特許 7550147 保管コンテナ内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション、および、自動保管および回収システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-04

(45)【発行日】2024-09-12

(54)【発明の名称】保管コンテナ内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション、および、自動保管および回収システム

(51)【国際特許分類】

   B65G 1/04 20060101AFI20240905BHJP

   B65G 1/00 20060101ALI20240905BHJP

【ＦＩ】

B65G1/04 555Z

B65G1/00 511A

【請求項の数】 26

(21)【出願番号】P 2021523734

(86)(22)【出願日】2019-11-05

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2022-01-17

(86)【国際出願番号】 EP2019080164

(87)【国際公開番号】W WO2020094604

(87)【国際公開日】2020-05-14

【審査請求日】2022-08-30

(31)【優先権主張番号】20181416

(32)【優先日】2018-11-05

(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO

(73)【特許権者】

【識別番号】317005527

【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス

【氏名又は名称原語表記】ＡＵＴＯＳＴＯＲＥ ＴＥＣＨＮＯＬＯＧＹ ＡＳ

【住所又は居所原語表記】Ｓｔｏｋｋａｓｔｒａｎｄｖｅｇｅｎ ８５，Ｎ－５５７８ Ｎｅｄｒｅ Ｖａｔｓ，Ｎｏｒｗａｙ

(74)【代理人】

【識別番号】100118902

【弁理士】

【氏名又は名称】山本 修

(74)【代理人】

【識別番号】100106208

【弁理士】

【氏名又は名称】宮前 徹

(74)【代理人】

【識別番号】100196508

【弁理士】

【氏名又は名称】松尾 淳一

(74)【代理人】

【識別番号】100172041

【弁理士】

【氏名又は名称】小畑 統照

(72)【発明者】

【氏名】アウストロヘイム，トロンド

(72)【発明者】

【氏名】ハッテランド，マグネ

【審査官】福島 和幸

(56)【参考文献】

【文献】国際公開第２００９／０５７１６６（ＷＯ，Ａ１）

【文献】国際公開第２０１７／２１１５９６（ＷＯ，Ａ１）

【文献】特開平０１－２４２３０５（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２００４／０２０８７３１（ＵＳ，Ａ１）

【文献】中国特許出願公開第１０２２５９７４４（ＣＮ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６５Ｇ １／０４

Ｂ６５Ｇ １／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）と、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
前記積込み機構（４０）が、前記保管コンテナ（１０６）を前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）まで持ち上げるように配置された持上げデバイス（４２）を備え、
前記積込み機構（４０）が移動デバイス（４１）を備え、前記持上げデバイス（４２）が、前記移動デバイス（４１）上に移動可能に配置される、ステーション（１０）。

【請求項2】

自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）と、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
前記積込み機構（４０）が、前記保管コンテナ（１０６）を前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）まで持ち上げるように配置された持上げデバイス（４２）を備え、
前記カバー（３１）が、前記持上げデバイス（４２）により前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動されるときの前記保管コンテナ（１０６）の持上げ経路内に延在するように動作可能であり、その結果、前記保管コンテナ（１０６）が前記カバー（３１）をその展開位置に付勢する、ステーション（１０）。

【請求項3】

自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）と、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
前記積込み機構（４０）が、前記保管コンテナ（１０６）を前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）まで持ち上げるように配置された持上げデバイス（４２）を備え、
前記複数のカバー（３１）のそれぞれが、前記開口部（３５）に隣接する前記アクセス障壁（３３）に枢動可能に接続され、また、各カバー（３１）が、前記カバー（３１）が展開されないことにより前記開口部（３５）の前記それぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる初期位置と、前記カバー（３１）が前記開口部（３５）の前記それぞれの部分を閉鎖する展開位置との間で移動可能であり、
前記カバー（３１）が、前記初期位置において、前記保管コンテナ（１０６）が前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ持ち上げられているときに前記保管コンテナ（１０６）が接触することなしに通過することを可能にするように、少なくとも部分的に垂直方向に延在し、それにより、前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記部分を通じてアクセスされ得るように、前記開口部（３５）の前記それぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる、ステーション（１０）。

【請求項4】

前記複数のカバー（３１）のそれぞれが、前記開口部（３５）に隣接する前記アクセス障壁（３３）に枢動可能に接続され、また、各カバー（３１）が、前記カバー（３１）が展開されないことにより前記開口部（３５）の前記それぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる初期位置と、前記カバー（３１）が前記開口部（３５）の前記それぞれの部分を閉鎖する展開位置との間で移動可能である、請求項１または２に記載のステーション（１０）。

【請求項5】

前記カバー（３１）が、前記初期位置において、前記保管コンテナ（１０６）が前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ持ち上げられているときに前記保管コンテナ（１０６）が接触することなしに通過することを可能にするように、少なくとも部分的に垂直方向に延在し、それにより、前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記部分を通じてアクセスされ得るように、前記開口部（３５）の前記それぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる、請求項４に記載のステーション（１０）。

【請求項6】

前記カバー（３１）が、前記持上げデバイス（４２）により前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動されるときの前記保管コンテナ（１０６）の持上げ経路内に延在するように動作可能であり、その結果、前記保管コンテナ（１０６）が前記カバー（３１）をその展開位置に付勢する、請求項１または３に記載のステーション（１０）。

【請求項7】

前記積込み機構（４０）が移動デバイス（４１）を備え、前記持上げデバイス（４２）が、前記移動デバイス（４１）上に移動可能に配置される、請求項２または３に記載のステーション（１０）。

【請求項8】

前記持上げデバイス（４２）が、前記移動デバイス（４１）の一部として設けられた第１のレール（４５）上で動作するように適合された車輪（４４）を備える、請求項１または７に記載のステーション（１０）。

【請求項9】

前記少なくとも１つのカバーが、フラップ（３１）であり、各フラップ（３１）が、それぞれの独立したモータによって動作される、請求項１から８のいずれか一項に記載のステーション（１０）。

【請求項10】

前記ハウジング（３０）が、前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）を閉鎖するための頂部カバー（３６）を備え、前記頂部カバー（３６）が、前記ステーションが前記積込み構成にあるときには前記頂部カバー（３６）が持ち上げられ得ないように前記頂部カバー（３６）を固定し、また前記ステーション（１０）が前記アクセス構成にあるときには前記頂部カバー（３６）が持ち上げられ得るように前記頂部カバー（３６）を固定解除するように適合された固定デバイスを備える、請求項１から９のいずれか一項に記載のステーション（１０）。

【請求項11】

前記頂部カバー（３６）が、手動でまたはモータによって持ち上げられ得る、請求項１０に記載のステーション（１０）。

【請求項12】

前記アクセス障壁（３３）が、前記ハウジング（３０）内に引出し様のデバイスとして配置され、前記引出し様のデバイスが、前記積込み構成と前記アクセス構成との間を移行するように配置される、請求項１から１１のいずれか一項に記載のステーション（１０）。

【請求項13】

前記引出し様のデバイスが、前記引出し様のデバイスを前記ハウジング（３０）から押し出すように構成された前記積込み機構（４０）によって作動可能である、請求項１２に記載のステーション（１０）。

【請求項14】

引出し様のデバイスが、前記積込み機構（４０）上に設けられた第２のレール上で動作するように配置された車輪（４６）を備える、請求項１２または１３に記載のステーション（１０）。

【請求項15】

自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）と、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
前記アクセス障壁（３３）が、前記ハウジング（３０）内に引出し様のデバイスとして配置され、前記引出し様のデバイスが、前記積込み構成と前記アクセス構成との間を移行するように配置され、
前記引出し様のデバイスが、前記引出し様のデバイスを前記ハウジング（３０）から押し出すように構成された前記積込み機構（４０）によって作動可能である、ステーション（１０）。

【請求項16】

引出し様のデバイスが、前記積込み機構（４０）上に設けられた第２のレール上で動作するように配置された車輪（４６）を備える、請求項１５に記載のステーション（１０）。

【請求項17】

自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）と、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
前記アクセス障壁（３３）が、前記ハウジング（３０）内に引出し様のデバイスとして配置され、前記引出し様のデバイスが、前記積込み構成と前記アクセス構成との間を移行するように配置され、
引出し様のデバイスが、前記積込み機構（４０）上に設けられた第２のレール上で動作するように配置された車輪（４６）を備える、ステーション（１０）。

【請求項18】

保管コンテナ（１０６）内に保管された１つまたは複数の物品の送達のためのステーションを備える自動保管および回収システムであって、
スタック（１０７）に配置された保管コンテナ（１０６）を保管するための保管格子（１０４）と、
請求項１から１７のいずれか１項に記載のステーション（１０）と、
を備える自動保管および回収システム。

【請求項19】

複数の保管コンテナ（１０６）をさらに備え、各保管コンテナ（１０６）が、開口端部を有する複数の区画（５１）を備え、前記開口端部のそれぞれが、前記アクセス障壁（３３）の前記カバー（３１）によって閉鎖可能である、請求項１８に記載のシステム。

【請求項20】

前記複数の保管コンテナ（１０６）のそれぞれが、前記複数の区画（５１）のそれぞれのサイズが調節され得るように、少なくとも１つの取外し可能な区画分離壁（４９）を備える、請求項１９に記載のシステム。

【請求項21】

前記保管格子（１０４）が、壁構造要素（３９）を含む壁表面を備える、請求項１８から２０のいずれか一項に記載のシステム。

【請求項22】

保管コンテナ（１０６）内に保管された１つまたは複数の物品の送達のためのステーションを備える自動保管および回収システムであって、
スタック（１０７）に配置された保管コンテナ（１０６）を保管するための保管格子（１０４）と、
自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）のそれぞれの部分を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）、および、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）
を含む、ステーション（１０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
複数の保管コンテナ（１０６）をさらに備え、各保管コンテナ（１０６）が、開口端部を有する複数の区画（５１）を備え、前記開口端部のそれぞれが、前記アクセス障壁（３３）の前記カバー（３１）によって閉鎖可能であり、
前記複数の保管コンテナ（１０６）のそれぞれが、前記複数の区画（５１）のそれぞれのサイズが調節され得るように、少なくとも１つの取外し可能な区画分離壁（４９）を備える、自動保管および回収システム。

【請求項23】

前記保管格子（１０４）が、壁構造要素（３９）を含む壁表面を備える、請求項２２に記載の自動保管および回収システム。

【請求項24】

保管コンテナ（１０６）内に保管された１つまたは複数の物品の送達のためのステーションを備える自動保管および回収システムであって、
スタック（１０７）に配置された保管コンテナ（１０６）を保管するための保管格子（１０４）と、
自動保管および回収システムの保管コンテナ（１０６）内の内容物へのアクセスを提供するためのステーション（１０）であって、
開口部（３５）および複数のカバー（３１）を含むアクセス障壁（３３）であって、各カバー（３１）が、前記開口部（３５）のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより前記開口部（３５）のそれぞれの部分を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁（３３）、
前記保管コンテナ（１０６）の内容物が前記開口部（３５）を通じてアクセスされ得るように、前記保管コンテナ（１０６）を受け取って前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へ移動させるように配置された、積込み機構（４０）、および、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスを防止することができるハウジング（３０）
を含む、ステーション（１０）と、
を備え、
前記ステーション（１０）が、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）へのアクセスが前記ハウジング（３０）によって防止される積込み構成と、
前記アクセス障壁（３３）の前記開口部（３５）が提示されることにより前記開口部（３５）を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
前記ステーション（１０）が、前記アクセス構成に移行するのに先立って前記開口部（３５）の所定の部分を閉鎖するように前記カバー（３１）を展開することにより前記開口部（３５）の所定の部分を通じた前記保管コンテナ（１０６）の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成され、
前記保管格子（１０４）が、壁構造要素（３９）を含む壁表面を備える、自動保管および回収システム。

【請求項25】

複数の保管コンテナ（１０６）をさらに備え、各保管コンテナ（１０６）が、開口端部を有する複数の区画（５１）を備え、前記開口端部のそれぞれが、前記アクセス障壁（３３）の前記カバー（３１）によって閉鎖可能である、請求項２４に記載のシステム。

【請求項26】

前記複数の保管コンテナ（１０６）のそれぞれが、前記複数の区画（５１）のそれぞれのサイズが調節され得るように、少なくとも１つの取外し可能な区画分離壁（４９）を備える、請求項２５に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、保管コンテナの区画内に保管された１つまたは複数の物品の自動送達のための保管システム、および、そのようなシステムのためのステーションに関する。

【背景技術】

【0002】

図１は、典型的な従来技術の自動保管および回収システムの骨組構造を開示する。
骨組構造は、複数の垂直部材、および垂直部材によって支持された複数の水平部材を備える。部材は、典型的には、例えば押出しアルミニウムプロファイルといった金属で作られ得る。

【0003】

骨組構造は、列を成して配置された保管コラムを含む保管格子を画定し、保管格子内では、保管コラムが、コンテナとしても知られる保管コンテナを保管し、保管コンテナは、互いに積み重ねられてスタックを形成する。各保管コンテナは、典型的には複数の製品（ｐｒｏｄｕｃｔ ｉｔｅｍ）（図示せず）を保持することができ、保管コンテナ内の製品は、同一のものであり得るか、または用途に応じて異なる製品タイプのものであり得る。骨組構造は、保管コンテナのスタックの水平移動を防ぎ、かつ、コンテナの垂直移動を案内するが、通常、それ以外には積み重ねられたときの保管コンテナを支持しない。

【0004】

レール系が、保管コラムの頂部にわたって格子パターンに配置され、このレール系上では、複数のコンテナ取扱車両が、保管コラムから保管コンテナを上昇させるために、また保管コラム内へ保管コンテナを下降させるために動作され、さらに、保管コンテナを保管コラムの上で運搬するために動作される。

【0005】

保管コンテナ内に保管された製品が保管格子から選別されるときに、コンテナ取扱車両は、その製品タイプを含む保管コンテナを取り上げるように配置され、次いでその保管コンテナをコンテナ持上げデバイスへ運搬する。コンテナ持上げデバイスは、保管コンテナを選別および／または供給ステーションへ運搬し、ステーションでは、その製品タイプの製品が、保管コンテナから回収される。その後、残りの製品を含む保管コンテナは、コンテナ持上げデバイスおよびコンテナ取扱車両により、保管格子に戻される。

【0006】

同じ手順が、保管格子内に製品を供給するために使用される。まず、選別および／または供給ステーションにおいて、物品が保管コンテナ内に供給される。次いで、コンテナ持上げデバイスは、コンテナ取扱車両が保管コンテナを保管格子内のその正しい位置に運搬する上位層まで、保管コンテナを持ち上げる。

【0007】

保管制御および通信システムが、在庫目録を監視して（保管格子内のおよび／または運搬中の）それぞれの保管コンテナの位置、各保管コンテナの内容物、などを記録するために、使用される。さらに、保管制御および通信システムはまた、所望の保管コンテナを選別してその保管コンテナを他の車両と衝突することなしに所望のタイミングで所望の場所に送達するように車両を制御するために、コンテナ取扱車両を制御するための制御システムを含み得るかまたはそのような制御システムと通信して設けられ得る。

【0008】

典型的には、選別および／または供給ステーションにいる人員は、保管システムの所有者によって雇用され、人員は、保管コンテナから製品を取り出し、次いでその製品を梱包し、郵便サービスまたは別の配送サービスを介して最終使用者に送る。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0009】

しかし、一部の保管システムでは、最終使用者が保管システムの場所で製品を収集することが望ましい場合がある。したがって、本発明の１つの目的は、そのような最終使用者が彼ら自身で製品を自動的に収集することを可能にする保管システムを提供することである。最終使用者と保管システムとの間の接点に人体損傷（典型的には、可動部品により指または手が圧迫される）の危険性が生じてはならないので、注意が払われなければならない。さらに、個人は、注文された製品以外の製品へのアクセスを得るべきではない。

【0010】

別の目的は、最終使用者に保管コンテナの専用区画へのアクセスを提供する一方で、保管区画の他の区画へのアクセスが制限されることである。

【0011】

さらに、適切なキーまたはキーコードを有する使用者のみが、保管システムから回収された製品にアクセスすることができるべきである。

【課題を解決するための手段】

【0012】

本発明は、自動保管および回収システムの保管コンテナ内の内容物へのアクセスを提供するためのステーションを対象とする。ステーションは、
－ 開口部および複数のカバーを含むアクセス障壁であって、各カバーが、開口部のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより開口部を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁と、
－ 保管コンテナの内容物が開口部を通じてアクセスされ得るように、保管コンテナを受け取ってアクセス障壁の開口部へ移動させるように配置された、積込み機構と、
－ アクセス障壁の開口部へのアクセスを防止することができるハウジングと、
を備える。
ステーションは、
－ アクセス障壁の開口部へのアクセスがハウジングによって防止される積込み構成と
－ アクセス障壁の開口部が提示されることにより開口部を通じた保管コンテナの内容物へのアクセスが可能になるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、
ステーションは、アクセス構成に移行するのに先立って開口部の所定の部分を閉鎖するようにカバーを展開することにより開口部の所定の部分を通じた保管コンテナの内容物へのアクセスを制限または許可するように構成される。

【0013】

ステーションは、保管コンテナが保管格子から回収されてステーションへ送達され得るように、保管格子の下方部分に接続され得る。ステーションは、所定の物品のみが使用者に対してアクセス可能であるように、保管コンテナの部分を閉鎖するように構成される。

【0014】

積込み構成では、アクセス障壁は、アクセス障壁の開口部がアクセス不能であるようにハウジングによって覆われるように、ハウジング内に配置され得る。

【0015】

ハウジングは、アクセス障壁の開口部を覆う頂部カバーを備える骨組構造であり得る。実施形態では、ハウジングは、アクセス障壁に接続された頂部カバーを備えることができ、かつ／または、アクセス障壁は、ハウジング内に配置され得る。

【0016】

実施形態では、ハウジングは、アクセス障壁を収容するためのキャビネットであり得る。キャビネットは、アクセス障壁がステーションのアクセス構成においてのみアクセス可能であるように、使用者をアクセス障壁から分離するための側壁および頂壁表面を備え得る。

【0017】

アクセス障壁はまた、ハウジングの内側に配置された、側壁を含むキャビネットの形態で配置され得る。ハウジングは、アクセス障壁の開口部を覆うように配置された頂部カバーを備え得る。

【0018】

アクセス障壁の開口部へのアクセスを提供するために、頂部カバーは、アクセス障壁の開口部へのアクセスを提供または制限するために持ち上げられるかまたは摺動するように配置されてよく、または、アクセス障壁は、アクセスを提供または制限するためのハウジングに対して移動するように配置され得る。

【0019】

したがって、アクセス構成にある場合、アクセス障壁は、アクセス障壁の開口部がアクセス可能であるようにハウジングに対して移動され得るか、または、ハウジングの頂部カバーは、頂部カバーがアクセス構成において手動でまたは自動的に開口されかつ持ち上げられ得るように配置された、開口部および持上げ機構を備え得る。

【0020】

実施形態では、ハウジングは、アクセス障壁へのアクセスを許可または制限するために、アクセス障壁の開口部を閉鎖するための頂部カバーを備え得る。頂部カバーは、頂部カバーが持ち上げられたときにアクセス障壁の開口部がアクセス可能であり得るように、ハウジングに枢動可能に接続され得る。カバーは、積込み構成では固定され、またアクセス構成では固定解除されるように、固定デバイスを備え得る。頂部カバーは、固定解除されると、ハンドルにより手動で持ち上げられて開口するか、またはモータにより自動的に持ち上げられ得る。

【0021】

別の実施形態では、ハウジングに対するアクセス障壁の移動は、積込み構成からアクセス構成に移動する間にアクセス障壁がハウジングに対して移動するように配置された、引出し様のデバイスの形態であり得る。
引出し様のデバイスに対するさらなる詳細は、後ほど説明される。

【0022】

ステーションは、保管コンテナを自動保管および回収格子の移送または送達コラムから受け取るように、また、保管コンテナをアクセス障壁まで移送させ、アクセス障壁内の保管コンテナをアクセス障壁の開口部まで持ち上げるように配置された積込み機構を、さらに備え得る。
積込み機構は、移動デバイスおよび／または持上げデバイスを備えることができ、持上げデバイスは、移動デバイス上に移動可能に配置され得る。

【0023】

実施形態では、持上げデバイスは、移動デバイス上に設けられたレール上を移動するように配置された車輪を備え得る。

【0024】

持上げデバイスはまた、持上げデバイスと移動デバイスとの間の相対運動のためのスキッドまたはスライドシステム上に配置され得る。
持上げデバイスは、自動保管および回収格子の送達コラムを通じて送達された保管コンテナを受け取りかつ支持するための支持デバイスを備え得る。持上げデバイスは、保管コンテナを受け取ると、保管コンテナがアクセス障壁内へ運搬されるように、移動デバイス上で移動することができる。アクセス障壁の内側では、持上げデバイスは、保管コンテナをアクセス障壁の開口部まで持ち上げることができる。

【0025】

複数のカバーのそれぞれは、開口部に隣接するアクセス障壁に枢動可能に接続されてよく、また、各カバーは、カバーが展開されないことにより開口部のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる初期位置と、カバーが開口部のそれぞれの部分を閉鎖する展開位置との間で、移動可能であり得る。

【0026】

複数のカバーのそれぞれは、初期位置において、保管コンテナがアクセス障壁の開口部へ持ち上げられている間に保管コンテナが接触することなしに通過することを可能にするように、少なくとも部分的に垂直方向に延在することができ、それにより、保管コンテナの内容物が開口部のそれぞれの部分を通じてアクセスされ得るように、開口部のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる。

【0027】

各カバーは、展開位置に移動しているときに、保管コンテナがカバーをその展開位置に付勢するように、持上げデバイスによりアクセス障壁の開口部へ移動されるときの保管コンテナの持上げ経路内へ延在するように、動作可能であり得る。つまり、各カバーは、アクセス開口部に位置合わせされるように移動される保管コンテナの経路内に配置されるように少なくとも部分的に水平に延在するように、垂直角度を有するように動作されてよく、その結果、各カバーは、保管コンテナの運動により展開位置に付勢される。

【0028】

カバーは、アクセス障壁の開口部の周辺部に枢動可能に接続されたフラップとして配置されてよく、各フラップは、アクセス障壁の開口部のそれぞれの部分を閉鎖するために、それぞれの独立したモータによって動作される。
アクセス障壁は、ハウジング内に引出し様のデバイスとして配置されてよく、また、引出し様のデバイスは、積込み構成とアクセス構成との間を移行するように配置され得る。

【0029】

引出し様のデバイスは、引出し様のデバイスをハウジングから押し出すように構成された積込み機構によって作動可能（ａｃｔｕａｂｌｅ）であり得る。
引出し様のデバイスは、積込み機構上に設けられた２次的なレール上で動作するように配置された車輪を備え得る。
２次的なレールは、持上げデバイスのレールに隣接して移動デバイス上に設けられ得る。

【0030】

引出し様のデバイスはまた、積込み機構に接続されたスキッド系または摺動装置上でハウジングに対して移動可能とされ得る。

【0031】

本発明はまた、保管コンテナの区画内に保管された注文された物品を含む保管コンテナを取り上げるための、また、注文された物品を含む区画が使用者に対してアクセス可能であるように配置されたステーションへの保管コンテナの送達のための、システムを対象とする。

【0032】

システムは、保管コンテナ内に保管された１つまたは複数の物品の送達のためのステーションを備える自動保管および回収システムによって画定され、このシステムは、
－ スタックに配置された保管コンテナを保管するための保管格子と、
－ 自動保管および回収システムの保管コンテナ内の内容物へのアクセスを提供するためのステーションであって、
－ 開口部および複数のカバーを含むアクセス障壁であって、各カバーが、開口部のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより開口部のそれぞれの部分を通じたアクセスを制限するように配置された、アクセス障壁、
－ 保管コンテナの内容部が開口部を通じてアクセスされ得るように、保管コンテナを受け取ってアクセス障壁の開口部へ移動させるよう配置された、積込み機構、および、
－ アクセス障壁の開口部へのアクセスを防止することができるハウジング
を含む、ステーションと、
を備え、
ステーションは、
－ アクセス障壁の開口部へのアクセスがハウジングによって防止される積込み構成と、
－ アクセス障壁の開口部が提示されることにより開口部を通じた保管コンテナの内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置され、また、
ステーションは、アクセス構成に移行するのに先立って開口部の所定の部分を閉鎖するようにカバーを展開することにより開口部の所定の部分を通じた保管コンテナの内容物へのアクセスを制限または許可するように構成される。
システムは、複数の保管コンテナをさらに備えることができ、各保管コンテナは、開口端部を含む複数の区画を備え、開口端部のそれぞれは、アクセス障壁のカバーによって閉鎖可能である。

【0033】

複数の保管コンテナのそれぞれは、少なくとも１つの取外し可能な区画分離壁を備え得る。上記取外し可能な壁は、保管コンテナの区画のサイズが調節され得るように、取り除かれるかまたは区画の底に折り畳まれ得るように配置される。保管区画のそれぞれの開口端部は、アクセス障壁の１つまたは複数のカバーによって閉鎖可能であり得ることが、好ましい。

【0034】

システムは、ステーションの外側からの保管格子へのアクセスを防止するように位置決めされた仕切り壁および／または外表面壁を備え得る。したがって、保管格子の内容物は、第一にアクセス障壁ステーションの開口部を介してアクセスされることが可能であり、かつ、アクセス障壁の開口部を介してのみアクセスされ得る。
システムは、その実施形態のいずれかに関連して上記で説明されたようなステーションを備え得る。

【0035】

システムは、商店または倉庫に関連して配置されてもよく、その場合、保管および回収格子は、倉庫または商店の内側に配置され、アクセス障壁を含むハウジングは、外側に配置されて顧客または使用者が利用することができる。顧客または使用者により物品が注文されると、コンテナ取扱車両は、注文された物品を含む保管コンテナを回収して、その保管コンテナを積込み機構へ送達し、積込み機構は、保管コンテナ内の物品が開口部を通じてアクセスされ得るように、保管コンテナを受け取ってアクセス障壁の開口部へ移動させるように配置されている。本発明は、展開可能なカバーを動作させることにより注文された物品のみが顧客または使用者に入手可能とされることを確実にする。そのため、保管コンテナがいくつかの物品または異なる物品を含む場合、注文された物品のみが、顧客または使用者に入手可能になる。顧客または使用者に入手可能であるべきではない物品は、展開可能なカバーによって隔絶されることになる。

【0036】

システムはまた、スーパーマーケットまたは商店に隣接して配置された保管および回収格子からの物品の自動的な注文および選別を提供するために、スーパーマーケットまたは商店内に配置され得る。

【0037】

次に、単なる例として、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。

【図面の簡単な説明】

【0038】

【図1】スタックに配置された保管コンテナを保管するように配置された保管格子の図である。

【図2】ステーションが保管格子に接続された、本発明によるステーションの図である。

【図3】アクセス障壁およびハウジングを備えるステーションの図である。

【図4】アクセス障壁の開口部へのアクセスを許可または制限するように配置された頂部カバーを備えるハウジングの図である。

【図5】アクセス構成におけるハウジングの頂部カバーの図である。

【図6】保管格子に接続されたステーション、および保管コンテナを含むアクセス障壁の図である。

【図7】持上げデバイスおよび移動デバイスを備える積込み機構の図である。

【図8】ステーションの積込み機構を裏側から見た図である。

【図9】ハウジングの内側に配置されたアクセス障壁を備えるステーションの断面図である。

【図10】ステーションの積込み機構へ送達された保管コンテナの図である。

【図11】積込み機構の支持デバイスによって支持された保管コンテナの図である。

【図12】移動デバイスによりコンテナキャリアおよびハウジング内へ移動されている保管コンテナの図である。

【図13】保管コンテナをアクセス障壁の開口部まで持ち上げるように配置された持上げデバイスの図である。

【図14】アクセス障壁内に配置された保管コンテナ、および非展開位置にあるアクセス障壁の開口部のカバーの図である。

【図15】展開位置において動作されたアクセス障壁のカバーの図である。

【図16】取外し可能な区画分離壁を備える保管コンテナの図である。

【図17】８つの区画を有する保管コンテナの図である。

【発明を実施するための形態】

【0039】

以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態をより詳細に論じる。しかし、図面は、図面に示された内容に本発明を限定するようには意図されていないことが、理解されるべきである。さらに、たとえ特徴のうちのいくつかがシステムだけに関して説明されていたとしても、それらの特徴はステーションおよび関連する方法にも有効であり、またその逆の場合も同様であることが、明らかである。したがって、ステーションだけ、および／または関連する方法に関して説明されるいかなる特徴も、システムにも有効である。

【0040】

図１を参照すると、各保管構造１の保管格子１０４は、全部で１４３個の格子コラムの骨組１００を構成し、骨組の幅および長さは、１３個の格子コラムの幅および１１個の格子コラムの長さにそれぞれ相当する。骨組１００の最上層は、レール系１０８であり、このレール系１０８上では、複数のコンテナ取扱車両２００が動作される。

【0041】

保管システム１の骨組１００は、上述の従来技術の骨組１００、すなわち複数の垂直部材１０２、および垂直部材１０２によって支持された複数の水平部材１０３に従って構築され、水平部材１０３は、保管コラム１０５の頂部にわたってそれぞれ配置されたＸ方向における平行レール１１０およびＹ方向における平行レール１１１から成るコンテナ取扱車両レール系１０８を含む。単一の格子セル１２２の水平領域、すなわちＸおよびＹ方向に沿った水平領域は、隣接するレール１１０間の距離、および隣接するレール１１１間の距離によってそれぞれ画定され得る。図１では、そのような格子セル１２２が、太線によりレール系１０８上に記されている。レール系１０８はまた、複線系（図示せず）であってよく、したがって、格子コラム１１２によって画定される側面積におおむね対応する設置面積を有するコンテナ取扱車両２００がコラムの列に沿って移動するときに、たとえ別のコンテナ取扱車両２００がその列に隣接した格子コラム上で位置決めされていても、移動することを可能にする。複線レール系では、格子セル１２２は、複線のミッドピント（ｍｉｄ－ｐｉｎｔ）間のサイズとされている。

【0042】

コンテナ取扱車両レール系１０８は、コンテナ取扱車両２００が様々な格子位置間で水平に移動することを可能にし、各格子位置は、格子セル１２２に関連付けられる。

【0043】

図１では、保管格子１０４は、８個のセルの高さを有して示されている。しかし、保管格子１０４は原則的にいかなるサイズのものであってもよいことが、理解される。具体的には、保管格子１０４は図１に開示されたものよりも相当に幅および／または長さがあってもよいことが、理解される。例えば、格子１０４は、７００ｘ７００個の格子セル１２２の水平方向の広がりを超える水平方向の広がりを有し得る。また、格子１０４は、図１に開示されたものよりも相当に奥行きがあってもよい。例えば、保管格子１０４は、１２個の格子セルの奥行きを超えてもよい。

【0044】

図２は、引出し様のデバイスの形態をしたアクセス障壁３３を含む選別および／または供給ステーションを備える保管格子１０４の一部分を示す。引出し様のデバイス３３は、積込み構成では、ハウジング３０内に完全に収容される。ハウジング３０は、アクセス障壁３３の開口部３５へのアクセスを防止することができる。

【0045】

アクセス障壁３３は、保管格子１０４から取り出されるかまたは保管格子１０４に供給される製品／物品を一時的に保管するための少なくとも１つの保管区画５１を備える保管コンテナ１０６を受け入れるように適合される。

【0046】

アクセス障壁３３は、開口部３５、および複数のカバー３１を備え、各カバー３１は、開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより開口部３５を通じたアクセスを制限するように配置される。

【0047】

複数のカバー３１のそれぞれは、開口部３５に隣接するアクセス障壁３３に枢動可能に接続され、また、各カバー３１は、カバー３１が展開されないことにより開口部３５のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる初期位置と、カバー３１が開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖する展開位置との間で移動可能である。

【0048】

ステーションは、
－ アクセス障壁３３の開口部３５へのアクセスがハウジング３０によって防止される積込み構成と、
－ アクセス障壁３３の開口部３５が提示されることにより開口部３５を通じた保管コンテナ１０６の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置される。
ステーションは、アクセス構成に移行するのに先立って開口部３５の所定の部分を閉鎖するようにカバー３１を展開することにより開口部３５の所定の部分を通じた保管コンテナ１０６の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成される。
保管コンテナは、複数の区画を備えることができ、カバーの数は、保管コンテナ１０６内の区画の数に対応し得る。図２および３は、開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることにより保管コンテナ１０６のそれぞれの区画へのアクセスを制限する、６つのカバーを示す。図２および３におけるカバー３１のうちの２つは展開されておらず、したがって、それらのそれぞれの区画を開いたままにしている。

【0049】

保管格子１０４は、壁構造要素３９を含む壁表面を備えることが、図２にさらに示されている。壁構造要素３９は、保管格子の前部を下から上まで（すなわち、床から保管格子構造の頂部まで）覆うことができる。壁構造要素３９の目的は、人体損傷を防ぐこと、騒音を軽減すること、ほこりを防ぐこと、などであり得る。壁構造要素が建物の外側に向けられる場合、壁構造要素３９の目的は、格子構造を窃盗、野蛮行為、などから守ること、保管格子構造を気象状態（雨、雪、風、など）から守ること、などでもあり得る。ハウジング３０およびアクセス障壁３３は、保管格子１０４に組み込まれ得るか、または（図２および３に示されるように）保管格子１０４に接続され得る。

【0050】

本発明のシステムは、保管格子１０４内に保管された保管コンテナ１０６をアクセス障壁３３へ搬送するように、および／または保管コンテナ１０６をアクセス障壁３３から保管格子１０４へ搬送するように構成される。

【0051】

動作にあたっては、保管コンテナ１０６から製品／物品を回収するときに、使用者は、ユーザーインタフェース５２を使用することにより、例えばアクセスコード（ユーザーインタフェースは、タッチスクリーン、キーボード、バーコード読取り機、ＱＲコード読取り機、などを含む）を用いて、または例えばクレジットカード（ユーザーインタフェースは、カード読取り機を含む）またはスマートフォン（ユーザーインタフェースは、ＮＦＣ（近距離無線通信）ユニットを含む）などを用いて、使用者自身を特定することができる。

【0052】

特定されると、保管制御および通信システム（図示せず）が、予め注文された製品／物品を含む保管コンテナ１０６を回収してそのコンテナ１０６を引出し様のデバイス３３へ搬送するようコンテナ取扱車両２００に命令する。上記保管制御および通信システムは、保管コンテナ１０６がアクセス障壁３３の開口部へ送達されたときに予め注文された製品を含む区画のみが開くことになるように、それぞれのカバー３１を動作させる。その後、引出し様のデバイス３３は、区画へのアクセスがハウジング３０によって防止される積込み構成から、区画が提示されることにより保管コンテナ１０６の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成にされる。

【0053】

使用者は、ステーションを備える自動保管および回収システムが大型の自動販売機のように動作され得るように、ユーザーインタフェース５２において物品の選択および／または購入を行ってもよい。

【0054】

使用者は、引出し様のデバイス３３上に設けられたハンドル（図示せず）を使用することにより引出し様のデバイス３３を開けてもよく、または、引出し様のデバイス３３は、引出し１１の運動のための電動または液圧式の押し／引き機構（図示せず）によって自動的に動作されてもよい。

【0055】

引出し様のデバイス３３が開いた後で閉じられたときに、製品／物品が取り上げられたことを示す信号が、上述の保管制御および通信システムに送信され得る。次いで、システムは、ステーションから保管コンテナ１０６を回収してその保管コンテナ１０６を再び保管格子１０４内に保管するための車両２００を送る。

【0056】

図４および５は、ハウジング３０が、アクセス障壁３５の開口部３５に隣接してアクセス障壁３３に接続された頂部カバー３６として配置される、ステーションの別の実施形態を示す。

【0057】

アクセス障壁３３は、開口部３５および複数のカバー３１を有するキャビネットを備え、各カバー３１は、開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開されることより開口部を通じたアクセスを制限するように配置される。

【0058】

複数のカバー３１のそれぞれは、開口部３５に隣接するアクセス障壁３３に枢動可能に接続され、また、各カバー３１は、カバー３１が展開されないことにより開口部３５のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる初期位置と、カバー３１が開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖する展開位置との間で、移動可能である。

【0059】

ステーションは、
－ アクセス障壁３３の開口部３５へのアクセスがハウジング３０によって防止される積込み構成と、
－ アクセス障壁３３の開口部３５が提示されることにより開口部３５を通じた保管コンテナ１０６の内容物へのアクセスが可能とされるアクセス構成と
の間を移行するように配置される。

【0060】

ステーションは、アクセス構成に移行するのに先立って開口部３５の所定の部分を閉鎖するようにカバー３１を展開することにより開口部３５の所定の部分を通じた保管コンテナ１０６の内容物へのアクセスを制限または許可するように構成される。

【0061】

アクセス構成では、ハウジング３０の頂部カバー３６は、開口部３５の所定の部分を通じた保管コンテナ１０６の内容物へのアクセスが許可されるように、持ち上げられ得る。頂部カバー３６の開口部は、ハンドルにより手動で開かれるかまたはモータにより自動的に開かれるように配置され得る。図４および５では、頂部カバー３６は、頂部カバー３６の下方に位置する保管区画５１を見るために、透明である。透明であるまたは透明ではないなどといった様々な特性を有する様々な材料が頂部カバー３６に使用され得ることは、明白である。

【0062】

頂部カバー３６は、ステーション１０が積込み構成にあるときには頂部カバー３６が持ち上げられ得ないようにかつ／または開かれ得ないように頂部カバー３６を固定し、またステーション１０がアクセス構成にあるときには頂部カバー３６が持ち上げられ得るようにかつ／または開かれ得るように頂部カバー３６を固定解除するように適合された、固定デバイスを備え得る。

【0063】

実施形態では、ハウジング３０はまた、アクセス障壁３３を収容するためのキャビネットとして配置され得る。アクセス障壁３３は、より小さなキャビネットまたは骨組構造として配置され得る。

【0064】

図６は、側壁を含まない骨組構造としてのアクセス障壁３３を示す。保管コンテナ１０６は、アクセス障壁３３の開口部３５まで持ち上げられる。図はまた、カバー３１が展開されないことにより開口部３５のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる初期位置にある２つのカバー３１を示す。カバー３１のそれぞれは、それぞれの独立したモータ３２によって動作される。

【0065】

図７に示されるように、ステーションは、積込み機構４０を備える。積込み機構４０は、保管コンテナ１０６の内容物が開口部３５を通じてアクセスされ得るように、保管格子１０４の送達コラムから保管コンテナ１０６を受け取ってアクセス障壁３３の開口部３５へ移動させるように、配置される。

【0066】

積込み機構４０は、持上げデバイス４２および移動デバイス４１を備え、持上げデバイス４２は、移動デバイス４１上に移動可能に配置される。持上げデバイスは、移動デバイス４１の一部として設けられたレール４５上で動作するように適合された車輪４４を備え得る。

【0067】

持上げデバイス４２は、保管コンテナ１０６を受け取りかつ支持するように配置された支持デバイス４３をさらに備える。保管コンテナ１０６が支持デバイス４２上に受け取られると、持上げデバイス４２は、アクセス障壁３３およびハウジング３０内へと移動デバイス４１上で移動／摺動し、保管コンテナは、アクセス障壁３３の開口部３５までさらに持ち上げられる。

【0068】

保管コンテナ１０６の移動および持上げ動作は、図１０～１３に示されている。保管コンテナ１０６が、自動保管および回収格子１０４の送達コラム１１９、１２０から持上げデバイス４２の支持デバイス４３上に受け取られる。

【0069】

図１０では、持上げデバイスは、保管コンテナ１０６を下方位置へ下降させており、この下方位置では、保管コンテナ１０６は、アクセス障壁３３内へ移動される準備ができている。アクセス障壁３３は、アクセス障壁３３の開口部３５へのアクセスがハウジング３０によって防止される積込み構成にある。複数のカバー３１は、それらの初期非展開位置にある。

【0070】

図１２では、持上げデバイス４２は、移動デバイス４１の一部として設けられたレール系上を移動し、かつ、保管コンテナ１０６をアクセス障壁３３内へ移動させる。ハウジング３０は、アクセス障壁３３を取り囲む。この位置では、カバー３１は、開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖するように選択的に展開することにより開口部を通じたアクセスを制限するように、モータ３２によって個別に動作される。

【0071】

図１３では、持上げデバイス４２は、保管コンテナ１０６を下方位置からアクセス障壁３３の開口部へ持ち上げている。

【0072】

図１４および１５は、複数のカバー３１の動作を示す。複数のカバー３１のそれぞれは、開口部３５に隣接するアクセス障壁３３に枢動可能に接続され、また、各カバー３１は、カバー３１が展開されないことにより開口部３５のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる（図１２における）初期位置と、カバー３１が開口部３５のそれぞれの部分を閉鎖する（図１３における）展開位置との間で移動可能である。

【0073】

図１４では、カバー３１は、初期位置において、保管コンテナ１０６がアクセス障壁３３の開口部３５へ持ち上げられている間に保管コンテナ１０６が接触することなしに（下方位置から上方位置へ持ち上げられるときに）通過することを可能するように、少なくとも部分的に垂直方向に延在し、それにより、保管コンテナ１０６の内容物が開口部３５のそれぞれの部分を通じてアクセスされ得るように、開口部３５のそれぞれの部分がアクセス可能な状態のままとされる。

【0074】

図１５では、４つのカバー３１が、展開位置にあるように動作されている。したがって、４つのカバー３１は、持上げデバイス４２によりアクセス障壁３３の開口部３５へ移動されるときの保管コンテナ１０６の持上げ経路内へそれぞれが延在するように動作可能であり、その結果、保管コンテナ１０６は、カバー３１をそれらの展開位置へ付勢する。

【0075】

システムは、複数の保管コンテナ１０６をさらに含むことができ、各保管コンテナは、開口端部を含む複数の区画５１を備え、開口端部のそれぞれは、アクセス障壁３３のカバー３１によって閉鎖可能である。

【0076】

図１６に示されるように、複数の保管コンテナ１０６のそれぞれは、少なくとも１つの取外し可能な区画分離壁４９を備え得る。上記取外し可能な壁４９は、保管コンテナ１０６の区画５１のサイズが調節され得るように、取り除かれるかまたは区画５１の底に折り畳まれ得るように配置される。

【0077】

当然ながら、保管コンテナ１０６の区画５１の他の区分が、本発明の範囲内で可能である。

【0078】

保管区画５１のそれぞれの開口端部は、アクセス障壁３３の１つまたは複数のカバー３１によって閉鎖可能であり得ることが、好ましい。

【符号の説明】

【0079】

１００ 骨組構造
１０２ 骨組構造の垂直部材
１０３ 骨組構造の水平部材
１０４ 保管格子／３次元格子
１０５ 保管コラム
１０６ 保管コンテナ
１０７ スタック
１０８ レール系
１１０ 第１の方向（Ｘ）における第１の平行なレールの組
１１１ 第２の方向（Ｙ）における第２の平行なレールの組
１１５ 格子開口部
１１９ 送達コラム
１２０ 送達コラム
１２２ 格子セル
１４０ 送達システム
２００ 第１のコンテナ取扱車両
Ｘ 第１の方向
Ｙ 第２の方向
Ｐ レール系の水平面
１０ ステーション
３０ ハウジング
３１ アクセス障壁のカバー
３２ カバーを動作させるためのモータ
３３ アクセス障壁
３５ アクセス障壁の開口部
３６ ハウジングの頂部カバー
３９ 壁構造要素
４０ 積込み機構
４１ 移動デバイス
４２ 持上げデバイス
４３ 支持デバイス
４４ 持上げデバイスの車輪
４５ 移動デバイスのレール／軌道
４６ 引出し様のデバイスの車輪
４９ 区画分離壁
５１ 保管コンテナ内の区画
５２ ユーザーインタフェース

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】