(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】光源ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 45/49 20180101AFI20240905BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20240905BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20240905BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240905BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240905BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240905BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240905BHJP
【FI】
F21S45/49
F21S45/47
F21S41/148
F21V29/76
F21V19/00 413
F21W102:00
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021069671
(22)【出願日】2021-04-16
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】金森 昭貴
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534354(JP,A)
【文献】特開2014-186971(JP,A)
【文献】特開2011-253636(JP,A)
【文献】特開2021-012867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/49
F21S 45/47
F21S 41/148
F21V 29/76
F21V 19/00
F21W 102/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、上記発光素子の点灯回路が搭載された基板と、上記発光素子および上記基板を支持するヒートシンクと、を備えた光源ユニットにおいて、
上記発光素子は、金属線を介して上記点灯回路と電気的に接続されており、
上記ヒートシンクは、金属製の押出成形品として構成されており、
上記ヒートシンクは、上記発光素子および上記基板を載置するための載置面と、上記載置面に沿った第1の方向の2箇所において上記載置面から突出した状態で上記第1の方向と直交する第2の方向に延びるように形成された1対の突出部とを備えており、
上記ヒートシンクは、上記1対の突出部が上記基板と係合することにより、上記基板を上記第1の方向に関して位置決めするとともに上記第1および第2方向と直交する第3の方向に関しても位置決めするように構成されている、ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
上記1対の突出部の各々は、先端部が互いに近づく方向に突出するように形成されており、かつ、上記先端部において上記基板における1対の側端面の各々の角部に当接するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
上記1対の突出部は、先端部が互いに近づく方向に延びるように形成されており、かつ、上記先端部において上記基板にカシメ固定されている、ことを特徴とする請求項1記載の光源ユニット。
【請求項4】
上記基板における上記第2の方向の一端部に、上記第1の方向へ向けて互いに逆向きに張り出す1対の張出し部が形成されており、
上記1対の張出し部は、上記1対の突出部における上記第2の方向の一端面に当接することにより、上記基板を上記第2の方向に関して位置決めするように構成されている、ことを特徴とする請求項1~3いずれか記載の光源ユニット。
【請求項5】
上記基板における
1対の側端面の
うち少なくとも一方の近傍部位に、上記第2の方向に延びるスリットが形成されており、
上記基板は、上記側端面と上記スリットとの間に位置する部分が上記第1の方向に弾性変形し得る弾性片部として構成されており、
上記1対の側端面における上記第2の方向の他端部に、上記1対の張出し部が上記1対の突出部における上記一端面に当接したとき、上記1対の突出部の他端面と係合する1対の係合部が形成されている、ことを特徴とする請求項4記載の光源ユニット。
【請求項6】
上記載置面に、上記第2の方向に延びる凹溝部が形成されており、
上記基板における上記凹溝部と対向する位置に貫通孔が形成されており、
上記基板は、上記貫通孔を介して上記凹溝部に挿入された固定具によって上記ヒートシンクに固定されている、ことを特徴とする請求項1~5いずれか記載の光源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ヒートシンクを備えた光源ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用灯具等における光源ユニットの構成として、発光素子とその点灯回路が搭載された基板とが放熱用のヒートシンクに支持されたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような光源ユニットの構成として、発光素子が金属線を介して点灯回路と電気的に接続されたものが記載されており、また、そのヒートシンクの構成として板状部材にプレス成形加工を施したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような光源ユニットにおいて、そのヒートシンクとしてプレス成形品の代わりにダイカスト成形品や押出成形品を用いるようにすれば、その放熱機能を十分に確保することが可能となり、その際、押出成形品を用いるようにすれば、光源ユニットのコスト低減を図ることも可能となる。
【0006】
しかしながら、ヒートシンクを押出成形品で構成したとしても、これに対する基板の固定が一般的なネジ締めによって行われる構成とした場合には、基板にネジ挿通孔を形成するとともにヒートシンクに後加工でネジ孔を形成することが必要となり、このため光源ユニットのコスト低減を図ることが困難となる。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発光素子とその点灯回路が搭載された基板とがヒートシンクに支持された光源ユニットにおいて、ヒートシンクの放熱機能を十分に確保した上でコスト低減を図ることができる光源ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、ヒートシンクの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係る光源ユニットは、
発光素子と、上記発光素子の点灯回路が搭載された基板と、上記発光素子および上記基板を支持するヒートシンクと、を備えた光源ユニットにおいて、
上記発光素子は、金属線を介して上記点灯回路と電気的に接続されており、
上記ヒートシンクは、金属製の押出成形品として構成されており、
上記ヒートシンクは、上記発光素子および上記基板を載置するための載置面と、上記載置面に沿った第1の方向の2箇所において上記載置面から突出した状態で上記第1の方向と直交する第2の方向に延びるように形成された1対の突出部とを備えており、
上記ヒートシンクは、上記1対の突出部が上記基板と係合することにより、上記基板を上記第1の方向に関して位置決めするとともに上記第1および第2方向と直交する第3の方向に関しても位置決めするように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「ヒートシンク」は、金属製の押出成形品として構成されていれば、その具体的な材質や形状等は特に限定されるものではない。
【0011】
上記「1対の突出部」は、基板と係合することにより基板を第1および第3の方向に関して位置決めし得る構成となっていれば、これを実現するための具体的な構成は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
本願発明に係る光源ユニットは、発光素子とその点灯回路が搭載された基板とが別々にヒートシンクに支持された状態で、発光素子が金属線を介して点灯回路と電気的に接続された構成となっているので、発光素子で発生した熱をヒートシンクから効率良く放散させることができる。
【0013】
その際、ヒートシンクは金属製の押出成形品として構成されているので、複数の放熱フィン等を備えた構成とすることが容易に可能となる。したがって、ヒートシンクをプレス成形品等で構成した場合に比して、発光素子に対する放熱効果を高めることができる。また、ヒートシンクをダイカスト成形品等で構成した場合に比して、光源ユニットのコスト低減を図ることができる
その上で、ヒートシンクは、発光素子および基板を載置するための載置面と、この載置面に沿った第1の方向の2箇所において載置面から突出した状態で第1の方向と直交する第2の方向に延びるように形成された1対の突出部とを備えており、そして、これら1対の突出部が基板と係合することにより基板を第1の方向のみならず第3の方向(すなわち第1および第2の方向と直交する方向)に関しても位置決めする構成となっているので、ネジ締め構造等を用いることなくヒートシンクによる基板の位置決め支持が容易に行われるようにすることができる。
【0014】
このように本願発明によれば、発光素子とその点灯回路が搭載された基板とがヒートシンクに支持された光源ユニットにおいて、ヒートシンクの放熱機能を十分に確保した上でコスト低減を図ることができる。
【0015】
上記構成において、さらに、1対の突出部の各々の構成として、先端部が互いに近づく方向に突出するように形成されており、かつ、その先端部において基板における1対の側端面の各々の角部に当接するように構成されたものとすれば、基板を第1および第3の方向に関して位置決めすることが容易に可能となる。
【0016】
このようにする代わりに、1対の突出部の構成として、先端部が互いに近づく方向に延びるように形成されており、かつ、その先端部において基板にカシメ固定される構成とした場合においても、基板を第1および第3の方向に関して位置決めすることが容易に可能となる。
【0017】
上記構成において、さらに、基板における第2の方向の一端部に、第1の方向へ向けて互いに逆向きに張り出す1対の張出し部が形成されており、これら1対の張出し部が1対の突出部における第2の方向の一端面に当接することにより基板が第2の方向に関して位置決めされる構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0018】
すなわち、ヒートシンクの載置面上において、基板が発光素子に近づき過ぎてしまうことによって発光素子との干渉が発生したり、基板が発光素子から離れすぎてしまうことによって金属線の接続が適切に行われずに発熱等の不具合が発生してしまうのを未然に防止することができる。
【0019】
その際、基板における1対の側端面のうち少なくとも一方の近傍部位に、第2の方向に延びるスリットが形成された構成とすることにより、基板における側端面とスリットとの間に位置する部分が第1の方向に弾性変形し得る弾性片部として構成されるようにした上で、基板の1対の側端面における第2の方向の他端部に、基板の1対の張出し部がヒートシンクの1対の突出部における一端面に当接したとき、1対の突出部の他端面と係合する1対の係合部が形成された構成とすれば、基板を第2の方向に関して確実に位置決めすることができる。
【0020】
上記「スリット」は、基板における片側の側端面の近傍部位にのみ形成されていてもよいし、両側の側端面の近傍部位にそれぞれ形成されていてもよい。後者の場合、1対の「スリット」は第2の方向に関して同じ側の端面から延びるように形成されていてもよいし反対側の端面から延びるように形成されていてもよい。
【0021】
上記構成において、さらに、ヒートシンクの載置面に、第2の方向に延びる凹溝部が形成された構成とするとともに、基板における凹溝部と対向する位置に貫通孔が形成された構成とした上で、この貫通孔を介して凹溝部に挿入された固定具によって基板がヒートシンクに固定される構成とすれば、第3の方向に関する基板の位置決めが万全に行われるようにすることができる。
【0022】
上記「固定具」の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えばネジやクリップ等が採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る光源ユニットを備えた車両用灯具を示す側断面図
【
図6】上記光源ユニットの組付けの様子を示す、
図3と同様の図
【
図7】上記実施形態の第1変形例に係る光源ユニットを示す、
図4と同様の図
【
図8】上記実施形態の第2変形例に係る光源ユニットを示す、
図3と同様の図
【
図10】上記第2変形例に係る光源ユニットの組付けの様子を示す、
図8と同様の図
【
図11】上記実施形態の第3変形例に係る光源ユニットを示す、
図3と同様の図
【
図12】上記実施形態の第4変形例に係る光源ユニットを示す、
図3と同様の図
【
図13】上記実施形態の第5および第6変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図9と略同様の図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、本願発明の一実施形態に係る光源ユニット30を備えた車両用灯具10を示す側断面図であり、
図2は
図1の要部詳細図である。また、
図3は
図2のIII 方向矢視図であり、
図4は
図3のIV-IV線断面図である。
【0026】
これらの図において、Xで示す方向が「灯具前方」であり、Yで示す方向が「灯具前方」と直交する「左方向」(灯具正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
【0027】
図1~4に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ12とこのランプボディ12の前端開口部に取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に灯具ユニット20が組み込まれた構成となっている。
【0028】
灯具ユニット20は、光源ユニット30とリフレクタ70とを備えた構成となっている。
【0029】
光源ユニット30は、3つの発光素子40と、その点灯回路52が搭載された基板50と、これらを支持するヒートシンク60とを備えた構成となっている。
【0030】
リフレクタ70は、複数の反射素子70sが形成された反射面70aを備えており、各反射素子70sにおいて3つの発光素子40からの出射光を灯具前方へ向けて反射させることにより所要の配光パターンを形成するようになっている。
【0031】
リフレクタ70は、その下端部に形成された左右1対の水平フランジ部72においてヒートシンク60に支持されている。
【0032】
次に、光源ユニット30の具体的な構成について説明する。
【0033】
【0034】
図5にも示すように、ヒートシンク60は、金属製(例えばアルミニウム製)の押出成形品であって、灯具前後方向と直交する鉛直面に沿った断面形状を一定形状に維持したまま灯具前後方向に延びるように形成されている。
【0035】
ヒートシンク60は、水平面に沿って平板状に延びるベース部62と、このベース部62から鉛直下方へ向けて延びる複数の放熱フィン64とを備えた構成となっている。
【0036】
ベース部62は、平面視において横長矩形状の外形形状を有しており、その上面は3つの発光素子40と基板50とを載置するための載置面62aとして構成されている。
【0037】
3つの発光素子40は、横長矩形状の発光面40aを有する白色発光ダイオードであって、いずれも同様の構成を有している。
【0038】
3つの発光素子40は、ヒートシンク60の載置面62aの中央前部領域において、その発光面40aを上向きにした状態で左右方向に並んだ状態で配置されている。各発光素子40は、熱伝導性を有する接着剤によりヒートシンク60に接着されている。
【0039】
基板50は、平板状の樹脂製基板であって、略横長矩形状に形成された基板本体部50Aと、灯具前後方向に延びる左右1対の弾性片部50B、50Cとを備えた構成となっている。
【0040】
基板本体部50Aは、3つの発光素子40の灯具後方側においてヒートシンク60の載置面62aに載置されている。基板本体部50Aの前端縁は3つの発光素子40の後方近傍に位置しており、その後端縁はヒートシンク60の後端面よりも灯具後方側に位置している。
【0041】
基板本体部50Aの上面には、3つの発光素子40の点灯回路52として、3対の導電層52Aとコネクタ52Bとが配置されている。3対の導電層52Aは、いずれも灯具前後方向に帯状に延びるように形成されており、その前端縁は基板50の前端面近傍に位置している。コネクタ52Bは、基板本体部50Aの上面の中央後部領域に搭載されており、3対の導電層52Aと電気的に接続された状態で灯具後方へ向けて開口している。
【0042】
各発光素子40は、その灯具後方側に位置する1対の導電層52Aの各々と金属線42を介して電気的に接続されている。
【0043】
各金属線42は、アルミニウム製リボンで構成されており、アーチ状に湾曲して延びるように形成されている。各金属線42は、その前端部において発光素子40の各端子部40bに対して超音波溶着によって導通固定されるとともに、その後端部において各導電層52Aの前端部に対して超音波溶着によって導通固定されている。
【0044】
ヒートシンク60のベース部62には、その載置面62aにおける左右方向の2箇所から上方へ向けて突出する1対の突出部66が形成されている。
【0045】
左右1対の突出部66は、ヒートシンク60の左右方向中心位置に関して左右対称の位置関係でかつ左右対称の形状で略レール状に形成されている。
【0046】
左右1対の突出部66の各々は、その先端部66aが楔形の鉛直断面形状で互いに近づく方向に突出するように形成されており、この先端部66aにおいて基板50に当接している。具体的には、各突出部66の先端部66aは、その下部傾斜面が各側端面50aにおける上端側の角部50a1に当接している。そしてこれにより、基板50はヒートシンク60に対して左右方向および上下方向の位置決めがなされている。
【0047】
複数の放熱フィン64は、左右方向に等間隔をおいて灯具前後方向に延びるように形成されている。各放熱フィン64の肉厚は、ベース部62の肉厚の半分以下の値に設定されている。
【0048】
基板50における左右1対の側端面50aの近傍部位には、灯具前後方向に延びる1対のスリット50b、50cが形成されており、その間に位置する部分が基板本体部50Aとして構成されている。そして、左側の側端面50aと左側のスリット50bとの間に位置する部分が弾性片部50Bとして構成されており、右側の側端面50aと右側のスリット50cとの間に位置する部分が弾性片部50Cとして構成されている。
【0049】
各弾性片部50B、50Cの後端位置は基板本体部50Aの後端位置と面一に設定されているが、その前端位置は基板本体部50Aに対して灯具前方側に変位している。具体的には、各弾性片部50B、50Cは、ヒートシンク60の後端面よりも灯具後方側の位置からヒートシンク60の前端面よりも灯具前方側の位置まで直線状に延びるように形成されている。
【0050】
左側の弾性片部50Bは、その前端部から灯具後方側へ向けて折り返すようにして延びる折返し部50Baを備えており、この折返し部50Baの後端部において基板本体部50Aの左前端部に接続されている。一方、右側の弾性片部50Cは、その後端部において基板本体部50Aの右後端部に接続されている。すなわち、左側のスリット50bは灯具後方へ向けて開口するスリットとして形成されており、右側のスリット50cは灯具前方へ向けて開口するスリットとして形成されている。
【0051】
基板50における左右1対の側端面50aの後端部には、左右両方向へ向けて張り出す1対の張出し部50dが形成されている。各張出し部50dは、各弾性片部50B、50Cの後端部において矩形状に張り出すように形成されている。そして、これら左右1対の張出し部50dがヒートシンク60における左右1対の突出部66の後端面に当接することにより、ヒートシンク60に対する基板50の灯具前後方向の位置決めが行われるようになっている。
【0052】
また、基板50における左右1対の側端面50aの前端部には左右1対の係合部50e、50fが形成されている。各係合部50e、50fは、各弾性片部50B、50Cの先端部において楔状に張り出すように形成されている。左右1対の係合部50e、50fは、左右1対の張出し部50dが左右1対の突出部66の後端面に当接したとき、左右1対の突出部66の前端面と係合するようになっている。そしてこれにより、ヒートシンク60に対する基板50の灯具前後方向の位置決めが確実に行われるようになっている。
【0053】
ヒートシンク60におけるベース部62の載置面62aには、左右1対の突出部66からさらに左右両側に離れた位置において灯具前後方向に延びる左右1対の凹溝部62bが形成されている。
【0054】
図3に示すように、リフレクタ70の水平フランジ部72には、左側の凹溝部62bの真上に位置する前後2箇所にネジ挿通孔72aが形成されており、また、右側の凹溝部62bの真上でかつネジ挿通孔72aの略真横に位置する前後2箇所にネジ挿通孔72bが形成されている。左側2箇所のネジ挿通孔72aは円形の断面形状で形成されており、右側2箇所のネジ挿通孔72bは左右方向に長い長円形の断面形状で形成されている。
【0055】
リフレクタ70は、その水平フランジ部72がヒートシンク60の載置面62aに載置された状態で、4箇所のネジ挿通孔72a、72bを介して左右1対の凹溝部62bにタッピングネジ74がそれぞれ締め付けられることにより、ヒートシンク60に固定されている。
【0056】
タッピングネジ74は、そのネジ部74aの外径寸法が凹溝部62bの左右幅よりも多少大きい値に設定されており、これにより凹溝部62bの左右両側面を削り取るようにして締め付けられた状態で凹溝部62bと確実に係合するようになっている。
【0057】
なお、リフレクタ70には、その水平フランジ部72が基板50に載置される際に、左右1対の突出部66との干渉を回避するための切欠き部70bが形成されている。
【0058】
図6は、光源ユニット30の組付けの様子を示す、
図3と同様の図である。
【0059】
まず、
図6(a)に示すように、ヒートシンク60に対して、そのベース部62の載置面62aに3つの発光素子40を予め載置固定しておく。
【0060】
次に、このヒートシンク60を水平に配置した状態で、その灯具後方側から基板50を近づける。その際、基板50をヒートシンク60における左右1対の突出部66の間に配置した状態で、その左右1対の側端面50aの前端部(すなわち左右1対の弾性片部50B、50Cの前端部)に形成された左右1対の係合部50e、50fを左右1対の突出部66の後端面に当接させる。
【0061】
このとき、左右1対の係合部50e、50fは、左右1対の突出部66の先端部66aと係合した状態となる。
【0062】
次に、
図6(b)に示すように、左右1対の係合部50e、50fと左右1対の突出部66の先端部66aとの係合状態を維持したまま、基板50をさらに灯具前方へ向けて移動させる。
【0063】
このとき基板50は、左右1対の弾性片部50B、50Cが撓み変形しながら灯具前方へ向けて移動する。その際、左側の弾性片部50Bはその折返し部50Baが撓み変形するのに対し、右側の弾性片部50Cはそれ自体が撓み変形するので、弾性片部50Bよりも弾性片部50Cの撓み変形が大きくなる。このため基板50の向きは、灯具前後方向に対して僅かに右側に傾斜した状態となる。
【0064】
次に、
図6(c)に示すように、左右1対の突出部66の間において基板50をさらに灯具前方へ向けて移動させ、左右1対の弾性片部50B、50Cの後端部に形成された左右1対の張出し部50dを左右1対の突出部66の後端面に当接させる。
【0065】
その際、基板50は灯具前後方向に対して僅かに右側に傾斜しているので、左側の弾性片部50Bの張出し部50dが先に左側の突出部66の後端面に当接し、かつ左側の係合部50eが左側の突出部66の前端面と係合し、その後、右側の弾性片部50Cの張出し部50dが右側の突出部66の後端面に当接し、かつ右側の係合部50fが右側の突出部66の前端面と係合する。
【0066】
また、このとき基板50は、左右1対の側端面50aにおける上端側の角部50a(
図4、5参照)がヒートシンク60における左右1対の突出部66の先端部66aと係合した状態となる。
【0067】
そしてこれにより、基板50はヒートシンク60に対して、左右方向、上下方向および灯具前後方向に位置決めされた状態で支持される。
【0068】
次に、
図6(d)に示すように、3つの発光素子40の各々に対して、その端子部40bと基板50側の導電層52Aとに跨るようにして金属線42を配置し、その前後両端部を超音波溶着することにより電気的に接続する。これにより光源ユニット30の組付けが完成する。
【0069】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0070】
本実施形態に係る光源ユニット30は、発光素子40とその点灯回路52が搭載された基板50とが別々にヒートシンク60に支持された状態で、発光素子40が金属線42を介して点灯回路52と電気的に接続された構成となっているので、発光素子40で発生した熱をヒートシンク60から効率良く放散させることができる。
【0071】
その際、ヒートシンク60は金属製の押出成形品として構成されており、かつ、複数の放熱フィン64を備えているので、ヒートシンク60をプレス成形品等で構成した場合に比して、発光素子40に対する放熱効果を高めることができる。また、ヒートシンク60をダイカスト成形品等で構成した場合に比して、光源ユニット30のコスト低減を図ることができる
その上で、ヒートシンク60は、発光素子40および基板50を載置するための載置面62aと、この載置面62aに沿った左右方向(第1の方向)の2箇所において載置面62aから突出した状態で灯具前後方向(第1の方向と直交する第2の方向)に延びるように形成された1対の突出部66とを備えており、そして、これら左右1対の突出部66が基板50と係合することにより基板50を左右方向のみならず上下方向(第1および第2の方向と直交する第3の方向)に関しても位置決めする構成となっているので、ネジ締め固定を用いることなくヒートシンク60による基板50の位置決め支持が容易に行われるようにすることができる。
【0072】
このように本実施形態によれば、発光素子40とその点灯回路52が搭載された基板50とがヒートシンク60に支持された光源ユニット30において、ヒートシンク60の放熱機能を十分に確保した上でコスト低減を図ることができる。
【0073】
その際、本実施形態においては、左右1対の突出部66の各々の構成として、先端部66aが互いに近づく方向に突出するように形成されており、かつ、その先端部66aにおいて基板50における左右1対の側端面50aの各々の角部50a1に当接する構成となっているので、基板50を左右方向および上下方向に関して位置決めすることが容易に可能となる。
【0074】
また本実施形態においては、基板50における後端部(第2の方向の一端部)に、左右方向へ向けて互いに逆向きに張り出す1対の張出し部50dが形成されており、これら左右1対の張出し部50dが左右1対の突出部66の後端面(第2の方向の一端面)に当接することにより基板50が灯具前後方向に関して位置決めされる構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0075】
すなわち、ヒートシンク60の載置面62a上において、基板50が発光素子40に近づき過ぎてしまうことによって発光素子40との干渉が発生したり、基板50が発光素子40から離れすぎてしまうことによって金属線42の接続が適切に行われずに発熱等の不具合が発生してしまうのを未然に防止することができる。
【0076】
さらに本実施形態においては、基板50における左右1対の側端面50aの近傍部位に、灯具前後方向に延びる左右1対のスリット50b、50cが形成されていることによって、基板50における左右1対の側端面50aと左右1対のスリット50b、50cとの間に位置する部分が、左右方向に弾性変形し得る左右1対の弾性片部50B、50Cとして構成されており、その上で、基板50における左右1対の側端面50aの前端部には、左右1対の張出し部50dが左右1対の突出部66の後端面に当接したとき、左右1対の突出部66の前端面(第2の方向の他端面)と係合する左右1対の係合部50e、50fが形成されているので、基板50を灯具前後方向に関して確実に位置決めすることができる。
【0077】
しかも、本実施形態の基板50は、左側のスリット50bが灯具後方へ向けて開口している一方、右側のスリット50cが灯具前方へ向けて開口しているので、基板50を時計回り方向に回転させようとする押圧力が、左右1対の弾性片部50B、50Cを介してヒートシンク60から作用するようにすることができ、これにより光源ユニット30の組付け完了後も基板50とヒートシンク60との係合状態が確実に維持されるようにすることができる。
【0078】
上記実施形態においては、左右1対の弾性片部50B、50Cが互いに異なる形状を有しているものとして説明したが、同一形状を有する構成(例えば左右1対の弾性片部の各々が弾性片部50Bと同一形状あるいは弾性片部50Cと同一形状を有する構成)とすることも可能である。
【0079】
上記実施形態においては、点灯回路52が3対の導電層52Aとコネクタ52Bとで構成されているものとして説明したが、これらに加えて3つの発光素子40の点灯制御を行うための制御素子(ICチップやコンデンサ等)を備えた構成とすることも可能であり、また、3対の導電層52Aのみを備えた構成とすることも可能である。
【0080】
上記実施形態においては、灯具ユニット20の構成として、ヒートシンク60に対するリフレクタ70の固定が、左右1対の水平フランジ部72に形成されたネジ挿通孔72a、72bを介して左右1対の凹溝部62bにタッピングネジ74が締め付けられることにより行われるものとして説明したが、ネジ締め構造以外の固定構造(例えばヒートシンク60に対する基板50の位置決め構造と同様の固定構造等)を採用することも可能である。
【0081】
上記実施形態に係る灯具ユニット20は、3つの発光素子40がその発光面40aを上向きにした状態で配置された光源ユニット30に対して、その上方側にリフレクタ70が配置された構成となっているものとして説明したが、これ以外の態様で光源ユニット30およびリフレクタ70等の光学部材が配置された構成とすることも可能である。
【0082】
上記実施形態においては、光源ユニット30が組み込まれた車両用灯具10がヘッドランプであるものとして説明したが、それ以外の灯具(例えばフォグランプやテールランプ等)である場合にも同様の作用効果を得ることができ、また、光源ユニット30が車両用灯具以外の用途に用いられる構成とすることも可能である。
【0083】
次に、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0084】
図7は、本変形例に係る光源ユニット130を示す、
図4と同様の図である。
【0085】
図7に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、左右1対の固定具180が追加配置されている点で上記実施形態の場合と異なっており、これに伴い基板150およびヒートシンク160の構成も上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0086】
すなわち、本変形例のヒートシンク160は、そのベース部162の載置面162aに灯具前後方向に延びる左右1対の凹溝部162cが形成された構成となっている。
【0087】
左右1対の凹溝部162cは、載置面162aにおける左右1対の突出部166よりも左右方向の中心寄りの位置に左右対称の位置関係で形成されている。各凹溝部162cは、その先端部が横長矩形状の鉛直断面形状で形成されており、その基端部は先端部よりも左右幅が狭くなっている。
【0088】
本変形例の基板150は、その基板本体部150Aにおける左右1対の凹溝部162cと対向する位置に、左右1対の貫通孔150Aaが形成された構成となっている。各貫通孔150Aaは、各凹溝部162cの基端部の左右幅よりも僅かに大きい内径寸法で形成されている。
【0089】
左右1対の固定具180は、樹脂製のクリップであって、左右1対の貫通孔150Aaを介して左右1対の凹溝部162cに挿入されており、その先端部180aが凹溝部162cの先端部と係合するとともにその基端部180bが載置面162aと係合している。これにより基板150は、左右2箇所においてヒートシンク160へ向けて弾性的に押圧された状態に維持されている。
【0090】
本変形例の構成を採用することにより、基板150のヒートシンク160に対する上下方向の位置決めをより確実に行うことができる。
【0091】
なお本変形例においては、左右2箇所に固定具180が追加配置されているものとして説明したが、1箇所または3箇所以上に固定具180が追加配置された構成とすることも可能である。
【0092】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0093】
図8は、本変形例に係る光源ユニット230を示す、
図3と同様の図であり、
図9は
図8のIX-IX線断面図である。
【0094】
図8、9に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、基板250とヒートシンク260との位置決め構造が上記実施形態の場合と異なっており、これに伴い基板250およびヒートシンク260の構成が上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0095】
すなわち、本変形例のヒートシンク260も、平面視において横長矩形状の外形形状を有するベース部262と、このベース部262から鉛直下方へ向けて延びる複数の放熱フィン264とを備えた構成となっている。
【0096】
ヒートシンク260のベース部262には、その載置面262aにおける左右方向の2箇所から上方へ向けて突出する1対の突出部266が略レール状に形成されている。
【0097】
左右1対の突出部266は、ヒートシンク260の左右方向中心位置に関して左右対称の位置関係でかつ左右対称の形状で形成されている。その際、左右1対の突出部266は、その先端部266aが基板250の上方近傍において互いに近づく方向に略L字状に延びるように形成されている。
【0098】
本変形例の基板250も、平板状の樹脂製基板として構成されているが、上記実施形態の基板50の基板本体部50Aよりも大きい左右幅(具体的には左右1対の突出部266の間隔よりも僅かに小さい左右幅)で略横長矩形状に形成されている。そして基板250は、左右1対の突出部266の間においてベース部262の載置面262aに載置されている。その際、基板250の前端縁は3つの発光素子40の後方近傍に位置しており、その後端縁はヒートシンク260の後端面よりも灯具後方側に位置している。
【0099】
基板250における左右1対の側端面250aの後端部には、左右両方向へ向けて矩形状に張り出す1対の張出し部250dが形成されている。そして、基板250は、左右1対の張出し部250dが左右1対の突出部266の後端面に当接することにより、灯具前後方向に関して基板250の位置決めが行われるようになっている。
【0100】
基板250は、このようにして灯具前後方向の位置決めがなされた状態でヒートシンク260に対してカシメ固定されている。このカシメ固定は、
図9に示すように、左右1対の突出部266の先端部266aを部分的に押し潰して基板250に対して圧着することにより行われている。なお、
図9(a)はヒートシンク60をカシメ固定前の状態で示しており、
図9(b)はヒートシンク60をカシメ固定後の状態で示している。
【0101】
図8に示すように、カシメ固定によって各突出部266の先端部266aに形成されるカシメ固定部266a1は、基板250の前端部近傍に位置設定されている。
【0102】
基板250における左右1対の側端面250aの前端部には、ヒートシンク260における左右1対の突出部266の間に灯具後方側から基板250を挿入しやすくするためのコーナーRが形成されている。
【0103】
なお本変形例においても、ヒートシンク260におけるベース部262の載置面262aには、左右1対の突出部266からさらに左右両側に離れた位置において灯具前後方向に延びる左右1対の凹溝部262bが形成されている。
【0104】
図10は、光源ユニット230の組付けの様子を示す、
図8と同様の図である。
【0105】
まず、
図10(a)に示すように、ヒートシンク260に対して、そのベース部262の載置面262aに3つの発光素子40を予め載置固定しておく。
【0106】
そして、このヒートシンク260を水平に配置した状態で、その灯具後方側から基板250を近づけ、その前端部をベース部262の載置面262aに載置し、左右1対の突出部66の間に挿入する。
【0107】
次に、
図10(b)に示すように、左右1対の突出部266の間において基板250をさらに灯具前方へ向けて移動させ、左右1対の張出し部250dを左右1対の突出部266の後端面に当接させる。
【0108】
次に、
図10(c)に示すように、左右1対の突出部66をカシメ固定用治具(図示せず)を用いて基板50に対してカシメ固定する。そしてこれにより、基板50をヒートシンク60に対して、左右方向、上下方向および灯具前後方向に位置決めする。
【0109】
次に、
図10(d)に示すように、3つの発光素子40の各々に対して、その端子部40bと基板250側の導電層52Aとに跨るようにして金属線42を配置し、その前後両端部を超音波溶着することにより電気的に接続する。これにより光源ユニット230の組付けが完成する。
【0110】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記実施形態の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
【0111】
すなわち、押出成形品としてのヒートシンク260を用いた上で、ネジ締め構造を用いることなくヒートシンク260による基板250の位置決め支持が容易に行われるようにすることができる。そしてこれにより、ヒートシンク260の放熱機能を十分に確保した上で光源ユニット230のコスト低減を図ることができる。
【0112】
なお本変形例においては、カシメ固定が各突出部266における基板250の前端部近傍の位置で行われるものとして説明したが、カシメ固定が各突出部266の複数箇所あるいは全長にわたって行われる構成とすることも可能である。
【0113】
また本変形例においても、上記第1変形例の固定具180が追加配置された構成とすることが可能である。
【0114】
次に、上記実施形態の第3変形例について説明する。
【0115】
図11は、本変形例に係る光源ユニット330を示す、
図3と同様の図である。
【0116】
図11に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2変形例の場合と同様であるが、基板350の構成が上記第2変形例の場合と一部異なっている。
【0117】
すなわち、本変形例の基板350も、ヒートシンク260における左右1対の突出部266の間隔よりも僅かに小さい左右幅で略横長矩形状に形成されており、その前端縁は3つの発光素子40の後方近傍に位置しているが、その後端縁はヒートシンク260の後端面と略面一になるように形成されている。また、本変形例の基板350においては、その左右1対の側端面350aの後端部に上記第2変形例の左右1対の張出し部250dに相当するものは設けられていない。
【0118】
本変形例においては、基板350がヒートシンク260のベース部262における左右1対の突出部266の間に位置するようにして載置面262aに載置され、かつ、位置決め用治具(図示せず)により灯具前後方向の位置決めがなされた状態で、上記第2変形例の場合と同様にしてヒートシンク260にカシメ固定されるようになっている。
【0119】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記第2変形例の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
【0120】
また、本変形例の構成を採用することにより、光源ユニット330の小型化および構成簡素化を図ることができる。
【0121】
次に、上記実施形態の第4変形例について説明する。
【0122】
図12は、本変形例に係る光源ユニット430を示す、
図3と同様の図である。
【0123】
図12に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2変形例の場合と同様であるが、基板450および点灯回路452の構成が上記第2変形例の場合と一部異なっている。
【0124】
すなわち、本変形例の基板450も、ヒートシンク260における左右1対の突出部266の間隔よりも僅かに小さい左右幅で略横長矩形状に形成されている。また、基板450の前端縁は3つの発光素子40の後方近傍に位置しており、その後端縁はヒートシンク260の後端面よりも灯具後方側に位置している。さらに、基板450における左右1対の側端面450aの後端部には、左右両方向へ向けて矩形状に張り出す1対の張出し部450dが形成されている。
【0125】
ただし、本変形例の基板450においては、その後端縁のヒートシンク260の後端面からの後方変位量が上記第2変形例の場合よりも大きい値に設定されている。そして基板450の後端縁には、左右1対の切欠き部450eが形成されている。各切欠き部450eは、3対の導電層452Aの左右両側において略矩形状に形成されている。
【0126】
また、本変形例の点灯回路452は、3対の導電層452Aのみで構成されている。3対の導電層452Aは、基板450の後端縁まで延びるように形成されている。
【0127】
本変形例に係る光源ユニット430は、その基板450に対して灯具後方側から電源側コネクタ422が装着される構成となっている。電源側コネクタ422はカードエッジコネクタであって、左右1対の切欠き部450eと係合するようにして基板450の後端部に装着された状態で、点灯回路452と電気的に接続されるようになっている。
【0128】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記第2変形例の場合と略同様の作用効果を得ることができる。
【0129】
また、本変形例の構成を採用することにより、光源ユニット430の部品点数の削減および構成簡素化を図ることができる。
【0130】
次に、上記実施形態の第5変形例について説明する。
【0131】
図13(a)は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図9と略同様の図である。
【0132】
図13(a)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2変形例の場合と同様であるが、ヒートシンク560のベース部562に形成された左右1対の突出部566の形状が上記第2変形例の場合と一部異なっている。
【0133】
すなわち本変形例においても、左右1対の突出部566は、ベース部562の載置面562aにおける左右方向の2箇所から上方へ向けて突出するようにして略レール状に形成されている。また、左右1対の突出部566は、その先端部566aが基板250の上方近傍において互いに近づく方向に延びるように形成されている。
【0134】
しかしながら本変形例においては、各突出部566の先端部566aが斜め上方へ延びてから斜め下方へ延びており、かつ、その最先端に位置する部分は楔形の断面形状で鉛直下方を向くように形成された爪部566a1として構成されている。
【0135】
そして本変形例においても、左右1対の突出部566の先端部566aを部分的に押し潰して、
図13(a)において2点鎖線で示すように基板250に対して圧着することにより、基板250とヒートシンク560とのカシメ固定が行われるようになっている。
【0136】
その際、各突出部566の先端部566aは、その爪部566a1が基板250の上面に食い込み、これにより基板250の位置決めが確実に行われるようになっている。
【0137】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記第2変形例の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0138】
また、本変形例の構成を採用することにより、ヒートシンク560に対する基板250の位置決めがより確実に行われるようにすることができる。
【0139】
次に、上記実施形態の第6変形例について説明する。
【0140】
図13(b)は、本変形例に係る光源ユニットの要部を示す、
図9と略同様の図である。
【0141】
図13(b)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2変形例の場合と同様であるが、ヒートシンク660のベース部662に形成された左右1対の突出部666の形状が上記第2変形例の場合と一部異なっている。
【0142】
すなわち本変形例においても、左右1対の突出部666は、ベース部662の載置面662aにおける左右方向の2箇所から上方へ向けて突出するようにして略レール状に形成されている。また、左右1対の突出部666は、その先端部666aが基板250の上方近傍において互いに近づく方向に延びるように形成されている。
【0143】
しかしながら本変形例においては、各突出部666の先端部666aが斜め上方へ延びてから斜め下方へ延びており、かつ、その最先端に位置する部分は楔形の断面形状で鉛直下方よりも各突出部666の基端部寄りの方向を向くように形成された爪部666a1として構成されている。
【0144】
そして本変形例においても、左右1対の突出部666の先端部666aを部分的に押し潰して、
図13(b)において2点鎖線で示すように基板250に対して圧着することにより、基板250とヒートシンク660とのカシメ固定が行われるようになっている。
【0145】
その際、各突出部666の先端部666aは、その爪部666a1が基板250の上面に食い込み、これにより基板250の位置決めが確実に行われるようになっている。しかも、各突出部666の爪部666a1は、各突出部666の基端部寄りに傾斜した方向へ向かって基板250に食い込むので、基板250には
図13(b)において2点鎖線の矢印で示すように左右方向の引張力が作用し、これにより基板250はベース部662の載置面662aと確実に面接触した状態に維持される。
【0146】
本変形例の構成を採用した場合においても、上記第2変形例の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0147】
また、本変形例の構成を採用することにより、ヒートシンク660に対する基板250の位置決めがより確実に行われるようにすることができ、かつ、基板250がベース部662の載置面662aに対して確実に面接触した状態に維持されるようにすることができる。
【0148】
そしてこれにより、金属線42(
図8参照)の前後両端部を発光素子40の端子部40bおよび導電層52Aの前端部に対して超音波溶着する際、基板250が不用意に振動して接合不良が発生してしまったり、また、基板250の振動に伴って金属線42が共振することにより金属線42が損傷してしまうおそれをなくすことができる。
【0149】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0150】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0151】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
14 透光カバー
20 灯具ユニット
30、130、230、330、430 光源ユニット
40 発光素子
40a 発光面
40b 各端子部
42 金属線
50、150、250、350、450 基板
50A、150A 基板本体部
50B、50C 弾性片部
50Ba 折返し部
50a、250a、350a、450a 側端面
50a1 角部
50b、50c スリット
50d、250d、450d 張出し部
50e、50f 係合部
52、452 点灯回路
52A、452A 導電層
52B コネクタ
60、160、260、560、660 ヒートシンク
62、162、262、562、662 ベース部
62a、162a、262a、562a、662a 載置面
62b、262b 凹溝部
64、264 放熱フィン
66、166、266、566、666 突出部
66a、266a、566a、666a 先端部
70 リフレクタ
70a 反射面
70b 切欠き部
70s 反射素子
72 水平フランジ部
72a、72b ネジ挿通孔
74 タッピングネジ
150Aa 貫通孔
162c 凹溝部
180 固定具
180a 先端部
180b 基端部
266a1 カシメ固定部
422 電源側コネクタ
450e 切欠き部
566a1、666a1 爪部