(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20240905BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240905BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
F25D23/02 306A
F25D11/00 101B
F25D23/00 301G
(21)【出願番号】P 2020030786
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 穂高
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-228965(JP,A)
【文献】登録実用新案第3217366(JP,U)
【文献】特開2009-198025(JP,A)
【文献】特開2016-125339(JP,A)
【文献】特開2016-197809(JP,A)
【文献】実開平04-004388(JP,U)
【文献】特開2015-176411(JP,A)
【文献】特開2008-134730(JP,A)
【文献】特開2005-133502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/02
F25D 11/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口部を有する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前記前面開口部を開閉する扉と、
前記扉の施錠又は/解錠を行う施解錠部と、
前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付ける受付部と、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けた場合は、当該指示に基づいて前記扉の施錠又は解錠を行い、
前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けていない場合であって、前記扉の解錠が許可されているユーザ及び前記扉の解錠が禁止されているユーザが前記冷蔵庫の近くに存在すると判断した場合は、前記施解錠部による前記扉の解錠を行う、冷蔵庫。
【請求項2】
前面開口部を有する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前記前面開口部を開閉する扉と、
前記扉の施錠又は/解錠を行う施解錠部と、
前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付ける受付部と、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けた場合は、当該指示に基づいて前記扉の施錠又は解錠を行い、
前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けていない場合であって、前記扉の解錠が許可されているユーザ及び前記扉の解錠が禁止されているユーザが前記冷蔵庫の近くに存在すると判断した場合は、前記施解錠部による前記扉の施錠を行う、冷蔵庫。
【請求項3】
前面開口部を有する冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の前記前面開口部を開閉する扉と、
前記扉の施錠又は/解錠を行う施解錠部と、
前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付ける受付部と、
制御部と、を備えており、
前記制御部は、
前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けた場合は、当該指示に基づいて前記扉の施錠又は解錠を行うように構成されており、
前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けていない場合であって、前記扉の解錠が許可されているユーザ及び前記扉の解錠が禁止されているユーザが前記冷蔵庫の近くに存在すると判断した場合は、前記施解錠部による前記扉の施錠を行うか、又は解錠を行うかを設定可能に構成されている、冷蔵庫。
【請求項4】
外部の携帯端末を識別する情報と、前記携帯端末の所有者が前記扉の解錠が許可されているユーザであるか、前記扉の解錠が禁止されているユーザであるかの情報とが、対応付けられて、前記冷蔵庫に、または前記冷蔵庫がアクセス可能な遠隔システム上の外部機器に登録されており、
前記制御部は、前記携帯端末が前記冷蔵庫の近くに存在すると判断した場合、登録されている前記情報を利用して、前記冷蔵庫の近くに存在するユーザが、前記扉の解錠が許可されているユーザであるか、前記扉の解錠が禁止されているユーザであるかを判断する、請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記携帯端末は、近距離無線通信の電波を受信可能であり、
前記制御部は、前記携帯端末との間で前記近距離無線通信が成立するか否かにより、前記携帯端末が前記冷蔵庫の近くに存在するか否かを判断する、請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記制御部は、前記扉の解錠が許可されているユーザが前記冷蔵庫の近くに存在すると判断して前記施解錠部による前記扉の解錠を行う場合であって、前記扉が開かれた場合は、予め登録されている端末装置に前記扉が開かれたことを示す情報を送信する、請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記扉を開く力を検出する力検出部と、
報知部と、を更に備えており、
前記制御部は、前記施解錠部による前記扉の施錠が行われている状態で前記力検出部が前記扉を開く力を検出した場合は、施錠中であることを示す情報を前記報知部から報知する、請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記扉を開く力を検出する力検出部と、
報知部と、を更に備えており、
前記制御部は、前記施解錠部による前記扉の施錠が行われている状態で前記力検出部が前記扉を開く力を検出した場合は、前記扉が開かれようとしたことを示す情報を予め登録されている端末装置に送信する、請求項1から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記制御部は、前記施解錠部による前記扉の施錠又は解錠
に関する判断を行うか行わないかを設定可能に構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に冷蔵庫が開示されている。特許文献1の冷蔵庫は、前面開口部を有する冷蔵庫本体と、冷蔵庫本体の前面開口部を開閉する扉と、扉の施錠又は解錠を行う施解錠部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷蔵庫のユーザの状況に応じて冷蔵庫の扉を施錠又は解錠したいという要望がある。例えば、認知症患者が冷蔵庫の扉を開けないようにするために、認知症患者が冷蔵庫に近づいた場合には冷蔵庫の扉を施錠したいという要望がある。一方、認知症患者の保護者が冷蔵庫に近づいた場合には冷蔵庫の扉を解錠したいという要望がある。そこで本明細書は、状況に応じて冷蔵庫の扉を施錠又は解錠することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する冷蔵庫は、前面開口部を有する冷蔵庫本体と、前記冷蔵庫本体の前記前面開口部を開閉する扉と、前記扉の施錠又は解錠を行う施解錠部と、前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付ける受付部と、制御部と、を備えている。前記制御部は、前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けた場合は、前記施解錠部による前記扉の施錠又は解錠を行い、前記受付部が前記扉の施錠又は解錠の指示を受け付けていない場合であっても、所定の条件が成立した場合は、前記施解錠部による前記扉の施錠又は解錠を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図8】携帯端末装置の表示操作部に表示される画面の一例の図。
【
図10】冷蔵庫の表示操作部に表示される画面の一例の図。
【
図11】携帯端末装置の表示操作部に表示される画面の一例の図。
【
図12】他の実施例の第2施錠処理のフローチャート。
【
図13】他の実施例の第2解錠処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例の冷蔵庫システム1について図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、実施例の冷蔵庫システム1は、冷蔵庫10と、複数のIDカード401、402と、携帯端末装置30とを備えている。
【0008】
(冷蔵庫10の構成)
冷蔵庫10の構成について説明する。
図1に示すように、冷蔵庫10は、冷蔵庫本体50と、複数の扉52(52a、52b、52c、52d)とを備えている。また、冷蔵庫10は、複数の施解錠部14と、複数の開閉検出部15と、複数の力検出部17とを備えている。冷蔵庫10は例えば住宅に設置される。
【0009】
冷蔵庫本体50は、箱型の構成であり、断熱性を有している。冷蔵庫本体50には前面開口部54が設けられている。前面開口部54は冷蔵庫本体50の前面において上端部から下端部にわたって設けられている。冷蔵庫本体50は複数の貯蔵室を備えている。例えば、冷蔵庫本体50は、冷蔵室、野菜室、製氷室、冷凍室等を備えている。冷蔵庫本体50は、各貯蔵室に貯蔵されている物(例えば食品)を冷却することができる。
【0010】
複数の扉52(52a、52b、52c、52d)は、冷蔵庫本体50に取り付けられている。複数の扉52は、冷蔵庫本体50の前面で開口している前面開口部54を開閉する。複数の扉52は、例えば、冷蔵室の扉52a、野菜室の扉52b、製氷室の扉52c、冷凍室の扉52dである。各扉52a、52b、52c、52dが各貯蔵室を開閉する。冷蔵室の扉52a及び野菜室の扉52bは、冷蔵庫10の重心高さよりも上側に配置されている。製氷室の扉52c及び冷凍室の扉52dは、冷蔵庫10の重心高さよりも下側に配置されている。
【0011】
複数の施解錠部14は、複数の扉52にそれぞれ取り付けられている。各施解錠部14が各扉52の施錠又は解錠を行う。施解錠部14は例えば電気錠である。施解錠部14によって扉52が施錠されると扉52が開かなくなる。施解錠部14によって扉52が解錠されると扉52が開くようになる。
【0012】
複数の開閉検出部15は、複数の扉52にそれぞれ取り付けられている。各開閉検出部15は、例えば磁気センサである。各開閉検出部15は、各扉52が開かれたこと、及び、扉52が閉じられたことを検出することができる。
【0013】
複数の力検出部17は、複数の扉52にそれぞれ取り付けられている。各力検出部17は、例えば圧電センサである。各力検出部17は、各扉52が施錠されている状態で各扉52を開く力が各扉52に作用した場合に、その力を検出することができる。例えば、冷蔵室の扉52aが施錠されている状態でユーザがその扉52aを開こうとして扉52aを手前に引いた場合には、冷蔵室の扉52aの力検出部17が扉52aを引く力を検出する。
【0014】
図2に示すように、冷蔵庫10は、表示操作部12(受付部及び報知部の一例)、通信部16、近距離無線通信部18、及び制御部20を更に備えている。表示操作部12は、例えば冷蔵室の扉52aの前面に設けられている。表示操作部12は、例えばタッチパネルである。表示操作部12は、例えば冷蔵庫10に関する様々な情報を表示可能である。また、表示操作部12は、例えば冷蔵庫10に関する様々な操作を受け付け可能である。例えば、表示操作部12は、施解錠部14による扉52の施錠又は解錠の指示を受け付け可能である。
【0015】
通信部16は、例えば冷蔵庫本体50に取り付けられている通信モジュールである。通信部16は、インターネット100を介して他の装置と無線通信可能に構成されている。通信部16は、インターネット100を介して例えば携帯端末装置30と無線通信可能に構成されている。通信部16は、携帯端末装置30に所定の情報を送信することができる。
【0016】
近距離無線通信部18は、例えば冷蔵庫本体50に取り付けられている。近距離無線通信部18は、例えばNFC(Near Field Communication)リーダを備えている。近距離無線通信部18は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)の技術により、冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に存在するIDカード401、402から所定の情報を取得することができる。近距離無線通信部18の通信規格は特に限定されない。
【0017】
制御部20は、CPU22及びメモリ24を備えている。制御部20は、所定のプログラムに基づいて冷蔵庫10の動作を制御する。制御部20による制御については後述する。メモリ24は、例えば冷蔵庫10に関する様々な情報を記憶する。メモリ24には、例えば所定の登録情報が格納されている。
【0018】
登録情報は、ユーザ名、ID、許可/禁止の区別を示す情報を含む。また、登録情報は、第1登録端末装置及び第2登録端末装置を示す情報を含む。登録情報における許可と禁止の区別は、扉52の解錠が許可されているか禁止されているかを示す情報である。本実施例では、ID「001」によって識別されるユーザ「1」は、扉52の解錠が許可されている。一方、ID「002」によって識別されるユーザ「2」は、扉52の解錠が禁止されている。以下の説明では、ユーザ「1」を「許可ユーザ」と呼び、ユーザ「2」を「禁止ユーザ」と呼ぶ場合がある。また、本実施例では、第1登録端末装置及び第2登録端末装置として識別番号「101」の携帯端末装置30が設定登録されている。識別番号「101」の携帯端末装置30は、例えば許可ユーザによって所持されている。
【0019】
(IDカード401、402の構成)
IDカード401、402の構成について説明する。IDカード401は、例えばID「001」によって識別される許可ユーザによって所持される。IDカード401は、ICタグ44を有する近距離無線通信部42を備えている。ICタグ44には、許可ユーザのID「001」が記憶されている。IDカード401が冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に存在する場合に、冷蔵庫10の近距離無線通信部18がIDカード401の近距離無線通信部42からID「001」の情報を取得する。
【0020】
IDカード402の構成はIDカード401と同様である。IDカード402は、例えばID「002」によって識別される禁止ユーザによって所持される。IDカード402のICタグ44には、禁止ユーザのID「002」が記憶されている。IDカード402が冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に存在する場合に、冷蔵庫10の近距離無線通信部18がIDカード401の近距離無線通信部42からID「002」の情報を取得する。
【0021】
IDカード402を所持する禁止ユーザは、例えば認知症患者が該当する。認知症患者が冷蔵庫10の扉52を開けることができる状態にしておくと、例えば認知症患者が食べてはいけない食品を貯蔵室から取り出してしまう等の問題が生じる。そのため、認知症患者にIDカード402を所持してもらうようにする。一方、IDカード401を所持する許可ユーザは、例えば認知症患者の保護者が該当する。
【0022】
(携帯端末装置30の構成)
携帯端末装置30の構成について説明する。携帯端末装置30は、例えばスマートフォンやタブレットである。識別番号「101」の携帯端末装置30は、登録情報において第1登録端末装置及び第2登録端末装置として登録されている。携帯端末装置30は、表示操作部32、通信部34、及び制御部36を備えている。表示操作部32は、例えばスマートフォンやタブレットのタッチパネルである。表示操作部32は、様々な情報を表示可能である。また、表示操作部32は、様々な操作を受け付け可能である。例えば、表示操作部32は、冷蔵庫10の施解錠部14による扉52の施錠又は解錠の指示を受け付け可能である。
【0023】
通信部34は、例えばスマートフォンやタブレットに内蔵されている通信モジュールである。通信部34は、インターネット100を介して他の装置と無線通信可能に構成されている。通信部34は、インターネット100を介して例えば冷蔵庫10から所定の情報を受信することができる。
【0024】
制御部36は、CPU及びメモリ(不図示)を備えている。制御部36は、所定のプログラムに基づいて携帯端末装置30の動作を制御する。
【0025】
(第1施錠処理:
図3)
次に、冷蔵庫システム1で実行される第1施錠処理について説明する。
図3は、第1施錠処理のフローチャートである。第1施錠処理は、例えば冷蔵庫10の複数の扉52の解錠が行われると開始される。初期状態では、冷蔵庫10の複数の扉52が解錠されているとする。
図3に示すように、第1施錠処理のS10では、冷蔵庫10の制御部20が、施錠指示があるか否かを判断する。施錠指示は、複数の扉52の施錠を行うための指示である。施錠指示は、例えばユーザが冷蔵庫10の表示操作部12を操作することによって入力される。表示操作部12が施錠指示を受け付けた場合は、制御部20がS10でYESと判断してS12に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。S10でYESの後のS12では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の施錠を行う。これによって、各扉52が開かないようになる。その後、第1施錠処理を終了する。
【0026】
(第1解錠処理:
図4)
次に、第1解錠処理について説明する。
図4は、第1解錠処理のフローチャートである。第1解錠処理は、例えば冷蔵庫10の複数の扉52の施錠が行われると開始される。
図4に示すように、第1解錠処理のS20では、制御部20が、解錠指示があるか否かを判断する。解錠指示は、複数の扉52の解錠を行うための指示である。解錠指示は、例えばユーザが冷蔵庫10の表示操作部12を操作することによって入力される。表示操作部12が解錠指示を受け付けた場合は、制御部20がS20でYESと判断してS22に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。S20でYESの後のS22では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の解錠を行う。これによって、各扉52が開くようになる。その後、第1解錠処理を終了する。
【0027】
(第2施錠処理:
図5)
次に、第2施錠処理について説明する。
図5は、第2施錠処理のフローチャートである。第2施錠処理は、例えば冷蔵庫10の複数の扉52の解錠が行われると開始される。初期状態では、冷蔵庫10の複数の扉52が解錠されているとする。
図5に示すように、第2施錠処理のS30では、制御部20が、IDカード401又はIDカード402からIDを取得したか否かを判断する。例えば、IDカード401を所持している許可ユーザが冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に近づくと、冷蔵庫10の近距離無線通信部18がIDカード401から許可ユーザのID「001」を取得する。また、IDカード402を所持している禁止ユーザが冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に近づくと、冷蔵庫10の近距離無線通信部18がIDカード402から禁止ユーザのID「002」を取得する。制御部20は、IDカード401又は402からIDを取得した場合は、S30でYESと判断してS32に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0028】
続くS32では、制御部20が、S30で取得したIDが解錠が禁止されているIDであるか否かを判断する。即ち、制御部20は、取得したIDが禁止ユーザのIDであるか否かを判断する。制御部20は、メモリ24に記憶されている登録情報に基づいて解錠が禁止されているIDであるか否かを判断する。取得したIDが解錠が禁止されているIDである場合は、制御部20は、S32でYESと判断してS34に進む。そうでない場合(取得したIDが解錠が許可されているIDである場合)は、制御部20がNOと判断して第2施錠処理を終了する。
【0029】
S32でYESの後のS34では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の施錠を行う。これによって、各扉52が開かないようになる。その後、第2施錠処理を終了する。第2施錠処理では、禁止ユーザが冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に近づくことによって各扉52の施錠が行われる。
【0030】
(第2解錠処理:
図6)
次に、第2解錠処理について説明する。
図6は、第2解錠処理のフローチャートである。第2解錠処理は、例えば各扉52の施錠が行われると開始される。
図6に示すように、第2解錠処理のS40では、制御部20が、IDカード401又はIDカード402からIDを取得したか否かを判断する。IDカード401又は402からIDを取得した場合は、S40で制御部20がYESと判断してS42に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0031】
続くS42では、制御部20が、S40で取得したIDが解錠が許可されているIDであるか否かを判断する。即ち、制御部20は、取得したIDが許可ユーザのIDであるか否かを判断する。制御部20は、メモリ24に記憶されている登録情報に基づいて解錠が許可されているIDであるか否かを判断する。取得したIDが解錠が許可されているIDである場合は、S42で制御部20がYESと判断してS44に進む。そうでない場合(取得したIDが解錠が禁止されているIDである場合)は、制御部20がNOと判断して第2解錠処理を終了する。
【0032】
S42でYESの後のS44では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の解錠を行う。これによって、各扉52が開くようになる。その後、第2解錠処理を終了する。第2解錠処理では、許可ユーザが冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に近づくことによって各扉52の解錠が行われる。
【0033】
(第1報知処理:
図7)
次に、第1報知処理について説明する。
図7は、第1報知処理のフローチャートである。第1報知処理は、例えば冷蔵庫10の電源がオンになると開始される。
図7に示すように、第1報知処理のS50では、制御部20が、上記の第2解錠処理(
図6参照)で冷蔵庫10の扉52が解錠されたか否かを判断する。第2解錠処理で扉52が解錠された場合は、S50で制御部20がYESと判断してS52に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0034】
続くS52では、制御部20が、冷蔵庫10の複数の扉52のいずれかが開かれたか否かを判断する。冷蔵庫10の扉52が開かれると、扉52に取り付けられている開閉検出部15によって扉52が開かれたことが検出される。いずれかの扉52が開かれた場合は、S52で制御部20がYESと判断してS54に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断してS58に進む。S58では、制御部20が、第2解錠処理で扉52が解錠されてから(上記のS50でYESと判断してから)所定の時間が経過したか否かを判断する。所定の時間が経過した場合は、S58で制御部20がYESと判断して第1報知処理を終了する。そうでない場合は、制御部20がNOと判断してS52に戻る。
【0035】
S52でYESの後のS54では、制御部20が、メモリ24に記憶されている登録情報に基づいて、登録されている第1登録端末装置があるか否かを判断する。本実施例では、第1登録端末装置として識別番号「101」の携帯端末装置30が登録されている。登録されている第1登録端末装置がある場合は、S54で制御部20がYESと判断してS56に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して第1報知処理を終了する。
【0036】
S54でYESの後のS56では、制御部20が、第1登録端末装置として登録されている携帯端末装置30に所定の第1報知情報を送信する。本実施例では、制御部20が、識別番号「101」の携帯端末装置30に第1報知情報を送信する。その後、第1報知処理を終了する。第1報知情報は、冷蔵庫10の扉52が開かれたことを示す情報である。冷蔵庫10から送信された第1報知情報は、携帯端末装置30で受信される。
【0037】
携帯端末装置30の制御部36は、冷蔵庫10から送信された第1報知情報を受信した場合は、その第1報知情報の画面を表示操作部32に表示する。制御部36は、例えば
図8に示すように、「冷蔵庫の扉が開かれました。」という文字列の画面を表示操作部32に表示する。識別番号「101」の携帯端末装置30を所持している許可ユーザは、表示操作部32に表示された画面を視ることによって、冷蔵庫10の扉52が開かれたことを認識することができる。
【0038】
(第2報知処理:
図9)
次に、第2報知処理について説明する。
図9は、第2報知処理のフローチャートである。第2報知処理は、例えば冷蔵庫10の電源がオンになると開始される。
図9に示すように、第2報知処理のS60では、制御部20が、冷蔵庫10の扉52に取り付けられている力検出部17によって扉52を開く力が検出されたか否かを判断する。例えば、冷蔵庫10の扉52が施錠されている状態でユーザが扉52を開けようとして扉52を引くと、力検出部17によって扉52を開く力が検出される。扉52を開く力が検出された場合は、S60で制御部20がYESと判断してS62に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0039】
続くS62では、制御部20が、扉52が施錠中であるか否かを判断する。扉52が施錠中である場合は、S62で制御部20がYESと判断してS64に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して第2報知処理を終了する。
【0040】
S62でYESの後のS64では、制御部20が、所定の第2報知情報の画面を扉52に設けられている表示操作部12に表示する。第2報知情報は、扉52が施錠中であることを示す情報である。制御部20は、例えば
図10に示すように、「施錠中です。」という文字列の画面を冷蔵庫10の表示操作部12に表示する。
【0041】
続くS66では、制御部20が、メモリ24に記憶されている登録情報に基づいて、登録されている第2登録端末装置があるか否かを判断する。本実施例では、第2登録端末装置として識別番号「101」の携帯端末装置30が登録されている。登録されている第2登録端末装置がある場合は、S66で制御部20がYESと判断してS68に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して第2報知処理を終了する。
【0042】
S66でYESの後のS68では、制御部20が、第2登録端末装置として登録されている携帯端末装置30に所定の第3報知情報を送信する。本実施例では、制御部20が、識別番号「101」の携帯端末装置30に第3報知情報を送信する。その後、リターンに進む。第3報知情報は、冷蔵庫10の扉52が施錠されているときに扉52が開かれようとしたことを示す情報である。冷蔵庫10から送信された第3報知情報は、携帯端末装置30で受信される。
【0043】
携帯端末装置30の制御部36は、冷蔵庫10から送信された第3報知情報を受信した場合は、その第3報知情報の画面を表示操作部32に表示する。制御部36は、例えば
図11に示すように、「冷蔵庫の扉が開かれようとしました。」という文字列の画面を表示操作部32に表示する。識別番号「101」の携帯端末装置30を所持している許可ユーザは、表示操作部32に表示された画面を視ることによって、冷蔵庫10の扉52が施錠されているときに扉52が開かれようとしたことを認識することができる。
【0044】
以上、実施例に係る冷蔵庫10について説明した。上述の説明から明らかなように、冷蔵庫10の制御部20は、表示操作部12が扉52の施錠又は解錠の指示を受け付けた場合は、施解錠部14による扉52の施錠又は解錠を行う(第1施錠処理及び第1解錠処理:
図3及び
図4参照)。また、制御部20は、表示操作部12が扉52の施錠又は解錠の指示を受け付けていない場合であっても、所定の条件が成立した場合は、施解錠部14による扉52の施錠又は解錠を行う。例えば、制御部20は、扉52の解錠が許可されているユーザが冷蔵庫10の近くに存在すると判断した場合は、施解錠部14による扉52の解錠を行う(第2解錠処理:
図6参照)。また、制御部20は、扉52の解錠が禁止されているユーザが冷蔵庫10の近くに存在すると判断した場合は、施解錠部14による扉52の施錠を行う(第2施錠処理:
図5参照)。
【0045】
この構成によれば、状況に応じて冷蔵庫10の扉52を施錠又は解錠することができる。例えば、許可ユーザが冷蔵庫10に近づいた場合に冷蔵庫10の扉52を解錠することができる。これによって、認知症患者の保護者が冷蔵庫10に近づいた場合に扉52を解錠することができる。また、禁止ユーザが冷蔵庫10に近づいた場合に冷蔵庫10の扉52を施錠することができる。これによって、認知症患者が冷蔵庫10に近づいた場合に扉52を施錠することができる。認知症患者が冷蔵庫10の扉52を開けることができる状態にしておくと、例えば認知症患者が食べてはいけない食品を貯蔵室から取り出してしまう等の問題が生じる。認知症患者が冷蔵庫10に近づいた場合に扉52を施錠することにより、認知症患者の安全を確保することができる。
【0046】
また、制御部20は、扉52の解錠が許可されているユーザが冷蔵庫10の近くに存在すると判断して施解錠部14による扉52の解錠を行う場合であって、扉52が開かれた場合は、予め登録されている携帯端末装置30に扉52が開かれたことを示す情報を送信する(第1報知処理:
図7参照)。この構成によれば、予め登録されている携帯端末装置30を所持しているユーザに扉52が開かれたことを知らせることができる。予め登録されている携帯端末装置30を例えば許可ユーザが所持している場合は、扉52が開かれたことを許可ユーザに知らせることができる。例えば、認知症患者が扉52を開いた場合に、認知症患者の保護者が、扉52が開かれたことを認識することができる。
【0047】
また、制御部20は、施解錠部14による扉52の施錠が行われている状態で力検出部17が扉52を開く力を検出した場合は、施錠中であることを示す情報を表示操作部12に表示する(第2報知処理:
図9参照)。この構成によれば、冷蔵庫10の扉52が施錠されている状態で扉52が開けられようとした場合に、施錠中であることを周囲に報知することができる。
【0048】
また、制御部20は、施解錠部14による扉52の施錠が行われている状態で力検出部17が扉52を開く力を検出した場合は、扉52が開かれようとしたことを示す情報を予め登録されている携帯端末装置30に送信する(第2報知処理:
図9参照)。この構成によれば、冷蔵庫10の扉52が施錠されている状態で扉52が開けられようとした場合に、予め登録されている携帯端末装置30を所持しているユーザに扉52が開けられようとしたことを知らせることができる。予め登録されている携帯端末装置30を例えば許可ユーザ(認知症患者の保護者)が所持している場合は、扉52が開けられようとしたことを許可ユーザに知らせることができる。
【0049】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
(1)他の実施例では、第2施錠処理(
図5参照)と第2解錠処理(
図6参照)が同じタイミングで重複した場合は、第2解錠処理(
図6参照)が優先されてもよい。例えば、IDカード401を所持している許可ユーザと、IDカード402を所持している禁止ユーザとが、同じタイミングで冷蔵庫10から所定の第1距離の範囲内に近づいた場合は、冷蔵庫10の近距離無線通信部18がIDカード401から許可ユーザのID「001」を取得すると共に、IDカード402から禁止ユーザのID「002」を取得する。
【0051】
第2施錠処理(
図5参照)では、冷蔵庫10の近距離無線通信部18が禁止ユーザのID「002」を取得した場合に、制御部20が、施解錠部14による各扉52の施錠を行う(
図5のS30、S32、S34参照)。一方、第2解錠処理(
図6参照)では、冷蔵庫10の近距離無線通信部18が許可ユーザのID「001」を取得した場合に、制御部20が、施解錠部14による各扉52の解錠を行う(
図5のS40、S42、S44参照)。しかしながら、冷蔵庫10の近距離無線通信部18が同じタイミングで許可ユーザのID「001」と禁止ユーザのID「002」とを取得した場合は、第2解錠処理(
図6参照)が優先される。したがって、制御部20が、施解錠部14による各扉52の解錠を行う。即ち、制御部20が、扉52の解錠が許可されているユーザ及び扉52の解錠が禁止されているユーザが冷蔵庫10の近くに存在すると判断した場合は、施解錠部14による扉52の解錠を行う。この構成によれば、許可ユーザと禁止ユーザが同じタイミングで冷蔵庫10の近くにいる場合は冷蔵庫10の扉52を解錠することができる。認知症患者の保護者が冷蔵庫10の近くにいる状況では扉52を解錠することができる。
【0052】
(2)他の実施例では、第2施錠処理(
図5参照)と第2解錠処理(
図6参照)が同じタイミングで重複した場合は、第2施錠処理(
図5参照)が優先されてもよい。即ち、冷蔵庫10の近距離無線通信部18が同じタイミングで許可ユーザのID「001」と禁止ユーザのID「002」とを取得した場合は、第2施錠処理(
図5参照)が優先される。したがって、制御部20が、施解錠部14による各扉52の施錠を行う。即ち、制御部20が、扉52の解錠が許可されているユーザ及び扉52の解錠が禁止されているユーザが冷蔵庫10の近くに存在すると判断した場合は、施解錠部14による扉52の施錠を行う。この構成によれば、許可ユーザと禁止ユーザが同じタイミングで冷蔵庫10の近くにいる場合は冷蔵庫10の扉52を施錠することができる。認知症患者が冷蔵庫10の近くにいる状況では扉52を施錠することができ、認知症患者の安全を確保することができる。
【0053】
(3)上記の実施例では、冷蔵庫10の複数の扉52の全部が施錠又は解錠される構成であったが、この構成に限定されない。他の実施例では、冷蔵庫10の複数の扉52のうち、冷蔵庫10の重心高さより下側に存在する扉52が施錠又は解錠される構成であってもよい。冷蔵庫10の重心高さより上側に存在する扉52が施錠又は解錠されない構成であってもよい。例えば、製氷室の扉52c及び冷凍室の扉52dが施錠又は解錠される一方で、冷蔵室の扉52a及び野菜室の扉52bが施錠又は解錠されない構成であってもよい。制御部20は、所定の条件が成立した場合は、製氷室の扉52cの施解錠部14及び冷凍室の扉52dの施解錠部14による扉52の施錠又は解錠を行う。
【0054】
この構成によれば、開けられ易い扉52を施錠することができる。例えば、認知症患者は冷蔵庫10の複数の扉52のうち冷蔵庫10の重心高さより下側に存在する扉52を開ける傾向がある。上記の構成によれば、認知症患者によって開けられ易い扉52を施錠することができる。
【0055】
(4)他の実施例では、第2施錠処理(
図5参照)及び第2解錠処理(
図6参照)が実行されるか実行されないかを設定可能に構成されていてもよい。即ち、所定の条件が成立した場合に施解錠部14による扉52の施錠又は解錠が行われる機能を有効にするか無効にするかを設定可能に構成されていてもよい。例えば、ユーザが冷蔵庫10の表示操作部12を操作することによって、第2施錠処理(
図5参照)及び第2解錠処理(
図6参照)が実行されないように設定することができる。この構成によれば、所定の条件が成立した場合に冷蔵庫10の扉52を施錠又は解錠する機能が必要でない場合にはその機能を無効にすることができる。冷蔵庫10を通常の家電として使用することができる。
【0056】
(5)上記の実施例では、冷蔵庫10の表示操作部12が扉52の施錠又は解錠の指示を受け付ける構成であったが、この構成に限定されない。他の実施例では、携帯端末装置30の表示操作部32が扉52の施錠又は解錠の指示を受け付ける構成であってもよい。
【0057】
(6)上記の実施例では、許可ユーザ又は禁止ユーザが冷蔵庫10の近くに存在するか否かをユーザが所持しておくものとして用意したIDカード401、402と、冷蔵庫10との間で近距離無線通信が成立するか否かにより判断していたが、許可ユーザまたは禁止ユーザが冷蔵庫10の近くにいるか否かを判断できればよく、具体的な方法はこれに限られず用いることができる。例えば、ユーザが所有する汎用用途の携帯端末が、家の中に設置された近距離無線通信網の電波を受信可能であることをもって、冷蔵庫10の近くにいると判断するようにしてもよい。あるいは、携帯端末が通信で利用する最寄りの基地局の位置情報などにより、その所有者であるユーザの居場所が推定できる場合は、その推定を利用してユーザが冷蔵庫10の近くにいることを判断するようにしてもよい。もちろん、携帯端末で取得可能な衛星測位システムによる位置情報を利用してもよい。このようにユーザが所有する携帯端末の通信状況を利用して判断する場合は、携帯端末を識別する情報と、携帯端末の所有者が許可ユーザであるか禁止ユーザであるかの情報とを対応付けて、登録しておけば、冷蔵庫10の近くにいると判断されるのは、許可ユーザまたは禁止ユーザの何れであるか、あるいは両方か、を判別することができる。このような情報は、冷蔵庫10において登録してもよいし、冷蔵庫10が情報取得のためにアクセス可能な遠隔システム上の外部機器に登録してもよい。
【0058】
さらに、別の方法により、ユーザが冷蔵庫10の近くにいると判断するようにしてもよい。例えば、冷蔵庫システム1が、ユーザを検出可能なユーザ検出部(不図示)を備えていてもよい。ユーザ検出部は、例えばユーザを撮像可能なカメラである。ユーザ検出部(例えばカメラ)は、例えば冷蔵庫10が設置されている住宅の玄関に設置される。検出されたユーザが許可ユーザであるか禁止ユーザであるかは顔など個人によりことなる特徴に基づき識別すればよい。
【0059】
また、さらに別の方法として、家の中に設置された家電機器の使用状況に基づき、ユーザが冷蔵庫10の近くにいることを判断するようにしてもよい。例えば、許可ユーザまたは禁止ユーザの居室にあるものとして登録しておいたエアコンなど所定の家電機器が稼働していることに基づいて、そのユーザが家の中、すなわち冷蔵庫10の近くにいると判断するようにしてもよい。また、禁止ユーザは使用せず許可ユーザだけが使用するといったような、使用者が限られる家電機器が存在する場合には、その家電機器の使用状況に基づいて、許可ユーザまたは禁止ユーザが冷蔵庫10の近くにいると判断するようにしてもよい。
【0060】
(他の実施例の第2施錠処理:
図12)
次に、他の実施例の第2施錠処理について説明する。
図12は、他の実施例の第2施錠処理のフローチャートである。
図12に示すように、他の実施例の第2施錠処理のS70では、制御部20が、ユーザ検出部(例えばカメラ)によってユーザが検出されたか否かを判断する。例えば、許可ユーザが冷蔵庫10が設置されている住宅に帰宅すると、ユーザ検出部が許可ユーザを検出する。また、禁止ユーザが冷蔵庫10が設置されている住宅に帰宅すると、ユーザ検出部が禁止ユーザを検出する。制御部20は、ユーザが検出された場合は、S70でYESと判断してS72に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0061】
続くS72では、制御部20が、S70で検出されたユーザが禁止ユーザであるか否かを判断する。制御部20は、例えば、予めメモリ24に登録されている禁止ユーザの顔画像とカメラによって撮像されたユーザの顔画像とを照合することによって、禁止ユーザであるか否かを判断する。制御部20は、例えば、公知の顔認識システムに基づいてユーザの顔画像を照合することができる。S70で検出されたユーザが禁止ユーザである場合は、S72で制御部20がYESと判断してS74に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して第2施錠処理を終了する。
【0062】
S72でYESの後のS74では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の施錠を行う。これによって、各扉52が開かないようになる。その後、第2施錠処理を終了する。第2施錠処理では、禁止ユーザが冷蔵庫10から所定の第2距離の範囲内に近づくことによって各扉52の施錠が行われる。第2距離は、冷蔵庫10からユーザ検出部が設置されている位置までの距離である。例えば、第2距離は、冷蔵庫10から冷蔵庫10が設置されている住宅の玄関までの距離である。第2距離は、冷蔵庫10の近距離無線通信部18が近距離無線通信の技術によってIDカード401又は402からIDの情報を取得することができる所定の第1距離よりも冷蔵庫10から遠い距離である。
【0063】
(他の実施例の第2解錠処理:
図13)
次に、他の実施例の第2解錠処理について説明する。
図13は、他の実施例の第2解錠処理のフローチャートである。
図13に示すように、他の実施例の第2解錠処理のS80では、制御部20が、ユーザ検出部(例えばカメラ)によってユーザが検出されたか否かを判断する。ユーザが検出された場合は、S80で制御部20がYESと判断してS82に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0064】
続くS82では、制御部20が、S80で検出されたユーザが許可ユーザであるか否かを判断する。制御部20は、例えば、予めメモリ24に登録されている許可ユーザの顔画像とカメラによって撮像されたユーザの顔画像とを照合することによって、許可ユーザであるか否かを判断する。制御部20は、例えば、公知の顔認識システムに基づいてユーザの顔画像を照合することができる。S80で検出されたユーザが許可ユーザである場合は、S82で制御部20がYESと判断してS84に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して第2解錠処理を終了する。
【0065】
S82でYESの後のS84では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の解錠を行う。これによって、各扉52が開くようになる。その後、第2解錠処理を終了する。第2解錠処理では、許可ユーザが冷蔵庫10から所定の第2距離の範囲内に近づくことによって各扉52の解錠が行われる。
【0066】
以上、他の実施例について説明した。他の実施例では、制御部20が、扉52の解錠が許可されているユーザが冷蔵庫10から所定の第1距離よりも遠い所定の第2距離の範囲内に存在している場合にユーザが冷蔵庫10の近くに存在すると判断する(第2解錠処理:
図13参照)。第2解錠処理(
図13参照)は、第1報知処理(
図7参照)と組み合わされてもよい。この構成によれば、第2解錠処理(
図13参照)と第1報知処理(
図7参照)が組み合わされることによって、許可ユーザが冷蔵庫10から遠い位置に存在しているときに冷蔵庫10の扉52が開かれた場合に、扉52が開かれたことを許可ユーザに知らせることができる。この構成によれば、許可ユーザが冷蔵庫10から第2距離の範囲内に存在している場合に冷蔵庫10の扉52の解錠が行われる(第2解錠処理)。また、第2解錠処理が実行された場合に、制御部20が、第1登録端末装置があるか否かに基づいて、携帯端末装置30に第1報知情報を送信するか否かを判断している(
図7のS54、S55参照)。そのため、第1報知情報を適切な状況で報知することができる。
【0067】
(第3施錠処理:
図14)
他の実施例では、第3施錠処理が実行されてもよい。
図14は、第3施錠処理のフローチャートである。第3施錠処理は、例えば冷蔵庫10の電源がオンになると開始される。
図14に示すように、第3施錠処理のS90では、制御部20が、上記の第1解錠処理(
図4参照)で冷蔵庫10の扉52が解錠されたか否かを判断する。第1解錠処理で扉52が解錠された場合は、S90で制御部20がYESと判断してS92に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断して待機する。
【0068】
続くS92では、制御部20が、冷蔵庫10の複数の扉52のいずれかが開閉されたか否かを判断する。冷蔵庫10の扉52が開閉されると、扉52に取り付けられている開閉検出部15によって扉52が開閉されたことが検出される。いずれかの扉52が開閉された場合は、S92で制御部20がYESと判断してS96に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断してS94に進む。S94では、制御部20が、第1解錠処理で扉52が解錠されてから(上記のS90でYESと判断してから)所定の時間が経過したか否かを判断する。所定の時間は例えば2分である。所定の時間はユーザ設定可能である。例えば、ユーザが冷蔵庫10の表示操作部12を操作することによって所定の時間を設定することができる。S94で所定の時間が経過した場合は、制御部20がYESと判断してS96に進む。そうでない場合は、制御部20がNOと判断してS92に戻る。
【0069】
S96では、制御部20が、施解錠部14による各扉52の施錠を行う。制御部20は、施錠指示(
図3の第1施錠処理のS10参照)がない場合であっても、各扉52の施錠を行う。これによって、各扉52が開かないようになる。その後、リターンに進む。
【0070】
以上、第3施錠処理について説明した。上記の説明から明らかなように、制御部20は、解錠指示を受け付けて扉52の解錠を行う場合であって(S90でYES)、扉52の解錠後に扉52が開閉された場合は(S92でYES)、施解錠部14による扉52の施錠を行う(S96)。この構成によれば、扉52の施錠忘れを抑制することができる。
【0071】
また、制御部20は、扉52の解錠から所定の時間が経過した場合は(S94でYES)、施解錠部14による扉52の施錠を行う(S96)。この構成によれば、扉52の施錠忘れを抑制することができる。所定の時間はユーザ設定可能である。そのため、ユーザの冷蔵庫10の使い方(例えば、扉52が解錠されてからユーザが扉52を開くまでの時間)に応じて扉52を施錠することができる。ユーザの利便性を向上させることができる。
【0072】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0073】
1:冷蔵庫システム、10:冷蔵庫、12:表示操作部、14:施解錠部、15:開閉検出部、16:通信部、17:力検出部、18:近距離無線通信部、20:制御部、22:CPU、24:メモリ、30:携帯端末装置、32:表示操作部、34:通信部、36:制御部、42:近距離無線通信部、44:ICタグ、50:冷蔵庫本体、52:扉、54:前面開口部、100:インターネット、401:IDカード、402:IDカード