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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】二次熱交換器およびボイラー装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20220101AFI20240905BHJP
   F24H 1/14 20220101ALI20240905BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20240905BHJP
   F28F 13/12 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
F24H9/00 A
F24H1/14 B
F28D7/16 B
F28F13/12 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021142167
(22)【出願日】2021-09-01
(65)【公開番号】P2023035367
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】中島 耕司
(72)【発明者】
【氏名】近藤 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特許第5801756(JP,B2)
【文献】特開2008-170088(JP,A)
【文献】特開2017-83048(JP,A)
【文献】特開2014-70800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 9/45
F28D 1/00 - 13/00
F28F 11/00 - 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に燃焼排気の流路を有する四角箱形のケーシングと、
前記ケーシング内に収容される複数の受熱管と、
前記受熱管の上流端が接続され前記受熱管に被加熱流体を導入する流入ヘッダと、
前記受熱管の下流端が接続され前記受熱管からの前記被加熱流体を導出する流出ヘッダと、を備え、
前記ケーシングは、
前記燃焼排気の排気入口とドレン排水口とを有する底壁と、
側壁と、
天板と、
前記側壁または前記天板に排気出口と、を備え、
前記受熱管は、
前記側壁の一方側と、前記一方側に対向する他方側との間で延在する直管部と、
前記側壁の一方側に位置する一方側円弧状折返部と、
前記側壁の他方側に位置する他方側円弧状折返部とが水平方向に繰り返して連続する波型の配管構造を有し、前記配管構造を上下方向に積層し、前記流入ヘッダと前記流出ヘッダとの間を前記被加熱流体を流通させるようにした二次熱交換器において、
前記二次熱交換器は、
前記排気入口からの前記燃焼排気の流通方向を規制する拡散板と、
前記燃焼排気を前記受熱管の波型に沿って案内する誘導板と、を備え、
前記拡散板は、
前記ケーシングの一部を上下に仕切る平面部と、
前記平面部の端部から垂下して前記底壁に当接した垂直部と、を有し、
前記平面部と前記垂直部と前記底壁とで囲まれた第1の空間を形成し、
前記拡散板の前記平面部は、前記燃焼排気を通気させる複数の開口部を有し、
前記誘導板は、起立片と取付片を有したL字形に形成され、前記取付片は前記天板に対面して取付けられ、
下方に向けて延びた前記起立片は、前記起立片の下方端を前記拡散板の前記平面部または前記底壁に当接され、
前記起立片の一方の側方端は前記側壁の一方側に当接され、
前記起立片の他方の側方端は前記受熱管の長さ方向を水平方向から見て前記受熱管と前記他方側円弧状折返部との接続端と重なるように配設され、
前記誘導板は、複数設けられ、水平方向に隣り合う前記直管部に挟まれる隙間に千鳥状に配されて固定され、
前記排気入口は、前記底壁のうち前記第1の空間に前記燃焼排気が流入する位置に配設され、
前記排気出口は、前記天板または前記側壁における前記下流端の近傍に配設され、
前記開口部は、波型に配管された前記受熱管の前記直管部の下部に開口し、前記開口部の開口面積は前記受熱管を流通する前記被加熱流体の流れの上流側に位置する前記開口部の開口面積が下流側に位置する前記開口部の開口面積より大きい開口面積とした
ことを特徴とする二次熱交換器。
【請求項2】
前記開口部は、複数のスリットで形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の二次熱交換器。
【請求項3】
前記流入ヘッダは前記ケーシング内に配設され、
前記拡散板の前記平面部は、前記流入ヘッダとクリアランスを介して前記燃焼排気を通気させる切欠部を備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の二次熱交換器。
【請求項4】
バーナ部と、
前記バーナ部の燃焼により発生した前記燃焼排気から顕熱を回収する顕熱熱交換器と、
前記顕熱熱交換器を通過後の前記燃焼排気から潜熱を回収する
請求項1から3のいずれか一項に記載の二次熱交換器とを用いたボイラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気される燃焼ガスの潜熱を回収するために設置される二次的な熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ガス、石油を燃料とする給湯装置等では、燃焼器で燃焼された燃焼ガスの顕熱を回収するための一次的な熱交換器に加えて、排気される燃焼ガスの潜熱を回収する二次的な熱交換器が備えられ、熱効率の向上が図られている。
【0003】
従来、二次的な熱交換器の構造面で熱効率を高めることを指向した技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、排気される燃焼ガスの経路に潜熱を吸収する水が流通される受熱管が波形に配管された熱交換器が記載されている。
【0004】
特許文献1にかかる熱交換器は、受熱管を波形に配管し限定された容積のなかで受熱管の配管長を長く確保することで、熱交換面積を拡張し熱交換時間を延長して熱効率を高めるもので、二次熱交換器内に受熱管と共に左右から突設された第1仕切板および第2仕切板により交互に仕切られ、流入口から流出口に向かう排気蛇行路が形成されているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5801756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この従来のものでは、燃焼排気が高さ方向に蛇行路を形成しているため、二次熱交換器のケーシングは高さ方向にある程度の大きさが必要となっていた。このため、ボイラー装置が大形化するため、高さ方向に設置スペースが必要になるという問題があった。
【0007】
本発明はかかる背景を鑑みてなされたものであり、ボイラー装置全体の小形化を図ることができると共に、設置スペースを比較的狭く作ることができ、加えて熱効率の向上を図ることができる二次熱交換器およびボイラー装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1では、内部に燃焼排気の流路を有する四角箱形のケーシングと、前記ケーシング内に収容される複数の受熱管と、前記受熱管の上流端が接続され前記受熱管に被加熱流体を導入する流入ヘッダと、前記受熱管の下流端が接続され前記受熱管からの前記被加熱流体を導出する流出ヘッダと、を備え、前記ケーシングは、前記燃焼排気の排気入口とドレン排水口とを有する底壁と、側壁と、天板と、前記側壁または前記天板に排気出口と、を備え、前記受熱管は、前記側壁の一方側と、前記一方側に対向する他方側との間で延在する直管部と、前記側壁の一方側に位置する一方側円弧状折返部と、前記側壁の他方側に位置する他方側円弧状折返部とが水平方向に繰り返して連続する波型の配管構造を有し、前記配管構造を上下方向に積層し、前記流入ヘッダと前記流出ヘッダとの間を前記被加熱流体を流通させるようにした二次熱交換器において、前記二次熱交換器は、前記排気入口からの前記燃焼排気の流通方向を規制する拡散板と、前記燃焼排気を前記受熱管の波型に沿って案内する誘導板と、を備え、前記拡散板は、前記ケーシングの一部を上下に仕切る平面部と、前記平面部の端部から垂下して前記底壁に当接した垂直部と、を有し、前記平面部と前記垂直部と前記底壁とで囲まれた第1の空間を形成し、前記拡散板の前記平面部は、前記燃焼排気を通気させる複数の開口部を有し、前記誘導板は、起立片と取付片を有したL字形に形成され、前記取付片は前記天板に対面して取付けられ、下方に向けて延びた前記起立片は、前記起立片の下方端を前記拡散板の前記平面部または前記底壁に当接され、前記起立片の一方の側方端は前記側壁の一方側に当接され、前記起立片の他方の側方端は前記受熱管の長さ方向を水平方向から見て前記受熱管と前記他方側円弧状折返部との接続端と重なるように配設され、前記誘導板は、複数設けられ、水平方向に隣り合う前記直管部に挟まれる隙間に千鳥状に配されて固定され、前記排気入口は、前記底壁のうち前記第1の空間に前記燃焼排気が流入する位置に配設され、前記排気出口は、前記天板または前記側壁における前記下流端の近傍に配設され、前記開口部は、波型に配管された前記受熱管の前記直管部の下部に開口し、前記開口部の開口面積は前記受熱管を流通する前記被加熱流体の流れの上流側に位置する前記開口部の開口面積が下流側に位置する前記開口部の開口面積より大きい開口面積としたことを特徴とする二次熱交換器ことを特徴とした。
【0009】
請求項2では、前記開口部は、複数のスリットで形成したことを特徴とした。
【0010】
請求項3では、前記流入ヘッダは前記ケーシング内に配設され、前記拡散板の前記平面部は、前記流入ヘッダとクリアランスを介して前記燃焼排気を通気させる切欠部を備えることを特徴とした。
【0011】
請求項4では、バーナ部と、前記バーナ部の燃焼により発生した前記燃焼排気から顕熱を回収する顕熱熱交換器と、前記顕熱熱交換器を通過後の前記燃焼排気から潜熱を回収することを特徴とした。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1によれば、前記拡散板が、前記燃焼排気の前記天板への吹き付けを防止して、前記天板からの放熱を防止すると共に、前記開口部は、波型に配管された前記受熱管の前記直管部の下部に開口したことにより、前記燃焼排気が前記受熱管に対して直接吹きつけるため、前記受熱管および前記受熱管の周囲の温度を上昇させることができ、かつ、前記開口部の開口面積は、前記受熱管を流通する前記被加熱流体の流れの上流側に位置する前記開口部の開口面積が下流側に位置する前記開口部の開口面積より大きい開口面積としたため、前記燃焼排気を前記受熱管の上流側へ誘導し、前記燃焼排気と前記受熱管との熱交換の距離と時間を増加させ、熱交換効率を高めることができ、かつ、前記誘導板は、複数設けられ、波型に配管された前記受熱管の水平方向に隣り合う前記直管部に挟まれる隙間に千鳥状に配されて固定されているので、前記燃焼排気が前記受熱管を流れる前記被加熱流体の流れの方向に沿って流れ、前記燃焼排気と前記被加熱流体との熱交換が効率よく行われるものである。
これにより、水平方向に波型に配管された前記受熱管を上下方向に積層した二次熱交換器の高さ方向のスペースを圧縮することができる。
【0013】
請求項2によれば、前記開口部を複数のスリットで形成したので、前記開口部を切起し形状や鎧戸形状などによる開口形態で形成した場合に比べ、前記平面部と前記受熱管とが干渉することなく前記受熱管の前記直管部の下部に設けることが容易になる。
【0014】
請求項3によれば、前記流入ヘッダは前記ケーシング内に配設され、前記拡散板の前記平面部は、前記流入ヘッダとクリアランスを介して前記燃焼排気を通気させる切欠部を備えたので、前記開口部に加えて前記切欠部からも前記燃焼排気を前記受熱管の上流側へ誘導し、前記燃焼排気と前記受熱管との熱交換の距離と時間を増加させ、熱交換効率を高めることができものである。
【0015】
請求項4によれば、バーナ部と、前記バーナ部の燃焼により発生した前記燃焼排気から顕熱を回収する顕熱熱交換器と、前記顕熱熱交換器を通過後の前記燃焼排気から潜熱を回収する二次熱交換器とを用いたボイラー装置であって、前記二次熱交換器として請求項1から3のいずれか一項に記載の二次熱交換器を用いたことで、上記の効果を奏する二次熱交換器を有したボイラー装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態におけるボイラー装置の概略構成図
図2】本発明の第1の実施形態における二次熱交換器の概略斜視図
図3】本発明の第1の実施形態における二次熱交換器の分解斜視図
図4】本発明の第1の実施形態における二次熱交換器の平面図
図5】本発明の第1の実施形態における二次熱交換器のAーA切断部端面図
図6】本発明の第1の実施形態における拡散板の平面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明にかかる空気調和機の第1の実施形態を図を参照して説明する。なお、各図において、共通する構成要素や同種の構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
【0018】
以下の説明においては、各図面に示される前後上下左右の定義に従って説明する。なお、鉛直方向は上下方向であり、水平方向は前後左右方向を含む面方向に含まれる方向である。
【0019】
図1図6に示すように、1は本実施形態の潜熱回収型のボイラー装置、2は石油等の燃油を気化する気化器、3は気化器2に備えられ燃油を気化可能な温度まで加熱する気化器ヒータ、4は気化器2の温度を検出する気化温度センサ、5は気化器2と連通し、気化器2で気化された気化ガスと一次空気とを予混合する混合室、6は混合室5の底部に設けられ該混合室5を加熱する混合室ヒータ、7は混合室5の温度を検出する混合室温度センサ、8は混合室5と連通し、混合室5で予混合された予混合ガスを燃焼させる燃焼部としてのバーナ部、9は気化器2の背面でバーナ部8上に突出された複数個の吸熱フィンで、燃焼熱を気化器2にフィードバックして、気化器ヒータ3の通電量を極力抑えるものである。
【0020】
10は気化器2に燃油を噴霧するノズル、11はノズル10に送油管12を介して燃油を圧送する電磁ポンプ、13は燃焼ファンであり、送風路14を介して気化器2の入口およびバーナ部8とカバー枠15との間の空気室16とに連通し、吸込口17より吸引した燃焼空気を気化器2には予混合用の一次空気として供給し、空気室16には気化器2側方を通り混合室5の下方からバーナ部8で燃焼される二次空気として供給するものである。
【0021】
18は燃焼室19内に収容された顕熱熱交換器であるところの一次熱交換器で、該一次熱交換器18は、バーナ部8の燃焼により発生した燃焼ガスから顕熱を回収し一次受熱管20を流通する被加熱流体を加熱するフィンチューブ式で構成されており、21は一次熱交換器18を通過した後の燃焼排気から潜熱を回収し受熱管22を流通する被加熱流体を加熱する二次熱交換器21であり、バーナ部8の上方に一次熱交換器18が配設され、一次熱交換器18の上方に二次熱交換器21が配設されているものであり、一次熱交換器18、二次熱交換器21の順に通過した燃焼排気は排気出口23よりボイラー装置1外に排気されるものである。
【0022】
二次熱交換器21は、燃焼排気の流路を有する四角箱形のケーシング24と、ケーシング24内に収容される複数の受熱管22と、受熱管22の上流端が接続され受熱管22に被加熱流体を導入する流入ヘッダ30と、受熱管22の下流端が接続され受熱管22からの被加熱流体を導出する流出ヘッダ31と、を備えている。
ケーシング24は、燃焼排気の排気入口28とドレン排水口27とを有する底壁26と、側壁25と、天板29とを備え、さらに側壁25に排気出口23を備えている。
受熱管22は、側壁25の一方側と、該一方側に対向する他方側との間で延在する直管部22aと、側壁25の一方側に位置する一方側円弧状折返部22bと、側壁25の他方側に位置する他方側円弧状折返部22cとが水平方向に繰り返して連続する波型の配管構造を有し、該配管構造を上下方向に積層し、ケーシング24内に備えた流入ヘッダ30と流出ヘッダ31との間を被加熱流体を流通させるようにしたものである。
【0023】
二次熱交換器21は、排気入口28からの燃焼排気の流通方向を規制する拡散板33と、燃焼排気を受熱管22の波型に沿って案内する誘導板34と、を備えている。
【0024】
拡散板33は、ケーシング24の一部を上下に仕切る平面部33aと、平面部33aの一方の端部から垂下して底壁26に当接した垂直部33bと、を有し、平面部33aの他方の3つの端部は側壁25に当接しており、平面部33aと垂直部33bと底壁26と側壁25とで囲まれた第1の空間60を形成し、拡散板33の平面部33aは、燃焼排気を通気させる複数の開口部351、352,353,354を有する。以下では、開口部351、352,353,354を総称して開口部35と称する。
【0025】
誘導板34は、起立片34aと取付片34bを有したL字形に形成されており、取付片34bは天板29に対面して取付けられ、下方に向けて延びた起立片34aは、起立片34aの下方端34cを拡散板33の平面部33aに当接され、起立片34aの一方の側方端34dは側壁25の一方側に当接され、起立片34aの他方の側方端34eは受熱管22の長さ方向を水平方向から見て受熱管22と他方側円弧状折返部22cとの接続端22dと重なるように配設されている。
また、誘導板34は、複数設けられ、水平方向に隣り合う直管部22aに挟まれる隙間に千鳥状に配されて固定される。
【0026】
また、排気入口28は、底壁26のうち第1の空間60に燃焼排気が流入する位置に配設され、排気出口23は、側壁25における受熱管22の下流端の近傍に配設される。
【0027】
また、開口部351は3つのスリット351a、351b、351cにより形成され、開口部352は3つのスリット352a、352b、352cにより形成され、開口部353は3つのスリット353a、353b、353cにより形成され、開口部354は3つのスリット354a、354b、354cにより形成されている。
さらに、これらのスリット351a~354cは、波型に配管された受熱管22の直管部22aの下部に位置するよう開口している。
【0028】
開口部351の開口面積は、スリット351a、351b、351cの合計の面積であり、同様に、開口部352の面積は、スリット352a、352b、352cの合計の面積であり、同様に、開口部353の面積は、スリット353a、353b、353cの合計の面積であり、同様に、開口部354の面積は、スリット354a、354b、354cの合計の面積である。
本発明では、開口部351~354のそれぞれの開口面積は大小関係があり、受熱管22を流通する被加熱流体の流れの上流側に位置する開口部351の開口面積が開口部351より下流側に位置する開口部352の開口面積より大きく、開口部352の開口面積が開口部352より下流側に位置する開口部353の開口面積より大きく、開口部353の開口面積が開口部353より下流側に位置する開口部354の開口面積より大きくなるように開口した。
【0029】
これにより、燃焼排気が第1の空間60に流入したあと、拡散板33を通過する際、受熱管22を流通する被加熱流体の流れの上流側に多く流れるようになり、その後、燃焼排気が受熱管22を流れる被加熱流体の流れの方向に沿って流れ、燃焼排気と被加熱流体との熱交換が効率よく行われる。
その結果、二次熱交換器21内には、燃焼排気の通路を高さ方向へ進む蛇行路を形成することなく、水平方向に進む蛇行路を形成できるため、二次熱交換器21の高さ方向のスペースを圧縮することができ、ボイラー装置1全体の小形化を図ることができるものである。
【0030】
本実施形態では、拡散板33の下方の第1の空間60内に、一部の受熱管22を配設した。これにより、受熱管22と燃焼排気との熱交換の表面積を多く確保することができ、結果として、二次熱交換器21の高さ方向のスペースを圧縮することができ、ボイラー装置1全体の小形化を図ることができるものである。
なお、拡散板33の下方の第1の空間60内の受熱管22は、配設しなくてもよいものである。
【0031】
また、開口部35を複数の前記スリットで形成したので、開口部35を切起し形状や鎧戸形状などによる開口形態で形成した場合に比べ、平面部33aと受熱管22とが干渉することなく受熱管22の直管部22aの下部に設けることが容易になる。
【0032】
また、拡散板33は、平面部33aとケーシング24内に配設された流入ヘッダ30との干渉を回避するため、平面部33aに切欠部33dを備えている。切欠部33dは、平面部33aと流入ヘッダ30との間にクリアランスを確保し、燃焼排気を通気させることができる。
【0033】
これにより、開口部35に加え、切欠部33dからも燃焼排気を受熱管22の上流側へ誘導することができ、燃焼排気と受熱管22との熱交換の距離と時間を増加させ、熱交換効率を高めることができるものである。
【0034】
なお、本実施形態では、流入ヘッダ30と流出ヘッダ31をケーシング24内に配設したボイラー装置で説明したが、流入ヘッダ30と流出ヘッダ31をケーシング24外に配設してもよいものである。
【0035】
なお、本実施形態では、上向きのバーナ部の上方に一次熱交換器を配設し、この一次熱交換器の上方に二次熱交換器を配設したボイラー装置にて説明したが、下向きのバーナ部の下方に一次熱交換器を配設し、この一次熱交換器からの燃焼排気をU字型排気経路を経由して二次熱交換器に通気させるようにしたボイラー装置でもよく、また、横向きのバーナ部から発生する火炎の上方に一次熱交換器を配設し、この一次熱交換器の上方に二次熱交換器を配設したボイラー装置でもよいものである。
【0036】
なお、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 :ボイラー装置
8 :バーナ部
18 :一次熱交換器
21 :二次熱交換器
22 :受熱管
22a :直管部
22b :一方側円弧状折返部
22c :他方側円弧状折返部
22d :接続端
23 :排気出口
24 :ケーシング
25 :側壁
26 :底壁
27 :ドレン排水口
28 :排気入口
29 :天板
30 :流入ヘッダ
31 :流出ヘッダ
33 :拡散板
33a :平面部
33b :垂直部
34 :誘導板
34a :起立片
34b :取付片
34c :下方端
34d、34e :側方端
35、351、352、353、354 :開口部
351a、351b、351c :スリット
352a、352b、352c :スリット
353a、353b、353c :スリット
354a、354b、354c :スリット
60 :第1の空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6