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特許7550241マルチポジションディスペンサー及びそのディスペンシング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】マルチポジションディスペンサー及びそのディスペンシング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240905BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240905BHJP
   B05C 9/14 20060101ALI20240905BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20240905BHJP
   B05C 13/00 20060101ALI20240905BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240905BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240905BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20240905BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
B05C5/00 101
B05C9/14
B05C11/00
B05C13/00
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D3/02 B
B05D7/00 K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022567194
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 CN2021094063
(87)【国際公開番号】W WO2022012146
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202010694552.2
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520508310
【氏名又は名称】常州銘賽机器人科技股▲フン▼有限公司
【住所又は居所原語表記】Mingseal Technology Building, Changzhou Science & Education Town, No.18 Middle Changwu Road, Wujin District, Changzhou,Jiangsu 213164, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】曲 東升
(72)【発明者】
【氏名】李 長峰
(72)【発明者】
【氏名】▲がお▼ 福亮
(72)【発明者】
【氏名】王 暁春
(72)【発明者】
【氏名】周 典▲ちゅう▼
(72)【発明者】
【氏名】林 翔
(72)【発明者】
【氏名】苗 虎
(72)【発明者】
【氏名】黄 継明
(72)【発明者】
【氏名】樊 建
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-203635(JP,A)
【文献】特開平11-135392(JP,A)
【文献】特開平08-227929(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109786299(CN,A)
【文献】特開2015-195303(JP,A)
【文献】特開平06-310463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
B05C 5/00
B05C 9/14
B05C 11/00
B05C 13/00
B05D 1/26
B05D 3/00
B05D 3/02
B05D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチポジションディスペンサーであって、
材料供給・投下機構と、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置と、ウェハ予熱機構と、複数のウェハ加熱装置と、複数のディスペンシング装置と、を備え、
前記材料供給・投下機構内には活動空間が限定されており、その周辺には複数の加工ポジションが設けられ、前記材料供給・投下機構は、前記活動空間と各加工ポジションとの間で運動してウェハを搬送し、複数の前記加工ポジションが1つの位置決めポジション、1つの予熱ポジション及び複数のディスペンシングポジションを含み
前記材料供給・投下機構の両側にはそれぞれ少なくとも2つの前記ディスペンシングポジションが設けられ、前記1つの位置決めポジションは前記材料供給・投下機構の両側のうちの一側の2つの前記ディスペンシングポジションの間に設けられ、前記1つの予熱ポジションは前記材料供給・投下機構の両側のうちの他側の2つの前記ディスペンシングポジションの間に設けられ、
前記ウェハコードスキャン・位置合わせ装置は前記1つの位置決めポジションに位置しており、前記材料供給・投下機構によって搬送された前記ウェハに対してコードスキャン及び位置合わせを行い、
前記ウェハ予熱機構は、前記1つの予熱ポジションに位置しており、前記材料供給・投下機構によって搬送された前記ウェハを予熱し、
前記ウェハ加熱装置は、前記ディスペンシングポジションにそれぞれ位置しており、前記ディスペンシングポジションで前記材料供給・投下機構により搬送される前記ウェハを加熱し、
前記ディスペンシング装置は、前記各ディスペンシングポジションにそれぞれ位置しており、前記ウェハ加熱装置と協働して、加熱された前記ウェハに対してディスペンシングを行うことを特徴とするマルチポジションディスペンサー。
【請求項2】
前記材料供給・投下機構は、
その内部で前記活動空間が限定されており、その両端には前記活動空間に連通する材料供給・投下口がそれぞれ設けられており、その両側には少なくとも2つの加工ポジションがそれぞれ設けられる材料供給・投下本体と、
2つの前記材料供給・投下口の間で可動であるように、前記活動空間内に設けられる可動部材と、
前記材料供給・投下口及び前記加工ポジションからウェハをピックアンドプレースするように、前記可動部材に設けられる材料取得部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項3】
前記材料供給・投下本体は開口が下向きである匚字状に形成され、前記材料供給・投下本体の各支脚には前記材料供給・投下口がそれぞれ設けられ、前記材料供給・投下機構は、2つの前記支脚の、前記材料供給・投下口に対応する位置にそれぞれ設けられる2つの材料ボックスをさらに備え、前記材料取得部材の少なくとも一部は前記材料供給・投下口から張り出し、前記材料ボックス内に入り込んで、材料供給・投下を行うことを特徴とする請求項2に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項4】
前記材料供給・投下機構は、2つの前記材料供給・投下口の間に設けられており、2つの前記材料供給・投下口の間に可動であることで、前記可動部材を活動させるように駆動する材料供給・投下運搬機構をさらに備え、
前記材料供給・投下運搬機構は、
前記材料供給・投下本体の長さ方向に沿って延在するように前記材料供給・投下本体内に設けられており、その一側が装着面として形成される側板と、
前記材料供給・投下本体の長さ方向に沿って延在するように前記装着面に設けられて前記可動部材が可動に配置される搬送レールと、
前記装着面に設けられ、前記可動部材に接続されることで前記可動部材を活動させるように駆動する材料供給・投下駆動部材と、を備えることを特徴とする請求項2に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項5】
前記ウェハコードスキャン・位置合わせ装置は隣接する2つの前記ディスペンシングポジションの間に設けられ、
前記ウェハコードスキャン・位置合わせ装置は、
前記ウェハに対してコードスキャン及び認識を行うコードスキャン装置と、
前記材料供給・投下機構により搬送された前記ウェハに対して位置合わせを行うことで前記ウェハの位置を調整する位置合わせ装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項6】
前記ウェハ予熱機構及び前記ウェハ加熱装置は、
基台と、
前記基台に設けられ、その上面が加熱面として形成されるヒーターと、
前記基台に設けられ、ジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態との間で可動であるジャッキングユニットと、を備え、
前記ジャッキングユニットは前記ジャッキアップ状態にある場合、前記加熱面と間隔を空けるようにウェハを支持し、前記ジャッキングユニットは前記非ジャッキアップ状態にある場合、前記ウェハが前記加熱面と接触し、
前記ジャッキングユニットは、前記ジャッキアップ状態から、徐々に前記非ジャッキアップ状態へ移転している場合、前記ヒーターが前記ウェハに対して非接触式加熱を行うことで、前記ウェハを徐々に昇温させることを特徴とする請求項1に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項7】
前記基台は、
底板と、
前記底板に設けられる支持ロッドと、
前記支持ロッドに設けられるとともに、前記底板と間隔を空ける発熱支持台と、を備え、前記ヒーター及び前記ジャッキングユニットは何れも前記発熱支持台に設けられることを特徴とする請求項6に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項8】
前記加熱面には、異なるサイズのウェハを加熱可能な少なくとも2つ加熱領域が設けられ、各前記加熱領域には少なくとも1つの真空吸着孔がそれぞれ設けられ、
前記ウェハ予熱機構は、
前記真空吸着孔に連通することで、前記ウェハが前記ヒーターに位置する時、前記ウェハを吸着する真空吸着装置をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項9】
前記ディスペンシング装置は、
ディスペンサー本体と、
前記ディスペンサー本体に可動に設けられるとともに、前記ウェハ加熱装置の上方に位置することで、前記ウェハ加熱装置に置かされたウェハをディスペンシングするディスペンサーヘッドユニットと、
前記ディスペンサー本体に可動に設けられるとともに、前記ウェハ加熱装置の上方に位置することで、前記ウェハ加熱装置及びウェハに対して静電除去処理を行う静電気除去装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項10】
前記ディスペンシング装置は、
前記ディスペンサー本体に設けられる装着台と、
前記装着台に設けられ、接着剤が充填される接着剤缶と、
前記接着剤缶及び/又は前記装着台に設けられることで、前記接着剤缶内の接着剤液位の光信号又は感応信号に基づき、前記接着剤缶内の接着剤の液位を判定する液位検出装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のマルチポジションディスペンサー。
【請求項11】
請求項1に記載のマルチポジションディスペンサーのディスペンシング方法であって、
ウェハを取得して、前記ウェハに対してコードスキャン・位置合わせを行うS1と、
前記ウェハを予熱して、予熱過程で、前記ウェハに対して温度検出を持続的に行うS2と、
前記ウェハを第1所定温度まで予熱した後、前記ウェハをディスペンシングポジションに搬送して、引き続いて加熱するS3と、
前記ウェハを第2所定温度まで加熱した後、前記ウェハをディスペンシングするS4と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
ステップS4において、前記ウェハの温度を持続的に検出し、前記ウェハの温度が前記第2所定温度より低い場合、前記ウェハを引き続いて加熱することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスペンサーの技術分野に属し、具体的にマルチポジションディスペンサー及び当該マルチポジションディスペンサーのディスペンシング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経済及び技術の急速な発展に連れて、市場の、半導体へのニーズは増加しており、ウェハは半導体チップを製造するための基本的な材料であり、ウェハのディスペンシング技術は先進的な電子製造業における極めて重要な主要技術であり、チップパッケージ及び集積回路機器に大幅に適用されており、製品の使用過程で、冷熱の変化、落下、振動などの要因による素子の故障確率を低減させ、製品の使用寿命を延ばすことを目的とする。従って、電子パッケージ技術の重点及び核心として、ディスペンシング技術のレベルの向上は直接的にパッケージ技術の優劣と関係する。ただし、伝統の人工グルーガンによるディスペンシング方法は、その製造効率が低く、接着剤の流速が不均一であるため、接着剤の塗布量が多くなりがちで、製造品質が不合格になる。新規な自動化機器として、ディスペンサーは主に、接着剤が特定の方式で、事前設定された経路によって相応的な位置に点滴されるという機能を完成させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の自動化ディスペンサーは一般的に、1つのポジションであり、ロボットハンドによって材料を取得してディスペンシング手段に送って、予熱手段によって予熱を行った後、ディスペンシングを行う。ディスペンシング及び予熱過程は、時間がかかって、ディスペンサーのロボットハンドは、ディスペンシングが終了した場合に限り、材料を再び取得でき、ロボットハンドの不活動時間が長すぎる上に、ロボットハンドの利用率が低く、製造効率を相応的に低減させ、マルチバッチの製造を満たし難く、そのディスペンサーの自動化生産ラインの構造が十分にコンパクトではないため、ロボットハンドの動作経路が長くなり、資源の浪費を招致する。また、従来技術において、ウェハに対する温度制御が悪くて、歩留まりが低く、ディスペンシング効果に影響する。
【0004】
本発明は、少なくとも従来技術に存在する技術問題の1つを解决することを目的とする。
【0005】
そのために、本発明はマルチポジションディスペンサーを提出し、当該マルチポジションディスペンサーは、構造全体がコンパクトであり、ディスペンシング効果がよく、温度制御の精度が高く、製造効率が高く、製品品質が高いなどの利点を具備する。
【0006】
本発明はマルチポジションディスペンサーのディスペンシング方法をさらに提出し、当該ディスペンシング方法は、機械化の程度が高く、製品品質が高いなどの利点を具備する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様による実施例のマルチポジションディスペンサーは、材料供給・投下機構と、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置と、ウェハ予熱機構と、ウェハ加熱装置と、ディスペンシング装置と、を備え、
前記材料供給・投下機構内には活動空間が限定されており、その周辺には複数の加工ポジションが設けられ、前記材料供給・投下機構は、前記活動空間と各前記加工ポジションとの間で運動してウェハを搬送し、複数の前記加工ポジションが1つの位置決めポジション、1つの予熱ポジション及び複数のディスペンシングポジションを備え、
前記ウェハコードスキャン・位置合わせ装置は前記位置決めポジションに位置しており、前記材料供給・投下機構によって搬送された前記ウェハに対してコードスキャン及び位置合わせを行い、
前記ウェハ予熱機構は、前記予熱ポジションに位置しており、前記材料供給・投下機構によって搬送された前記ウェハを予熱し、
前記ウェハ加熱装置は、前記ディスペンシングポジションに位置しており、前記加工ポジションでの前記ウェハを加熱し、
前記ディスペンシング装置は、前記ウェハ加熱装置と協働して、加熱された前記ウェハに対してディスペンシングを行う。
【0008】
本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーにおいて、材料供給・投下機構、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置、ウェハ予熱機構、ウェハ加熱装置及びディスペンシング装置を採用することで、ウェハに対してコードスキャン、位置合わせ、予熱、加熱、ディスペンシングを行い、加工ポジションは複数であってもよく、ディスペンシングの品質だけではなく、材料供給・投下機構の利用率も向上させ、待ち時間を減少させる。当該マルチポジションディスペンサーは、構造がコンパクトであり、動作効率及び製品品質が高いなどの利点を具備する。
【0009】
本発明の1つの実施例によれば、前記材料供給・投下機構は、その内部で前記活動空間が限定されており、その両端には前記活動空間に連通する材料供給・投下口がそれぞれ設けられており、その両側には少なくとも2つの加工ポジションがそれぞれ設けられる材料供給・投下本体と、2つの前記材料供給・投下口の間で可動であるように、前記活動空間内に設けられる可動部材と、前記材料供給・投下口及び前記加工ポジションからウェハをピックアンドプレースするように、前記可動部材に設けられる材料取得部材と、を備える。
【0010】
本発明の1つの実施例によれば、前記材料供給・投下本体は開口が下向きである匚字状に形成され、前記材料供給・投下本体の各支脚には前記材料供給・投下口がそれぞれ設けられ、前記材料供給・投下機構は、2つの前記支脚の、前記材料供給・投下口に対応する位置にそれぞれ設けられる2つの材料ボックスをさらに備え、前記材料取得部材の少なくとも一部は前記材料供給・投下口から張り出し、前記材料ボックス内に入り込んで、材料供給・投下を行う。
【0011】
本発明の1つの実施例によれば、前記材料取得部材は、一端が前記可動部材に接続され、他端が可動であるロボットハンドと、前記ロボットハンドの他端に設けられており、前記ウェハを引き受けるためのパレットと、を備える。
【0012】
本発明の1つの実施例によれば、前記材料供給・投下機構は、2つの前記材料供給・投下口の間に設けられており、2つの前記材料供給・投下口の間に可動であることで、前記可動部材を活動させるように駆動する材料供給・投下運搬機構をさらに備え、前記材料供給・投下運搬機構は、前記材料供給・投下本体の長さ方向に沿って延在するように前記材料供給・投下本体内に設けられており、その一側が装着面として形成される側板と、前記材料供給・投下本体の長さ方向に沿って延在するように前記装着面に設けられて前記可動部材が可動に配置される搬送レールと、前記装着面に設けられ、前記可動部材に接続されることで、前記可動部材を活動させるように駆動する材料供給・投下駆動部材と、を備える。
【0013】
本発明の1つの実施例によれば、前記ウェハコードスキャン・位置合わせ装置は隣接する2つの前記ディスペンシングポジションの間に設けられ、前記ウェハコードスキャン・位置合わせ装置は、前記ウェハに対してコードスキャン及び認識を行うコードスキャン装置と、前記材料供給・投下機構により搬送された前記ウェハに対して位置合わせを行うことで前記ウェハの位置を調整する位置合わせ装置と、を備える。
【0014】
本発明の1つの実施例によれば、前記ウェハ予熱機構及び前記ウェハ加熱装置は、基台と、前記基台に設けられ、その上面が加熱面として形成されるヒーターと、前記基台に設けられ、ジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態との間で可動であるジャッキングユニットと、を備え、前記ジャッキングユニットは前記ジャッキアップ状態にある場合、前記加熱面と間隔を空けるように、ウェハを支持し、前記ジャッキングユニットは、前記非ジャッキアップ状態にある場合、前記ウェハが前記加熱面と接触し、前記ジャッキングユニットは、前記ジャッキアップ状態から、徐々に前記非ジャッキアップ状態へ移転している場合、前記ヒーターが前記ウェハに対して非接触式加熱を行うことで、前記ウェハを徐々に昇温させる。
【0015】
本発明の1つの実施例によれば、前記基台は底板と、前記底板に設けられる支持ロッドと、前記支持ロッドに設けられるとともに、前記底板と間隔を空ける発熱支持台と、を備え、前記ヒーター及び前記ジャッキングユニットは何れも前記発熱支持台に設けられる。
【0016】
本発明の1つの実施例によれば、前記ヒーター及び前記発熱支持台には、互いに貫通する複数の貫通孔がそれぞれ設けられて、前記ジャッキングユニットは、複数のポゴピンと、ポゴピン駆動部材とを備え、複数の前記ポゴピンは前記ヒーター及び前記発熱支持台での貫通孔をそれぞれ貫通して、前記貫通孔の軸方向に沿って可動であり、前記ジャッキングユニットが前記ジャッキアップ状態にある場合、前記ポゴピンの上端は前記貫通孔から張り出して、前記ウェハを引き受け、前記ジャッキングユニットが前記非ジャッキアップ状態にある場合、前記ポゴピンの上端は前記加熱面を超えず、前記ポゴピン駆動部材は、前記底板に設けられるとともに、前記ポゴピンに接続されており、前記ポゴピンを活動させるように駆動する。
【0017】
本発明の1つの実施例によれば、前記加熱面には、異なるサイズのウェハを加熱可能な少なくとも2つ加熱領域が設けられ、各前記加熱領域には少なくとも1つの真空吸着孔がそれぞれ設けられ、前記ウェハ予熱機構は、前記真空吸着孔に連通することで、前記ウェハが前記ヒーターに位置する時、前記ウェハを吸着する真空吸着装置をさらに備える。
【0018】
本発明の1つの実施例によれば、前記発熱支持台内には加熱室が限定され、前記ヒーターは加熱管と、加熱皿と、少なくとも2つの熱電対と、サーモスタットとを備え、前記加熱管は前記加熱室に入り込んで加熱を行い、前記加熱皿は、前記発熱支持台に貼合されるとともに、発熱支持台の上方に位置して、その上面が加熱面として形成され、前記加熱皿は前記加熱管の熱を受けて、前記加熱面によってウェハに伝達し、前記加熱皿には少なくとも2つの加熱領域が設けられ、少なくとも2つの前記熱電対は少なくとも2つの前記加熱領域にそれぞれ設けられることで、各前記加熱領域の温度を検出し、前記サーモスタッは前記加熱管及び前記熱電対に接続されており、前記熱電対により検出された温度に基づき、加熱するように、前記加熱管を制御する。
【0019】
本発明の1つの実施例によれば、前記ディスペンシング装置は、ディスペンサー本体と、前記ディスペンサー本体に可動に設けられるとともに、前記ウェハ加熱装置の上方に位置することで、前記ウェハ加熱装置に置かされたウェハをディスペンシングするディスペンサーヘッドユニットと、前記ディスペンサー本体に可動に設けられるとともに、前記ウェハ加熱装置の上方に位置することで、前記ウェハ加熱装置及びウェハに対して静電除去処理を行う静電気除去装置と、を備える。
【0020】
本発明の1つの実施例によれば、前記ディスペンシング装置は、前記ディスペンサー本体に設けられる装着台と、前記装着台に設けられ、接着剤が充填される接着剤缶と、前記接着剤缶及び/又は前記装着台に設けられることで、前記接着剤缶内の接着剤液位の光信号又は感応信号に基づき、前記接着剤缶内の接着剤の液位を判定する液位検出装置と、をさらに備える。
【0021】
本発明の第2態様による実施例のマルチポジションディスペンサーのディスペンシング方法は、ウェハを取得して、前記ウェハに対してコードスキャン・位置合わせを行うS1と、前記ウェハを予熱して、予熱過程で、前記ウェハに対して温度検出を持続的に行うS2と、前記ウェハを第1所定温度まで予熱した後、前記ウェハをディスペンシングポジションに搬送して、引き続いて加熱するS3と、前記ウェハを第2所定温度まで加熱した後、前記ウェハをディスペンシングするS4と、を備える。
【0022】
本発明の1つの実施例によれば、ステップS2において、前記ウェハと加熱源の間の距離を調節することで、前記ウェハを予熱する。
【0023】
本発明の1つの実施例によれば、ステップS4において、前記ウェハの温度を持続的に検出し、前記ウェハの温度が前記第2所定温度より低い場合、前記ウェハを引き続いて加熱する。
【0024】
以下の記載において、本発明の付加的な態様及び利点を示し、そのうちの一部は、以下の記載によって明らかになり、又は本発明の実践によって了解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の図を結合して、実施例を記載することで、本発明の上記及び/又は付加的な態様及び利点が明らかになり、かつ、分かりやすくなる。
図1】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの構造全体の模式図である。
図2】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの材料供給・投下機構の構造模式図である。
図3】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの材料供給・投下機構の局所構造の模式図である。
図4】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの材料供給・投下機構の斜視図である。
図5】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのウェハ予熱機構の構造模式図である。
図6】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのウェハ予熱機構の正面図である。
図7】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのウェハ加熱装置のジャッキングユニットの局所模式図である。
図8】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのウェハ吸着装置の局所構造の模式図である。
図9】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのウェハコードスキャン・位置合わせ装置の構造模式図である。
図10】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのウェハ加熱装置の加熱管の構造模式図である。
図11】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの加工ポジションにおけるウェハ加熱装置の構造模式図である。
図12】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの静電気除去装置の局所構造の模式図である。
図13】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのディスペンシング装置の正面図である。
図14】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのディスペンシング装置の構造模式図である。
図15】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの加工ポジションの局所模式図である。
図16】本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのディスペンシング方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下は本発明の実施例を詳しく記載し、前記実施例の例示は図で示され、常に、同様又は類似の符号を利用して同様又は類似の素子、又は同様又は類似の機能を有する素子を示す。以下、図を参照して記載される実施例は例示的なものであり、本発明に対する限定ではなく、ただ本発明を解釈するために用いられる。
【0027】
ここで、本発明の記載において、用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などにより指示される方位又は位置関係は、図示による方位又は位置関係であり、指される装置又は素子が特定の方位を具備し、特定の方位で構造及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではなく、ただ本発明を便利に記載し、及び記載を簡略化するために用いられるので、本発明に対する限定ではない。また、「第1」、「第2」が限定される特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本発明の記載において、別に説明しない限り、「複数」の意味は2つ又は2つの以上である。
【0028】
ここで、本発明の記載において、別に明らかな規定及び限定がない限り、用語である「装着」、「連結」、「接続」に対して、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよいし、機械接続、電気接続であってもよく、直接接続、中間媒体による間接接続、或いは2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づき、上記用語の、本発明における具体的な意味を理解すればよい。
【0029】
以下は、図を参照して、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサー1000を具体的に記載する。
【0030】
図1図15に示すように、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサー1000は材料供給・投下機構100、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300、ウェハ予熱機構200、ウェハ加熱装置210及びディスペンシング装置400を備える。
【0031】
具体的に、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサー1000において、材料供給・投下機構100内には活動空間が限定され、材料供給・投下機構100の周辺には複数の加工ポジション113が設けられ、材料供給・投下機構100は活動空間と各加工ポジション113の間で運動してウェハを搬送し、複数の前記加工ポジションが1つの位置決めポジション、1つの予熱ポジション及び複数のディスペンシングポジションを備え、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300は位置決めポジションに位置して、材料供給・投下機構100により搬送されたウェハに対してコードスキャン及び位置合わせを行って、ウェハ予熱機構200は予熱ポジションに位置して、材料供給・投下機構100により搬送されたウェハを予熱し、ウェハ加熱装置210はディスペンシングポジションに位置して、加工ポジション113でのウェハを加熱し、ディスペンシング装置400はウェハ加熱装置と協働して、加熱されたウェハをディスペンシングする。
【0032】
言い換えると、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサー1000は主に、材料供給・投下機構100、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300、ウェハ予熱機構200、複数のウェハ加熱装置210及び複数のディスペンシング装置から構成される。材料供給・投下機構100の両側には少なくとも2つの加工ポジション113がそれぞれ設けられ、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300及びウェハ予熱機構200は材料供給・投下機構100の両側にそれぞれ設けられる。材料供給・投下機構100は4つの加工ポジション113であってもよいが、4つに限定されず、材料供給・投下機構100の一側は2つの加工ポジション113であり、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300が2つの加工ポジション113の間に設けられ、他側も2つの加工ポジション113であり、ウェハ予熱機構200が2つの加工ポジション113の間に設けられる。各加工ポジション113は1つのディスペンシング装置400及びウェハ加熱装置210に対応し、ディスペンシング装置400及びウェハ加熱装置210は加工ポジション113内に設けられ、ウェハ加熱装置210はウェハを加熱でき、ディスペンシング装置400は加熱されたウェハをディスペンシングする。材料供給・投下本体110の内部には活動空間が限定され、材料供給・投下機構100の少なくとも一部は活動空間、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300、ウェハ予熱機構200及び加工ポジション113の間で往復活動でき、ウェハをウェハコードスキャン・位置合わせ装置300、ウェハ予熱機構200及び加工ポジション113に搬送し、又は加工されたウェハを外部に搬送する。具体的に、まず、材料供給・投下機構100は材料を取得し、ウェハをウェハコードスキャン・位置合わせ装置300に搬送して、コードスキャン及び位置合わせを行って、終了した後、取り出し、そして、材料供給・投下機構100はウェハをウェハ予熱機構200内に搬送して、ウェハを予熱し、終了した後、取り出し、最後に、材料供給・投下機構100はウェハを加工ポジション113内に搬送して、ウェハ加熱装置210はウェハを加熱し、温度要求に達した後、ディスペンシング装置400はウェハをディスペンシングする。
【0033】
このように、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサー1000において、材料供給・投下機構100、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300、ウェハ予熱機構200、複数のウェハ加熱装置210及び複数のディスペンシング装置を採用することで、ウェハに対してコードスキャン、位置合わせ、予熱、加熱、ディスペンシングを行って、加工ポジション113は複数であってもよく、ディスペンシングの品質だけではなく、材料供給・投下機構100の利用率も向上させ、待ち時間を減少させる。当該マルチポジションディスペンサー1000は、構造がコンパクトであり、動作効率及び製品品質が高いなどの利点を具備する。
【0034】
図2図4に示すように、本発明の1つの実施例によれば、材料供給・投下機構100は材料供給・投下本体110、可動部材120及び材料取得部材130を備え、材料供給・投下本体110内には活動空間が限定され、材料供給・投下本体110の両端には、活動空間に連通する材料供給・投下口112がそれぞれ設けられ、材料供給・投下本体110の両側には少なくとも2つの加工ポジション113がそれぞれ設けられ、可動部材120は、2つの材料供給・投下口112の間で可動であるように、活動空間内に設けられ、材料取得部材130は、可動部材120に設けられることで、材料供給・投下口112及び加工ポジション113からウェハをピックアンドプレースする。つまり、材料供給・投下本体110の左右両側には、1つの材料供給・投下口112がそれぞれ設けられ、加工する時、人工又は機械部品を利用して、加工対象となるウェハを材料供給・投下口112の付近に搬送する。材料供給・投下本体110の内部には活動空間が限定され、活動空間内には可動部材120が装着され、可動部材120は両端の材料供給・投下口112の間で往復活動することで、活動空間内での位置を調節する。可動部材120には材料取得部材130が設けられ、材料取得部材130は可動部材120と協働して、材料供給・投下口112からウェハを加工ポジション113に搬送し、又はウェハを加工ポジション113から材料供給・投下口112に搬送する。ここで、材料供給・投下本体110の両側には少なくとも2つの加工ポジション113がそれぞれ設けられ、可動部材120は指定ポジションに移動した場合、材料取得部材130は、当該指定ポジションの材料送り又は材料取得の動作を相応的に完成できる。
【0035】
このように、材料供給・投下機構100は材料供給・投下本体110内に可動部材120及び材料取得部材130を配置し、可動部材120が材料供給・投下本体110内で往復活動を行って、材料取得部材130を材料供給・投下本体110内で活動させることで、加工対象となるウェハを指定ポジションに搬送し、加工が完成した後、加工されたウェハを取り出し、次の工程に進むことを実現できる。
【0036】
さらに、材料供給・投下本体110は開口が下向きである匚字状に形成され、材料供給・投下本体110の各支脚114には材料供給・投下口112がそれぞれ設けられ、材料供給・投下機構100は2つの材料ボックス140をさらに備え、2つの材料ボックス140は2つの支脚114の、材料供給・投下口112に対応する位置にそれぞれ設けられ、材料取得部材130の少なくとも一部は材料供給・投下口112から張り出して、材料ボックス140内に入り込んで、材料供給・投下を行う。つまり、材料供給・投下本体110を、開口が下向きである匚字状に配置することで、マルチポジションディスペンサーの構造全体がよりコンパクトになり、空間をより完璧に利用する。材料供給・投下本体110の各支脚114には材料供給・投下口112がそれぞれ設けられることで、材料供給・投下機構の材料送り及び材料取得をより便利にして、全体の空間だけではなく、ウェハの搬送時間も節約し、全体の加工効率を向上させる。さらに、材料供給・投下本体110の2つの支脚114に2つの材料ボックス140を配置することで、加工対象となる材料・部品及び加工されたウェハの収容を便利にして、大量の人的資源及び物的資源を節約する。材料ボックス140を材料供給・投下口112に対応する位置に配置することで、材料取得部材130が材料供給・投下操作をより容易に実行し、不必要なストロークを回避する。
【0037】
好ましくは、材料取得部材130はロボットハンド131とパレット132とを備え、ロボットハンド131の一端は可動部材120に接続され、その他端は可動であり、パレット132はロボットハンド131の他端に設けられており、ウェハを引き受ける。ここで、ロボットハンド131を採用することで、材料取得部材130は指定目的位置に容易に達することができ、材料供給・投下過程の精度及び感度を向上させる。また、ロボットハンド131の他端にパレット132を配置することで、ウェハを容易にパレット132に置いて、運転過程で、材料取得部材130はウェハを安定に目的位置に到達させるように駆動することを保証できる。
【0038】
本発明のいくつかの具体的な実施形態において、材料供給・投下機構100は材料供給・投下運搬機構150をさらに備え、材料供給・投下運搬機構150は2つの材料供給・投下口112の間に設けられており、2つの材料供給・投下口112の間で可動であることで、可動部材120を活動させるように駆動し、材料供給・投下運搬機構150は側板115、搬送レール118及び材料供給・投下駆動部材を備え、側板115は、材料供給・投下本体110の長さ方向に沿って延在するように、材料供給・投下本体110内に設けられ、その一側が装着面116として形成され、搬送レール118は、材料供給・投下本体110の長さ方向に沿って延在するように、装着面116に設けられ、可動部材120は搬送レール118に可動に設けられ、材料供給・投下駆動部材は、装着面116に設けられており、可動部材120に接続されることで、可動部材120を活動させるように駆動する。つまり、2つの材料供給・投下口112の間には材料供給・投下運搬機構150が設けられ、可動部材120の、材料供給・投下本体110内での往復活動は、材料供給・投下運搬機構150によって完成される。マルチポジションディスペンサー1000の材料供給・投下運搬機構150はマルチポジションディスペンサー1000の材料供給・投下本体内部に設けられ、材料供給・投下運搬機構150は側板115、搬送レール118及び材料供給・投下駆動部材から構成される。側板115は、材料供給・投下本体内に位置して、材料供給・投下本体の長さ方向に沿って延在し、その一側が装着面116として形成され、搬送レール118は、材料供給・投下本体の長さ方向に沿って延在するように、装着面116に設けられる。搬送レール118には可動部材120が設けられ、可動部材120は、材料供給・投下駆動部材の駆動によって、搬送レール118で往復運動を行うことができ、材料供給・投下駆動部材は装着面116に設けられる。
【0039】
このように、材料供給・投下運搬機構150は、マルチポジションディスペンサー1000の材料供給・投下本体内に設けられて、可動部材120を活動させるように駆動し、側板115、搬送レール118及び材料供給・投下駆動部材を結合することで、可動部材120が搬送レール118で往復運動を行うことを保証し、材料を指定ポジションに搬送するという効果を実現できる。
【0040】
さらに、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300は、隣接する2つのディスペンシングポジションの間に設けられており、コードスキャン装置と位置合わせ装置とを備え、コードスキャン装置はウェハに対してコードスキャン及び認識を行って、位置合わせ装置は、材料供給・投下機構100により搬送されたウェハに対して位置合わせを行って、ウェハの位置を調整する。つまり、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300を2つのディスペンサー400の間に配置することで、ウェハに対してコードスキャン及び/又は位置決め操作を行った後、当該ウェハを2つのディスペンサー400のうちの何れか1つに容易に搬送し、搬送ストロークを効果的に短くして、材料供給・投下機構100の、ウェハに対する搬送を便利にする上に、ウェハコードスキャン・位置合わせ装置300を有するマルチポジションディスペンサー1000全体がコンパクトになり、外観がよくなる。さらに、コードスキャン装置310を配置することで、ウェハに対してコードスキャン処理を行って、ウェハに対するディスペンシング操作をしたかどうかを判定でき、誤り率を低減させ、加工されたウェハに対する重複操作、及び未加工のウェハに対する操作忘れを防止し、加工の精度及び効率を効果的に保証できる。ウェハに対して位置合わせ処理を行うことで、ウェハの、具体的にディスペンシングを必要とする位置に基づき、ウェハに対して、精度が高い位置合わせを行って、ウェハの位置を調整し、後続の動作量を減少させ、加工効率を向上させる。
【0041】
図5図7に示すように、本発明の1つの実施例によれば、ウェハ予熱機構200及びウェハ加熱装置210は基台220、ヒーター260及びジャッキングユニット270を備え、ヒーター260は基台220に設けられており、その上面が加熱面として形成され、ジャッキングユニット270は、基台220に設けられており、ジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態の間で可動であり、ジャッキアップ状態にある場合、加熱面と間隔を空けるように、ウェハを支持し、非ジャッキアップ状態にある場合、ウェハが加熱面と接触し、ジャッキングユニット270はジャッキアップ状態から、だんだん非ジャッキアップ状態へ移転している場合、ヒーター260はウェハに対して非接触式加熱を行うことで、ウェハをだんだん昇温させる。言い換えると、本発明の実施例によるウェハ予熱機構200は主に、基台220、ヒーター260及びジャッキングユニット270から構成され、基台220はヒーター260及びジャッキングユニット270の下方に位置して、基台220によってジャッキングユニット270及びヒーター260を支持できる。ヒーター260の上面は加熱面として形成される。ジャッキングユニット270は、ウェハを引き受けて、ジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態の間で可動である。具体的に、ジャッキングユニット270は、ジャッキアップ状態に位置する場合、ウェハと加熱面の間は間隔を空けるように配置され、ジャッキングユニット270は非ジャッキアップ状態に位置する場合、ウェハが加熱面と接触し、つまり、ウェハと加熱面との距離の変更に連れて、ウェハの温度も変更する。好ましくは、ジャッキングユニット270は、加熱面の表面から突き抜けるように、非ジャッキアップ状態からジャッキアップ状態に活動することを実現し、加熱面の表面から引き込むように、ジャッキアップ状態から非ジャッキアップ状態に活動することを実現し、具体的に、ジャッキングユニット270は加熱面の下方に位置する場合、ジャッキングユニット270は非ジャッキアップ状態に位置する。ここで、本発明の実施例によるウェハ予熱機構200は、他の組立構造のジャッキングユニット270及びヒーター260を採用してもよく、ジャッキングユニット270がジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態の間で可動であるというニーズを満足すればよい。
【0042】
ここで、ヒーター260は、発熱支持台の溝体内に位置する加熱モジュール、及び加熱モジュールの上面に貼合される熱伝導盤という2つの部分を含む。熱伝導盤の上面は加熱面である。ジャッキングユニット270はジャッキアップ状態から非ジャッキアップ状態へ活動している場合、ウェハはジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態の間の任意の位置に停留して加熱し、つまり、温度要求に基づき加熱位置を選択する。ウェハはだんだん加熱面に近接すると、ウェハの温度はだんだん高くなり、均一且つ安定な加熱を実現する。
【0043】
このように、ウェハ予熱機構200は、基台220、ヒーター260がジャッキングユニット270と協働して、ジャッキングユニット270をジャッキアップ状態と非ジャッキアップ状態の間で可動であるように駆動することで、ウェハと加熱面の間の距離を変更し、ウェハに対する非接触式加熱を実現し、ウェハはさらに、ジャッキングユニット270の、上昇可能な最高位置から、だんだん加熱面に活動し、ウェハの温度がだんだん高くなり、従来の接触式事前加熱によるウェハ温度の急上昇によって招致されるウェハ破断という問題を解决し、ウェハから加熱面までの高さが調節可能であり、ニーズに基づき、異なる位置で加熱でき、昇温が均一であり、選択可能性が高く、操作性が強いなどの利点を具備する。
【0044】
さらに、基台220は底板230、支持ロッド240及び発熱支持台250を備え、支持ロッド240は底板230に設けられ、発熱支持台250は支持ロッド240に設けられるとともに、底板230と間隔を空けて、ヒーター260及びジャッキングユニット270は発熱支持台250に設けられる。支持ロッド240によって、発熱支持台250を支持でき、発熱支持台250と底板230の間は間隔を空けるように配置され、これによって、ジャッキングユニット270の駆動機構及びヒーター260の電気制御ユニットを容易に装着する。
【0045】
好ましくは、ヒーター260及び発熱支持台250には、互いに貫通する複数の貫通孔がそれぞれ設けられ、ジャッキングユニット270は複数のポゴピン272及びポゴピン駆動部材274を備え、複数のポゴピン272はヒーター260及び発熱支持台250での貫通孔をそれぞれ貫通して、貫通孔の軸方向に沿って可動であり、ジャッキングユニット270が第1位置に位置する場合、ポゴピン272の上端は貫通孔から張り出して、ウェハを引き受け、ジャッキングユニット270が第2位置に位置する場合、ポゴピン272の上端は加熱面を超えず、ポゴピン駆動部材274は、発熱支持台250と底板230の間に設けられるとともに、ポゴピン272に接続され、ポゴピン駆動部材274はポゴピン272を活動させるように駆動する。このように、ポゴピン272駆動部材が、加熱面から突き抜けるように複数のポゴピン272を駆動することで、ポゴピン272によってウェハを支持できる上、ポゴピン272の、加熱面から張り出した高さを調節可能であり、ウェハが非接触式加熱を実現し、ここで、ポゴピン272は加熱面の下方に移動した場合、ウェハが加熱面に落ちて、加熱面と接触する。
【0046】
好ましくは、加熱面には、異なるサイズのウェハを加熱できる少なくとも2つの加熱領域が設けられ、各加熱領域には少なくとも1つの真空吸着孔281がそれぞれ設けられ、ウェハ予熱機構200は真空吸着装置280をさらに備え、真空吸着装置280は真空吸着孔281に連通して、ウェハがヒーター260に位置する場合、ウェハを固定する。具体的に、ジャッキング機構は、加熱面の下方に位置する場合、ウェハを支持しなくなり、ウェハが直接的に加熱面と接触し、この時、真空吸着を利用して、ウェハを加熱面に固定し、次の操作を便利にするように、ウェハを配置して、移動し、構造が簡単であり、実施が容易であり、ウェハを壊すことがないなどの利点を具備する。
【0047】
さらに、発熱支持台250内には加熱室が限定され、ヒーター260は、加熱管252、加熱皿257、少なくとも2つの熱電対258及びサーモスタットを備え、加熱管252は加熱室に入り込んで加熱し、加熱皿257は発熱支持台に貼合されるとともに、発熱支持台の上方に位置して、その上面が加熱面として形成され、加熱皿257は、加熱管252の熱を受けて、加熱面によってウェハに伝達し、加熱皿257には少なくとも2つの加熱領域が設けられ、少なくとも2つの熱電対258は、少なくとも2つの加熱領域にそれぞれ設けられ、各加熱領域の温度を検出し、サーモスタットは、加熱管252及び熱電対258に接続されており、熱電対258によって検出された温度に基づき、加熱するように、加熱管252を制御する。
【0048】
つまり、発熱支持台250の内部には加熱室が設けられ、加熱室内には、ウェハに熱を提供するための加熱管252が設けられ、加熱管252は屈曲成形される。加熱室の上方には加熱皿257が設けられ、加熱皿257の上面は加熱面であり、加熱面は加熱管252によって提供された熱をウェハに伝達し、ウェハを昇温させる。加熱皿257には少なくとも2つの加熱領域が区画され、少なくとも2つの熱電対258は少なくとも2つの加熱領域にそれぞれ設けられて、各加熱領域の温度を検出する。パーティション加熱するウェハ加熱装置210にはサーモスタットがさらに設けられ、サーモスタットはフレームに装着されるとともに、加熱管252及び熱電対258に接続され、熱電対258によって検出された温度情報がサーモスタットにフィードバックされることで、サーモスタットはフィードバック状況に基づき加熱管252の加熱状態を制御する。
【0049】
このように、発熱支持台250、加熱管252、加熱皿257、少なくとも2つの熱電対258及びサーモスタットを結合することで、ウェハ加熱装置210に対するパーティション制御、及びウェハの温度に対するパーティション制御を実現でき、ウェハを均一に加熱し、ディスペンシング効率がより高くなり、仕上がり効果がよりよくなる。
【0050】
図13図15に示すように、本発明のいくつかの具体的な実施形態において、ディスペンシング装置は、ディスペンサー本体620、ディスペンサーヘッドユニット630及び静電気除去装置700を備え、ディスペンサー本体620には加工ポジションが設けられ、ディスペンサーヘッドユニット630は、ディスペンサー本体620に可動に設けられるとともに、ウェハ加熱装置の上方に位置して、ウェハ加熱装置に置かされるウェハをディスペンシングし、静電気除去装置700は、ディスペンサー本体620に可動に設けられるとともに、ウェハ加熱装置の上方に位置して、ウェハ加熱装置及びウェハに対して静電除去処理を行う。言い換えると、本発明の実施例による、静電気除去装置が設けられるディスペンサー1000は、ディスペンサー本体620、ディスペンサーヘッドユニット630及び静電気除去装置700から構成される。ディスペンサー本体620内には、ウェハを置くための加工ポジションが設けられ、ディスペンサーヘッドユニット630は加工ポジションの上方に設けられてウェハをディスペンシングし、ディスペンシング過程で、ディスペンサーヘッドユニット630は、ウェハの、ディスペンシングを必要とする指定位置の上方に移動できる。ディスペンサー本体620内にはさらに、静電気除去装置700が設けられ、ディスペンサーヘッドユニット630の、ウェハに対するディスペンシング過程で、静電気除去装置700はニーズに基づき活動し、加工ポジション及び周囲の加工環境に対して静電除去処理を行う。
【0051】
このように、本発明の実施例による、静電気除去装置が設けられるディスペンサー1000において、ディスペンサー本体620、ディスペンサーヘッドユニット630及び静電気除去装置700を結合して、静電気除去装置700を利用して空気を電離して、大量の正電荷及び負電荷を生成し、正電荷及び負電荷を吹き出し、正電荷及び負電荷の気流を形成することで、物体の表面に付けられた電荷を中和する。物体の表面には負電荷が付けられる場合、気流における正電荷を吸着し、物体の表面には正電荷が付けられる場合、電流における負電荷を吸着し、物体の表面での静電を中和し、静電を除去するという目的を達成する。
【0052】
さらに、ディスペンシング装置400は装着台、接着剤缶600及び液位検出装置610をさらに備え、装着台はディスペンサー本体620に設けられ、接着剤缶600は装着台に設けられており、接着剤が充填され、液位検出装置610は、接着剤缶600及び/又は装着台に設けられて、接着剤缶600内の接着剤液位の光信号又は感応信号に基づき、接着剤缶600内の接着剤の液位を判定する。言い換えると、ディスペンシング装置400は主に装着台、接着剤缶600及び液位検出装置610から構成され、装着台は接着剤缶600を固定し、接着剤缶600はディスペンシングの必要な接着剤を収容する。接着剤缶60又は装着台には液位検出装置610が設けられ、液位検出装置610は、接着剤缶600内の接着剤液位の光信号又は感応信号に基づき、缶内の接着剤の液位を判定する。このように、装着台、接着剤缶600及び液位検出装置610を結合して、接着剤缶600内の接着剤液位の光信号又は感応信号を使用することで、接着剤缶600内の接着剤の液位を判定する。ディスペンサー400に液位検出装置610を配置することで、作業員が接着剤缶600内の接着剤の殘量をリアルタイムに監視でき、接着剤の殘量が不足している時、接着剤を即時に追加し、又は接着剤が満たされた接着剤缶600と交換するように、作業員に注意し、接着剤の不足のため、加工が中断して、製造効率が低下することを防止する。
【0053】
図16に示すように、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーのディスペンシング方法は、ウェハを取得して、前記ウェハに対してコードスキャン・位置合わせを行うS1と、前記ウェハを予熱して、予熱過程で、前記ウェハに対して温度検出を持続的に行うS2と、前記ウェハを第1所定温度まで予熱した後、前記ウェハをディスペンシングポジションに搬送して、引き続いて加熱するS3と、前記ウェハを第2所定温度まで加熱した後、前記ウェハをディスペンシングするS4と、を備える。
【0054】
本発明の1つの実施例によれば、ステップS2において、前記ウェハと加熱源の間の距離を調節することで、前記ウェハを予熱する。
【0055】
本発明のいくつかの具体的な実施形態において、ステップS4において、前記ウェハの温度を持続的に検出し、前記ウェハの温度が前記第2所定温度より低い場合、前記ウェハを引き続いて加熱する。
【0056】
概して、本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサー1000は、構造全体がコンパクトであり、ディスペンシング効果がよく、温度制御の精度が高く、製造効率が高く、製品品質が高いなどの利点を具備する。
【0057】
本発明の実施例によるマルチポジションディスペンサーの他の構造及び操作は当業者にとって、理解でき且つ容易に実現するため、詳しく記載していない。
【0058】
本明細書の記載において、参照用語である「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「模式的な実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「いくつかの例示」などの記載は、当該実施例又は例示を結合して記載される具体的な特徴、構造、材料或いは特徴点が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する模式的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例示を指すとは限らない。また、記載される具体的な特徴、構造、材料又は特徴点は、何れか1つ又は複数の実施例又は例示において、適切な方式で結合されてもよい。
【0059】
本発明の実施例を示し及び記載したが、当業者が理解できるように、本発明の原理及び趣旨から逸脱しない状況で、これらの実施例に対して種々の変更、補正、置き換え及び変形を行うことができ、本発明の範囲は、請求項及びその等価物によって限定される。
【符号の説明】
【0060】
1000 マルチポジションディスペンサー、
100 材料供給・投下機構、
110 材料供給・投下本体、
112 材料供給・投下口、
113 加工ポジション、
114 支脚、
115 側板、
116 装着面、
118 搬送レール、
120 可動部材、
130 材料取得部材、
131 ロボットハンド、
132 パレット、
140 材料ボックス、
150 材料供給・投下運搬機構、
200 ウェハ予熱機構、
210 ウェハ加熱装置、
220 基台、
230 底板、
240 支持ロッド、
250 発熱支持台、
252 加熱管、
257 加熱皿、
258 熱電対、
260 ヒーター、
270 ジャッキングユニット、
272 ポゴピン、
274 ポゴピン駆動部材、
280 真空吸着装置、
281 真空吸着孔、
300 ウェハコードスキャン・位置合わせ装置、
310 コードスキャン装置、
320 位置合わせ装置、
400 ディスペンシング装置、
600 接着剤缶、
610 検出装置、
620 ディスペンサー本体、
630 ディスペンサーヘッドユニット、
700 静電気除去装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図16