(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ガスケット組立体及びこれを含む燃料電池加湿器
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240905BHJP
B01D 63/00 20060101ALI20240905BHJP
B01D 63/02 20060101ALI20240905BHJP
H01M 8/04119 20160101ALI20240905BHJP
【FI】
H01M8/04 N
B01D63/00 500
B01D63/02
H01M8/04119
(21)【出願番号】P 2022516719
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 KR2021006260
(87)【国際公開番号】W WO2021235854
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061427
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】キム ドウ
(72)【発明者】
【氏名】アン ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ジュンクン
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-117667(JP,A)
【文献】特開2005-156062(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0367279(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0193975(US,A1)
【文献】特表2022-552509(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第03032417(DE,A1)
【文献】特表2021-508917(JP,A)
【文献】特表2022-529365(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0034404(KR,A)
【文献】特表2022-528103(JP,A)
【文献】特表2014-522556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 63/00 - 63/04
H01M 8/04 - 8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッド-ケースと、前記ミッド-ケースと締結されるキャップと、前記ミッド-ケースの内部に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジとを含む燃料電池加湿器のためのガスケット組立体であって、
前記カートリッジ端部が挿入されるホールが形成されたボディ部材と、前記ボディ部材の一端に形成され、前記ホールに挿入された前記カートリッジ端部と接触して前記ミッド-ケース内の流体が前記キャップ側に流動することを防止する突出部材とを含むパッキン部;
前記ボディ部材の他端に形成され、前記ミッド-ケースの端部に形成された溝と前記キャップの端部により形成された空間に形成されるエッジ部;及び、
前記カートリッジと前記パッキン部とに接触するように形成されて前記ミッド-ケース内の流体が前記キャップ側に流動することを防止するシーリング部;
を含むガスケット組立体。
【請求項2】
前記ボディ部材は、
前記ミッド-ケース側に突出形成された下部ボディ部材と、前記キャップ側に平面形状に形成された上部ボディ部材をと含む請求項1に記載のガスケット組立体。
【請求項3】
前記シーリング部は、
前記下部ボディ部材、前記上部ボディ部材、前記突出部材の少なくともいずれか1つと前記カートリッジの端部が同時に接触するように形成される請求項2に記載のガスケット組立体。
【請求項4】
前記ボディ部材は2つ以上のカートリッジがそれぞれ挿入できる2つ以上のホールを備え、
前記突出部材は2つ以上備えられて前記2つ以上のカートリッジのそれぞれの端部と接触形成され、
前記シーリング部は2つ以上備えられて前記2つ以上のカートリッジのそれぞれと前記パッキン部とに接触するように形成される請求項1ないし請求項3のいずれか1項 に記載のガスケット組立体。
【請求項5】
前記突出部材は、
弾性力により前記カートリッジの端部を加圧しながら接触して前記ミッド-ケース側の空間と前記キャップ側の空間を気密する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のガスケット組立体。
【請求項6】
前記エッジ部は、両方向に突出したエッジウイングを備え、
前記エッジウイングは前記ミッド-ケース端部に形成された溝を埋めながら介在して、前記ミッド-ケースの内部と外部、そして前記ミッド-ケースと前記キャップを密封する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のガスケット組立体。
【請求項7】
前記パッキン部と前記エッジ部のそれぞれは、20ないし70ShoreAの第1硬度を有し、
前記パッキン部の少なくとも一部と前記エッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、前記第1硬度より高い第2硬度を有する補強部材をさらに含む請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のガスケット組立体。
【請求項8】
ミッド-ケースと、該ミッド-ケース内部に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジとを含む加湿モジュール;
前記ミッド-ケースと締結される
キャップ;及び、
前記キャップが前記中空糸膜とだけ流体連通できるように、機械的組立により前記加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合されたガスケット組立体;を含み、前記ガスケット組立体は、
前記カートリッジ端部が挿入されるホールが形成されたボディ部材と、前記ボディ部材の一端に形成され、前記ホールに挿入された前記カートリッジ端部と接触して前記ミッド-ケース内の流体が前記キャップ側に流動することを防止する突出部材とを含むパッキン部;
前記ボディ部材の他端に形成され、前記ミッド-ケースの端部に形成された溝と前記キャップの端部により形成された空間に形成されるエッジ部;及び、
前記カートリッジと前記パッキン部とに接触するように形成されて前記ミッド-ケース内の流体が前記キャップ側に流動することを防止するシーリング部;
を含む燃料電池加湿器。
【請求項9】
前記ボディ部材は、
前記ミッド-ケース側に突出形成された下部ボディ部材と、前記キャップ側に平面形状に形成された上部ボディ部材とを含む請求項8に記載の燃料電池加湿器。
【請求項10】
前記シーリング部は、
前記下部ボディ部材、前記上部ボディ部材、前記突出部材の少なくともいずれか1つと前記カートリッジの端部が同時に接触するように形成される請求項9に記載の燃料電池加湿器。
【請求項11】
前記ボディ部材は2つ以上のカートリッジがそれぞれ挿入できる2つ以上のホールを備え、
前記突出部材は2つ以上備えられて前記2つ以上のカートリッジのそれぞれの端部と接触形成され、
前記シーリング部は2つ以上備えられて前記2つ以上のカートリッジのそれぞれと前記パッキン部とに接触するように形成される
請求項8ないし請求項10のいずれか1項 に記載の燃料電池加湿器
【請求項12】
前記突出部材は、
弾性力により前記カートリッジの端部を加圧しながら接触して前記ミッド-ケース側の空間と前記キャップ側の空間を気密する請求項8ないし請求項11のいずれか1項に記載の燃料電池加湿器。
【請求項13】
前記エッジ部は、両方向に突出したエッジウイングを備え、
前記エッジウイングは、前記ミッド-ケース端部に形成された溝を埋めながら介在して、前記ミッド-ケースの内部と外部、そして前記ミッド-ケースと前記キャップを密封する請求項8ないし請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池加湿器。
【請求項14】
前記パッキン部と前記エッジ部のそれぞれは、20ないし70ShoreAの第1硬度を有し、
前記パッキン部の少なくとも一部と前記エッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、前記第1硬度より高い第2硬度を有する補強部材
を含む請求項8ないし請求項13のいずれか1項に記載の燃料電池加湿器。
【請求項15】
前記カートリッジは、
端部に開口が形成され、前記複数の中空糸膜が収容されるインナーケースと、
前記複数の中空糸膜の末端部が固定され、前記インナーケースの開口を閉鎖させるポッティング部と
を含み、
前記ポッティング部の少なくとも一部は前記インナーケースの外部に位置し、
前記突出部材は前記ポッティング部に加圧密着するか、または、
前記ポッティング部の全体が前記インナーケースの内部に位置し、
前記突出部材は前記インナーケースに加圧密着する、請求項8ないし請求項14のいずれか1項に記載の燃料電池加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケット組立体及びこれを含む燃料電池加湿器に関し、より具体的には、向上した生産性で製造でき、メンテナンス費用を画期的に削減できるガスケット組立体及びこれを含む燃料電池加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは、水素と酸素を結合させて電気を生産する発電型の電池である。燃料電池は、乾電池や蓄電池などの一般の化学電池と違って水素と酸素が供給される限り電気を生産し続けることができ、熱損失がないため、内燃機関より効率が約2倍高いという長所がある。
【0003】
また、水素と酸素の結合により発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するため、公害物質の排出が少ない。従って、燃料電池は、環境に優しいだけでなく、エネルギー消費の増加に伴う資源枯渇の心配を減らすことができるという長所がある。
【0004】
このような燃料電池は、使用される電解質の種類に応じて大きく高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(Phosphori Acid Fuel Cell:PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell:MCFC)、固体酸化物型燃料電池 (Solid Oxi Fuel Cell:SOFC)及びアルカリ型燃料電池(Alkaline Fuel Cell:AFC)などに分類される。
【0005】
これらのそれぞれの燃料電池は、根本的に同一の原理により作動するが、使用される燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。このうち、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)は、他の燃料電池に比べて低温で動作する点、及び出力密度が大きくて小型化が可能である点から、小規模据置型発電装備だけでなく、輸送システムにおいても最も有望なものとして知られている。
【0006】
高分子電解質型燃料電池(PEMFC)の性能の向上に最も重要な要因の1つは、膜-電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane又はProton Exchange Membrane:PEM)に一定量以上の水分を供給することにより含水率を維持することである。高分子電解質膜が乾燥すると、発電効率が急激に低下するためである。
【0007】
高分子電解質膜を加湿する方法としては、1)耐圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器(diffuser)に通過させて水分を供給するバッブラー加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算してソレノイドバルブを介してガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を利用してガスの流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
【0008】
これらの中でも、排ガス中に含まれる水蒸気のみを選択的に透過させる膜を利用して、水蒸気を高分子電解質膜に供給される空気に提供することにより高分子電解質膜を加湿する膜加湿方式が加湿器の軽量化及び小型化が可能であるという点で有利である。
【0009】
膜加湿方式に使用される選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たり透過面積の大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を利用して加湿器を製造する場合、接触表面積の広い中空糸膜の高集積化が可能であるため、小容量でも燃料電池の加湿が十分に行われ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から高温で排出される排ガス(off-gas)に含まれた水分と熱を回収して加湿器を介して再使用できるという利点を有する。
【0010】
図1は、従来技術による燃料電池加湿器を示す分解斜視図である。
図1に示すように、従来技術の燃料電池加湿器100は、外部から供給される空気と燃料電池スタック(図示せず)から排出される排ガス間の水分交換が行われる加湿モジュール110及び加湿モジュール110の両端に結合されたキャップ120を含む。
【0011】
キャップ120のうち1つは外部から供給される空気を加湿モジュール110に供給し、他の1つは加湿モジュール110により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
【0012】
加湿モジュール110は、排ガス流入口(off-gas inlet)111aと排ガス排出口(off-gas outlet)111bを有するミッド-ケース(mid-case)111及びミッド-ケース111内の多数の中空糸膜112を含む。中空糸膜112の束の両末端はポッティング部113に固定される。ポッティング部113は一般的にキャスティング(casting)方式により液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることにより形成される。
【0013】
外部から供給される空気は中空糸膜112の中空に沿って流れる。排ガス流入口111aを介してミッド-ケース111内に流入した排ガスは、中空糸膜112の外表面と接触した後、排ガス排出口111bを介してミッド-ケース111から排出される。排ガスが中空糸膜112の外表面と接触するとき、排ガス内に含まれていた水分が中空糸膜112を透過することにより、中空糸膜112の中空に沿って流れていた空気を加湿する。
【0014】
キャップ120の内部空間は中空糸膜112の中空とだけ流体連通し、ミッド-ケース111の内部空間とは完全に遮断されていなければならない。そうでないと、圧力差による空気漏れが発生して燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減少し、燃料電池の発電効率が低下する。
【0015】
一般に、
図1に示すように、多数の中空糸膜112の末端が固定されているポッティング部113及びポッティング部113とミッド-ケース111の間の樹脂層114がキャップ120の内部空間とミッド-ケース111の内部空間を遮断する。ポッティング部113に類似して、樹脂層114は一般的にキャスティング方式で液状ポリウレタン樹脂のような液状ポリマーを硬化させることにより形成される。
【0016】
しかしながら、樹脂層114形成のためのキャスティング工程は相対的に多くの工程時間を要求するため、加湿器100の生産性を低下させる。
【0017】
また、樹脂層114がポッティング部113だけでなくミッド-ケース111の内壁にも接着されているため、中空糸膜112に問題が発生した場合、加湿モジュール110全体を交換しなければならないので、莫大なメンテナンス費用が発生する。
【0018】
さらに、燃料電池の反復運転は樹脂層114とミッド-ケース111の間にギャップ(gap)を発生させる可能性が高い。すなわち、燃料電池の運転及び停止が繰り返されることにより樹脂層114の膨張及び収縮が交互に発生して、ミッド-ケース111と樹脂層114の熱膨張係数の差により樹脂層114がミッド-ケース111から剥がされる可能性が高い。前述したように、樹脂層114とミッド-ケース111の間にギャップが発生すると、圧力差による空気漏れが発生して燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減少し、燃料電池の発電効率が低下する。
【0019】
樹脂層114とミッド-ケース111の間のギャップの発生による空気漏れを防止するために、これらの間にシーラント塗布及び/又は外郭ガスケット組立体の装着などの付加的工程を行うことを考慮してもよいが、このような付加的工程自体も追加工程時間を要求するため、加湿器100の生産性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、前記のような関連技術の制限及び短所に起因する問題点を防止することができ、向上した生産性で製造できるだけでなく、メンテナンス費用を画期的に削減できるガスケット組立体及びこれを含む燃料電池加湿器を提供することを目的とする。
【0021】
前述した本発明の観点以外にも、本発明の他の特徴及び利点が以下で説明されるか、そのような説明から、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の実施例によるガスケット組立体は、ミッド-ケースと、ミッド-ケースと締結されるキャップと、ミッド-ケースの内部に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジとを含む燃料電池加湿器のためのガスケット組立体である。前記ガスケット組立体は、カートリッジ端部が挿入されるホールが形成されたボディ部材と、ボディ部材の一端に形成され、ホールに挿入されたカートリッジ端部と接触してミッド-ケース内の流体がキャップ側に流動することを防止する突出部材とを含むパッキン部;ボディ部材の他端に形成され、ミッド-ケースの端部に形成された溝とキャップの端部により形成されるエッジ部;及びカートリッジとパッキン部を接触するように形成されてミッド-ケース内の流体がキャップ側に流動することを防止するシーリング部;を含む。
【0023】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、ボディ部材は、ミッド-ケース側に突出形成された下部ボディ部材と、キャップ側に平面形状に形成された上部ボディ部材とを含んでもよい。
【0024】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、シーリング部は、カートリッジの端部と下部ボディ部材を同時に接触するように形成されてもよい。
【0025】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、シーリング部は、カートリッジの端部と上部ボディ部材を同時に接触するように形成されてもよい。
【0026】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、シーリング部は、カートリッジの端部と突出部材に同時に接触するように形成されてもよい。
【0027】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、シーリング部は、下部ボディ部材、上部ボディ部材、突出部材の少なくとも1つとカートリッジの端部が同時に接触するように形成されてもよい。
【0028】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、ボディ部材は、2つ以上のカートリッジがそれぞれ挿入できる2つ以上のホールを備え、突出部材は、2つ以上備えられて、2つ以上のカートリッジのそれぞれの端部と接触形成され、シーリング部は、2つ以上備えられて、2つ以上のカートリッジのそれぞれとパッキン部を接触するように形成されてもよい。
【0029】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、突出部材は、弾性力によりカートリッジの端部を加圧しながら接触してミッド-ケース側の空間とキャップ側の空間を気密する。
【0030】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、エッジ部は、両方向に突出したエッジウイングを備え、エッジウイングはミッド-ケースの端部に形成された溝を埋めながら介在して、ミッド-ケースの内部と外部、そしてミッド-ケースとキャップを密封する。
【0031】
本発明の実施例によるガスケット組立体において、パッキン部とエッジ部のそれぞれは20ないし70ShoreAの第1硬度を有し、パッキン部の少なくとも一部とエッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、第1硬度より高い第2硬度を有する補強部材をさらに含んでもよい。
【0032】
本発明の実施例による燃料電池加湿器は、ミッド-ケース;ミッド-ケースと締結されるキャップ;ミッド-ケースの内部に配置され、複数の中空糸膜を収容する少なくとも1つのカートリッジ;キャップが中空糸膜とだけ流体連通できるように、機械的組立により加湿モジュールの少なくとも一端に気密に結合されたガスケット組立体;を含む。前記ガスケット組立体は、カートリッジ端部が挿入されるホールが形成されたボディ部材と、ボディ部材の一端に形成され、ホールに挿入されたカートリッジ端部と接触してミッド-ケース内の流体がキャップ側に流動することを防止する突出部材とを含むパッキン部;ボディ部材の他端に形成され、ミッド-ケースの端部に形成された溝とキャップの端部により形成された空間に形成されるエッジ部;及びカートリッジとパッキン部を接触するように形成されてミッド-ケース内の流体がキャップ側に流動することを防止するシーリング部;を含む。
【0033】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、ボディ部材は、ミッド-ケース側に突出形成された下部ボディ部材と、キャップ側に平面形状に形成された上部ボディ部材とを含んでもよい。
【0034】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、シーリング部は、カートリッジの端部と下部ボディ部材を同時に接触するように形成されてもよい。
【0035】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、シーリング部は、カートリッジの端部と上部ボディ部材を同時に接触するように形成されてもよい。
【0036】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、シーリング部は、カートリッジの端部と突出部材を同時に接触するように形成されてもよい。
【0037】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、シーリング部は、下部ボディ部材、上部ボディ部材、突出部材の少なくとも1つとカートリッジの端部が同時に接触するように形成されてもよい。
【0038】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、ボディ部材は、2つ以上のカートリッジがそれぞれ挿入できる2つ以上のホールを備え、突出部材は、2つ以上備えられて、2つ以上のカートリッジのそれぞれの端部と接触形成され、シーリング部は、2つ以上備えられて、2つ以上のカートリッジのそれぞれとパッキン部を接触するように形成されてもよい。
【0039】
本発明の実施例による燃料電池加湿器においては、突出部材は、弾性力によりカートリッジの端部を加圧しながら接触してミッド-ケース側の空間とキャップ側の空間を気密する。
【0040】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、エッジ部は両方向に突出したエッジウイングを備え、エッジウイングはミッド-ケースの端部に形成された溝を埋めながら介在して、ミッド-ケースの内部と外部、そしてミッド-ケースとキャップを密封する。
【0041】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、パッキン部とエッジ部のそれぞれは20ないし70ShoreAの第1硬度を有し、パッキン部の少なくとも一部とエッジ部の少なくとも一部に挿入されて形成され、第1硬度より高い第2硬度を有する補強部材をさらに含んでもよい。
【0042】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、カートリッジは、端部に開口が形成され、複数の中空糸膜が収容されるインナーケースと、複数の中空糸膜の末端部が固定され、インナーケースの開口を閉鎖させるポッティング部とを含んでもよい。
【0043】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、ポッティング部の少なくとも一部はインナーケースの外部に位置し、突出部材はポポッティング部に加圧密着する。
【0044】
本発明の実施例による燃料電池加湿器において、ポッティング部全体がインナーケースの内部に位置し、突出部材はインナーケースに加圧密着する。
【発明の効果】
【0045】
本発明によると、ガスケット組立体の機械的組立によりミッド-ケースとキャップとの間の空気漏れを防止できるため、従来技術のキャスティング工程(すなわち、液状ポリマーを鋳型に注入して硬化する工程)及び追加的シーリング工程(すなわち、シーラントを塗布して硬化させる工程)などを省略することができる。従って、本発明によると、ミッド-ケースとキャップの間の空気漏れを防止するとともに、燃料電池加湿器の生産工程時間を短縮させることにより、その生産性を画期的に向上させることができる。
【0046】
また、ミッド-ケースとキャップの間の空気漏れの防止のための本発明のガスケット組立体は、機械的組立により加湿モジュールに装着されるため、加湿モジュールの特定部分に異常が発生する場合、ガスケット組立体を機械的に簡単に分離した後、当該部分のみを修理又は交換することが可能である。従って、本発明によると、燃料電池加湿器のメンテナンス費用を非常に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】従来技術による燃料電池加湿器を示す分解斜視図である。
【0048】
【
図2】本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解斜視図である。
【0049】
【
図3】本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解断面図である。
【0050】
【
図4】本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す断面図である。
【0051】
【
図5】本発明の第2実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解断面図である。
【0052】
【
図6】本発明の第3実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解断面図である。
【0053】
【
図7】本発明の実施例によるガスケット組立体の様々な応用例を示す断面図である。
【0054】
【
図8】本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第2実施例を示す断面図である。
【0055】
【
図9】本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第3実施例を示す断面図である。
【0056】
【
図10】本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を示す分解斜視図である。
【0057】
【
図11】本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を示す分解断面図である。
【0058】
【
図12】本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を示す断面図である。
【0059】
【
図13】本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第5実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるところ、特定の実施例を例示し、詳細な説明に詳しく説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0061】
本発明において用いた用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り複数の表現を含む。本発明において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを特定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。以下、図面を参照して本発明の実施例によるガスケット組立体及びこれを含む燃料電池加湿器を説明する。
【0062】
図2は、本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解斜視図であり、
図3は、本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解断面図であり、
図4は、本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す断面図である。
【0063】
図2に示すように、本発明の一実施例による燃料電池加湿器200は、外部から供給される空気を燃料電池スタックから排出される排ガス内の水分により加湿する加湿モジュール210を含む。加湿モジュール210の両末端のそれぞれはキャップ220と結合される。
【0064】
キャップ220のうちいずれか1つは外部から供給される空気を加湿モジュール210に供給し、他の1つは加湿モジュール210により加湿された空気を燃料電池スタックに供給する。
【0065】
加湿モジュール210は、外部から供給される空気と排ガス間の水分交換が行われる装置であり、排ガス流入口211aと排ガス排出口211bを有するミッド-ケース211及びミッド-ケース211の内部に配置される少なくとも1つのカートリッジ212を含む。
【0066】
ミッド-ケース211とキャップ220は、それぞれ独立的に硬質プラスチックや金属で形成され、円形又は多角形の幅方向の断面を有してもよい。円形は楕円形を含み、多角形は丸い角(rounded corner)を有する多角形を含む。例えば、硬質プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリプロピレン(PP)などであり得る。
【0067】
カートリッジ212は、多数の中空糸膜212a及びこれらを互いに固定するポッティング部212bを含む。例えば、中空糸膜212aの末端がポッティング部212bに固定される。
【0068】
中空糸膜212aは、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、又はこれらのうち少なくとも2つ以上の混合物で形成された高分子膜を含み、ポッティング部212bは、ディープポッティング、遠心ポッティングなどのキャスティング方式により液状ポリウレタン樹脂のような液状樹脂を硬化させることにより形成される。
【0069】
外部から供給される空気は中空糸膜212aの中空に沿って流れる。排ガス流入口211aを介してミッド-ケース211内に流入した排ガスは、中空糸膜212aの外表面と接触した後、排ガス排出口211bを介してミッド-ケース211から排出される。排ガスが中空糸膜212aの外表面と接触するとき、排ガス内に含まれていた水分が中空糸膜212aを透過することにより中空糸膜212aの中空に沿って流れていた空気を加湿する。
【0070】
キャップ220は、中空糸膜212aの中空とだけ流体連通し、ミッド-ケース211の内部空間(S)とは完璧に遮断されなければならない。そうでないと、圧力差による空気漏れが発生して燃料電池スタックに供給される加湿空気の量が減少し、燃料電池の発電効率が低下する。
【0071】
このような問題を解決するために、本発明の燃料電池加湿器200は、加湿モジュール210の各末端に機械的組立により気密に結合されるガスケット組立体230をさらに含む。
【0072】
本発明によれば、ガスケット組立体230の機械的組立によりミッド-ケース211とキャップ220の間の空気漏れを防止することができるため、従来技術のキャスティング工程(すなわち、液状樹脂を鋳型に注入して硬化する工程)及び追加的シーリング工程(すなわち、シーラントを塗布して硬化させる工程)などを省略することができる。従って、本発明によると、ミッド-ケース211とキャップ220の間の空気漏れを防止するとともに、燃料電池加湿器200の生産工程時間を短縮することにより、その生産性を画期的に向上させることができる。
【0073】
また、ミッド-ケース211とキャップ220の間の空気漏れの防止のための本発明のガスケット組立体230は機械的組立により加湿モジュール210に装着されるため、加湿モジュール210の特定部分(例えば、カートリッジ212)に異常が発生した場合、ガスケット組立体230を加湿モジュール210から機械的に簡単に分離した後、当該部分のみを修理又は交換することが可能である。従って、本発明によると、燃料電池加湿器200のメンテナンス費用を非常に削減することができる。
【0074】
図3及び
図4に示すように、本発明の第1実施例によるガスケット組立体230は、パッキン部231、エッジ部232、シーリング部233を含む。パッキン部231とエッジ部232は、20ないし70ShoreA、好ましくは30ないし60ShoreAの第1硬度を有する弾性物質(例えば、シリコン、ゴムなど)で形成されてもよい。シーリング部233は、固相シーリング材、液状シーリング材の少なくともいずれか1つを含む。固相シーリング材はシリコン、アクリルラバー、EPDM、NBRなどの材質で製造され、液状シーリング材はシリコン、ウレタンなど材質で製造されてもよい。
【0075】
パッキン部231は、カートリッジ212の端部(例えば、ポッティング部212b)が挿入されるホール(H)を備え、ミッド-ケース211とカートリッジ212の間に介在する。パッキン部231は、ボディ部材231aと突出部材231bを含む。
【0076】
ボディ部材231aはカートリッジ212の端部(例えば、ポッティング部212b)が挿入されるホール(H)を備え、ホール(H)はカートリッジ212の端部の形状に対応する形状に形成される。ボディ部材231aにおいてミッド-ケース211側に突出形成された下部ボディ部材231aaは、断面が多角形状(例えば、台形形状)に形成され、キャップ220側に形成された上部ボディ部材231abは平面形状に形成されてもよい。下部ボディ部材231aaとカートリッジポッティング部212bの間にはシーリング部233が配置される空間が形成される。また、下部ボディ部材231aaとエッジ部232の間にはミッド-ケース211の端部211aaがはめ込まれる溝Gが形成される。
【0077】
突出部材231bは、ホール(H)に挿入されたカートリッジポッティング部212bと接触するように、ボディ部材231aの一端に形成される。突出部材231bは、ボディ部材231aの一端部から突出した少なくとも1つ以上の環状突起であり得る。突出部材231bは、弾性力によりカートリッジポッティング部212bを加圧しながら接触してミッド-ケース211の空間とキャップ220による空間を気密する。従って、突出部材231bは、ミッド-ケース211内の流体がキャップ220側に形成された空間に流れることを防止することができる。また、突出部材231bは、弾性を有しているため、振動緩衝機能を行うことができ、従って、加湿器200の振動による損傷を防止することができる。
【0078】
エッジ部232はボディ部材231aの他端に形成される。エッジ部232は、ミッド-ケースの端部に形成された溝211bbとキャップの端部220aにより形成された空間に介在する。エッジ部232は、両方向に突出したエッジウイング232a、232bを備える。エッジウイング232a、232bは加湿モジュール210の長手方向に形成されてもよい。組立時に、ミッド-ケース端部の溝211bbにエッジウイング232a、232bを挿入し、キャップの端部220aがエッジウイング232bを加圧した後、ボルト(B)などの締結手段で締結させて組み立てることができる。この時、エッジウイング232a、232bは弾性を持った物質からなるので、エッジウイング232a、232bはミッド-ケース端部の溝211bbの空間を一定部分満たしながら介在することができる。ミッド-ケース211とキャップ220の端部側面にはボルト締結のための締結孔が形成された締付切片211cc、220cが形成される。エッジウイング232a、232bはミッド-ケースの端部の溝211bbを気密化してミッド-ケース211の内部と外部、そしてミッド-ケース211とキャップ220を密封させることができる。
【0079】
シーリング部233は、カートリッジ212とパッキン部231の間でカートリッジ212とパッキン部231を接触するように形成される。具体的に、シーリング部233は、カートリッジのポッティング部212bとパッキン部の下部ボディ部材231aaを同時に接触(又は、接着)するように形成される。シーリング部233は、ミッド-ケース211の空間とキャップ220の空間を気密してミッド-ケース211内の流体がキャップ220側に流動することを防止する。
【0080】
また、ガスケット組立体230は、補強部材234をさらに含む。補強部材234は第1硬度より高い第2硬度を有する。例えば、補強部材234は、金属、熱可塑性又は熱硬化性樹脂などで形成されてもよい。補強部材234は、ガスケット組立体230を成形する時、金型に金属プレートを挿入した後に製造することによりガスケット組立体230内に挿入して形成されることができる。補強部材234は、パッキン部231の少なくとも一部とエッジ部232の少なくとも一部に挿入されて形成されてもよい。補強部材234は、ガスケット組立体230中において変形に弱い部分(溝Gが形成された部分)に形成されてもよい。パッキン部231及びエッジ部232より高い硬度を有する補強部材234は、ガスケット組立体230を加湿モジュール210に機械的に組み立てるとき又は加湿器運転中にボディ部材231aの変形が発生することを防止することにより空気漏れをより確実に担保することができる。
【0081】
以下、
図5ないし
図7を参照して本発明の実施例によるガスケット組立体を説明する。
図5は、本発明の第2実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解断面図であり、
図6は、本発明の第3実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器を示す分解断面図であり、
図7は、本発明の実施例によるガスケット組立体の様々な応用例を示す断面図である。
【0082】
図5ないし
図7に示すように、本発明の実施例によるガスケット組立体はパッキン部231、エッジ部232、シーリング部233を含む。
図5ないし
図7の実施例においてはシーリング部233の位置が異なるだけで、残りの構成は実質的に同一であるので、重複する説明は省略する。
【0083】
図5の実施例において、シーリング部233はカートリッジのポッティング部212bとパッキン部の上部ボディ部材231abを同時に接触するように形成される。
【0084】
図6の実施例において、シーリング部233はカートリッジのポッティング部212bとパッキン部の突出部材231bを同時に接触するように形成される。この場合、突出部材231bは、2つ以上形成されてもよく、シーリング部233は2つ以上の突出部材231bの間に形成されてもよい。
【0085】
図7においては、シーリング部233がパッキン部の下部ボディ部材231aa、上部ボディ部材231ab、突出部材231bの少なくともいずれか1つと接触するように形成されるものを例示している。
【0086】
前記の実施例において、シーリング部233は、ミッド-ケース211の空間とキャップ220の空間を気密してミッド-ケース211内の流体がキャップ220側に流動することを防止するので、シーリング部233が形成されたそれぞれの領域は第1シーリング領域を実現することができる。
【0087】
なお、前記の実施例において、突出部材231bは、カートリッジポッティング部212bを加圧しながら接触してミッド-ケース211の空間とキャップ220による空間を気密するので、突出部材231bが形成された領域は第2シーリング領域を実現することができる。
【0088】
また、前記実施例において、エッジウイング232a、232bはミッド-ケース端部の溝211bbを気密してミッド-ケース211の内部と外部、そしてミッド-ケース211とキャップ220を密封するので、エッジウイング232a、232bが形成された領域は第3シーリング領域を実現することができる。
【0089】
このように、前記実施例において、二重又は三重にシーリング領域が形成されるので、ミッド-ケース211とキャップ220の間の空気漏れを確実に防止できるようになる。
【0090】
以下、
図8を参照して本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第2実施例を説明する。
図8は、本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第2実施例を示す断面図である。
【0091】
図8に示すように、本発明の第2実施例による燃料電池加湿器200aは、(i)ミッド-ケース211の内部空間が隔壁(partitions)211cにより第1空間S1と第2空間S2に区画され、(ii)カートリッジ212がインナーケース212cをさらに含んでいるということを除いては、前述の第1実施例による燃料電池加湿器200と実質的に同一である。
【0092】
インナーケース212cは各末端に開口(opening)を有し、中空糸膜212aがその中に入っている。中空糸膜212aの端部がポッティングされているポッティング部212bはインナーケース212cの開口を閉鎖させる。
【0093】
図8に示すように、ポッティング部212bの少なくとも一部がインナーケース212cの外部に位置し、ガスケット組立体230の突出部材231bはポッティング部212bに密着する。
【0094】
インナーケース212cは、第1空間S1との流体連通のためにメッシュ状に配列された多数のホール(以下、「第1メッシュホール」)MH1及び第2空間S2との流体連通のためにメッシュ状に配列された多数のホール(以下、「第2メッシュホール」)MH2を備える。
【0095】
排ガス流入口211aを介してミッド-ケース211の第1空間S1に流入した排ガスは、第1メッシュホールMH1を介してインナーケース212c内に流れ込んで中空糸膜212aの外表面と接触する。次いで、水分を奪われた排ガスは、第2メッシュホールMH2を介して第2空間S2に抜け出た後、排ガス排出口211bを介してミッド-ケース211から排出される。
【0096】
このようなインナーケース212cを含むカートリッジ212は、ミッド-ケース211に容易に組み立てることができるだけでなく、交換が容易であるという長所を有する。
【0097】
以下、
図9を参照して、本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第3実施例を説明する。
図9は、本発明の第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第3実施例を示す断面図である。
【0098】
図9に示すように、本発明の第3実施例による燃料電池加湿器200bは、ポッティング部212bの全体がインナーケース212cの内部に位置し、ガスケット組立体230の突出部材231bがポッティング部212bの全体ではなくインナーケース212cに密着することを除いては、前述の第2実施例による燃料電池加湿器200aと実質的に同一である。
【0099】
図4、
図8、
図9などにおいては、第1実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器200、200a、200bについて図示しているが、本発明の実施例はこれに限定されず、
図5ないし
図7の複数の実施例によるガスケット組立体が第1ないし第3実施例の燃料電気加湿器に適用できる。
【0100】
以下、
図10ないし
図12を参照して本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を説明する。
図10は、本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を示す分解斜視図であり、
図11は、本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を示す解断面図であり、
図12は、本発明の第4実施例によるガスケット組立体を含む燃料電池加湿器の第4実施例を示す断面図である。
【0101】
図10ないし
図12に示すように、本発明の第4実施例によるガスケット組立体330が適用された第4実施例による燃料電池加湿器300は、(i)加湿モジュール210が2つ以上のカートリッジ212を含み、(ii)パッキン部231のボディ部材231aはカートリッジ212がそれぞれ挿入される2つ以上のホールHを備え、(iii)カートリッジ212のポッティング部212bと接触するようにボディ部材231aの一端に形成される2つ以上の突出部材231bを含み、(iv)カートリッジ212とパッキング部231間においてカートリッジ212とパッキング部を接触するように形成される2つ以上のシーリング部233を含む点を除いては、前述の第2実施例による燃料電池加湿器200aと実質的に同一である。
【0102】
インナーケース212cをそれぞれ含む複数のカートリッジ212が一定の間隔を置いてミッド-ケース211の内部に装着されることによりミッド-ケース211の内部に存在する全ての中空糸膜212aに排ガスが均一に分配できるだけでなく、問題が発生した特定のカートリッジ212のみを選別的に交換することができるため、燃料電池加湿器300のメンテナンス費用をさらに削減することができる。
【0103】
図13は、本発明の第4実施例によるガスケット組立体330が適用された燃料電池加湿器の第5実施例による燃料電池加湿器300aの断面図を概略的に示す。
【0104】
図13に示すように、本発明の第5実施例による燃料電池加湿器300aは、カートリッジ212のそれぞれのポッティング部212b全体がそれに対応するインナーケース212cの内部に位置し、ガスケット組立体330の突出部材231bがポッティング部212bではなくインナーケース212cにそれぞれ密着することを除いては、前述の第4電池による燃料電池加湿器と実質的に同一である。
【0105】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除又は追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0106】
200、200a、200b、300、300a:燃料電池加湿器
210:加湿モジュール 211:ミッド-ケース
211a:排ガス流入口 211b:排ガス排出口
211c:隔壁 212:カートリッジ
212a:中空糸膜 212b:ポッティング部
212c:インナーケース 220:キャップ
230、330:ガスケット組立体
231:パッキン部 231a:ボディ部材
231b:突出部材 232:エッジ部
233:シーリング部 234:補強部材