(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】W軸繊維配置ヘッド
(51)【国際特許分類】
B29C 70/38 20060101AFI20240905BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20240905BHJP
B29C 70/54 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B29C70/38
B29C70/16
B29C70/54
(21)【出願番号】P 2022521005
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 US2020053688
(87)【国際公開番号】W WO2021071727
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-01-23
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518127543
【氏名又は名称】フィブ・マシニング・システムズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ルンド,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,ブレント・リー
(72)【発明者】
【氏名】チョーク,マシュー・ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,マーサ・アン
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-166794(JP,A)
【文献】特開2011-057767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/38
B29C 70/16
B29C 70/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の複合材テープセグメントを型上に適用するための繊維配置ヘッドであって、
ロボットアームに解放可能に接続されるように構成された、前記型に適用するための複合材テープを供給するフレームと、
前記フレームによって摺動可能に担持され、かつ、前記複合材テープセグメントを前記型に適用する、テープ適用組立体と、
を備え、前記テープ適用組立体が、前記フレームの一方の端部から前記フレームの他方の端部に向かってW軸に沿って直線的に移動
し、
前記繊維配置ヘッドは、前記テープ適用組立体を前記フレームの端部に向かって付勢するばねをさらに備える、繊維配置ヘッド。
【請求項2】
前記テープ適用組立体が、切断挟持および再開組立体をさらに備える、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項3】
前記ロボットアームの遠位端部上のチャックと係合するように構成されたシャンクをさらに備える、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項4】
前記テープ適用組立体が、前記フレームの前記一方の端部から前記フレームの他方の端部に向かって前記W軸に沿って直線的に移動し、一方で、前記繊維配置ヘッドが、静止したままである、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項5】
前記ロボットアームが、前記フレームをC軸の周りで回転させる、請求項1に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項6】
複数の複合材テープセグメントを型上に適用するための繊維配置ヘッドであって、
前記型に適用するための複合材テープを供給するフレームと、
フレームレールに沿って前記フレームによって摺動可能に担持され、かつ、前記複合材テープセグメントを前記型に適用する、テープ適用組立体と、
を備え、前記繊維配置ヘッドが、線形経路に沿って移動し、前記テープ適用組立体が、複合材テープセグメントを前記型に適用するために、前記線形経路に対して非平行なW軸に沿って移動
し、
前記繊維配置ヘッドは、前記テープ適用組立体を前記フレームの端部に向かって付勢するばねをさらに備える、繊維配置ヘッド。
【請求項7】
前記テープ適用組立体が、切断挟持および再開組立体をさらに備える、請求項
6に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項8】
前記繊維配置ヘッドを前記型に対して移動させるために前記繊維配置ヘッドに解放可能に連結されるロボットアームをさらに備える、請求項
6に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項9】
前記ロボットアームが、前記フレームをC軸の周りで回転させる、請求項
8に記載の繊維配置ヘッド。
【請求項10】
前記テープ適用組立体が、前記フレームの一方の端部から前記フレームの他方の端部に向かって前記W軸に沿って直線的に移動し、一方で、前記繊維配置ヘッドが、静止したままである、請求項
6に記載の繊維配置ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年10月7日に出願された米国仮特許出願第62/911,558号からの優先権の利益を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002]本出願は、繊維配置機に関し、より詳細には、W軸に沿った運動が可能でありかつ繊維配置機とともに使用される繊維配置ヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]繊維配置機は、複合材ワークピースを作り出すために使用される。樹脂に含侵された繊維状物質の形態の複合材料が、複合材ワークピースを集合的に形成するために、正確な位置および長さで機械により型またはマンドレルに適用される(換言すれば、配置される)。繊維配置機は、複合材ワークピースの最終的な形状に複合材テープを正確に適用するために、繊維配置ヘッドを型に対して移動させる。繊維配置ヘッドは、移動するにつれて、コス(course)またはトウ(tows)とも呼ばれる複数の複合材テープセグメントを型上に残す。型へのこれらの複合材テープセグメントの自動適用は、複合材テープを保持し、移動させて、最終的には切断する、多様な機械群の協働を伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]繊維配置機は、複合材テープを型に適用するための正確な位置にヘッドを配置するために繊維配置ヘッドを複数の軸に対して移動させる機構を含み得る。そして、繊維配置機が複合材テープを型上に敷設するにつれて、機構は、型にわたる経路に沿ってヘッド全体を移動させる。繊維配置ヘッドは、複合材テープセグメントのために使用される材料を供給する複合材テープのスプールなどの、かなりの質量を有するいくつかの物品を含み得る。複合材テープセグメントが型に適用される経路に沿って繊維配置ヘッドを正確に移動させる機構は、かなりの量のエネルギーを消費し得る。静止慣性(resting inertia)を克服すること、または、かなりの質量を有する繊維配置ヘッドの運動を正確に止めることは、ヘッドを移動させる機構にストレスを加え得る。このストレスは、かなりの量の短い複合材テープセグメントを敷設するときに、増大され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]1つの実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型上に適用するための繊維配置ヘッドが、ロボットアームに解放可能に接続されるように構成された、型に適用するための複合材テープを供給するフレームと、フレームによって摺動可能に担持され、かつ、複合材テープセグメントを型に適用する、テープ適用組立体と、を含み、テープ適用組立体は、フレームの一方の端部からフレームの他方の端部に向かってW軸に沿って直線的に移動する。
【0006】
[0006]別の実施態様では、複数の複合材テープセグメントを型上に適用するための繊維配置ヘッドが、型に適用するための複合材テープを供給するフレームと、フレームレールに沿ってフレームによって摺動可能に担持され、かつ、複合材テープセグメントを型に適用する、テープ適用組立体と、を含み、繊維配置ヘッドは、線形経路に沿って移動し、テープ適用組立体は、複合材テープセグメントを型に適用するために、線形経路に対して非平行なW軸に沿って移動する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0007]繊維配置機の一実施態様を示す斜視図である。
【
図2】[0008]繊維配置ヘッドの一実施態様を示す別の斜視図である。
【
図3】[0009]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す斜視図である。
【
図4】[0010]繊維配置ヘッドの一部分の一実施態様を示す別の斜視図である。
【
図5】[0011]繊維配置ヘッドの一実施態様を示す別の斜視図である。
【
図6A】[0012]繊維配置ヘッドを移動させるロボットアームの一実施態様を示す平面図である。
【
図6B】[0013]繊維配置ヘッドを移動させるロボットアームの別の実施態様を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0014]繊維配置機が、繊維配置ヘッドに対してW軸に沿って移動する適用ローラまたはスライドを有する繊維配置ヘッドを担持するロボットアームまたはガントリを使用し得る。適用ローラ/スライドを含む切断挟持および再開(CCR:cut,clamp,and restart)組立体が、繊維配置ヘッドのフレームに対して移動されてよく、フレームは、複合材テープが型に適用されている間、ロボットアーム/ガントリによって動かないように保持され得る。繊維配置ヘッドは、ロボットアームと分離可能に連結されかつ型に対して所定の位置に移動されるフレームを含み得る。すると、複合材テープセグメントが型上に敷設されるときに、適用ローラが、フレームに対して直線的に移動され得る。CCR組立体は、CCR組立体がW軸に沿ってフレームに対して直線的に摺動するときに、フレームによって担持された1つまたは複数の複合材テープスプールから複合材テープを引き寄せることができる。CCR組立体は、適用ローラと一緒に、W軸に沿った一方向にばねにより付勢され得る。複合材テープセグメントを型上に堆積(deposit)させる準備において、CCR組立体は、ばね力に逆らって利用可能可動域の一方の端に移動されて、その位置に保持され得る。ロボットアームが型に対して近接する位置に配置されると、CCR組立体は、解放されることが可能であり、ばねは、利用可能可動域の対向端に向かうW軸に沿った線形運動をCCR組立体に強制することができる。繊維配置ヘッドは、CCR組立体が利用可能可動域の端に到達することを可能にすることができ、または、ヘッドは、W軸に沿ってCCR組立体を停止させることができる。繊維配置ヘッドが1つだけの線形軸において移動している間に、複数の複合材テープセグメントが型に適用され得る。対照的に、これまでの複合材テープセグメントの適用は、繊維配置ヘッドを複数の軸に沿って移動させることを伴った。
【0009】
[0015]繊維配置機10の一実施態様が、
図1に示されている。繊維配置機10は、繊維配置ヘッド14と分離可能に連結されたロボットアーム12を含む。ロボットアームは、ベース16によって支持されてよく、ロボットアームは、ベース16上で軸(x)の周りで直線的に移動する。例えば枢動、回転、または伸縮によって移動することができる複数の可動セグメント18が、ベース16から外方に延在し得る。ロボットアーム12は、ベース16に対して複数の軸の周りで移動することができる。例えば、第1のセグメント18aが、ロボットアーム12がベース16を中心として回転することができるように、一方の端部においてベース16に回転可能に連結してよい。第2のセグメント18bが、第1のセグメント18aと枢動可能に連結してよく、第3のセグメント18cが、第2のセグメントと枢動可能に連結してよい。第4のセグメント18dが、第3のセグメント18cに連結されて、第3のセグメントから離れるようにまた第3のセグメントに向かうように伸縮自在に移動してよい。セグメント18は、ワークピースを作り出すために使用される型20またはマンドレルに対してロボットアーム12の遠位端部を移動させるために、流体ラム(fluidic ram)、電気モータ、もしくはそれらの組合せ、または他の駆動要素を使用して、互いに対して移動され得る。
【0010】
[0016]実行可能命令を有するコンピュータ可読記憶媒体と通信しているマイクロプロセッサ(図示せず)が、流体ラム、電気モータ、または他の駆動要素の動きを制御し、それによりロボットアーム12の可動セグメント18の動作および位置を制御し得る。マイクロプロセッサは、マイクロコントローラ、ホストプロセッサ、コントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、電子命令を処理することができる任意のタイプのデバイスであってよい。マイクロプロセッサは、ロボットアーム12の制御を行うためだけに使用される専用プロセッサであってよく、または、他の機械機能と共有されてもよい。マイクロプロセッサは、メモリに格納されたソフトウェアまたはファームウェアプログラムなどの、様々なタイプのデジタル記録された命令を実行する。ロボットアームを動かす流体ラムまたは電気モータなどの機構とマイクロプロセッサとの間の通信は、通信バスを介して行われ得る。
【0011】
[0017]ロボットアーム12は、作業のためにヘッド14を位置決めするために、または複合材テープを型20に適用するために、繊維配置ヘッド14を4つの軸に対して移動させることができる。これは、繊維配置ヘッドとともに使用され得るロボットアーム12の1つの実施態様であるが、複合材テープを適用するロボットアームまたは機械的デバイスの他の実施態様も、同様に使用され得る。例えば、繊維配置ヘッド14は、ヘッド14をx、y、およびz軸において動かすと同時にヘッド14がc軸を中心として回転することも可能にする、4軸ガントリとともに使用され得る。複合材テープは、未硬化状態で硬化性樹脂を含む炭素繊維強化ポリマー(CFRP)を意味し得る。これは、「プリプレグ」材料と呼ばれる場合があり、また、炭素繊維だけでなく、他の材料も含み得る。材料を硬化させるために、複合材テープに熱が加えられ得る。
【0012】
[0018]ベース16に対して遠位のロボットアーム12の端部は、繊維配置ヘッド14と解放可能に係合するチャック22を含み得る。チャック22および繊維配置ヘッド14の一部分は、チャック22が繊維配置ヘッド14を解放可能に掴むことができるように、対応する特徴を有し得る。1つの実施態様では、繊維配置ヘッド14は、ヘッド14の表面に対して直角に延在する円筒形シャンクを含む。ロボットアーム12は、チャック22がシャンクと係合しまた繊維配置ヘッド14がアーム12に弾性的に連結されるように、チャック22を位置決めすることができる。
【0013】
[0019]
図2~4に示されるように、繊維配置ヘッド14は、フレーム24と、ヘッド14のための複合材テープの供給源として複合材テープを担持する複数のスプール26と、テープ適用組立体とを含み得る。この実施態様では、テープ適用組立体は、切断挟持再開(CCR)組立体32によって実施され得る。CCR組立体32は、スプール26から複合材テープを受け取って型20に適用して複合材部品を作り出すことができる圧縮ローラ34(あるいは、圧縮スライド)を含み得る。フレーム24は、複数の外側表面36と、外側表面36に対して直角に取り付けられたスピンドル38とを含む。スピンドル38は、空気圧的に、機械的に、または流体的に制御されるダンサ要素を使用してテープ張力を生成するように移動されることが可能であり、ダンサ要素は、テープが型20に適用されるときに複合材テープにかかる張力を維持するのに役立つ。複合材テープは、型20への最終的な適用のために、スプール26から繰り出されて、圧縮ローラ34内へ移動し得る。CCR組立体32は、W軸に沿ってフレーム24に対して摺動し得る。これは、以下でより詳細に論じられる。
【0014】
[0020]繊維配置ヘッド14は、繊維配置ヘッド14の構成要素と、CCR組立体32と、最終的に複合材テープのコスを型20に押し付ける圧縮ローラ34とを支持するための、CCRフレーム40を含み得る。圧縮ローラ34に到達する前に、複合材テープの一部分は、上部送り部分42を通過することができ、複合材テープの別の部分は、下部送り部分44を通過することができる。上部送り部分42は、偶数番目の複合材テープを処理することができ、下部送り部分44は、圧縮ローラ34において出会う奇数番目の複合材テープを処理することができる。例として、8つの繊維経路またはレーンを有する繊維配置ヘッド14の場合、上部送り部分42は、番号2、4、6、および8によって識別される複合材テープを処理することができ、一方で、下部送り部分44は、番号1、3、5、および7によって識別される複合材テープを処理することができる。上部送り部分42および下部送り部分44は、角度(α)だけ隔離され得る。上部送りローラ46および下部送りローラ48が、それぞれ、スプール26から上部送り部分42および下部送り部分44まで複合材テープを送ることができる。複数のレーンモジュール54が、上部送り部分42および下部送り部分44に含まれ得る。
【0015】
[0021]上部送り部分42および下部送り部分44のそれぞれは、複数の取付けベース52を受け入れるためのマニホルド64を含むことができ、取付けベース52は、複数のレーンモジュール54を解放可能に受け入れることができる。電気機械式弁62は、レーンモジュール54に当接し、かつ、後部空気ブロックを介して取付けベースに連結され得る。各レーンモジュール54は、弁62が作動のためにモジュール54に選択的に圧縮空気を供給するように、電磁弁62に当接し得る。取付けベースは、マニホルド64と連結することができ、流体通路は、供給源から後部空気ブロックおよび電気機械式弁62を通って最終的には取付けベース52に連結されたレーンモジュール54に到達する圧縮空気を送る。圧縮空気は、マニホルド64および後部空気ブロックからの空気を送る電磁弁62により、レーンモジュール54に選択的に供給され得る。1つの実施態様では、電磁弁62は、レーンモジュール54の作動を制御するためにマイクロプロセッサが開閉するスイッチによって制御される電圧を受け取るソレノイドを含む。
【0016】
[0022]
図5に目を向けると、フレーム24と、フレーム24に対してW軸に沿って直線的に摺動するCCR組立体32とを有する繊維配置ヘッド14が示されている。フレーム24は、繊維配置ヘッド14と解放可能に係合するチャック22に対向するフレーム表面72上に、フレームレール70を含み得る。フレーム表面72は、繊維配置ヘッド14が複合材テープセグメントを適用する型20に面し得る。CCR組立体32は、フレームレール70に対応しかつフレームレール70と係合する、CCRレール74を含み得る。フレームレール70およびCCRレール74は、CCRレール74がフレームレール70と係合しかつCCR組立体32をフレーム24から支持するように、L字状の断面を有し得る。支持だけでなく、レール70、74は、W軸に沿ったフレーム24に対するCCR組立体32の移動を可能にする。W軸は、繊維配置ヘッド14がc軸の周りでロボットアーム12に対して回転するにつれて、x、y、およびz軸に対して角度的に変位され得る。CCR組立体32および圧縮ローラ34は、おおよそ90度だけx軸、y軸、またはz軸に対して角度的に変位されてよく、したがって、複合材テープは、CCR組立体32がW軸に沿って移動するにつれて、様々な角度で型20に適用され得る。
【0017】
[0023]ばね(図示せず)が、CCR組立体32をフレーム24の第1の端部76に向かって付勢し得る。複合材テープのセグメントを型20上に適用する前に、CCR組立体32は、ばねのばね力を克服して、フレーム24の第2の端部78に向かって移動され得る。CCR組立体32を第1の端部76から第2の端部78へ移動させることの一部として、複合材テープは、スプール26から引き出されて、CCR組立体32が複合材テープの1つまたは複数のセグメントを適用する準備をすることができる。CCR組立体32は、第2の端部78において所定の位置に保持され得る。ロボットアーム12は、圧縮ローラ34が型20の1つの縁部に位置決めされるように、CCR組立体32を型20に沿って移動させることができる。CCR組立体32は、解放されることが可能であり、ばねは、CCR組立体32をW軸に沿って移動させることができる。CCR組立体32がフレーム24に対して移動するにつれて、圧縮ローラ34は、複合材テープを型20に適用することができる。CCR組立体32が第1の端部76に到達した後、ロボットアーム12は、CCR組立体32をy軸に沿って型20に対して移動させることができる。CCR組立体32は、第1の端部76まで移動することを可能とされてよく、または、第1の端部76と第2の端部78との間のW軸に沿ったある点で停止されてもよい。次いで、プロセスは、型20への複合材テープのさらなる適用のために繰り返され得る。
【0018】
[0024]
図6A~6Bに目を向けると、複合材テープセクションが適用される型またはマンドレルに対する繊維配置ヘッドの動きの異なる平面図が示されている。
図6Aに関しては、ロボットアーム12がCCR組立体32をW軸に沿って動かすことなしに複合材テープを型20に適用するときの、ジグザグ経路80に沿って移動している繊維配置ヘッド14が示されている。ロボットアーム12は、CCR組立体32をW軸に沿って移動させることなしに、繊維配置ヘッド14をx軸およびy軸の両方に対して移動させる。この実施態様では、ロボットアーム12は、複合材テープが型20に適用される経路全体に沿って繊維配置ヘッド14を移動させる。対照的に、
図6Bは、線形経路82に沿って移動する繊維配置ヘッド14を示す。この実施態様では、CCR組立体32だけが、複合材テープが型20に適用される経路に沿って移動し、一方で、繊維配置ヘッド14は、静止した(換言すれば、移動しない)ままである。ロボットアーム12は、繊維配置ヘッド14を型20の縁部84の近くに位置決めすることができる。CCR組立体32は、解放されることが可能であり、ばねは、所望の量の複合材テープを型20上に適用するために、CCR組立体32を所望の移動量だけW軸に沿って且つ型20にわたって移動させることができる。CCR組立体32は、第1の端部76に到達することができ、または、CCR組立体32は、第1の端部76に到達する前に停止されてもよい。CCR組立体32が停止されると、ロボットアーム12は、繊維配置ヘッド14を縁部84に沿った次の位置86まで線形経路82に沿って移動させることができ、複合材テープのさらなるセグメントが、型20に適用され得る。このプロセスは、型20に適用される複合材テープセグメントの数に応じて繰り返され得る。
【0019】
[0025]これまで述べてきたことは、本発明の1つまたは複数の実施形態に関する説明であることが、理解されるべきである。本発明は、本明細書において開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲によってのみ定められる。さらに、上記の説明に含まれる記述は、特定の実施形態に関するものであり、また、用語または語句が上記で明確に定義されている場合を除き、本発明の範囲への制限または特許請求の範囲において使用される用語の定義への制限と解釈されるべきではない。様々な他の実施形態、ならびに開示された実施形態に対する様々な変更および修正が、当業者には明らかになるであろう。すべてのそのような他の実施形態、変更、および修正は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれることが意図されている。
【0020】
[0026]本明細書および特許請求の範囲において、用語「例えば(e.g.)」、「例えば(for example)」、「例として(for instance)」、「~などの(such as)」、および「~のような(like)」、ならびに動詞「備えている(comprising)」、「有している(having)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの他の動詞の形態は、1つまたは複数の構成要素もしくは他の物品の列挙と併せて使用された場合、それぞれ無制限と解釈されるべきであり、つまり、列挙は、他の追加の構成要素または物品を除外すると見なされるべきではない。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈においてそれらの用語が使用される場合を除き、それらの用語の最も広い妥当な意味を使用して解釈されるべきである。