(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20240905BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240905BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240905BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240905BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 624B
G09G3/20 621F
G09G3/20 611A
G09F9/30 338
G02F1/1368
H01L29/78 614
H01L29/78 613B
H01L29/78 618B
(21)【出願番号】P 2023074917
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2020512105の分割
【原出願日】2019-03-27
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2018073883
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】石谷 哲二
(72)【発明者】
【氏名】豊高 耕平
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】久保田 大介
(72)【発明者】
【氏名】山下 晃央
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-163890(JP,A)
【文献】特開2009-075300(JP,A)
【文献】特開2016-103026(JP,A)
【文献】特開2017-201570(JP,A)
【文献】特開2018-036639(JP,A)
【文献】特開平08-286170(JP,A)
【文献】特開昭58-023091(JP,A)
【文献】特許第7273800(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第106782359(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G09F 9/00-9/46
G02F 1/1368
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画素と、第2の画素と、第1乃至第6の配線と、を有し、
前記第1の画素及び前記第2の画素の各々は、第1のトランジスタと、第1のメモリと、第2のメモリと、液晶素子を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第6の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方は、前記液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1のメモリは、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のメモリは、前記液晶素子の一方の電極と電気的に接続され
前記第2のメモリは、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のメモリは、前記液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の画素において、
前記第1のメモリは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第2のメモリは、前記第5の配線と電気的に接続され、
前記第2の画素において、
前記第1のメモリは、前記第5の配線と電気的に接続され、
前記第2のメモリは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタは、
In、Ga、
及びZ
nを有する酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層上の第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上のゲート電極と、を有し、
前記第1のトランジスタのチャネル長方向における断面視において、前記第1の絶縁層は、前記ゲート電極と重なる第1の領域と、前記ゲート電極と重ならない第2の領域と、を有し、
前記断面視において、前記第2の領域の端部は、前記酸化物半導体層の上面に位置している、表示装置。
【請求項2】
第1の画素と、第2の画素と、第1乃至第6の配線と、を有し、
前記第1の画素及び前記第2の画素の各々は、第1のトランジスタと、第1のメモリと、第2のメモリと、液晶素子を有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方は、前記第6の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方は、前記液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1のメモリは、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のメモリは、前記液晶素子の一方の電極と電気的に接続され
前記第2のメモリは、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のメモリは、前記液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の画素において、
前記第1のメモリは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第2のメモリは、前記第5の配線と電気的に接続され、
前記第2の画素において、
前記第1のメモリは、前記第5の配線と電気的に接続され、
前記第2のメモリは、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタは、
バックゲート電極としての機能を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層上の第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に設けられ、且つIn、Ga、及びZnを有する酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層上の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上のゲート電極と、を有し、
前記第1のトランジスタのチャネル長方向における断面視において、前記第2の絶縁層は、前記ゲート電極と重なる第1の領域と、前記ゲート電極と重ならない第2の領域と、を有し、
前記断面視において、前記第2の領域の端部は、前記酸化物半導体層の上面に位置している、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの動作方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
基板上に形成された金属酸化物を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。例えば、酸化亜鉛またはIn-Ga-Zn系酸化物を用いたトランジスタを表示装置の画素のスイッチング素子などに用いる技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0005】
また、オフ電流が極めて低いトランジスタをメモリセルに用いる構成の記憶装置が特許文献3に開示されている。
【0006】
また、液晶表示装置では、様々な改善、応用が試みられている。例えば、応答速度を改善するOCB(Optically Compensated Bend)モードを用いた液晶表示装置が特許文献4に開示されている。また、フィールドシーケンシャル動作により表示を行う透明ディスプレイが特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【文献】特開2011-119674号公報
【文献】特開2003-107506号公報
【文献】特開2018-21974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、液晶表示装置は応答速度が遅く、自発光型表示装置よりも動画品質などが低いといわれている。一方で、特殊な配向制御を利用したOCBモードを利用することにより、液晶表示装置の応答速度を著しく改善することができる。
【0009】
また、高分子分散型液晶を利用した透明ディスプレイが開発されている。透明ディスプレイは窓ガラスと置き換えることができるため、車窓やショーウィンドウなどに情報を表示するなど、様々な応用が期待できる。
【0010】
しかしながら、OCBモードや高分子分散型液晶(リバースモード)を用いた素子は、しきい値電圧が高いため、比較的高い電圧を供給して動作させる必要がある。そのため、消費電力やドライバICの選定などに課題が生じてしまう。
【0011】
また、OCBモードでは、配向制御のために、高電圧印加や一定以上の電圧に保持するなどの特殊な駆動方法を用いる必要がある。
【0012】
したがって、本発明の一態様では、液晶素子の制御に適した回路を有する表示装置を提供することを目的の一つとする。または、液晶素子に高い電圧を供給することのできる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、ソースドライバの出力電圧以上の電圧を液晶素子に供給することができる表示装置を提供することを目的の一つとする。
【0013】
または、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、信頼性の高い表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置などを提供することを目的の一つとする。または、上記表示装置の動作方法を提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置などを提供することを目的の一つとする。
【0014】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様は、液晶素子の制御動作に適した回路を有する表示装置、およびその動作方法に関する。
【0016】
本発明の一態様は、第1の画素と、第2の画素と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、第6の配線と、を有し、第1の画素および第2の画素のそれぞれは、第1のトランジスタと、第1のメモリと、第2のメモリと、液晶素子を有し、第1の画素および第2の画素のそれぞれにおいて、第1のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第6の配線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、第1のメモリは、第2の配線と電気的に接続され、第1のメモリは、液晶素子の一方の電極と電気的に接続され第2のメモリは、第3の配線と電気的に接続され、第2のメモリは、液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、第1の画素において、第1のメモリは、第4の配線と電気的に接続され、第2のメモリは、第5の配線と電気的に接続され、第2の画素において、第1のメモリは、第5の配線と電気的に接続され、第2のメモリは、第4の配線と電気的に接続される表示装置である。
【0017】
さらに、第1の画素および第2の画素のそれぞれは、第1の容量素子を有し、第1の画素および第2の画素のそれぞれにおいて、第1の容量素子の一方の電極は、液晶素子の一方の電極と電気的に接続されていてもよい。
【0018】
第1のメモリは、第2のトランジスタと、第2の容量素子と、を有し、第2のメモリは、第3のトランジスタと、第3の容量素子と、を有し、第1の画素および第2の画素のそれぞれにおいて、第2のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、第3のトランジスタのゲートは、第3の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第3の容量素子の他方の電極は、液晶素子の一方の電極と電気的に接続され、第1の画素において、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第4の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第5の配線と電気的に接続され、第2の画素において、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第5の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第4の配線と電気的に接続される構成とすることができる。
【0019】
さらに、第3の画素と、第4の画素と、を有し、第3の画素および第4の画素のそれぞれは、第4のトランジスタを有し、第3の画素および第4の画素のそれぞれにおいて、第4のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第6の配線と電気的に接続されていてもよい。
【0020】
液晶素子としては、OCBモードで駆動される素子を用いることができる。または、高分子分散型液晶を有する素子を用いることもできる。
【0021】
第1のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有することが好ましい。
【0022】
また、本発明の他の一態様は、液晶素子の一方の電極が接続されたノードに、トランジスタのソースまたはドレインの一方、第1の容量素子の一方の電極および第2の容量素子の一方の電極のそれぞれが電気的に直接接続された表示装置の動作方法であって、液晶素子の一方の電極にトランジスタを介して高電位または低電位の一方を供給する動作、および第1の容量素子の他方の電極に高電位または低電位の他方を供給する動作を有する第1のステップと、第1の容量素子の他方の電極に高電位または低電位の一方を供給する動作を有する第2のステップと、を有し、第1のステップ、第2のステップの順で動作させる表示装置の動作方法である。
【0023】
第2のステップにおいて、液晶素子の一方の電極の電位の絶対値は15V以上とすることが好ましい。
【0024】
さらに、液晶素子の一方の電極にトランジスタを介して第1の電位を供給する動作、および第2の容量素子の他方の電極に第2の電位を供給する動作を有する第3のステップを有し、第1のステップ、第3のステップ、第2のステップの順で動作させてもよい。
【0025】
また、第1のステップで、第2の容量素子の他方の電極に高電位または低電位の他方を供給する動作を有し、第2のステップで、第2の容量素子の他方の電極に高電位または低電位の一方を供給する動作を行ってもよい。
【0026】
また、液晶素子の一方の電極が接続されたノードに、さらに第3の容量素子の一方の電極が電気的に直接接続された表示装置の動作方法であって、第1のステップで、第3の容量素子の他方の電極に高電位または低電位の他方を供給する動作を有し、第3のステップで、第3の容量素子の他方の電極に高電位または低電位の一方を供給する動作を有し、第1のステップ、第3のステップ、第2のステップの順で動作させてもよい。
【0027】
また、本発明の他の一態様は、液晶素子の一方の電極が接続されたノードにトランジスタのソースまたはドレインの一方、第1の容量素子の一方の電極および第2の容量素子の一方の電極のそれぞれが電気的に直接接続された表示装置の動作方法であって、液晶素子の一方の電極にトランジスタを介して第1の電位を供給する動作、および第1の容量素子の他方の電極に第2の電位を供給する動作を有する第1のステップと、第2の容量素子の他方の電極に第3の電位を供給する第2のステップと、液晶素子の一方の電極にトランジスタを介して第4の電位を供給する動作、および第1の容量素子の他方の電極に第5の電位を供給する動作を有する第3のステップと、第1の容量素子の他方の電極に第6の電位を供給する第4のステップと、を有し、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップ、第4のステップの順で動作させる表示装置の動作方法である。
【0028】
第2の電位および第5の電位の絶対値は、第1の電位または第4の電位の絶対値の2倍またはその近傍とすることができる。または、第1の電位と第4の電位を等しくし、第2の電位を第6の電位の反転電位としてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様を用いることで、液晶素子の制御に適した回路を有する表示装置を提供することができる。または、液晶素子に高い電圧を供給することのできる表示装置を提供することができる。または、ソースドライバの出力電圧以上の電圧を液晶素子に供給することができる表示装置を提供することができる。
【0030】
または、低消費電力の表示装置を提供することができる。または、信頼性の高い表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置などを提供することができる。または、上記表示装置の動作方法を提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】(A)、(B)液晶素子の動作を説明する図。
【
図6】(A)、(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図7】(A)~(C)容量素子に保持される電荷を説明する図。
【
図8】表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図9】表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図10】(A)、(B)表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図11】表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図12】表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図13】表示装置の動作を説明するタイミングチャート。
【
図15】(A)シミュレーションに用いる画素回路の構成を説明する図。(B)シミュレーションに用いたタイミングチャート。
【
図16】(A)、(B)シミュレーションの結果を説明する図。
【
図17】シミュレーションに用いるタイミングチャート。
【
図20】(A)、(B)タッチパネルを説明する図。
【
図26】(A1)~(C2)トランジスタを説明する図。
【
図27】(A1)~(C2)トランジスタを説明する図。
【
図28】(A1)~(C2)トランジスタを説明する図。
【
図29】(A1)~(C2)トランジスタを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
【0033】
また、回路図上では単一の要素として図示されている場合であっても、機能的に不都合がなければ、当該要素が複数で構成されてもよい。例えば、スイッチとして動作するトランジスタは、複数が直列または並列に接続されてもよい場合がある。また、キャパシタを分割して複数の位置に配置する場合もある。
【0034】
また、一つの導電体が、配線、電極および端子のような複数の機能を併せ持っている場合があり、本明細書においては、同一の要素に対して複数の呼称を用いる場合がある。また、回路図上で要素間が直接接続されているように図示されている場合であっても、実際には当該要素間が複数の導電体を介して接続されている場合があり、本明細書ではこのような構成でも直接接続の範疇に含める。
【0035】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について、図面を参照して説明する。
【0036】
本発明の一態様は、画素内に二つのメモリを有し、水平垂直方向の複数の画素でゲート線を共有する表示装置である。当該表示装置は液晶素子を有し、反転動作時の電力消費を低減することができる。また、しきい値電圧の高い液晶素子にも適切に対応し、階調表示に必要な広範囲の電圧印加を行うことができる。
【0037】
図1は、本発明の一態様の表示装置を説明する図である。表示装置は、画素10と、ソースドライバ12と、ゲートドライバ13を有する。
【0038】
画素10は、メモリM1、メモリM2および回路ブロック11を有する。メモリM1およびメモリM2は、回路ブロック11と電気的に接続される。回路ブロック11は、例えば、互いに電気的に接続されたトランジスタ、容量素子および液晶素子を有する。
【0039】
垂直方向(ソース線が延在する方向)に隣接する2つの画素10において、それぞれが有するメモリM1は、第1の配線(ゲート線)と電気的に接続される。また、2つの画素10のそれぞれが有するメモリM2は、第2の配線(ゲート線)と電気的に接続される。また、上記2つの画素10におけるそれぞれの回路ブロック11が有するトランジスタは、第3の配線(ゲート線)と電気的に接続される。
【0040】
また、一方の画素10が有するメモリM1および他方の画素10が有するメモリM2は、第4の配線(ソース線)と電気的に接続される。また、一方の画素10が有するメモリM2および他方の画素10が有するメモリM1は、第5の配線(ソース線)と電気的に接続される。また、上記2つの画素10のそれぞれの回路ブロック11が有するトランジスタは、第6の配線(ソース線)と電気的に接続される。
【0041】
したがって、メモリM1のそれぞれには、第1の配線に供給される信号に従って、異なるデータを書き込むことができる。また、メモリM2のそれぞれには、第2の配線に供給される信号に従って、異なるデータを書き込むことができる。
【0042】
また、上記2つの画素10のそれぞれの回路ブロック11が有するトランジスタは、第3の配線に供給される信号に従って、同じデータを各液晶素子に供給することができる。なお、
図1に示すように、第6の配線は、水平方向(ゲート線の延在する方向)に隣接する画素10が有する回路ブロック11のトランジスタと電気的に接続することができる。
【0043】
上述したように、複数の画素10で配線を共有する構成となるため、一つの画素10あたり、ゲート線1.5本、ソース線2.5本となり、配線数を削減することができる。したがって、配線を共有しない場合に比べて、開口率を高めることができる。また、データの書き込みを高速に行うことができる。
【0044】
本発明の一態様の表示装置では、液晶素子の一方の電極に書き込んだデータと、メモリM1またはメモリM2に書き込むデータとを加算することができる。したがって、ソースドライバの出力電圧以上の電圧を液晶素子に供給することができ、しきい値電圧の高い液晶素子でも容易に階調制御が可能となる。また、汎用のソースドライバを用いても比較的高い電圧を液晶素子に供給することができるため、表示素子のコストを削減することができる。
【0045】
メモリM1またはメモリM2の一方には、液晶素子を駆動するための第1の電位を保持する。また、メモリM1またはメモリM2の他方には、液晶素子を駆動するための第2の電位を保持する。ここで、第1の電位および第2の電位は液晶素子の焼き付きを防止するための反転駆動に対応する電位とする。例えば、第1の電位を正電位としたとき、第2の電位を負電位とする。このようにメモリM1とメモリM2に保持する電位の極性を一定として変化させないことで、電荷の供給量を低減させることができ、省電力化することができる。
【0046】
しきい値電圧の高い液晶素子としては、例えば、OCBモードや高分子分散型液晶が知られている。OCBモードは、パラレルラビングしたセルに液晶を注入し、スプレイ配向させる。その後、比較的強い縦電界を印加することでベンド配向させる。OCBモードの液晶素子は、ベンド配向を保った状態のときに階調制御を行うことができるが、印加する電界を一定値以下に低下させるとスプレイ配向に戻ってしまう。
【0047】
図2(A)は、OCBモードの液晶素子の電圧-透過率特性(パラレルニコル時の透過率を100%としている)の一例である。一度高い電圧でベンド配向をさせた後、2V程度までは電圧の低下に伴って透過率が上昇するが、その後急激に透過率が落ち込む。これはスプレイ配向に戻ってしまったことを意味する。したがって、OCBモードでは、最低でも2V程度の電圧を印加しておく必要がある。
【0048】
図2(B)は、高分子分散型液晶素子の電圧-透過率特性の一例である(光源からの光を透過率100%としている)。当該高分子分散型液晶素子はリバースモードで動作し、電圧を印加しない状態で透過率が高い状態を示す。透過率は2Vを越えたところから低下し始め、8V程度で一定となる。階調制御はこの間の電圧で行うことができる。
【0049】
上述したようにOCBモードの液晶素子および高分子分散型液晶素子では、階調制御の開始に最低でも数ボルトの印加が必要である。当該電圧を本明細書ではオフセット電圧(Vof)と呼ぶ。オフセット電圧に相当する電圧をコモン電圧で相殺する方法もあるが、反転駆動が必須である液晶素子では消費電力が高まってしまう。また、階調制御に必要な電圧とオフセット電圧をソースドライバからの供給に依存する場合では、高電圧仕様のソースドライバが必要となり、場合によっては新たな開発コストが生じてしまう。
【0050】
本発明の一態様では、オフセット電圧の大きい液晶素子であっても駆動時にコモン電圧を一定とすることができ、汎用のソースドライバを用いることができる。また、オフセット電圧の維持やOCBモードの液晶をベンド配向させるための高電圧の生成を容易に行うことができる。なお、本発明の一態様の画素を有する表示装置は、OCBモードの液晶素子および高分子分散型液晶素子を有する構成に限らず、その他の液晶素子を有する構成であってもよい。
【0051】
図3に画素アレイの第m列および第m+1列、第n行および第n+1行(m、nは1以上の自然数)における画素10の具体例を示す。なお、
図3では、画素10[n,m]、画素10[n+1,m]、画素10[n,m+1]、画素10[n+1,m+1]の4画素を示しているが、画素10[n,m+1]および画素10[n+1,m+1]については、詳細を省略している。
【0052】
画素10は、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子104と、容量素子105と、容量素子106と、液晶素子107を有する構成とすることができる。
【0053】
トランジスタ101のソースまたはドレインの一方は、容量素子104の一方の電極と電気的に接続される。容量素子104の他方の電極は、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。容量素子104の一方の電極は、容量素子105の一方の電極と電気的に接続される。容量素子105の他方の電極は、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。容量素子105の一方の電極は、容量素子106の一方の電極と電気的に接続される。容量素子106の一方の電極は、液晶素子107の一方の電極と電気的に接続される。
【0054】
ここで、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方、容量素子104の一方の電極、容量素子105の一方の電極、容量素子106の一方の電極および液晶素子107の一方の電極が接続される配線をノードNMとする。ノードNMはフローティングとすることができ、液晶素子107はノードNMの電位に従って動作する。
【0055】
また、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方および容量素子104の他方の電極が接続される配線をノードME1とする。また、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方および容量素子105の他方の電極が接続される配線をノードME2とする。
【0056】
なお、
図1におけるメモリM1は、ノードME1およびその周辺要素に相当する。また、
図1におけるメモリM2は、ノードME2およびその周辺要素に相当する。また、
図1に回路ブロック11の要素としては、トランジスタ101、容量素子106および液晶素子107が該当する。
【0057】
画素10[n,m]および画素10[n+1,m]が有する要素と各種配線との接続を説明する。まず、画素10[n,m]および画素10[n+1,m]で共通する接続形態について説明する。トランジスタ101のゲートは、配線123[n]と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、配線122と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線126[m]と電気的に接続される。容量素子106の他方の電極は、配線132と電気的に接続される。液晶素子107の他方の電極は、配線133と電気的に接続される。
【0058】
次に、画素10[n,m]および画素10[n+1,m]で異なる接続形態について説明する。画素10[n,m]において、トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、配線124[m]と電気的に接続される。また、トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、配線125[m]と電気的に接続される。画素10[n+1,m]において、トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、配線125[m]と電気的に接続される。また、トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、配線124[m]と電気的に接続される。
【0059】
なお、画素10[n,m+1]および画素10[n+1,m+1]においては、トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線126[m]と電気的に接続することができる。画素10[n,m+1]が有するトランジスタ102は、配線127[m+1]と電気的に接続することができ、トランジスタ103は、配線128[m+1]と電気的に接続することができる。また、画素10[n+1,m+1]が有するトランジスタ102は、配線128[m+1]と電気的に接続することができ、トランジスタ102は、配線127[m+1]と電気的に接続することができる。
【0060】
配線121、122、123はゲート線としての機能を有し、ゲートドライバ13(
図1参照)と電気的に接続される。配線132および配線133は、定電位を供給する共通配線としての機能を有する。配線124、125、127、128はソース線としての機能を有し、ソースドライバ12(
図1参照)と電気的に接続される。
【0061】
なお、配線126もソース線として機能するが、定電位を供給する配線であるため、選択回路14を介して所定の電源回路15と電気的に接続することができる(
図1参照)。なお、電源回路15は一つに限らない。また、電源回路15は、ソースドライバ等の他の回路が有する電源回路であってもよい。
【0062】
なお、選択回路14は、例えば、
図4(A)、(B)に示す構成とすることができ、用途に応じてリセット電位(RES+、RES-)、ソースドライバの電源電位(SVDD、SVSS)などを選択して配線126に供給することができる。また、
図4(C)に示すように、
図4(A)、(B)の構成にコモン電位(VCOM)を選択できる経路を付加してもよい。なお、SEL_RES-、SEL_RES+、SEL_SVDD、SEL_SVSS、SEL_COMは、各トランジスタを制御するための信号である。
【0063】
ノードNM、ノードME1およびノードME2は、記憶ノードとして作用する。各ノードに接続するトランジスタを導通させることで、データを各ノードに書き込むことができる。また、当該トランジスタを非導通とすることで、当該データを各ノードに保持することができる。当該トランジスタに極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることでリーク電流を抑えることができ、各ノードの電位を長時間保持することが可能となる。当該トランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
【0064】
具体的には、トランジスタ101、102、103にOSトランジスタを適用することが好ましい。また、回路ブロック110が有する要素にOSトランジスタを適用してもよい。また、リーク電流量が許容できる範囲で動作を行う場合は、Siをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。または、OSトランジスタおよびSiトランジスタを併用してもよい。なお、上記Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン、単結晶シリコン)を有するトランジスタなどが挙げられる。
【0065】
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などであり、例えば、後述するCAAC-OSまたはCAC-OSなどを用いることができる。CAAC-OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタなどに適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタなどに適する。
【0066】
OSトランジスタはエネルギーギャップが大きいため、数yA/μm(チャネル幅1μmあたりの電流値)という極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果などが生じないなどSiトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。また、Siトランジスタでは問題となる結晶性の不均一性に起因する電気特性のばらつきもOSトランジスタでは生じにくい。
【0067】
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0068】
半導体層を構成する酸化物半導体がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0069】
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。当該酸化物半導体は欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0070】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0071】
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
【0072】
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
【0073】
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
【0074】
また、半導体層を構成する酸化物半導体に水素が含まれていると、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸化物半導体中に酸素欠損を形成する場合がある。酸化物半導体中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となる場合がある。さらに、酸素欠損に水素が入った欠陥はドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、水素が多く含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
【0075】
酸素欠損に水素が入った欠陥は、酸化物半導体のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、酸化物半導体においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、酸化物半導体のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
【0076】
よって、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。水素などの不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
【0077】
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
【0078】
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
【0079】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0080】
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0081】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0082】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0083】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0084】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0085】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0086】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0087】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0088】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0089】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0090】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0091】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、および窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0092】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0093】
また、CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域(リング領域)と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0094】
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0095】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0096】
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0097】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0098】
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0099】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
【0100】
なお、画素10は、
図5に示すように容量素子106を省いた構成としてもよい。前述したように、ノードNMと接続するトランジスタにOSトランジスタを用いることができる。OSトランジスタはリーク電流が極めて小さいため、保持容量として機能する容量素子106を省いても表示を比較的長時間維持することができる。また、トランジスタの構成に限らず、フィールドシーケンシャル駆動のように、高速動作で表示期間を短くできる場合にも容量素子106を省くことは有効である。容量素子106を省くことで開口率を向上させることができる。または、画素の透過率を向上させることができる。
【0101】
次に、本発明の一態様の画素10を用いた動作方法を説明する。まず、共通動作を説明し、後に用途別動作を説明する。
【0102】
図6(A)、(B)は、液晶素子の正極性駆動と負極性駆動を説明する図である。正極性駆動と負極性駆動は、通常1フレーム毎に交互に行われる。配線124[m]、配線125[m]は第m列のソース線であり、それぞれに異なるデータを供給することができる。配線121、122、123は、ゲート線である。
図3に示すように、配線121[n]、122[n]、123[n]は、第n行の画素10および第n+1行の画素10と電気的に接続される。また、配線121[n-2]、122[n-2]、123[n-2]は第n-2行の画素10および第n-1行の画素10と電気的に接続される。
【0103】
配線124[m]および配線125[m]には、まず重みに相当する信号電位(W)が供給され、続いてデータに相当する信号電位(D)が供給される。液晶素子に印加される電圧がプラスのとき(正極性駆動)に用いられる信号電位には“+“、液晶素子に印加される電圧がマイナスのとき(負極性駆動)に用いられる信号電位には“-“の符号を付けている。すなわち、“W+”、“D+”とは、正極性駆動に用いられる重み、データを表す。“W-”、“D-”とは、負極性駆動に用いられる重み、データを表す。なお、重み“W+”は負極性駆動のときに書き込まれ、“W-”は正極性駆動のときに書き込まれる。また、“W-”、“D+”は正電位、“W+”、“D-”は負電位とすることができる。
【0104】
図6(A)、(B)に示す配線124、125に供給される信号電位において、[n]、[n-1]などは行数を示しており、例えば、W-[n-1]は、[n-1]行目の画素10に供給される重み(W-)を表している。
【0105】
図6(A)に示す正極性駆動では、時刻T1乃至T2にW-[n-3]、W-[n-2]が供給され、[n-3]行目の画素10、[n-2]行目の画素10にそれぞれ書き込まれる。また、時刻T3乃至T4にD+[n-2]、D+[n-3]が供給され、[n-2]行目の画素10、[n-3]行目の画素10にそれぞれ書き込まれる。
【0106】
ここで、時刻T1乃至T2に書き込まれたW-[n-3]、W-[n-2]は当該フレームの正極性駆動では利用されず、次フレームの負極性駆動まで保持され、次フレームで書き込まれるD-[n-2]、D-[n-3]に加算される。また、時刻T3乃至T4に書き込まれたD+[n-2]、D+[n-3]には、前フレームで書き込まれて保持されているW+[n-3]、W+[n-2]が加算される。
【0107】
図6(B)に示す負極性駆動では、時刻T1乃至T2にW+[n-3]、W+[n-2]が供給され、[n-3]行目の画素10、[n-2]行目の画素10にそれぞれ書き込まれる。また、時刻T3乃至T4にD-[n-2]、D-[n-3]が供給され、[n-2]行目の画素10、[n-3]行目の画素10にそれぞれ書き込まれる。
【0108】
ここで、時刻T1乃至T2に書き込まれたW+[n-3]、W+[n-2]は、当該フレームの負極性駆動では利用されず、次フレームの正極性駆動まで保持され、次フレームで書き込まれるD+[n-2]、D+[n-3]に加算される。また、時刻T3乃至T4に書き込まれたD-[n-2]、D-[n-3]には、前フレームで書き込まれて保持されているW-[n-3]、W-[n-2]が加算される。
【0109】
以上が、本発明の一態様における共通動作で、重みとデータの書き込み、および加算動作である。なお、W-、D+(正電位)は、常に一方のメモリ(例えば、ノードME1を有するメモリ、メモリM1)に書き込まれ、W+、D-(負電位)は、常に他方のメモリ(例えば、ノードME2を有するメモリ、メモリM2)に書き込まれる。したがって、一方のメモリまたは他方のメモリが有する容量素子には、常に同じ極性の電荷が書き込まれることになる。したがって、電極の極性が反転するように電荷を書き込むことがないため、電荷の供給量を低減させることができ、電力消費を低減することができる。なお、第1のメモリおよび第2のメモリに書き込まれる電位の極性は逆であってもよい。
【0110】
図7(A)乃至(C)は、ある特定の画素10において、一方のメモリまたは他方のメモリが有する容量素子に書き込まれる電荷を説明する図である。ここで、一方のメモリが有する容量素子をC+で示し、他方のメモリが有する容量素子をC-で示す。具体的にC+は、
図3および
図5に示す容量素子104に相当する。また、C-は、
図3および
図5に示す容量素子105に相当する。
【0111】
図7(A)乃至(C)において重み(W)やデータ(D)に付記される[N]、[N+1]などは加算に利用されるフレームを意味する。また、qwは重みの電荷量、qwの前の+、-は電荷極性、qwの後の+、-は容量素子の種類(+であれば、C+に溜まる電荷の意味)また、(N)、(N+1)などは、加算に利用されるフレームを意味する。
【0112】
ここでは、明瞭化のため、容量素子C-の挙動を主として説明する。
図7(A)はN-1フレーム目(正極性駆動)における容量素子C-、C+に溜められる電荷を示す図である。左側は重み(W)書き込み、右側は同一フレームのデータ(D)書き込みを示している。N-1フレーム目では、まず、容量素子C-の一方の電極に重み“W-[N]”が供給され、他方の電極に一例として電位0Vが供給される。このとき、一方の電極には+qw-(N)、他方の電極には-qw-(N)の電荷が溜まっている。
【0113】
続いて、容量素子C+の一方の電極にデータ“D+[N-1]”が供給されるとき、容量素子C-の両端の電極はフローティングとされ、容量素子C-の電荷は保持される。
【0114】
続いて、
図7(B)に示すNフレーム目(負極性駆動)において、容量素子C+の一方の電極に重み“W+[N+1]”が供給されるとき、容量素子C-の一方の電極はフローティングであるため、容量素子C-の電荷は引き続き保持される。
【0115】
続いて、容量素子C-の一方の電極に負極性のデータ“D-[N]”が供給され、容量素子C-の他方の電極は保持されている重み“W-[N]”と容量結合された電位となるが、他方の電極はフローティングであるため、容量素子C-に保持されている電荷は変化しない。
【0116】
続いて、
図7(C)に示すN+1フレーム目(正極性駆動)において、容量素子C-の一方の電極に重み“W-[N+2]”が供給され、他方の電極に一例として電位0Vが供給される。このとき、容量素子C-の電荷が書き換えられ、一方の電極には+qw-(N+2)、他方の電極には-qw-(N+2)の電荷が溜まる。
【0117】
ここまで、容量素子C-の両電極に溜まる電荷の極性は反転することなく常に一定である。また、容量素子C+においても同様に両電極に溜まる電荷の極性を一定とすることができる。したがって、本発明の一態様では、反転動作時に供給する電荷量を少なくすることができ、表示装置の消費電力を抑えることができる。
【0118】
次に、用途別の動作例を説明する。まず、液晶素子に高電圧を印加する動作を説明する。当該動作は、例えば、高電圧印加によるベンド配向動作を必要とするOCBモードの液晶に用いることができる。なお、ここでは、高電位として“SVDD”、低電位として“SVSS”を用いるが、その他の電位であってもよい。ただし、生成する電圧をより高くしたい場合は、高電位と低電位との差が大きいほど好ましい。
【0119】
図8は、
図3に示す画素10を用い、電源投入から1フレーム目までの動作を説明する図である。なお、1フレーム目は高電位を生成するための動作を行うため、画像データの入力は行わないが、ここでは正極性動作を適用する。当該動作には、一方のメモリに次フレームの負極性駆動用の重み(W-)を書き込む動作が含まれる。なお、当該動作を行うとき、選択回路14には、
図4(A)に示す回路を用いることができる。
【0120】
本実施の形態では、説明の明瞭化のため、画素10が有する液晶素子107および容量素子106の容量値は、十分に小さい値であると仮定する。
図8の動作では、電源投入から1フレーム目までは高電圧を液晶素子に印加する各画素共通の動作であるため、配線124[m]、125[m]には同じ電位信号が供給される。2フレーム目以降は、各画素10に異なる画像データを供給するため、配線124[m]、125[m]には異なるデータ(D)が供給される。ただし、重み(W)は特定の値となるため、同じフレーム期間において配線124[m]、125[m]には同じ値の重み(W)が供給される。また、配線132、133は0Vとする。
【0121】
時刻T1に、配線126[m]に“SVDD”、配線124[m]、125[m]に“SVSS”を供給し、配線121[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMの電位は、“SVDD”となる。また、トランジスタ102が導通し、ノードME1の電位は、“SVSS”となる。
【0122】
時刻T2に、配線121[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ102が非導通となり、ノードNMの電位およびノードME1の電位は、それぞれ保持される。
【0123】
時刻T3に、配線126に“RES+”、配線124[m]、125[m]に重み(W)として“W-”を供給し、配線122[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMは“SVDD”からリセット電位“RES+”にリセットされる。このとき、ノードME1の電位は、容量結合により、SVSS-(SVDD-(RES+))“となる。
【0124】
ここで、リセット電位(RES)は、液晶素子のオフセット電圧(Vof)またはその近傍の絶対値であって、正極性駆動のフレームでは正電位(RES+)、負極性駆動用のフレームでは負電位(RES-)とする。ここでは、リセット電位(RES)に正電位が適用され、例えば、+2Vとする。
【0125】
また、トランジスタ103が導通し、ノードME2の電位は、“W-”となる。ここで、重み(W)は、上記リセット電圧(RES)の2倍の絶対値であって、正極性駆動のフレームで書き込まれる重みであれば正電位、負極性駆動のフレームで書き込まれる重みであれば負電位とする。このような値を重みとして書き込むことで、ノードME2またはノードME1とノードNMとの間にはリセット電位(RES)に相当する電位差が保持される。したがって、ノードME2またはノードME1にデータ(D)が書き込まれるとき、ノードNMの電位は、リセット電位(RES)+データ(D)となる。ここでは、重み(W)に正電位が適用され、例えば、+4Vとする。
【0126】
時刻T4に、配線122[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ103が非導通となり、ノードNMの電位およびノードME2の電位は、それぞれ保持される。
【0127】
時刻T5に、配線124[m]、125[m]に正極性駆動用のデータ“D1+”を供給し、配線121[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ102が導通し、ノードME1の電位は“D1+”となる。ここで、“D1+”として“SVDD”を供給したとき、ノードME1の電位は“SVDD”となる。したがって、ノードNMの電位は、容量結合により、“(RES+)+(SVDD-(SVSS-(SVDD-(RES+))))“=”2SVDD-SVSS“となる。すなわち、”SVDD“と”SVSS“の絶対値が同じであれば、その3倍程度の電圧を液晶素子107に印加することができる。
【0128】
なお、OCBモードの液晶をベンド配向させるには、約15Vの印加が必要であり、ソースドライバはその1/3程度の電源電圧を供給できればよいことになる。ただし、液晶素子107による階調制御を考慮すると、ソースドライバ12が出力できる電源電圧は5V以上、好ましくは6V以上、さらに好ましくは7V以上とする。
【0129】
上記動作は、1フレーム目を正極性駆動とした場合の説明であったが、
図9に示すように、1フレーム目を負極性駆動としてもよい。負極性駆動では、配線124[m]、125[m]に”SVDD”、”W+”、データ“D1-”として“SVSS”を供給することで、液晶素子107に印加する高電圧(-SVDD+2SVSS)を生成することができる。
【0130】
また、重み(W)を書き込む動作をなくし、高電圧を生成する動作のみを行ってもよい。例えば、
図10(A)に示すタイミングチャートで動作することができる。
図8、9では一つの容量素子を用いた容量結合でノードNMの電位を持ち上げる動作であったが、当該動作は、二つの容量素子でノードNMの電位を持ち上げることができ、より高い電圧を生成することができる。
【0131】
また、重み(W)を書き込む動作がないため、配線132(共通配線)の破線で示す動作を利用して三つの容量素子でノードNMの電位を持ち上げる動作を行ってもよい。この場合、配線132の電位は、SVSSからSVDDまで変化させることが好ましい。
【0132】
なお、
図10(B)に示すように、SVDDとSVSSの供給を入れ替える動作であってもよい。
【0133】
続いて、2フレーム目以降の説明を行う。OCBモードを用いる場合は前述した1フレーム目の動作を行った後、以下に説明する2フレーム目以降の動作を行う。
【0134】
また、高分子分散型液晶を用いる場合は、液晶素子に高電圧を印加する動作が不要であるため、1フレーム目は
図11に示すように重み(W)として“W-”、リセット電位(RES)として“RES+”を書き込む動作を行い、その後、以下に説明する2フレーム目以降の動作を行う。なお、
図11は正極性駆動を例としたが、負極性駆動で“W+”、“RES-”を書き込む動作を行ってもよい。高分子分散型液晶を用いる場合は、選択回路14に
図4(A)または(B)を用いることができる。
【0135】
1フレーム目では、上述した高電圧生成動作のほか、重み(W)の書き込み動作が行われる。1フレーム目が正極性動作である場合は次フレームの負極性動作用の重み“W-”が書き込まれ、負極性動作である場合、次フレームの正極性動作用の重み“W+”が書き込まれる。2フレーム目以降も次フレーム用の重み(W)の書き込みを行う。
【0136】
図12は、
図8に示す1フレーム目の動作から連続する2フレーム目および3フレーム目の動作を説明するタイミングチャートである。2フレーム目は負極性駆動、3フレーム目は正極性駆動である。
【0137】
時刻T1に、配線126[m]に“RES-”、配線124[m]、125[m]に重み“W+”を供給し、配線121[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMは、リセット電位“RES-”にリセットされる。このとき、ノードME2の電位は、容量結合により“(W-)-(RES+)+(RES-)”=“0”となる。また、トランジスタ102が導通し、ノードME1の電位は“W+”となる。
【0138】
時刻T2に、配線121[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ102が非導通となり、ノードNMの電位およびノードME1の電位は、それぞれ保持される。
【0139】
時刻T3に、配線124[m]、125[m]に負極性駆動用のデータ“D2-[n]”、“D2-[n+1]”をそれぞれ供給し、配線122[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ103が導通し、画素10[n,m]のノードME2の電位は“D2-[n]”となる。また、画素10[n+1,m]のノードME2の電位は“D2-[n+1]”となる。
【0140】
したがって、画素10[n,m]のノードNMの電位は、容量結合により“(RES-)+D2-[n]”となる。画素10[n+1,m]のノードNMの電位は、容量結合により“(RES-)+D2-[n+1]”となる。また、画素10[n,m]のノードME1の電位は、容量結合により“(W+)+D2-[n]”となる。画素10[n+1,m]のノードNMの電位は、容量結合により“(W+)+D2-[n+1]”となる。
【0141】
時刻T4に、配線122[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ103が非導通となり、ノードNMの電位は保持され、次フレームの書き換えまで表示が維持される。以上が2フレーム目の動作の説明である。
【0142】
続いて、3フレーム目の動作を説明する。3フレーム目は正極性駆動である。
【0143】
時刻T6に、配線126に“RES+”、配線124[m]、125[m]に重み“W-”を供給し、配線122[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMはリセット電位“RES+”にリセットされる。このとき、ノードME1の電位は、容量結合により、“(W+)+(RES+)-(RES-)”=“0”となる。また、トランジスタ103が導通し、ノードME2の電位は“W-”となる。
【0144】
時刻T7に、配線122[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ103が非導通となり、ノードNMの電位およびノードME2の電位は、それぞれ保持される。
【0145】
時刻T8に、配線124[m]、125[m]に正極性駆動用のデータ“D3+[n]”、“D3+[n+1]”をそれぞれ供給し、配線121[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ102が導通し、画素10[n,m]のノードME1の電位は“D3+[n]”となる。また、画素10[n+1,m]のノードME1の電位は“D3+[n+1]”となる。
【0146】
したがって、画素10[n,m]のノードNMの電位は、容量結合により“(RES+)+D3+[n]”となる。画素10[n+1,m]のノードNMの電位は、容量結合により“(RES+)+D3+[n+1]”となる。また、画素10[n,m]のノードME2の電位は、容量結合により“(W-)+D3+[n]”となる。画素10[n+1,m]のノードNMの電位は、容量結合により“(W-)+D3+[n+1]”となる。
【0147】
時刻T9に、配線121[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ102が非導通となり、ノードNMの電位は保持され、次フレームの書き換えまで表示が維持される。以上が3フレーム目の動作の説明である。
【0148】
上述したように、ノードNMでは、1フレーム目で高電圧が生成された後、2フレーム目(負極性駆動)ではリセット電位“RES-”またはそれ以下電位に保持される。また、3フレーム目(正極性駆動)ではリセット電位“RES+”またはそれ以上電位に保持される。したがって、OCBモードの液晶素子を用いた場合におけるベンド配向からスプレイ配向に戻る現象を抑制することができる。
【0149】
上記では、しきい値電圧の高い液晶素子を対象として動作を説明したが、本発明の一態様の画素10およびその動作方法は、液晶素子の種類に限定されず適用できる。例えば、上述した動作方法と異なる動作方法を用いれば、ソースドライバの出力電圧の約2倍の電圧を液晶素子に印加することができる。
【0150】
図13は、
図3に示す画素10を用いて、ソースドライバ12の出力電圧の約2倍の電圧を液晶素子107に印加することのできる動作を説明するタイミングチャートである。当該動作では、重み(W)として、次フレームで書き込むデータ(D)の極性反転データを用いる。また、リセット電位(RES)として、0V(例えばコモン電位)を用いる。なお、ここでは重み(W)とデータ(D)の絶対値を同じとして出力電圧を約2倍とする動作を説明するが、ソースドライバ12の出力範囲内で任意の重み(W)を供給することで、所望の電圧を生成することができる。
【0151】
図13に示す配線124[m]、125[m]に供給される信号電位において、例えば“D_N+[n]”の“D”はデータであること、“N”は利用されるフレーム、“+”は正極性駆動用の信号電位であること、[n]は第n行用の画素10の信号電位であることを表している。なお、上記信号電位の極性反転データは、“-(D_N+[n])”として表す。また、1フレーム目は正極性駆動とする。
【0152】
時刻T1に、配線126[m]にリセット電位“0V”、配線124[m]に重み“-(D_N+1-[n])”、配線125[m]に重み“-(D_N+1-[n+1])”を供給し、配線122[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMは“0V”にリセットされる。また、トランジスタ103が導通し、画素10[n,m]のノードME2の電位は“-(D_N+1-[n])”となる。また、画素10[n+1,m]のノードME2の電位は“-(D_N+1-[n+1])”となる。
【0153】
時刻T2に、配線122[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ103が非導通となり、各画素10のノードNMの電位およびノードME2の電位は、それぞれ保持される。
【0154】
時刻T3に、配線124[m]に正極性駆動用のデータ“D_N+[n]”、配線125[m]に正極性駆動用のデータ“D_N+[n+1]”をそれぞれ供給し、配線121[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ102が導通し、画素10[n,m]のノードME1の電位は“D_N+[n]”となる。また、画素10[n+1,m]のノードME1の電位は“D_N+[n+1]”となる。
【0155】
したがって、画素10[n,m]のノードNMの電位は、容量結合により0Vより高い値となるが、前フレームで重みの書き込み動作がないため、確立しない。つまり、1フレーム目は表示動作に適さない。
【0156】
時刻T4に、配線121[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ102が非導通となり、ノードNMの電位は保持される。以上が1フレーム目の動作の説明である。
【0157】
続いて、2フレーム目の動作を説明する。2フレーム目は負極性駆動である。
【0158】
時刻T5に、配線126[m]にリセット電位“0V”、配線124に重み“-(D_N+2-[n])”、配線125[m]に重み“-(D_N+2-[n+1])”を供給し、配線121[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMはリセット電位“0V”にリセットされる。
【0159】
このとき、画素10[n,m]において、ノードME2の電位は、容量結合により、“-(D_N+1-[n])”となる。また、トランジスタ102が導通し、ノードME1の電位は“-(D_N+2+[n])”となる。また、画素10[n+1,m]において、ノードME2の電位は、容量結合により、“-(D_N+1-[n+1])”となる。また、ノードME1の電位は“-(D_N+2+[n+1])”となる。
【0160】
時刻T6に、配線121[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ102およびトランジスタ103が非導通となり、ノードNMの電位およびノードME1の電位は、それぞれ保持される。この時点で全てのノードの電位が確定する。
【0161】
時刻T7に、配線124[m]、125[m]に負極性駆動用のデータ“D_N+1-[n]”、“D_N+1-[n+1]”をそれぞれ供給し、配線122[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ103が導通し、画素10[n,m]のノードME2の電位は“D_N+1-[n]”となる。また、画素10[n+1,m]のノードME2の電位は“D_N+1-[n+1]”となる。
【0162】
したがって、画素10[n,m]のノードNMの電位は、容量結合により0-(-(D_N+1-[n])-D_N+1-[n])=2(D_N+1-[n])となる。また、画素10[n+1,m]のノードNMの電位は、容量結合により0-(-(D_N+1-[n+1])-D_N+1-[n+1])=2(D_N+1-[n+1])となる。すなわち、データとして供給した信号電位の2倍の電圧を液晶素子107に供給することができる。
【0163】
時刻T8に、配線122[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ102が非導通となり、ノードNMの電位は保持され、次フレームの書き換えまで表示が行われる。以上が2フレーム目の動作の説明である。
【0164】
続いて、3フレーム目の動作を説明する。3フレーム目は正極性駆動である。
【0165】
時刻T9に、配線126[m]にリセット電位“0V”、配線124[m]に重み“-(D_N+3-[n])”、配線125[m]に重み“-(D_N+3-[n+1])”を供給し、配線122[n]および配線123[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ101が導通し、ノードNMはリセット電位“0V”にリセットされる。
【0166】
このとき、画素10[n,m]において、ノードME1の電位は、容量結合により、“-(D_N+2+[n])”となる。また、トランジスタ103が導通し、ノードME2の電位は“-(D_N+3-[n])”となる。また、画素10[n+1,m]において、ノードME1の電位は、容量結合により、“-(D_N+2+[n+1])”となる。また、ノードME2の電位は“-(D_N+3-[n+1])”となる。
【0167】
時刻T10に、配線122[n]および配線123[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ101およびトランジスタ103が非導通となり、ノードNMの電位およびノードME2の電位は、それぞれ保持される。
【0168】
時刻T11に、配線124[m]、125[m]に正極性駆動用のデータ“D_N+2+[n]”、“D_N+2+[n+1]”をそれぞれ供給し、配線121[n]の電位を“H”とすると、トランジスタ102が導通し、画素10[n,m]のノードME1の電位は“D_N+2+[n]”となる。また、画素10[n+1,m]のノードME1の電位は“D_N+2+[n+1]”となる。
【0169】
したがって、画素10[n,m]のノードNMの電位は、容量結合により0+(D_N+2+[n])-(-(D_N+2+[n])=2(D_N+2+[n])となる。また、画素10[n+1,m]のノードNMの電位は、容量結合により0+(D_N+2+[n+1])-(-(D_N+2+[n+1])=2(D_N+2+[n+1])となる。すなわち、データとして供給した信号電位の2倍の電圧を液晶素子107に供給することができる。
【0170】
時刻T12に、配線121[n]の電位を“L”とすると、トランジスタ102が非導通となり、ノードNMの電位は保持され、次フレームの書き換えまで表示が行われる。以上が3フレーム目の動作の説明である。
【0171】
以上のように、上記動作方法を用いることで、データとして供給した信号電位の2倍の電圧を液晶素子107に供給することができる。また、当該動作方法では前述した容量素子の両電極の電荷を反転させることなく重みの書き換えを行っているため、低消費電力で動作させることができる。
【0172】
画素10は、
図14(A)に示すように、トランジスタ101、102、103にバックゲートを設けた構成であってもよい。
図14(A)は、バックゲートがフロントゲートと電気的に接続された構成を示しており、オン電流を高める効果を有する。また、バックゲートが定電位を供給できる配線と電気的に接続された構成としてもよい。当該構成では、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。なお、表示素子が有するその他のトランジスタにもバックゲートを設けてもよい。
【0173】
また、
図13の動作を行うことが前提の表示装置においては、リセット電位が0V(コモン電位など)に固定されるため、
図14(B)に示すように、トランジスタ101のソースまたはドレインの他方を配線132と接続してもよい。当該構成とすることで、配線126を削減することができ、開口率を向上させることができる。
【0174】
次に、
図3に示す表示装置の画素10のシミュレーション結果を説明する。シミュレーションは4画素で行い、うち一つの画素(
図15(A)参照)の液晶素子(Clc)の一方の電極が接続されるノードNの電圧変化を算出した。シミュレーションに用いたパラメータは以下の通りであり、トランジスタサイズはL/W=4μm/4μm(画素10が有するトランジスタ)、容量素子C+、C-の容量値は500fF、容量素子Csの容量値は100fF、液晶素子Clcの容量値は100fF、共通電極VCOMおよびTCOMは0Vとした。また、トランジスタのゲートに印加する電圧は、“H”として+15V、“L”として-5Vとした。なお、回路シミュレーションソフトウェアにはSPICEを用いた。
【0175】
図15(B)はシミュレーションに用いたタイミングチャートである。負極性駆動、正極性駆動の順で数回の繰り返しを行うものとした。シミュレーションは、OCBモード等を対象としたノードNに一定以上の電圧を保持できる動作Aと、通常の液晶を対象とした動作B(出力2倍動作など)について行った。前者では、“RES-”は-2V、“RES+”は+2V、W+は-4V、D-は-5V、W-は+4V、D+は+5Vとした。後者では、“RES-”および“RES+”は0V、W+は-4V、D-は-5V、W-は+4V、D+は+5Vとした。
【0176】
図16(A)は、動作Aのシミュレーション結果である。横軸は時間、縦軸はノードNの電圧である。グラフ中央の0Vを境に、上側が正極性動作、下側が負極性動作を示している。始めの負極性動作では、それ以前の動作によるW-の書き込みがないため、電圧が低めとなっているが、その他の動作においては入力したデータよりも重み分高い電圧が出力されることが確認できた。また、各出力動作の前後には、オフセット電圧に相当する“RES+“または“RES-“に保持されている期間が確認でき、ノードNが一定の電圧以下に保持されないことが確認できた。当該結果から、OCBモードの液晶素子を用いた場合は、ベンド配向からスプレイ配向に戻ることを抑制することができことが検証された。
【0177】
図16(B)は、動作Bのシミュレーション結果である。動作Aと同様に、始めの負極性動作では、それ以前の動作によるW-の書き込みがないため、電圧が低めとなっている。その他の動作においては入力したデータよりも高い電圧が出力されることが確認できた。また、動作A、Bにおいて、極性動作が変化する期間を経ても重みが保持できることが確認できた。
【0178】
また、
図17に示すタイミングチャートを用い、
図15(A)に示す画素にて、高電圧を生成する動作の検証を行った。当該動作は、容量素子C+、C-、Csの3つを使ってノードNの電位を持ち上げる動作である。ここで、SVDDは+5V、SVSSは-5Vとした。
図18にシミュレーション結果を示す。当該動作を行うことにより、電源電圧のSVDDの3倍近くの電圧が得られることが確認できた。当該結果から、OCBモードの液晶素子を用いた場合に、ベンド配向を行うことができることが検証された。
【0179】
以上のシミュレーション結果により、本発明の一態様の効果を確認することができた。
【0180】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0181】
(実施の形態2)
本実施の形態では、液晶素子を用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した表示装置の要素、動作および機能の説明は省略する。
【0182】
図19(A)乃至(C)は、本発明の一態様を用いることのできる表示装置の構成を示す図である。
【0183】
図19(A)において、第1の基板4001上に設けられた表示部215を囲むようにして、シール材4005が設けられ、表示部215がシール材4005および第2の基板4006によって封止されている。
【0184】
表示部215には、実施の形態1で説明した画素10等を設けることができる。なお、以下に説明する走査線駆動回路はゲートドライバ、信号線駆動回路はソースドライバに相当する。
【0185】
図19(A)では、走査線駆動回路221a、信号線駆動回路231a、信号線駆動回路232a、および共通線駆動回路241aは、それぞれがプリント基板4041上に設けられた集積回路4042を複数有する。集積回路4042は、単結晶半導体または多結晶半導体で形成されている。共通線駆動回路241aは、実施の形態1に示した配線126、132、133などに規定の電位を供給する機能を有する。
【0186】
走査線駆動回路221a、共通線駆動回路241a、信号線駆動回路231a、および信号線駆動回路232aに与えられる各種信号および電位は、FPC(FPC:Flexible Printed Circuit)4018を介して供給される。
【0187】
走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aが有する集積回路4042は、表示部215に選択信号を供給する機能を有する。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aが有する集積回路4042は、表示部215に画像データを供給する機能を有する。集積回路4042は、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に実装されている。
【0188】
なお、集積回路4042の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング法、COG(Chip On Glass)法、TCP(Tape Carrier Package)法、COF(Chip On Film)法などを用いることができる。
【0189】
図19(B)は、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aに含まれる集積回路4042をCOG法により実装する例を示している。また、駆動回路の一部または全体を表示部215と同じ基板上に一体形成して、システムオンパネルを形成することができる。
【0190】
図19(B)では、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aを、表示部215と同じ基板上に形成する例を示している。駆動回路を表示部215内の画素回路と同時に形成することで、部品点数を削減することができる。よって、生産性を高めることができる。
【0191】
また、
図19(B)では、第1の基板4001上に設けられた表示部215と、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aと、を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aの上に第2の基板4006が設けられている。よって、表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。
【0192】
また、
図19(B)では、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部を別途形成して実装しても良い。また、
図19(C)に示すように、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを表示部215と同じ基板上に形成してもよい。
【0193】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
【0194】
また第1の基板上に設けられた表示部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有している。当該トランジスタとして、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
【0195】
周辺駆動回路が有するトランジスタと、表示部の画素回路が有するトランジスタの構造は同じであってもよく、異なっていてもよい。周辺駆動回路が有するトランジスタは、全て同じ構造のトランジスタであってもよく、2種類以上の構造のトランジスタを有していてもよい。同様に、画素回路が有するトランジスタは、全て同じ構造のトランジスタであってもよく、2種類以上の構造のトランジスタを有していてもよい。
【0196】
また、第2の基板4006上には入力装置4200を設けることができる。
図19(A)乃至(C)に示す表示装置に入力装置4200を設けた構成はタッチパネルとして機能させることができる。
【0197】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
【0198】
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
【0199】
本実施の形態では、静電容量方式の検知素子を有するタッチパネルを例に挙げて説明する。
【0200】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0201】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成、表示素子を支持する基板および対向基板の一方または双方に検知素子を構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0202】
図20(A)、(B)に、タッチパネルの一例を示す。
図20(A)は、タッチパネル4210の斜視図である。
図20(B)は、入力装置4200の斜視概略図である。なお、明瞭化のため、代表的な構成要素のみを示している。
【0203】
タッチパネル4210は、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせた構成である。
【0204】
タッチパネル4210は、入力装置4200と、表示装置とを有し、これらが重ねて設けられている。
【0205】
入力装置4200は、基板4263、電極4227、電極4228、複数の配線4237、複数の配線4238および複数の配線4239を有する。例えば、電極4227は配線4237または配線4239と電気的に接続することができる。また、電極4228は配線4239と電気的に接続することができる。FPC4272bは、複数の配線4237および複数の配線4238の各々と電気的に接続する。FPC4272bにはIC4273bを設けることができる。
【0206】
または、表示装置の第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設けてもよい。第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設ける場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセンサを適用してもよい。
【0207】
図21は、
図19(B)中でN1-N2の鎖線で示した部位の断面図である。
図21に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、
図21では、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
【0208】
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
【0209】
また、第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221aは、トランジスタを複数有しており、
図21では、表示部215に含まれるトランジスタ4010、および走査線駆動回路221aに含まれるトランジスタ4011を例示している。なお、
図21では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてボトムゲート型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
【0210】
図21では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に絶縁層4112が設けられている。
【0211】
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4111上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
【0212】
また、
図21に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、トランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、ソース電極およびドレイン電極と同じ工程で形成された電極と、を有する。それぞれの電極は、絶縁層4103を介して重なっている。
【0213】
一般に、表示装置の画素部に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
【0214】
表示部215に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続する。
図21は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。
図21において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
【0215】
液晶素子4013として、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、VA-IPSモード、ゲストホストモード等が適用された液晶素子を用いることができる。
【0216】
また、本実施の形態に示す液晶表示装置にノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用してもよい。垂直配向モードとしては、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
【0217】
なお、液晶素子は、液晶の光学変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0218】
図21では、縦電界方式の液晶素子を有する表示装置の例を示したが、本発明の一態様には、横電界方式の液晶素子を有する表示装置を適用することができる。横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層4008に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性を示す。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良または破損を軽減することができる。
【0219】
また、スペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
【0220】
また、必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。また、上記バックライト、およびサイドライトとして、マイクロLEDなどを用いても良い。
【0221】
図21に示す表示装置では、基板4006と第2の電極層4031の間に、遮光層4132、着色層4131、絶縁層4133が設けられている。
【0222】
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
【0223】
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。遮光層および着色層は、例えば、インクジェット法などを用いて形成することができる。
【0224】
また、
図21に示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4104を有する。絶縁層4111と絶縁層4104として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層4111と絶縁層4104でトランジスタの半導体層を挟むことで、外部からの不純物の浸入を防ぐことができる。
【0225】
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0226】
なお、
図22に示すように、トランジスタや容量素子が高さ方向に重なる領域を有するようなスタック構造としてもよい。例えば、駆動回路を構成するトランジスタ4011およびトランジスタ4022を重ねて配置すれば、狭額縁の表示装置とすることができる。また、画素回路を構成するトランジスタ4010、トランジスタ4023、容量素子4020などが一部でも重なる領域を有するように配置すれば開口率や解像度を向上させることができる。
【0227】
また、画素回路において、電極や配線に可視光に対して透光性の高い透光性導電膜を用いることで、画素内の光の透過率を高めることができ、実質的に開口率を向上させることができる。なお、OSトランジスタを用いる場合は半導体層も透光性を有するため、さらに開口率を高めることができる。これらは、トランジスタ等をスタック構造としない場合においても有効である。
【0228】
また、液晶表示装置と発光装置を組み合わせて表示装置を構成としてもよい。
【0229】
発光装置は表示面の逆側、または表示面の端部に配置される。発光装置は表示素子に光を供給する機能を有する。発光装置は、バックライトとも呼ぶことができる。
【0230】
ここで、発光装置は、板状またはシート状の導光部(導光板ともいう)と、異なる色の光を呈する複数の発光素子を有することができる。当該発光素子を導光部の側面近傍に配置すると、導光部側面から内部へ光を発することができる。導光部は光路を変更する機構(光取り出し機構ともいう)を有しており、これにより、発光装置は表示パネルの画素部に光を均一に照射することができる。または、導光部を設けず、画素の直下に発光装置を配置する構成としてもよい。
【0231】
発光装置は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の発光素子を有することが好ましい。さらに白色(W)の発光素子を有していてもよい。これら発光素子として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。
【0232】
さらに、発光素子は、その発光スペクトルの半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)が、50nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下である、極めて色純度の高い発光素子であることが好ましい。なお、発光スペクトルの半値全幅は、小さければ小さいほどよいが、例えば1nm以上とすることができる。これにより、カラー表示を行う際に、色再現性が高い鮮やかな表示を行うことができる。
【0233】
また、赤色の発光素子は、発光スペクトルのピーク波長が、625nm以上650nm以下の範囲内に位置する素子を用いることが好ましい。また、緑色の発光素子は、発光スペクトルのピーク波長が、515nm以上540nm以下の範囲内に位置する素子を用いることが好ましい。青色の発光素子は、発光スペクトルのピーク波長が、445nm以上470nm以下の範囲内に位置する素子を用いることが好ましい。
【0234】
表示装置は、3色の発光素子を順次点滅させるとともに、これと同期させて画素を駆動し、継時加法混色法に基づいてカラー表示を行うことができる。当該駆動方法は、フィールドシーケンシャル駆動とも呼ぶことができる。
【0235】
フィールドシーケンシャル駆動では、鮮やかなカラー画像を表示することができる。また、滑らかな動画像を表示することができる。また上記駆動方法を用いることで、1つの画素を複数の異なる色の副画素で構成する必要がなく、1つの画素の有効反射面積(有効表示面積、開口率ともいう)を大きくできるため、明るい表示を行うことができる。さらに、画素にカラーフィルタを設ける必要がないため、画素の透過率も向上させることもでき、さらに明るい表示を行うことができる。また、作製工程を簡略化でき、作製コストを低減することができる。
【0236】
図23(A)、(B)は、フィールドシーケンシャル駆動が可能な表示装置の断面概略図の一例である。当該表示装置の基板4001側にはRGB各色の発光が可能なバックライトユニットが設けられる。なお、フィールドシーケンシャル駆動では、RGB各色の時分割発光で色を表現するため、カラーフィルタは不要となる。
【0237】
図23(A)に示すバックライトユニット4340aは、画素の直下に拡散板4352を介して発光素子4342が複数設けられた構成である。拡散板4352は、発光素子4342から基板4001側に射出された光を拡散し、表示部面内の輝度を均一化する機能を有する。発光素子4342と拡散板4352との間には、必要に応じて偏光板を設けてもよい。また、拡散板4352は不要であれば設けなくてもよい。また、遮光層4132を省いた構成としてもよい。
【0238】
バックライトユニット4340aは、発光素子4342を多く搭載することができるため、明るい表示が可能となる。また、導光板は不要であり、発光素子4342の光の効率を損ないにくい利点がある。なお、必要に応じて発光素子4342に光拡散用のレンズ4344を設けてもよい。
【0239】
図23(B)に示すバックライトユニット4340bは、画素の直下に拡散板4352を介して導光板4341が設けられた構成である。導光板4341の端部には発光素子4342が複数設けられる。導光板4341は、拡散板4352とは逆側に凹凸形状を有し、導波した光を当該凹凸形状で散乱して拡散板4352の方向に射出することができる。
【0240】
発光素子4342は、プリント基板4347に固定することができる。なお、
図23(B)では、RGB各色の発光素子4342が重なるように図示しているが、奥行方向にRGB各色の発光素子4342が並ぶように配置することもできる。また、導光板4341において、発光素子4342とは反対側の側面には、可視光を反射する反射層4348を設けてもよい。
【0241】
バックライトユニット4340bは、発光素子4342を少なくすることができるため、低コストかつ薄型とすることができる。
【0242】
また、液晶素子には、光散乱型液晶素子を用いてもよい。光散乱型液晶素子としては、液晶と高分子の複合材料を有する素子を用いることが好ましい。例えば、高分子分散型液晶素子を用いることができる。または、高分子ネットワーク型液晶(PNLC(Polymer Network Liquid Crystal))素子を用いてもよい。
【0243】
光散乱型液晶素子は、一対の電極で挟まれる樹脂部の3次元ネットワーク構造中に液晶部が設けられた構造である。液晶部に用いる材料としては、例えばネマティック液晶を用いることができる。また、樹脂部としては光硬化樹脂を用いることができる。光硬化樹脂は、例えば、アクリレート、メタクリレートなどの単官能モノマー、ジアクリレート、トリアクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレートなどの多官能モノマー、または、これらを混合させた重合性化合物を用いることができる。
【0244】
光散乱型液晶素子は液晶材料の屈折率の異方性を利用し、光を透過または散乱させることにより表示を行う。また、樹脂部も屈折率の異方性を有していてもよい。光散乱型液晶素子に印加される電圧に従って液晶分子が一定方向に配列するとき、液晶部と樹脂部の屈折率の差が小さくなる方向が発生し、当該方向に沿って入射する光は液晶部で散乱されることなく透過する。したがって、光散乱型液晶素子は当該方向からは透明な状態に視認される。一方で、印加される電圧に従って液晶分子の配列がランダムとなるとき、液晶部と樹脂部の屈折率の差に大きな変化が生じないため、入射する光は液晶部で散乱される。したがって、光散乱型液晶素子は視認の方向を問わず不透明の状態となる。
【0245】
図24(A)は、
図23(A)の表示装置の液晶素子4013を光散乱型液晶素子4016に置き換えた構成である。光散乱型液晶素子4016は、液晶部および樹脂部を有する複合層4009、ならびに電極層4030、4031を有する。フィールドシーケンシャル駆動に関する要素は、
図23(A)と同じであるが、光散乱型液晶素子4016を用いる場合は、配向膜および偏光板が不要となる。なお、スペーサ4035は球状の形態で図示しているが、柱状であってもよい。
【0246】
図24(B)は、
図23(B)の表示装置の液晶素子4013を光散乱型液晶素子4016に置き換えた構成である。
図24(B)の構成では、光散乱型液晶素子4016に電圧を印加しないときに光を透過し、電圧を印加したときに光を散乱させるモードで動作する構成とすることが好ましい。当該構成とすることで、ノーマル状態(表示をさせない状態)で透明な表示装置とすることができる。この場合は、光を散乱させる動作を行ったときにカラー表示を行うことができる。
【0247】
図24(B)に示す表示装置の変形例を
図25(A)乃至(E)に示す。なお、
図25(A)乃至(E)においては、明瞭化のため、
図25(B)の一部要素を用い、他の要素を省いて図示している。
【0248】
図25(A)は、基板4001が導光板としての機能を有する構成である。基板4001の外側の面には、凹凸形状を設けてもよい。当該構成では、導光板を別途設ける必要がなくなるため、製造コストを低減することができる。また、当該導光板による光の減衰もなくなるため、発光素子4342が射出する光を効率良く利用することができる。
【0249】
図25(B)は、複合層4009の端部近傍から光を入射する構成である。複合層4009と基板4006との界面、および複合層4009と基板4001との界面での全反射を利用し、光散乱型液晶素子から外部に光を射出することができる。複合層4009の樹脂部には、基板4001および基板4006よりも屈折率が大きい材料を用いる。
【0250】
なお、発光素子4342は表示装置の一辺に設けるだけでなく、
図25(C)に示すように対向する二辺に設けてもよい。さらに、三辺または四辺に設けてもよい。発光素子4342を複数の辺に設けることで、光の減衰を補うことができ、大面積の表示素子にも対応することができる。
【0251】
図25(D)は、発光素子4342から射出される光がミラー4345を介して表示装置に導光される構成である。当該構成により表示装置に一定の角度からの導光を行いやすくなるため、効率良く全反射光を得ることができる。
【0252】
図25(E)は、複合層4009上に層4003および層4004の積層を有する構成である。層4003および層4004の一方はガラス基板などの支持体であり、他方は無機膜、有機樹脂のコーティング膜またはフィルムなどで形成することができる。複合層4009の樹脂部には、層4004よりも屈折率が大きい材料を用いる。また、層4004には層4003よりも屈折率が大きい材料を用いる。
【0253】
複合層4009と層4004との間には一つ目の界面が形成され、層4004と層4003との間には二つ目の界面が形成される。当該構成により、一つ目の界面で全反射されず通り抜けた光を二つ目の界面で全反射させ、複合層4009に戻すことができる。したがって、発光素子4342が射出する光を効率良く利用することができる。
【0254】
なお、
図24(B)および
図25(A)乃至(E)における構成は、互いに組み合すことができる。
【0255】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0256】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した各トランジスタに置き換えて用いることのできるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
【0257】
本発明の一態様の表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
【0258】
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図26(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ810のチャネル長方向の断面図である。
図26(A1)において、トランジスタ810は基板771上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層として機能できる。
【0259】
また、半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層742の一部と接して、絶縁層726上に電極744aおよび電極744bを有する。電極744aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、および電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
【0260】
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に、半導体層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0261】
また、トランジスタ810は、電極744a、電極744bおよび絶縁層741上に絶縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
【0262】
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極744aおよび電極744bの、少なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n+層)となる。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
【0263】
半導体層742にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極744aおよび電極744bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
【0264】
半導体層742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層742と電極744aの間、および半導体層742と電極744bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
【0265】
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省略することもできる。
【0266】
図26(A2)に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電極746と同様の材料および方法で形成することができる。
【0267】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0268】
また、電極746および電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層726、絶縁層728、および絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設けてもよい。
【0269】
なお、電極746または電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート電極」と言う場合、電極746を「バックゲート電極」と言う。また、電極723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極746および電極723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0270】
半導体層742を挟んで電極746および電極723を設けることで、更には、電極746および電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ811のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0271】
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0272】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
【0273】
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0274】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0275】
図26(B1)は、
図26(A1)とは異なる構成のチャネル保護型のトランジスタ820のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0276】
図26(B2)に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
【0277】
絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
【0278】
また、トランジスタ820およびトランジスタ821は、トランジスタ810およびトランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極746の間の距離が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
【0279】
図26(C1)は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタ825のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ825は、絶縁層741を用いずに電極744aおよび電極744bを形成する。このため、電極744aおよび電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層729を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
【0280】
図26(C2)に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
【0281】
図27(A1)乃至(C2)にトランジスタ810、811、820、821、825、826のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0282】
図27(B2)、(C2)に示す構造では、ゲート電極とバックゲート電極とが接続され、ゲート電極とバックゲート電極との電位が同電位となる。また、半導体層742は、ゲート電極とバックゲート電極と挟まれている。
【0283】
ゲート電極およびバックゲート電極のそれぞれのチャネル幅方向の長さは、半導体層742のチャネル幅方向の長さよりも長く、半導体層742のチャネル幅方向全体は、絶縁層726、741、728、729を間に挟んでゲート電極またはバックゲート電極に覆われた構成である。
【0284】
当該構成とすることで、トランジスタに含まれる半導体層742を、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって電気的に取り囲むことができる。
【0285】
トランジスタ821またはトランジスタ826のように、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって、チャネル形成領域が形成される半導体層742を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded channel(S-channel)構造と呼ぶことができる。
【0286】
S-channel構造とすることで、ゲート電極およびバックゲート電極の一方または双方によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に半導体層742に印加することができるため、トランジスタの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタを微細化することが可能となる。また、S-channel構造とすることで、トランジスタの機械的強度を高めることができる。
【0287】
〔トップゲート型トランジスタ〕
図28(A1)に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ842は、絶縁層729を形成した後に電極744aおよび電極744bを形成する点がトランジスタ830やトランジスタ840と異なる。電極744aおよび電極744bは、絶縁層728および絶縁層729に形成した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
【0288】
また、電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と残りの絶縁層726をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる。トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する。半導体層742の絶縁層726を介して不純物755が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層726を介さずに不純物755が導入された領域よりも小さくなる。よって、半導体層742は、電極746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
【0289】
図28(A2)に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ842と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有する。電極723は、絶縁層772を介して半導体層742と重なる領域を有する。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。
【0290】
また、
図28(B1)に示すトランジスタ844および
図28(B2)に示すトランジスタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい。また、
図28(C1)に示すトランジスタ846および
図28(C2)に示すトランジスタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
【0291】
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0292】
図29(A1)乃至(C2)にトランジスタ842、843、844、845、846、847のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0293】
トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847は、それぞれ先に説明したS-channel構造である。ただし、これに限定されず、トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847をS-channel構造としなくてもよい。
【0294】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0295】
(実施の形態4)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を
図30に示す。
【0296】
図30(A)はデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966、ズームレバー968、レンズ969等を有する。表示部965に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0297】
図30(B)はデジタルサイネージであり、大型の表示部922を有する。例えば、柱921の側面に取り付けられる。表示部922に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
【0298】
図30(C)携帯電話機の一例であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部952に触れることで行うことができる。また、筐体951および表示部952は可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができる。表示部952に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0299】
図30(D)はビデオカメラであり、第1筐体901、第2筐体902、表示部903、操作キー904、レンズ905、接続部906、スピーカ907等を有する。操作キー904およびレンズ905は第1筐体901に設けられており、表示部903は第2筐体902に設けられている。表示部903に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0300】
図30(E)はテレビであり、筐体971、表示部973、操作キー974、スピーカ975、通信用接続端子976、光センサ977等を有する。表示部973にはタッチセンサが設けられ、入力操作を行うこともできる。表示部973に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0301】
図30(F)は携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、スピーカ913、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。表示部912に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0302】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0303】
10:画素、11:回路ブロック、12:ソースドライバ、13:ゲートドライバ、14:選択回路、15:電源回路、101:トランジスタ、102:トランジスタ、103:トランジスタ、104:容量素子、105:容量素子、106:容量素子、107:液晶素子、110:回路ブロック、121:配線、122:配線、123:配線、124:配線、125:配線、126:配線、127:配線、128:配線、132:配線、133:配線、215:表示部、221a:走査線駆動回路、231a:信号線駆動回路、232a:信号線駆動回路、241a:共通線駆動回路、723:電極、726:絶縁層、728:絶縁層、729:絶縁層、741:絶縁層、742:半導体層、744a:電極、744b:電極、746:電極、755:不純物、771:基板、772:絶縁層、810:トランジスタ、811:トランジスタ、820:トランジスタ、821:トランジスタ、825:トランジスタ、826:トランジスタ、830:トランジスタ、840:トランジスタ、842:トランジスタ、843:トランジスタ、844:トランジスタ、845:トランジスタ、846:トランジスタ、847:トランジスタ、901:筐体、902:筐体、903:表示部、904:操作キー、905:レンズ、906:接続部、907:スピーカ、911:筐体、912:表示部、913:スピーカ、919:カメラ、921:柱、922:表示部、951:筐体、952:表示部、953:操作ボタン、954:外部接続ポート、955:スピーカ、956:マイク、957:カメラ、961:筐体、962:シャッターボタン、963:マイク、965:表示部、966:操作キー、967:スピーカ、968:ズームレバー、969:レンズ、971:筐体、973:表示部、974:操作キー、975:スピーカ、976:通信用接続端子、977:光センサ、4001:基板、4003:層、4004:層、4005:シール材、4006:基板、4008:液晶層、4009:複合層、4010:トランジスタ、4011:トランジスタ、4013:液晶素子、4014:配線、4015:電極、4016:光散乱型液晶素子、4017:電極、4018:FPC、4019:異方性導電層、4020:容量素子、4021:電極、4022:トランジスタ、4023:トランジスタ、4030:電極層、4031:電極層、4032:絶縁層、4033:絶縁層、4035:スペーサ、4041:プリント基板、4042:集積回路、4102:絶縁層、4103:絶縁層、4104:絶縁層、4110:絶縁層、4111:絶縁層、4112:絶縁層、4131:着色層、4132:遮光層、4133:絶縁層、4200:入力装置、4210:タッチパネル、4227:電極、4228:電極、4237:配線、4238:配線、4239:配線、4263:基板、4272b:FPC、4273b:IC、4340a:バックライトユニット、4340b:バックライトユニット、4341:導光板、4342:発光素子、4344:レンズ、4345:ミラー、4347:プリント基板、4348:反射層、4352:拡散板