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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】回路基板及びプローブカード
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240905BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 L
G01R1/073 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022539538
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 JP2021027932
(87)【国際公開番号】W WO2022025128
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2020127820
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】手賀 仁
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-096246(JP,A)
【文献】国際公開第2011/048858(WO,A1)
【文献】特開2007-123595(JP,A)
【文献】特開2004-265883(JP,A)
【文献】特開2008-275409(JP,A)
【文献】特表2015-508240(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057542(WO,A1)
【文献】特開2016-045092(JP,A)
【文献】米国特許第06459039(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
G01R 1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線導体を含む絶縁基板と、
前記絶縁基板と異なる素材の樹脂から構成され、前記絶縁基板に積層された第1樹脂基板と、
を備え、
前記第1樹脂基板は、
前記絶縁基板に対向する面から前記絶縁基板とは反対側の面にかけて位置する複数の内部導体を有し、
前記複数の内部導体は、前記対向する面の垂線に対して傾斜した部分を含み、
前記絶縁基板側における前記複数の内部導体の間隔よりも、前記絶縁基板とは反対側における前記複数の内部導体の間隔の方が狭く、
前記複数の内部導体の少なくとも一部には、前記垂線に沿った方向に延在する垂直部と前記垂線に対して傾斜した傾斜部とが含まれ、
前記垂直部が前記絶縁基板側に位置し、前記傾斜部が前記絶縁基板の反対側に位置し、
前記複数の内部導体に含まれる前記垂直部は、前記複数の内部導体の束の中央から遠い前記内部導体に含まれる前記垂直部ほど長い、
回路基板。
【請求項2】
配線導体を含む絶縁基板と、
前記絶縁基板と異なる素材の樹脂から構成され、前記絶縁基板に積層された第1樹脂基板と、
を備え、
前記第1樹脂基板は、
前記絶縁基板に対向する面から前記絶縁基板とは反対側の面にかけて位置する複数の内部導体を有し、
前記複数の内部導体は、前記対向する面の垂線に対して傾斜した部分を含み、
前記絶縁基板側における前記複数の内部導体の間隔よりも、前記絶縁基板とは反対側における前記複数の内部導体の間隔の方が狭く、
前記複数の内部導体の少なくとも一部には、互いに傾斜角度が異なる第1傾斜部及び第2傾斜部が含まれ、
前記第2傾斜部が前記絶縁基板側に位置し、前記第1傾斜部が前記絶縁基板の反対側に位置し、
前記複数の内部導体は、該複数の内部導体の束の中央から片側に位置する互いに隣り合った第1内部導体と第2内部導体とを含み、
平面透視において、前記第1内部導体の前記絶縁基板側の一端から他端を向く方向と、前記第2内部導体の前記絶縁基板側の一端から他端を向く方向とが、同一側であり、
前記第1内部導体の前記第1傾斜部と前記第2内部導体の前記第1傾斜部とが垂直に対して互いに逆側に傾斜し、前記第1内部導体の前記第2傾斜部と前記第2内部導体の前記第2傾斜部とが垂直に対して同一側に傾斜している、
回路基板。
【請求項3】
前記複数の内部導体は、前記対向する面に対して平行に延在する平行部を含まない、
請求項1又は請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記垂線に沿った方向から見て、前記第1樹脂基板が、前記絶縁基板の全周より内側に位置する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項5】
前記絶縁基板の前記第1樹脂基板側に電気素子が搭載され、
前記第1樹脂基板が前記電気素子を覆っている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項6】
前記絶縁基板と異なる素材の樹脂から構成され、前記第1樹脂基板とは反対側で前記絶縁基板に積層された第2樹脂基板を、更に備え、
前記第2樹脂基板は、前記絶縁基板側から反対側にかけて位置する複数の内部導体を含む、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回路基板。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回路基板と、
前記回路基板に接続された複数のプローブピンと、
を備えるプローブカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路基板及びプローブカードに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-186222号公報には、樹脂基板とセラミック基板とが積層され、樹脂基板に複数のプローブピンが接続されたプローブカードが示されている。樹脂基板内には複数の内部導体が位置する。複数の内部導体は、プローブピン側で間隔が狭く、セラミック絶縁基板側で間隔が広い。各内部導体は、樹脂基板を構成する樹脂絶縁層の積層面に延在する薄膜導体と、樹脂絶縁層を貫通する貫通導体とが、階段状に組み合わされて構成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(1)
本開示の一態様に係る回路基板は、
配線導体を含む絶縁基板と、
前記絶縁基板と異なる素材の樹脂から構成され、前記絶縁基板に積層された第1樹脂基板と、
を備え、
前記第1樹脂基板は、
前記絶縁基板に対向する面から前記絶縁基板とは反対側の面にかけて位置する複数の内部導体を有し、
前記複数の内部導体は、前記対向する面の垂線に対して傾斜した部分を含み、
前記絶縁基板側における前記複数の内部導体の間隔よりも、前記絶縁基板とは反対側における前記複数の内部導体の間隔の方が狭く、
前記複数の内部導体の少なくとも一部には、前記垂線に沿った方向に延在する垂直部と前記垂線に対して傾斜した傾斜部とが含まれ、
前記垂直部が前記絶縁基板側に位置し、前記傾斜部が前記絶縁基板の反対側に位置し、
前記複数の内部導体に含まれる前記垂直部は、前記複数の内部導体の束の中央から遠い前記内部導体に含まれる前記垂直部ほど長い。
(2)
本開示のもう一つの態様に係る回路基板は、
配線導体を含む絶縁基板と、
前記絶縁基板と異なる素材の樹脂から構成され、前記絶縁基板に積層された第1樹脂基板と、
を備え、
前記第1樹脂基板は、
前記絶縁基板に対向する面から前記絶縁基板とは反対側の面にかけて位置する複数の内部導体を有し、
前記複数の内部導体は、前記対向する面の垂線に対して傾斜した部分を含み、
前記絶縁基板側における前記複数の内部導体の間隔よりも、前記絶縁基板とは反対側における前記複数の内部導体の間隔の方が狭く、
前記複数の内部導体の少なくとも一部には、互いに傾斜角度が異なる第1傾斜部及び第2傾斜部が含まれ、
前記第2傾斜部が前記絶縁基板側に位置し、前記第1傾斜部が前記絶縁基板の反対側に位置し、
前記複数の内部導体は、該複数の内部導体の束の中央から片側に位置する互いに隣り合った第1内部導体と第2内部導体とを含み、
平面透視において、前記第1内部導体の前記絶縁基板側の一端から他端を向く方向と、前記第2内部導体の前記絶縁基板側の一端から他端を向く方向とが、同一側であり、
前記第1内部導体の前記第1傾斜部と前記第2内部導体の前記第1傾斜部とが垂直に対して互いに逆側に傾斜し、前記第1内部導体の前記第2傾斜部と前記第2内部導体の前記第2傾斜部とが垂直に対して同一側に傾斜している。
【0004】
本開示に係るプローブカードは、
上記の回路基板と、
前記回路基板に接続された複数のプローブピンと、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本開示の実施形態1に係る回路基板及びプローブカードを示す縦断面図である。
図1B】本開示の実施形態1に係る回路基板及びプローブカードを示す平面図である。
図1C】本開示の実施形態1に係る回路基板及びプローブカードにおける接合部の変形例を示す縦断面図である。
図2】本開示の実施形態2に係る回路基板を示す縦断面図である。
図3】本開示の実施形態3に係る回路基板を示す縦断面図である。
図4A】本開示の実施形態4に係る回路基板を示す縦断面図である。
図4B】本開示の実施形態4に係る回路基板を示す平面図である。
図5】本開示の実施形態5に係る回路基板を示す縦断面図である。
図6】本開示の実施形態6に係る回路基板を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本開示の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0007】
(実施形態1)
図1Aは、本開示の実施形態1に係る回路基板及びプローブカードを示す縦断面図である。図1Bは、本開示の実施形態1に係る回路基板及びプローブカードを示す平面図である。図1Cは、本開示の実施形態1に係る回路基板及びプローブカードにおける接合部の変形例を示す縦断面図である。図1Aは、図1BのA-A線における断面に相当する。
【0008】
本開示の実施形態1に係るプローブカード1は、半導体ウエハ(具体的には半導体ウエハ上の複数の半導体素子)の試験装置に組み込まれる構成部品である。プローブカード1は、試験用の信号又は電圧を入出力する信号処理回路と、試験対象のウエハとの間に介在し、複数のプローブピン61が半導体素子の電極に接触する。プローブカード1は、回路基板2と、回路基板2の複数の接続パッド48に接続された複数のプローブピン61とを備える。回路基板2は、絶縁基板10と、絶縁基板10に積層された樹脂基板30とを有する。樹脂基板30は本開示に係る第1樹脂基板の一例に相当する。
【0009】
絶縁基板10は、複数の絶縁層11が積層されて構成される。各絶縁層11はセラミックから構成される。絶縁基板10には配線導体20が含まれる。配線導体20は、絶縁層11の積層面に延在するベタ導体25及び膜導体23と、一層又は複数層の絶縁層11を貫通するビア導体22とを備える。さらに、配線導体20は、絶縁基板10の第1の基板面10a(樹脂基板30に対向する面)に位置する複数の接続パッド21と、第2の基板面10bに位置する複数の外部端子24と、を含む。ビア導体22は、第1の基板面10a、第2の基板面10bに対して垂直な方向に延在する。ベタ導体25は、電源電圧又は接地電圧が供給される導体であり、膜導体23よりも広い領域を占める。一つの層に、互いに導通されないベタ導体25とビア導体22又は膜導体23とがある場合、ベタ導体25に切欠きが設けられ、当該切欠きにビア導体22及び膜導体23が位置する。複数の外部端子24、複数の膜導体23、複数のビア導体22、複数のベタ導体25、並びに、複数の接続パッド21は、様々なパターンで接続される。配線導体20のうち高周波の信号が伝送される導体は、ベタ導体25が周囲の層に配置されることで、インピーダンスの整合が図られる。
【0010】
樹脂基板30は、単一の樹脂層を有する。樹脂層の素材は、例えばポリイミドである。樹脂基板30は、複数の内部導体40と、複数の接続パッド48とを含む。
【0011】
各内部導体40は、樹脂基板30の第1の基板面30aから反対側の第2の基板面30bにかけて位置する。第2の基板面30bが絶縁基板10に対向する。複数の内部導体40は、第2の基板面30bの垂線に対して傾斜した部分を含む。具体的には、各内部導体40は、第1の基板面30aに平行な方向に延在する平行部を含まず、第1の端から反対側の第2の端まで一定の傾斜角度で傾斜し、樹脂層を貫通する。複数の内部導体40は、隣り合う2つの内部導体40の傾斜角度が少しずつ異なることで、交差することなく、第1の基板面30a側において間隔が狭く、第2の基板面30b側において間隔が広い。
【0012】
複数の接続パッド48は、樹脂基板30の第1の基板面30a(絶縁基板10とは反対側の面)に位置する。複数の接続パッド48はそれぞれ複数の内部導体40に接続され、更に内部導体40を介して、絶縁基板10の複数の接続パッド21にそれぞれ電気的に接続される。複数の内部導体40の傾斜によって、絶縁基板10の複数の接続パッド21のピッチを広く、樹脂基板30の複数の接続パッド48のピッチを狭くできる。
【0013】
なお、図1Aでは、複数の内部導体40の全てが第2の基板面30bの垂線に対して傾斜した例を示したが、幾つかの内部導体40が傾斜し(又は傾斜した部分を含み)、別の幾つかの内部導体40が傾斜しない(又は傾斜した部分を含まない)構成が採用されてもよい。上記の別の幾つかの内部導体40は、第2の基板面30bの垂線に沿った方向に延在する貫通導体であってもよいし、階段状に延在する導体であってもよい。
【0014】
<回路基板の製造方法>
絶縁層11の素材には、例えば酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ムライト質焼結体又はガラスセラミックス等のセラミック焼結体を適用できる。絶縁層11の素材として酸化アルミニウム質焼結体を適用する場合、絶縁基板10は、次のように製作することができる。まず、酸化アルミニウム粉末及び焼結助剤成分となる酸化ケイ素等の粉末を主成分とする原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練してスラリーとするとともに、このスラリーをドクターブレード法又はリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して絶縁層11となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を作製する。次に、複数のグリーンシートを積層して積層体を作製する。その後、この積層体を約1300℃~1600℃程度の温度で焼成することによって絶縁基板10を製作することができる。
【0015】
配線導体20は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン又は銅等の金属材料、もしくは、上記の金属材料の合金材料を導体成分として含む。接続パッド21、膜導体23、外部端子24及びベタ導体25は、例えば、タングステンのメタライズ層である場合には、タングステンの粉末を有機溶剤及び有機バインダと混合して作製した金属ペーストを絶縁層11となる上記グリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷してグリーンシートとともに焼成する方法で作製することができる。また、ビア導体22は、上記の金属ペーストの印刷に先駆けてグリーンシートの所定の位置に貫通孔を設け、上記と同様の金属ペーストをこの貫通孔に充填しておくことで形成することができる。接続パッド21及び外部端子24のように露出する導体層の表面には、1~10μm程度のニッケル膜及び0.1~3μm程度の金膜を順に形成して、露出する導体層の表面を保護するとともに、ろう材、はんだ等の接合性を高めることができる。ニッケル膜及び金膜は、電解めっきによるめっき膜あるいは薄膜で作製することができる。
【0016】
樹脂基板30は、次のように作製することができる。まず、絶縁基板10の接続パッド21上に、複数の接続パッド21から傾斜して延在する複数の内部導体40及びその上の複数の接続パッド48を、3Dプリンタを用いて形成する。その後、複数の内部導体40の周囲を埋めるように、絶縁基板10の第1の基板面10aから複数の接続パッド48の高さまで、硬化前の樹脂を充填し、当該樹脂を硬化させる。このような工程により、絶縁基板10に一体化された樹脂基板30を作製できる。なお、内部導体40の形成と並行して樹脂の部分も3Dプリンタを用いて形成することで樹脂基板30を作製することもできる。
【0017】
あるいは、樹脂基板30は、次のように作製することができる。まず、単一の樹脂層を形成し、レーザーを用いて樹脂層に傾斜した複数の貫通孔を設ける。次に、複数の貫通孔に導電性ペーストを充填し硬化させることで複数の内部導体40を形成する。さらに、樹脂層の第1の面に、導電性ペーストをスクリーン印刷して硬化させるか、あるいは、薄膜成形により複数の接続パッド48を形成する。さらに、樹脂層の反対の第2の面に、導電性ペーストをスクリーン印刷して硬化させるか、あるいは、薄膜成形により複数の接続パッド49(図1C)を形成する。このような工程により、絶縁基板10とは別体に樹脂基板30を作製することができる。なお、内部導体40についても薄膜形成(例えば無電解めっき)により形成することもできる。その後、図1Cに示すように、樹脂基板30の複数の接続パッド49と絶縁基板10の複数の接続パッド21とを半田等の導電性接合材51で接合し、樹脂基板30の第2の基板面30bと絶縁基板10の第1の基板面10aとを接着剤等の絶縁性接合材52で接合する。このような工程により、絶縁基板10と樹脂基板30とが積層された回路基板2を製造することができる。
【0018】
以上のように、実施形態1の回路基板2によれば、樹脂基板30の内部導体40が、第2の基板面30bの垂線に対して傾斜した部分を含む。そして、内部導体40の傾斜により、複数の内部導体40は、第2の基板面30b側で間隔が広く、プローブピン61が接続される第1の基板面30a側で間隔が狭い。したがって、絶縁基板10の複数の接続パッド21のピッチを広くしても、樹脂基板30を介在させることで、狭いピッチで配列された複数のプローブピン61を、絶縁基板10の複数の接続パッド21にそれぞれ電気的に接続することができる。
【0019】
絶縁基板10の複数の接続パッド21のピッチを広くできることで、絶縁基板10においては、配線導体20の設計自由度が向上し、配線導体20の特性を向上できる。例えば高周波信号を伝送する線路、あるいは、線路間のアイソレーション特性の向上が要求された線路に対して、周囲の層にベタ導体25を配置して、線路のインピーダンス整合を図り、また、アイソレーションの要求に応じることができる。
【0020】
さらに、実施形態1の樹脂基板30においては、第1の基板面30a側と第2の基板面30b側とで複数の内部導体40の間隔を変更する構造を、内部導体40の傾斜によって実現している。したがって、階段状の内部導体により上記の構造を実現する場合と比較して、樹脂基板30を薄くして、回路基板2及びプローブカード1の低背化を図ることができる。
【0021】
さらに、ウエハの試験装置では、ウエハに加熱と冷却とを繰り返す加速試験が行われることがある。ウエハの加速試験が行われた場合、絶縁基板10と樹脂基板30との熱膨張の差に起因する応力変動が絶縁基板10と樹脂基板30とに繰り返し加わることになる。しかし、実施形態1の樹脂基板30では、上記の応力変動に対して内部導体40の高い耐性が得られる。さらに、樹脂基板30は薄くできることから、上記の応力変動が小さくなり、回路基板2及びプローブカード1の信頼性をより向上できる。
【0022】
(実施形態2)
図2は、本開示の実施形態2に係る回路基板を示す縦断面図である。実施形態2に係る回路基板2Aは、幾つかの内部導体40Aの配線パターンが異なる他は、実施形態1と同様である。
【0023】
配線パターンが異なる内部導体40Aは、第2の基板面30bの垂線に対して傾斜した傾斜部42と、上記垂線に沿った方向に延在する垂直部43とを含む。傾斜部42と垂直部43とは一本に連接される。垂直部43が絶縁基板10側に位置し、傾斜部42が絶縁基板10の反対側に位置してもよい。また、垂直部43は、複数の内部導体40、40Aの束の中央から遠いほど長くてもよい。実施形態2の回路基板2Aによれば、実施形態1の回路基板2と同様の効果が得られる。さらに、実施形態2の回路基板2Aによれば、垂直部43を含む内部導体40Aにより、互いに隣り合う2つの内部導体40、40A間の距離を大きくとり、各内部導体40、40Aのアイソレーション特性を向上できるという効果が得られる。
【0024】
実施形態2の回路基板2Aは、実施形態1で示した回路基板2の製造方法のうち、内部導体40、40Aを3Dブリンタで形成する方法により作製することができる。
【0025】
なお、実施形態2の内部導体40Aは、1つの内部導体40Aに1つ又は複数の傾斜部42と1つ又は複数の垂直部43とが含まれる構成としてもよい。傾斜部42と垂直部43との連接部はなだらかに曲がっていてもよいし、屈曲していてもよい。
【0026】
(実施形態3)
図3は、本開示の実施形態3に係る回路基板を示す縦断面図である。実施形態3に係る回路基板2Bは、幾つかの内部導体40Bの配線パターンが異なる他は、実施形態1と同様である。
【0027】
配線パターンが異なる内部導体40Bは、第2の基板面30bの垂線に対して傾斜角度が異なる第1傾斜部44と第2傾斜部45とを含む。第1傾斜部44と第2傾斜部45とは一本に連接される。実施形態3の回路基板2Bによれば、実施形態1の回路基板2と同様の効果が得られる。さらに、実施形態3の回路基板2Bによれば、第1傾斜部44と第2傾斜部45を含む内部導体40Bにより、隣り合う特定の内部導体40B、40B間の距離を大きくとることができる(図3中、矢印で距離が大きくなった部分を示す)。アイソレーション特性をより高めたい特定の内部導体40、40Bが有る場合に、このような要求に対応することができる。
【0028】
実施形態3の回路基板2Bは、実施形態1で示した回路基板2の製造方法のうち、内部導体40、40Bを3Dブリンタで形成する方法により作製することができる。
【0029】
なお、実施形態3の内部導体40Bは、傾斜角度が連続しない3つ以上の傾斜部が連接される構成としてもよい。また、実施形態3の内部導体40Bは、傾斜角度が連続しない複数の傾斜部と垂直部43とが連接される構成としてもよい。傾斜角度が異なる部分の連接部は、なだらかに曲がっていてもよいし、屈曲していてもよい。さらに、内部導体40Bは、傾斜角度が連続して変化する部分を含んでいてもよい。また、内部導体40Bは、第1の端から反対側の第2の他端まで傾斜角度が連続して変化する構成であってもよい。上記の場合、傾斜角度が連続して変化する範囲における一部が第1傾斜部に相当し、他の部分が第2傾斜部分に相当する。
【0030】
(実施形態4)
図4Aは、本開示の実施形態4に係る回路基板を示す縦断面図である。図4Bは、本開示の実施形態4に係る回路基板を示す平面図である。図4Aは、図4BのA-A線における断面に相当する。実施形態4に係る回路基板2Cは、平面視したときの樹脂基板30Cの面積が、平面視したときの絶縁基板10の面積よりも小さい。そして、第2の基板面30bに垂直な方向から見て、樹脂基板30Cが、絶縁基板10の全周よりも内側に位置する。その他の構成要素は、実施形態1~3の構成と同様である。実施形態4の回路基板2Cによれば、実施形態1の回路基板2と同様の効果が得られる。樹脂基板30Cは本開示に係る第1樹脂基板の一例に相当する。
【0031】
回路基板2Cの温度が変化したとき、絶縁基板10と樹脂基板30Cとの間に熱膨張率差に起因する応力が生じる。しかし、実施形態4の回路基板2Cによれば、樹脂基板30Cの樹脂層の寸法(第2の基板面30bに沿った2軸方向の寸法)が小さいので、上記の応力が小さくなり、樹脂基板30Cと絶縁基板10との接合部、あるいは、絶縁基板10の配線導体20と樹脂基板30Cの配線導体(接続パッド21と内部導体40)との接合部において、接合の信頼性を向上できる。
【0032】
実施形態4の樹脂基板30Cの樹脂層の寸法(第2の基板面30bに沿った2軸方向の寸法)を、絶縁基板10の第1の基板面10aより小さくする構成は、後述する実施形態にも適用可能である。
【0033】
(実施形態5)
図5は本開示の実施形態5に係る回路基板を示す縦断面図である。実施形態5に係る回路基板2Dは、絶縁基板10上に電気素子71が搭載され、樹脂基板30の樹脂層が電気素子71を覆っている。その他の構成要素は、実施形態1~実施形態3と同様である。電気素子71としては、電源電圧又は接地電圧が供給されるベタ導体25に電気的に接続されて電源ノイズ等を減衰させるコンデンサ又はコイルなどが適用されてもよい。電気素子71は、上方及び全側方が樹脂層に覆われる。
【0034】
実施形態5の回路基板2Dによれば、実施形態1の回路基板2と同様の効果が得られる。さらに、実施形態5に係る回路基板2Dによれば、樹脂基板30の樹脂層を電気素子71の保護部材として流用することができる。また、回路基板2Dから突出することなく、絶縁基板10に電気素子71を搭載することができるので、電気素子71及び回路基板2Dが機械的な損傷を受ける可能性を低減出来るという利点が得られる。
【0035】
電気素子71を覆う樹脂層は、絶縁基板10に電気素子71が搭載され、かつ、3Dプリンタにより内部導体40等が形成された後に、絶縁基板10上及び電気素子71の周囲に硬化前の樹脂を充填し、樹脂を硬化させることで形成することができる。あるいは、樹脂基板30の樹脂層に、電気素子71が収容される空間を予め型成形により形成しておき、電気素子71を搭載した絶縁基板10に、樹脂基板30を積層及び接合することで、樹脂基板30の樹脂層が電気素子71を覆う構成を実現することができる。
【0036】
(実施形態6)
図6は、本開示の実施形態6に係る回路基板を示す縦断面図である。実施形態6の回路基板2Eは、絶縁基板10Eの第1の基板面10aと第2の基板面10bとの両方に、樹脂基板30、80Eが積層されている。追加された樹脂基板80E及び絶縁基板10Eの第2の基板面10b側の構成以外は、実施形態1~3、5の構成と同様である。樹脂基板80Eは本開示に係る第2樹脂基板の一例に相当する。
【0037】
絶縁基板10Eは、複数の外部端子24の替わりに、第2の基板面10bに位置する複数の接続パッド21Eを有する。
【0038】
樹脂基板80Eは、単一の樹脂層を有する。樹脂基板80Eには、複数の内部導体90と、複数の外部端子92とが含まれる。複数の内部導体90は、樹脂基板80Eの第1の基板面80aから反対の第2の基板面80bにかけて位置する。複数の外部端子92は、樹脂基板80Eの絶縁基板10Eとは反対側の第2の基板面80bに位置する。複数の外部端子92はそれぞれ複数の内部導体90と接続され、さらに内部導体90を介して絶縁基板10Eの複数の接続パッド21Eに電気的に接続される。樹脂基板80Eは、電源電圧が供給されるベタ導体、あるいは、接地されるベタ導体を含まない。
【0039】
複数の内部導体90は、実施形態1~3の内部導体40、40A、40Bに示したように、傾斜する部分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。複数の内部導体90は、絶縁基板10E側の間隔が狭く、絶縁基板10Eとは反対側の間隔が広がっていてもよい。さらに、樹脂基板80Eが、絶縁基板10Eの一つの絶縁層11内の配線機能を代替することで、絶縁基板10Eの層数が削減されてもよい。
【0040】
樹脂基板80Eは、実施形態1で示した樹脂基板30の製造方法と同様の方法で作製できる。
【0041】
実施形態6の回路基板2Eによれば、実施形態1の回路基板2と同様の効果が得られる。さらに、実施形態6の回路基板2Eによれば、樹脂基板30、80Eの樹脂層が絶縁基板10の両方の第1の基板面10a、第2の基板面10bに接合されているので、応力に起因する回路基板2Eの反りを低減することができる。また、絶縁基板10の層数を削減することができる。
【0042】
以上、各実施形態について説明した。しかし、本開示の回路基板及びプローブカードは上記実施形態に限られるものでない。例えば、上記実施形態の回路基板2、2A~2Eは、実施形態1で示したプローブカードの回路基板として利用できるが、プローブカードに利用することに限られず、例えば狭ピッチに配列された複数の外部端子を有するフリップチップ又は電子素子が実装される回路基板に適用してもよい。さらに、実施形態6の回路基板2Eは、上記のフリップチップ、電子素子等が両面に実装される両面実装基板に適用することができる。その他、絶縁基板の内部構造、絶縁層の素材、樹脂基板の樹脂層の素材など、実施形態で示した細部は適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示は、回路基板及びプローブカードに利用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 プローブカード
2、2A~2E 回路基板
10、10E 絶縁基板
10a 第1の基板面
10b 第2の基板面
11 絶縁層
20 配線導体
21、21E 接続パッド
22 ビア導体
23 膜導体
24 外部端子
25 ベタ導体
30、30C 樹脂基板(第1樹脂基板)
30a 第1の基板面
30b 第2の基板面
40、40A、40B 内部導体
42 傾斜部
43 垂直部
44 第1傾斜部
45 第2傾斜部
48 接続パッド
49 接続パッド
51 導電性接合材
52 絶縁性接合材
61 プローブピン
71 電気素子
80E 樹脂基板(第2樹脂基板)
80a 第1の基板面
80b 第2の基板面
90 内部導体
92 外部端子
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6