(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04014 20160101AFI20240905BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240905BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20240905BHJP
【FI】
H01M8/04014
H01M8/04 J
H01M8/12 101
(21)【出願番号】P 2019064825
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-11-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 晋
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】北村 亮
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/035168パンフレット(WO,A1)
【文献】特開平10-69919(JP,A)
【文献】特開2017-50049(JP,A)
【文献】特開2001-23669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04014, H01M 8/04, H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と、
前記燃料電池のオフガス排出ラインに接続された燃焼器と、
前記燃料電池のカソードガス供給ラインに介装され、前記燃焼器が生じさせた燃焼ガスを高温流体として動作可能なカソード側熱交換器と、
前記燃焼器と前記カソード側熱交換器との間に、前記燃焼ガスを前記カソード側熱交換器に導入可能に接続された燃焼ガス通路と、
液状燃料の貯蔵タンクと、
前記カソード側熱交換器に対し、前記燃焼ガスの流れに関して下流側に接続される一方、前記貯蔵タンクから前記液状燃料の供給を受け、前記カソード側熱交換器を通過した後の前記燃焼ガスとの熱交換により前記液状燃料を蒸発させる燃料蒸発器と、
前記燃料蒸発器と前記燃焼器との間に、前記燃料蒸発器により生じさせた気化燃料を前記燃焼器に導入可能に接続され
、暖機時に前記気化燃料を前記燃焼器に供給する気化燃料通路と、
を備える燃料電池システム。
【請求項2】
燃料電池と、
前記燃料電池のオフガス排出ラインに接続された燃焼器と、
前記燃料電池のカソードガス供給ラインに介装され、前記燃焼器が生じさせた燃焼ガスを高温流体として動作可能なカソード側熱交換器と、
前記燃料電池のアノードガス供給ラインに介装され、前記燃焼ガスを高温流体として動作可能なアノード側熱交換器と、
前記燃焼器に接続されるとともに、前記カソード側およびアノード側の各熱交換器に対し、前記燃焼ガスを並列に導入可能に接続された燃焼ガス通路と、
液状燃料の貯蔵タンクと、
前記カソード側熱交換器に対し、前記燃焼ガスの流れに関して下流側に接続される一方、前記貯蔵タンクから前記液状燃料の供給を受け、前記カソード側熱交換器を通過した後の前記燃焼ガスとの熱交換により前記液状燃料を蒸発させる燃料蒸発器と、
前記燃料蒸発器と前記燃焼器との間に、前記燃料蒸発器により生じさせた気化燃料を前記燃焼器に導入可能に接続され
、暖機時に前記気化燃料を前記燃焼器に供給する気化燃料通路と、
を備える燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃料蒸発器が、前記カソード側熱交換器および前記アソード側熱交換器に対し、前記燃焼ガスの流れに関して下流側に接続され、前記カソード側熱交換器を通過した後の燃焼ガスおよび前記アノード側熱交換器を通過した後の燃焼ガスとの熱交換により前記液状燃料を蒸発させる、
請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃焼ガス通路が、
前記燃焼器から延びる集合部と、
前記燃焼ガスの流れに関して前記集合部の下流側に接続され、前記集合部を流れる前記燃焼ガスを前記カソード側およびアノード側の各熱交換器に向けて分岐させる分岐部と、
を有し、
前記分岐部が、
前記カソード側熱交換器に接続され、分岐後の前記燃焼ガスを前記カソード側熱交換器に案内する第1分岐部と、
前記アノード側熱交換器に接続され、分岐後の前記燃焼ガスを前記アノード側熱交換器に案内する第2分岐部と、
を有する、請求項2または3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記燃料蒸発器が、
前記第1分岐部を介した前記燃焼ガスを受ける第1熱交換部と、
前記第2分岐部を介した前記燃焼ガスを受ける第2熱交換部と、
を有し、
前記第2熱交換部が、前記液状燃料の流れに関して前記第1熱交換部の下流側に配設された、
請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記第1分岐部を流れる前記燃焼ガスの流量が、前記第2分岐部を流れる前記燃焼ガスの流量よりも大きい、
請求項4または5に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記第1分岐部が、前記カソード側熱交換器を通過した後の前記燃焼ガスを排出する第1排出口に向かう第1排出通路に連通接続され、
前記第2分岐部が、前記アノード側熱交換器を通過した後の前記燃焼ガスを排出する、前記第1排出口とは別個に設けられた第2排出口に向かう第2排出通路に連通接続された、
請求項4~6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記気化燃料通路が、カソードオフガスの流れに関して前記燃焼器の上流側で前記燃料電池のカソードオフガス排出ラインに接続され、
前記気化燃料を、前記カソードオフガス排出ラインを流れるガスとの混合後、前記燃焼器に供給可能に構成された、
請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記液状燃料が、エタノール水溶液である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池のオフガスラインに燃焼器を備える燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池システムに備わる燃焼器に対し、液体の状態で貯蔵されている燃料をインジェクタにより直接、換言すれば、予熱器等の熱機器を介さずに供給することが開示されている。特許文献1において、インジェクタは、燃料電池システムの起動時に作動するものである。インジェクタにより噴射された燃料を燃焼器により燃焼させ、これにより生じた燃焼ガスを、燃料電池のアノード系部品、具体的には、アノードガス供給ラインに備わる燃料蒸発器に供給して、燃料を蒸発させる際の熱源とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-104707号公報(段落0021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によると、燃焼器に対して燃料をインジェクタにより直接供給することから、噴射された燃料の気化が進行せず、燃料と空気との混合が不充分な状態で燃焼を生じることが問題となり得る。混合が不充分である結果、混合ガスに燃料が濃い箇所と薄い箇所とが生じ、濃い箇所では、燃焼ガスの温度が過度に上昇して、燃焼器に過大な熱負荷をかけるおそれがある一方、薄い箇所では、燃焼が不安定となり、適切な温度の燃焼ガスを得ることができない。
【0005】
さらに、燃料電池システムの起動時等、燃焼器およびその周辺の温度が低いか、そうでなければ、充分に上がっていない条件にある場合について、噴射された燃料が液滴の状態で残り、結果としてそれが壁流となることで、燃焼器に供給される燃料に不足が生じ、燃焼ガスにより輸送可能な熱エネルギが減少し、燃料電池システムの起動ないし暖機に想定以上の時間を要する、という懸念もある。
【0006】
本発明は、以上の問題を考慮し、燃焼器に対し、燃料を、気化を充分に進行させた状態で供給可能に構成された燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態では、燃料電池と、燃料電池のオフガス排出ラインに接続された燃焼器と、燃料電池のカソードガス供給ラインに介装され、燃焼器が生じさせた燃焼ガスを高温流体として動作可能なカソード側熱交換器と、燃焼器とカソード側熱交換器との間に、燃焼ガスをカソード側熱交換器に導入可能に接続された燃焼ガス通路と、液状燃料の貯蔵タンクと、カソード側熱交換器に対し、燃焼ガスの流れに関して下流側に接続される一方、貯蔵タンクから液状燃料の供給を受け、カソード側熱交換器を通過した後の燃焼ガスとの熱交換により液状燃料を蒸発させる燃料蒸発器と、燃料蒸発器と燃焼器との間に、燃料蒸発器により生じさせた気化燃料を燃焼器に導入可能に接続され、暖機時に気化燃料を燃焼器に供給する気化燃料通路と、を備える燃料電池システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、貯蔵タンクから燃焼器に向かう液状燃料の経路に燃料蒸発器を設け、これにより蒸発させた気化燃料を燃焼器に供給するようにしたことで、燃焼器に対し、燃料を、気化を充分に進行させた状態で供給することが可能となり、燃料と空気との混合を良好に進行させたうえで、燃焼を生じさせることができる。これにより、混合ガスに燃料の濃度分布が生じるのを抑え、燃焼を適切に生じさせることが可能となる。さらに、燃料蒸発器により液状燃料の気化が促進されることで、液状燃料が壁流となるのを抑え、もって、燃料電池システムの暖機の促進を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの全体的な構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの全体的な構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、同上実施形態に適用可能な燃料蒸発器の一例の構成を、高温流体(燃焼ガス)の流れに平行な断面により示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の更に別の実施形態に係る燃料電池システムの全体的な構成を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の更に別の実施形態に係る燃料電池システムの全体的な構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(燃料電池システムの全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムS1の全体的な構成を示している。
【0012】
本実施形態に係る燃料電池システム(以下「燃料電池システム」といい、単に「システム」という場合がある)S1は、電動車両に搭載可能であり、当該車両に備わる走行用の電動モータに供給される電力を発生させる。このことは、後に述べる他の実施形態(燃料電池システムS2~S4)についても同様である。
【0013】
燃料電池システムS1は、本実施形態に関わる主な構成要素として、燃料電池スタック1、アノード側熱交換器2、カソード側熱交換器3および燃焼器4を備える。本実施形態において、「熱交換器」とは、温度の異なる複数の流体を受容し、高温流体が有する熱量を加熱対象の流体に移動可能に構成された熱機器全般をいうものとする。この意味で、「熱交換器」には、加熱対象の流体が単に暖められるだけでその化学的な変化が伴わない、いわゆる熱交換式の加熱器のほか、加熱対象の流体に化学的な変化が生じ、加熱後の流体が流入時とは異なる組成の流体として流出する場合のものが含まれる。
【0014】
燃料電池スタック(以下、単に「スタック」という場合がある)1は、複数の燃料電池または燃料電池単位セルを積層して構成され、発電源である個々の燃料電池は、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。燃料電池システムS1は、アノードガス供給ライン11およびカソードガス供給ライン12を備え、燃料電池スタック1は、アノードガス供給ライン11を介して燃料ガスの供給を受け、カソードガス供給ライン12を介して酸化剤ガスの供給を受ける。本実施形態において、燃料ガスは、水素であり、酸化剤ガスは、酸素である。固体酸化物形燃料電池のアノード極およびカソード極での発電に係る反応は、次式により表すことができる。
アノード極: 2H2+4O2- → 2H2O+4e- …(1.1)
カソード極: O2+4e- → 2O2- …(1.2)
【0015】
発電反応後のオフガスは、燃料電池スタック1からオフガス排出ライン11ex、12exに排出される。本実施形態において、アノード系のオフガス排出ライン(アノードオフガス排出ライン)11exおよびカソード系のオフガス排出ライン(カソードオフガス排出ライン)12exは、いずれも後に述べる燃焼器4に接続され、燃料電池システムS1の運転時において、アノードオフガスおよびカソードオフガスの双方が、燃焼器4に供給される。ただし、本実施形態の本旨からすれば、アノードオフガス排出ライン11exが接続されることは、必須でなく、アノードオフガス排出ライン11exは、カソードオフガス排出ライン12exからは独立した、別途の排出経路に接続されてもよく、燃焼器4とは異なる、アノードオフガスの処理専用の燃焼器に接続されてもよい。アノードオフガス排出ライン11exとカソードオフガス排出ライン12exとがいずれも燃焼器4に接続される場合は、これらのオフガス排出ライン11ex、12exは、燃焼器4に対し、夫々別個に接続されてもよいし、燃焼器4の上流側、つまり、燃料電池スタック1から燃焼器4に至る途中で合流させた後、接続されてもよい。
【0016】
アノード側熱交換器2は、アノードガス供給ライン11に介装され、燃焼器4で生じさせた燃焼ガスが導入されて、これを高温流体として動作する。本実施形態において、アノード側熱交換器2は、燃料ガスの供給を受け、燃料ガスを燃焼ガスとの熱交換により燃料電池スタック1への供給前に加熱する。この意味で、本実施形態に係るアノード側熱交換器2は、燃料予熱器と呼ぶこともできる。燃料ガスは、原燃料を燃料ガスに転換する燃料改質器を備える場合に、原燃料の改質により取得することが可能であり、図示しない燃料ガスタンクを備える場合は、このタンクから供給することが可能である。
【0017】
カソード側熱交換器3は、カソードガス供給ライン12に介装され、燃焼器4で生じさせた燃焼ガスが導入されて、これを高温流体として動作する。カソード側熱交換器3は、酸化剤ガスの供給を受け、酸化剤ガスを燃焼ガスとの熱交換により燃料電池スタック1への供給前に加熱する。大気中の空気を図示しないエアコンプレッサによりカソードガス供給ライン12に取り込み、カソード側熱交換器3を介して燃料電池スタック1に供給することで、発電反応に用いられる酸素をカソード極に供給することが可能である。本実施形態に係るカソード側熱交換器3は、空気予熱器と呼ぶこともできる。
【0018】
燃焼器4は、アノードオフガス排出ライン11exおよびカソードオフガス排出ライン12exに接続され、暖機後の通常システム運転時において、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを受容し、アノードオフガス中の残燃料(つまり、残水素)を燃焼させ、燃焼ガスを生成する。さらに、本実施形態では、燃焼器4に対し、カソードオフガス排出ライン12exを介してカソードオフガスを導入し、カソードオフガスに残る残酸素を、燃焼に必要な酸化剤ガスとして供給する。本実施形態において、燃焼器4は、燃焼促進用の触媒が担持された触媒ベッド部を有する、触媒型の燃焼器であるが、拡散燃焼型のものであってもよいことは、勿論である。
【0019】
燃焼器4は、燃焼ガス通路(以下、後に述べる「燃料ガス排出通路」との区別のため、特に「燃焼ガス案内通路」という)13を介してアノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3に接続されている。燃焼器4で生じさせた燃焼ガスは、燃焼ガス案内通路13を通じてアノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3に夫々供給される。
【0020】
本実施形態では、燃焼器4からアノード側およびカソード側の各熱交換器2、3への燃焼ガスの供給は、燃焼ガス案内通路13を介して並列的になされる。具体的には、燃焼ガス案内通路13は、燃焼器4から延びる集合部131と、集合部131の下流側に接続され、集合部131を流れる燃焼ガスを各熱交換器2、3に向けて分岐させる分岐部132、133と、を有する。分岐部132、133は、分岐点Pdで集合部131から二股に分かれ、分岐点Pdとアノード側熱交換器2とをつなぐアノード側分岐部(「第2分岐部」に対応する)132と、分岐点Pdとカソード側熱交換器3とをつなぐカソード側分岐部(「第1分岐部」に対応する)133と、を有する。このような構成により、燃焼ガスは、燃焼器4を出た後、集合部131を流れ、分岐点Pdでアノード側分岐部132とカソード側分岐部133とに分かれ、アノード側分岐部132を介してアノード側熱交換器2に、カソード側分岐部133を介してカソード側熱交換器3に、夫々供給される。
【0021】
そして、燃焼ガスは、アノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3を出た後、燃焼ガス排出通路14を流れ、図示しない燃焼ガス処理装置を介して燃焼ガス排出口EXから大気中に排出される。本実施形態では、燃焼ガス排出通路14がマニホールド部を有し、燃焼ガスは、このマニホールド部の合流点Pmで合流した後、集合部を通じて燃焼ガス排出口EXに向かう。
【0022】
(燃焼器に対する燃料の供給)
本実施形態では、燃料電池システムS1の起動時において、カソード側熱交換器3への空気の導入開始を伴う起動開始後、燃料電池スタック1およびアノード側熱交換器2の温度が上昇し、それらの動作温度に達するまでの間、アノードガス供給ライン11を介する燃料ガスの供給が停止される。よって、この間、燃焼器4に対するアノードオフガスを媒体とした燃料の供給も停止される。そこで、起動時では、燃焼器4に対し、アノードガス供給ライン11およびアノードオフガス排出ライン11exからは独立した、別個の経路を通じて燃料を供給する。
【0023】
本実施形態では、燃料蒸発器5aを設け、燃料蒸発器5aにより液状燃料を蒸発させ、これにより得られた気化燃料を燃焼器4に供給する。燃料蒸発器5aを介することで、インジェクタにより噴射された燃料を直接供給する場合と比較して、壁流の形成を抑え、気化を進行させた状態で供給することが可能となる。
【0024】
具体的には、燃料が液体の状態で貯蔵された燃料タンク(以下「貯蔵タンク」という)6を備え、カソード側熱交換機3に対し、燃焼器4からの燃焼ガスの流れに関して下流側に、燃料蒸発器5aを備える。本実施形態に係る燃料蒸発器5aは、燃焼ガスを高温流体として動作可能な熱交換器により具現され、貯蔵タンク6から液状燃料の供給を受け、この液状燃料を、カソード側熱交換器3を通過した後の燃焼ガスとの熱交換により加熱し、蒸発させる。採用可能な液状燃料として、エタノールと水との混合物(つまり、エタノール水溶液)を例示することができる。さらに、貯蔵タンク6は、燃料電池システムS1が燃料改質器を備え、燃料電池の燃料ガスを原燃料の改質により取得する場合に、原燃料であるエタノール水溶液の貯蔵タンクと共用のタンクとすることが可能である。この場合は、アノードガス供給ライン11が貯蔵タンク6に接続され、アノードガス供給ライン11に、貯蔵されている液状燃料を噴射するインジェクタが介装される。噴射された液状燃料が蒸発等の所要の燃料処理プロセスを経て燃料改質器に供給され、改質により生じた水素が、燃料ガスとして燃料電池スタック1に供給される。他方で、燃料ガスタンクを備え、これに貯蔵されている燃料ガスを、アノード側熱交換器2を介して燃料電池スタック1に供給する場合に、貯蔵タンク6は、燃料ガスタンクとは別個のタンクとすることが可能である。この場合に、アノード側熱交換器2に供給される燃料ガスの流量は、アノードガス供給ライン11に介装される流量制御弁により調整される。本実施形態において、燃料蒸発器5aは、燃焼ガス排出通路14のうち、カソード側熱交換器3との接続点Pcと合流点Pmとの間に配設される。
【0025】
燃料蒸発器5aと燃焼器4とが気化燃料通路15により接続され、燃料蒸発器5aにより生じさせた気化燃料が、気化燃料通路15を介して燃焼器4に供給される。本実施形態において、気化燃料通路15は、カソードオフガス排出ライン12exに対し、カソードオフガスの流れに関して燃焼器4の上流側で接続される。これにより、気化燃料は、気化燃料通路15からカソードオフガス排出ライン12exに導入され、カソードオフガス排出ライン12exを流れるガス(燃料電池システムS1の起動時では、空気)との混合後、燃焼器4に供給される。
【0026】
(作用効果の説明)
本実施形態に係る燃料電池システムS1は、以上のように構成され、本実施形態により得られる作用および効果について、以下に説明する。
【0027】
第1に、貯蔵タンク6から燃焼器4に向かう液状燃料の経路に燃料蒸発器5aを設け、これにより蒸発させた気化燃料を燃焼器4に供給するようにしたことで、燃焼器4に対し、液状燃料の気化を充分に進行させた状態で供給することが可能となり、燃料と空気との混合を良好に進行させたうえで、燃焼を生じさせることができる。
【0028】
これにより、燃焼器4に導入される混合ガスに燃料の濃度分布が生じるのを抑え、燃料の濃い部分により燃焼器4に対して過大な熱負荷が生じたり、燃料の薄い部分により燃焼が不安定となったりするのを回避することができる。よって、燃焼器4を良好に作動させながら、システムS1全体の速やかな暖機を図ることが可能となる。さらに、混合ガスの均質性が確保されることで、燃焼を良好に生じさせることが可能となり、排気の性状悪化(例えば、未燃成分の排出)を抑制することができる。
【0029】
さらに、燃料電池システムS1の起動時等、燃焼器4およびその周辺(例えば、気化燃料通路15)が充分に暖まっていない条件にあっても燃料蒸発器5aにより液状燃料の蒸発が促進されることで、燃料が壁流となるのを抑え、燃焼器4に供給される燃料に不足が生じるのを回避することができる。これにより、燃料電池システムS1の起動ないし暖機に要する時間の短縮を図ることが可能となる。
【0030】
第2に、燃料蒸発器5aを燃焼ガスの流れに関してカソード側熱交換器3の下流側に配置したことで、カソード側熱交換器3での熱交換により低下した、液状燃料の蒸発に適した温度の燃焼ガスを燃料蒸発器5aに供給し、液状燃料の蒸発に用いることが可能となる。このことは、液状燃料としてエタノール水溶液を採用する場合に、より有利である。燃料蒸発器5aに供給される燃焼ガスの温度が過度に高い場合は、沸点が比較的低いエタノール水溶液の蒸発にとっては却って不利となる。
【0031】
そして、速やかな暖機の完了が求められる車載用の燃料電池システムS1の起動時において、燃料蒸発器5aがカソード側熱交換器3の下流側にあることで、カソード側熱交換器3に供給されるべき燃焼ガスの熱量が液状燃料の蒸発に消費されることがなく、暖機の迅速性を確保することが可能である。
【0032】
第3に、気化燃料通路15を、カソードオフガスの流れに関して燃焼器4の上流側でカソードオフガス排出ライン12exに接続し、燃料蒸発器5aで生じさせた気化燃料を、カソードオフガス排出ライン12exを流れる空気との混合後に燃焼器4に供給するようにしたことで、燃料と空気との混合をより良好に進行させた状態で、燃焼を生じさせることが可能となる。
【0033】
第4に、アノード側分岐部132およびカソード側分岐部133のうち、カソード側分岐部133を流れる燃焼ガスの流量をより大きくしたことで、燃料蒸発器5aに供給される燃焼ガスの流量を大きくすることができ、燃焼ガスの熱量を、液状燃料の蒸発に積極的に利用することが可能となる。
【0034】
さらに、このような設定により、カソード側熱交換器3を介する燃焼ガスの流量が増大されることで、カソード側熱交換器3の出入口の間で燃焼ガスに温度差が生じるのを抑制し、カソード側熱交換器3の効率を確保することが可能となる。これにより、燃料電池システムS1の起動に際し、空気を媒体として燃料電池スタック1に投入される熱量を確保し、起動の完了までに要する時間の短縮を図ることができる。
【0035】
(他の実施形態の説明)
以上の説明では、燃焼器4により生じさせた燃焼ガスをアノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3の双方に供給し、アノード側およびカソード側の各熱交換器2、3での熱交換に用いられる高温流体とする一方、燃料蒸発器5aをカソード側熱交換器3と接続し、カソード側熱交換器3を介した燃焼ガスのみを燃料蒸発器5aに導入可能とし、これを液状燃料の蒸発に使用した。本発明は、これに限定されるものではなく、カソード側熱交換器3を介した燃焼ガスばかりでなく、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスをも液状燃料の蒸発に使用することが可能である。
【0036】
図2は、その場合の一例として、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムS2の全体的な構成を示している。
【0037】
本実施形態では、燃料蒸発器5bが、アノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3の双方に対し、燃焼器4からの燃焼ガスの流れに関して下流側に接続され、アノード側熱交換器2を通過した後の燃焼ガスと、カソード側熱交換器3を通過した後の燃焼ガスと、をいずれも燃料蒸発器5bに供給可能とする。これにより、液状燃料を、温度が異なる2つの燃焼ガス、つまり、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスおよびカソード側熱交換器3を介した燃焼ガスとの熱交換により蒸発させる。
【0038】
具体的には、燃料蒸発器5bは、燃焼ガス排出通路14のうち、アノード側熱交換器2との接続点Pc1およびカソード側熱交換器3との接続点Pc2と、合流点Pmと、の間に介装される。これにより、燃料蒸発器5bは、アノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3を夫々通過した後の燃焼ガスを受容可能であり、燃焼ガス案内通路13のアノード側分岐部132(第2分岐部)からアノード側熱交換器2を介した燃焼ガスを受ける熱交換部(「第2熱交換部」に相当し、以下「下流側熱交換部」という場合がある)52と、カソード側分岐部133(第1分岐部)からカソード側熱交換器3を介した燃焼ガスを受ける熱交換部(「第1熱交換部」に相当し、以下「上流側熱交換部」という場合がある)51と、を有する。
【0039】
燃料蒸発器5bにおいて、上流側熱交換部51と下流側熱交換部52とは、燃焼ガスの流れが互いに対して遮断可能に(つまり、出入りのない状態に)構成されている。本実施形態では、下流側熱交換部52が、貯蔵タンク6からの液状燃料の流れに関して上流側熱交換部51の下流側に設けられるとともに、上流側熱交換部51に供給される燃焼ガスの流量が、下流側熱交換部52に供給される燃焼ガスの流量よりも大きく設定されている。換言すれば、燃焼器4から燃焼ガス案内通路13のカソード側分岐部133に導入される燃焼ガスの流量が、アノード側分岐部132に導入される流量よりも大きい。上流側熱交換部51と下流側熱交換部52との間での流量の調整は、アノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3における圧損を考慮して、各熱交換部51、52の流路抵抗を設定することにより可能である。
【0040】
図3は、本実施形態に適用可能な燃料蒸発器5bの具体的な構成を、高温流体(燃焼ガス)の流れに平行な断面により示している。
【0041】
図3において、カソード側熱交換器3を介して導入される燃焼ガスの、蒸発器5b内部における流れを矢印Fcg1により、アノード側熱交換器2を介して導入される燃焼ガスの流れを矢印Fcg2により、夫々示している。同図中、矢印FflおよびFfgは、いずれも蒸発器5b内部における燃料の流れを示し、矢印Fflは、液状燃料の流れを、矢印Ffgは、蒸発後の気化燃料の流れを、夫々示している。
【0042】
先に述べたように、燃料蒸発器5bは、上流側熱交換部51と下流側熱交換部52とに区画され、上流側および下流側の各熱交換部51、52は、燃料が流通可能に形成された空間(以下「内部空間」という)を有し、上流側熱交換器51の内部空間と下流側熱交換器52の内部空間とは、互いに連通されている。そして、これらの内部空間を横断するように、換言すれば、燃料の流れFfl、Ffgと交差するように、燃焼ガスを通過させる複数の管路p1、p2が配設されている。
【0043】
このような構成により、燃料蒸発器5bの上流側熱交換部51に導入された燃焼ガスは、低温側管路p1を流れ、下流側熱交換部52に導入された燃焼ガスは、高温側管路p2を流れる。低温側管路p1を出た燃焼ガスと高温側管路p2を出た燃焼ガスとは、合流した後、燃料蒸発器5bから流出する。燃料蒸発器5bを出た燃焼ガスは、燃焼ガス排出通路14の集合部を流れ、燃焼ガス排出口EXから系外に排出される。他方で、液状燃料は、燃料蒸発器5bへの導入後、低温側管路p1を流れる比較的低温の燃焼ガスとの熱交換により中間温度にまで加熱され、その後、高温側管路p2を流れるより高温の燃焼ガスとの熱交換によりさらに加熱される。液状燃料は、この2段にわたる加熱の過程で蒸発し、気化燃料として燃料蒸発器5bから流出する。燃料蒸発器5bを出た気化燃料は、気化燃料通路15を介してカソードオフガス排出ライン12exに導入され、カソードオフガス排出ライン12exを流れる空気との混合後、燃焼器4に供給される。
【0044】
このように、本実施形態によれば、燃料蒸発器5bに対し、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスおよびカソード側熱交換器3を介した燃焼ガスの双方を導入し、液状燃料の蒸発に、カソード側熱交換器3を介した燃焼ガスばかりでなく、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスをも使用可能となる。これにより、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスの熱量を利用して、液状燃料の蒸発を良好に促すとともに、系外に排出される熱量が削減されるため、システムS2全体での効率を向上させることが可能となる。
【0045】
さらに、燃焼器4から燃焼ガス案内通路13の分岐部132、133に分岐させた燃焼ガスを、アノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3に夫々供給するようにしたことで、燃料蒸発器5bの上流側熱交換部51および下流側熱交換部52に導入される燃焼ガスに、有意な温度差を付けることが可能となる。本実施形態では、燃料電池システムS2の起動に際し、燃料電池スタック1に対する燃料ガスの供給がなく、アノード側熱交換器2を通過した後の燃焼ガスの温度が高温に保たれることから、上流側熱交換部51に導入される燃焼ガスの温度を低く、下流側熱交換部52に導入される燃焼ガスの温度を高くすることが可能である。
【0046】
そして、上流側熱交換部51において、比較的低温の燃焼ガスとの熱交換により液状燃料を中間温度にまで加熱した後、下流側熱交換部52において、より高温の燃焼ガスとの熱交換によりさらに加熱することができるので、より高温の気化燃料を得ることが可能となる。
【0047】
液状燃料を、燃焼ガスの温度が比較的低い上流側熱交換部51に導入し、これを通過させた後、燃焼ガスの温度が高い下流側熱交換部52に導入することで、上流側熱交換部51で加熱された燃料が、下流側熱交換部52で冷やされるのを回避することができ、下流側熱交換部52における凝縮の発生を抑えることが可能となる。
【0048】
さらに、以上の説明では、燃焼ガスを、燃料蒸発器5a、5bを通過した後に合流させ、単一の燃焼ガス排出口EXを通じて系外に排出することとした。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスとカソード側熱交換器3を介した燃焼ガスとを、別個の燃焼ガス排出口(カソード側排出口EX1、アノード側排出口EX2)から排出するようにしてもよい。
【0049】
図4は、その場合の一例として、本発明の更に別の実施形態に係る燃料電池システムS3の全体的な構成を示している。
【0050】
本実施形態では、燃焼ガス排出通路14が、アノード側熱交換器2から延びるアノード側排出通路(「第2排出通路」に相当する)141と、カソード側熱交換器3から延びるカソード側排出通路(「第1排出通路」に相当する)142と、から構成され、アノード側排出通路141とカソード側排出通路142とが互いに並列に配設され、各排出通路141、142は、別個に形成された燃料ガス排出口(アノード側排出口EX1およびカソード側排出口EX2)に接続されている。
【0051】
このような構成により、燃焼ガス案内通路13の集合部131からアノード側分岐部132に分岐された燃焼ガスは、アノード側分岐部132からアノード側熱交換器2に流入し、アノード側熱交換器2を通過した後、アノード側排出口EX1を介して系外に排出される。これに対し、カソード側分岐部133に分岐された燃焼ガスは、カソード側分岐部133からカソード側熱交換器3に流入し、カソード側熱交換器3を通過した後、燃料蒸発器5aに導入される。そして、燃料蒸発器5aを通過すると、アノード側排出口EX1とは別個のカソード側排出口EX2を介して系外に排出される。
【0052】
このように、アノード側熱交換器2を介した燃焼ガスとカソード側熱交換器3を介した燃焼ガスとの排出口を、1つに纏めるのではなく(例えば、
図1および2)、夫々別個に設けたことで、それら2つの排出口EX1、EX2に向かう排出通路141、142を互いに隣接させる必要がないので、レイアウトの自由度を増進させることが可能となる。
【0053】
燃料蒸発器5aは、カソード側熱交換器3を介した燃焼ガスが流れるカソード側排出通路142に介装するばかりでなく、アノード側熱交換器2およびカソード側熱交換器3を介した燃焼ガスが流れるそれぞれの排出通路141、142に跨って形成することも可能である。この場合に採用可能な燃料蒸発器5bとして、
図2および3に示す実施形態のものが挙げられる。
【0054】
以上の説明では、アノード側熱交換器2に、熱交換型の加熱器を採用することとしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、既に述べたように、熱交換器として、加熱対象の流体に化学的な変化が生じ、加熱後の流体が流入時とは異なる組成の流体として流出するものを採用することが可能である。
【0055】
図5は、その場合の一例として、本発明の更に別の実施形態に係る燃料電池システムS4の全体的な構成を示している。
【0056】
本実施形態では、アノードガス供給ライン11に、アノードガスの流れに関して上流側から順に、燃料蒸発器21、燃料加熱器22および燃料改質器23が介装されている。これらの熱機器21~23により、本実施形態に係るアノード側熱交換器2が構成される。
【0057】
本実施形態において、アノード側熱交換器2は、一次燃料である原燃料の供給を受け、これを処理して、燃料電池での発電反応に用いられる燃料ガスに変換する。この意味で、本実施形態に係るアノード側熱交換器2は、燃料処理器と呼ぶこともできる。原燃料は、含酸素燃料と水との混合物であってもよく、アノードガス供給ライン11に接続された、図示しない燃料タンクに貯蔵される。本実施形態に適用可能な原燃料として、エタノール水溶液を例示することができ、貯蔵タンク6にエタノール水溶液を貯蔵する場合は、貯蔵タンク6を原燃料の燃料タンクとして共用することが可能である。
【0058】
燃料蒸発器(「アノード燃料蒸発器」という場合がある)21は、貯蔵タンク6から原燃料であるエタノール水溶液の供給を受け、高温流体である燃焼ガスによりこれを加熱して蒸発させ、エタノールガスおよび水蒸気を生成する。
【0059】
燃料加熱器(「アノード燃料加熱器」という場合がある)22は、蒸発後のエタノールガスおよび水蒸気を、エタノールの改質に適した温度にまでさらに加熱する。
【0060】
燃料改質器(「アノード燃料改質器」という場合がある)23は、気体の状態にあるエタノールから、水蒸気改質により水素を生成する。水蒸気改質は、次式により表すことができる。生成された水素は、燃料改質器23を出た後、燃料ガスとして燃料電池スタック1に供給される。
C2H5OH+3H2O → 6H2+2CO2 …(2)
【0061】
このように、燃料蒸発器21、燃料加熱器22および燃料改質器23によりアノード側熱交換器2を構成した場合にあっても先に述べたのと同様の効果を得ることが可能である。具体的には、燃焼器4に対し、液状燃料(エタノール水溶液)の気化を充分に進行させた状態で供給することが可能となり、燃料(エタノールガス)と空気との混合を良好に進行させたうえで、燃焼を生じさせることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を、上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。上記実施形態に対し、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で様々な変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0063】
S1~S4…燃料電池システム
1…燃料電池スタック
2…アノード側熱交換器
3…カソード側熱交換器
4…燃焼器
5a、5b…燃料蒸発器
6…貯蔵タンク
11…アノードガス供給ライン
12…カソードガス供給ライン
11ex…アノードオフガス排出ライン
12ex…カソードオフガス排出ライン
13…燃焼ガス案内通路
131…集合部
132…アノード側分岐部
133…カソード側分岐部
14…燃焼ガス排出通路
21…アノード燃料蒸発器
22…アノード燃料加熱器
23…アノード燃料改質器