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特許7550088ユーザ支援装置、ユーザ支援システム、及びユーザ支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ユーザ支援装置、ユーザ支援システム、及びユーザ支援方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240905BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20240905BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G08G1/0969
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021041573
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141330
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】明李 成博
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠秀
(72)【発明者】
【氏名】千葉 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】費 霄霄
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-115980(JP,A)
【文献】特開2010-231501(JP,A)
【文献】特開2017-087876(JP,A)
【文献】特開2011-220861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G08G 1/005
G08G 1/0969
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から降車するユーザに、降車地から目的地に向かう移動を案内する処理を行うユーザ支援装置において、
前記降車地における前記車両の停車位置及び前記車両の向きである停車向きを含む車両データを受け取るデータ受信部と、
前記降車地から前記目的地までの移動経路を含む経路データを生成し、及び
前記車両データと前記経路データとに基づいて、前記降車地から前記目的地に向かうユーザの移動方向を示す第1案内画像を含む画像データを生成する
ことを実行するコントローラと、
前記ユーザに対して画像を表示する外部装置に前記画像データを送信するデータ送信部と、を備え、
前記コントローラは、
前記停車位置と前記停車向きとに基づいて、前記ユーザの移動方向が前記停車向きに対する相対的な移動方向を示すように前記第1案内画像を生成し、
前記外部装置は、前記車両に乗車している前記ユーザに画像を表示する複数の車載ディスプレイを含み、
前記データ送信部は、前記ユーザが降車する側に配置された前記車載ディスプレイに前記画像データを送信する
ユーザ支援装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記停車位置及び前記停車向きに基づいて、前記車両から降車する前記ユーザの降車位置と、前記車両から降車する前記ユーザの降車向きとを算出し、
前記降車位置と前記降車向きとに基づいて、前記降車位置から前記移動経路への動線を示す第2案内画像をさらに含む前記画像データを生成する
ことを実行する請求項1記載のユーザ支援装置。
【請求項3】
前記外部装置は、前記車両の周辺に光を投影して画像を表示する複数の発光装置を含み、
前記データ送信部は、前記車両の周辺のうち前記ユーザが降車する側に前記光を投影する前記発光装置に前記画像データを送信する
請求項1又は2記載のユーザ支援装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記車両に対する前記ユーザの状態を判定することを実行し、
前記コントローラが前記ユーザの状態を降車前と判定している場合、前記データ送信部は、前記車載ディスプレイに前記画像データを送信する
請求項記載のユーザ支援装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記車両に対する前記ユーザの状態を判定することを実行し、
前記コントローラが前記ユーザの状態を降車中と判定している場合、前記データ送信部は、前記発光装置に前記画像データを送信する
請求項記載のユーザ支援装置。
【請求項6】
前記外部装置は、ディスプレイを備えたユーザ端末を含み、
前記データ送信部は、前記ユーザ端末に前記画像データを送信する
請求項1又は2記載のユーザ支援装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記車両に対する前記ユーザの状態を判定することを実行し、
前記コントローラが前記ユーザの状態を降車後と判定している場合、前記データ送信部は、前記ユーザ端末に前記画像データを送信する
請求項記載のユーザ支援装置。
【請求項8】
前記第1案内画像は、
前記停車向きを示す車両画像と、
前記ユーザの移動方向を、前記車両画像によって示される前記停車向きに対して相対的に示す移動方向画像と、を含む
請求項又は記載のユーザ支援装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記停車位置から前記ユーザまでの距離に基づいて、画像の縮尺率を設定する
請求項からいずれか一項記載のユーザ支援装置。
【請求項10】
車両から降車するユーザに、降車地から目的地に向かう移動を案内する処理を行うユーザ支援システムにおいて、
前記ユーザに画像を表示する外部装置と、
前記外部装置と通信可能なユーザ支援装置と、を有し、
前記ユーザ支援装置は、
前記降車地における前記車両の停車位置及び前記車両の向きである停車向きを含む車両データを受け取るデータ受信部と、
前記降車地から前記目的地までの移動経路を含む経路データを生成し、及び
前記車両データと前記経路データとに基づいて、前記降車地から前記目的地に向かう前記ユーザの移動方向を示す第1案内画像を含む画像データを生成する
ことを実行するコントローラと、
前記外部装置に前記画像データを送信するデータ送信部と、を備え、
前記コントローラは、
前記停車位置と前記停車向きとに基づいて、前記ユーザの移動方向が前記停車向きに対する相対的な移動方向を示すように前記第1案内画像を生成し、
前記外部装置は、前記車両に乗車している前記ユーザに画像を表示する複数の車載ディスプレイを含み、
前記データ送信部は、前記ユーザが降車する側に配置された前記車載ディスプレイに前記画像データを送信する
ユーザ支援システム。
【請求項11】
車両から降車するユーザに、降車地から目的地に向かう移動を案内する処理を実行するコントローラを用いたユーザ支援方法において、
前記コントローラが、
前記降車地における前記車両の停車位置及び前記車両の向きである停車向きを含む車両データを取得し、
前記降車地から前記目的地までの移動経路を含む経路データを生成し、
前記車両データと前記経路データとに基づいて、前記降車地から前記目的地に向かうユーザの移動方向を示す第1案内画像を含む画像データを生成し、及び
前記ユーザに対して画像を表示する外部装置と通信するデータ送信部を制御して、前記外部装置に前記画像データを送信し、
前記コントローラが、
前記車両の停車位置と前記停車向きとに基づいて、前記ユーザの移動方向が前記停車向きに対する相対的な移動方向を示すように前記第1案内画像を生成し、
前記外部装置は、前記車両に乗車している前記ユーザに画像を表示する複数の車載ディスプレイを含み、
前記データ送信部は、前記ユーザが降車する側に配置された前記車載ディスプレイに前記画像データを送信する
ユーザ支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ支援装置、ユーザ支援システム、及びユーザ支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バスルートに関する案内情報を表示する情報表示端末が開示されている。情報表示端末は、目的地と、目的地付近にある降車候補のバス停と、降車候補のバス停を通るバスルートと、バス停から目的地までの歩行ルートとを地図上に重ねて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-197017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明においては、車両から降車した降車地において、情報表示端末に表示された情報からユーザが認識する移動方向と、実空間において目的地に向かう移動方向とが上手く整合できないという問題がある。そのため、目的地へと向かう移動方向の認識に時間がかかり、降車地から目的地へとスムーズに移動できないという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両から降車したユーザが降車地から目的地に向かってスムーズに移動することができるユーザ支援装置、ユーザ支援システム、及びユーザ支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るユーザ支援装置は、降車地における車両の停車位置及び車両の向きである停車向きを含む車両データ、及び降車地から目的地までの移動経路を含む経路データに基づいて、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を示す第1案内画像を含む画像データを生成し、ユーザに対して画像を表示する外部装置に画像データを送信する。第1案内画像は、ユーザの移動方向が停車向きに対する相対的な移動方向を示すように生成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両から降車したユーザは、降車地から目的地に向かってスムーズに移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係るユーザ支援システムの構成を模式的に示す図である。
図2図2は、ユーザに対して画像を表示する外部装置の一例である車載ディスプレイおよび発光装置を模式的に示す図である。
図3A図3Aは、ユーザ支援システムによる処理を示すフローチャートである。
図3B図3Bは、ユーザ支援システムによる処理を示すフローチャートである。
図3C図3Cは、ユーザ支援システムによる処理を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、車載ディスプレイによるユーザの移動方向の表示例を示す説明図である。
図4B図4Bは、車載ディスプレイによるユーザの移動方向の表示例を示す説明図である。
図5A図5Aは、発光装置によるユーザの移動方向の表示例を示す図である。
図5B図5Bは、発光装置によるユーザの移動方向の表示例を示す図である。
図6図6は、ユーザ端末による移動方向の表示例を示す図である。
図7図7は、ユーザ端末による移動方向の表示例を示す図である。
図8図8は、ユーザ端末による移動方向の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
図1を参照して、本実施形態に係るユーザ支援システムの構成を説明する。本実施形態に係るユーザ支援システムは、車両200から降車するユーザに、降車地から目的地に向かう移動を案内する処理を行うシステムである。ここで、目的地とは、車両200で移動したユーザが、降車地からさらに移動することで到達することができる地点をいう。降車地から目的地への移動は、例えば徒歩であるが、それ以外の移動方向を利用するものであってもよい。また、降車地から目的地への移動は、徒歩による移動に、公共交通機関を利用する移動又は降車地で降車した車両200とは異なる車両200による移動とを組み合わせたものであってもよい。
【0011】
ユーザ支援システムは、サーバ1と、車両200に搭載された車載システム2と、車両200から降車するユーザのユーザ端末3と、で構成されている。サーバ1と、車載システム2と、ユーザ端末3とは、ネットワーク5を介して相互に通信可能に構成されている。ネットワーク5は、例えばインターネットが挙げられる。ネットワーク5は、4G/LTE、又は5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0012】
サーバ1は、車両200から降車するユーザに、降車地から目的地に向かう移動を案内する処理を行うユーザ支援装置である。サーバ1は、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータにより構成されている。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースとを有している。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0013】
通信インターフェース10は、1つ以上の有線又は無線の通信インタフェースユニットを含む。通信インターフェース10は、車載システム2及びユーザ端末3との間で情報の送受信を可能にする。有線インターフェースとしては、例えば有線LANが使用される。また無線インターフェースとしては、例えば無線LANなどが使用される。通信インターフェース10は、車載システム2及びユーザ端末3との間で、ネットワーク5により規定される通信プロトコルに従いデータ伝送を行う。
【0014】
本実施形態において、通信インターフェース10は、車載システム2及びユーザ端末3から各種のデータを受け取るデータ受信部として機能する。また、通信インターフェース10は、車載システム2又はユーザ端末3に各種のデータを送信するデータ送信部として機能する。
【0015】
コントローラ15は、ハードウェアプロセッサと、メモリとから構成され、サーバ1の種々の機能を実現する1つ以上の情報処理回路として動作する。これらの機能は、ハードウェアプロセッサによってメモリに格納されたプログラムを実行させることにより実現される。
【0016】
コントローラ15は、1つ以上の情報処理回路として、経路生成部15aと、画像生成部15bと、出力制御部15cとを備えている。
【0017】
経路生成部15aは、降車地から目的地までの移動経路を含む経路データを生成する。画像生成部15bは、車両データと経路データとに基づいて、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を示す第1案内画像を含む画像データを生成する。ここで、車両データは、降車地における車両200の停車位置と車両200の向きとを含むデータである。出力制御部15cは、通信インターフェース10を介して、画像データを、車載システム2の出力装置22およびユーザ端末3の出力装置32に出力する処理を行う。
【0018】
記憶装置16は、移動経路を生成したり、ユーザ及び車両200の位置関係を認識したりするために、地図に関する情報を含む地図データを保有している。もっとも、サーバ1は、記憶装置16を備える構成であってもよいが、クラウドコンピューティングにより地図データを外部のデータサーバから取得してもよい。
【0019】
サーバ1は、ユーザの配車依頼に応じて乗車地から降車地までの配車計画を決定し、配車計画に従って車両200を配車する配車装置としての機能を備えていてもよい。
【0020】
車載システム2は、車両200に搭載されるシステムである。車両200は、ユーザの配車依頼に応じて、ユーザを乗車地から降車地まで輸送するサービス車両である。しかしながら、車両200は、サービス車両に限らず、ユーザが個人で利用する自家用車両であってもよい。また、車両200は、ドライバが乗車しないで自動運転機能により走行する車両である。しかしながら、車両200は、ドライバの手動運転により走行する車両でもよいし、ドライバが乗車した上で自動運転機能により走行する車両でもよい。
【0021】
自動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングなどのアクチュエータのうち、少なくとも一つのアクチュエータが乗員の操作なしに制御されている状態のことを指す。そのため、その他のアクチュエータが乗員の操作により作動していたとしても構わない。また、自動運転とは、加減速制御、横位置制御などのいずれかの車両制御が実行されている状態であればよい。また、手動運転とは、例えば、ブレーキ、アクセル、ステアリングを乗員が操作している状態のことを指す。
【0022】
車載システム2は、画像データに基づいて、車両200から降車するユーザに、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を表示する処理などを実行する。車載システム2は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。車載システム2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースを有している。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0023】
通信インターフェース20は、1つ以上の有線又は無線の通信インタフェースユニットを含む。通信インターフェース20は、サーバ1及びユーザ端末3との間で情報の送受信を可能にする。通信インターフェース20は、サーバ1の通信インターフェース10と同様である。なお、通信インターフェース20は、ネットワーク5を介さずにユーザ端末3と直接通信する機能を備えていてもよい。
【0024】
入出力インターフェース21には、車両200に搭載される出力装置22、位置推定装置23及び物体検出装置24が接続される。入出力インターフェース21は、位置推定装置23及び物体検出装置24から出力されたデータを受け取り、このデータをコントローラ25に出力する。また、入出力インターフェース21は、コントローラ25から出力された所定のデータを出力装置22へ出力して、データに従った情報を出力装置22から出力させる処理を行う。
【0025】
出力装置22は、ユーザに情報を表示する装置である。本実施形態において、出力装置22は、車載ディスプレイ22aと、発光装置22bとを含んでいる。
【0026】
車載ディスプレイ22aは、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)などを用いた表示パネルを備えている。車載ディスプレイ22aは、車両200の室内に1つ以上設けられており、車両200に乗車しているユーザに画像を表示する。図2に示すように、本実施形態では、2つの車載ディスプレイ22aが、車両200の室内の左側と右側とに配置されている。例えば、一方の車載ディスプレイ22aは、運転席のシートバックの背面に配置され、他方の車載ディスプレイ22aは、助手席のシートバックの背面に配置される。個々の車載ディスプレイ22aは、リアシートに着座するユーザから視認可能とされている。
【0027】
発光装置22bは、車両200の周辺、具体的には車両200の周囲の地面に光を投影して画像を表示する装置である。発光装置22bは、車両200に1つ以上設けられており、車両200から降車中のユーザに画像を表示する。図2に示すように、本実施形態では、2つの発光装置22bが、車両200の左側と右側とに配置されている。例えば、一方の発光装置22bは、車両200のルーフの右側辺縁に配置され、車両200近傍の右側の地面に画像を表示することができる。また、他方の発光装置22bは、車両200のルーフの左側辺縁に配置され、車両200近傍の左側の地面に画像を表示することができる。個々の発光装置22bによって表示される画像は、車両200から降車中のユーザから視認可能とされている。
【0028】
位置推定装置23は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)、オドメトリなどの位置推定技術を利用して、車両の位置を計測する。位置推定装置23には、GPS受信器、慣性航法装置、ブレーキペダル及びアクセルペダルに設けられたセンサ、車輪速センサ及びヨーレートセンサなど車両の挙動を取得するセンサ、レーザレーダ、カメラなどが含まれる。位置推定装置23は、これらの情報のうち1つの情報を用いて、或いは複数の情報を総合して、車両200の停車位置、及び停車位置における車両200の向きである停車向きを検出する。位置推定装置23は、計測結果に基づいて車両200の停車位置及び停車向きを示す車両データを生成し、この車両データを出力する。
【0029】
物体検出装置24は、車両200に搭載された、複数の物体検出センサを備える。物体検出装置24は、複数の物体検出センサを用いて車両200の周囲に存在する物体(以下「周囲物体」という)を検出する。周囲物体には、車両200から降車したユーザも含まれる。周囲物体の検出には、周囲物体の位置、向き、速度、移動方向、及び属性が含まれる。属性とは、歩行者、自動車、標識といった物体の特徴をいう。物体検出装置24は、周囲物体の検出結果を含む物体データを生成し、この物体データを出力する。
【0030】
複数の物体検出センサは、例えばレーザレンジファインダを含む。レーザレンジファインダは、車両200の周囲(例えば360度)を所定の範囲内でセンシングし、センシング結果のデータを出力する。センシング結果のデータは、例えばポイントクラウド形式で出力される。また、複数の物体検出センサは、カメラを含む。カメラは、車両200の周囲(例えば360度)を撮影し、撮影した画像データを出力する。カメラは、車両200の周囲を撮影できるように、複数設置されている。物体検出装置24は、レーザレンジファインダ、カメラ以外の種類のセンサを含んでもよい。
【0031】
コントローラ25は、ハードウェアプロセッサと、メモリとから構成され、車載システム2の種々の機能を実現する1つ以上の情報処理回路として動作する。これらの機能は、メモリに格納されたプログラムをハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0032】
本実施形態において、コントローラ25は、入出力インターフェース21を介して、位置推定装置23が測定した車両データ及び物体検出装置24が検出した物体データを受け取る。コントローラ25は、通信インターフェース20を介して、車両データ及び物体データをサーバ1に送信する処理を行う。また、コントローラ25は、通信インターフェース20を介して画像データを受け取ると、入出力インターフェース21を介して画像データを出力装置22に出力する処理を行う。
【0033】
コントローラ25は、図示しないCANインターフェースと接続され、車両200の状態に関する情報である車両情報、車両200に対するユーザの状態を判定するための判定情報を取得することができる。コントローラ25は、車両情報に基づいて、車両200が停車したかどうか判断することができる。また、コントローラ25は、判定情報に基づいて、ユーザが降車前の状態であるのか、ユーザが降車中の状態であるのか、それともユーザが降車後の状態であるのかを判定することができる。
【0034】
ユーザ端末3は、降車地において車両200から降車するユーザが利用する情報処理端末である。ユーザ端末3は、画像データに基づいて、車両200から降車するユーザに、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を表示する処理などを実行する。ユーザ端末3は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。ユーザ端末3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサと、メモリと、各種のインターフェースを有している。メモリ、各種のインターフェースは、バスを介してハードウェアプロセッサに接続されている。
【0035】
通信インターフェース30は、1つ以上の有線又は無線の通信インタフェースユニットを含む。通信インターフェース30は、サーバ1及び車載システム2との間で情報の送受信を可能にする。通信インターフェース30は、サーバ1の通信インターフェース10と同様である。なお、通信インターフェース30は、ネットワーク5を介さずに車載システム2と直接通信する機能を備えていてもよい。
【0036】
入出力インターフェース31には、出力装置32が接続される。入出力インターフェース31は、コントローラ35から出力された所定のデータを出力装置32へ出力して、データに従った情報を出力装置32から出力させる処理を行う。
【0037】
出力装置32は、情報を出力する装置である。本実施形態において、出力装置32は、ディスプレイ32aと、スピーカ32bとを含んでいる。
【0038】
ディスプレイ32aは、情報を表示する装置であり、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)などを用いた表示パネルを備えている。スピーカ32bは、音又は音声を出力する装置である。
【0039】
コントローラ35は、ハードウェアプロセッサと、メモリとから構成され、ユーザ端末3の種々の機能を実現する1つ以上の情報処理回路として動作する。これらの機能は、メモリに格納されたプログラムをハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0040】
本実施形態において、コントローラ35は、通信インターフェース30を介して画像データを受け取ると、入出力インターフェース31を介して画像データを出力装置32に出力する処理を行う。
【0041】
以下、図3A乃至図3Cを参照し、ユーザ支援システムにおける処理の流れを説明する。ユーザ支援システムにおいて、サーバ1、車載システム2、及びユーザ端末3の処理の主体は、コントローラ15、コントローラ25、及びコントローラ35である。
【0042】
まず、車載システム2が降車地に到着したことを判定すると(ステップS10)、車載システム2は、降車地の情報(位置など)を含む降車地データ及び目的地の情報(位置など)を含む目的地データをサーバ1に送信する(ステップS11)。サーバ1は、目的地データを受信すると、記憶装置16に格納された地図データを参照し、降車地から目的地までの移動経路を含む経路データを生成する(ステップS12)。なお、サーバ1が車両200を配車する配車装置としての機能を備えている場合、サーバ1は、ユーザの配車依頼又は配車計画に基づいて、降車地及び目的地を特定してもよい。
【0043】
車載システム2は、位置推定装置23を用いて降車地における車両200の停車位置及び停車向きを検出し(ステップS13)、停車位置及び停車向きを含む車両データをサーバ1に送信する(ステップS14)。車載システム2は、降車地まで走行した走行経路の情報を参照して、停車向きを検出してもよい。
【0044】
車載システム2は、物体検出装置24を用いて周囲物体を検出し(ステップS15)、周囲物体の検出結果を含む物体データをサーバ1に送信する(ステップS16)。
【0045】
サーバ1は、車載システム2から受け取った車両データ及び物体データに基づいて、車両200の停車位置及び停車向きを特定する(ステップS17)。車両データには、車両200の停車位置及び停車向きが含まれているため、サーバ1は、車両データのみで車両200の停車位置及び停車向きを特定することができる。ただし、車両データに停車向きが含まれていない場合もあるので、サーバ1は物体データを用いて停車向きを特定することができる。また、サーバ1は、物体データを参照することで、周囲物体に対する車両200の相対的な位置及び向きを特定することができる。サーバ1は、特定された相対的な位置及び向きと高精度の地図データと対比することで、車両データから特定される停車位置及び停車向きを補正することができる。これにより、サーバ1は、車両200の停車位置及び停車向きを高精度に特定することができる。
【0046】
サーバ1は、停車している車両200から降車するユーザの降車位置と、車両200から降車するユーザの降車向き(体の正面が向く方向)とを算出する(ステップS18)。サーバ1は、降車地周辺の地図情報、停車位置、停車向き、左側通行又は右側通行といった交通環境の情報などを参照し、ユーザの降車位置及び降車向きを特定する。
【0047】
サーバ1は、ユーザが降車前であるか否かを判断する(ステップS19)。例えば、サーバ1は、車載システム2と通信して必要な情報を取得することにより、ユーザの状態を判断することができる。ユーザが降車前である場合(ステップS19:YES)、ステップS20の処理に進み、ユーザが降車前ではない場合(ステップS19:NO)、ステップS23の処理に進む。
【0048】
サーバ1は、車両データと経路データとに基づいて、車載ディスプレイ22aを表示対象とする画像データ生成し(ステップS20)、画像データを車載システム2に送信する(ステップS21)。車載システム2は、画像データに従って、2つの車載ディスプレイ22aのうち一方の車載ディスプレイ22aに画像データを出力する。これにより、対応する車載ディスプレイ22aに所定の画像が表示される(ステップS22)。
【0049】
ステップS20においてサーバ1が生成する所定の画像は、降車地から目的地への移動を案内する案内画像である。この案内画像は、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を示す移動方向画像(第1案内画像)と、ユーザの降車位置から移動経路への動線を示す誘導画像(第2案内画像)とを含んでいる。
【0050】
以下、図4A及び図4Bを参照し、降車前のユーザを対象として車載ディスプレイ22aに表示される案内画像500について説明する。図4A及び図4Bにおいて、P1は降車地、Rは移動経路、Dcは停車位置における車両200の停車向きを示している。
【0051】
図4Aは、降車地P1から延びる移動経路Rの向きと、停車向きDcとが同一方向となる状況を想定している。例えば、サーバ1は、降車地P1、車両200の停車位置及び停車向きDcの関係より、ユーザが車両200の左側から降車すると推測する。この場合、ユーザの降車向きは、停車向きDcに対して反時計回りに90°回転した向き(図中左向き)として特定される。ユーザの降車位置(図示せず)は、車両200の停車位置よりも所定の距離だけ左側にオフセットした位置として特定される。
【0052】
サーバ1は、これらの情報を頼りに、ユーザが降車する側の車載ディスプレイ22aが左側の車載ディスプレイ22aであることを決定する。すなわち、案内画像500は、左側の車載ディスプレイ22aに表示される画像として生成される。
【0053】
加えて、サーバ1は、ユーザの降車位置及び降車向きを参照にすることにより、車両200から降車したユーザが移動経路Rに応じた移動を開始するために、以下の動作を特定する。すなわち、降車位置にいるユーザは、車両200に背を向けた状態にあると想定されるので、ユーザは、まず、時計回りに90度方向を転換する必要がある。そして、降車地から目的地へとユーザが移動するためには、停車向きDcと同一方向に移動する必要がある。
【0054】
サーバ1は、このようなユーザの動きを考慮して、案内画像500を生成する。例えば、案内画像500は、上述したユーザの動きが湾曲した矢印によって表現されている。この案内画像500によれば、矢印の向きにより、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向が示される(第1案内画像)。矢印の基端側を湾曲して表現することで、降車位置から移動経路Rへの動線が示される(第2案内画像)。
【0055】
また、案内画像500は、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向が、車両200の停車向きDcに対する相対的な移動方向を示すように生成されている。このため、実空間における車両200の停車向きDcと対応付けて、案内画像500を車載ディスプレイ22aに表示することができる。これにより、車載ディスプレイ22aに表示される案内画像500を視認することで、ユーザは、案内画像500の矢印の向きを実空間におけるユーザの移動方向としてそのまま認識することができる。
【0056】
ここで、図4Bを用いて、図4Aと同一の降車地P1であるが、車両200の停車位置及び停車向きが相違する状況を説明する。図4Bは、降車地P1から延びる移動経路Rの向きに対して、停車向きDcが直交する関係となっている。この場合、降車地から目的地へとユーザが移動するためには、車両200の停車向きDcに対して時計回りに90度回転した方向(図中右方向)に移動する必要がある。
【0057】
このように、同一の降車地であっても、車両200の停車位置及び停車向きが相違すれば、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向は相違する。そこで、サーバ1が、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を車両200の停車向きDcに対する相対的な移動方向を示すように案内画像500を生成することで、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を適切に案内することができる。
【0058】
再び図3Bを参照するに、サーバ1は、ユーザが降車中であるか否かを判断する(ステップS23)。ユーザが降車中である場合(ステップS23:YES)、ステップS24の処理に進み、ユーザが降車中ではない場合(ステップS23:NO)、ステップS27の処理に進む。
【0059】
サーバ1は、車両データと経路データとに基づいて、発光装置22bを表示対象とする画像データ生成し(ステップS24)、画像データを車載システム2に送信する(ステップS25)。車載システム2は、画像データに従って、2つの発光装置22bのうち一方の発光装置22bに画像データを出力する。これにより、対応する発光装置22bから所定の画像が表示される(ステップS26)。
【0060】
図5A及び図5Bには、降車中のユーザに対して発光装置22bにより表示される案内画像600が示されている。図5A及び図5Bに示す状況のそれぞれは、図4A及び図4Bに示す状況のそれぞれと対応している。図5Aの場合、サーバ1は、ユーザが降車する側に相当する左側の発光装置22bによって地面に表示する案内画像600を生成する。一方、図5Bの場合、サーバ1は、ユーザが降車する側に相当する右側の発光装置22bによって地面に表示する案内画像600を生成する。
【0061】
サーバ1は、各状況に応じたユーザの動きを考慮して、地面に表示される案内画像600を生成する。上述した案内画像500と同様、案内画像600は、ユーザの動きに対応する矢印によって表現されている。また、サーバ1は、地面に表示されるユーザの移動方向が停車向きDcに対する相対的な移動方向を示すように、案内画像600を生成している。このため、実空間における車両200の停車向きDcと対応付けて、発光装置22bから案内画像600を表示することができる。これにより、地面に表示される案内画像600を視認することで、ユーザは、案内画像600の矢印の向きを実空間におけるユーザの移動方向としてそのまま認識することができる。
【0062】
再び図3Bを参照するに、サーバ1は、ユーザが降車後であるか否かを判断する(ステップS27)。ユーザが降車後である場合(ステップS27:YES)、ステップS28の処理に進み、ユーザが降車後ではない場合(ステップS27:NO)、ステップS19の処理に戻る。
【0063】
車載システム2は、物体検出装置24を用いて降車したユーザを検出し(ステップS28)、ユーザの検出結果を含む物体データ(以下「ユーザデータ」という)をサーバ1に送信する(ステップS29)。
【0064】
サーバ1は、ユーザデータに基づいてユーザ位置及びユーザ向きを算出する(ステップS30)。そして、サーバ1は、車両データと、経路データと、ユーザ位置と、ユーザ向きとに基づいて、ユーザ端末3のディスプレイ32aを表示対象とする画像データを生成する(ステップS31)。サーバ1は、画像データと、ステップS30において算出されたユーザ位置及びユーザ向きを含む位置補正データをユーザ端末3に送信する(ステップS32)。これにより、ユーザ端末3のディスプレイ32aに所定の画像が表示される(ステップS33)。
【0065】
図6には、ディスプレイ32aに表示される案内画像700が示されている。この案内画像700は、車両200周囲の地図を示す地図画像に、経路画像710、車両画像720、ユーザ位置画像730、及びユーザ向き画像740が重畳された画像である。経路画像710は、目的地までの移動経路を示す画像と、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を示す移動方向画像(第1案内画像)と、降車位置から移動経路Rへの動線を示す誘導画像(第2案内画像)とが含まれた画像である。車両画像720は、車両200の停車位置及び停車向きを示す画像である。ユーザ位置画像730は、ユーザ位置を示す画像であり、ユーザ向き画像740は、ユーザ向きを示す画像である。
【0066】
また、サーバ1は、停車した車両200の周辺が拡大して表示されるように、小さい縮尺で案内画像700を生成する。
【0067】
このように、案内画像700には、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を含む経路画像710と、車両200の停車向きを示す車両画像720とが並存している。これにより、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向が、車両200の停車向きに対する相対的な移動方向として示されることとなる。よって、車両200から降車したユーザは、ディスプレイ32aに表示される停車向きDcと、実空間の車両200の停車向きDcと対応させることができる。これにより、実空間の車両200の停車向きDcと対比させて、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向を特定することができるので、実空間においてユーザの移動方向を適切に認識することができる。
【0068】
なお、ユーザ端末3は、ディスプレイ32aに案内画像700を表示する際、ユーザ位置画像730を表示する位置を、ユーザ端末3によって計測されるユーザ位置に基づいて設定してもよい。この場合、ユーザ端末3は、ユーザ端末3が認識するユーザ位置を、サーバ1から受信した位置補正データによって補正してもよい。
【0069】
再び図3Cを参照するに、車載システム2は、物体検出装置24を用いて、降車したユーザを検出し(ステップS34)、ユーザデータをサーバ1に送信する(ステップS35)。サーバ1は、ユーザデータに基づいてユーザ位置及びユーザ向きを算出する(ステップS36)。
【0070】
サーバ1は、ユーザ位置及びユーザ向きを観察することで、ユーザの進行方向を認識することができる。サーバ1がユーザの進行方向を正しいと判断した場合(ステップS37:YES)、ステップS41の処理に進む。一方、サーバ1がユーザの進行方向を正しくないと判断した場合(ステップS37:NO)、サーバ1は、ユーザに注意を促す注意画像を生成し(ステップS38)、注意画像を含む画像データをユーザ端末3に送信する(ステップS39)。これにより、図7に示すように、ユーザ端末3のディスプレイ32aに、注意画像を含む案内画像700が表示される(ステップS40)。
【0071】
一方、ユーザが移動を継続すると、車両200の停車位置からユーザまでの距離が、物体検出装置24によって物体検出が可能な範囲から外れる(ステップS41:YES)。サーバ1は、図8に示すような案内画像800を含む画像データを生成する(ステップS42)。サーバ1は、画像データをユーザ端末3に送信する(ステップS43)。これにより、ユーザ端末3のディスプレイ32aに案内画像800が表示される(ステップS44)。
【0072】
図8に示すように、案内画像800は、地図を示す地図画像に、経路画像810、目的地画像820が重畳された画像である。経路画像810は、経路画像710と同じである。目的地画像820は、目的地の位置を示す画像である。この案内画像800を生成にあたり、サーバ1は、ディスプレイ32aの表示領域に、降車地から目的地までの全ての移動経路が含まれるように大きい縮尺で案内画像800を生成する。
【0073】
ユーザが目的地に到達すると、ユーザ端末3は、案内画像の表示を終了する。
【0074】
このように本実施形態に係るユーザ支援装置としてのサーバ1は、降車地から目的地に向かうユーザの移動方向が車両200の停車向きに対する相対的な移動方向を示すように案内画像500、600、700を生成している。このため、案内画像500、600、700には、車両200の停車向きに対する相対的な移動方向としてユーザの移動方向が示される。よって、ユーザが現実の空間の方向を上手く認識できない場合であっても、案内画像500、600、700を視認することで、降車地から目的地に向かう移動方向を正確に把握することができる。これにより、ユーザは、降車地から目的地へとスムーズに向かうことができる。
【0075】
本実施形態に係るサーバ1によれば、案内画像500、600、700には、ユーザの降車位置と降車向きとに基づいて、降車位置から移動経路への動線を示す画像が含まれている。これにより、車両200から降車したユーザに移動経路へと至る動線を案内することができる。これにより、ユーザは、車両200の降車から、移動経路に沿った移動へとスムーズに移行することができるので、降車地から目的地へとスムーズに向かうことができる。
【0076】
本実施形態に係るサーバ1によれば、ユーザが降車する側に配置された車載ディスプレイ22aに画像データが送信される。これにより、ユーザは、車両200から降車する前に、目的地へと向かう移動方向を把握することができる。また、ユーザは、降車する側に配置された車載ディスプレイ22aから情報を視認することができるので、降車してから向かうべき方向を簡単に把握することができる。これにより、車両200から降車したユーザは、降車地から目的地へとスムーズに向かうことができる。
【0077】
本実施形態に係るサーバ1によれば、車両200の周辺のうちユーザが降車する側に光を投影する発光装置22bに画像データが送信される。これにより、ユーザは、車両200から降車するときに、目的地へと向かう移動方向を把握することができる。また、ユーザは、降車する側の路面に投影された情報を視認することができるので、降車してから向かうべき方向を簡単に把握することができる。これにより、車両200から降車したユーザは、目的地へと向かってスムーズに移動することができる。
【0078】
本実施形態に係るサーバ1によれば、ユーザの状態が降車前であれば、車載ディスプレイ22aに画像データが送信される。この構成によれば、降車を控えて車内にいるユーザに対して、ユーザの移動方向を適切に表示することができる。
【0079】
本実施形態に係るサーバ1によれば、ユーザの状態を降車中であれば、発光装置22bに画像データが送信される。この構成によれば、降車中のユーザに対して、ユーザの移動方向を適切に表示することができる。
【0080】
本実施形態に係るサーバ1によれば、ディスプレイ32aを備えるユーザ端末3に画像データが送信される。この構成によれば、ユーザに対して、目的地へと向かう移動方向を適切に表示することができる。
【0081】
本実施形態に係るサーバ1によれば、ユーザの状態が降車後であれば、ユーザ端末3に画像データが送信される。この構成によれば、降車後のユーザに対して、ユーザの移動方向を適切に表示することができる。
【0082】
本実施形態に係るサーバ1によれば、ユーザ端末3のディスプレイ32aに表示される案内画像700は、停車向きを示す車両画像720と、ユーザの移動方向を車両画像720に対して相対的に示す経路画像(移動方向画像)710と、を含んでいる。この構成によれば、ユーザの移動方向が停車向きに対して相対的に示されるので、車両200から降車したユーザは、実空間にある車両200の向きから自身の向かう方向を簡単に認識することができる。これにより、車両200から降車したユーザは、目的地へと向かってスムーズに移動することができる。
【0083】
本実施形態に係るサーバ1によれば、車両200の停車位置からユーザまでの距離に基づいて、画像の縮尺率が設定される。この構成によれば、車両200の停車位置とユーザとの距離に応じて、移動経路の要部の表示、移動経路の全体の表示といった切り替えを行うことができる。これにより、ユーザにとって分かり易い画像表示を行うことができる。また、車両200が備える物体検出装置24の検出範囲に応じて、表示の切り替えを行うことがきる。
【0084】
また、本実施形態に開示するユーザ支援システム及びユーザ支援方法によれば、サーバ1(ユーザ支援装置)と同様、案内画像500、600、700に、車両200の停車向きに対する相対的な移動方向としてユーザの移動方向が示されることとなる。ユーザが現空間の方向を上手く認識できない場合であっても、案内画像500、600、700を視認することで、降車地から目的地に向かう移動方向を把握することができる。これにより、ユーザは、降車地から目的地へとスムーズに向かうことができる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、ユーザ支援システムが、サーバ1、車載システム2、及びユーザ端末3から構成されている。しかしながら、サーバ1を省略し、サーバ1のコントローラ15が実現する機能を、車載システム2のコントローラ25が担ってもよい。この場合、入出力インターフェース21が、車両200の停車位置及び停車向きを含む車両データを受け取るデータ受信部となる。また、通信インターフェース20及び入出力インターフェース21が、範囲データ及び前記通知データを、車両200の出力装置22又はユーザ端末3の出力装置32に画像データを送信するデータ送信部となる。
【0086】
また、上述した実施形態では、車載システム2が物体検出装置24を備える構成となっている。しかしながら、物体検出装置24は、車両200の外部に設けられる装置であってもよい。
【0087】
また、上述した実施形態では、サーバ1が作成した画像データを車載システム2及びユーザ端末3の双方から出力している。しかしながら、画像データの出力は、ユーザ端末3に対してのみ行ってもよいし、車載システム2に対してのみで行ってもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、ソフトウェアによってコントローラが備える複数の情報処理回路を実現する例を示したが、もちろん、各情報処理回路の機能を実現するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0089】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0090】
1 サーバ(ユーザ支援装置)
10 通信インターフェース(データ入力部、データ出力部)
15 コントローラ(経路生成部(15a)、画像生成部(15b)、出力制御部(15c))
16 記憶装置
2 車載システム(外部装置)
20 通信インターフェース
21 入出力インターフェース
22 出力装置(車載ディスプレイ(22a)、発光装置(22b))
23 位置推定装置
24 物体検出装置
3 ユーザ端末(外部装置)
30 通信インターフェース
31 入出力インターフェース
32 出力装置(ディスプレイ(32a)、スピーカ(32b))
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8