(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】配車割当装置、配車割当方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240905BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240905BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q10/06
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2023032898
(22)【出願日】2023-03-03
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000135771
【氏名又は名称】株式会社パスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【氏名又は名称】阿形 直起
(72)【発明者】
【氏名】星川 真伍
(72)【発明者】
【氏名】高見 摂
(72)【発明者】
【氏名】井手 修平
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-087862(JP,A)
【文献】特開2022-047265(JP,A)
【文献】特開2004-213466(JP,A)
【文献】国際公開第2022/123741(WO,A1)
【文献】特開2020-038501(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026936(WO,A1)
【文献】パスコの物流ソリューション サプライチェーン全体を強い物流に 空間情報技術で物流DXを推進 LogiSTAR Geospatial LINKS,国際物流総合展2022 第15回 ,2022年09月13日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両のそれぞれについて、当該車両が配車される配車先を記憶する記憶部と、
前記複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得する取得部と、
前記記憶部に記憶された配車先のうち、前記追加配車先の周辺に位置す
る配車先
を抽出し、前記複数の車両のうちから
、前記記憶部において車両に関連付けられている前記抽出された配車先の数が多い車両の順に優先的に、前記追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択する選択部と、
前記候補車両の配車先に前記追加配車先を追加する追加部と、
を有することを特徴とする配車割当装置。
【請求項2】
前記記憶部は、各車両の配車先への配車時刻を各車両の配車先と関連付けて記憶し、
前記取得部は、前記追加配車先への配車の時間帯をさらに取得し、
前記選択部は、前記複数の車両の配車先のうち、前記時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先を抽出し、前記追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先のうち、前記抽出された配車先の数に基づいて前記候補車両を選択する、
請求項1に記載の配車割当装置。
【請求項3】
前記選択部は、k-近傍法を適用して前記候補車両を選択する、
請求項2に記載の配車割当装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記抽出された配車先の数の平方根に基づいてkの値を設定してk-近傍法を適用する、
請求項3に記載の配車割当装置。
【請求項5】
前記記憶部は、各車両について、配車先への配車順を含む配車コースをさらに記憶し、
前記追加部は、前記候補車両の配車コースの各配車先の前後に前記追加配車先を追加した場合の配車コースの長さの増分を、前記追加配車先と前記追加配車先の前後の配車先との間の直線距離に基づいて算出し、前記増分が最も小さくなるような順番に前記追加配車先を追加する、
請求項1に記載の配車割当装置。
【請求項6】
前記追加配車先が追加された配車コースに基づいて、前記追加配車先への配車の可否を判定する判定部と、
前記判定の結果を出力する出力部と、をさらに有する、
請求項5に記載の配車割当装置。
【請求項7】
配車割当装置によって実行される配車割当方法であって、
複数の車両のそれぞれについて、当該車両が配車される配車先を
記憶部に記憶し、
前記複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得し、
前記記憶部に記憶された配車先のうち、前記追加配車先の周辺に位置す
る配車先
を抽出し、前記複数の車両のうちから
、前記記憶部において車両に関連付けられている前記抽出された配車先の数が多い車両の順に優先的に、前記追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択し、
前記候補車両の配車先に前記追加配車先を追加する、
ことを含むことを特徴とする配車割当方法。
【請求項8】
複数の車両のそれぞれについて、当該車両が配車される配車先を記憶する記憶部を有するコンピュータのプログラムであって、
前記複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得し、
前記記憶部に記憶された配車先のうち、前記追加配車先の周辺に位置す
る配車先
を抽出し、前記複数の車両のうちから
、前記記憶部において車両に関連付けられている前記抽出された配車先の数が多い車両の順に優先的に、前記追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択し、
前記候補車両の配車先に前記追加配車先を追加する、
ことを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配車割当装置、配車割当方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を用いて貨物や旅客を運送するシステムでは、各車両を所定の配車先に計画的に配車することが求められている。例えば、特許文献1には、配車要求先に短時間で到着する車両を選定する配車システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の車両を用いて貨物や旅客を運送するシステムでは、複数の車両の適切な配車計画を作成するための計算負荷が増大することがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、計算負荷を増大させることなく複数の車両を配車先に適切に割り当てることを可能とする配車割当装置、配車割当方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る配車割当装置は、複数の車両のそれぞれについて、車両が配車される配車先を記憶する記憶部と、複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得する取得部と、追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先の数に基づいて、複数の車両のうちから追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択する選択部と、候補車両の配車先に追加配車先を追加する追加部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、記憶部は、各車両の配車先への配車時刻を各車両の配車先と関連付けて記憶し、取得部は、追加配車先への配車の時間帯をさらに取得し、選択部は、複数の車両の配車先のうち、時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先を抽出し、追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先のうち、抽出された配車先の数に基づいて候補車両を選択することが好ましい。
【0008】
また、選択部は、k-近傍法を適用して候補車両を選択する、ことが好ましい。
【0009】
また、選択部は、抽出された配車先の数の平方根に基づいてkの値を設定してk-近傍法を適用する、ことが好ましい。
【0010】
また、記憶部は、各車両について、配車先への配車順を含む配車コースをさらに記憶し、追加部は、候補車両の配車コースの各配車先の前後に追加配車先を追加した場合の配車コースの長さの増分を、追加配車先と追加配車先の前後の配車先との間の直線距離に基づいて算出し、増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加することが好ましい。
【0011】
また、配車割当装置は、追加配車先が追加された配車コースに基づいて、追加配車先への配車の可否を判定する判定部と、判定の結果を出力する出力部と、をさらに有することが好ましい。
【0012】
本発明の実施形態に係る配車割当て方法は、配車割当装置によって実行される配車割当方法であって、複数の車両のそれぞれについて、車両が配車される配車先を記憶し、複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得し、追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先の数に基づいて、複数の車両のうちから追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択し、候補車両の配車先に追加配車先を追加する、ことを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の実施形態に係るプログラムは、複数の車両のそれぞれについて、車両が配車される配車先を記憶する記憶部を有するコンピュータのプログラムであって、複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得し、追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先の数に基づいて、複数の車両のうちから追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択し、候補車両の配車先に追加配車先を追加する、ことをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る配車割当装置、配車割当方法およびプログラムは、計算負荷を増大させることなく複数の車両を配車先に適切に割り当てることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】配車先テーブルT1のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】配車コーステーブルT2のデータ構造の例を示す図である。
【
図8】配車コース更新処理の流れの例を示すフロー図である。
【
図10】候補車両の選択について説明するための模式図である。
【
図11】追加配車先の配車コースへの追加について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
図1は、実施形態に係る判定システム1の概略構成を示す図である。判定システム1は、複数の車両を配車先に割り当てることにより、所定の配車先への配車の可否を判定する。判定システム1は、複数の車両の配車コースをあらかじめ記憶し、所定の配車先を複数の車両のうちのいずれかの車両の配車コースに追加することの可否を判定することにより、所定の配車先への配車の可否を判定する。以下の説明では、判定システム1は、顧客がEC(Electronic Commerce)サイトで購入した商品を顧客が指定した配車先に配送することの可否を判定するものとして説明する。このような例に限られず、判定システム1は顧客の送迎等のための配車の可否を判定するために用いられてもよい。判定システム1は、ネットワークNを介して相互に通信する通信端末2および判定装置3を有する。判定装置3は、配車割当装置の一例である。
【0018】
図2は、通信端末2の機能ブロック図である。通信端末2は、ユーザが所有するPC(Personal Computer)、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、携帯ゲーム機等の情報処理端末である。通信端末2は、記憶部21、通信部22、表示部23、操作部24および処理部25を有する。
【0019】
記憶部21は、プログラムおよびデータを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリを備える。記憶部21は、プログラムとして、処理部25による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等を記憶する。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能かつ非一時的な可搬型記憶媒体から記憶部11にインストールされる。
【0020】
通信部22は、通信端末2を他の装置と通信可能にする構成であり、通信インタフェース回路を備える。通信インタフェース回路は、有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の通信インタフェース回路である。通信部22は、データを他の装置から受信して処理部25に供給するとともに、処理部25から供給されたデータを他の装置に送信する。
【0021】
表示部23は、画像を表示するための構成であり、例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを備える。表示部23は、処理部25から供給された表示データに基づいて画像を表示する。
【0022】
操作部24は、通信端末2に対する操作を受け付けるための構成であり、例えばキーボード、キーパッド、マウス等を備える。操作部24は、表示部23と一体化されたタッチパネルでもよい。操作部24は、受け付けた操作に応じた操作信号を生成して処理部25に供給する。
【0023】
処理部25は、通信端末2の動作を統括的に制御する構成であり、一つまたは複数のプロセッサおよびその周辺回路を備える。処理部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備える。処理部25は、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を備えてもよい。処理部25は、記憶部21に記憶されているプログラムに基づいて通信端末2の各種処理が適切な手順で実行されるように、各構成の動作を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0024】
処理部25は、表示制御部251および送信部252を有する。これらの各部は、処理部25がプログラムを実行することによって実現される機能モジュールである。これらの各部は、専用の処理回路として通信端末2に実装されてもよい。
【0025】
図3は、判定装置3の機能ブロック図である。判定装置3は、サーバ、PC、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、携帯ゲーム機等の情報処理装置である。判定装置3は、あらかじめ記憶された複数の車両の配車コースに基づいて、追加配車先への配車の可否を判定する。追加配車先は、店舗、ECサイト等で貨物を購入したユーザによって指定される。判定装置3は、記憶部31、通信部32および処理部33を有する。
【0026】
記憶部31は、プログラムおよびデータを記憶するための構成であり、例えば半導体メモリを備える。記憶部31は、プログラムとして、処理部33による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等を記憶する。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読取可能かつ非一時的な可搬型記憶媒体から記憶部31にインストールされる。
【0027】
通信部32は、判定装置3を他の装置と通信可能にする構成であり、通信インタフェース回路を備える。通信部32が備える通信インタフェース回路は、有線LANまたは無線LAN等の通信インタフェース回路である。通信部32は、データを他の装置から受信して処理部33に供給するとともに、処理部33から供給されたデータを他の装置に送信する。
【0028】
処理部33は、判定装置3の動作を統括的に制御する構成であり、一つまたは複数のプロセッサおよびその周辺回路を備える。処理部33は、例えば、CPUを備える。処理部33は、GPU、DSP、LSI、ASIC、FPGA等を備えてもよい。処理部33は、記憶部31に記憶されているプログラムに基づいて判定装置3の各種処理が適切な手順で実行されるように、各構成の動作を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0029】
処理部33は、取得部331、時間帯選択部332、抽出部333、車両選択部334、追加部335、判定部336、出力部337および更新部338を有する。これらの各部は、処理部33がプログラムを実行することによって実現される機能モジュールである。これらの各部は、専用の処理回路として判定装置3に実装されてもよい。
【0030】
図4は、記憶部31に記憶される配車先テーブルT1のデータ構造の例を示す図である。配車先テーブルT1は、配車を指示する伝票に関する情報を記憶するテーブルである。配車先テーブルT1は、複数の配車先について配車先ごとに、配車先ID、位置、貨物、希望時間帯、車両制限、運転手制限等を相互に関連付けて記憶する。
【0031】
配車先IDは、配車先の識別情報である。位置は、配車先の位置情報であり、例えば緯度経度、平面直角座標系等により特定される。貨物は、配車先に配送される貨物に関する情報であり、例えば貨物の重量、大きさ等を含む。時間帯は、配車先への配送がされる予定の時間帯であり、例えばユーザによって指定された希望時間帯である。車両制限は、特定の種類の車両の配車が指示されているか否か、および指示されている場合にはその車両を示す情報である。運転手制限は、特定の運転手が運転する車両の配車が指示されているか否か、および指示されている場合にはその運転手を示す情報である。
【0032】
配車先テーブルT1の各種データは、顧客が入力した配車情報に基づいて設定される。
【0033】
図5は、記憶部31に記憶される配車コーステーブルT2のデータ構造の例を示す図である。配車コーステーブルT2は、複数の車両の配車コースを記憶するテーブルである。配車コーステーブルT2は、車両ごとに、車両ID、分類、運転手、稼働時間、積載量、配車コースを相互に関連付けて記憶する。
【0034】
車両IDは、車両の識別情報である。分類は、車両の種類に関する情報であり、例えば車両の大きさを示す情報である。運転手は、車両の運転手を示す情報である。分類および運転手は、指示されている車両制限および運転手指定の条件に車両が適合するか否かを判定するためにそれぞれ用いられる。稼働時間は、所定期間(例えば、各月)における車両の累計の稼働時間を示す情報である。積載量は、配車コースに含まれる配車先に配送される貨物の総量を示す情報である。積載量は、体積、重量等によって示される。稼働時間および積載量は、車両の配車コースに配車先を追加することが可能か否かを判定するために用いられる。配車コースは、車両が配車される配車先と、配車先への配車順と、配車先へ配車される予定の時刻を示す配車時刻とを含む情報である。
図5に示す例では、車両C01は、拠点Bを出発して最初に配車先D01へ配車され、次に配車先D02へ配車され、次に配車先D03へ配車され、拠点Bに帰着することが示されている。また、出発時刻、帰着時刻および各配車先への配車時刻が記憶されている。なお、配車時刻は特定の時刻ではなく時間帯によって示されてもよい。
【0035】
配車コーステーブルT2の各種データは、判定装置3の管理者によってあらかじめ設定される。また、配車コーステーブルT2の配車コースのデータは、後述する配車コース更新処理によって更新される。
【0036】
図6は、通信端末2の表示部23に表示される配車情報入力画面G1の例を示す図である。配車情報入力画面G1は、配車先への配車のための情報を入力するための画面である。配車情報入力画面G1は、ECサイトにおいてユーザが商品を購入したことに応じて表示され、例えば通信端末2がECサイトを提供するウェブサーバから判定装置3にリダイレクトされることにより表示される。配車情報入力画面G1は、配車先入力領域G11、配車日入力領域G12、配車条件入力領域G13および送信オブジェクトG14を含む。
【0037】
配車先入力領域G11は、配車先の情報を入力するためのオブジェクトである。配車先入力領域G11に入力された配車先は、複数の車両のいずれかの配車コースに追加される追加配車先である。追加配車先は、例えば住所により入力される。この場合、判定システム1によって住所が緯度経度、平面直角座標等の位置情報に変換される。配車日入力領域G12は、ユーザが希望する配車日を入力するためのオブジェクトである。配車条件入力領域G13は、配車条件を入力するためのオブジェクトである。
図6に示す例では、配車条件は、車両に関する条件および運転手に関する条件を含んでいる。送信オブジェクトG14は、配車先入力領域G11、配車日入力領域G12および配車条件入力領域G13に入力された情報を判定装置3に送信するためのオブジェクトである。
【0038】
図7は、通信端末2の表示部23に表示される判定結果表示画面G2の例を示す図である。判定結果表示画面G2は、配車情報入力画面G1に情報が入力されたことに応じて表示される。判定結果表示画面G2は、判定結果表示領域G21および時間帯選択オブジェクトG22を含む。
【0039】
判定結果表示領域G21は、一つまたは複数の時間帯についての配車の可否の判定の結果を一覧表示する。判定の結果が表示される時間帯は、配車情報入力画面G1に入力された配車日に含まれる時間帯である。各時間帯における配車の可否は、後述する判定処理において判定される。時間帯選択オブジェクトG22は、配車が可能であると選択された時間帯のうちからユーザが配車を希望する時間帯を選択するためのオブジェクトである。時間帯選択オブジェクトG22が選択されると、配車先に関する情報が選択された時間帯に関連付けられて配車先テーブルT1に追加されるとともに、配車コーステーブルT2の情報が更新される。
【0040】
図8は、判定装置3によって実行される配車コース更新処理の流れの例を示すフロー図である。配車コース更新処理は、各車両について少なくとも一つの配車先を含む配車コースが配車コーステーブルT2に記憶された状態で実行される。例えば、配車コース更新処理は、ECサイトにおいてユーザが商品を購入したことに応じて実行される。配車コース更新処理は、記憶部31に記憶されたプログラムに基づいて、処理部33が判定装置3の他の構成と協働することにより実現される。
【0041】
最初に、取得部331は、配車に関する情報を取得する(ステップS101)。取得部331は、通信部32を介して配車情報入力画面G1の表示データを通信端末2に送信する。通信端末2の表示制御部251は、送信された表示データに基づいて配車情報入力画面G1を表示部23に表示する。通信端末2の送信部252は、操作部24が操作され、配車情報入力画面G1の送信オブジェクトG14が選択されたことに応じて、ユーザによって入力された配車に関する情報を通信部22を介して判定装置3に送信する。取得部331は、送信された配車に関する情報を取得する。取得部331は、配車に関する情報として、追加配車先、配車日および配車条件の情報を取得する。
【0042】
次に、時間帯選択部332は、配車の可否が判定される時間帯を選択する(ステップS102)。時間帯選択部332は、ステップS101で取得された配車日に含まれる時間帯のうちのいずれかを配車の可否が判定される時間帯として選択する。時間帯は日ごとにあらかじめ設定され、例えば、各日について「9時から12時」、「12時から15時」、「15時から18時」の三つの時間帯が設定される。配車日として「2月1日」および「2月2日」が取得された場合、両日にそれぞれ三つの時間帯が含まれるため、時間帯選択部332は六つの時間帯のうちのいずれかを選択する。
【0043】
次に、選択された時間帯における追加配車先への配車の可否を判定する判定処理が実行される(ステップS103)。判定処理の詳細は後述する。
【0044】
次に、ステップS101で取得された配車日に含まれる全ての時間帯が選択されたか否かが判定される(ステップS104)。
【0045】
全ての時間帯が選択されていない場合(ステップS104-No)、判定結果出力処理はステップS102に戻り、時間帯選択部332は、まだ選択されていない時間帯のうちのいずれかを配車の可否が判定される時間帯として選択する。
【0046】
全ての時間帯が選択された場合(ステップS104-Yes)、出力部337は、配車の可否の判定の結果を出力する(ステップS105)。出力部337は、配車希望日に含まれる時間帯についての判定結果を一覧表示する判定結果表示画面G2の表示データを生成し、通信部32を介して通信端末2に送信することにより、判定の結果を出力する。通信端末2の表示制御部251は、表示データに基づいて判定結果表示画面G2を表示部23に表示する。
【0047】
次に、更新部338は、ユーザによる配車の時間帯の選択を受け付け、選択された時間帯に基づいて配車コースを更新する(ステップS106)。通信端末2の送信部252は、操作部24が操作され、判定結果表示画面G2の時間帯選択オブジェクトG22が選択されたことに応じて、選択された時間帯選択オブジェクトG22に対応する時間帯の情報を通信部22を介して判定装置3に送信する。更新部338は、通信部32を介して、送信された時間帯の情報を受信して取得する。更新部338は、配車コーステーブルT2に記憶された配車コースを、後述する判定処理において、選択された時間帯について関連付けて記憶された配車コースに更新する。以上で、配車コース更新処理が終了する。
【0048】
図9は、判定装置3によって実行される判定処理の流れの例を示すフロー図である。判定処理は、配送コース更新処理のステップS103において実行される。
【0049】
最初に、抽出部333は、複数の車両のうちから配車条件に適合する車両を抽出する(ステップS201)。抽出部333は、配車コーステーブルT2を参照して、ステップS101において取得された配車条件に適合する車両を抽出する。配車条件に車両制限が設定されている場合には、抽出部333は、配車条件によって指定された分類に属する車両を配車コーステーブルT2から抽出する。配車条件に運転手制限が設定されている場合には、配車条件によって指定された運転手の車両を配車コーステーブルT2から抽出する。
【0050】
次に、車両選択部334は、追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先の数に基づいて、抽出された車両のうちから追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択する(ステップS202)。車両選択部334は、抽出部333によって抽出された車両の配車先のうち、ステップS102において選択された時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先を抽出する。ステップS102において「9時から12時」の時間帯が選択された場合、
図5に示す配車コーステーブルT2の例では、車両選択部334は、「10時30分」および「11時30分」の配車時刻にそれぞれ関連付けられた「D01」および「D02」の配車先を抽出する。
【0051】
車両選択部334は、追加配車先の周辺に位置する各車両の配車先の数に基づいて候補車両を選択する。例えば、車両選択部334は、抽出された配車先と追加配車先との位置関係に基づいて、k-近傍法を適用して候補車両を選択する。
【0052】
図10は、候補車両の選択について説明するための模式図である。
図10においては、複数の配車先Dが、関連付けられた五つの車両に応じて異なる形状(白塗りの円形、黒塗りの六角形、白塗りの菱形、黒塗りの正方形、白塗りの三角形)で図示されている。また、
図10においては、五つの車両のそれぞれについて、拠点Bから出発して複数の配車先への配車をしてから拠点Bに帰還する配車コースが図示されている。
図10において、追加配車先ADは星形により図示されている。
【0053】
車両選択部334は、複数の配車先Dのうち、追加配車先ADに近いものから順に所定数k個の配車先Dを抽出する。所定数kは、例えば、抽出された配車先の数の平方根に基づいて設定され、例えば、平方根の値より大きい最小の整数、平方根の値より小さい最大の整数、平方根の値に最も近い整数等に設定される。
図10に示す例では、42個の配車先Dが抽出されているため、平方根の値より大きい最小の整数である7個の配車先が抽出されている。
図10において、抽出された配車先は破線円Cで囲まれて図示されている。車両選択部334は、抽出された配車先のうち最も多くの配車先に関連付けられている車両を候補車両として選択する。
図10に示す例では、破線円Cに囲まれた配車先のうち、白塗りの円形で図示された配車先が最も多いため、これらの配車先に関連付けられた車両が候補車両として選択される。なお、所定数kは既定値でもよい。
【0054】
図9に戻り、次に、追加部335は、候補車両の配車コースに追加配車先を追加する(ステップS203)。追加部335は、候補車両の配車コースの各配車先の前後に追加配車先を追加した場合の配車コースの長さの増分を算出し、増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加する。
【0055】
図11は、追加配車先の配車コースへの追加について説明するための模式図である。
図11では、拠点Bから出発して、配車先D1-D7の順番で各配車先への配車をしてから拠点Bに帰還する配車コースが図示されている。この例では、追加配車先ADは、拠点Bと配車先D1との間、配車先D1とD2との間、配車先D2とD3との間、配車先D4とD5との間、配車先D5とD6との間、配車先D6とD7との間および配車先D7と拠点Bとの間の、8つの順番に追加可能である。
【0056】
追加部335は、追加配車先ADが追加可能な各順番に追加配車先を追加した場合の配車コースの長さの増分を算出する。例えば、追加部335は、追加配車先と追加配車先の前後の配車先との間の直線距離に基づいて算出する。
図11では、追加配車先ADが配車先D6とD7との間に追加された場合の例が示されている。この場合、追加部335は、配車先D6とD7との間の距離L1、配車先D6と追加配車先ADとの間の直線距離L2および追加配車先ADと配車先D7との間の直線距離L3を算出する。追加部335は、直線距離L2とL3との合計から距離L1を減じた値を配車コースの長さの増分として算出する。
【0057】
追加部335は、増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加する。追加部335は、追加配車先および以後に配車される配車先への配車時刻並びに拠点への帰着時刻を算出する。
図11に示す例では、追加配車先ADが配車先D6とD7との間に追加されているため、追加部335は、追加配車先ADおよび配車先D7への配車時刻を算出する。
【0058】
例えば、追加部335は、配車先D6への配車時刻から、配車先D6と追加配車先ADとの間の直線距離L2に基づく時間が経過した時刻を追加配車先ADへの配車時刻として算出する。また、追加部335は、追加配車先ADへの配車時刻から、追加配車先ADと配車先D7との間の直線距離L3に基づく時間が経過した時刻を配車先D7への配車時刻として算出する。追加部335は、配車コーステーブルT2に記憶された配車先D7への配車時刻と、追加部335によって算出された配車先D7への配車時刻との差に相当する時間だけ、以後の配車先への配車時刻および拠点への帰着時刻を変化させる。
【0059】
図9に戻り、次に、判定部336は、追加配車先が追加された配車コースに基づいて、候補車両による追加配車先への配車の可否を判定する(ステップS204)。
【0060】
例えば、判定部336は、追加配車先が追加された配車コースにおける配車先への配車時刻に基づいて、候補車両による追加配車先への配車の可否を判定する。判定部336は、追加配車先への配車時刻が、ステップS102で選択された時間帯に含まれるか否かを判定し、選択された時間帯に含まれない場合に追加配車先への配車ができないと判定する。また、判定部336は、追加配車先より後に配車される配車先への配車時刻が配車先テーブルT1に記憶された時間帯に含まれるか否かを判定し、記憶された時間帯に含まれない場合に追加配車先への配車ができないと判定する。
【0061】
また、判定部336は、追加配車先が追加された場合の車両の稼働時間に基づいて、候補車両による追加配車先への配車の可否を判定する。判定部336は、配車コーステーブルT2に記憶された拠点への帰着時刻と、追加配車先が追加された配車コースにおける拠点への帰着時刻との差分に基づいて、稼働時間の増加分を算出する。判定部336は、配車コーステーブルT2に記憶された稼働時間と算出された増加分との合計値が所定の閾値を超えるか否かを判定し、閾値を超える場合に追加配車先への配車ができないと判定する。
【0062】
また、判定部336は、追加配車先が追加された場合の積載量に基づいて、候補車両による追加配車先への配車の可否を判定する。判定部336は、追加配車先に配車される貨物の重量または体積と配車コーステーブルT2に記憶された候補車両の貨物の積載量との合計値が閾値を超えるか否かを判定し、閾値を超える場合に追加配車先への配車ができないと判定する。
【0063】
判定部336は、上述したような条件に基づいて候補車両による追加配車先への配車ができないと判定されなかった場合に、候補車両による追加配車先への配車ができると判定する。判定部336は、追加配車先が追加された配車コースを、ステップS102で選択された時間帯に関連付けて記憶部31に記憶する。
【0064】
候補車両による追加配車先への配車ができると判定された場合(ステップS205-Yes)、判定処理が終了する。
【0065】
追加配車先への配車ができないと判定された場合(ステップS205-No)、ステップS201で抽出された全ての車両がステップS202で選択されたか否かが判定される(ステップS206)。
【0066】
全ての車両が選択されていない場合(ステップS206-No)、判定処理はステップS202に戻り、車両選択部334は、ステップS201で抽出され、まだ選択されていない車両のうちから候補車両を選択する。
【0067】
全ての車両が選択されている場合(ステップS206-Yes)、判定部336は、追加配車先への配車ができないと判定する(ステップS207)。以上で、判定処理が終了する。
【0068】
以上説明したように、判定装置3は、複数の車両の配車先と追加配車先との位置関係に基づいて、複数の車両のうちから追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択し、候補車両の配車コースに追加配車先を追加する。判定装置3は、追加配車先を含む複数の配車先への配車コースを都度算出するのではなく、あらかじめ記憶された配車コースに追加配車先を追加することにより、計算負荷を増大させることなく複数の車両を配車先に適切に割り当てることを可能とする。
【0069】
また、判定装置3は、複数の車両の配車先のうち、取得された時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先を抽出し、抽出された配車先と追加配車先との位置関係に基づいて候補車両を選択する。判定装置3は、所定の時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先を抽出することにより、所定の時間帯における配車の可否を適切に判定することを可能とする。
【0070】
また、判定装置3は、k-近傍法を適用して候補車両を選択する。k-近傍法を用いることで、追加配車先に近い配車先が配車コースに多く含まれる車両が候補車両として選択されやすくなるため、判定装置3は、配車コースの増分が少ない効率的な配車を可能とする。
【0071】
また、判定装置3は、配車先の数の平方根に基づいてkの値を設定してk-近傍法を適用する。k-近傍法において、kの値が大きすぎる場合、追加配車先との位置関係にかかわらず配車コースに多くの配車先が含まれる車両が候補車両として選択されやすくなり、配車コースの長さが増加する可能性がある。kの値が小さすぎる場合、追加配車先に近い配車先が少しでも含まれる車両が候補車両として選択されやすくなり、配車先が特定の車両に偏る可能性がある。判定装置3は、配車先の数の平方根に基づいてkの値を設定することにより、上述の弊害の発生を防止して、配車コースの増分が少ない効率的な配車を可能とする。
【0072】
また、判定装置3は、候補車両の配車コースの各順番に追加配車先を追加した場合の配車コースの長さの増分を、追加配車先と追加配車先の前後の配車先との間の直線距離に基づいて算出し、増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加する。配車コースの長さの増分を算出するためには、配車コースに含まれる全ての配車先と追加配車先との間の距離を算出する必要がある。配車先と追加配車先との間の走行距離(現実の道路状況を考慮した距離)を算出することは大きな処理負荷を伴うが、判定装置3は、走行距離に代えて直線距離を用いることにより、処理負荷を低減させることを可能とする。
【0073】
判定装置3には、次に述べるような変形例が適用されてもよい。
【0074】
上述した説明では、配車コース更新処理のステップS101において配車日が取得されるものとしたが、このような例に限られない。例えば、ステップS101において配車日が取得されず、ステップS102が省略されてもよい。また、判定処理のステップS202において、車両選択部334は特定の時間帯に関連付けられた配車先だけでなく、配車コーステーブルT2に記憶された全ての配車先と追加配車先との位置関係に基づいて候補車両を選択してもよい。
【0075】
また、ステップS101において配車日が取得されず、ステップS102において所定の時間帯のうちのいずれかの時間帯が選択されるようにしてもよい。例えば、時間帯選択部332は、所定の時間帯として、ユーザが商品を購入した日を起点とする所定の期間(例えば、7日間)に含まれる時間帯を設定してもよい。
【0076】
上述した説明では、判定処理のステップS202において、k-近傍法を適用して候補車両が選択されるものとしたが、このような例に限られない。例えば、車両選択部334は、ステップS102において選択された時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先のうち追加配車先から所定距離の範囲に位置するものを抽出し、抽出された配車先のうち最も多くの配車先に関連付けられている車両を候補車両として選択してもよい。このようにしても、追加配車先に近い配車先が配車コースに多く含まれる車両が候補車両として選択されやすくなるため、配車コースの増分が少ない効率的な配車が可能となる。
【0077】
また、車両選択部334は、サポートベクターマシン等の分類モデルを用いて候補車両を選択してもよい。分類モデルは、追加配車先が入力された場合に、追加配車先の位置情報に基づいて候補車両を出力するように学習されたモデルである。学習は、ステップS102において選択された時間帯に含まれる配車時刻に関連付けられた配車先を位置情報に基づいて複数の車両のうちのいずれかに分類することが可能な曲線を算出することによりなされる。曲線は、例えば、曲線と配車先との間の距離に基づくマージンを最適化することにより算出される。車両選択部334は、ステップS202において上述の分類モデルを生成し、分類モデルに追加配車先を入力し、分類モデルから出力された車両を候補車両として選択する。このようにしても、追加配車先に近い配車先が配車コースに多く含まれる車両が候補車両として選択されやすくなるため、配車コースの増分が少ない効率的な配車が可能となる。
【0078】
上述した説明では、判定処理のステップS203において、追加配車先を追加した場合の配車コースの長さの増分が、追加配車先と追加配車先の前後の配車先との間の直線距離に基づいて算出されるものとしたが、このような例に限られない。追加部335は、配車コースの長さの増分を、追加配車先と追加配車先の前後の配車先との間の走行距離に基づいて算出してもよい。走行距離は、例えば、あらかじめ記憶されている道路ネットワークにダイクストラ(Dijkstra)のアルゴリズム等を適用することにより算出される。これにより、追加配車先および以後の配車先への配車時刻をより正確に算出することが可能となる。
【0079】
また、ステップS203において、配車コースの長さの増分は直線距離に基づいて算出され、追加配車先および以後の配車先への配車時刻は走行距離に基づいて算出されてもよい。例えば、追加部335は、追加配車先が追加された場合の配車コースの長さの増分を直線距離に基づいて算出し、増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加する。追加部335は、追加配車先と追加配車先の前後の配車先との間の走行距離を算出する。追加部335は、追加配車先の前の配車先への配車時刻から、前の配車先と追加配車先との間の走行距離に基づく時間が経過した時刻を追加配車先への配車時刻として算出する。また、追加部335は、追加配車先への配車時刻から、追加配車先と後の配車先との間の走行距離に基づく時間が経過した時刻を後の配車先への配車時刻として算出する。追加部335は、配車コーステーブルに記憶された後の配車先への配車時刻と、追加部335によって算出された後の配車先への配車時刻との差に相当する時間だけ、以後の配車先への配車時刻および拠点への帰着時刻を変化させる。これにより、処理負荷を低減させながら、追加配車先および以後の配車先への配車時刻をより正確に算出することが可能となる。
【0080】
上述した説明では、ステップS204において、追加配車先および以後の配車先への配車時刻がユーザによって指定された希望時間帯に含まれるか否かが判定されるものとしたが、このような例に限られない。判定部336は、追加配車先および以後の配車先への配車時刻がユーザによって指定された配車禁止時間帯に含まれるか否かを判定し、配車禁止時間帯に含まれる場合に候補車両による配車ができないと判定してもよい。
【0081】
また、ステップS204において、追加配車先に配送される貨物の混載制限に基づいて追加配車先への配車の可否が判定されてもよい。特定の種類の貨物は、他の貨物への影響を防止するために、他の貨物との混載が制限される。この場合、記憶部31は、混載が禁止される貨物の組合せをあらかじめ記憶する。判定部336は、配車コースに含まれる配車先に配送される貨物を配車先テーブルT1から取得し、追加配車先に配送される貨物と取得した貨物との組合せの混載が禁止されているか否かを判定する。
【0082】
上述した説明では、ステップS205において配車ができないと判定された場合に、判定処理がステップS206に進むものとしたが、このような例に限られない。例えば、配車ができないと判定された場合に、判定処理はステップS203に戻り、直前に実行されたステップS203において追加配車先が追加された順番とは異なる順番に追加配車先が追加されてもよい。この場合、追加部335は、直前に追加配車先が追加された順番とは異なる順番のうち、配車コースの長さの増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加する。
【0083】
また、この場合において、配車ができないと判定された条件に応じて、判定処理がステップS206に進むかステップS203に戻るかが異なってもよい。追加配車先が追加された配車コースにおける配車先への配車時刻に基づいて、候補車両による追加配車先への配車ができないと判定された場合には、追加配車先が異なる順番に追加されることにより配車ができるようになる可能性がある。したがって、この場合には、追加部335は、直前に追加配車先が追加された順番とは異なる順番のうち、配車コースの長さの増分が最も小さくなるような順番に追加配車先を追加する。一方、追加配車先が追加された場合の候補車両の稼働時間または積載量に基づいて追加配車先への配車ができないと判定された場合には、追加配車先が異なる順番に追加されることにより配車ができるようになる可能性は小さい。したがって、この場合には判定処理がステップS206に進む。
【0084】
上述した説明では、配車コース更新処理は各車両について少なくとも一つの配車先を含む配車コースが配車コーステーブルT2に記憶された状態で実行されるものとしたが、このような例に限られない。配車コース更新処理は、少なくとも一つの車両の配車コースに配車先が含まれない状態で実行されてもよい。この場合、追加部335は、ステップS203において、候補車両の配車コースの長さの増分が閾値未満であれば候補車両の配車コースに追加配車先を追加し、増分が閾値以上であれば配車コースに配車先が含まれない車両の配車コースに追加配車先を追加する。
【0085】
上述した通信端末2または判定装置3の機能は、それぞれ複数の装置によって実現されてもよい。また、上述した通信端末2および判定装置3の機能は、一つの装置によって実現されてもよい。
【0086】
当業者は、本発明の範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、上述した実施形態及び変形例は、本発明の範囲において、適宜に組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
3 判定装置
331 取得部
332 時間帯選択部
333 抽出部
334 車両選択部
335 追加部
336 判定部
337 出力部
338 更新部
【要約】
【課題】計算負荷を増大させることなく複数の車両を配車先に適切に割り当てることを可能とする配車割当装置等を提供する。
【解決手段】判定装置は、複数の車両のそれぞれについて、車両が配車される配車先と配車先への配車順とを含む配車コースを記憶する記憶部と、複数の車両のいずれかの配車先に追加される追加配車先を取得する取得部と、各車両の配車先と追加配車先との位置関係に基づいて、複数の車両のうちから追加配車先に配車される候補となる候補車両を選択する選択部と、候補車両の配車コースに追加配車先を追加する追加部と、追加配車先が追加された配車コースに基づいて、追加配車先への配車の可否を判定する判定部と、判定の結果を出力する出力部と、を有する。
【選択図】
図7