(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】積層電極、電極付き歪抵抗膜および圧力センサ
(51)【国際特許分類】
H01C 10/10 20060101AFI20240905BHJP
G01L 9/04 20060101ALI20240905BHJP
H01C 7/00 20060101ALI20240905BHJP
H01C 1/142 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01C10/10 Z
G01L9/04
H01C7/00 210
H01C1/142
(21)【出願番号】P 2020116622
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
(72)【発明者】
【氏名】南風盛 将光
(72)【発明者】
【氏名】海野 健
(72)【発明者】
【氏名】笹原 哲也
(72)【発明者】
【氏名】縄岡 孝平
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-091848(JP,A)
【文献】国際公開第2020/004567(WO,A1)
【文献】特開2017-050397(JP,A)
【文献】特開2017-139319(JP,A)
【文献】特開2019-220505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 10/10
G01L 9/04
H01C 7/00
H01C 1/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歪抵抗膜の上に設けられる積層電極であって、
前記歪抵抗膜は、CrとAlとを含み、
前記積層電極は、前記歪抵抗膜の上に重なるコンタクト層と、前記コンタクト層の上に重なる拡散防止層と、前記拡散防止層の上に重なる実装層と、を有し、
前記コンタクト層は、Ti、Ni、Moのうち少なくともいずれか1つを含み、
前記拡散防止層は、
白金族元素からなる積層電極。
【請求項2】
前記歪抵抗膜は、50~99at%のCrと、1~50at%のAlとを含むことを特徴とする請求項1に記載の積層電極。
【請求項3】
前記コンタクト層は、Tiを含むことを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の積層電極。
【請求項4】
前記実装層は、Auを含むことを特徴とする請求項1から
請求項3までのいずれかに記載の積層電極。
【請求項5】
請求項1から
請求項4までのいずれかに記載の積層電極と、
前記歪抵抗膜と、を有する電極付き歪抵抗膜。
【請求項6】
前記請求項1から
請求項4までのいずれかに記載の積層電極と、
前記歪抵抗膜と、
前記歪抵抗膜が設けられるメンブレンと、を有する圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歪抵抗膜の上に設けられる積層電極、電極付き歪抵抗膜およびこれらを有する圧力センサ等に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサなどのデバイスに用いられる歪抵抗膜として、CrとAlとを含むものが提案されている。このような歪抵抗膜は、特に高温で優れた特性を有することが報告されている。
【0003】
また、このような歪抵抗膜の上には、外部回路との配線のための電極層が設けられる。このような電極層は、歪抵抗膜と配線材料の双方に対する接合性が良好であることが好ましく、たとえば、複数の層を積層した積層電極が提案されている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明の発明者らは、従来の歪抵抗膜用電極層は、たとえ常温での接合性が良好であったとしても、高温環境に暴露されると、配線との密着力が低下するという課題に遭遇した。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、歪抵抗膜としてCrとAlとを含むものを用いる場合いおいて、高温環境に暴露された後でも、配線に対する良好な密着力を奏する歪抵抗膜用積層電極等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る積層電極は、歪抵抗膜の上に設けられる積層電極であって、
前記歪抵抗膜は、CrとAlとを含み、
前記積層電極は、前記歪抵抗膜の上に重なるコンタクト層と、前記コンタクト層の上に重なる拡散防止層と、前記拡散防止層の上に重なる実装層と、を有し、
前記拡散防止層は、第5または6周期に属する遷移元素を含む。
【0008】
本発明に係る積層電極は、CrとAlとを含む歪抵抗膜の上に形成され、コンタクト層と、拡散防止層と、実装層の少なくとも3層を有する。第5または6周期に属する遷移元素を含む拡散防止層は、コンタクト層および歪抵抗膜に含まれる元素が、実装層へ相互拡散することを防止する。このような拡散防止層を有する積層電極は、相互拡散した元素の実装層界面での反応が抑制されることにより、高温耐性が向上するとともに、高温環境に暴露された後でも配線に対する良好な密着力を奏する。
【0009】
また、たとえば、前記歪抵抗膜は、50~99at%のCrと、1~50at%のAlとを含んでいてもよい。
【0010】
このような歪抵抗膜は、広い温度範囲で安定した高いゲージ率を有するとともに、積層電極の拡散防止層が、歪抵抗膜において含有率の高いCrの実装層への相互拡散を効果的に防止し、良好な密着力を奏する積層電極を実現する。
【0011】
また、たとえば、前記拡散防止層は、白金族元素を含むものであってもよい。
【0012】
拡散防止層が化学的に安定な白金族元素を含むものであることにより、歪抵抗膜および積層電極における各膜間および各層間の相互拡散を効果的に防止できる。また、相互拡散した元素の実装層界面での反応についても、効果的に抑制できる。
【0013】
また、たとえば、前記コンタクト層は、Cr、Ti、Ni、Moのうち少なくともいずれか1つを含むものであってもよい。
また、たとえば、前記コンタクト層は、Tiを含むものであってもよい。
【0014】
このようなコンタクト層に含まれる元素は、他の金属元素と合金を形成しやすいため、膜間および層間の密着強度を確保して膜の剥離不良を防ぐのに効果的である。また、特にTiは、CrとAlとを含む歪抵抗膜に対して比較的拡散しにくい性質を有するとともに、第5または6周期に属する遷移元素を含む拡散防止層により、実装層への相互拡散が効果的に防止される。さらに、Tiは、Auなどを含む実装層へも拡散しづらく、実装層上面への析出を生じにくい。したがって、このようなコンタクト層を有する積層電極は、歪抵抗膜および積層電極における各膜間および各層間の相互拡散を効果的に防止できる。また、このようなコンタクト層を有する積層電極は、高温環境下における歪抵抗膜の特性変化を防止するとともに、高温耐性が向上し、かつ、高温環境に暴露された後でも配線に対する非常に良好な密着力を奏する。
【0015】
また、たとえば、前記実装層は、Auを含むものであってもよい。
【0016】
実装層がAuを含むものであることにより、耐熱性の良好なAu配線に対する実装層の密着性が特に良好となる。したがって、このような実装層を有する積層電極は、高温耐性が向上するとともに、配線に対する良好な密着力を奏する。
【0017】
また、本発明に係る電極付き歪抵抗膜は、上記いずれかに記載の積層電極と、前記歪抵抗膜と、を有する。
また、本発明に係る圧力センサは、上記いずれかに記載の積層電極と、
前記歪抵抗膜と、
前記歪抵抗膜が設けられるメンブレンと、を有する。
【0018】
上記の積層電極は、歪抵抗膜の上に設けられて、電極付き歪抵抗膜として用いられる。また、このような積層電極および歪抵抗膜は、メンブレンなどに設けられて、たとえば、高温環境でも優れた耐性を奏する圧力センサを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す圧力センサに含まれる電極付き歪抵抗膜のパターン配列の一例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、拡散防止層の有無による元素の拡散状態の違いを示すグラフである。
【
図5】
図5は、拡散防止層によりCrの拡散が防止されていることを示す顕微鏡写真である。
【
図6】
図6は、歪抵抗膜の組成変化によるゲージ率の変化を表すグラフである。
【
図7】
図7は、
図1に示す圧力センサに含まれる電極付き歪抵抗膜のパターン配列の他の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る積層電極36(
図2参照)を用いる圧力センサ10の概略断面図である。
図1に示すように、圧力センサ10は、圧力に応じた変形を生じるメンブレン22を有する。メンブレン22は、本実施形態では、中空筒状のステム20の一端に形成してある端壁で構成してある。ステム20の他端は中空部の開放端となっており、ステム20の中空部は、接続部材12の流路12bに連通してある。
【0022】
圧力センサ10では、流路12bに導入される流体が、ステム20の中空部からメンブレン22の内面22aに導かれて、流体圧をメンブレン22に作用するようになっている。ステム20は、たとえばステンレスなどの金属で構成される。
【0023】
ステム20の開放端の周囲には、フランジ部21がステム20の軸芯から外方に突出するように形成してある。フランジ部21は、接続部材12と抑え部材14との間に挟まれ、メンブレン22の内面22aへと至る流路12bが密封されるようになっている。
【0024】
接続部材12は、圧力センサ10を固定するためのねじ溝12aを有する。圧力センサ10は、測定対象となる流体が封入してある圧力室などに対して、ねじ溝12aを介して固定されている。これにより、接続部材12の内部に形成されている流路12bおよびステム20におけるメンブレン22の内面22aは、測定対象となる流体が内部に存在する圧力室に対して、気密に連通する。
【0025】
抑え部材14の上面には、回路基板16が取り付けてある。回路基板16は、ステム20の周囲を囲むリング状の形状を有しているが、回路基板16の形状としてはこれに限定されない。回路基板16には、たとえば、電極付き歪抵抗膜30からの検出信号が伝えられる回路などが内蔵してある。
【0026】
図1に示すように、メンブレン22の外面22bには、電極付き歪抵抗膜30が設けられている。電極付き歪抵抗膜30と回路基板16とは、ワイヤボンディングなどによる中間配線72により接続してある。
【0027】
図2は、
図1に示す圧力センサ10に含まれる電極付き歪抵抗膜30の一部を拡大して表示した模式断面図である。
図2に示すように、電極付き歪抵抗膜30は、歪抵抗膜32と、歪抵抗膜用積層電極(以下、単に「積層電極」とも言う。)36と、を有する。
【0028】
図2に示すように、歪抵抗膜32は、メンブレン22の外面22bに、下地絶縁層52を介して設けられている。
【0029】
下地絶縁層52は、メンブレン22の外面22bのほぼ全体を覆うように形成してあり、たとえばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などで構成される。下地絶縁層52の厚みは、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは1~5μmである。下地絶縁層52は、たとえばCVDなどの蒸着法によりメンブレン22の外面22bに形成することができる。
【0030】
なお、メンブレン22の外面22bが絶縁性を有する場合には、下地絶縁層52は、形成することなく、メンブレン22の外面22bに直接に歪抵抗膜32を成膜してもよい。たとえば、メンブレン22がアルミナなどの絶縁材料からなる場合には、歪抵抗膜32がメンブレン22に直接設けられてもよい。
【0031】
図2に示すように、電極付き歪抵抗膜30において、積層電極36は、歪抵抗膜32の上に設けられる。
図3は、
図1および
図2に示す電極付き歪抵抗膜30を上方から見た模式平面図であり、電極付き歪抵抗膜30のパターン配列を示している。
【0032】
図3に示すように、歪抵抗膜32には、第1抵抗体R1、第2抵抗体R2、第3抵抗体R3および第4抵抗体R4が、所定パターンで形成されている。第1~第4抵抗体R1、R2、R3、R4は、メンブレン22の変形に応じた歪を生じ、メンブレン22の変形に応じて抵抗値が変化する。これらの第1~第4抵抗体R1~R4は、電気配線34によりホイートストーンブリッジ回路を構成するように接続されている。
【0033】
図1に示す圧力センサ10は、
図3に示す第1~第4抵抗体R1~R4によるホイートストーンブリッジ回路の出力から、メンブレン22に作用する流体圧を検出する。すなわち、第1~第4抵抗体R1~R4は、
図1および
図2に示すメンブレン22が、流体圧により変形して歪む位置に設けられており、その歪み量に応じて抵抗値が変化するように構成してある。
【0034】
第1~第4抵抗体R1~R4を有する歪抵抗膜32は、たとえば、所定の材料の導電性の薄膜を、パターニングすることにより作製することができる。歪抵抗膜32は、CrとAlとを含み、好ましくは、50~99at%のCrと、1~50at%のAlとを含み、さらに好ましくは70~90at%のCrと、5~30at%のAlとを含む。歪抵抗膜32がCrとAlとを含むことにより、高温環境下におけるTCR(Temperature coefficient of Resistance、抵抗値温度係数)やTCS(Temperature coefficient of sensitivity、抵抗温度係数)が安定し、精度の高い圧力検出が可能となる。また、CrとAlの含有量を所定の範囲とすることにより、高いゲージ率と良好な温度安定性を、より高いレベルで両立できる。
【0035】
歪抵抗膜32は、CrおよびAl以外の元素を含んでいてもよく、たとえば、歪抵抗膜32は、ОやNを含んでいてもよい。歪抵抗膜32に含まれるOやNは、歪抵抗膜32を成膜する際に反応室から除去しきれずに残留したものが、歪抵抗膜32に取り込まれたものであってもよい。また、歪抵抗膜32に含まれるOやNは、成膜時またはアニール時に雰囲気ガスとして使用されるなどして、意図的に歪抵抗膜32に導入されたものであってもよい。
【0036】
また、歪抵抗膜32は、CrおよびAl以外の金属元素を含んでいてもよい。歪抵抗膜32は、CrおよびAl以外の金属や非金属元素を微量に含み、アニールなどの熱処理が行われることにより、ゲージ率や温度特性が向上する場合がある。歪抵抗膜32に含まれるCrおよびAl以外の金属および非金属元素としては、たとえば、Ti、Nb、Ta、Ni、Zr、Hf、Si、Ge、C、P、Se、Te、Zn、Cu、Bi、Fe、Mo、W、As、Sn、Sb、Pb、B、Ge、In、Tl、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Pt、Pd、Ag、Au、Co、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Mnおよび希土類元素が挙げられる。
【0037】
歪抵抗膜32は、スパッタリングや蒸着などの薄膜法により形成することができる。第1~第4抵抗体R1~R4は、たとえば薄膜をミアンダ形状にパターニングすることで形成することができる。歪抵抗膜32の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは0.1~1μmである。なお、電気配線34は、
図3に示すように、歪抵抗膜32をパターニングすることにより形成されたものであってもよく、歪抵抗膜32とは異なる導電性の膜または層によって形成されたものであってもよい(
図7参照)。
【0038】
図2に示すように、積層電極36は、歪抵抗膜32の上に重ねて設けられる。
図2に示すように、積層電極36は、歪抵抗膜32の上表面の一部に形成されている。
【0039】
図3に示すように、積層電極36は、歪抵抗膜32上の4か所に、それぞれ独立して形成してある。各積層電極36は、電気配線34を介して、第1~第4抵抗体R1~R4のいずれか2つに、電気的に接続されている。積層電極36は、歪抵抗膜32のうち、第1~第4抵抗体R1~R4が形成されていない位置に設けられている。
【0040】
図3では図示されていないが、
図1および
図2に示す中間配線72の一方の端部が、
図3に示すそれぞれの積層電極36に接続してある。すなわち、第1~第4抵抗体R1~R4によるホイートストーンブリッジ回路の出力は、積層電極36および中間配線72(
図1および
図2参照)を介して、
図1に示す回路基板16へ伝えられる。
【0041】
図2に示すように、積層電極36は、歪抵抗膜の上に重なるコンタクト層36aと、コンタクト層36aの上に重なる拡散防止層36bと、拡散防止層36bの上に重なる実装層36cとを有する。積層電極36は、異なる材料で形成される3層以上の多層膜構造を有する。ただし、積層電極36としては、
図2に示すような3層構造のもののみには限定されず、積層電極36は、4層以上の積層構造を有していてもよい。
【0042】
図2に示すように、積層電極36のうち最も下層にあるコンタクト層36aは、歪抵抗膜32に直接接触する。コンタクト層36aは、歪抵抗膜32とのオーミック接続を確保して、電極付き歪抵抗膜30の電気的特性を向上させる。また、コンタクト層36aは、歪抵抗膜32と積層電極36との密着強度を確保して、膜および層の剥離不良を防止する。
【0043】
コンタクト層36aは、スパッタリングや蒸着などの薄膜法により形成することができる。コンタクト層36aの厚みは、特に限定されないが、たとえば1~50nmであり、好ましくは5~20nmである。コンタクト層36aは、Cr、Ti、Ni、Moのうち少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。これらの元素は、他金属と合金を作り易いため、このような元素を含むコンタクト層36aは、歪抵抗膜32および拡散防止層36bとの密着強度を確保して、膜および層間の剥離不良を防止できる。
【0044】
また、コンタクト層36aは、Tiを含むことが、特に好ましい。Tiは、Auなどを含む実装層36cに拡散しづらく、実装層36cの上表面への析出を生じにくい傾向がある。そのため、Tiを含むコンタクト層36aを有する積層電極36は、積層電極36が高温環境に曝された後も、中間配線72に対して好適な密着性を奏する。また、コンタクト層36aは、Tiを含むことが、特に好ましい。
【0045】
さらに、TiはCr中へも拡散しづらいため、コンタクト層36aを構成するTiは、高温環境下においても、CrおよびAlを含む歪抵抗膜32中へ拡散しづらい特性を有する。したがって、Tiを含むコンタクト層36aを有する電極付き歪抵抗膜30は、高温環境下における使用においても、積層電極36中の元素の歪抵抗膜32中への拡散を防止することができ、組成変化による歪抵抗膜32の性能低下を防止することができる。
【0046】
また、コンタクト層36aは、Cr、Ti、Ni、Moのうち複数の元素を含むことも好ましい。また、コンタクト層36aは、Cr、Ti、Ni、Moのうち少なくともいずれか1つからなることも好ましい。さらに、コンタクト層36aは、Tiからなることも、特に好ましい。また、コンタクト層36aは、Cr、Ti、Ni、Moのうち複数の元素からなることも好ましい。
【0047】
なお、コンタクト層36a、拡散防止層36bおよび実装層36cが、1または複数の指定する元素からなるという場合、指定する元素以外の他元素が、不可避的または意図的にこれらの層に含まれることを排除しない。その場合、他元素の含有率は、たとえば10at%未満、好ましくは3at%未満、さらに好ましくは1at%未満である。
【0048】
図2に示すように、拡散防止層36bは、積層電極36において、コンタクト層36aと実装層36cの間に配置してあり、上下方向を実装層36cとコンタクト層36aによって挟まれている。拡散防止層36bは、歪抵抗膜32やコンタクト層36aなど、拡散防止層36bより下に配置されている膜および層に含まれる元素が、拡散防止層36bより上に配置されている実装層36cへ拡散することを防止し、また、実装層36cの上表面へ析出することを防止する。なお、拡散防止層36bは、歪抵抗膜32や積層電極36が4層以上の多層構造である場合にも、実装層36cの直下に配置されることが好ましい。
【0049】
拡散防止層36bは、スパッタリングや蒸着などの薄膜法により形成することができる。拡散防止層36bの厚みは、特に限定されないが、たとえば1~500nmであり、好ましくは5~50nmである。拡散防止層36bの厚みが薄すぎると連続膜を形成することが難しくなり、拡散防止機能が弱められる場合があり、厚みが厚すぎると、膜剥がれの問題が生じたり、成膜時間の増加による生産性(スループット)低下の問題が生じたりする場合がある。
【0050】
拡散防止層36bは、第5または6周期に属する遷移元素を含むことが、歪抵抗膜32やコンタクト層36aなどに含まれる元素の上層への拡散を防止する観点から好ましい。具体的には、拡散防止層36bは、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Auから選ばれる1または複数の元素を含むことが好ましい。
【0051】
また、拡散防止層36bは、白金族元素を含むことがさらに好ましい。具体的には、拡散防止層36bは、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptから選ばれる1または複数の元素を含むことが好ましい。白金族元素は、反応性が小さく化学的に安定であるため、白金族元素を含む拡散防止層36bは、高温環境においても、特に好適な拡散防止効果を奏する。なお、白金族元素の中でも特にPtは、他の電極分野でも使用されている実績があり、他の白金族元素より技術的蓄積がある。
【0052】
拡散防止層36bは、第5または6周期に属する遷移元素からなることも好ましい。また、拡散防止層36bは、白金族元素からなることも好ましい。
【0053】
図2に示すように、積層電極36のうち最も上層にある実装層36cは、電極付き歪抵抗膜30の上表面に露出する。実装層36cには、AuやAlなどの細線で構成される中間配線72が、ワイヤボンディングなどにより接合される。なお、AuやAlの細線による中間配線72を用いる圧力センサ10は、はんだの融点以上となる高温環境でも使用可能であり、耐熱性が良好である。また、Auの細線による中間配線72を用いる圧力センサ10は、Alの細線による中間配線72を用いる圧力センサより耐熱性を向上させることができる。
【0054】
実装層36cは、スパッタリングや蒸着などの薄膜法により形成することができる。実装層36cの厚みは、特に限定されないが、たとえば10~400nmであり、好ましくは100~300nmである。実装層36cの厚みが薄すぎると連続膜を形成することが難しくなり、中間配線72との密着性が低下するおそれがある。実装層36cの厚みが厚すぎると、膜剥がれの問題が生じたり、成膜時間の増加による生産性(スループット)低下の問題が生じたりする場合がある。
【0055】
実装層36cは、Au、Al、Niのすくなくともいずれかを含むことが、耐熱性および中間配線72との接合性の観点から好ましい。また、耐熱性を高めてさらに高温環境への対応性を高める観点から、実装層36cは、高温環境においても低抵抗かつ融点の高いAuを含むことがさらに好ましい。また、中間配線72の材料としてAuの細線を用いる場合、実装層36cがAuを含むことにより、中間配線72と実装層36cの材料が、いずれもAuとなる。これにより、中間配線72と実装層36cとの接合部分の密着性が向上する。
【0056】
また、実装層36cは、Au、Al、Niのすくなくともいずれかからなることも好ましく、Auからなることも、特に好ましい。
【0057】
次に、
図1に示す圧力センサ10の製造方法について説明する。圧力センサ10では、まず、ステム20を準備する。ステム20の材質は、たとえばSUS316などである。次に、
図2に示すように、ステム20のメンブレン22の外面22bに、電極付き歪抵抗膜30を形成する。
【0058】
電極付き歪抵抗膜30を形成するために、まず、メンブレン22の外面22bに、メンブレン22を覆うように、下地絶縁層52を所定厚みでCVDまたはスパッタリングなどの薄膜法により形成する(
図2参照)。下地絶縁層52としては、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜などが例示される。
【0059】
次に、
図2に示すように、下地絶縁層52の表面に、歪抵抗膜32を形成する。歪抵抗膜32は、たとえば蒸着またはスパッタリングなどの薄膜法により成膜される。第1~第4抵抗体R1~R4および電気配線34などを有する歪抵抗膜32の形状は、フォトリソグラフィなどによりパターニングを行い形成する。
【0060】
次に、
図2に示すように、歪抵抗膜32の上に、積層電極36を形成する。積層電極36を形成する場合、歪抵抗膜32の上に、コンタクト層36a、拡散防止層36b、実装層36cの順に、導電性の薄膜を形成する。積層電極36のコンタクト層36a、拡散防止層36bおよび実装層36cは、スパッタリングや蒸着などの薄膜法により形成する。
【0061】
積層電極36に含まれるコンタクト層36a、拡散防止層36bおよび実装層36cは、
図3に示すように、歪抵抗膜32上の所定の位置にのみ形成される。積層電極36に含まれる各層のパターニングは、歪抵抗膜32と同様にフォトリソグラフィなどにより行うことができるが、他の方法を用いてもよい。
【0062】
このように、メンブレン22の外面22bに形成された下地絶縁層52の上に、歪抵抗膜32および積層電極36を薄膜形成することにより、
図3に示す電極付き歪抵抗膜30を形成する。電極付き歪抵抗膜30の製造においては、歪抵抗膜32および積層電極36の形成後において、アニールなどの熱処理(たとえば350~800℃)を施してもよい。
【0063】
歪抵抗膜32および積層電極36の形成後において適切な温度で熱処理することにより、歪抵抗膜32のゲージ率などの特性を高めることができる。また、積層電極36の形成後に熱処理することにより、歪抵抗膜32と積層電極36および積層電極36内部の各層の接合性を高めることができる。
【0064】
なお、
図7に示す電極付き歪抵抗膜130のように、電気配線134は、積層電極36または積層電極36に含まれる一部の層の形成と同時に、歪抵抗膜32の上に作製してもよい。この場合、電気配線134は、積層電極36またはその一部と同じ材質および性質を有する。電気配線134を積層電極36またはその一部と同様の材質とすることにより、歪抵抗膜32の一部が電気配線34を構成しているものに比べて(
図3参照)、電気配線134の抵抗値が歪の影響を受ける問題を防止できる。また、積層電極36と同じ材質および構造の電気配線134は、歪抵抗膜32に対する結合性が良好であり、剥離不良などを防止することができる。ただし、電気配線134は、下地絶縁層52上に形成されていてもよい。
【0065】
最後に、
図1に示すように、回路基板16を、電極付き歪抵抗膜30が形成されたステム20に対して固定し、回路基板16と電極付き歪抵抗膜30とを接続する中間配線72を形成することにより、圧力センサ10を得る。中間配線72は、Auの細線を用いたワイヤボンディングなどにより形成する。
【0066】
図3に示す積層電極36は、コンタクト層36aと、拡散防止層36bと、実装層36cの少なくとも3層を有し、拡散防止層36bは、第5または6周期に属する遷移元素を含む。このような拡散防止層36bを有する積層電極36は、コンタクト層36aおよび歪抵抗膜32に含まれる元素が、実装層36cへ相互拡散することを防止し、相互拡散した元素の実装層36c界面での反応が抑制されることにより、高温耐性が向上する。また、積層電極36は、拡散防止層36bの拡散防止作用により、高温環境に暴露された後でも、中間配線72に対する良好な密着力を奏する。
【0067】
以下、実施例を示しつつ、上述した積層電極36および電極付き歪抵抗膜30をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例のみには限定されない。
【0068】
<試料1>
70~95at%のCrと5~30at%のAlを含む歪抵抗膜32の上に、Tiからなるコンタクト層36aを5nm、Ptからなる拡散防止層36bを20nm、Auからなる実装層36cを200nm、それぞれ
図2に示すように順次形成して積層電極36を形成し、試料1を作製した。歪抵抗膜32、および積層電極36の各層は、スパッタリングにより形成した(表1参照)。
【0069】
<試料2~試料4>
試料2は、コンタクト層36aの厚みを20nmとし、試料3は、拡散防止層36bの厚みを5nmとし、試料4は、実装層36cの厚みを100nmとしたことを除き、各試料は試料1と同様である(表1参照)。
【0070】
<試料5~試料7>
試料5は、コンタクト層36aがCrからなり、試料6は、コンタクト層36aがNiからなり、試料7は、拡散防止層36bがWからなることを除き、各試料は試料1と同様である(表1参照)。
【0071】
<試料8>
試料8は、拡散防止層36bに相当する層がNiからなることを除き、試料1と同様である。
【0072】
<試料9~試料15>
試料9~試料15は、積層電極が実装層36cとコンタクト層36aの2層構造であり、拡散防止層36bを有しない点で、試料1と異なる。試料9は、厚さ5nmのTiからなるコンタクト層36aを有し、試料10は、厚さ20nmのTiからなるコンタクト層36aを有する。試料11は、厚さ5nmのCrからなるコンタクト層36aを有し、試料12は、厚さ20nmのCrからなるコンタクト層36aを有する。試料13は、厚さ5nmのNiからなるコンタクト層36aを有し、試料14は、厚さ20nmのNiからなるコンタクト層36aを有する。試料15は、厚さ20nmのMoからなるコンタクト層36aを有する。試料9~試料15は、いずれも200nmのAuからなる実装層36cを有する。
【0073】
<試料1~試料15の評価>
各試料を100サンプルずつ準備し、Au細線によるワイヤボンディングの付着成功率を評価した。評価では、25サンプルずつ4つのグループに分け、グループ毎に、積層電極36形成後であってワイヤボンディング実施前に行われる熱処理条件を異ならせた。第1のグループは熱処理なし、第2のグループは350度2hの熱処理を行い、第3のグループは400度2hの熱処理を行い、第4のグループは500度2hの熱処理を行った。各試料の条件と、評価結果を表1に示す。
【0074】
【0075】
表1の「◎」、「〇」、「△」、「×」は、各試料のワイヤボンディングの付着成功率を表しており、「◎」は全体の上位4分の1の成功率であったことを示しており、「〇」は全体の上位4分の1未満かつ2分の1以上の成功率であったことを示している。また、「△」は、全体の上記2分の1未満、4分の3以上の成功率であったことを示しており、「×」は全体の上位4分の3未満の成功率であったことを示している。
【0076】
表1の試料1~試料7は、高温で熱処理したのちのサンプルでも、良好なワイヤボンディングの付着成功率を示した。なお、Wからなる拡散防止層36bを有する試料7では、熱処理しない(AsDepo)条件において膜剥離によるワイヤボンディング付着不良が発生したが、他の高温熱処理後のサンプルでは、良好な付着成功率を示した。この結果から、第5または6周期に属する遷移元素であるが白金族元素ではないWからなる拡散防止層36bは、適切な熱処理により膜剥離を防ぐことができ、かつ、良好なワイヤボンディングの付着成功率を示すことがわかる。
【0077】
表1の試料1~試料6は、いずれの熱処理条件でも、良好なワイヤボンディングの付着成功率を示しており、拡散防止層36bを構成する元素としてPtが特に好ましいことが理解できる。また、試料1と、試料5、6との比較により、コンタクト層36aがTiからなる試料1が、コンタクト層36aがCrまたはNiからなる試料5、6より優れたワイヤボンディングの付着成功率を示すことが理解できる。
【0078】
表1の試料8は、熱処理しない(AsDepo)条件では、良好な付着成功率を示すが、熱処理条件が高温になるほど付着成功率が悪化することがわかる。特に、400℃および500℃の熱処理を施したのちのサンプルでは、ワイヤボンディングが積層電極36表面に密着しない不良が多数生じた。拡散防止層36bに相当する層が、第5または6周期に属する遷移元素ではないNiからなる試料8では、400℃および500℃の熱処理を施したのちのサンプルにおいて、十分な拡散防止効果が得られなかったと考えられる。
【0079】
表1の試料9~試料15は、熱処理しない(AsDepo)条件では、良好な付着成功率を示すが、熱処理条件が高温になるほど付着成功率が悪化することがわかる。拡散防止層36bがないこれらのサンプルでは、歪抵抗膜32やコンタクト層36aの元素が、高温での熱処理により実装層36c表面に析出し、ワイヤボンディングの細線が積層電極表面に密着しない不良を多発したと考えられる。
【0080】
<試料1と試料5の結果の違いについて>
図4(a)は、70~95at%のCrと5~30at%のAlを含む薄膜(厚み300nm)上に、Tiの薄膜(厚み5nm)と、Auの薄膜(厚み200nm)とを形成して3層構造のサンプルを作製し、350℃2hの熱処理施した後、サンプルの再上面近傍の元素を、XPS(ESCA)により分析したものである。
【0081】
また、
図4(b)は、70~95at%のCrと5~30at%のAlを含む薄膜(厚み300nm)上に、Crの薄膜(厚み5nm)と、Auの薄膜(厚み200nm)とを形成して3層構造のサンプルを作製し、350℃2hの熱処理施した後、サンプルの再上面近傍の元素を、XPS(ESCA)により分析したものである。なお、
図4(a)および
図4(b)における横軸はスパッタ時間(Sputter time (min))であり、縦軸は強度(Intensity)である。
【0082】
ここで、
図4(a)では、下層のTiが、サンプル表面にほとんど存在せず、Auが多く存在するのに対して、
図4(b)では、サンプル表面にCrや酸素が多く存在し、Auが少ないことが理解できる。
図4(a)と
図4(b)との比較から、Tiは、Crに比べてAu中に拡散しづらく、熱処理後にAu層の表面に偏析する問題が生じにくいことが理解できる。また、このことが、表1に示す結果において、コンタクト層36aがTiからなる試料1が、コンタクト層36aがCrからなる試料5に比べて、より良好なワイヤボンディング付着成功率を示したことと、対応していると考えられる。
【0083】
<コンタクト層36aとしてTiが好ましい他の理由>
図5は、Crからなる薄膜の上に、Tiからなる薄膜を5nm、Auからなる薄膜を200nm形成して3層構造のサンプルを作製し、350℃2hの熱処理施した後、サンプル断面をSEM-EDSにより元素分析したものである。
図5(a)は、Tiの存在位置を白色で示しており、
図5(b)はCrの存在位置を白色で示している。
【0084】
図5(a)からは、サンプルの上下方向中央に多く存在するTiが、上層のAu側に若干広がって混在領域を形成しているのに対して、下層のCr中にはほとんど広がっておらず、シャープな境界を形成していることが理解できる。また、
図5(a)と
図5(b)との比較から、Tiが多く存在するサンプルの上下方向中央には、Crがほとんど存在しないことが理解できる。
【0085】
図5からは、TiとCrは相互拡散しづらいことが理解でき、Tiをコンタクト層36aの材料として用いることにより、高温環境での歪抵抗膜32の組成変化を防止できると考えられる。
【0086】
<歪抵抗膜のCrとAlの好ましい含有率について>
図6は、
図2および
図3に示す電極付き歪抵抗膜30について、歪抵抗膜32の組成の違いと、歪抵抗膜32のゲージ率の変化との関係を表したものである。評価に用いた電極付き歪抵抗膜30は、熱酸化膜付きSiウエハ上に、スパッタリングによりCrおよびAlを含む歪抵抗膜32を形成した後、コンタクト層36a(Ti、5nm)、拡散防止層36b(Pt、20nm)、実装層36c(Au、200nm)を電子線蒸着で形成して積層電極36を形成した。以下のように、歪抵抗膜32の組成が異なる6サンプルの電極付き歪抵抗膜30を作製し、それぞれのサンプルについて、片持ち梁の曲げ試験にてゲージ率を測定した。なお、歪抵抗膜32の組成は、スパッタターゲットのCr/Al比を変えて調整した。
<サンプル1>Al:5at%、Cr:95at%
<サンプル2>Al:15at%、Cr:85at%
<サンプル3>Al:30at%、Cr:70at%
<サンプル4>Al:45at%、Cr:55at%
<サンプル5>Al:60at%、Cr:40at%
<サンプル6>Al:80at%、Cr:20at%
【0087】
図6の横軸はAl含有率(Al composition (at%))であり、縦軸はゲージ率(K-factor)である。
図6に示すように、電極付き歪抵抗膜30は、Alの含有率がCrの含有率より少ない領域において、ゲージ率が高くなることが理解できる。したがって、ゲージ率を高める観点から、歪抵抗膜32は、50~99at%のCrと、1~50at%のAlとを含むことが好ましく、70~95at%のCrと、5~30at%のAlとを含むことがさらに好ましいことが理解できる。
【0088】
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明に係る積層電極36、電極付き歪抵抗膜30および圧力センサ10を説明したが、本発明はこれらの実施形態や実施例のみに限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態および実施例のほかに、他の実施形態および変形例を多く含むことは言うまでもない。たとえば、圧力センサ10としては、
図1のようなステム20を有するもののみには限定されず、平板状の基板に電極付き歪抵抗膜30を形成したものであってもよい。基板の材質としては、たとえばSiやアルミナ(Al
2O
3)などが挙げられる。
【符号の説明】
【0089】
10…圧力センサ
12…接続部材
12a…ねじ溝
12b…流路
14…抑え部材
16…回路基板
20…ステム
21…フランジ部
22…メンブレン
22a…内面
22b…外面
30…電極付き歪抵抗膜
32…歪抵抗膜
R1…第1抵抗体
R2…第2抵抗体
R3…第3抵抗体
R4…第4抵抗体
34…電気配線
36…歪抵抗膜用積層電極(積層電極)
36a…コンタクト層
36b…拡散防止層
36c…実装層
52…下地絶縁層
72…中間配線