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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 27/00 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
F25D27/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020188970
(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公開番号】P2022077902
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 寿匡
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-075935(JP,A)
【文献】特開2007-003062(JP,A)
【文献】特開2005-114309(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0360745(US,A1)
【文献】特開2009-281670(JP,A)
【文献】特開2017-106637(JP,A)
【文献】特開2008-039244(JP,A)
【文献】特開2007-132562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵物が貯蔵される貯蔵室と、前記貯蔵室内に設けられ光を照射する発光部品とが設けられた冷蔵庫において、
前記発光部品からの光の照射方向の場所に壁部が設けられ、
前記照射方向は後方であり、
前記発光部品が収納された収納部が前記貯蔵室に設けられ、
前記収納部は、前記貯蔵室の内面に対する凹部として形成されて、前方において上下方向に延びる前壁及び後方において上下方向に延びる後壁を含み、
前記収納部を覆う覆いが、前記貯蔵室の前記内面から庫内側へ突出して設けられ、
前記覆いは、前記収納部の前記前壁に沿って上下方向に延びる第1部分と、前記収納部の前記後壁に沿って上下方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間で前後方向に延びる第3部分とを備え、
前記第2部分と前記第3部分との接続部である後方接続部は、前記第2部分の向きが徐々に変化して前記第3部分の向きとなるように接続する丸みのある形状であり、
前記第1部分と前記第3部分との接続部である前方接続部は前記後方接続部よりも丸みが小さく前後方向の大きさが小さい
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記発光部品からの光の照射方向の場所の前記壁部が、前記収納部の前記後壁であり、
前記収納部の前記前壁と前記後壁とを繋ぐ左右の側面が曲面形状である、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記後壁が、前記発光部品からの光の照射方向に対して傾斜し、
前記収納部における前記後壁及び前記の左右の側面が、互いに滑らかに繋がる曲面形状である、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記壁部が曲面である、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前方と後方で、前記覆いにおける塗装の有無が異なる、請求項1~4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫には庫内を照らす庫内照明が設けられている。庫内照明は、天井等に形成された凹部にLEDのような発光部品が収納され、その凹部がシェードと呼ばれる透光性のある覆いで覆われた構造となっている(例えば特許文献1参照)。発光部品は、貯蔵物のある下向きに光を照射するように配置されている。このような構造において発光部品が発光すると、その光がシェードを透過して下方に進行し、貯蔵物が照らされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-285632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の庫内照明の構造では、発光部品がシェードから透けて見えたり(換言すれば、発光部品の光がシェードを通過して冷蔵庫の利用者の目に直接入ったり)、シェードの一部に発光部品からの光が当たりにくくシェードの光り方が不均一であったりして、庫内照明の見栄えに改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、庫内照明の見栄えが良い冷蔵庫を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵物が貯蔵される貯蔵室と、前記貯蔵室内に設けられ光を照射する発光部品とが設けられた冷蔵庫において、前記発光部品からの光の照射方向の場所に壁部が設けられ、前記照射方向は後方であり、前記発光部品が収納された収納部が前記貯蔵室に設けられ、前記収納部は、前記貯蔵室の内面に対する凹部として形成されて、前方において上下方向に延びる前壁及び後方において上下方向に延びる後壁を含み、前記収納部を覆う覆いが、前記貯蔵室の前記内面から庫内側へ突出して設けられ、前記覆いは、前記収納部の前記前壁に沿って上下方向に延びる第1部分と、前記収納部の前記後壁に沿って上下方向に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間で前後方向に延びる第3部分とを備え、前記第2部分と前記第3部分との接続部である後方接続部は、前記第2部分の向きが徐々に変化して前記第3部分の向きとなるように接続する丸みのある形状であり、前記第1部分と前記第3部分との接続部である前方接続部は前記後方接続部よりも丸みが小さく前後方向の大きさが小さいことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の冷蔵庫の縦断面図。
図2】実施形態の冷蔵庫のブロック図。
図3】実施形態の庫内照明の前後方向の断面図。図3において左が前方である。
図4】実施形態の庫内照明をシェードを外して下から見た図。図4において上が前方である。
図5】変更例の庫内照明をシェードを外して下から見た図。
図6】変更例の収納部の前後方向の断面図。
図7】変更例の収納部の前後方向の断面図。
図8】変更例の収納部の前後方向の断面図。
図9】変更例の収納部の前後方向の断面図。
図10】変更例の収納部の前後方向の断面図。
図11】変更例のシェードの前後方向の断面図。
図12】変更例のシェードの前後方向の断面図。
図13】変更例のシェードの前後方向の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態について図面に基づき説明する。以下の実施形態は例示であり、発明の範囲はこれに限定されない。以下の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。以下の実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0009】
以下の説明において、貯蔵室を開閉する扉側を前、その反対側を後ろとする。また、左右とは、冷蔵庫の前に立った利用者から見た左右のことである。
【0010】
まず、冷蔵庫10の全体構成について説明する。図1に実施形態の冷蔵庫10を示す。冷蔵庫10の筐体11は、冷蔵庫10の外郭を形成する外箱12と、貯蔵室が形成された内箱13とが組み合わされ、外箱12と内箱13との間に断熱材14が充填されて構成されたものである。
【0011】
筐体11の内側は断熱仕切壁15によって上下に仕切られている。断熱仕切壁15の上側は冷蔵空間である。冷蔵空間は冷蔵保存に適した温度である冷蔵温度に維持される。また断熱仕切壁15の下側は冷凍空間である。冷凍空間は冷凍保存に適した温度である冷凍温度に維持される。冷蔵空間及び冷凍空間には食品を貯蔵する貯蔵室がそれぞれ複数設けられている。各貯蔵室は前方に開口部を有し、利用者はその開口部から食品を出し入れできる。
【0012】
冷蔵空間には上から順に貯蔵室としての冷蔵室20及び野菜室22が設けられている。冷蔵室20内は冷蔵温度の範囲内の例えば2~5℃に維持され、野菜室22内は冷蔵温度の範囲内の例えば4~7℃に維持される。冷蔵室20には複数の載置棚24が設けられている。一番下の載置棚24の下は、冷蔵室20の中でも特に低温に維持されるチルド室39となっている。また、野菜室22には、引き出し式容器40と、その上に載っている上側容器41が収納されている。
【0013】
冷蔵室20の前方開口部は、フレンチ式(観音式)の左右一対の冷蔵室扉21で開閉される。図示省略するが、冷蔵室扉21には操作パネル45(図2参照)が設けられている。また、冷蔵室扉21の開閉を検知する扉センサ44(図2参照)が設けられている。
【0014】
野菜室22の前方開口部は、引き出し式の野菜室扉23で開閉される。上記の引き出し式容器40は野菜室扉23の庫内側の面に固定されている。そのため、利用者が野菜室扉23を開けると、引き出し式容器40と、引き出し式容器40の上に載っている上側容器41とが、一体となって引き出される。
【0015】
冷凍空間の上部には貯蔵室としての製氷室や小冷凍室26が設けられ、冷凍空間の下部には貯蔵室としての冷凍室28が設けられている。製氷室及び冷凍室28の内部は冷凍温度の範囲内の例えば-20~-18℃に維持される。また小冷凍室26内は、冷凍温度の範囲内の例えば-18~-16℃に維持される。小冷凍室26及び冷凍室28にはそれぞれ引き出し式の収納容器18、19が収納されている。
【0016】
小冷凍室26の前方開口部は引き出し式の収納室扉27で開閉される。収納室扉27の庫内側の面に上記の収納容器18が固定されている。また、冷凍室28の前方開口部は引き出し式の冷凍室扉29で開閉される。冷凍室扉29の庫内側の面に上記の収納容器19が固定されている。また、製氷室の前方開口部は引き出し式の製氷室扉(不図示)で開閉される。
【0017】
冷蔵空間の背後には、冷気を発生させる第1冷却器30と、発生した冷気を循環させる第1ファン32とが設けられている。第1冷却器30で発生した冷気は、第1冷却器30から上方へ向かって延びるダクト34を通って、複数の吹出口36から冷蔵空間へ吹き出る。冷蔵空間を循環した冷気は吸込口38から第1冷却器30へ向かって吸い込まれる。
【0018】
また、冷凍空間の背後には、冷気を発生させる第2冷却器31と、発生した冷気を循環させる第2ファン33とが設けられている。第2冷却器31で発生した冷気は、冷凍空間の奥面に形成されている吹出口35から冷凍空間へ吹き出て、冷凍空間を循環した後、冷凍空間の奥面に形成されている吸込口37から第2冷却器31へ向かって吸い込まれる。
【0019】
冷蔵庫10の下部後方には機械室16が設けられている。機械室16には圧縮機17や凝縮器(不図示)等が収納されている。
【0020】
冷蔵室20の天井42には庫内照明50が設けられている。図示省略するが、冷蔵室20内には、奥面(後ろの面、背面とも言う)25等の場所にも庫内照明が設けられている。また、冷蔵室20以外の貯蔵室にも庫内照明が設けられている。
【0021】
圧縮機17、凝縮器、第1冷却器30、第2冷却器31等は周知の冷凍サイクル装置を構成している。圧縮機17で圧縮された冷媒が第1冷却器30及び第2冷却器31に交互に流れ、冷媒が流れたときにそれぞれの冷却器で冷気が発生する。
【0022】
図2に示すように、冷蔵庫10には制御部43が設けられている。制御部43には、操作パネル45の他、扉センサ44等の各種センサや、庫内照明50、圧縮機17、第1ファン32、第2ファン33等の各種機器が接続されている。制御部43は、操作パネル45からの指示や各種センサによる検出信号に基づき、各種機器を制御する。制御部43は、冷蔵室扉21が開いたことを扉センサ44が検知したときに庫内照明50を点灯し、冷蔵室扉21が閉じたことを扉センサ44が検知したときに庫内照明50を消灯する。
【0023】
次に、庫内照明50について説明する。庫内照明50は、冷蔵室20の内壁の1つである天井42に設けられている。図3に示すように、庫内照明50は、天井42に設けられた収納部51と、収納部51の内部に設けられた基板54と、基板54に接続されたLED55と、収納部51を覆うシェード56とからなる。
【0024】
図3に示すように、収納部51は、冷蔵室20の内面である天井42の面に対する凹形状の部分として形成されている。収納部51は、天井42の面より高い位置にある凹陥面52と、凹陥面52から収納部51の開口部まで上下方向に延びる側面53とによって形成されている。凹陥面52は収納部51内の天井面と捉えることもできる。天井42の面及び凹陥面52は水平面である。
【0025】
凹陥面52は、冷蔵室20の他の部分の内面(内箱13の内面)よりも反射率が高くなっている。例えば、凹陥面52は、金属箔が貼られたり、冷蔵室20の他の部分の内面より白に近い色に着色されたり、冷蔵室20の他の部分の内面より滑らかに仕上げられたりすることによって、冷蔵室20の他の部分の内面よりも反射率が高くなっている。
【0026】
また、側面53も凹陥面52と同様に反射率が高くなっていても良い。また、冷蔵室20の天井42の面が、凹陥面52と同様に反射率が高くなっていても良い。
【0027】
図4に示すように収納部51を下から見ると、側面53は、前後の2ヶ所で左右方向に延びる平面部53a、53bと、平面部53aと平面部53bの左右一端部同士を連結する曲面部53cと、平面部53aと平面部53bの左右他端部同士を連結する曲面部53dと、からなる。曲面部53c、53dは下から見て半円形である。
【0028】
前方の平面部53aには、回路パターンが形成された基板54が、上下に立てて不図示のネジ等で固定されている。基板54は平面部53aと平行になっている。この基板54の後方の面(収納部51の中心側の面)に、発光部品としてのLED55が設けられている。基板54に設けられているLED55の数は複数で、それらが左右方向に並べて設けられている。LED55は基板54の回路を介して制御部43と接続されており、制御部43の制御により点灯したり消灯したりする。
【0029】
LED55の光の照射方向は後方、つまり収納部51における後方の平面部53bの方向である。ここで、照射方向とは、LED55から発せられた光の光軸の方向で、かつその光の進行する方向のことである。LED55の光は、平面部53bに対して垂直に当たることになる。図3及び図4にLED55の光の照射方向を破線の矢印で示す。図3に示すようにLED55の光は収納部51の凹陥面52に平行に照射される。
【0030】
図3に示すように、収納部51の下方への開口部は、覆いとしてのシェード56によって閉塞されている。シェード56は収納部51に嵌まる形状及び大きさを有している。シェード56は、その縁部57が収納部51の側面53の内側に嵌まることによって、収納部51に取り付けられている。シェード56が設けられることにより、LED55が設けられている空間である収納部51が、閉塞された空間となっている。
【0031】
シェード56は、全体が均一な厚みで、下面が下に凸の曲面となっている。シェード56は全体が透明又は半透明である。そのため、LED55の光は、閉塞された収納部51内で反射や拡散した後、シェード56を透過して冷蔵室20内を照らすこととなる。
【0032】
シェード56の上下いずれかの面には微小な凹凸が形成されている。凹凸としては、直線状の凸条が所定間隔で並べられて形成されたものや、点状の突起が規則的に又は不規則に分布されて形成されたもの等が挙げられる。また、擦り加工やシボ加工等の表面加工によって、凹凸が形成されていても良い。
【0033】
このような庫内照明50においてLED55が発光すると、光が後方へ進行して収納部51における後方の平面部53bに当たり、後方の平面部53bで反射されて前方へ進行する。その間に、LED55からの光の光軸とは別方向の例えば上方や下方に光が拡散される。上方に拡散された光は収納部51の凹陥面52で反射されて下方へ進行する。このようにして光が収納部51内で反射や拡散された結果、光がシェード56の全体を略均等に透過する。
【0034】
このように光がシェード56の全体を略均等に透過するため、利用者が庫内照明50を見ると、シェード56の全体が均等に明るくなって見える。シェード56を透過した光は、庫内照明50の下にある載置棚24等を照らすこととなる。
【0035】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態の冷蔵庫10では、発光部品であるLED55の光の照射方向の場所に、壁部である平面部53bが設けられている。そのため、LED55の光が直接利用者の目に届くことがなく、利用者が庫内照明50を見たときにLED55の場所だけが明るく見えるということが起こらない。さらに、LED55の光が壁部である平面部53bで反射されて拡散される。これらのことから、利用者が庫内照明50を見ると広範囲の場所が均一に光って見え、庫内照明50の見栄えが良い。
【0036】
特に、LED55が収納部51に設けられ、LED55の光の照射方向の場所に収納部51の壁部である平面部53bが設けられているため、LED55の光が平面部53bに当たって反射や拡散する。そのため、収納部51の全体が均等に光って見えて見栄えが良い。
【0037】
また、LED55が収納された収納部51をシェード56が覆っており、収納部51の内部で反射や拡散された光がシェード56の全体を均等に透過することとなるため、シェード56の全体が均等に明るくなり、庫内照明50の見栄えが良い。
【0038】
また、シェード56に凹凸が形成されているため、シェード56の一部にLED55からの光があまり当たらない状況が生じたとしても、凹凸で光が拡散されることによりシェード56の全体が均等に明るくなっているように見える。
【0039】
また、収納部51の凹陥面52等の反射率が高いため、シェード56がより明るくなり、庫内を明るく照らすことができる。
【0040】
また、LED55の光が後方へ照射されるため、LED55がシェード56を通して利用者に目視されるおそれがなく、LED55が目視できることによる見栄えの悪さを回避することができる。
【0041】
次に、変更例について説明する。
【0042】
<変更例1>
図5に示すように、本変更例の収納部151は、上記実施形態と同様に、天井42の面より高い位置にある凹陥面(図5において符号153a、153bで囲まれた部分)と、凹陥面から収納部151の開口部まで上下方向に延びる側面153とによって形成されている。
【0043】
側面153は、収納部151の前端部において左右方向に延びる平面部153aと、平面部153aから後方に向かって形成された曲面部153bとからなる。曲面部153bは、平面部153aの右端部と左端部を連結する1つの曲面である。
【0044】
前方の平面部153aには、平面部153aと平行に基板54が設けられている。そして基板54の後方の面(収納部151の中心側の面)にLED55が設けられている。収納部151の下方への開口部は、透明又は半透明の不図示のシェードによって閉塞されている。
【0045】
LED55の光の照射方向は後方、つまり収納部151における後方の曲面部153bの方向である。そのため、LED55から発せられた光は、曲面部153bに当たり、前方だけでなく左右方向も含めた収納部151の全体に向かって反射する。その結果、収納部151の全体に光が届き、利用者が庫内照明50を見ると、シェードの全体が均等に光って見えることとなる。
【0046】
<変更例2>
発光部品であるLED55から照射された光が直接当たる壁部が、湾曲していたり、照射方向に対して傾斜していたりしても良い。上記の変更例1もそのような変更例の1つだが、別の変更例を図6図10に示す。なお、図6図10の収納部を下から見たときの形状は、限定されないが、例えば図4と同様の形状である。
【0047】
図6に示す変更例の収納部251では、上記実施形態と同様に前方の平面部53aと後方の平面部53bとが対向しており、前方の平面部53aに基板54及びLED55が設けられている。そしてこの変更例では、上方の凹陥面52と後方の平面部53bとを、壁部としての曲面部253が連結している。曲面部253は、凹陥面52に平行かつ後方に進行してきたLED55の光を下方に反射させる形の曲面である。この変更例においては、LED55から直進した光の一部が曲面部253に当たり、前方だけでなく下方にも反射する。そのため、収納部251を覆うシェード56が明るくなる。
【0048】
なお、後方の平面部53bが存在せず、図6の曲面部253の部分と平面部53bの部分とを合わせた部分が、上記の曲面部253のような曲面となっていても良い。
【0049】
また、図7に示す変更例の収納部351では、図6の曲面部253の代わりに、LED55の光の照射方向に対して傾斜した壁部としての傾斜平面部353が設けられている。傾斜平面部353は、凹陥面52に平行かつ後方に進行してきたLED55の光を下方に反射させる向きに傾斜している。この図7の変更例においては、LED55から直進した光の一部が傾斜平面部353に当たり、前方だけでなく下方にも反射するので、収納部351を覆うシェード56がより明るくなる。
【0050】
また、図8に示す変更例の収納部451では、図3の場合と同様に前方の平面部53aと後方の平面部53bとが対向しているが、図3の場合と異なり、凹陥面452全体が天井42の面に対して傾斜している。凹陥面452は、前方の平面部53aに近いほど高くなるように傾斜している。LED55の光は進行するほど(つまり前方の平面部53aから遠くなるほど)弱まるが、図8のように凹陥面452が傾斜していることにより、光が弱まる前に凹陥面452で反射することになり、シェード56が明るくなる。なお、LED55の光の一部は、後方の平面部53bにより前方へ向かって反射され、シェード56におけるLED55付近を明るくする。
【0051】
また、図9に示す変更例の収納部551では、凹陥面552全体が、天井42の面に対して傾斜している。凹陥面552は、前方の平面部53aに近いほど高くなるように傾斜している。そしてこの変更例では、後方の平面部が存在しない(ただしシェード56が嵌合する部分は存在する)。この変更例の場合も、LED55の光が弱まる前に凹陥面552で反射することになり、シェード56が明るくなる。
【0052】
また、図10に示す変更例の収納部651では、凹陥面652全体が、天井42の面に対して傾斜している。凹陥面652は、前方の平面部53aに近いほど高くなるように傾斜している。凹陥面652は冷蔵室20の奥面25まで延び、奥面25に連結されている。つまり、この変更例の収納部651は、冷蔵室20の奥面25まで延びている。LED55の光は凹陥面652に当たって反射される。これにより、庫内上部及び奥面25の広い範囲が明るく見える。図10にはシェードの無い形態が示されているが、収納部651を下から覆うシェードが設けられていても良い。
【0053】
<変更例3>
シェードの変更例を図11図13に示す。なお、図11図13のシェードを下から見たときの形状は、限定されないが、例えば図4の収納部51に嵌まる形状である。
【0054】
図11に示す変更例のシェード756は、庫内側の表面を形成する表面部分756aと、収納部51に嵌まる部分である嵌合部分756bとからなる。嵌合部分756bは嵌合部分756bの縁部から上方へ向かって形成されている。また表面部分756aは平面状である。表面部分756aと嵌合部分756bとの境界は角部756cとなっている。嵌合部分756bが収納部51の側面53の内側に嵌まることにより、シェード756が収納部51に取り付けられている。
【0055】
このようなシェード756は、上記実施形態のシェード56のように下方に膨らんでいないため、貯蔵物の収納空間を広くすることができ、また、利用者が貯蔵物を冷蔵室20の上部に出し入れしやすい。また、LED55に近い場所は、LED55の光が直接照射されないため暗くなるおそれがあるが、このシェード756のようにLED55に近い部分に角部756cが形成されていれば、LED55に近い部分が暗くなったとしても目立ちにくい。
【0056】
他の変更例として、シェードが、前方部分と後方部分とで形状の異なるものであっても良い。
【0057】
例えば、図12に示す変更例のシェード856は、前方の端部にのみ角部856cが形成されている。これにより、LED55に近い部分に角部856cが形成されていることとなり、LED55に近い部分が暗くなったとしても目立ちにくい。また、シェード856における角部856cより後方の部分は、均等に明るくなる。
【0058】
また、以上で図示した各シェードにおいて、LED55に近い前方部分(例えばLED55の下にあたる部分)が他の部分より薄くなっており、それにより光を透過しやすくなっていても良い。それにより、シェードにおけるLED55に近い部分も明るくなり、シェードの全体が均等に明るくなる。
【0059】
このように、シェードにおける前方部分と後方部分とで形状(形状には厚みも含まれるものとする)を異なるものとすることにより、シェードにおける暗くなりやすい部分を目立ちにくくしたり、シェードの全体を均等に明るくしたりすることができる。
【0060】
また、図13に示すように、シェード956の前方部分(例えばLED55の下方の部分)に、透光性のない塗装956aが施されていても良い。それにより、LED55からシェード956の前方部分に当たる光が弱くなったとしても、そのことが利用者に見えない。
【0061】
また、図13とは逆に、シェード956の後方部分(例えば、図13の塗装956aの部分以外の部分)に透光性のある塗装が施されていても良い。それにより、塗装された部分の透光性が低下するので、LED55からシェード956の前方部分に当たる光が弱くなったとしても、シェード956の全体が均等に明るくなる。
【0062】
<変更例4>
発光部品であるLED55の表面が、反射率の高い素材で形成されていても良い。例えば、LED55の表面に金属製で透光性のある不連続蒸着膜が形成され、それによってLED55の表面の反射率が高くなっていても良い。LED55の表面の反射率が高い場合、図3の後方の平面部53b等の壁部で反射した光がLED55の場所に戻ってきたときに、その光がLED55の表面で再び反射されることになる。それにより、庫内照明50がより明るくなる。
【0063】
また、発光部品はLEDに限定されず、蛍光灯等であっても良い。
【0064】
<変更例5>
上記実施形態の庫内照明が設けられる場所は、天井42に限定されず、冷蔵室扉21の庫内側の面や、冷蔵室20の奥面25等であっても良い。
【0065】
また、上記実施形態の庫内照明が設けられる貯蔵室は、冷蔵室20に限定されず、野菜室22、冷凍室28、製氷室等であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
10…冷蔵庫、11…筐体、12…外箱、13…内箱、14…断熱材、15…断熱仕切壁、16…機械室、17…圧縮機、18…収納容器、19…収納容器、20…冷蔵室、21…冷蔵室扉、22…野菜室、23…野菜室扉、24…載置棚、25…奥面、26…小冷凍室、27…収納室扉、28…冷凍室、29…冷凍室扉、30…第1冷却器、31…第2冷却器、32…第1ファン、33…第2ファン、34…ダクト、35…吹出口、36…吹出口、37…吸込口、38…吸込口、39…チルド室、40…引き出し式容器、41…上側容器、42…天井、43…制御部、44…扉センサ、45…操作パネル、50…庫内照明、51…収納部、52…凹陥面、53…側面、53a…平面部、53b…平面部、53c…曲面部、53d…曲面部、54…基板、55…LED、56…シェード、57…縁部、151…収納部、153…側面、153a…平面部、153b…曲面部、251…収納部、253…曲面部、351…収納部、353…傾斜平面部、451…収納部、452…凹陥面、551…収納部、552…凹陥面、651…収納部、652…凹陥面、756…シェード、756a…表面部分、756b…嵌合部分、756c…角部、856…シェード、856c…角部、956…シェード、956a…塗装

図1
図2
図3
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図5
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図13