(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】不正レシート検出プログラム、不正レシート検出方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240905BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2023181020
(22)【出願日】2023-10-20
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】393011544
【氏名又は名称】株式会社アイエスピー
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100096725
【氏名又は名称】堀 明▲ひこ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】名手 正太
(72)【発明者】
【氏名】田口 剛
(72)【発明者】
【氏名】山田 典子
(72)【発明者】
【氏名】相馬 将範
(72)【発明者】
【氏名】江田 陽介
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186726(JP,A)
【文献】特開2020-113005(JP,A)
【文献】特開2018-163387(JP,A)
【文献】特開2018-197985(JP,A)
【文献】特開2015-079371(JP,A)
【文献】特開2018-101189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシートの画像を取得し、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、
抽出した前記電話番号が予め定められた
発行元に含まれる第1の発行元の電話番号であるかを判定し、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、
前記予め定められた発行元それぞれに対応付けて発行元ごとに設定されたレシートの記載ルールが記憶された第1記憶部から、前記第1の発行元のレシートの記載ルールを読み出し、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする不正レシート検出プログラム。
【請求項2】
前記第1記憶部において、前記
予め定められた発行元
それぞれに対応付けて、レシートにおける小計の記載ルール、商品の識別情報の記載ルール、日付の記載ルール、不正キーワードの少なくとも1つ
が記憶されて
いる、ことを特徴とする請求項1に記載の不正レシート検出プログラム。
【請求項3】
前記第1記憶部において、前記
予め定められた発行元
それぞれに対応付けて、
前記予め定められた発行元
それぞれが発行するレシートにおける商品それぞれの表記
に関する記載ルールが記憶されて
いる、ことを特徴とする請求項1に記載の不正レシート検出プログラム。
【請求項4】
レシートの画像を取得し、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、
抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定し、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点がある場合に、前記画像を目視にて確認すべき旨を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする不正レシート検出プログラム。
【請求項5】
レシートの画像を取得し、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、
抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定し、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力し、
前記画像に含まれるレシートが発行元から正規に発行されたレシートであるかを確認する第2の確認処理を実行し、前記第2の確認処理の結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする不正レシート検出プログラム。
【請求項6】
前記第2の確認処理の結果、前記画像に含まれるレシートが正規に発行されたレシートでないと確認された場合に、前記画像を目視にて確認すべき旨を出力する、請求項5に記載の不正レシート検出プログラム。
【請求項7】
前記レシートの画像は、特定の商品の購入特典のキャンペーンに応募する人が、キャンペーン実施者に対して送信する画像である、ことを特徴とする請求項1
~6のいずれか一項に記載の不正レシート検出プログラム。
【請求項8】
レシートの画像を取得し、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、
抽出した前記電話番号が予め定められた
発行元に含まれる第1の発行元の電話番号であるかを判定し、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、
前記予め定められた発行元それぞれに対応付けて発行元ごとに設定されたレシートの記載ルールが記憶された第1記憶部から、前記第1の発行元のレシートの記載ルールを読み出し、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする不正レシート検出方法。
【請求項9】
レシートの画像を取得し、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、
抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定し、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点がある場合に、前記画像を目視にて確認すべき旨を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする不正レシート検出方法。
【請求項10】
レシートの画像を取得し、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、
抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定し、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力し、
前記画像に含まれるレシートが発行元から正規に発行されたレシートであるかを確認する第2の確認処理を実行し、前記第2の確認処理の結果を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする不正レシート検出方法。
【請求項11】
レシートの画像を取得するレシート画像取得部と、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出する情報抽出部と、
抽出した前記電話番号が予め定められた
発行元に含まれる第1の発行元の電話番号であるかを判定する判定部と、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、
前記予め定められた発行元それぞれに対応付けて発行元ごとに設定されたレシートの記載ルールが記憶された第1記憶部から、前記第1の発行元のレシートの記載ルールを読み出し、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力する処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
レシートの画像を取得するレシート画像取得部と、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出する情報抽出部と、
抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定する判定部と、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点がある場合に、前記画像を目視にて確認すべき旨を出力する処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項13】
レシートの画像を取得するレシート画像取得部と、
前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出する情報抽出部と、
抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定する判定部と、
前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力し、前記画像に含まれるレシートが発行元から正規に発行されたレシートであるかを確認する第2の確認処理を実行し、前記第2の確認処理の結果を出力する処理部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正レシート検出プログラム、不正レシート検出方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の商品の販売促進を図るため、当該商品を購入した人のみが参加・応募できるキャンペーンを実施することがある。このようなキャンペーンにおいては、特定の商品を購入した際に店舗で発行されたレシートの画像をキャンペーン実施者に送信(提出)することを参加・応募の条件にすることがある。
【0003】
このようなキャンペーンを実施した場合、レシートを改変、捏造等して不正レシートを作成し、当該不正レシートを用いてキャンペーンに応募する人が出てくる可能性がある。
【0004】
最近では、不正レシートを検出する技術として、例えば特許文献1、2等の技術が知られている。特許文献1には、レシート情報が応募情報データベースに既に登録されているか否か(重複しているか否か)を判定し、レシートの偽造や改ざんを判定することや、レシート情報に含まれる購入商品ごとの金額(単価)と購入数とから購入商品ごとに合計金額を算出し、算出した合計金額がレシート情報の合計金額と一致するかどうかを判定して、レシートの偽造や改ざんを判定することについて記載されている。また、特許文献2には、実際に会計処理を行った時刻とレシートに記載された会計処理時刻を比較することで、実際に購買行動を行っていないレシートによる不正な応募であるか否かを判断する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-079371号公報
【文献】特開2018-101189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2等の技術を用いても、不正レシートを検出できないおそれがある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、不正の可能性のあるレシートの情報を出力することが可能な不正レシート検出プログラム、不正レシート検出方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、不正レシート検出プログラムは、レシートの画像を取得し、前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、抽出した前記電話番号が予め定められた発行元に含まれる第1の発行元の電話番号であるかを判定し、前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記予め定められた発行元それぞれに対応付けて発行元ごとに設定されたレシートの記載ルールが記憶された第1記憶部から、前記第1の発行元のレシートの記載ルールを読み出し、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力する、処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
不正の可能性のあるレシートの情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るキャンペーン運用システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2(a)は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図であり、
図2(b)は、ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、管理者用端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5(a)は、対象店舗DBの一例を示す図であり、
図5(b)は、ルールテーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、サーバが実行する不正レシートチェック処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7(a)は、レシート画像の一例を示す図であり、
図7(b)は、レシート画像から電話番号を抽出する処理について説明するための図である。
【
図8】
図8は、
図6のステップS18の詳細処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、不正レシートについて説明するための図(その1)である。
【
図15】
図15は、不正レシートについて説明するための図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、キャンペーン運用システムの一実施形態について、
図1~
図15に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は、一実施形態に係るキャンペーン運用システム100の構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態のキャンペーン運用システム100は、情報処理装置としてのサーバ10と、ユーザ端末60と、管理者用端末70と、を備える。サーバ10、ユーザ端末60、及び管理者用端末70は、インターネットなどのネットワーク80に接続されており、各装置間で情報のやり取りが可能となっている。
【0013】
サーバ10は、ユーザ端末60からのキャンペーンへの応募を受け付ける。本実施形態におけるキャンペーンは、特定の商品を購入した人が応募できるキャンペーンであるものとする。特定の商品を購入した人(キャンペーンの応募者)は、特定の商品の購入時に販売店が発行したレシートを自己の端末(ユーザ端末60)を用いて撮影し、撮影した画像(レシート画像)とともに自己の個人情報(氏名、住所など)等をサーバ10に送信する。
【0014】
サーバ10は、ユーザ端末60から送信されてきたレシート画像と応募者の個人情報等を取得し、応募者の情報として管理する。また、サーバ10は、応募者の情報を利用して、抽選を行うなどしてキャンペーンに関する処理を実施する。また、サーバ10は、レシート画像において撮影されているレシートが不正レシートの可能性がないかをチェックし、不正レシートの可能性がある場合には、管理者用端末70に対し、レシート画像を目視で確認する必要がある旨を出力する。更に、サーバ10は、管理者用端末70から不正レシートである旨の入力を受け付けた場合、不正レシートを送信してきた応募者を抽選対象から除外するなどの処理を実行する。
【0015】
図2(a)には、サーバ10のハードウェア構成の一例が示されている。
図2(a)に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、ストレージ(例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等)96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいはストレージ96に格納されているプログラム(不正レシート検出プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、
図4に示す各部の機能が実現される。なお、
図4の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、
図4の各部の詳細については後述する。
【0016】
ユーザ端末60は、スマートフォンなどの情報処理端末であり、キャンペーンに応募するユーザ(応募者)が保有し、利用する端末である。ユーザ端末60からは、キャンペーンのサイトにアクセスできるようになっており、当該サイトにおいて、レシート画像と応募者の個人情報を入力し、送信することで、キャンペーンに応募することが可能となっている。
図2(b)には、ユーザ端末60のハードウェア構成の一例が示されている。
図2(b)に示すように、ユーザ端末60は、CPU190、ROM192、RAM194、ストレージ196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及びカメラ189等を備えている。これらユーザ端末60の構成各部は、バス198に接続されている。表示部193は液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、タッチパネル等を含む。カメラ189は、ユーザの操作に応じて、被写体を撮影し、画像を生成する。本実施形態では、カメラ189は、レシートを撮影した画像(レシート画像)を生成するものとする。なお、ユーザ端末60は、カメラ189を有していなくてもよい。この場合、ユーザ端末60は、他の装置で撮影されたレシート画像を通信等により取得できれば良い。
【0017】
管理者用端末70は、キャンペーンの管理者が利用するPC(Personal Computer)などの端末である。管理者用端末70には、サーバ10において不正レシートの可能性があるレシートが見つかった場合に、当該レシートを管理者が目視により確認すべき旨が通知される。管理者用端末70は、サーバ10から当該通知を受けたタイミングで、表示部293(
図3参照)を介して、管理者にその旨を通知する。管理者は、表示部293に通知があった場合に、管理者用端末70を用いてレシートを目視にて確認する。
【0018】
図3には、管理者用端末70のハードウェア構成の一例が示されている。
図3に示すように、管理者用端末70は、CPU290、ROM292、RAM294、ストレージ296、ネットワークインタフェース297、表示部293、及び入力部295等を備えている。これら管理者用端末70の構成各部は、バス298に接続されている。
【0019】
(サーバ10の機能について)
次に、
図4に基づいて、サーバ10の機能について説明する。
図4は、サーバ10の機能ブロック図である。
【0020】
図4に示すように、サーバ10においては、CPU90がプログラムを実行することで、応募情報取得部20、レシート画像取得部22、情報抽出部24、判定部としての店舗特定部26、レシート解析部28、通知部29としての機能が実現されている。なお、
図4には、RAM94やストレージ96等に格納されている応募情報DB30、対象店舗DB32、第1記憶部及び第2記憶部としてのルールテーブル34、戻り値テーブル36についても図示されている。
【0021】
応募情報取得部20は、ユーザ端末60から送信されてきたレシート画像や応募者の個人情報等を取得し、応募情報DB30に格納する。応募情報DB30には、レシート画像と応募者の個人情報等とが、紐付けて格納される。
【0022】
レシート画像取得部22は、応募情報DB30に格納されているレシート画像から、不正チェック対象のレシート画像を取得する。不正チェック対象のレシート画像とは、未だ不正チェックを行っていないレシート画像である。
【0023】
情報抽出部24は、レシート画像取得部22が取得したレシート画像をOCR(Optical Character Recognition/Reader)等を用いて解析して、レシート画像からレシートの各種情報を抽出する。各種情報には、「(レシートの発行元の)電話番号」、「合計金額」、「日時」、「支払情報(支払金額(種別)、お釣り)」、「商品情報(商品名、金額、単価と個数、JAN(Japanese Article Number)コード、割引)」、「税情報(税率8%、10%それぞれの合計金額や税額)」、「レシート付加情報(ポイントカード情報、事業者番号)」等がある。
【0024】
店舗特定部26は、情報抽出部24が抽出したレシートの発行元の電話番号の情報を取得し、対象店舗DB32を参照して、レシートの発行元が予め定められた「対象店舗」(第1の発行元)であるか否かを特定する。ここで、対象店舗DB32は、
図5(a)に示すようなデータ構造を有する。具体的には、対象店舗DB32には、予め定められた対象店舗の「流通名」及び「店舗名」と、店舗それぞれの「電話番号」と、が格納されている。なお、対象店舗とは、後述するルールテーブル34において、レシートの記載に関するルールが管理されている店舗を意味する。
【0025】
図4に戻り、レシート解析部28は、情報抽出部24が抽出した情報を用いて、ルールテーブル34に基づいて、レシートが不正レシートの可能性があるかを解析する。レシート解析部28は、不正レシートの可能性があった場合に、戻り値を通知部29に対して出力する。なお、詳細については後述するが、レシートの発行元が対象店舗である場合と、対象店舗でない場合とで、解析の方法は異なる。ルールテーブル34は、
図5(b)に示すようなテーブルである。具体的には、
図5(b)に示すように、ルールテーブル34には、流通名ごとに、各流通が発行するレシートに小計が記載されるか否か(〇/×)、JANコードが記載されるか否か(〇/×)、日付位置がレシートのどの位置であるか、不正キーワードが何か、キャンペーン対象商品をどのように表記するかの情報が格納されている。JANコードは、商品の識別情報であり、商品ごとに付与される13桁又は8桁の数字から成るコードである。
【0026】
通知部29は、レシート解析部28から出力される戻り値に基づいて、管理者用端末70に対して通知を行う。通知部29は、通知を行う際に戻り値テーブル36を参照する。なお、戻り値テーブル36の詳細については、後述する。
【0027】
(サーバ10の処理について)
次に、サーバ10の処理について、フローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。
【0028】
図6は、サーバ10が実行する不正レシートチェック処理を示すフローチャートである。
図6の処理が開始される前提として、
図4の応募情報取得部20は、キャンペーンに応募してきた応募者のレシート画像と応募者の個人情報とを取得し、応募情報DB30に格納しているものとする。
図6の処理は、応募情報DB30に格納されている不正チェック対象のレシート画像(未だ不正チェックを行っていないレシート画像)それぞれについて、不正レシートの可能性があるかをチェックする処理である。
【0029】
図6の処理が開始されると、まず、ステップS10において、レシート画像取得部22は、不正チェック対象のレシート画像を応募情報DB30から1枚取得する。
【0030】
次いで、ステップS12において、情報抽出部24は、レシート画像取得部22が取得したレシート画像をOCR等を用いて解析して、レシート画像からレシートの発行元の電話番号の情報を抽出する。例えば、
図7(a)に示すようなレシート画像が不正チェック対象のレシート画像であったとする。情報抽出部24は、
図7(a)のレシート画像から、
図7(b)において破線枠で示す電話番号の情報を取得する。このとき、情報抽出部24は、例えば、レシート画像内に存在する「(」、「)」、「-」等の記号を除く10桁(又は11桁)の数字の列を抽出し、レシートの発行元の電話番号の情報とする。
【0031】
次いで、ステップS14において、店舗特定部26は、情報抽出部24が抽出した電話番号から店舗を特定する。より具体的には、店舗特定部26は、対象店舗DB32を参照して、レシートの発行元が対象店舗のいずれかであるか、または対象店舗以外の店舗であるかを特定する。店舗特定部26による特定結果は、情報抽出部24に送信される。
【0032】
次いで、ステップS16において、情報抽出部24は、店舗が対象店舗か否かを判断する。このステップS16の判断が肯定された場合には、ステップS18に移行し、否定された場合には、ステップS22に移行する。
【0033】
ステップS18に移行した場合、対象店舗レシート解析処理が実行される。このステップS18においては、
図8のフローチャートに沿った処理が実行される。
【0034】
図8の処理が開始されると、まず、ステップS50において、情報抽出部24は、レシート画像から合計金額を抽出する。情報抽出部24は、例えば、レシート画像からOCRを用いて「合計」の文字を抽出し、「合計」の文字の右側に位置する数字の列を合計金額として抽出する。
図7(a)のレシート画像の場合、
図9に示すように、「2,028」が抽出される。
【0035】
次いで、ステップS52において、情報抽出部24は、レシート画像から日時(購入日時)を抽出する。情報抽出部24は、例えば、レシート画像からOCRを用いて、予め定められている日時のフォーマットに沿って記載されている文字列を抽出する。
図7(a)のレシート画像の場合、
図9に示すように、「2023年06月16日(日)11:11」が抽出される。
【0036】
次いで、ステップS54において、情報抽出部24は、レシート画像から支払金額とお釣りの金額を抽出する。
図7(a)のレシート画像の場合、情報抽出部24は、
図9に示すように、「支払」の文字列の右側に記載されている「2,028」を支払金額として抽出する。なお、レシートに「小計」が記載されている場合には、小計の金額情報も抽出する。
【0037】
次いで、ステップS56において、情報抽出部24は、レシート画像から購入商品の情報を抽出する。
図7(a)のレシート画像の場合、情報抽出部24は、
図9に示すように、大根、たまねぎ等の商品名、各商品の金額の情報を抽出する。なお、レシート画像の商品名の近傍に13桁又は8桁の数字列(JANコード)が記載されている場合には、JANコードについても抽出する。
【0038】
次いで、ステップS58において、情報抽出部24は、レシート画像から税情報を抽出する。
図7(a)のレシート画像の場合、情報抽出部24は、
図9に示すように、例えば税情報として「商品価格には消費税等を含みます。」の情報が抽出される。なお、レシートによっては、税率8%、10%それぞれの合計金額や税額が記載されている場合もあるので、このような記載がある場合には、この記載を税情報として抽出する。
【0039】
次いで、ステップS60において、情報抽出部24は、レシート画像からレシート付加情報を抽出する。
図7(a)のレシート画像の場合、情報抽出部24は、
図9に示すように、例えばレシート付加情報として、電子マネーの番号や残高、ポイントに関する情報が抽出される。
【0040】
次いで、ステップS62において、レシート解析部28は、不正レシートチェック処理する。ステップS62においては、
図10のフローチャートに沿った処理が実行される。
【0041】
図10の処理が開始されると、まず、ステップS100において、レシート解析部28は、小計の有無チェック処理を実行する。具体的には、レシート解析部28は、ルールテーブル34(
図5(b))を参照して、レシートの発行元がレシートに小計を記載するというルールになっているか否かを特定する。そして、レシート解析部28は、レシート画像から小計が抽出されたか否かを確認し、確認結果(小計の抽出有無)がルールテーブル34から特定された小計記載に関するルールと一致するか否かをチェックする。
【0042】
次いで、ステップS102において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。ステップS100の処理において、レシートにおける小計の表記がルールと一致していないことが確認された場合に、本ステップS102の判断は肯定される。このステップS102の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS104に移行する。
【0043】
ステップS104に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(1)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0044】
一方、ステップS102の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS106に移行する。ステップS106に移行すると、レシート解析部28は、JANコードの有無チェック処理を実行する。具体的には、レシート解析部28は、ルールテーブル34を参照して、レシートの発行元がレシートにJANコードを記載するというルールになっているか否かを特定する。そして、レシート解析部28は、レシート画像からJANコードが抽出されたか否かを確認し、確認結果(JANコードの抽出有無)がルールテーブル34から特定されたルールと一致するか否かをチェックする。
【0045】
次いで、ステップS108において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。ステップS106の処理において、レシートにおけるJANコードの表記が、発行元のJANコードの表記に関するルールと一致していないことが確認された場合に、本ステップS108の判断は肯定される。このステップS108の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS110に移行する。
【0046】
ステップS110に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(2)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0047】
一方、ステップS108の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS112に移行する。ステップS112に移行すると、レシート解析部28は、日付位置チェック処理を実行する。具体的には、レシート解析部28は、ルールテーブル34を参照して、レシートの発行元がレシートに日付を記載する際にどの位置に記載するルールになっているかを特定する。そして、レシート解析部28は、レシート画像から日付が抽出された位置を確認し、確認結果(日付の位置)がルールテーブル34から特定されたルールと一致するか否かをチェックする。
【0048】
次いで、ステップS114において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。ステップS112の処理において、レシートにおける日付の位置が、発行元の日付位置に関するルールと一致していないことが確認された場合に、本ステップS114の判断は肯定される。このステップS114の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS116に移行する。
【0049】
ステップS116に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(3)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0050】
一方、ステップS114の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS118に移行する。ステップS118に移行すると、レシート解析部28は、不正キーワードチェック処理を実行する。具体的には、レシート解析部28は、ルールテーブル34を参照して、レシートの発行元が不正キーワードとして指定している文字列を特定する。そして、レシート解析部28は、ステップS50~S60においてレシート画像から抽出された文字列の中に不正キーワードと一致するものがないかをチェックする。例えば、レシートの発行元の店舗が「外8%」というキーワードをレシートに記載することが無いとする。この場合、ルールテーブル34に不正キーワード「外8%」が格納されているので、レシート解析部28は、ステップS58において「外8%」というキーワードが抽出されていた場合には、レシート画像から抽出された文字列の中に不正キーワードと一致するものがあったと判断する。
【0051】
次いで、ステップS120において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。ステップS118の処理において、レシートから抽出した文字列に不正キーワードが含まれていたことが確認された場合に、本ステップS120の判断は肯定される。このステップS120の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS122に移行する。
【0052】
ステップS122に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(4)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0053】
一方、ステップS120の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS124に移行する。ステップS124に移行すると、レシート解析部28は、トレーニングレシートチェック処理を実行する。トレーニングレシートとは、店舗の店員がレジ打ちの練習用のモード(トレーニングモード)でレジ操作を行ったときに出力されるレシートである。このため、トレーニングレシートを用いたキャンペーンへの参加や応募は不正である。本ステップS124では、レシート画像に含まれるレシートがトレーニングレシートであるかを確認する。具体的には、レシート解析部28は、レシート画像に「トレーニング」や「練習」という記載がある場合に、トレーニングレシートであるとする。
【0054】
次いで、ステップS126において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。レシート解析部28は、ステップS124の処理において、レシートがトレーニングレシートであると判断した場合に、不正を検知したと判断する。このステップS126の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS128に移行する。
【0055】
ステップS128に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(5)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0056】
一方、ステップS126の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS130に移行する。ステップS130に移行すると、レシート解析部28は、再発行レシートチェック処理を実行する。再発行レシートが発行された場合、購入者の手元に最初に発行されたレシートと再発行レシートがある可能性がある。したがって、再発行レシートを用いたキャンペーンへの参加や応募は不正であると取り扱うものとする。本ステップS130では、レシート解析部28は、レシート画像に「再発行」や「リプリント」という記載がある場合に、再発行レシートであるとする。なお、店舗によっては、再発行レシートに「再発行」や「リプリント」などの文字列が記載されない場合がある。このような場合には、その他の方法により再発行レシートか否かを確認すればよい。例えば、再発行レシートの場合、日付と電話番号の位置関係が通常のレシートの場合と異なるのであれば、日付と電話番号の位置関係に基づいて再発行レシートか否かを判断すればよい。また、例えば、再発行レシートの場合、合計金額と電話番号の位置関係が通常のレシートの場合と異なるのであれば、合計金額と電話番号の位置関係に基づいて再発行レシートか否かを判断すればよい。また、例えば、再発行レシートの場合、合計金額と日付の位置関係が通常のレシートの場合と異なるのであれば、合計金額と日付の位置関係に基づいて再発行レシートか否かを判断すればよい。なお、再発行レシートか否かをどのようなルールに基づいて判断するかについては、店舗ごとにルールテーブル34に格納しておけばよい。この場合、レシート解析部28は、ステップS126を実行する際にルールテーブル34を参照するようにすればよい。
【0057】
次いで、ステップS132において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。レシート解析部28は、ステップS130の処理において、レシートが再発行レシートであると判断した場合に、不正を検知したと判断する。このステップS132の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS134に移行する。
【0058】
ステップS134に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(6)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0059】
一方、ステップS132の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS136に移行する。ステップS136に移行すると、レシート解析部28は、メンテナンスレシートチェック処理を実行する。メンテナンスレシートとは、メンテナンス時に出力されるレシートである。メンテナンスレシートを用いたキャンペーンへの参加や応募は不正であると取り扱うものとする。本ステップS136では、レシート解析部28は、レシート画像に例えば「メンテナン」という記載がある場合に、メンテナンスレシートであるとする。
【0060】
次いで、ステップS138において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。レシート解析部28は、ステップS136の処理において、レシートがメンテナンスレシートであると判断した場合に、不正を検知したと判断する。このステップS138の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS140に移行する。
【0061】
ステップS140に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(7)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0062】
一方、ステップS138の判断が否定された場合(不正を検知しなかった場合)、レシート解析部28は、ステップS142に移行する。ステップS142に移行すると、レシート解析部28は、電子ジャーナルレシートチェック処理を実行する。電子ジャーナルレシートとは、精算処理の際などに発行する売上情報や販売状況などを記載したレシートである。電子ジャーナルレシートを用いたキャンペーンへの参加や応募は不正であると取り扱うものとする。本ステップS142では、レシート解析部28は、レシート画像に例えば「電子ジャーナ」や「子ジャーナル」という記載がある場合に、電子ジャーナルレシートであるとする。
【0063】
次いで、ステップS144において、レシート解析部28は、不正を検知したかを判断する。レシート解析部28は、ステップS142の処理において、レシートが電子ジャーナルレシートであると判断した場合に、不正を検知したと判断する。このステップS144の判断が肯定された場合(不正を検知した場合)には、ステップS146に移行する。
【0064】
ステップS146に移行すると、レシート解析部28は、戻り値(8)を通知部29に出力し、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0065】
一方、ステップS144の判断が否定された場合(不正が検知されなかった場合)には、
図10の処理を終了して、
図6のステップS20に移行する。
【0066】
図6に戻り、ステップS20に移行すると、レシート解析部28は、商品表記判定処理を実行する。レシート解析部28は、ルールテーブル34の「対象商品表記」の欄を参照し、レシートにおけるキャンペーンの対象商品の表記が店舗ごとに定められている商品表記と一致するか否かをチェックする。レシート解析部28は、
図8のステップS56で抽出した購入商品の情報の中から、対象商品の表記を特定する。例えば、対象商品の正式名称が「ザ・みなとフリーゼロ」であった場合に、正式名称に対応する購入商品の表記(
図9の場合、「みなとフリーゼロ」)を特定し、その表記がルールテーブル34に格納されている当該店舗に対応する対象商品表記と一致するかを確認する。この確認の結果、商品表記が一致していなかった場合には、レシート解析部28は、戻り値(9)を通知部29に出力し、ステップS24に移行する。一方、商品表記が一致していた場合には、通知部29への出力は行わずに、ステップS24に移行する。
【0067】
ところで、
図6のステップS16の判断が否定された場合(店舗が対象店舗でなかった場合)には、ステップS22に移行し、非対象店舗レシート解析処理が実行される。このステップS22においては、
図11のフローチャートに沿った処理が実行される。なお、
図11のステップS150、S152、S154、S156、S158、S160の処理は、
図8のステップS50、S52、S54、S56、S58、S60の処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
図11のステップS160の処理が実行された後は、ステップS162に移行する。ステップS162においては、
図12のフローチャートに沿った処理が実行される。なお、
図12のステップS224~S246の処理は、
図10のステップS124~S146と同様となっている。すなわち、レシートの発行元の店舗が対象店舗でなかった場合には、
図10のステップS100~S122の処理は実行しない。なお、ステップS230の再発行レシートチェック処理においては、レシート解析部28は、レシート画像に特定の文字列「再発行」や「リプリント」)がある場合に、再発行レシートであると判断するものとする。
【0068】
なお、
図11のステップS150~S160において抽出した情報は、ステップS162の不正レシートチェックにおいて用いないが、後述する
図6のステップS24において用いることができる。なお、ステップS150~S160のうち一部の処理を省略してもよい。
【0069】
以上のようにして、
図6のステップS22の処理が行われた後は、ステップS24に移行する。
【0070】
ステップS18及びS20の処理、又はステップS22の処理を経て、ステップS24に移行すると、レシート解析部28は、その他のチェック処理を実行する。その他のチェック処理では、既知の不正レシートのチェック処理(例えば特許文献1、2に記載のチェック処理)が実行されることになる。レシート解析部28は、例えば、過去のレシート画像と同一のレシート画像でないか(重複レシートでないか)を電話番号・合計金額・日時を用いてチェックする。レシート解析部28は、チェックの結果、不正レシートであると判定した場合には、戻り値(10)を通知部29に出力する。
【0071】
次いで、ステップS26に移行すると、通知部29は、管理者用端末70に対してチェック結果を通知する処理を実行する。具体的には、通知部29は、ステップS18、S20、S22、S24においてレシート解析部28から戻り値が出力された場合に、不正レシートである可能性がある旨や目視にてレシート画像を確認すべき旨を管理者用端末70に通知する。このとき、通知部29は、戻り値テーブル36を参照して、レシート解析部28から出力された戻り値に対応する不正箇所(不正レシートと判断した根拠箇所)の情報も併せて表示する。なお、戻り値テーブル36は、
図13に示すようなテーブルであり、戻り値と不正箇所とが対応付けて格納されている。
【0072】
次いで、ステップS28において、レシート画像取得部22は、全てのチェック対象のレシート画像のチェックが完了したか否かを判断する。すなわち、レシート画像取得部22は、応募情報DB30に格納されているレシート画像の全てを取得済みであるかを判断する。このステップS28の判断が否定された場合には、ステップS10に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。一方、ステップS28の判断が肯定された場合には、
図6の全処理が終了する。
【0073】
ここで、本実施形態においては、レシートの発行元の店舗が対象店舗である場合に、ステップS100、S106、S112、S118を実行するので、例えば、
図14、
図15に模式的に示すように、店舗Aのレシート(レシートA)のヘッダ及びフッタと店舗Bのレシート(レシートB)の一部とを組み合わせて(繋ぎ合わせて)レシート画像を作成した場合であっても、不正レシートの可能性があることを検出することができる。
図14の例においては、不正チェック対象のレシートの電話番号から、店舗Aのレシートであることが特定される。店舗Aのレシートには、通常、小計は記載されない。一方、
図14の不正チェック対象のレシートには、小計が記載されている。この場合、管理者用端末70には、不正レシートの可能性がある旨が通知されることになる(S102:肯定、S104)。なお、仮に、
図14の不正チェック対象のレシートに小計が記載されていなかったとしても、不正チェック対象のレシートの日付位置がレシートAの日付位置と異なっているため、管理者用端末70には、不正レシートの可能性がある旨が通知されることになる(S114:肯定、S116)。
【0074】
また、
図15の例においても、不正チェック対象のレシートの電話番号から、店舗Aのレシートであることが特定される。この場合にも、
図15の不正チェック対象のレシートには、小計が記載されているので、管理者用端末70には、不正レシートの可能性がある旨が通知されることになる(S102:肯定、S104)。なお、仮に、不正チェック対象のレシートに小計が記載されていなかったとしても、
図15の不正チェック対象のレシートにはJANコードが記載されており、レシートAと異なる(店舗AはJANコードを記載しない)ため、管理者用端末70には、不正レシートの可能性がある旨が通知される(S108:肯定、S110)。なお、
図14、
図15の不正チェック対象のレシートに、上記不正が無くても、レシートの一部(レシートBの部分)にレシートAの発行元に対応する不正キーワード(レシートAの発行元が使用しないキーワード)が記載されていれば、不正レシートの可能性がある旨が通知される(S120:肯定、S122)
【0075】
また、
図14、
図15の場合、不正チェック対象のレシート画像の商品表記「みなとフリー」が「みなとフリーゼロ」と異なるため、
図6のステップS20の商品表記判定処理の結果、管理者用端末70には、不正レシートの可能性がある旨が通知されることになる。
【0076】
なお、管理者は、管理者用端末70を用いて不正レシートの可能性のあるレシート画像を目視にてチェックし、不正レシートであると判断した場合には、キャンペーンの参加者又は応募者から除外する旨を管理者用端末70に入力する。なお、管理者は、不正レシートを用いた人をブロック対象とし、再度の参加や応募ができないようにしてもよい。
【0077】
なお、本実施形態においては、レシート解析部28と通知部29とにより、不正チェック対象のレシートが不正レシートであるかを確認し、確認結果を管理者用端末70に通知する処理部としての機能が実現されている。
【0078】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、サーバ10のレシート画像取得部22は、レシート画像を応募情報DB30から取得し(
図6のS10)、情報抽出部24は、レシート画像からレシートの発行元の電話番号を抽出する(
図6のS12)。また、レシート解析部28は、抽出した電話番号が対象店舗の電話番号であった場合に(
図6のS16:肯定)、レシート画像の中に対象店舗のレシートの記載ルール(ルールテーブル34)と一致しない点があるかをチェックする(
図6のS18、
図8のS62、
図10のS100~S122)。そして、通知部29は、レシート解析部28が不正レシートの可能性があると判断した場合に、管理者用端末70に通知する(
図6のS26)。これにより、一のレシートのヘッダとフッタと、他のレシートのヘッダ及びフッタ以外の部分とを繋ぎ合わせたような不正レシートでキャンペーンへの応募があった場合であっても、精度よく不正レシートを検出し、管理者用端末70に通知することができる。また、応募者が独自に不正レシートを作成した場合にも、精度よく不正レシートであることを検出することができる。
【0079】
また、本実施形態では、ルールテーブル34において、対象店舗それぞれと対応付けて、レシートにおける小計の記載ルール、商品の識別情報の記載ルール、日付の記載ルール、不正キーワードが記憶されており、レシート解析部28は、ルールテーブル34を参照して、不正レシートの可能性があるかを判断する(
図10のS100~S122)。これにより、対象店舗それぞれにおいて独自に設定されているレシートの記載ルールを用いて、精度よく不正レシートを検出することができる。
【0080】
また、本実施形態では、ルールテーブル34において、対象店舗それぞれと対応付けて、対象商品の表記が記憶されており、レシート解析部28は、ルールテーブル34の「対象商品表記」の欄を参照して、不正レシートの可能性があるかを判断する(
図6のS20)。これにより、対象店舗それぞれにおいて独自に設定されている商品表記を用いて、精度よく不正レシートを検出することができる。
【0081】
また、本実施形態では、レシート解析部28が不正レシートの可能性があると判断した場合に、通知部29は、管理者に対し目視にてレシート画像を確認すべき旨を通知する。これにより、レシート解析部28と管理者の双方によりレシート画像を確認することができるため、不正レシートを精度よく特定することができる。
【0082】
また、本実施形態では、レシートが、発行元から正規に発行されたレシートであるかを確認する(
図10のS124~S146,
図12のS224~S246)。これにより、正規に発行されていないレシートを用いたキャンペーンへの応募や参加を防止することができる。
【0083】
なお、上記実施形態では、
図10、
図12において、1度不正が検知された場合には、その後の不正チェックは行わずに、
図10、
図12の処理を終了する場合について説明したが、これに限られるものではない。レシート解析部28は、
図10、
図12の全ての不正チェックを行い、検知された不正に対応する戻り値を通知部29に対して全て出力してもよい。なお、
図10、
図12の不正チェックの順番は、一例であり、その他の順番で不正チェックを行うこととしてもよい。また、
図10、
図12の一部の不正チェックの実施を省略してもよい。また、
図5(b)のルールテーブル34にその他のルールが格納されている場合には、
図10の処理において、当該ルールに基づく不正チェックを実行することとしてもよい。
【0084】
なお、上記実施形態では、
図6のステップS18、S20、S22、S24の不正チェックを行う場合について説明したが、これに限らず、少なくともステップS18を行えば、その他の不正チェックは必ずしも行わなくてもよい。
【0085】
なお、上記実施形態では、ステップS20の商品表記判定処理において、キャンペーン対象商品のレシート表記が、店舗が使用する表記と一致するか否かを判断することとしたが、これに限られるものではない。すなわち、ステップS20において、キャンペーン対象商品以外の商品のレシート表記が、店舗が使用する表記と一致するか否かを判断することとしてもよい。
【0086】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0087】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0088】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0089】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0090】
10 サーバ(情報処理装置)
20 応募情報取得部
22 レシート画像取得部
24 情報抽出部
26 店舗特定部(判定部)
28 レシート解析部(処理部の一部)
29 通知部(処理部の一部)
30 応募情報DB
32 対象店舗DB
34 ルールテーブル(第1記憶部、第2記憶部)
36 戻り値テーブル
60 ユーザ端末
70 管理者用端末
100 キャンペーン運用システム
【要約】
【課題】不正の可能性のあるレシートの情報を出力する。
【解決手段】不正レシート検出プログラムは、レシートの画像を取得し、前記画像から前記レシートを発行した発行元の電話番号を抽出し、抽出した前記電話番号が予め定められた第1の発行元の電話番号であるかを判定し、前記判定の結果、抽出した前記電話番号が前記第1の発行元の電話番号であった場合に、前記画像に含まれるレシートに前記第1の発行元のレシートの記載ルールと一致しない点があるかを確認する第1の確認処理を実行し、前記第1の確認処理の結果を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図14