(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ロボット連動エレベーター制御システム
(51)【国際特許分類】
B66B 13/14 20060101AFI20240905BHJP
B66B 1/18 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B66B13/14 M
B66B1/18 N
B66B1/18 F
(21)【出願番号】P 2023076283
(22)【出願日】2023-05-02
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0080673
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523173793
【氏名又は名称】ヒュンダイ エレベーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】カン、ドンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ムンス
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ドンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】イ、セクケ
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-019590(JP,A)
【文献】国際公開第2020/250409(WO,A1)
【文献】特開2011-042444(JP,A)
【文献】特開2012-017184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-1/52;
13/00-13/30;
17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内で自律的に移動するロボットと、
前記ロボットと通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記ロボットのエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部と、を備え、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーター
が乗り場に到着したが、前記
ロボットか
ら乗り場待機信号が受信されない第1失敗モードの発生時、
前記エレベーター制御部は、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが
人と前記ロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されている場合は
、ドア開放待機時間として前記
人の乗客のために設定された一般開放待機時間を適用し
、ドア閉鎖ボタンを無効化せず、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記
ロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記
ロボットのために設定されたロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間に
前記ドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【請求項2】
建物内で自律的に移動するロボットと、
前記ロボットと通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記ロボットのエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部と、を備え、
前記
ロボットが乗り場に待機し、前記エレベーター制御部が前記
ロボットに乗車許可信号を伝送したが、前記
ロボットか
ら乗車中信号が受信されない第2失敗モードの発生時、
前記エレベーター制御部は、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが
人と前記ロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されている場合は
、ドア開放待機時間として前記
ロボットのために設定されたロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、前記エレベータードアを閉鎖し、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記
ロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間に
前記ドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【請求項3】
建物内で自律的に移動するロボットと、
前記ロボットと通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記ロボットのエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部と、を備え、
前記エレベーター制御部から乗車許可信号を受信した前記ロボットが前記ロボットに割り当てられたエレベーターへの乗車動作を開始し、前記
ロボットから前記エレベーター制御部
に乗車中信号が受信されたが
、乗車完了信号が受信されない第3失敗モードの発生時、
前記エレベーター制御部は、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが
人と前記ロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されている場合は
、ドア開放待機時間として前記
ロボットのために設定されたロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記
ロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間に
前記ドア閉鎖ボタンを無効化することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【請求項4】
請求項
3に記載のロボット連動エレベーター制御
システムにおいて、
前記第3失敗モードの発生時、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過し、前記ドア閉鎖ボタン
の無効化
が解除されたとしても、前記エレベータードアが自動的には閉鎖されなく、前記ドア閉鎖ボタンの操作によって又は前記エレベーターのドアゾーンに物体が感知されない条件で前記エレベータードアを閉鎖する制御が行われ、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過したとしても、前記
ロボットの運用を管理するロボット管理システムによる特定の指令がある場合にのみ前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【請求項5】
建物内で自律的に移動するロボットと、
前記ロボットと通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記ロボットのエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部と、を備え、
前記
ロボットが前記
ロボットに割り当てられたエレベーターへの乗車を完了し、目的階に到着し、前記エレベーター制御部が前記
ロボットに下車許可信号を伝送したが、前記
ロボットか
ら下車中信号が受信されない第4失敗モードの発生時、
前記エレベーター制御部は、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが
人と前記ロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されている場合は
、ドア開放待機時間として前記
ロボットのために設定されたロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、前記エレベータードアを閉鎖し、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記
ロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間に
前記ドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【請求項6】
建物内で自律的に移動するロボットと、
前記ロボットと通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記ロボットのエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部と、を備え、
前記エレベーター制御部から下車許可信号を受信した前記ロボットが前記ロボットに割り当てられたエレベーターからの下車動作を開始し、前記
ロボットから前記エレベーター制御部
に下車中信号が受信されたが
、下車完了信号が受信されない第5失敗モードの発生時、
前記エレベーター制御部は、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが
人と前記ロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されている場合は
、ドア開放待機時間として前記
ロボットのために設定されたロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記
ロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間に
前記ドア閉鎖ボタンを無効化することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【請求項7】
請求項
6に記載のロボット連動エレベーター制御
システムにおいて、
前記第5失敗モードの発生時、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過し、前記ドア閉鎖ボタン
の無効化
が解除されたとしても前記エレベータードアが自動的には閉鎖されなく、前記ドア閉鎖ボタンの操作によって又は前記エレベーターのドアゾーンに物体が感知されない条件で前記エレベータードアを閉鎖する制御が行われ、
前記
ロボットに割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過したとしても、前記
ロボットの運用を管理するロボット管理システムによる特定の指令がある場合にのみ前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内の階間移動のためのロボットがエレベーターを利用するとき、乗下車段階で発生する失敗モード(failure mode)に対する対応方案を各段階別に樹立して提示するロボットとエレベーターシステムとの間の連動制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
住居用、業務用、商業用などに建築される多様な建物には、該当の建物を出入りする乗客達の円滑な階間移動のためにエレベーターが備えられる。
【0003】
通常、エレベーターは、建物の内部に垂直方向に形成される昇降路に沿って移動するエレベーターカーと、エレベーターカーを昇降させるための動力を発生させるモーター部及び巻上機などで構成される機械部と、エレベーターの運行と関連する制御を行う制御部などを含んで構成される。
【0004】
近年、建物内のロボットによるサービスが活性化されながら、建物内のロボットの階間移動のためにエレベーターを利用する必要性が高まっている。
【0005】
例えば、建物内を移動しながら荷物の運搬、掃除、顧客案内などの業務を行うロボット達が多く開発されて実際に適用されており、現在まで商用化されたロボットは、床が平らな廊下や室内において水平方向には無理なく移動可能であるが、複数の階で業務を行うために他の階に移動するときは、階間移動のための手段が必要になる。
【0006】
現在は、エレベーターがロボットの階間移動のための最も好ましい手段として見なされており、ロボットを目的階まで効果的に移動させるためにロボットとエレベーターシステムとの間の多様な連動制御技術が開発されている。
【0007】
一方、従来は、人の安全性を確保するためにロボットと人が同じエレベーターに搭乗しないように制御することもあったが、近年、建物内のサービスロボットの適用が拡大されるにつれて、同一のエレベーターにロボットと人の同乗が要求される場合が多く発生するようになった。
【0008】
このような乗合方式においては、ロボットに対するサービスによって乗客に対する利便性やサービス品質が低下することを防止する必要性が最も大きく要求されるが、徐々に実生活に肯定的な影響を及ぼしているロボットに対するサービスを単に後順位として排除してはならないので、人とロボットの両方に対するエレベーターのサービス品質が向上し得るように調和した連動制御技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2021-0049566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
エレベーターを通じたロボットの建物内の階間移動は、ロボットがエレベーターを呼び出すことから、ロボットが出発階に到着したエレベーターに搭乗し、目的階に移動した後で下車する一連の過程で行われる。
【0011】
このとき、エレベーターの運行を制御するエレベーター制御部とロボットとの間で信号を取り交わしながらロボットの乗下車手順が段階的に行われるようになり、その具体的な手順及び過程は次の通りである。
【0012】
ロボットが遠隔でエレベーターを呼び出すと、エレベーター制御部は、該当の呼び出しに対して特定のエレベーターの号機を割り当て、割り当てられた号機を出発階に移動させる。
【0013】
割り当てられたエレベーターが出発階に到着すると、エレベーター制御部は、ドアを開放し、ロボットに「乗車許可」信号を送り、乗車が可能な状態であることを知らせる。乗車許可信号を受け取ったロボットは、エレベーターカーに乗り込む乗車動作を開始することができ、乗車動作を開始したロボットは、乗車が完了するまでエレベーター制御部に「乗車中」信号を持続的に送り、乗車動作が進行している途中であることを知らせることができる。エレベーターカーの乗車が完了すると、ロボットは、エレベーター制御部に「乗車完了」信号を伝送し、ロボットから乗車完了信号まで受信されると、エレベーター制御部は、ドアを閉鎖し、エレベーターカーをロボットの目的階に移動させる。
【0014】
エレベーターカーからロボットが下車する過程も同様に行われ得る。ロボットを乗せたエレベーターカーが目的階に到着すると、エレベーター制御部は、ドアを開放し、ロボットに「下車許可」信号を送り、下車が可能な状態であることを知らせる。下車許可信号を受け取ったロボットは、エレベーターカーから降りる下車動作を開始することができ、下車動作を開始したロボットは、下車が完了するまでエレベーター制御部に「下車中」信号を持続的に送り、下車動作が進行している途中であることを知らせることができる。エレベーターカーから下車が完了すると、ロボットは、エレベーター制御部に「下車完了」信号を伝送し、ロボットから下車完了信号まで受信されると、エレベーター制御部は、ドアを閉鎖し、エレベーターカーの他のサービスを行えるようにする。
【0015】
一方、上記のような手順が段階的に行われる際において、各段階別に失敗モードが発生する場合がある。例えば、割り当てられたエレベーターの号機が出発階に到着したものの、ロボットが乗り場に待機していない場合、又はロボットから乗下車と関連する信号が受信されない場合などのように失敗が発生し得るが、従来は、このような失敗モードに対する具体的な対応方案が樹立されておらず、失敗モードの発生時、エレベーター管理者が状況を判断し、適切な措置をとるしかなかった。
【0016】
特に、既存では、ロボットに乗車許可又は下車許可信号が送られたり、ロボットから乗車中又は下車中信号が受信される場合、ロボットから「乗車完了」或いは「下車完了」信号が受信されるまでエレベーターのドア閉鎖ボタン(DCB:Door Close Button)を無効化し、ドアを開放拘束させていたが、ロボットの乗車及び下車と関連する手順の進行中に何らかの原因によって失敗が発生したにもかかわらず、継続してドアの閉鎖を無効化(ドアの開放拘束)し、エレベーターカーの運行を中断すると、一緒に搭乗している乗客や他の階で待機している乗客に対するサービス遅延をもたらすという問題がある。
【0017】
本発明は、上記のような問題を解決するために提案されるものであって、ロボットのエレベーターに対する乗下車手順の進行中に発生する各段階別の失敗モードに対する具体的な対応方案を樹立して提示することによって、乗客に対するサービス遅延を防止し、ロボットと連動して制御されるエレベーターシステムの全般的なサービス性及び運用効率を大きく向上できるロボット連動エレベーター制御システムを提供することを目的とする。
【0018】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されなく、言及していない他の技術的課題は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するための本発明の一側面によると、建物内で自律的に移動する自律移動体と、前記自律移動体と通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記自律移動体のエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部と、を備え、前記自律移動体は、前記エレベーターに対する乗下車動作時、段階別に乗り場待機信号、乗車中信号、乗車完了信号、下車中信号及び下車完了信号を前記エレベーター制御部に伝送し、前記エレベーター制御部は、前記自律移動体から発信される信号の受信有無、及び前記自律移動体に割り当てられたエレベーターが、人とロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されたのか、それともロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されたのかによって前記エレベータードアの開放待機時間を人の乗客のために設定された一般開放待機時間、及びロボットのために設定されたロボット開放待機時間のうちいずれか一つとして選択して適用し、前記エレベーターのドア閉鎖ボタンの無効化設定又は解除有無を決定することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御システムが提供され得る。
【0020】
また、上記の目的を達成するための本発明の他の側面によると、建物内で自律的に移動する自律移動体と、前記自律移動体と通信し、前記建物内に設置されたエレベーターの運行及び前記自律移動体のエレベーターに対する乗下車時にエレベータードアを制御するエレベーター制御部とを含むロボット連動エレベーター制御システムのロボット連動エレベーター制御方法において、前記自律移動体がエレベーターを遠隔で呼び出す段階と、前記エレベーター制御部が、前記自律移動体が乗車するエレベーターを割り当てる段階と、前記自律移動体が、割り当てられたエレベーターの乗り場に到着し、前記エレベーター制御部に乗り場待機信号を伝送する段階と、前記エレベーター制御部が、前記割り当てられたエレベーターのドアを開放し、前記自律移動体に乗車許可信号を伝送する段階と、前記乗車許可信号を受信した前記自律移動体が、前記割り当てられたエレベーターへの乗車動作を開始し、乗車動作が進行する途中で前記エレベーター制御部に乗車中信号を伝送する段階と、前記自律移動体が、前記割り当てられたエレベーターへの乗車を完了し、前記エレベーター制御部に乗車完了信号を伝送する段階と、前記エレベーター制御部が、前記自律移動体の乗車が完了した前記割り当てられたエレベーターを前記自律移動体の目的階に移動させる段階と、前記割り当てられたエレベーターが前記目的階に到着すると、前記エレベーター制御部が、前記割り当てられたエレベーターのドアを開放し、前記自律移動体に下車許可信号を伝送する段階と、前記下車許可信号を受信した前記自律移動体が、前記割り当てられたエレベーターからの下車動作を開始し、下車動作が進行する途中で前記エレベーター制御部に下車中信号を伝送する段階と、及び前記自律移動体が、前記割り当てられたエレベーターからの下車を完了し、前記エレベーター制御部に下車完了信号を伝送する段階と、を含み、前記エレベーター制御部は、前記一連の段階が行われる過程で前記自律移動体から発信される信号の受信有無、及び前記自律移動体に割り当てられたエレベーターが人とロボットの同乗が許容される乗合モードに設定されたのか、それともロボットのみが利用可能なロボット専用モードに設定されたのかによって前記エレベータードアの開放待機時間を人の乗客のために設定された一般開放待機時間、及びロボットのために設定されたロボット開放待機時間のうちいずれか一つとして選択して適用し、前記エレベーターのドア閉鎖ボタンの無効化設定又は解除有無を決定することを特徴とする、ロボット連動エレベーター制御方法が提供され得る。
【0021】
本制御方法において、前記割り当てられたエレベーターが前記乗り場に到着したが、前記自律移動体から前記乗り場待機信号が受信されない第1失敗モードの発生時、前記エレベーター制御部は、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記一般開放待機時間を適用し、前記ドア閉鎖ボタンを無効化せず、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【0022】
本制御方法において、前記自律移動体が前記乗り場に待機し、前記エレベーター制御部が前記自律移動体に前記乗車許可信号を伝送したが、前記自律移動体から前記乗車中信号が受信されない第2失敗モードの発生時、前記エレベーター制御部は、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、前記エレベータードアを閉鎖する一方で、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【0023】
本制御方法において、前記自律移動体から前記エレベーター制御部に前記乗車中信号が受信されたが、前記乗車完了信号が受信されない第3失敗モードの発生時、前記エレベーター制御部は、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除する一方で、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化することができる。
【0024】
また、前記第3失敗モードの発生時、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過し、前記ドア閉鎖ボタンが無効化されたとしても前記エレベータードアが自動的に閉鎖されなく、前記ドア閉鎖ボタンの操作によって又は前記エレベーターのドアゾーンに物体が感知されない条件で前記エレベータードアを閉鎖する制御が行われる一方で、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過したとしても、前記自律移動体の運用を管理するロボット管理システムによる特定の指令がある場合にのみ前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【0025】
本制御方法において、前記自律移動体が前記割り当てられたエレベーターへの乗車を完了してから目的階に到着し、前記エレベーター制御部が前記自律移動体に前記下車許可信号を伝送したが、前記自律移動体から前記下車中信号が受信されない第4失敗モードの発生時、前記エレベーター制御部は、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、前記エレベータードアを閉鎖する一方で、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【0026】
本制御方法において、前記自律移動体から前記エレベーター制御部に前記下車中信号が受信されたが、前記下車完了信号が受信されない第5失敗モードの発生時、前記エレベーター制御部は、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、前記ロボット開放待機時間が経過した後で前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除する一方で、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ドア開放待機時間として前記ロボット開放待機時間を適用し、前記ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化することができる。
【0027】
また、前記第5失敗モードの発生時、前記割り当てられたエレベーターが前記乗合モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過し、前記ドア閉鎖ボタンが無効化されたとしても、前記エレベータードアが自動的に閉鎖されなく、前記ドア閉鎖ボタンの操作によって又は前記エレベーターのドアゾーンに物体が感知されない条件で前記エレベータードアを閉鎖する制御が行われ、前記割り当てられたエレベーターが前記ロボット専用モードに設定されている場合は、前記ロボット開放待機時間が経過したとしても、前記自律移動体の運用を管理するロボット管理システムによる特定の指令がある場合にのみ前記ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、建物の階間移動のためにロボットがエレベーターを利用する過程で、ロボットの乗下車手順の進行中に発生する失敗モードに対する対応方案を各段階別に具体的に樹立して提示することによって、失敗モードの発生時にも、長時間サービスが遅延することなくエレベーターシステムの円滑な運用を可能にし、ロボットと連動して制御されるエレベーターシステムの全般的なサービス性及び運用効率を著しく向上させるという効果を有する。
【0029】
本発明の各効果は、以上で言及した各効果に制限されなく、言及していない他の効果は、下記の記載から通常の技術者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの概略図である。
【
図2】本発明に係る自律移動体が建物内の階間移動のためにエレベーターを利用するプロセスを示した図である。
【
図3】本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの第1失敗モードの発生時におけるエレベータードア及びDCB制御方法を示した図である。
【
図4】本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの第2失敗モードの発生時におけるエレベータードア及びDCB制御方法を示した図である。
【
図5】本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの第3失敗モードの発生時におけるエレベータードア及びDCB制御方法を示した図である。
【
図6】本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの第4失敗モードの発生時におけるエレベータードア及びDCB制御方法を示した図である。
【
図7】本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの第5失敗モードの発生時におけるエレベータードア及びDCB制御方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の目的、技術的構成及びそれによる作用及び効果に関する詳細な事項は、本発明の明細書に添付された図面に基づく詳細な説明によってより明確に理解されるだろう。
【0032】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するために使用されるものに過ぎなく、本発明を限定しようとするものではない。例えば、本明細書で使用される「構成される」又は「含む」などの用語は、発明に記載の多くの構成要素又は多くのステップを必ず全て含むものと解釈してはならなく、そのうち一部の構成要素又は一部のステップを含まないか、又は追加的な構成要素又はステップをさらに含み得るものと解釈しなければならない。また、本明細書で使用される単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0033】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例を説明することによって本発明を詳細に説明する。以下で説明する各実施例は、本発明の技術思想を当業者が容易に理解できるように提供されるものであって、これによって本発明が限定されると解釈してはならなく、本発明の各実施例は、この分野の通常の技術者にとって多様な応用を有し得るものであることは当然である。
【0034】
図1は、本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの概略図で、
図2は、本発明に係る自律移動体10が建物内の階間移動のためにエレベーターを利用するプロセスを示した図である。
図3乃至
図7は、本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムの第1乃至第5失敗モードの発生時におけるエレベータードア及びDCB制御方法をそれぞれ示した図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムは、建物内で自律的に移動する自律移動体10と、自律移動体10との通信を通じて建物内に設置されたエレベーターの運行を制御するエレベーター制御部20とを含み、自律移動体10とエレベーターとの連動制御を行うことができる。
【0036】
本発明において、自律移動体10は、ロボットを含み、建物内で人が操作することなく自律的に移動できる全ての移動機器を総称する。例えば、自律移動体10は、宅配などの荷物の運搬、掃除、顧客案内などの業務を行うサービスロボットであってもよく、建物内に構築されている建物管理システム(BMS:Building Management System)と連動し、建物内の乗客に必要なサービスを提供することができる。
【0037】
自律移動体10は、エレベーターの運行を制御するエレベーター制御部20とも通信することができ、エレベーター制御部20との連動制御を通じて自律移動体10の建物内の階間移動が具現され得る。自律移動体10は、エレベーター制御部20とエレベーターの呼び出し、目的階登録、乗下車動作などと関連する信号を取り交わすことができるが、該当の内容は後でより詳細に説明する。
【0038】
自律移動体10とエレベーター制御部20及び建物管理システムとの通信は、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、CAN、WANなどの無線通信又は有線通信を用いて具現され得る。
【0039】
一方、自律移動体10は、ライダー(Lidar)、近距離センサー、超音波センサー及びカメラなどを用いて収集した各情報に基づいた自己位置推定技法(SLAM:Simultaneous Localization And Mapping)を通じて建物内の空間を認知することができ、自律的に移動することができる。
【0040】
また、自律移動体10は、建物内/外部構造及び建物内のエレベーターの位置に関する情報を自己データベースを通じて記憶することができ、自己位置推定技法を用いてリアルタイムで算出された現在の位置からエレベーターまでの最適な距離及び移動経路を内部アルゴリズムを用いて求めることができる。
【0041】
エレベーター制御部20は、エレベーターの全般的な運行及び動作を制御するものであって、乗客のボタン入力や遠隔呼び出し或いは自律移動体10によって受信される呼び出しを含み、建物内の各階から入力される呼び出しに対して最適にエレベーターカーを割り当て、割り当てられたエレベーターカーを、呼び出しが入力された階に移動させる制御を行うことができる。
【0042】
エレベーター制御部20は、乗客或いは自律移動体10によって生成されたエレベーター呼び出し信号を受信して処理する呼び出し受信部21;受信された呼び出し信号に対応して建物内に設置された複数のエレベーターカーのうち最適なエレベーターカーを決定して割り当てる割り当て部22;エレベーターカーに対する自律移動体10の乗下車動作を制御する乗下車制御部23;及びエレベーターカーの走行を制御する走行制御部24などを含んで構成され得る。
【0043】
エレベーター制御部20は、乗客のボタン入力や遠隔呼び出しに応答して最適なエレベーターカーを割り当て、エレベーターカーを移動させるサービスを提供できるが、これは、既存の公知技術を利用できるものであるので、以下では、自律移動体10と関連する制御に焦点を合わせて説明する。
【0044】
呼び出し受信部21は、自律移動体10からエレベーター搭乗要請を受信することができる。エレベーター搭乗要請に含まれる情報には、現在の自律移動体10が位置している階である出発階情報と、自律移動体10が移動しようとする目的階情報とが含まれると同時に、自律移動体10が乗り場に到着するのに要される移動時間に関する情報、重量、体積及びエレベーター利用目的などの情報がさらに含まれてもよい。
【0045】
割り当て部22は、自律移動体10によるエレベーター搭乗要請が受信される場合、建物内の交通量と複数の可用エレベーターカー及び自律移動体10の位置情報に対する相関分析を通じて最も効率的なエレベーターカーを決定して割り当てることができる。
【0046】
より具体的には、割り当て部22は、建物内で運行中の複数のエレベーターカーの占有率或いは残存容量に関する状態情報を検出し、自律移動体10から受信される搭乗要請情報に含まれる自律移動体10の重量、体積などの情報に基づいて自律移動体10の搭乗が可能な可用エレベーターカーを抽出することができる。
【0047】
そして、抽出された可用エレベーターカーの位置及び自律移動体10の位置を考慮した上で、最適なエレベーターカーを割り当てることができる。このとき、自律移動体10が搭乗を要請した呼び出し階の情報のみならず、自律移動体10が現在の位置から乗り場に移動するのに要される時間に関する情報も、最適なカーを選定する際に共に考慮され得る。
【0048】
また、自律移動体10が自ら自分の位置情報を算出する代わりに、自律移動体10から発信する信号に基づいて自律移動体10の階内位置をリアルタイムで追跡し、自律移動体10の現在の位置から乗り場に移動するのに要される時間を算出する自律移動体位置収集部(図示せず)を別途に備えてもよい。
【0049】
乗下車制御部23は、エレベーター搭乗を要請した自律移動体10が、割り当てられたエレベーターカーに対して乗下車することに関連する全般的な動作を管理及び制御することができる。
【0050】
まず、自律移動体10の乗車動作と関連して、乗下車制御部23は、自律移動体10から送られる情報に基づいて自律移動体10がエレベーター乗り場に接近するかどうかを判断することができ、該当のエレベーター乗り場に対する自律移動体10の到着有無及び割り当てられたエレベーターカーの到着有無によって自律移動体10に乗車待機又は乗車許可命令を下すことができる。
【0051】
例えば、自律移動体10は、乗り場に移動中である場合は、乗下車制御部23に「移動中」信号を送ることができ、乗り場に既に到着している場合は、「待機中」信号を送り、乗り場に待機している状態であることを知らせることができる。
【0052】
そして、自律移動体10の下車動作と関連して、乗下車制御部23は、自律移動体10がエレベーターカーへの乗車を完了した後、目的階に到着した場合、自律移動体10にエレベーターカーから下車することを指示することができる。
【0053】
また、自律移動体10がエレベーターカーに対する乗下車動作を具現するために、乗下車制御部23は、サービス階に停車したエレベーターカーのドア及び該当の乗り場のドアの開閉を制御するドア制御部25と連係し得る。
【0054】
走行制御部24は、建物内に垂直方向に形成される昇降路内でエレベーターカーを昇降させる走行動作を制御するものであって、エレベーターカーの走行を開始するために巻上機用モーターを駆動したり、エレベーターカーを停止させるためにブレーキを駆動するなどの制御を行うことができる。
【0055】
また、本実施例において、走行制御部24は、自律移動体10の搭乗要請に対して割り当てられたエレベーターカーを自律移動体10が位置した階に移動させる命令信号を生成したり、又は自律移動体10が搭乗しているエレベーターカーを自律移動体10の目的階に移動させる命令信号を生成し、エレベーターカーの運行を制御することができる。
【0056】
以下では、
図2乃至
図7を参照して、自律移動体10が建物内の階間移動のためにエレベーターを利用するプロセスを一連の過程によって順次説明する。
【0057】
自律移動体10は、エレベーター制御部20との無線又は有線通信を介して遠隔でエレベーターカーを呼び出すことができる。自律移動体10は、建物内の階間移動が必要である場合、エレベーターカーの呼び出しを要請する「搭乗要請」信号をエレベーター制御部20に伝送することができる。
【0058】
エレベーター制御部20の呼び出し受信部21が自律移動体10から「搭乗要請」信号を受信し、割り当て部22は、「搭乗要請」信号に含まれた情報及び建物内の可用エレベーターカーの位置情報などを考慮した上で、複数の可用エレベーターカーのうち最適なエレベーターカーを割り当てる。割り当て部22は、割り当てられたエレベーターカー及びそれに対応する乗り場情報を自律移動体10に提供することができる。
【0059】
自律移動体10は、割り当てられたエレベーターカーに対応する乗り場情報を受信してから該当の乗り場に移動することができ、移動する間に周期的にエレベーター制御部20に移動状況を報告することができる。また、自律移動体10が該当の乗り場に到着した場合は、乗り場で待機しているという信号を発信することができる。
【0060】
エレベーター制御部20は、割り当てられたエレベーターカーに対応する乗り場に自律移動体10が到着したかどうかを検出することができる。ここで、自律移動体10が乗り場に到着したかどうかは、上述したように、自律移動体10が自己位置推定技法を通じて自ら取得した位置情報或いは別途の自律移動体位置収集部(図示せず)によって収集される自律移動体10の位置情報に基づいて判断することができる。
【0061】
自律移動体10が指定された乗り場に到着するのに要される時間によって、割り当てられたエレベーターカーより自律移動体10が乗り場に先に到着する場合があり、自律移動体10より割り当てられたエレベーターカーが乗り場に先に到着することもある。
【0062】
エレベーター制御部20の乗下車制御部23は、自律移動体10と割り当てられたエレベーターカーの到着先後位によって「乗車待機」信号及び/又は「乗車許可」信号を自律移動体10に伝送することができる。
【0063】
より具体的には、乗下車制御部23は、自律移動体10が割り当てられたエレベーターカーより乗り場に先に到着した場合、「乗車待機」信号を自律移動体10に伝送し、以後に割り当てられたエレベーターカーが出発階(呼び出し階)に到着し、ドアの開放まで完了すると、そのときに「乗車許可」信号を自律移動体10に伝送することができる。
【0064】
その一方で、割り当てられたエレベーターカーが自律移動体10より乗り場に先に到着した場合、乗下車制御部23は、ドア制御部25との連係を通じてエレベータードアを開放状態に切り替えた後、自律移動体10に「乗車許可」信号を伝送することができる。この場合は、自律移動体10が到着するまでエレベーターカー及び乗り場ドアを開放した状態で待機するように制御することができる。
【0065】
また、このとき、何らかの理由で自律移動体10の到着が所定の設定時間を超えて遅延すると、自律移動体10に現在の呼び出しを取り消す信号を伝送することによって、自律移動体10がエレベーターを再び呼び出せるようにし、自律移動体10は、再呼び出しによって最適な号機が再び割り当てられるように処理することができる。
【0066】
乗下車制御部23から「乗車許可」信号を受信した自律移動体10は、割り当てられたエレベーターカーに乗り込む乗車動作を行うようになる。自律移動体10は、乗車動作が開始された時点から完了する時点まで持続的に乗下車制御部23に「乗車中」信号を送り、乗車動作が行われている途中であることを知らせることができる。乗下車制御部23は、ドア制御部25との連係を通じて自律移動体10がエレベーターの出入口を通過する間にドアが閉鎖されないように制御することができる。
【0067】
エレベーターカー内への自律移動体10の乗車が完了すると、自律移動体10は、乗車が完了したことを示す「乗車完了」信号を乗下車制御部23に伝送することができる。
【0068】
自律移動体10の「乗車完了」信号を受信したエレベーター制御部20は、エレベータードアを閉鎖し、自律移動体10の目的階を自動的に登録し、エレベーターカーを自律移動体10の目的階に移動させる制御を行うことができる。
【0069】
エレベーターカーが自律移動体10の目的階に到着すると、エレベーター制御部20は、エレベーターカー及び到着層(目的階)の乗り場ドアを開放し、乗下車制御部23を通じて自律移動体10に下車を指示する「下車許可」信号を伝送することができる。
【0070】
「下車許可」信号を受信した自律移動体10は、エレベーターカーから降りる下車動作を行うようになる。このとき、自律移動体10は、下車動作が開始された時点から完了する時点まで持続的に乗下車制御部23に「下車中」信号を送り、下車動作が行われている途中であることを知らせることができ、乗下車制御部23は、ドア制御部25との連係を通じて自律移動体10がエレベーターの出入口を通過する間にドアが閉鎖されないように制御することができる。
【0071】
エレベーターカーからの自律移動体10の下車が完了すると、自律移動体10は、下車が完了したことを示す「下車完了」信号を乗下車制御部23に伝送することができる。
【0072】
自律移動体10の「下車完了」信号が受信されると、エレベーター制御部20は、エレベーターのドアを閉鎖し、該当の自律移動体10に対する階間移動サービスを終了する。
【0073】
一方、上述したように、前記一連のプロセスが行われる過程で自律移動体10の乗車及び下車と関連して多様な問題が発生し得る。本発明は、各段階で発生する失敗モードを定義し、これに対する対応方案を樹立しようとする。
【0074】
各段階で発生する失敗モードの代表的な例としては、以下の5つケースを挙げることができる。
【0075】
ケース1:自律移動体10の呼び出しによって割り当てられたエレベーターカーが呼び出し階に到着した時に自律移動体10の乗り場待機状態が認知されない場合であって、すなわち、自律移動体10の乗り場待機信号が受信されない場合。
【0076】
ケース2:自律移動体10の呼び出しによって割り当てられたエレベーターカーが呼び出し階に到着した後、所定時間以上自律移動体10の乗車が開始されない場合であって、すなわち、自律移動体10から乗車中信号が受信されない場合。
【0077】
ケース3:自律移動体10が割り当てられたエレベーターカーに乗車中であることは認知したが、次の段階である乗車完了がなされない場合であって、すなわち、自律移動体10から乗車完了信号が受信されない場合。
【0078】
ケース4:自律移動体10の乗車が完了したエレベーターカーが目的階に到着したが、所定時間以上自律移動体10の下車が開始されない場合であって、すなわち、自律移動体10から下車中信号が受信されない場合。
【0079】
ケース5:自律移動体10がエレベーターカーから下車中であることは認知したが、次の段階である下車完了がなされない場合であって、すなわち、自律移動体10から下車完了信号が受信されない場合。
【0080】
一方、各段階で発生する失敗モードは、該当の段階に移った後で発生するものであるので、以前の段階が成功的に進行したことを前提とすることができる。よって、上記の5つのケースは、次のように定義されてもよい。
【0081】
ケース1:自律移動体10による搭乗要請(呼び出し)があり、該当の呼び出しに対応して割り当てられたエレベーターカーが出発階に到着はしたが、自律移動体10から乗り場待機信号がない場合。
【0082】
ケース2:自律移動体10から乗り場待機信号が受信され、エレベーター制御部20が自律移動体10に乗車許可信号を伝送したが、自律移動体10から乗車中信号が受信されない場合。
【0083】
ケース3:自律移動体10から乗車中信号は受信されたが、乗車完了信号が受信されない場合。
【0084】
ケース4:自律移動体10から乗車完了信号が受信され、自律移動体10を乗せたエレベーターカーが目的階に到着した後、エレベーター制御部20が自律移動体10に下車許可信号を伝送したが、自律移動体10から下車中信号が受信されない場合。
【0085】
ケース5:自律移動体10から下車中信号は受信されたが、下車完了信号が受信されない場合。
【0086】
以下では、各段階別の失敗モードに対する対応方案に対してより具体的に説明する。このとき、自律移動体10が利用するエレベーターが、ロボットと人が一緒に搭乗可能な「乗合モード」に設定されているのか、それともロボットのみが利用できるように「ロボット専用モード」に設定されているのかによって対応方法を変えることができる。
【0087】
すなわち、本発明は、各段階別の失敗モードに対する対応方法をエレベーターの設定モードによって区分して樹立しており、以下では、失敗モードの発生時の対応方法に該当する制御ロジックを各ケース別に、また、エレベーターの設定モード別に説明する。
【0088】
各ケースを説明する前に、本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムは、エレベータードアの開放待機時間を予め定められた所定の時間値に設定することができる。ここで、「エレベータードアの開放待機時間」とは、ドアが開放された状態で待機する時間を意味する。すなわち、「エレベータードアの開放待機時間」は、ドアの開放又は閉鎖動作に要される時間を除いて、完全に開放された時点から閉鎖が開始される直前までの時間を意味し得る。
【0089】
より具体的には、本発明は、エレベータードアの開放待機時間を一般乗客(人の乗客)の乗下車のための「一般開放待機時間」及び自律移動体10(ロボット)の乗下車のための「ロボット開放待機時間」の二つの値に設定して運用することができる。
【0090】
「一般開放待機時間」は、自律移動体10の利用が予定されていない場合、エレベータードアの開閉時に適用される通常の設定値であって、一般開放待機時間の適用時、エレベータードアは、完全に開放された状態で短い時間(例えば、約2秒~4秒)の間のみ開放状態を維持した後で閉鎖状態に転換され得る。
【0091】
「ロボット開放待機時間」は、自律移動体10が乗下車するときのエレベータードアの開閉時に適用される設定値であって、一般開放待機時間に比べて長い時間値(例えば、40秒)に設定され得る。一般開放待機時間とロボット開放待機時間は、エレベータードアの出入り環境などによって変更され得る任意の設定値である。
【0092】
また、前記一般開放待機時間及びロボット開放待機時間が適用される「エレベータードア」は、エレベーターカードア(car door)及び乗り場ドア(landing door)を全て含む概念で理解することができ、ドア開放時間の設定及びドアの開閉制御は、上述したようにドア制御部25によって行われ得る。
【0093】
以下では、失敗モードに該当する各ケース別の対応方法を説明する。
【0094】
[ケース1]自律移動体の乗り場待機信号が受信されない場合
【0095】
(1)正常状態での動作
【0096】
まず、失敗モードでの対応と比較するために、正常状態での動作を簡略に説明する。割り当てられたエレベーターカーが自律移動体10の呼び出し階に到着したとき、自律移動体10が乗り場に待機している正常状態の場合、エレベーター制御部20は、自律移動体10の乗車のためにエレベータードアの開放時間をロボット開放待機時間に設定し、エレベーターのドア閉鎖ボタンを無効化する。
【0097】
もし、自律移動体10から乗り場待機信号ではない移動中信号が受信された場合にも、所定の時間待機した後に自律移動体10の乗車手順を開始できるので、自律移動体10の到着時間が所定の臨界時間を超えなければ、自律移動体10の到着時までドア閉鎖ボタンを無効化し、エレベータードアを開放状態で待機させることができる。この場合は、自律移動体10が乗り場に到着した時点からロボット開放待機時間をカウンティングする。
【0098】
(2)乗合モードでの対応方法
【0099】
その一方で、割り当てられたエレベーターカーが自律移動体10の呼び出し階に到着した時、自律移動体10から乗り場待機信号が受信されない場合は、エレベータードアの開放時間をロボット開放待機時間に設定しないか、もし既に設定されている場合は、これを一般開放待機時間に切り替えて、ドア閉鎖ボタンを無効化しないこともある。したがって、停止階で一般乗客が閉鎖ボタンを押しながら該当のエレベーターのドアを閉鎖し、エレベーターカーを直ぐ出発させることが可能になる。
【0100】
このように自律移動体10が搭乗しない状態でエレベータードアを閉鎖してから出発する場合、エレベーター制御部20は、該当の自律移動体10にサービス取り消し信号を伝送し、自律移動体10が現在の呼び出しを取り消し、再呼び出しを要請できるように処理する。
【0101】
自律移動体10が搭乗しない状態で出発したエレベーターカーは、自律移動体10に対するサービスが取り消されることによって自律移動体10の目的階に運行されなく、もし他の呼び出しによって自律移動体10の目的階に到着した場合にも、ドアの開閉時、ロボット開放待機時間の代わりに一般開放待機時間が適用され得る。
【0102】
もしエレベータードアが閉鎖される途中でカー内のドア開放ボタン(DOB:Door Open Button)又は該当層の乗り場ボタンの入力によってドアが再び開放される場合にも、ドアの開閉動作に一般開放待機時間が適用され得る。
【0103】
(3)ロボット専用モードでの対応方法
【0104】
ロボット専用モードに設定されたエレベーターカーは、他の人の乗客に対するサービス待機時間などを考慮する必要がないので、自律移動体10の呼び出しによって割り当てられたエレベーターカーが呼び出し階に到着すると、エレベータードアを開放し、ロボット開放待機時間が経過するまで開放状態を維持することができる。
【0105】
すなわち、ロボット専用モードでは、乗り場内の自律移動体10の待機状態が認知されない場合にも、最大ロボット開放待機時間の間にドア閉鎖ボタンを無効化し、ドアを開放状態に維持することができ、ロボット開放待機時間が経過した後にドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、他の自律移動体10の呼び出しサービスを待機することができる。
【0106】
より具体的には、ロボット開放待機時間が経過した後にドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、他の階にある自律移動体10による呼び出しが発生する前までは継続してドアを開放状態で待機し、他の階の自律移動体10からの呼び出しが発生すると、現在の階の自律移動体10によるサービス(すなわち、現在の要請が受け付けられたサービス)を取り消し、エレベータードアを閉鎖した後、他の階の自律移動体10に対するサービスを提供するためにエレベーターカーを出発させることができる。
【0107】
[ケース2]乗車中信号が受信されない場合
【0108】
(1)正常状態での動作
【0109】
自律移動体10の乗車中信号が正常に受信された場合、エレベーター制御部20は、ロボット開放待機時間の間にエレベータードアの開放状態を維持し、ドア閉鎖ボタンを無効化する。エレベーター制御部20は、エレベータードアの開放が行われた直後或いは開放が行われると同時に、自律移動体10に乗車許可信号を伝送し、自律移動体10の乗車を誘導することができる。
【0110】
(2)乗合モードでの対応方法
【0111】
その一方で、自律移動体10が乗り場に待機することが感知され、エレベーター制御部20がエレベータードアを開放し、自律移動体10に乗車許可信号を送ったにもかかわらず、所定の時間の間に自律移動体10から乗車中信号が受信されないこともあり得るが、この場合、エレベーター制御部20は、エレベータードアを開放して待機した後、ロボット開放待機時間が経過すると、ドアを閉鎖し、他の階のサービスのために出発させることができる。
【0112】
これは、他の一般乗客に対するサービス遅延による不便を誘発しないためであり、エレベーター制御部20は、ロボット開放待機時間が経過すると同時に、ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【0113】
(3)ロボット専用モードでの対応方法
【0114】
この場合の対応方法はケース1と同一である。ロボット専用モードに設定されたエレベーターカーは、他の人の乗客に対するサービス待機時間などを考慮する必要がないので、自律移動体10から乗車中信号が受信されない場合にも、エレベータードアの開放状態をロボット開放待機時間が経過するまで維持し、ロボット開放待機時間が経過するまでドア閉鎖ボタンを無効化することができる。
【0115】
そして、ロボット開放待機時間が経過した後でドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、他の自律移動体10の呼び出しサービスを待機することができる。
【0116】
[ケース3]乗車完了信号が受信されない場合
【0117】
(1)正常状態での動作
【0118】
自律移動体10の乗車中信号を受信した後、乗車完了信号まで受信されると、自律移動体10のエレベーターカー内の搭乗が成功的に行われたことを意味するので、エレベーター制御部20は、エレベータードアを閉鎖し、自律移動体10の目的階にエレベーターカーを出発させることができる。
【0119】
(2)乗合モードでの対応方法
【0120】
自律移動体10の乗車中信号が受信されると、エレベーター制御部20は、ドア閉鎖ボタンを無効化し、エレベータードアを開放状態に維持する。ところが、この状態で自律移動体10の乗車に問題が発生したにもかかわらず、自律移動体10から乗車完了信号が受信されるまでエレベーターカーを待機させる場合、他の乗客に大きな不便をもたらし得る。
【0121】
したがって、本発明は、自律移動体10の乗車中信号が受信された後、所定の時間、好ましくは、ロボット開放待機時間が経過するときまで乗車完了信号が受信されない場合、ドア閉鎖ボタンの無効化を解除することによって、乗客のドア閉鎖ボタン入力によってドアの閉鎖を可能にする。
【0122】
ただし、この場合は、自律移動体10の乗車中信号が受信された状態であって、自律移動体10がエレベータードアゾーン内に存在する可能性があるので、所定の時間又はロボット開放待機時間が経過した場合にも、エレベータードアは自動的に閉鎖されないようにする。
【0123】
エレベータードアは自動的に閉鎖されないが、ドア閉鎖ボタンの無効化が解除されるので、該当のエレベーターを利用する他の乗客がドアを閉鎖できる状況であるかどうかを確認し、閉鎖できる状況である場合、ドア閉鎖ボタンを操作しながらドアを閉鎖し、他の階にエレベーターカーを出発させることができる。
【0124】
また、エレベータードアゾーンに設置される監視装置(例えば、カメラ又は物体感知センサーなど)を用いてエレベータードアゾーンに自律移動体10がないと判定される場合は、エレベーター制御部20で直接エレベータードアを閉鎖できるように制御することもできる。
【0125】
(3)ロボット専用モードでの対応方法
【0126】
ロボット専用モードでも同様に、自律移動体10の乗車中信号が受信されると、エレベーター制御部20は、ドア閉鎖ボタンを無効化し、エレベータードアを開放状態に維持する。
【0127】
ただし、ロボット専用モードは、他の人の乗客が一緒に利用しないモードであるので、所定の時間が経過するときまで自律移動体10の乗車完了信号の受信がない場合にも、ドア閉鎖ボタンの無効化を維持しながら継続してドアの開放状態を維持することができる。
【0128】
この場合は、必要時に自律移動体10の故障処理が行われてもよく、自律移動体10の故障処理が完了した後、エレベーター制御部20は、自律移動体10を管理するロボット管理システムから特定の指令を受けてからドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、エレベータードアを閉鎖し、他の階のサービスのためにエレベーターカーを出発させることができる。
【0129】
[ケース4]下車中信号が受信されない場合
【0130】
(1)正常状態での動作
【0131】
自律移動体10のエレベーター搭乗が完了した後で目的階に到着し、エレベーター制御部20がエレベータードアを開放しながら下車許可信号を送ると、自律移動体10は、下車動作を開始すると同時に、エレベーター制御部20に下車中信号を送るようになる。この場合、エレベーター制御部20は、ドア閉鎖ボタンを無効化し、エレベータードアをロボット開放待機時間の間に開放状態に維持しながら自律移動体10の下車を可能にする。
【0132】
(2)乗合モードでの対応方法
【0133】
この場合の対応方法は、ケース2と同様に行われ得る。自律移動体10を乗せたエレベーターカーが目的階に到着し、エレベーター制御部20がエレベータードアを開放し、自律移動体10に下車許可信号を送ったにもかかわらず、所定の時間の間に自律移動体10から下車中信号が受信されない場合、エレベーター制御部20は、エレベータードアを開放して待機した後、ロボット開放待機時間が経過すると、ドアを閉鎖し、他の階のサービスのために出発させることができる。
【0134】
これは、他の一般乗客に対するサービス遅延による不便を誘発しないためであって、エレベーター制御部20は、ロボット開放待機時間が経過すると同時にドア閉鎖ボタンの無効化を解除することができる。
【0135】
(3)ロボット専用モードでの対応方法
【0136】
この場合の対応方法もケース2と同様に行われ得る。ロボット専用モードに設定されたエレベーターカーは、他の人の乗客に対するサービス待機時間などを考慮する必要がないので、自律移動体10から下車中信号が受信されない場合にも、エレベータードアの開放状態をロボット開放待機時間が経過するまで維持し、ロボット開放待機時間が経過するまでドア閉鎖ボタンを無効化することができる。
【0137】
そして、ロボット開放待機時間が経過した後でドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、他の自律移動体10の呼び出しサービスを待機することができる。
【0138】
[ケース5]下車完了信号が受信されない場合
【0139】
(1)正常状態での動作
【0140】
自律移動体10の下車中信号を受信した後、下車完了信号まで受信されると、エレベーターカーから自律移動体10の下車が成功的に行われたことを意味するので、エレベーター制御部20は、エレベータードアを閉鎖し、自律移動体10の階間移動サービスを終了することができる。
【0141】
(2)乗合モードでの対応方法
【0142】
この場合の対応方法はケース3と同様に行われ得る。自律移動体10の下車中信号が受信されると、エレベーター制御部20は、ドア閉鎖ボタンを無効化し、エレベータードアを開放状態に維持する。ところが、この状態で自律移動体10の下車に問題が発生したにもかかわらず、自律移動体10から下車完了信号が受信されるまでエレベーターカーを待機させる場合、他の乗客に大きな不便をもたらし得る。
【0143】
したがって、本発明は、自律移動体10の下車中信号が受信された後、所定の時間、好ましくは、ロボット開放待機時間が経過するときまで下車完了信号が受信されない場合、ドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、乗客の入力によってドアが閉鎖され得るようにする。
【0144】
ただし、この場合は、自律移動体10の下車中信号が受信された状態であって、自律移動体10がエレベータードアゾーン内に存在する可能性があるので、所定の時間又はロボット開放待機時間が経過した場合にも、エレベータードアは自動的に閉鎖されないようにする。
【0145】
エレベータードアが自動的には閉鎖されないが、ドア閉鎖ボタンの無効化が解除されるので、該当のエレベーターを利用する他の乗客がドアを閉鎖できる状況であるかどうかを確認し、閉鎖できる状況である場合、ドア閉鎖ボタンを操作しながらドアを閉鎖し、他の階にエレベーターカーを出発させることができる。
【0146】
また、エレベータードアゾーンに設置される監視装置(例えば、カメラ又は物体感知センサーなど)を用いてエレベータードアゾーンに自律移動体10がないと判定される場合は、エレベーター制御部20で直接エレベータードアを閉鎖できるように制御することもできる。
【0147】
(3)ロボット専用モードでの対応方法
【0148】
この場合の対応方法もケース3と同様に行われ得る。ロボット専用モードでも、自律移動体10の下車中信号が受信されると、エレベーター制御部20は、ドア閉鎖ボタンを無効化し、エレベータードアを開放状態に維持する。
【0149】
ただし、ロボット専用モードは、他の人の乗客が一緒に利用しないモードであるので、所定の時間が経過するときまで自律移動体10の下車完了信号の受信がない場合にも、ドア閉鎖ボタンの無効化を維持しながら継続してドアの開放状態を維持することができる。
【0150】
この場合は、必要時に自律移動体10の故障処理が行われてもよく、自律移動体10の故障処理が完了した後、エレベーター制御部20は、自律移動体10を管理するロボット管理システムから特定の指令を受けてからドア閉鎖ボタンの無効化を解除し、エレベータードアを閉鎖し、他の階のサービスのためにエレベーターカーを出発させることができる。
【0151】
各ケース別及びエレベーターの設定モード別の対応方法を下記の[表1]のようにまとめることができる。
【0152】
【0153】
以上で説明したように、本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムは、自律移動体10の乗下車手順の進行中に失敗が発生したとき、所定の条件下でエレベータードアを制御し、開放拘束を解除(ドア閉鎖ボタンの無効化解除)する対応手順を樹立することによって、エレベーターのサービス遅延が発生することを効果的に防止し、効率的な運用を可能にすることを特徴とする。
【0154】
以上で説明した本発明に係るロボット連動エレベーター制御システムは、自律移動体10とエレベーター制御部20から受信される信号を処理し、それに対応する命令を生成及び出力するプロセスを行うコンピューター又はプログラムに該当するサーバーで具現され得る。また、プロセスを行う過程でデータが記憶及び記録される記録媒体を含むことができ、記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などがある。
【0155】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様に修正及び変形可能であることは、この技術分野で通常の知識を有する者にとって自明である。したがって、そのような修正例及び変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するものと見なすべきであろう。
【符号の説明】
【0156】
10 自律移動体
20 エレベーター制御部
21 呼び出し受信部
22 割り当て部
23 乗下車制御部
24 走行制御部
25 ドア制御部