(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】切断装置
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20240905BHJP
B26D 1/06 20060101ALI20240905BHJP
B26D 7/08 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B65B69/00 D
B26D1/06 Z
B26D7/08 D
(21)【出願番号】P 2020081296
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀川 嗣人
(72)【発明者】
【氏名】嵜田 慎也
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-182535(JP,A)
【文献】特開2020-023357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
B26D 1/06
B26D 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体の表面上のうち、前記箱体が有する面部の端辺を含む表面上に設けられたテープ部材を切断する切断装置であって、
前記箱体に対して相対的に移動可能な刃部と、
前記刃部と前記箱体との相対的な移動方向において前記刃部との相対的な位置が固定されていることで前記箱体に対して相対的に移動可能、かつ、前記移動方向から見たときに、前記刃部と重なるように位置可能であって、前記テープ部材を介して前記箱体の前記端辺に接して一方向に前記箱体を押圧する押圧部とを備え、
前記移動方向と、前記押圧部による押圧方向とは、互いに直交しており、
前記押圧部は、前記移動方向から見たときに前記刃部と重なるように位置した状態で、前記押圧方向において前記刃部に対する相対的な位置を固定可能であり、
前記刃部が前記箱体に対して前記移動方向に相対的に移動したときに、前記押圧部が前記テープ部材を介して前記箱体の前記端辺に接しつつ、前記箱体の表面上を移動することで、前記刃部は、前記箱体の前記端辺に沿って移動しつつ前記テープ部材を切断可能であ
り、
前記刃部は、刃端縁を有しており、
前記刃端縁は、前記移動方向から見て、前記押圧方向、および、前記移動方向と前記押圧方向との両方に直交する直交方向の、各々に対して傾くように位置する、切断装置。
【請求項2】
前記刃端縁は、前記移動方向から見て前記直交方向に対して15°以上60°以下の範囲で傾いている、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記刃部の少なくとも一部は、前記押圧方向において、前記押圧部から突出するように位置しており、
前記刃端縁は
、直線状
であり
、
前記押圧部は、前記箱体を押圧したときに前記箱体に接触する第1接触部および第2接触部を含み、
前記移動方向から見て、前記第1接触部の、前記押圧方向側に位置する第1端部は、前記刃端縁と交差するように、前記直交方向に沿って延びており、
前記第1端部は、前記押圧方向から見て、前記箱体と重なる第1領域と、前記箱体と重ならない第2領域とを含み、
前記第1領域および前記第2領域は前記直交方向に互いに並んでおり、
前記移動方向から見て、前記第2接触部の前記押圧方向側に位置する第2端部は、前記第1端部と重なるように前記直交方向に沿って延びている、請求項1
または請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記直交方向から見て、前記刃端縁は、前記第1端部と前記第2端部との間に位置している、請求項
3に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切断装置を開示した文献として、特開2016-055874号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、切断装置として、段ボール箱開梱装置が記載されている。当該段ボール箱開梱装置は、載置台と、第1切断部と、第2切断部とを備えている。載置台には、段ボール箱が載置される。第1切断部は、載置台に対して位置固定で設けられている。第1切断部は、第1テープを切断する。第1テープは、段ボール箱の側部とフラップとを接合させている。当該段ボール箱開梱装置は、載置台上で段ボール箱が段ボール箱開梱装置の手前側から奥方向に移動させられたときに第1切断部により第1テープが切断されるようになっている。第2切断部は、載置台に対して移動自在に設けられている。第2切断部は、第2テープを切断する。第2テープは、段ボール箱のフラップ同士を接合させている。当該段ボール箱開梱装置は、第2切断部が左右方向に移動することにより載置台に載置された段ボール箱の第2テープが切断されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の切断装置においては、段ボール箱または切断部が水平方向に直線的に移動することで、段ボール箱のテープ部材が切断部によって切断される。一方、段ボール箱などの箱体は、外力により、天面などの面部が箱体の内側に向かって押しつぶされている状態となっている場合がある。このような状態の箱体は、箱体の外側から見て、面部または端辺などが凹状に湾曲している。さらに、テープ部材が、これらの湾曲している上記箇所に貼り付けられている場合には、テープ部材も、箱体の外側から見て、凹状に湾曲している。このため、押しつぶされる前の状態の箱体に対して位置決めされた切断部を水平方向に移動させても、湾曲しているテープ部材の一部が切断されない場合がある。さらに、テープ部材が、箱体の天面などの面部の縁に位置する端辺に貼り付けられている場合に、たとえば、面部の中央が端辺に対して箱体の内部側に凹んでいると、この端辺に設けられたテープ部材を切断装置にて切断することはさらに困難となる。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、箱体において、テープ部材が貼られている端辺またはその周辺の面部が変形している場合であっても、端辺に貼られたテープ部材の切断不良の発生を抑制できる、切断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく切断装置は、箱体の表面上のうち、箱体が有する面部の端辺を含む表面上に設けられたテープ部材を切断する。当該切断装置は、刃部と、押圧部とを備えている。刃部は、箱体に対して相対的に移動可能である。押圧部は、刃部と箱体との相対的な移動方向において刃部との相対的な位置が固定されていることで、箱体に対して相対的に移動可能である。押圧部は、移動方向から見たときに、刃部と重なるように位置可能である。押圧部は、テープ部材を介して箱体の端辺に接して一方向に箱体を押圧する。移動方向と、押圧部による押圧方向とは、互いに直交している。押圧部は、移動方向から見たときに刃部と重なるように位置した状態で、押圧方向において刃部に対する相対的な位置を固定可能である。刃部が箱体に対して移動方向に相対的に移動したときに、押圧部がテープ部材を介して箱体の端辺に接しつつ、箱体の表面上を移動することで、刃部は、箱体の端辺に沿って移動しつつテープ部材を切断可能である。
【0007】
本発明の一形態においては、刃部の少なくとも一部は、押圧方向において、押圧部から突出するように位置している。刃部は、少なくとも直線状の刃端縁を有している。刃端縁は、移動方向から見て、押圧方向、および、移動方向と押圧方向との両方に直交する直交方向の、各々に対して傾くように位置している。押圧部は、第1接触部および第2接触部を含んでいる。第1接触部および第2接触部の各々は、押圧部が箱体を押圧したときに箱体に接触する。移動方向から見て、第1接触部の、押圧方向側に位置する第1端部は、刃端縁と交差するように、直交方向に沿って延びている。第1端部は、押圧方向から見て、箱体と重なる第1領域と、箱体と重ならない第2領域とを含んでいる。第1領域および第2領域は直交方向に互いに並んでいる。移動方向から見て、第2接触部の押圧方向側に位置する第2端部は、第1端部と重なるように直交方向に沿って延びている。
【0008】
本発明の一形態においては、直交方向から見て、刃端縁は、第1端部と第2端部との間に位置している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、箱体において、テープ部材が貼られている端辺またはその周辺の面部が変形している場合であっても、端辺に貼られたテープ部材の切断不良の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体を準備した状態を示す概略平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体が第1切断エリアに位置している状態を示す概略平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体が第2切断エリアに位置している状態を示す概略平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体が払出エリアに位置している状態を示す概略平面図である。
【
図5】
図3に示した切断装置の一部と箱体の一部とを矢印V方向から示す図である。
【
図6】
図5に示した切断装置の一部と箱体との一部とを、矢印VI方向から示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る切断装置の第2切断エリアにおいて、テープ部材を切断中の状態における切断装置の一部と箱体の一部とを示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る切断装置の第2切断エリアにおいて、テープ部材を切断する前の第1準備状態における切断装置の一部と箱体の一部とを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る切断装置の第2切断エリアにおいて、テープ部材を切断する前の第2準備状態における切断装置の一部と箱体の一部とを示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態形態に係る切断装置の一部と、天面が凹んでいる状態の箱体の一部とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る切断装置について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体を準備した状態を示す概略平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る切断装置1は、箱体100の表面上のうち、箱体100が有する面部(本実施形態においては天面101)の端辺140を含む表面上に設けられたテープ部材110を切断する。本実施形態において、箱体100は具体的には段ボール箱であるが、プラスチックなど他の部材で構成された容器であってもよい。
【0013】
まず、本実施形態に係る切断装置1によってテープ部材110を切断可能な箱体100について説明する。
図1に示すように、当該箱体100の表面上には、複数のテープ部材110と、中央テープ部材111とが設けられている。
【0014】
複数のテープ部材110として、2つのテープ部材110の各々は、箱体100の天面101に設けられた一対のフラップ120の各々と、箱体100の一対の側部130の各々とが互いに接続されるように設けられている。一対の側部130は、天面101側から見て、一対のフラップ120が互いに対向する方向に対して直交方向において、互いに対向している。2つのテープ部材110の各々は、一対のフラップ120の両方と、一対の側部130の各々とにわたって設けられている。
【0015】
中央テープ部材111は、箱体100の天面101に設けられた一対のフラップ120が互いに接続されるように設けられている。天面101側から見て、2つのテープ部材110の各々は、中央テープ部材111の延在方向に対する直交方向に沿うように延在している。
【0016】
本実施形態においては、箱体100の表面上には、複数のテープ部材110として、4つのテープ部材110が設けられていてもよい。複数のテープ部材110のうち、上記2つのテープ部材110とは異なる、他の2つのテープ部材110は、箱体100の底面側において、天面101側の2つのテープ部材110と上下方向において対称的に設けられる。
【0017】
次に、本実施形態に係る切断装置1の概略について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る切断装置1は、準備エリアRと、第1切断エリアCAと、第2切断エリアCBと、払出エリアPとを備えている。
【0018】
切断装置1は、準備エリアRに位置する箱体100を、第1切断エリアCAへ自動的に移送可能に構成されている。第1切断エリアCAにおいては、中央テープ部材111が切断される。切断装置1は、第1切断エリアCAに位置する箱体100を、第2切断エリアCBへ自動的に移送可能に構成されている。第2切断エリアCBにおいては、複数のテープ部材110が切断される。切断装置1は、第2切断エリアCBに位置する箱体100を、払出エリアPに移送可能に構成されている。本実施形態において、各エリア間における箱体100の移送は駆動ローラコンベヤ2によって実施されるが、箱体100の移送については、他の種類の駆動コンベヤなど略水平方向に箱体100を移送可能な装置を用いて実施してもよい。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体が第1切断エリアに位置している状態を示す概略平面図である。
図1および
図2に示すように、箱体100は、中央テープ部材111の延在方向に沿って準備エリアRから第1切断エリアCAに移送される。第1切断エリアCAで固定された箱体100は、中央テープ部材111が、中央テープ部材111の延在方向に沿って切断される。
【0020】
図3は、本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体が第2切断エリアに位置している状態を示す概略平面図である。
図2および
図3に示すように、第1切断エリアCAにおいて中央テープ部材111が切断された箱体100は、中央テープ部材111の延在方向に沿って第1切断エリアCAから第2切断エリアCBに移送される。
【0021】
本実施形態に係る切断装置1は、第2切断エリアCBにおいて、箱体100の移送方向の下流側に位置するストッパ3と、一対のガイド部4とを備えている。ストッパ3は、上記の移送方向に対して開閉可能に構成されている。第2切断エリアCBに移送された箱体100は、移送方向において閉状態のストッパ3と接することで静止する。一対のガイド部4は、移送方向に対して互いに対向するように位置している。一対のガイド部4は、ストッパ3によって静止した状態の箱体100を挟み込む。これにより、箱体100が第2切断エリアCBにおいて固定される。第2切断エリアCBで固定された箱体100は、複数のテープ部材110が、複数のテープ部材110の各々の延在方向に沿って切断される。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態に係る切断装置において、箱体が払出エリアに位置している状態を示す概略平面図である。
図3および
図4に示すように、第2切断エリアCBにおいて中央テープ部材111が切断された箱体100は、一対のガイド部4による固定が解除され、ストッパ3が閉状態から開状態となることで、テープ部材110の延在方向に直交する方向に沿って払出エリアPに移送される。
【0023】
払出エリアPに位置する箱体100は、複数のテープ部材110および中央テープ部材111の各々が切断されているため、開梱可能な状態となっている。
【0024】
なお、本実施形態に係る切断装置1は、移送方向が常に中央テープ部材111の延在方向、すなわち、テープ部材110の延在方向に直交する方向に沿っているが、各エリア間の移送方向は特に限定されない。また、本実施形態においては、準備エリアR、第1切断エリアCA、第2切断エリアCB、および、払出エリアPの順に箱体が移送されるが、第1切断エリアCAおよび第2切断エリアCBは移送順序が上記と逆であってもよい。
【0025】
また、本実施形態において、第1切断エリアCAおよび第2切断エリアCBにおいて箱体100は駆動ローラコンベヤ2上に載置されているが、箱体100が載置される部材は特に限定されない。第1切断エリアCAおよび第2切断エリアCBにおいては、箱体100を載置可能な載置面を有する載置部材上に箱体100が載置されていればよい。
【0026】
次に、切断装置1の第2切断エリアCBにおける切断機構について説明する。
図5は、
図3に示した切断装置の一部と箱体の一部とを矢印V方向から示す図である。
図6は、
図5に示した切断装置の一部と箱体との一部とを、矢印VI方向から示す図である。
【0027】
図5および
図6に示すように、本発明の一実施形態に係る切断装置1は、刃部10と、押圧部30とを備えている。
【0028】
図7は、本発明の一実施形態に係る切断装置の第2切断エリアにおいて、テープ部材を切断中の状態における切断装置の一部と箱体の一部とを示す図である。
図6および
図7に示すように、刃部10は、箱体100に対して相対的に移動可能である。本実施形態において、刃部10は、固定された箱体100に対して移動可能に構成されているが、刃部10が固定された状態で、箱体100が刃部10に対して移送可能に構成されていてもよい。
【0029】
図6に示すように、刃部10は、少なくとも直線状の刃端縁11を有している。刃部10が箱体100に対して相対的に移動しつつ、刃端縁11が箱体100のテープ部材110に接触することで、テープ部材110が切断される。より具体的には、
図5から
図7に示すように、箱体100の天面101側のフラップ120と側部130とが互いに接続されることで形成された端辺140に、刃端縁11が接触することで、端辺140に位置するテープ部材110が切断される。すなわち、
図5に示すように、切断装置1は、第2切断エリアCBに箱体100が位置する状態において、刃部10の箱体100の相対的な移動方向Mから見たときに、刃部10の少なくとも一部が箱体100の上記端辺140と重なるように位置可能に構成されている。このように位置可能となるための切断装置1の具体的な構成については後述する。
【0030】
本実施形態において、刃部10は小刀であるが、刃部10は、超音波カッターでもよいし、熱カッターでもよい。また、刃端縁11は曲線状であってもよい。
【0031】
図5に示すように、押圧部30は、刃部10と箱体100との相対的な移動方向Mにおいて刃部10との相対的な位置が固定されていることで、箱体100に対して相対的に移動可能である。押圧部30は、移動方向Mから見たときに、刃部10と重なるように位置可能である。切断装置1において、移動方向Mから見たときに、このように押圧部30と刃部10とを互いに重ならせるための具体的な構成および方法については後述する。
【0032】
押圧部30は、第1接触部20を含んでいる。第1接触部20は、第1中心軸21と、第1ローラ部22とを有している。第1ローラ部22は、第1中心軸21を中心として回動可能に設けられている。なお、本実施形態においては、第1接触部20は、箱体100の表面と摺接可能に構成されていてもよく、たとえばプレート等の、転動しない部材で構成されていてもよい。
【0033】
押圧部30は、テープ部材110を介して箱体100の端辺140に接して一方向に箱体100を押圧する。このとき、この押圧部30は、他の部材などによっての外部から、箱体100に向かって付勢されている。また、刃部10と箱体100との相対的な移動方向Mと、押圧部30による押圧方向Tとは、互いに直交している。第1接触部20は、押圧部30が箱体100を押圧したときに箱体100に接触する。
【0034】
押圧部30においては、具体的には、第1中心軸21が、箱体100とは反対側から箱体100に向かって一方向に力を加えられ続ける。これにより、第1中心軸21に設けられた第1ローラ部22が、上記一方向(押圧方向T)に箱体100に押しつけられる。第1中心軸21の軸方向は、移動方向Mおよび押圧方向Tの各々に直交する直交方向Aに沿って延びている。
【0035】
押圧部30の具体的な構成についてさらに詳細に説明する。押圧部30は、支持部31と、伸縮部32と、第1保持部33とをさらに含んでいる。
【0036】
支持部31は、移動方向Mに摺動可能な、後述する摺動部80に接続されている。支持部31は、押圧部30の押圧方向Tにおいて、第1接触部20から見て箱体100とは反対側に位置している。
【0037】
支持部31は、押圧方向Tにおいて、箱体100に向かって付勢されている。支持部31は、本実施形態においては、摺動部80を介して、後述する本体部90によって付勢されているが、支持部31は、摺動部80および本体部90によらず、他の部材によって押圧方向Tに付勢されてもよい。
【0038】
伸縮部32は、支持部31に接続されている。伸縮部32は、押圧方向Tにおいて、支持部31から押圧部に向かって延びている。伸縮部32は、押圧方向Tにおいて伸縮可能であり、かつ、押圧方向Tにおける寸法を固定可能に構成されている。伸縮部32は、具体的にはダンパーで構成されている。
【0039】
第1保持部33は、押圧方向Tにおける、伸縮部32の第1接触部20側の端部から第1接触部20までの距離が一定になるように、伸縮部32の第1接触部20側の端部に接続され、かつ、第1接触部20を保持している。第1保持部33は、押圧方向Tに向かって延びる第1延出部34を有している。第1接触部20は、第1延出部34に接続されている。具体的には、第1中心軸21が、第1延出部34に接続されている。第1ローラ部22は、直交方向Aにおいて、第1延出部34から見て刃部10側に配置されるように、第1中心軸21に設けられている。
【0040】
支持部31と刃部10とは、後述する付勢部60と第2保持部70とを介して互いに接続されている。これにより、支持部31と刃部10とは、押圧方向Tにおける相対的な位置を固定可能である。支持部31と刃部10との接続方法については後述する。そして、伸縮部32の押圧方向Tの寸法を固定することで、
図5に示すように、押圧部30は、移動方向Mから見たときに刃部10と重なるように位置した状態で、押圧方向Tにおいて刃部10に対する相対的な位置を固定可能である。
【0041】
図5に示すように、移動方向Mから見たときに刃部10が押圧部30(具体的には第1接触部20)と重なるように位置した状態において、刃部10の少なくとも一部は、押圧方向Tにおいて、押圧部30(具体的には第1接触部20)から突出するように位置している。
【0042】
移動方向Mから見て、第1接触部20の、押圧方向T側に位置する第1端部23は、刃端縁11と交差するように、直交方向Aに沿って延びている。第1端部23は、具体的には、押圧方向Tにおいて、第1ローラ部22の押圧部30側とは反対側に位置している。
【0043】
図5に示すように、移動方向Mから見たときに刃部10が第1接触部20と重なるように位置した状態において、第1端部23は、押圧方向Tから見て、箱体100と重なる第1領域23Aと、箱体100と重ならない第2領域23Bとを含んでいる。第1領域23Aおよび第2領域23Bは直交方向Aに互いに並んでいる。本実施形態に係る切断装置1においては、移動方向Mから見たときに、刃部10が第1接触部20と重なるように位置した状態において、第1領域23Aと第2領域23Bとの境界に、刃端縁11が位置するように構成されている。このように刃端縁11を位置させる構成および方法については後述する。本実施形態においては、第1領域23Aは、箱体100の天面101と接している。
【0044】
図7に示すように、押圧部30は、第2接触部40をさらに含んでいる。第2接触部40は、第1接触部20と同様に、押圧部30が箱体100を押圧したときに箱体100に接触する。第2接触部40は、切断装置1がテープ部材110を切断している状態において、第1接触部20と同様に、押圧部30が箱体100を押圧したときに箱体100に接触する。
【0045】
第2接触部40は、第2中心軸41と、第2ローラ部42とを有している。第2ローラ部42は、第2中心軸41を中心として回動可能に設けられている。なお、本実施形態においては、第2接触部40は、箱体100の表面と摺接可能に構成されていてもよく、たとえばプレート等の、転動しない部材で構成されていてもよい。押圧部30においては、第2中心軸41が、箱体100とは反対側から箱体100に向かって一方向に力を加えられ続ける。これにより、第2中心軸41に設けられた第2ローラ部42が、上記一方向に箱体100に押しつけられる。
【0046】
第1保持部33は、押圧方向Tにおける、伸縮部32の第2接触部40側の端部から第2接触部40までの距離が一定になるように、伸縮部32の第2接触部40側の端部に接続され、かつ、第2接触部40を保持している。第2接触部40は、第1延出部34に接続されている。具体的には、第2中心軸41が、第1延出部34に接続されている。第2ローラ部42は、第1ローラ部22と同様に、直交方向Aにおいて、第1延出部34から見て刃部10側に配置されるように、第2中心軸41に設けられている。このようにして、
図5に示すように、移動方向Mから見て、第2接触部40の押圧方向T側に位置する第2端部43は、第1端部23と重なるように直交方向Aに沿って延びている。直交方向Aから見て、刃端縁11は、第1端部23と第2端部43との間に位置している。
【0047】
図5から
図7に示すように、切断装置1は、第3接触部50と、付勢部60とをさらに備えている。
図5に示すように、第3接触部50は、刃部10に対する相対的な位置を固定可能に構成されている。第3接触部50は、第3中心軸51と、第3ローラ部52とを含んでいる。第3ローラ部52は、第3中心軸51を中心として回動可能に設けられている。なお、本実施形態においては、後述するように、第3接触部50は、第3ローラ部52が箱体100の表面上、具体的には側部130上で転動可能に構成されているが、第3接触部50は、箱体100の表面と摺接可能に構成されていてもよく、たとえばプレートなどの、転動しない部材で構成されていてもよい。
【0048】
図5に示すように、第3接触部50の付勢部60側とは反対側の端部である第3端部53は、押圧方向Tから見て、第1領域23Aと第2領域23Bとの境界に重なるように位置可能に構成されてもよい。
【0049】
付勢部60は、第3接触部50を、第3接触部50の一方側から一方向に付勢する。具体的には、第3中心軸51が、付勢部60によって直交方向Aに沿って付勢されている。これにより、付勢部60は、上記直交方向Aに沿う方向に刃部10を付勢する。
【0050】
本実施形態において、付勢部60は、圧縮コイルばねを用いたダンパーで構成されているが、付勢部60は、上記直交方向Aに沿って第3中心軸51を付勢可能なものであれば特に限定されない。
【0051】
付勢部60は、刃部10側とは反対側において、支持部31に接続されている。具体的には、支持部31が押圧方向Tに沿って延びる第2延出部35を有しており、付勢部60は、第2延出部35に接続されている。第2延出部35は、直交方向Aにおいて、付勢部60の刃部10側とは反対側において付勢部60と接続されている。
【0052】
図5に示すように、本実施形態に係る切断装置1は、第2保持部70をさらに備えている。第2保持部70は、刃部10および第3接触部50を保持しており、具体的には、第2保持部70は、第3接触部50の第3中心軸51を保持している。
【0053】
図5に示すように、本実施形態において、第2保持部70は、主壁部71と、副壁部72と、梁部73とを含んでいる。主壁部71は、直交方向Aに沿って延びている。主壁部71は、刃部10を直接保持している。第2保持部70(主壁部71)においては、刃部10の保持位置が固定可能に構成されている。副壁部72は、押圧方向に延びており、主壁部71と副壁部72とを互いに接続している。梁部73は、第3接触部50側とが反対側において付勢部60と互いに直接接続されている。
【0054】
図5に示すように、刃端縁11は、移動方向Mから見て、押圧方向T、および、移動方向Mと押圧方向Tとの両方に直交する直交方向Aの、各々に対して傾くように位置している。具体的には、第2保持部70の主壁部71が、移動方向Mから見て直交方向Aに対して15°以上60°以下の範囲で傾くように延びている。このため、刃端縁11も、移動方向Mから見て直交方向Aに対して15°以上60°以下の範囲で傾くように位置している。刃端縁11が、移動方向Mから見て直交方向Aに対して15°以上傾いていれば、仮に刃部10を人が手動で動かしたときの刃部10と箱体100との接触角度を擬似的に再現でき、スムーズにテープ部材110を切断できる。また、刃端縁11が、移動方向Mから見て直交方向Aに対して60°以下で傾いていれば、箱体100との接触による刃端縁11の刃こぼれの発生を抑制できる。
【0055】
また、
図6に示すように、刃端縁11は、直交方向Aから見て、押圧方向Tおよび移動方向Mの各々に対して傾くように位置している。具体的には、刃端縁11が、直交方向Aから見て移動方向Mに対して15°以上60°以下の範囲で傾くように位置している。刃端縁11が、直交方向Aから見て移動方向Mに対して15°以上傾いていれば、仮に刃部10を人が手動で動かした場合の刃部10と箱体100との接触角度を擬似的に再現でき、スムーズにテープ部材110を切断できる。また、刃端縁11が、直交方向Aから見て移動方向Mに対して60°以下で傾いていれば、箱体100と接触した場合の刃端縁11の刃こぼれの発生を抑制できる。
【0056】
図5に示すように、本実施形態に係る切断装置1は、摺動部80および本体部90をさらに備える。摺動部80は、押圧部30に接続されている。具体的には、摺動部80は、支持部31に接続されている。摺動部80は、本体部90に対して摺動可能に設けられている。摺動部80は、本体部90に対して、刃部10の箱体100に対する相対的な移動方向Mに平行に摺動する。すなわち、刃部10は、摺動部80が本体部90に対して摺動することで、押圧部30、付勢部60および第2保持部70を介して、箱体100に対して相対的に移動可能となる。
【0057】
本体部90は、直交方向Aの両側に移動可能に構成されている。また、本体部90は、押圧方向Tにおいて、箱体100に向かって、摺動部80に接続された押圧部30を摺動可能に構成されている。
【0058】
以下、切断装置1において、
図5のように移動方向Mから見て押圧部30(第1接触部20)と刃部10とを互いに重ならせる方法について説明する。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態に係る切断装置の第2切断エリアにおいて、テープ部材を切断する前の第1準備状態における切断装置の一部と箱体の一部とを示す図である。
図8に示すように、本発明の一実施形態に係る切断装置1の第1準備状態においては、押圧方向Tにおいて第1接触部20および第2接触部40が箱体100から離間しており、かつ、伸縮部32は、押圧方向Tにおいて寸法が縮小可能な状態となっている。また、付勢部60は、第2保持部70を介して、刃部10および第3接触部50を直交方向Aに付勢する前の状態である。当該状態において、刃部10は、移動方向Mから見て、第1接触部と刃部10とは互いに重なるように位置していない。
【0060】
図9は、本発明の一実施形態に係る切断装置の第2切断エリアにおいて、テープ部材を切断する前の第2準備状態における切断装置の一部と箱体の一部とを示す図である。
図8および
図9に示すように、切断装置1の第1準備状態から、本体部90が押圧方向Tのうち箱体100側に変位することで、摺動部80を介して、押圧部30(具体的には第1接触部20)が箱体100に接触する。押圧部30(第1接触部20)が箱体100に接触したのち、引き続き、本体部90は、摺動部80を介して支持部31を押圧方向Tにおいて箱体100に向かって付勢する。これにより、支持部31に接続され、かつ、箱体100によって位置決めされた第1接触部20を保持する第1保持部33に接続された伸縮部32が押圧方向Tにおいて縮小し、押圧方向Tにおける伸縮部32の寸法が小さくなる。そして、
図9に示すように、移動方向Mから見て、第1接触部20の第1端部23から直交方向Aに延びる仮想延長線と、第3接触部50の第3端部53から押圧方向Tに延びる仮想延長線とが、互いに刃端縁11上で交差したときに、伸縮部32の押圧方向Tにおける寸法を固定する。これにより、切断装置1は、テープ部材110を切断する前の第2準備状態となる。ここで、切断装置1が上記第2準備状態となるときに、第1端部23が、押圧方向Tから見て、箱体100と重なる第1領域23Aと、箱体100と重ならない第2領域23Bとを含むように、直交方向Aにおける箱体100と切断装置1との相対的な位置が固定されている。
【0061】
そして、
図9および
図5に示すように、切断装置1の第2準備状態において、付勢部60によって、第2保持部70を介して刃部10および第3接触部50を直交方向Aにおいて箱体100側に向かって付勢する。これにより、
図5に示すように、第3接触部50の第3端部53が、箱体100の側部130と接触する状態となる。さらには、移動方向Mから見て、刃部10の刃端縁11が、第1領域23Aと第2領域23Bとの境界に重なるように位置する状態となる。すなわち、移動方向Mから見て、刃部10の刃端縁11が、第1領域23Aと第2領域23Bとの境界に重なるような状態となる。このようにして、移動方向Mから見て押圧部30(具体的には第1接触部20)と刃部10とが互いに重なる状態となり、切断装置1は、箱体100のテープ部材110を切断開始可能な状態となる。本実施形態における切断開始可能な状態においては、少なくとも上記のように押圧部30(第1接触部20)および第3接触部50が箱体100に接触していればよく、刃部10は箱体100に未だ接触していなくてもよい。なお、
図6に示すように、切断装置1が箱体100のテープ部材110を切断開始可能な状態においては、第2接触部40は箱体100に重なっていない。また、第1準備状態および第2準備状態においても第2接触部40は、押圧方向Tから見て箱体100と重なるように位置していない。
【0062】
そして
図5から
図7に示すように、本実施形態においては、第2切断エリアCBにおいて、刃部10が箱体100に対して移動方向Mに相対的に移動したときに、押圧部30(第1接触部20および第2接触部40)がテープ部材110を介して箱体100の端辺140に接しつつ、箱体100の表面上を移動することで、刃部10は、箱体100の端辺140に沿って移動しつつテープ部材110を切断可能である。
【0063】
第2切断エリアCBにおける、上記の切断機構についてより具体的に説明する。まず、
図6に示すように、直交方向Aから見て、刃部10の刃端縁11が、箱体100の天面101に位置するフラップ120および側部130とがテープ部材110によって接続されることで形成された端辺140の端部に接触する。
【0064】
そして、
図6および
図7に示すように、
図6に示した状態から刃部10が箱体100に対して移動方向Mに相対的に移動したときに、押圧部30の第1接触部20および第2接触部40が箱体100の天面101に接しつつ(具体的には、第1接触部20の第1端部23の第1領域23A、および、第2接触部40の第2端部43における上記領域に相当する領域の少なくとも一部が、天面101を押圧しつつ)、押圧部30(第1接触部20および第2接触部40)が移動方向Mに相対的に移動する。そして、押圧部30は、押圧方向Tにおいて刃部10に対する相対的な位置が固定されているため、
図5に示すように、第1接触部20の第1端部23の第1領域23Aに接触する天面101の押圧方向Tにおける外形形状に沿って、刃部10の刃端縁11が押圧方向Tに変位しつつ、刃部10は、移動方向Mに相対的に移動する。
【0065】
さらに、
図5に示すように、刃部10が箱体100に対して移動方向Mに相対的に移動したときに、第3接触部50が箱体100の側部130に向かって付勢されつつ、第3接触部50が移動方向Mに相対的に移動する。そして、第3接触部50は、直交方向Aにおいて刃部10に対する相対的な位置が固定されているため、
図5に示すように、第3接触部50の第3端部53に沿って刃部10の刃端縁11が直交方向Aに変位しつつ、刃部10は、移動方向Mに相対的に移動する。
【0066】
上記のようにして刃部10は、箱体100の天面101に位置するフラップおよび側部130とがテープ部材110によって接続されることで形成された端辺140においてテープ部材110を切断可能となっている。
【0067】
さらに、本実施形態においては、第1端部の第1領域23Aの少なくとも一部が箱体100に接触しつつ箱体100の表面に沿って移動するため、以下に説明するように、箱体100の天面101のうち端辺140より中央側の部分が、端辺140に対して箱体100の内部側に凹んでいる場合であっても、テープ部材110を良好に切断することができる。
【0068】
図10は、本発明の一実施形態形態に係る切断装置の一部と、天面が凹んでいる状態の箱体の一部とを示す図である。
図10においては、切断装置1を
図5と同様の方向から図示している。
図10に示すように、箱体100の天面101の端辺140より中央側に位置する部分が上記のように端辺140に対して箱体100の内部側に凹んでいる場合であっても、第1端部23は、第1領域23Aのうち第2領域23B側に位置する部分の領域で、少なくとも端辺140に接触する。このため、本実施形態においては、移動方向Mから見て、第1領域23Aと第2領域23Bとの境界に位置する刃端縁11が、少なくとも押圧方向Tにおいて端辺140と重なるため、テープ部材110を良好に切断することができる。
【0069】
なお、
図5から
図10に示すように、本実施形態に係る切断装置1は、追加の刃部10a、追加の第1接触部20a、追加の押圧部30a、追加の第2接触部40a、追加の第3接触部50a、追加の付勢部60a、追加の第2保持部70a、追加の摺動部80aおよび追加の本体部90aをさらに備えている。追加の刃部10a、追加の第1接触部20a、追加の押圧部30a、追加の第2接触部40a、追加の第3接触部50a、追加の付勢部60a、追加の第2保持部70a、追加の摺動部80aおよび追加の本体部90aは、それぞれ、刃部10、第1接触部20、押圧部30、第2接触部40、第3接触部50、付勢部60、第2保持部70、摺動部80および本体部90に対して押圧方向Tにおいて箱体100に関して反対側に位置し、かつ、移動方向Mおよび直交方向の両方に平行に延びる仮想平面に関して対称的に配置されており、当該仮想平面に関して対称的に配置される以外は、刃部10、第1接触部20、押圧部30、第2接触部40、第3接触部50、付勢部60、第2保持部70、摺動部80および本体部90のそれぞれと同様の構成を有する。これにより、本実施形態においては、天面101側の端辺140に位置するテープ部材110を切断するとと同時に、天面101とは反対側に位置する底面側の端辺に位置するテープ部材110も切断することができる。
【0070】
さらに、本実施形態に係る切断装置1は、箱体100の天面101側に位置して互いに平行に位置する一対の端辺140の各々に位置するテープ部材110の両方を切断するため、刃部10として一対の刃部10、第1接触部20として一対の第1接触部20、押圧部30として一対の押圧部30、第2接触部40として一対の第2接触部40、第3接触部50として一対の第3接触部50、付勢部60として一対の付勢部60、第2保持部70として一対の第2保持部70、摺動部80として一対の摺動部80、および、本体部90として一対の本体部90とをさらに備えていてもよい。また、箱体100の底面側に位置して互いに平行に位置する一対の端辺の各々に位置するテープ部材110の両方を切断するため、切断装置1は、追加の刃部10aとして一対の追加の刃部10a、追加の第1接触部20aとして一対の追加の第1接触部20a、追加の押圧部30aとして一対の追加の押圧部30a、追加の第2接触部40aとして一対の追加の第2接触部40a、追加の第3接触部50aとして一対の追加の第3接触部50a、追加の付勢部60aとして一対の追加の付勢部60a、追加の第2保持部70aとして一対の追加の第2保持部70a、追加の摺動部80aとして追加の摺動部80aおよび追加の本体部90aとして一対の追加の本体部90aをさらに備えていてもよい。なお、これらの一対の部材の他方については図示していない。
【0071】
上記のように、本発明の一実施形態に係る切断装置1は、箱体100の表面上のうち、箱体100が有する面部の端辺140を含む表面上に設けられたテープ部材110を切断する。当該切断装置1は、刃部10と、押圧部30とを備えている。刃部10は、箱体100に対して相対的に移動可能である。押圧部30は、刃部10と箱体100との相対的な移動方向Mにおいて刃部10との相対的な位置が固定されていることで、箱体100に対して相対的に移動可能である。押圧部30は、移動方向Mから見たときに、刃部10と重なるように位置可能である。押圧部30は、テープ部材110を介して箱体100の端辺140に接して一方向に箱体100を押圧する。移動方向Mと、押圧部30による押圧方向Tとは、互いに直交している。押圧部30は、移動方向Mから見たときに刃部10と重なるように位置した状態で、押圧方向Tにおいて刃部10に対する相対的な位置を固定可能である。刃部10が箱体100に対して移動方向Mに相対的に移動したときに、押圧部30がテープ部材110を介して箱体100の端辺140に接しつつ、箱体100の表面上を移動することで、刃部10は、箱体100の端辺140に沿って移動しつつテープ部材110を切断可能である。
【0072】
これにより、箱体100において、テープ部材110が貼られている端辺140またはその周辺の面部(本実施形態においては天面101)が変形している場合であっても、テープ部材110の切断不良の発生を抑制できる。
【0073】
本発明の一実施形態においては、刃部10の少なくとも一部は、押圧方向Tにおいて、押圧部30から突出するように位置している。刃部10は、少なくとも直線状の刃端縁11を有している。刃端縁11は、移動方向Mから見て、押圧方向T、および、移動方向Mと押圧方向Tとの両方に直交する直交方向Aの、各々に対して傾くように位置している。押圧部30は、第1接触部20および第2接触部40を含んでいる。第1接触部20および第2接触部40の各々は、押圧部30が箱体100を押圧したときに箱体100に接触する。移動方向Mから見て、第1接触部20の、押圧方向T側に位置する第1端部23は、刃端縁11と交差するように、直交方向Aに沿って延びている。第1端部23は、押圧方向Tから見て、箱体100と重なる第1領域23Aと、箱体100と重ならない第2領域23Bとを含んでいる。第1領域23Aおよび第2領域23Bは直交方向Aに互いに並んでいる。移動方向Mから見て、第2接触部40の押圧方向T側に位置する第2端部43は、第1端部23と重なるように直交方向Aに沿って延びている。これにより、刃部10が箱体100に対して相対的に移動する際に、第1接触部20および第2接触部40の各々の箱体100との接点、すなわち2箇所の接点により刃部10の押圧方向Tにおける位置が決まるため、テープ切断中の押圧方向Tにおける刃部10の位置が安定し、テープ部材110の切断不良の発生をより抑制できる。
【0074】
本発明の一実施形態においては、直交方向Aから見て、刃端縁11は、第1端部23と第2端部43との間に位置している。これにより、第1接触部20および第2接触部40の各々が箱体100と接したときに、刃部10と箱体100との接触位置が、押圧方向Tにおいて、第1接触部20の第1端部23および第2接触部40の第2端部43との略平均値となるため、より正確に刃部10が端辺140のテープ部材110に接触する。これにより、テープ部材110の切断不良の発生をより抑制できる。
【0075】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 切断装置、2 駆動ローラコンベヤ、3 ストッパ、4 ガイド部、10,10a 刃部、11 刃端縁、20,20a 第1接触部、21 第1中心軸、22 第1ローラ部、23 第1端部、23A 第1領域、23B 第2領域、30,30a 押圧部、31 支持部、32 伸縮部、33 第1保持部、34 第1延出部、35 第2延出部、40,40a 第2接触部、41 第2中心軸、42 第2ローラ部、43 第2端部、50,50a 第3接触部、51 第3中心軸、52 第3ローラ部、53 第3端部、60,60a 付勢部、70,70a 第2保持部、71 主壁部、72 副壁部、73 梁部、80,80a 摺動部、90,90a 本体部、100 箱体、101 天面、110 テープ部材、111 中央テープ部材、120 フラップ、130 側部、140 端辺。