(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 7/16 20060101AFI20240905BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
E06B7/16 C
E06B3/46
(21)【出願番号】P 2020201773
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-071291(JP,U)
【文献】実開昭62-120693(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00-7/36
E06B 3/04-3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠及び左右一対の縦枠を枠組みすることによって構成される枠体と、
前記枠体の内側に、前記上枠及び前記下枠に設けられる室外側レール及び室内側レールに沿って左右方向に移動可能に納められ、それぞれ上框、下框、戸先側の縦框及び戸尻側の召し合わせ框を框組みすることによって構成される外障子及び内障子と、
前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれかに、閉位置における前記外障子の前記召し合わせ框に当接することによって前記外障子の前記召し合わせ框を室内側に向けて引き寄せる引き寄せ部材と、を備え
、
前記引き寄せ部材は、前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれかの前記室外側レールの室内側面から室内側に向けて突出し、上下方向に延びる板状部材によって構成される、建具。
【請求項2】
前記板状部材は、前記室外側レールの延び方向に沿って間隔をあけて複数配置され、
複数の前記板状部材の前記室外側レールから室内側に向けたそれぞれの突出高さは、前記板状部材の並び方向の両端部に配置される前記板状部材から前記室外側レールの延び方向の中央側に配置される前記板状部材に向かうに従って次第に増大する、請求項
1に記載の建具。
【請求項3】
前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれかに、閉位置における前記内障子の前記召し合わせ框に当接するように配置される気密部材をさらに備え、
前記引き寄せ部材は、前記気密部材に一体に設けられる、請求項1
または2に記載の建具。
【請求項4】
前記引き寄せ部材は、前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれかの前記室外側レールの室内側面に取り付けられる、請求項1
または2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上框、下框、縦框及び召し合わせ框を框組みすることによって構成される外障子及び内障子をレールに沿って左右方向に移動可能に納めた引違い窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。この引違い窓の上枠及び下枠には、閉位置における内障子の召し合わせ框に密接することによって、召し合わせ框における気密性を向上させるための気密部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、引違い窓を構成する外障子の召し合わせ框の上端部及び下端部は、レールに対して室外側から当接することによって、召し合わせ框とレールとの隙間を封止するように構成されている。
【0005】
しかし、外障子にガタツキ等が発生すると、外障子の召し合わせ框の上端部及び下端部がレールに対して当接する力が弱くなり、気密性が低下するおそれがある。
【0006】
したがって、発明者は、外障子の召し合わせ框をレールに対して確実に密接させ、気密性を向上させることのできる建具を提供する、という課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の建具は、上枠、下枠及び左右一対の縦枠を枠組みすることによって構成される枠体と、前記枠体の内側に、前記上枠及び前記下枠に設けられる室外側レール及び室内側レールに沿って左右方向に移動可能に納められ、それぞれ上框、下框、戸先側の縦框及び戸尻側の召し合わせ框を框組みすることによって構成される外障子及び内障子と、前記上枠及び前記下枠の少なくともいずれかに、閉位置における前記外障子の前記召し合わせ框に当接することによって前記外障子の前記召し合わせ框を室内側に向けて引き寄せる引き寄せ部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】引違い窓の外障子の外召し合わせ框を上側から見た斜視図である。
【
図5】引違い窓の外障子の外召し合わせ框を下側から見た斜視図である。
【
図6】引違い窓の下枠側を拡大して示す縦断面図である。
【
図7】第1実施形態に係る引き寄せ部材を有する気密部材が取り付けられた下枠を示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る引き寄せ部材を有する気密部材の平面図である。
【
図9】第1実施形態に係る引き寄せ部材を有する気密部材の側面図である。
【
図10】気密部材と別体の第1実施形態に係る引き寄せ部材を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態に係る引き寄せ部材を有する気密部材が取り付けられた下枠を示す斜視図である。
【
図12】第2実施形態に係る引き寄せ部材を有する気密部材の平面図である。
【
図13】第3実施形態に係る引き寄せ部材を有する気密部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1、
図2及び
図3は、建具としての引違い窓1を示す。引違い窓1は、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みした枠体2の内側に、室外側に配置される外障子3と、室内側に配置される内障子4との2枚の障子、及び外障子3の室外側に配置される1枚の網戸5をそれぞれ納めることによって構成される。図中のX1は室外側を示し、X2は室内側を示す。
【0010】
図2及び
図3に示すように、外障子3は、上框31、下框32、戸先側に配置される縦框33及び戸尻側に配置される外召し合わせ框34を矩形に框組した框体30の内側に、スペーサ36を挟む2枚のガラス35が納められることによって構成される。内障子4は、上框41、下框42、戸先側に配置される縦框43及び戸尻側に配置される内召し合わせ框44を矩形に框組した框体40の内側に、スペーサ46を挟む2枚のガラス45が納められることによって構成される。外障子3及び内障子4は、いずれも縦框33と外召し合わせ框34との間、及び縦框43と内召し合わせ框44との間に、それぞれ上框31,41及び下框32,42を取り付けた縦勝ち構造を有する。
【0011】
外障子3は、上枠21及び下枠22にそれぞれ設けられる室外側レール211,221に左右方向に移動可能に係合している。内障子4は、上枠21及び下枠22にそれぞれ設けられる室内側レール212,222に左右方向に移動可能に係合している。網戸5は、上枠21及び下枠22の最も室外側に設けられる網戸レール213,223に左右方向に移動可能に係合している。
【0012】
図2及び
図3に示すように、外障子3の上框31、下框32、縦框33及び外召し合わせ框34は、金属框材311,321,331、341の室内側に、樹脂框材312、322、332,342を取り付けた複合構造をそれぞれ有する。内障子4の上框41、下框42、縦框43及び内召し合わせ框44は、金属框材411,421,431、441の室内側に、樹脂框材412、422、432,442を取り付けた複合構造をそれぞれ有する。これによって、外障子3及び内障子4は、断熱性及び防露性に優れる。
【0013】
図2及び
図4に示すように、外障子3の上端には、上框31、縦框33及び外召し合わせ框34に亘り、上枠21の室外側レール211に係合する係合溝3aを有する。
図2、
図5及び
図6に示すように、外障子3の下端には、下框32、縦框33及び外召し合わせ框34に亘り、下枠22の室外側レール221に係合する係合溝3bを有する。さらに、
図2に示すように、内障子4の上端には、上框41、縦框43及び内召し合わせ框44に亘り、上枠21の室内側レール212に係合する係合溝4aを有する。
図2及び
図6に示すように、内障子4の下端には、下框42、縦框43及び内召し合わせ框44に亘り、下枠22の室内側レール222に係合する係合溝4bを有する。外障子3及び内障子4の係合溝3b,4bの内部には、下枠22の室外側レール221及び室内側レール222に沿って移動する戸車37,47がそれぞれ設けられている。
【0014】
図2及び
図4に示すように、外障子3の上框31には、係合溝3aの室外側の内縁の全長に亘って、ゴム等の軟質材からなるパッキン313が設けられる。パッキン313は、上框31における金属框材311の室外側の上端部に、室外側レール211の室外側面211aに向けて突出するように設けられる。
【0015】
さらに、外障子3の外召し合わせ框34の上端部34aには、係合溝3aの内面に沿うように、硬質樹脂材からなる樹脂部品343が設けられる。樹脂部品343は、外召し合わせ框34の金属框材341に形成される係合溝3aの内面に、室外側レール211を一対の開口縁343a,343bによって室内外方向から挟み込むように設けられる。一対の開口縁343a,343bの間隔は、上框31に設けられている係合溝3aの幅に比べて十分に小さい。
【0016】
図2及び
図5に示すように、外障子3の下框32には、係合溝3bの室外側の内縁の全長に亘って、ゴム等の軟質材からなるパッキン323が設けられる。パッキン323は、下框32における金属框材321の室外側の下端部に、室外側レール221の室外側面221aに向けて突出するように設けられる。
【0017】
さらに、外障子3の外召し合わせ框34の下端部34bには、係合溝3bの内面に沿うように、硬質樹脂材からなる樹脂部品344が設けられる。樹脂部品344は、外召し合わせ框34の金属框材341に形成される係合溝3bの内面に、室外側レール211を一対の開口縁344a,344bによって室内外方向から挟み込むように設けられる。一対の開口縁344a,344bの間隔は、下框32に設けられている係合溝3bの幅に比べて十分に小さい。
【0018】
図1に示すように、内障子4の内召し合わせ框44の上下方向の略中央部には、クレセント錠48が設けられる。クレセント錠48は、外障子3の外召し合わせ框34に設けられる図示しないクレセント受けに対して係合することによって、外障子3の外召し合わせ框34と内障子4の内召し合わせ框44とを互いに密接させて施錠する。
【0019】
図2、
図3及び
図6に示すように、下枠22の延び方向の略中央部に、気密部材6が設けられる。気密部材6は、下枠22の延び方向の略中央部における室外側レール221と室内側レール222との間の上面22aに配置されている。この気密部材6が設けられる下枠22の延び方向の略中央部は、閉位置に配置されて室内外方向に重なり合う外召し合わせ框34及び内召し合わせ框44の略直下に対応する位置である。
【0020】
気密部材6の具体的な構造について、さらに
図7、
図8及び
図9を用いて説明する。本実施形態の気密部材6は、気密部材本体61と、複数枚の板状片62と、引き寄せ部材7と、によって構成される。これらの気密部材本体61、板状片62及び引き寄せ部材7は、軟質樹脂材によって一体に成形されている。
【0021】
気密部材本体61は、下枠22の室外側レール221と室内側レール222とに亘る大きさを有するブロック状に形成される。気密部材本体61は、
図6に示すように、室外側レール221よりも低い位置に配置される。しかし、気密部材本体61の上面61aは、外障子3及び内障子4の開閉動作に支障がない程度に、外障子3及び内障子4に近接するように配置されている。
【0022】
気密部材本体61の室内側端面61bには、2つの係合凸部611,611が設けられる。気密部材6は、係合凸部611,611を、下枠22の室内側レール222に設けられる2つの係合穴222a,222aに対してそれぞれ室外側から挿入することによって、下枠22の上面22aに取り付けられる。
【0023】
複数の板状片62は、気密部材本体61の上面61aにおける室内側に、上方に向けて突出して設けられる。詳しくは、複数の板状片62は、気密部材本体61の上面61aの室内側の端部付近に、面方向が室内外方向に沿い、且つ下枠22の延び方向に所定の間隔をおいて平行に配置される。板状片62は、
図6に示すように、内障子4の内召し合わせ框44の下端部44bとオーバーラップする高さを有している。そのため、板状片62は、開閉移動する内障子4の内召し合わせ框44の下端部44bと接触する。このとき、板状片62は、下枠22の延び方向に沿って倒れるように弾性的に変形して重なり合う。これによって、複数の板状片62は、閉位置に配置される内召し合わせ框44の係合溝4bにおける室内側レール222よりも室外側の部位を塞ぎ、気密性を確保する。
【0024】
引き寄せ部材7は、気密部材本体61の上面61aにおける室外側の端部に、上方に向けて突出して設けられる。詳しくは、引き寄せ部材7は、
図6及び
図7に示すように、気密部材本体61の上面61aから、室外側レール221の室内側面221bに沿って上方に延びる小さなブロック片からなる。引き寄せ部材7は、室外側レール221の室内側面221bに密接している。引き寄せ部材7の上端面71は、室外側レール221の上端よりも低い位置に配置される。そのため、外障子3の戸車37が室外側レール221に沿って転動する際に支障が生じることはない。
【0025】
引き寄せ部材7は、
図7、
図8及び
図9に示すように、室外側レール221の室内側面221bから室内側に向けて最も突出する室内側端面72を有する。この室内側端面72は、室外側レール221の室内側面221bに対して略平行に配置される。この室内側端面72の左右両側部には、それぞれ室内側端面72から室外側レール221の室内側面221bに向けて傾斜する傾斜面73,73が設けられる。
【0026】
室外側レール221の室内側面221bから室内側へ向かう引き寄せ部材7の突出量、すなわち、室外側レール221の室内側面221bから引き寄せ部材7の室内側端面72までの距離は、外障子3の下框32の係合溝3bにおける室内側の開口縁3b1(
図5参照)と、室外側レール221の室内側面221bとの隙間の大きさよりは小さい。しかし、この距離は、外障子3の外召し合わせ框34の下端部34bにおいて室外側レール221を挟み込んでいる樹脂部品344の室内側の開口縁344b(
図5参照)と、室外側レール221の室内側面221bとの隙間の大きさよりも僅かに大きい。
【0027】
次に、この引き寄せ部材7の作用及び効果について説明する。外障子3の外召し合わせ框34が開位置から閉位置に向けて移動すると、外召し合わせ框34の下端部34bの樹脂部品344の室内側の開口縁344bが、まず、傾斜面73に当接する。室外側レール221の室内側面221bから引き寄せ部材7の室内側端面72までの距離は、外障子3の下框32の係合溝3bにおける室内側の開口縁3b1(
図5参照)と、室外側レール221の室内側面221bとの間の隙間の大きさよりも小さいため、外障子3の移動時に、下框32の係合溝3bが引き寄せ部材7と干渉することはなく、外障子3の開閉動作が重くなることはない。
【0028】
外召し合わせ框34がさらに閉位置に向けて移動すると、樹脂部品344の室内側の開口縁344bは、傾斜面73に沿って室内側に向けて次第に案内される。これによって、外召し合わせ框34は、
図6中の白抜き矢印に示すように、室内側に向けて徐々に引き寄せられる。外障子3が閉位置に停止すると、樹脂部品344の室内側の開口縁344bは、引き寄せ部材7の室内側端面72に配置され、室内側に向けて最も引き寄せられる。そのため、樹脂部品344の室外側の開口縁344aが、室外側から室外側レール221の室外側面221aに向けて確実に密接する。したがって、クレセント錠48の施錠によって外召し合わせ框34を内召し合わせ框44に引き寄せて気密性を向上させることに加えて、外障子3の外召し合わせ框34の下端部34bにおいても気密性を向上させることができる。
【0029】
引き寄せ部材7は、下枠22の室外側レール221の室内側面221bから室内側に向けて突出するように配置され、閉位置に向けて移動する外障子3の外召し合わせ框34に当接することによって、外障子3の外召し合わせ框34を次第に室内側に向けて案内する傾斜面73を有する。そのため、外障子3の外召し合わせ框34の下端部34bは、引き寄せ部材7の室内側端面72に向けて円滑に案内される。
【0030】
引き寄せ部材7は、気密部材6に一体に設けられているため、気密部材6を下枠22に取り付けるだけで、気密部材6による内召し合わせ框44の下端部44bの気密性を向上させる効果に加えて、引き寄せ部材7による外召し合わせ框34の下端部34bの気密性を向上させる効果を容易に得ることができる。
【0031】
以上の実施形態に示す引き寄せ部材7は、気密部材6の気密部材本体61に一体に成形されている。しかし、引き寄せ部材7は、
図10に示すように、気密部材6とは別体に形成され、下枠22の室外側レール221の室内側面221bに、両面接着テープ、係合穴と係合凸部とによる係合等の適宜の固定手段によって取り付けられてもよい。これによって、気密部材6が取り付けられた既設の下枠22に、引き寄せ部材7を後付けすることができる。
【0032】
図11及び
図12は、第2実施形態に係る引き寄せ部材8を示している。
図7及び
図8に示される第1実施形態に係る引き寄せ部材7を有する気密部材6と同一符号の部位は、同一構成の部位を示している。それらの詳細な説明は上記説明を援用し、以下においては省略する。
【0033】
引き寄せ部材8は、気密部材本体61の上面61aにおける室外側の端部に、上方に向けて突出して設けられる複数の板状部材81からなる。板状部材81は、それぞれ軟質樹脂によって気密部材本体61の上面61aに一体に成形されている。各板状部材81は、気密部材本体61の上面61aから、室外側レール221の室内側面221bに沿って上下方向に延びており、室外側レール221の延び方向に沿って、間隔をあけて並んで設けられている。板状部材81は、室外側レール221の室内側面221bにそれぞれ密接している。板状部材81は、それぞれ室外側レール221の上端よりも低い位置に配置されるため、外障子3の戸車37が室外側レール221に沿って転動する際に支障が生じることはない。
【0034】
各板状部材81は、室外側レール221の室内側面221bから室内側に向けて同一の突出高さを有している。板状部材81は、外障子3の框体30と接触した際に容易に撓むことができるため、各板状部材81の室内側に向けた突出高さは、外障子3の下框32の係合溝3bにおける室内側の開口縁3b1(
図5参照)と、室外側レール221の室内側面221bとの隙間の大きさと同等以上であってもよい。これによって、板状部材81からなる引き寄せ部材8であっても、外障子3の外召し合わせ框34と当接した際には、引き寄せ部材7と同様に、外召し合わせ框34を室内側に向けて引き寄せることができる。
【0035】
板状部材81の室内側へ向けたそれぞれの突出高さは、
図13に示すように異ならせてもよい。詳しくは、室外側レール221の室内側面221bから室内側に向けた板状部材81のそれぞれの突出高さは、板状部材81の並び方向の両端部に配置される板状部材81a,81aから室外側レール221の延び方向の中央C側に配置される板状部材81b,81bに向かうに従って次第に増大している。これによれば、引き寄せ部材8は、外障子3が閉位置に近づくに従って、外召し合わせ框34に対して次第に室内側に向けて引き寄せる力を大きくすることができるため、より確実に外召し合わせ框34を室内側に引き寄せることができる。
【0036】
図11、
図12及び
図13に示した引き寄せ部材8は、6つの板状部材81によって構成されている。しかし、引き寄せ部材8を構成する板状部材81は、少なくとも1つあればよい。引き寄せ部材8は、
図10に示した引き寄せ部材7と同様に、気密部材6と別体に構成され、室外側レール221の室内側面221bに取り付けられてもよい。
【0037】
以上説明した引き寄せ部材7,8を有する気密部材6及び引き寄せ部材7,8は、上枠21に設けられてもよい。引き寄せ部材7,8を有する気密部材6及び引き寄せ部材7,8が上枠21と下枠22にそれぞれ設けられる場合は、外障子3の外召し合わせ框34の上端部34aと下端部34bの両方の気密性を向上させることができる。この場合は、特に、引違い窓1が、床面から天井までの高さを有する大きな高さ寸法を有していても、外召し合わせ框34及び内召し合わせ框44の重ね合わせ部位における気密性を高めることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 引違い窓、 2 枠体、 21 上枠、 22 下枠、 23,24 縦枠、 211,212 室外側レール、 212,222 室内側レール、 212a 室外側面、 212b 室内側面、 3 外障子、 4 内障子、 31,41 上框、 32,42 下框、 33,43縦框、 34 外召し合わせ框、 44 内召し合わせ框、 344 樹脂部品、 6 気密部材、 7,8 引き寄せ部材、 73 傾斜面、 81 板状部材