(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】出力装置、出力方法及び出力プログラム
(51)【国際特許分類】
G10L 13/02 20130101AFI20240905BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G10L13/02 130Z
G10L13/00 100J
(21)【出願番号】P 2023506471
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 JP2021010746
(87)【国際公開番号】W WO2022195750
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】住田 純
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 高志
(72)【発明者】
【氏名】坪井 善美
(72)【発明者】
【氏名】青野 丈洋
(72)【発明者】
【氏名】小澤 富士典
(72)【発明者】
【氏名】石黒 留衣
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-161567(JP,A)
【文献】特開2004-240217(JP,A)
【文献】特開2004-145418(JP,A)
【文献】特開2016-014969(JP,A)
【文献】特開2005-011003(JP,A)
【文献】特開2003-030113(JP,A)
【文献】特開2002-297507(JP,A)
【文献】特開2001-109487(JP,A)
【文献】特開2001-005633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 13/00-25/93
G36F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段と、
前記電子メッセージ
に、データの位置を示す位置情報が含まれているか否かを判
定する判
定手段と、
前記判
定手段により前記電子メッセージ
に前記位置情報が含まれていないと判
定された場合に、前記電子メッセージを
出力部から音声で出力
させる出力
制御手段と、
を備えることを特徴とする出力装置。
【請求項2】
ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段と、
前記電子メッセージに、当該電子メッセージに添付されたデータを確認することを求めるテキストが含まれているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記電子メッセージに前記テキストが含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする出力装置。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の出力装置であって、
前記出力
制御手段は、前記電子メッセージが前記データを前記ユーザ以外の者が確認することを求める電子メッセージである場合には、前記電子メッセージを音声で出力
させないことを特徴とする出力装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3の何れか一項に記載の出力装置であって、
前記ユーザの音声により前記電子メッセージに対する回答が入力された場合に、前記音声に基づいて電子メッセージを作成する作成手段と、
前記取得手段が取得した前記電子メッセージの送信元に、前記作成手段が作成した前記電子メッセージを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする出力装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の出力装置であって、
前記作成手段は、前記ユーザの音声に対応するテキストを前記送信元に応じた形式に変換したテキストに基づいて、前記電子メッセージを作成することを特徴とする出力装置。
【請求項6】
出力装置による出力方法であって、
ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得工程と、
前記電子メッセージ
に、データの位置を示す位置情報が含まれているか否かを判
定する判
定工程と、
前記判
定工程により前記電子メッセージ
に前記位置情報が含まれていないと判
定された場合に、前記電子メッセージを
出力部から音声で出力
させる出力
制御工程と、
を含むことを特徴とする出力方法。
【請求項7】
出力装置による出力方法であって、
ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得工程と、
前記電子メッセージに、当該電子メッセージに添付されたデータを確認することを求めるテキストが含まれているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記電子メッセージに前記テキストが含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御工程と、
を含むことを特徴とする出力方法。
【請求項8】
コンピューターを、
ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段、
前記電子メッセージ
に、データの位置を示す位置情報が含まれているか否かを判
定する判
定手段、
前記判
定手段により前記電子メッセージ
に前記位置情報が含まれていないと判
定された場合に、前記電子メッセージを
出力部から音声で出力
させる出力
制御手段、
として機能させることを特徴とする出力プログラム。
【請求項9】
コンピューターを、
ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段、
前記電子メッセージに、当該電子メッセージに添付されたデータを確認することを求めるテキストが含まれているか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記電子メッセージに前記テキストが含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御手段、
として機能させることを特徴とする出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ユーザ宛ての電子メッセージを音声で出力する出力装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1等には、テキスト情報の内容を、音声合成を用いて読み上げる文書読み上げ装置が開示されており、こうした文書読み上げ装置は、例えば、自動車を運転中の運転手など、テキストを読むことが難しい状況にある者にとって有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その一方で、文書読み上げ装置が自動車を運転中の運転手に対して電子メール等の電子メッセージを受信する度に当該電子メッセージを読み上げることとした場合、運転手は煩わしさを感じる場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、こうした問題の一例に鑑み、ユーザ宛の電子メッセージが受信される度に当該電子メッセージを読み上げることがなく、ユーザに煩わしさを与えにくい、電子メッセージを音声で出力する出力装置等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段と、前記電子メッセージに、データの位置を示す位置情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記電子メッセージに前記位置情報が含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段と、前記電子メッセージに、当該電子メッセージに添付されたデータを確認することを求めるテキストが含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記電子メッセージに前記テキストが含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項6に記載の発明は、出力装置による出力方法であって、ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得工程と、前記電子メッセージに、データの位置を示す位置情報が含まれているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記電子メッセージに前記位置情報が含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御工程と、を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、出力装置による出力方法であって、ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得工程と、前記電子メッセージに、当該電子メッセージに添付されたデータを確認することを求めるテキストが含まれているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記電子メッセージに前記テキストが含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の発明は、コンピューターを、ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段、前記電子メッセージに、データの位置を示す位置情報が含まれているか否かを判定する判定手段、前記判定手段により前記電子メッセージに前記位置情報が含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御手段、として機能させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、コンピューターを、ユーザ宛の電子メッセージを取得する取得手段、前記電子メッセージに、当該電子メッセージに添付されたデータを確認することを求めるテキストが含まれているか否かを判定する判定手段、前記判定手段により前記電子メッセージに前記テキストが含まれていないと判定された場合に、前記電子メッセージを出力部から音声で出力させる出力制御手段、として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態における出力装置100の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施例における電子メール読み上げ装置200の構成例を示すブロック図である。
【
図3】本実施例における電子メール読み上げ装置200による電子メール読み上げ処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施例における電子メール読み上げ装置200による音声応答可否判別処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】変形例における電子メール読み上げ装置200による電子メール読み上げ処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】変形例における電子メール読み上げ装置200による音声応答可能時処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】変形例における電子メール読み上げ装置200による音声応答不可能時処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。
【0011】
図1に示すように、出力装置100は、取得手段101、判別手段102、出力手段103を備える。
【0012】
取得手段101は、ユーザ宛の電子メッセージを取得する。
【0013】
判別手段102は、電子メッセージが音声で回答できる電子メッセージであるか否かを判別する。
【0014】
出力手段103は、電子メッセージが音声で回答できる場合には電子メッセージを音声で出力する。
【0015】
出力装置100によれば、ユーザ宛の電子メッセージが音声で回答できる場合に電子メッセージが音声で出力されることから、ユーザ宛の電子メッセージが受信される度に当該電子メッセージが音声で出力されることなく、ユーザに煩わしさを与えることを防止できる。
【実施例】
【0016】
次に、上述した実施形態に対応する実施例について説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明を、自動車に搭載される電子メール読み上げ装置200に適用した場合の実施例である。
【0017】
[1.電子メール読み上げ装置200の構成]
図2を用いて、本実施例における電子メール読み上げ装置200の構成について説明する。
図2は、電子メール読み上げ装置200の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、電子メール読み上げ装置200は、制御部211と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等からなる記憶部212と、通信部213と、表示ユニット214と、タッチパネル215と、車内マイク216と、車内撮影用カメラ217と、スピーカー218と、を備えて構成されている。
【0019】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。そして、CPU211aが、ROM211bや記憶部212に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより「取得手段」、「判別手段」、「出力手段」として機能する。制御部211又はCPU211aは、「コンピュータ」に対応する。
【0020】
記憶部212は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム等の各種プログラムや、各種プログラムで利用されるデータや情報を記憶する。また、記憶部212は、ユーザ宛の電子メールを取得し、取得した電子メールが音声で回答できる電子メールであるか否かを判別し、電子メールが音声で回答できる場合には、電子メールを音声で出力する出力プログラムや、電子メールサーバを介して電子メールを送信及び受信が可能な電子メールプログラムを記憶している。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込むようにしても良い。
【0021】
通信部213は、無線通信デバイス等を有し、外部のサーバや端末と通信してデータを相互に送受信する。
【0022】
表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bを備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、制御部211から送られる制御情報に基づいて、表示ユニット214及びタッチパネル215の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、それぞれのタッチパネル215に即時表示可能な画像データを一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、タッチパネル215に画像が表示される。
【0023】
タッチパネル215は、表示ユニット214から受信した画像データに基づいて画像を表示させる。また、タッチパネル215は、操作者のタッチ操作を検出し、タッチされた位置等を示すタッチ操作データを制御部211に送信する。制御部211はタッチ操作データに基づいて何れの操作がなされたかを判別し、操作内容に応じて処理を行う。
【0024】
車内マイク216は、自動車内に設けられており、車内の運転手や同乗者の音声を電気信号に変換して制御部211に出力する。
【0025】
車内撮影用カメラ217は、自動車内に設けられており、運転手や同乗者を撮影した画像を制御部211に出力する。制御部211は、車内撮影用カメラ217の撮影した画像と及び車内マイク216に入力された音声の少なくとも何れか一方に基づき、発話した者を特定することができる。
【0026】
スピーカー218は、自動車内に設けられており、制御部211の制御のもと、音声を出力する。
【0027】
制御部211は、電子メールサーバを介して電子メールの受信及び送信を行う。制御部211は、ユーザ宛(ユーザの電子メールアドレス宛)の電子メールを受信した場合に、当該電子メールが音声で回答できるか否かを判別し、音声で回答できる場合には、電子メールを音声で出力する(読み上げる)。
【0028】
制御部211は、受信した電子メールに添付データが添付されている場合に当該電子メールが音声で回答できないと判別し、添付データが添付されていない場合に当該電子メールが音声で回答できると判別することとしてもよい。
【0029】
また、制御部211は、受信した電子メールに添付できないようなデータ(例えば、データサイズが大きなデータ等)が記憶されている位置を示すリンク情報が含まれている場合に当該電子メールは音声で回答できないと判別し、当該リンク情報が含まれていない場合に当該電子メールが音声で回答できると判別することとしてもよい。
【0030】
さらに、制御部211は、受信した電子メールに添付される添付データ、又は、受信した電子メールに含まれるリンク情報が示す位置に記憶されているデータをユーザが確認することを求めるテキスト(例えば、「添付データを確認して回答をください」、「リンク先からデータをダウンロードして確認ください」)が含まれる場合に、当該電子メールは音声で回答できないと判別することとしてもよい。
【0031】
さらにまた、制御部211は、受信した電子メールがデータをユーザ以外の者が確認することを求める電子メールである場合(例えば、CC(Carbon Copy)又はBCC(Blind Carbon Copy)にユーザの電子メールアドレスが設定されている場合)には、電子メールを音声で出力しないこととしてもよい。なお、この処理についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ制御部211がこの処理を実行することとしてもよい。
【0032】
さらにまた、制御部211は、受信した電子メールが音声で回答できると判別し、電子メールを音声で出力した場合において、ユーザの音声により当該電子メールに対する回答(返信)内容が入力された場合には、当該音声に基づいて返信用の電子メールを作成し、受信した電子メールの送信元に送信する。例えば、制御部211は、ユーザの音声をテキストに変換し、変換したテキストを本文とし、受信した電子メールの送信元を宛先とする電子メールを作成して送信する。
【0033】
なお、制御部211は、ユーザの音声に基づいて生成したテキストを、更に、受信した電子メールの送信元に応じた形式に変換し、当該形式に変換したテキストを本文とする返信用の電子メールを作成することとしてもよい。送信元に応じた形式に変換することの一例としては、送信者に応じた言葉遣いに変換することが挙げられる。例えば、制御部211は、送信元が顧客等の敬語を用いるべき相手である場合には、敬語に変換したテキストを本文とする電子メールを作成する。
【0034】
[2.電子メール読み上げ処理]
次に、
図3を用いて、電子メール読み上げ装置200による電子メール読み上げ処理について説明する。
【0035】
まず、制御部211は、ユーザの電子メールアドレス宛の電子メールを電子メールサーバから取得する(ステップS101)。
【0036】
次に、制御部211は、ステップS101の処理で取得した電子メールについて、ユーザの電子メールアドレスがCC(又はBCC)に設定されているか否かを判定する(ステップS102)。なお、上述したようにステップS102の処理についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ制御部211が実行することとしてもよい。制御部211は、ユーザの電子メールアドレスがCC(又はBCC)に設定されていると判定した場合には(ステップS102:YES)、電子メール読み上げ処理を終了する。一方、制御部211は、ユーザの電子メールアドレスがCC(又はBCC)に設定されていないと判定した場合には(ステップS102:NO)、
図4を用いて後述する音声応答可否判別処理(ステップS103)に移行する。
【0037】
制御部211は、音声応答可否判別処理(ステップS103)に次いで、音声応答可否フラグがオンに設定されているか否かを判定する(ステップS104)。制御部211は、音声応答可否フラグがオンに設定されていない(音声応答不可)と判定した場合には(ステップS104:NO)、電子メール読み上げ処理を終了する。一方、制御部211は、音声応答可否フラグがオンに設定されている(音声応答可)と判定した場合には(ステップS104:YES)、ステップS101の処理で取得した電子メールを読み上げる(ステップS105)。読み上げるのは、電子メールの本文だけでもよいし、宛先と本文であってもよい。
【0038】
次に、制御部211は、返信用の電子メールの本文に相当する、車内マイク216に入力されたユーザの音声に基づいて、返信用の電子メールを作成する(ステップS106)。例えば、制御部211は、返信用の電子メールの本文に相当する音声の入力を促すメッセージ(例えば、「返信メッセージを音声入力してください」)をスピーカー220から出力し、所定時間内に車内マイク216に入力されたユーザの音声をテキストに変換して、返信用の電子メールの本文とする。このとき、上述したように、ステップS101の処理で取得した電子メールの送信元に応じた言葉遣いに変換してもよい。なお、返信用の電子メールの宛先はステップS101の処理で取得した電子メールの送信元とする。
【0039】
次に、制御部211は、ステップS106の処理で作成した返信用の電子メールを送信して(ステップS107)、電子メール読み上げ処理を終了する。
[3.音声応答可否判別処理]
次に、
図4を用いて、電子メール読み上げ装置200による音声応答可否判別処理について説明する。なお、音声応答可否判別処理は、上述した電子メール読み上げ処理におけるステップS103に相当する処理である。
【0040】
まず、制御部211は、音声応答可否フラグをオフに設定する(ステップS131)。
【0041】
次に、制御部211は、ステップS101の処理で取得した電子メールにデータが添付されているか否かを判定する(ステップS132)。制御部211は、電子メールにデータが添付されていると判定した場合には(ステップS132:YES)、音声応答可否判別処理を終了する。一方、制御部211は、電子メールにデータが添付されていないと判定した場合には(ステップS132:NO)、ステップS133の処理に移行する。なお、制御部211は、ステップ132の処理において、電子メールにデータが添付されており、且つ、当該電子メールに当該データをユーザが確認することを求めるテキストが含まれている場合に「YES」と判定することとし、一方、電子メールにデータが添付されており、且つ、当該電子メールに当該データをユーザが確認することを求めるテキストが含まれていない場合に「NO」と判定することとしても良い。
【0042】
次に、制御部211は、ステップS101の処理で取得した電子メールにデータの位置を示すリンク情報が含まれているか否かを判定する(ステップS133)。制御部211は、電子メールにリンク情報が含まれていると判定した場合には(ステップS133:YES)、音声応答可否判別処理を終了する。一方、制御部211は、電子メールにリンク情報が含まれていないと判定した場合には(ステップS133:NO)、ステップS134の処理に移行する。なお、制御部211は、ステップ133の処理において、電子メールにリンク情報が含まれており、且つ、当該電子メールに当該データをユーザが確認することを求めるテキストが含まれている場合に「YES」と判定することとし、一方、電子メールにリンク情報が含まれており、且つ、当該電子メールに当該データをユーザが確認することを求めるテキストが含まれていない場合に「NO」と判定することとしても良い。
【0043】
次に、制御部211は、音声応答可否フラグをオンに設定し(ステップS134)、音声応答可否判別処理を終了する。
【0044】
以上説明したように、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211(「取得手段」、「判別手段」、「出力手段」の一例)が、ユーザ宛の電子メール(「電子メッセージ」の一例)を取得し、当該電子メールが音声で回答できる電子メールであるか否かを判別し、当該電子メールが音声で回答できる場合には、電子メールを読み上げる(「音声で出力する」の一例)。
【0045】
したがって、本実施例における電子メール読み上げ装置200によれば、ユーザ宛の電子メールが音声で回答できる場合に電子メールが読み上げられることから、ユーザ宛の電子メールが受信される度に当該電子メールが読み上げられることなく、ユーザに煩わしさを与えることを防止できる。
【0046】
また、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211が、電子メールにデータが添付されている場合に、当該電子メールが音声で回答できる電子メールではないと判別する。また、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211が、電子メールにデータの位置を示すリンク情報(「位置情報」の一例)が含まれている場合に、当該電子メールが音声で回答できる電子メールではないと判別する。これらにより、ユーザにデータの確認を求めている可能性の高い電子メール(容易に返信ができない電子メール)が読み上げられることがなく、ユーザに煩わしさを与えることを防止できる。
【0047】
さらに、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211が、電子メールがデータを確認することを求めるテキストを含む場合に、当該電子メッセージが音声で回答できる電子メッセージではないと判別することとしてもよい。これにより、ユーザにデータの確認を求めている電子メール(容易に返信ができない電子メール)が読み上げられることがなく、ユーザに煩わしさを与えることを防止できる。
【0048】
さらに、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211が、電子メールがデータをユーザ以外の者が確認することを求める電子メールである場合に、電子メールを読み上げない。例えば、制御部211は、ユーザ宛ではない電子メールは読み上げない。これにより、ユーザが返信する必要の無い電子メールが読み上げられることがなく、ユーザに煩わしさを与えることを防止できる。
【0049】
さらにまた、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211(「作成手段」、「送信手段」の一例)が、ユーザの音声により電子メールに対する回答が入力された場合に、当該音声に基づいて返信用の電子メールを作成し、取得した電子メールの送信元に、作成した返信用の電子メールを送信する。これにより、ユーザは自動車の運転中など、端末を指で操作して返信用のメールを作成することが困難な場合であっても、音声により返信用の電子メールを作成して送信することができる。
【0050】
さらにまた、本実施例における電子メール読み上げ装置200は、制御部211が、ユーザの音声に対応するテキストを送信元に応じた言葉遣い(「形式」の一例)に変換したテキストに基づいて、返信用の電子メールを作成することができる。これにより、ユーザは自動車の運転中など、言葉遣いを気にして返信用の電子メールを作成する余裕がない場合であっても、言葉遣いを気にせずに容易に返信用の電子メールを作成して送信することができる。
【0051】
なお、本実施例では、制御部211がステップS101からステップS107の処理や、ステップS131からステップS134の処理を実行することとしたが、電子メール読み上げ装置200と外部のサーバが連携してこれらの処理を分担して行うこととしてもよい。
【0052】
また、本実施例では、電子メッセージの一例として電子メールの場合について説明したが、LINE(登録商標)等のメッセージアプリケーションにおける電子メッセージについても適用することができる。
【0053】
[4.電子メール読み上げ処理の変形例]
次に、
図5を用いて、電子メール読み上げ装置200による電子メール読み上げ処理の変形例について説明する。
【0054】
まず、制御部211は、ユーザの電子メールアドレス宛の電子メールを電子メールサーバから取得する(ステップS201)。
【0055】
次に、制御部211は、
図4を用いて上述した音声応答可否判別処理(ステップS202)を実行する。
【0056】
制御部211は、音声応答可否判別処理(ステップS202)に次いで、音声応答可否フラグがオンに設定されているか否かを判定する(ステップS203)。制御部211は、音声応答可否フラグがオンに設定されていない(音声応答不可)と判定した場合には(ステップS203:NO)、音声応答不可能時処理を実行し(ステップS205)、電子メール読み上げ処理を終了する。一方、制御部211は、音声応答可否フラグがオンに設定されている(音声応答可)と判定した場合には(ステップS203:YES)、音声応答可能時処理を実行し(ステップS204)、電子メール読み上げ処理を終了する。
【0057】
なお、電子メール読み上げ処理の変形例についても、
図3のステップS102の処理を適宜追加することとしてもよい。例えば、ステップS201とステップS202の間に、
図3のステップS102の処理を追加し、制御部211は「YES」と判定した場合にメール読み上げ処理を終了し、「NO」と判定した場合にステップS202の処理に移行することとしてもよい。
【0058】
[5.音声応答可能時処理]
次に、
図6を用いて、電子メール読み上げ装置200による音声応答可能時処理について説明する。なお、音声応答可能時処理は、上述した電子メール読み上げ処理の変形例におけるステップS204に相当する処理である。
【0059】
まず、制御部211は、ユーザに読み上げの要否を確認する(ステップS231)。例えば、制御部211は、「Aさんから、音声で応答可能な電子メールを受信しました。本文を読み上げますか」といったメッセージをスピーカー220から出力する。そして、制御部211は、ユーザから読み上げの要否についての回答を受け付ける。例えば、制御部211は、ユーザによる「読み上げて」といった音声が検出された場合に「読み上げ必要」と判定し、ユーザによる「読み上げなくてよい」といった音声が検出された場合に「読み上げ不要」と判定する。
【0060】
次に、制御部211は、読み上げが必要でないと判定した場合には(ステップS232:NO)、音声応答可能時処理を終了する。一方、制御部211は、読み上げが必要であると判定した場合には(ステップS232:YES)、ステップS201の処理で取得した電子メールの本文を読み上げる(ステップS233)。
【0061】
次に、制御部211は、ユーザに回答の要否を確認する(ステップS234)。例えば、制御部211は、「本文を作成して回答しますか」といったメッセージをスピーカー220から出力する。そして、制御部211は、ユーザから回答の要否についての回答を受け付ける。例えば、制御部211は、ユーザによる「回答するよ」といった音声が検出された場合に「回答必要」と判定し、ユーザによる「回答しないよ」といった音声が検出された場合に「回答不要」と判定する。
【0062】
次に、制御部211は、回答が必要でないと判定した場合には(ステップS235:NO)、確認済みである旨を示す電子メールを作成して送信元に対して自動返信し(ステップS237)、音声応答可能時処理を終了する。なお、ステップS237の処理についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ制御部211がステップS237の処理を実行することとしてもよい。
【0063】
一方、制御部211は、回答が必要であると判定した場合には(ステップS235:YES)、次いで、回答時期を確認する(ステップS236)。例えば、制御部211は、「すぐに回答しますか、それとも降車後に回答しますか」といったメッセージをスピーカー220から出力する。そして、制御部211は、ユーザから回答時期についての回答を受け付ける。例えば、制御部211は、ユーザによる「すぐに回答するよ」といった音声が検出された場合に「即時回答」と判定し、ユーザによる「降車後に回答するよ」といった音声が検出された場合に「降車後回答」と判定する。
【0064】
次に、制御部211は、回答時期は即時回答であると判定した場合には(ステップS235:即時)、返信用の電子メールの本文に相当する、車内マイク216に入力されたユーザの音声に基づいて、返信用の電子メールを作成し(ステップS239)、作成した返信用の電子メールを送信して(ステップS240)、電子メール読み上げ処理を終了する。なお、ステップS239及びステップS240の処理は
図3のステップS106及びステップS107の処理と同様である。
【0065】
一方、制御部211は、回答時期は降車後回答であると判定した場合には(ステップS235:降車後)、降車後回答処理を実行し(ステップS241)、電子メール読み上げ処理を終了する。降車後回答処理では、制御部211は、データを確認済みであることと、降車後に折り返し連絡する旨を示す電子メールを作成して送信元に対して自動返信する。なお、この自動返信処理についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ制御部211が自動返信処理を実行することとしてもよい。また、制御部211は、降車時に、折り返し連絡すべき旨の通知をユーザにすることとしてもよい。当該通知についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ当該通知を行うこととしてもよい。
【0066】
[6.音声応答不可能時処理]
次に、
図7を用いて、電子メール読み上げ装置200による音声応答不可能時処理について説明する。なお、音声応答不可能時処理は、上述した電子メール読み上げ処理の変形例におけるステップS205に相当する処理である。
【0067】
まず、制御部211は、確認の要否を確認する(ステップS251)。例えば、制御部211は、「Aさんから、データが添付された電子メールを受信しましたが確認しますか」といったメッセージをスピーカー220から出力する。そして、制御部211は、ユーザから確認の要否についての回答を受け付ける。例えば、制御部211は、ユーザによる「確認するよ」といった音声が検出された場合に「確認必要」と判定し、ユーザによる「確認しなくてよいよ」といった音声が検出された場合に「確認不要」と判定する。
【0068】
次に、制御部211は、確認不要であると判定した場合には(ステップS252:NO)、音声応答不可能時処理を終了する。
【0069】
一方、制御部211は、確認必要であると判定した場合には(ステップS252:YES)、次いで、確認時期を確認する(ステップS253)。例えば、制御部211は、「すぐに確認しますか、それとも降車後に確認しますか」といったメッセージをスピーカー220から出力する。そして、制御部211は、ユーザから確認時期についての回答を受け付ける。例えば、制御部211は、ユーザによる「すぐに確認するよ」といった音声が検出された場合に「即時確認」と判定し、ユーザによる「降車後に確認するよ」といった音声が検出された場合に「降車後確認」と判定する。
【0070】
次に、制御部211は、確認時期は即時確認であると判定した場合には(ステップS254:即時)、即時確認処理を実行し(ステップS255)、音声応答不可能時処理を終了する。即時確認処理では、制御部211は、運転中のため駐車後に確認して折り返し回答する旨を示す電子メールを作成して送信元に対して自動返信する。なお、この自動返信処理についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ制御部211が自動返信処理を実行することとしてもよい。次いで、制御部211は、現在地から近い駐車可能な場所(店舗、駐車場、路上駐車可能地域等)を提示し、ユーザが選択した場所までの経路を案内する。
【0071】
一方、制御部211は、確認時期は降車後確認であると判定した場合には(ステップS254:降車後)、降車後確認処理を実行し(ステップS256)、音声応答不可能時処理を終了する。降車後確認処理では、制御部211は、運転中のため降車後に確認して折り返し回答する旨を示す電子メールを作成して送信元に対して自動返信する。なお、この自動返信処理についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ制御部211が自動返信処理を実行することとしてもよい。また、制御部211は、降車時に、折り返し連絡すべき旨の通知をユーザにすることとしてもよい。当該通知についてはオプションを選択できるようにしておき、ユーザが当該オプションを選択している場合にのみ当該通知を行うこととしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
100 :電子メール読み上げ装置
101 :取得手段
102 :判別手段
103 :出力手段
200 :電子メール読み上げ装置
211 :制御部
211a :CPU
211b :ROM
211c :RAM
212 :記憶部
213 :通信部
214 :表示ユニット
214a :グラフィックスコントローラ
214b :バッファメモリ
215 :タッチパネル
216 :車内マイク
217 :車内撮影用カメラ
218 :スピーカー