57aを被係合部52kから離脱させることができる。これにより、ロック部55は、開閉部52cが自由に回動可能(回動軸52eを中心とした回動が可能)なアンロック状態とすることができる。
【0029】
第一集塵部50は、図13(b)に示すようなロック部55Aを、第一集塵容器52に設けた構成とされている。ロック部55Aは、開閉部52c(閉塞部52g)によって第一集塵容器52の廃棄口52bを閉じた状態(閉状態)において、開閉部52cの動作をロックできる。ロック部55Aは、被当接部57、及び回動軸58を備えている。被当接部57は、回動軸58によって回動可能なように支持されている。被当接部57は、回動軸58を介して一方側に係止部57a1を有し、他方側に被当接領域57bを有する。
【0030】
係止部57a1は、開閉部52cに設けられた被係止部52k1に対して係脱可能なものとされている。ロック部55Aは、開閉部52cによって第一集塵容器52の廃棄口52bを閉塞した状態において、係止部57a1を被係止部52k1に係止させ、開閉部52cを開閉不能(回動軸52eを中心とした回動が不能)な状態になるように固定したロック状態とすることができる。なお、係止部57a1は、係止する方向に回動するよう弾性部材59a(例えばバネ、ゴム)で付勢されていてもよい。これとは逆に、ロック部55Aは、被当接部57において回動軸58よりも係止部57a1とは反対側に位置する被当接領域57bにおいて下方から上方に向かう押圧力を作用させて被当接部57を回動させることにより、係止部57a1を被係止部52k1から離脱させることができる。これにより、ロック部55Aは、開閉部52cが自由に回動可能(回動軸52eを中心とした回動が可能)なアンロック状態とすることができる。
【0031】
なお、ロック部55Aは、ユーザが意図せず接触することを避けるため、回動軸52eよりも管部38x側に位置していることが好ましい。また、ロック部55Aは、被当接部57、回動軸58および弾性部材59aを収容するケーシング59b(図13(b)において二点鎖線で図示)を有することが好ましい。また、被係止部52k1は、第一集塵容器52よりも径方向に向けて突出していることが好ましい。
【0032】
図5図6等に示すように、第一集塵容器52は、周部に集塵部流入口52x(流入口)を有する。集塵部流入口52xは、吸引口38yから管部38xの内部に形成された風路内に吸引された空気を第一集塵容器52の内部に流入させるための入口となる部分である。集塵部流入口52xは、管部38xの端部に設けられた開口に相当する位置に設けられ、例えば第一集塵容器52の上下方向(軸線方向)の中間部に位置する。そのため、第一集塵部50を本体部10に取り付けることにより、集塵部流入口52xと管部38xの内部に形成された風路とを連通させることができる。また、集塵部流入口52xは、管部38xの内部に形成された風路から排出された空気を第一集塵容器52の内周面の接線方向に向けて集塵空間56の内部に導入可能とされている。そのため、集塵部流入口52xから集塵空間56の内側に導入された空気は、第一集塵容器52の内周面に沿って流れる旋回流を形成する。
【0033】
図4図6に示すように、構造体54は、第一集塵容器52の内部に配される部材である。構造体54は、第一集塵容器52との間に空気が流入する集塵空間56を構成する部材である。構造体54は、第一集塵容器52と軸心位置が略一致するように配されている。構造体54は、軸線方向一方側(図中上方側)から他方側(図中下方側)に向かうにつれて外形が小さくなるように形成された部分(後述のテーパー部70)を有する。構造体54は、第一内筒60(内筒)及び一側筒部64を有するとともに、必須の構成ではないが接続体62をさらに有する。第一内筒60は、一側筒部64と接続されるが、接続体62が設けられる場合は一側筒部64及び接続体62の少なくとも一方と接続される。
【0034】
図4図7に示すように、第一内筒60は、テーパー部70、及び延出部72を備えている。また、第一内筒60は、テーパー部70の外周部に第一ガイド部74、及び第二ガイド部76を備えている。
【0035】
テーパー部70は、軸線方向一方側(図中上方側)から他方側(図中下方側)に向かうにつれて外形が小さくなるように形成された部分である。テーパー部70は、円錐台状に形成されており、軸線方向一方側から他方側に向かうにつれて軸心側に向けて外周面が直線的に傾斜するように形成されている。テーパー部70は、軸線方向一方側(上方側)に向けて開口する一方で、軸線方向他方側(下方側)において閉塞された閉塞部70aを備えたものとされている。
【0036】
図4に示すように、テーパー部70は、軸線方向一方側における大径部70bの外径が、第一集塵容器52の内径と略一致するように形成されている。また、大径部70bの外周面には周方向に延びる周溝70cが設けられている。テーパー部70は、周溝70cに装着されたOリング等からなる気密部材(第一気密部材70d)により、第一集塵容器52の内周面との間に形成される隙間を封止する第一封止部73を形成できる。すなわち、閉塞部70aを第一集塵容器52の底部側に向けた姿勢としてテーパー部70を第一集塵容器52の内側にセットすることにより、周溝70cに装着された第一気密部材70dと第一集塵容器52の内周面とが密接した第一封止部73が形成される。また、第一封止部73よりも軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部側)において、テーパー部70(第一内筒60)と第一集塵容器52との間に集塵空間56が形成される。また、第一封止部73は、集塵空間56に連通した集塵部流入口52xよりも上方側に形成される。
【0037】
テーパー部70は、上述したようにして集塵空間56を形成する機能に加え、集塵空間56から排気するための集塵空間排気部80としての機能も有する。具体的には、テーパー部70には、内外を連通するように形成された通気孔70eが周方向に多数設けられている。テーパー部70は、樹脂成形により構成されていてもよいし、メッシュ部材82で構成されてもよい。メッシュ部材82は、樹脂材料、金属材料又はこれらの組み合わせによって構成される網状のものとされている。そのため、集塵空間排気部80をなす通気孔70eを通過する空気に含まれている塵埃を、メッシュ部材82によって捕捉することができる。メッシュ部材82よりも樹脂成形の方が、テーパー部70の表面が滑らかになるため、塵埃の引っ掛かりを低減させることが可能である。
【0038】
延出部72は、テーパー部70からさらに上下方向他方側(開閉部52c側)に延びるように形成された筒状の部分である。本実施形態では、延出部72は、軸線方向他方側の端部(図示例では下端部)を基端として軸線方向他方側に向けて延びている。延出部72は、集塵空間56の内部において第一集塵容器52の底部から軸線方向一方側(図示例では上方側)に離間するように形成されている。延出部72は、閉塞部70aの周囲を取り囲むように形成されている。これにより、延出部72は、上端側が閉塞部70aによって閉塞され、下端側において開口した筒状の形状とされている。閉塞部70aの周囲を取り囲むように延出部72が設けられていることにより、集塵空間56の軸心側の位置において第一集塵容器52の底部から舞い上がってきた気流や塵埃が閉塞部70aに衝突し、軸線方向に対して交差する方向に拡がり難くなる。その結果、電気掃除機1においては、気流に含まれている毛や埃などの塵埃がテーパー部70に絡みつきにくくなる。延出部72は、筒形状である。延出部72は、上端から下端に亘って同一の外形寸法を有する筒形状であるか、上端から下端に向けて外形が小さくなるテーパー状の筒形状であることが好ましい。これにより、第一ガイド部74によってガイドされて軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部側)に向けてスムーズに案内されてきた気流や塵埃が延出部72にて絡み付くことを抑制できる。なお、延出部72は、筒状に限定されるものではなく、軸線方向に延びる複数の延出部材が互いに間隔を空けて設けられる構成であってもよい。
【0039】
また、閉塞部70aは、中心側が外側に対して第一集塵容器52の底部に向けて凸形状となっていても良く、さらに好ましくは湾曲していても良い。これにより、集塵空間56の軸心側の位置において第一集塵容器52の底部から舞い上がってきた気流や塵埃が閉塞部70aにて延出部72に向けて移動させ易くなる。
【0040】
また、第一集塵容器52の底として設けられた開閉部52cには、塵埃が旋回気流により動くことを規制する複数のリブ52i(突起部)が設けられている。リブ52iは、構造体54に向かって延びるように設けられている。第一集塵部50は、リブ52iを備えていないものや、リブ52iを一つだけ設けたもの等とすることが可能であるが、本実施形態では周方向に間隔を空けて複数設けられている。また、開閉部52cには、リブ52iに代えて、又は、リブ52iに加えて、構造体54(閉塞部70a)に向かって延びる突出部が設けられてもよい。リブ52iとともに突出部が設けられる場合には、突出部の周囲にリブ52iが軸線に対して交差する方向(本実施形態では径方向)に間隔を空けて配される。また、突出部は、柱状であり、例えば、円柱状、角柱状、断面が十字の柱状、又は、構造体54側に向けてテーパー形状となった円柱状、角柱状、断面が十字の柱状とすると良い。これにより、閉塞部70aの下方に集まる塵埃が気流により動くことを抑制することができる。第一集塵容器52の底を回動により開閉可能な蓋状のものとした場合には、塵埃が突出部やリブ52iに絡まっても、塵埃の廃棄が容易である。
【0041】
図7に示すように、第一ガイド部74は、テーパー部70の外周側に設けられたリブ状の部分であり、第一集塵容器52の内周面に当接している。第一ガイド部74は、テーパー部70や延出部72を第一集塵容器52の底部側に向けた姿勢として構造体54を第一集塵容器52に挿入した状態において、第一集塵容器52と第一内筒60との間に配される。第一ガイド部74は、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入して第一集塵容器52の内周に沿う方向に旋回する気流を、軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部側)に案内するための案内部材として機能する。第一ガイド部74は、軸線方向の一方側から他方側(図示例では上方側から下方側)に向かうに連れて集塵部流入口52xに近づくよう延びている。第一ガイド部74の端部は、集塵部流入口52xに達していてもよい。別の表現をすると、第一ガイド部74は、軸線方向の一方側から他方側(図示例では上方側から下方側)に向かうに連れて、集塵部流入口52xに対して気流の旋回方向上流側の位置から集塵部流入口52xに向けて近づくよう延びている。なお、第一ガイド部74は、構造体54に設けられる構成を例に説明したが、第一集塵容器52の内周面に設ける構成であってもよい。この場合、第一ガイド部74は、テーパー部70(構造体54)の外周面に当接することが好ましい。
【0042】
第二ガイド部76は、第一ガイド部74と同様に、テーパー部70の外周側に設けられたリブ状の部分である。第二ガイド部76は、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入する気流を案内するためのガイド部材として機能するリブである。第二ガイド部76は、第一集塵容器52と第一内筒60との間において、軸線方向と交差し、旋回方向に沿って延びるように形成されている。第二ガイド部76は、上述した第一ガイド部74の終端部と連結されている。
【0043】
接続体62は、集塵空間56の内部に流入した空気を第一集塵部50の外部に流出させるための気流流出部67として機能するものであり、必須の構成ではないが気流流出部67にフィルタを有しているとよい。また、接続体62は、第一内筒60に対して着脱可能に接続されていると良い。接続体62が第一内筒60に対して着脱可能である場合、接続体62のうち軸線方向他方側の端部が第一内筒60の内部にて接続されるとよい。図4等に示すように、接続体62は、例えば筒状の枠体で構成できる。接続体62は、第一内筒60に対して内側(第一集塵部50の軸心側)に配されるものである。接続体62は、第一内筒60及び一側筒部64の双方あるいは一方に対して接続される。本実施形態では、接続体62は、第一内筒60に対して接続されている。これにより、第一内筒60と接続体62との間には、内部空間84が形成されている。接続体62は、テーパー部70の通気孔70eに流入する空気に含まれている塵埃を捕捉するためのフィルタ94を有している。第二内筒フィルタ94は、細かい孔が多数形成されたメッシュ状のものである。なお、本実施形態では、第二内筒フィルタ94を配する構成としたが、設けなくてもよい。
【0044】
図4図6に示すように、一側筒部64は、上述した接続体62に対して、第一集塵容器52の底部側から離れる方向(軸線方向一方側)に設けられている。一側筒部64は、接続体62と一体的又は着脱可能に設けられ、接続体62に対して上方側に隣接する位置に設けられている。図6に示すように、一側筒部64は、拡径部64a、中間部64b、及びフィルタ配置部64cを有する。
【0045】
拡径部64aは、接続体62側から上方側に連続する部分である。拡径部64aは、上方側に向かうに連れてテーパー状に拡大するように形成されている。また、中間部64bは、拡径部64aに対して軸線方向上方側に隣接する位置に設けられた部分である。中間部64bは、第一集塵容器52の軸線方向に延びるように形成されている。一側筒部64の外周面には周方向に延びる周溝64dが設けられている。一側筒部64は、周溝64dに装着されたOリング等からなる気密部材(第二気密部材64e)により、第一集塵容器52の内周面との間に形成される隙間を封止する第二封止部65を形成できる。フィルタ配置部64cは、第一集塵容器52の内径と略同一とされている。そのため、フィルタ配置部64cの外周面と、第一集塵容器52の内周面との間には、殆ど隙間が形成されていない。
【0046】
また、フィルタ配置部64cは、内周側において中間部64bとの境目をなす部分に段部64fが形成されている。この段部64fには、気密部材64jが配される環状の溝部が設けられ、第二フィルタ64hの下端部に当接することで、気密性を向上させている。フィルタ配置部64cの内側には、第一フィルタ64g、及び第二フィルタ64hが配されている。第一フィルタ64gは、例えば不織布やスポンジ等によって構成されたフィルタである。第一フィルタ64gは、段部64fの上に配されている。また、第二フィルタ64hは、プリーツ型のフィルタと、このフィルタの周囲を囲む枠体64iとを少なくとも有する。気密部材64jは、この枠体64iの下端部に当接する。また、第二フィルタ64hをなすプリーツフィルタは、第一フィルタ64gの上に配され、枠体64iは第一フィルタ64gの周囲を囲うように内部に有する。また、第二フィルタ64hは、枠体64iの上面において気密部材64kが配され、気密部材64kが吸気側構成部42aに当接することで、気密性を向上させている。なお、第二フィルタ64hのプリーツフィルタと第一フィルタ64gとが離間することで、その空間で空気が分散するため、プリーツフィルタの表面を有効に活用することができる。これにより、フィルタが早期に目詰まりを起こして吸引力が低下するという課題を解決することができる。
【0047】
≪塵埃回収装置100について≫
図8図9、13等に示すように、塵埃回収装置100は、スタンド200を構成する支柱202の背面側に配されている。塵埃回収装置100は、電気掃除機1の第一集塵部50と連通することで、電気掃除機1から塵埃を回収するものである。塵埃回収装置100は、第二集塵部110及び第二電動送風機120を含む装置本体、並びに受部130を具備している。好ましくは、電気掃除機1が塵埃回収装置100と接続された状態で、塵埃回収装置100の装置本体は、第一電動送風機14及びバッテリー15aの少なくとも一方の直下に位置している。これにより、支柱202の背面側及び電気掃除機1の下方の空間を活用することができる。また、塵埃回収装置100は、受部130に空間部132、及び支持部134を設けるとともに、連通部136を介して受部130と第二集塵部110とが連通するように接続した構成とされている。さらに、塵埃回収装置100は、受部130に電気掃除機1の第一集塵部50を配置することにより、第一集塵部50を開状態とするための開手段150を備えている。これにより、塵埃回収装置100は、第一集塵部50を開状態として第二電動送風機120の作動に伴って発生する吸引力を作用させ、第一集塵部50から連通部136を介して第二集塵部110に塵埃を回収可能なものとされている。以下、各部の構成について、さらに詳細に説明する。
【0048】
第二集塵部110は、電気掃除機1の第一集塵部50から吸引された塵埃が集塵される部分である。第二集塵部110は、内部にそのまま塵埃を集めるものや、第一集塵部50のようにサイクロン式の集塵部、紙パックを取り付けることにより紙パックの内側に塵埃を集めることができる紙パック式のもの等とすることができる。図10に示すように、第二集塵部110は、第二集塵容器112と、接続部114とを有する。第二集塵容器112は、容器本体を開閉可能な蓋部を有しており、ロック部110aにより蓋部が容器本体にロックされている。
【0049】
第二集塵容器112は、内部に第二集塵室112aを有する中空の容器とされている。第二電動送風機120が収容される第二電動機収容室122(送風機配置空間)には、第二電動送風機120の排気風を外部に排出するための排気孔が設けられている。
【0050】
接続部114は、受口114aと、接続路114bとを有する。受口114aは、受部130と第二集塵部110とを繋ぐ連通部136をなす連通管136bと接続される部分である。接続路114bは、受口114aと、第二集塵容器112に設けられた連通孔112cとを、空気や塵埃が通過可能なように繋ぐ通路である。
【0051】
第二電動送風機120は、動作に伴い吸引力を発生させることができるものである。第二電動送風機120は、第二集塵部110の第二集塵容器112に対して、排気孔112eを介して連通した第二電動機収容室122に配置されている。第二電動送風機120は、第二集塵容器112に対して吸引力を作用させることができるのであれば、その配置や設置姿勢等は適宜のものとすることができる。本実施形態では、第二電動送風機120の動作に伴って、第二電動送風機120が備えるモータの径方向に振動が発生しやすい傾向にあること、及び第二電動機収容室122が塵埃回収装置100の底部側に配置されること等を考慮し、塵埃回収装置100の装置本体が配置される床との接触部分において振動音が発生するのを抑制すべく、第二電動送風機120が備えるモータの回転軸が上下方向に向くように配置されている。
【0052】
図9等に示すように、受部130は、電気掃除機1の第一集塵部50を受け入れるものである。具体的には、受部130は、第一集塵部50の下端側の部分が嵌合するように形成された第一集塵部用凹部130aを有する。また、図11に示すように、受部130には、本体部10の管部38xが嵌合又は当接するように形成された管用凹部130bを有する。管用凹部130bは、上下方向に沿って可動するカバー部により構成されてもよい。具体的に、管用凹部130bをなすカバー部は、下方からバネにより支持され、管部38xが嵌合又は当接すると、下方に動き、管部38xの嵌合又は当接が解除されると、バネの付勢力により上方に動くものとしてもよい。なお、管用凹部130bは、延長管180が周部の一部において嵌合又は当接してもよい。さらに、受部130には、解除手段140(解除操作部)、及び開手段150が設けられている。
【0053】
解除手段140は、ロック部55,55Aのロックを解除するものである。解除手段140は、第一集塵部50あるいは塵埃回収装置100に設けられたものとすることが可能であるが、本実施形態では塵埃回収装置100に設けられている。本実施形態では、第一当接部142が解除手段140として機能するものとして受部130に設けられている。第一当接部142は、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させた際に、図13に示すように、ロック部55,55Aを構成する被当接部57の被当接領域57bに対して当接するように突起状に突出したものとされている。そのため、第一集塵部50を第一集塵部用凹部130aに嵌め込むことにより、第一当接部142から被当接領域57bに対して押圧力が作用し、被当接部57が回動軸58を中心に回動する。これに伴い、被当接部57の係合部57a、係止部57a1が開閉部52cの底面に設けられた被係合部52k、被係止部52k1から離脱し、ロック部55,55Aがアンロック状態となる。
【0054】
開手段150は、第一集塵部50の第一集塵室52aを開状態とするためのものである。開手段150は、第一集塵部50に設けられた開閉部52cを回動させることにより、構造的(機構的)に開状態とすることができるものである。具体的には、図11、15に示すように、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させた際に、開閉部52cの被当接部52fが到来する位置において、突起状に突出した第二当接部152が開手段150として機能するように設けられている。第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させると、第一集塵部50側の被当接部52fに対して第二当接部152が当接する。第二当接部152が被当接部52fに当接すると、開閉部52cが回動軸52eを中心に回動して開状態になる。付勢部材52hを有する場合には、付勢力に反する方向に押圧力が作用して、開閉部52cが回動軸52eを中心に回動して開状態になる。一方、付勢部材52hを有する場合に、第一集塵部用凹部130aから第一集塵部50を取り外すことにより両者の嵌合が解除されると、第二当接部152から被当接部52fに対して作用していた押圧力が解除される。これに伴い、付勢部材52hの付勢力によって開閉部52cが閉状態に戻る。なお、開閉部52cが閉状態に戻った場合に、開閉部52cが第一集塵容器52と係合(係止)する構成としてもよい。
【0055】
上述した解除手段140をなす第一当接部142は、開手段150をなす第二当接部152よりも上方(第一集塵部50との接続側)への突出量が大きい。そのため、電気掃除機1を塵埃回収装置100に装着すべく第一集塵部50を受部130の第一集塵部用凹部130aに嵌め込むと、第一当接部142が被当接領域57bに当接して係合部57aと被係合部52k、被係止部52k1との係合(係止)が解除されてロックが解除された状態(アンロック状態)となる。その後、第二当接部152が被当接部52fに当接する。これにより、図12に示すように開閉部52cが開状態となる。なお、好ましくは、第一集塵部用凹部130aから第一集塵部50を取り外す場合に、第二当接部152が被当接部52fから離れることで、付勢力で開閉部53cが閉じる方向に回動し、その後、第一当接部142が被当接領域57bから離れることで係合部57a、係止部57a1と被係合部52k、被係止部52k1とが係合(係止)する状態(ロック状態)となる。
【0056】
また、受部130に設けられた空間部132は、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させることによって開状態となる開閉部52cを受け入れ可能な空間を、第一集塵部用凹部130aに対して開閉部52cの開方向(本実施形態では下方側)の位置に形成している。そのため、開閉部52cは、受部130と干渉することなく、スムーズに開閉動作を行うことができる。
【0057】
さらに、受部130には支持部134が設けられており、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させることによって開状態となる開閉部52cを支持部134によって支持できるものとされている。本実施形態では、開閉部52cが開状態になると、開閉部52cが傾斜した状態になる。そのため、支持部134は、開状態となった開閉部52cに沿うように傾斜した状態で形成されている。
【0058】
受部130は、連通部136を介して第一集塵部50から第二集塵部110に向けて塵埃を吸引可能なように連通している。連通部136は、第一集塵部用凹部130aに連通した連通口136aと、連通口136aに接続された連通管136bとを有する。連通管136bは、ホースやパイプ等(本実施形態ではパイプ)によって構成される。連通部136は、受部130の第一集塵部用凹部130aに嵌め込むことにより開状態となった第一集塵部50と連通する。連通部136は、開状態となった開閉部52c、及び連通部136の内壁の間隔が、第一集塵部50から第二集塵部110への塵埃の吸引方向下流側に向かうにつれて狭くなるように形成されている。また、連通管136bは、連通口136aとの接続側とは反対側の部分が、第二集塵部110の接続部114に設けられた受口114aに接続されている。これにより、受部130は、第二集塵部110に対して上方側において、連通管136bによって支持された状態とされている。そのため、受部130の第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌め込むことにより、受部130を介して連通管136bによって電気掃除機1が支持された状態になる。また、連通管136bは、受部130の管用凹部130bに嵌め込まれた延長管180と並んだ状態になる。そのため、延長管180の先端側に接続された吸込具190をスタンド200に配置しつつ、第一集塵部50を受部130に嵌め込んだ状態とすることにより、電気掃除機1は、並べて配置された延長管180及び連通管136bによって安定的に支持された状態になる。
【0059】
≪電気掃除機システムSの制御について≫
電気掃除機システムSは、電気掃除機1が塵埃回収装置100に接続された場合に、塵埃回収装置100が動作を開始する構成とすることができる。電気掃除機1が塵埃回収装置100に接続され、電気掃除機1がスタンド200に設けられたスイッチに接触することでONになることで、塵埃回収装置100が吸引動作を開始する形態としてもよい。別の形態としては、充電機構を有するスタンド200とし、スタンド200と電気掃除機1との通電を検知した場合に、塵埃回収装置100が吸引動作を開始する形態としてもよい。この場合、充電用の配線とは別に、スタンド200の通電端子と制御部とを通電の検知用に配線を行う構成とすればよい。
【0060】
≪変形例≫
本実施形態の電気掃除機システムSは、上述したような構成とされているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において上述したものと相違するものとすることができる。例えば、本実施形態においては、受部130に第一集塵部50を嵌め込むことにより、第一当接部142が被当接部57の被当接領域57bに対して自ずと当接するとともに、被当接部52fに対して自ずと第二当接部152が当接する構成としたものを例示したが、本発明はこれに限定されない。
【0061】
具体的には、第一当接部142を動作させるための第一操作部を設けることで、第一当接部142を可動式のものとして構成としつつ、第一操作部を操作することにより第一当接部142を被当接領域57bに当接させることができるものとすると良い。同様に、第二当接部152を動作させるための第二操作部を設けることが可能であり、第二当接部152を可動式のものとして構成としつつ、第二操作部を操作することにより第二当接部152を被当接部52fに当接させることができるものとすると良い。
【0062】
ここで、第一当接部142と第二当接部152のうち可動式とする構成としては、2つの形態が考えられる。第一当接部142を可動式とせず、第二当接部152を可動式とする形態1では、受部130が第一集塵部50を受け入れた状態で、第一当接部142によってロック部55はロック解除されているため、被当接部52fに第二当接部152が当接するよう第二操作部を操作することで、開閉部52cを開状態にすることができる。ここで、第二操作部は、被当接部52fに第二当接部152が当接する第1位置と被当接部52fから第二当接部152が離れている第2位置との間で動作するが、付勢部材52hを有する場合には、第二操作部を継続してユーザが操作する必要が無いよう、第二操作部が第1位置で固定される固定機構を有していることが好ましい。
【0063】
次に、第一当接部142と第二当接部152の両方を可動式とする形態2では、受部130が第一集塵部50を受け入れた状態で、第一操作部によって第一当接部142によってロック部55はロック解除し、被当接部52fに第二当接部152が当接するよう第二操作部を操作することで、開閉部52cを開状態にすることができる。
ここで形態2において、第二操作部は、被当接部52fに第二当接部152が当接する第1位置と被当接部52fから第二当接部152が離れている第2位置との間で動作するが、付勢部材52hを有する場合には、第二操作部を継続してユーザが操作する必要が無いよう、第二操作部が第1位置で固定される固定機構を有していることが好ましい。
【0064】
また、形態2において、第一操作部は、被当接部57に第一当接部142が当接する第1位置と被当接部57から第一当接部142が離れている第2位置との間で動作するが、ロック部55がバネによりロックする方向に付勢されている場合には、第一操作部を継続してユーザが操作する必要が無いよう、第一操作部が第1位置で固定される固定機構を有していることが好ましい。
【0065】
なお、形態1,2において上述した固定機構は、例えば、第一、二操作部が相対的に大きい溝(第2位置)から小さい溝(第1位置)に嵌まる機構あってもよいし、横溝(第1位置)と下方に延びる縦溝(縦溝の下端が第2位置)とを有したL字形状の溝であってもよいし、第一、二操作部を第1位置で支えるか、第1位置での支えを解除する可動式の別部材を有する構成であってもよい。これにより、電気掃除機システムSのユーザが、所望のタイミングで、ロック部55,55Aをロック解除したり、閉塞部52gを開いたりして、第一集塵部50から第二集塵部110に塵埃を移送することができる。
【0066】
また、塵埃回収装置100は、装置本体と受部130を連通管136bによって接続する構成としたが、これに限定されるものではない。装置本体が受部130を有する構成とし、接続路114bと接続される受部130に第一集塵部50が嵌合する高さまで、接続路114bとともに装置本体を延ばすこともできる。この場合、連通管136bを別途設ける必要がない。
【0067】
また、第一集塵部50は、開閉部52cを開閉することにより第一集塵容器52の底部を開閉できる構成であったが、側面に開閉可能な開口を設け、これを廃棄口としてもよい。この場合であっても、第一集塵容器52の側面の廃棄口側から受部130が受け入れるようにすればよく、開閉部52cは回動により斜め方向又は水平方向に開くことができる。
【0068】
なお、本実施形態の電気掃除機1は、本体部10と吸込具190とを延長管180で接続した状態で、塵埃回収装置100と接続される場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。電気掃除機1は、本体部10の吸引口38yに吸込具190が取り付けられた状態で、塵埃回収装置100と接続されるようにしてもよい。
【0069】
上述した電気掃除機システムSは、電気掃除機1の本体部10を塵埃回収装置100の受部130に嵌め込み、開閉部52cを開いた状態において第二電動送風機120を作動させることにより、第一集塵部50にある塵埃のみならず、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)に付着した塵埃も吸引できる構成とすると良い。具体的には、図14に示すように、電気掃除機1の構造体54について、延出部72を第一集塵部50の底をなす閉塞部52g(開閉部52c)に向かって延びたものとする。図示例のように、延出部72は、閉状態とされた開閉部52cに到達して当接するものとされるとよい。図14に示す例においては、上記実施形態において例示した延出部72(第一内筒60)に設けられていた閉塞部70aを設けない構成とする等して、閉塞部70aに相当する部分に開口が設けられる。これにより、第一内筒60及び延出部72は、内部で連通したものとされる。このような構成とすることにより、電気掃除機1の本体部10を塵埃回収装置100の受部130に嵌め込み、開閉部52cを開いた状態において第二電動送風機120を作動させることにより、第二電動送風機120による吸引力が第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hにも作用し、これに付着した塵埃を除去できるようになる。
【0070】
また、第二電動送風機120の吸引によって、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入する空気を調整するために開閉弁を設けた構成とし、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hに付着した塵埃を除去する場合にこの開閉弁を閉じ、その他の場合に開閉弁を開くようにしても良い。このような開閉弁を設けた場合、開閉弁が閉じられることにより、第二電動送風機120による吸引力で、本体部10の外部排気開口(第一電動送風機14の排気風を本体部10の外部に排気するための開口)から第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)を経て、延出部72内を通過し、塵埃回収装置100へと空気が流れ易くなるので、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)に付着した塵埃をより一層確実に吸引できるようになる。
【0071】
なお、前述の開閉弁は、吸込具190の吸込口192(図10参照)から集塵部流入口52xに至る通気経路のいずれかの位置に設けられればよい。例えば、図14においてハッチングを付して示すように、管部38xのうち集塵部流入口52xと対向する開口を開閉する開閉弁172(第一開閉弁、第二開閉弁)を、前述の開閉弁とするとよい。開閉弁172は、電気的に開閉される構成であってもよいし、手動による操作で開閉される構成(例えばシャッター機構等のシャッター部を備えた構成)であってもよい。開閉弁172が電気的に開閉可能なものである場合には、開閉するための操作ボタンを電気掃除機1に設けた構成としたり、電気掃除機1の塵埃回収装置100への装着によって、電気掃除機1が塵埃回収装置100との間で上述の通電を検知することで閉じ、通電を検知しなくなると開く構成としたりするとよい。
【0072】
また、図14に示すように、構造体54の延出部72の内部において開閉可能な開閉弁170(第三開閉弁)を設けてもよい。開閉弁170は、第二電動送風機120の吸引により下方に回動することで開き、第二電動送風機120の吸引が停止すると、延出部72内部の流路を閉じる方向に回動する。これにより、第二電動送風機120の吸引が停止した後に、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hから脱落する塵埃があったとしても閉状態の開閉弁170で塵埃を受けることができる。これにより、第二電動送風機120の吸引が停止した後に、開状態の開閉部52cに塵埃が付着することを抑制でき、それにより開状態の開閉部52cを閉じる場合に、開閉部52cからの塵埃のこぼれを軽減できる。
【0073】
なお、開閉弁172を、集塵空間56の塵埃のみならず、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)に付着した塵埃を除去する目的として説明したが、これに限定するものではない。開閉弁172を、集塵空間56単体の塵埃を除去する目的として利用可能であり、その場合には延出部72は開閉部52cに到達していても、到達していなくてもよいし、閉塞部70aが存在していてもよい。そして、開閉弁172に代えて、または、開閉弁172に加えて、本体部10の外部排出口を開閉するシャッターを設けてもよい。開閉弁172に代えてシャッターが設けられる場合にはシャッターが閉状態では、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入し、第二集塵部110への空気の流れを発生させる易くすることができるので、第一集塵室52a内の塵埃を除去することができる。開閉弁172に加えてシャッターが設けられる場合には、いずれかが開状態となるよう操作されれば良い。
【0074】
また、本体部10を塵埃回収装置100の受部130に嵌め込んだ状態において、閉塞部52gの周囲を取り囲むようにOリング等の気密部材160を設けることが好ましい。気密部材160は、受部130又は第一集塵容器52の底部のいずれか一方又は双方に設けると良い。
【0075】
また、図15に示すように、第一集塵部50は、第一集塵容器52に対する構造体54の位置決めを行える構成とするとよい。具体的には、図15に例示した第一集塵部50は、構造体54を構成する一側筒部64の周方向の所定位置において径方向外側に向けて突出した第一凸部64xを設けるとともに、第二フィルタ64hを配するための枠体64iにも周方向所定位置において径方向外側に向けて突出した第二凸部64yを設けた構成とされている。また、図15に例示した第一集塵容器52は、第一凸部64x及び第二凸部64yを嵌め込み可能な嵌込部53を有する。そのため、第一集塵部50は、嵌込部53に対して第一凸部64x及び第二凸部64yを嵌め込みつつ、第一集塵容器52に対して構造体54及び枠体64iを組み込むことにより、図16に示すように、第一集塵部50の上端部をなす枠体64iを第一集塵容器52の周方向所定位置に位置決めした状態で配置できる。
【0076】
上述したようにして第一集塵部50の上端部をなす枠体64iを第一集塵容器52の周方向所定位置に位置決め可能とすれば、嵌込部53から第一集塵容器52の外側に突出する第一凸部64x及び第二凸部64yを本体部10の凹部10bに嵌めることによって第一集塵部50が左右方向や周方向にずれないように取り付け可能な構成とすることが可能である。また、図17に示すように、本体部10において、第一集塵部50が接続される部分(集塵容器接続部10a)を勾配の付いた構成とする。例えば、集塵容器接続部10aに設けられるパッキンの厚みを部位によって相違させる等して、集塵容器接続部10aを勾配の付いた構成とすることで、管部38xと第一集塵部50の係合位置を支点とした回動により本体部10に第一集塵部50を装着させる場合に、第一集塵部50の上端を本体部10の下端にスムーズにスライドさせることができる。
【0077】
上述した実施形態や変形例では、受部130に解除手段140(第一当接部142)、及び開手段150(第二当接部152)を設けた構成とすることで、解除手段140によってロック部55,55Aの解除を行いつつ、開手段150によって開閉部52cを回動させて開状態とするものを例示したが、本発明はこれに限定されない。電気掃除機システムSは、例えば、受部130に解除手段140(第一当接部142)を設けずにロック部55,55Aを手動操作可能とした構成としたり、開手段150(第二当接部152)を設けることなく開閉部52cを開状態とすることができる構成としたりしても良い。また、上述した実施形態や変形例では、第二集塵部110に第二電動送風機120を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、第二電動送風機120を設けないものとすることも可能である。第二電動送風機120を設けない場合、電気掃除機システムSは、例えば、受部130にセット(装着)された電気掃除機1の第一集塵部50(第一集塵容器52)の開閉部52cを開いて第二集塵部110に塵埃を落下させる構成としたり、受部130にセットされた第一集塵部50の開閉部52cを開くのに追加して第一電動送風機14を動作させる等して空気流を第一集塵部50内に与えることにより、第一集塵部50から第二集塵部110に塵埃を落下させる構成としたりしても良い。以下、これらの変形例について、さらに詳細に説明する。
【0078】
[受部130に開手段150(第二当接部152)を設けない構成とする変形例]
以下、図18に示すように、受部130に開手段150(第二当接部152)を設けない構成を採用した電気掃除機システムSの変形例について、詳細に説明する。なお、本変形例において上記実施形態等で説明したものと共通する構成については、同一の符号を付し、各構成の説明について簡略化あるいは省略して説明する。
【0079】
本変形例に係る電気掃除機システムSは、図1図2等に示すように、上記実施形態において例示したものと同様に、電気掃除機1と、塵埃回収装置100とを具備している。また、電気掃除機1は、本体部10と、第一集塵部50とを備えている。
【0080】
本体部10は、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有するものである。また、第一集塵部50は、塵埃の集塵に用いられるものであり、集塵容器(第一集塵容器52)に加えて、図13(c)等に示すように、開閉部52c、付勢部材52h、及びロック部55Aを備えている。第一集塵容器52は、塵埃が溜まる容器である。開閉部52cは、第一集塵部50が本体部10に装着された状態において、第一集塵容器52の底部に設けられた廃棄口52bを開閉可能なものである。ロック部55Aは、開閉部52cを閉状態(開閉部52cによって廃棄口52bを閉塞した状態)において、開状態となるのを抑制するためにロックするものである。ロック部55Aは、第一集塵容器52の外側に設けられる。ロック部55Aは、開閉部52cに係脱可能な係止部57a1を具備している。ロック部55Aは、開閉部52cの回動軸52eと比べて、本体部10の吸引口38yに近い位置に存在している。また、第二電動送風機120を塵埃回収装置100が備えていれば、付勢部材52hは開閉部52cを閉じる方向に付勢する構成とし、塵埃回収装置100からの吸引力により開閉部52cを開くようにできるが、ここでは、ロック部55Aが解除されている状態で、開閉部52cが開く方向に付勢する付勢部材52hとして構成するか、付勢部材52hを設けずに開閉部52cの自重で開く構成とすることが可能である。第一集塵部50は、このような構成を有しつつ、廃棄口52bを通る中心軸線と直交する方向に沿った回動軸58を中心として係止部57a1を回動可能に支持したものとされている。
【0081】
塵埃回収装置100は、第二集塵部110を具備している。第二集塵部110は、第一集塵部50と連通することで電気掃除機1から塵埃を回収するものである。図18に示すように、本変形例では、塵埃回収装置100は、受部130において第一当接部142を解除手段140として設け、これによりロック部55Aを解除可能とする一方で、上記実施形態において第二当接部152として設けられている開手段150を省略した構成とされている。そのため、塵埃回収装置100は、受部130に第一集塵部50(第一集塵容器52)を嵌め込んでセットすることにより、第一当接部142を係止部57a1に対して当接させ、係止部57a1と開閉部52cとの係止を解除し、開閉部52cを開状態とすることができる。
【0082】
ここで、上述したように、塵埃回収装置100は、第二電動送風機120を備えていないものとすることができる。この場合には、ロック部55Aが解除されている状態で、開閉部52cが開く方向に付勢する付勢部材52hを有する形態、または、付勢部材52hを設けずに開閉部52cの自重で開く形態を採用できる。また、第二電動送風機120を省略した構成とする場合、電気掃除機システムSは、開閉部52cが開状態において、第一電動送風機14を駆動させることによって発生する振動(空気流)を第一集塵部50(第一集塵容器52)に付与し、当該振動(空気流)の影響によって第一集塵容器52の内部の塵埃が第二集塵部110に集塵されるのを促進する構成とすると良い。
【0083】
また、上記実施形態や本変形例において例示したものにおいては、被当接部57について、回動軸58を中心として上下方向に回動可能なように支持されたものとした例を示したが、本発明はこれに限定されず、被当接部57は、水平方向(本体部10の上下方向に沿った軸線方向に対して交差する方向)に回動するように回転軸58によって支持されたものとすることも可能である。なお、塵埃回収装置100に代えて電気掃除機1に解除手段140を設ける場合、被当接領域57bを押圧するスイッチ、または、係止部57a1が開閉部52c(被係止部52k1)から外れる方向に係止部57a1を押圧するスイッチを第一集塵部50に設ければよい。なお、電気掃除機1が塵埃回収装置100から外されている場合には、ユーザが直接にロック部55Aを解除可能である。具体的に、ユーザが被当接領域57bを押圧するか、係止部57a1を開閉部52cから外すことが可能である。
【0084】
[受部130に解除手段140(第一当接部142)および開手段150(第二当接部152)を設けない構成とする変形例]
以下、図22に示すように、受部130に解除手段140(第一当接部142)および開手段150(第二当接部152)を設けない構成を採用した電気掃除機システムSの変形例について、詳細に説明する。なお、本変形例において上記実施形態等で説明したものと共通する構成については、同一の符号を付し、各構成の説明について簡略化あるいは省略して説明する。
【0085】
本変形例に係る電気掃除機システムSは、図1図2等に示すように、上記実施形態や変形例において例示したものと同様に、電気掃除機1と、塵埃回収装置100とを具備している。また、電気掃除機1は、本体部10と、第一集塵部50とを備えている。
【0086】
本体部10は、吸引力を発生させる第一電動送風機14を備えたものである。また、第一集塵部50は、塵埃が集塵されるものであり、集塵容器(第一集塵容器52)に加えて、図13(b)に示すような開閉部52c、ロック部55A、及び付勢部材52hを具備している。
【0087】
第一集塵部50において、集塵容器(第一集塵容器52)は、塵埃が溜まる集塵室52aを有する容器である。また、開閉部52cは、第一集塵部50が本体部10に装着された状態において、第一集塵容器52の底部に設けられた廃棄口52bを開閉可能なものである。開閉部52cは、ロック部55Aに対する解除操作によって、集塵室52aに対して離れる方向に動作して開状態とすることが可能とされている。ロック部55Aは、開閉部52cに対して係脱可能な係止部57a1を具備している。好ましくは、係止部57a1は、開閉部52cに設けられた被係止部52k1に係脱可能である。ユーザが被当接領域57bを押圧するか、係止部57a1を開閉部52cから外せば、ロック部55Aは解除される。図20に示すように、本変形例では、係止部57a1は、第一集塵部50(第一集塵容器52)を受部130に対してセットした状態において受部130から露出するように設けられている。つまり、係止部57a1は、ユーザが受部130の外側からアクセス可能に露出していれば、受部130内に存在していてもよいし、受部130外に存在していてもよい。被係止部52k1は、開閉部52cが閉状態である状態において、第一集塵容器52の廃棄口52bを通る中心軸線(上下方向に延びる筒軸)から離れる方向について、廃棄口52bから突出するように設けられている。
【0088】
図13(b)に示すように、ロック部55Aは、開閉部52cを閉状態でロックするものである。ロック部55Aは、係止部57a1を有する。係止部57a1は、第一集塵部50において、第一集塵容器52の廃棄口52bを通る中心軸線(上下方向に延びる筒軸)と直交する方向に沿った回動軸58を中心に回動可能に支持されている。
【0089】
ここで、本変形例では、図20に示すように、ロック部55Aは、第一集塵部50(第一集塵容器52)を受部130に対してセットした状態において、受部130から露出するとともに、開閉部52cに係脱可能なものとされている。すなわち、本変形例では、後に詳述するように、受部130に切欠部130xが設けられており、これを介して受部130の外側からロック部55Aが操作可能に露出するものとされている。つまり、受部130の外側からロック部55Aが操作可能に露出していれば、係止部57a1は受部130内に存在していてもよいし、切欠部130xから受部130の外側に出ていてもよい。また、切欠部130xはロック部55Aと対向する位置に設けられる。切欠部130xは、図20では受部130の上端が閉ざされた開口形状をしているが、受部130の上端が開放された開口形状であってもよい。受部130の上端が開放された開口形状であれば、受部130が第一集塵部50を受ける場合に係止部57a1に対する受部130の干渉を容易に抑制できる。また、ロック部55Aは、第一集塵容器52の外側であって、側壁(周壁)に沿うように配されている。好ましくは、第一集塵容器52の筒形状の側壁(周壁)のうち吸引口38yに近い側に存在している。また、異なる表現をすれば、ロック部55Aは、開閉部52cの回動軸52eと比べて本体部10の吸引口38yに近い位置に存在している。また、付勢部材52hは、開閉部52cを閉じる方向に付勢するものであり、ロック部55Aが解除されている状態で、塵埃回収装置100の吸引力で開閉部52cを開くようにしているが、開閉部52cが開く方向に付勢する付勢部材52hとして構成してもよいし、付勢部材52hを設けずに開閉部52cの自重で開く構成としてもよい。
【0090】
塵埃回収装置100は、塵埃が集塵される第二集塵部110を備えている。第二集塵部110は、第一集塵部50と連通することにより、電気掃除機1から塵埃を回収するものである。塵埃回収装置100は、第一集塵部50を受ける受部130を具備している。
【0091】
塵埃回収装置100は、受部130が第一集塵部50を受けている状態において、受部130の外側からロック部55Aに対してアクセスして解除操作が可能なものとされている。受部130の外側からロック部55Aに対してアクセス可能とする構成は、いかなるものであっても良いが、例えば図20図21に示すように、ロック部55Aに相当する位置において受部130を切り欠いた切欠部130xを設けた構成とすると良い。このような構成によれば、受部130に設けられた切欠部130xを介して、受部130の外側からロック部55Aを操作することが可能となる。なお、電気掃除機システムSは、図21に示した切欠部130xを有する構成とするのに代えて、あるいは図21に示した切欠部130xを有する構成とするのに加えて、塵埃回収装置100または電気掃除機1について、受部130において第一集塵部50を受けている状態において、ロック部55Aに対する解除操作をするための解除操作部を設け、当該解除操作部を受部130の外側に存在させたものとすることも可能である。この解除操作部は、被当接領域57bを押圧することでロック部55Aのロックを解除するか、係止部57a1が開閉部52c(被係止部52k1)から外れる方向に係止部57a1を押圧により動作させればよい。なお、この解除操作部は、電気掃除機1に設けられる場合、第一集塵部50に設けるのが好ましく、塵埃回収装置100に設ける場合には受部130の外側に設けることが好ましい。なお、電気掃除機1が塵埃回収装置100から外されている場合には、ユーザが直接にロック部55Aを解除可能である。具体的に、ユーザが被当接領域57bを押圧するか、係止部57a1を開閉部52cから外すことが可能である。
【0092】
ここで、本変形例にかかる構成とした場合であっても、上述したように、塵埃回収装置100は、第二電動送風機120を備えていないものとすることができる。この場合には、ロック部55Aが解除されている状態で、開閉部52cが開く方向に付勢する付勢部材52hを有する形態、または、付勢部材52hを設けずに開閉部52cの自重で開く形態を採用できる。また、第二電動送風機120を省略した構成とする場合、電気掃除機システムSは、開閉部52cが開状態とされた状態において、第一電動送風機14を駆動させることによって発生する振動(空気流)を第一集塵部50(第一集塵容器52)に付与し、当該振動(空気流)の影響によって第一集塵容器52の内部の塵埃が第二集塵部110に集塵されるのを促進する構成とすると良い。
【0093】
また、上記実施形態や本変形例において例示したものにおいては、被当接部57について、回動軸58を中心として上下方向に回動可能なように支持されたものとした例を示したが、本発明はこれに限定されず、被当接部57は、水平方向(本体部10の軸線方向に対して交差する方向)に回動するように回転軸58によって支持されたものとすることも可能である。
【0094】
≪電気掃除機システムS及び電気掃除機1により得られる効果等について≫
以下、上述した各実施形態において例示した電気掃除機システムS及び電気掃除機1により得られる効果等について、本発明の態様ごとに説明する。
【0095】
[本発明の第一の態様]
従来、実公昭和61-47961号公報に開示されているように、掃除機本体にファンモータおよびファンモータに給電する充電式二次電池を設け、掃除機本体の吸込口に延長管を介して床用吸込口を接続するとともに、掃除機本体の重心位置が掃除機本体の把持部の中心よりも後部になるよう構成した充電式掃除機が提供されている。
【0096】
ここで、特許文献1の電気掃除機は、把持部において手を差し入れるために形成された開口部がファンモータの回転軸を基準に二次電池と反対側に存在している。この電気掃除機は、掃除機本体の集塵部に形成される吸込口がファンモータの回転軸と一致しているものの、吸込口に延長管が接続されている場合には、電気掃除機の重心位置が把持部よりも延長管側に位置することとなる。これにより、特許文献1の電気掃除機は、使用する際にユーザが重量感を感じてしまう構成となっており、操作性に劣るといった問題がある。
【0097】
そこで本発明は、操作性を向上させることが可能な電気掃除機を実現することを目的とした。
【0098】
(1-1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気掃除機1は、延長管180を接続可能な吸引口38yを上下方向の下側に有するとともに、吸引力を発生させる電動送風機14を内部に有する本体部10と、前記電動送風機14と前記上下方向に並ぶように配され、塵埃が集塵される集塵部50と、バッテリー15aと、前記本体部10に対して前記上下方向の上側に設けられるハンドル部20と、を備え、前記本体部10は、前記吸引口38yを有する管部38xを備えたものであり、前記管部38xは、前記上下方向と直交する前後方向に沿って前記集塵部50と並ぶように配されるとともに、前記集塵部50に対して前側となる位置に配されたものであり、前記前後方向において、前側に前記ハンドル部20が位置し、後側に前記バッテリー15aが位置することを特徴とするものである。
【0099】
本発明の電気掃除機1は、管部38xに設けられた吸引口38yに対して延長管180が接続されていない状態においては、重量物である電動送風機14やバッテリー15aに近い位置においてハンドル部20を把持することができる。また、本発明の電気掃除機1は、管部38xが備える吸引口38yに対して延長管180を接続することにより、延長管180を接続していない状態と比較して、電気掃除機1の重心位置が上下方向の下方側であって、前後方向の前側に存在する状態になる。これにより、本発明の電気掃除機1は、延長管180を接続していない場合に比べてハンドル部20から重心位置までの距離が長くなるものの、従来技術のような掃除機本体の集塵部の吸込口と延長管とが同軸に存在する電気掃除機よりも重心位置に対して上方側の近い位置においてハンドル部20を把持することができる。その結果、本発明の電気掃除機1は、延長管180を接続した状態においても、ユーザに与える重量感を抑制できる。従って、本発明によれば、管部38xに対して延長管180を接続した状態、及び延長管180を非接続とした状態のいずれにおいても、ユーザに与える重量感を抑制し、操作性の高い電気掃除機1を実現できる。
【0100】
なお、さらに吸込具190が接続された延長管180が管部38xに接続される場合には、電気掃除機1の重心位置は、ハンドル部20よりも管部38x側に存在することになるが、その重心位置に対して上方側の位置においてハンドル部20を把持することができる。その結果、本発明の電気掃除機1は、延長管180を接続した状態においても、ユーザに与える重量感を抑制できる。
【0101】
(1-2)上述した(1-1)に係る本発明の電気掃除機1は、前記ハンドル部20と前記本体部10との間に、手を差し入れるための開口部22が形成され、前記開口部22は、前記前後方向の幅よりも前記上下方向の幅の方が大きくなるように開口していることを特徴とするものであると良い。
【0102】
本発明の電気掃除機1は、上記(1-2)のような構成とすることにより、ハンドル部20において上下方向の上端側において前後方向に延びる部分を把持するよりも、上下方向に延びる部分を把持する方が把持しやすいものとすることができる。これにより、本発明の電気掃除機1は、ユーザが自ずとハンドル部20において上下方向に延びる部分を把持しやすいものとされている。そのため、本発明の電気掃除機1は、重心位置に近い位置において把持する場合と、重心位置から遠い位置を把持する場合との調整がし易くなる。従って、本発明によれば、操作性の高い電気掃除機1を実現できる
【0103】
(1-3)上述した(1-1)~(1-2)のいずれかに係る本発明の電気掃除機1は、前記ハンドル部20と前記本体部10との間に、手を差し入れるための開口部22が形成され、前記上下方向において、前記開口部22の上端が前記バッテリー15aの上端以下の位置に存在していることを特徴とするものであると良い。
【0104】
本発明の電気掃除機1は、上記(1-3)のような構成とすることにより、開口部22の上端がバッテリー15aの上端よりも高い位置まで形成されている場合に比べて、重心位置から離れた位置においてハンドル部20が把持されるのを抑制できる。これにより、本発明の電気掃除機1は、ユーザに与える重量感を抑制し、操作性の高いものとすることができる。
【0105】
(1-4)上述した(1-1)~(1-3)のいずれかに係る本発明の電気掃除機1は、前記上下方向において、前記バッテリー15aを収容するバッテリー収容部15の上端は、前記ハンドル部20の上端以下の位置に存在していることを特徴とするものであると良い。
【0106】
本発明の電気掃除機1は、上記(1-4)のような構成とすることにより、ハンドル部20よりもバッテリー収容部15が上下方向に突出した状態になった場合と比べて、ハンドル部20を把持する際にバッテリー収容部15が邪魔になるのを抑制できる。これにより、本発明の電気掃除機1は、操作性の高いものとすることができる。
【0107】
(1-5)上述した(1-1)~(1-4)のいずれかに係る本発明の電気掃除機1は、前記電動送風機14の中心位置を通り、前記前後方向に沿って延びる境界線を境として、前記上下方向の上側に、前記バッテリー15aおよび前記ハンドル部20が配されることを特徴とするものであると良い。
【0108】
本発明の電気掃除機1は、上記(1-5)のような構成とすることにより、ハンドル部20に近い位置に重量物であるバッテリー15aが配された構成となる。これにより、本発明の電気掃除機1は、バッテリー15aを電動送風機14の中心位置よりも下方側に配した場合に比べて、重心位置に近い位置においてハンドル部20を把持することができる。従って、本発明の電気掃除機1は、ユーザに与える重量感を抑制し、操作性の高いものとすることができる。
【0109】
(1-6)上述した(1-1)~(1-5)のいずれかに係る本発明の電気掃除機1は、前記電動送風機14の中心位置を通り、前記上下方向に沿って延びる中心軸線を境界として、前記ハンドル部20と前記バッテリー15aとが対向するように配置されていることを特徴とするものであると良い。
【0110】
本発明の電気掃除機1は、上記(1-6)のような構成とすることにより、重量物であるバッテリー15aに近い位置においてハンドル部20を把持することができる。
【0111】
(1-7)上述した(1-1)~(1-6)のいずれかに係る本発明の電気掃除機1は、前記上下方向において、前記管部38xと前記ハンドル部20とが並んでいることを特徴とするものであると良い。
【0112】
本発明の電気掃除機1は、上記(1-7)のような構成とすることにより、管部38xに対して延長管180を接続した際において重心位置が到来する位置に対して上方側の位置においてハンドル部20を把持することができる。これにより、本発明の電気掃除機1は、管部38xとハンドル部20とが上下方向に並ばない配置とした場合と比較して、ユーザに与える重量感を抑制しつつ、操作性の高いものとすることができる。
【0113】
(1-8)上述した(1-1)~(1-7)のいずれかに係る本発明の電気掃除機1は、前記集塵部50は、前記電動送風機14の動作により吸い込まれた空気から塵埃の少なくとも一部を遠心分離するものであり、前記集塵部50の中心軸線と前記電動送風機14の中心軸線とが一致することを特徴とするものであると良い。
【0114】
[本発明の第二の態様]
従来、下記特開2004-283327号公報に開示されているように、吸引用気流を発生させ、発生した気流によりゴミを集塵する電気掃除機において、ゴミを集塵して格納する本体側のダストケースを有する掃除機本体と、本体側のダストケースからのゴミを収納する設置台側のダストケースを有する設置台とにより構成され、掃除機本体を設置台に設置したとき、掃除機本体の本体側のダストケース内のゴミを前記設置台側のダストケース内に排出する手段を備えたものが提供されている。特許文献1の電気掃除機は、掃除機本体及び設置台のそれぞれに弁を設け、ファンモータの気流によって弁を開くことで、掃除機本体側のダストケースから設置台側のダストケースにゴミを排出できるものとされている。
【0115】
しかしながら、特許文献1の電気掃除機は、掃除機本体側及び設置台側それぞれのダストケースに設けられる弁の開閉を、掃除機本体の吸引力によって行っているため、弁の開閉の程度が掃除機本体側の吸引の性能に影響されてしまうといった問題がある。
【0116】
そこで本発明は、電気掃除機側の塵埃を容易に回収可能な電気掃除機システムを実現することを目的とした。
【0117】
(2-1)本発明の電気掃除機システムSは、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10、及び塵埃が集塵される第一集塵部50とを備える電気掃除機1と、前記第一集塵部50と連通することで前記電気掃除機1から塵埃を回収するものであって、塵埃が集塵される第二集塵部110、および吸引力を発生させる第二電動送風機120を備えた塵埃回収装置100と、開手段150と、を備えており、前記第一集塵部50は、塵埃が溜まる集塵室52aと、前記第一集塵部50が前記本体部10に装着された状態で、前記集塵室52aを開閉可能な開閉部52cと、前記開閉部52cを閉状態でロックするロック部55,55Aとを有するものであり、前記第一集塵部50または前記塵埃回収装置100は、前記ロック部55,55Aを解除する解除手段140を備え、前記解除手段140により前記ロック部55,55Aが解除された状態において、前記開手段150により前記開閉部52cを開状態とすることができることを特徴とするものである。
【0118】
本発明の電気掃除機システムSは、電気掃除機1に加えて、塵埃回収装置100、及び開手段150を備えたものとされている。また、本発明の電気掃除機システムSは、解除手段140によってロック部55,55Aを解除しつつ、開手段150により第一集塵部50に設けられた開閉部52cを開状態とすることができる。さらに、本発明の電気掃除機システムSは、塵埃回収装置100が第二集塵部110、及び第二電動送風機120を備えたものとされている。そのため、本発明の電気掃除機システムSは、電気掃除機1の第一集塵部50の集塵室52aを開いた状態において、塵埃回収装置100の第二電動送風機120を作動させることにより、第一集塵部50に連通した塵埃回収装置100の第二集塵部110に塵埃を回収できる。従って、本発明によれば、電気掃除機側の塵埃を容易に回収可能な電気掃除機システムSを実現できる。
【0119】
(2-2)上述した(2-1)に係る本発明の電気掃除機システムSは、前記ロック部55Aが、前記開閉部52cの被係止部52k1に係止する係止部57a1を有し、前記塵埃回収装置100が、前記係止部57a1に当接することで、前記被係止部52k1との係止を解除する第一当接部142を前記解除手段140として有することを特徴とするものであると良い。
【0120】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-2)のような構成とすることにより、ロック部55Aを構成する係止部57a1に対し、塵埃回収装置100において解除手段140として設けられた第一当接部142を当接させることにより、ロック部55Aを解除状態とすることができる。そのため、本発明の電気掃除機システムSは、係止部57a1に対して第一当接部142が当接した状態となるように、塵埃回収装置100に対して電気掃除機1を配置することにより、開閉部52cのロックを解除することができる。
【0121】
(2-3)上述した(2-1)又は(2-2)に係る本発明の電気掃除機システムSは、前記塵埃回収装置100が、前記開手段150として機能する第二当接部152を有し、前記第一集塵部50は、前記第二当接部152が当接可能な被当接部57を有し、前記被当接部57に前記第二当接部152が当接することにより、前記開閉部52cが前記集塵室52aに対して離れるように回動して開状態になることを特徴とするものであると良い。
【0122】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-3)のような構成とすることにより、塵埃回収装置100に対して電気掃除機1を配置した状態で被当接部57に第二当接部152が当接することにより、開閉部52cを開状態とさせることができる。
【0123】
(2-4)上述した(2-1)に係る本発明の電気掃除機システムSは、前記ロック部55Aは、前記開閉部52cの被係止部52k1に係止する係止部57a1を有し、前記塵埃回収装置100は、前記係止部57a1に当接することで、前記被係止部52k1との係止を解除する第一当接部142を前記解除手段140として有し、前記塵埃回収装置100は、前記開手段150として機能する第二当接部152を有し、前記第一集塵部50は、前記第二当接部152が当接可能な被当接部57を有し、前記電気掃除機1が前記塵埃回収装置100に装着されると、前記第一当接部142が前記係止部57a1に当接した後に、前記第二当接部152が前記被当接部57に当接することを特徴とするものであると良い。
【0124】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-4)のような構成とすることにより、電気掃除機1を塵埃回収装置100に装着するのに伴って、第一当接部142を係止部57a1に当接させてロック部55Aを解除し、その後、第二当接部152を被当接部57に当接させることにより開閉部52cを開状態とすることができる。そのため、本発明の電気掃除機システムSは、電気掃除機1を塵埃回収装置100に装着する操作によってロック部55Aを解除して開閉部52cを開状態とするまでの一連の動作を行わせることができる。
【0125】
(2-5)上述した(2-1)に係る本発明の電気掃除機システムSは、前記ロック部55Aが、前記開閉部52cの被係止部52k1に係止する係止部57a1を有し、前記塵埃回収装置100が、前記係止部57a1に当接することで、前記被係止部52k1との係止を解除する第一当接部142を前記解除手段140として有し、前記塵埃回収装置100は、前記開手段150として機能する第二当接部152と、前記第二当接部152と前記被当接部57とが当接するように、前記第二当接部152を動作させる第二操作部とを備えることを特徴とするものであると良い。
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-5)のような構成とすることにより、第一当接部142と係止部57a1とが当接することによってロックを解除しつつ、第二操作部を操作して第二当接部152を作動させることにより、開閉部52cを開状態とすることができる。
【0126】
(2-6)上述した(2-1)に係る本発明の電気掃除機システムSは、前記ロック部55Aが、前記開閉部52cの被係止部52k1に係止する係止部57a1を有し、前記塵埃回収装置100が、前記係止部57a1に当接することで、前記被係止部52k1との係止を解除する第一当接部142を前記解除手段140として有し、前記塵埃回収装置100は、前記開手段150として機能する第二当接部152を有し、前記第一集塵部50は、前記第二当接部152が当接可能な被当接部57を有し、前記第一当接部142と前記係止部57a1とが当接するように、前記第一当接部142を動作させる第一操作部と、前記第二当接部152と前記被当接部57とが当接するように、前記第二当接部152を動作させる第二操作部とを備えることを特徴とするものであると良い。
【0127】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-6)のような構成とすることにより、第一操作部を操作して第一当接部142と係止部57a1とが当接することによってロックを解除しつつ、第二操作部を操作して第二当接部152を作動させることにより、開閉部52cを開状態とすることができる。
【0128】
(2-7)上述した(2-1)~(2-6)のいずれかに係る本発明の電気掃除機システムSは、前記ロック部55,55Aが、前記開閉部52の回動軸と比べて前記本体部の吸引口38yに近い位置に存在することを特徴とする。
【0129】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-7)のような構成とすることにより、ロック部55Aが予期せず解除されてしまうのを抑制できる。
【0130】
(2-8)上述した(2-1)~(2-7)のいずれかに係る本発明の電気掃除機システムSは、前記第一集塵部50が、前記開閉部52cを閉じる方向に付勢する付勢部材52hを有することを特徴とするものであると良い。
【0131】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(2-8)のような構成とすることにより、開閉部52cが予期せず開いてしまうのを抑制できる。
【0132】
[本発明の第三の態様]
本発明の第三の態様は、特開2004-283327号公報を従来技術として、上述の本発明の第二の態様と同じ課題を解決するためになされたものであり、本発明は、電気掃除機側の塵埃を容易に回収可能な電気掃除機システムを実現することを目的とした。
【0133】
(3-1)本発明の電気掃除機システムSは、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10、及び塵埃が集塵される第一集塵部50とを備える電気掃除機1と、前記第一集塵部50と連通することで前記電気掃除機1から塵埃を回収するものであって、塵埃が集塵される第二集塵部110、吸引力を発生させる第二電動送風機120を備えた塵埃回収装置100と、開手段150と、を備えており、第一集塵部50は、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52と、集塵空間排気部80を有するとともに、前記第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、前記第一集塵部50が前記本体部10に装着された状態で、前記集塵容器52の廃棄口52b(開口部)を開閉可能な開閉部52cと、を有するものであり、前記開手段150は、前記電気掃除機1が前記塵埃回収装置100に装着された状態で、前記開閉部52cを開状態とすることを特徴とするものである。
【0134】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(3-1)のような構成とすることにより、電気掃除機1を塵埃回収装置100に対して装着した状態において、開閉部52cを開状態とし、第一集塵部50の集塵空間56に溜まった塵埃を塵埃回収装置100の第二集塵部110に回収することができる。
【0135】
(3-2)本発明の電気掃除機システムSは、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10、及び塵埃が集塵される第一集塵部50とを備える電気掃除機1と、第一集塵部50と連通することで電気掃除機1から塵埃を回収するものであって、塵埃が集塵される第二集塵部110、吸引力を発生させる第二電動送風機120を備えた塵埃回収装置100と、を備えており、第一集塵部50は、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52(集塵容器)と、集塵空間排気部80を有するとともに、第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、第一集塵部50が本体部10に装着された状態で、第一集塵容器52の廃棄口52b(開口部)を開閉可能な開閉部52cと、を有するものであり、電気掃除機1が塵埃回収装置100に装着されるとともに開閉部52cが開状態において、第二電動送風機120が第一集塵部50に吸引力を作用させるものである。
【0136】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(3-2)のような構成とすることにより、電気掃除機1を塵埃回収装置100に対して装着した状態において、第一集塵部50の集塵空間56に溜まった塵埃を塵埃回収装置100の第二集塵部110に回収することができる。なお、本発明の電気掃除機システムSは、塵埃回収装置100が第二電動送風機120を備えたものに限定されず、第二電動送風機120を備えていないものとすることも可能である。また、本発明の電気掃除機システムSは、受部130が上述した解除手段140、及び開手段150のいずれか一方を備えていないもの(図18図19、20参照)、又は双方を備えていないもの(図22参照)とすることも可能である。
【0137】
(3-3)上述した(3-1)又は(3-2)に係る本発明の電気掃除機システムSは、前記構造体54と第一電動送風機14との間に配されるフィルタを有し、前記構造体54は、前記フィルタが配されるフィルタ配置空間と連通するとともに、前記廃棄口52bに向かって延びる筒状の延出部72と、前記延出部72に配される第三開閉弁170を有するものであると良い。
【0138】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(3-3)のような構成とすることにより、開閉部52cを開状態とした状態において塵埃回収装置100に設けられた第二電動送風機120を作動させることにより、第一集塵部50の内部に形成された集塵空間56や、構造体54、フィルタ等の部材を清掃することができる。また、本発明の電気掃除機システムSは、第二電動送風機120の停止により構造体54の内部に設けられた第三開閉弁170が閉じることにより、フィルタに残っていた塵埃が脱落したとしても、これを第三開閉弁170で受け、予期せず外部に漏出するのを抑制できる。
【0139】
(3-4)上述した(3-1)~(3-3)のいずれかに係る本発明の電気掃除機システムSは、前記電気掃除機1が、前記集塵空間56に流入する空気の流入量を調整するための第一開閉弁172を備えていることを特徴とするものであると良い。
【0140】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(3-4)のような構成とした場合、第一開閉弁172によって集塵空間56に流入する空気の流入量を制限した状態において、塵埃回収装置100が備える第二電動送風機120を作動させると、これにより発生する吸引力により塵埃回収装置100に向けて空気が流れやすくなる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、構造体54等に付着した塵埃をより一層、塵埃回収装置100に回収しやすくなる。
【0141】
(3-5)上述した(3-1)~(3-4)のいずれかに係る本発明の電気掃除機システムSは、前記電気掃除機1は、前記本体部10のうち前記集塵部流入口52xと対向する開口を開閉可能な第二開閉弁172が設けられることを特徴とするものであると良い。
【0142】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(3-5)のような構成とした場合、第二開閉弁172によって集塵空間56に流入する空気の流入量を制限した状態において、塵埃回収装置100が備える第二電動送風機120を作動させると、これにより発生する吸引力により塵埃回収装置100に向けて空気が流れやすくなる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、構造体54等に付着した塵埃をより一層、塵埃回収装置100に回収しやすくなる。
【0143】
(3-6)上述した(3-1)~(3-5)のいずれかに係る本発明の電気掃除機システムSは、前記本体部10は、前記第一集塵部50と連通する吸引口38yと、前記第一電動送風機14により吸引された空気を外部に排出する外部排出口と、前記外部排出口を開閉するシャッター部とを有することを特徴とするものであると良い。
【0144】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(3-6)のような構成とした場合、第二電動送風機120によって吸引された空気が塵埃回収装置100に向けて流れやすくなり、第一集塵部50の内部や構造体54に付着した塵埃を塵埃回収装置100においてより一層回収しやすくなる。
【0145】
[本発明の第四の態様]
従来、特開2004-283327号公報に開示されているように、吸引用気流を発生せ、発生した気流によりゴミを集塵する電気掃除機において、ゴミを集塵して格納する本体側のダストケースを有する掃除機本体と、本体側のダストケースからのゴミを収納する設置台側のダストケースを有する設置台とにより構成され、掃除機本体を設置台に設置したとき、掃除機本体の本体側のダストケース内のゴミを前記設置台側のダストケース内に排出する手段を備えたものが提供されている。上述した特許文献の電気掃除機は、掃除機本体及び設置台のそれぞれに弁を設け、ファンモータの気流によって弁を開くことで、掃除機本体側のダストケースから設置台側のダストケースにゴミを排出できるものとされている。
【0146】
しかしながら、上述した特許文献の電気掃除機は、掃除機本体側及び設置台側それぞれのダストケースに設けられる弁の開閉を、掃除機本体の吸引力によって行っているため、弁の開閉の程度が掃除機本体側の吸引の性能に影響されてしまうといった問題がある。
【0147】
そこで本発明は、電気掃除機側の塵埃を容易に回収可能な電気掃除機システムを実現することを目的とした。
【0148】
(4-1)本発明の電気掃除機システムSは、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10、及び塵埃が集塵される第一集塵部50を備える電気掃除機1と、前記第一集塵部50と連通することで前記電気掃除機1から塵埃を回収するものであって塵埃が集塵される第二集塵部110を備えた塵埃回収装置100と、を備え、第一集塵部50が、塵埃が溜まる集塵容器(第一集塵容器52)と、第一集塵部50が本体部10に装着された状態で、集塵容器の底部の廃棄口52bを開閉可能な開閉部52cと、開閉部52cを閉状態でロックするロック部55Aとを有するものであり、電気掃除機1または塵埃回収装置100は、ロック部55Aを解除する解除手段を備え、ロック部55Aは、開閉部52cに係脱可能な係止部57a1を有し、解除手段により係止部57a1による係止が解除されることで、開閉部52cが開状態となることを特徴とするものである。
【0149】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(4-1)のような構成とすることにより、解除手段によってロック部55Aを解除して開閉部52cを開状態とした状態において、第一集塵部50と第二集塵部110とが連通することにより、第一集塵部50の集塵空間56に溜まった塵埃を塵埃回収装置100の第二集塵部110に回収することができる。
【0150】
(4-2)上述した(4-1)に係る電気掃除機システムSにおいて、第一集塵部50は、廃棄口52bを通る中心軸線と直交する方向に沿った回動軸58を中心に、係止部57a1を回動可能に支持する、ものであると良い。
【0151】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(4-2)のような構成とすることにより、回動軸58を中心として係止部57a1を回動させる操作を行うことにより、開閉部52cに対して係止部57a1を係脱させる操作を行うことが可能となる。
【0152】
(4-3)上述した(4-1)又は(4-2)に係る電気掃除機システムSは、開閉部52cが開状態で第一電動送風機14が駆動する状態において、集塵容器(第一集塵容器52)の内部の塵埃が第二集塵部110に集塵される、ものであると良い。
【0153】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(4-3)のような構成とすることにより、第一電動送風機14の駆動により発生する振動(空気流)の影響を受けて集塵容器(第一集塵容器52)の内部にある塵埃に動きが生じる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、集塵容器の内部に溜まった塵埃をスムーズに第二集塵部110に集め、第一集塵容器52の清掃を行うことができる。
【0154】
(4-4)上述した(4-1)~(4-3)のいずれかに係る電気掃除機システムSは、塵埃回収装置100は、係止部57a1に当接することで、開閉部52cとの係止を解除する第一当接部142を解除手段140として有する、ものであると良い。
【0155】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(4-4)のような構成とすることにより、解除手段140として設けられた第一当接部142を係止部57a1に当接させる操作を行うことにより、開閉部52cに対する係止部57a1の係止を解除可能なものとすることができる。
【0156】
(4-5)上述した(4-1)~(4-4)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、ロック部55Aは、開閉部52cの回動軸52eと比べて本体部10の吸引口38yに近い位置に存在する、ものであると良い。
【0157】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(4-5)のような構成とすることにより、ユーザが意図せずロック部55Aに接触することを避け易くできる。
【0158】
(4-6)上述した(4-1)~(4-5)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、第一集塵部50は、開閉部52cを開く方向に付勢する付勢部材52hを有する、ものであると良い。
【0159】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(4-6)のような構成とすることにより、開閉部52cがスムーズに開状態となり、第一集塵部50から塵埃を排出させ易くなる。
【0160】
[本発明の第五の態様]
従来、特開2004-283327号公報に開示されているように、吸引用気流を発生させ、発生した気流によりゴミを集塵する電気掃除機において、ゴミを集塵して格納する本体側のダストケースを有する掃除機本体と、本体側のダストケースからのゴミを収納する設置台側のダストケースを有する設置台とにより構成され、掃除機本体を設置台に設置したとき、掃除機本体の本体側のダストケース内のゴミを設置台側のダストケース内に排出する手段を備えたものが提供されている。上記特許文献の電気掃除機は、掃除機本体及び設置台のそれぞれに弁を設け、掃除機本体のボタン操作により弁を開くことでゴミを排出できるものとされている。
【0161】
しかしながら、上記特許文献の電気掃除機は、弁を開閉するための機構が複雑であるといった問題がある。
【0162】
そこで、本発明は、集塵部から塵埃を排出するための構造が複雑化するのを抑制した電気掃除機システムを提供することを目的とした。
【0163】
(5-1)本発明の電気掃除機システムSは、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10、及び塵埃が集塵される第一集塵部50を備える電気掃除機1と、第一集塵部50と連通することで電気掃除機1から塵埃を回収するものであって塵埃が集塵される第二集塵部110を備えた塵埃回収装置100と、を備え、第一集塵部50は、塵埃が溜まる集塵室52aを有する集塵容器(第一集塵容器52)と、第一集塵部50が本体部10に装着された状態において集塵容器の底部の廃棄口52bを開閉可能な開閉部52cと、開閉部52cを閉状態でロックするロック部55Aと、を有するものであり、開閉部52cは、ロック部55Aの解除によって、集塵室52aに対して離れる方向に動作して開状態とすることが可能となるものであり、塵埃回収装置100は、第一集塵部50を受ける受部130を備え、第一集塵部50を受けている状態の受部130の外側からロック部55Aに対して解除操作が可能であることを特徴とするものである。
【0164】
本発明の電気掃除機システムSは、上述したような構成とすることにより、ロック部55Aの解除操作を受部130の外側から行えるものとすることができる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、第一集塵部50から塵埃を排出するための構造が複雑化するのを抑制できる。
【0165】
(5-2)上述した(5-1)に係る電気掃除機システムSにおいて、ロック部55Aは、受部130から露出するとともに、開閉部52cに係脱可能な係止部57a1を有し、第一集塵部50は、廃棄口52bを通る中心軸線と直交する方向に沿った回動軸58を中心に、係止部57a1を回動可能に支持する、ものであると良い。
【0166】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-2)のような構成とすることにより、回動軸58を中心として係止部57a1を回動させ、開閉部52cに対して係止部57a1を外す操作を行うことにより、開閉部52cを閉状態から開状態として廃棄口52bを開いた状態に切り替えることができる。
【0167】
(5-3)上述した(5-1)又は(5-2)に係る電気掃除機システムSにおいて、開閉部52cは、係止部57a1が係脱可能である被係止部52k1を有し、開閉部52cが閉状態である状態において、被係止部52k1は廃棄口52bよりも中心軸線から離れる方向に突出している、ものであると良い。
【0168】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-3)のような構成とすることにより、係止部57a1と被係止部52k1との係脱が、廃棄口52bよりも廃棄口52bを通る中心軸線から離れた位置において行われるものとすることができる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、開閉部52cに対して係止部57a1を係脱させ易くできる。
【0169】
(5-4)上述した(5-1)に係る電気掃除機システムSにおいて、ロック部55Aは、開閉部52cに係脱可能な係止部57a1を有し、第一集塵部50は、廃棄口52bを通る中心軸線に沿った回転軸58を中心として係止部57a1を回動可能に支持するものであると良い。
【0170】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-4)のような構成とすることにより、回動軸58を中心として係止部57a1を回動させる操作を行うことにより、開閉部52cに対して係止部57a1を係脱させる操作を行うことが可能となる。
【0171】
(5-5)上述した(5-1)~(5-4)のいずれかに係る電気掃除機システムSは、開閉部52cが開状態で第一電動送風機14が駆動する状態において、集塵容器(第一集塵容器52)内の塵埃が第二集塵部110に集塵される、ものであると良い。
【0172】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-5)のような構成とすることにより、第一電動送風機14の駆動により発生する空気流の影響を受けて集塵容器(第一集塵容器52)の内部にある塵埃に動きが生じる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、第一集塵容器52の内部に溜まった塵埃をスムーズに第二集塵部110に集め、第一集塵容器52の清掃を行うことができる。
【0173】
(5-6)上述した(5-1)~(5-5)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、第一集塵部50は、集塵容器(第一集塵容器52)の筒状の側壁(周壁)に沿うようにロック部55Aを配したものであり、ロック部55Aが前記側壁の周方向において本体部10の吸引口38yに近い側に存在するものであると良い。
【0174】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-6)のような構成とすることにより、ユーザが意図せずロック部55Aに接触することを避け易くできる。
【0175】
(5-7)上述した(5-1)~(5-6)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、ロック部55Aは、開閉部52cの回動軸52eと比べて本体部10の吸引口38yに近い位置に存在するものであると良い。
【0176】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-7)のような構成とすることにより、ユーザが意図せずロック部55Aに接触することを避け易くできる。
【0177】
(5-8)上述した(5-1)~(5-7)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、第一集塵部50は、開閉部52cを開く方向に付勢する付勢部材52hを有するものであると良い。
【0178】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-8)のような構成とすることにより、廃棄口52bから塵埃を排出する際に、開閉部52cを開き易くすることができる。これにより、本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-8)の構成とすることにより、廃棄口52bから塵埃を排出する際の利便性を向上させることができる。
【0179】
(5-9)上述した(5-1)~(5-8)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100または電気掃除機1は、ロック部55Aに対する解除操作をするための解除操作部を備え、解除操作部は、第一集塵部50を受けている状態の受部130の外側に存在するものであると良い。
【0180】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-8)のような構成とすることにより、第一集塵部50を受けている状態の受部130の外側から、解除操作部によってロック部55Aに対する解除操作を行うことが可能となる。
【0181】
(5-10)上述した(5-1)に係る電気掃除機システムSにおいて、前記ロック部は、前記集塵容器の側壁に設けられ、前記第一集塵部を受けている状態の前記受部から露出するとともに、前記開閉部に係脱可能な係止部を有するものであると良い。
【0182】
本発明の電気掃除機システムSは、上記(5-10)のような構成とすることにより、開閉部52cを閉状態から開状態として廃棄口52bを開いた状態に切り替えることができる。
【0183】
(5-11)上述した(5-1)~(5-10)のいずれかに係る電気掃除機システムSにおいて、本体部10の上下方向の下側に、延長管180または吸込具190を接続するための吸引口38yを有し、前記上下方向に沿って前記第一電動送風機14の下側に前記第一集塵部50が並ぶように配されているものであると良い。
【0184】
(5-12)上述した(5-11)に係る電気掃除機システムSにおいて、吸引口38yを有する管部38xを前記上下方向と直交する前後方向の一方側に有し、前記前後方向において前記管部と並ぶように前記第一集塵部50が配されているものであると良い。なお、塵埃回収装置100は、受部130が第一集塵部50の直下に存在することから、管部38xよりも前後方向の他方側に存在する。
【0185】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明は、電気掃除機及び電気掃除機システム全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0187】
1 :電気掃除機
10 :本体部
14 :第一電動送風機(電動送風機)
15a :バッテリー
20 :ハンドル部
22 :開口部
38x :管部
38y :吸引口
50 :第一集塵部(集塵部)
52 :第一集塵容器(集塵容器)
52a :集塵室
52b :開口部
52c :開閉部
52h :付勢部材
52k :被係合部
52x :集塵部流入口
54 :構造体
555 :ロック部
56 :集塵空間
57 :被当接部
57a :係合部
64h :フィルタ
72 :延出部
80 :集塵空間排気部
100 :塵埃回収装置
110 :第二集塵部
120 :第二電動送風機
140 :解除手段
142 :第一当接部
150 :開手段
152 :第二当接部
170 :開閉弁(第三開閉弁)
172 :開閉弁(第一、二開閉弁)
180 :延長管
S :電気掃除機システム
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