(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】宿泊管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240905BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2023198934
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2019130030の分割
【原出願日】2019-07-12
【審査請求日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2018132937
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518250922
【氏名又は名称】山田 浩徳
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩徳
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-109340(JP,A)
【文献】特許第6206892(JP,B1)
【文献】特開2005-122396(JP,A)
【文献】特開2003-030510(JP,A)
【文献】特開2001-331711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊施設の本所有者と契約を結ぶ、複数の契約部屋を所有する、複数の契約部屋所有者の各々が、前記本所有者に代わって宿泊客に対して提供する、前記契約部屋への予約を振り分ける宿泊管理システムであって、
前記宿泊管理システムは、
前記宿泊施設に対する、前記複数の契約部屋所有者のいずれかの端末を経由せずに、直接、予約依頼を受信し、
前記宿泊施設が提供可能な部屋数のうち、前記契約部屋所有者が受け付け可能な予約枠に相当する部屋数を割り当てられた、前記複数の契約
部屋所有者のうち、最も予約数が少なく、前記予約枠に到達していない、契約部屋所有者に対して、前記予約依頼の予約を振り分ける、宿泊管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の宿泊管理システムにおいて、
前
記宿泊施設が提供可能な部屋数は、所定期間に提供可能な部屋数であることを特徴とする宿泊管理システム。
【請求項3】
請求項1から2のいずれか1つに記載の宿泊管理システムにおいて、
前記最も予約数が少ない契約部屋所有者が複数いる場合、予め決められた優先順位にて選ばれた契約部屋所有者に対して、前記予約依頼の予約を振り分ける、宿泊管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介して受け取る予約依頼信号に基づいて宿泊施設における各部屋の事前予約状態を管理する宿泊管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、その地域特有の魅力が十分にあるにも関わらず、旅行者の来訪に伸び悩む地域が世界各地に数多く点在していることが一般的に知られている。特に有名な観光都市に隣接する地域においては、宿泊客をそれら有名な観光都市に奪われる可能性が高く、その地域を活性化させるために宿泊施設を新たに建設するといったリスクを冒してまで多大な投資を行うことができないのが現状である。
【0003】
これに対応するために、例えば、特許文献1に開示されているように、それらの地域に既に存在する宿泊施設を利用して旅行者がその地域に足を運び易くなるようにする方法が考えられる。すなわち、その地域に既に存在する宿泊施設の本所有者と契約を結んで部屋の仮想的な所有者になり、仮想的に所有している部屋に宿泊者が泊まると、宿泊代金の一部をその仮想的な所有者が受け取るような仕組みである。このような仕組みにすることで、その地域から遠く離れた場所に仮想的な所有者が住んでいてもその宿泊施設のある地域をアピールすることで集客力を上げることができる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の如き仕組みは、その宿泊施設のある地域の活性化には貢献できる可能性はあるものの、稼働率が上がらない場合には、投資が嵩むという問題は依然として残る。
【0006】
また、近年では、宿泊施設の部屋の予約はほとんどの場合がインターネットを介して行われ、上述の如き宿泊施設の仮想的な所有者がインターネットを介して受け取る予約依頼信号を実際にどのように処理をするのかということについて特許文献1では何ら記載されていない。
【0007】
本発明は、懸かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、宿泊施設が所在する地域の発展に寄与できるとともに、その宿泊施設の部屋を仮想的に所有する全ての人が多くの利益を得ることができる宿泊管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、予約依頼信号を受け取った際、その予約をある条件下に基づいて、宿泊施設の仮想的な各所有者のうちの1人の仮想的に所有する部屋に予約があったものとして振分処理を行うよう構成されていることを特徴とする。
【0009】
具体的には、インターネットを介して受け取る予約依頼信号に基づいて宿泊施設における各部屋の事前予約状態を管理する宿泊管理システムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明では、上記宿泊施設の事前予約において日数Pの期間に提供可能な部屋数をNとした際、上記宿泊施設の本所有者と契約を結んで部屋の仮想的な所有者になる契約部屋所有者X1、X2、・・・、Xnに対して上記宿泊施設の本所有者がそれぞれ仮想的に提供し、且つ、上記各契約部屋所有者がそれぞれ所有する情報処理端末により予約を受け取ることが可能な提供部屋の提供部屋数Y1、Y2、・・・、Yn(N≧Y1+・・・+Yn)を記憶する提供部屋数記憶部と、上記各提供部屋数Y1、Y2、・・・、Ynにおける予約数Z1、Z2、・・・、Znを日数Pの期間の初日から順にそれぞれ演算する予約部屋数演算部と、仮想的に所有する部屋の予約数が予め決められた設定値G以上になった契約部屋所有者Hが存在する状態か、或いは、上記宿泊施設に対する予約依頼信号を上記各契約部屋所有者の情報処理端末を経由せずに直接的に受けた状態である部屋振分開始状態Aであるか否かを判定する振分開始判定部と、該振分開始判定部が上記部屋振分開始状態Aであると判定した際、上記予約部屋数演算部で演算した予約数Z1、Z2、・・・、Znのうち最低予約数である状態の契約部屋所有者が1人の場合には、当該契約部屋所有者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして上記契約部屋所有者Hが所有する予約か、或いは、直接的に上記宿泊施設で受けた予約の振分処理を行う一方、上記予約部屋数演算部で演算した予約数Z1、Z2、・・・、Znのうち最低予約数である状態の契約部屋所有者が2人以上の場合には、予め決められた優先順位にて選ばれた契約部屋所有者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして上記契約部屋所有者Hが所有する予約か、或いは、直接的に上記宿泊施設で受けた予約の振分処理を行い、上記振分開始判定部が上記部屋振分開始状態Aでないと判定した際、予約の振分処理を行わないよう構成された予約振分処理部とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記振分開始判定部は、日数Pの期間を経過した際に上記部屋振分開始状態Aであるか否かを判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記予約振分処理部は、上記宿泊施設に対する予約依頼信号を直接的に受けた際、N-(Y1+・・・+Yn)>0の状態であると、予約の振分処理を行わないよう構成されていることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記設定値Gには、上記各契約部屋所有者が所望する稼働率がそれぞれ設定されていることを特徴とする。
【0014】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、上記提供部屋数記憶部は、上記各提供部屋数Y1、Y2、・・・、Ynの一部の部屋を繁忙日用部屋Rに設定可能に構成され、上記振分開始判定部は、上記部屋振分開始状態Aであるか否かを判定した
後、さらに仮想的に所有する部屋の繁忙日用部屋Rの予約数が予め決められた設定値G’以上になった契約部屋所有者H’が存在する部屋振分開始状態Bであるか否かを判定し、上記予約振分処理部は、上記振分開始判定部が上記部屋振分開始状態Bであると判定した際、上記予約部屋数演算部で演算した予約数Z1、Z2、・・・、Znのうち繁忙日用部屋Rが最低予約数である状態の契約部屋所有者が1人の場合には、当該契約部屋所有者が仮想的に所有する繁忙日部屋Rに予約があったものとして上記契約部屋所有者H’が所有する繁忙日部屋Rの予約か、或いは、直接的に上記宿泊施設で受けた繁忙日部屋Rの予約の振分処理を行う一方、上記予約部屋数演算部で演算した予約数Z1、Z2、・・・、Znのうち繁忙日用部屋Rが最低予約数である状態の契約部屋所有者が2人以上の場合には、予め決められた優先順位にて選ばれた契約部屋所有者が仮想的に所有する繁忙日部屋Rに予約があったものとして上記契約部屋所有者H’が所有する繁忙日部屋Rの予約か、或いは、直接的に上記宿泊施設で受けた繁忙日部屋Rの予約の振分処理を行い、上記振分開始判定部が上記部屋振分開始状態Bでないと判定した際、繁忙日部屋Rにおける予約の振分処理を行わないよう構成されていることを特徴とする。
【0015】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、上記予約振分処理部が予約振分処理を行った際、上記各契約部屋所有者のうちの予約が振り分けられた側の所有者及び振り分ける側の所有者の少なくとも一方の情報処理端末に予約振分処理が行われた通知を行う予約振分通知部を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明では、宿泊施設の所有者は、自ら行う集客努力だけでなく、各契約部屋所有者による集客努力により、集客力を上げることができるので、宿泊施設の稼働率を上げることができるとともに、地域の発展に寄与することができる。また、各契約部屋所有者は、その宿泊施設のある地域から離れていてもその地域をアピールし、且つ、自分が所有する情報処理端末において予約を受け取ることにより、宿泊施設における仮想的に所有する部屋の稼働率を上げることができる。したがって、宿泊施設が所在する地域の発展に寄与できるとともに、各契約部屋所有者の自らの努力により利益を得ることができる。もし仮に、仮想的に所有する部屋の稼働率が悪い場合であっても、予約の多い所有者から予約が振り分けられるので、仮想的に所有する部屋の稼働率が極端に悪くなるといったことを避けることができる。例えば、契約部屋所有者の1人が仮想的に所有する部屋の予約枠が設定値に到達するとともにさらに予約を受け取った場合において、他の契約部屋所有者の仮想的に所有する部屋に予約を振り分ける代わりにその部屋の売り上げの一部を受け取る契約を施しておけば、宿泊施設全体の稼働率を上げながら、各契約部屋所有者における利益を追求することができるようになる。一方、直接的に宿泊施設に入る予約を各契約部屋所有者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして順に振り分けるようにすることで、各契約部屋所有者における宿泊施設に対する投資のリスクを最小限に抑えることができる。このように、その宿泊施設の部屋を仮想的に所有する全ての人にとって多くの利益が得られるようになり、投資に対するリスクを最小限に抑えることができる。
【0017】
第2の発明では、予約が入る毎にその予約を振り分けるシステムに比べて、システムの処理が簡単になるので、当該システムに掛かる負荷を小さくすることができる。
【0018】
第3の発明では、例えば、提供可能な部屋数Nの全てを契約部屋所有者に提供していない場合において、宿泊施設の本所有者自身の利益が少なくなり過ぎるのを防ぐことができるので、各契約部屋所有者だけでなく、本所有者の利益の追求も行うことができる。
【0019】
第4の発明では、もし仮に、設定値Gを利益が出るとされる稼働率に設定しておけば、予約を振り分ける側の契約部屋所有者にも利益が得られるようになる一方、振り分けられる側の契約部屋所有者も予約数が増えるので利益が上がるようになる。したがって、振り
分けた側及び振り分けられた側の両方共に利益を追求できる。
【0020】
第5の発明では、利益の出やすい繁忙日の予約を各契約部屋所有者に偏り無く振り分けるようになるので、各契約部屋所有者間の不公平感を極力少なくしながら全ての契約部屋所有者の利益を追求することができる。
【0021】
第6の発明では、各契約部屋所有者が予約振分通知部による通知を見ながらリアルタイムに部屋の価格を変動させる等の経営方針の変更が行えるようになるので、各契約部屋所有者による利益を追求するための取り組みがさらに行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態1に係る宿泊管理システムを用いたビジネスモデルの概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る宿泊管理システムのブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る宿泊管理システムの動作を示すフローチャート図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る
図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0024】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る宿泊管理システム1を用いたビジネスモデル10を示す。該ビジネスモデル10は、投資のリスクを最小限に抑えながら世界各地に点在する魅力ある地域の活性化を目的として考えられたものであり、
図1の場合では、異なる地域R1~R4にそれぞれ存在する各宿泊施設2の所有者が、他の所有者が所有する宿泊施設2の部屋を仮想的に所有する契約を結ぶとともに、例えば、自らが所有する宿泊施設2に来訪する旅行者等に対して仮想的に部屋を所有する宿泊施設2やその宿泊施設2の所在する地域をアピールすることによって仮想的に所有する宿泊施設2の稼働率を上げようとするものである。
【0025】
尚、以下では、地域R1に存在する宿泊施設2をゲストハウス2Aとし、地域R2に存在する宿泊施設2をビジネスホテル2Bとし、地域R3に存在する宿泊施設2を旅館2Cとし、地域R4に存在する宿泊施設2をペンション2Dとして説明する。
【0026】
また、宿泊管理システム1を用いて上述のビジネスモデル10を実施するために、ゲストハウス2Aの所有者は、ビジネスホテル2Bの経営者X1(契約部屋所有者)、旅館2Cの経営者X2(契約部屋所有者)、及び、ペンション2Dの経営者X3(契約部屋所有者)とそれぞれ契約を結んでゲストハウス2Aの部屋の予約枠をそれぞれ契約に基づいた数だけ提供し、経営者X1~X3にゲストハウス2Aにおける仮想的な部屋の所有者になってもらう。そして、経営者X1~X3がそれぞれ所有する仮想的な部屋に宿泊があった場合には、ゲストハウス2Aの本所有者がその宿泊のあった仮想的な部屋を所有する経営者X1~X3に対して売り上げの一部を契約に基づいて支払うものとする。例えば、ビジネスホテル2Bの経営者X1は、ゲストハウス2Aの所有者からゲストハウス2Aの部屋の毎月の予約枠(例えば、10部屋)を所定額(例えば、15万円)と引き換えに受け取り、1部屋1泊当たりの料金設定を、上記所定額を予約枠数で割った額より大きい金額(例えば、3万円)とすることで、予約枠のうち所定の枠数(例えば、5部屋)に予約数が達するまでは売上額をゲストハウス2A(の所有者)に支払う処理を行い、所定の枠数を上回った場合に、売上額をビジネスホテル2B(の経営者)に支払う処理を行うことができる。これにより、ゲストハウスの所有者は、部屋の稼働率を上げることができる一方、ゲストハウスの仮想所有者は、自助努力によって宿泊客を送客し、料金設定と予約数に応じて利益を得ることができる。
【0027】
ゲストハウス2Aには、インターネットに繋がれた情報処理端末3が配設されている。また、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dは、それぞれ情報処理端末4、情報処理端末5及び情報処理端末6を所有している。
【0028】
情報処理端末3~6には、上記宿泊管理システム1が組み込まれている。該宿泊管理システム1は、インターネットを介して受け取る予約依頼信号C1~C4に基づいてゲストハウス2Aにおける各部屋の事前予約状態を管理するようになっている。尚、本発明の実施形態1の場合、予約依頼信号C1は、ゲストハウス2Aの情報処理端末3が宿泊者V1から直接的に受け取った信号とし、予約依頼信号C2は、ビジネスホテル2Bの情報処理端末4が宿泊者V2から受け取るとともに情報処理端末4からゲストハウス2Aの情報処理端末3に送られた信号とし、予約依頼信号C3は、旅館2Cの情報処理端末5が宿泊者V3から受け取るとともに情報処理端末5からゲストハウス2Aの情報処理端末3に送られた信号とし、予約依頼信号C4は、ペンション2Dの情報処理端末6が宿泊者V4から受け取るとともに情報処理端末6からゲストハウス2Aの情報処理端末3に送られた信号とする。
【0029】
宿泊管理システム1は、
図2に示すように、提供部屋数記憶部1a、予約部屋数演算部1b、振分開始判定部1c、予約振分処理部1d及び予約振分通知部1eを有している。
【0030】
提供部屋数記憶部1aは、ゲストハウス2Aの事前予約において日数Pの期間に提供可能な部屋数をNとした際、ビジネスホテル2Bの経営者X1、旅館2Cの経営者X2及びペンション2Dの経営者X3に対してゲストハウス2Aの所有者が契約によってそれぞれ仮想的に提供する提供部屋数Y1、Y2、Y3(N=Y1+Y2+Y3)を記憶するようになっている。
【0031】
予約部屋数演算部1bは、各提供部屋数Y1、Y2、Y3における予約数Z1、Z2、Z3を日数Pの期間の初日から順に、または、日数Pの期間の所定のタイミングにおいて、それぞれ演算するようになっている。
【0032】
振分開始判定部1cは、所定期間経過時においてゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C1~C4を受け取った際、予め決められた部屋振分開始状態Aであるか否かを判定するようになっている。
【0033】
本発明の実施形態1における部屋振分開始状態Aの1つは、ビジネスホテル2Bの経営者X1、旅館2Cの経営者X2及びペンション2Dの経営者X3の各情報処理端末4~6を経由してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C2~C4を受け取るとともに、当該予約依頼信号C2~C4が経由した情報処理端末4~6を所有する経営者X1~X3の仮想的に所有する部屋が全て埋まっている状態である。つまり、仮想的に所有する部屋の予約数が全て埋まった経営者X1~X3のうちの1人(契約部屋所有者Hと呼ぶ)が存在する状態である。
【0034】
また、本発明の実施形態1における部屋振分開始状態Aのもう1つは、ビジネスホテル2Bの経営者X1、旅館2Cの経営者X2及びペンション2Dの経営者X3の各情報処理端末4~6を経由せずに直接的にインターネットを介してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C1を受け取った状態である。
【0035】
予約振分処理部1dは、振分開始判定部1cが部屋振分開始状態Aであると判定した際、まず、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1~Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人であるか、2人であるかを判断するようになっている。予約数Z1~Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人である場合には、その経営者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして仮想的に所有する部屋の予約数が全て埋まった経営者X1~X3のうちの1人が所有する予約の振分処理を行うようになっている。
【0036】
尚、上述の場合においては、予約依頼信号C2~C4が経由した情報処理端末4~6を所有する経営者X1~X3には、予約が振り分けられた経営者X1~X3から予め契約により決められた手数料を受け取るようにすることで、各経営者X1~X3が享受する利益のバランスが取られるようになっている。
【0037】
一方、予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が2人の場合には、予め決められた優先順位にて選ばれた経営者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして仮想的に所有する部屋の予約数が全て埋まった経営者X1~X3のうちの1人が所有する予約の振分処理を行うようになっている。例えば、ゲストハウス2Aの本所有者と契約を早く結んだ経営者順や、以前異なる期間において、予約を振り分けてくれた経営者に優先的に振り分けるというように優先順位を予め設定しておく。
【0038】
一方、予約振分処理部1dは、振分開始判定部1cが部屋振分開始状態Aでないと判定した際、予約の振分処理を行わないよう構成されている。すなわち、ビジネスホテル2Bの経営者X1、旅館2Cの経営者X2及びペンション2Dの経営者X3の各情報処理端末4~6を経由してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C2~C4を受け取ったが、経営者X1~X3の仮想的に所有する部屋がいまだに全て埋まってない場合には、それぞれの経営者X1~X3が仮想的に所有する部屋に予約が入ったものとするようになっている。
【0039】
予約振分通知部1eは、予約振分処理部1dが予約振分処理を行った際、経営者X1~X3のうちの予約が振り分けられた側の経営者と振り分ける側の経営者との両方の情報処理端末に予約振分処理が行われた通知を行うようになっている。
【0040】
次に、宿泊管理システム1の動作について詳述する。
【0041】
図3に示すように、まず、ステップS1において、ゲストハウス2Aにおける情報処理端末3が予約依頼信号を受け取るとステップS2に進み、情報処理端末3がインターネットを介して直接的に予約依頼信号を受け取ったか否かを判定する。
【0042】
このステップS2の判定がYESのとき、すなわち、情報処理端末3がビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各情報処理端末4~6を経由せずに直接的にインターネットを介してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C1を受け取ったときには、ステップS3に進んで予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人であるか、又は、2人以上であるかを判定する。
【0043】
一方、ステップS2の判定がNOのとき、すなわち、情報処理端末3がビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各情報処理端末4~6を経由してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C2~C4を受け取ったときには、ステップS4に進む。
【0044】
上記ステップS3の判定がYESのとき、すなわち、予約数Z1、Z2、Z3のうち最
低予約数である状態の経営者X1~X3が1人である場合には、ステップS5に進んで最低予約数である状態の経営者X1~X3が所有する仮想的な部屋に予約があったものとして予約が振り分けられて処理が終了する。
【0045】
一方、ステップS3の判定がNOのとき、すなわち、予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が2人以上である場合には、ステップS6に進む。
【0046】
このステップS6では、経営者X1~X3の中において予め決められた優先順位にて選ばれた経営者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして予約が振り分けられて処理が終了する。
【0047】
上記ステップS4では、予約依頼信号C2~C4が経由した情報処理端末4~6を所有する経営者X1~X3の仮想的に所有する部屋の全てがそれぞれ埋まっているか否かを判定する。
【0048】
このステップS4の判定がYESのときには、ステップS3に進む。
【0049】
一方、このステップS4の判定がNOのときには、ステップS7に進んで予約の振分処理を行わず、予約依頼信号C2~C4が経由した情報処理端末4~6を所有する経営者X1~X3の仮想的な部屋に予約があったものとして処理が終了する。
【0050】
以上より、本発明の実施形態1によると、ゲストハウス2Aの本所有者は、自ら行う集客努力だけでなく、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各経営者X1~X3による集客努力により、集客力を上げることができるので、ゲストハウス2Aの稼働率を上げることができるとともに、ゲストハウス2Aが所在する地域の発展に寄与することができる。
【0051】
また、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各経営者X1~X3は、そのゲストハウス2Aが所在する地域から離れていてもその地域をアピールし、且つ、自分が所有する情報処理端末4~6において、例えば、自社のホームページ等を利用して予約を受け取ることでゲストハウス2Aにおける仮想的に所有する部屋の稼働率を上げることができる。例えば、都心にあるビジネスホテル2Bの経営者X1は、自社のホームページ内にゲストハウス2Aの紹介ページ及び予約ページを設けることで、宿泊客ユーザは、ゲストハウス2Aを、ビジネスホテル2Bのホームページを介して、ビジネスホテル2Bの予約とともにワンストップで予約することができる一方、ビジネスホテル2Bにとっても、ゲストハウス2Aのような、離れた地域に所在する良質な宿泊先のラインナップを提供することができ、顧客ロイヤリティや自社のブランディングの向上を図ることができる。このように、ゲストハウス2Aが所在する地域の発展に寄与できるとともに、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各経営者X1~X3の自らの努力により利益を得ることができる。もし仮に、仮想的に所有する部屋の稼働率が悪い場合であっても、予約の多い経営者X1~X3のうちの一人か、或いは、ゲストハウス2Aの所有者から予約が振り分けられるので、仮想的に所有する部屋の稼働率が極端に悪くなるといったことを避けることができる。例えば、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各経営者X1~X3の1人が仮想的に所有する部屋の全ての予約枠を埋めてしまうとともにさらに予約を受け取った場合において、他の経営者X1~X3の仮想的に所有する部屋に予約を振り分ける代わりにその部屋の売り上げの一部を受け取る契約を施しておけば、ゲストハウス2A全体の稼働率を上げながら、各経営者X1~X3における利益を追求することができるようになる。
【0052】
一方、直接的にゲストハウス2Aに対してなされた予約を各経営者X1~X3が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして順に振り分けるようにすることで、各経営者X1~X3におけるゲストハウス2Aに対する投資のリスクを最小限に抑えることができる。
【0053】
このように、ゲストハウス2Aの部屋を仮想的に所有する全ての経営者X1~X3にとって多くの利益が得られるようになり、投資に対するリスクを最小限に抑えることができる。
【0054】
また、経営者X1~X3は、予約振分通知部1eによる通知を見ながらリアルタイムに部屋の価格を変動させる等の経営方針の変更が行えるようになるので、経営者X1~X3による利益を追求するための取り組みがさらに行い易くなる。
【0055】
尚、本発明の実施形態1では、予約振分処理部1dが予約振分処理を行った際、予約振分通知部1eは経営者X1~X3のうちの予約が振り分けられた側の経営者と振り分ける側の経営者との両方の情報処理端末に予約振分処理が行われた通知を行うようになっているが、両方の情報処理端末に通知を行うことは必須ではなく、少なくとも一方の情報処理端末に通知を行うようなシステムであってもよい。
【0056】
また、本発明の実施形態1では、ゲストハウス2A、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各所有者または経営者X1~X3が所有する情報処理端末が、インターネットを介して予約依頼信号を受け取ることで予約を受け付ける旨記載しているが、予約代行または仲介業者や複数の宿泊施設が利用することを想定した宿泊予約プラットフォームのように、第三者の情報処理端末がゲストハウス2A、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの所有者または経営者のために予約依頼信号を受け取ることとしてもよい。この場合、ゲストハウス2A、ビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各所有者または経営者X1~X3は、所有する情報処理端末から第三者の情報処理端末に予約状況を確認したり、第三者の情報処理端末から予約に関連する通知を受け取ったりすることができる。
【0057】
《発明の実施形態2》
図4は、本発明の実施形態2に係る宿泊管理システム1のブロック図及び動作を示すフローチャート図である。この実施形態2では、予約の処理の仕方が実施形態1と異なるだけでその他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分のみを説明する。
【0058】
実施形態2の提供部屋数記憶部1aは、ゲストハウス2Aの事前予約において日数Pの期間に提供可能な部屋数をNとした際、ビジネスホテル2Bの経営者X1、旅館2Cの経営者X2及びペンション2Dの経営者X3に対してゲストハウス2Aの所有者が契約によってそれぞれ仮想的に提供する提供部屋数Y1、Y2、Y3(N≧Y1+Y2+Y3)を記憶するようになっている。
【0059】
また、実施形態2の提供部屋数記憶部1aは、各提供部屋数Y1、Y2、Y3の一部の部屋を繁忙日用部屋Rに設定可能に構成されている。例えば、Y1=10部屋とした際に、その10部屋のうちの2部屋を繁忙日用部屋Rと設定できるようになっている。
【0060】
実施形態2の振分開始判定部1cは、ゲストハウス2Aに対して予約依頼信号C1~C4を受け取る毎に判定処理を行うのではなく、日数Pの期間を経過した際に部屋振分開始状態Aであるか否かを判定するようになっている。
【0061】
尚、本発明の実施形態2における部屋振分開始状態Aは、経営者X1~X3のうちの1人の仮想的に所有する部屋の予約数が予め決められた設定値G以上になっている状態であり、設定値Gには、経営者X1~X3が所望する稼働率がそれぞれ設定されている。
【0062】
また、実施形態2の振分開始判定部1cは、部屋振分開始状態Aであるか否かを判定した後、さらに仮想的に所有する部屋の繁忙日用部屋Rの予約数が予め決められた設定値G’以上になった経営者X1~X3(以下、契約部屋所有者H’と呼ぶ)が存在する部屋振分開始状態Bであるか否かを判定するようになっている。
【0063】
実施形態2の予約振分処理部1dは、ゲストハウス2Aに対して直接的に予約依頼信号C1を受けた際、N-(Y1+・・・+Yn)>0の状態であると、予約の振分処理を行わないよう構成されている。つまり、提供可能な部屋数Nの全てを経営者X1~X3に提供していない場合、ゲストハウス2Aに対して直接的に予約依頼信号C1を受け取っても、予約を振り分けないようになっている。そうすることにより、ゲストハウス2Aの本所有者自身の利益が少なくなり過ぎるのを防ぐことができ、経営者X1~X3だけでなく、ゲストハウス2Aの所有者の利益の追求も行うことができるようになっている。
【0064】
また、実施形態2の予約振分処理部1dは、振分開始判定部1cが部屋振分開始状態Bであると判定した際、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1~Z3のうち繁忙日用部屋Rが最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人であるか、2人以上であるかを判断するようになっている。予約数Z1~Z3のうち繁忙日用部屋Rが最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人である場合には、その経営者が仮想的に所有する繁忙日用部屋Rに予約があったものとして契約部屋所有者H’が所有する繁忙日用部屋Rの予約の振分処理を行うようになっている。
【0065】
一方、予約数Z1~Z3のうち繁忙日用部屋Rが最低予約数である状態の経営者X1~X3が2人の場合には、予め決められた優先順位にて選ばれた経営者が仮想的に所有する繁忙日用部屋Rに予約があったものとして契約部屋所有者H’が所有する繁忙日用部屋Rの予約の振分処理を行うようになっている。
【0066】
さらに、実施形態2の予約振分処理部1dは、振分開始判定部1cが部屋振分開始状態Bでないと判定した際、繁忙日用部屋Rの予約の振分処理を行わないよう構成されている。
【0067】
次に、実施形態2における宿泊管理システム1の動作について詳述する。
【0068】
図4に示すように、まず、ステップS1において、宿泊管理システム1が稼働し始めてから日数Pが経過すると、ステップS2に進み、情報処理端末3がインターネットを介して直接的に予約依頼信号を受け取ったか否かを判定する。
【0069】
上記ステップS2の判定がNOのとき、すなわち、情報処理端末3がビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各情報処理端末4~6を経由せずに直接的にインターネットを介してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C1を受け取っていない場合にはステップS4に進み、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3が予め決められた設定値G以上になった経営者X1~X3が居るか否かを判定する。
【0070】
ステップS4の判定がYESのとき、ステップS5に進み、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち繁忙日用部屋Rの予約数が予め決められた設定値G’以上になった経営者X1~X3が居るか否かを判定する。
【0071】
ステップS5の判定がYESのとき、ステップS8に進み、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち繁忙日用部屋Rの最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人であるか、又は、2人以上であるかを判定する。
【0072】
ステップS8の判定がYESの場合、すなわち、予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人である場合には、ステップS12に進み、繁忙日用部屋Rの最低予約数である状態の経営者X1~X3が所有する仮想的な繁忙日用部屋Rに予約があったものとして予約が振り分けられた後、ステップS4に戻る。
【0073】
一方、ステップS8の判定がNOの場合、すなわち、予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が2人である場合には、ステップS13に進み、経営者X1~X3の中において予め決められた優先順位にて選ばれた経営者が仮想的に所有する繁忙日用部屋Rに予約があったものとして予約が振り分けられた後、ステップS4に戻る。
【0074】
また、上記ステップS5の判定がNOのとき、すなわち、繁忙日用部屋Rの予約数が予め決められた設定値G’以上になった経営者X1~X3が居ない場合、ステップS10に進み、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人であるか、又は、2人であるかを判定する。
【0075】
ステップS10の判定がYESのとき、すなわち、予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人である場合には、ステップS14に進んで最低予約数である状態の経営者X1~X3が所有する仮想的な部屋に予約があったものとして予約が振り分けられた後、ステップS4に戻る。
【0076】
一方、ステップS10の判定がNOのとき、すなわち、予約数Z1、Z2、Z3のうち最低予約数である状態の経営者X1~X3が2人である場合には、ステップS15に進んで経営者X1~X3の中において予め決められた優先順位にて選ばれた経営者が仮想的に所有する部屋に予約があったものとして予約が振り分けられた後、ステップS4に戻る。
【0077】
ステップS4において、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3が予め決められた設定値G以上になった経営者X1~X3が居ないと判定されると、ステップS6に進み、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち繁忙日用部屋Rの予約数が予め決められた設定値G’以上になった経営者X1~X3が居るか否かを判定する。
【0078】
ステップS6の判定がYESのとき、ステップS9に進み、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち繁忙日用部屋Rの最低予約数である状態の経営者X1~X3が1人であるか、又は、2人であるかを判定する。
【0079】
ステップS9の判定がYESの場合には、ステップS12に進んだ後、ステップS4に戻る処理がなされる一方、ステップS9の判定がNOの場合には、ステップS13に進んだ後、ステップS4に戻る処理がなされる。
【0080】
一方、ステップS6の判定がNOのとき、すなわち、予約部屋数演算部1bで演算した予約数Z1、Z2、Z3のうち繁忙日用部屋Rの予約数が予め決められた設定値G’以上になった経営者X1~X3が居ない場合には、宿泊管理システム1の処理を終了する。
【0081】
上記ステップS2において判定がNOである場合、すなわち、日数Pの期間において情報処理端末3がビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dの各情報処理端末4~
6を経由せずに直接的にインターネットを介してゲストハウス2Aに対する予約依頼信号C1を受け取っている場合には、ステップS3に進んでN-(Y1+・・・+Yn)>0、つまり、ゲストハウス2Aの所有者が日数Pの期間に提供可能な部屋数Nの全てを経営者X1~X3に提供しているか否かを判定する。
【0082】
このステップS3の判定がYESのとき、すなわち、数Pの期間に提供可能な部屋数Nの全てを経営者X1~X3に提供していない場合には、ステップS11に進み、予約を振り分ける処理を行わずに宿泊管理システム1の処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS3の判定がNOのとき、すなわち、日数Pの期間に提供可能な部屋数Nの全てを経営者X1~X3に提供している場合には、ステップS7に進み、受け取った予約依頼信号C1が繁忙日の予約か否かを判定する。
【0084】
このステップS7の判定がYESのとき、すなわち、受け取った予約依頼信号C1が繁忙日の予約の場合には、ステップS8に進み、経営者X1~X3に繁忙日用部屋Rの予約を振り分けるようにする。
【0085】
一方、ステップS7の判定がNOのとき、すなわち、受け取った予約依頼信号C1が繁忙日の予約でない場合には、ステップS10に進み、経営者X1~X3に繁忙日用部屋R以外の予約を振り分けるようにする。
【0086】
以上より、本発明の実施形態2によると、振分開始判定部1cが日数Pの期間を経過したときに初めて部屋振分開始状態Aであるか否かを判定するようになっているので、予約が入る毎にその予約を振り分けるシステムに比べて、システムの処理が簡単になるので、当該システムに掛かる負荷を小さくすることができる。
【0087】
また、提供可能な部屋数Nの全てを経営者X1~X3に提供していない場合、予約を振り分けないので、ゲストハウス2Aの所有者自身の利益が少なくなり過ぎるのを防ぐことができ、経営者X1~X3だけでなく本所有者の利益の追求も行うことができる。
【0088】
また、予約を振り分けるか否かを決める設定値Gを利益が出るとされる稼働率に設定しているので、予約を振り分ける側の経営者X1~X3にも利益が得られるようになる一方、振り分けられる側の経営者X1~X3も予約数が増えるので利益が上がるようになる。したがって、振り分けた側及び振り分けられた側の両方共に利益を追求できる。
【0089】
さらに、各宿泊施設で受け取った予約依頼信号C1~C4が利益の出やすい繁忙日に係るものであった場合には、当該各予約を経営者X1~X3に偏り無く振り分けるようになるので、経営者X1~X3間の不公平感を極力少なくしながら全ての経営者X1~X3の利益を追求することができる。
【0090】
尚、本発明の実施形態1,2では、ゲストハウス2Aの情報処理端末3に宿泊管理システム1を組み込んでいるが、例えば、ビジネスホテル2Bの情報処理端末4に宿泊管理システム1を組み込んでも良い。そして、ビジネスホテル2Bの本所有者が、ゲストハウス2A、旅館2C及びペンション2Dの経営者とそれぞれ契約を結んでビジネスホテル2Bの部屋の予約枠を各経営者に提供することにより、ビジネスホテル2Bが所在する地域の活性化をも達成することができる。
【0091】
また、本発明の実施形態1,2では、ゲストハウス2Aの本所有者がビジネスホテル2B、旅館2C及びペンション2Dという3つの宿泊施設2の経営者X1~X3に仮想的に部屋を提供しているが、それ以上の数の経営者に部屋を仮想的に提供してもよい。
【0092】
また、本発明の実施形態1,2では、ゲストハウス2Aの本所有者が他の宿泊施設2の経営者に部屋を仮想的に提供しているが、部屋を仮想的に提供する相手は宿泊施設2の経営者でなくてもよい。例えば、タレント、俳優、歌手等の有名人や有名企業のように、潜在的な宿泊者ユーザを、自身のホームページ等を介して集客することができる人物や組織としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、インターネットを介して受け取る予約依頼信号に基づいて宿泊施設における各部屋の事前予約状態を管理する宿泊管理システムに適している。
【符号の説明】
【0094】
1 宿泊管理システム
1a 提供部屋数記憶部
1b 予約部屋数演算部
1c 振分開始判定部
1d 予約振分処理部
1e 予約振分通知部
2 宿泊施設
2A ゲストハウス
2B ビジネスホテル
2C 旅館
2D ペンション
3~6 情報処理端末
A 部屋振分開始状態
N ゲストハウスにて提供可能な部屋数
P 日数
R 繁忙日用部屋
X1~X3 経営者(契約部屋所有者)
Y1~Y3 提供部屋数
Z1~Z3 予約数