(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】外科的処置中に手術用器具を管理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 90/80 20160101AFI20240905BHJP
A61B 90/98 20160101ALI20240905BHJP
【FI】
A61B90/80
A61B90/98
(21)【出願番号】P 2022513295
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 US2020048383
(87)【国際公開番号】W WO2021041795
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-25
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヤヴァーリー,フェイゼル
(72)【発明者】
【氏名】アンドルーズ,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ファンデルヴォウデ,ブライアン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ファウラー,ドワイト
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/112051(WO,A1)
【文献】特開2014-211863(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0216610(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/80 - A61B 90/98
G06K 19/02 - G06K 19/18
G16H 20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの供給物を管理して、前記外科的処置の後に前記手術用スポンジの適切な取り出しを確実にするシステムであって、
前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応しており、
前記システムは、
RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーと、
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースと
を含み、
前記RFIDリーダーは、
デフォルトの電力レベルで動作することと、
前記第1の一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を受信することと、
受信した前記第1の電力レベルパラメータに対応する、前記デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するように再構成することと、
前記第1の電力レベルで動作することと、
前記第1の電力レベルで第1の応答セットを受信することと、
前記第1の一意の識別子が前記第1の応答セットに存在する場合、前記第1の手術用スポンジを前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして識別することと、
前記第1の応答セットを前記第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定することとを行うように構成される、システム。
【請求項2】
前記集計された数量および前記集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の計算値を表示するように構成された表示デバイスをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
手術用スポンジの前記供給物は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージを含み、前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプであり、
前記第2の
手術用スポンジは、第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の電力レベルパラメータを記憶し、
前記第3の
手術用スポンジは、第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、前記第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する前記第2の電力レベルパラメータを記憶し、
前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応し、
前記RFIDリーダーは、
前記デフォルトの電力レベルで動作することと、
前記第2の一意の識別子、前記第2の電力レベルパラメータ、および前記第2のパッケージ内容情報を受信することと、
受信した前記第2の電力レベルパラメータに対応する、前記第1の電力レベルとは異なる第2の電力レベルで動作するように再構成することと、
前記第2の電力レベルで動作することと、
前記第2の電力レベル
で第2の応答
セットを受信することと、
前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子が前記第2の応答セットに存在する場合、前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジを前記外科的処置の前記データベース記録で集計済みとして識別することと、
前記第2の応答セットを前記第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定することとを行うように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の電力レベルパラメータおよび前記第2の電力レベルパラメータは、前記第1のパッケージおよび前記第2のパッケージがそれぞれ前記RFIDリーダーの同じ読み出し範囲内の好ましい読み取り距離を有するように選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記読み出し範囲は、約12インチから約36インチの間である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記RFIDリーダーは、前記エラー状態が決定された場合にアラートをトリガーするように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記アラートは、可聴警報、警告表示、触覚応答、またはそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致しない場合に、前記エラー状態が決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のパッケージは、複数の手術用スポンジを含み、各手術用スポンジには、各手術用スポンジに関連する一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を記憶するRFIDタグが含まれ、
各RFIDタグの前記第1のパッケージ内容情報には、前記第1のパッケージ内の他のそれぞれの手術用スポンジを識別するための情報が含まれている、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の応答セットによって、前記第1のパッケージ内容情報によって示される各スポンジが識別された場合に、ノーエラー状態が決定される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記手術用スポンジの前記供給物を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記RFIDリーダーは、
前記第1の手術用スポンジを集計済みとして識別することに応答して、
前記デフォルトの電力レベルで動作するように再構成し、
前記第1のRFIDタグを読み取り、かつ
前記第1のRFIDタグの読み取りに基づいて、前記外科的処置の前記データベース記録において集計除外されたものとして前記第1の手術用スポンジを識別することと、
前記データベース記録に基づいて、前記集計された数量および前記集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表示することとを行うように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの供給物を管理して前記外科的処置の後に前記手術用スポンジの適切な取り出しを確実にするシステムであって、
前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の割り当てられた電力レベルを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応し、
前記システムは、
RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーと、
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースとを備え、
前記RFIDリーダーは、
第1の限られた期間、第1の電力レベルでRFIDリーダーを動作させて手術用スポンジの前記供給物のRFIDタグを読み取ることと、
前記第1の限られた期間中に第1の応答セットを収集することと、
前記第1の応答セットを評価して、前記第1のパッケージ内のすべての手術用スポンジが前記第1の応答セットに存在するように、前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致するかどうかを決定し、かつ、前記第1の電力レベルが前記第1のスポンジタイプに関連する前記第1の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定することと、
前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致し、かつ前記第1の電力レベルが前記第1のスポンジタイプに関連する前記第1の割り当てられた電力レベルと一致すると決定されたことに応答して、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1の手術用スポンジを識別することとを行うように構成されている、システム。
【請求項14】
前記RFIDリーダーは、
前記第1の手術用スポンジを集計済みとして識別することに応答して、
第2の限られた期間、前記第1の電力レベルとは異なる第2の電力レベルで動作するように再構成し、
前記第1のRFIDタグを読み取り、かつ
前記第1のRFIDタグの読み取りに基づいて、前記外科的処置の前記データベース記録において集計除外されたものとして前記第1の手術用スポンジを識別することと、
前記データベース記録に基づいて、前記集計された数量および前記集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表示することとを行うように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
手術用スポンジの前記供給物は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージをさらに含み、前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプであり、
前記第2の
手術用スポンジは、第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第3の
手術用スポンジは第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは前記第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、前記第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する前記第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応し、
前記RFIDリーダーは、
第3の限られた期間、第3の電力レベルでRFIDリーダーを動作させることと、
前記第3の限られた期間中に第2の応答セットを収集することと、
前記第2の応答セットを評価して、前記第2のパッケージ内のすべての手術用スポンジが前記第2の応答セットに存在するように、前記第2の応答セットが前記第2のパッケージ内容情報と一致するかどうかを決定し、かつ、前記第3の電力レベルが前記第2のスポンジタイプに関連する前記第2の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定することと、
前記第2の応答セットが前記第2のパッケージ内容情報と一致し、前記第3の電力レベルが前記第2のスポンジタイプに関連する前記第2の割り当てられた電力レベルと一致すると決定されたことに応答して、前記外科的処置の前記データベース記録で集計済みとして前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジを識別することとを行うように構成されている、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
外科的処置中に使用される手術用スポンジを管理して、前記外科的処置の後に前記手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用スポンジの供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、ステップと、
デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記RFIDリーダーで、前記第1の一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を受信するステップと、
受信した前記第1の電力レベルパラメータに対応する、前記デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
前記第1の電力レベルで前記RFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第1の電力レベルで、前記第1の一意の識別子が存在する第1の応答セットを受信するステップと、
前記第1の一意の識別子が前記第1の応答セットに存在することに応答して、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1の手術用スポンジを識別するステップと、
前記第1の応答セットを前記第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2019年8月30日に出願された米国仮特許出願第62/894,300号の優先権およびすべての利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、手術用物体の検出および識別のためのシステムおよび方法、より具体的には、RFIDタグ付きスポンジの追跡および管理に関する。
【背景技術】
【0003】
外科的処置の前後に、処置中に使用されたツールおよび手術用器具を追跡して、ツールまたは器具の適切な滅菌および廃棄を確実にすることが重要である。ツールや器具を患者の体内で不注意に紛失したり患者内に取り残したりしないように、ツールや器具を正確に集計することも重要である。手術用スポンジは、切開部位内およびその周囲の血液および他の体液を吸収するための吸収性材料で構成され得る手術用器具の一例である。医療専門家(HCP)は通常、手術用スポンジが患者の体内に不注意に取り残されることに関連するリスクを考慮して、手術中に使用されるすべてのスポンジの所在を把握するために厳格な手順に従う。
【0004】
従来、HCPは、手術用スポンジを手で集計することに依存していたが、手動で集計することは、汚れたスポンジの取り扱いおよび曝露を必要とし、人為的ミスを起こしやすい。不正確な手動集計方法に関連する保持された手術用スポンジの可能性を減らすために、手術用スポンジは、放射線不透過性マーカー、バーコード、またはRFIDまたはLC応答トランスポンダーなどの無線トランスポンダーでタグ付けされている。したがって、患者の体内に取り残される手術用器具に関連するリスクを低減または排除するために、手術用スポンジの効率的かつ正確な集計を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
外科的処置中に使用される手術用器具の在庫(inventory)を管理して、外科的処置後の手術用器具の適切な計算を確実にする方法が提供される。手術用器具は、手術用スポンジであり得る。手術用器具は、インプラント、タオル、縫合針、クリップ、ステープル、または他の手術用器具であり得る。この方法は、手術用スポンジの在庫を提供することを含む。在庫には、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージが含まれ、第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含む。第1のRFIDタグは、第1の手術用スポンジに関連する第1の一意(固有)(unique)の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶する。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。
【0006】
この方法は、デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させ、RFIDリーダーで第1の一意の識別子、第1のRFIDタグに記憶された第1の電力レベルパラメータ、および第1のパッケージ内容情報を受信するステップを含む。この方法は、受信した第1の電力レベルパラメータに対応する、デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するようにRFIDリーダーを再構成するステップと、第1の電力レベルでRFIDリーダーを動作させるステップと、第1の電力レベルで第1の応答セットを受信するステップと、を含む。
【0007】
この方法は、エラー状態を決定するために、第1の応答セットを第1のパッケージ内容情報と比較するステップと、ノーエラー状態が決定された場合に、外科的処置のデータベース記録で集計済みとして第1のパッケージ内容情報を識別するステップと、を含む。この方法には、デフォルトの電力レベルで動作するようにRFIDリーダーを再構成するステップが含まれる。
【0008】
この方法は、外科的処置のために第1の手術用スポンジを体内に配置するステップと、体から第1の手術用スポンジを取り出すステップと、RFIDリーダーを動作させ、RFIDリーダーで第1のRFIDタグを読み取り、外科的処置のデータベース記録を更新することにより、第1の手術用スポンジを集計除外(count-out)するステップと、を含む。この方法は、データベース記録に基づいて集計および集計除外された状態を識別する手術用スポンジの在庫の状態を表示するステップを含む。
【0009】
この方法では、第1のパッケージは、複数の手術用スポンジをさらに含み得、各手術用スポンジは、第1のパッケージ内の各手術用スポンジにそれぞれ関連する一意の識別子、第1の電力レベルパラメータを記憶する関連するRFIDタグを含む。各RFIDタグの第1のパッケージ内容情報には、第1のパッケージ内の他のすべての手術用スポンジを識別するための情報が含まれ得る。
【0010】
この方法では、手術用スポンジの在庫は、第2のスポンジタイプの第2の手術用スポンジおよび第2のスポンジタイプの第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージを含み得る。第2のスポンジタイプは、第1のスポンジタイプとは異なってもよい。第2および第3の手術用スポンジは、それぞれ、第2および第3のRFIDタグ、第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子を記憶する第2のRFIDタグ、第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子を記憶する第3のRFIDタグを含み、第2と第3のRFIDタグは、第2のパッケージ内容情報と、第2のスポンジタイプに関連する第2の電力レベルパラメータも記憶する。第2のパッケージ内容情報は、第2のパッケージの完全な内容に対応する。
【0011】
この方法はまた、デフォルトの電力レベルで動作するようにRFIDリーダーを再構成した後、デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させ、RFIDリーダーで第2および第3の一意の識別子のうちの1つ、第2の電力レベルパラメータを受信するステップを含み得る。第2の電力レベルパラメータは第1の電力レベルパラメータとは異なり、第2のパッケージ内容情報である。次に、この方法は、第2の電力レベルで動作するようにRFIDリーダーを再構成するステップと、第2の応答セットを受信するステップと、を含み得る。それらの方法には、第2と第3の一意の識別子が第2の応答セットに存在する場合に、データベース記録で集計済みとして第2と第3の手術用スポンジを識別するステップが含まれる。この方法は、第2の応答セットを第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定するステップを含み得る。
【0012】
この方法はまた、エラー状態が決定された場合にアラートをトリガーするステップを含み得る。アラートのトリガーには、警報の鳴動、警告の表示、触覚応答の起動、およびそれらの組み合わせのいずれかが含まれ得る。この方法では、第1の結果セットが第1のパッケージ内容情報と一致しない場合にエラー状態が決定される。
【0013】
この方法はまた、外科的処置が行われる滅菌フィールドに隣接してRFIDリーダーを配置するステップと、第1の手術用スポンジを集計済みとして識別した後、第1のパッケージから第1の手術用スポンジを取り出すステップと、を含み得る。
【0014】
この方法では、第1の応答セットを受信するステップと、第2の応答セットを受信するステップは、それぞれ、第1のパッケージおよび第2のパッケージを、RFIDリーダーから第1の距離および第2の距離に配置することを含み得る。第1の距離は、第1のパッケージの第1の優先読み取り範囲であり、第2の距離は、第2のパッケージの第2の優先読み取り範囲であり、第1の電力レベルパラメータおよび第2の電力レベルパラメータは、第1の距離および第2の距離が同じ読み出し範囲内にあるように選択される。好ましい読み出し範囲は、約12インチから約36インチの間であり得る。
【0015】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの在庫を管理して、外科的処置後の手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする代替の方法も提供される。この方法は、手術用スポンジの在庫を提供するステップを含む。在庫には、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージが含まれ、第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含む。第1のRFIDタグは、第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子を記憶する。
【0016】
この方法は、RFIDリーダーを動作させて、手術用スポンジの在庫のRFIDタグを読み取るステップと、RFIDリーダーの動作に応答して、RFIDタグに記憶された一意の識別子を含む応答信号を受信するステップと、を含む。この方法は、RFIDリーダーによって読み取られた場合の第1のRFIDタグからの応答信号の電力レベルの尺度として第1の受信信号強度インジケータ(RSSI)を決定するステップと、第1のRSSIが第1の一意の識別子によって示される第1のスポンジタイプに関連する第1の所定の閾値を満たした場合に、第1の手術用スポンジを外科的処置のデータベース記録に集計済みとして識別するステップと、を含む。
【0017】
この方法は、外科的処置のために第1の手術用スポンジを体内に配置するステップと、体から第1の手術用スポンジを取り出すステップと、RFIDリーダーで第1のRFIDタグを読み取るステップと、データベースで集計除外されたものとして第1の手術用スポンジを識別するステップと、を含む。この方法は、データベース記録に基づいて集計および集計除外された状態を識別する手術用スポンジの在庫の状態を表示するステップを含む。
【0018】
この方法では、外科用スポンジの在庫は、第2のスポンジタイプの第2の外科用スポンジを含む第2のパッケージを含み得、第2の外科用スポンジは第2のRFIDタグを含み、第2のRFIDタグは、第2の外科用スポンジに関連する第2の一意の識別子を記憶する。この方法はまた、第2のRFIDタグから第2のRSSIを決定するステップと、第2のRSSIが、第2の一意の識別子によって示される第2のスポンジタイプに関連する第2の所定の閾値を満たした場合に、データベースにおいて集計済みとして第2の手術用スポンジを識別するステップと、を含み得る。
【0019】
この方法では、第1のパッケージは、パッケージごとに単一のスポンジを含み得、第2のパッケージは、パッケージごとに複数のスポンジを含み得る。第1のRSSIは、第2のRSSIよりも高くなり得る。
【0020】
この方法は、RFIDリーダーから第1の距離に第1のパッケージを配置するステップを含み得る。第1の距離は、第1のパッケージの第1の好ましい読み取り範囲であり得る。この方法は、RFIDリーダーから第2の距離に第2のパッケージを配置するステップを含み得る。第2の距離は、第2のパッケージの第2の好ましい読み取り範囲であり得る。第1の所定の閾値および第2の所定の閾値は、第1の距離および第2の距離が同じ読み出し範囲内にあるように選択され得る。読み出し範囲は、約12インチから約36インチの間であり得る。
【0021】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの在庫を管理して、外科的処置後の手術用スポンジの適切な取り出しを確実にするさらなる代替方法が提供される。この方法は、手術用スポンジの在庫を提供するステップを含む。在庫には、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージが含まれ得る。第1の手術用スポンジには、第1のRFIDタグが含まれている。第1のRFIDタグは、第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の割り当てられた電力レベルを記憶する。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。
【0022】
この方法は、RFIDリーダーを第1の電力レベルで第1の限られた期間動作して、手術用スポンジの在庫のRFIDタグを読み取るステップと、第1の限られた期間中に第1の応答セットを収集するステップと、第1の応答セットを評価して、第1の応答セットが第1のパッケージ内容情報と一致する場合、第1のパッケージ内のすべての手術用スポンジが第1の応答セットに存在するように、完全な第1のパッケージを決定するステップと、を含む。この方法はさらに、第1の電力レベルが第1の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定するステップと、完全な第1のパッケージが決定され、第1の電力レベルが第1の割り当てられた電力レベルと一致する場合に、外科的処置のデータベース記録で集計済みとして第1の手術用スポンジを識別するステップと、を含む。この方法は、RFIDリーダーを再構成して、第2の限られた期間、第2の電力レベルで動作させるステップを含む。第2の電力レベルは第1の電力レベルとは異なる。
【0023】
この方法は、外科的処置のために、集計された手術用スポンジの少なくとも1つを体内に配置するステップと、集計された手術用スポンジを体から取り出すステップと、RFIDリーダーを動作させるステップと、RFIDリーダーで第1のRFIDタグを読み取ることにより、第1の手術用スポンジを集計するステップと、を含む。この方法は、手術用スポンジのタイプごとに、集計および集計除外された手術用スポンジの数を提供し、手術用スポンジの在庫の状態を表示するステップを含む。
【0024】
この方法では、手術用スポンジの在庫は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージをさらに含み、第2および第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプであり、第2のスポンジは第2のRFIDタグを含む。第2のRFIDタグは、第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する。第3のスポンジは、第3のRFIDタグを含む。第3のRFIDタグは、第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する。第2のパッケージ内容情報は、第2のパッケージの完全な内容に対応している。
【0025】
この方法はまた、RFIDリーダーを電力レベルで第2の限られた期間動作させるステップと、第2の限られた期間中に第2の応答セットを収集するステップと、第2の応答セットを評価して、第2の応答セットが第2のパッケージ内容情報と一致する場合、第2のパッケージ内のすべての手術用スポンジが第2の応答セットに存在するように、完全な第2のパッケージを決定し、第2の電力レベルが第2の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定するステップと、完全な第2のパッケージが決定され、第2の電力レベルが第2の割り当てられた電力レベルと一致する場合に、外科的処置のデータベース記録において集計済みとして第2および第3の手術用スポンジを識別するステップと、を含み得る。
【0026】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの在庫を管理して、外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にするシステムも提供される。このシステムには、手術用スポンジの在庫が含まれている。在庫には、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージが含まれている。第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含む。第1のRFIDタグは、第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶する。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。このシステムはまた、RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーを含む。
【0027】
システムは、集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの在庫の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースを含む。RFIDリーダーは、デフォルトの電力レベルで動作するように構成されている。RFIDリーダーは、第1の一意の識別子、第1の電力レベルパラメータ、および第1のパッケージ内容情報を受信するように構成されている。RFIDリーダーは、受信された第1の電力レベルパラメータに対応する、デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作し、第1の電力レベルで動作するように再構成することができる。RFIDリーダーは、第1の電力レベルで第1の応答セットを受信し、第1の一意の識別子が第1の応答セットに存在する場合、外科的処置のデータベース記録で集計済みとして第1の手術用スポンジを識別し、第1の応答セットを第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定する。このシステムはまた、集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの在庫の状態を表示するための表示デバイスを含む。
【0028】
システムにおいて、手術用スポンジの在庫は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージを含み得る。第2と第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプである。第2のスポンジには第2のRFIDタグが含まれている。第2のRFIDタグは、第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する。第3のスポンジには第3のRFIDタグが含まれている。第3のRFIDタグは、第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する。第2のパッケージ内容情報は、第2のパッケージの完全な内容に対応している。
【0029】
RFIDリーダーは、デフォルトの電力レベルで動作し、第2の一意の識別子、第2の電力レベルパラメータ、および第1のパッケージ内容情報を受信するようにさらに構成される。RFIDリーダーは、受信した第2の電力レベルパラメータに対応して、第1の電力レベルとは異なる第2の電力レベルで動作し、第2の電力レベルで動作するように再構成する。RFIDリーダーは、第2の電力レベルで設定された第2の応答を受信し、第2と第3の一意の識別子が第2の応答セットに存在する場合、第2と第3の手術用スポンジを外科的処置のデータベース記録に集計済みとして識別し、第2の応答セットを第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定する。
【0030】
エラー状態が決定された場合、RFIDリーダーはさらにアラートをトリガーすることができる。アラートには、警報、警告、触覚応答、およびそれらの組み合わせのいずれか1つが含まれ得る。エラー状態は、第1の結果セットが第1のパッケージ内容情報と一致しない場合に決定される。
【0031】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの在庫を管理して、外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする代替システムが提供される。このシステムには、滅菌手術用スポンジの在庫が含まれている。在庫は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含む。第1のRFIDタグは、第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶する。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。手術用スポンジの在庫には、第2の手術用スポンジと第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージが含まれている。第2と第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプである。第2のスポンジには第2のRFIDタグが含まれている。第2のRFIDタグは、第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する。第3のスポンジには第3のRFIDタグが含まれている。第3のRFIDタグは、第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する。
【0032】
システムは、RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーを含む。このシステムはまた、手術用スポンジの在庫の状態を表すデータを保存するように構成されたデータベースを含み、集計された数量および集計除外された数量を識別する。
【0033】
RFIDリーダーは、複数の電力レベルでRFIDタグを読み取るように構成されている。RFIDリーダーは、RFIDリーダーが第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルで動作し、第1のパッケージが完成したと決定した場合に、第1のパッケージを第1の電力レベルで集計するように構成されている。RFIDリーダーはさらに、RFIDリーダーが第1の電力レベルとは異なる第2の電力レベルで動作し、第2の電力レベルは、第1のスポンジタイプとは異なる第2のスポンジタイプに関連し、第2のパッケージが完成したと決定する場合に、第2の電力レベルで第2のパッケージを集計するようにさらに構成される。
【0034】
第1の電力レベルは、第1のスポンジタイプに関連するので、第1のスポンジタイプの好ましい読み取り範囲は、第1のスポンジタイプの第1のパッケージング構成に基づいて、RFIDリーダーから12インチから36インチの間である。第2の電力レベルは第2のスポンジタイプに関連するので、第2のスポンジタイプの好ましい読み取り範囲もまた、第2のスポンジタイプの第2のパッケージング構成に基づいて、RFIDリーダーから12インチから36インチの間である。
【0035】
ここで図面を参照すると、例示的な図が詳細に示されている。図面は概略図を表しているが、図面は必ずしも縮尺どおりでなく、例示的な例の革新的な側面をよりよく示し、説明するために、特定の特徴が誇張されている場合がある。さらに、本明細書で説明される例示的な図は、図面に示され、以下の詳細な説明で開示される正確な形態および構成に網羅的であること、または限定または制限することを意図するものではない。
【0036】
本開示の利点は、添付の図面に関連して考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによって同じことがよりよく理解されるようになるので、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】RFIDリーダーの読み取り範囲内の第1および第2の器具パッケージを示す手術用器具の在庫およびRFIDリーダーから離れたところにある手術用器具の在庫を管理するための例示的なシステムを示す。
【
図3】RFIDタグに記憶され得る情報の識別スキームを示す。
【
図4】外科的処置中に手術用器具を管理するための第1の方法を示す。
【
図5】外科的処置中に手術用器具を管理するための第2の方法を示す。
【
図6】外科的処置中に手術用器具を管理するための第3の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、外科的処置中に手術用器具の在庫を管理して、外科的処置後に患者から手術用器具を適切に取り出すことを確実にし、それによって患者内の手術用器具の望ましくない取り残しを防止するシステムおよび方法に関する。
【0039】
図1は、外科的処置の前、最中、または後に手術用器具(surgical article)を集計または検出するための1つまたは複数のタグを有する1つのそのような手術用器具である手術用スポンジ10を示す。特に、
図1に図示される手術用器具は、以下に詳細に説明されるように、タグ20をさらに含む手術用スポンジ10を含む。しかしながら、図には示されていないが、手術用器具10の他の代替物は、開腹パッド、ガーゼ、インプラント、タオル、縫合針、クリップ、ステープル、または手術道具(surgical instruments)を含み得ると考えられる。手術用器具の別の例は、タグ20を含むメスまたは鉗子などの手術道具を含み得る。
【0040】
タグ20は、集計素子、検出素子、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができ、手術用器具10のハンドル内、層の間、または他の部分に組み込むことができる。以下で詳細に説明するように、各手術用器具10は、1つまたは複数のタグ20を含むことができ、各タグ20は、集計素子または検出素子の様々な組み合わせを含むことができる。例えば、これらのタグ20の1つは、RFID素子(RFIDタグ)を含み得る。しかしながら、各タグ20は、本明細書の開示と一致して、追加または代替として、任意の数の集計素子および任意の数の検出素子を含むことができる。
【0041】
タグ20は、各手術用器具10の一意の識別情報を含むように構成することができる。一意の識別情報は、一意であり対応する器具10にのみ割り当てられるシリアル番号または他の識別子を含み得る。一意の識別情報は、タイプ、サイズ、重量、製造日、有効期限、対応するパッケージ内の類似の器具10の数、一緒にパッケージングされた器具の一意の識別、または器具10を集計または検出するために使用される他の情報をさらに伝達することができる。
【0042】
タグ20は、一意の識別情報に対応する電磁信号または電磁波を送信することによって、一意の識別情報を伝達することができる。各手術用器具10は、さらに、一意の識別子または、光学走査デバイスによって走査可能であるか、または走査デバイス、コンピュータ、または他のシステムのユーザインターフェースに手動で入力することができる人間が読める形式のその他の情報を有する第2のタグ(図示せず)を含み得る。手術用器具上の複数のタグは、互いに異なる場合があるが、タグが付けられている特定の手術用器具に関連する同じ一意の識別情報を含む。タグ20は、HCPが、存在する手術用器具10の数を識別し、または患者の体内、手術室内、または患者の体内および手術室内両方の手術用器具10の位置を決定することを可能にする。他の代替案では、タグ20は、手術室内で検出可能であるが、患者の体内では検出できない。
【0043】
タグ20は、手術用器具10のハンドル内、層の間、または他の部分に組み込むことができる。例えば、タグ20は、手術用器具10の層内に接着またはカプセル状に封入され、ハンドル内に埋め込まれる、または器具10の他の部分に結合されることができる。各タグ20は、その耐用年数を延ばすために剛性であり得る。他の例では、タグ20は、手術用器具10およびタグを、患者の体内で使用するためのより好ましい方法で折り畳むか、または成形することを可能にするために可撓性であり得る。さらに、タグ20は、水不透過性で滅菌可能な生体適合性プラスチックコーティング、ポーチ、またはハウジング26内にカプセル化することができる。ハウジング26は、縫合、接着剤、または同様のタイプの留め具を介して手術用器具10に結合することができる。
【0044】
タグ20の集計または検出素子は、HCPによって操作可能なハンドヘルドデバイスなどの走査デバイスとして、リーダーの少なくとも1つの検出器質問器アンテナ(detector-interrogating anntena)(検出アンテナ)と協調するように構成され得る。あるいは、検出器質問器アンテナを、手術用器具トレイ、手術カート、またはキャニスターに組み込むことができる。しかしながら、光学走査デバイス内に統合されたものを含む任意の適切なアンテナは、タグ20に含まれる検出素子を検出するように構成されることが企図される。アンテナは、アンテナの面を規定するように構成された回路、コイル、またはループをさらに含み、電磁場で運ばれる、または電磁場として理解され得る信号は、アンテナの平面から外向きに送信され、タグ20によって受信され、その後、アンテナに投射し返すことができる応答信号を提供する。出願人は、2007年9月13日に出願された米国特許第8,181,860号にアンテナを備えた走査デバイスまたは走査装置を記載しており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
多種多様なタグが、いくつかの製造業者によって市販されている。特定のタグは、場合によっては読み取り専用メモリまたはライトワンスメモリの形式で、ユーザがアクセスできる大量のメモリを提供するように構成され得る。1つの例示的なタグは、RFIDアンテナによって検出可能なRFIDタグ20である。しかしながら、手術用器具10は、任意の対応する検出アンテナによって検出可能な任意の適切なタグを含むことができると考えられる。出願人は、2016年10月14日に出願されたPCT出願第PCT/US2016/057077号において、手術用器具10および様々なタグを含む手術用器具を管理する方法を記載しており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
手術用器具は、吸収性材料本体11を含む手術用スポンジ10を含み得る。手術用スポンジ10の吸収性材料本体11は、上面12および対向する下面14を含み得る。手術用スポンジ10は、リード、ハンドル、またはストリング16をさらに含むことができる。リード16は、医療走査で現れるように構成された放射線不透過性マーカー材料を含み得る。例えば、リードは、患者内に不注意に取り残された手術用スポンジ10の識別を可能にするために、MRI画像に現れるように構成された放射線不透過性マーカー材料を含み得る。
【0047】
HCPが外科的処置の前、最中、および後に手術用スポンジ10を追跡して、手術用スポンジ10が不注意に患者内に取り残されないまたは放置されないことを確実にすることが重要である。したがって、上記のように、RFIDタグ20を利用して、外科的処置で使用されるスポンジの位置および数を識別することができる。RFIDタグ20は、手術用スポンジ10の縁または角に近接する吸収性材料本体11の上面に結合され得る。図には示されていないが、RFIDタグ20は、ハンドル内、吸収性材料の層間、または手術用スポンジ10の他の部分内に、任意の方法で組み込み可能であると企図される。例えば、RFIDタグ20は、ハンドルに接着または埋め込み、あるいは手術用スポンジ10の他の部分に結合することができる。
【0048】
RFIDタグ20の検出素子は、多重検出システムと共に使用され得る。RFIDタグ20は、コンデンサおよびアンテナ(図示せず)を含むことができ、これらは、リーダーの検出アンテナ(RFIDアンテナ)から電力を受け取り、RFIDタグ20のコンデンサを充電する。このコンデンサは、無給電RFIDタグ20の動作のための電源になる。RFIDタグ20は、読み取り機能、キャリア周波数変調機能、および焼き付けられたコードを備えた読み取り専用メモリ部分を含む集積回路を有することができる。検出素子の集積回路および対応するアンテナは、血液、水、または生理食塩水に耐性のあるエンクロージャにカプセル化されている。したがって、RFIDタグ20は、繰り返しの滅菌に耐えることができ、複数回滅菌および再利用される金属器具などの他の手術用器具に取り付けることができる。キャリア周波数およびRFIDタグ20のタイプに応じて、RFIDタグ20は、コスト、サイズ、および介在組織によるシールドに対する耐性が大幅に異なる可能性がある。
【0049】
RFIDベースの技術によって提供される1つの特徴は、RFIDタグ20が、手術用スポンジ10を集計または識別することに加えて、手術用スポンジ10の位置を検出するという二重の目的を達成することである。したがって、特定のRFIDタグ20は、検出素子と集計素子の両方として機能することができる。RFIDタグは、リーダーの検出アンテナと連携して、手術用スポンジ10の位置を検出し、手術用スポンジ10の一意の識別情報を決定するためのデータを提供する。RFIDタグ20はMHz範囲より上で動作することができる。例示的な周波数は、約13.35から14.15MHz(高周波)、850から950MHzの範囲(超高周波)、またはマイクロ波周波数の範囲(すなわち、2.45から2.55GHz)を含むことができる。これらのRFIDタグ20によって提供される追加の帯域幅は、質問ゾーン内で短時間内に対応する手術用スポンジ10を検出および発見する確率を高めることができる。
【0050】
ここで
図2に目を向けると、外科的処置中に手術用物体(surgical objects)の在庫を検出、識別、および管理するためのシステムが開示される。走査デバイスは、オンボードメモリ内に、またはサーバと連携して、処置で使用される手術用器具10の記録を維持するように構成され得る。走査デバイスには、オンボードメモリと通信するRFID質問機が含まれている。RFID質問機には、無線周波数信号を生成および受信するための物理構成要素とオペレーティングソフトウェアが含まれている。質問機の物理的構成要素の中には、信号生成送信機、信号受信機、またはトランシーバを含む無線コントローラーが含まれる。
【0051】
システムによって作成および維持される手術用器具の記録は、オンボードメモリ内の走査デバイスに記憶されるか、または記録は、記憶のためにサーバに通信される。走査デバイスは、サーバへの有線接続または無線接続を有する。いくつかの代替案では、走査デバイスとサーバとの間の通信に配置された1つまたは複数のデバイスがある。一例では、手術室内の走査デバイスは、手術室内の他の医療デバイスおよびツールとさらに通信している手術室に配置されたコンピュータと通信することができる。コンピュータは、ネットワークへのゲートウェイとして機能するルーターに情報を通信する。サーバもネットワークに接続されているため、走査デバイスは複数のデバイス層を介してサーバと通信する。
【0052】
外科的処置の終了時に、記録をサーバに送信し、電子医療記録などの患者記録と照合して、同じものを更新し、どの特定の手術用器具が各患者に何回使用されたかの指標を提供することができる。
【0053】
図2には、2つ以上の手術用スポンジ10をパッケージングするか、または束ねるための様々な容器の例が図示されている。ストラップ38または複数のストラップ38を利用して、2つ以上の手術用スポンジ10を一緒に束ねるか、またはパッケージングすることができる。ストラップ38は、2つ以上の手術用スポンジ10を束ねて、束30内の隣接する手術用スポンジ10のRFIDタグ20間の定義された関係を維持するように構成され得る。例えば、複数の手術用スポンジ10は、互いに積み重ねられ、ストラップまたはバンド38によって一緒にパッケージングされ得る。ストラップ38は、2、3、5、10、20、またはそれ以上の手術用スポンジ10を一緒に束ねるように構成することができる。あるいは、1つまたは2つ以上の手術用スポンジ10を、パウチまたは容器50内にパッケージングするか、または束ねることができる。容器50は、ストラップと同様に構成することができ、容器50は、容器50内の隣接する手術用スポンジ10のRFIDタグ20間の定義された関係を維持するように構成される。容器50は、ポリタイベック(Tyvek)(登録商標)パウチ、ポリタイベック(登録商標)カバーを備えた剛性ベース、または同様の封じ込め装置を含むことができる。任意の数の手術用スポンジ10、または手術用器具は、ストラップ38によって、または容器50内にパッケージングされるか、または束ねられる。
【0054】
上記のように手術用スポンジ10を束ねるかまたはパッケージングすることは、束30に含まれる個々の手術用スポンジ10のRFIDタグ20を走査するための課題を生み出す可能性がある。パッケージングされた場合に手術用スポンジ10のRFIDタグ20を走査しようとする場合、1つの潜在的な課題は、RFIDタグ20間の干渉の可能性が高くなり、手術用スポンジ10の集計が不正確になったり、検出距離が短くなったりする可能性があることである。手術用ツールおよび器具の滅菌性を維持する必要があり、RFIDリーダーが滅菌されていないか、滅菌フィールド内で利用できない可能性があるため、十分な検出距離を提供することは、手術用ツールおよび器具にとって重要である。読み取り距離が不十分な場合、HCPは、各手術の前にスキャナを滅菌ドレープするために追加の時間を費やし、追加のコストを負担する必要がある。他方、高密度にパッケージングされたRFIDタグ付き手術用器具の課題を克服するためにスキャナ出力を単純に増加させると、隣接する手術室または他の保管場所を含む近くに輸送または保管される手術用スポンジの望ましくない集計が生じる可能性がある。処置での使用が全く意図されていない外科用器具を計算する試みがなされているが、外科的処置での積極的な利用が意図されていない外科用器具の偶発的な集計は、HCPが時間を浪費し、外科的処置の時間を延長する原因となる可能性がある。
【0055】
外科的処置中に手術用器具を管理するためのシステム100が
図2に図示されている。システム100は、RFIDタグが付けられた手術用器具と通信し、手術用器具の在庫を管理するデータベース記録を作成および維持するためのハードウェアおよびソフトウェアを含み、特定の外科的処置で使用できるようにされたそれらの手術用器具のタイプ番号、タイプ、および一意の識別番号を識別することを含む。システム100は、HCPがデータベースに情報を入力し、外科的処置の前、最中、および後にデータベース内のその情報および他の情報にアクセスするためのインターフェースを提供する。
【0056】
システム100は、ディスプレイ102と通信するシステムコンピュータ101を含む。ディスプレイ102は、タッチスクリーン104、または他の入力ハードウェア(図示せず)をさらに含むタブレットコンピュータなどの統合ディスプレイであり得る。他の代替案では、ディスプレイ102は、単に、システムコンピュータ101およびディスプレイ102と通信する他のハードウェアによって提供される入力機能を備えたモニタであり得る。他の入力ハードウェア(図示せず)は、音声コマンド制御のためのマイクロフォン、またはジェスチャ制御を提供するためのビデオカメラまたは他のセンサを含み得る。さらなる代替入力ハードウェアは、トラックボール、タッチパッド、キーボード、マウスなどを含み得る。
【0057】
ディスプレイ102は、ベース106上で支持され得る。
図2に図示するように、ベース106はポールに取り付けられ得る。他の代替案では、ベース106は、移動式カートまたは固定ユニットであり得る。ベース106は、タブレットコンピュータなどのディスプレイ自体にすべての電源、コンピューティングおよび入力機能を含む統合ディスプレイとしてのディスプレイ102の機械的支持であり得る。あるいは、ベース106は、ディスプレイ102内に統合されていない機能を支持することができる。例えば、ベース106は、システムコンピュータ101、およびディスプレイ102に電力を供給することを含む、システム100に電力を供給するための充電式電池を含み得る。ベース106は、中央処理ユニット、メモリデバイス、データストレージデバイス、システムコンピュータ101のための他のハードウェアを収容することができる。
【0058】
ベース106はまた、システムコンピュータ101と通信するRFIDリーダー108を支持することができる。RFIDリーダー108は、ベース106に統合されるか、または取り外し可能であり、ベース106から遠隔動作し得る。ベース106は、ハンドヘルドRFIDリーダー108などの取り外し可能な移動式RFIDリーダーのためのドックを提供することができる。ベース106にドッキングされる場合、RFIDリーダーは、それ自体の外部の電源に依存することができ、システムコンピュータ101との通信のために有線ドック接続を使用することができる。
【0059】
RFIDリーダーは、RFIDリーダー108とRFIDタグ(手術用スポンジ10のタグ20など)との間の通信を可能にするRFIDトランシーバを含むことができる。RFIDリーダー108は、RFIDリーダー108の内部に、独自の電源、データ処理、およびメモリまたはデータストレージデバイスを含むことができる。RFIDリーダー108は、RFIDトランシーバに提供される様々なレベルの電力で動作するように構成可能であり、アンテナからの無線エネルギーの有効出力を変更可能である。
【0060】
システム100は、外部コンピューティングデバイス110を含むか、または外部コンピューティングデバイス110と通信し得る。これには、追加のメモリまたはデータストレージが含まれ得る。デバイス110は、病院ネットワークまたはインターネットサーバなどの遠隔リソースと通信するためのルーターまたはモデムなどの他のシステムの無線接続を提供することができる。他の代替案では、ネットワーク接続は、外部デバイス110を必要とせずに、システムコンピュータ101に統合される。
【0061】
システム100は、病院の手術室などの外科的環境内に提供され得る。システム100は、滅菌フィールドに配置するためにドレープされるように適合させることができる。あるいは、システム100は、滅菌フィールドに隣接しているがその外側に配置され、滅菌ドレープの必要性を回避することができる。さらなる代替案では、ベース106を滅菌フィールドの外側に配置することができるが、移動式RFIDリーダー108は、ベース106から分離され、当技術分野で知られるように、適切な滅菌ドレーピングまたは他の滅菌維持手段を用いて滅菌フィールドに入ることができる。
【0062】
システム100は、外科的処置中に管理されるべき、RFIDタグでタグ付けされた手術用器具の在庫112を備え得る。
図2では、手術用器具の在庫は、手術用スポンジ10などのいくつかの異なるタイプのRFIDタグ付き手術用器具の供給物を含む引き出し114を備えた移動式キャビネットまたはカートとして図示されている。上記のように、手術用スポンジ10は、様々な数量でパッケージングされるか、または束ねられる。RFIDタグ付き手術用スポンジ10は、最小2インチ×2インチから最大8インチ×108インチまで様々な形状で提供される。単一の手術用スポンジ10を構成する層の数によっても厚さの変動がある。例えば、いくつかの手術用スポンジ10は、最小で4プライ(ply)または最大で32プライであり得る。最も一般的には、手術用スポンジ10は、単一のパッケージから最大10ユニットがパッケージ内にパッケージングされる。
【0063】
手術用器具、例えば、手術用スポンジ10のそれぞれは、個々のアイテムを一意に識別するためのデータ、ならびに手術用器具の在庫を管理するために関連する他の情報を提供するデータを含む、RFIDタグ、例えば、タグ20でタグ付けされる。ここで
図3を参照すると、RFIDタグ20に記憶され得る例示的な識別スキーム120が図示されている。様々なタグおよびデータ符号化スキームが現在利用可能であり、識別スキーム120の説明は限定することを意図していない。一般に、RFIDタグは、RFID集積回路(IC)の製造元によって割り当てられたタグ識別(TID)122を使用して製造される。このTID122は通常、ライトワンスメモリロケーションに記憶され、IC上の読み取り専用メモリロケーションとも呼ばれる。タグ製造業者によって提供されるTID122に加えて、他の情報が、タグICを手術用スポンジ10などの特定の手術用器具に関連付けることに関連して提供され得る。
【0064】
識別スキーム120は、タグが付けられている手術用器具のタイプ、すなわちスポンジタイプIDを識別するために専用の部分124を含み得る。1つの代替案では、スポンジタイプID124は、上記のように、そのスポンジタイプのスポンジの数量、ユーザインターフェースに表示される名前、そのタイプのスポンジを集計する場合にRFIDリーダーが動作するように指定された電力レベルなどスポンジタイプに関連するさらなる仕様情報を検索するためにルックアップテーブルと組み合わせてシステムコンピュータ101によって使用され得る値である。ルックアップテーブルは、統合ディスプレイ102のデータストレージ、ベース106に提供されるデータストレージ、外部コンピュータデバイス110のデータストレージなどのシステムコンピュータ101に対してローカルに、または病院のネットワークやインターネットサーバの場所などのシステムコンピュータ101から遠隔に記憶され得る。他の代替案では、スポンジタイプID124は、ルックアップテーブル値との相関を必要とせずに、特定の情報を直接提供するように符号化され得る。例えば、スポンジタイプID124は、特定のタイプのスポンジに関連する指定されたRFIDリーダー電力レベルに直接対応し得る。いずれの場合も、スポンジタイプID124は、スポンジタイプに関連するRFIDタグに記憶された電力レベルパラメータに対応し得る。電力レベルパラメータは、電力レベル値をdBmで直接符号化するか、電力、電流、電圧、またはリーダーのアンテナからの直接または間接的な電力出力を制御または変調するリーダーのその他の設定に対応するデータを提供することができる。他の代替案では、スポンジタイプID124は、以下でより詳細に説明するように、スポンジタイプおよび外科的処置における手術用器具を集計するための最小読み取り強度に関連するRSSI閾値に相関または符号化され得る。
【0065】
識別スキーム120は、スポンジのパッケージ、パッケージ内にあるスポンジの数、および特定のスポンジがその数量内のどこにあるかを識別するのに役立つ情報を含み得る。例えば、識別スキームは、一意のパッケージID126およびスポンジ番号128を含み得る。スポンジの各パッケージには、単一のパッケージに共通するすべての部材によって共有される一意の識別が割り当てられ得る。一意のパッケージID126はまた、一意のパッケージID内の特定の値が、パッケージを特定のタイプの手術用器具のものとして識別するまたは指定するのに役立つように符号化され得る。一意のパッケージID126はまた、特定の値がパッケージ内のスポンジの数量を識別するように符号化され得る。パッケージ内のスポンジ10ごとに、スポンジ番号128は、パッケージ内の他のスポンジと区別される。例えば、10個のスポンジ10のパッケージには、スポンジ番号128が1のスポンジが1つ、スポンジ番号が2のスポンジが1つ、以下同様にスポンジ番号128が10のスポンジまである。一意のパッケージID126およびスポンジ番号128はともに、タグに記憶されたパッケージ内容情報を表すことができる。
【0066】
識別スキーム120は、書き込まれたデータが一意に割り当てられ、前のタグからコピーされていないことを確実にするためのセキュリティ対策として、書き換え可能メモリ内の読み取り専用TIDのコピー130を含み得る。TIDコピー130は、単独で、またはタグに記憶された他のデータと組み合わせて、タグが付けられているスポンジを一意に識別するための一意の識別子として役立つことができる。さらなる潜在的なセキュリティ対策として、またはデータが破損していないことを確実にする方法として、識別スキーム120は、チェックサム134である。タグ120上の識別スキームに含まれるデータの全部または一部は数学的アルゴリズムの入力として使用され、チェックサム値を生成し得る。特定の数学的アルゴリズムは、そのタグが、第一者によって製造されたスポンジ、または他の許可を受けた者によって製造されたスポンジのみを一意に識別することを確実にするために、スポンジ製造業者が所有するものとすることができる。そのようなアルゴリズムの簡単な例は、識別スキーム120の他のデータフィールドのすべての値を合計し、その合計を所与の定数で除算し、残りをチェックサム値として使用することである。アルゴリズムで使用される特定の定数を知らない無許可の製品は、タグデータが真正であるかどうかが検証される集計プロセスのステップとして、システムコンピュータ101によって検出される。
【0067】
識別スキーム120は、集計または集計除外プロセスの過程でタグに書き込むための規定を含み得る。例えば、
図3の識別スキーム120は、スポンジが集計除外された後に切り替えられるフラグである集計除外ビット132を含む。この切り替えは、例えば、集計除外モードで動作するRFIDリーダーから、外科的処置の終了時に集計除外された場合にこのデータフィールドの値を変更するようにタグに指示する命令を送信することによって達成することができる。この値は、RFIDタグ付きスポンジが通常の集計手順を完了せずに患者に使用される緊急事態で特に有利であり得る。集計除外ビット132は、プロセス中に切り替えられる値であり、外科的処置中に手術用器具の在庫を正しく管理する際にシステムコンピュータ101によって使用され得る。
【0068】
システム100は、手術用スポンジ10およびRFIDタグ20などの手術用器具のRFIDタグに記憶された情報に基づいて、外科的処置中の手術用器具の在庫を管理する。システム100は、特定の外科的処置に関連する手術用器具の集計および集計除外状態を具体的に識別する、手術用器具の在庫を管理するために必要な情報を記憶する記録のデータベースを含み得る。特に、システム100は、RFIDリーダー108で器具を走査することによって外科的処置の開始時に手術用器具を集計(count-in)し、処置の終了時に手術用器具を集計除外(count-out)するように構成され得る。外科的処置で使用される可能性のある様々なパッケージ数量と様々なタイプの手術用器具(例えば、あるパッケージと別のパッケージのスポンジのサイズが異なる)の課題を克服するために、RFIDリーダー108は、タグに記憶された、またはタグに記憶されたデータに基づいてルックアップテーブルから検索された電力レベルパラメータに基づく動的電力レベルで動作するように構成され得る。
【0069】
より具体的には、システム100は、最初にデフォルトの電力レベルでRFIDリーダー108を動作させることができる。このデフォルトの電力レベルは、RFIDリーダー108の全動作能力の範囲内の中間値を表し得る。あるいは、デフォルトの電力レベルは、目的の第1の読み取り結果セットに応じて、高極値または低極値になり得る。例えば、ベース106が在庫キャビネット112の延長部に取り付けられているような、ストレージに近接している環境では、デフォルトの電力レベルを、RFIDリーダー108の動作能力の低極値に設定することが望ましい場合がある。このようにして、システム100は、過度に拡張的な結果セットに圧倒されることはない。別の方法では、デフォルトの電力レベルを、RFIDリーダー108の動作能力の高極値に設定することが望ましい場合がある。この場合、システム100は、在庫保管場所および外科的処置が行われる滅菌フィールドからより遠い距離に配置される。別の考慮事項は、RFIDタグ20とRFIDリーダー108との間の一貫した通信を妨害する可能性がある環境内の周囲の電磁ノイズの量であり得る。
【0070】
システム100は、特定のタグから受信された応答信号の強度を評価し、受信された応答の強度を反映するインジケータを割り当てることができる。言い換えれば、システム100は、RFIDリーダーの初期送信信号の電力レベルに関連して、タグの後方散乱応答信号の電力レベルを報告する。応答信号強度インジケータまたはRSSIを使用して、RFIDリーダーの読み取りゾーン内の特定のタグの応答の品質を評価できる。
【0071】
デフォルトの電力レベルでRFIDリーダー108を動作させると、システム100は、RFIDリーダー108の有効範囲内でRFIDタグ20からの応答出力信号を受信する。1つの構成では、これらの信号内に含まれるのは、RFIDタグ20が取り付けられている手術用器具の一意の識別子、電力レベルパラメータ、およびパッケージ内容情報である。システム100は、そのような第1の応答を選択し、デフォルトの電力レベルとは異なる第1の応答の電力レベルパラメータで動作するようにRFIDリーダー108を再構成することができる。再構成されると、システム100は、RFIDリーダー108を第1の電力レベルで動作させて、第1の電力レベルで第1の応答セットを受信する。第1の応答セット内には、第1の電力レベルでのRFIDリーダー108の動作に応答するすべてのRFIDタグ20の一意の識別子、パッケージ内容情報、および電力レベルパラメータが含まれる。第1の応答セットを、デフォルトの電力レベルでのRFIDリーダーの動作に応答して選択された第1の応答からのパッケージ内容情報と比較することにより、システム100は、外科的処置にチェックインするための完全な第1のパッケージが存在するかどうか決定し、あるいはエラー状態を決定することができる。この一連のステップは、特定の外科的処置のためのすべての所望の手術用器具が集計されるまで繰り返され得る。
【0072】
1つの代替案では、特定のRFIDリーダー電力について、システム100は、スポンジタイプに関連するRSSIと比較して十分に強い応答信号を提供するこれらのタグ付き器具のみを集計するように構成され得る。例えば、RFIDリーダーを特定の電力レベルで動作させると、近くに保管されている器具を表す多数の応答が生成され得る。手術用器具の集計に最小限のRSSIを要求することで、集計のためにRFIDリーダーに特別に提示されたこれらの手術用器具のみが集計され、実際に外科的処置に利用できるようになる。また、他の近くの器具が意図せずに含まれることはない。
【0073】
チェックインプロセス中にパッケージの完全性をチェックして、HCPの混乱を回避し、外科的処置のために適切で予想される数量およびタイプのスポンジが存在することを確実にすることが重要である。システム100は、第1の応答セットを第1のパッケージ内容情報と比較することによって、期待されるすべての手術用器具が実際に存在することを検証している。例えば、第1の応答を選択し、関連する第1の電力レベルパラメータに再構成する際に、システム100は、そのスポンジタイプに指定された電力レベルパラメータで質問された場合にすべてのパッケージングされた内容より少ないものが存在する場合にエラー状態を決定するように構成される。電力レベルパラメータは、例えば、パッケージに含まれるスポンジの数、無線信号の効果的な通信を妨げる可能性のある材料のサイズと厚さなど、パッケージング構成に応じて特定のスポンジタイプに合わせて特別に調整される。具体的には、スポンジタイプの電力レベルパラメータは、RFIDリーダー108と集計のために提示されている手術用器具のパッケージとの間の距離を、第1の距離D1より大きく、第2の距離D2よりも小さい好ましい読み取り距離に維持するために選択される。第1の例では、第1の距離D1と第2の距離D2との間に定義された空間は、リーダーから離れた手術用器具の好ましい読み取り範囲を構成し、滅菌状態を維持し、またはHCPによるパッケージングまたは取り扱いに起因する、システム100の近くに保管されたスポンジの数量の影響を最小限に抑える。一例では、RFIDリーダーから測定して、第1の好ましい距離D1は約12インチであり、第2の好ましい距離D2は36インチである。
【0074】
RFIDリーダー108の読み取り範囲は、RFIDリーダー108からの距離がゼロから始まることを理解されたい。RFIDリーダー108のすぐ隣に配置されたRFIDタグは、その距離での質問に応答するため、RFIDリーダー108で読み取ることができる。パッケージング密度の違い、つまり、パッケージ内の器具の数、器具の材料による潜在的な干渉、および器具またはパッケージがHCPによってどのように保持されるかは、すべて応答信号の品質に影響を及ぼし、したがって読み取りの信頼性に影響を与える可能性があるすべての要因である。しかし、RFIDリーダーのすぐ隣に手術用器具を配置すると、手術用器具の滅菌性が損なわれる可能性がある。したがって、製品の滅菌性を維持するために、RFIDリーダーから十分に離れた好ましい読み取り範囲を確立することが好ましいが、単に近くに保管されている手術用器具からの応答を誘発するほど遠くはない。
【0075】
これらの測定値は単なる例示であり、限定することを意図するものではない。他の例では、手術用器具の滅菌性を維持し、他の環境条件への影響を最小限に抑えるために、第1および第2の距離について他の距離が企図されている。例えば、保管されたスポンジの在庫は、最大優先読み取り距離D2よりも長い距離D3に位置し、したがって、集計プロセス中のRFIDリーダー108の有効読み取り範囲外にあることが意図されている。
【0076】
スポンジタイプ(例えば、四角形の寸法および該当する場合は枚数で示される)、単一のパッケージ内の該当するタイプのスポンジの数、およびRFIDリーダー108のアンテナでの実効電力出力に対応する関連する電力レベルパラメータの例示的な表を以下に示す。
【0077】
【0078】
表に詳述されているように、異なるパッケージに関連する電力レベルの範囲は、10dBmから25dBmの範囲である。電力単位dBm(またはdBmwとして表される)は、1ミリワット(mW)を基準にしてデシベル(dB)で表される電力比を示すために使用されるレベルの単位である。パッケージ数量の範囲は、単一のパッケージ内で1個のスポンジから10個のスポンジの間であり得るが、他の数量も本開示の範囲内で企図される。他のすべてが一定であると仮定すると、パッケージ内のスポンジが多いほど、関連するスポンジタイプの関連する電力レベルパラメータが高くなる。スポンジが1つしかないパッケージでは、電力レベルのパラメータが低くなる。パッケージ内のスポンジのサイズは、パッケージ内のスポンジの数を考慮するのに加えて、パッケージの電力レベルに影響を与え得る。例えば、上記の表には、1パッケージ当たりの数量が1個でいくつか示されているが、材料が多い、つまりサイズが大きいこれらのスポンジは、通常、電力レベルが低くなる。このようにして、システム100は、外科的処置中に手術用器具の在庫を効果的に管理し、近くに保管されている手術用器具の不注意な集計を回避する。
【0079】
上記の表は、パッケージ内のスポンジの一次寸法および単一パッケージ内の該当するタイプのスポンジの数量によるパッケージタイプの例示的な例を提供することにも留意されたい。この表は限定することを意図しておらず、他のサイズ、他の数量、または他のタイプの手術用器具も同様に本開示によって企図されている。
【0080】
特定のパッケージタイプに関連する電力レベルは、経験的に決定することができる。例えば、特定のパッケージタイプと数量の電力レベルを決定するために、そのタイプと数量のパッケージの一例を、実験の要因計画を使用して、様々な環境条件(つまり、スキャナの比較的近くに保管されている器具の数量と場所が異なる場合)で様々な電力レベルで走査できる。様々な条件にわたる結果セットを評価し、パッケージの内容を正常に読み取る際の環境ノイズの影響を最小限に抑えながら、パッケージ内のすべての器具を読み取る信頼性が最も高い結果セットを評価できる。好ましい電力レベルを決定する他の方法もまた採用され得ることがさらに企図される。
【0081】
外科用器具の在庫の管理に関連して、システム100は、外科用器具の在庫の状態をHCPに通信するためのディスプレイ102を含む。具体的には、システム100は、集計された手術用器具のタイプおよびその数量、ならびに器具が外科的処置から取り出された後に集計除外された手術用器具の数量を識別する情報を表示することができる。
【0082】
システム100はまた、RFIDリーダーがその器具タイプに対応する電力レベルパラメータで動作するように構成された場合に、パッケージ内のスポンジの数量のすべてより少ない数量が結果セットに現れる場合など、エラー状態の決定についてHCPに警告するように構成され得る。システム100は、提示されたスポンジのタイプ、存在するものとして集計された数、パッケージ内に予想される数、および2つの間の不一致の識別など、エラーに関する情報をディスプレイ102に表示することができる。システム100は、代替として、またはさらに、このアラート表示に、可聴警報、点滅灯などの視覚アラートを伴うことができる。システム100はまた、例えば、リーダー108がベース106からドッキング解除された場合、移動式RFIDリーダー108内で触覚応答を起動することができる。触覚応答は、振動パルスまたはパルスのパターンを含み得る。
【0083】
別の方法では、束30は、一意の識別情報を含むマスタータグ32を含み得る。例えば、マスタータグ32は、束30に含まれる手術用スポンジ10の数を含み、ならびに束30に含まれる各スポンジ10の一意の識別情報を含み得る。マスタータグ32は、束30内のスポンジの一意の識別番号(identification)に加えて、パッケージの一意の識別番号を含み得る。
【0084】
マスタータグ32は、RFIDタグ20の位置に基づいて走査されるべき束30またはパッケージ/物体の側面を識別するように構成され得る。例えば、マスタータグ32またはパッケージ38は、最適な精度のために走査されるべき束30の側面を指す矢印など、そのような配置/方向付けを容易にするためのインジケータ40を含み得る。あるいは、インジケータ40を、スキャナに最も近く配置されるべき束の側面に配置することができる。インジケータ40は、スポンジ30の束の1つまたは複数の側面に配置することができる。インジケータ40は、束の任意の側面/面に配置することができる。
【0085】
個々のスポンジ、複数のスポンジ、束30または複数の束30を保持するように構成された容器50は、容器50の内容を識別するように構成された同様のマスタータグ52を含み得る。例えば、容器マスタータグ52は、容器50に含まれるスポンジの数または束30の数などの容器50の内容、ならびに容器50に含まれる追加の機器または医療器具を識別し得る。手術用スポンジ30の束を保持するように構成された容器50は、インジケータ40に関して上記したように、最適な走査方向/位置/動きを識別するように構成された同様のインジケータを備え得る。マスタータグ32、52は、束30または容器50に関連して提供され、人が読める、または機械が読める情報、例えば、RFIDタグ、バーコード、QRコード(登録商標)などを提供し得る。マスタータグ32、52は、RFIDタグ20などの器具タグで提供されるのと同じ追加情報または同一の情報を提供することができる。マスタータグ32、52は、外科的処置で器具を使用する前に追加の検証を実行するのに有用である。
【0086】
外科的処置中に使用される手術用器具の在庫を管理する第1の方法400が図示されている。手術用器具は、上記のように、手術用スポンジ10であり得る。説明された方法400を実装することは、HCPが外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にするのを助ける。この方法は、手術用スポンジなどの手術用器具の在庫を提供する第1のステップ402を含む。在庫は、
図2に図示される移動式キャビネット112などの容器に保管することができる。在庫には、手術用器具のパッケージが含まれている。第1の例では、在庫は、第1のスポンジタイプの少なくとも第1の手術用スポンジを含む少なくとも第1のパッケージを含む。第1の手術用スポンジは、スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶する第1のRFIDタグを含む。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。「第1」または「第2」という指定の使用は、集計方法ステップの個別の反復を指すだけであり、特に明記されている場合を除き、「第1」が「第2」と異なることを制限または要求することを意図するものではない。
【0087】
上記のように、パッケージは、単一のパッケージ内に2、3、5、10、20以上の数量など、複数の器具を含み得る。一意の識別子は、RFIDタグに記憶された識別スキームの単一のメモリデータフィールドであるか、複数のデータフィールドのエントリを組み合わせて単一の一意の識別子を構成し得る。パッケージ内容情報には、一意のパッケージおよびパッケージの内容(数量など)を識別するために必要なそのような情報が含まれる。一例では、パッケージ内容情報は、識別スキーム120の一意のパッケージID126に関連し、完全なパッケージ数量を取得するためのスポンジタイプID124と、特定のスポンジが完全な数量の中で占めるパッケージ内の位置を識別するスポンジ番号128とを含むことができる。
【0088】
この方法は、デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させる第2のステップ404を含む。RFIDリーダーを動作させるステップは、RFIDリーダーの範囲内でRFIDタグの応答を引き出すために無線エネルギーの放出を起動することを指す。このステップを開始するために、HCPは直接または他の接続されたハードウェア部品を介してRFIDリーダーに入力を提供し得る。デフォルトの電力レベルは、必ずしも特定のスポンジタイプに関連していないリーダーの電力レベル設定を示す。例えば、デフォルトの電力レベルは、RFIDリーダーの動作能力の中間範囲を表し得る。あるいは、デフォルトの電力レベルは、RFIDリーダーが読み取るように適合されている様々なスポンジタイプに関連する電力レベルパラメータの中間範囲を表し得る。一例では、デフォルトの電力レベルパラメータは15dBmとすることができる。他の代替案では、デフォルトの電力レベルは、RFIDリーダーが動作する特定の環境、または上記の他の考慮事項に応じて、RFIDリーダーの可能範囲の最大または最小の極値の1つになるように選択できる。
【0089】
この方法は、RFIDリーダーで、デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させることに対する1の応答または複数の応答を受信するステップ406を含む。このステップは、HCPが、RFIDタグ付き手術用器具のパッケージをRFIDリーダーに具体的に提示すること、またはその逆に、RFIDリーダーがRFIDリーダーの有効な読み取り範囲内に収まるようにパッケージを配置することを含む。好ましい読み取り範囲は、12インチから36インチの間であり得る。ステップ404への応答は、1つまたは複数のタグデータを含み得る。例えば、複数のRFIDタグが存在する環境では、RFIDリーダーはアンチコリジョン機能を使用するか、1回の読み取り動作で複数のタグのデータを読み取り、収集し、処理することができる。例えば、このようなアンチコリジョン機能は、業界標準のISO/IEC15693-3:2009-アンチコリジョンおよび伝送プロトコルで説明されている。RFIDリーダーは、本方法の動作を実行するためにコンピュータ処理デバイスと通信しているか、コンピュータ処理デバイスを組み込んでいる。情報は、RFIDリーダーのメモリ、別のコンピュータ処理デバイスのメモリに記憶されているデータベースに保持されるか、複数のコンピュータ処理デバイスに分散され得る。任意の処理または計算ステップの記述は、RFIDリーダー、またはRFIDリーダーと通信している別のデバイスによって実行され得る。
【0090】
受信した応答データのうち、第1のタグのデータは、方法400のステップを継続するために使用され、第1のタグのデータは、第1の一意の識別子、第1のRFIDタグに記憶された第1の電力レベルパラメータ、および第1のタグの第1のパッケージ内容情報を含む。このステップ406から方法400を継続するためのデータは、応答時間内に受信された第1の完全なデータであり得る。あるいは、ステップ406の応答は、あるタイプのスポンジの使用を他のタイプのスポンジよりも優先するか、または他の基準を使用して特定のスポンジを指定または選択して、方法400のステップを順番に進めることができる。一例では、デフォルトの電力レベルで受信された応答データを評価して、単一のパッケージからの複数のスポンジが応答セットに存在するかどうかを決定することができる。単一パッケージからのスポンジが最小割合であることのスポンジが応答データに存在する場合、方法400のステップを継続するための第1のタグは、応答セットにおいて少なくとも最小割合が存在するパッケージから選択される。最小割合は、完全なパッケージ内のスポンジの約25%から約50%の間であり得る。最小割合は、完全なパッケージのスポンジの少なくとも30%であり得る。
【0091】
第1のRFIDタグデータに基づいて、方法400は、第1のスポンジタイプに対応する第1の電力レベルパラメータに従って動作するようにRFIDリーダーを再構成するステップ408、RFIDリーダーを第1の電力レベルで動作させるステップ410を含む。この動作は、RFIDリーダーによる2回目の質問を構成するが、デフォルトの電力レベルとは異なる電力レベルである。第1の電力レベルは、デフォルトの電力レベルよりも高い場合も低い場合もあり、これにより、より多くのまたはより少ない応答性の高いタグの回答となる。第1の電力レベルがデフォルトの電力レベルよりも高い場合、例えば、単一のパッケージに複数のスポンジがより密に詰め込まれたスポンジタイプの場合、より強力な質問が複数のタグの近接によって引き起こされる干渉を克服することにより、より応答性の高いタグが発見され得る。第1の電力レベルがデフォルトの電力レベルよりも低い場合、単一のスポンジタイプを1つのパッケージにパッケージングした場合など、有効な読み取り範囲がより近い範囲に低下するため、応答タグが少なくなる。したがって、方法400は、第1の電力レベルに設定された第1の応答を受信するステップ412を含む。
【0092】
第1の電力レベルで第1の応答セットを受信するステップ412の間に、システムは、第1のスポンジタイプに対応する単一のスポンジタイプを選択的に探すように構成され得る。第1のスポンジタイプと一致しない第1の電力レベルでの質問に対する応答は第1の応答セットから自動的に除外され、処理されるデータの量を減らすことができる。
【0093】
次に、方法400は、エラー状態を決定するために、デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルでのRFIDリーダーの動作に応答した第1の応答セットと、第1のパッケージ内容情報とを比較するステップ414を含む。第1の応答セット内には、第1の電力レベルでのRFIDリーダーの有効読み取り範囲内に存在するすべてのタグの一意の識別情報がある。デフォルトレベルでRFIDリーダーを動作させ、第1のパッケージ内容情報を受信するステップ404への応答に基づいて、第1の応答セット(RFIDリーダーを第1の電力レベルで動作した場合の応答)との比較を行うことができる。
【0094】
パッケージが完全である、すなわちエラーが存在しない状態では、第1の応答セットは、第1のパッケージ内容情報によって示されるすべてのスポンジの識別番号を適切に含むであろう。第1のパッケージ内容情報が単一パッケージ内の複数のスポンジの情報である場合、これは、外科的処置中の手術用器具の使用を管理し、外科的処置後の患者内での手術用器具の望ましくない取り残しを回避する際のHCPのエラーまたは混乱を最小限に抑えるために、期待されるすべての器具が実際に存在することの重要な検証である。この場合、手術用器具の完全なパッケージは、ステップ416で外科的処置に集計され、器具は、外科的処置においてHCPの手元にある適切なステージング領域に配置され得る。デフォルトの電力でRFIDリーダーを動作させるステップ404から始まる上記のステップは、手術用器具の所望の在庫が集計され、外科的処置に利用可能になるまで、ブランチ417に沿って繰り返され得る。RFIDが説明されたステップを実行すると、パッケージ数量および関連する電力レベルが異なる様々なタイプのスポンジが一緒に存在し得る。異なるパッケージタイプに関連する異なる電力レベルは、スポンジのタイプに関係なく、RFIDリーダーと手術用スポンジのパッケージとの間で約12インチから約36インチの好ましい読み取り範囲を維持する。
【0095】
第1の応答セットを第1のパッケージ内容情報と比較することは、パッケージが完全なパッケージではないことを示し得る。ステップ418でこの決定を行うと、HCPはエラーについて警告され得る。このステップは、様々な方法で実行できる。例えば、RFIDリーダーと通信するディスプレイ上でHCPに視覚的アラートを表示することができる。視覚的アラートには、提示されたスポンジのタイプ、応答しているタグの数とID、パッケージ内に期待される数、2つの間の不一致の識別など、エラーに関する特定の情報が表示され得る。代替として、またはさらに、HCPは、ディスプレイまたはRFIDリーダーの点灯または点滅するライトなどの他の視覚的アラートでエラー決定を警告され得る。HCPは、例えばRFIDリーダー内で、可聴警報または触覚応答を伴って、エラーについて警告されてもよい。触覚応答は、振動パルスまたはパルスのパターンを含み得る。
【0096】
エラー状態について警告をされると、HCPは、可能であればエラーを修正するか、またはスポンジの不完全なパッケージを廃棄して、在庫に提供される他のパッケージに移り、ブランチ419に沿って進み、RFIDスキャナをデフォルトの電力レベルで動作させることから始まって、所望の手術用器具の在庫が集計されて外科的処置に利用できるようになるまで続く方法400のステップを繰り返すことができる。
【0097】
手術用器具の所望の在庫が集計されると、HCPは、ステップ420として外科的処置を進めることができる。外科的処置が完了すると、ステップ422で手術用器具が患者から取り出される。患者からの取り出しに続いて、例えば、ステップ424でRFIDリーダーを用いて手術用器具を再び読み取ることによって、手術用器具が集計除外される。あるいは、手術用器具を集計除外することは、手術用器具に提供されたラベルを光学的に走査すること、または手術用器具を集計除外として指定するために情報を手動で入力することを含み得る。
【0098】
集計除外ステップ424の間、RFIDリーダーはデフォルトの電力レベルで動作することができる。あるいは、RFIDリーダーは、処置用に集計され、まだ集計除外されていないスポンジタイプの電力レベルパラメータに対応する電力レベルで動作し得る。複数のスポンジタイプが集計され、スポンジタイプが異なる関連電力レベルパラメータを有する場合、RFIDリーダーは、異なるスポンジタイプに関連する異なる電力レベルで動作を循環させながら、順次質問動作を実行することによって動作することができる。RFIDリーダーは、応答セットを受信し、特定の質問サイクルの電力レベルに関連していない他のタイプのスポンジの応答を除外しながら、特定の質問サイクルの電力レベルに対応するタイプのスポンジからの応答のみを登録できる。
【0099】
方法400はまた、手術用器具在庫の状態を表示するステップ426を含む。
図4に図示する方法の最後に図示されているが、このステップは、本方法全体を通して持続的に実行され得ることが企図され、RFIDリーダーの質問ステップ406、412に応答するスポンジのタイプを示し、外科的処置が進行するにつれて、集計および集計除外された外科用器具の現在の集計を維持する。例えば、器具在庫の状態を表示することは、存在する手術用器具のタイプごとに、集計および集計除外された手術用器具の特定の集計を表示することを含み得る。在庫状態のこの表示は、外科的処置のために存在する手術用器具の直接かつ即時の計算を提供し、手術用器具の使用を追跡および集計する際のHCPの負担を最小限に抑え、外科的処置後に患者に手術用器具が取り残されないことを確実にする。
【0100】
外科的処置中に使用される手術用器具の在庫を管理する第2の方法500が
図5に図示されている。手術用器具は、上記のように、手術用スポンジ10であり得る。説明された方法500を実装することは、HCPが外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にするのを助ける。本明細書に記載されている任意の方法およびシステムの任意の特徴/ステップは、全体を通して説明されている他の方法およびシステムと共に使用できることを理解されたい。
【0101】
方法500は、手術用スポンジなどの手術用器具の在庫を提供する第1のステップ502を含む。在庫は、
図2に図示される移動式キャビネット112などの容器に保管することができる。在庫には、手術用器具のパッケージが含まれている。第1の例では、在庫は、第1のスポンジタイプの少なくとも第1の手術用スポンジを含む少なくとも第1のパッケージを含む。第1の手術用スポンジは、スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶する第1のRFIDタグを含む。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。「第1」または「第2」という指定の使用は、集計方法ステップの個別の反復を指すだけであり、特に明記されている場合を除き、「第1」が「第2」と異なることを制限または要求することを意図するものではない。
【0102】
上記のように、パッケージは、単一のパッケージ内に2、3、5、10、20以上の数量など、複数の器具を含み得る。一意の識別子は、RFIDタグに記憶された識別スキームの単一のメモリデータフィールドであるか、複数のデータフィールドのエントリを組み合わせて単一の一意の識別子を構成し得る。パッケージ内容情報には、一意のパッケージおよびパッケージの内容(数量など)を識別するために必要な情報が含まれる。一例では、パッケージ内容情報は、識別スキーム120の一意のパッケージID126に関連し、完全なパッケージ数量を取得するためのスポンジタイプID124と、特定のスポンジが完全な数量の中で占めるパッケージ内の位置を識別するスポンジ番号128とを含むことができる。
【0103】
方法500は、RFIDリーダーを動作させるステップ504と、RFIDリーダーを動作させることに応答してタグ情報を受信するステップ506とを含む。このステップを開始するために、HCPは直接または他の接続されたハードウェア部品を介してRFIDリーダーに入力を提供し得る。このステップは、HCPが、RFIDタグ付き手術用器具のパッケージをRFIDリーダーに具体的に提示すること、またはその逆に、RFIDリーダーがRFIDリーダーの有効な読み取り範囲内に収まるようにパッケージを配置することを含む。好ましい読み取り範囲は、12インチから36インチの間であり得る。ステップ504への応答は、1つまたは複数のタグデータを含み得る。例えば、複数のRFIDタグが存在する環境では、RFIDリーダーはアンチコリジョン機能を使用するか、1回の読み取り動作で複数のタグのデータを読み取り、収集し、処理することができる。例えば、このようなアンチコリジョン機能は、業界標準のISO/IEC15693-3:2009-アンチコリジョンおよび伝送プロトコルで説明されている。RFIDリーダーは、本方法の動作を実行するためにコンピュータ処理デバイスと通信しているか、コンピュータ処理デバイスを組み込んでいる。情報は、RFIDリーダー、別のコンピュータ処理デバイスのメモリに記憶されているデータベースに保持されるか、複数のコンピュータ処理デバイスに分散され得る。任意の処理または計算ステップの記述は、RFIDリーダー、またはRFIDリーダーと通信している別のデバイスによって実行され得る。
【0104】
受信した応答データのうち、第1のタグのデータは、方法500のステップを継続するために使用され、第1のタグのデータは、スポンジタイプを識別するのに十分な第1の一意の識別子および情報を含む。スポンジタイプを識別する情報には、特定のスポンジタイプの関連するRSSI集計閾値が含まれるか、それを取得するために使用され得る。このステップ506から方法500を継続するためのデータは、応答時間内に受信された第1の完全なデータであり得る。あるいは、ステップ506の応答は、あるタイプのスポンジの使用を他のタイプのスポンジよりも優先するか、または他の基準を使用して特定のスポンジを指定または選択して、方法500のステップを順番に進めることができる。
【0105】
第1のRFIDタグデータに基づいて、方法500は、第1のRFIDタグ応答のRSSIを決定するステップ508、および決定されたRSSIを、スポンジタイプに関連するRSSI閾値を含むタグ情報と比較するステップ510を含む。RFIDリーダーは、第1のRFIDタグ応答のRSSIを決定するか、第1のRFIDタグ応答を処理してRSSIを決定するために、システムコンピュータなどの別のコンピューティングデバイスに第1のRFIDタグ応答に関連する情報を通信し得る。RSSIは、応答を促す質問信号の電力に対する応答信号の電力の測定値として決定される。
【0106】
特定のタグについて決定されたRSSIがスポンジタイプに関連するRSSI閾値以上である場合、関連するスポンジは、ステップ512でそれと共に使用するための外科的処置に集計される。関連する手術用器具タイプの関連するRSSI閾値を満たさない、または超えないタグ応答は、HCPに警告しなければならないエラーを意味しないことが企図されている。むしろ、低いRSSIは、例えば、近くに保管されているが外科的処置での使用を目的としていない手術用器具からの環境ノイズとしてのタグ応答を単に意味し得る。ブランチ513に沿って示されるように、リーダーを動作するステップ504、タグ情報を受信するステップ506、RSSI値を決定するステップ508、および比較ステップ510は、手術用器具の所望の在庫が外科的処置にチェックインされるまで継続および繰り返される。
【0107】
方法500は、器具在庫の状態を表示するステップ520を含む。
図5に図示する方法の最後に図示されているが、このステップは、本方法全体を通して持続的に実行されることが企図され、RFIDリーダーの質問ステップ506に応答するスポンジのタイプを示し、外科的処置が進行するにつれて、集計および集計除外された外科用器具の現在の集計を維持する。例えば、器具在庫の状態を表示することは、存在する手術用器具のタイプごとに、集計および集計除外された手術用器具の特定の集計を表示することを含み得る。在庫状態のこの表示は、外科的処置のために存在する手術用器具の直接かつ即時の計算を提供し、手術用器具の使用を追跡および集計する際のHCPの負担を最小限に抑え、外科的処置後に患者に手術用器具が取り残されないことを確実にする。
【0108】
手術用器具の特定のパッケージが集計のためにHCPによって提示されるが、例えば、表示ステップを更新し、集計済みとしてパッケージ数量およびタイプを追加するなどのシステムによる承認がされない場合、HCPは、パッケージをRFIDリーダーに近づけるか、パッケージをリーダーの前の中央に配置することにより、RFIDリーダーに対するパッケージの位置を調整しようと試み得る。HCPは、パッケージを回転させてRFIDリーダーに対する向きを調整するか、RFIDリーダーに対するパッケージの移動と回転の組み合わせによって、パッケージの集計を試み得る。場合によっては、特定の器具に決定されたRSSIが、器具タイプに関連する閾値RSSIに到達できないことがある。この場合、HCPは器具を不良品として廃棄することができる。集計フェーズで十分に強い応答信号を達成できない場合は、集計除外フェーズ中に器具が応答信号を提供できないことを示し、外科的処置の終了時に器具在庫を管理および計算しようとするHCPの混乱につながる可能性がある。
【0109】
手術用器具の所望の在庫が集計されると、HCPは、ステップ514として外科的処置を進めることができる。外科的処置が完了すると、ステップ516で手術用器具が患者から取り出される。患者からの取り出しに続いて、例えば、ステップ518でRFIDリーダーを用いて手術用器具を再び読み取ることによって、手術用器具が集計除外される。あるいは、手術用器具を集計除外することは、手術用器具に提供されたラベルを光学的に走査すること、または手術用器具を集計除外として指定するために情報を手動で入力することを含み得る。
【0110】
集計除外ステップ518の間、質問信号への応答が受信され、スポンジが以前に処置用に集計されている場合、RFIDリーダーは、デフォルトの電力レベルで動作し、スポンジを集計除外することができる。あるいは、RFIDリーダーは、処置用に集計されたスポンジタイプに関連する電力レベルパラメータに従って、連続する質問サイクルの電力レベルを変化させることによって動作し得る。さらなる代替案では、RFIDリーダーは、ステップ424で前述した可変電力レベルの手法を、特定のスポンジのRSSIの評価と組み合わせて、適切なスポンジが集計除外されていることを確認できる。集計除外プロセス中に必要なRSSIを達成するために、スポンジをRFIDリーダーの範囲内に提示することができ、これにより、手術野に残っているスポンジが不注意に集計除外されない。
【0111】
上記の説明と一致して、方法500は、例えば、外科的処置を通して集計および集計除外された器具の識別番号を提供することを含む、器具在庫520の状態を表示することを含む。
【0112】
外科的処置中に使用される手術用スポンジの在庫を管理するさらなる方法600が
図6に図示されている。上記の方法400、500と同様に、手術用器具は、上記のように手術用スポンジ10であり得、この方法は、外科的処置後の手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする際にHCPを支援するのに役立ち得る。この場合も、上記の方法400、500のように、方法600は、手術用スポンジなどの手術用器具の在庫を提供する第1のステップ602を含む。在庫は、
図2に図示される移動式キャビネット112などの容器に保管することができる。在庫には、手術用器具のパッケージが含まれている。第1の例では、在庫は、第1のスポンジタイプの少なくとも第1の手術用スポンジを含む少なくとも第1のパッケージを含む。第1の手術用スポンジは、スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶する第1のRFIDタグを含む。第1のパッケージ内容情報は、第1のパッケージの完全な内容に対応している。「第1」または「第2」という指定の使用は、集計方法ステップの個別の反復を指すだけであり、特に明記されている場合を除き、「第1」が「第2」と異なることを制限または要求することを意図するものではない。
【0113】
上記のように、パッケージは、単一のパッケージ内に2、3、5、10、20以上の数量など、複数の器具を含み得る。一意の識別子は、RFIDタグに記憶された識別スキームの単一のメモリデータフィールドであるか、複数のデータフィールドのエントリを組み合わせて単一の一意の識別子を構成し得る。パッケージ内容情報には、一意のパッケージおよびパッケージの内容(数量など)を識別するために必要な情報が含まれる。一例では、パッケージ内容情報は、識別スキーム120の一意のパッケージID126に関連し、完全なパッケージ数量を取得するためのスポンジタイプID124と、特定のスポンジが完全な数量の中で占めるパッケージ内の位置を識別するスポンジ番号128とを含み得る。
【0114】
方法600は、RFIDリーダーを動作させるステップ604と、RFIDリーダー604を動作させることに応答してタグ情報を受信するステップ606とを含む。RFIDリーダーを動作させるステップ604は、RFIDリーダーを初期電力レベルで第1の期間動作させることを含む。このステップ604の間に、RFIDリーダーは、第1の限られた期間中に第1の応答セットを収集する。初期電力レベルに基づいて、第1の応答セットが評価され、完全な第1のパッケージが応答セットに存在するかどうかが決定される。つまり、収集されたタグ応答、およびタグ応答のパッケージ内容情報に基づいて、完全なパッケージのすべての器具が、第1の期間、初期電力レベルで動作しているRFIDリーダーに応答したものとして応答セットに存在するかどうかが決定される。完全なパッケージが応答セット内に存在することを決定すると、方法600は、任意選択で、完全なパッケージが、ステップ604におけるRFIDリーダーの初期電力レベルと一致する関連する電力レベルを有するタイプであるかどうかを評価するステップを含む。
【0115】
完全なパッケージが存在し、完全なパッケージが初期電力レベルと一致する関連する電力レベルを有するタイプであると決定すると、完全なパッケージ内の器具は、ステップ610で外科的処置に集計される。完全なパッケージが発見されるが、その器具が初期の電力レベルと一致する関連する電力レベルを有するタイプではない場合があり得るが、その場合、その器具は外科的処置に集計されない。
【0116】
器具が第1の期間の初期電力レベルでのRFIDリーダーの最初の動作の後に集計されると、RFIDリーダーは、ステップ612で、初期電力レベルと異なる、増加(増分)(increment)した電力レベルで動作するように再構成され得る。この方法は、低電力レベルのRFIDリーダーから開始して高電力レベルに増分するか、あるいは高電力レベルのRFIDから開始して低電力レベルに増分することができる。より高い電力レベルでは、近くに保管されている器具からのバックグラウンドタグ応答がRFIDリーダーで受信される可能性が高くなる。より低い電力レベルでは、タグが互いに近接していると、RFIDリーダーの質問機信号の干渉または減衰が発生するため、密集してパッケージングされた手術用器具から受信するタグ応答が少なくなる可能性がある。したがって、RFIDリーダーの動作能力内で電力レベルの範囲を循環して、RFIDタグ付き器具の適切なセットが外科的処置に確実に集計されるようにすることは有益である。
【0117】
電力レベルの増加、応答セットの受信、およびパッケージの集計でRFIDリーダーを動作させるステップは、それらが完全であると決定され、循環動作の電力レベルと一致する関連する電力レベルを有するタイプである場合、所望のRFIDタグ付き器具在庫が処置用に集計されるまで、ブランチ613に沿って継続できる。手術用器具の所望の在庫が外科的処置に集計されると、HCPは、ステップ614として外科的処置を進めることができる。外科的処置が完了すると、ステップ616で手術用器具が患者から取り出される。患者からの取り出しに続いて、例えば、ステップ618で、RFIDリーダーを用いて手術用器具を再び読み取ることによって、手術用器具が集計除外される。集計除外ステップ618において、RFIDリーダーは、デフォルトの電力レベルで動作することができる。別の方法として、集計除外ステップ618は、上記の集計除外ステップ424またはステップ518の両方と同様であってもよい。あるいは、手術用器具を集計除外することは、手術用器具に提供されたラベルを光学的に走査すること、または手術用器具を集計除外として指定するために情報を手動で入力することを含み得る。上記の説明と一致して、方法600は、例えば、外科的処置を通して集計および集計除外された器具の識別番号を提供することを含む、器具在庫の状態を表示することを含む。
【0118】
一実施例では、ステップ402で、在庫112などのスポンジの在庫が提供される。RFIDリーダー108などのRFIDリーダーが提供され、タッチスクリーン104またはRFIDリーダー108に入力することにより、集計モードで動作するように切り替えられる。RFIDリーダー108は、システムコンピュータ101またはRFIDリーダー108の1つに記憶されている15dBmのデフォルト電力レベル値で最初に動作するように構成される。RFIDリーダー108は、ステップ404などで質問サイクルを実行し、集計のためにRFIDリーダーに提示された在庫の一部から質問応答の第1の応答セットを受信する。システム100は、システムコンピュータ101またはRFIDリーダー108のいずれかにおいて、例えばステップ406で、単一のパッケージ内のスポンジの少なくとも30%を識別するために、第1の応答セットを評価する。RFIDリーダー108は、2個の18”×18”のラップスポンジが、同じ一意のパッケージID126を有する第1の応答セットに存在することを決定する。
【0119】
RFIDリーダー108は、例えばステップ408で、18”×18”ラップスポンジタイプに関連する電力レベルパラメータである14dBmで動作するように再構成する。電力レベルパラメータは、システムコンピュータ101またはRFIDリーダー108に記憶されたルックアップテーブルまたはデータベースから取得される。RFIDリーダー108は、例えばステップ410で、14dBmで質問サイクルを実行する。RFIDリーダー108は、例えばステップ412で、第2の応答セットを受信する。第2の応答セットには、完全なパッケージを表す同じ一意のパックID126を有する5個の18”×18”のラップスポンジからの応答データが含まれている。任意選択で、システムは、18”×18”のラップスポンジタイプに対応しない第2の応答セットのデータを除外し得る。システム100は、例えばステップ414で完全なパッケージを決定し、例えばステップ416で外科的処置で使用するための5個の18”×18”のラップスポンジを集計する。RFIDリーダー108は、デフォルトの電力レベルで動作するように再構成され、例えばステップ417で、必要なすべての器具が集計されるまで、在庫112の残りの部分に対する在庫確認を継続する。RFIDリーダー108は、同じシーケンスに従い、デフォルトの電力レベルで、パッケージ内の10個の2”×2”のゲージスポンジのうちの少なくとも3つを検出し、25dBmで動作するように再構成し、25dBmの電力レベルでパッケージ内の10個のスポンジのうち10個を検出して、10個の2”×2”のガーゼスポンジのパッケージを集計する。在庫112の残りが集計されると、例えばステップ420で、集計された器具を用いて手術が実行される。
【0120】
外科的処置が完了した後、集計された器具は集計除外され、その結果、ステップ424などの手順の後に、患者内に意図せずに器具が取り残されることはない。RFIDリーダー108は、タッチスクリーン104またはRFIDリーダー108に入力を提供することによって、集計除外モードで動作するように切り替えられる。RFIDリーダー108は、集計された18”×18”のラップスポンジおよび2”×2”のガーゼスポンジをそれぞれ探しながら、300ミリ秒間隔で14dBmおよび25dBmで連続的な質問サイクルを実行する。連続する質問は、1つのタイプのスポンジがすべて集計除外されるまで続く。その後、連続する質問サイクルは、集計されたスポンジタイプに関連する電力レベルでのみ発生する。任意選択として、システム100は、応答セットで識別された各スポンジに関連するRSSIを評価して、スポンジが集計除外される前に最小の応答強度が存在することを確認することができる。
【0121】
いくつかの説明が前述の開示において説明されてきた。しかし、本明細書における説明は、網羅的であったり、特定の形式を制限したりすることを意図したものではない。使用されている用語は、限定ではなく説明の言葉の性質にあることを意図したものである。上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能であり、本開示は、具体的に記載されている以外の方法で実施することができる。
出願時の特許請求の範囲は以下の通り。
[請求項1]
外科的処置中に使用される手術用スポンジを管理して、前記外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用スポンジの供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、ステップと、
デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記RFIDリーダーで、前記第1の一意の識別子、前記第1のRFIDタグに記憶されている前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を受信するステップと、
前記受信した第1の電力レベルパラメータに対応する、前記デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
前記第1の電力レベルで前記RFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第1の電力レベルで第1の応答セットを受信するステップと、
前記第1の応答セットを前記第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定するステップと、
ノーエラー状態が決定された場合に、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1のパッケージ内容情報を識別するステップと、
前記デフォルトの電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
外科的処置のために前記第1の手術用スポンジを体内に配置するステップと、
前記体から前記第1の手術用スポンジを取り出すステップと、
前記RFIDリーダーを動作させ、前記RFIDリーダーで前記第1のRFIDタグを読み取り、前記外科的処置の前記データベース記録を更新することにより、前記第1の手術用スポンジを集計除外するステップと、
前記データベース記録に基づいて集計および集計除外の状態を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表示するステップと
を含む、方法。
[請求項2]
前記第1のパッケージは複数の手術用スポンジをさらに含み、各手術用スポンジには、前記第1のパッケージの各手術用スポンジに関連する一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータを記憶する関連するRFIDタグが含まれ、
各RFIDタグの前記第1のパッケージ内容情報には、前記第1のパッケージ内の他のすべての手術用スポンジを識別するための情報が含まれている、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
手術用スポンジの前記供給物は、第2のスポンジタイプの第2の手術用スポンジおよび前記第2のスポンジタイプの第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージを含み、前記第2のスポンジタイプは、前記第1のスポンジタイプとは異なり、
前記第2の手術用スポンジおよび前記第3の手術用スポンジがそれぞれ第2のRFIDタグおよび第3のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子を記憶し、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子を記憶し、前記第2のRFIDタグと前記第3のRFIDタグは、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の電力レベルパラメータも記憶し、前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応する、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
[請求項4]
前記デフォルトの電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成した後、前記デフォルトの電力レベルで前記RFIDリーダーを動作させ、前記RFIDリーダーで、前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子のうちの1つ、前記第1の電力レベルパラメータとは異なる前記第2の電力レベルパラメータ、および前記第2のパッケージ内容情報を受信するステップと、
前記デフォルトの電力レベルとは異なる前記第2の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
第2の応答セットを受信するステップと、
前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子が前記第2の応答セットに存在する場合、前記データベース記録に集計済みとして前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジを識別するステップと、
前記第2の応答セットを前記第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定するステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
[請求項5]
前記エラー状態が決定された場合にアラートをトリガーするステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
[請求項6]
前記アラートをトリガーするステップは、警報を鳴らすこと、警告を表示すること、触覚応答を起動すること、およびそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項5に記載の方法。
[請求項7]
前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致しない場合に、前記エラー状態が決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
[請求項8]
前記外科的処置が行われる滅菌フィールドに隣接して前記RFIDリーダーを配置するステップと、
前記第1の手術用スポンジを集計済みとして識別した後、前記第1のパッケージから前記第1の手術用スポンジを取り出すステップと
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
[請求項9]
前記第1の応答セットを受信する前記ステップと前記第2の応答セットを受信する前記ステップは、それぞれ、前記第1のパッケージおよび前記第2のパッケージを、前記RFIDリーダーから第1の距離および第2の距離に配置することを含み、
前記第1の距離は前記第1のパッケージの第1の読み取り範囲であり、前記第2の距離は前記第2のパッケージの第2の読み取り範囲であり、
前記第1の電力レベルパラメータおよび前記第2の電力レベルパラメータは、前記第1の距離および前記第2の距離が同じ読み出し距離の範囲内にあるように選択される、請求項4に記載の方法。
[請求項10]
前記読み出し距離の範囲は、約12インチから約36インチの間である、請求項9に記載の方法。
[請求項11]
外科的処置中に使用される手術用スポンジを管理して、前記外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用スポンジの供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子を記憶する第1のRFIDタグを含む、ステップと、
RFIDリーダーを動作させて手術用スポンジの前記供給物の前記RFIDタグを読み取るステップと、
前記RFIDリーダーの動作に応答して、前記RFIDタグに記憶された前記一意の識別子を含む応答信号を受信するステップ、
前記RFIDリーダーによって読み取られた場合の前記第1のRFIDタグからの前記応答信号の電力レベルの尺度として第1の受信信号強度インジケータ(RSSI)を決定するステップと、
前記第1のRSSIが前記第1のスポンジタイプに関連する第1の所定の閾値を満たした場合に、前記第1の手術用スポンジを前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして識別するステップと、
外科的処置のために前記第1の手術用スポンジを体内に配置するステップと、
前記体から前記第1の手術用スポンジを取り出すステップと、
前記RFIDリーダーで前記第1のRFIDタグを読み取り、前記データベースで集計除外されたものとして前記第1の手術用スポンジを識別するステップと、
前記データベース記録に基づいて集計および集計除外の状態を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表示するステップと
を含む、方法。
[請求項12]
手術用スポンジの前記供給物は、第2のスポンジタイプの第2の手術用スポンジを含む第2のパッケージをさらに含み、第2の手術用スポンジは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子を記憶する第2のRFIDタグを含み、
前記第2のRFIDタグから第2のRSSIを決定するステップと、
前記第2のRSSIが前記第2のスポンジタイプに関連する第2の所定の閾値を満たした場合に、前記データベースにおいて集計済みとして前記第2の手術用スポンジを識別するステップと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
[請求項13]
前記第1のパッケージは、パッケージごとに単一のスポンジを含み、前記第2のパッケージは、パッケージごとに複数のスポンジを含み、
前記第1のRSSIは、前記第2のRSSIよりも高い、請求項12に記載の方法。
[請求項14]
前記RFIDリーダーから第1の距離に前記第1のパッケージを配置するステップであって、前記第1の距離は、前記第1のパッケージの第1の読み取り距離である、ステップと、
前記第2のパッケージを前記RFIDリーダーから第2の距離に配置するステップであって、前記第2の距離は、前記第2のパッケージの第2の読み取り距離である、ステップと
をさらに含み、
前記第1の所定の閾値および前記第2の所定の閾値は、前記第1の距離および前記第2の距離が同じ読み出し距離の範囲内にあるように選択される、請求項12または13のいずれか一項に記載の方法。
[請求項15]
前記読み出し距離の範囲は、約12インチから約36インチの間である、請求項14に記載の方法。
[請求項16]
外科的処置中に使用される手術用スポンジを管理して前記外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用スポンジの供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の割り当てられた電力レベルを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、ステップと、
第1の限られた期間、第1の電力レベルでRFIDリーダーを動作させて手術用スポンジの前記供給物のRFIDタグを読み取るステップと、
前記第1の限られた期間中に第1の応答セットを収集するステップと、
前記第1の応答セットを評価して、前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致する場合、前記第1のパッケージ内のすべての手術用スポンジが前記第1の応答セットに存在するように、完全な第1のパッケージを決定し、前記第1の電力レベルが前記第1の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定するステップと、
前記完全な第1のパッケージが決定され、前記第1の電力レベルが前記第1の割り当てられた電力レベルと一致する場合に、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1の手術用スポンジを識別するステップと、
第2の限られた期間、前記第1の電力レベルとは異なる第2の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
外科的処置のために、前記集計済みの手術用スポンジの少なくとも1つを体内に配置するステップと、
前記集計済みの手術用スポンジを前記体から取り出すステップと、
前記RFIDリーダーを動作させ、前記RFIDリーダーで前記第1のRFIDタグを読み取ることにより、前記第1の手術用スポンジを集計除外するステップと、
手術用スポンジのタイプごとに集計および集計除外された手術用スポンジの数を提供し、手術用スポンジの前記供給物の状態を表示するステップと
を含む、方法。
[請求項17]
手術用スポンジの前記供給物は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージをさらに含み、前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプであり、
前記第2のスポンジは、第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第3のスポンジは第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは前記第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応し、
第2の限られた期間、前記電力レベルでRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第2の限られた期間中に第2の応答セットを収集するステップと、
前記第2の応答セットを評価して、前記第2の応答セットが前記第2のパッケージ内容情報と一致する場合、前記第2のパッケージ内のすべての手術用スポンジが前記第2の応答セットに存在するように、完全な第2のパッケージを決定し、前記第2の電力レベルが前記第2の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定するステップと、
前記完全な第2のパッケージが決定され、前記第2の電力レベルが前記第2の割り当てられた電力レベルと一致した場合に、前記外科的処置の前記データベース記録で集計済みとして前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジを識別するステップと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
[請求項18]
外科的処置中に使用される手術用スポンジを管理して、前記外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にするシステムであって、
手術用スポンジの供給物であって、前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、供給物と、
RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーと、
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースと
を含み、
前記RFIDリーダーは、
デフォルトの電力レベルで動作することと、
前記第1の一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を受信することと、
前記受信した第1の電力レベルパラメータに対応する、前記デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するように再構成することと、
前記第1の電力レベルで動作することと、
前記第1の電力レベルで第1の応答セットを受信することと、
前記第1の一意の識別子が前記第1の応答セットに存在する場合、前記第1の手術用スポンジを前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして識別することと、
前記第1の応答セットを前記第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定することとを行うように構成される、システム。
[請求項19]
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の計算値を表示するように構成された表示デバイスをさらに含む、請求項18に記載のシステム。
[請求項20]
手術用スポンジの前記供給物は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージを含み、前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプであり、
前記第2のスポンジは、第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の電力レベルパラメータを記憶し、
前記第3のスポンジは、第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応し、
前記RFIDリーダーは、
前記デフォルトの電力レベルで動作することと、
前記第2の一意の識別子、前記第2の電力レベルパラメータ、および前記第2のパッケージ内容情報を受信することと、
前記受信した第2の電力レベルパラメータに対応する、前記第1の電力レベルとは異なる前記第2の電力レベルで動作するように再構成することと、
前記第2の電力レベルで動作することと、
前記第2の電力レベルに設定された第2の応答を受信することと、
前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子が前記第2の応答セットに存在する場合、前記第2の手術用スポンジと前記第3の手術用スポンジを前記外科的処置の前記データベース記録で集計済みとして識別することと、
前記第2の応答セットを前記第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定することとを行うようにさらに構成される、請求項18または19のいずれか一項に記載のシステム。
[請求項21]
前記RFIDリーダーは、前記エラー状態が決定された場合にアラートをトリガーするようにさらに構成される、請求項20に記載のシステム。
[請求項22]
前記アラートは、警報、警告、触覚応答、およびそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項21に記載のシステム。
[請求項23]
前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致しない場合に、前記エラー状態が決定される、請求項18から22のいずれか一項に記載のシステム。
[請求項24]
外科的処置中に使用される手術用スポンジを管理して、前記外科的処置の後に手術用スポンジの適切な取り出しを確実にするシステムであって、
滅菌手術用スポンジの供給物であって、前記供給物は、第1のスポンジタイプの第1の手術用スポンジを含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用スポンジは、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用スポンジに関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1のスポンジタイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応し、
手術用スポンジの前記供給物は、第2の手術用スポンジおよび第3の手術用スポンジを含む第2のパッケージを含み、前記第2の手術用スポンジおよび前記第3の手術用スポンジは第2のスポンジタイプであり、前記第2のスポンジは第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用スポンジに関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、前記第3のスポンジは、第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用スポンジに関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2のスポンジタイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する、供給物と、
RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーと、
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用スポンジの前記供給物の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースと
を含み、
前記RFIDリーダーは、
複数の電力レベルでRFIDタグを読み取ることと、
前記RFIDリーダーが前記第1のスポンジタイプに関連する前記第1の電力レベルで動作し、前記第1のパッケージが完成したと決定する場合に、前記第1のパッケージを第1の電力レベルで集計することと、
前記RFIDリーダーが、前記第1の電力レベルとは異なり、前記第1のスポンジタイプとは異なる第2のスポンジタイプに関連する第2の電力レベルで動作し、前記第2のパッケージが完成したと決定する場合に、前記第2の電力レベルで第2のパッケージを集計することとを行うように構成され、
前記第1の電力レベルは、前記第1のスポンジタイプの第1のパッケージング構成に基づいて、前記第1のスポンジタイプの好ましい読み取り距離が前記RFIDリーダーから12インチから36インチの間であるように、前記第1のスポンジタイプに関連し、前記第2の電力レベルは、前記第2のスポンジタイプの第2のパッケージング構成に基づいて、前記第2のスポンジタイプの好ましい読み取り距離が前記RFIDリーダーから12インチから36インチの間であるように、前記第2のスポンジタイプに関連する、システム。
[請求項25]
外科的処置中に使用される手術用器具を管理して、前記外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用器具の供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1の器具タイプの第1の手術用器具を含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用器具は、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用器具に関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1の器具タイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、ステップと、
デフォルトの電力レベルでRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記RFIDリーダーで、前記第1の一意の識別子、前記第1のRFIDタグに記憶されている前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を受信するステップと、
前記受信した第1の電力レベルパラメータに対応する、前記デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
前記第1の電力レベルで前記RFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第1の電力レベルで第1の応答セットを受信するステップと、
前記第1の応答セットを前記第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定するステップと、
ノーエラー状態が決定された場合に、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1のパッケージ内容情報を識別するステップと、
前記デフォルトの電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
外科的処置のために前記第1の手術用器具を体内に配置するステップと、
前記体から前記第1の手術用器具を取り出すステップと、
前記RFIDリーダーを動作させ、前記RFIDリーダーで前記第1のRFIDタグを読み取り、前記外科的処置の前記データベース記録を更新することにより、前記第1の手術用器具を集計除外するステップと、
前記データベース記録に基づいて集計および集計除外された状態を識別する手術用器具の前記供給物の状態を表示するステップと
含む、方法。
[請求項26]
前記第1のパッケージはさらに複数の手術用器具を含み、各手術用器具には、前記第1のパッケージの各手術用器具に関連する一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータを記憶する関連するRFIDタグが含まれ、各RFIDタグの前記第1のパッケージ内容情報には、前記第1のパッケージ内の他のすべての手術用器具を識別するための情報が含まれている、請求項25に記載の方法。
[請求項27]
手術用器具の前記供給物は、第2の器具タイプの第2の手術用器具および前記第2の器具タイプの第3の手術用器具を含む第2のパッケージを含み、前記第2の器具タイプは、前記第1の器具タイプとは異なり、
前記第2の手術用器具および前記第3の手術用器具がそれぞれ第2のRFIDタグおよび第3のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用器具に関連する第2の一意の識別子を記憶し、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用器具に関連する第3の一意の識別子を記憶し、前記第2のRFIDタグと前記第3のRFIDタグは、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の電力レベルパラメータも記憶し、前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応する、請求項25から26のいずれか一項に記載の方法。
[請求項28]
前記デフォルトの電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成した後、前記デフォルトの電力レベルで前記RFIDリーダーを動作させ、前記RFIDリーダーで、前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子のうちの1つ、前記第1の電力レベルパラメータとは異なる前記第2の電力レベルパラメータ、および前記第2のパッケージ内容情報を受信するステップと、
前記デフォルトの電力レベルとは異なる前記第2の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
第2の応答セットを受信するステップと、
前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子が前記第2の応答セットに存在する場合、前記データベース記録で集計済みとして前記第2の手術用器具と前記第3の手術用器具を識別するステップと、
前記第2の応答セットを前記第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定するステップと
をさらに含む、請求項27に記載の方法。
[請求項29]
前記エラー状態が決定された場合にアラートをトリガーするステップをさらに含む、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
[請求項30]
前記アラートをトリガーするステップは、警報を鳴らすこと、警告を表示すること、触覚応答を起動すること、およびそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項29に記載の方法。
[請求項31]
前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致しない場合に、前記エラー状態が決定される、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
[請求項32]
前記外科的処置が行われる滅菌フィールドに隣接して前記RFIDリーダーを配置するステップと、
前記第1の手術用器具が集計済みとして識別された後、前記第1の手術用器具を前記第1のパッケージから取り出すステップと
をさらに含む、請求項25から31のいずれか一項に記載の方法。
[請求項33]
前記第1の応答セットを受信する前記ステップと前記第2の応答セットを受信する前記ステップは、それぞれ、前記第1のパッケージと前記第2のパッケージを前記RFIDリーダーから第1の距離と第2の距離に配置することを含み、
前記第1の距離は前記第1のパッケージの第1の読み取り範囲であり、前記第2の距離は前記第2のパッケージの第2の読み取り範囲であり、
前記第1の電力レベルパラメータおよび前記第2の電力レベルパラメータは、前記第1の距離および前記第2の距離が同じ読み出し距離の範囲内にあるように選択される、請求項28から32のいずれか一項に記載の方法。
[請求項34]
前記読み出し距離の範囲は、約12インチから約36インチの間である、請求項33に記載の方法。
[請求項35]
外科的処置中に使用される手術用器具を管理して、前記外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用器具の供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1の器具タイプの第1の手術用器具を含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用器具は、前記第1の手術用器具に関連する第1の一意の識別子を記憶する第1のRFIDタグを含む、ステップと、
RFIDリーダーを動作させて手術用器具の前記供給物の前記RFIDタグを読み取るステップと、
前記RFIDリーダーの動作に応答して、前記第1のRFIDタグに記憶された前記第1の一意の識別子を含む応答信号を受信するステップと、
前記RFIDリーダーによって読み取られた場合の前記第1のRFIDタグからの前記応答信号の電力レベルの尺度として第1の受信信号強度インジケータ(RSSI)を決定するステップと、
前記第1のRSSIが前記第1の器具タイプに関連する第1の所定の閾値を満たした場合に、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1の手術用器具を識別するステップと、
前記外科的処置のために前記第1の手術用器具を体内に配置するステップと、
前記体から前記第1の手術用器具を取り出すステップと、
前記RFIDリーダーで前記第1のRFIDタグを読み取り、前記データベース記録で集計除外されたものとして前記第1の手術用器具を識別するステップと、
前記データベース記録に基づいて集計および集計除外された状態を識別する手術用器具の前記供給物の状態を表示するステップと
を含む、方法。
[請求項36]
手術用器具の前記供給物は、第2の器具タイプの第2の手術用器具を含む第2のパッケージをさらに含み、前記第2の手術用器具は、前記第2の手術用器具に関連する第2の一意の識別子を記憶する第2のRFIDタグを含み、
前記第2のRFIDタグから第2のRSSIを決定するステップと、
前記第2のRSSIが前記第2の器具タイプに関連する第2の所定の閾値を満たした場合に、前記データベース記録において集計済みとして前記第2の手術用器具を識別するステップと
をさらに含む、請求項35に記載の方法。
[請求項37]
前記第1のパッケージがパッケージごとに単一の器具を含み、前記第2のパッケージがパッケージごとに複数の器具を含み、
前記第1のRSSIが前記第2のRSSIよりも高い、請求項36に記載の方法。
[請求項38]
前記RFIDリーダーから第1の距離に前記第1のパッケージを配置するステップであって、前記第1の距離は、前記第1のパッケージの第1の読み取り距離である、ステップと、
前記第2のパッケージを前記RFIDリーダーから第2の距離に配置するステップであって、前記第2の距離は、前記第2のパッケージの第2の読み取り距離である、ステップと
をさらに含み、
前記第1の所定の閾値および前記第2の所定の閾値は、前記第1の距離および前記第2の距離が同じ読み出し距離の範囲内にあるように選択される、請求項36から37のいずれか一項に記載の方法。
[請求項39]
前記読み出し距離の範囲は、約12インチから約36インチの間である、請求項38に記載の方法。
[請求項40]
外科的処置中に使用される手術用器具を管理して、前記外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にする方法であって、
手術用器具の供給物を提供するステップであって、前記供給物は、第1の器具タイプの第1の手術用器具を含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用器具は、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用器具に関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1の器具タイプに関連する第1の割り当てられた電力レベルを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、ステップと、
第1の限られた期間、第1の電力レベルでRFIDリーダーを動作させて手術用器具の前記供給物のRFIDタグを読み取るステップと、
前記第1の限られた期間中に第1の応答セットを収集するステップと、
前記第1の応答セットを評価して、前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致する場合、前記第1の応答セット内のすべての手術用器具が前記第1の応答セットに存在するように、完全な第1のパッケージを決定し、前記第1の電力レベルが前記第1の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定するステップと、
前記完全な第1のパッケージが決定され、前記第1の電力レベルが前記第1の割り当てられた電力レベルと一致する場合に、前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして前記第1の手術用器具を識別するステップと、
第2の限られた期間、前記第1の電力レベルとは異なる第2の電力レベルで動作するように前記RFIDリーダーを再構成するステップと、
前記外科的処置のために、前記集計された手術用器具の少なくとも1つを体内に配置するステップと、
前記集計された手術用器具を前記体から取り出すステップと、
前記RFIDリーダーを動作させ、前記RFIDリーダーで前記第1のRFIDタグを読み取ることにより、前記第1の手術用器具を集計除外するステップと、
手術用器具のタイプごとに集計および集計除外された手術用器具の数を提供し、手術用器具の前記供給物の状態を表示するステップと
を含む、方法。
[請求項41]
手術用器具の前記供給物が、第2の手術用器具および第3の手術用器具を含む第2のパッケージをさらに含み、
前記第2の手術用器具および前記第3の手術用器具は第2の器具タイプであり、
前記第2の器具は第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用器具に関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第3の器具は、第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用器具に関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応し、
第2の限られた期間、前記電力レベルでRFIDリーダーを動作させるステップと、
前記第2の限られた期間中に第2の応答セットを収集するステップと、
前記第2の応答セットを評価して、前記第2の応答セットが前記第2のパッケージ内容情報と一致する場合、前記第2のパッケージ内のすべての手術用器具が前記第2の応答セットに存在するように、完全な第2のパッケージを決定し、前記第2の電力レベルが前記第2の割り当てられた電力レベルと一致するかどうかを決定するステップと、
前記完全な第2のパッケージが決定され、前記第2の電力レベルが前記第2の割り当てられた電力レベルと一致した場合に、前記外科的処置の前記データベース記録で集計済みとして前記第2の手術用器具と前記第3の手術用器具を識別するステップと
を含む、請求項40に記載の方法。
[請求項42]
外科的処置中に使用される手術用器具を管理して、前記外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にするシステムであって、
手術用器具の供給物であって、前記供給物は、第1の器具タイプの第1の手術用器具を含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用器具は、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用器具に関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1の器具タイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応する、供給物と、
RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーと、
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用器具の前記供給物の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースと
を含み、
前記RFIDリーダーは、
デフォルトの電力レベルで動作することと、
前記第1の一意の識別子、前記第1の電力レベルパラメータ、および前記第1のパッケージ内容情報を受信することと、
前記受信した第1の電力レベルパラメータに対応する、前記デフォルトの電力レベルとは異なる第1の電力レベルで動作するように再構成することと、
前記第1の電力レベルで動作することと、
前記第1の電力レベルで第1の応答セットを受信することと、
前記第1の一意の識別子が前記第1の応答セットに存在する場合、前記第1の手術用器具を前記外科的処置のデータベース記録で集計済みとして識別することと、
前記第1の応答セットを前記第1のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定することとを行うように構成される、システム。
[請求項43]
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用器具の前記供給物の計算値を表示するように構成された表示デバイスをさらに含む、請求項42に記載のシステム。
[請求項44]
手術用器具の前記供給物は、第2の手術用器具および第3の手術用器具を含む第2のパッケージを含み、
前記第2の手術用器具および前記第3の手術用器具は第2の器具タイプであり、
前記第2の器具は、第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用器具に関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の電力レベルパラメータを記憶し、
前記第3の器具は、第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用器具に関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、
前記第2のパッケージ内容情報は、前記第2のパッケージの完全な内容に対応し、
前記RFIDリーダーは、
前記デフォルトの電力レベルで動作することと、
前記第2の一意の識別子、前記第2の電力レベルパラメータ、および前記第2のパッケージ内容情報を受信することと、
前記受信した第2の電力レベルパラメータに対応する、前記第1の電力レベルとは異なる前記第2の電力レベルで動作するように再構成することと、
前記第2の電力レベルで動作することと、
前記第2の電力レベルに設定された第2の応答を受信することと、
前記第2の一意の識別子と前記第3の一意の識別子が前記第2の応答セットに存在する場合、前記第2の手術用器具と前記第3の手術用器具を前記外科的処置の前記データベース記録で集計済みとして識別することと、
前記第2の応答セットを前記第2のパッケージ内容情報と比較して、エラー状態を決定することとを行うようにさらに構成される、請求項43に記載のシステム。
[請求項45]
前記RFIDリーダーは、前記エラー状態が決定された場合にアラートをトリガーするようにさらに構成される、請求項44に記載のシステム。
[請求項46]
前記アラートは、警報、警告、触覚応答、およびそれらの組み合わせのうちのいずれか1つを含む、請求項45に記載のシステム。
[請求項47]
前記エラー状態は、前記第1の応答セットが前記第1のパッケージ内容情報と一致しない場合に決定される、請求項43から46のいずれか一項に記載のシステム。
[請求項48]
外科的処置中に使用される手術用器具を管理して、前記外科的処置の後に手術用器具の適切な取り出しを確実にするシステムであって、
滅菌手術用器具の供給物であって、前記供給物は、第1の器具タイプの第1の手術用器具を含む第1のパッケージを含み、前記第1の手術用器具は、第1のRFIDタグを含み、前記第1のRFIDタグは、前記第1の手術用器具に関連する第1の一意の識別子、第1のパッケージ内容情報、および前記第1の器具タイプに関連する第1の電力レベルパラメータを記憶し、前記第1のパッケージ内容情報は、前記第1のパッケージの完全な内容に対応し、
手術用器具の前記供給物は、第2の手術用器具および第3の手術用器具を含む第2のパッケージを含み、前記第2の手術用器具と前記第3の手術用器具は第2の器具タイプであり、前記第2の器具は、第2のRFIDタグを含み、前記第2のRFIDタグは、前記第2の手術用器具に関連する第2の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶し、前記第3の器具は、第3のRFIDタグを含み、前記第3のRFIDタグは、前記第3の手術用器具に関連する第3の一意の識別子、第2のパッケージ内容情報、および前記第2の器具タイプに関連する第2の割り当てられた電力レベルを記憶する、供給物と、
RFID読み取り動作に応答して電力レベルパラメータを受信することに応答して、複数の電力レベルのうちの1つで動作するように構成可能なRFIDリーダーと、
集計された数量および集計除外された数量を識別する手術用器具の前記供給物の状態を表すデータを記憶するように構成されたデータベースと
を含み、
前記RFIDリーダーは、
複数の電力レベルでRFIDタグを読み取ることと、
前記RFIDリーダーが前記第1の器具タイプに関連する第1の電力レベルで動作し、前記第1のパッケージが完成したと決定する場合に、前記第1のパッケージを前記第1の電力レベルで集計することと、
前記RFIDリーダーが、前記第1の電力レベルとは異なり、前記第1の器具タイプとは異なる前記第2の器具タイプに関連する第2の電力レベルで動作し、前記第2のパッケージが完成したと決定する場合に、前記第2の電力レベルで前記第2のパッケージを集計することとを行うように構成され、
前記第1の電力レベルは、前記第1の器具タイプの第1のパッケージング構成に基づいて、前記第1の器具タイプの好ましい読み取り距離が前記RFIDリーダーから12インチから36インチの間であるように、前記第1の器具タイプに関連し、前記第2の電力レベルは、前記第2の器具タイプの第2のパッケージング構成に基づいて、前記第2の器具タイプの好ましい読み取り距離が前記RFIDリーダーから12インチから36インチの間であるように前記第2の器具タイプに関連する、システム。