(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】電子設計において特徴を分類するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G03F 1/70 20120101AFI20240905BHJP
【FI】
G03F1/70
(21)【出願番号】P 2021549690
(86)(22)【出願日】2020-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2020051496
(87)【国際公開番号】W WO2020174342
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-02
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509142184
【氏名又は名称】ディー・ツー・エス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】D2S, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニューチャス,マリウシュ
(72)【発明者】
【氏名】シェンドレー,アビシェク
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-296592(JP,A)
【文献】特開2006-220644(JP,A)
【文献】特開2013-238595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0330511(US,A1)
【文献】特表2013-539070(JP,A)
【文献】特開2004-354251(JP,A)
【文献】特開2012-247409(JP,A)
【文献】Yen-Ting YU et al.,“Machine-Learning-Based Hotspot Detection Using Topological Classification and Critical Feature Extraction”,Proceedings of the 50th Annual Design Automation Conference,米国,ACM,2013年05月29日,Article No. 67,pp. 1-6,DOI: 10.1145/2463209.2488816
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/70
G03F 1/84
G01N 21/956
IEEE Xplore
THE ACM DIGITAL LIBRARY
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子設計のパターンの特徴を一致させるための方法であって、
半導体またはフラットパネルディスプレイのためのパターンデータのセットを入力することであって、前記パターンデータのセットが複数の特徴を含む、前記入力することと、
前記複数の特徴の中の各特徴を分類することであって、前記分類することが、部位内の形状によって定義された幾何学コンテキストに基づき、前記分類することが機械学習技術を使用する、前記分類することと、
前記分類することからの特徴のクラスタである、分類を作成することと、
前記分類から平均クラスタ画像を決定することと、
前記分類における各特徴の距離メトリックを計算することとを含み、前記距離メトリックは、前記分類における各特徴の、前記平均クラスタ画像からの偏差を示す、前記方法。
【請求項2】
前記パターンデータの入力されたセットを、圧縮パターンデータに圧縮することをさらに含み、前記分類することが前記圧縮パターンデータを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮することがオートエンコーダを使用する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オートエンコーダによって作成される符号化された各特徴がベクトル内の要素である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記分類することがオートエンコーダを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分類することによって、前記複数の特徴の中の特徴が複数の分類に入ることが可能になる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パターンデータのセットが、マスク検査から
追加の検査が必要とされる、疑わしい箇所のセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記パターンデータのセットが、光学近接効果補正(OPC)によって強化されたシミュレーション済みのマスクデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記パターンデータのセットが、幾何学チェッカからの報告されたエラーのセットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記距離メトリックが、前記分類内の前記複数の特徴の中の前記特徴のコサイン距離を使用して測定される、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記平均クラスタ画像の中心にガウスフィルタを適用して
前記分類のために前記中心の回りの特徴
に優先度を与えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記距離メトリックによって、前記分類における前記特徴をソートすることをさらに含み、最大距離を有する、前記分類における前記特徴が、区別のためにより高い優先順位を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2019年2月25日に出願され、「Methods and Systems to Classify Features on Semiconductor of Flat Panel Display Shape Data」と題する米国仮特許出願第62/810,168号の優先権を主張する、2020年2月18日に出願され、「Methods and Systems to Classify Features in Electronic Designs」と題する米国非仮特許出願第16/793,390号の優先権を主張する。これらは、すべての目的のためにその全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示はリソグラフィに関し、より具体的には、荷電粒子ビームリソグラフィを使用する、レチクル、ウエハ、または任意の他の表面であってよい表面の設計及び製造に関する。
【0003】
リソグラフィでは、リソグラフィマスクまたはレチクルは、基板上に統合される回路部品に一致する幾何パターンを含む。レチクルを製造するために使用されるパターンは、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアまたはプログラムを利用して生成し得る。パターンを設計する際に、CADプログラムは、レチクルを作成するために、あらかじめ定められた一連の設計規則に従う場合がある。これらの規則は、処理、設計、及び最終用途の制限に従って設定される。最終用途の制限の一例は、トランジスタが必要とされる供給電圧で十分に動作することができないようにトランジスタの形状を定義することである。特に、設計規則は、回路デバイス間または相互接続線間の間隔公差を定義することができる。設計規則は、例えば、回路デバイスまたは回路線が所望されない方法で互いと相互作用しないことを確実にするために使用される。例えば、回線が互いに近づきすぎて、短絡を引き起こし得ないように設計規則が使用される。設計規則の制限は、とりわけ確実に製作できる最小寸法を反映する。これらの小さい寸法を参照するとき、通常、限界寸法の概念が取り入れられる。これらは、例えば1つの特徴の重要な幅または領域、または2つの特徴間の重要な空間、または重要な空間領域として定義され、それらの寸法は精緻な制御を必要とする。集積回路設計の性質のため、設計の中の多くのパターンは異なる場所で繰り返される。パターンは、数百回または数千回繰り返される場合がある-パターンの各コピーをインスタンスと呼ぶ。そのようなパターンで設計規則違反が検出されると、数百回または数千回の違反が報告される場合がある-パターンのインスタンスごとに1回。
【0004】
光リソグラフィによる集積回路製作における1つの目標は、レチクルを使用することによって、元の回路設計を基板上に再現することであり、マスクまたはフォトマスクと呼ぶ場合もあるレチクルは、荷電粒子ビームリソグラフィを使用して露光される場合がある表面である。集積回路の製作者は、つねに、半導体ウエハのスペースを可能な限り効率的に使用しようと試みている。エンジニアは、集積回路がより多くの回路要素を含み、より少ない電力を使用することを可能にするために回路のサイズを縮小し続けている。集積回路の限界寸法のサイズが減少し、その回路密度が増加するにつれ、回路パターンまたは物理的設計の限界寸法は、従来の光リソグラフィで使用される光露光ツールの解像度限度に近づく。回路パターンの限界寸法がより小さくなり、露光ツールの解像度値に近づくにつれ、レジスト層で開発された実際の回路パターンに物理的設計を正確に転写することは困難になる。光リソグラフィプロセスで使用される光波長よりも小さい特徴を有するパターンを転写するための光リソグラフィの使用を促進するために、光学近接効果補正(OPC)として知られるプロセスが開発されてきた。OPCは、光学回折及び特徴の近接する特徴との光学的相互作用などの影響によって引き起こされる歪みを補償するために物理的設計を改変する。レチクルを用いて実行する解像度向上技術は、OPC及び逆リソグラフィ技術(ILT)を含む。
【0005】
OPCは、パターンを隠して元の物理的設計パターン、つまり設計と、基板上の最終的な転写回路パターンとの差異を減少させるためにサブレゾルーションのリソグラフィ特徴をマスクパターンに追加し得る。サブレゾルーションのリソグラフィ特徴は、物理的設計の中の元のパターンと、及び互いと相互作用し、近接効果を補償して最終的な転写回路パターンを改善する。パターンの転移を改善するために追加される1つの特徴を「セリフ」と呼ぶ。セリフは、特定の特徴の印刷の製造変動に対する精度または復元力を強化する小さい特徴である。セリフの例は、パターンの角に配置されて最終的な転写画像の角を鮮明にする小さい特徴である。基板上に印刷することを目的とするパターンは、主要特徴と呼ぶ。セリフは主要特徴の一部である。レチクルに書き込まれるOPCで装飾されたパターンを、主要特徴、つまりOPC装飾前の設計を反映する特徴、ならびにOPC特徴がセリフ、ジョグ、サブレゾルーションアシストフィーチャ(SRAF)及びネガ特徴を含む可能性があるOPC特徴に関して説明することは一般的である。OPC特徴は、光リソグラフィを使用して、ウエハに転送することができる最小の特徴のサイズに基づいた規則など、多様な設計規則の対象となる。他の設計規則は、マスク製造プロセスから、またはレチクルにパターンを形成するために文字投射荷電粒子ビーム書き込みシステムを使用する場合は、ステンシル製造プロセスから生じる場合がある。
【0006】
光リソグラフィでは、レチクルまたはフォトマスクに所望のパターンを製造することは重要なステップである。フォトマスク上のパターンは、光リソグラフィプロセス中に複製されるので、光リソグラフィのステップで基板上に欠陥を印刷させる欠陥がフォトマスク上に存在するはずはない。したがって、新規に製造されたフォトマスクは、そのような潜在的な欠陥を検出するために検査される。潜在的な欠陥は、欠陥が本物の欠陥であるのかどうかを判断するためにさらに分析され、それは製造時にマスクを使用する前に修復しなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
電子設計のパターンの特徴を一致させるための方法は、半導体またはフラットパネルディスプレイのパターンデータのセットを入力することを含み、パターンデータのセットは、複数の特徴を含む。複数の設計の各特徴は分類され、分類することは部位内の形状によって定義される幾何学コンテキストに基づく。分類することは、機械学習技術を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】圧縮符号化としての画像データの表現である。
【
図2A】A~Bは、いくつかの実施形態に従った2つのマスク/ウエハ画像のエラー分類を示す。
【
図2B】A~Bは、いくつかの実施形態に従った2つのマスク/ウエハ画像のエラー分類を示す。
【
図3】いくつかの実施形態に従ってクラスタ内の特徴から計算された平均画像を示す。
【
図4A】A~Fは、いくつかの実施形態に従って、ぼやけに基づいてクラスタ化品質を測定するために使用する例の平均画像を示す。
【
図4B】A~Fは、いくつかの実施形態に従って、ぼやけに基づいてクラスタ化品質を測定するために使用する例の平均画像を示す。
【
図4C】A~Fは、いくつかの実施形態に従って、ぼやけに基づいてクラスタ化品質を測定するために使用する例の平均画像を示す。
【
図4D】A~Fは、いくつかの実施形態に従って、ぼやけに基づいてクラスタ化品質を測定するために使用する例の平均画像を示す。
【
図4E】A~Fは、いくつかの実施形態に従って、ぼやけに基づいてクラスタ化品質を測定するために使用する例の平均画像を示す。
【
図4F】A~Fは、いくつかの実施形態に従って、ぼやけに基づいてクラスタ化品質を測定するために使用する例の平均画像を示す。
【
図5】いくつかの実施形態に従った距離別にソートされるクラスタ内の特徴を示す。
【
図6】いくつかの実施形態に従ったGPUシステム図の概略図である。
【
図7】いくつかの実施形態に従って、パターン内の特徴を一致させるための方法のフローチャートである。
【
図8】いくつかの実施形態に従って、各分類の平均画像を使用してパターン内の特徴を一致させるための方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
集積回路及びフラットパネルディスプレイなどの電子設計の設計及び製造には、設計、製造されたフォトマスク、または製造された基板における2次元(2D)形状の特徴の比較が役立つ複数のプロセスがある。今日の設計には非常に多数の特徴があるため、比較の速度は重要である。圧縮データの比較は、比較するデータがより少ないため、理論上、非圧縮データの比較よりも高速である場合がある。しかしながら、圧縮表現を作成するために必要となる時間も考慮しなければならない。標準的な圧縮技術は、それらが計算にかける時間が長すぎるため、実現可能ではない。「Methods and Systems for Compressing Shape Data for Electronic Designs」と題し、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/793,152号では、ニューラルネットワークを介した機械学習によるデータ圧縮は、本願の
図1に示すように、より高速な圧縮方法を生み出すことができる。マスク画像(入力100)が、ニューラルネットワークベースの機械学習を介して導出されたエンコーダ104によって圧縮されると、(「符号化された画像ベクトル」と名前が付けられた)圧縮データ106を分類のために使用することができる。本実施形態では、圧縮されたデータの分析を強化する独自の分類技術を説明する。
【0010】
集積回路またはフラットパネルディスプレイの設計での2次元データでは、例えば一般化されたライン技術と比較すると、可能な特徴のタイプが非常に制約されている。同様に、製造されたフォトマスクまたは製造された基板の走査型電子顕微鏡(SEM)写真に見られる特徴のタイプは、かなり制約されている。機械学習技術を用いると、この制約は非常に高い分類係数を達成することを可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、分類またはカテゴリ化のために、自動符号化を使用することができる。
図1の圧縮されたデータ106でより多くの特徴が利用できると、すべての特徴を比較することによって画像間の類似性の測定はより簡略になる。いくつかの実施形態では、この方法は、元の入力100(例えば、形状の2D写真または他の表現)から区別を生じさせないデータを削除し、空間全体の多次元ボリューム合計を大きくしすぎることなく、多次元カテゴリ化空間が互いに近い類似したもの、及び互いからかけ離れた類似していないものを有するように高い情報密度(より多くの特徴)を有する符号化を見つける。この方法は、より高密度のその合計ボリュームを生じさせ、これによってそのボリュームでの検索をはるかに効率的にする。訓練は、一般的な発生の頻度に基づいて、「重み」との関係性のネットワークを事前に計算する。分類は、エンコーダ104を所与の入力に適用する、共通部分を探すためのその事前に計算したネットワークの非常の高速な評価である。
【0012】
従来の慣例では、幾何学規則チェッカが(例えば、マスク設計もしくはウエハ設計の)幾何学データまたは他の2次元幾何学データを分析し、「これらの形状は、最小間隔規則に比べて互いに近すぎる」、または「この形状のこの部分は、最小サイズ規則に比べて小さすぎる」などのエラーを報告する。そのようなエラーを説明するために使用される用語は、「エッジプレースメントエラー」つまりEPEである。半導体(またはフラットパネルディスプレイ)マスクのスケールに適用されるとき、例えば、半導体マスクの配置解像度が0.1 mmの約130 mm×100 mmである場合、実際的な問題の1つは、どのエラーに注意を払うべきなのか見当を付けるために報告されたすべてのエラーを調べて把握することである。他の報告されたエラーは、XORによって検出されたエラー、他の方法による検出、または他のエラータイプを含む。すべてのエラーは、既知の一連の規則と対照して報告される。
【0013】
多くの場合、同じ規則に違反している「同じタイプ」の数千のエラーがある。問題がエラーをトリガすると、類似した状況の非常に多いインスタンスが数千のエラーを生じさせるので、それらは、異なっているが、注意することが重要である他のエラーを目立たなくする。例えば、1000回のインスタンスプレースメントから成るただ1つの規則違反が、特定の領域ではより重大である場合がある。本開示の類似したプレースメント、つまり幾何学コンテキストの分類は、1000のエラーをさらに区別する。
【0014】
この方法は、部位内の形状によって定義された幾何学コンテキストに基づいて、報告されたエラーを自動的に分類する分類エンジンを含む。部位は、例えば、マスク設計の一部分である場合がある。本実施形態では、画像がマスク、ウエハ、または設計の形状であると仮定して画像を符号化するプロセスは、考えられる形状の中で類似性を取り込み、符号化し、さまざまな用途のために形状を比較し、分類することを可能にする。例えば、任意の所与の設計について2000のエラーが報告される場合、この分類エンジンは、エラーを「異なるタイプ」に、(及び1つのエラーが複数のカテゴリになる場合がある、単一ラベル付け対複数ラベル付けなど、潜在的に重複する方法で)自動的にグループ化する。単一ラベル分類では、クラスは排他的であり、各エラーは1つのクラスに属し、一方、複数のラベル分類では、各エラーは、複数のクラスに属する場合がある。これらの分類は、部位内の形状の類似性のカテゴリ化であって、特定のエラータイプの識別ではない。
【0015】
方法は、半導体またはフラットパネルディスプレイのためのパターンデータのセットを入力することを伴い、パターンデータは複数の特徴を含む。複数の特徴の各特徴は、機械学習技術を使用して分類に分類される。分類は、部位内の形状によって定義された幾何学コンテキストに基づく場合がある。パターンデータのセットの特徴が、単一よりも多い分類内にある場合がある。パターンデータのセットは、マスク検査からの疑わしい箇所のセット、及び/または幾何学チェッカからの報告されたエラーのセットを含む場合がある。また、方法は、入力パターンデータを圧縮することを含む場合もあり、分類することは圧縮パターンデータを使用する。
【0016】
いくつかの実施形態では、パターンデータのセットは、OPCによって強化されたシミュレーション済みのマスクデータを含む場合がある。シミュレーション済みのマスクデータから生成されるシミュレーション済みの輪郭のセットは、EPEについて検査されて、エラーのセットを生じさせる。OPCによって強化されたシミュレーション済みのマスクデータ及びエラーのセットを、パターンデータのセットに追加することによって、分類される複数の特徴は増加する。
【0017】
機械学習を用いるエラー分類の重要な部分は、設計、マスク、またはウエハの形状の2D輪郭を自動符号化することである。そのような「カテゴリ化」は、以前に電子設計自動化において行われていた。ただし、通常、従来のカテゴリ化は、CAD設計の直線的な形状の正確な一致を使用する。対照的に、本実施形態の機械学習を用いるエラー分類は、曲線状の空間における形状または作業の「類似した」構成を識別することができ、半導体ウエハもしくはマスク、またはフラットパネルディスプレイ、またはそのマスク製造空間内の製造された表面のシミュレーションされたまたは実際の物理的な写真に影響を与える。例えば、
図2Aは、いくつかの実施形態に従って1つのクラスタでカテゴリ化された画像のセットを示し、
図2Bは、別のクラスタで分類されている画像のセットである。分かるように、各クラスタ
図2Aまたは
図2B内の画像は、互いに類似している特徴を有しているが、分類エンジンは、
図2Aの画像の特徴のプレースメント及びタイプが、
図2Bでの画像の特徴のプレースメント及びタイプと異なることを確認している。いくつかの実施形態では、圧縮及び/または分類はオートエンコーダを使用する。圧縮からの符号化された特徴は、ベクトルであってよい。
【0018】
出力は、(通常、直線的な形状であるが、曲線的な形状である場合もあるであろう)入力されたCAD形状、またはどのマスク形状が、所望のCAD形状に最も近いウエハで形状を最もよく生成するのかを説明するOPC後形状に基づいてカテゴリ化または分類できる。OPC後形状は、通常直線的であるが、実施形態は、VSBベースのマスク書き込みの矩形制限を有さないマルチビームマスク書き込みによって有効化されるように、(特に、次世代OPCソフトウェアの出力とともに)曲線的な形状を有してもよい。また、出力形状は、シミュレーションされた曲線的な輪郭を表すであろう。
【0019】
本開示の方法をSEM(走査型電子顕微鏡)に適用すると、物理的に製造されたマスクまたはウエハの写真は、識別された欠陥を自動的にカテゴリ化するために使用できる。半導体製造では、マスク上の潜在的な欠陥は、マスク全体の写真を撮るマスク検査によって識別される。写真はファジーであり、比較的に低解像度であるが、マスク全体の写真である。写真は、追加の検査が必要とされる疑わしい箇所を識別するように設計される。その追加の検査は、(距離を測定するように設計されたCD-SEM機械と対照的に)欠陥検査SEM機械を使用して、撮影され、分析されるはるかに正確なSEM写真によって行われる。SEM機械は、詳細に非常に明確な写真を撮影するが、1μm×1μm~10μm×10μmのオーダーフィールドしか撮影することができない。したがって、疑われる領域は、検査によって撮影される完全フィールドマスク写真で識別され、次に疑われる領域の詳細はSEMで検査される。最先端のノードでは、識別される疑われる領域の数、及び典型的な生産マスクでの実際の問題の数は、以前よりもはるかに多い。10年前、おそらくマスク上の数十の問題が修復され、エラーが多すぎるマスクは破棄され、製造し直されていた。現在、最先端のマスクの場合、数百の問題は一般的であり、修復される。新しいマスクも数百の(異なる)問題を有する可能性が高すぎるため、製造メーカは、もはや欠陥のあるマスクを製造し直すことを選ばない。欠陥の修復は、マスク製造に特有であり、ウエハは修復されない。マスク上の所与のエラーはマスクが製造するあらゆるウエハ上にあるため、マスクは、修復する価値がある。
【0020】
本実施形態の機械学習ベースの分類を用いると、1つまたはいくつかの疑わしい箇所のSEM写真が実際の問題-つまり、欠陥-が存在しないことを示す場合、次に同じカテゴリでの他の疑わしい箇所のSEMの撮像を回避することができる。これにより、マスクを検査するために必要とされる時間を大幅に短縮できる。
【0021】
いくつかの実施形態では、分類の質または特徴のクラスタの質(つまり、分類は特徴のクラスタである)は、
図3に示す平均クラスタ画像を作成することによって決定することができ、画像300、302、304、306、308、310、312、314を含むクラスタの例の平均画像320、及び画像330、332、334、336、338、340を含むクラスタの平均画像350が示されている。平均クラスタ画像320及び350における見かけの視覚的なぼやけの量は、分類または特徴のクラスタにおける異なる特徴の変動を示す。ぼやけがより多いことは、
図4A~
図4Fに示すように、変動がより大きいことを示し、
図4A及び
図4Dの変動の量は、
図4B及び
図4E未満であり、それは
図4C及び
図4F未満である。いくつかの実施形態では、ガウスフィルタが画像の中心(例えば、
図4Aの中心410)に適用されて、中心の回りの特徴を優先する。これらの好ましい特徴は自動符号化のために使用され、その後にノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタ(DBSCAN)ベースのクラスタ化アルゴリズムが続く。
【0022】
いくつかの実施形態では、分類の質または特徴のクラスタの質は、分類の特徴ごとに距離メトリックを決定することによってさらに特徴付けられ、距離メトリックは、特徴の平均クラスタ画像からの偏差を示す。いくつかの実施形態では、距離メトリックは、分類内の特徴のコサイン距離を使用して測定される。
図5で、分類の特徴は、計算された距離メトリックによってソートされ、最大距離の特徴は区別のためにより高い優先順位を有する。これは、異なる可能性がある特徴を優先することによってわずかな変動を識別することを支援する。例えば、
図5の画像510及び515は、
図5の他の画像と比較すると、画像の右上端縁に沿って無関係な特徴を有する。優先順位がより高いエラーは、別個の検査を必要とする場合がある。優先順位がより高い特徴が異なるエラーを表すと判断される場合、優先順位がより高い特徴は、将来の分類を改善するためにプロセスにフィードバックされてよい。
【0023】
図6は、本開示で説明する計算を実行するために使用し得るコンピューティングハードウェアデバイス600の例を示す。コンピューティングハードウェアデバイス600は、メインメモリ604がアタッチされた中央演算処理装置(CPU)602を含む。CPUは、例えば8つの処理コアを含み、それによってマルチスレッド化されたコンピュータソフトウェアの任意の部分の性能を向上させ得る。メインメモリ604のサイズは、例えば64Gバイトであってよい。CPU602は、ペリフェラルコンポーネントインターコンテクトエクスプレス(PCIe)バス620に接続されている。また、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)614もPCIeバスに接続されている。コンピューティングハードウェアデバイス600では、GPU614は、ビデオモニタなどのグラフィック出力装置に接続される場合もあれば、接続されない場合もある。グラフィック出力装置に接続されない場合、GPU614は、純粋に高速並列計算エンジンとして使用され得る。コンピューティングソフトウェアは、すべての計算にCPU602を使用することと比較すると、計算の一部分にGPUを使用することによって著しく高い性能を達成し得る。CPU602は、PCIeバス620を介してGPU614と通信する。他の実施形態(図示せず)では、GPU614は、PCIeバス620に接続されるのではなくCPU602と統合されてもよい。また、ディスクコントローラ608がPCIeバスにアタッチされてもよく、例えば2つのディスク610がディスクコントローラ608に接続される。最後に、ローカルエリアネットワーク(LAN)コントローラ612もPCIeバスにアタッチされてよく、他のコンピュータにギガバイトイーサネット(登録商標)(GbE)接続性を提供する。いくつかの実施形態では、コンピュータソフトウェア及び/または設計データは、ディスク610に格納される。他の実施形態では、コンピュータプログラムもしくは設計データのどちらか、またはコンピュータプログラムと設計データの両方に、GbEイーサネットを介して他のコンピュータまたはファイル提供ハードウェアからアクセスし得る。
【0024】
図7は、半導体またはフラットパネルディスプレイのためのパターンなど、電子設計の特徴を一致させるための方法を表すフローチャート700である。フロー700は、例えば、半導体またはフラットパネルディスプレイのためのパターンを用いてすでに訓練されているオートエンコーダを使用し得る。フロー700は、パターンデータのセットを入力するステップ702で始まり、パターンデータのセットは、半導体またはフラットパネルディスプレイのためのパターンであってよい。パターンデータのセットは、複数の特徴を含む。いくつかの実施形態では、パターンデータのセットは、SEM画像またはシミュレーションされたSEM画像であり、パターンデータのセットは、マスク検査からの疑わしい箇所のセットを含む場合がある。ステップ704は、パターンデータのセットを分類するためにパターンデータのセットに対して訓練されたニューラルネットワークを使用することを伴う。複数の特徴の各特徴は分類され、分類することは、部位内の形状によって定義された幾何学コンテキストに基づき、分類することは機械学習技術を使用する。
図7のいくつかの実施形態では、パターンデータのセットは、幾何学チェッカからの報告されたエラーのセットを含む。いくつかの実施形態では、方法は、ステップ704の分類することによって生じる分類の特徴ごとに、ステップ708で距離メトリックを決定すること(つまり、計算すること)を含む。距離メトリックは、例えば、分類内の特徴のコサイン距離を使用して測定し得る。ステップ710は、各分類のパターンデータをソートすることを含む。ステップ712で、さらなる検査のためのパターンのセットの決定は、各分類でのパターンデータのソートに基づいて下される。
【0025】
図8は、半導体パターンまたはフラットパネルディスプレイなど、電子設計の最適なOPCパターンを決定するための方法を表すフローチャート800である。フロー800は、例えば、半導体またはフラットパネルディスプレイのパターンを用いてすでに訓練されているオートエンコーダを使用し得る。フロー800は、パターンデータのセットを入力するステップ802で始まり、パターンデータのセットは複数の特徴を含む。パターンデータのセットは、OPCによって強化されたシミュレーション済みのマスクデータ(つまり、マスク設計のためのOPCパターン)であってよい。ステップ804は、パターンデータのセットを分類するためにパターンデータのセットに対して訓練されたニューラルネットワークを使用することを伴う。複数の特徴の各特徴は分類され、分類することは、部位内の形状によって定義された幾何学コンテキストに基づき、分類することは機械学習技術を使用する。
図8のいくつかの実施形態では、方法は、分類することによって生じる各分類の平均画像、及び分類の特徴の間の変動を決定する(つまり、生成する)ステップ806を含む。ステップ808で、一致するパターンの決定は、分類を使用して下すことができ、一致した特徴は、例えばマスク設計に最適なOPC方法を決定する(例えば、
図4A~
図4Fに関して、ぼやけによって示されるように、より少ないまたは最も少ない量の偏差のグループを決定する)ために使用することができる。
【0026】
図7及び
図8の実施形態では、方法は、オートエンコーダを使用することによってなど、パターンデータの入力されたセットを、圧縮パターンデータに圧縮することを含み、分類すること(例えば、ステップ704または804)は、圧縮パターンデータを使用する。圧縮することによって、符号化された特徴が作成され、オートエンコーダによって作成された、符号化された各特徴は、ベクトル内の要素であってよい。
図7及び
図8の実施形態では、分類することはオートエンコーダを使用する。分類することは、複数の特徴の中の1つの特徴が複数の分類に入ることを可能にし得る。
図7及び
図8の実施形態では、方法は、ガウスフィルタを画像の中心に適用して中心の回りの特徴を優先することをさらに含む。
【0027】
本明細書は、特定の実施形態に関して詳細に説明されてきたが、当業者であれば、前述の理解を得ると、これらの実施形態に対する変更形態、変形形態、及び均等物を容易に着想し得ることが理解される。この方法に対するこれらの及び他の変更形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲により具体的に記載される本主題の範囲を逸脱することなく当業者によって実施され得る。さらに、当業者は、上記説明が例示によってのみであり、限定的となることを意図しないことを理解する。ステップは、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書のステップに追加する、本明細書のステップから取得する、または本明細書のステップから修正することができる。一般的に、提示されるいかなるフローチャートも機能を達成するための基本的な操作の1つの考えられるシーケンスを示すことだけを目的とし、多くの変形形態が考えられる。したがって、本主題が、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るそのような変更形態及び変形形態を網羅することが意図される。