(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】グレージング及びインサートのオーバーモールドのための装置及び方法、並びにその装置及び方法で使用されるインサート
(51)【国際特許分類】
B29C 33/14 20060101AFI20240905BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B29C33/14
B29C45/14
(21)【出願番号】P 2021521368
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(86)【国際出願番号】 FR2019052525
(87)【国際公開番号】W WO2020089546
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-14
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100193404
【氏名又は名称】倉田 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】ロマン ゴネ
【審査官】和瀬田 芳正
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-179590(JP,A)
【文献】特開2002-292681(JP,A)
【文献】特開2003-011157(JP,A)
【文献】特開平01-197114(JP,A)
【文献】特開昭63-283917(JP,A)
【文献】特開平01-314120(JP,A)
【文献】特開平04-348920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/14
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサート(3)及びオーバーモールド装置(1)を有するアセンブリであって、
前記オーバーモールド装置(1)が、下型部分(10)と上型部分(11)を有し、
前記下型部分(10)及び上型部分(11)が、下記の位置の間で相対的に移動可能であり:
オーバーモールドされるガラスペイン(2)及びインサート(3)の配置及び取り出しに適している、開放位置、及び
2つの前記型部分(10,11)がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティ(12,13)の範囲を定めている、閉鎖位置、
前記オーバーモールド装置(1)が下記を特徴とする、アセンブリ:
前記下型部分(10)が受け入れハウジング(60)を有し、前記受け入れハウジング(60)が、前記インサート(3)の基準部材(31)
の突出部(311)に対して相補的な形状を有することによって、前記インサート(3)の挿入の方向で前記部材(31)のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記部材(31)を固定するように設計されていること、
前記ハウジング(60)が、突出部(601)を有し、かつ前記ハウジング(60)の前記突出部(601)が、前記インサート(3)の前記基準部材(31)のための受け入れ空間(602)の範囲を少なくとも部分的に定めていること、
前記基準部材(31)の突出部(311)が、前記インサート(3)の前記下型部分(10)との当接面(33)上に突出しており、かつ前記下型部分(10)の前記ハウジング(60)と相補的な形状を有すること、及び
前記ハウジング(60)の前記突出部(601)及び/又は前記基準部材(31)の前記突出部(311)が、上面図において、V字形の断面を有すること。
【請求項2】
前記ハウジング(60)の突出部(601)及び/又は前記基準部材(31)の突出部(311)が、面取りされたプロファイルを含むことを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記基準部材(31)の前記突出部(311)の前記V字形の内側の中空部が、円弧状の凹状切り欠き(312)を有することを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記基準部材(31)の前記突出部(311)が、周縁固定部(32)、好ましくは破断可能である周縁固定部(32)によって、前記インサート(3)の残りの部分に固定されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジング(60)が、下記の間を並進移動可能なスライドシステム(6)から部分的に構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ:
- 前記ハウジング(60)が、前記インサートの挿入方向での前記基準部材(31)のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記基準部材(31)を固定するように設計されている、前進位置、及び
- 前記基準部材(31)を垂直方向に解放できるように設計されている、後退位置。
【請求項6】
前記ハウジング(60)は、
前記下型部分(10)に形成された凹部内に作られていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
ガラスペイン(2)と、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリの一部であることが意図される少なくとも1つのインサート(3)とをオーバーモールドするためのオーバーモールド装置(1)であって、
前記オーバーモールド装置(1)は、下型部分(10)と上型部分(11)を有し、
前記下型部分(10)及び上型部分(11)が、下記の位置の間で相対的に移動可能であり:
オーバーモールドされるガラスペイン(2)及びインサート(3)の配置及び取り出しに適している、開放位置、及び
2つの型部分(10,11)がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティ(12,13)の範囲を定めている、閉鎖位置、
下記を特徴とする、オーバーモールド装置(1):
前記下型部分(10)が
受け入れハウジング(60)を有し、前記
受け入れハウジング(60)が、前記インサート(3)の基準部材(31)
の突出部(311)に対して相補的な形状を有することによって、
前記インサート(3)の挿入の方向で前記部材(31)のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記部材(31)を固定するように設計されていること
、
前記ハウジング(60)が、突出部(601)を有し、かつ前記ハウジング(60)の前記突出部(601)が、前記インサート(3)の前記基準部材(31)のための受け入れ空間(602)の範囲を少なくとも部分的に定めていること、
前記基準部材(31)の突出部(311)が、前記インサート(3)の前記下型部分(10)との当接面(33)上に突出しており、かつ前記下型部分(10)の前記ハウジング(60)と相補的な形状を有すること、及び
前記ハウジング(60)の前記突出部(601)及び/又は前記基準部材(31)の前記突出部(311)が、上面図において、V字形の断面を有すること。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリの一部であることを意図されているインサート(3)であって、
下記の位置の間で相対的に移動可能な下型部分(10)と上型部分(11)とを備えるオーバーモールド装置(1)においてオーバーモールドされた後でガラスペイン(2)に固定されていることを意図されており:
- オーバーモールドされるガラスペイン(2)及びインサート(3)の配置及び取り出しに適している、開放位置、及び
- 2つの型部分(10,11)がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティ(12,13)の範囲を定めている、閉鎖位置、
下記を特徴とする、インサート:
前記下型部分(10)が受け入れハウジング(60)を有し、前記受け入れハウジング(60)が、前記インサート(3)の基準部材(31)の突出部(311)に対して相補的な形状を有することによって、前記インサート(3)の挿入の方向で前記部材(31)のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記部材(31)を固定するように設計されていること、
前記ハウジング(60)が、突出部(601)を有し、かつ前記ハウジング(60)の前記突出部(601)が、前記インサート(3)の前記基準部材(31)のための受け入れ空間(602)の範囲を少なくとも部分的に定めていること、
前記基準部材(31)の突出部(311)が、前記インサート(3)の前記下型部分(10)との当接面(33)上に突出しており、かつ前記下型部分(10)の前記ハウジング(60)と相補的な形状を有すること、及び
前記ハウジング(60)の前記突出部(601)及び/又は前記基準部材(31)の前記突出部(311)が、上面図において、V字形の断面を有すること。
【請求項9】
少なくとも以下の工程を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリを使用するオーバーモールド方法:
前記開放位置において、前記オーバーモールド装置(1)の前記下型部分(10)に前記ガラスペイン(2)を位置決めすること、
前記下型部分(10)の前記ハウジング(60)内に前記基準部材(31)を配置することによって、前記インサート(3)を取り付け、そして随意に、前記インサートの部材(31)をガラスペイン(2)に、取り付け、好ましくは接着結合によって固定すること、
前記オーバーモールド装置(1)を閉鎖し、そしてオーバーモールド材料を注入すること、
前記オーバーモールド装置(1)を開いて、前記インサート(3)及び前記ガラスペイン(2)を含むオーバーモールド体(X)を取り出すること。
【請求項10】
前記スライドシステム(6)が、最初はその前進位置にあり、かつ前記ポリマーオーバーモールド材料の注入の後で、その後退位置に移動させられることを特徴とする、請求項5に記載のアセンブリを使用する、請求項9に記載のオーバーモールド方法。
【請求項11】
自動車のグレージングユニットとしての、請求項9及び10のいずれか一項に記載の方法によって得られたオーバーモールド体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスペイン及び関連するインサートを封入するための装置及び方法、並びにその装置及び方法を実施するのに適したインサートに関する。さらに、本発明は、この方法の実施によって得られるオーバーモールドされたアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスペインの封入は、ポリマーシール又は何らかの他のポリマー要素、通常は熱可塑性エラストマー(TPE)又はポリ塩化ビニル(PVC)を、ガラスペインの周縁境界に接合することからなる。ガラスペインは、しばしば、ガラスペインの縁又は縁の近傍において、少なくとも1つのインサートに結合される。ここで、このインサートは、充填部品を形成し、それによってポリマー材料の特定の厚さを置換して、プラスチック材料の完全で均一な注入を確実にし、又はこのインサートは、グレージングユニットの後の使用においてアクセサリに固定するための基部として機能させることを意図した支持部品を形成する。
【0003】
封入段階は、ガラスペインが配置された適切な形状の型に、プラスチック材料を注入することによって行われる。材料の注入は、インサートを移動させる傾向があるので、インサートは、注入段階の間、完全に位置を保つことが適切である。
【0004】
インサートが位置を維持することを確実にするために、下型部分及び上型部分を含むオーバーモールド装置を使用することが知られている。ここで、この下型部分及び上型部分は、下記の位置の間で、相対的に移動可能である:オーバーモールドされるガラスペイン及びインサートの配置及び除去に適した開放位置、並びにオーバーモールドされるガラスペイン及びインサートを受け入れることを意図した少なくとも1つのキャビティの範囲を2つの型部品が定める閉鎖位置。伝統的に、下型部分は、その内周の周縁に分布している5つの格納可能なピンを備え、これらのピンは、オーバーモールドされるインサートの側部に作られた対応する孔に挿入されるように設計されている。実際には、この装置及び関連するインサートを採用するオーバーモールド方法は、以下の一連の工程を含む:
最初に、ガラスペインを、型の下側部分に取り付け、次いで、
オーバーモールドされるインサートを、操作者によって非常に正確に位置決めし、かつ型の下側部分に保持し、それによってインサートの側部に作られた5つの孔のそれぞれが、型の5つの保持ピンのそれぞれの経路に完全に位置合わせされるようにし、
次に、5つのピンが孔に通るように伸長させ、それによってインサートを型に固定し、
装置を閉じ、ポリマーのオーバーモールド材料を注入し、次いで、
ピンを引っ込め、それによって装置が解放されている間にインサートの取り出しを可能にすること。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなオーバーモールド装置及び関連する方法は、多数の欠点を有する。第一に、5つのピンを同時に、インサートの側部の周囲に分布する5つの孔に導入しなければならないので、操作者がインサートを位置決めすることが困難である。少なくとも垂直方向において、オーバーモールド材料の注入の間にインサートを完全に固定する必要があることを考慮すると、型のそれぞれのピンの直径とインサートのそれに対応する孔の直径との間に許容される公差は、非常に厳しい。さらに、ピンの伸長経路を正確に予想することは困難であり、それによって、操作者によるインサートの位置決め及び保持の段階の複雑さが増大することがある。位置合わせ不良の場合、1つ以上のピンが破損する危険性が高い。必要な場合に、型を修復することは、時間がかかり、高価であり、技術的に複雑であることがある。インサートが正しく配置されていても、技術に固有の他の欠点が残る。したがって、インサートの位置決めのための時間は、熟練した操作者によって実施される場合であっても、必然的に長く、10秒よりも長い。ピンの迅速な伸長及び収縮はまた、オペレータの指が捕捉される危険を伴う。最後に、ピン上にプラスチック材料をオーバーモールドすることは不可能であり、したがって、ピンを受け入れるためのハウジングは、オーバーモールド処理の最後に見えるままである。これは、オーバーモールドされたインサートの外観及びコンパクト性の両方に影響を及ぼす付加的な欠点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の欠点の少なくともいくつかを改善することを目的とし、1つの特定の実施形態によれば、インサートと、下型部分及び上型部分を含むオーバーモールド装置とによって形成されるアセンブリ関する。ここで、この下型部分及び上型部分は、下記の位置の間で相対的に移動可能である:
オーバーモールドされるガラスペイン及びインサートの配置及び取り出しに適した開放位置、並びに
オーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティの範囲を2つの型部分が定める閉鎖位置。
ここで、インサートの基準部材と相補的な形状を有することによって、インサートの挿入方向で上記部材のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って上記部材を固定するように設計された受け入れハウジングを、下型部分が有することを、この装置は特徴とする。
【0007】
本明細書にわたって、受け入れハウジングの停止機能は、インサートの挿入中にインサートの移動を停止させる受け入れハウジングの能力に関する。より具体的には、インサートの基準部材は、受け入れハウジングの少なくとも1つの部分に対して相補的な幾何学的形状を有し、それによって受け入れハウジングと当接し、かつインサートの挿入の間にインサートの移動を停止させることができる。したがって、この基準部材は、インサートがガラスペイン及び型に対して迅速かつ容易に位置決めされることを可能にし、これは、インサートが基準のオーバーモールドフレーム内にインデックス付けされることを確実にする。受け入れハウジングへの挿入の後で、インサートの基準部材は、垂直軸に沿ってその中で固定される。言い換えれば、次いで、受け入れハウジングは、型の閉鎖平面上での基準部材のいかなる移動も防止する。この特徴は、特に、オーバーモールドプラスチック材料を注入する後の工程の間、インサートがしっかりと保持されることを保証する。ここで、この注入工程では、結果として、注入の間に発生する圧力荷重が、主に垂直軸に沿って発揮される。本発明によるアセンブリによって、従前は型のピンに集中していた破壊のリスクは、かなり低減され、破壊のリスクは、容易に交換可能な部品であるインサートの基準部材に主に集中する。したがって、オーバーモールド装置のメンテナンスは比較的容易である。最後に、オーバーモールド後、不可避的に可視的であり続けなければならないであろうインサートの唯一の部分は、その基準部材であり、他の部分は、所望に応じて完全にオーバーモールドすることができる。したがって、オーバーモールドされたアセンブリを、所望の構造に、例えば乗物のドア内の所与の構造に配置することが比較的容易であり得る。
【0008】
1つの特定の実施形態によれば、受け入れハウジングは、インサートの基準部材のための受け入れ空間の範囲を少なくとも部分的に定める突出部を含む。このような突出部は、特に、インサートの基準部材を垂直方向に固定することを可能にする。
【0009】
1つの特定の実施形態によれば、基準部材は、下型部分とのインサートの当接面上に突出し、かつ下型部分のハウジングに対して相補的な形状を有する突出部を含む。このような突出部は、特に、インサートの基準部材を受け入れハウジングに挿入し、かつその中に保持することを比較的容易にする。
【0010】
1つの特定の実施形態によれば、ハウジング(60)の突出部及び/又は基準部材(31)の突出部(311)は、面取りされたプロファイルを含む。ハウジング/部材の内側から外側に負の勾配を有するようにされている一方及び/又は他方の突出部のテーパ形状は、基準部材をハウジング内に挿入し、かつオーバーモールド後にそれをそこから取り出すことをより容易にする。
【0011】
特定の実施形態によれば、突出部のうちの少なくとも1つの面取りされたプロファイルは、ハウジングの突出部が、基準部材の挿入方向において、基準部材のための停止部を形成することも可能にする。
【0012】
1つの特定の実施形態によれば、ハウジングの突出部及び/又は部材の突出部は、上面図においてV字形の断面を有する。
【0013】
本明細書全体を通して、装置の閉鎖面に対する法線に沿って考慮される場合、ハウジングの突出部の上面図における断面は、ハウジングの突出部の形状を示している。インサートと装置の下側部分との当接面に対する法線に沿って考慮される場合、インサートの基準部材の突出部の上面図における断面は、インサートの基準部材の突出部の形状を示している。このV字形状は、平行ではない方向に延びる2つの接触面を突出部に与え、基準部材をハウジングに挿入し、かつオーバーモールドの後にハウジングから基準部材を取り出すことを容易にする。
【0014】
1つの特定の実施形態によれば、基準部材の突出部のV字形の内側の中空部は、円弧の形態の凹状の切り欠きを有する。このような切り欠きにより、操作者は、水平面内でのインサートのある程度の角度の動きを有することができる。これにより、インサートを挿入しやすくなる。
【0015】
1つの特定の実施形態によれば、基準部材の突出部は、周縁固定部、好ましくは破断可能である周縁固定部によって、インサートの残りの部分に固定されている。
【0016】
1つの特定の実施形態によれば、これらの固定部は、基準部材の基部を、受け入れハウジングから最も離れることが意図されるその突出部の部分に接続する。
【0017】
1つの特定の実施形態によれば、これらの固定部の内部表面は、受け入れハウジングの突出部のための停止部を形成する。
【0018】
1つの特定の実施形態によれば、固定部は、破断可能であるか、又は言い換えると、それらを比較的容易に切断することを可能にする技術的解決策、例えば切断線に沿ってそれらの厚さを局所的に小さくすることによってそれらをより容易に切断することを可能にする技術的解決策を有することができる。オーバーモールドの後で、固定部及び基準部材の突出部は必然的に見えるままであるということを考えると、これらの固定部の破断可能な性質は、基準部材とオーバーモールドされたアセンブリの残りの部分との間にもたらされるその後の分離をより容易にする。
【0019】
1つの特定の実施形態によれば、ハウジングは、下記の間を並進移動可能であるスライドシステムから部分的に構成される:
インサートの挿入方向で部材のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿ってこの部材を固定するようにハウジングが設計されている、前進位置、及び
基準部材を垂直方向に解放することを可能にするように設計されている、後退位置。
【0020】
このようなスライドシステムの採用は、オーバーモールドの後にインサートを取り出しやすくすることを可能にし、スライドシステムが後退位置にあるときに、インサートの取り出し垂直に行うことができる。
【0021】
1つの特定の実施形態によれば、スライドシステムは、並進移動可能であり、特に受け入れハウジングの突出部を一体化している部品を備え、それによって、前進位置において、この突出部が、基準部材を垂直方向に沿って固定するのと同時に、基準部材のための停止部を形成し、かつ後退位置において、この突出部が、インサートの基準部材を解放するように後退する。
【0022】
1つの特定の実施形態によれば、ハウジングは、型の下部分に形成された凹部内に作製される。型の表面と同一平面の部分がない場合、この凹部は、より堅牢になり、また、よりコンパクトになる。
【0023】
1つの特定の実施形態によれば、本発明はまた、ガラスペイン、及び上述のようなアセンブリの一部であることが意図される少なくとも1つのインサートをオーバーモールドするための装置に関し、この装置は、下記の位置の間で相対的に移動可能である下型部分及び上型部分を含む:
オーバーモールドされるガラスペイン及びインサートの配置及び取り出しに適している、開放位置、並びに
2つの型部分がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティの範囲を定めている、閉鎖位置。
ここで、下型部分がハウジングを有し、このハウジングが、インサートの基準部材に対して相補的な形状を有することによって、インサートの挿入の方向でこの部材のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿ってこの部材を固定するように設計されていることを、この装置は特徴としている。
【0024】
1つの特定の実施形態によれば、本発明はまた、上記のようなアセンブリの一部であることを意図されたインサートに関する。このインサートは、装置でのオーバーモールドの後でガラスペインに固定されていることを意図している。この装置は、下記の位置の間で相対的に移動可能である上型部分及び下型部分を有する:
オーバーモールドされるガラスペイン及びインサートの配置及び取り出しに適している、開放位置、並びに
オーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティの範囲を定める、閉鎖位置。
ここで、下型部分のハウジングに対して相補的な形状を有することによって、ハウジング内においてインサートの挿入方向で当接し、かつ垂直軸に沿ってハウジング中で固定されるように設計された基準部材を有することを、このインサートは特徴としている。
【0025】
1つの特定の実施形態によれば、本発明はまた、少なくとも以下の工程を含む、上記のようなアセンブリを使用するオーバーモールド方法に関する:
開放位置において、装置の下型部分にガラスペインを配置すること、
下型部分のハウジング内に基準部材を配置することによってインサートを取り付け、そして、随意に、好ましくは接着剤で固定することにより、ガラスペインにインサートの一部を取り付けること、
装置を閉じ、オーバーモールド材料を注入し、装置を開いて、インサート及びガラスペインを含むオーバーモールドアセンブリを取り出すこと。
【0026】
1つの特定の実施形態によれば、この方法は、上記のようなスライドシステムを使用する。ここで、このスライドシステムは、最初はその前進位置にあり、かつポリマーオーバーモールド材料の注入の後で、その後退位置に移動する。本明細書で既に説明したように、この特徴は、オーバーモールドの後でインサートを取り出すことを容易にする。
【0027】
1つの特定の実施形態によれば、本発明はまた、そのような方法を実施することによって得られるオーバーモールドされたアセンブリに関する。このようなオーバーモールドされたアセンブリは、基準部材がオーバーモールドの後も見えるままであるという点で、既存の封入とは異なる。一方、オーバーモールドされるインサートの周囲にピン入口を設ける必要はない。
【0028】
1つの特定の実施形態によれば、本発明はまた、乗物のグレージングユニットとしてのそのようなオーバーモールドされたアセンブリの使用に関する。この特定の実施形態によれば、オーバーモールドされたアセンブリは、特にその重量、その寸法、及びそのコンパクトさのために、乗物における採用にそのように適している。
【0029】
ここで、本発明の範囲を決して限定しない純粋に例示的な実施例を参照し、かつ添付の図面に基づいて、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、ガラスペイン2が配置される装置の下部分10の概略上面図を示す。下部分10には、前進位置にある可動保持部品を備えるスライドシステムが設けられているのが注目される。
【
図2】
図2は、インサート3のための受け入れハウジング60の領域における
図1の詳細図である。
【
図3】
図3は、ガラスペイン2及び装置1の下部分10に面することが意図されるインサート3の底部の正面図である。
【
図4】
図4は、装置の下部分10における受け入れハウジング60と協働することが意図されているインサート2の基準部材31の斜視図である。
【
図5】
図5は、インサート3が装置1に装着されている点で、
図1と異なる。
【
図6】
図6は、装置が閉鎖位置にある点を除いて、
図1の断面A-Aでの断面図である。ここで、部品60aは、その前進位置にある。
【
図7】
図7は、ポリマーのオーバーモールド材料が射出されている点で、
図6と異なる。
【
図8】
図8は、部品60aがその後退位置にある点で、
図7と異なる。
【
図9】
図9は、装置1がその開放位置にあり、かつオーバーモールドされたガラスペイン及びインサートによって形成されたアセンブリの取り出しの準備がされている点で、
図8と異なる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書において、オーバーモールド装置の構成要素、インサートとの構成要素、又はガラスペインの構成要素に関連して、「上側」及び「下側」は、装置の通常の設置の状況において使用され、それによってガラスペインでのように、装置の閉鎖面が水平面である。
【0032】
本発明のオーバーモールド装置1の目的は、ガラスペイン2を封入することである。
図1に示すように、封入は、好ましくは、ポリマーシール4の形成で、ガラスペイン2の全周縁にあり、ここでは、インサート3がオーバーモールドされ、それによってガラスペイン2に固定されている。インサート3は、
図3及び4に図示された形態を有する。しかしながら、インサートのこの形態は限定的なものではない。
【0033】
オーバーモールド装置1は、下型部分10と、下型部分10に対して移動可能な上型部分11とを備え、これら2つの部分10及び11は、それぞれのキャビティ12及び13の範囲を定めている(
図6)。キャビティ12及び13には、ガラスペイン2及びインサート3が設置されることが意図されており、かつキャビティ12及び13は、
図10の完成されたオーバーモールド生成品で見ることができるように、ガラスペイン及びインサートを封入するためのポリマー材料4の注入に適した容積を提供する。
【0034】
ガラスペイン2は、エッジ22によって接続された2つの対向する主面20及び21を有する。ガラスペインは、装置内に平らに配置される。
図1及び2に図示されたガラスペイン2の幾何学的形状は、非限定的な例として与えられる。
【0035】
キャビティ12はまた、インサート3の形態及びインサートのポリマー封入シール4の形態に関して、適切な幾何学的形状を有する。
図1、
図2、及び
図6を参照すると、インサート3の基準部材31を収容するように意図された固定部分10のキャビティ12は、特に以下によって範囲を定められている:
下周縁壁14として知られる周縁壁、ここで、この周縁壁は、可動部11とは反対方向に固定部10の内側に向かって下面15まで下降し、それによってガラスペイン2の対向する2つの主面20、21、及び縁部22の封入を確実にする;
側部平坦部16、ここで、この側部平坦部16は、周縁壁14の上方に配置され、かつ領域が限定されており、それによってインサート3の基準部材31を収容する;
端壁17として知られるキャビティ12の上側壁、ここで、この上側壁は、壁14とは反対側の平坦部16の輪郭に従っており、かつキャビティ12の最外周縁部の範囲を定めている。
【0036】
図1及び
図2に示されるように、下部分10は、受け入れハウジング60を有し、この受け入れハウジング60は、インサート3の基準部材31と相補的な形状を有することによって(
図3~
図9に図示)、インサート3の挿入方向でこの部材31のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿ってこの部材31を固定するように設計されている。より具体的には、このハウジング60は、下型部分10に形成された凹部内に形成され、かつ、インサート3の基準部材31のための受け入れ空間602の範囲を少なくとも部分的に定める突出部601を含む。このような突出部601は、特に、インサートの基準部材を垂直方向に固定化することを可能にする。突出部601は、受け入れ空間602と同様に、上面図においてV字状の断面を有する。
図1及び
図2では、受け入れ空間602の第1の領域は覆われておらず、見ることができるが、第2の領域は、突出部601によって張り出され、
図2の破線によって範囲を定められていることに留意されたい。
【0037】
図1、
図2、及び
図5~
図9に例示されているように、オーバーモールド装置1は、スライドシステム6を備えており、このスライドシステムは、特に、方向tに並進移動可能な部品を備えており、これは、受け入れハウジング60の突出部601を一体化するものであり、それによって、前進位置において、この突出部は、基準部材31を垂直軸に沿って固定すると同時に、基準部材31のための停止部を形成し、かつ後退位置において、この突出部601は、インサート3の基準部材31を解放するように後退している。このようなスライドシステムを採用することにより、オーバーモールドの後にインサートを取り出すことが容易になり、スライドシステム6がその後退位置にあるときに、インサート3の取り出しを、垂直方向に行うことができる。
【0038】
図3及び
図4は、本発明の1つの特定の実施形態によるインサート3の概略図である。このようなインサート3は、上述したような装置1においてオーバーモールドした後で、ガラスペイン2に固定されることを意図している。特に、このインサート3は、基準部材31を有し、この基準部材31は、下型部分10のハウジング60と相補的な形状を有することによって、
図6及び
図7に示されるように、インサートの挿入方向においてハウジング60内において当接し、かつ垂直軸に沿ってその中で固定されるように設計されている。
【0039】
より具体的には、基準部材31は、突出部311を有し、この突出部311は、
図6及び
図7に図示されるように、インサート3と下型部分10との当接面33上に突出し、かつ下型部分10のハウジング60に対して相補的な形状を有する。基準部材31の突出部311は、周縁固定部32によってインサート3の残りの部分に固定される。インサート3の突出部311、固定部32、及び突き当て面33によって形成されるアセンブリは、インサート3の基準部材31のための受け入れ空間602(
図8及び
図9参照)の範囲を定める。このような突出部311は、特に、インサート3の基準部材31を垂直方向に固定することを可能にする。
【0040】
図3及び
図4に示すように、基準部材31の突出部311は、上面図においてV字形状の断面を有する。このV字形状は、非平行の方向に延在する2つの接触面をこの突出部311に与え、それによって、基準部材をハウジングに挿入し、かつオーバーモールドの後にハウジングから取り出すことを比較的容易にする。基準部材31の突出部311のV字形の内側の中空は、円弧の形態の凹状の切り欠き312を有し、これにより、操作者は、水平面におけるインサート3のある程度の角度移動を有することができる。これにより、インサート3を挿入しやすくなる。
【0041】
図6~
図9に示すように、ハウジング60の突出部601及び基準部材31の突出部311は、共に面取りプロファイルを備えており、これにより、基準部材31をハウジング60に挿入すること、及びオーバーモールドの後に、ハウジング60から基準部材31を取り出すことが容易になる。また、これらの面取りされたプロファイルは、ハウジング60の突出部601が、基準部材31の挿入方向において、基準部材31のための停止部を形成することを可能にする。この構成では、
図6及び
図9に示すように、ハウジング60の突出部601は、基準部材3の周縁固定部32の内側部分に接触せず、それによって、これらの固定部32は、接触面33の表面とインサート3の突出部311とを機械的に接続する機能を有するだけである。
【0042】
これに関連して、固定部32の広がりは、この機能を保証するために必要最小限に制限することができる。例えば、図に示されていない1つの特定の実施形態によれば、突出部601は、V字形のアームの端部に配置されている2つの固定部によってのみ、基準部材3の当接面33に連結されてもよい。必要に応じて、これらの固定部32は、比較的容易に破断可能である。
【0043】
詳細な説明の残りの部分は、本発明の1つの特定の実施形態によるオーバーモールド方法の一連の工程をより詳細に説明する。ここで、この方法は、特に上記で説明したようなオーバーモールド装置1及びインサート3を使用する。
【0044】
初期状態では、オーバーモールド装置1は、その開放位置にあり、かつスライドシステム6はその前進位置にある。ガラスペイン2は、下型部分10上に位置決めされている。
【0045】
第1の工程の間、インサート3の基準部材31は、装置1の下部分10のハウジング60内に取り付けられる。したがって、この基準部材31は、インサート3が、ガラスペイン2に対して、及び型1の下部分10に対して、迅速かつ容易に位置決めされることを可能にし、これは、インサートが、基準のオーバーモールドフレーム内にインデックス付けされることを確実にする。1つの特定の実施形態によれば、インサート3の長手方向部分は、同時に、例えば接着テープによって、ガラスペインの上面21に取り付けられ、かつ結合される。次いで、
図6に示すように、装置1の上部分11を閉鎖位置に移動させる。
【0046】
装置1を閉鎖位置にした後で、
図7に示すように、ポリマーオーバーモールド材料4を、キャビティ12及び13内に高圧で注入する。この工程の間、ハウジング60における基準部材31の固定は、インサート3を確実に保持することを可能にする。ここで、射出の間に結果として発生する圧力負荷は、主に垂直軸に沿って及ぶ。
【0047】
オーバーモールド材料4の注入の後であって、装置1を開放する前に、スライドシステム6を、移動可能な部品を平行移動させることによって、その後退位置に移動させる。この構成では、
図8に示すように、インサート3を垂直に取り外すことができ、それによって、オーバーモールドの後にインサート3を取り出すことがより容易になる。
【0048】
その後の工程の間、
図9に示されるように、装置1を開放する。次いで、オーバーモールドされたインサート3及びガラスペイン2を含むオーバーモールドされたアセンブリを、型1から取り出すことができる。このようにして得られるこのオーバーモールドされたアセンブリは、オーバーモールドの後にも、基準部材31が見えるままであるという点で、既存の封入体とは異なる。
【0049】
次いで、部品60を平行移動させることによって、スライドシステム6を前進位置に戻し、それによってオーバーモールド方法を繰り返す。
【0050】
1つの特定の実施形態によれば、本発明はまた、乗物のグレージングユニットとしての、このようなオーバーモールドされたアセンブリの使用に関する。
本発明の態様としては下記を挙げることができる:
〈態様1〉
インサート(3)及びオーバーモールド装置(1)によって形成されたアセンブリであって、
前記オーバーモールド装置(1)が、下型部分(10)と上型部分(11)を有し、
前記下型部分(10)及び上型部分(11)が、下記の位置の間で相対的に移動可能であり:
オーバーモールドされるガラスペイン(2)及びインサート(3)の配置及び取り出しに適している、開放位置、及び
2つの前記型部分(10,11)がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティ(12,13)の範囲を定めている、閉鎖位置、
ここで、前記下型部分(10)が受け入れハウジングを有し、前記受け入れハウジングが、前記インサート(3)の基準部材(31)に対して相補的な形状を有することによって、前記インサート(3)の挿入の方向で前記部材(31)のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記部材(31)を固定するように設計されていることを、前記装置(1)が特徴とする、アセンブリ。
〈態様2〉
前記ハウジング(60)が、突出部(601)を有し、かつ前記ハウジング(60)の前記突出部(601)が、前記インサート(3)の前記基準部材(31)のための受け入れ空間(602)の範囲を少なくとも部分的に定めていることを特徴とする、態様1に記載のアセンブリ。
〈態様3〉
前記基準部材(31)が、突出部(311)を有し、かつ前記基準部材(31)の突出部(311)が、前記インサート(3)の前記下型部分(10)との当接面(33)上に突出しており、かつ前記下型部分(10)の前記ハウジング(60)と相補的な形状を有することを特徴とする、態様1及び2のいずれかに記載のアセンブリ。
〈態様4〉
前記ハウジング(60)の突出部(601)及び/又は前記基準部材(31)の突出部(311)が、面取りされたプロファイルを含むことを特徴とする、態様2及び3のいずれかに記載のアセンブリ。
〈態様5〉
前記ハウジング(60)の前記突出部(601)及び/又は前記基準部材(31)の前記突出部(311)が、上面図において、V字形の断面を有することを特徴とする、態様2~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
〈態様6〉
前記基準部材(31)の前記突出部(311)の前記V字形の内側の中空部が、円弧状の凹状切り欠き(312)を有することを特徴とする、態様3及び5に記載のアセンブリ。
〈態様7〉
前記基準部材(31)の前記突出部(311)が、周縁固定部(32)、好ましくは破断可能である周縁固定部(32)によって、前記インサート(3)の残りの部分に固定されていることを特徴とする、態様3及び5、又は態様6に記載のアセンブリ。
〈態様8〉
前記ハウジング(60)が、下記の間を並進移動可能なスライドシステム(6)から部分的に構成されていることを特徴とする、態様1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ:
- 前記ハウジング(60)が、前記インサートの挿入方向での前記基準部材(31)
のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記基準部材(31)を固定するように設計されている、前進位置、及び
- 前記基準部材(31)を垂直方向に解放できるように設計されている、後退位置。
〈態様9〉
前記ハウジング(60)は、前記型(10)の前記下部分に形成された凹部内に作られていることを特徴とする、態様1~8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
〈態様10〉
ガラスペイン(2)と、態様1~9のいずれか一項に記載のアセンブリの一部であることが意図される少なくとも1つのインサート(3)とをオーバーモールドするための装置(1)であって、
前記装置(1)は、下型部分(10)と上型部分(11)を有し、
前記下型部分(10)及び上型部分(11)が、下記の位置の間で相対的に移動可能であり:
オーバーモールドされるガラスペイン(2)及びインサート(3)の配置及び取り出しに適している、開放位置、及び
2つの型部分(10,11)がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティ(12,13)の範囲を定めている、閉鎖位置、
ここで、前記下型部分(10)がハウジング(60)を有し、前記ハウジング(60)が、前記インサート(3)の基準部材(31)に対して相補的な形状を有することによって、挿入の方向で前記部材(31)のための停止部を形成し、かつ垂直軸に沿って前記部材(31)を固定するように設計されていることを、前記装置(1)が特徴とする、装置(1)。
〈態様11〉
態様1~9のいずれか一項に記載のアセンブリの一部であることを意図されているインサート(3)であって、
下記の位置の間で相対的に移動可能な下型部分(10)と上型部分(11)とを備える装置(1)においてオーバーモールドされた後でガラスペイン(2)に固定されていることを意図されており:
- オーバーモールドされるガラスペイン(2)及びインサート(3)の配置及び取り出しに適している、開放位置、及び
- 2つの型部分(10,11)がオーバーモールド材料の注入のための少なくとも1つのキャビティ(12,13)の範囲を定めている、閉鎖位置、
ここで、前記インサート(3)が、基準部材(31)を有し、前記基準部材(31)が、前記下型部分(10)のハウジング(60)に対して相補的な形状を有することによって、前記インサート(3)の挿入の方向で前記ハウジング(60)に当接するようになり、かつ垂直軸に沿ってその中で固定されるように設計されていることを特徴とする、
インサート。
〈態様12〉
少なくとも以下の工程を含む、態様1~9のいずれか一項に記載のアセンブリを使用するオーバーモールド方法:
前記開放位置において、前記装置(1)の前記下型部分(10)に前記ガラスペイン(2)を位置決めすること、
前記下型部分(10)の前記ハウジング(60)内に前記基準部材(31)を配置することによって、前記インサート(3)を取り付け、そして随意に、前記インサートの部材(31)をガラスペイン(2)に、取り付け、好ましくは接着結合によって固定すること、
前記装置(1)を閉鎖し、そしてオーバーモールド材料を注入すること、
前記装置(1)を開いて、前記インサート(3)及び前記ガラスペイン(2)を含むオーバーモールドされたアセンブリ(X)を取り出すること。
〈態様13〉
前記スライドシステム(6)が、最初はその前進位置にあり、かつ前記ポリマーオーバーモールド材料の注入の後で、その後退位置に移動させられることを特徴とする、態様8に記載のアセンブリを使用する、態様12に記載のオーバーモールド方法。
〈態様14〉
態様12及び13のいずれかに記載の方法を実施することによって得られる、オーバーモールドされたアセンブリ。
〈態様15〉
自動車のグレージングユニットとしての、態様14に記載のオーバーモールドされたアセンブリの使用。